以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態である遊技機を示す斜視図、図2は図1に示した遊技機の正面図、図3は図1の遊技機のベースドアの背面側および基板ケースカバーを示す斜視図、図4は図3の基板ケースカバーがベースドアの背面側に取り付けられた状態を示す説明図、図5は図1の遊技機のベース枠を示す正面図、図6は本実施の形態に係る基板ケースカバーの背面側を示す説明図、図7は本実施の形態に係る第1検出スイッチを示す斜視図、図8は図7に示す第1検出スイッチの正面図、図9(a)は第1検出スイッチが当接部に当接した状態を示す説明図、図9(b)は第1検出スイッチが当接部から離反した状態を示す説明図、図10は図1に示した遊技機の制御系を示すブロック図、図11は本発明の実施の形態に係るコマンド受信割込処理の処理手順を示すフローチャート、図12は本発明の実施の形態に係る遊技機の副制御回路によるメイン処理の処理手順を示すフローチャート、図13は本発明の実施の形態に係る検出信号受信処理の処理手順を示すフローチャート、図14は本発明の実施の形態に係る不正開放判定処理の処理手順を示すフローチャート、図15は液晶表示装置の表示領域に不正開放判定手段による判定結果が表示された状態の一例を示す説明図である。
図1および図2に示すように、パチンコ遊技機(遊技機)1は、遊技盤2(図2)が装着されるベースドア3aがヒンジ3c(図5)を介して島設備に固定されるベース枠3bに回動可能に取り付けられ(すなわち、ベースドア3aは、ベースドア3aの一方端を回動支点として支持されて当該ベース枠3bに開閉自在に支持されて装着される。)、これらベースドア3aおよびベース枠3bで遊技機本体3が構成されている。そして、このような遊技機本体3のベースドア3aに対して、スピーカ8a,8b(図10)、液晶表示装置(LCD)21、遊技盤2を視認可能に被うガラス扉9、上皿部4、下皿部5、カバー6およびハンドル7が備えられている。
遊技盤2は、図2に示すように、レール11に包囲され、遊技球の流下が可能な遊技領域2aを有している。そして、その遊技領域2aには、多数の遊技くぎや風車などの障害物(図示せず)、一般入賞口12、通過ゲート13、大入賞口15、アウト口16、始動入賞口14,17を有する電動役物構成部材18からなる遊技部材が配置されている。
ここで、一般入賞口12は、遊技球が入賞すると所定の数の遊技球が払い戻される装置、通過ゲート13は、遊技球が通過したことを契機として普通図柄表示領域に表示される複数の図柄を変動および停止させるための装置、始動入賞口17は、遊技球が入賞したことを条件として特別図柄表示領域に表示される特別図柄を変動および停止させるための装置、大入賞口15は、特別図柄表示領域の停止時における特別図柄の組み合わせが予め設定された特定の図柄の組み合わせ(大当り表示態様)となって大当り遊技状態(大当り遊技状態とは、いわゆる大当りが発生した状態をいう。)に移行した場合に、所定の設定に従って所定条件の下所定回数だけ扉が開閉(すなわち、所定時間内に大入賞口15の特定領域を通過する遊技球数が1以上である場合に限り(いわゆるパンクが発生しない限り)所定回数だけ大入賞口15が開放し、遊技球を受け入れ易い開放状態と、受け入れ難い閉鎖状態とに所定回数だけ変化する。なお、開放状態と、閉鎖状態とに変化する動作をラウンド動作という。)するように制御される装置である。
また、アウト口16は、一般入賞口12、始動入賞口14,17、大入賞口15の何れにも入賞しなかった遊技球が流入して回収される装置である。
上記通過ゲート13は、通過する遊技球を検出するようになっている。この通過ゲート13を通過した遊技球は通過記憶として記憶することが可能となっており、この通過記憶情報に基づいて、普通図柄表示領域における図柄の変動表示が行なわれる。また、遊技領域2aの右側上部には、通過ゲート13の通過記憶個数を表示する4個の普通図柄記憶LED(図示せず)が設けられている。この普通図柄記憶LEDの点灯個数により、通過ゲート13を通過した遊技球の通過記憶個数を表示することができる。
上記普通図柄表示領域では、例えば2個の普通図柄が交互に点滅するようになっており、2個の普通図柄の点滅が終了して「当り」が表示された場合に、電動役物構成部材18に設けられた始動入賞口17が、所定時間だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換わる。
なお、上記普通図柄表示領域の替わりに、遊技盤2の任意の場所に2個の普通図柄表示LEDを備え、このLEDの点滅により「当り」を表示してもよい。また、この2個の普通図柄表示LEDを例えば7セグメント表示器等により構成することもできる。この場合には、7セグメント表示器に表示する普通図柄として、例えば「0」、「1」、「2」、・・・「7」、「8」、「9」等の数字を変動表示し、停止表示された数字が「3」あるいは「7」となった場合を「当り」とする。
上記始動入賞口17は、遊技球を受け入れる受け入れ口を有しており、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能な開閉機構を備えた装置である。この始動入賞口17は、通常の状態では遊技球を受け入れ難い状態となっており、所定の条件が成立した場合(例えば、普通図柄表示領域の普通図柄が、「当り」を意味する図柄で停止した場合)に、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ開いて遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる。なお、当該受け入れ口に遊技球が入賞すると所定の数の遊技球が払い戻される。
また、始動入賞口14,17への入賞球は入賞記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、特別図柄表示領域における特別図柄の変動表示が行なわれる。遊技領域2aの中央部には、始動入賞口14,17への入賞記憶個数を表示する4個の特別図柄記憶LED(図示せず)が設けられている。この特別図柄記憶LEDの点灯個数により、始動入賞口14,17への入賞記憶個数を表示することができる。
また、特別図柄表示領域に表示される特別図柄は、例えば「0」、「1」、「2」・・・「9」等の3列の数字からなり、始動入賞口17へ遊技球が入賞することを契機としてこれらの数字が変動表示されるようになっている。なお、これらの数字の変動表示が終了し、その変動表示結果(すなわち、停止表示された数字の組み合わせ。停止図柄ともいう。)が『「0」「0」「0」』、『「7」「7」「7」』等のように3個とも同一の数字となった場合の特別図柄の組み合わせを大当り表示態様(大当り図柄)という。この大当り表示態様は、遊技状態が、通常遊技状態と比較して遊技者に有利な大当り遊技状態に移行したこと(すなわち「大当り」となったこと)を遊技者に認識させるための表示態様である。なお、大当り表示態様以外の変動表示結果を非大当り表示態様(はずれ図柄)という。
また、大当り遊技状態とは、例えば後述する大入賞口SOL72Sが、大入賞口15の扉を所定回数だけ開閉することで、通常遊技状態よりも多くの遊技球を入賞させやすくする遊技状態のことである。
なお、大当り遊技状態に移行したことを遊技者に認識させるための上記大当り表示態様は、確率変動大当りを示す表示態様である特別表示態様(確変大当り図柄)と、通常の大当りを示す表示態様である非特別表示態様(通常大当り図柄)とに分かれている。
また、特別表示態様は、「7」や「3」等の所定の数字が3個揃った場合をいい、一方、非特別表示態様は、特別表示態様以外の数字や図柄が3個揃った場合をいう。
なお、特別図柄の変動表示結果が特別表示態様となると(すなわち、確率変動大当りとなると)、大当り遊技状態終了後、特別図柄表示領域における特別図柄の変動表示結果が大当り表示態様となる確率の高い特別遊技状態(確率変動状態)へ移行される。一方、特別図柄の表示態様が非特別表示態様となると(すなわち、通常の大当りとなると)、大当り遊技状態終了後は通常の遊技状態へ移行される。
なお、本実施の形態において、上述した入賞記憶個数や通過記憶個数は、それぞれ普通図柄記憶LED、特別図柄記憶LEDに表示されるようになっているが、これに限られず、他の表示方法により表示されてもよい。例えば、表示領域21aに表示されるようになっていてもよい。
また、遊技盤2の背面には、演出画像(例えば、遊技状態に対応したアニメーションやその他の報知情報など。以下、「演出情報画像」という。)等を表示可能な表示領域21aを備えた表示装置である液晶表示装置(LCD)21が配置されている。
液晶表示装置21は、後述する画像制御回路305からの指示に基づいて任意の画像を表示領域21aに表示する。
なお、液晶表示装置21の表示領域21aは、演出画像やその他の報知情報を表示する情報表示領域と、普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示領域(普通図柄表示装置)と、特別図柄(識別図柄)の変動表示を行う特別図柄表示領域(特別図柄表示装置)とからなっている。
また、液晶表示装置21は、後述するサブCPU(不正開放判定手段)301による判定結果(基板ケースカバー500が不正に開放されたか否かの判定結果)を、上記表示領域21aの情報表示領域に表示して報知する報知手段である。
また、本実施の形態において、角形の形状をしている表示領域21aは、遊技領域2aより大きくともよいし、小さくともよい。また、表示領域21aの形状は角形に限定されず、他の形状であってもよい。例えば、円形であってもよい。
また、遊技盤2が透明である本実施の形態では、液晶表示装置21の表示領域21aが遊技盤2を通して視認可能に配置されている。また、液晶表示装置21にかえて、例えばCRT(陰極線管)あるいはプラズマディスプレイ等を用いることもできる。
また、図1および図2に示すように、ガラス扉9および上皿部4は一体化して形成されており、この一体化された開閉扉(開閉体)は、その一端がベースドア3aに回動可能に軸支され、他端がベースドア3aに係合するようになっている。なお、ガラス扉9は、可動可能に設けられた遊技盤2を視認可能に被うものである。
上皿部4はガラス扉9の下側に位置し、払い出された遊技球および遊技領域2aに打ち込まれる遊技球が貯留される上皿4aを有している。上皿部4の所定の位置に、遊技終了時などにおいて上皿4aに貯留された遊技球を後述する下皿5aに移動させて取り出す場合に操作されるシャッタレバー8が設けられている。
上皿部4の下側に位置する下皿部5は、ベースドア3aに固定されており、払い出しにより上皿4aからオーバーフローした遊技球が貯留される下皿5aを有している。
下皿部5の右側に設けられたハンドル7は、レール11(図2)を介して遊技盤2の遊技領域2aへ遊技球を打ち込む際に回動操作されるものであり、遊技球の発射を停止させるストップボタン(図示せず)が設けられている。
ガラス扉9の上側に位置するカバー6はベースドア3aに固定されており、カバー6の左右の部位6a,6bは、ベースドア3aに設けられる左右のスピーカ8a,8b(図10)にそれぞれ対応して、スピーカ8a,8bからの音声が聞こえるような構造になっている。
ここで、上記スピーカは、所定の音(例えば、遊技状態に対応した音楽やその他の報知情報など)を出力する機能を有している。
次に、図3を用いてベースドア3aの背面側の構成について説明する。
図3は、ベースドア3aの背面側および基板ケースカバー500を示す斜視図である。
図3のベースドア3a背面側において、向かって右側がヒンジ側(ヒンジ3c(図5)を介してベース枠3bに回動可能に支持されて装着されている側。すなわち、回動支点として支持される側。)であり、左側が開閉端側である。なお、遊技機内部が開放される場合は、開閉端側から開放される。
また、同図に示すように、ベースドア3aの背面には、遊技機1の動作を実現するためのさまざまな電子部品や電子部品等を実装した基板等が搭載されている。
例えば、ベースドア3aの背面中央には、主制御基板(図示せず)を保持する主制御基板ケース100が、ベースドア3aの背面の中央よりやや上右側には枠中継基板(図示せず)を搭載する枠中継基板ケース130が、ベースドア3aの背面の中央よりやや下左側には電源基板(図示せず)を保持する電源基板ケース150が、そして、ベースドア3aの背面の中央よりやや下右側には、払出制御基板(図示せず)を保持する払出基板ケース170がそれぞれ搭載されている。
ここで、主制御基板は、パチンコ機1の遊技の進行を制御する主制御回路200が搭載された基板である。枠中継基板は、AC電源の取り込みや基板間の信号の中継を行う基板である。電源基板は、各電子部品が動作するために必要な電圧の電源を生成する基板である。また、払出制御基板は、賞球や貸球等を下皿部5に向けて払出す払出装置(図示せず)を駆動制御する基板である。
なお、ベースドア3aの背面の上部には遊技球が貯留される貯留タンク400が配置されている。さらに、ベースドア3aの背面の各所には、電子部品を搭載した基板間を電気的に接続する配線(図示せず)が伸びている。
そして、ベースドア3aの背面の中央よりやや上左側、すなわち、主制御基板ケース100の上方には、副制御基板ケース50が搭載されている。副制御基板ケース50には、上記主制御基板における主制御回路200から受ける制御信号に基づいて所定の制御を実行する副制御回路300が搭載された副制御基板(図示せず)が格納されている。
なお、本実施の形態においては、上記副制御基板により、液晶表示装置21の表示領域21aの画像表示制御や、遊技機1の各所に配置されているランプ・LED(図示せず)等の発光表示制御、スピーカ8a,8bからの音出力制御が行われる。
さらに、図3および図4において、貯留タンク400の図面左側には、ベースドア3aの開放を検出する第1検出スイッチ(第1の検出手段)600が取り付けられている。すなわち、本実施の形態において第1検出スイッチ600は、ベースドア3aにおける開閉端側に取り付けられている。
ここで、ベースドア3aは、上述したとおりベース枠3bに開閉自在に支持されて装着されるが、その場合、上記第1検出スイッチ600は、当該ベース枠3bにおける外枠部分3d(図5参照)に当接するようになっている(本実施の形態において第1検出スイッチ600は、図5の外枠部分3dにおける右上に当接するようになっている。)。
すなわち上記外枠部分3dは、ベースドア3aが閉じた状態(ベースドア3aの開閉端側がベース枠3bに接触した状態)となったときに第1検出スイッチ600のスイッチ部620(図7および図8)に当接するようになっており(図9(a)参照)、一方、ベースドア3aが開閉端側から開放(ベースドア3aの開閉端側がベース枠3bから離反)されると外枠部分3dは第1検出スイッチ600のスイッチ部620から離反するようになっている(図9(b)参照)。
また、枠中継基板ケース130と主制御基板ケース100との間には、後述する基板ケースカバー500の開放を検出する第2検出スイッチ(第2の検出手段)700が取り付けられている(図3参照)。
そして、図3および図4において、副制御基板ケース50の図面左側および電源基板ケース150の図面左側には、基板ケースカバー500が回動可能に軸支される軸部30a,30bがそれぞれ設けられている。
基板ケースカバー500は、一端に形成された軸受け部501a,501b(詳しくは後述する)が、この軸部30a,30bに軸支されることによりベースドア3a背面側に開閉可能に取り付けられるようになっている(図4参照)。そして、これにより、副制御基板ケース50、主制御基板ケース100、枠中継基板ケース130、電源基板ケース150、払出制御基板ケース170等の基板ケースが、当該基板ケースカバー500に覆われて保護されるようになる。
また、基板ケースカバー500には、上記基板ケース等の形状に合わせられた凹凸が形成されている(図3、図4および図7参照)。これにより、ベースドア3a背面と基板ケースカバー500との間の隙間が狭まり、ベースドア3a背面側のスペース効率が高まるようになっている。
次に、図5を用いて島設備に固定されるベース枠3bについて説明する。
図5は図1の遊技機のベース枠を示す正面図である。
ベース枠3bにおいて、図面左側の上下には、ベースドア3aのヒンジ側が回動可能に取り付けられる上述のヒンジ3cが設けられている。
次に基板ケースカバー500について説明する。
図6は本実施の形態に係る基板ケースカバーの背面側を示す説明図である。
同図に示すように基板ケースカバー500の一端には、軸受け部501a,501bが形成されている(以下、軸受け部501a,501bが形成されている端部を「軸側」といい、当該軸側に対向する端部を「開閉端側」という。)。この軸受け部501a,501bを上述の軸部30a,30bに軸支させることにより、基板ケースカバー500が、上記軸側を回動支点としてベースドア3a背面側に回動可能に取り付けられるようになる。
そして、上記軸側に対向する端部、すなわち、開閉端側には、基板ケースカバー500の回動を防止する固定部502が形成されている(図3、図4および図6参照)。
当該固定部502にはネジ孔が形成されており、ネジ等でベースドア3aの背面側に固定されて取り付けられるようになっている。但し、これに限定されず、例えば、ピン等により固定されるようになっていてもよいし、接着により取り付けられるようになっていてもよい。
また、上記開閉端側には、上記第2検出スイッチ700(図3)に当接する当接部503が設けられている(図3、図4および図6参照)。
この当接部503は、基板ケースカバー500が閉じた状態(固定部502によりベースドア3a背面側に固定されて取り付けられた状態)となったときに第2検出スイッチ700のスイッチ部(図示せず)に当接するようになっている。一方、固定部502の固定が解除されて基板ケースカバー500が開閉端側から開放されると、当該当接部503は第2検出スイッチ700から離反するようになっている。
次に図7、図8および図9を用いて第1検出スイッチ600および第2検出スイッチ700について説明する。第1検出スイッチ600および第2検出スイッチ700は、互いに構造および機能が近似しているため、ここでは一方の第1検出スイッチ600について説明する。
図7および図8に示すように、第1検出スイッチ600は、矩形の本体部610とバネ力に付勢されて本体部610より突出しているスイッチ部620とから構成されている。
スイッチ部620は、上述の通りバネ力に付勢されて突出しているが、上記外枠部分3dに当接されると(すなわち、ベースドア3aが閉じられると)、図9(a)に示すようにバネ力に抗して本体部610に陥没するようになっている。
そして、このスイッチ部620は、外枠部分3dから離反すると(すなわち、ベースドア3aが開閉端側から開放されると)、図9(b)に示すようにバネ力が作用して再び突出するようになっている。
本体部610内部には、電気回路が備えられており、スイッチ部620が突出した状態となると通電してこれを検出するようになっている。これにより、ベースドア3aの開放を検出することができるようになっている。なお、スイッチ部620が陥没した状態となるとこの通電は解かれるようになっている。
ここで、第1検出スイッチ600は、副制御基板(図示せず)に搭載された副制御回路300(後述)に配線を介して電気的に接続されており、通電がされてベースドア3aの開放が検出されると、この通電が解かれるまでの間、ベースドア3aが開放されている旨の信号(以下、「ベースドア開放検出信号」という。)が副制御基板に搭載された副制御回路300に対して送り続けられるようになっている。
なお、第2検出スイッチ700についても、上記第1検出スイッチ600と同様の構成となっている。例えば、基板ケースカバー500が開放されることにより第2検出スイッチ700のスイッチ部(図示せず)が基板ケースカバー500の当接部503から離反すると、通電してその旨が検出され、この通電が解かれるまでの間、基板ケースカバー500が開放されている旨の信号(以下、「基板ケースカバー開放検出信号」という。)が副制御回路300に対して送り続けられるようになっている。
このように、ベースドア3aの背面には、電子部品や基板ケース等が搭載されている。
但し、これら基板ケースなどの搭載位置は一例に過ぎず、また、本発明の遊技機に搭載される電子部品や基板、基板ケースなどは列挙されたものに限定されない。
次に、図1に示したパチンコ遊技機1の制御系について、図10を参照して説明する。なお、図10は図1に示した遊技機の制御系を示すブロック図である。
遊技機1の制御系は、主制御基板(図示せず)に搭載された主制御回路200と、この主制御回路200に接続され、副制御基板(図示せず)に搭載された副制御回路300と、払出制御基板(図示せず)に搭載された払出制御回路70aおよび発射制御回路70bとを有している。
このように、本実施の形態においては、主制御回路200を搭載した主制御基板は、不正開放判定手段および記憶手段を有する副制御回路300を搭載した副制御基板とは別個に設けられている。すなわち、副制御回路300と主制御回路200とは別個に設けられている。
パチンコ遊技機1の払出制御回路70aには、カードユニット81が接続されている。
カードユニット81は、パチンコ遊技機1の近傍に設置され、プリペイドカードを差込可能な差込口を有しており、当該差込口に差し込まれたプリペイドカードに記録された記録情報を読み取る読み取り手段と、球貸し操作パネル10(図10)の操作に応じて、払出制御回路70aに対し遊技球の貸出を指令する貸出指令信号を出力する貸出指令信号出力手段と、読み取り手段によって読み取った記録情報から特定される貸出可能数から、貸出指令信号出力手段により貸出を指令した貸出数を減算し、上記差込口に差し込まれているプリペイドカードに当該情報を記録させる書き込み手段とを有している。
主制御回路200には、予め設定されたプログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技動作を行うメインCPU(超小型演算処理装置)201、異常時や電源投入時に各種設定を初期値に戻すためのリセット信号を生成する初期リセット回路204、メインCPU201が動作する上で必要な各種データを記憶するメインRAM203、メインCPU201が遊技機1の遊技動作を処理制御するためのプログラム、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル、乱数抽選によって普通当り判定をする際に参照される普通当り判定テーブル、乱数抽選によって特別図柄の変動表示パターンを決定する際に参照される当り変動表示パターン決定テーブルおよびはずれ変動表示パターンテーブル、乱数抽選によってキャラクタ画像や背景画像などの演出情報画像の表示パターンを決定する際に参照される演出情報画像表示パターン決定テーブル、その他の演出を抽選する際に参照される各種確率テーブルを格納しているメインROM202が実装されている。
メインRAM203は、メインCPU201によって計数された入賞記憶の数(始動入賞口14,17への入賞球数)を記憶するための入賞記憶カウンタ、メインCPU201によって計数された通過記憶の数(通過ゲート13の通過球数)を記憶するための通過記憶カウンタ、1回のラウンド中に大入賞口15に入球した遊技球の数を記憶するための大入賞口入賞カウンタ、および1回の大当り遊技状態中において大入賞口15が開放した回数を記憶するための大入賞口開放回数カウンタなどを具備する。
メインCPU201は、大当り遊技状態決定手段、識別図柄変動表示制御手段、遊技状態移行手段、および入賞口SOL制御手段の各機能を有している。
大当り遊技状態決定手段は、広義の遊技機本体(あるいは遊技機本体3)に設けられた入賞口(始動入賞口14,17)へ遊技球が入賞したことを契機として遊技状態を遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させるか否かを決定する。
例えば、大当り遊技状態決定手段は、始動入賞口14,17に遊技球が入賞した場合、乱数抽選により抽出した大当り判定用乱数値に基づいて大当り判定処理を実行し、この判定処理により大当りとなった場合は、遊技状態を大当り遊技状態に移行させる旨(大当り遊技状態とすること)を決定する。
ここで、大当り遊技状態決定手段により大当たり遊技状態に移行させる旨が決定されると、後述する識別図柄変動表示手段による特別図柄の変動表示の終了後、すなわち、特別図柄表示領域に大当り表示態様(大当り図柄)が表示された後に、遊技状態移行手段が、遊技状態を大当り遊技状態に移行させるようになっている。
なお、上述したように大当りには通常の大当りと確率変動大当りとの2種類があり、確率変動大当りであった場合は、大当り遊技状態終了後、遊技状態移行手段により遊技状態が次回の大当り遊技状態になる確率の高い特別遊技状態に移行される。
また、識別図柄変動表示制御手段は、特別図柄表示領域に特別図柄の変動表示を行わせるために変動表示パターンコマンドを生成し、セットするものであり、大当り遊技状態決定手段の大当り判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示を実行させるための変動表示パターンを決定する。
具体的には、識別図柄変動表示手段は、大当り遊技状態決定手段の大当り判定の結果に基づき、特別図柄の変動表示や演出情報の表示を実行させるための変動表示パターンを指示する変動表示パターンコマンド、変動表示の停止図柄を指示するコマンドを生成し、セットする。
この変動表示パターンには、特別図柄表示パターンと演出情報表示パターンとが含まれる。したがって、変動表示パターンコマンドには、特別図柄表示パターンを指示するデータと、演出情報表示パターンを指示するデータとが含まれる。
特別図柄表示パターンとは、特別図柄表示領域に変動表示される特別図柄の変動表示パターンのことである。また、特別図柄表示パターンには、3つの特別図柄(例えば、「左」、「中」、「右」)それぞれの変動表示時間を示す表示時間情報も含まれている。従って、特別図柄表示パターンは、変動表示パターンと時間情報とを含んでいる。
また、演出情報表示パターンとは、キャラクタなど演出情報の表示に関するパターンのことである。したがって、キャラクタの数に応じた演出情報表示パターンが用意され、これら複数の演出情報表示パターンのうち、実際に表示されるべく演出情報(演出情報画像)の演出情報表示パターンが指定(指示)されることとなる。
入賞口SOL制御手段は、遊技状態が大当り遊技状態に移行されると、大入賞口15の扉を開閉(大入賞口を開放)するように後述する大入賞口SOL72Sを制御する。
上述した各手段の機能をそれぞれ実現するためのプログラムがメインROM202に格納されており、メインCPU201が、これら各プログラムをメインROM202からメインRAM203へローディングして実行することにより、上述した各手段の機能を実現するようになっている。勿論、上述した各手段は、専用のハードウェアで構成するようにしても良い。
また、メインCPU201は、普通図柄表示領域に表示される内容の決定処理などを行っている。
ところで、メインCPU201は、上述した各手段の機能を遂行することにより、副制御回路300に対し、遊技における演出の指示に関するコマンドなど、各種のコマンドを送信して、当該遊技における演出を実行させる。
遊技における演出の指示に関するコマンドには、表示領域21aなどによる表示の演出の指示に関するコマンド、スピーカなど音発生手段による音の演出の指示に関するコマンド、およびランプあるいはLEDなど発光手段による光の演出の指示に関するコマンドが含まれている。
ちなみに、表示の演出の指示に関するコマンドには、上述した変動表示パターンコマンドなど、各種のコマンドが含まれている。
主制御回路200のI/Oポート205には、通過ゲート13の内側に設けられ、遊技球が通過するのを検知するセンサである通過ゲートSW19Sa、および始動入賞口14,17に入賞した遊技球を検知するセンサである始動口SW19aが接続されている。
また、I/Oポート205には、大入賞口15内の継続入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するセンサであるV・カウントSW19Sd、大入賞口15内の普通入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するセンサであるカウントSW19Se、一般入賞口12へ入賞した遊技球を検知するセンサである一般入賞口SW19Sb、およびメインRAM203に記憶されている各種データを消去するためのバックアップクリアSW74Sが接続されている。
さらに、I/Oポート205には、次の各構成要素が接続されている。すなわち、ハンドル7の操作によって発射装置90から発射される遊技球を検知する発射球センサ(図示せず)、および発射されたものの遊技盤2の盤面まで到達せずにレール11を戻ってきた遊技球を検知する戻り球センサ(図示せず)などのセンサが接続されているとともに、始動入賞口17を、遊技球を受け入れ易い状態と遊技球を受け入れ難い状態との間で切換える可動部材SOL(ソレノイド)71S、大入賞口15の扉を開閉する大入賞口SOL(ソレノイド)72S、および大入賞口15内のシーソを駆動するシーソSOL(ソレノイド)73Sなどのアクチュエータが接続されている。
ここで、上記各センサが遊技球を検知すると、その検知信号は主制御回路200のメインCPU201に入力されるので、メインCPU201は、その入力される検知信号に応じて、上記各アクチュエータ71S、72S、73Sをそれぞれ駆動制御する。
主制御回路200のコマンド出力ポート206からは、副制御回路300、払出制御回路70a、および発射制御回路70bに対してそれぞれ制御指令(コマンド)が送信される。
この制御指令(コマンド)を受信した副制御回路300によって液晶表示装置21、スピーカ8a,8b、ランプ・LED39aの動作が制御されるとともに、この制御指令(コマンド)を受信した払出制御回路70aおよび発射制御回路70bによって、払出装置82および発射装置90の動作が制御される。
払出制御回路70aには賞球や貸球等を払出す払出装置82が接続されている。払出制御回路70aは、一般入賞口12および大入賞口15などに遊技球が入球したことを条件として主制御回路200から出力される払出指令信号に応じて払出装置82を駆動制御し、所定数の遊技球を賞球として払出させる。また、払出制御回路70aは、カードユニット81から出力される貸出指令信号に応じて払出装置82を駆動制御し、所定数の遊技球を貸球として払出させる。
発射制御回路70bには遊技球を遊技領域2aに向けて発射する発射装置90が接続されている。また、発射制御回路70bは、ハンドル7の回動操作に応じて発射ソレノイドを駆動制御することにより、発射装置90から遊技球を発射させる。
次に、副制御回路300の構成について説明すると、副制御回路300には、サブCPU301、プログラムROM302、ワークRAM303、コマンド入力ポート304、画像制御回路305、音声制御回路306およびランプ制御回路307が備えられている。
サブCPU301は、コマンド入力ポート304を介して主制御回路200から受信したコマンドや、第1検出スイッチ600、第2検出スイッチ700等から受信した検出信号を解釈し、その解釈結果に従って画像制御回路305,音声制御回路306,ランプ制御回路307等の制御を行う。
さらに、不正開放判定手段であるサブCPU301は、第1検出スイッチ600や、第2検出スイッチ700から検出信号(ベースドア開放検出信号、基板ケースカバー開放検出信号等)を受信した場合には、基板ケースカバー500が不正に開放されているか否かの判定を行う。
本実施の形態において、サブCPU301は、ベースドア3aの開放中に基板ケースカバー500の開放が行われた場合(すなわち、ベースドア開放検出信号を受信したときに基板ケースカバー開放検出信号を受信した場合)のみ、当該開放は正当な開放であると判定する。
一方、ベースドア3aの閉鎖中に基板ケースカバー500の開放が行われた場合(すなわち、ベースドア開放検出信号を受信していない状態において基板ケースカバー開放検出信号を受信した場合)は、当該開放は不正開放であると判定する。
また、基板ケースカバー500の不正開放が行われたと判定したサブCPU301は、その判定結果を報知するための不正開放報知コマンドを生成してセットする。
なお、当該不正開放報知コマンドには、不正開放が開始された時間等が含まれる。
プログラムROM302には、サブCPU301が、主制御回路200から出力される各種コマンドや不正開放報知コマンドに基づいて画像制御回路305を処理制御するための制御プログラム(制御データ)、音声制御回路306を処理制御するための制御プログラム、ランプ制御回路307を処理制御するための制御プログラムなどが格納されている。
サブCPU301は、主制御回路200から変動表示パターンコマンドを受信したとき、は、受信したコマンドに対応する制御データをセットする。
さらに、サブCPU301は、セットした制御データに含まれる演出パターンに従った特別図柄や演出画像の表示を行わせるように、画像制御回路305に指示するためのデータを経時的に変化させる。
画像制御回路305は、所定時間ごとに送信されるサブCPU301の指示を実行することにより、表示領域21aにおいては、例えば、変動表示パターンに対応する特別図柄や演出画像が表示される。
また、サブCPU301は、不正開放報知コマンドを生成した場合においても、上記変動表示パターンコマンドを受信した場合と同様に、不正開放報知コマンドに対応する制御データをセットする。これにより、不正開放判定手段であるサブCPU301による判定結果および不正開放が開始された時間が表示領域21aの情報表示領域に表示される(例えば、図15参照)。
なお、図15は、液晶表示装置の表示領域に不正開放判定手段による判定結果が表示された状態の一例を示す説明図である。
ここで、図15においては、表示領域21aの情報表示領域に、2005年1月20日の23時に不正開放が発生した旨の表示がなされている。
なお、本実施の形態において不正開放判定手段による判定結果は、自動的に表示領域21aに表示されるが、これに限られず、所定の操作がなされた場合にのみ表示領域21aに表示されるようになっていてもよい。これにより、不正開放した者や遊技機の管理に携わらない者等に不正開放の事実を知られることを防ぐことができ、遊技機の機密性を高めることができる。
ワークRAM303は、サブCPU301が上記制御プログラムに従って処理制御を行う際の一時的な記憶手段となるものであり、メインCPU201からのコマンドや、不正開放報知コマンド等を記憶する受信バッファ領域(図示せず)と、第1検出スイッチ600、第2検出スイッチ700等からの検出信号を記憶する検出信号記憶領域(図示せず)と、不正開放が開始された時間(不正開放が発生した旨の判定を下した時間、すなわち、後述する不正開放フラグに不正開放を示す値(99)をセットした時間)および不正開放が終了した時間(不正開放が終了した旨の判定を下した時間、すなわち、後述する不正開放フラグに正常を示す値(00)をセットした時間)を記憶する不正開放時間記憶領域(図示せず)、処理制御するのに必要なデータなどを記憶する作業領域(図示せず)と、が割り当てられている。
さらに、ワークRAM303は、基板ケースカバー500の不正開放が発生した回数を記憶するための基板ケースカバー不正開放回数カウンタ、ベースドア3aの開閉状態を示す第1検出フラグ、基板ケースカバー500の開閉状態を示す第2検出フラグ、不正開放フラグなどを具備する。
ここで、基板ケースカバー不正開放回数カウンタは、初期状態においては0がセットされており、基板ケースカバー500の不正開放が発生する毎に更新されていくものであるが、本実施の形態において当該カウンタは、遊技機1の電源の遮断や、後述するステップS210の初期化処理等によってはリセットされないように設定されている。
なお、基板ケースカバー不正開放回数カウンタの値は、所定のタイミングで表示領域21aの情報表示領域に表示されるようになっていてもよいし、遊技機1の管理者の操作により表示されるようになっていてもよい。
また、パスワード等のアクセス制限をかけることにより、当該基板ケースカバー不正開放回数カウンタの値を第三者が確認することが出来ないようにしてもよい。これにより遊技機1の真の管理者のみが基板ケースカバーの不正開放に対する詳細な情報(不正開放の回数や時期等)を収集することができる。
また、第1検出フラグは、ベースドア3aが開放された状態にあるか否かを示すフラグであり、ベースドア3aが閉じている状態においてはベースドア閉鎖を示す値(00)がセットされている。
なお、ベースドア3aが開放されると、第1検出フラグにはベースドア開放を示す値(01)がセットされる。
第2検出フラグは、基板ケースカバー500が開放された状態にあるか否かを示すフラグであり、基板ケースカバーが閉じている状態においては基板ケースカバー閉鎖を示す値(00)がセットされている。
なお、基板ケースカバー500が開放されると、第1検出フラグには基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされる。
また、不正開放フラグは、基板ケースカバー500の不正開放が発生している状態にあるか否かを示すフラグであり、不正開放が発生していない状態においては正常を示す値(00)がセットされ、一方、不正開放が発生している状態においては不正開放を示す値(99)がセットされる。
このように、ワークRAM303は、不正開放時間記憶領域、基板ケースカバー不正開放回数カウンタ、ベースドア3aの開閉状態を示す第1検出フラグ、基板ケースカバー500の開閉状態を示す第2検出フラグ、不正開放フラグなどを具備することにより、不正開放判定手段による判定結果を記憶する記憶手段としての役割を果たしている。
画像制御回路305は、サブCPU301からの指示(主制御回路200から受信したコマンドに対応してワークRAM303の所定の作業領域にセットされた制御データに基づいた指示)に応じて、表示領域21aに特別図柄の変動表示などの表示を実行するものであり、各種画像データを記憶する画像データROM305bと、サブCPU301からの制御に応じて対応する画像データを画像データROM305bから抽出し、抽出したその画像データを基にして特別図柄の変動表示や演出画像の表示などを実行するためのデータを生成するVDP(Video Display Processor)305aと、VDP305aにより生成された表示画像データをアナログ信号に変換するD/A変換回路(D/Aコンバータ)305dとを具備する。
例えば、画像制御回路305は、サブCPU301の指示に基づいて、表示領域21aに対し、大当り判定の結果に対応する特別図柄の変動表示や演出画像の表示などを行わせる画像表示制御処理を行う。
また、例えば画像データROM305bは、表示領域21aにおける特別図柄表示領域に特別図柄を変動表示させるための特別図柄画像データ、表示領域21aにおける情報表示領域に演出画像を表示させるための演出画像データ、表示領域21aにおける情報表示領域に不正開放判定手段による判定結果を表示させるための報知画像データ等を記憶する。ここで、各画像データには、表示領域21aに各画像データを表示させるために必要な複数の画素データ(ドット単位のデータ)が含まれている。
ここで、VDP305aには、2つのバッファ領域が設けられたVRAM305cが接続されている。VDP305aは、所定時間(例えば、1/30秒)ごとに送信されるサブCPU301からの指示に基づいて、表示領域21aにおける表示を実行するためのデータを生成する際に、以下の処理を行う。VDP305aは、画像データROM305bから、所定の画像データを読み出し、VRAM305cに展開するとともに、VRAM305cから、展開された画像データを読み出す。具体的には、VDP305aは、VRAM305cに設けられた一方のバッファ領域に対して、展開処理を行い、他方のバッファ領域から、既に展開処理が行われた画像データを読み出す。次にVDP305aは、サブCPU301の指示に基づいて、展開処理対象のバッファ領域と、読み出し対象のバッファ領域とを切り換える。そして、VDP305aは、読み出した画像データを、D/A変換回路305dを介して、表示領域21aに表示させる。
なお、本実施の形態では、画像データを展開する記憶装置としてVRAMを使用しているが、これに限られず、他の記憶装置を利用してもよい。たとえば、データを高速で読み書きできるSDRAMを用いてもよい。
音声制御回路306にはスピーカ8a,8bが接続されている。音声制御回路306は、サブCPU301の制御に基づき、音信号を生成する。スピーカ8a,8bは、入力したこの音信号に基づいて音を発生する。
ランプ制御回路307にはランプ・LED39aが接続されている。ランプ制御回路307は、サブCPU301の制御に基づき、信号を生成する。ランプ・LED39aは、入力したこの信号に基づいて遊技機1の各所に備え付けられているランプやLED(例えば、普通図柄記憶LED、特別図柄記憶LED等)などの点灯表示等を行う。
ここで、スピーカ8a,8b、ランプ・LED39aおよび上述した液晶表示装置21は、サブCPU301がセットした制御データに基づいて演出を行う演出手段の機能を果たすものである。
なお、パチンコ遊技機1における各処理は、主制御回路200と副制御回路300とにより制御されているが、主制御回路200は、副制御回路300により制御される処理の全部または一部を処理してもよく、副制御回路300は、主制御回路200により制御される処理の全部または一部を処理してもよい。
次に、副制御回路300によるメイン処理、主制御回路200からのコマンドを受信したことを契機としてメイン処理に割込むように実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図11は本発明の実施の形態に係るコマンド受信割込処理の処理手順を示すフローチャートであり、図12は本発明の実施の形態に係る遊技機の副制御回路によるメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、コマンド受信割込処理について、図11を参照して説明する。このコマンド受信割込は、副制御回路300が主制御回路200からコマンドを受信する毎に発生するようになっている。
ステップS201において、サブCPU301は、現在実行中のプロセス(後述するメイン処理)を中断するために、レジスタに格納されている情報を退避させる。
ステップS202において、サブCPU301は、コマンド入力ポート304を介して受信したメインCPU201からのコマンド(例えば、変動表示パターンコマンドなど)を、ワークRAM303の受信バッファ領域へ格納とともに、当該受信したコマンドに基づいて所定の処理を実行する。
すなわち、サブCPU301は、受信したコマンドに対応する制御データを、ワークRAM303の作業領域にセットする。
ステップS203において、サブCPU301は、ステップS201で退避させた情報をレジスタに復帰させる。これにより、中断されているプロセスは再開可能となる。
次に、本実施の形態の副制御回路300のメイン処理について、図12を参照しながら説明する。
ステップS210において、サブCPU301は、各種設定を初期化する初期化処理を行い、その後、検出信号受信処理、不正開放判定処理を実行し、さらにコマンド解析処理を実行する。
ここで、ステップS220の検出信号受信処理について、図13を参照しながら説明する。図13は、検出信号受信処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS220−1において、サブCPU301は、ベースドア開放検出信号を第1検出スイッチ(第1の検出手段)600から受信したか否かを確認する。そして、サブCPU301は、ベースドア開放検出信号を受信した場合には、ステップS220−2の処理に移り、ベースドア開放検出信号を受信していない場合には、ステップS220−3の処理に移る。
ステップS220−2において、サブCPU301は、ベースドア開放を示す値(01)を第1検出フラグにセットする。
ステップS220−3において、サブCPU301は、ベースドア閉鎖を示す値(00)を第1検出フラグにセットする。
ステップS220−4において、サブCPU301は、第2検出スイッチ700から基板ケースカバー開放検出信号を受信したか否かを確認する。そして、サブCPU301は、基板ケースカバー開放検出信号を受信した場合には、ステップS220−5の処理に移り、基板ケースカバー開放検出信号を受信していない場合には、ステップS220−6の処理に移る。
ステップS220−5において、サブCPU301は、基板ケースカバー開放を示す値(01)を第2検出フラグにセットする。
ステップS220−6において、サブCPU301は、基板ケースカバー閉鎖を示す値(00)を第2検出フラグにセットする。
ここで、ステップS230の不正開放判定処理について、図14を参照しながら説明する。図14は、不正開放判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS230−1において、サブCPU301は、不正開放フラグに不正開放を示す値(99)がセットされているか否かを確認する。そして、サブCPU301は、不正開放フラグに不正開放を示す値(99)がセットされている場合には、ステップS230−8の処理に移り、一方、不正開放フラグに不正開放を示す値(99)がセットされていない場合には、ステップS230−2の処理に移る。
ステップS230−2において、サブCPU301は、第1検出フラグにベースドア開放を示す値(01)がセットされているか否かを確認する。そして、サブCPU301は、第1検出フラグにベースドア開放を示す値(01)がセットされていない場合には、ステップS230−3の処理に移り、一方、第1検出フラグにベースドア開放を示す値(01)がセットされている場合には、不正開放判定処理を終了する。
ステップS230−3において、サブCPU301は、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされているか否かを確認する。そして、サブCPU301は、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされている場合には、ステップS230−4の処理に移り、一方、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされていない場合には、不正開放判定処理を終了する。
ステップS230−4において、不正開放判定手段であるサブCPU301は、不正開放を示す値(99)を不正開放フラグにセットする。すなわち、サブCPU301は、第2の検出手段によって基板ケースの開放が検出された場合に、第1の検出手段および第2の検出手段の検出結果に基づいて当該開放が不正であるか否かを判定する。
ステップS230−5において、サブCPU301は、不正開放開始時間記憶処理を行う。
具体的には、ステップS230−4にて不正開放フラグに不正開放を示す値(99)をセットした時間をワークRAM303の不正開放時間記憶領域に記憶する。
ステップS230−6において、サブCPU301は、基板ケースカバー不正開放回数カウンタに“1”を加算する。
ステップS230−7において、サブCPU301は、不正開放が開始された時間(すなわち、ステップS230−4にて不正開放を示す値(99)をセットした時間)を含む不正開放報知コマンドを生成してワークRAM303に格納するとともに、当該不正開放報知コマンドに基づいて所定の処理を実行する。
すなわち、サブCPU301は、不正開放報知コマンドに対応する制御データを、ワークRAM303の作業領域にセットする。
ステップS230−8において、サブCPU301は、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされているか否かを確認する。そして、サブCPU301は、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされていない場合には、ステップS230−8の処理に移り、一方、第2検出フラグに基板ケースカバー開放を示す値(01)がセットされている場合には、不正開放判定処理を終了する。
ステップS230−9において、不正開放判定手段であるサブCPU301は、正常を示す値(00)を不正開放フラグにセットする。すなわち、サブCPU301は、不正開放が終了した旨の判定を下す。
ステップS230−10において、サブCPU301は、不正開放終了時間記憶処理を行う。
具体的には、不正開放フラグに正常を示す値(00)をセットした時間をワークRAM303の不正開放時間記憶領域に記憶する。
再度、図12を参照して説明する。ステップ250において、サブCPU301は、ステップS202(図11)やステップS230−7(図14)等においてセットした制御データを確認し、当該制御データが画像制御回路305を処理制御するための制御プログラムであった場合、当該制御データに基づいて画像表示制御処理を実行する。
例えば、サブCPU301は、ステップS202(図11)により変動表示パターンコマンドに対応する制御データをセットした場合、セットした制御データに含まれる変動表示パターンに従った特別図柄の変動表示を行うように、VDP305aに指示するためのデータを経時的に変化させる。VDP305aが所定時間ごとに送信される上記指示を実行することにより、液晶表示装置21の特別図柄表示領域において、変動表示時間の間、変動表示パターンコマンドに対応する特別図柄の変動表示が行われ、変動表示時間が終了すると、特別図柄は、停止図柄コマンドが示す図柄を表示して停止する。
また、サブCPU301は、セットした制御データに含まれる演出パターンに従った演出情報画像の表示を行うように、VDP305aに指示するためのデータを経時的に変化させる。VDP305aが所定時間ごとに送信される上記指示を実行することにより、表示領域21aにおいて、変動表示パターンコマンドに対応する演出情報画像の表示が行われる。
一方、サブCPU301は、ステップS230−7(図14)により不正開放報知コマンドに対応する制御データをセットした場合、セットした制御データに従って、VDP305aに指示するためのデータを経時的に変化させる。VDP305aが所定時間ごとに送信される上記指示を実行することにより、表示領域21aの情報表示領域において、不正開放報知コマンドに含まれる情報(すなわち、不正開放が開始された時間)および不正開放が発生した旨を報知する情報等の表示が行われる(図15参照)。
ステップS260において、サブCPU301は、音声制御処理を実行する。
具体的には、音声制御処理においては、サブCPU301は、ステップS202(図11)やステップS230−7(図14)等でセットした制御データが、音声制御に対応するデータであるときは、制御データを音声制御回路306に送る。音声制御回路306は、制御データに基づいて、スピーカ8a,8bに、例えば、所定の遊技状態を遊技者に報知するための音信号を出力させる。
ステップS270において、サブCPU301は、ランプ・LED点灯制御処理を実行する。
また、ランプ・LED点灯制御処理については、サブCPU301は、ステップS202(図11)やステップS230−7(図14)等でセットした制御データが、ランプもしくはLEDの点灯制御に対応するデータであるときは、制御データをランプ制御回路307に送る。ランプ制御回路307は、制御データに基づいて、ランプ・LED39aに、例えば、所定の点灯・消灯パターンに従った点灯・消灯を行わせる。
このメイン処理においては、上述したステップS220からステップS270までの処理が繰り返し行われる。
このように、本実施の形態においては、記憶手段であるワークRAM303に、基板ケースカバー不正開放回数カウンタの値、不正開放開始時間および不正開放終了時間等を記憶しているので、これにより、不正開放がされた回数、不正開放がされた時期、および不正開放が開始されてから終了するまでの時間等を検知することができるようになっている。
また、本実施の形態において、不正開放判定手段であるサブCPU301は、ベースドア3aの閉鎖中に基板ケースカバー500の開放が行われた場合に、当該開放は不正開放であると判定しているが、これに限られず、他の条件が成立した場合に不正開放であると判定してもよい。例えば、サブCPU301は、ベースドア3aの開放中に基板ケースカバー500が開放された場合に、当該開放は不正開放であると判定してもよい。
なお、本実施の形態では、基板ケースカバー500の不正開放が行われたときに、不正開放判定手段における判定結果を表示領域21aの情報表示領域に表示するようにしていたが、この表示とともに、遊技機の各所に備え付けられているランプやLED等を点灯表示させてもよいし、不正開放がされた旨を報知する音をスピーカ8a,8bから発生させるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、基板ケースカバー500には軸受け部501a,501bが、ベースドア3a背面側には軸部30a,30bがそれぞれ備えられていたが、これに限られず、種々の形態が考えられる。例えば、基板ケースカバー500には軸部30a,30bが、ベースドア3a背面側には軸受け部501a,501bがそれぞれ備えられていてもよい。
また、本実施の形態において、基板ケースカバー500は、ベースドア3a背面側の軸部30a,30bに回動可能に軸支されて取り付けられていたが、これに限られず、回動不能に取り付けられていてもよい。
また、基板ケースカバー500に、係止するための爪部を設け、これにより基板ケースカバー500は、当該爪部によりベースドア3a背面側に取り付けられるようになっていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板ケース(例えば、副制御基板ケース50、主制御基板ケース100、枠中継基板ケース130、電源基板ケース150、払出制御基板ケース170など)を覆う基板ケースカバー500の開放が行われた場合に、第1の検出スイッチ(第1の検出手段)600および第2の検出スイッチ(第2の検出手段)700の検出結果に基づいて基板ケースカバー500の開放が不正であるか否かを判定しているので、基板ケースへの不正を的確に検出することができる。また、これにより、たとえ基板ケース自体が不正に交換された場合であっても基板ケースへの不正を検知することができる。
また、本実施の形態によれば、不正開放判定手段であるサブCPU301は、第1検出スイッチ(第1の検出手段)600がベースドア3aの開放を検出していない状態において、第2検出スイッチ(第2の検出手段)700により基板ケースカバー500の開放が検出された場合、当該開放が不正であると判定するようになっている。つまり、基板ケースカバー500の開放が所定の手順に基づいて行われていない場合に、当該開放は不正であると判定されるようになっているので、不正開放をより的確に検知することができる。また、これにより、たとえ基板ケース自体が不正に交換された場合であっても基板ケースへの不正をより確実に検知することができる。
さらに、本実施の形態によれば、不正開放判定手段による判定結果を記憶するワークRAM(記憶手段)303を備えるようにしているので、不正開放の回数や、時期等を記憶することが可能となり、不正開放に関する情報をより多く収集することができる。そのため、不正開放に対する対策をより適切に行うことができる。
また、第三者による改ざんは、遊技の進行を制御する主制御回路200が搭載された主制御基板に対して行われることが多いため、本実施の形態によれば、相対的に改ざんされる虞が低い副制御基板に不正開放判定手段や記憶手段等の機能を備えることにより、基板ケースカバー等の不正開放をより的確に検知することができるとともに、不正開放に対してより適切な対策を取ることができる。
また、本実施の形態によれば、不正開放判定手段による判定結果を報知する液晶表示装置(報知手段)21を備えることを特徴としているので、基板ケースカバー等の不正開放が行われた場合には、その旨が従業員等に知らされるため、当該不正開放に対する対応を適切に行うことができ、基板ケースの不正交換等による改ざんの被害を最小限に食い止めることができる。
また、上記報知により不正開放に対する抑止力が働くため、不正開放の予防につながる。