JP4233345B2 - Biodegradable film manufacturing method and biodegradable film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性フィルム並びにこれを用いた生分解性容器及び生分解性防湿紙に関わり、特に、耐熱水性、及び防湿性を兼ね備えた生分解性フィルム並びにこれを用いた生分解性容器及び生分解性防湿紙に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、環境意識の高まりとともに、食品や日用品等の包装容器に対しても、その廃棄性を考慮し、埋め立てられたり自然環境下に放置されたりしても、微生物等の働きで分解されて土に戻る、生分解性樹脂を用いることが注目されている。また、生分解性樹脂を用いた食品用の包装容器を、食品廃棄物等の有機廃棄物と一緒に堆肥化したり、メタン発酵によってメタンを得る等の検討が行われており、生分解性樹脂を用いた包装容器の実用化と普及が望まれている。
【0003】
包装用の生分解性フィルムに関する従来技術としては、例えば下記特許文献1に記載のフィルムが知られている。このフィルムは、乳酸系ポリマーを主成分とし、これに分子内に2個以上のカルボン酸エステル基を有する可塑剤を所定量含むフィルムである。
ところで、このフィルムは、生分解性は有しているが、防湿性に劣るので、保存に際して防湿性が必要な物品の包装容器等に用いることはできなかった。
【0004】
防湿性を有していないフィルムに防湿性を付与する方法としては、例えば下記特許文献2に記載されているように、ワックスエマルションと合成ゴムエマルションとを塗工してワックスを主体とする防湿層を形成する方法が知られている。しかしながら、このようなワックスを用いた防湿層は、熱成形性がないため、容器を成形した後に塗工や蒸着等の方法で防湿層を形成しなければならず、製造工程が複雑とならざるを得なかった。また、天然ワックス等の生分解性を有するワックスは、融点が85℃以下であるため、スープやインスタントカップ麺等のインスタント食品用の容器のように、保存に必要な防湿性、及び調理や飲食等するときに必要な耐水性、特に耐熱水性が要求される容器の被覆に用いることはできなかった。
また、他に知られている熱成形可能な生分解性フィルムにおいても、透湿度は4〜30g・mm/m2 ・24hrであり、防湿性が要求される食品容器等に用いることができるものではなかった。
【0005】
一方、熱成形可能なフィルムを用いた生分解性の容器に関する従来技術として、例えば下記特許文献3に記載の生分解性容器が知られている。この生分解性容器は、パルプモールド製の容器本体の表面を、分解助剤を付与したポリエチレンフィルムで被覆したものである。
【0006】
しかしながら、この容器は、分解助剤によってポリエチレンフィルムが微細なサイズに分解されるが、ポリエチレン樹脂そのものが化学的に分解されるものではない。
【0007】
【特許文献1】
特許第317869号公報
【特許文献2】
特開昭59−66598号公報
【特許文献3】
特開平11−171238号公報
【0008】
従って、本発明の目的は、防湿性に優れた生分解性フィルム並びにこれを用いた生分解性容器及び生分解性防湿紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二つの生分解性樹脂層の間に生分解性の防湿層を備えている生分解性フィルムを提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明は、生分解性を有する容器本体の表面が、前記本発明の生分解性フィルムで被覆されてなる生分解性容器を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0011】
また、本発明は、生分解性の紙の表面に、前記本発明の生分解性フィルムが被覆されてなる生分解性防湿紙を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記本発明の生分解性防湿紙から形成されてなる生分解性容器を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の生分解性フィルムを、その好ましい実施形態に基づいて説明する。ここで、本発明において、生分解性(フィルム)とは、フィルムを構成する主な成分が生分解性を有することを意味しており、酸化防止剤やスリップ剤等の添加剤や全ての成分にまで生分解性を要することを意味するものではないが、フィルムの構成成分が元々天然物として存在する形態まで分解し得るものであることが好ましい。
【0014】
先ず、本発明の生分解性フィルムについて説明する。
本発明の生分解性フィルムは、二つの生分解性樹脂層の間に生分解性の防湿層を備えている。
【0015】
前記生分解性樹脂層に用いられる樹脂には、脂肪族ポリエステル系、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルとの共重合系、又は脂肪族ポリカーボネート系の樹脂を好ましく用いることができる。該樹脂には、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトンとポリブチレンサクシネートとの混合物若しくは共重合物(PCL/PBS)、ポリヒドロキシブチレートとポリヒドロキシバリレートとの共重合物(PHB/PHV)、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンアジペートとの混合物若しくは共重合物(PBS/PBA)、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンサクシネートとの共重合物(PET/PES)、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンアジペートとの共重合物(PBT/PBA)等の樹脂が挙げられる。前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
二つの前記生分解性樹脂層は、耐熱性を有し、少なくとも一方がさらに耐熱水性を有していることが好ましい。
ここで、該生分解性樹脂層の有する耐熱性とは、水の沸点で該生分解性樹脂層を構成する樹脂自体が溶融しないことをいう。
少なくとも一方の前記生分解性樹脂層の有する耐熱水性とは、該生分解性樹脂層が沸騰したお湯に長時間接したときに、該生分解性樹脂層を構成する樹脂がお湯に溶解したり、該樹脂自体が溶融したりすることによって、該生分解性樹脂層が損傷してお湯等が通過できる様な孔等ができないことをいう。
【0017】
耐熱水性を有する前記生分解性樹脂層に用いられる樹脂には、前記脂肪族ポリエステル系、前記脂肪族ポリエステルと前記芳香族ポリエステルとの共重合系、前記脂肪族ポリカーボネート系の樹脂のうち、PCL及び(PBS/PBA)を除いたもの、セロハンやキトサン等の水不溶性の多糖類、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン、公知のシェラック樹脂を熱硬化させたもの、硬化させたうるしなどの耐熱水性の天然樹脂を用いることもできるが、フィルムの成形性の点から、熱可塑性を有する脂肪族ポリエステル若しくはこれを含む共重合物が好ましい。前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
また、耐熱性を有する前記生分解性樹脂層に用いられる、樹脂としては、耐熱水性を有する前記生分解性樹脂層に用いられる前記樹脂の他に、ポリビニルアルコール樹脂、でん粉等の多糖類、ゼラチン等のたん白質、ポリリンゴ酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等があげられる。そしてこれらの中でも、フィルムの成形性の点から、耐熱水性を有する前記生分解性樹脂層に用いられる樹脂、特に熱可塑性を有する脂肪族ポリエステル樹脂若しくはこれを含む共重合体が好ましい。前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
前記生分解性樹脂層は、実用的な期間で分解する点から、生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
【0020】
前記生分解性樹脂層には、前記各樹脂を製膜し、必要に応じて一軸又は二軸延伸によりフィルム状の形態に成形したものを用いることが好ましい。
前記生分解性樹脂層を形成するときの製膜方法には、カレンダー法、溶融押出法、樹脂溶液又はエマルジョンを塗布後溶媒又は分散媒を蒸発させる方法等の従来からある通常の製膜方法を用いることができる。
【0021】
前記生分解性樹脂層(一つの層)の厚みは、必要に応じて適宜選択することができるが、フィルム強度とフィルムの取扱い性の点からは5〜1000μmであることが好ましく、10〜500μmであることがより好ましい。
【0022】
二つの前記生分解性樹脂層は、同じ樹脂で形成することもでき、それぞれ異なる樹脂で形成することもできる。
二つの前記生分解性樹脂層を異なる樹脂で形成する場合には、融点の異なる樹脂で形成することが好ましい。このように融点の異なる樹脂で二つの生分解性樹脂層を形成することで、後述するように、本発明の生分解性フィルムを容器本体の表面に直接接合させて該表面を被覆する際に、融点の低い樹脂(低融点樹脂)で形成された生分解性樹脂層を該表面に向けて配し、溶融させた低融点樹脂を容器本体に接合させることで該表面を接着性良く被覆することができる。この場合、二つの前記生分解性樹脂層を形成する樹脂の融点の差は、5℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましい。
【0023】
二つの前記生分解性樹脂層の組み合わせは、得られる生分解性フィルムの用途に応じて適宜選択することができる。例えば、生分解性フィルムを真空成形等の方法によって容器形状に成形したり、生分解性容器の内面にラミネートする場合には、前記熱成形性を有する生分解性樹脂層を備えていることが好ましい。また、インスタントカップ麺等の熱湯を注ぎ入れて使用する容器に用いる場合には、二つ前記生分解性樹脂層が耐熱性を有し且つ少なくとも一方の前記生分解性樹脂層が耐熱水性を有していることが好ましい。
【0024】
本発明の生分解性フィルムにおける、前記生分解性の防湿層(以下、単に防湿層ともいう)は、前記熱成形性を得る上で、生分解性を有するワックス(以下、単にワックスともいう。)、ポリビニルアルコール樹脂等を主成分として形成することが好ましく、特に、熱成形が容易な点からワックスが好ましい。
【0025】
前記ワックスには、耐熱性を有する前記生分解性樹脂層に用いられる樹脂と同程度の生分解性を与える点から、その生分解度(JIS K6950又は6953)が30%以上であるものを用いることが好ましく、50%以上であるものを用いることがより好ましく、60%以上のものを用いることがさらに好ましい。
【0026】
また、前記ワックスは、生分解性フィルムの保存安定性の点からその融点が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であるものがより好ましい。なお、ワックスの融点は、JIS K2235−5.3に従って測定される。
【0027】
前記ワックスには、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワックス等を用いることができる。
該植物系ワックスとしては、ライスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス等が挙げられ、これらの中でも前記生分解性樹脂層との接着性及び、融点の高さの点からキャンデリラワックスが好ましい。
該動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリン、鯨ろう等が挙げられ、これらの中でも前記生分解性樹脂層との接着性の点からみつろうが好ましい。
該石油系ワックスとしては、融点が85℃以下のもの、例えば、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等が挙げられ、これらの中でも前記生分解性樹脂層との接着性の点からマイクロクリスタリンワックスが好ましい。
また、合成ワックスであっても、生分解性を有するものは、防湿層として用いることができる。
【0028】
前記防湿層に用いられる前記ワックスには、防湿層の破壊を抑えて得られる生分解性フィルムの剥離強度を高めることができるほか、ワックスの融点以上の温度でも接着性を維持でき、フィルムを折り曲げたとき等にワックス層にクラックが発生すること等を防止して防湿性を保つことができる点から耐熱性を有する生分解性の高分子物質を含ませることが好ましい。
該耐熱性を有する生分解性の高分子物質としては、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン、前述した脂肪族ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの中でも、前記ワックスとの相溶性の点からポリイソプレン又は天然ゴムが好ましいく、天然ゴムを用いる場合には臭いやアレルギーの点から蛋白をできるだけ除去したものを用いることが好ましい。
また、前記ワックスに含ませる前記生分解性の高分子物質の配合量は、生分解性フィルムとの接着力とクラック防止の点から5〜50%であることが好ましいが、防湿性を維持させる点から30重量%以下が好ましく、20重量%であることがより好ましい。
また、生分解性の高分子物質以外の成分(例えば、酸化防止剤等の添加剤や無機フィラー等)を配合することもできる。この場合には、該成分の配合量は、特に防湿性の点で20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることが好ましい。
【0029】
また、前記防湿層は、カップ法(JIS Z0208 条件B)により測定した前記生分解性樹脂層の透湿度よりも低い透湿度を有することが好ましい。
【0030】
前記防湿層の厚みは、実用的な防湿性を与えるとともに高温での生分解性フィルムの強度を維持する点から1〜500μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
【0031】
本発明の生分解性フィルムは、熱成形性を有していることが好ましい。ここで、本発明の生分解性フィルムにおける熱成形性とは、該生分解性フィルムを所定温度に加熱した後、該フィルムの両端を一軸方向に沿って互いに逆方向に引っ張って2倍の長さに引き伸ばしたときに、該生分解性フィルムが破断しないことをいう。
【0032】
生分解性フィルムを熱成形する場合の加熱温度は、使用する生分解性樹脂、防湿層に使用するワックス、熱成形の方法(真空/圧空成形、プレス成形等)により適宜選択する。この加熱温度は、生分解性フィルム全体が適切な厚み分布で成形され、且つ十分な防湿性が得られるよう選択する。フィルムの厚みのムラを抑えることができる加熱温度で熱成形することが、十分な防湿性を得る上で重要である。その条件を満足する加熱温度は、当業者が一般的に行う最適条件化の手法により求めることができる。
【0033】
前記熱成形性の有無の判断においても、実際の成形と同様に良好な結果を得ることができる加熱温度を選択する。該加熱温度の目安としては、例えば、以下の温度範囲で条件を選択することで良好な結果が得られる場合が多い。
前記生分解性樹脂が結晶性樹脂の場合は、DSC測定により得た融解曲線から求めた溶融ピーク温度Tm(℃)に対し、(Tmー40℃)〜(Tm+20℃)の範囲である。ただし、溶融ピーク温度が複数存在する場合には、融解熱量が最も大きな溶融ピークを選択する。
前記生分解性樹脂が非結晶性樹脂の場合は、そのガラス転移温度Tgに対してTg〜Tg+50℃の範囲である。
【0034】
本発明の生分解性フィルムは、現実的な期間での分解を考慮すると、例えば、コンポスト等では2・3ヶ月の期間で分解できる点から、その生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の生分解性フィルムは、カップ法(JIS Z 0208 条件B)により測定した透湿度を厚み1mmのフィルムに換算した値が2g・mm/m2・24hr以下であることが好ましく、1g・mm/m2・24hr以下であることがより好ましい。このように生分解性フィルムの透湿度は、低いほど好ましい。 上記この透湿度の換算値は、透湿度がフィルム厚みに反比例すると仮定し、カップ法で測定した透湿度にフィルム厚みを乗じることにより算出される。
また、本発明の生分解性フィルムは、延伸成形(熱成形を含む。)を行った後、延伸率(面積延伸率)が200〜1000%における、透湿度が2g・mm/m2・24hr以下であることが好ましく、1g・mm/m2・24hr以下であることがより好ましい。
【0036】
本発明の生分解性フィルムは、取扱い性や容器等を被覆した際の強度を考慮すると、後述する実施例により測定される剥離強度が0.1N以上であることが好ましく、1N以上であることがより好ましい。
【0037】
本発明の生分解性フィルムは、フィルム強度及びフィルムの成形性の点からその全厚みが10〜2000μmであることが好ましく、20〜1000μmであることがより好ましい。
【0038】
また、本発明の生分解性フィルムは、二つの前記生分解性樹脂層の間に生分解性の防湿層を備えているものであればよく、さらにその外側に他の生分解性樹脂層を有していてもよい。
【0039】
本発明の生分解性フィルムは、二つの前記生分解性樹脂層の間に生分解性の前記防湿層を備えた形態にできる手法であれば、その製法に特に制限はない。
本発明の生分解性フィルムの製造方法としては、例えば、前記生分解性樹脂層用の樹脂を製膜し、該膜の片面に前記防湿層に用いられる前記ワックス等の均一な膜を形成した後、該ワックスの膜の上にさらに該生分解性樹脂層用の樹脂の膜を重ね合わせて圧着又は熱圧着させて製造する方法が挙げられる。また、このように重ね合わせる以外に、一枚の生分解性樹脂層に部分的に前記防湿層の成分を塗工した後に、該生分解性樹脂層を折り返して二つの生分解性樹脂層の間に前記防湿層を備えた形態とすることもできる。
前記防湿層の形成方法としては、溶融塗工や溶液又はエマルジョン等を塗布後に溶媒を蒸発させる方法、前記防湿層に用いられている前記ワックス等を前記生分解性樹脂フィルムで挟んで熱プレスする方法等の方法が挙げられる。
また、前記生分解性樹脂と前記防湿層に用いられる前記ワックス等を多層の溶融押出法により一度に生分解性フィルムを成形することができる。
【0040】
本発明の生分解性フィルムは、その用途に応じて毎葉又は帯状の形態で提供される。この場合、高温下での保存時等に前記防湿層の成分が外部にもれ出さないように端部が外層の二つの前記生分解性樹脂層どうしで融着されていることが好ましい。具体的には、例えば、毎葉の形態の場合には周縁部、帯状の形態の場合には幅方向両端部において前記生分解性樹脂層どうしが融着されていることが好ましい。該融着処理の方法に特に制限はないが、加圧と同時にインパルスシール処理、溶断シール処理等のシール方法を用いることが好ましい。このように端部において二つの前記生分解性樹脂層どうしの融着処理が施されていることにより、使用するまでの保管期間における防湿層の成分のもれ出しが防止でき、特に、多数枚を重ねたり、ロール状に巻き取って保管する場合に効果的であるほか、実際に使用する場合の取り扱い性に優れたものとなる。
【0041】
本発明の生分解性フィルムの用途は広く、後述する本発明の生分解性容器における容器本体表面の被覆に用いられるほか、各種包装材フィルム、板紙(生分解性の紙)と本発明の生分解性フィルムとをラミネートしたラミネート紙等の生分解性防湿紙、該生分解性防湿紙からカップや箱等の形態に折曲加工や成形した生分解性容器にも用いることができる。
また、本発明の生分解性フィルムをプレス成形や真空成形等により成形して単体で生分解性容器としたり、該容器が内容器に用いられたいわゆるバッグ・イン・ボックスの形態の容器にも用いることもできる。
【0042】
本発明の生分解性のフィルムは、上述のような最終的な使用形態においても、前記その端部から前記防湿層の成分が外部にもれ出さないように上述の二つの生分解性樹脂層どうしの融着処理が施された形態とすることが好ましい。例えば、包装袋やパウチ容器の形態とする場合には、その封止部分において各フィルム端部の二つの前記生分解性樹脂層どうしを融着し、前記成分のもれを防止することが好ましい。また、容器本体に本発明の生分解性フィルムを被覆する容器の場合には、容器を多うように圧空成形や真空成形によってフィルムを成形した後、不要な部分をカットする際に、加圧しながら溶断する等して二つの前記生分解性樹脂層の融着処理を施し、前記成分のもれを防止することが好ましい。さらに、本発明の生分解性フィルムを成形して単体で容器の形態とする場合にも、上記フィルムによる被覆の場合と同様に、不要部分のカット時に加圧しながら溶断する等して二つの前記生分解性樹脂層の融着処理を施すことが好ましい。
【0043】
次に、本発明の生分解性容器について説明する。
本発明の生分解性容器は、液状物や固体を収容することができる構造物一般であり、その形状は問わず、生分解性を有する容器本体の表面に、前記本発明の生分解性フィルムが被覆されてなるものである。また、生分解性容器が熱湯を注ぐ用途等に用いられる場合には、生分解性を有する容器本体の表面に、被覆層として、少なくとも容器本体表面から、耐熱性を有する生分解性樹脂層、生分解性の防湿層、耐熱水性を有する生分解性樹脂層の順で形成された前記本発明の生分解性フィルムが被覆されてなるものである。
【0044】
本発明の生分解性容器においては、前記容器本体は、生分解性を有するものであればその素材に特に制限はないが、容器本体の生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
前記容器本体の素材としては、例えば、天然繊維、生分解性の合成繊維等の繊維、天然高分子、前記生分解性樹脂、及び、これらの混合物等が挙げられる。
該天然繊維としては、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、絹、羊毛等が挙げられる。
該生分解性の合成繊維としては、ポリ乳酸繊維、ビニロン、レーヨン等が挙げられる。
該天然高分子としては、でん粉、たん白質等が挙げられる。
【0045】
前記容器本体は、その形態に特に制限はない。容器本体の形態としては、例えば、カップ、どんぶり、ボトル、皿、鉢、箱、筒等の各種の容器形態が挙げられる。
【0046】
また、前記容器本体は、その製法に特に制限はない。容器本体の製法としては、繊維状の素材に対しては湿式抄造方法、乾式抄造法、抄造シートの組立加工等が挙げられ、非繊維状素材に対しては、射出成形法、ブロー成形法、真空・圧空成形法等が挙げられる。
前記容器本体には、例えば、その素材が前記繊維である場合は、該繊維を含む原料スラリーを湿式抄造した後、脱水、乾燥して容器形態としたものや、該原料スラリーを湿式抄造した後、脱水、乾燥してシート状とし、所定形状にカットし、屈曲し、接合して容器形態としたものを用いることが好ましい。特に、素材がパルプ繊維又はパルプ繊維を主体とするものである場合には、これらの繊維を含むスラリーを湿式抄造した後、脱水、乾燥して容器形態とするパルプモールド法により成形されたものであることが好ましい。
【0047】
本発明の生分解性容器は、前記容器本体の表面に前記本発明の生分解性フィルムが被覆されてなるものである。
該生分解性フィルムで被覆層を形成する部位は、容器の用途、形態等に応じて適宜選択することができる。該被覆層を形成する部位としては、例えば、容器本体の内面、容器本体の外面等が挙げられる。特にカップ等に用いる場合には、少なくとも容器本体の内表面に該被覆層が形成されているものが好ましい。
【0048】
前記容器本体の表面に前記本発明の生分解性フィルムを被覆する場合は、該容器本体の表面と該生分解性フィルムとの間に接着剤を介して接合して被覆することもでき、又は該容器本体の表面と該生分解性フィルムとを直接接合して被覆することもできる。
該容器本体の表面と該生分解性フィルムとを接着剤を介して接合する場合には、用いる該接着剤は、生分解性を有するものであればその組成に特に制限はない。該接着剤は、該生分解性フィルムと同様に、生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が30%以上であるものが好ましく、50%以上であるものがより好ましく、60%以上であるものがさらに好ましい。
該接着剤としては、デンプン、ポリビニルアルコール、にかわ、ゼラチン、カゼイン、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン等が挙げられる。また、該接着剤として、加熱溶融により容器本体に接着させるために容器本体側の生分解性樹脂層よりも融点の低い生分解性樹脂や各種天然樹脂等を用いることもできる。
溶媒の揮散により接着させる接着剤を用いる場合には、接着成分を含む溶液をフィルムと容器本体との何れか一方若しくは両方に塗布することもでき、接着成分をフィルム若しくは容器本体の何れか一方の表面に形成し溶媒を他の一方に塗布することにより接着させることもできる。
該容器本体の表面と該生分解性フィルムとを直接接合する方法としては、例えば、該生分解性フィルムを容器本体の内面に配した後、容器本体をその外面側から加熱した状態で真空成形又は圧空成形を行い、該生分解性フィルムの生分解性樹脂層を該容器本体の内面に融着させる方法等の方法が挙げられる。
【0049】
本発明の生分解性容器は、上述の被覆の方法の他、生分解性を有する容器本体の表面に、前記本発明の生分解性フィルムを被覆できる手法であれば、その製造手法に特に制限はない。
本発明の生分解性容器は、前記容器本体を構成する素材が前記繊維である場合には、その通気性を利用した真空成形法又は圧空成形法によって、該容器本体の表面(例えば内面又は外面)を前記本発明の生分解性フィルムで被覆することで製造することが好ましい。これらの真空成形法及び圧空成形法には、従来から紙容器やパルプモールド容器において用いられている通常の成形法を用いることができる。
【0050】
また、本発明の生分解性容器は、後述する本発明の生分解性防湿紙から形成されてなる生分解性容器を含むものである。該生分解性容器は、該生分解性防湿紙を折曲させて容器形状に組立てることによって製造することができる。
【0051】
本発明の生分解性容器の用途は広く、食品容器のほか、洗剤等の日用品容器、各種工業素材の容器等の各種容器に適用することができる。特に、スープ用カップやインスタント食品容器等の使用時に熱湯を入れる容器や飲料容器、日用品容器等で殺菌等のために内容物が高温充填される液体容器に好適である。
本発明の生分解性フィルムで被覆された本発明の生分解性容器は、用途に応じて、耐熱性や耐熱水性を評価すれば良い。
【0052】
次に、本発明の生分解性防湿紙について説明する。
本発明の生分解性防湿紙は、生分解性の紙の表面に前記本発明の生分解性フィルムが被覆されてなるものである。
前記生分解性の紙には、木材パルプ、非木材パルプを抄紙した紙、非生分解性の素材を含まない再生紙等を用いることができる。
該生分解性の紙の厚みは、用途に応じて適宜設定することができる。
前記生分解性の紙の表面に前記本発明の生分解性フィルムを被覆させる手法は、特に制限はないが、例えば、前記容器本体の表面を前記生分解性フィルムで被覆するときと同様に前記接着剤で接着する方法、前記生分解性の紙と前記生分解性フィルムとをヒートラミネーションによって接合させて被覆する方法等の手法が挙げられる。
【0053】
また、本発明の生分解性容器又は生分解性防湿紙は、前記容器本体の表面又は生分解性の紙の表面に、前記生分解性樹脂層、前記防湿層及び前記生分解性樹脂層をこの順で直接製膜することによって、前記容器本体の表面又は生分解性の紙の表面を前記生分解性フィルムで被覆した形態とすることもできる。これら各層の製膜方法には、前記生分解性樹脂層の場合は、該層に用いられる樹脂溶液又は該樹脂を含むエマルジョンを塗布して乾燥し、溶媒又は分散媒を蒸発させる方法を用いることができ、前記防湿層の場合には、該防湿層に用いられる前記ワックスを溶融塗工したり、該ワックス成分を含む溶液又はエマルジョンを塗布後にその溶媒又は分散媒を蒸発させる方法等がる。
本発明の生分解性防湿紙は、前記本発明の生分解性容器のほか、防湿包装紙、防湿性壁紙に用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明は本実施例に何等制限されるものではない。
【0055】
下記実施例1、2及び3のようにして生分解性フィルムを作製した。そして、得られた生分解性フィルムの生分解性、透湿性、耐熱水性、熱成形性及び剥離強度を調べた。なお、比較例1として、従来から食品容器等の内層に用いられている非生分解性のポリエチレン製のフィルムについて、透湿性、耐熱水性、熱成形性を調べた。それらの結果を表1に示す。
【0056】
次に、下記実施例4のように、下記容器本体の内面を、実施例1の生分解性フィルムで真空成形法により被覆して生分解性容器を作製した。また、下記比較例2及び3のように生分解性容器を作製した。そして、これらの容器の透湿性を下記のように調べた。その結果を表2に示す。
【0057】
〔実施例1〕
<防湿層用のワックスの調製>
溶媒(n−ヘプタン)50cc中に未加硫の天然ゴム(以下、単に天然ゴムという。)1.4gを入れて撹拌し、該天然ゴムを溶解させた後、さらに下記ワックス12.6gを入れて60℃に加熱して撹拌し、該ワックスを溶解させた。そして、80℃の送風乾燥機で前記溶媒を揮散させ、天然ゴムを10重量%含有するワックス(以下、天然ゴム含有ワックスという。)を得た。
ワックス:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋(株)製、「Hi−Mic−1070」
【0058】
<積層工程>
次に、下記生分解性樹脂層用のフィルムを用い、該フィルム上に上記天然ゴム含有ワックス4gをおき、これらを上下から挟むように、シリコーン樹脂で易剥離性処理を施したポリエステルフィルムをその処理面を対向させて重ね合わせ、80℃に設定したヒートプレス機で3.8kgf/cm2の押圧力で1分間加圧し、片面に上記天然ゴム含有ワックスの均一な膜が形成された一次フィルムを得た。そして、上記ポリエステルフィルムを剥がして該天然ゴム含有ワックスの面を露呈させ、該天然ゴム含有ワックス面上に下記生分解性樹脂層用のフィルムをさらに重ね合わせた後、上記同様にポリエチレンフィルムを配し、80℃に設定したヒートプレス機で3.8kgf/cm2の押圧力で1分間加圧し、生分解性樹脂層の間に天然ゴム含有ワックスからなる防湿層を有する全厚み400μmの生分解性フィルムを得た。
生分解性樹脂層用のフィルム:(ポリカプロラクトンとポリエチレンサクシネートとのポリマーブレンド、ダイセル化学(株)製、セルグリーンPHB05、厚さ100μm、20×15cm、融点113℃)
【0059】
〔実施例2〕
防湿層用のワックスに天然ゴムを含ませなかった以外は、実施例1と同様にして全厚み400μmの生分解性フィルムを作製した。
【0060】
〔実施例3〕
実施例1の天然ゴムを下記のポリイソプレンに変更し、ワックスの量を5.6gとしてポリイソプレン20重量%を含有するワックスとした以外は、実施例1と同様にして全厚み400μmの生分解性フィルムを作製した。
【0061】
〔実施例4〕
実施例1の生分解性フィルムの片面に、バーコーターを用いてポリビニルアルコール(PVA、クラレ(株)製、VPB107)の10wt%の水溶液を塗布した後、80℃の送風乾燥機で1時間乾燥し、接着剤層として3μmの厚さのPVA膜を形成した。そして、下記容器本体の内面を水で霧吹きし、該内面に前記フィルムのPVA膜側を向け、真空成形によって該生分解性フィルムを該容器本体の内面に接合して被覆し、カップ形状の生分解性容器を得た。
容器本体の寸法形状:上端開口部内径90mm、底部内径60mm、高さ100mm、内表面積約300cm2
【0062】
〔比較例1〕
厚さ200μmの生分解性の無いポリエチレンフィルムを用い、実施例1、2と同様に評価を行った。
【0063】
〔比較例2〕
実施例3の生分解性フィルムに代えて、厚さ200μmの上記生分解性樹脂層用のフィルムの片側に上記PVA膜を形成したフィルムを用い、上記容器本体の内面を被覆した以外は、実施例3と同様にして生分解性容器を作製した。
【0064】
〔比較例3〕
実施例3の生分解性フィルムに代えて、厚さ150μmのポリエチレン製フィルム(生分解性なし)の片側に上記PVA膜を形成したフィルムを用い、上記容器本体の内面を被覆した以外は、実施例3と同様にして容器を作製した。
【0065】
〔フィルムの透湿度の評価〕
得られた各フィルムについて、カップ法(JIS Z0208)に基づいて、40℃、90%RHの雰囲気で、透湿度を調べた。
【0066】
〔耐熱水性の評価〕
得られた生分解性フィルムを実施例3で用いたのと同じ容器本体に押込んでカップ形状にして窪みを形成した。そして、その窪みの中に常温常圧で沸騰しているお湯を注いで15分間放置した後、お湯の漏れの有無を目視で調べるとともに、防湿層組成物のしみだしの有無を、該防湿層組成物がお湯の水面に浮いているかどうかを目視して調べ、お湯の漏れ及び該防湿層組成物のしみだしの何れもが無いことをもって耐熱水性有りとした。
【0067】
〔熱成形性の評価〕
得られた生分解性フィルムを150mm×150mmの大きさに切断し、100℃に熱したオーブン内で該生分解性フィルムを2分間放置した後、該生分解性フィルムの両端を引張り2倍の長さに引き伸ばした際に、該生分解性フィルムが破断するか否かを調べ、破断しないことをもって熱成形性有りとした。
【0068】
〔剥離強度の評価〕
得られた生分解性フィルムから50×20mmの試験片を作製した。そして、この試験片の長さ方向の一端部側で、重ね合わされた二枚の生分解性樹脂フィルムを約10mm剥がしてそれぞれチャックで挟持し、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロン)で引張速度20mm/分で引っ張ったときの最大引張荷重を求め、これを剥離強度とした。
【0069】
〔容器の透湿性の評価〕
実施例4及び比較例2、3で得られた容器の透湿性を評価するため、各容器に塩化カルシウム50gを入れた後、開口部にガラス板で蓋をし、該ガラス板とカップの開口部との隙間を蝋で固めて密閉した。そして、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に一週間放置し、放置前後の総重量(容器、塩化カルシウム、ロウ、ガラス板)の差から容器の防湿性を評価した。また、真空成形時のフィルムの延伸率を400%(面積)、カップ内面積を0.03m2と仮定し、次式に従って平均透湿度を求めた。
【0070】
【数1】
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
表1に示すように、実施例1、2及び3により得られた生分解性フィルム(本発明品)は、比較例1のフィルムに比して、防湿性、耐熱水性が同等若しくはそれ以上であり、特に、防湿層のワックスに天然ゴムを含有させた実施例1のフィルム及び防湿層のワックスにポリイソプレンを含有させた実施例3のフィルムは、剥離強度が高く、熱成形性に優れていることが確認された。
【0074】
また、表2に示すように、実施例4により得られた生分解性容器(本発明品)は、防湿層を有しないフィルム(比較例2)に比べ高い防湿性を有しており、ポリエチレンフィルム被覆の容器(比較例3)と同等の透湿性を有していることが確認された。
また、容器の平均透湿度は、成形前の生分解性フィルム自体の透湿度に比べて低くなることが確認された。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱水性及び防湿性に優れた生分解性フィルム並びにこれを用いた生分解性容器及び生分解性防湿紙が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a biodegradable film, a biodegradable container using the same, and a biodegradable moisture-proof paper, and more particularly, a biodegradable film having both hot water resistance and moisture resistance and a biodegradable container using the same. And a biodegradable moisture-proof paper.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
In recent years, as environmental awareness has increased, packaging containers for food, daily necessities, etc. have been disassembled by the action of microorganisms, etc., even if they are landfilled or left in the natural environment, taking into account their disposability. Attention has been focused on using biodegradable resins that return to In addition, food packaging containers using biodegradable resin are composted with organic waste such as food waste, and methane is obtained by methane fermentation. Practical use and popularization of packaging containers using cocoons are desired.
[0003]
As a conventional technique related to a biodegradable film for packaging, for example, a film described in Patent Document 1 below is known. This film is a film containing a lactic acid-based polymer as a main component and a predetermined amount of a plasticizer having two or more carboxylic acid ester groups in the molecule.
By the way, although this film has biodegradability, it is inferior in moisture resistance, so it could not be used for packaging containers for articles that require moisture resistance during storage.
[0004]
As a method for imparting moisture resistance to a film having no moisture resistance, for example, as described in Patent Document 2 below, a moisture-proof layer mainly composed of wax by coating a wax emulsion and a synthetic rubber emulsion. A method of forming is known. However, since the moisture-proof layer using such wax does not have thermoformability, the moisture-proof layer must be formed by a method such as coating or vapor deposition after the container is molded, and the manufacturing process is not complicated. Did not get. In addition, biodegradable waxes such as natural waxes have a melting point of 85 ° C. or lower, so that they are moisture-proof and necessary for storage, such as containers for instant foods such as soups and instant cup noodles, and cooking and eating and drinking. It was not possible to use it for the coating of containers that are required to have the required water resistance, especially hot water resistance.
Also, in other known thermoformable biodegradable films, the moisture permeability is 4 to 30 g · mm / m.2 -It was 24 hours, and could not be used for food containers or the like that require moisture resistance.
[0005]
On the other hand, as a conventional technique related to a biodegradable container using a thermoformable film, for example, a biodegradable container described in Patent Document 3 below is known. This biodegradable container is obtained by coating the surface of a container body made of pulp mold with a polyethylene film provided with a decomposition aid.
[0006]
However, in this container, the polyethylene film is decomposed to a fine size by the decomposition aid, but the polyethylene resin itself is not chemically decomposed.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 317869
[Patent Document 2]
JP 59-66598 A
[Patent Document 3]
JP-A-11-171238
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a biodegradable film having excellent moisture resistance, a biodegradable container and a biodegradable moisture-proof paper using the same.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention achieves the above object by providing a biodegradable film having a biodegradable moisture-proof layer between two biodegradable resin layers.
[0010]
Moreover, this invention achieves the said objective by providing the biodegradable container by which the surface of the container main body which has biodegradability is coat | covered with the biodegradable film of the said this invention.
[0011]
The present invention also provides a biodegradable moisture-proof paper in which the surface of biodegradable paper is coated with the biodegradable film of the present invention.
[0012]
The present invention also provides a biodegradable container formed from the biodegradable moisture-proof paper of the present invention.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the biodegradable film of this invention is demonstrated based on the preferable embodiment. Here, in the present invention, biodegradability (film) means that the main components constituting the film have biodegradability, and additives such as antioxidants and slip agents and all components Although it does not mean that biodegradability is required, it is preferable that the constituent components of the film can be decomposed to a form originally existing as a natural product.
[0014]
First, the biodegradable film of the present invention will be described.
The biodegradable film of the present invention includes a biodegradable moisture-proof layer between two biodegradable resin layers.
[0015]
As the resin used for the biodegradable resin layer, an aliphatic polyester-based resin, a copolymer of aliphatic polyester and aromatic polyester, or an aliphatic polycarbonate-based resin can be preferably used. The resin includes polyethylene succinate (PES), polybutylene succinate (PBS), polylactic acid (PLA), polyglycolic acid (PGA), polyhydroxybutyrate (PHB), polycaprolactone (PCL), and polycaprolactone. Mixture or copolymer of polybutylene succinate (PCL / PBS), copolymer of polyhydroxybutyrate and polyhydroxyvalylate (PHB / PHV), mixture or copolymer of polybutylene succinate and polybutylene adipate Examples of the resin include a polymer (PBS / PBA), a copolymer of polyethylene terephthalate and polyethylene succinate (PET / PES), and a copolymer of polybutylene terephthalate and polybutylene adipate (PBT / PBA). Each said resin can be used individually or in combination of 2 or more.
[0016]
It is preferable that the two biodegradable resin layers have heat resistance, and at least one of them has further hot water resistance.
Here, the heat resistance of the biodegradable resin layer means that the resin itself constituting the biodegradable resin layer does not melt at the boiling point of water.
The hot water resistance of at least one of the biodegradable resin layers means that the resin constituting the biodegradable resin layer dissolves in hot water when the biodegradable resin layer is in contact with boiling hot water for a long time. When the resin itself melts, it means that the biodegradable resin layer is damaged and holes or the like through which hot water can pass cannot be formed.
[0017]
Among the resins used for the biodegradable resin layer having hot water resistance, the aliphatic polyester series, the copolymer of the aliphatic polyester and the aromatic polyester, the aliphatic polycarbonate series resin, PCL and (PC / PBA), water-insoluble polysaccharides such as cellophane and chitosan, cellulose derivatives such as cellulose acetate, unvulcanized natural rubber, unvulcanized polyisoprene, and known shellac resins are thermally cured. However, from the viewpoint of film moldability, an aliphatic polyester having thermoplasticity or a copolymer containing the same is preferable. Each said resin can be used individually or in combination of 2 or more.
[0018]
The resin used for the biodegradable resin layer having heat resistance includes, in addition to the resin used for the biodegradable resin layer having hot water resistance, polyvinyl alcohol resin, polysaccharides such as starch, gelatin, etc. And the like, polymalic acid, polyglutamic acid, polyaspartic acid and the like. Among these, from the viewpoint of moldability of the film, a resin used for the biodegradable resin layer having hot water resistance, particularly an aliphatic polyester resin having thermoplasticity or a copolymer containing the same is preferable. Each said resin can be used individually or in combination of 2 or more.
[0019]
The biodegradable resin layer preferably has a degree of biodegradation (aerobic ultimate biodegradation: JIS K 6950 or 6953) of 30% or more, and 50% or more from the viewpoint of decomposing in a practical period. More preferably, it is more preferably 60% or more.
[0020]
As the biodegradable resin layer, it is preferable to use a film obtained by forming each of the resins into a film shape by uniaxial or biaxial stretching as necessary.
Conventional film forming methods such as a calendering method, a melt extrusion method, a method of evaporating a solvent or a dispersion medium after applying a resin solution or an emulsion are used as the film forming method for forming the biodegradable resin layer. Can be used.
[0021]
The thickness of the biodegradable resin layer (one layer) can be appropriately selected as necessary, but is preferably 5 to 1000 μm from the viewpoint of film strength and handleability of the film, and 10 to 500 μm. It is more preferable that
[0022]
The two biodegradable resin layers can be formed of the same resin, or can be formed of different resins.
When the two biodegradable resin layers are formed of different resins, they are preferably formed of resins having different melting points. Thus, by forming two biodegradable resin layers with resins having different melting points, as described later, when the biodegradable film of the present invention is directly bonded to the surface of the container body to cover the surface, A biodegradable resin layer formed of a resin having a low melting point (low melting point resin) is disposed toward the surface, and the molten low melting point resin is bonded to the container body to cover the surface with good adhesiveness. be able to. In this case, the difference between the melting points of the resins forming the two biodegradable resin layers is preferably 5 ° C. or more, and more preferably 15 ° C. or more.
[0023]
The combination of two said biodegradable resin layers can be suitably selected according to the use of the biodegradable film obtained. For example, when the biodegradable film is formed into a container shape by a method such as vacuum forming or laminated on the inner surface of the biodegradable container, the biodegradable film may include the biodegradable resin layer having the thermoformability. preferable. In addition, when used in a container for pouring hot water such as instant cup noodles, the two biodegradable resin layers have heat resistance and at least one of the biodegradable resin layers has hot water resistance. It is preferable.
[0024]
In the biodegradable film of the present invention, the biodegradable moisture-proof layer (hereinafter also simply referred to as a moisture-proof layer) is a biodegradable wax (hereinafter also simply referred to as a wax) in obtaining the thermoformability. ), A polyvinyl alcohol resin or the like as a main component, and a wax is particularly preferable from the viewpoint of easy thermoforming.
[0025]
The wax having a degree of biodegradation (JIS K6950 or 6953) of 30% or more is used in order to provide the same degree of biodegradability as the resin used for the heat-degradable biodegradable resin layer. It is preferable to use 50% or more, and it is more preferable to use 60% or more.
[0026]
The wax preferably has a melting point of 40 ° C. or higher, more preferably 60 ° C. or higher, from the viewpoint of storage stability of the biodegradable film. The melting point of the wax is measured according to JIS K2235-5.3.
[0027]
As the wax, vegetable wax, animal wax, petroleum wax and the like can be used.
Examples of the plant wax include rice wax, carnauba wax, and candelilla wax. Among these, candelilla wax is preferable from the viewpoint of adhesion to the biodegradable resin layer and a high melting point.
Examples of the animal wax include beeswax, lanolin, whale wax and the like. Among these, beeswax is preferable from the viewpoint of adhesion to the biodegradable resin layer.
Examples of the petroleum wax include those having a melting point of 85 ° C. or less, such as microcrystalline wax and paraffin wax. Among these, microcrystalline wax is preferable from the viewpoint of adhesiveness to the biodegradable resin layer.
Moreover, even if it is a synthetic wax, what has biodegradability can be used as a moisture-proof layer.
[0028]
The wax used in the moisture-proof layer can increase the peel strength of the biodegradable film obtained by suppressing the destruction of the moisture-proof layer, and can maintain adhesiveness even at a temperature above the melting point of the wax, and bends the film. It is preferable to include a biodegradable polymer material having heat resistance from the viewpoint that moisture generation can be maintained by preventing cracks from occurring in the wax layer.
Examples of the heat-degradable biodegradable polymer material include unvulcanized natural rubber, unvulcanized polyisoprene, the aforementioned aliphatic polyester resin, and the like. Among these, compatibility with the wax is included. In view of the above, polyisoprene or natural rubber is preferable, and when natural rubber is used, it is preferable to use a product from which protein is removed as much as possible from the viewpoint of odor and allergy.
Further, the blending amount of the biodegradable polymer substance to be included in the wax is preferably 5 to 50% from the viewpoint of adhesion to the biodegradable film and prevention of cracks, but maintains moisture resistance. From the viewpoint, it is preferably 30% by weight or less, and more preferably 20% by weight.
In addition, components other than biodegradable polymer substances (for example, additives such as antioxidants and inorganic fillers) can be blended. In this case, the blending amount of the component is preferably 20% by weight or less, particularly preferably 10% by weight or less from the viewpoint of moisture resistance.
[0029]
Moreover, it is preferable that the said moisture-proof layer has a water vapor transmission rate lower than the water vapor transmission rate of the said biodegradable resin layer measured by the cup method (JIS Z0208 condition B).
[0030]
The thickness of the moisture-proof layer is preferably 1 to 500 μm, more preferably 10 to 100 μm from the viewpoint of providing practical moisture resistance and maintaining the strength of the biodegradable film at high temperature.
[0031]
The biodegradable film of the present invention preferably has thermoformability. Here, the thermoformability in the biodegradable film of the present invention means that the biodegradable film is heated to a predetermined temperature, and then both ends of the film are pulled in opposite directions along a uniaxial direction to double the length. It means that the biodegradable film does not break when stretched.
[0032]
The heating temperature when thermoforming a biodegradable film is appropriately selected depending on the biodegradable resin used, the wax used for the moisture-proof layer, and the thermoforming method (vacuum / pressure air molding, press molding, etc.). The heating temperature is selected so that the entire biodegradable film is molded with an appropriate thickness distribution and sufficient moisture resistance is obtained. Thermoforming at a heating temperature that can suppress unevenness in the thickness of the film is important for obtaining sufficient moisture resistance. A heating temperature satisfying the conditions can be obtained by a technique for optimizing conditions generally performed by those skilled in the art.
[0033]
Also in the determination of the presence or absence of the thermoformability, a heating temperature at which good results can be obtained as in actual molding is selected. As a measure of the heating temperature, for example, good results are often obtained by selecting conditions within the following temperature range.
When the biodegradable resin is a crystalline resin, it is in the range of (Tm−40 ° C.) to (Tm + 20 ° C.) with respect to the melting peak temperature Tm (° C.) determined from the melting curve obtained by DSC measurement. However, when there are a plurality of melting peak temperatures, the melting peak having the largest heat of fusion is selected.
When the said biodegradable resin is an amorphous resin, it is the range of Tg-Tg + 50 degreeC with respect to the glass transition temperature Tg.
[0034]
The biodegradable film of the present invention can be decomposed in a period of 2 to 3 months by compost or the like in consideration of degradation in a realistic period. For example, the biodegradable film (aerobic ultimate biodegradability: JIS K 6950 or 6953) is preferably 30% or more, more preferably 50% or more, and further preferably 60% or more.
[0035]
The biodegradable film of the present invention has a value obtained by converting the moisture permeability measured by the cup method (JIS Z 0208 Condition B) to a film having a thickness of 1 mm, 2 g · mm / m.2・ It is preferably 24 hr or less, 1 g · mm / m2-More preferably, it is 24 hours or less. Thus, the moisture permeability of a biodegradable film is so preferable that it is low. The converted value of the moisture permeability is calculated by multiplying the moisture permeability measured by the cup method by the film thickness, assuming that the moisture permeability is inversely proportional to the film thickness.
In addition, the biodegradable film of the present invention has a moisture permeability of 2 g · mm / m at a stretch rate (area stretch rate) of 200 to 1000% after stretch molding (including thermoforming).2・ It is preferably 24 hr or less, 1 g · mm / m2-More preferably, it is 24 hours or less.
[0036]
The biodegradable film of the present invention preferably has a peel strength of 0.1 N or more, preferably 1 N or more, in consideration of handling properties and strength when coating a container or the like. Is more preferable.
[0037]
The total thickness of the biodegradable film of the present invention is preferably 10 to 2000 μm, more preferably 20 to 1000 μm, from the viewpoint of film strength and film moldability.
[0038]
In addition, the biodegradable film of the present invention may be provided with a biodegradable moisture-proof layer between the two biodegradable resin layers, and another biodegradable resin layer on the outside thereof. You may have.
[0039]
If the biodegradable film of this invention is a method which can be made into the form provided with the said biodegradable moisture-proof layer between the two said biodegradable resin layers, there will be no restriction | limiting in particular in the manufacturing method.
As a method for producing the biodegradable film of the present invention, for example, a resin for the biodegradable resin layer is formed, and a uniform film such as the wax used for the moisture-proof layer is formed on one surface of the film. Thereafter, there may be mentioned a method in which a resin film for the biodegradable resin layer is further superimposed on the wax film, followed by pressure bonding or thermocompression bonding. In addition to superimposing in this way, after partially applying the moisture-proof layer component to a single biodegradable resin layer, the biodegradable resin layer is folded back to form two biodegradable resin layers. It can also be set as the form provided with the said moisture-proof layer in between.
As a method for forming the moisture-proof layer, a method of evaporating a solvent after applying a melt coating or a solution or an emulsion, etc., and hot-pressing the wax used for the moisture-proof layer between the biodegradable resin films Examples of the method include a method.
Moreover, a biodegradable film can be formed at a time by a multilayer melt extrusion method using the biodegradable resin and the wax used for the moisture-proof layer.
[0040]
The biodegradable film of the present invention is provided in a leaf-like or strip-like form depending on its use. In this case, it is preferable that the end portion is fused between the two biodegradable resin layers of the outer layer so that the components of the moisture-proof layer do not leak outside during storage at high temperature. Specifically, for example, it is preferable that the biodegradable resin layers are fused to each other at the peripheral edge in the case of each leaf and at both ends in the width direction in the case of a belt-like shape. The method for the fusion treatment is not particularly limited, but it is preferable to use a sealing method such as an impulse seal treatment or a fusing seal treatment simultaneously with pressurization. As described above, the two biodegradable resin layers are subjected to the fusion treatment at the end portion, thereby preventing the moisture-proof layer from leaking out during the storage period until use. In addition to being effective in the case of stacking or winding up and storing in a roll shape, it is excellent in handleability when actually used.
[0041]
The biodegradable film of the present invention has a wide range of uses. In addition to being used for coating the surface of a container main body in the biodegradable container of the present invention described later, various packaging material films, paperboard (biodegradable paper) and It can also be used for biodegradable moisture-proof paper such as laminated paper laminated with a degradable film, and biodegradable containers that are bent or molded from the biodegradable moisture-proof paper into a cup or box.
In addition, the biodegradable film of the present invention can be molded by press molding, vacuum molding or the like into a single biodegradable container, or a container in the form of a so-called bag-in-box where the container is used as an inner container. It can also be used.
[0042]
The biodegradable film of the present invention has the two biodegradable resin layers described above so that the components of the moisture-proof layer do not leak out from the end portions even in the final use form as described above. It is preferable to have a form in which two fusion processes are performed. For example, in the case of the form of a packaging bag or a pouch container, it is preferable that the two biodegradable resin layers at the end of each film are fused together at the sealing portion to prevent leakage of the components. . In addition, in the case of a container in which the biodegradable film of the present invention is coated on the container body, after forming the film by pressure forming or vacuum forming so that there are many containers, it is pressurized when cutting unnecessary portions. It is preferable that the two biodegradable resin layers are subjected to a fusion treatment, for example, by fusing to prevent leakage of the components. Furthermore, even when the biodegradable film of the present invention is molded into a single container, as in the case of coating with the film, the two above-mentioned ones may be cut by pressurizing while cutting unnecessary portions. It is preferable to perform a fusion treatment of the biodegradable resin layer.
[0043]
Next, the biodegradable container of the present invention will be described.
The biodegradable container of the present invention is generally a structure capable of containing a liquid or solid, and the biodegradable film of the present invention is formed on the surface of the biodegradable container body regardless of its shape. Is coated. In addition, when the biodegradable container is used for applications such as pouring hot water, on the surface of the container body having biodegradability, as a coating layer, at least from the container body surface, a biodegradable resin layer having heat resistance, The biodegradable film of the present invention formed by coating a biodegradable moisture-proof layer and a biodegradable resin layer having hot water resistance in this order is coated.
[0044]
In the biodegradable container of the present invention, the container body is not particularly limited as long as it has biodegradability, but the biodegradability of the container body (aerobic ultimate biodegradation degree: JIS K). 6950 or 6953) is preferably 30% or more, more preferably 50% or more, and further preferably 60% or more.
Examples of the material of the container body include natural fibers, fibers such as biodegradable synthetic fibers, natural polymers, the biodegradable resins, and mixtures thereof.
Examples of the natural fiber include wood pulp fiber, non-wood pulp fiber, silk, and wool.
Examples of the biodegradable synthetic fiber include polylactic acid fiber, vinylon, and rayon.
Examples of the natural polymer include starch and protein.
[0045]
There is no restriction | limiting in particular in the form of the said container main body. As a form of a container main body, various container forms, such as a cup, a bowl, a bottle, a dish, a bowl, a box, a cylinder, are mentioned, for example.
[0046]
Moreover, there is no restriction | limiting in particular in the manufacturing method of the said container main body. Examples of the manufacturing method of the container body include a wet papermaking method, a dry papermaking method, and a papermaking sheet assembly process for a fibrous material, and an injection molding method, a blow molding method, and the like for a non-fibrous material. Examples include vacuum / compressed air forming.
For example, in the case where the material is the fiber, the container main body is formed into a container by dewatering and drying the raw material slurry containing the fiber, or after the raw material slurry is wet formed. It is preferable to use a sheet that is dehydrated and dried into a sheet, cut into a predetermined shape, bent, and joined to form a container. In particular, when the raw material is mainly pulp fiber or pulp fiber, it is formed by a pulp molding method in which a slurry containing these fibers is subjected to wet papermaking and then dehydrated and dried to form a container. Preferably there is.
[0047]
In the biodegradable container of the present invention, the surface of the container main body is coated with the biodegradable film of the present invention.
The site where the coating layer is formed with the biodegradable film can be appropriately selected according to the use and form of the container. As a site | part which forms this coating layer, the inner surface of a container main body, the outer surface of a container main body, etc. are mentioned, for example. In particular, when used for a cup or the like, it is preferable that the coating layer is formed on at least the inner surface of the container body.
[0048]
When the surface of the container main body is coated with the biodegradable film of the present invention, the surface of the container main body and the biodegradable film may be bonded and bonded via an adhesive, or The surface of the container body and the biodegradable film can be directly bonded and coated.
When the surface of the container main body and the biodegradable film are joined via an adhesive, the composition of the adhesive used is not particularly limited as long as it has biodegradability. The adhesive preferably has a biodegradability (aerobic ultimate biodegradation: JIS K 6950 or 6953) of 30% or more, and more preferably 50% or more, like the biodegradable film. Preferably, it is 60% or more.
Examples of the adhesive include starch, polyvinyl alcohol, glue, gelatin, casein, unvulcanized natural rubber, unvulcanized polyisoprene and the like. In addition, a biodegradable resin having a melting point lower than that of the biodegradable resin layer on the container main body side, various natural resins, or the like can be used as the adhesive in order to adhere to the container main body by heating and melting.
When using an adhesive that adheres by evaporation of the solvent, a solution containing an adhesive component can be applied to either or both of the film and the container body, and the adhesive component can be applied to either the film or the container body. It can also be made to adhere by forming on the surface and applying a solvent to the other.
As a method for directly joining the surface of the container main body and the biodegradable film, for example, after the biodegradable film is arranged on the inner surface of the container main body, the container main body is heated from the outer surface side under vacuum forming. Alternatively, a method such as a method in which pressure forming is performed and the biodegradable resin layer of the biodegradable film is fused to the inner surface of the container main body can be used.
[0049]
The biodegradable container of the present invention is not particularly limited to its production method as long as it is a method capable of coating the biodegradable film of the present invention on the surface of the biodegradable container body in addition to the above-described coating method. There is no.
In the biodegradable container of the present invention, when the material constituting the container main body is the fiber, the surface (for example, the inner surface or the outer surface) of the container main body is formed by a vacuum forming method or a pressure forming method using the air permeability. ) Is preferably coated with the biodegradable film of the present invention. For these vacuum forming methods and pressure forming methods, conventional forming methods conventionally used in paper containers and pulp mold containers can be used.
[0050]
The biodegradable container of the present invention includes a biodegradable container formed from the biodegradable moisture-proof paper of the present invention described later. The biodegradable container can be manufactured by folding the biodegradable moisture-proof paper and assembling it into a container shape.
[0051]
The biodegradable container of the present invention is widely used and can be applied to various containers such as food containers, daily necessities containers such as detergents, and containers of various industrial materials. Particularly, it is suitable for a liquid container in which the contents are filled at a high temperature for sterilization or the like in a container containing hot water, a beverage container, a daily necessities container, or the like when using a soup cup or instant food container.
The biodegradable container of the present invention coated with the biodegradable film of the present invention may be evaluated for heat resistance and hot water resistance depending on the application.
[0052]
Next, the biodegradable moisture-proof paper of the present invention will be described.
The biodegradable moisture-proof paper of the present invention is obtained by coating the biodegradable film of the present invention on the surface of biodegradable paper.
The biodegradable paper may be wood pulp, paper made from non-wood pulp, recycled paper that does not contain non-biodegradable materials, and the like.
The thickness of the biodegradable paper can be appropriately set according to the application.
The method of coating the biodegradable film of the present invention on the surface of the biodegradable paper is not particularly limited, but for example, the same as when the surface of the container body is coated with the biodegradable film. Examples thereof include a method of bonding with an adhesive, and a method of covering the biodegradable paper and the biodegradable film by bonding them by heat lamination.
[0053]
Further, the biodegradable container or the biodegradable moisture-proof paper of the present invention includes the biodegradable resin layer, the moisture-proof layer, and the biodegradable resin layer on the surface of the container body or the surface of the biodegradable paper. By directly forming the film in this order, the surface of the container main body or the surface of the biodegradable paper can be formed in the form covered with the biodegradable film. In the case of the biodegradable resin layer, a method of applying the resin solution used for the layer or an emulsion containing the resin and drying it to evaporate the solvent or the dispersion medium is used as the film forming method for each of these layers. In the case of the moisture-proof layer, there are a method of melt-coating the wax used in the moisture-proof layer, a method of evaporating the solvent or dispersion medium after applying a solution or emulsion containing the wax component, and the like.
The biodegradable moisture-proof paper of the present invention can be used for moisture-proof packaging paper and moisture-proof wallpaper in addition to the biodegradable container of the present invention.
[0054]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In addition, this invention is not restrict | limited to a present Example at all.
[0055]
Biodegradable films were prepared as in Examples 1, 2 and 3 below. And the biodegradability of the obtained biodegradable film, moisture permeability, hot water resistance, thermoformability, and peeling strength were investigated. In addition, as Comparative Example 1, moisture permeability, hot water resistance, and thermoformability of a non-biodegradable polyethylene film conventionally used for an inner layer of a food container or the like were examined. The results are shown in Table 1.
[0056]
Next, as in Example 4 below, the inner surface of the following container body was coated with the biodegradable film of Example 1 by vacuum forming to produce a biodegradable container. In addition, biodegradable containers were prepared as in Comparative Examples 2 and 3 below. And the moisture permeability of these containers was investigated as follows. The results are shown in Table 2.
[0057]
[Example 1]
<Preparation of moisture barrier layer>
In 50 cc of a solvent (n-heptane), 1.4 g of unvulcanized natural rubber (hereinafter simply referred to as natural rubber) is added and stirred to dissolve the natural rubber, and then 12.6 g of the following wax is added. The mixture was heated to 60 ° C. and stirred to dissolve the wax. And the said solvent was volatilized with the ventilation dryer of 80 degreeC, and the wax (henceforth natural rubber containing wax) containing 10 weight% of natural rubber was obtained.
Wax: Microcrystalline wax, manufactured by Nippon Seiwa Co., Ltd., “Hi-Mic-1070”
[0058]
<Lamination process>
Next, using the following film for the biodegradable resin layer, 4 g of the above natural rubber-containing wax is placed on the film, and a polyester film that has been subjected to an easy-release treatment with a silicone resin so as to sandwich them from above and below is used. 3.8 kgf / cm with heat press machine set at 80 ° C.2Was pressed for 1 minute to obtain a primary film in which a uniform film of the natural rubber-containing wax was formed on one side. Then, the polyester film is peeled off to expose the surface of the natural rubber-containing wax, the film for the biodegradable resin layer described below is further superimposed on the natural rubber-containing wax surface, and then the polyethylene film is disposed in the same manner as described above. 3.8 kgf / cm with a heat press set at 80 ° C.2A biodegradable film having a total thickness of 400 μm having a moisture-proof layer made of a natural rubber-containing wax between the biodegradable resin layers was obtained by pressing with a pressing force of 1 min.
Film for biodegradable resin layer: (polymer blend of polycaprolactone and polyethylene succinate, manufactured by Daicel Chemical Industries, Cell Green PHB05, thickness 100 μm, 20 × 15 cm, melting point 113 ° C.)
[0059]
[Example 2]
A biodegradable film having a total thickness of 400 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the rubber for the moisture-proof layer did not contain natural rubber.
[0060]
Example 3
The biodegradation with a total thickness of 400 μm was carried out in the same manner as in Example 1 except that the natural rubber of Example 1 was changed to the following polyisoprene and the amount of wax was 5.6 g and the wax contained 20% by weight of polyisoprene. A conductive film was prepared.
[0061]
Example 4
After applying a 10 wt% aqueous solution of polyvinyl alcohol (PVA, manufactured by Kuraray Co., Ltd., VPB107) to one side of the biodegradable film of Example 1 using a bar coater, it was dried in an air dryer at 80 ° C. for 1 hour. Then, a PVA film having a thickness of 3 μm was formed as an adhesive layer. Then, the inner surface of the following container body is sprayed with water, the PVA film side of the film is directed to the inner surface, and the biodegradable film is bonded to and coated on the inner surface of the container body by vacuum forming. A degradable container was obtained.
Dimension and shape of container body: upper end opening inner diameter 90 mm, bottom inner diameter 60 mm, height 100 mm, inner surface area about 300 cm2
[0062]
[Comparative Example 1]
Evaluation was performed in the same manner as in Examples 1 and 2 using a 200 μm thick non-biodegradable polyethylene film.
[0063]
[Comparative Example 2]
Instead of the biodegradable film of Example 3, a film having the PVA film formed on one side of the film for the biodegradable resin layer having a thickness of 200 μm was used, except that the inner surface of the container body was covered. A biodegradable container was prepared in the same manner as in Example 3.
[0064]
[Comparative Example 3]
Instead of the biodegradable film of Example 3, a film having a PVA film formed on one side of a 150 μm thick polyethylene film (no biodegradable) was used, except that the inner surface of the container body was covered. A container was prepared in the same manner as in Example 3.
[0065]
[Evaluation of moisture permeability of film]
About each obtained film, the water vapor transmission rate was investigated in the atmosphere of 40 degreeC and 90% RH based on the cup method (JISZ0208).
[0066]
[Evaluation of hot water resistance]
The obtained biodegradable film was pushed into the same container body as used in Example 3 to form a cup and to form a recess. And after pouring hot water boiling at room temperature and normal pressure into the hollow and leaving it for 15 minutes, the presence or absence of leakage of the moisture-proof layer composition is visually checked and the moisture-proof layer composition is squeezed out. Whether or not the composition floated on the surface of the hot water was visually examined, and the presence of hot water leakage and no seepage of the moisture-proof layer composition was regarded as having hot water resistance.
[0067]
[Evaluation of thermoformability]
The obtained biodegradable film was cut into a size of 150 mm × 150 mm, and the biodegradable film was left in an oven heated to 100 ° C. for 2 minutes, and then both ends of the biodegradable film were pulled twice. Whether or not the biodegradable film broke when stretched to length was determined to be thermoformable by not breaking.
[0068]
[Evaluation of peel strength]
A test piece of 50 × 20 mm was produced from the obtained biodegradable film. Then, on the one end side in the length direction of the test piece, the two biodegradable resin films superposed are peeled off by about 10 mm and sandwiched by chucks, respectively, and pulled by a tensile tester (Orientec, Tensilon). The maximum tensile load when pulled at a speed of 20 mm / min was determined, and this was taken as the peel strength.
[0069]
[Evaluation of moisture permeability of container]
In order to evaluate the moisture permeability of the container obtained in Example 4 and Comparative Examples 2 and 3, 50 g of calcium chloride was put in each container, and then the opening was covered with a glass plate, and the glass plate and the cup were opened. The gap with the part was sealed with wax. Then, the container was left in a constant temperature and humidity chamber at a temperature of 40 ° C. and a relative humidity of 90% for one week, and the moisture resistance of the container was evaluated from the difference in total weight (container, calcium chloride, wax, glass plate) before and after being left. In addition, the stretch rate of the film during vacuum forming is 400% (area), and the area inside the cup is 0.03 m.2And the average moisture permeability was determined according to the following equation.
[0070]
[Expression 1]
[0071]
[Table 1]
[0072]
[Table 2]
[0073]
As shown in Table 1, the biodegradable films (products of the present invention) obtained in Examples 1, 2, and 3 are equivalent to or higher in moisture resistance and hot water resistance than the film of Comparative Example 1. In particular, the film of Example 1 in which natural rubber is contained in the moisture-proof layer wax and the film of Example 3 in which polyisoprene is contained in the moisture-proof layer wax have high peel strength and excellent thermoformability. It was confirmed that
[0074]
Moreover, as shown in Table 2, the biodegradable container (product of the present invention) obtained in Example 4 has higher moisture resistance than a film having no moisture barrier layer (Comparative Example 2). It was confirmed that the film had a moisture permeability equivalent to that of the film-coated container (Comparative Example 3).
Moreover, it was confirmed that the average moisture permeability of the container is lower than the moisture permeability of the biodegradable film itself before molding.
[0075]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the biodegradable film excellent in hot water resistance and moisture resistance, a biodegradable container using the same, and biodegradable moisture-proof paper are provided.
Claims (7)
溶媒中に前記ワックス及び前記天然ゴムを溶解させた後、該溶媒を揮発させて天然ゴム含有ワックスを得、該天然ゴム含有ワックスを前記生分解性樹脂層上に塗布して前記防湿層を形成する工程を有する生分解性フィルムの製造方法。 A biodegradable moisture-proof layer is provided between two biodegradable resin layers, the moisture-proof layer has a thickness of 10 to 100 μm, and biodegradable wax and biodegradable natural rubber 5 to 50% by weight A biodegradable film containing 2 g · mm / m 2 · 24 hr or less after the film is stretched by thermoforming at an area stretch rate of 200% or more. A manufacturing method of
After the wax and the natural rubber are dissolved in a solvent, the solvent is volatilized to obtain a natural rubber-containing wax, and the natural rubber-containing wax is applied onto the biodegradable resin layer to form the moisture-proof layer. The manufacturing method of the biodegradable film which has a process to do.
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