JP4218277B2 - Method for producing amide compound - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアミド化合物の製造方法に関する。詳しくは、液相中で触媒の存在下にオキシムのベックマン転位反応を行うことによりアミド化合物を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、工業的に行われているアミド化合物の製造方法としては、オキシム化合物をベックマン転位反応させてアミド化合物に変換させる方法が知られており、例えば、ε−カプロラクタムはシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応により、ω−ラウリンラクタムはシクロドデカノンオキシムのベックマン転位により製造されている。かかるベックマン転位反応は、現在、工業的には濃硫酸または発煙硫酸のような強酸を触媒として用いた液相反応が採用されている。しかしながら、この公知の方法は、原料のオキシムに対して当量以上の酸を触媒として用いているために、生成したラクタム化合物と触媒分離を行うために、通常、硫酸をアンモニアで中和するという工程を必要としている。さらに、中和の際には、前記ラクタム化合物の約2倍量の硫酸アンモニウム(硫安)が副生すること、および大量の強酸を用いるために反応装置の腐食などの問題があり、必ずしも経済的な方法とは言えず、効率的な転位反応用触媒の開発が期待されていた。
【0003】
そこで、硫酸触媒を使用しない液相でのベックマン転位反応に関し、種々の検討が行なわれてきた。例えば、均一触媒を用いた液相でのシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位反応では、N,N−ジメチルホルムアミドとクロルスルホン酸の反応で得られるイオン対(ビスマイヤー錯体)を触媒とする方法(M.A.Kira and Y.M.Shaker ,Egypt. J.Chem.,16,551(1973))、エポキシ化合物と強酸(三フッ化ホウ素・エーテラート等)から生成するアルキル化剤とN,N−ジアルキルホルムアミドから成る触媒を用いる方法(Y.Izumi,Chemistry Letters,pp.2171(1990))、シクロヘキサノンオキシムをヘプタン溶媒中でリン酸或いは縮合性リン酸化合物を用いて転位させる方法(特開昭62−149665号公報)、五酸化リンおよびN,N−ジアルキルホルムアミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特許-2652280号)、五酸化リンおよび含フッ素強酸あるいはその誘導体とN,N−ジアルキルホルムアミド等の化合物から成る触媒を用いる方法(特開平5−105654号公報)等が提案されている。
しかしながら、これらの触媒系を使用してオキシム化合物を液相でベックマン転位反応させラクタムを製造する方法は、工業的な製造方法としては必ずしも満足し得るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、先にオキシム化合物のベックマン転位の方法として、高い触媒活性を示すスルホン酸又はスルホン酸無水物から選ばれた化合物を含む酸成分とN,N−二置換アミドを含む触媒系または、非フッ素含有スルホン酸無水物とN,N−二置換アミドを含む触媒系を提案した。(WO01/81302)
また炭素数8〜15の環状オキシム化合物については、有機溶媒中、ベックマン転位させる方法としては、有機スルホン酸または、硫酸半エステルの無水物または、有機スルホン酸と硫酸半エステルとの混合無水物を触媒としてベックマン転位する方法(特開平62-108861)が公知である。
しかしながら、これまではこのような触媒的なベックマン転位反応においても、触媒とアミド化合物、未反応のオキシム化合物との分離のためには、中和工程もしくは、反応液の洗浄が必須であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかしながら中和工程を経て、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分の分離を行う場合には、酸成分が中和により塩になるため、触媒成分をそのまま廃棄するか、もしくは触媒成分の回収、再使用が必要な場合には塩を酸に転換してから触媒を再生しなければならなかった。このような問題があるばかりでなく、多量のアミド化合物を含有したまま中和を行わなければならないため、中和のための反応器が非常に大きくなる、アミド化合物を溶解させるための多量の溶媒が必要になる、多量に存在するアミド化合物が触媒の中和反応を阻害するといった問題がある。
また、水で洗浄した場合には、活性触媒が残っていると、完全に触媒が失活してしまうため、分離した触媒成分をそのまま転位工程にもどして触媒液をリサイクルすることはできなかった。触媒が失活している場合にも、そのまま触媒成分を脱水して酸無水物に再生する場合には、水を除かなければないという問題がある。
そこで本発明者は、触媒とアミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離する方法について鋭意検討をおこなった結果、反応液から、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と、触媒成分を分離して、アミド化合物を得る方法を見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、オキシム化合物を、有機溶媒中で、酸無水物を含む触媒成分を添加して転位させてアミド化合物を製造する方法において、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離することを特徴とするアミド化合物の製造方法に存する。
【0006】
本発明の好適な態様としては、触媒が失活していない状態で触媒成分とアミド化合物とを分離すること、分離が晶析であること、晶析分離後、分離された触媒成分を転位工程に循環することが挙げられ、酸無水物が強酸無水物であるか、カルボン酸ならびに強酸および/または強酸無水物であること、オキシム化合物が炭素数8以上の環状オキシム化合物であることが挙げられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
<オキシム化合物>
本発明のベックマン転位反応で使用される原料のオキシム化合物は、何ら制限されることなく、公知のオキシム化合物が適用される。オキシム化合物として具体的には、シクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロドデカノンオキシム、アセトンオキシム、2−ブタノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、4'ヒドロキシアセトフェノンオキシム等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数3〜13のオキシム化合物が挙げられる。中でもシクロヘキサノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシム等の炭素数4〜20、好ましくは炭素数8以上の環状オキシム化合物が用いられ、特にシクロウンデカノンオキシム、シクロドデカノンオキシムが晶析分離しやすいため好適である。
【0008】
<触媒成分>
本発明のベックマン転位反応で使用される触媒成分は、酸無水物を含む触媒成分であれば特に限定されるものではないが、通常、水との反応性が高く、容易に加水分解して強酸を生ずる酸無水物を用いる。なお、該強酸としては特に限定されないが、pKa4以下の強酸が好ましい。
酸無水物を含む触媒成分としては具体的には、(1) 加水分解により強酸を生ずる酸無水物、(2) カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物が挙げられる。以下、(1)および(2)のそれぞれにつき説明する。
(1) 加水分解により強酸を生ずる酸無水物
加水分解により強酸を生ずる酸無水物とは、強酸と強酸の無水物、強酸と弱酸の無水物のいずれでもよい。具体的には、芳香族スルホン酸無水物、脂肪族スルホン酸無水物等のスルホン酸無水物や、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等の含フッ素酸無水物、燐酸の無水物である五酸化燐、過レニウム酸の無水物である七酸化レニウム、燐酸と硼酸の無水物である燐酸硼素、硫酸半エステルの無水物等がより好ましく例示され、これらの混合酸無水物でもよい。ここで硫酸半エステルの無水物とは、一般式R−OSO2−O−OSO2−R'(但しRおよびR'は、同一でも異なっても良い炭素数1〜20好ましくは1〜10の脂肪族基または炭素数6〜20好ましくは6〜10の芳香族基であり、ハロゲンを含んでも良いが、通常アルキル基である。また、RとR'とが閉環してもよい)により示される化合物である。
これらの中でも、工業的に安価に入手し易いという意味では、非含フッ素スルホン酸無水物や五酸化燐等が好ましく、さらに取り扱い易いという意味では、非含フッ素スルホン酸無水物が好ましい。非含フッ素スルホン酸無水物としては特に限定されるものではなく、芳香族スルホン酸無水物、鎖状または環状の脂肪族スルホン酸無水物等を用いることができる。芳香族スルホン酸無水物は、通常炭素数6〜20好ましくは炭素数6〜10であって、芳香環に置換基を有していても良い。脂肪族スルホン酸無水物は、通常炭素数1〜20好ましくは炭素数1〜10であって、置換基を有していても良い。ここで、置換基とは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br等のハロゲン原子を表す。
【0009】
具体的な化合物としてはベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、m−キシレン−4−スルホン酸無水物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸無水物、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸無水物、4−クロロベンゼンスルホン酸無水物、α−ナフチルスルホン酸無水物、β−ナフチルスルホン酸無水物、ビフェニルスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、プロパンスルホン酸無水物、1−ヘキサンスルホン酸無水物、1−オクタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸とメタンスルホン酸との混合酸無水物等が挙げられ、中でもp−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物が好ましい。
【0010】
加水分解により強酸を生ずる酸無水物の量は、特に制限されるものではないが、一般には、原料オキシムに対して約0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜15モル%、更に好ましくは0.5〜10モル%の範囲で用いられる。この範囲を超えて少な過ぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
【0011】
(2) カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物
また、酸無水物として、カルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物を用いる場合には、カルボン酸無水物としては、特に限定されるものではないが、例えば置換基を有していても良い炭素数1〜20、好ましくは1〜8の脂肪族カルボン酸無水物、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族カルボン酸無水物を使用することができる(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。カルボン酸の価数は特に限定されないが、好ましくは一価である。具体的な化合物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、n−酪酸無水物、n−吉草酸無水物、n−カプロン酸無水物、n−ヘプタン酸無水物、2−エチルヘキサン酸無水物、安息香酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物等が挙げられるが、中でも低沸点化合物の無水酢酸、プロピオン酸無水物が本発明では好ましい。
【0012】
本発明におけるカルボン無水物の使用量は、特に制限されるものではないが、一般には、上述したスルホン酸およびこれらの酸無水物からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物に対して約0.5〜200モル倍、好ましくは1.0〜100モル倍、更に好ましくは2.0〜50モル倍の範囲で用いられる。この範囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にしすぎると転位反応後の触媒分離に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
強酸および/または強酸無水物における強酸無水物は強酸と弱酸の無水物でも強酸と強酸の無水物のいずれでもよい。強酸および/または強酸無水物としては、スルホン酸および/またはその酸無水物から選ばれる化合物が好ましい。スルホン酸および/またはその酸無水物から選ばれた化合物は特に限定されるものではなく、置換基を有していても良い炭素数6〜20、好ましくは6〜10の芳香族スルホン酸、置換基を有していても良い炭素数1〜20、好ましくは1〜10の脂肪族スルホン酸およびこれらの酸無水物を使用することができる(ここで、置換基とは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、Cl、Br、F等のハロゲン原子を表す)。これらの中、より好ましくは非含フッ素スルホン酸及びその無水物である。
【0013】
具体的な化合物としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸・一水和物、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−フルオロベンゼンスルホン酸、α−ナフチルスルホン酸、β−ナフチルスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸およびこれらの酸無水物または混合酸無水物等が挙げられ、中でもメタンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸およびこれらの酸無水物または混合酸無水物が好ましく、特にメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸およびこれらの酸無水物が好ましい。なお、トリフロロメタンスルホン酸およびその酸無水物等の含フッ素強酸化合物も転位反応を良好に進行させる化合物ではあるが、含フッ素強酸化合物は極めて高価であるため、経済的な工業製造法を確立するためには高度な該含フッ素強酸化合物の回収技術ならびに再使用技術の確立が求められる。
【0014】
本発明における強酸および/または強酸無水物から選ばれた化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、一般には、原料オキシムに対して約0.1〜20モル%、好ましくは0.3〜15モル%、更に好ましくは0.5〜10モル%の範囲で用いられる。この範囲を越えて少なすぎると十分な触媒活性が得られず、他方、過多にすぎると転位反応後の触媒処理に要する負荷が多くなりいずれも好ましくない。
【0015】
<溶媒>
本発明の転位反応に使用することが出来る溶媒としては、通常炭素数1〜20の有機溶媒を用いる。転位反応を阻害するものでなければ特に限定されない。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ドデカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、モノクロロベンゼン、メトキシベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、アセトニトリル、プロパンニトリル、カプロニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル化合物、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル等のエステル化合物、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N,N‘,N’テトラメチル尿素等のアミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類を挙げることができ、これらは単独でも混合しても使用することが出来る。
これらの溶媒の中でも、触媒が溶解していないと反応速度が低下することがあるため、反応条件において触媒を溶解させる溶媒がより好ましい。
【0016】
溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、オキシム化合物に対して、1重量倍から100重量倍、好ましくは2重量倍から10重量倍の量を用いることができる。
【0017】
<転位反応条件>
本発明方法を実施する条件としては特に規定されないが、反応温度は通常0℃から200℃、好ましくは40℃から150℃、更に好ましくは50℃から130℃の範囲で実施される。
反応圧力も特に制限されるものでなく、減圧、常圧、加圧条件下で実施でき、通常常圧下で実施する。
反応時間或いは反応基質の反応器中の滞留時間は、通常10秒〜10時間であり、好ましくは1分〜7時間である。
本発明では酸無水物と原料オキシム化合物を如何なる順序で混合しても転位反応は進行する。例えば、原料オキシムを有機溶媒に混合し、所定温度に達した後、酸無水物を添加してもよいし、酸無水物を有機溶媒に混合した混合物、あるいはこれらの混合物に更に少量の原料オキシム化合物を加えた混合物を所定の温度に加熱し、次いで原料オキシム化合物の溶解した原料液を一括添加してもよいし、逐次的に供給して反応を開始してもよい。
原料オキシム化合物は、溶媒の一部に溶解して反応に供することもできるし、溶解させずにそのまま添加することも出来る。
【0018】
<転位反応形式>
本発明の反応を実施する反応形式は特に規定されるものではなく、回分反応、連続流通反応のいずれでも実施することができるが、工業的には連続流通反応形式を用いるのが好ましい。反応器の形式については特に制約はなく、1槽あるいは2槽以上の連続した攪拌槽からなる反応器や、チューブラー型反応器等、一般的な反応器を使用することができる。また、本発明で使用される無水物は、反応液中に含まれる水により加水分解して酸が生ずるため反応器材質は耐腐食性材質のものを用いるのが好ましく、例えばステンレス鋼、ハステロイ、モネル、インコネル、チタン、チタン合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、タンタル、又はフッ素樹脂、各種ガラスを内側にコーテイングした材料などが例示できる。
【0019】
<転位反応方法>
本発明の反応方法は特に限定されないが、例えばバッチでも連続でもよく、工業的には連続反応で行うのが好ましい。
連続流通反応の場合の具体例とては、十分に乾燥処理した反応器に本発明の触媒成分を溶解させた触媒液を仕込み所定温度に維持する。これに原料オキシム化合物を溶解させた溶媒とともに連続的に供給して所望の滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合物、未反応オキシム化合物および触媒成分、更には溶媒を含む反応混合物を連続的に取り出す。
【0020】
<反応混合物>
取り出した反応混合物は、軽沸生成物、溶媒、目的生成物であるアミド化合物、未反応オキシム、触媒成分を含む。
【0021】
<触媒成分とアミド化合物との分離>
本発明方法では、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離する。中和も洗浄もすることなく分離することにより、アミド化合物を簡便に触媒成分から分離でき、触媒の再生も容易となる。
なお、本発明において中和とは存在する酸と等量以上の塩基を添加することをいい、洗浄とは反応混合液に対して水を30重量%以上添加することをいう。
分離されたアミド化合物は必要であればさらに精製をおこなうことにより純度の高いアミド化合物を得ることができ、触媒成分については、必要があれば酸型のまま再生工程に導くことができるし、場合によっては中和工程を経て再生工程に導くこともできる。アミド化合物と分離後の触媒成分は、分離後に中和工程があっても、多量のアミド化合物を含有しないので容易に中和を行うことが出来る。
【0022】
本発明の方法によれば、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分を分離する工程は、触媒が失活したあとの反応液でも、触媒が失活していない反応液からでもよい。
触媒が全て失活している場合には、アミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離した後の触媒成分は、触媒の再生工程に導くことができる。
また、触媒が失活していない場合には、アミド化合物、未反応のオキシム化合物を分離した後の触媒成分を含有する母液は、触媒の再生工程に導くこともできるし、再生工程に導かずにそのまま転位工程にリサイクルすることもできる。反応液中の触媒に対するアミド化合物の存在量が多すぎると、反応基質によってはアミド化合物が触媒を失活させる作用を有したり、あるいは反応基質であるオキシム化合物と触媒との効率的な接触が阻害されると予想される。したがって、反応生成物が触媒に対して過度に存在しないように、反応系を維持して運転することが望ましく、例えば、反応液の触媒に対するアミド化合物の存在量を、モル比で40以下、中でも30以下にするのが好ましい。
そして、未反応のオキシム化合物が残留しないベックマン転位反応条件が選ばれていれば、未反応オキシム化合物を分離しなくて良いので、触媒成分と目的アミド化合物のみを分離すればよい。
<分離方法>
転位反応液から、溶媒、アミド化合物、未反応のオキシム化合物と触媒成分を分離する方法としては、蒸留、晶析、抽出等の、公知のいずれの方法でも採用することができるが、操作が簡便で、設備が簡易である点で晶析が好ましい。
晶析による場合には、反応に用いた溶媒をそのまま用いることもできるし、反応に用いた溶媒を一部または全部留去し、別のトルエン等の溶媒を添加後、晶析をおこなってもよい。
【0023】
晶析の際の溶媒の使用量は特に制限されるものではないが、通常、上記アミド化合物及び未反応のオキシム化合物の合計重量に対し、通常、0.5倍から20倍、好ましくは1倍から10倍の範囲で用いられる。
【0024】
晶析操作においては、晶析温度はいずれでもよく、通常、用いる溶媒の融点から沸点までの温度が用いられるが、―10℃から常温の間の温度が好ましい。アミド化合物及び未反応オキシム化合物と、触媒成分との分離は、通常の常圧濾過や減圧濾過、加圧濾過等公知の方法を用いることができる。
失活していない触媒成分を含む反応液から触媒成分とアミド化合物及び未反応オキシム化合物を分離したあとの触媒溶液をそのまま転位工程に戻す場合には、水分により触媒が失活するので、これらの分離操作は、乾燥雰囲気下で行う、若しくは乾燥させたシリンジなどで触媒成分の溶解した溶液を採取する、などの方法により水分を混入させないことが好ましい。また、触媒が失活していて触媒の再生が必要な場合にも、上記のような方法で、触媒溶液への水分の混入を防ぐことが好ましい。
晶析効率を上げるために、水を貧溶媒として使用する場合には、水の量は転位反応液に対して30重量%以下、水の分離操作の負担を考慮するならば20重量%以下、好ましくは15重量%以下とする。
【0025】
<触媒成分の再生、リサイクル>
分離された触媒成分は、溶媒に溶解させた状態でそのまま反応系に再循環することが可能であるが、酸無水物に転換する必要がある場合には、温和な条件で例えば、スルホン酸の場合には、発煙硫酸、五酸化二燐、縮合燐酸、無水酢酸等の脱水剤との接触で容易に脱水して、スルホン酸無水物に変換することが可能であり、転位工程に再循環することが可能である。
また、アミド化合物と分離されたあとの触媒成分は、中和工程、酸への再生のうち必要な工程を選び、それを経て酸無水物へ再生する事も可能である。
【0026】
<オキシム化合物およびアミド化合物>
分離されたアミド化合物およびオキシム化合物は、蒸留、抽出、晶析分離等の各種分離操作により、アミド化合物とオキシム化合物とに分離する。目的アミド化合物はさらに、蒸留、晶析等の方法で精製することにより、さらに高純度品を得ることができる。
【0027】
本発明の反応形式及び後処理工程につき、以下に本発明の連続流通反応の例を挙げて具体的に述べる。
十分に乾燥処理した反応器に本発明の酸無水物を溶解させた触媒液を仕込み所定温度に維持する。これに原料オキシム化合物を連続的に供給して所望の滞留時間の間に反応させ、同時に生成したアミド化合物、未反応オキシム化合物および触媒成分、更には溶媒を含む反応混合物を連続的に取り出す。
【0028】
取り出した反応混合物は、溶媒、目的アミド化合物、未反応オキシム、触媒成分を含む。これらは晶析によりアミド化合物及び未反応オキシム化合物と、溶媒に溶解した触媒成分に分離する。分離された触媒成分は溶媒に溶解した状態でそのまま転位工程に循環させることも可能であるが、酸無水物に変換する必要がある場合には、温和な条件で例えば、スルホン酸の場合には、発煙硫酸、五酸化二燐、縮合燐酸、無水酢酸等の脱水剤との接触で容易に脱水して、スルホン酸無水物に変換することが可能であり、再生されたスルホン酸無水物は転位工程に再循環することが可能である。
また、酸無水物に変換する際に必要に応じて、中和、酸への再生工程を採用することもできる。
【0029】
アミド化合物及び未反応のオキシム化合物は、蒸留、抽出、晶析分離等の各種分離操作により、アミド化合物と未反応のオキシム化合物とに分離する。未反応のオキシム化合物が残留しないベックマン転位反応条件が選ばれていれば、未反応オキシム化合物を分離しする必要はない。目的アミド化合物はさらに、蒸留、晶析等の方法により、精製することによりさらに高純度品を得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例においてラクタム収率は、仕込みオキシムに対するモル%で表し、TON値(Turn Over Number)は仕込みのスルホン酸無水物に対する生成ラクタムのモル数で表した。
また、ラクタム収率及びTONは1H−NMRにより求めた。不溶の触媒が存在したり、溶解している触媒量が不明な場合は内部標準としてジクロロメタンを用い、ラクタムのN−HまたはC=Oに隣接したメチレン(CH2)の積分比(2H分)とのジクロロメタンのプロトンとの積分比(2H)から換算して求めた。触媒が全て溶解していて触媒量がわかっている場合には、p−トルエンスルホン酸のベンゼン核の水素(2H)を基準にラクタムの生成量を求めた。触媒量を定量する場合にも内部標準としてジクロロメタンを用いた。
なお、本発明方法では、酸無水物を用いるが、反応中酸無水物は次第に分解し、対応する酸または酸成分を含む誘導体に変化することが1H−NMR分析によりわかった。
【0031】
参考例(シクロドデカノンオキシムの合成)
シクロドデカノンオキシムは市販品がないので、合成した。合成法の一例を下記に示す。
メカニカルスターラーと温度計を備えた4つ口にフラスコにシクロドデカノン19.04g(0.104mol)を仕込み、エタノール164gを加えて室温で攪拌し、溶解させた。酢酸ナトリウム18.07g(0.220mol)、ヒドロキシルアミン硫酸塩10.67g(0.0650mol)を52mlの水に溶解させた水溶液を、シクロドデカノンオキシムのエタノール溶液に十分な攪拌下室温で滴下した。滴下中33℃まで反応液の温度が上昇した。室温でさらに3時間充分に攪拌を行ったのち、1H−NMR分析でシクロドデカノンの残留がないことを確認後、エタノールを40℃で減圧下留去した。195mlの水を添加し、白色固体を洗浄、濾過したのち、さらに400mlの水で水洗した。この白色固体に脱塩水を加え、90℃加熱攪拌後濾過し、さらに90℃の脱塩水で洗浄した。洗浄された白色固体にエタノールを加え加熱溶解後、熱濾過したのちに、エタノール(300g)−水(112g)の混合溶媒から再結晶し、減圧濾過した。さらに減圧濾過しながら、エタノール(74g)−水(28g)の0℃の混合溶媒で結晶を洗浄してシクロドデカノンオキシムの結晶を得た。この結晶をさらに減圧乾燥して、以下の反応に用いた。尚、この方法によれば、仕込みのシクロドデカノンに対し、90mol%前後の収率でシクロドデカノンオキシムが得られる。
【0032】
実施例1
アルゴン雰囲気下で、70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコに、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム10.0290g(50.82mmol)及び予めモレキュラーシーブ3Aで乾燥したトルエン40.1g(水分含量0ppm)を仕込んだ。アルゴン雰囲気下、95℃に加熱してシクロドデカノンオキシムが溶解した後、p−トルエンスルホン酸無水物0.2219g(0.6800mmol)と上記トルエン4.2gを混合したもの(大部分のp−トルエンスルホン酸無水物はトルエンに溶解していない)を加え、引き続き95℃に加熱攪拌しベックマン転位反応を行った。 反応条件下でも、大部分のp−トルエンスルホン酸無水物は溶媒に溶解せずに溶媒中に分散していた。p−トルエンスルホン酸無水物を添加後、6分後から緩やかな発熱が観測され、16分〜55分までは97℃を保ち、その後96℃まで低下した。
反応液を熱溶液のままサンプリングし、1H-NMRで分析した。その結果、3時間45分後のTONは41であり、6時間にもサンプリングを行ったが、TONは39であった。
このとき、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
この反応液を2週間密封保存したのち、以下の晶析操作を行った。晶析に用いた反応液は仕込みの反応液の99.3%に相当し、1H-NMRの分析結果によれば、未反応のシクロドデカノンオキシムを23.9mmol、ω−ラウリンラクタムを26.6mmol、p−トルエンスルホン酸を1.4mmol含有していた。この反応液を、室温まで冷却後、減圧濾過して結晶と濾液を分離し、少量の0℃に冷却したトルエンで結晶を洗浄した。このとき、得られた結晶の重量は6.65g、濾液は、50.1gであった。この濾液を冷蔵庫にいれて2日間0℃に放置した。析出した結晶を同様に減圧濾過して濾液と分離した。この時の結晶は1.555g、濾液は46.31gであった。
これらの結晶及び濾液を分析したところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタムが21.8mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが17.3mmol、p−トルエンスルホン酸は0.08mmol検出された。
また、濾液中には、ω−ラウリンラクタムが3.9mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.3mmol、p−トルエンスルホン酸が1.4mmol含まれることがわかった。
この段階で、晶析仕込みに対して、ω−ラウリンラクタムが結晶中に82%回収され、未反応のシクロドデカノンオキシムが72%回収された。
さらに、この濾液をトルエンが10gになるまで濃縮し、再度0℃で晶析をおこなったところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタム1.5mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが2.2mmol、p−トルエンスルホン酸が0.01mmol結晶中に回収された。これらの一連の晶析操作により、晶析仕込みに対してω−ラウリンラクタムが88%、未反応のシクロドデカノンオキシムが82%回収された。結晶中へのp―トルエンスルホン酸の混入は晶析仕込みの6.4%であった。
【0033】
実施例2
トルエンのかわりに、同様に脱水した、水分量0.004wt%のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いた以外は実施例2と同様の方法で、シクロドデカノンオキシムのベックマン転位反応を行った。p−トルエンスルホン酸無水物はDMFに溶解してシクロドデカノンオキシムのDMF溶液に添加した。添加直後に反応液の温度が120℃まで上昇し、その後除々に低下し、40分経過以降は96℃一定の温度となった。
反応液を熱溶液のままサンプリングし、1H-NMRで分析した。その結果、30分後のω−ラウリンラクタムの収率は80.2%、TON値は59であった。2時間45分、3時間50分にもサンプリングしたが、TONは57であり殆ど変化しなかった。
このとき、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
この反応液は仕込みの反応液の98.3%に相当し、1H-NMRの分析結果によれば、未反応のシクロドデカノンオキシムを11.3mmol、ω−ラウリンラクタムを38.8mmol、p−トルエンスルホン酸を1.4mmol含有していた。この反応液をとりだし、室温まで冷却後、減圧濾過して結晶と濾液を分離し、少量の0℃に冷却したDMFで結晶を洗浄した。このとき、得られた結晶の重量は1.59g、濾液は、50.66gであった。この濾液を冷蔵庫にいれて2日間0℃に放置した。析出した結晶を同様に減圧濾過して濾液と分離した。この時の結晶は3.1g、濾液は45.05gであった。
これらの結晶及び濾液を分析したところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタムが17.3mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.2mmol、p−トルエンスルホン酸が0.02mmol含まれることがわかった。また、濾液中には、ω−ラウリンラクタムが9.6mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが15.1mmol、p−トルエンスルホン酸が1.4mmol含まれることがわかった。
この段階で、晶析仕込みに対して、ω−ラウリンラクタムが結晶中に約45%回収され、未反応のシクロドデカノンオキシムが約37%回収された。
さらに、この濾液をDMFが5.7gになるまで濃縮し、トルエンを4.0g添加したのち再度0℃で晶析をおこなったところ、得られた結晶中にω−ラウリンラクタム6.7mmol、未反応のシクロドデカノンオキシムが4.2mmol検出され、p−トルエンスルホン酸は検出されなかった。この一連の晶析操作により、晶析仕込みに対してω−ラウリンラクタムが62%、未反応のシクロドデカノンオキシムが74%回収された。結晶中へのp―トルエンスルホン酸の混入は晶析仕込みの1.5%であった。
【0034】
実施例3
アルゴン雰囲気下で、70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ(反応器1)に、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム5.0486g(25.59mmol)及び予めモレキュラーシーブ3Aで乾燥したDMF42.7g(水分含量0.004%)を仕込んだ。アルゴン雰囲気下、95℃に加熱してシクロドデカノンオキシムが溶解した後、p−トルエンスルホン酸無水物0.227g(0.6955mmol)を上記DMF2.6gに溶解した溶液を加え、30分加熱攪拌しベックマン転位反応を行った。p−トルエンスルホン酸無水物添加直後に122℃まで反応温度が上昇し、その後除々に反応温度は低下し、12分後には96.5℃に低下しそのま30分後までその温度を保持した。
この反応液を氷浴につけ、結晶を析出させたのち、70℃の乾燥機で乾燥したシリンジを用いて大部分の溶液成分を取り出した。
アルゴン雰囲気下で、別の70℃の乾燥機で乾燥した50mlの丸底フラスコ(反応器2)に、減圧乾燥により水分含有量を0.07wt%に低下させた、シクロドデカノンオキシム5.0549g(25.62mmol)を仕込み、シリンジで反応器1から採取した溶液成分を反応器2に仕込んだ。このとき、反応器1から反応器2へ移送された溶液は、33.35gであり、シリンジ内に残留した溶液は2.20gであった。
反応器2を引き続きアルゴン雰囲気下で、95℃に加熱攪拌し、ベックマン転位反応を行った。各反応器の成分を1H-NMRで分析した結果、反応器1で生成したω−ラウリンラクタムは、25.59mmol(TON=39)、反応器2で新たに生成したω−ラウリンラクタムは、2.4mmol(TON=5)であり、トータルのω−ラウリンラクタムのTON=44であった。
また、反応器1に残留した結晶中に含まれる、ω−ラウリンラクタムは11.6mmolであり、生成した成分のうち45%が結晶中に回収された。また、触媒成分であるp−トルエンスルホン酸は同じ結晶中に0.21mmol(仕込みの15%の成分)が結晶中に含有されており、大部分の触媒成分は反応器2に移送され、反応器2でもベックマン転位反応が進行したことがわかった。
なお、反応前の、仕込みのオキシムと溶媒に含有される水分の、p―トルエンスルホン酸無水物に対する水のモル比は0.6であった。
【0035】
【発明の効果】
本発明方法によれば、オキシム化合物から温和な反応条件下で高収率でアミド化合物を製造でき、アミド化合物と触媒の分離が容易であり、工業的に有利な方法である。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an amide compound. Specifically, the present invention relates to a method for efficiently producing an amide compound by performing a Beckmann rearrangement reaction of oxime in the presence of a catalyst in a liquid phase.
[0002]
[Prior art]
In general, as an industrial method for producing an amide compound, a method of converting an oxime compound into an amide compound by a Beckmann rearrangement reaction is known. For example, ε-caprolactam is a Beckmann rearrangement of cyclohexanone oxime. By reaction, ω-laurin lactam is produced by Beckmann rearrangement of cyclododecanone oxime. As such Beckmann rearrangement reaction, a liquid phase reaction using a strong acid such as concentrated sulfuric acid or fuming sulfuric acid as a catalyst is currently employed industrially. However, since this known method uses an acid equivalent to or more than the raw material oxime as a catalyst, in order to perform catalyst separation from the produced lactam compound, usually, a step of neutralizing sulfuric acid with ammonia. Need. Further, in neutralization, there are problems such as about 2 times as much ammonium sulfate (ammonium sulfate) as the by-product of the lactam compound and corrosion of the reactor due to the use of a large amount of strong acid, which is not always economical. It was not a method, but the development of an efficient catalyst for rearrangement reaction was expected.
[0003]
Thus, various studies have been conducted on the Beckmann rearrangement reaction in a liquid phase that does not use a sulfuric acid catalyst. For example, in the Beckmann rearrangement reaction of cyclohexanone oxime in a liquid phase using a homogeneous catalyst, a method that uses an ion pair (Bismier complex) obtained by the reaction of N, N-dimethylformamide and chlorosulfonic acid as a catalyst (MAKira and YMShaker J. Chem., 16, 551 (1973)), a method using an alkylating agent formed from an epoxy compound and a strong acid (such as boron trifluoride / etherate) and a catalyst comprising N, N-dialkylformamide (Y. Izumi Chemistry Letters, pp. 2171 (1990)), a method of rearranging cyclohexanone oxime using a phosphoric acid or a condensable phosphoric acid compound in a heptane solvent (Japanese Patent Laid-Open No. 62-149665), phosphorus pentoxide and N, A method using a catalyst composed of a compound such as N-dialkylformamide (Patent No. 2652280), phosphorus pentoxide and a strong fluorine-containing acid or its Conductor and N, and a method using a catalyst composed of a compound such as N- dialkylformamide (JP-A-5-105654) have been proposed.
However, the method for producing lactams by using these catalyst systems to cause Beckmann rearrangement reaction of oxime compounds in a liquid phase is not always satisfactory as an industrial production method.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As a method for the Beckmann rearrangement of an oxime compound, the present inventors previously used a catalyst system comprising an acid component containing a compound selected from sulfonic acid or sulfonic anhydride exhibiting high catalytic activity and an N, N-disubstituted amide. Alternatively, a catalyst system comprising a non-fluorine-containing sulfonic anhydride and an N, N-disubstituted amide was proposed. (WO01 / 81302)
For cyclic oxime compounds having 8 to 15 carbon atoms, as a method of rearranging Beckmann in an organic solvent, organic sulfonic acid, anhydride of sulfuric acid half ester, or mixed anhydride of organic sulfonic acid and sulfuric acid half ester is used. A Beckmann rearrangement method (Japanese Patent Laid-Open No. 62-108861) is known as a catalyst.
However, until now, even in such a catalytic Beckmann rearrangement reaction, in order to separate the catalyst from the amide compound and the unreacted oxime compound, a neutralization step or washing of the reaction solution has been essential.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
However, when the amide compound, unreacted oxime compound and catalyst component are separated through the neutralization step, the acid component becomes a salt by neutralization, so the catalyst component is discarded as it is or the catalyst component is recovered. If re-use was necessary, the catalyst had to be regenerated after converting the salt to acid. In addition to such problems, neutralization must be performed while containing a large amount of amide compound, so the reactor for neutralization becomes very large, and a large amount of solvent for dissolving the amide compound There is a problem that amide compounds present in large quantities inhibit the neutralization reaction of the catalyst.
In addition, when the active catalyst remains in the case of washing with water, the catalyst is completely deactivated. Therefore, the separated catalyst component cannot be returned to the rearrangement step and the catalyst solution cannot be recycled. . Even when the catalyst is deactivated, there is a problem that water must be removed when the catalyst component is dehydrated and regenerated into an acid anhydride.
Therefore, as a result of intensive studies on a method for separating the catalyst, the amide compound, and the unreacted oxime compound, the present inventor separated the amide compound, the unreacted oxime compound, and the catalyst component from the reaction solution, A method for obtaining the compound has been found and the present invention has been reached.
That is, the gist of the present invention is to neutralize and wash a reaction solution after a rearrangement reaction in a method of producing an amide compound by rearranging an oxime compound by adding a catalyst component containing an acid anhydride in an organic solvent. The present invention resides in a method for producing an amide compound, characterized in that the catalyst component and the amide compound are separated without.
[0006]
In a preferred embodiment of the present invention, the catalyst component and the amide compound are separated in a state where the catalyst is not deactivated, the separation is crystallization, and the separated catalyst component is rearranged after the crystallization separation. The acid anhydride is a strong acid anhydride, a carboxylic acid and a strong acid and / or a strong acid anhydride, and the oxime compound is a cyclic oxime compound having 8 or more carbon atoms. .
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Details of the present invention will be described below.
<Oxime compound>
The raw material oxime compound used in the Beckmann rearrangement reaction of the present invention is not limited at all, and a known oxime compound is applied. Specific examples of the oxime compound include 2 to 20 carbon atoms such as cyclohexanone oxime, cyclopentanone oxime, cyclododecanone oxime, acetone oxime, 2-butanone oxime, acetophenone oxime, benzophenone oxime, and 4 ′ hydroxyacetophenone oxime, preferably Examples thereof include oxime compounds having 3 to 13 carbon atoms. Among them, cyclic oxime compounds having 4 to 20 carbon atoms, preferably 8 or more carbon atoms, such as cyclohexanone oxime, cyclopentanone oxime, cycloundecanone oxime, and cyclododecanone oxime are used. Cycloundecanone oxime and cyclododecanone oxime are particularly preferable. Is preferred because it is easy to crystallize and separate.
[0008]
<Catalyst component>
The catalyst component used in the Beckmann rearrangement reaction of the present invention is not particularly limited as long as it is a catalyst component containing an acid anhydride, but is usually highly reactive with water and easily hydrolyzed to strong acid. An acid anhydride that yields The strong acid is not particularly limited, but a strong acid having a pKa of 4 or less is preferable.
Specific examples of the catalyst component containing an acid anhydride include (1) an acid anhydride that generates a strong acid by hydrolysis, (2) a carboxylic acid anhydride, and a strong acid and / or a strong acid anhydride. Hereinafter, each of (1) and (2) will be described.
(1) Acid anhydride that generates strong acid by hydrolysis
The acid anhydride that generates a strong acid by hydrolysis may be either a strong acid and a strong acid anhydride or a strong acid and a weak acid anhydride. Specifically, aromatic sulfonic acid anhydride, sulfonic acid anhydride such as aliphatic sulfonic acid anhydride, fluorine-containing acid anhydride such as trifluoromethanesulfonic acid anhydride, phosphorus pentoxide which is an anhydride of phosphoric acid, More preferred examples include rhenium heptoxide, which is an anhydride of perrhenic acid, boron phosphate, which is an anhydride of phosphoric acid and boric acid, anhydride of sulfuric acid half ester, and the like, and mixed acid anhydrides thereof may also be used. Here, the anhydride of sulfuric acid half ester is represented by the general formula R-OSO. 2 -O-OSO 2 -R '(wherein R and R' may be the same or different and each is an aliphatic group having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms or an aromatic group having 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, Is usually an alkyl group, and R and R ′ may be ring-closed).
Among these, non-fluorinated sulfonic acid anhydrides and phosphorus pentoxide are preferable in terms of being easily available at low cost industrially, and non-fluorinated sulfonic acid anhydrides are preferable in terms of easy handling. The non-fluorinated sulfonic acid anhydride is not particularly limited, and an aromatic sulfonic acid anhydride, a chain or cyclic aliphatic sulfonic acid anhydride, and the like can be used. The aromatic sulfonic acid anhydride usually has 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, and may have a substituent on the aromatic ring. The aliphatic sulfonic acid anhydride usually has 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, and may have a substituent. Here, the substituent represents a halogen atom such as an alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms, an acyl group having 2 to 4 carbon atoms, Cl, or Br.
[0009]
Specific compounds include benzenesulfonic anhydride, p-toluenesulfonic anhydride, m-xylene-4-sulfonic anhydride, p-dodecylbenzenesulfonic anhydride, 2,4-dimethylbenzenesulfonic anhydride. 2,5-dimethylbenzenesulfonic anhydride, 4-chlorobenzenesulfonic anhydride, α-naphthylsulfonic anhydride, β-naphthylsulfonic anhydride, biphenylsulfonic anhydride, methanesulfonic anhydride, ethanesulfone Acid anhydride, propanesulfonic acid anhydride, 1-hexanesulfonic acid anhydride, 1-octanesulfonic acid anhydride, mixed acid anhydride of p-toluenesulfonic acid and methanesulfonic acid, etc. A sulfonic acid anhydride and a methanesulfonic acid anhydride are preferable.
[0010]
The amount of the acid anhydride that generates a strong acid by hydrolysis is not particularly limited, but is generally about 0.1 to 20 mol%, preferably 0.3 to 15 mol%, more preferably, based on the raw material oxime. Preferably it is used in the range of 0.5 to 10 mol%. If the amount exceeds this range and is too small, sufficient catalytic activity cannot be obtained. On the other hand, if the amount is too large, the load required for the catalyst treatment after the rearrangement reaction increases, which is not preferable.
[0011]
(2) Carboxylic anhydride and strong acid and / or strong acid anhydride
Further, when a carboxylic acid anhydride and a strong acid and / or a strong acid anhydride are used as the acid anhydride, the carboxylic acid anhydride is not particularly limited, but may have, for example, a substituent. Good aliphatic carboxylic anhydrides having 1 to 20 carbon atoms, preferably 1 to 8 carbon atoms, and optionally substituted aromatic carboxylic acid anhydrides having 6 to 12 carbon atoms can be used (wherein And a substituent represents a halogen atom such as an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms, an acyl group having 2 to 4 carbon atoms, or Cl, Br, or F). The valence of the carboxylic acid is not particularly limited, but is preferably monovalent. Specific compounds include acetic anhydride, propionic anhydride, n-butyric anhydride, n-valeric anhydride, n-caproic anhydride, n-heptanoic anhydride, 2-ethylhexanoic anhydride, Examples include benzoic anhydride, phthalic anhydride, maleic anhydride, succinic anhydride, etc. Among them, low-boiling point acetic anhydride and propionic anhydride are preferred in the present invention.
[0012]
The amount of the carboxylic anhydride used in the present invention is not particularly limited, but is generally about 0. 0 to at least one compound selected from the group consisting of the sulfonic acids described above and these acid anhydrides. It is used in the range of 5 to 200 mol times, preferably 1.0 to 100 mol times, more preferably 2.0 to 50 mol times. If the amount is too small beyond this range, sufficient catalytic activity cannot be obtained. On the other hand, if the amount is too large, the load required for catalyst separation after the rearrangement reaction increases, which is not preferable.
The strong acid anhydride in the strong acid and / or strong acid anhydride may be either a strong acid and a weak acid anhydride or a strong acid and a strong acid anhydride. As the strong acid and / or strong acid anhydride, a compound selected from sulfonic acid and / or acid anhydride thereof is preferable. The compound selected from the sulfonic acid and / or acid anhydride thereof is not particularly limited, and may be an aromatic sulfonic acid having 6 to 20 carbon atoms, preferably 6 to 10 carbon atoms, which may have a substituent. An aliphatic sulfonic acid having 1 to 20 carbon atoms which may have a group, preferably 1 to 10 carbonic acid, and an acid anhydride thereof can be used. An alkyl group, an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms, an acyl group having 2 to 4 carbon atoms, or a halogen atom such as Cl, Br, or F). Of these, non-fluorinated sulfonic acids and their anhydrides are more preferred.
[0013]
Specific compounds include benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid monohydrate, p-dodecylbenzenesulfonic acid, 2,4-dimethylbenzenesulfonic acid, and 2,5-dimethylbenzenesulfone. Acid, 4-chlorobenzenesulfonic acid, 4-fluorobenzenesulfonic acid, α-naphthylsulfonic acid, β-naphthylsulfonic acid, biphenylsulfonic acid, methanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, ethanesulfonic acid, propanesulfonic acid, 1 -Hexanesulfonic acid, 1-octanesulfonic acid and acid anhydrides or mixed acid anhydrides thereof, among others, methanesulfonic acid, trifluoromethanesulfonic acid, ethanesulfonic acid, propanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, p -Toluenesulfonic acid, p-dodecylben Preferably Nsuruhon acid and their acid anhydrides or mixed anhydrides, particularly methanesulfonic acid, p- toluenesulfonic acid and acid anhydrides are preferred. Fluorine-containing strong acid compounds such as trifluoromethanesulfonic acid and its acid anhydrides are compounds that favor the rearrangement reaction. However, since fluorine-containing strong acid compounds are extremely expensive, an economical industrial production method has been established. In order to achieve this, it is necessary to establish a high recovery technique and a reuse technique for the fluorine-containing strong acid compound.
[0014]
The amount of the compound selected from strong acids and / or strong acid anhydrides in the present invention is not particularly limited, but is generally about 0.1 to 20 mol%, preferably about 0.1 mol% based on the raw material oxime. It is used in the range of 3 to 15 mol%, more preferably 0.5 to 10 mol%. If the amount is too small beyond this range, sufficient catalytic activity cannot be obtained. On the other hand, if the amount is too large, the load required for the catalyst treatment after the rearrangement reaction increases, which is not preferable.
[0015]
<Solvent>
As a solvent that can be used in the rearrangement reaction of the present invention, an organic solvent having 1 to 20 carbon atoms is usually used. There is no particular limitation as long as it does not inhibit the rearrangement reaction. For example, aliphatic hydrocarbon compounds such as n-hexane, n-heptane, n-dodecane, cyclohexane, aromatic hydrocarbon compounds such as benzene, toluene, xylene, mesitylene, monochlorobenzene, methoxybenzene, acetonitrile, propanenitrile, capronitrile Nitrile compounds such as adiponitrile, benzonitrile and tolunitrile, ester compounds such as dimethyl phthalate, dibutyl phthalate, dimethyl malonate and dimethyl succinate, N, N-dimethylformamide, N, N, N ′, N′tetramethyl Amides such as urea, ethers such as tetrahydrofuran, dioxane and diethylene glycol dimethyl ether, and sulfoxides such as dimethyl sulfoxide and sulfolane can be mentioned, and these can be used alone or in combination. Can.
Among these solvents, if the catalyst is not dissolved, the reaction rate may decrease, and therefore a solvent that dissolves the catalyst under the reaction conditions is more preferable.
[0016]
The amount of the solvent to be used is not particularly limited. Usually, an amount of 1 to 100 times, preferably 2 to 10 times the amount of the oxime compound can be used.
[0017]
<Relocation reaction conditions>
The conditions for carrying out the method of the present invention are not particularly specified, but the reaction temperature is usually 0 ° C. to 200 ° C., preferably 40 ° C. to 150 ° C., more preferably 50 ° C. to 130 ° C.
The reaction pressure is not particularly limited, and can be carried out under reduced pressure, normal pressure, or pressurized conditions, and is usually carried out under normal pressure.
The reaction time or the residence time of the reaction substrate in the reactor is usually 10 seconds to 10 hours, preferably 1 minute to 7 hours.
In the present invention, the rearrangement proceeds even if the acid anhydride and the raw material oxime compound are mixed in any order. For example, the raw material oxime may be mixed with an organic solvent, and after reaching a predetermined temperature, an acid anhydride may be added, or a mixture of an acid anhydride mixed with an organic solvent, or a smaller amount of the raw material oxime. The mixture to which the compound is added is heated to a predetermined temperature, and then the raw material liquid in which the raw material oxime compound is dissolved may be added all at once, or the reaction may be started by sequentially supplying the liquid.
The raw material oxime compound can be dissolved in a part of the solvent and used for the reaction, or it can be added as it is without being dissolved.
[0018]
<Rearrangement reaction format>
The reaction form for carrying out the reaction of the present invention is not particularly defined, and either batch reaction or continuous flow reaction can be carried out, but it is preferable to use the continuous flow reaction form industrially. There is no restriction | limiting in particular about the form of a reactor, General reactors, such as a reactor which consists of 1 tank or 2 or more continuous stirring tanks, and a tubular reactor, can be used. In addition, the anhydride used in the present invention is hydrolyzed by water contained in the reaction solution to generate an acid, so that the reactor material is preferably a corrosion-resistant material such as stainless steel, hastelloy, Examples include Monel, Inconel, Titanium, Titanium alloy, Zirconium, Zirconium alloy, Nickel, Nickel alloy, Tantalum, or fluororesin, and materials coated with various glasses on the inside.
[0019]
<Transposition reaction method>
Although the reaction method of this invention is not specifically limited, For example, batch or continuous may be sufficient and it is preferable to carry out by a continuous reaction industrially.
As a specific example in the case of continuous flow reaction, a catalyst solution in which the catalyst component of the present invention is dissolved is charged into a sufficiently dried reactor and maintained at a predetermined temperature. The raw material oxime compound is continuously supplied together with a solvent in which the raw oxime compound is dissolved and reacted during a desired residence time, and simultaneously formed amide compound, unreacted oxime compound and catalyst component, and further a reaction mixture containing a solvent is continuously added. Take it out.
[0020]
<Reaction mixture>
The taken out reaction mixture contains a light boiling product, a solvent, an amide compound as a target product, an unreacted oxime, and a catalyst component.
[0021]
<Separation of catalyst component and amide compound>
In the method of the present invention, after the rearrangement reaction, the catalyst component and the amide compound are separated without neutralizing or washing the reaction solution. By separating without neutralization or washing, the amide compound can be easily separated from the catalyst component, and the regeneration of the catalyst is facilitated.
In the present invention, neutralization means adding an amount of base equal to or greater than the acid present, and washing means adding 30% by weight or more of water to the reaction mixture.
If necessary, the separated amide compound can be further purified to obtain a highly purified amide compound. If necessary, the catalyst component can be led to the regeneration step in the acid form if necessary. Depending on the case, it may be led to a regeneration step through a neutralization step. The catalyst component after separation from the amide compound can be easily neutralized because it does not contain a large amount of the amide compound even if there is a neutralization step after separation.
[0022]
According to the method of the present invention, the step of separating the amide compound, the unreacted oxime compound and the catalyst component may be a reaction solution after the catalyst is deactivated or a reaction solution where the catalyst is not deactivated.
When all the catalysts are deactivated, the catalyst components after separating the amide compound and the unreacted oxime compound can be led to a catalyst regeneration step.
In addition, when the catalyst is not deactivated, the mother liquor containing the catalyst component after separating the amide compound and the unreacted oxime compound can be led to the catalyst regeneration step or not to the regeneration step. It can also be recycled to the dislocation process as it is. If the amount of the amide compound present in the reaction solution is too large, the amide compound may deactivate the catalyst depending on the reaction substrate, or the oxime compound that is the reaction substrate and the catalyst may contact efficiently. Expected to be inhibited. Therefore, it is desirable to operate while maintaining the reaction system so that reaction products do not exist excessively with respect to the catalyst. For example, the abundance of the amide compound with respect to the catalyst in the reaction solution is 40 or less in molar ratio, 30 or less is preferable.
And if the Beckmann rearrangement reaction conditions in which the unreacted oxime compound does not remain are selected, it is not necessary to separate the unreacted oxime compound, so that only the catalyst component and the target amide compound may be separated.
<Separation method>
As a method for separating the solvent, the amide compound, the unreacted oxime compound and the catalyst component from the rearrangement reaction solution, any known method such as distillation, crystallization, extraction and the like can be adopted, but the operation is simple. Thus, crystallization is preferable in that the equipment is simple.
In the case of crystallization, the solvent used in the reaction can be used as it is, or part or all of the solvent used in the reaction can be distilled off, and after adding another solvent such as toluene, crystallization can be performed. Good.
[0023]
The amount of solvent used for crystallization is not particularly limited, but is usually 0.5 to 20 times, preferably 1 time, based on the total weight of the amide compound and unreacted oxime compound. To 10 times.
[0024]
In the crystallization operation, any crystallization temperature may be used. Usually, a temperature from the melting point to the boiling point of the solvent used is used, and a temperature between −10 ° C. and room temperature is preferable. Separation of the amide compound and the unreacted oxime compound from the catalyst component can be performed by a known method such as normal atmospheric filtration, reduced pressure filtration or pressure filtration.
When the catalyst solution after separation of the catalyst component, the amide compound and the unreacted oxime compound from the reaction solution containing the catalyst component which has not been deactivated is returned to the rearrangement step as it is, the catalyst is deactivated by moisture. The separation operation is preferably performed in a dry atmosphere or water is not mixed by a method such as collecting a solution in which the catalyst component is dissolved with a dried syringe or the like. Even when the catalyst is deactivated and the catalyst needs to be regenerated, it is preferable to prevent moisture from being mixed into the catalyst solution by the method described above.
In order to increase the crystallization efficiency, when water is used as a poor solvent, the amount of water is 30% by weight or less based on the rearrangement reaction solution, and 20% by weight or less if the burden of water separation operation is taken into consideration. Preferably it is 15 weight% or less.
[0025]
<Regeneration and recycling of catalyst components>
The separated catalyst component can be recycled to the reaction system as it is in a state dissolved in a solvent. However, when it is necessary to convert it into an acid anhydride, for example, sulfonic acid can be used under mild conditions. In some cases, it can be easily dehydrated by contact with a dehydrating agent such as fuming sulfuric acid, diphosphorus pentoxide, condensed phosphoric acid, acetic anhydride, etc., and converted into a sulfonic anhydride, and recycled to the rearrangement process. It is possible.
Further, the catalyst component after being separated from the amide compound can be regenerated to an acid anhydride through a neutralization step and a necessary step of regeneration to an acid, through which it is selected.
[0026]
<Oxime compounds and amide compounds>
The separated amide compound and oxime compound are separated into an amide compound and an oxime compound by various separation operations such as distillation, extraction, and crystallization separation. The target amide compound can be further purified by a method such as distillation or crystallization to obtain a product with higher purity.
[0027]
The reaction mode and post-treatment process of the present invention will be specifically described below by giving examples of the continuous flow reaction of the present invention.
A sufficiently dried reactor is charged with a catalyst solution in which the acid anhydride of the present invention is dissolved and maintained at a predetermined temperature. The raw material oxime compound is continuously supplied to this and allowed to react during a desired residence time. At the same time, the reaction mixture containing the amide compound, unreacted oxime compound and catalyst component, and further solvent is continuously removed.
[0028]
The extracted reaction mixture contains a solvent, a target amide compound, an unreacted oxime, and a catalyst component. These are separated by crystallization into an amide compound and an unreacted oxime compound and a catalyst component dissolved in a solvent. The separated catalyst component can be circulated as it is to the rearrangement step in a state dissolved in a solvent. However, when it is necessary to convert it to an acid anhydride, it is mild under conditions such as sulfonic acid. It can be easily dehydrated by contact with a dehydrating agent such as fuming sulfuric acid, diphosphorus pentoxide, condensed phosphoric acid, acetic anhydride, etc., and converted into sulfonic anhydride, and the regenerated sulfonic anhydride is rearranged It can be recycled to the process.
Moreover, when converting into an acid anhydride, the process of neutralization and the reproduction | regeneration to an acid can also be employ | adopted as needed.
[0029]
The amide compound and the unreacted oxime compound are separated into the amide compound and the unreacted oxime compound by various separation operations such as distillation, extraction, and crystallization separation. If Beckmann rearrangement reaction conditions are selected in which no unreacted oxime compound remains, it is not necessary to separate the unreacted oxime compound. The target amide compound can be further purified by a method such as distillation or crystallization to obtain a further highly purified product.
[0030]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. However, the present invention is not limited to these examples unless it exceeds the gist.
In the following examples, the lactam yield is expressed in terms of mol% relative to the charged oxime, and the TON value (Turn Over Number) is expressed as the number of moles of the produced lactam relative to the charged sulfonic anhydride.
Also, lactam yield and TON are 1 Determined by 1 H-NMR. If there is an insoluble catalyst or the amount of dissolved catalyst is unknown, dichloromethane is used as an internal standard, and methylene adjacent to the lactam N—H or C═O (CH 2 ) And the integral ratio (2H) of the protons of dichloromethane with the integral ratio (2H). When the catalyst was completely dissolved and the amount of catalyst was known, the amount of lactam produced was determined based on the hydrogen (2H) of the benzene nucleus of p-toluenesulfonic acid. Also when quantifying the amount of catalyst, dichloromethane was used as an internal standard.
In the method of the present invention, an acid anhydride is used. During the reaction, the acid anhydride gradually decomposes and may be converted into a corresponding acid or a derivative containing an acid component. 1 It was found by H-NMR analysis.
[0031]
Reference example (Synthesis of cyclododecanone oxime)
Cyclododecanone oxime was synthesized because there is no commercial product. An example of the synthesis method is shown below.
In a four-neck equipped with a mechanical stirrer and a thermometer, 19.04 g (0.104 mol) of cyclododecanone was charged, and 164 g of ethanol was added and stirred at room temperature to dissolve. An aqueous solution prepared by dissolving 18.07 g (0.220 mol) of sodium acetate and 10.67 g (0.0650 mol) of hydroxylamine sulfate in 52 ml of water was added dropwise to an ethanol solution of cyclododecanone oxime at room temperature with sufficient stirring. . During the addition, the temperature of the reaction solution rose to 33 ° C. The mixture was further stirred for 3 hours at room temperature. After confirming that no cyclododecanone remained by 1H-NMR analysis, ethanol was distilled off at 40 ° C. under reduced pressure. 195 ml of water was added, and the white solid was washed and filtered, and then washed with 400 ml of water. Desalted water was added to the white solid, heated and stirred at 90 ° C., filtered, and further washed with 90 ° C. demineralized water. Ethanol was added to the washed white solid and dissolved by heating, followed by hot filtration, recrystallization from a mixed solvent of ethanol (300 g) -water (112 g), and filtration under reduced pressure. Further, while filtering under reduced pressure, the crystals were washed with a mixed solvent of ethanol (74 g) -water (28 g) at 0 ° C. to obtain cyclododecanone oxime crystals. The crystals were further dried under reduced pressure and used for the following reaction. According to this method, cyclododecanone oxime can be obtained with a yield of about 90 mol% with respect to the charged cyclododecanone.
[0032]
Example 1
In a 50 ml round bottom flask dried in a dryer at 70 ° C. under an argon atmosphere, 10.0290 g (50.82 mmol) of cyclododecanone oxime reduced in water content to 0.07 wt% by drying under reduced pressure and Toluene 40.1 g (water content 0 ppm) dried with molecular sieve 3A was charged. After heating to 95 ° C. in an argon atmosphere to dissolve cyclododecanone oxime, 0.2219 g (0.6800 mmol) of p-toluenesulfonic anhydride and 4.2 g of toluene (most of p- Toluenesulfonic acid anhydride was not dissolved in toluene), followed by heating and stirring at 95 ° C. to conduct a Beckmann rearrangement reaction. Even under the reaction conditions, most of the p-toluenesulfonic anhydride was not dissolved in the solvent but was dispersed in the solvent. After the addition of p-toluenesulfonic anhydride, a mild exotherm was observed after 6 minutes, maintaining 97 ° C. from 16 minutes to 55 minutes, and then decreasing to 96 ° C.
Sampling the reaction solution as a hot solution, 1 Analysis by H-NMR. As a result, TON after 3 hours and 45 minutes was 41, and sampling was performed even for 6 hours, but TON was 39.
At this time, the molar ratio of the water contained in the charged oxime and the solvent before the reaction to the p-toluenesulfonic anhydride was 0.6.
The reaction solution was stored hermetically for 2 weeks and then subjected to the following crystallization operation. The reaction solution used for crystallization corresponds to 99.3% of the charged reaction solution, 1 According to the analysis result of H-NMR, it contained 23.9 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, 26.6 mmol of ω-laurin lactam, and 1.4 mmol of p-toluenesulfonic acid. The reaction solution was cooled to room temperature, filtered under reduced pressure to separate the crystal and the filtrate, and the crystal was washed with a small amount of toluene cooled to 0 ° C. At this time, the weight of the obtained crystal was 6.65 g, and the filtrate was 50.1 g. The filtrate was placed in a refrigerator and left at 0 ° C. for 2 days. The precipitated crystals were similarly filtered under reduced pressure and separated from the filtrate. At this time, the crystal was 1.555 g, and the filtrate was 46.31 g.
When these crystals and filtrate were analyzed, 21.8 mmol of ω-lauric lactam, 17.3 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, and 0.08 mmol of p-toluenesulfonic acid were detected in the obtained crystals.
Further, it was found that the filtrate contained 3.9 mmol of ω-lauric lactam, 4.3 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, and 1.4 mmol of p-toluenesulfonic acid.
At this stage, 82% of ω-laurin lactam was recovered in the crystal and 72% of unreacted cyclododecanone oxime was recovered with respect to the crystallization charge.
Further, the filtrate was concentrated to 10 g of toluene and recrystallized at 0 ° C., and 1.5 mmol of ω-laurin lactam and 2.2 mmol of unreacted cyclododecanone oxime were obtained in the obtained crystal. , P-toluenesulfonic acid was recovered in 0.01 mmol crystals. Through a series of these crystallization operations, 88% of ω-laurin lactam and 82% of unreacted cyclododecanone oxime were recovered with respect to the crystallization charge. Mixing of p-toluenesulfonic acid into the crystals was 6.4% of the crystallization charge.
[0033]
Example 2
A Beckmann rearrangement reaction of cyclododecanone oxime was performed in the same manner as in Example 2 except that instead of toluene, dehydrated N, N-dimethylformamide (DMF) having a water content of 0.004 wt% was used. It was. p-Toluenesulfonic anhydride was dissolved in DMF and added to a DMF solution of cyclododecanone oxime. Immediately after the addition, the temperature of the reaction solution increased to 120 ° C. and then gradually decreased, and after 40 minutes, the temperature reached a constant temperature of 96 ° C.
Sampling the reaction solution as a hot solution, 1 Analysis by H-NMR. As a result, the yield of ω-lauric lactam after 30 minutes was 80.2%, and the TON value was 59. Sampling was performed at 2 hours 45 minutes and 3 hours 50 minutes, but the TON was 57, showing little change.
At this time, the molar ratio of the water contained in the charged oxime and the solvent before the reaction to the p-toluenesulfonic anhydride was 0.6.
This reaction liquid corresponds to 98.3% of the charged reaction liquid, 1 According to the analysis result of H-NMR, it contained 11.3 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, 38.8 mmol of ω-laurin lactam, and 1.4 mmol of p-toluenesulfonic acid. The reaction solution was taken out, cooled to room temperature, filtered under reduced pressure to separate the crystal and the filtrate, and the crystal was washed with a small amount of DMF cooled to 0 ° C. At this time, the weight of the obtained crystal was 1.59 g, and the filtrate was 50.66 g. The filtrate was placed in a refrigerator and left at 0 ° C. for 2 days. The precipitated crystals were similarly filtered under reduced pressure and separated from the filtrate. The crystal at this time was 3.1 g, and the filtrate was 45.05 g.
When these crystals and filtrate were analyzed, it was found that 17.3 mmol of ω-lauric lactam, 4.2 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, and 0.02 mmol of p-toluenesulfonic acid were contained in the obtained crystal. all right. The filtrate was found to contain 9.6 mmol of ω-laurin lactam, 15.1 mmol of unreacted cyclododecanone oxime, and 1.4 mmol of p-toluenesulfonic acid.
At this stage, about 45% of ω-laurin lactam was recovered in the crystal and about 37% of unreacted cyclododecanone oxime was recovered with respect to the crystallization charge.
Furthermore, this filtrate was concentrated until DMF became 5.7 g, 4.0 g of toluene was added, and crystallization was performed again at 0 ° C. As a result, 6.7 mmol of ω-lauric lactam was obtained in the obtained crystals. 4.2 mmol of cyclododecanone oxime in the reaction was detected, and p-toluenesulfonic acid was not detected. By this series of crystallization operations, 62% of ω-laurin lactam and 74% of unreacted cyclododecanone oxime were recovered with respect to the crystallization charge. Mixing of p-toluenesulfonic acid into the crystal was 1.5% of the crystallization charge.
[0034]
Example 3
In a 50 ml round bottom flask (reactor 1) dried in a dryer at 70 ° C. under an argon atmosphere, 5.0486 g (25%) of cyclododecanone oxime whose water content was reduced to 0.07 wt% by drying under reduced pressure. .59 mmol) and 42.7 g of DMF (water content: 0.004%) previously dried with molecular sieve 3A. After heating to 95 ° C. under argon atmosphere to dissolve cyclododecanone oxime, a solution prepared by dissolving 0.227 g (0.6955 mmol) of p-toluenesulfonic anhydride in 2.6 g of the above DMF was added, and the mixture was stirred for 30 minutes. The Beckmann rearrangement reaction was performed. Immediately after the addition of p-toluenesulfonic anhydride, the reaction temperature rose to 122 ° C., and then the reaction temperature gradually decreased. After 12 minutes, the reaction temperature dropped to 96.5 ° C. and was maintained until 30 minutes later. .
This reaction solution was put in an ice bath to precipitate crystals, and then most of the solution components were taken out using a syringe dried with a dryer at 70 ° C.
In a 50 ml round bottom flask (reactor 2) dried in another 70 ° C. drier under an argon atmosphere, the moisture content was reduced to 0.07 wt% by vacuum drying, and 5.0549 g of cyclododecanone oxime (25.62 mmol) was charged, and the solution component collected from the reactor 1 with a syringe was charged into the reactor 2. At this time, the solution transferred from the reactor 1 to the reactor 2 was 33.35 g, and the solution remaining in the syringe was 2.20 g.
The reactor 2 was subsequently heated and stirred at 95 ° C. under an argon atmosphere to carry out a Beckmann rearrangement reaction. The components of each reactor 1 As a result of analysis by H-NMR, ω-laurin lactam produced in the reactor 1 was 25.59 mmol (TON = 39), and ω-laurin lactam newly produced in the reactor 2 was 2.4 mmol (TON = 5). ) And total ω-laurin lactam TON = 44.
Moreover, the ω-laurin lactam contained in the crystal remaining in the reactor 1 was 11.6 mmol, and 45% of the generated components was recovered in the crystal. Further, p-toluenesulfonic acid, which is a catalyst component, is contained in the same crystal by 0.21 mmol (a component of 15% of the charge), and most of the catalyst component is transferred to the reactor 2 for reaction. It was found that the Beckmann rearrangement reaction also proceeded in vessel 2.
Before the reaction, the molar ratio of water contained in the charged oxime and water to the p-toluenesulfonic anhydride was 0.6.
[0035]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, an amide compound can be produced from an oxime compound in a high yield under mild reaction conditions, and separation of the amide compound and the catalyst is easy, which is an industrially advantageous method.

Claims (7)

オキシム化合物を、有機溶媒中で、酸無水物を含む触媒成分を添加して転位させてアミド化合物を製造する方法において、転位反応後、反応液を中和も洗浄もすることなく触媒成分とアミド化合物とを分離することを特徴とするアミド化合物の製造方法。In a method for producing an amide compound by adding a catalyst component containing an acid anhydride in an organic solvent and rearranging the oxime compound, the catalyst component and the amide are not neutralized or washed after the rearrangement reaction. A method for producing an amide compound, comprising separating the compound. 触媒が失活していない状態で触媒成分とアミド化合物とを分離する、請求項1に記載のアミド化合物の製造方法。The method for producing an amide compound according to claim 1, wherein the catalyst component and the amide compound are separated in a state where the catalyst is not deactivated. 分離が晶析分離である請求項1または2に記載のアミド化合物の製造方法。The method for producing an amide compound according to claim 1 or 2, wherein the separation is crystallization separation. 晶析分離後、分離された触媒成分を転位工程に循環する請求項3に記載のアミド化合物の製造方法。The method for producing an amide compound according to claim 3, wherein the separated catalyst component is circulated to the rearrangement step after crystallization separation. 酸無水物が強酸無水物であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアミド化合物の製造方法The method for producing an amide compound according to claim 1, wherein the acid anhydride is a strong acid anhydride. 酸無水物がカルボン酸無水物ならびに強酸および/または強酸無水物であることを特徴とする請求項1〜4に記載のアミド化合物の製造方法The method for producing an amide compound according to claim 1, wherein the acid anhydride is a carboxylic acid anhydride and a strong acid and / or a strong acid anhydride. オキシム化合物が、炭素数8以上の環状オキシム化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミド化合物の製造方法。The method for producing an amide compound according to any one of claims 1 to 6, wherein the oxime compound is a cyclic oxime compound having 8 or more carbon atoms.
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