JP4204320B2 - 電気かみそり用のかみそり機構 - Google Patents

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Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載した発明の前置きに準ずると、電気かみそり用のかみそり機構に関する。
DE 43 12 060 C1は、中央カッターが剃られる肌に平行に向けられた引き込みエレメントとともに上部刃を有したかみそり機構を開示している。そのようなかみそり機構は、実際の使用において、とてもよい剃り仕上がりと同時に、肌に対するやさしい取り扱いをもたらす。しかしながら、いくつかの状況において、肌に対して直接横たわったあごひげを剃る際、あごひげを引き込むまでに時間がかかることがある。この結果、最適な剃り仕上がりを得るために、かみそりはこの領域を何度も通過しなければならない。
同様のことがDE-A 15 53 659によるかみそり頭部に当てはまる。DE-A 15 53 659は2つの短毛用カッター機構の間に配置され、かみそりの長手方向面からそれぞれ45°反対方向に回転された2つの長毛用カッターを開示している。
本発明の目的は、肌を優しく取り扱い、中央カッターを有するかみそりであって、その切断特性は、肌に直接横たわっているあごひげを剃る間でさえも最適な切断性能を保証するかみそりを提供することである。
本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1記載の発明によって特徴付けられる特性によってこの目的は達成される。
櫛状形状からなり肌に対して垂直に向けられている長毛用カッターの切断エレメントにより、肌は張られた状態となり、切断されるあごひげは準備段階として櫛通しされる。肌から飛び出したあごひげは長毛用カッターにより事前に櫛通しされ、肌での向きを変えられる。同時に、この部分での肌は、櫛状の切断エレメントの接触により張られた状態となる。驚いたことには、本発明による切断エレメントの向きは、剃っている間の肌に対する優しい取り扱いについていかなる不利な影響も与えないことが、実際に剃るテストによって示された。
かみそり機構の好ましい実施形態においては、長毛用カッターは3つの切断エレメントを有し、中央の切断エレメントは2つの外側の切断エレメントに対して動くことができる。これにより、剃る方向に関係なく、肌に対して特に優しい充分な剃り具合を得ることができる。このようにして、切断刃は2つの切断櫛の両側で切断する。動く切断エレメント(切断刃)は保護される方法で2つの切断櫛の間に配置されており、切断櫛が静止している、すなわち駆動されていない状態で、この対称な形状により、あごひげが常に事前に櫛通しされ、肌が常に張られた状態となる。
有利には、切断エレメントの切断歯列は互いに平行に向けられているが、切断エレメントの面は互いに鋭角に配置されている。この結果、切断エレメント間は摩擦力が減少する線接触となる。ここでの角度は5°以下、好ましくは2°から3°とするべきである。
1つの切断エレメントの歯の先端は、剃られる肌表面に対して、少なくとも更なる一つの切断エレメントの歯の先端より低い場合、あごひげへの引き込み動作に対して非常に有利である。剃る方向に関係なく、肌への最適で優しい取り扱いとあごひげの可能な限りの引き込み動作とを達成するために、中央の切断エレメントが外側の切断エレメントより低い場合に有利である。
切断されたまたは引き込まれた毛を、切断領域からできる限り素早く排除するため、少なくとも一つの切断歯列の歯の土台は、少なくとも更なる一つの切断歯列の歯の土台より低い場合に有利である。
さらに有利な本発明の実施形態においては、切断エレメントの互いに向き合う側面に、多数の凹部そして/または貫通路が設けられている。この構成は、一方では、摩擦を減ずるための潤滑剤を収納することを可能にする。さらにまた、側面に設けられたこれらは、切断エレメント間での相対運動により、それらの間を通過してきたあごひげを細かく砕き、これによって排除することを可能にする。これにより、切断領域内で切断エレメントが曲げられたり、開口させられたりすることを防止することができる。
切断歯の引っ掛かりを防止し、切断動作を切断歯列に沿って分散させるため、さらに好ましい本発明の実施形態においては、隣接する切断歯列は異なる間隔を有する。
本発明によるさらなる目的、特徴、利益そして可能な応用は以下の模範的な実施形態の記載から知ることができる。この場合、記載または図示されたすべての特徴は、特許請求の範囲にどのように集約されているか、または先行する特許請求の範囲にどのように関連するかとは無関係に、一つ一つまたは好ましい組み合わせとして、本発明の対象となる。
発明を実施するための形態
図1は、取り替え可能な構成部1としてのかみそり頭部の形をとった、創意に富んだかみそり機構の断面図を示す。取り替え可能な構成部は、それ自体本質的に公知な方法で、かみそり本体に連結することができる。取り替え可能な構成部1は、U字状に曲げられ、それぞれ関連する1つの下部刃3とともに2つの短毛用かみそりユニットを形成する2つのかみそり薄板2を有している。例えばクランク駆動または電気かみそり本体に設けられた電気モーターにより駆動する偏心輪の形式により、下部刃3は対応する電気かみそりの駆動部により振動的に駆動され得る。
下部刃3は、それ自体公知な鋼製の管状刃ブロックからなる。管状刃ブロックは、残った横断部分が鋭い縁部の刃を形成するよう、断面の約半分に渡る横方向に連続した多数のスリットを鋼製の管状エレメントに設けることによって、生産される。かみそり薄板2から離れる方向に向く下部刃3の側部に取り付けられるのは、連結エレメントである。連結エレメントは、組み立てられた状態で、下部刃を駆動部に係合させる。
図には2つの下部刃3のうち一つしか示されてない。明瞭にする目的のため、電気かみそりの駆動部および本体の両方とも図面に図示されてない。
かみそり薄板2は、下方に曲げられた足により、かみそり頭部の取り替え可能な構成部1の2つの外側横断部材4のうちの1つと、2つの内側横断部材5のうちの1つとに取り付けられている。取り替え可能な構成部1は中心面Aに対して左右対称である。外側横断部材4と内側横断部材5は、取り替え可能な構成部1の側部6によって互いに連結されている。
関連する下部刃3とともに短毛を切断するための切断ユニットを形成する2つのかみそり薄板2の間の中央に配置されるのは、長毛用カッター10である。長毛用カッターは、取り替え可能な構成部1の側部6にクリップ留めによって連結される。長毛用カッター10は、図面を参照して、構成と機能についてこれからより詳しく記述される。
すべての図面は、中央の切断エレメント、すなわち切断刃12に固定された連結エレメント11を明瞭に示している。一度取り替え可能な構成部1が電気かみそりの本体に取り付けられた場合、連結エレメント11は、切断刃12の振動作動をもたらすための電気かみそりの駆動部に係合される。この係合は、直接的または、例えば下部刃3の1つと連結された部材に切断刃12が連結されるような間接的のどちらかでもよい。図2から理解できるように、振動するように駆動される切断刃12は、2つの外側の切断エレメント、すなわち切断櫛13と14の間に設けられている。切断櫛13,14は取り替え可能な構成部1の固定位置に配置されている。
切断刃12と2つの切断櫛13、14は鋼製シートから製造される一方、連結エレメント11はプラスチックからなる。切断櫛13と14はそれぞれプラスチック製支持材15,16に連結されている。切断櫛13,14と、それぞれのプラスチック製支持材15,16とからなる2つの部分組立品は同一の形状となっている。これにより、それらの2つをそれぞれの長毛用カッター10に用いることができ、その結果、用いられる部品数を減ずることができる。これらの構造が同一であることから、この部分組立品の個々のエレメントに対する記述は、当然に対応するもう一つの部分組立品にも同様に当てはまる。
プラスチック製支持材15,16は、切断櫛13,14から離れる方向を向く側部に、クリップ19の曲げられた端部18を収納するための凹部17を有する。クリップ19の曲げられた端部18は、弾性圧縮力下で2つの外側切断エレメントを中央の切断エレメントに向けて押圧する。このようにして、クリップ19は、圧縮力を生み出すことおよび長毛用カッターを事前組み立てすることの両者を可能にする。
切断刃12は上方へ向けられ、組み立てられた状態でかみそり頭部の外部に配置される歯列20を有している。歯列20の歯は連結エレメント11から離れる方向に向けられている。さらにまた、切断刃12には歯列20と平行に延びる細長い穴22が設けられている。細長い穴22に沿ってプラスチックからなる縁部23が設けられている。細長い穴22により、切断刃12は案内ボルト24上を案内され、その結果、歯列20に平行する限られた移動のみ可能となる。案内ボルト24は、細長い穴22と同一な方向に延びる平面状の踏面25と、2つの半円状端部26とを有する。それぞれのプラスチック製支持材15,16は、対応する切断櫛13,14を通過して延びる、そのような案内ボルト24を有する。その後の組み立てにおいて、案内ボルト24は相補的なプラスチック製支持材の対応する凹部27に係合する。
組立体を位置決めして、2つのプラスチック製支持材15,16を互いに留めるために役立つのは、星形固定ピン28である。星形固定ピン28は案内ボルト24と同じ方向に延び、固定目的のため、プラスチック製支持材の穴29内に押し込まれる。凹部27そして/または案内ボルト24に関し、側面外方向へのオフセットのため、切断櫛13,14は通り抜け穴を有しており、その中にリベット頭部30が飛び出している。リベット頭部30はプラスチック製支持材15,16上に一体的に形成されている。これらはプラスチック製支持材に切断櫛を取り付けるのに役立ち、組み立て中いわゆる熱間コーキング処理によって温められる。その結果、切断櫛13に対する切断刃12の自由な移動を確保するため、切断刃の方向に切断櫛を越えて突出しないよう、リベット頭部のように変形される。しかしながら、通り抜け穴内部では、プラスチック製部品と金属製切断櫛との間で半径方向締め付け力が残留するようにリベット頭部30は変形されている。しかしながら、プラスチック製支持材15,16は、直接切断櫛13,14上に、射出成型により一体的に形成されてもよい。
それぞれのプラスチック製支持材は、長毛用カッターの取り付け後にかみそり薄板2の間の空間をふさぐ方法としての横カバーと、弾性変形可能な留め金32とを有している。留め金32は、一度組み立てられた後の長毛用カッターを、取り替え可能な構成部1の2つの側部6に留めるのに役立つ。
切断刃12の方向を向いた切断櫛13と14のいずれの表面にも、具合よく、多数の凹部33が設けられている。一方では、多数の凹部33は摩擦を減ずるための潤滑剤を収納する。他方では、これらの接触面を通過してきた毛の小片を極迅速に細かく砕き、その結果、この接触領域に入り込んできたあごひげによって切断領域に隙間が開かれること、または切断櫛もしくは切断刃が曲げられることを防止する。
図5は、関連する切断櫛13,14の方向に向けられた2つの表面上に多数の凹部40を有する切断刃12を示す。多数の凹部40は貫通路としてもよい。さらにまた、歯列20の歯には、貫通路または凹部41が設けられており、この結果、上述した効果がさらにより一層発揮される。凹部と貫通路は、両者ともエッチングによって作られる。
切断櫛13,14の歯列34は、切断刃12の歯列20より、歯の高さが相当高くなるよう考慮されている。組み立てられた状態において、歯列34の歯の先端は歯列20の歯の先端を越えて突出している。この結果、肌への最適で優しい取り扱いに加え、剃られるあごひげは充分に櫛通しされ、肌に対してべったり横たわっているあごひげは立たされる。歯の先端の高さのこの違いは、特に図4に明瞭に示されている。一度切断されたあごひげをできる限り素早く切断領域から排除することを可能にするため、切断櫛13,14の歯列34の歯の土台は、切断刃の歯列20の歯の土台より相当低い位置、つまり約1から1.5mm低く配置されている。それぞれの歯の土台の高さ位置のこの違いの結果、切断領域で切断されたあごひげは自動的に外側へ落ちる。このようにして、切断領域で切断されたあごひげはさらなる切断作業を妨げない。
特に図4に図示するように、歯列20の間隔は、歯列34の間隔より若干大きくなっており、このことによって切断刃12と切断櫛13,14との間の引っ掛かりを防止する。加えて、間隔の違いは歯列に沿った切断動作を同時に行わないことを保証し、この結果、滑らかな動きが確保される。
切断刃12が中心面Aに配置されるよう位置合わせされていることが図1から理解することができる。その一方、長毛用カッター10の一実施の形態においては、切断刃の両側に配置された切断櫛13,14は、下方向に開く鋭角を形成するよう外側に位置決めされている。中心面Aに対するここでの偏差角は、ほんの少量の角度である。切断刃12に対してわずかに傾斜した切断櫛13,14のこの位置決めによって、相互に滑る金属部分間は単なる線接触となり、これにより、面接触の場合において相当程度生じる摩擦を減ずることができる。
肌を保護するため、そしてことさら肌に優しい方法で、切断されるあごひげを事前に櫛通しするため、歯列34の前面に配置され、丸みある形状を有し、歯列34の間隔と同一間隔を有する櫛36がプラスチック製支持材15,16と一体的に形成されている。剃られる肌にこれらの櫛36が対応して押し付けられることにより、剃られている間、肌は張られた状態となり、最適な切断仕上がりが得られる。このため、櫛36の歯が、歯列34の歯に対して、すなわち図3に示すように前面で背後方向に約45°外方に位置決めされていると特に有益である。
図3に示すように、切断櫛13,14の歯列34の歯と、その前部に配置された櫛36の歯は互いに一直線に揃えられている。この結果、図3に図示された状態では、切断櫛13に設けられた歯と、同様に櫛36の歯は、切断櫛14に設けられた歯によって隠されている。長毛用カッターのさらなる実施形態(図示せず)は、上述した歯がオフセットされている点で区別される。ここでの最大オフセット量は歯列34の間隔の半分程度だろう。かみそりが剃られる肌を通過する際、櫛36または切断櫛13,14の作用を受けることなく、長毛用カッターを通過する毛がないような状況において、このオフセットは成果を挙げる。この手段は、特に、肌に対してべったり横たわり、剃る方向に向けられている毛のすべてが障害物、すなわち切断櫛に衝突することを確実にし、この結果、毛は立たせられて、切断される。
上述したかみそり頭部をそなえて剃っている間、第一段階としてかみそり薄板と関連する下部刃3とを有する短毛用切断機構が短い毛を剃るために用いられる。一方、肌に対してべったり横たわることもある長い毛は長毛用カッター10により剃る方向に向けられ、切断櫛13,14と切断刃12との間で切断される。長毛用カッター10によって短くされたあごひげは、長毛用カッターに続く短毛用切断機構により、その後完全に剃られる。
本発明によるかみそり機構の断面図を示す。 本発明による中央カッターの分解図を示す。 図2の組み立てられた状態の長毛用カッターの側面図を示す。 部分的に組み立てられた長毛用カッターを示す。 中央の切断刃の具体的な実施形態の斜視図を示す。

Claims (8)

  1. 電気かみそり用のかみそり機構であって、
    短毛を切断するためのかみそりユニットの間に配置された、少なくともひとつの長毛用カッター(10)を備え、
    短毛を切断するためのかみそりユニットは、駆動装置により互いに対して動くことができる上部刃(2)と下部刃(3)とをそれぞれ有し、
    長毛用カッターは、互いに対して動くことができかつ並べて配置された少なくとも2つの切断エレメント(12,13,14)から形成され、
    長毛用カッターの切断エレメント(12,13,14)はそれぞれ櫛状の形状からなり、櫛歯から形成された切断歯列(20,34)は剃られる肌に対し原則的に垂直に向けられ、
    前記少なくとも2つの切断エレメントの切断歯列(20,34)は互いに平行に向けられ、少なくとも2つの切断エレメント(12,13,14)の互いに向き合う側面の間に、前記切断歯列から離れる方向に開く鋭角が形成されるように、前記少なくとも2つの切断エレメントが配列されていることを特徴とするかみそり機構。
  2. 長毛用カッター(10)は3つの切断エレメント(12,13,14)を有し、
    中央の切断エレメント(12)は、2つの外側の切断エレメント(13,14)に対して動くことができることを特徴とする請求項1記載のかみそり機構。
  3. 前記少なくとも2つの切断エレメント(12,13,14)の互いに向き合う側面の間に形成される鋭角の角度は5°より少なく、好ましくは2°から3°であることを特徴とする請求項記載のかみそり機構。
  4. 一つの切断エレメント(12)の歯の先端は、剃られる肌表面に対して、少なくとも更なる一つの切断エレメント(13,14)の歯の先端(35)より低いことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のかみそり機構。
  5. 中央の切断エレメント(12)は外側の切断エレメント(13,14)より低いことを特徴とする請求項2乃至のいずれか記載のかみそり機構。
  6. 少なくとも一つの切断歯列(34)の歯の付け根部は、少なくとも更なる一つの切断歯列(20)の歯の付け根部より低いことを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のかみそり機構。
  7. 切断エレメント(12,13,14)の互いに向き合う側面に、多数の凹部(33,40)および/または貫通路(41)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のかみそり機構。
  8. 隣接する切断歯列(20,34)は異なる間隔を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のかみそり機構。
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