JP4258293B2 - 投射型映像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型液晶パネルあるいは反射型映像表示素子などのライトバルブ素子を使用して、スクリーン上に映像を投影する投射装置、例えば、液晶プロジェクタ装置や、反射式映像表示プロジェクタ装置、投射型ディスプレイ装置等の投射型映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からの投射型映像表示装置の構成として、偏光変換素子とライトパイプを組み合わせて用いた投射型映像表示装置が下記特許文献1に、回折光学素子の色分散性能を利用して単板パネルのカラーフィルタとした投射型映像表示装置の構成が下記特許文献2に、回折光学素子の偏光分離特性を偏光変換素子として用いた投射型映像表示装置の構成が下記特許文献3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−131647号公報
【特許文献2】
特開平8−240717号公報
【特許文献3】
特開2000−292745号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
投射型映像表示装置において、高輝度化と小型化が重要な課題である。一般的にリフレクタが大きいほど、また、パネルが大きいほど、プロジェクタは明るくなるが、セットサイズも大きくなる。すなわち、従来より、高輝度化と小型化の両立と云う課題があった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、高輝度化と小型化を実現する投射型映像表示装置を提供することに有る。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、光を放射する光源ユニットと、前記光源ユニットからの光を映像表示素子に照射させる照明光学系と、映像信号に応じた光学像を形成するライトバルブ手段である映像表示素子と、前記映像表示素子から出射した光を投射する投射手段で構成される投射型映像表示装置であって、照明光学系が略楕円偏光を略直線偏光へ変換する偏光変換素子を有し、該偏光変換素子は2つの光路を有し、一方の光路は偏光分離素子にて反射されて、前記映像表示素子へ向けて出射され、他の一方の光路は偏光分離素子を透過し、略1/2波長位相差板を透過し、反射素子にて反射されて後、前記映像表示素子へ向けて出射されるように構成する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本発明における一実施例の構成図であり、ライトバルブとして反射型映像表示素子13を1枚用いた投射型映像表示装置22を示している。
【0009】
投射型映像表示装置22には光源1aを有する光源ユニット1があり、光源1aは、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色ランプである。光源1aからの発熱により、光源1a及びリフレクタ2は、高温となるため、後方に配置した冷却ファン(図示せず)により、これを冷却している。光源1aの電球から放射される光は楕円面または放物面または非球面のリフレクタ2にて集光されて反射される。本実施例では楕円リフレクタにより集光され、凹レンズ7に入射する。凹レンズ7には、集光した光が入射するので、凹レンズによって、入射角が小さくなって、入射側ライトパイプへと出射される。これにより、反射型映像表示素子13及び検光子たる偏光分離素子への入射角の角度分布を狭くできるので、コントラストを向上できる。
【0010】
入射側ライトパイプ6は、その後端に偏光変換素子3を有している。入射側ライトパイプを経た光は偏光変換素子3に入射する。偏光変換素子3として、偏光分離素子3aと1/2波長位相差板3bと反射ミラー3cを組み合わせたものを用いている。偏光分離素子3aとして、回折効果によりP偏光を透過し、S偏光を反射する反射型偏光板を用いる。ここでは、S偏光は反射型偏光板3aにて反射されて、ライトパイプ5iに入射する。P偏光は反射型偏光板3aを透過し、1/2波長位相差板3bを透過してS偏光に変換されて後、反射ミラー3cにて反射されて、ライトパイプ5hに入射する。本構成により、偏光変換素子の中で90度、光路を折り曲げる機能を有するために、セットサイズを小型化できる。入射側ライトパイプ6は、4面の反射ミラーを接合して作成したミラーパイプにより構成される。
【0011】
入射側ライトパイプは、偏光変換素子3を保持する近傍の壁面も反射ミラーで構成されるため、偏光変換素子を保持する機能と同時に、照度を均一化する機能も有している。これにより、照度を均一にする効果を持つ部分の長さが長くなるため、照度をより均一にできる。あるいは、同程度の照度均一性を得るライトパイプに比較して、長さを短くでき、より装置を小型化できる。また、偏光変換素子3がライトパイプの後にあるため、入射する光を平均化でき、膜や回折面で構成される偏光分離面の光によるダメージを軽減することができる。
【0012】
偏光分離素子と反射ミラーは、ランプからの光軸を基準にすると、入射角が45度より大きく、傾斜している。ここでは、入射角55度であり、ライトパイプへの反射角も55度である。光源ユニット1と反射型映像表示素子13のなす角は110度である。光軸の光を考えると、偏光変換素子から、ライトパイプ5h、5iに、入射角0度で入射する。このように傾斜させることにより、偏光分離素子と反射面の開口を実効的に大きくできるので、効率を向上できる。
【0013】
その後、光は2段のライトパイプ5h、5iに入射し、この2つの出射開口の面積と略同等以上の入射開口面積を持つライトパイプ5jに入射する。本構成により、壁面での反射回数が多くなるので、より短い距離で、照度を平均化できるため、装置の小型化が可能である。ライトパイプ5h、5i、5jはガラスの直方体で作成されたロッドレンズ型のライトパイプである。ライトパイプ5hと5iはライトパイプ5jに貼り付けられている。ライトパイプ5h、5i、5jは同一の部材から作成してもよい。
【0014】
ライトパイプ5jは、反射型映像表示素子13と略同一、あるいは、それより少し大きな出射開口を有している。ライトパイプ5jからの出射像をそのまま、投影する。よって、反射型映像表示素子13へライトパイプ5jの出射像を投影するリレーレンズを不要とできるので、低コスト化可能である。
【0015】
前記表示素子13上の照明光の照射領域は、ライトパイプ5jの出射開口に対して、領域が拡大するため、前記表示素子13より大きな照射領域となる。この照射領域はライトパイプ等の大きさ、位置等のバラツキにより量産時には、前記表示素子13の表示領域に対して上下左右にずれたり、小さくなったりする。よって、量産マージンとして、この照射領域は前記表示素子13より大きくする必要があり、本構成でそれは満たせるので、量産時の歩留まりが良くなり、低コスト化可能である。
【0016】
その後に複数の微小レンズからなるマイクロレンズ35を有し、ライトパイプの出射開口を、反射型映像表示素子13に結像させる。これにより、光の拡散を防ぎ、周辺照度の劣化、及び、明るさの劣化を防止する。マイクロレンズがその性能上、前記表示素子13まで結像させることができない時は、出射開口と反射型映像表示素子の間に結像させて、少しでも、光の拡散を防止する。
【0017】
その出射側に入射偏光板14を配置して、偏光度を向上させてから、電子的色分離手段11に入射する。
【0018】
電子的色分離手段11は、各色用のR偏光回転制御素子、G偏光回転制御素子、B偏光回転制御素子を有し、偏光回転制御素子は、これに電圧を印加しないと、特定波長域の光の偏光軸が変換され、電圧を印加すると光の偏光軸が変換されずにそのまま出射される。これにより、電子的色分離手段11はR、G、Bと順次、各色の偏光を変換する。ここでは、電子的色分離手段11にS偏光で入射するので、GとBを、次のタイミングにBとR、次のタイミングにRとGをP偏光に変換して出射する。本構成により、出射側に配置された偏光ビームスプリッター19により、P偏光は透過し、S偏光は反射型映像表示素子側へ反射されるので、反射型映像表示素子側へはR、G、Bの順で出射される。この色光の照射のタイミングに合わせて、反射型映像表示素子13で各色用の映像を表示する。この各色光の切替のタイミングは180Hz以上と速いので、スクリーン(図示せず)上に投射される映像は、人間の目には、3色の映像が合成されたものとして表示される。
【0019】
入射光が、偏光分離素子にて透過した方向に反射型液晶表示素子13を配置している。前記表示素子13は、表示領域が縦長になるように配置しているので、偏光分離素子19(以下、PBSと略記する)のサイズを小さくできる。これにより、ライトパイプ5から前記表示素子13までの距離を短くできるので、前記表示素子13上での照射領域の拡大を小さくでき、より明るくできる。
【0020】
前記表示素子13は、表示する画素に対応する(例えば横1365画素縦768画素)数の液晶表示部が設けてある。そして、外部より駆動される信号に従って、表示素子13の各画素の偏光角度が変わり、偏光方向の一致した光がPBS19にて検光される。この途中の角度の偏光を持った光は、PBS19の偏光度との関係で、PBS19にて検光される量が決まる。このようにして、外部より入力する信号に従った映像を表示する。この時、前記表示素子13が黒表示を行う場合に、偏光方向は入射光と略同等であり、そのまま入射光路に沿って光源側に戻される。前記表示素子13では、照射される色光に応じた映像が順次、表示される。即ち、R光の時はRの映像情報が、B光の時はBの映像情報が、G光の時はGの映像情報が表示される。
【0021】
前記表示素子13の直前に、コントラストを改善するために、1/4波長位相差板23を回転調整可能な状態で配した。
【0022】
PBS19を透過した光は、例えばズームレンズであるような投射レンズ12を通過し、スクリーンに到達する。前記投射レンズ12により、反射型映像表示素子13に形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。
【0023】
PBS19の投射レンズと対向する壁面19cの位置と、ライトパイプの外形の壁面5jcの位置を略同一とし、これにより、PBSの壁面19cにも、照度を均一化する機能を持たせることができ、できるだけ、光の拡散を防ぎ、明るさを向上させている。壁面19cでは、前記表示素子13からの反射光の内の映像光となる有効光は、壁面に到達する前に膜面19aで反射される。これに対し、非有効光はPBS19を透過し、この壁面で光が反射してもそれが投射レンズ側に入り込むことはない。その他の壁面では、サイズをライトパイプ5の出射開口より大きくして、前記表示素子13からの反射光が膜面にて反射される前に、壁面に到達するのを防いでいる。これにより、反射型映像表示素子13で反射した光が、PBS19の壁面で反射して後、膜面で反射され、投射レンズ12側へ漏れこみ、ゴーストになるのを防止する。
【0024】
図2は、本発明における一実施例の構成図である。
【0025】
光源ユニット1の出射側に配置される入射側ライトパイプ6により、偏光変換素子3への取り込み量を多くして、明るさを向上している。偏光分離素子3aで反射する光路と透過する光路を比較すると、余分に1/2波長位相差板3bと反射ミラー3cを経るために、前者の光路に比べて、後者の光路の方が、出射光量が少ない。反射型映像表示素子上で均等な照度分布を得るには、双方に入射する光が均等な方が望ましい。反射して入射する光量と透過して入射する光量が略等しくなるように楕円リフレクタの焦点を配置する。あるいは、偏光変換素子の中心位置をより後端側にずらし、第2の光路の出射開口より、第1の光路の出射開口を大きくし、照度の均一化を図る。このことにより、短いライトパイプでも、均一な照度分布を有する投射型映像表示装置が得られ、装置の小型化が可能である。
【0026】
ライトパイプ5の出射側に反射型偏光板42を45度傾斜して配置している。ミラーパイプ型のライトパイプ5は、4枚の反射ミラーで、反射面を内側に向けて、長方形状の開口を持つ筒を作成している。ライトパイプの出射面は、反射型偏光板42と略平行な形状を有していて、反射型偏光板42の出射側には反射型映像表示素子13のみが存在する構成である。これにより、ライトパイプ出射面を少しでも、反射型映像表示素子13に近づけて光の拡散を防ぎ、明るさ劣化を防止できる。また、反射型偏光板42の表示素子13側にはライトパイプ5は存在しないため、これによるゴーストの発生も防止することができる。
【0027】
図3は、本発明における一実施例の構成図である。
【0028】
ライトパイプ5の出射側の端面は、45度の角度を有し、そこに偏光分離膜面が形成されている。ここでは、S偏光は偏光分離素子にて反射され、P偏光は偏光分離素子を透過し、略1/2波長位相差板を透過し、反射素子にて反射されて後、入射偏光板14に入射する。偏光変換素子の外形面を研磨し、内部の光が全反射条件を満たして壁面に入射する時、略全反射するようにしてあり、照度を均一化する機能を有している。本構成により、偏光変換素子にても、照度を均一化する機能を果たせるので、ライトパイプ5の長さを短くでき、装置の小型化ができる。また、偏光変換素子の中で90度、光路を折り曲げる機能を有するために、装置の小型化ができる。
【0029】
また、ライトパイプ5と偏光変換素子3は光学的に一体である。これにより、空気との界面でのロスを低減でき、透過率を向上でき、明るくできる。
【0030】
図4は、本発明における一実施例の構成図である。
【0031】
光源ユニット1、ライトパイプ5、透過型映像表示素子13t、投射レンズ12と直線状に並んでいる。入射側ライトパイプ6の後に、両面対向型の偏光変換素子を配置している。その後に、ライトパイプ5を配置し、さらに、入射側偏光板14、前記表示素子13t、出射側偏光板14’、投射レンズ12と直線状に並んでいる。この構成により、光路が折り曲げを有する構成と比較して、筒状の幅と厚さを抑えた細長い筒状の外形のものにすることができる。前記表示素子13tは、内部にRGBのカラーフィルタを有した3色画素構成である。
【0032】
また、足を持つ外枠ケース51に対し、光学系を内蔵する筒型ケース52は、矢印方向に回転可能な構成である。外装ケースの爪51aに対し、筒型ケースの爪52をはめ合い構成として、位置精度を確保している。これにより、投射型映像表示装置を固定した状態で、照射位置の傾きを回転調整可能であるため、ユーザーにとって使いやすい。結像性能を向上させるために、微小レンズを光軸方向に2列並べてもよい。
【0033】
ここでは、電子的色分離手段11に上下方向に色帯をスクロールさせている。その電子的色分離手段の色帯の像をマイクロレンズ35で透過型映像表示素子13tに結像している。マイクロレンズは、1個以上の微小レンズ系で、小さい面積の結像を行い、その微小レンズ系を光軸と略垂直をなす面に多数配置することにより、より大きな面の結像を行うことができる。収差を良くするために、ここでは、光軸方向に2列配置している。
【0034】
従来用いられてきた単レンズを複数用いた結像レンズ群による結像に比べ、距離を短くでき、装置の小型化ができる。前記表示素子13tは上部から下部へ1ライン毎に映像信号を表示する方式にて、駆動しており、電子的色分離手段11の色帯のスクロールに同期させて、その色に対応する映像信号の表示を行っている。これにより、1面が表示し終って色光を照射する方式に比べ、表示時間によるロスを最小にでき、より、装置を明るくできる。
【0035】
図5は、本発明における一実施例の構成図である。
【0036】
ライトパイプ5の後端が45度の角度を有して傾斜しており、そこに偏光分離膜を蒸着して、検光子として、使用する。これにより、空気との界面でのロスを低減でき、透過率を向上でき、明るくできる。反射型映像表示素子13は、内部にRGBのカラーフィルタを有した3色画素構成である。
【0037】
図6は、本発明における一実施例の構成図である。
【0038】
投射型映像表示装置には光源1aを有する光源ユニット1があり、光源1aは、超高圧水銀ランプ等の白色ランプである。光源1aの電球から放射される光は放物面のリフレクタ2にて集光されて反射される。リフレクタの後にUV光をカットするUVフィルタ(図示せず)を配置する。
【0039】
その後に、ホログラム等で構成される回折光学素子44を配置する。前記素子44により、光は入射面積より、より狭い面積に出射される。前記素子44は原理的に角度分散を有するので、前記素子44による出射面積を小さくするために、リフレクタ形状は、出射光の角度が狭い方物面の方が良い。
【0040】
同じ光路長で同じ反射型映像表示素子13に照射される条件では、エタンデューの法則により、入射領域の面積が広いと、入射角が大きくなる。入射角が大きい分、コントラストが低くなる。よって、本実施例を用いて出射面積を狭くするほど、反射型映像表示素子13への入射角度を狭くすることができ、高コントラスト化可能である。
【0041】
また、本構成では、前記素子44により光の面積が小さくなる方向と偏光変換素子3により、面積が拡大される方向が共に反射型液晶表示素子13の横方向である構成とすることにより、偏光変換素子3から出射する光の領域を、より正方形に近くでき、後段のコリメータレンズとコンデンサレンズにより構成される照明レンズ系の長さを短くできるので、セットサイズを小さくできる。
【0042】
この光は偏光変換素子3へ入射する。このプリズム面には偏光分離膜3aが施されており、入射光は、この偏光分離膜3aにてP偏光光とS偏光光に分離される。P偏光光は、そのまま偏光分離膜3aを透過して、このプリズムの出射面に設けられたλ/2位相差板3bにより、偏光方向が90°回転され、反射面で反射してから、出射される。一方、S偏光光は、偏光分離膜3aにより反射され、出射される。即ち、偏光変換素子3からはS偏光の光が出射される。
【0043】
本構成により、偏光変換素子の中で90度、光路を折り曲げる機能を有するために、セットサイズを小型化できる。
【0044】
複数の集光レンズにより構成され、ランプユニットから出射した光を集光して、複数の2次光源像を形成するための第一のアレイレンズ32に入射し、さらに複数の集光レンズにより構成され、前述の複数の2次光源像が形成される近傍に配置され、かつ液晶表示素子13に第一のアレイレンズ32の個々のレンズ像を結像させる第二のアレイレンズ33を通過する。
【0045】
コリメータレンズ34は、正の屈折力を有し、光を集光させる作用を持ち、コンデンサレンズ9を通過して、反射型液晶表示素子13を照射する。
【0046】
図7は、本発明における一実施例の構成図である。
【0047】
投射型映像表示装置には光源1aを有する。光源1aの電球から放射される光は楕円面のリフレクタ2にて集光されて反射される。リフレクタの後にUV光をカットするUVフィルタ(図示せず)を配置する。その後に、RGBの3原色に分離するダイクロイックプリズム36を配置する。G光はダイクロイックプリズムを透過して、ライトパイプ5gにて照度を略均一にされて出射され、G用透過型液晶表示素子13tgに入射する。R光は、ダイクロイックプリズムのR反射面36rで反射されて、ライトパイプ5rにて、照度を略均一にされて出射され、R用透過型液晶表示素子13trに入射する。B光は、ダイクロイックプリズムのB反射面36bで反射されて、ライトパイプ5bにて、照度を略均一にされて出射され、B用透過型液晶表示素子13tbに入射する。3色の液晶表示素子を透過した光はダイクロイックプリズム36’にて色合成されて後、投射レンズ12にて、スクリーンへ拡大投影される。アレイレンズや照明系レンズを不要とできるので、低コスト化できる。また、コリメータレンズ等も用いないので、その分、小型化できる。
【0048】
ここで、ライトパイプの出射開口は透過型映像表示素子の表示領域と略等しいか、量産時の部品の寸法ばらつきを考慮して、少し大きくしてある。
図1から図5及び図7に示した投射型映像表示装置に用いることができる、偏光変換素子3とライトパイプ5の他の実施例を図8に示す。ここでは、ライトパイプ5まで記載してある。以降の構成は各図に同じであり、省略する。本構成には、偏光変換素子の軸とライトパイプの軸がずれている。これにより、ライトパイプ5の対角方向が最も長いため、対角方向に、偏光変換素子3の偏光分離方向を持って来ることにより、偏光分離素子及び入射側ライトパイプのサイズを大きくでき、これにより、光源ユニット1からの、これらへの入射時のケラレを少なくできるので、効率を上げてより明るくできる。例えば、映像表示素子13のアスペクト比が4:3である時、その対角長は、比率で5となる。よって、偏光分離素子及び入射側ライトパイプ6の幅を横幅に合わせた時に比べて1.25倍でき、これにより、明るさを向上できる。ここでは、ほぼ、対角に合わせて、偏光分離素子を配置するので、偏光分離素子3は、ライトパイプ5に対して約37度傾いている。偏光分離素子から出射してくる偏光も約37度傾斜しているので、1/2波長板を、遅相軸18.5度にずらして、ライトパイプ5入射側に貼り付ける
ここでは、偏光変換素子から出てくるP偏光とS偏光は45度と−45度の直線偏光として入射して来る。よって、出射側にそれぞれ、1/2波長位相差板を22.5度と−22.5度の遅相軸に設定して貼り付けることにより、ライトパイプから見て同一の直線偏光へと回転させる。
【0049】
図1から図5及び図7に示した投射型映像表示装置に用いることができる、ライトパイプ5の他の実施例を図9、図10、図11に示す。ここでは、ライトパイプ5まで記載してある。以降の構成は各図に同じであり、省略する。
【0050】
図9(a)に示すライトパイプ5は、互いに屈折率の異なる台形ロッドレンズ5bと三角プリズム5aからなる。屈折率は台形ロッドレンズ5bの方が、三角プリズム5aより大きい硝材を用いている。台形ロッドレンズは出射側に向けて、末広がりの構成を有している。三角プリズムは、逆に、出射側に向けて狭まる構成となっている。三角プリズム5aは台形ロッドレンズ5bの上下を挟む形で、接着剤で接合されている。三角プリズム5aのランプ側の入射面5aaを除いた他の空気との界面には、反射膜がコーティングしてある。全反射条件を満たす光線は、硝材5bの中で内面反射を繰り返すため、5aと5bを同一の硝材で作成した時に比べ、角度成分を小さくできる。一方、5aaから入射した光も、最終的に台形ロッドレンズ5b内に取り込むことができるので、効率向上が可能である。
【0051】
図9(b)に示すライトパイプ5は台形ロッドレンズ5bとそれを囲むミラーパイプ5cからなる。これにより、全反射条件を満たす光線は、台形ロッドレンズ5bの中で内面反射を繰り返すため、台形ロッドレンズ5bとミラーパイプ5cを単一の硝材で作成した時に比べ、角度成分を小さくできる。一方、台形ロッドレンズ5bとミラーパイプ5cの間の開口に入射した光も、最終的に台形ロッドレンズ5b内に取り込むことができるので、効率向上が可能である。
【0052】
図10(a)は、台形ロッドレンズ5bの形状は、略平行であり、三角プリズム5aの入射側の開口が広く、徐々に狭まっている。屈折率は台形ロッドレンズ5bの方が、三角プリズム5aより大きい硝材を用いている。三角プリズム5aのランプ側の入射面5aaを除いた他の空気との界面には、反射膜がコーティングしてある。効果は、図9(a)と同様である。
【0053】
図10(b)は、台形ロッドレンズ5bの形状は、略平行な硝材であり、ミラーパイプ5cと台形ロッドレンズ5bで囲む入射側の開口が広く、徐々に狭まっている。効果は、図9(b)と同様である。
【0054】
図11(a)は、台形ロッドレンズ5bの四面をミラーパイプ5cで囲む構成となっている。図11(b)に、これに用いる台形ロッドレンズ5bを示す。途中までは、縦方向と横方向のどちらにも、側面は末広がりする形状で広がり、途中から、光軸と略平行になる。この略平行部5baにミラーパイプ5cを接合することにより、作成を容易にする。本構成では、縦方向と横方向のどちらにも、図10で説明する効果が得られるので、より大きな効果が得られる。
【0055】
図12(a)(b)に図9(b)に示すライトパイプ内での光線30の動きを、側面から見たものを示す。図12(a)に示すように、台形ロッドレンズ5bとミラーパイプ5cの間の開口から入射した光線30は、台形ロッドレンズ5bの側面から入射し、また、側面から出射すると、ミラーパイプの反射面で反射して、台形ロッドレンズ5bに再入射する。上記過程を繰り返す内に台形ロッドレンズ5bが末広がりの形状を有するため、光線の、台形ロッドレンズ5b壁面への入射角は徐々に大きくなり、やがて、全反射条件に到達し、台形ロッドレンズ5b内で全反射するようになり、最後には、台形ロッドレンズ5bの出射面から出射する。これにより、台形ロッドレンズ5bのみで、ライトパイプを作成した時に比べ、取り込む光を多くでき、明るくできる。また、台形ロッドレンズ内では、末広がりの構成のため、光軸基準の角度成分を、徐々に小さくすることができる。図12(b)に示すようにロッドレンズ5bの前面から入射した光線30は、ロッドレンズ5b内の側面を略全反射して、光軸基準の角度成分を、徐々に小さくして、最後に出射面から出射する。前記表示素子13は、角度成分が小さいほど、高コントラスト化可能であるので、これにより、装置の高コントラスト化が可能である。
【0056】
図1から図5及び図7に示した投射型映像表示装置に用いることができる、ライトパイプ5の他の実施例を図11に示す。ここでは、ライトパイプ5のみ記載してある。他の構成は各図に同じであり、省略する。
【0057】
また、ライトパイプ出射後の光は、略楕円形の照度分布になろうとするので、反射型映像表示装置上での照度分布は中央部分が膨らむ。よって、あらかじめ、図13(a)(b)に示すような、中央が凹んだ出射開口5zを有するライトパイプ5を用いることにより、照度分布の膨張による光の損失を抑えることができるので、明るさを向上できる。
【0058】
上記全ての実施例の光源ユニットとして、赤、橙、緑、シアン、青等のLEDを用いてもよい。これにより、単色の高純度化と小型化ができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により小型化と高輝度化を両立させた投射型映像表示装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図2】本発明の第2番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図3】本発明の第3番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図4】本発明の第4番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図5】本発明の第5番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図6】本発明の第6番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図7】本発明の第6番目の一実施形態を示す投射型液晶表示装置の構成図である。
【図8】本発明に用いる偏光変換素子とライトパイプの一実施形態の構成図である。
【図9】本発明に用いるライトパイプとそれに用いる台形ロッドレンズの一実施形態の構成図である。
【図10】本発明に用いるライトパイプとそれに用いる台形ロッドレンズの他の一実施形態の構成図である。
【図11】本発明に用いるライトパイプとそれに用いる台形ロッドレンズの別の一実施形態の構成図である。
【図12】本発明に用いるライトパイプ内の光線の動きを示した図である。
【図13】本発明に用いるライトパイプの一実施形態の構成図である。
【符号の説明】
1…光源ユニット、1a…光源,2…リフレクタ、3…偏光変換素子、3a…偏光分離素子、3b…1/2波長位相差板、3c…反射ミラー、5、5h、5i、5j…ライトパイプ、5jc…側面、5a…三角プリズム、5aa…入射面、5b…台形ロッドレンズ、5ba…略平行部、5c…ミラーパイプ、5z…出射開口、6…入射側ライトパイプ、7…凹レンズ、9…コンデンサレンズ、10…カラーホイール、11…電子的色分離手段、12…投射レンズ、12’…着脱機構、13…反射型映像表示素子、14…入射偏光板、14´…出射偏光板、15…入射側ライトパイプ、19…偏光分離素子、19a…偏光分離膜、21…電源、22…投射型映像表示装置、23…1/4波長位相差板、25…視野角補償位相差板、26…位相差板、30…光線、32…第1のアレイレンズ、 33…第2のアレイレンズ、34…コリメータレンズ、35…マイクロレンズ、36…ダイクロイックプリズム、37…シャーシ、42…反射型偏光板、43…結像レンズ群、44…回折光学素子。
Claims (3)
- 光を放射する光源ユニットと、
前記光源ユニットからの光を映像表示素子に照射させる照明光学系と、
映像信号に応じた光学像を形成する映像表示素子と、
前記映像表示素子から出射した光を投射する投射手段と、
照明光学系が放射した略楕円偏光を略直線偏光へ変換する偏光変換素子を有する投射型映像表示装置であって、
前記偏光変換素子は前記光源ユニットから放射される光を入射して光の照度を均一化するライトパイプに一体化されるとともに、
前記偏光変換素子は偏光分離素子と 1/2 波長位相差板と反射素子とから構成され、
前記光源ユニットから放射され該ライトパイプの端面から導光された光の S 偏光は前記偏光分離素子で反射して光路を90度折り曲げられ、該ライトパイプの壁面から出射され、
前記光源ユニットから放射され、該ライトパイプの端面から導光された光の P 偏光は前記偏光分離素子で透過し、前記 1/2 波長位相差板で S 偏光に変換され、前記反射素子で反射して光路を90度折り曲げられ、該ライトパイプの壁面から出射されることを特徴とする投射型映像表示装置。 - 請求項1に記載の投射型映像表示装置において、
前記偏光分離素子は、45度の角度を有する該ライトパイプの端面に偏光分離膜として形成され、
該ライトパイプと前記偏光変換素子は光学的に一体に形成されることを特徴とする。 - 請求項1に記載の投射型映像表示装置において、
前記偏光分離素子で反射された光の出射光量と前記反射素子で反射された光の出射光量が略等しくなるように、前記照明光学系の位置を変えることを特徴とする投射型映像表示装置。
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