JP4224669B2 - ハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリーセットと複数の電気部品を内装したバッテリーボックスを搭載したハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガソリンと電気を動力源とするエンジンと電動機を組み合わせたハイブリット自動車が開発され、このハイブリッド自動車は、エンジンで駆動される発電機で発電した電力を貯蔵するためのバッテリーを備え、このバッテリーを電源として電動機を駆動して走行する。
また、ハイブリット自動車のうちガソリンエンジンをベースとする車両に、バッテリーを搭載する場合、バッテリーや他の複数の電気部品はバッテリーボックスで覆うようにして配設されるが、特にバッテリーは重量があるため車体に直接支持されることが多く、外気温の影響を受けやすい。
【0003】
特開平11−113103号公報には、ハイブリット電気自動車において、車体パネルに外気を取入れるファンを設け、そのファンの内側でインバータ格納室のファンと対向する側面を隔壁で仕切ると共に、ファンに対向する隔壁に、この隔壁とは別の隔壁にも通風口を形成し、この通風口にその正面を車体パネルへと下り傾斜する配列の小割り板で遮蔽するルーバを設けたインバータ格納装置が開示されている。
また、特開平9−126617号公報には、複数の電力変換装置例えば車両走行用インバータの放熱を行う沸騰冷却装置の冷媒タンクとボンネットとの間に空気通路を形成して、電力変換装置から発生した熱を冷媒タンクを介して沸騰気化し、気化冷媒は、冷媒タンクの車両後方側に配設される冷媒放熱器や冷媒放熱器と接続された放熱フィンを流れる走行風、あるいは冷却ファンの発生する冷却風により冷却されて液化する電気自動車用放熱装置が開示されている。
さらに、特開平11−180169号公報には、走行用モータあるいは該モータに給電するバッテリーに接続された電気部品を冷却ファンからの冷却風で冷却する電気自動車において、冷却フィンからの冷却風が流れる冷却風通路と、電気部品を収納する電気部品収納室とを隣接させて、電気部品から延びる冷却フィンを冷却風通路内に突出させた電気自動車における電気部品の冷却構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ハイブリット電気自動車は、特にガソリンと電気を動力源として、エンジンで駆動する発電機で発電した電力を貯蔵するためにバッテリーを使用しているが、バッテリーは多種類あり使用頻度等の必要機能及びコスト面を考慮して選択している。バッテリーの種類により性能も変わり、例えば鉛バッテリーは、低温時の充放電特性が著しく悪いので、バッテリーを収納するバッテリーボックスを車体に直接固定して配設すると冬季など外気温が低い季節に車両を外に放置した場合にバッテリーの温度が車外の温度に影響されてしまう。そのためバッテリーが冷却されるとバッテリーの使用時にバッテリーボックスの熱容量との関係で温度上昇に時間がかかりバッテリーの入出力制限によりモータ使用を制限してしまう。
【0005】
また、特開平11−113103号公報のインバータ格納装置、特開平9−126617号公報の電気自動車用放熱装置及び特開平11−180169号公報の電気自動車における電気部品の冷却構造は、バッテリーや電気部品等が直接外気に近接して配設されており外気温の影響を受け易い環境にある。また外気を送風フィンでバッテリーや電気部品に直接または間接的に送風して温度調節を行っているが、送風ファンで形成される空気通路が外気と近接した状態で外気温の影響を受け易い構造となっており、外気温の影響に対する対策は考慮されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、外気温に影響されずバッテリーの温度調整が可能なハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、複数のバッテリーを接続したバッテリーセットと、ヒートシンクを備えた電気部品を含む複数の電気部品とを内装したバッテリーボックスを車室内の後部フロアに搭載したハイブリット自動車のバッテリー搭載装置において、前記バッテリーセットと前記複数の電気部品を前記バッテリーセットの両側に電気部品が位置するように車両幅方向に配設し、また前記バッテリーボックスに空気取入口と空気排出口とを形成して、前記バッテリーセット及び前記電気部品と前記フロアとの間に前記空気取入口と前記空気排出口とを連通する空気通路部を形成すると共に、車両幅方向の一側の前記空気通路部内に前記電気部品のヒートシンクを配置し、前記バッテリーセットと前記ヒートシンクとの間に送風ファンを配設したことを特徴とする。
このように構成することにより、複数のバッテリーを接続してなるバッテリーセット及び複数の電気部品を内装したバッテリーボックスを車両に搭載する際、バッテリーセット及び電気部品とフロアとの間に空気通路部を設け、バッテリーセット及び電気部品を直接車体に固設しないので、バッテリーセット及び電気部品は外気温の影響を受けにくい。さらにバッテリーセット及び電気部品とフロアとの間に空気通路部を設け、この空気通路部内で、バッテリーセットとヒートシンクとの間に送風ファンを配設したので、バッテリーボックス内の空気を攪拌してバッテリー等の温度を調整することができる。
なお、複数の電気部品とは、例えば、リレーボックス及びヒートシンク付きインバータである。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記バッテリーボックスの取付部は、既設のシートまたはシートベルト固定用取付部を介して前記フロアに配設されることを特徴とする。
このように構成することにより、バッテリーボックスの取付部は既存のフロアに設けた既設のシートまたはシートベルト固定用取付部を利用して取付けられるため、部品を共通化して容易に取付けることができる。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記送風ファンは、前記バッテリーの温度変化により送風方向を反転することを特徴とする。
このように構成することにより、送風ファンによりバッテリーの温度が低い時は、ヒートシンクからバッテリーの方向に外気を送風してバッテリーを昇温させ、バッテリーの温度が高い時は、バッテリーからヒートシンク方向に送風することでバッテリー及びインバータの温度を調整し適正に保持することができる。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、前記空気取入口と前記空気排出口は、前記送風ファンを挟んで車両幅方向の離間する位置に配設すると共に、前記バッテリーボックスの車両後方側の壁面を開口して形成したことを特徴とする。
このように構成することにより、空気取入口と空気排出口は、バッテリーセット及び電気部品に対向するバッテリーボックスの車両後方側の壁面を開口して形成して、送風ファンは車両幅方向の両側に配設された空気取入口と空気排出口との間の離れた位置に配設されるので、送風ファンの騒音はこの空気取入口と空気排出口を介して車室内へ伝達されることはない。
【0010】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれかに記載した発明において、前記バッテリーボックス内に、前記送風ファンに連続する仕切壁を設け、前記バッテリーセット側と前記ヒートシンク側とを区画したことを特徴とする。
このように構成することにより、送風ファンの上方にヒートシンク側とバッテリー側とを区画する仕切壁を設けたので、送風ファンで形成された空気の流れの回り込みを防止し、送風時の温度調整効果を向上させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置を図1〜図9に基いて詳細に説明する。
まず、図1及び図2に基いて本発明の実施の形態に係るハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置の概要を説明する。複数のバッテリー1を接続したバッテリーセット2は、後述するバッテリートレイ14に収納されて、車両後方部の通常リアシートが配設されるリアフロア6の直上にバッテリーセット2の長手側を車両幅方向に位置して配設している。バッテリーセット2の車両右方側にリレーボックス3を、バッテリーセット2の車両左方側に送風ファン4及びインバータ5を配設している。
また、バッテリーセット2、送風ファン4、インバータ5及びリレーボックス3を覆うバッテリーボックス10を構成するバッテリーカバー7、8、9が後述するバッテリーボックスステイ15、17、20に配設されている。そして、バッテリーセット2の電源は、バッテリーセット2の長手方向のほぼ中央部の最底部から突出して前方の左右のフロントシートの間で、フロントシートと車体メンバとの間に配設されたパワーケーブル50を介して、エンジンルーム内のアシストモータ51に供給される。
【0012】
図3に基いて複数のバッテリーを接続したバッテリーセットを説明する。
バッテリーセット2は、車両幅方向に各バッテリー1の長手方向を合わせるように4列、また車両前後方向に各バッテリー1の短手方向を合わせるように4列に配列されて合計で16個を接続して配設されている。また、各バッテリー1の上方には、バッテリーホルダ11が車両前後方向に各バッテリー列ごとに配設されている。
バッテリーホルダ11は、断面が凸形状チャネルで形成され、図4に示すバッテリートレイ14に固定する取付ボルト60の挿通孔11aを一定の間隔で5穴形成している。また、各バッテリー1から発生する水素ガスを車外に排出するために管状の水素ガス排気管列52をバッテリーセット2上に配置している。水素ガス排気管列52は、車両前後方向に配置した一列目と三列目のバッテリー列を連通する4本の排気管と、車両前後方向に配置した二列目と四列目のバッテリー列を連通する4本の排気管を、車両幅方向に配置したバッテリーの一列目と二列目との間と、三列目と四列目との間に配置した2本の排気管で連通して構成されている。
【0013】
図3に示すバッテリーセット2を載置するバッテリートレイ14は、図4に示すように、L字形状のアングル材で周囲を長方形状に囲むように外枠部14aを形成し、また、凸形状チャネルで形成された区画壁部14bを、外枠14aの内部を車両前後方向に4つに区画するように3列に配設して車両前後方向の外枠部14aに固着する。区画壁部14bには、取付ボルト60を挿通する挿通孔14fが所定の間隔で4穴形成されている。さらに4つの板状の突起部14cを所定の間隔で配列した区画壁部14dを、外枠部14aの内部を車両幅方向に4つに区画するように3列に配設して車両幅方向の外枠部14aに固着して、外枠部14aの内部に桝目状のバッテリー載置部を形成する。各突起部14cの中央部にはバッテリートレイ14とバッテリーボックスステイ15と連結する取付ボルト61を挿通する挿通孔14eを形成する。外枠部14aの車両前方側と車両後方側には、バッテリーセット2を取付ける取付ボルト60の挿通孔14fを形成した取付フランジ14gが所定の間隔で各4箇所ずつ固着されている。そして、バッテリーホルダ11の各挿通孔11aと、区画壁部14bと取付フランジ14gの各挿通孔14fに合計20本(図4では2本に省略)の取付ボルト60を挿通してバッテリーセット2をバッテリートレイ14に固着する。
【0014】
図4及び図5に示すように、バッテリーボックスステイ15は、車両前方側に凸状に形成された外枠部15aを有しており、バッテリートレイ14を載置するほぼ中央部位はバッテリートレイ14の外枠部14aとほぼ同様の長方形状に形成され、バッテリートレイ14の区画壁部14dと当接するように車両前後方向にC形チャネルで形成された取付部15bが配設されている。この取付部15bには、バッテリートレイ14を固着する取付ボルト61を挿通する挿通孔15cが所定の間隔で4穴形成されている。そして、バッテリートレイ14の区画壁14dとバッテリーボックスステイ15の取付部15bとを当接して取付ボルト61で固着する。
また、バッテリーボックスステイ15の車両右方側のリレーボックス3を載置する車両右方側の外枠部15aは、ほぼ長方体形状に形成されたリレーボックス3の外周形状とほぼ同等の長方形状に形成して、リレーボックス3を固定する取付ボルト62の挿通孔15dを形成した取付フランジ15eが所定の間隔で2箇所突設されている。また、外枠部15aと取付フランジ15eとの間には車両幅方向に1本のリブ15fが配設されている。このリブ15fにリレーボックス3との取付ボルト62を挿通する挿通孔を形成した取付プレート15hを突設して形成する。また、リブ15fとほぼ平行で車両前方側に位置する外枠部15aには取付ボルト62を挿通する挿通孔を形成した取付プレート15iを突設して形成している。また、リレーボックス3には取付ボルト62を挿通する挿通孔を形成した取付フランジ3bが4箇所形成されている。そして、バッテリーボックスステイ15の取付フランジ15e、取付プレート15h及び取付プレート15iにリレーボックス3の取付フランジ3bを当接して取付ボルト62で固着する。
【0015】
また、バッテリーボックスステイ15の車両左方側のインバータ5を載置する部位は、ヒートシンク5cを除いたインバータ5の車両後方側を支持するようにほぼ長方形状に形成して、車両前方側にはインバータ5を連結するための取付ボルト67を挿通する挿通孔を形成した取付プレート15jを突設すると共に、車両左方最外側に取付ボルト67を挿通する挿通孔を形成した取付フランジ15kがそれぞれ形成されている。
【0016】
図5に示すように、バッテリーボックスステイ15にはリアフロア6と連結するための取付フランジ16a〜16dが外枠部15aの車両右方側、車両後方側、車両左方側、車両前方側に各2箇所ずつ突設するように形成して、取付ボルト63を挿通する挿通孔を形成している。そして、この取付フランジ16a〜16dをリアフロア6に当接して取付ボルト63で固着する。また車両前方側のバッテリーボックスステイ17と連結する取付フランジ16e(図4参照)が車両前方側の外枠部15aに所定の間隔で4箇所形成して、取付ボルト64を挿通する挿通孔を形成している。
【0017】
また、図5に示すように、バッテリーボックスステイ17は、ほぼ長方形状に形成した外枠部17aを有しており、この外枠部17aに車両前方側のバッテリーボックスカバー7と連結する取付フランジ17b、17cを車両左方側、車両右方側に各4箇所ずつ形成すると共に、各取付フランジ17b、17cには取付ボルト68を挿通する挿通孔を形成している。また、外枠部17aにリアフロア6と連結する取付フランジ17d、17eを車両左方側、車両右方側の下側に各1箇所ずつ形成すると共に、各取付フランジ17d、17eには取付ボルト65を挿通する挿通孔を形成している。更に、外枠部17aにはバッテリーボックスカバー8と連結する取付フランジ17fをほぼ中央部に2箇所突設して形成すると共に、バッテリーボックスステイ20と連結する取付フランジ17gを中央と両端に3箇所突設するように形成して、各取付フランジ17f、17gに取付ボルト69、66を挿通する挿通孔を形成している。
また、外枠部17aの内部に車両幅方向にリブを形成して、このリブにバッテリーボックスステイ15と連結する取付フランジ17iを2箇所突設して形成して、取付ボルト64を挿通する挿通孔を形成している。また、外枠部17aの車両左方側の下側にはインバータ5と連結する取付フランジ17hを2箇所立設して形成し、この取付フランジ17hに取付ボルト67の挿通孔を形成している。
【0018】
次に、バッテリーボックス10を説明する。バッテリーボックス10は、バッテリーボックスカバー7、8、9から構成されている。バッテリーボックスカバー7はほぼ長方形状に形成されて、バッテリーボックスステイ17と連結する取付ボルト68の挿通孔が8孔形成されている。そして、バッテリーボックスカバー7は、バッテリーボックスステイ17の取付フランジ17b、17cを当接して取付ボルト68で固着する。
また、バッテリーボックスカバー8はほぼ長方形状に形成されると共に、車両後方側にはバッテリーボックスカバー9がほぼ長方形状に形成され、バッテリーボックスカバー9の車両左方側、車両右方側の最外側に略長方形状の空気取入口9aと空気排出口9bを各々2箇所ずつ開口して形成する。またバッテリーボックスステイ20は、ほぼ長方形状に形成された外枠部20aと外枠部20aから両側と中央部に車両後方側に突設した3本のシャフトを形成してE字形状(上面視)に形成されている。バッテリーボックスカバー8と連結する取付フランジ20bがE字形状の外周縁部の内側で、車両後方側、車両左方側、車両右方側に所定の間隔で各2箇所ずつ突設して形成され、またバッテリーボックスカバー9と連結する取付フランジ20cが外枠部20aから所定の間隔で4箇所突設して形成され、それぞれの取付フランジ20b、20cに取付ボルト69、70を挿通する挿通孔を形成している。また外枠部20aに取付ボルト71を挿通する挿通孔を形成した取付フランジ20dを所定の間隔で2箇所形成している。またバッテリーボックスステイ20の3本のシャフトの先端部は、車両前方側のバッテリーボックスステイ17と連結する取付ボルト66の挿通孔が形成されている。
【0019】
そして、バッテリーボックスステイ20の3本のシャフトの先端部を、バッテリーボックスステイ17の取付フランジ17gに当接させて取付ボルト66で固着する。また、バッテリーボックスカバー8とバッテリーボックスステイ17の取付フランジ17fとを当接し、バッテリーボックスカバー8とバッテリーボックスステイ20の取付フランジ20bとを当接して取付ボルト69で固着する。さらに、バッテリーボックスカバー9とバッテリーボックスステイ20の取付フランジ20cとを当接して取付ボルト70で固着して、バッテリーボックスステイ20の取付フランジ20dをリアフロア6に当接して取付ボルト71で固着する。
【0020】
また、インバータ5は、車両前方側にバッテリーボックスステイ17と連結する取付ボルト67の挿通する挿通孔を形成した取付フランジ5aを2箇所形成し、車両後方側にバッテリーボックスステイ15と連結する取付ボルト67の挿通する挿通孔を形成した取付フランジ5bを2箇所形成している。そして、インバータ5の取付フランジ5aをバッテリーボックスステイ17の取付フランジ17hに当接して取付ボルト67で固着している。また取付フランジ5bをバッテリーボックスステイ15の取付フランジ15j、15k(図4参照)に当接して取付ボルト67で固着する。
【0021】
このようにして、バッテリーボックス10を構成するバッテリーボックスカバー7、8、9はバッテリーボックスステイ15、17、20を介してバッテリーセット2、リレーボックス3、ヒートシンク5c有したインバータ5及び送風ファン4を収納し、バッテリーボックスカバー7、8、9で覆われた状態でリアフロア6に形成した既設のシート取付孔またはシートベルト取付孔に固着されて車両に搭載される。
【0022】
図6〜図8に示すように、車両に搭載されたバッテリーボックス10のバッテリーセット2とリアフロア6との間に空間を形成して、バッテリーボックスカバー9の空気取入口9aと空気排出口9bと連通する空気通路部21を車両幅方向に形成する。またバッテリーセット2とヒートシンク5cとの間には送風ファン4を空気通路部21内の内気を矢印の方向(車両幅方向)に送風するように3台配設する。またバッテリーセット2とインバータ5を区画するように、空気通路部21を除いて、送風ファン4の上方に連続して車両前後方向にほぼ長方形状の仕切壁22を形成している。
そして、冷却風はバッテリーボックスカバー9の車両左方側に形成された空気取入口9aから取入れて車内の空気が取入れられ、インバータ5のヒートシンク5cを通過して送風ファン4に導かれる。そして送風ファン4からバッテリーセット2とリアフロア6との間の空気通路部21を通過し、車両右方側に形成された空気排出口9bから車内へ放出される。また空気通路部21内の冷却風は、上方に配設されている各バッテリー1の隙間にも流れてバッテリーセット2の温度調節ができる。
【0023】
図9に示すように、空気通路部21内の内気は、バッテリーセット側温度センサー30とヒートシンク側温度センサー31により、それぞれバッテリーセット2とヒートシンク5cの温度を感知して、制御部32へ転送し送風方向を切り換えることができる。バッテリーセット2及びヒートシンク5cの温度が所定の温度より低下している場合には、内気がヒートシンク5cからバッテリーセット2側に流動するように制御部32からファンモータ33へ回転方向の指示が出され送風ファン4が作動する。また、バッテリーセット2及びヒートシンク5cの温度が所定の温度より上昇している場合には、内気がバッテリーセット2からヒートシンク5c側に流動するように制御部32からファンモータ33へ回転方向の指示が出され送風ファン4が作動する。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明によれば、複数のバッテリーを接続してなるバッテリーセット及び複数の電気部品を内装したバッテリーボックスを車両に搭載する際、バッテリー及び電気部品とフロアとの間に空気通路部を設け、バッテリーセット及び電気部品を直接車体に固設しないので、バッテリーセット及び電気部品は外気温の影響を受けにくい。さらにバッテリーセット及び電気部品とフロアとの間に空気通路部を設け、この空気通路部内で、バッテリーセットとヒートシンクとの間に送風ファンを配設したので、バッテリーボックス内の空気を攪拌してバッテリー等の温度を調整することができる。
【0025】
請求項2に記載した発明によれば、バッテリーボックスの取付部は既存のフロアに設けられた既設のシートまたはシートベルト固定用取付部を利用して取付けられるため、部品を共通化して容易に取付けることができる。また、部品を共通化することにより費用を削減することができる。
【0026】
請求項3に記載した発明によれば、送風ファンによりバッテリーの温度が低い時は、ヒートシンクからバッテリーの方向に空気を送風してバッテリーを昇温させ、バッテリーの温度が高い時は、バッテリーからヒートシンク方向に送風することでバッテリー及びインバータの温度を調整し適正に保持することができる。
【0027】
請求項4に記載した発明によれば、空気取入口と空気排出口は、バッテリーセット及び電気部品に対向するバッテリーボックスの車両後方側の壁面を開口して形成して、送風ファンは車両幅方向の両側に配設された空気取入口と空気排出口との間の離れた位置に配設されるので、送風ファンの騒音はこの空気取入口と空気排出口を介して車室内へ伝達されず、運転席には送風ファンの騒音は伝達されない。
【0028】
請求項5に記載した発明によれば、送風ファンの上方に連続して仕切壁を設けて、ヒートシンク側とバッテリーセット側とを区画したので、送風ファンで形成された空気の流れをヒートシンク側とバッテリーセット側との間での回り込みを防止し、送風時の温度調整効果を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るバッテリーを搭載したハイブリッド自動車の平面図である。
【図2】図2は、図1の側面図である。
【図3】図3は、バッテリーセットを示す斜視図である。
【図4】図4は、バッテリーセットを搭載するバッテリートレイ及びバッテリーボックスステイの分解組立図である。
【図5】図5は、車両フロアに取付けるバッテリーボックスステイとバッテリーボックスカバーの分解組立図である。
【図6】図6は、バッテリーセット、インバータ及びリレーボックスを内装したバッテリーボックスの平面図である。
【図7】図7は、バッテリーボックスの側面図である。
【図8】図8は、バッテリーボックスの正面図である。
【図9】図9は、送風ファンの回転制御図である。
【符号の説明】
1 バッテリー
2 バッテリーセット
4 送風ファン
5 インバータ
5c ヒートシンク
6 リアフロア
9a 空気取入口
9b 空気排出口
10 バッテリーボックス
21 空気通路部
22 仕切壁

Claims (5)

  1. 複数のバッテリーを接続したバッテリーセットと、ヒートシンクを備えた電気部品を含む複数の電気部品とを内装したバッテリーボックスを車室内の後部フロアに搭載したハイブリット自動車のバッテリー搭載装置において、
    前記バッテリーセットと前記複数の電気部品を前記バッテリーセットの両側に電気部品が位置するように車両幅方向に配設し、また前記バッテリーボックスに空気取入口と空気排出口とを形成して、前記バッテリーセット及び前記電気部品と前記フロアとの間に前記空気取入口と前記空気排出口とを連通する空気通路部を形成すると共に、車両幅方向の一側の前記空気通路部内に前記電気部品のヒートシンクを配置し、前記バッテリーセットと前記ヒートシンクとの間に送風ファンを配設したことを特徴とするハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置。
  2. 前記バッテリーボックスの取付部は、既設のシートまたはシートベルト固定用取付部を介して前記フロアに配設されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置。
  3. 前記送風ファンは、前記バッテリーの温度変化により送風方向を反転することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置。
  4. 前記空気取入口と前記空気排出口は、前記送風ファンを挟んで車両幅方向の離間する位置に配設すると共に、前記バッテリーボックスの車両後方側の壁面を開口して形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置。
  5. 前記バッテリーボックス内に、前記送風ファンに連続する仕切壁を設け、前記バッテリーセット側と前記ヒートシンク側とを区画したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイブリッド自動車のバッテリー搭載装置。
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