JP4221782B2 - ジハロトリフルオロアセトンの精製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬中間体として有用なジハロトリフルオロアセトン誘導体の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
下記一般式(1)で示されるジハロトリフルオロアセトン誘導体は、トリフルオロメチル基をもつ医農薬の重要中間体として知られている(例えば特開平9−323977号公報参照)。
一般式(1)で示されるジハロトリフルオロアセトン誘導体は、製造過程において該化合物の異性体等の副生物が通常混入するが、これらジハロトリフルオロアセトン誘導体は低沸点であり、また副生物との沸点差も小さいため(1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロアセトンの沸点は、75−76℃、1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトンの沸点は111−113℃)、蒸留で精製するのは困難であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)の精製方法について鋭意検討した結果、ジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)を、より沸点の高い誘導体へ変換し、蒸留にて精製した後、再びトリフルオロアセトン誘導体へと戻すことで効率よく精製でき、延いては製品中の不純物を減らすことができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、一般式(1)
(式中、 Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。)
で示されるジハロトリフルオロアセトン誘導体と水とを反応させ、一般式(2)
(式中、Xは前記と同じ意味を表わし、nは0〜4の整数を示す。)
で示されるジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体またはその水和体に変換後、蒸留して得られた一般式(2)で示されるジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体またはその水和体を脱水することを特徴とする一般式(1)で示されるジハロトリフルオロアセトン誘導体の精製方法を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)において、Xはフッ素以外のハロゲン原子を示す。
ここで、フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
【0005】
ジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)の具体的化合物としては、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロアセトン、1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトン、1,1−ジヨード−3,3,3−トリフルオロアセトン等が挙げられる。
【0006】
ジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)は、水とジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)を反応させることにより得ることができる。
水の使用量はジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)に対し、通常0.5から100重量倍、好ましくは1から20重量倍程度である。
反応温度は通常20℃から100℃程度、好ましくは40℃から80℃程度である。
反応終了後はそのまま蒸留操作に付すが、有機溶媒にて抽出処理し、得られた有機層を濃縮した後蒸留することもできる。
【0007】
かかる反応により得られたジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)は、蒸留により精製することができるが、蒸留は常圧もしくは減圧下にて実施することができる。
【0008】
かかる反応により得られるジハロトリフルオロアセトン誘導体(2)の具体的化合物としては、1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオール、1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオール、1,1−ジヨード−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオール等が挙げられる。
【0009】
蒸留により精製したジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)は、酸性条件下脱水することでジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)へ戻すことができる。また、次工程が水溶媒での反応であれば、ジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)へ戻さずに、ジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)のまま用いることもできる。
【0010】
ジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)を脱水するために使用される酸としては、具体的には、塩酸、硫酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。
酸の使用量は、ジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)に対して通常0.005から5モル倍、好ましくは0.01から2モル倍程度である。
【0011】
かかる反応は通常無溶媒で実施されるが、反応に影響を与えない溶媒であれば、その溶媒下にて実施してもよい。用いることのできる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、ジハロトリフルオロプロパンジオール誘導体(2)に対し通常0.5から50重量倍、好ましくは1から20重量倍程度である。
反応温度は通常0℃から溶媒の沸点程度、好ましくは10℃から溶媒の沸点程度である。
【0012】
かかる反応においては、生成する水を共沸脱水、脱水剤の添加等の方法により反応系中から除去しながら行うことが好ましい。
反応終了後は通常の方法、例えば水を加えた後、有機溶媒を用いて抽出処理し、得られた有機層を濃縮することで、目的とするジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)を得ることができる。
【0013】
このようにして得られたジハロトリフルオロアセトン誘導体(1)は、水中pH12以下で加水分解した後、一般式(3)
( 式中Y1は水素原子またはハロゲン原子を示し、Y2はハロゲン原子を示す。)で示されるヒドラジン誘導体、もしくはその鉱酸との塩と反応させることにより一般式(4)
( 式中Y1、Y2は前記と同じ意味を表わす。)
で示される農薬中間体として有用なヒドラジノン誘導体(特開平9−323977号公報参照)を得ることができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、通常精製が困難であったジハロトリフルオロアセトン誘導体を効率よく精製することができる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例をあげて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0016】
(実施例1)
1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロアセトン9.05g(含量90%)を水27.15gに懸濁させ、70℃で3時間攪拌した。その後、減圧下蒸留することで1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオール9.14gを得た。(含量91%)
沸点:101〜103℃(150mmHg)
13C NMR(67.8MHz,CDCl3)
δ71.57(s)、93.39(q、J=31.7Hz),121.63(q、J=289.3Hz)
得られた1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオールをトルエン28.35gに溶解し、98%硫酸を0.05g加え、共沸脱水しながら3時間加熱した。その後室温まで冷却し、ジエチルエーテル15gを加え、水10gで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮することで1,1−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロアセトン7.82gを得た。(含量95%)
【0017】
(実施例2)
1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトン13.34g(含量91%)を水40.35gに懸濁させ、70℃で3時間攪拌した。その後、減圧下蒸留することで1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオール13.09gを得た。(含量93%)
沸点:121〜125℃(100mmHg)
1H NMR(270MHz,DMSO−d6)
δ6.06(s,1H),7.92(s,2H)
13C NMR(67.8MHz,DMSO−d6)
δ39.50(s)、92.60(q、J=29.3Hz),122.20(q、J=297.1Hz)
得られた1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロ−2,2−プロパンジオールをトルエン38.85gに溶解し、98%硫酸を0.05g加え、共沸脱水しながら3時間加熱した。その後室温まで冷却し、ジエチルエーテル20gを加え、水15gで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮することで1,1−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロアセトン11.77gを得た。(含量95%)
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