【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録装置に装着可能なインクカートリッジの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録装置にインクを供給するためのインクカートリッジとして、ケース内に設置した多孔質体にインクを含浸させたもの、可撓性の袋にインクを収容したものなどが広く用いられている。また、特開昭58−53473号公報、特公表3−505999号公報、米国特許第4509062号明細書などには、一つの面を開口させたケースの開口部を覆って可撓性のフィルムを張り、ケースとフィルムとの間にインクを収容するものが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、インクカートリッジは、インクカートリッジに接続されたインクジェットヘッドに安定したインク噴射動作を行わせることができ、インクを最後までほぼ完全に使い切ることができるのが望ましい。
【0004】
しかしながら、従来のインクカートリッジでは、十分なインク量があるときには、インクの供給圧力を所定値に維持しインクジェットヘッドに安定したインク噴射動作を行わせることが可能であるが、インク量が少なくなると、インクの供給圧力が変わり、安定した供給動作を続けることができなくなる。また、インクを最後までほぼ完全に使い切ることができない。
【0005】
そこで、本発明は、ヘッドに安定したインク噴射動作を行わせることが可能で、さらに、インクを最後までほぼ完全に使いきることが可能なインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、凹面部と開口部とを有するインクを収容するためのインク収容凹部、および該インク収容凹部内部と外部とを連通させる連通口を備えた本体ケースを用意する工程と、前記インク収容凹部の前記開口部の周縁部分に可撓性膜を貼り付け、該開口部を該可撓性膜で覆う工程と、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部の空気を前記連通口から抜くことにより、前記インク収容凹部の内部を減圧するとともに前記可撓性膜を外側から加熱することにより、該可撓性膜を前記インク収容凹部の凹面部の表面に沿って変形させる工程と、前記変形工程の後、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部にインクを充填する工程とからなることを特徴とするインクカートリッジの製造方法を提供している。
【0007】
インクカートリッジの本体ケースのインク収容凹部の開口部を覆う可撓性膜を、インクの減少にともないインクに圧力を与えることなく変形していくことによりインクジェットヘッドに供給するインクの圧力をほぼ一定に保ちインクジェットヘッドのインク噴射動作を安定に行うことができ、またインクの使い残し(インク残量僅少時に供給できなくなって残留するもの)を少なくできる作用効果をもつ形状に、簡単かつ確実に形成することができる。さらに、連通口により、可撓性膜で覆った該インク収容凹部の内部を簡単に減圧することにより、上記形状を容易に達成することができる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、凹面部と開口部とを有するインクを収容するためのインク収容凹部、および該インク収容凹部内部と外部とを連通させる連通口を備えた本体ケースを用意する工程と、前記インク収容凹部の前記開口部の周縁部分に可撓性膜を貼り付け、該開口部を該可撓性膜で覆う工程と、前記可撓性膜で覆われた前記開口部に対向して、前記凹面部と対称な形状をした収納凹部を有する型を配置する工程と、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部に前記連通口から空気を押し込むか、前記可撓性膜と前記型との間の空間を減圧するとともに前記可撓性膜を加熱することにより、該可撓性膜を前記型の収納凹部の表面に沿って変形させる工程と、前記変形工程の後、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部にインクを充填する工程とからなることを特徴とするインクカートリッジの製造方法を提供している。
【0009】
インクカートリッジの本体ケースのインク収容凹部の開口部を覆う可撓性膜を、インクの減少にともないインクに圧力を与えることなく変形していくことによりインクジェットヘッドに供給するインクの圧力をほぼ一定に保ちインクジェットヘッドのインク噴射動作を安定に行うことができ、またインクの使い残し(インク残量僅少時に供給できなくなって残留するもの)を少なくできる作用効果をもつ形状に、簡単かつ確実に形成することができる。
【0010】
前記連通口は、前記インク収容凹部の内部のインクを外部へ供給するインク供給孔であることが好ましい。
【0011】
前記インクを充填する工程は、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部を減圧し、その後インクを注入することが好ましい。
【0012】
前記本体ケースは、前記インク収容凹部の内部へインクを注入するためのインク注入孔と、前記連通口として、前記インク収容凹部の内部のインクを外部へ供給するためのインク供給孔とを備え、前記インクを充填する工程は、前記可撓性膜で覆った前記インク収容凹部の内部を前記インク供給孔から減圧し、その後前記インク注入孔からインクを注入することが好ましい。
【0013】
前記可撓性膜は、耐熱特性を有する耐熱層と熱溶融特性を有する熱溶融層とからなり、前記インク収容凹部を可撓性膜で覆う前記工程は、前記本体ケースの該インク収容凹部の該開口部を囲む縁部に該熱溶融層を接触させ、該縁部を加熱することで該熱溶融層を該縁部に対し熱溶着させることが好ましい。
【0014】
熱溶融層が熱溶着してインク収容凹部の縁部に貼り付けられる。
【0015】
前記凹面部は、該凹面部の少なくとも一部に沿って相互に連続しかつ前記連通口に連続した凹を有することが好ましい。
【0016】
インクをインク収容凹部に注入する前に、連通口からインク収容凹部内を減圧して可撓性膜を凹面部に密着させるが、このとき、可撓性膜が不規則に撓んでしまうと密着しなかったところにエアを残留させる。相互に連続した凹が連通口に連続しているので、可撓性膜が不規則に撓んでもエアをほぼ完全に抜き可撓性膜を凹面部にほぼ完全に密着させ、エアの残留なしにインクを注入することができる。
【0017】
前記凹は、前記凹面部に沿ってループ状をなす溝であることが好ましい。ループ状をな す溝により、エアをほぼ完全に抜くことができる。
【0018】
前記凹は、シボ状の多数の突部間に形成された凹であることが好ましい。シボ状の多数の突部間に形成された凹により、エアをほぼ完全に抜くことができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態によるインクカートリッジの製造方法について図1乃至図40に基づき説明する。
【0027】
まず、本実施の形態によるインクカートリッジと本実施の形態によるインクカートリッジが装着される記録装置の実施の形態とを、図1〜図11に基づき、説明する。
【0028】
図1に示すように、本実施の形態に係る記録装置は、スキャナ機能、コピー機能、ファックス機能等を有した複合機1である。この複合機1は、インクジェット記録装置20上にフラットベッド型の読みとり装置10を配置した薄型コンパクト構造を有している。読みとり装置10には操作板12が設けられている。インクジェット記録装置20は給紙トレイ22を備えている。複合機1には電話機24とアンテナ26とが設けられている。電話機24は、子機通話機能使用時に親機として機能し公衆電話回線と接続可能になっている。また、アンテナ26により子機とも無線通信が可能となっている。
【0029】
なお、インクジェット記録装置20の内部には、記録動作を行う記録部の他、電源や、複合機1の動作を制御するための主基板、ファックス機能や電話機能のために公衆電話回線との接続を制御するためのNCU基板、さらに、2つのメディア基板28(図7)が設けられている。インクジェット記録装置20の前面には、2つのメディアスロット29が形成されている。外部記憶媒体(メディア)をいずれかのメディアスロット29に挿入することで、対応するメディア基板28に外部記憶媒体を着脱自在に装着することができる。外部記憶媒体に格納されているデジタルカメラ等で撮影したデータを読みとって印刷等に供する。
【0030】
図2に示すように、フラットベッド型の読みとり装置10は、読みとり装置筐体14を備えている。読みとり装置筐体14は、原稿を置くための原稿ガラス15を備えている。原稿ガラス15の下側には、密着形イメージセンサ(CIS)16が走査可能に配置されている。また、原稿ガラス15の上面を覆うための上面カバー17が、読みとり装置筐体14に対し開閉可能に設けられている。
【0031】
操作板12は読みとり装置筐体14の前側上面に備えられており、ユーザが、複合機1の動作(コピー動作、ファックス動作、及び、スキャナ動作等)の指示を入力することができる。
【0032】
なお、フラットベッド型の読みとり装置10は、インクジェット記録装置20に対して、図示しない取り付け手段にて、取り外し可能となっている。
【0033】
図3に示すように、読みとり装置10の下側にあるインクジェット記録装置20は、ハウジング30を備えている。給紙トレイ22はハウジング30内から後方上側に突出している。給紙トレイ22には給紙ローラ23が設けられており、用紙を1枚ずつ供給できるようになっている。給紙トレイ22からの用紙を受け取る位置に記録部としてのプリンタエンジン60が設けられている。プリンタエンジン60の前には排紙部Dが規定されており、プリンタエンジン60で記録された用紙が排出される。なお、排紙部Dには排紙トレイ34を着脱自在に装着できる。排紙部Dの下側のハウジング30の床面上には、本実施の形態のインクカートリッジ200(図12)を装着するためのインクカートリッジ収納部Pが配置されている。こうして、インクカートリッジ収納部Pはプリンタエンジン60より低い位置に配置されている。
【0034】
図4に示すように、ハウジング30は、上方からカバー体40で覆われている。ここで、カバー体40は、プリンタエンジン60を上方から覆うエンジンカバー部42と、インクカートリッジ収納部Pを上方から覆うと共に排紙部Dを上側に規定するカートリッジ収納カバー部44とを有している。エンジンカバー部42の前面が開口し用紙排出口46が規定されている。カートリッジ収納カバー部44は、用紙排出口46から出てくるプリンタエンジン60で記録された用紙の搬送経路の下、すなわち廃止トレイ34の下に位置する。
【0035】
カートリッジ収納カバー部44は、図3に示すように、インクカートリッジ収納部Pの天井板として機能する。後述のように、この天井板44とカートリッジ収納部底壁32との間にインクカートリッジ収納部Pが形成され、その前面開口部Oからインクカートリッジ200を奥へ挿入することができるようになっている。なお、前面開口部Oは前面カバー50により開閉可能に覆われている。ここで、前面カバー50は、閉じている時にカートリッジ収納カバー部44と平面的に連なる上面壁52と、上面壁52から鉛直下方に延びる前面壁54とを備えている。
【0036】
また、カートリッジ収納カバー部44の下面には、図5に示すように、インクカートリッジ収納部Pに収納される4つのインクカートリッジ200の上面の形状に沿ったカーブ状凸壁47が4個形成されている。また、カートリッジ収納カバー部44には、前面カバー50が開くときに前面カバー50に設けられた一対のアーム56(図6)を受け取るための一対の切り欠き48が形成されている。
【0037】
前面カバー50は、図6に示すように、一対のアーム56を備えている。インクカートリッジ収納部P内の底壁32上には、後述のように、5つの隔壁110が並んでおり、そのうち両端に位置している2つの隔壁110から回動軸57が突出している。前面カバー50の一対のアーム56が回動軸57に対して回動可能に取り付けられており、ユーザは前面カバー50を自由に開閉することができる。
【0038】
前面カバー50の裏側には、縦方向に延びる縦リブ58が7つ形成されている。各縦リブ58は、前面カバー50の前面壁54から上面壁52の一部にまで達するように延びている。これら7つの縦リブ58のうち4つの縦リブ58は、装着されるインクカートリッジ200の幅方向の中央に対応した位置に形成されている。したがって、いずれか1つのインクカートリッジ200が半指し状態(インクカートリッジ収納部P内において完全に挿入されておらず中途半端な位置まで挿入されている状態)になっていても、前面カバー50を閉じるだけで、対応する縦リブ58がこのインクカートリッジ200を自動的に奥に押し込み確実に挿入する。なお、図示されていないが、前面カバー50の裏面には、これら7つの縦リブ58を補強すべく、これら7つの縦リブ58に対して直交し横方向に延びる複数の横リブも形成されている。
【0039】
なお、カートリッジ収納部の底壁32は、インクカートリッジ200を前面開口部Oへ向けて案内するために、カバー部44よりも手前側に延びており、その部分には、平面視において半円形もしくは1/4円形のへこみ部102が各隔壁110に対応した位置に形成されている。このへこみ部102により、底壁32はインクカートリッジ収納部Pに収納されたインクカートリッジ200のつまみ部202の幅より狭くなっている。従って、インクカートリッジ収納部Pに収納されたインクカートリッジ200を指でつまみやすくなっている。
【0040】
図7は、インクジェット記録装置20からカバー体40及び前面カバー50を外した状態を示す。図より明らかなように、ハウジング30の上面は開口しており、また、その前面にはインクカートリッジ収納部Pの前面開口部Oが形成されている。なお、インクジェット記録装置内のメディアスロット29に対応した位置には2つのメディア基板28が配置されている。また、メディア基板28の後側には、後述する正圧ポンプ36が配置されている。
【0041】
インクカートリッジ収納部Pには、ブラック(K)インクカートリッジ200kを装着するためのブラック(K)インクカートリッジ装着部Skと、シアン(C)インクカートリッジ200cを装着するためのシアン(C)インクカートリッジ装着部Scと、イエロー(Y)インクカートリッジ200yを装着するためのイエロー(Y)インクカートリッジ装着部Syと、マゼンタ(M)インクカートリッジ200mを装着するためのマゼンタ(M)インクカートリッジ装着部Smとが、用紙の幅方向に並んでいる。
【0042】
なお、ブラック(K)インクカートリッジ200k、シアン(C)インクカートリッジ200c、イエロー(Y)インクカートリッジ200y、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ200mを、以下、適宜、まとめて、インクカートリッジ200という。また、ブラック(K)インクカートリッジ装着部Sk、シアン(C)インクカートリッジ装着部Sc、イエロー(Y)インクカートリッジ装着部Sy、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ装着部Smを、以下、適宜、まとめて、インクカートリッジ装着部Sという。
【0043】
各インクカートリッジ装着部Sには、後述するように、対応するインクカートリッジ200を装着させるためのカートリッジ装着機構100と、装着されたインクカートリッジ200内のインクをプリンタエンジン60へ供給するためのインク供給機構80と、装着されたインクカートリッジ200内のインクに正圧ポンプ36からの正圧を印加するための正圧印加機構90とが設けられている。インク供給機構80からはインクをプリンタエンジン60内に供給するためのインク供給用チューブTが延びている。より詳しくは、ブラック(K)インクカートリッジ装着部Sk、シアン(C)インクカートリッジ装着部Sc、イエロー(Y)インクカートリッジ装着部Sy、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ装着部Smから、ブラック(K)インク供給用チューブTk、シアン(C)インク供給用チューブTc、イエロー(Y)インク供給用チューブTy、及び、マゼンタ(M)インク供給用チューブTmがそれぞれ延びている。なお、ブラック(K)インク供給用チューブTk、シアン(C)インク供給用チューブTc、イエロー(Y)インク供給用チューブTy、及び、マゼンタ(M)インク供給用チューブTmを、以下、適宜、まとめて、インク供給用チューブTという。
【0044】
ハウジング30の床面上のインクカートリッジ収納部Pの後側には、図示しない廃インク吸収部材等が配置され、その上にプリンタエンジン60が配置されている。プリンタエンジン60は、エンジンハウジング62を備えている。図示されていないが、エンジンハウジング62の後面には、給紙トレイ22から供給されてくる用紙を受け入れるための用紙搬入口が形成されている。エンジンハウジング62の前面には、プリンタエンジン60で記録された用紙を排紙部Dに向けて排出するためのエンジン用紙排出口64が形成されている。エンジンハウジング62内において用紙搬入口からエンジン用紙排出口64へ用紙搬送路が規定されている。カバー体40がハウジング30を覆う際このエンジン用紙排出口64が既述の用紙排出口46(図4)と対向するため、記録済み用紙が排紙部D上に排出される。エンジンハウジング62の前面には、さらに、ブラック(K)インク供給用チューブTk及びシアン(C)インク供給用チューブTcをプリンタエンジン60内に導入するためのKCチューブ用開口66、及び、イエロー(Y)インク供給用チューブTy及びマゼンタ(M)インク供給用チューブTmをプリンタエンジン60内に導入するためのYMチューブ用開口68の他、図示しない主基板等に接続されたケーブルをプリンタエンジン60内に導入するためのケーブル用開口等が形成されている。
【0045】
図8に示すように、エンジンハウジング62の内側には複数のローラ対からなる用紙搬送機構76が設けられており、給紙ローラ23から供給されてくる用紙をエンジン用紙排出口64へ用紙搬送路上で搬送する。キャリッジ走査軸72が、用紙搬送路の上方で、かつ、用紙搬送方向と直交した方向に延びている。キャリッジ74がキャリッジ走査軸72上にキャリッジ走査軸72に沿って往復移動できるように設けられている。圧電型インクジェットヘッド70はキャリッジ74の下側面に搭載されており、上記複数色のインクごとにそれぞれノズル群(図示せず)を有する。各ノズルは下方向に向いており、インクを用紙に向け下方向に噴射するようになっている。圧電型インクジェットヘッド70には、各ノズル群に対応して4本のインク供給用チューブT(Tk、Tc、Ty、Tm)とケーブルとが接続されており、4色(ブラック、シアン、イエロー、マゼンタ)のインクと駆動信号とが供給される。キャリッジ74がキャリッジ走査軸72に沿ってスキャンし圧電型インクジェットヘッド70がその各ノズル群の幅に対応した幅ずつバンド記録を行う。1スキャン終了する度に用紙搬送機構76が記録幅に応じた量だけ紙送りを行う。キャリッジ走査軸72上であって用紙搬送路から外れた位置には、図示しない公知のキャップ及びポンプを備えたパージ装置78が設けられている。圧電型インクジェットヘッド70のノズルが目詰まりをした場合等に、圧電型インクジェットヘッド70がパージ装置78に対向する位置に移動し、キャップがノズルを覆ってポンプがノズルからインクを吸引するパージ動作を行う。
【0046】
このように、キャリッジ74の上に圧電型インクジェットヘッド70のみを搭載し、インクカートリッジ収納部Pに収納されているインクカートリッジ200のインクをチューブで圧電型インクジェットヘッド70に供給するようにしている。また、圧電型インクジェットヘッド70がインクカートリッジ収納部Pより鉛直方向において上側に配置されているため、圧電型インクジェットヘッド70とインクカートリッジ200との水頭差により、インクジェットヘッド70のノズル内のインクに負の圧力(すなわち背圧)を作用させることができる。したがって、圧電型インクジェットヘッド70のノズルからインクが意図せずに垂れてしまうことを防止できる。
【0047】
図9に示すように、全4つのインクカートリッジ装着部Sに設けられているインク供給機構80、正圧印加機構90、及び、カートリッジ装着機構100は、互いに同一の構成をしている。
【0048】
インク供給機構80は、図9及び図10に示すように、インク導出用の中空針82とインク供給用チューブTとが接続されたバッファタンク84から構成されている。インク導出用の中空針82は、前面開口部Oに向かう方向に延びている。中空針82は、公知のものと同様に中空で、その側面に内部に連通した1対の針穴が形成されている。インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部S内に装着されると、インク導出用の中空針82がインクカートリッジ200内に挿入され、インクをバッファタンク84に供給する。バッファタンク84は、インク導出用の中空針82により供給されたインクを一旦保持し、インク内のゴミをフィルタリングするためのものである。フィルタリングされたインクがインク供給用チューブTを介して圧電型インクジェットヘッド70に供給される。
【0049】
正圧印加機構90は、正の空気圧力をインクカートリッジ200内のインクに印加するためのものである。正圧印加機構90は、正圧空気ポンプ36に接続された正圧付与部材91から構成されている。なお、全4つのインクカートリッジ装着部Sに設けられた計4つの正圧付与部材91は、正圧空気ポンプ36に対して正圧付与チューブ92を介して直列接続されている。また、正圧空気ポンプ36と正圧付与チューブ92との間には図示しないリリーフ弁(圧力抜き)があり、空気ポンプ36の駆動によりチューブ92を介して4つの正圧付与部材91からインクカートリッジ200に向けそれぞれ等しい圧力の空気流を吐出するようになっている。
【0050】
正圧付与部材91は、図10に示すように、環状の弾性シール部材93と、この環状の弾性シール部材93をバネ94により前面開口部Oに向かう方向に付勢しながら保持する保持部材96とからなる。環状の弾性シール部材93は、ゴムキャップからなり、正圧ポンプ36からの正圧付与チューブ92に連通した正圧付与穴98をその中心に備えており、正圧付与穴98が前面開口部Oに対向している。
【0051】
カートリッジ装着機構100は、隔壁110と、底壁32上のへこみ部102と、ガイド用突壁120と、針保護板130、該針保護板130のロック部材180(図11参照)、ロック解除操作片150、抜け止めロック用凸部160、及び、インク残量検出用フォトセンサ170を備えている。
【0052】
隔壁110は、各インクカートリッジ装着部Sの両側において底壁32上から上方向に突出し前面開口部Oから奥へ延びるように形成されており、インクカートリッジ装着部Sの幅を規定する。なお、隣り合うインクカートリッジ装着部Sの間に位置した隔壁110は、隣り合うインクカートリッジ装着部Sを仕切る役割も果たす。
【0053】
ここで、各インクカートリッジ装着部Sの幅は、対応するインクカートリッジ200を装着できるよう、対応するインクカートリッジ200の幅に適合した大きさとなっている。後述するように、シアン(C)インクカートリッジ200c、イエロー(Y)インクカートリッジ200y、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ200mの幅は互いに等しく、インクの使用頻度の高いブラック(K)インクカートリッジ200kの幅は内部容量が大きくなるように、シアン(C)インクカートリッジ200c、イエロー(Y)インクカートリッジ200y、マゼンタ(M)インクカートリッジ200mの幅より大きい。このため、シアン(C)インクカートリッジ装着部Sc、イエロー(Y)インクカートリッジ装着部Sy、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ装着部Smの幅は互いに等しく、ブラック(K)インクカートリッジ装着部Skの幅は他のインクカートリッジ装着部の幅より大きくなっている。
【0054】
インクカートリッジ装着部Sの底壁32は、前面開口部Oよりも手前側に延びている。天井面すなわちカバー部44が前面開口部Oの位置までの長さであるので、手前側に延びている底壁32の部分は、前面カバー50を開放した状態において上面が開放され、インクカートリッジ200を装着する際に、インクカートリッジ200を前面開口部Oに向けて案内する役目を果たす。
【0055】
針保護板130、インク残量検出用フォトセンサ170、ロック解除用の操作片150、及び、抜け止めロック用凸部160は、インク導出用の中空針82の手前(中空針82の延長方向軸線上)に、中空針82側からこの順番に、配置されている。ガイド用突壁120及びロック解除用の操作片150と、インク残量検出用フォトセンサ170とは、幅方向において、中空針82の延長方向軸線を挟む両側の位置に設けられている。ガイド用突壁120は、奥行き方向に延びており、針保護ロック解除片150が奥行き方向においてガイド用突壁120の手前側端と奥側端との間に位置している。針保護板130は、奥行き方向において、ガイド用突壁120の手前側端と奥側端との間であって、ロック解除用の操作片150より奥側に位置している。インク残量検出用フォトセンサ170も、奥行き方向において、ガイド用突壁120の手前側端と奥側端との間であって、ロック解除用の操作片150より奥側に位置している。
【0056】
また、ガイド用突壁120とこれに隣接した隔壁110との幅方向の距離(ガイド−隔壁間距離)、及び、ガイド用突壁120とインク残量検出用フォトセンサ170との幅方向の距離(ガイド−センサ間距離)において、シアン(C)インクカートリッジ装着部Sc、イエロー(Y)インクカートリッジ装着部Sy、及び、マゼンタ(M)インクカートリッジ装着部Smにおいては、ガイド−隔壁間距離Laは互いに等しく、また、ガイド−センサ間距離Lb1も互いに等しい。一方、ブラック(K)インクカートリッジ装着部Skにおけるガイド−隔壁間距離Laは他のインクカートリッジ装着部におけるガイド−隔壁間距離と等しいが、ブラック(K)インクカートリッジ装着部Skにおけるガイド−センサ間距離Lb2は、他のインクカートリッジ装着部におけるガイド−センサ間距離より大きい。
【0057】
隔壁110は、底壁32から上方向にカバー体40の下面に達するまで延びている。隔壁110の前面開口部O側端部の上部には、張り出し112が形成されている。この張り出し112は、インクカートリッジ200を挿入する際、その張り出しの下にインクカートリッジが入りやすくするために下側にテーパが形成され、挿入後において、インクカートリッジの高さ方向の位置及び傾きを規制する。また、隔壁110の奥行き方向における奥側の上部にも、同様の張り出し112が形成されており、高さ規制をしている。なお、隔壁110の奥行き方向における中程の上部にも同様の張り出し112が形成されているが、この張り出し112の上には、インクカートリッジ200を下方向に付勢するためのバネ114が設けられており、インクカートリッジ200の上下方向の動きを規制する。
【0058】
ガイド用突壁120は、ロック解除用の操作片150に隣接する位置において底壁32から上方向に突出し、ガイド用突壁120とそれに近接する隔壁110との間隔Laが、通常のユーザーの指の太さよりも十分に小さいことにより、ユーザーの指が操作片150に触れることを回避するためのものである。また、前面開口部O側からインクカートリッジ装着部Sに挿入されたインクカートリッジ200を奥方向へガイドしつつその幅方向の位置決めを行うためのものである。ガイド用突壁120の手前側及び奥側の両端は幅が太くなっている。このため、幅の太いところでインクカートリッジ200とほぼ点接触することによって、幅方向の位置決めを精度よく行うようになっている。なお、インクカートリッジ200のガイド及び位置決めは、隔壁110で行うこともでき、また隔壁110とガイド用突壁120の共同によって行うこともできる。
【0059】
インク残量検出用フォトセンサ170は、赤外線発光部172と赤外線受光部174とからなり、インクカートリッジ200内のインク残量を検出するためのものである。フォトセンサ170は、底壁32の下に配置された回路基板から底壁32の上方に突出している。赤外線発光部172と赤外線受光部174の各々の前面開口部O側には、これらを保護するためのセンサーガード176が底壁32から突出して設けられている。
【0060】
針保護板130はインク導出用の中空針82の前面開口部O側に間隔を置いて位置し、該先端を前面開口部Oに対してカバーするためのものである。図11に示すように、針保護板130は底壁32の下側において前記奥行き方向と直交する針保護板回動軸132の周りに回動可能に支持され、底壁32に形成された開口部104から底壁32上に突出した上記カバー位置と、開口部104内に没した開放位置とに移動可能で、バネ183により上記カバー位置に向け常に付勢されている。ロック部材180は、底壁32の下側に軸184の周りに回動可能に回動可能に支持され、その一端から立ち上がった押さえ板140を針保護板130の中空針82側の面と対向させる方向に、バネ182により付勢されている。また、ロック部材180は、軸184と押さえ板140との間に、ロック解除用の操作片150を一体に備え、前記バネ182の付勢により、その操作片150を底壁32に形成された開口部106からガイド用突壁120と隔壁110間に突出させている。
【0061】
この状態で、インクカートリッジ200を正規に正面開口Oから挿入すると、後述するように、インクカートリッジ200の下面で、まずロック解除用の操作片150を押し、ロック部材180を回動させて押さえ板140を針保護板130の背面から下方に退避させる。インクカートリッジ200をさらに装着部Sの奥方向に進めると、インクカートリッジ200の前面で、針保護板130を押すが、針保護板130の背面にはその回動を阻止する押さえ板104が存在しないので、針保護板130を開口部104内に倒し、インクカートリッジ200は中空針82と連結を果たす。
【0062】
インクカートリッジ200を、装着部Sから抜くと、まず、針保護板130は、バネ183の作用で中空針82をカバーする位置に起立し、その後、押さえ板140がバネ182の作用で、針保護板130の背面に戻る。
【0063】
ロック解除用の操作片150を押すことなく、針保護板130に対して正面開口O側から外力が作用しても、針保護板130はその背面が押さえ板140に当接しており、中空針82を正面開口O側に対して露出することはない。
【0064】
抜け止めロック部材190は、装着されたインクカートリッジ200が前記正圧付与部材91のバネ94による抜ける方向の付勢に対して抵抗を与えるためのもので、底壁32に形成された開口部108から底壁32上に突出可能な凸部160を有している。抜け止めロック部材190は、底壁32の下面に軸192の周りに回動可能に支持され、バネ182により上方向に付勢されおり、通常は、凸部160を開口部108から底壁32上に突出させ、装着位置にあるインクカートリッジ200の後述の抜け止めロック凹部246(図18)に嵌入している。しかしながら、後述のように、インクカートリッジ200を着脱する際の力により、インクカートリッジ200が凸部160に当接すると、抜け止めロック部材190は軸192の周りに回動して、凸部160が底壁32より下に待避し、インクカートリッジ200の着脱を可能にする。
【0065】
上記構成のインクカートリッジ装着部Sが、カバー体40のカートリッジ収納カバー部44が構成する天井板の下に同一平面上(底壁32上)に幅方向に並んでインクカートリッジ収納部Pが構成されている。したがって、インクカートリッジ収納部Pは全体として扁平な略直方体形状となっている。したがって、複合機1全体の構成も薄型コンパクトな形状となっている。
【0066】
以下、本実施の形態のインクカートリッジ200について、図12〜図39を参照して、説明する。
【0067】
本実施の形態のシアン、イエロー、マゼンタ、及び、ブラック用のインクカートリッジ200は、いずれも、図12で示す形状をしている。すなわち、いずれも、略透明な樹脂製の本体ケース230と蓋210とからなり、全体として扁平な略直方体形状をしている。なお、シアン、イエロー、マゼンタ用のインクカートリッジ200(カラー用インクカートリッジ)は互いに同一の大きさである。一方、ブラック用のインクカートリッジ200は、カラー用インクカートリッジ200とは、その長さは同一である。しかしながら、ブラック用のインクカートリッジの幅はカラー用インクカートリッジより大きい。
【0068】
本体ケース230は、幅方向の両側に平坦な側壁232を備え、これら側壁232間距離(すなわち、本体ケース230の幅)がインクカートリッジ装着部Sの両側に設けられた隔壁110間の距離に対応している。
【0069】
蓋210は、略平坦な形状を有している。蓋210は、その略中心部に、球面状に外側に湾曲した球面状外側湾曲部212を備え、また、前端部分においても幅方向両端部分を残して平坦状に盛り上げた凸形部分213を備えている。蓋210の球面状外側湾曲部212の周囲及び凸形部分213の左右両側には、平坦部214が形成されている。平坦部214のうち球面状外側湾曲部212及び凸形部分213の幅方向両側に位置した部分は、インクカートリッジの200の長さ方向に延びている。その長さ方向に延びる平坦部214は、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに挿入する際、前記張り出し112の下に対向し、これら平坦部214がバネ114(図10)に対し摺動する。湾曲部212及び凸形部分213は、その両側に位置する張り出し112の下面よりもカバー部44の下面(すなわち天井面)に向けて突出している。
【0070】
なお、インクカートリッジ200は、カバー部44の奥行き方向の長さよりも十分長くつくられており、装着部Sへの装着状態において後端部分がカバー部44から突出する。そのインクカートリッジ200の後端部は、幅が狭められており、つまみ部202となっている。かかるつまみ部202によれば、図6のように複数個のインクカートリッジ200がインクカートリッジ収納部Pに収納されている時に、所望の1個をつまんでとりやすいようになっている。逆に、隣接するインクカートリッジ収納部Pにインクカートリッジ200が収納されているときにもつまんで装着しやすいようになっている。また、蓋210の後端付近には、幅方向に直線状に延びるリブ217が形成されている。したがって、このリブ217に指をかけてカートリッジ200を手前に引くことで、インクカートリッジ収納部Pからインクカートリッジ200を1本指で取り出すこともできる。
【0071】
図13に示すように、本体ケース230の前面壁234には、その幅方向中央領域に上方向に突出した凸部分235が形成されている。前面壁234の略中央には、インク供給孔260が開口している。インク供給孔260は本体ケース230内に設けられたインク収容部300(図14)からインクを外に供給するための孔であり、インク供給用ゴム栓262(図39(a))が圧入して装着されている。また、インク注入孔270が、インク供給孔260に隣接して開口している。インク注入孔270はインク収容部300へインクを外から注入するための孔であり、インク注入用ゴム栓272(図39(a))が圧入して装着されている。さらに、大気連通孔280も開口している。大気連通孔280は、小径の細長い孔で、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着されたとき、正圧付与部材91の正圧付与穴98と連通する。さらに、ガイド用溝236とセンサ収容溝240とが、本体ケース230の前面壁234と底面壁とにわたって、前面及び下面に開口して形成されている。ガイド用溝236は、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着される際、ガイド用突壁120(図10)に係合するための凹部である。なお、ガイド用溝236とその近傍の側壁232との間の部分の前面及び底面は、ロック解除部238として機能し、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着される際ロック解除操作片150を押す役割を果たす。センサ収容溝240は、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着される際、インク残量検出用フォトセンサ170を収容するための凹部である。
【0072】
図14に示すように、本体ケース230は、インク収容部300を内部に備え、上側に開口している。より詳しくは、本体ケース230は、前面壁234と、両側の側壁232と、後面壁237とを備えている。側壁232が前面壁234と後面壁237とを接続している。後面壁237の後方につまみ部202が接続されている。インク収容部300は、これら前面壁234、両側の側壁232、及び、後面壁237で囲まれている。インク収容部300は、本体ケース230内に形成された後述する収納凹部310(図15)に可撓性フィルム302が貼られた構成となっている。可撓性フィルム302は、収納凹部310の開口部周縁312に溶着されており、収納凹部310との間にインクが溜められている。インクをいっぱいに充填した状態では、フィルム302は上側に向かって球面状に膨らんでいる。インク供給孔260及びインク注入孔270がインク収容部300内に連通している。より詳しくは、インク供給孔260は、インク供給孔260より小径のインク供給連通路268を介してインク収容部300内と連通している。また、インク注入孔270は、インク注入孔270より小径のインク注入連通路278を介してインク収容部300内と連通している。
【0073】
略長方形板状のテンションプレート306が、その長手方向がインクカートリッジ200の長さ方向に平行に延びるように、可撓性フィルム302上に設けられている。テンションプレート306の長手方向中心部が、可撓性フィルム302の略中心部に両面テープで貼り付けられている。
【0074】
なお、ケース本体の長手方向断面形状(図21)は、黒用、カラー用とも、同一である。テンションプレート306は長手方向に貼るため、全色に対して同じ長さのテンションプレート306を用意し貼ることで、同一のテンションを与えられる。テンションプレート306の長さは、インク収容部300の長さ方向の寸法より若干短く形成されている。また、テンションプレートの材質は、例えばPETフィルムなどの樹脂製フィルムである。尚、このテンションプレート306の詳細な作用については後述する。
【0075】
インク収容部300の周りには、大気連通孔280と連通した大気室290が形成されている。より詳しくは、前面壁234の後側には、隔壁282が形成されており、両側の側壁232を接続している。また、蓋210の平坦部214からは、本体ケース230の隔壁282、側壁232、及び、後面壁237と接合されるための外側凸壁211が形成されている。蓋210を本体ケース230に対して取り付け、外側凸壁211を隔壁282、側壁232、及び後面壁237と接合することにより、大気室290は、隔壁282と側壁232と後面壁237とで囲まれ、かつ、蓋210に覆われたインク収容部300を囲む領域として規定される。大気室290は、大気連通孔280のみで外部に連通する略密閉状態となる。ここで、大気連通孔280は、前面壁234と隔壁282との間に延在し前面壁234と隔壁282とに開口する連通路である。また、インク供給連通路268及びインク注入連通路278が隔壁282を貫通してインク収容部300と連通している。蓋210が本体ケース230に取り付けられ本体ケース230の開口を覆うことにより、大気室290は大気連通孔280のみで外部と連通することになる。大気室290に大気圧もしくは正圧が印加されることにより、インク収容部300の可撓性フィルム302に対しインク収容部300の外側から圧力を加えることができる。このため、インク収容部300内のインクをインク供給孔260を介して外側に排出できる。
【0076】
なお、大気室290内には、複数のリブ292(図15)が形成されており、本体ケース230の強度が保たれている。
【0077】
図14は、蓋210のうち、本体ケース200に取り付けられる内側面を示している。この図より明らかなように、蓋210は略平坦で、その略中心部に形成された球面状外側湾曲部212は可撓性フィルム302の膨らみを包む形状となっている。球面状外側湾曲部212を囲む平坦部214の所定幅の環状部分は、後述するインク収容周縁部216を規定する。なおこの図から明らかなように、環状のインク収容周縁部216を分断するように溝形状の切り欠き218が形成されている。蓋210を本体ケース230に接合した状態において、蓋側の周縁部216は、本体ケース側の開口周縁部312に接着された可撓性フィルム302と間隔をあけるように設計されているが、後述するようにインクカートリッジを真空パック包装したとき、蓋210と本体ケース230とが相互に接近する方向に塑性変形して蓋側の周縁部216が可撓性フィルム302と密着しても、溝形状の切り欠き218と後述する凸壁切り欠き219を介して、球面状外側湾曲部212と可撓性フィルム302との間の空間を大気室290と連通させる役割を果たす。また、インク収容周縁部216の外側であって外側凸壁211の内側には、インク収容周縁部216を囲むように平坦部214から突出して延びる凸壁215が形成されている。蓋210が本体ケース230に装着される際、凸壁215は、後述する収納凹部周縁部312の外周を囲むように位置する(図27参照)。ただし、凸壁215は、本体ケースの側壁232に沿う外側凸壁211に近接する部分では切り欠かれて該外側凸壁211と接続している。その結果、インク収容周縁部216のうち切り欠き218が形成されている位置に対応した位置、及び、インク収容周縁部216において切り欠き218が形成されている位置と反対側の位置において、切り欠かれた凸壁215の部分に、凸壁切り欠き219が規定されている。この凸壁切り欠き219もまた、球面状外側湾曲部212と可撓性フィルム302との間の空間を大気室290と連通させ、大気連通孔280からの正圧が凸壁215により遮られないようにする役割を果たす。
【0078】
図15に示すように、収納凹部310は、開口周縁部312に囲まれ上面に開口した凹面部320からなる。開口周縁部312は、円形(もしくは楕円形)でその一部328が外側に張り出した形状をしている。凹面部320は、開口周縁部312と同一の高さに位置している円形(もしくは楕円形)状周囲縁322より略球面状に下方向に湾曲し、その略中心が最も低い位置となっている球面状部324を備えている。なお、球面状部324の一部は、まっすぐに傾斜した斜面部326となっている。開口周縁部312の外側に張り出した部分と円形(もしくは楕円形)状周囲縁322との間には、水平に延びる平坦肩部328が形成されている。可撓性フィルム302が凹面部320を覆うように開口周縁部312に貼り付けられることで、可撓性フィルム302と、斜面部326を含む球面状部324、及び、平坦肩部328の間にインクが溜められる。
【0079】
なお、平坦肩部328の高さは開口周縁部312の高さと略一致しており、平坦肩部328上の可撓性フィルム302の膨らみ量は小さい。蓋210がケース本体230に装着されていても、平坦肩部328と可撓性フィルム302との間に溜められたインクにより、蓋210の上からインクの色を視認することができる。換言すると、凹面部320内のインクは、そこにいっぱいにインクを充填した状態では、インク層が厚いため、色がほとんど黒に見えるが、平坦肩部328と可撓性フィルム302との間の薄いインク層では、本来のインクの色が見える。
【0080】
可撓性フィルム302は、収容凹部310内にインクがほとんどない状態において、収容凹部310内面に略密着する略球面形状にあらかじめ形成されている。可撓性フィルム302をこの形状に製作する方法は、後述する。これにより、可撓性フィルム302と収容凹部310との間にいっぱいインクが充填された状態から、収容凹部310内にインクがほとんどない状態まで、可撓性フィルムはインクの量に追従して柔軟に変形することができ、可撓性フィルム自体が弾性により伸縮等してインクに圧力を作用させることはほとんどない。
【0081】
凹面部320の底面には、インク注入孔270(インク注入連通路278)と連通したインク注入溝330、及び、インク供給孔260(インク供給連通路268)と連通したエアー抜き兼インク供給溝332が形成されている。凹面部320の底面には、更に、凹面部320上に残存するインクの残量を検出するためのセンシング機構340が設けられている。
【0082】
図16に示すように、センシング機構340は、センサレバー収容溝350と、このセンサレバー収容溝350内に配置されたセンサレバー360とT字形抑えフィルム342とから成る。センサレバー収容溝350は、凹面部320の底面に開口し、ケース本体230の下面(図18)に沿った底面352を有している。センサレバー収容溝350は、凹面部320の球面状部324の中心位置からケース本体の長さ方向に対して45度ずれた方向に延び、凹面部320の円形(もしくは楕円形)状周囲縁322に達した位置で45度曲がりケース本体の長さ方向に平行に延びるように形成されている。なお、センサレバー収容溝350のうちケース本体の長さ方向に平行に延びる部分を溝端部354という。溝端部354は平坦肩部328上に開口している。このように、センサレバー収容溝350は、凹面部320の球面状部324の中心部から斜面部326に渡る位置においては、ケース本体の長さ方向に対して45度ずれた方向に延びるように開口し、平坦肩部328上ではケース本体の長さ方向に平行に延びるように開口している。センサレバー収容溝350の深さは、球面状部324では略一定であり、斜面部326で急激に増え平坦肩部328で再び略一定となっている。センサレバー収容溝350の溝端部354は、凹面部320の外へ延びて、センサ収容溝240内に突出した壁すなわち凸部372(図18)に沿って、そのセンサ収容溝240内に達している。また、センサレバー収容溝350は、その長手方向と直交する溝351を有する。
【0083】
センサレバー360は、インクの比重より高い比重を有し、赤外線を遮蔽できるよう黒色の樹脂で形成されている。センサレバー360は、センサレバー収容溝350内に配置されている。センサレバー360は、三角柱形状の回動支点部362を有し、その両側に動作アーム部364とセンシングアーム部366とを備える板状ビーム部材である。半球面状ピボット365(インク残量検知点)が動作アーム部364の端部に設けられている。センサレバー360は、半球面状ピボット365(インク残量検知点)が凹面部320の球面状部324の中心位置に位置するように、センサレバー収容溝350内に配置される。また、センシングアーム部366は、その端部にて45度曲がっており、この曲がった端部367が、センサレバー収容溝350の溝端部354(平坦肩部328に開口した部分)に配置され、センシング点367として機能する。回動支点部362は、センサレバー収容溝350の直交溝351内に配置され、回動支点部362の断面三角形の頂点が該溝351の底面に接触するようインク内で沈む。この結果、センサレバー360は、回動支点部362を支点として回動することができる。ここで、センシングアーム部366の重量の方が動作アーム部364の重量より大きい。例えば、センシングアーム部366の重量は動作アーム部364の重量の5倍以上となっている。このため、センサレバー360は、インクが十分に残っている場合には、図17に実線で示すように、センシングアーム端部367側がセンサレバー収容溝350の底面352上に位置し、半球面状ピボット365(インク残量検知点)が底面352から浮いて凹面部320の底面上に突出している。一方、インクが消費され可撓性フィルム302が凹面部320へ向かって降りてくると、図17に二点鎖線で示すように、可撓性フィルム302が半球面状ピボット365(インク残量検知点)を下側に押すことにより、センシングアーム端部367(センシング点)がてこの原理によって上昇する。なお、この様に、センサレバー360を、凹面部320の下から凹面部320外に延びるセンサレバー収容部350に収容しているため、センサレバー360が凹面部320に向かって変形してくる可撓性フィルム302を阻害することがないため、インク残量検出を確実に行うことができる。
【0084】
また、センサレバー360のセンシングアーム部366の長さL1は動作アーム364の長さL2よりも大きい。例えば、センシングアーム部366の長さL1は動作アーム364の長さL2の約4倍となっている。したがって、可撓性フィルム302が半球面状ピボット365(インク残量検知点)を少し下降させても、センシングアーム端部367を大きく上昇させ、後述する残量検出センサー70の検出、非検出動作を確実に行うことができる。
【0085】
本実施の形態では、PETフィルム製のテンションプレート306が設けられているため、インクの使い残しがほとんどない状態で、センサレバー360を確実に動作させる、つまり、インクを最大限に使い切ることを可能にしている。つまり、インクの減少にともない可撓性フィルム302が下降するとき、一部にしわを寄せながら収納凹部320に密着することがある。そのしわの部分と収納凹部320との間にインクを残留させたまま、センサレバー360を動作させ、インクの使い残しを生じさせる。
【0086】
前述のようにテンションプレート306は、その中央部分のみが可撓性フィルム302の中央部分に接合されており、インクが多いときには、図17に実線で示すように、膨らんだ可撓性フィルム302の上に載った状態にあり、インクの減少とともに下降する。しかし、インクが少なくなってくると、テンションプレート306は、収納凹部320の最も低い位置よりも上の位置で、その両端を収納凹部320の内周面に当接させ、下降するのを拘束される。この結果、可撓性フィルム302の周辺部分は収納凹部320の内周面に沿って密着するが、中央部分をテンションプレート306で持ち上げられた状態となる。このとき、持ち上げられた可撓性フィルム302の中央部分は、センサレバー360のピボット365と間隔をあけて対向している。
【0087】
さらにインクが少なくなってくると、可撓性フィルム302の中央部分は、テンションプレート306の弾性に抗して、さらに下降し、インクがほとんどなくなると、センサレバー360のピボット365を押す。このとき、可撓性フィルム302の中心がセンサレバー360を押すまで、収納凹部320の内周面に沿って密着する可撓性フィルム302の周辺部分の面積を、中心に向けて徐々に増していく。つまり、可撓性フィルム302に途中でしわを生じさせることが少なく、またインクを収納凹部320の中心部に集めながら、可撓性フィルム302が下降するので、インクの使い残しがほとんどない状態で、センサレバー360を確実に動作させることができる。
【0088】
テンションプレート306は、上記のように下降を拘束されたとき可撓性フィルム302をセンサレバー360のピボット365と間隔を置くことができる形状であれば、上記のような略長方形だけでなく、三角形、星形、円形等、任意の形状でよい。さらにそれらの外周部分が収納凹部320の内周面に当接するだけでなく、開口周縁部312に載るようにすることもできる。
【0089】
上記テンションプレート306はインク収容部300内の圧力に影響を与えない重量及び弾性力であることが、好ましいが、これらを適宜設定することにより、インク収容部300内の圧力を調整することもできる。インクが多いときには、テンションプレート306は中央部のみが可撓性フィルム302と触れた状態となるので、テンションプレート306の自重分によりインク収容部300内へ正圧として与えられる。インクが少なくなってくると、テンションプレート306が梁のように機能して可撓性フィルム302の中央部を上方に持ち上げる。結果、インク収納部300に負圧を与えている。このテンションプレート306のバネ力(インク少量時の負圧力に関与)や重さ(インクが多いときの正圧力に関与)や長さ(正圧付与から負圧付与に切り替わるタイミングに関与)を調整することで、インクの消費状況に応じた適正な圧力をインク収容部300へ与えられる。
【0090】
本実施の形態では、テンションプレート306を、インク残量が僅少状態に至るまでは可撓性フィルム302に追従して移動するように可撓性フィルム302に連結している。その一方で、テンションプレート306は、インク残量が僅少状態となった以降は、本体ケースの凹面部320に拘束され、可撓性フィルム302をピボット(インク残量検知点)365から離れる方向に付勢する弾性を有している。テンションプレート306は、少なくともインク残量僅少状態時以降は、可撓性フィルム302のうちピボット(インク残量検知点)365に対向する部分を除く他の部分が凹面部320にほぼ沿うのを許容するが、可撓性フィルム302のうちピボット(インク残量検知点)365に対向する部分についてはこれをピボット(インク残量検知点)365から離れる方向に付勢する。しかも、インク残量僅少状態時以降、インクが減少するのにともない、テンションプレート306の付勢に抗して、可撓性フィルムがピボット(インク残量検知点)365に向けて接近する。こうして、インクの使い切りが確実とされている。
【0091】
図16に示すように、T字形抑えフィルム342は、PET製で、センサレバー収納溝内に、センサレバー360の上から、センサレバー360を下向きに押さえるように設けられる。より詳しくは、抑えフィルム342は、固定部分342aと、センシングアーム部366を押す弾性板部分342bとを一体に有する。センサレバー収容溝350のうち回動支点362が収容される溝351には、段差が形成されており、その段差から1対の凸部356が形成されている。固定部分342aには、1対の穴344が形成され、1対の凸部356を1対の穴344にはめ込みこの1対の凸部356をつぶすことで、固定部分342aが凹面部320にかしめ止される。これにより、回動支点部362をT字形抑えフィルム342との間に隙間をもって溝351に保持し、センサレバー360を、その回動支点362を支点として自由に回動することができる。弾性板部分342bは、固定部分342aからセンシングアーム部366側に延びるように溝350内に挿入配置される。これにより、弾性板部分342bによってセンシングアーム部366が下方向に、すなわち、半球面状ピボット365がバスタブ凹部320の底面上に突出する向きに付勢されるため、インクカートリッジの輸送中にインクカートリッジが上下反転するようなことがあっても、半球面状ピボット365が凹面部320の底面上に突出することを確保することができる。なお、弾性板部分34の弾性は、インクの減少に伴うセンシングアーム部366の上昇を妨げない程度の大きさである。
【0092】
なお、センサレバー収容溝350のうちセンシングアーム部366が収容されている部分は斜面部326に形成されている。斜面部326の傾斜の方が球状面部の傾斜より大きいため、センシングアーム部366の上昇移動量を可撓性フィルム302に接触して妨げられることなく、十分に確保することができる。
【0093】
図18に示すように、本体ケース230の下面は、インクカートリッジ装着部S底面に対して滑らせることが可能な平滑面242を備えている。平滑面242は両側の側壁232と連結している。本体ケース230の下面には、ガイド用溝236とセンサ収容溝240とが形成されている。ここで、図30に示すように、ガイド用溝236とその幅方向近傍の側壁232との距離Lacは、インクカートリッジ装着部Sにおけるガイド−隔壁間距離Laに対応した距離となっている。また、図35に示すように、ガイド用溝236は、前面壁234から長さ方向にガイド用突壁120を収容できる長さLcc(具体的には、少なくとも、インクカートリッジ装着部Sにおける正圧付与部材91とガイド用突壁120の前面開口部O側端部との距離Lc以上の長さ)だけ形成されている。このため、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着する際、ガイド用溝236がガイド用突壁120を収容できる。図30に示すように、ガイド用溝236とセンサ収容溝240との距離Lbcは、インクカートリッジ装着部Sにおけるガイド−センサ間距離Lbに対応した距離となっている。また、図35に示すように、センサ収容溝240は、前面壁234から長さ方向に正圧付与部材91とインク残量検出用フォトセンサ170との距離Ldに対応する長さLdcだけ形成されており、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着する際、インク残量検出用フォトセンサ170を収容できるようになっている。
【0094】
本体ケース230の下面には、また、凹面部320の強度をその裏面から支えるための複数のリブ243が形成されている。なお、本体ケース230の幅方向の中心位置には、本体ケース230の長さ方向に延びる底中心線リブ244が形成されている。インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sの底面上を滑らせていく際、底中心線リブ244が抜け止めロック用凸部160(図10)を底面下へ待避させ続ける。本体ケース230の下面の底中心線リブ244の後側には、抜け止めロック凹部246が形成されている。インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着する際、抜け止めロック凹部246に抜け止めロック用凸部160が係合することにより、インクカートリッジ200の抜け止めが行われる。
【0095】
本体ケース230の下面には、更に、前記センサレバー収容溝350を内部に形成したセンサレバー収容部370が凹面部320の外に突出して形成されている。センサレバー収容部370のうち、センサレバー収容溝350の、溝端部354を収容した部分(センサレバー収容凸部372)が、センサ収容溝240内の幅方向中心の位置において長さ方向に突出している。図35に示すように、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着されセンサ収容溝240内にインク残量検出用フォトセンサ170が収容されると、センシングアーム収容凸部がインク残量検出用フォトセンサ170の赤外線発光部172と赤外線受光部174との間に位置することになる。センサレバー360のうちセンサレバー収容凸部372内の溝端部354内に位置したセンシングアーム端部367(センシング点)が、赤外線発光部172と赤外線受光部174との間に位置することになる。なお、本体ケースのうち少なくともセンサレバー収容凸部372は、赤外線を透過する材料でつくられる。
【0096】
図19は、上記構成を有する本実施の形態のインクカートリッジ200(本体ケース230と蓋210とが装着された場合)の平面概略図であり、内部構造を破線にてしめしている。図20は、図19のA−A矢視図、すなわち、インクカートリッジ200の前面を示す正面図である。図21〜図28は、それぞれ、図19のB−B断面、C−C断面、D−D断面、E−E断面、F−F断面、G−G断面、H−H断面、I−I断面を示す断面図である。なお、これら図面中、明瞭化を図るため、可撓性フィルム302とリブ(243,292)については示されていない。ただし、一部の図には底中心線リブ244を示している。
【0097】
図15及び図27に示すように、本体ケース230には、凹面部320の開口部を規定する開口周縁部312から一体的に連続して本体ケース230の底面側(凹面部320の深さ方向)に延びる周壁231が形成されている。そして、周壁231と側壁232と平滑面部242とが連結して、凹面部320を周囲から支える周壁部233が形成されている。ここで、周壁231と側壁232との間は複数のリブ292によって相互に連結されている。そして、蓋の平坦部214が周壁部233に対向する外周縁部として周壁部233の上端に接合される。したがって、インク収容部300の下面が略球面形状であっても、周壁部233の下面242によって安定して置くことができ、複合機1本体への着脱も容易である。また、可撓性フィルム202を開口周縁部312に貼り付け、蓋210を周壁部233の上端に接合するため、可撓性フィルム202の貼り付け部分に蓋210が干渉することがなく、インクが確実に封止される。また、周壁部233が側壁231と周壁232からなる二重構造であって両者を複数のリブ292で接続した構成を採っているので、後述するようにインクカートリッジ200を真空パック処理しても周壁部233が変形するのが防止される。さらに、図18より明らかなように、複数のリブ243が、凹面部320の下面と周壁部233とを結ぶように形成されている。このため、インクカートリッジ200を後述ように真空パック処理した際にも、リブ243が、凹面部320と周壁部233とが変形するのを防止する。
【0098】
上記構造を有するインクカートリッジ200は、その下面は平坦だが、その上面は、図29に示すように、幅方向の中心部(球面状外側湾曲部212)が湾曲し、その高さが幅方向の両端(側壁232)の高さより高くなっている。ここで、幅方向の両端の高さ(下面242から平坦部214までの高さ)は、インクカートリッジ装着部Sにおける隔壁110の前面開口部O側端部の上部に形成された張り出し112と底壁32との距離に略等しい。したがって、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部S内に挿入させることができる。一方、湾曲部212及び凸形部分213の高さが幅方向の両端の高さより高いこと、装着部Sの天井面のカーブ状凸壁47がインクカートリッジ200の球面状外側湾曲部212に沿った形状をしていることにより、インクカートリッジ200を上下逆さに間違えて挿入するのを防止できる。
【0099】
本体ケース230の下面は滑らかで、かつ、長さ方向に延びる底中心線リブ244が形成されているため、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部S内にさしこんで底面上を滑らすだけで、抜け止めロック用凸部160を待避させながら、インクカートリッジ200を装着できる。しかも、インクカートリッジ200の幅がインクカートリッジ装着部Sの両側の隔壁110間距離に対応し、ガイド用溝236とその幅方向近傍の側壁232との距離Lacがインクカートリッジ装着部Sにおけるガイド−隔壁間距離Laに対応し、ガイド用溝236とセンサ収容溝240との距離Lbcがインクカートリッジ装着部Sにおけるガイド−センサ間距離Lbに対応している。したがって、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部S内にさしこむ際、ガイド用溝236がガイド用突壁120によって案内されるようにしてカートリッジをスライドさせることにより、インク残量検出用フォトセンサ170がセンサ収容溝240に確実に収容され、さらにセンサ収容溝240内のセンシング点367がフォトセンサの発光部172と受光部174との間に挿入される。
【0100】
なお、インクカートリッジ装着部Sにおいては、図9及び図30に示されているように、ガイド用突壁120の前面開口部O側の端部位置が、センサ170の前面開口部O側の端部(センサガード176)の位置よりも、前面開口部Oに近い位置に位置している。そして、インクカートリッジ200において、ガイド用溝236の前面壁234とは反対側の端部位置が、センサ収容溝240の前面壁234とは反対側の端部位置よりも、前面壁234から遠くに位置している。したがって、インクカートリッジ200を装着部Sに挿入し底壁32上をスライドさせていくと、まずガイド用溝236がガイド用突壁120を収容した後に、センサ収容溝240がセンサ170に到達する。ガイド用溝236とガイド用突壁120との係合によりインクカートリッジ200の幅方向の位置決めがなされてからセンサ収容溝240がセンサ170に到達するので、センサ収容溝240内のセンシング点367がフォトセンサの発光部172と受光部174との間に挿入される。
【0101】
また、インクカートリッジ装着部Sにおいてガイド用突壁120が幅方向においてロック解除用の操作片150の近くにあり、かつ、インクカートリッジ200においてガイド用溝236が幅方向においてロック解除部238の近くにあるため、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着する際、ロック解除部238が確実に操作片150に当接してこれを待避させる。しかも、インクカートリッジ装着部Sにおいて、ガイド用突壁120付近の隔壁110の上からバネ114部材がインクカートリッジ200を下方向に抑えるので、操作片150を待避させる操作をより確実としている。
【0102】
インクカートリッジ200は、図29及び図35に示すように、前面壁234側からみてインク供給孔260を挟む両側の位置に、センサ170を収容するセンサ収容溝240と、ガイド用突壁120を収容するガイド用溝236とを、前面壁234及び下面側に開口して備えている。そして、センサ収容溝240内に発光部172と受光部174との間に挿入されるセンシングアーム端部367を移動可能に収容したセンサレバー収容凸部372を突出させ、かつ、ガイド用溝236に隣接してロック解除部238を設けている。このため、インクカートリッジ200が扁平に構成され、インクカートリッジ装着部Sの床面32に対し安定して滑らせることができ、容易に着脱し、しかも、インクカートリッジ装着部Sに装着することにより、インク残量を確実に検出できる。
【0103】
本実施の形態のインクカートリッジ200は、インクカートリッジ装着部Sに対し、図30〜35に示すように装着される。
【0104】
ユーザは、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sの前面開口部Oに差し込み、その下面を装着部底面32上に対してスライドさせていく。すると、まず、図30及び図31に示すように、カートリッジ前面壁234が抜け止めロック用凸部160を待避させる。その後、抜け止めロック用凸部160は、図32に示すように、カートリッジがスライドして進んでいく間、底中心線リブ244によって待避され続ける。そして、カートリッジのガイド用溝236をガイド用突壁120に係合させてさらにスライドさせていく。カートリッジ前面壁234のロック解除部238がロック解除用の操作片150を蹴ると、ロック部材180が針保護板130のロックを解除する(押さえ板140を下降させる)。その後、図33に示すように、カートリッジの前面壁234が針保護板130を押すと、針保護板130が待避する。カートリッジを更に進ませてインクカートリッジ装着部S内に完全に差し込むと、インク導出用の中空針82がインク供給孔260内のインク供給用ゴム栓262(図39(a))に刺さる。その後、図34及び図35に示すように、カートリッジの前面壁234が正圧付与部材91のゴムキャップ93に当接する。カートリッジは正圧付与部材91のバネ94の力に抗していったん更に少し進んだ位置まで、押し込まれる。このとき、カートリッジの前面が図示しないストッパ壁に当たってカートリッジの前進を阻止することが好ましい。この後、カートリッジは、バネ94の力によって少し戻されるが、抜け止めロック用凸部160がカートリッジ下面の抜け止めロック凹部246内に係合する。その結果、カートリッジがロックされ、抜け止めされる。こうして、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着される。カートリッジ200の前面壁234のうち、ゴムキャップ93に当接する部分は、図35に示すように、ほぼ平坦であるため、ゴムキャップ93の正圧付与穴98と大気連通孔280とは、空気漏れが起こらないように確実に連通される。
【0105】
なお、黒用インクカートリッジは、他のカラー用インクカートリッジより幅が大きいので、間違ってカラー用のインクカートリッジ装着部Sに挿入することはできない。一方、他のカラー用のインクカートリッジを黒カートリッジ用の装着部に誤って挿入することはありうる。しかしながら、カラー用カートリッジにおけるガイド用溝236とセンサ収容溝240との幅方向の距離Lb1は、黒カートリッジ用の収納部におけるガイド用突壁120とインク残量検出用フォトセンサ170との幅方向の距離Lb2より狭い。したがって、ガイド用溝236をガイド用突壁120と係合させてスライドさせていっても、カートリッジ前面がセンサーガード176に当接して、それ以上進めない。またカラー用カートリッジの幅が、黒カートリッジ用の収納部におけるガイド用突壁120とその突壁120から遠い側の隔壁110との間に挿入できる大きさであったとしても、ガイド用溝236をガイド用突壁120と係合させなければ、そもそも、ロック解除用の操作片150を待避させることができないため、針保護板130を待避させることができず、カートリッジ前面が針保護板130に当接してしまい、インク導出用の中空針82をインク供給孔260に挿入することができない。
【0106】
インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着されると、インク導出用の中空針82がインク収容部300内のインクをバッファタンク84に供給する。バッファタンク84からインクがインク供給用チューブTを介して圧電型インクジェットヘッド70に供給され、記録動作に供される。
【0107】
ここで、インクカートリッジ200内では、正圧空気ポンプ36は停止しているが、そのポンプ36、チューブ92、正圧付与部材91、大気連通孔280をとおして、大気室290に大気圧が作用している。このため、インクの減少にともない、可撓性フィルム302がインクに圧力を与えることなく変形していき、あらかじめ形成した形状を収納凹部320にほぼ沿って密着させるので、インクジェットヘッド70に供給するインクの圧力を常にほぼ一定に保ち、インクジェットヘッド70のインク吐出動作を安定させることができる。また、可撓性フィルム302が最終的に収納凹部320にほぼ沿って密着するため、インクの使い残しを少なくできる。しかも、凹面部320の少なくとも一部はその上側(開口部側)から離れるにつれ断面積が小さくなる略球面形状部324であるため、インク残量が少なくなってきたときに、可撓性フィルム302が凹面部320に沿い易く、インクの使い残しを少なくでき、最後まで供給するインクの圧力をほぼ一定に保つことができる。
【0108】
ここで、インクカートリッジ200が装着されたインクカートリッジ装着部Sは圧電型インクジェットヘッド70より鉛直方向において下に位置しているため(図3参照)、その水頭差により、圧電型インクジェットヘッド70のノズル内のインクには、一般的なインクジェット記録装置と同様に常に負の圧力が作用しているが、常態では、ノズル内に形成されたインクのメニスカスの表面張力により、この負の圧力に抗して、ノズル内にインクが保持されている。公知のパージ装置78によるパージ動作、すなわち、キャップでノズルを覆ってポンプの動作によりノズル内のインクを吸引する動作を行った後、ポンプによる吸引動作を停止すると、キャップ内で泡立っているインクが、上記水頭差により、ノズル内に入り込んでしまい、この後、ヘッド70で印字動作を行うとき、吐出不良を起こす可能性がある。このため、本実施の形態では、パージ動作後(動作中から開始してもよいが)からキャップを開放するまで、正圧空気ポンプ36を動作させる。これにより、カートリッジ内の大気室290に対し正圧の空気流を供給し、可撓性フィルム302を介してインクに正圧をかける。この結果、カートリッジ側からヘッド70のノズル内のインクに対して正圧をかけることができ、ノズル内に気泡を引き込むことを防止することができる。なお、このとき、正圧ポンプ36で印加する圧力は、ノズル内に気泡を引き込まない程度の圧力でよく、ノズルから積極的にインクを押し出す程の大きさである必要はないが、本実施の形態は、そのように大きな圧力を用いることを妨げるものではない。
【0109】
また、既述のように、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着する際、インク導出用の中空針82がインク供給孔260内のインク供給用ゴム栓262にささった後に、大気連通孔280が正圧付与部材91に当接するようになっている。(より詳しくは、図35に示すように、インクカートリッジ装着部Sにおける正圧付与部材91のゴムキャップ93前面とインク導出用の中空針82の針穴との距離Aが、インク供給用ゴム栓262がインクカートリッジ200の前面からインク供給孔260内を閉塞している距離Bより大きい。)インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sから抜く際も、大気連通孔280が正圧付与部材91から離隔した後、インク導出用の中空針82がインク供給孔260内のゴム栓から抜けるようになっている。したがって、たとえ、正圧ポンプ36が正圧をインクカートリッジ200に印加している間にユーザが誤ってインクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sから抜いてしまっても、中空針82が刺さったままの状態でまず大気連通孔280が正圧付与部材91からはずれるため、インクがインクカートリッジ200からこぼれることが防止されている。
【0110】
また、インクカートリッジ200がインクカートリッジ装着部Sに装着されると、図35に示すように、インク残量検出用フォトセンサ170の赤外線発光部172及び赤外線受光部174は、センサレバー360のセンシングアーム端部367(センシング点)が収容されているセンサレバー収容凸部372を挟んで対峙するように、センサ収容溝240内に収容される。したがって、センサレバー360のセンシングアーム端部367(センシング点)が、赤外線発光部172と赤外線受光部174との間に位置することになる。このようにして、インクカートリッジ200内のインクがなくなった状態を検出するためのインクセンシングの機構が完成する。すなわち、本実施の形態のインクセンシング機構は、そのセンサー部分170(発光部172+受光部174)は記録装置本体側のインクカートリッジ装着部S内に設けられており、センサー部分170のオンオフを感知させるレバー(黒い樹脂製のセンサレバー360)がインクカートリッジ200内に設けられており、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着することで、完成する。
【0111】
センサレバー360は、前述のとおり、インクの残量に応じてセンシングアーム端部367(センシング点)を上下動させる。インク残量が十分にあるときは、センシングアーム端部367は、発光部172と受光部174の間に位置して赤外光を遮蔽する。インク残量がほとんどなくなると、発光部172と受光部174の間から脱して受光部174に赤外光を受光させる。これにより、インクの有無を電気信号に変換して記録装置の動作を制御することは、当業者において容易に行うことができる。上記のセンサー170は、インクの有無の検出だけでなく、インクカートリッジが装着されているかどうかの検出にも利用することができる。
【0112】
以上のように、本実施の形態のインクカートリッジ200は、樹脂パーツのみで構成され、樹脂ケースにフィルムを張ってその間にインクを溜めるという構成を基本的構成としている。すなわち、本体ケース230の凹面部320に1枚のフィルムを張り、本体ケース230とフィルムとの間にインクを溜める。蓋210を本体ケース230に対し装着することにより、ユーザがフィルムに直接さわれないようにしてフィルムが破れるのが防止されている。
【0113】
より詳しくは、本体ケース230は、インク耐性のある樹脂製である。この例では、本体ケース230は、添加剤をほとんど含有していない無添加型ポリプロピレン(PP)製である。本体ケース230(収納凹部310)がインクに直接接触するため、添加剤が含有されていると添加剤がインクに溶け出してしまうからである。一方、蓋210については、インクに直接接触しないことから、強度を保つために添加剤を付与したポリプロピレン(PP)製としている。このように、本体ケース230と蓋210とを、同一の樹脂材料(PP)としたことにより、両者を超音波溶着により接合することができる。
【0114】
また、本実施の形態では、インク収容部300を凹面部320と可撓性フィルム302との間に規定している。インクの収容のためにフォームを使用しないので、インクを使い切ることができる。また、フォームを使用せず、樹脂のみでインクカートリッジ200を作成したので、インクを使い切った後、インクカートリッジ200を燃やしてもダイオキシンが発生しない。また、インク収容部300を袋状とする場合と異なり、袋状に必要な耳部やスパウト部等が不要であるため、小体積のケース本体内により大量のインクを収容することができる。また、本実施の形態では、収納凹を作成しこれにフィルムを貼るといった簡単な構造でインク収容部300を作成することができる。かかる構成によれば、インク容量についての設計変更にも容易に対応できる。
【0115】
本実施の形態では、可撓性フィルム302は2層構造をしている。すなわち、ポリプロピレン(厚さ30μm)製の内側層とナイロン製の外側層とが接着されて作成されている。ポリプロピレン(厚さ30μm)は熱溶融特性を有し、ナイロンは耐熱特性と耐衝撃特性とを有している。ここで、ポリプロピレン(厚さ30μm)は、添加剤がほとんど含まれていない無添加型である。内側層はインクに触れるため、添加剤が含まれていると、インク内に溶けだしてしまうからである。ただし、ポリプロピレン(厚さ30μm)は機械的衝撃に対して非常に弱い。このため、ナイロンの外側層により衝撃を吸収するようにしている。ここで、ポリプロピレン(厚さ30μm)製の内側層とナイロン製の外側層とからなる2層構造は、熱を加えれば延びるという特性、及び、空気透過性を有しており、以下に説明するように、本実施の形態の可撓性フィルム302に使用するのに極めて好ましい。
【0116】
本実施の形態では、上記2重構造の可撓性フィルム302を、以下のようにして、収納凹部310に貼り付け、外側に膨らんだ形状に成形する。なお、可撓性フィルム302は、ポリプロピレン(厚さ30μm)製の内側層302aとナイロン製の外側層302bとからなる。
【0117】
まず、図37(a)に示すように、可撓性フィルム302を平らな状態で、凹面部320の開口部を覆うように、配置する。そして、開口周縁部312に熱を加える。その結果、内側層302a(ポリプロピレン層)のみが溶けて開口周縁部312に対して熱溶着される。その後、図37(b)に示すように、可撓性フィルム302と凹面部320との間に形成された閉じた空間を、凹面部320に連通したインク供給孔260に図示しないバキューム装置を接続して減圧する。可撓性フィルム302には外側より大気圧がかかっているため、可撓性フィルム302は凹面部320に密着しようとする。かかるバキュームと同時に、可撓性フィルム302の上側に設けた図示しない外部熱源にて、可撓性フィルム302全体に熱を加える。この結果、可撓性フィルム302が凹面部320に沿った形状に塑性変形する。こうして、可撓性フィルム302を、凹面部320にぴったりくっつくように成形する。この結果、可撓性フィルム302は、凹面部320底面の形状にならった形状となる。インクを凹面部320と可撓性フィルム302との間に注入すると、可撓性フィルム302が凹面部320から離隔する方向に膨らんで、凹面部320の体積の2倍のインクを収容することができる。インクが消費されていくにつれて、可撓性フィルム302が凹面部320に近づいていき、インクが完全になくなると、可撓性フィルム302が凹面部320に完全に密着する。したがって、インクを完全に使い切ることが可能となる。
【0118】
なお、外側層302bのナイロンが図示しない外部熱源に近い位置に位置しているが、ナイロンは耐熱特性があるため、溶けてしまうことはない。一方、内側層302aのポリプロピレン層は外部熱源から遠い位置にあるため、熱溶着してしまうことはなく、塑性変形するだけである。したがって、可撓性フィルム302をポリプロピレンの単一層で形成する場合と異なり、可撓性フィルム302が外部熱源により溶けてしまうおそれがない。
【0119】
また、可撓性フィルム302を圧延によってプレスしようとすると、可撓性フィルム302にしわができインクやエアーがもれてしまうおそれがある。しかしながら、上記方法によれば、かかるおそれがない。
【0120】
しかも、本実施の形態では、凹面部324自体が成形型となり、可撓性フィルム302を伸延させて可撓性フィルム302に凹面部324形状を転写する方法が採用されている。したがって、凹面部324形状が任意の形状でも、それに倣って可撓性フィルム302を成形することが容易である。したがって、形状変更にも簡単に対応できる。また、凹面部324に、後述するインク注入溝330やインク供給溝332を多数形成したり、シボ状の凹凸を形成することで、上記加熱時の可撓性フィルム302の凹面部324への張り付きを防止することができる。
【0121】
さらに、プレスして膨らませた可撓性フィルム302を複数作成してから開口周縁部312に貼るのと異なり、工程数が少ないため、インク収容部300内にゴミ等が入る可能性をも減らすことができる。しかも、プレス用の金型も別途必要としないため、設備も簡単に済む。
【0122】
なお、外側層302bをナイロンの代わりに溶けにくい添加型ポリプロピレン製とし、内側層302aを無添加ポリプロピレン製として、外側層302bと内側層302aとを性質が異なる2つのポリプロピレンにより作成するようにしてもいい。
【0123】
また、図38に示すように、凹面部320の上に、別途、凹面部320の形状と対称な形状を有する収納凹形状をした型400を設けても良い。この場合には、可撓性フィルム302を平らに開口周縁部312に対し熱溶着した後、インク供給孔260を介して加圧エアーを可撓性フィルム302と凹面部320との間に押し込みつつ、型400を暖める。すると、可撓性フィルム302が膨らんで、可撓性フィルム302に型400の収納凹形状が転写される。なお、エアーを可撓性フィルム302と凹面部320との間の内部空間に押し込んで当該内部空間の内部の圧力を高める代わりに、可撓性フィルム302と型400との間の空間を減圧するようにしても良い。
【0124】
次に、以上のように膨らんだ形状に成形された可撓性フィルム302と凹面部320との間(インク収容部300)にインクを注入する方法について、図39(a)、(b)を参照して、以下に説明する。
【0125】
ここで、図39(a)に示すように、インク供給孔260の内部には、逆止弁264とインク供給用ゴム栓262(シリコンゴムブッシュ)とが設けられている。また、インク注入孔270の内部には、インク注入用ゴム栓272(シリコンゴムブッシュ)が設けられている。ここで、インク注入用ゴム栓272はインク供給用ゴム栓262とリンク部分266で接続されている。インク注入用ゴム栓272には、インク注入用針挿入用凹部274と栓用山部276とが互いにオフセットされた状態で形成されている。各ゴム栓262、272は、後述するように針が突き刺されるが、その針を抜いたあとは、自己の弾性により突き刺した跡を封止する性質を持っている。
【0126】
まず、図39(a)に示すように、インク供給用ゴム栓262とインク注入用ゴム栓272とを、インク供給孔260とインク注入孔270とに嵌合する。このときインク注入ゴム栓272は、栓用山部276がインク注入連通路278から離れた状態となるように、途中まではめ込む。本体ケース230の前面壁234が鉛直方向上方に向いた姿勢で、インク供給用ゴム栓262にエアー抜き用中空針502を刺し、インク注入用ゴム栓272にインク注入用針504を刺す。その際、各針502、504の針穴が各ゴム栓の凹部内に露出するようにする。ここで、エアー抜き用中空針502は図示しないエアー抜き用減圧ポンプに連通し、インク注入用針504はインクポンプに連通している。インクポンプを稼動しない状態でインク供給孔260を介してインク収容部300内のエアーを抜いて内部を真空状態とする。その後、インクポンプを稼働してインク注入孔270にインクを注入する。ここで、インク注入用針挿入用凹部274は細いため、この部分に残ったエアーはどんなに減圧しても抜くことができない。しかも、このエアーがインク収容部300内に混入すると、後で膨張してインクの残量検出を誤動作させたりヘッドへのインク供給に支障をきたすおそれがある。このため、インク注入終了後、インク注入用ゴム栓272を、インク注入孔270の内側に完全に押し込む。その結果、図39(b)に示すように、栓用山部276が完全にインク注入連通路278を塞ぐようにする。したがって、インク注入用針挿入用凹部274内にわずかに残ったエアーがインク収容部300内に入ってしまうのを防止できる。
【0127】
なお、図15に示すように、凹面部320において、インク注入溝330はインク注入孔270(インク注入連通路278)に連通して凹面部324に適宜沿って形成されており、インクがまわりこむ形状となっている。インクが注入される際インクがインク注入溝330に沿って凹面部320内に入るため、エアー抜きが促進される。また、エアー抜き兼インク供給溝332がインク供給孔260(インク供給連通路268)に連通して凹面部324に適宜沿ってループ状に形成されかつインク注入溝330とも連通しているため、エアーを抜く時に、エアーが抜きやすくなっている。すなわち、エアーを抜いている間に、可撓性フィルム302が凹面部324とぴたっり密着しても、エアー抜き兼インク供給溝332上にエアー抜き用の空間ができやすくなるため、インク収容部300全体からエアーを抜くことができる。なお、凹面部320にエアー抜き兼インク供給溝332を形成する代わりに、シボ状の多数の凸部間に凹部を形成するようにしても良い。また、エアー抜き兼インク供給溝332やシボは、凹面部324の最も低い位置すなわち残量検出点365のまわりにも延びて、インクジェットヘッドへインクを供給する際、インク残量が少なくなっても、最も低い位置からもインクを引きやすくしたり、凹面部324と可撓性フィルム302との密着力を低減して背圧の上昇を防ぐなど、インクの流れを積極的にコントロールすることができる。
【0128】
こうしてインク収容部300にインクを入れたあと、本体ケース230に蓋210を装着し、インクカートリッジ200が完成する。インクカートリッジ200は、その後、真空パック包装される。すなわち、図36に示すように、インクカートリッジ200全体を樹脂フィルム材料のシート500に包んで真空に引く。圧電式ヘッド70は圧力波でインクを吐出する方式であるため、インク内に気泡があると、気泡が圧力を吸収してしまい、インクが吐出されない。この気泡はインク中の溶存空気が時間の経過とともに成長して形成されるものであるので、本実施の形態では、インクカートリッジ200内に収容されたインク中の溶存空気の量を制限するべく、真空パックしている。
【0129】
ここで、インク収容部300に注入されるインクは、すでにある程度脱気されている。すなわち、その空気の含有量は飽和量に対して約30〜35%となっている。かかるインクをインク収容部300内に収容しインクカートリッジ200全体をフィルム材料に包んで真空に引くと、インク内の空気が、ポリプロピレンとナイロンとで形成された可撓性フィルム302、及び、ポリプロピレン製の樹脂で作成された本体ケースの壁を透過して、真空パック内に引き出される。こうして、インクカートリッジのインクが更に脱気され、数日たつと、インクカートリッジ内のインクの空気含有量は20%位まで低下する。したがって、真空パックしたインクカートリッジをユーザに提供することにより、脱気度の高いインクをユーザに提供することができる。
【0130】
また、インクカートリッジ200をインクカートリッジ装着部Sに装着すると、インク導出用の中空針82がインク供給孔260内のインク供給用ゴム栓262に挿入される。ここで、インク導出用の中空針82は、バッファタンク84やインク供給用チューブTを介して圧電型インクジェットヘッド70に連通している。ここで、インクに溶存していた空気が時間の経過とともに成長して気泡となりバッファタンク84やチューブTの内壁に付着し、さらに温度変化等によって一層成長する。ここで、インク供給孔260内の逆止弁264は、外部からわずかな圧力がかかっても閉じるように設計されている。したがって、バッファタンク84やチューブT内で気泡が成長し逆止弁264に少しでも圧力を与えると、逆止弁264は閉じる。一方、圧電型インクジェットヘッド70がインクを引く力にたいしては逆止弁264はフリーである。このため、逆止弁264は、インクをいくらでも供給することができるものの、気泡の圧力がかかると閉じてしまい気泡がインクカートリッジのインク収容部300内に入ってしまうことが防止されている。したがって、気泡がインクカートリッジ内に入ってしまいインクカートリッジから気泡がヘッドに入って吐出不良を起こす、といった問題が防止される。
【0131】
本実施の形態では、インク注入孔270とインク供給孔260とを別々に設け、これらがインクカートリッジの前面において左右方向に並んで開口するように設けられた。ここで、インクカートリッジの前面に1つの孔のみを設け、この孔から、インク収容部300内のバキューム、インク注入、及び、インク供給の全てを行うとすると、この1つの孔に装着したゴム栓に対し針を3度刺さなければならない。互いに異なる3つの位置に針を刺すためには、孔の径自体を大きくしなければならず、インクカートリッジの厚み自体を大きくしなければならない。これに対して、本実施の形態によれば、インク注入用とインク供給用の孔を別々に分けたため、各孔の径を小さくでき、これらの孔を左右方向に並べたため、インクカートリッジの厚みを小さくすることができた。
【0132】
なお、インク供給用の孔260については、インク注入時の減圧用としても使用するため、インク供給用ゴム栓262においてエアー抜き用中空針502を刺す位置は、インクカートリッジ装着部Sに装着される際インク導出用の中空針82が刺される位置とは異なるようにすれば良い。ここで、本実施の形態では、図20に示すように、インク供給孔260は、前面壁234のうち、幅方向の略中央においてその高さ方向の略中央に形成されている。ここで、前面壁234の幅方向の略中央には凸部分235が形成されているため、その高さ(厚さ)が幅方向両端に比べ大きくなっている。このため、インク供給孔260の径を大きくとることができ、インク供給用ゴム栓262の径も大きくすることができる。エアー抜き用中空針502を、インク導出用の中空針82が刺される位置とは異なる位置に、簡単に刺すことができる。
【0133】
本実施の形態では、インクカートリッジ200を真空パックするが、その際、ケース本体と蓋210とが互いに近づく方向に圧力がかかる。このため、本実施の形態では、かかる圧力に抗すべく、凹面部320と蓋210の球面状外側湾曲部212とを略球面形状とし、リブによる補強構造を採用している。
【0134】
本実施の形態では、図40に示すように、蓋210の球面状外側湾曲部212を、球面状外側湾曲部212周囲のインク収容周縁部216が本体ケース側の開口周縁部312の内側エッジよりわずかに外側に位置するように、形成している。すなわち、インク収容周縁部216の内周エッジ部216aが開口周縁部312の内側エッジ及び外側エッジの中間部分に対向するようになっている。ここで、もし、エッジ部216aが開口周縁部312の内周よりも内側にあると、蓋210と凹面部320とが真空パックにより互いに近づく方向に力を受けた際、エッジ部216aが可撓性フィルム302に当たって損傷してしまうおそれがある。しかしながら、本実施の形態では、蓋210が開口周縁部312の内側エッジより若干外側の位置、すなわち、開口周縁部312上でぶつかる。ここで、可撓性フィルム302は開口周縁部312上にしっかり溶着され本体ケース230の樹脂と一体化されている。したがって、蓋210のインク収容周縁部216が開口周縁部312上で可撓性フィルム302に直接当たっても可撓性フィルム302を損傷させることがない。
【0135】
本発明によるインクカートリッジ及びインクカートリッジの製造方法は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0136】
例えば、図41に示すように、ガイド用溝236やセンサ収容溝240を側壁232まで切り欠かれた形状としても良い。かかるガイド用切り欠き凹部236’の側面をガイド用突壁120の対応する側面に沿ってスライドさせれば、ガイドすることができるからである。なお、この場合には、図42に示すように、針保護ロック解除片150をガイド用突壁120の近傍であって、インク導出用の中空針82が配置されている側に設ければ良い。インクカートリッジ200の前面壁234のうち大気連通孔280の下の位置のあたりの部分をロック解除部238として機能させることができる。
【0137】
針保護板130、針保護ロック部材180、抜け止めロック部材190の構造は、図11に示す構造に限られない。
【0138】
【発明の効果】
請求項1記載のインクカートリッジ製造方法によれば、可撓性膜が開口部を覆ったインク収容凹部を有する本体ケースを備えたインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる。
【0139】
請求項2記載のインクカートリッジ製造方法によれば、可撓性膜が開口部を覆ったインク収容凹部を有する本体ケースを備えたインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる。
【0140】
請求項3記載のインクカートリッジ製造方法によれば、可撓性膜が開口部を覆ったインク収容凹部を有する本体ケースを備えたインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる。
【0141】
請求項4記載のインクカートリッジ製造方法によれば、可撓性膜が開口部を覆ったインク収容凹部を有する本体ケースを備えたインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる。
【0142】
請求項5記載のインクカートリッジ製造方法によれば、可撓性膜が開口部を覆ったインク収容凹部を有する本体ケースを備えたインクカートリッジを簡単かつ確実に製造することができる。
【0143】
請求項6記載のインクカートリッジ製造方法によれば、簡単に、可撓性膜にインク収容凹部の開口を覆わせることができる。
【0144】
請求項7記載のインクカートリッジ製造方法によれば、エアの残留なしにインクを注入することができる。
【0145】
請求項8記載のインクカートリッジ製造方法によれば、エアの残留なしにインクを注入することができる。
【0146】
請求項9記載のインクカートリッジ製造方法によれば、エアの残留なしにインクを注入することができる。
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるインクカートリッジを装着する複合機の全体構成を示す斜視図。
【図2】 図1の複合機においてそのフラットベッド型の読みとり装置の上面カバーを開けた状態を示す斜視図。
【図3】 図1の複合機の断面構成を示す模式図。
【図4】 図1の複合機からフラットベッド型の読みとり装置を取り外した状態を示す斜視図。
【図5】 カバー体の下面を示す斜視図。
【図6】 前面カバーが開いた状態を示す斜視図。
【図7】 フラットベッド型の読みとり装置を取り外した図4の状態から更にカバー体と前面カバーとを取り外した状態を示す斜視図。
【図8】 プリンタエンジンの構成を模式的に説明する斜視図。
【図9】 インクカートリッジ収納部の構成を模式的に説明する平面図。
【図10】 インクカートリッジ収納部のうちの1つのインクカートリッジ装着部の構成を示す斜視図。
【図11】 インクカートリッジ装着部の床面の下に設けられた針保護、針保護ロック、及び、カートリッジ抜け止めのための機構の構造を示す斜視図。
【図12】 インクカートリッジをその後方上側から見た斜視図。
【図13】 インクカートリッジをその前方上側から見た斜視図。
【図14】 インクカートリッジの蓋を開けた際の本体ケースと蓋とを示す斜視図。
【図15】 本体ケースに可撓性フィルムを貼り付ける前の状態を示す斜視図。
【図16】 本体ケースの凹面部に設けられたセンシング機構を説明する分解斜視図。
【図17】 図16のセンシング機構の動作を説明する動作説明図。
【図18】 本体ケースの下面図。
【図19】 本実施の形態のインクカートリッジの平面概略図。
【図20】 図19のインクカートリッジのA−A矢視図。
【図21】 図19のインクカートリッジのB−B断面図。
【図22】 図19のインクカートリッジのC−C断面図。
【図23】 図19のインクカートリッジのD−D断面図。
【図24】 図19のインクカートリッジのE−E断面図。
【図25】 図19のインクカートリッジのF−F断面図。
【図26】 図19のインクカートリッジのG−G断面図。
【図27】 図19のインクカートリッジのH−H断面図。
【図28】 図19のインクカートリッジのI−I断面図。
【図29】 インクカートリッジをインクカートリッジ装着部の装着部開口に挿入する際のインクカートリッジの高さとインクカートリッジ装着部の隔壁に形成された張り出し、及び、インクカートリッジ装着部の天井面に形成されたカーブ状凸壁との関係を示す説明図。
【図30】 インクカートリッジをインクカートリッジ装着部の装着部開口に差し込んだ際カートリッジ前面壁が抜け止めロック用凸部を待避させる状態を示す平面図。
【図31】 図30の断面図。
【図32】 インクカートリッジのガイド用溝をガイド用凸壁に係合させてスライドさせていき、ロック解除部が針保護ロック解除片を蹴ることにより、針保護ロック部材が針保護板のロックを解除する状態を示す断面図。
【図33】 針保護板のロックを解除された後インクカートリッジの前面が針保護板を押し針保護板を待避させた後インク導出用の中空針がインク供給孔内に挿入する状態を示す断面図。
【図34】 インク導出用の中空針がインク供給孔内に挿入された後インクカートリッジの前面が正圧付与部材のゴムキャップに当接すると共に抜け止めロック用凸部が抜け止めロック凹部内に係合する状態を示す断面図。
【図35】 図34の平面図。
【図36】 インクカートリッジを真空パック包装した状態を示す説明図。
【図37】 本実施の形態の可撓性フィルムを開口周縁部に貼り付け可撓性フィルムを膨らませる方法を示す概略工程図であり、(a)は可撓性フィルムを開口周縁部に貼り付ける工程を示す図であり、(b)は可撓性フィルムを膨らませる工程を示す図。
【図38】 可撓性フィルムを膨らませる工程の変更例を示す図。
【図39】 (a)は、逆止弁付きのゴム栓とインク注入用ゴム栓とをインク供給孔とインク注入孔とに途中まではめ込み、インク収容部内のエアーを抜きインクを注入する工程を示す図。(b)は、インク注入用ゴム栓の栓用山部がインク注入孔のエッジにはまり込んだ状態を示す図。
【図40】 蓋の球面状外側湾曲部のエッジ(インク収容周縁部)と開口周縁部の内側エッジと可撓性フィルムとの位置関係を示す断面説明図。
【図41】 本実施の形態のインクカートリッジの変更例を示す斜視図。
【図42】 図41のインクカートリッジに対応してインクカートリッジ装着部内における針保護ロック解除片の位置を変更した変更例を示す平面図。
【符号の説明】
1 複合機
10 読みとり装置
20 インクジェット記録装置
32 ハウジング床面
36 正圧ポンプ
40 カバー体
44 天井板(カートリッジ収納カバー部)
46 用紙排出口
47 カーブ状凸壁
70 圧電型インクジェットヘッド
82 中空針
90 正圧印加機構
91 正圧付与部材
93 弾性シール部材(ゴムキャップ)
98 正圧付与穴
100 カートリッジ装着機構
102 へこみ部
110 隔壁
114 バネ
120 ガイド用凸壁
130 針保護板
140 針保護板押さえ板
150 針保護ロック解除片
160 ロック用凸部
170 インク残量検出用フォトセンサ
172 赤外線発光部
174 赤外線受光部
176 センサーガード
200 インクカートリッジ
202 つまみ部
210 蓋
212 球面状外側湾曲部
214 平坦部
216 インク収容周縁部
217 リブ
230 ケース本体
231 周壁
232 側壁
233 周壁部
234 前面壁
235 凸部分
236 ガイド用溝
238 ロック解除部
240 センサ収容溝
242 平滑面
243 リブ
244 底中心線リブ
246 ロック凹部
260 インク供給孔
262 インク供給用ゴム栓
270 インク注入孔
272 インク注入用ゴム栓
280 大気連通孔
290 大気室
292 リブ
300 インク収容部
302 可撓性フィルム
302a 内側層
302b 外側層
306 テンションプレート
310 収納凹部
312 開口周縁部
320 凹面部
322 円形(もしくは楕円形)状周囲縁
324 球面状部
326 斜面部
328 平坦肩部
330 インク注入溝
332 インク供給溝
340 センシング機構
342 T字形抑えフィルム
342a 固定部分
342b 弾性板部分
344 穴
350 センサレバー収容溝
352 底面
354 溝端部
356 凸部
360 センサレバー
362 回動支点
364 動作アーム部
365 半球面状ピボット
366 センシングアーム部
367 センシングアーム端部(センシング点)
370 センサレバー収容部
372 センサレバー収容凸部
400 型
D 排紙部
O 前面開口部
P インクカートリッジ収納部
S インクカートリッジ装着部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing an ink cartridge that can be attached to a recording apparatus.
[0002]
[Prior art]
As an ink cartridge for supplying ink to a recording apparatus, a cartridge in which a porous body installed in a case is impregnated with ink, a cartridge containing ink in a flexible bag, and the like are widely used. Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-53473, Japanese Patent Publication No. 3-505999, US Pat. No. 4,509,062, and the like disclose a flexible film covering the opening of a case having one surface opened. There is a description of what accommodates ink between a tensioner and a case and a film.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Here, it is desirable that the ink cartridge can cause the ink jet head connected to the ink cartridge to perform a stable ink ejection operation and can use up the ink almost completely to the end.
[0004]
However, in the conventional ink cartridge, when there is a sufficient amount of ink, it is possible to maintain the ink supply pressure at a predetermined value and cause the ink jet head to perform a stable ink ejecting operation. The ink supply pressure changes, and stable supply operation cannot be continued. Also, the ink cannot be used up almost completely until the end.
[0005]
Therefore, the present invention provides a method for easily and reliably manufacturing an ink cartridge that can cause a head to perform a stable ink ejection operation and that can use up ink almost completely to the end. The purpose is to provide.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a main body case including an ink containing recess for containing ink having a concave portion and an opening, and a communication port for communicating the inside and the outside of the ink containing recess. A step of preparing, a step of attaching a flexible film to a peripheral portion of the opening of the ink containing recess, and covering the opening with the flexible film; and the ink containing covered with the flexible film By extracting the air inside the recess from the communication port, the inside of the ink containing recess is decompressed and the flexible film is heated from the outside, whereby the flexible film is removed from the concave portion of the ink containing recess. A method of manufacturing an ink cartridge, comprising: a step of deforming along the surface of the ink cartridge; and a step of filling ink into the ink containing recess covered with the flexible film after the deforming step. Provide That.
[0007]
The pressure of the ink supplied to the inkjet head is made almost constant by deforming the flexible film covering the opening of the ink containing recess of the main body case of the ink cartridge without applying pressure to the ink as the ink decreases. The ink jet operation of the ink jet head can be performed stably, and the shape can be easily and reliably formed into a shape that has the effect of reducing the amount of remaining ink (things that cannot be supplied when ink is low). be able to. Furthermore, the above-mentioned shape can be easily achieved by simply reducing the pressure inside the ink containing recess covered with the flexible film by the communication port.
[0008]
In order to achieve the above object, the present invention provides a main body including an ink containing recess for containing ink having a concave portion and an opening, and a communication port for communicating the inside and outside of the ink containing recess with each other. A step of preparing a case, a step of attaching a flexible film to a peripheral portion of the opening of the ink containing recess, and a step of covering the opening with the flexible film; and a step of covering the opening with the flexible film A step of disposing a mold having a storage recess having a shape symmetrical to the concave portion facing the opening, and pushing air from the communication port into the ink storage recess covered with the flexible film Or depressurizing the space between the flexible film and the mold and heating the flexible film to deform the flexible film along the surface of the recess of the mold; The ink covered with the flexible film after the deformation step It provides a manufacturing method of the ink cartridge, characterized by comprising a step of filling ink in the interior of the volume recess.
[0009]
The pressure of the ink supplied to the inkjet head is made almost constant by deforming the flexible film covering the opening of the ink containing recess of the main body case of the ink cartridge without applying pressure to the ink as the ink decreases. The ink jet operation of the ink jet head can be performed stably, and the shape can be easily and reliably formed into a shape that has the effect of reducing the amount of remaining ink (things that cannot be supplied when ink is low). be able to.
[0010]
The communication port is preferably an ink supply hole for supplying ink inside the ink containing recess to the outside.
[0011]
In the step of filling the ink, it is preferable that the inside of the ink containing recess covered with the flexible film is decompressed and then the ink is injected.
[0012]
The main body case includes an ink injection hole for injecting ink into the ink storage recess, and an ink supply hole for supplying the ink inside the ink storage recess to the outside as the communication port. In the step of filling the ink, it is preferable that the inside of the ink containing recess covered with the flexible film is decompressed from the ink supply hole, and then the ink is injected from the ink injection hole.
[0013]
The flexible film is composed of a heat-resistant layer having a heat-resistant characteristic and a heat-melting layer having a heat-melting characteristic, and the step of covering the ink containing recessed part with the flexible film includes the step of forming the ink containing recessed part of the main body case. It is preferable that the thermal melt layer is brought into contact with an edge surrounding the opening and the thermal melt layer is thermally welded to the edge by heating the edge.
[0014]
The hot melt layer is thermally welded and attached to the edge of the ink containing recess.
[0015]
It is preferable that the concave surface portions have concave portions that are continuous with each other along at least a part of the concave surface portion and that are continuous with the communication port.
[0016]
Before injecting ink into the ink containing recess, the inside of the ink containing recess is depressurized from the communication port, and the flexible film is brought into close contact with the concave portion. At this time, if the flexible film bends irregularly, the close contact Leaving air where it did not. Since the concaves that are continuous with each other are connected to the communication port, even if the flexible membrane bends irregularly, the air is almost completely removed and the flexible membrane is almost completely adhered to the concave surface, so that no air remains. Ink can be injected.
[0017]
The recess is preferably a groove having a loop shape along the concave surface portion. Make a loop Air can be almost completely removed by the groove.
[0018]
It is preferable that the recess is a recess formed between a plurality of protrusions having an embossed shape. The air can be almost completely removed by the recesses formed between the many protrusions having the embossed shape.
[0019]
[0020]
[0021]
[0022]
[0023]
[0024]
[0025]
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An ink cartridge manufacturing method according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0027]
First, an ink cartridge according to this embodiment and an embodiment of a recording apparatus to which the ink cartridge according to this embodiment is mounted will be described with reference to FIGS.
[0028]
As shown in FIG. 1, the recording apparatus according to the present embodiment is a multifunction device 1 having a scanner function, a copy function, a fax function, and the like. The multi-function device 1 has a thin and compact structure in which a flat bed type reading device 10 is arranged on an inkjet recording device 20. The reading device 10 is provided with an operation plate 12. The ink jet recording apparatus 20 includes a paper feed tray 22. The multifunction device 1 is provided with a telephone 24 and an antenna 26. The telephone 24 functions as a base when using the handset call function and can be connected to a public telephone line. Further, the antenna 26 enables wireless communication with the slave unit.
[0029]
In addition, inside the inkjet recording apparatus 20, in addition to a recording unit that performs a recording operation, a power source, a main board for controlling the operation of the multifunction device 1, and a connection to a public telephone line for a fax function and a telephone function In addition, an NCU substrate and two media substrates 28 (FIG. 7) are provided. Two media slots 29 are formed on the front surface of the inkjet recording apparatus 20. By inserting the external storage medium (media) into any one of the media slots 29, the external storage medium can be detachably mounted on the corresponding media substrate 28. Data taken by a digital camera or the like stored in an external storage medium is read and used for printing or the like.
[0030]
As shown in FIG. 2, the flatbed reading device 10 includes a reading device housing 14. The reading device housing 14 includes a document glass 15 for placing a document. A contact image sensor (CIS) 16 is disposed below the original glass 15 so as to be able to scan. An upper surface cover 17 for covering the upper surface of the original glass 15 is provided so as to be openable and closable with respect to the reading device casing 14.
[0031]
The operation panel 12 is provided on the upper surface on the front side of the reading device housing 14 and allows the user to input instructions for operations of the multifunction device 1 (copy operation, fax operation, scanner operation, etc.).
[0032]
The flat bed type reading device 10 can be detached from the ink jet recording apparatus 20 by an attaching means (not shown).
[0033]
As shown in FIG. 3, the ink jet recording apparatus 20 on the lower side of the reading apparatus 10 includes a housing 30. The paper feed tray 22 protrudes rearward and upward from the housing 30. A paper feed roller 23 is provided in the paper feed tray 22 so that paper can be supplied one by one. A printer engine 60 as a recording unit is provided at a position for receiving paper from the paper feed tray 22. A paper discharge unit D is defined in front of the printer engine 60, and the paper recorded by the printer engine 60 is discharged. A paper discharge tray 34 can be detachably attached to the paper discharge portion D. On the floor surface of the housing 30 below the paper discharge section D, an ink cartridge storage section P for mounting the ink cartridge 200 (FIG. 12) of the present embodiment is disposed. Thus, the ink cartridge storage portion P is disposed at a position lower than the printer engine 60.
[0034]
As shown in FIG. 4, the housing 30 is covered with a cover body 40 from above. Here, the cover body 40 includes an engine cover portion 42 that covers the printer engine 60 from above, and a cartridge storage cover portion 44 that covers the ink cartridge storage portion P from above and defines the paper discharge portion D on the upper side. Yes. The front surface of the engine cover portion 42 is opened and a paper discharge port 46 is defined. The cartridge storage cover portion 44 is positioned under the paper conveyance path recorded by the printer engine 60 coming out of the paper discharge port 46, that is, under the abolished tray 34.
[0035]
As shown in FIG. 3, the cartridge storage cover portion 44 functions as a ceiling plate of the ink cartridge storage portion P. As will be described later, an ink cartridge storage portion P is formed between the ceiling plate 44 and the cartridge storage portion bottom wall 32, and the ink cartridge 200 can be inserted into the back through the front opening O. Yes. The front opening O is covered with a front cover 50 so as to be opened and closed. Here, the front cover 50 includes an upper surface wall 52 that is planarly connected to the cartridge storage cover portion 44 when closed, and a front wall 54 that extends vertically downward from the upper surface wall 52.
[0036]
Further, as shown in FIG. 5, four curved convex walls 47 are formed on the lower surface of the cartridge storage cover portion 44 along the shape of the upper surface of the four ink cartridges 200 stored in the ink cartridge storage portion P. ing. Further, the cartridge storage cover portion 44 is formed with a pair of notches 48 for receiving a pair of arms 56 (FIG. 6) provided on the front cover 50 when the front cover 50 is opened.
[0037]
The front cover 50 includes a pair of arms 56 as shown in FIG. As will be described later, five partition walls 110 are arranged on the bottom wall 32 in the ink cartridge storage portion P, and the rotation shaft 57 protrudes from the two partition walls 110 located at both ends thereof. A pair of arms 56 of the front cover 50 are rotatably attached to a rotation shaft 57, and the user can freely open and close the front cover 50.
[0038]
Seven vertical ribs 58 extending in the vertical direction are formed on the back side of the front cover 50. Each vertical rib 58 extends from the front wall 54 of the front cover 50 to reach a part of the upper wall 52. Of these seven vertical ribs 58, four vertical ribs 58 are formed at positions corresponding to the center of the mounted ink cartridge 200 in the width direction. Therefore, the front cover 50 is closed even when any one of the ink cartridges 200 is in a half-pointed state (a state in which the ink cartridge 200 is not completely inserted into the ink cartridge storage portion P and is inserted to a halfway position). The corresponding vertical rib 58 automatically pushes the ink cartridge 200 to the back and inserts it reliably. Although not shown, a plurality of horizontal ribs that are orthogonal to the seven vertical ribs 58 and extend in the horizontal direction are also formed on the back surface of the front cover 50 in order to reinforce the seven vertical ribs 58. Yes.
[0039]
Note that the bottom wall 32 of the cartridge storage portion extends toward the front side of the cover portion 44 in order to guide the ink cartridge 200 toward the front opening O, and this portion has a semicircular shape in plan view. A quarter circular recess 102 is formed at a position corresponding to each partition 110. Due to the recessed portion 102, the bottom wall 32 is narrower than the width of the knob portion 202 of the ink cartridge 200 stored in the ink cartridge storage portion P. Accordingly, the ink cartridge 200 stored in the ink cartridge storage portion P can be easily picked up with a finger.
[0040]
FIG. 7 shows a state where the cover body 40 and the front cover 50 are removed from the inkjet recording apparatus 20. As is apparent from the drawing, the upper surface of the housing 30 is open, and the front opening O of the ink cartridge storage portion P is formed on the front thereof. Note that two media substrates 28 are arranged at positions corresponding to the media slots 29 in the ink jet recording apparatus. In addition, a positive pressure pump 36 to be described later is disposed on the rear side of the media substrate 28.
[0041]
A black (K) ink cartridge mounting portion Sk for mounting a black (K) ink cartridge 200k and a cyan (C) ink cartridge mounting for mounting a cyan (C) ink cartridge 200c are installed in the ink cartridge storage portion P. A section Sc, a yellow (Y) ink cartridge mounting section Sy for mounting a yellow (Y) ink cartridge 200y, and a magenta (M) ink cartridge mounting section Sm for mounting a magenta (M) ink cartridge 200m. Are lined up in the width direction of the paper.
[0042]
The black (K) ink cartridge 200k, the cyan (C) ink cartridge 200c, the yellow (Y) ink cartridge 200y, and the magenta (M) ink cartridge 200m are hereinafter collectively referred to as an ink cartridge 200 as appropriate. In addition, the black (K) ink cartridge mounting unit Sk, the cyan (C) ink cartridge mounting unit Sc, the yellow (Y) ink cartridge mounting unit Sy, and the magenta (M) ink cartridge mounting unit Sm are appropriately summarized below. This is referred to as an ink cartridge mounting portion S.
[0043]
As will be described later, each ink cartridge mounting portion S has a cartridge mounting mechanism 100 for mounting the corresponding ink cartridge 200, and an ink supply for supplying ink in the mounted ink cartridge 200 to the printer engine 60. A mechanism 80 and a positive pressure application mechanism 90 for applying a positive pressure from the positive pressure pump 36 to the ink in the mounted ink cartridge 200 are provided. An ink supply tube T for supplying ink into the printer engine 60 extends from the ink supply mechanism 80. More specifically, from the black (K) ink cartridge mounting portion Sk, the cyan (C) ink cartridge mounting portion Sc, the yellow (Y) ink cartridge mounting portion Sy, and the magenta (M) ink cartridge mounting portion Sm, the black (K ) An ink supply tube Tk, a cyan (C) ink supply tube Tc, a yellow (Y) ink supply tube Ty, and a magenta (M) ink supply tube Tm extend. The black (K) ink supply tube Tk, the cyan (C) ink supply tube Tc, the yellow (Y) ink supply tube Ty, and the magenta (M) ink supply tube Tm are appropriately summarized below. This is referred to as an ink supply tube T.
[0044]
A waste ink absorbing member (not shown) and the like are disposed on the rear side of the ink cartridge housing portion P on the floor surface of the housing 30, and the printer engine 60 is disposed thereon. The printer engine 60 includes an engine housing 62. Although not shown, a paper carry-in port for receiving paper fed from the paper feed tray 22 is formed on the rear surface of the engine housing 62. An engine paper discharge port 64 for discharging the paper recorded by the printer engine 60 toward the paper discharge unit D is formed on the front surface of the engine housing 62. In the engine housing 62, a paper conveyance path is defined from the paper carry-in port to the engine paper discharge port 64. When the cover body 40 covers the housing 30, the engine paper discharge port 64 faces the above-described paper discharge port 46 (FIG. 4), so that the recorded paper is discharged onto the paper discharge unit D. Further, a black (K) ink supply tube Tk and a cyan (C) ink supply tube Tc are provided on the front surface of the engine housing 62, and a yellow (Y) ) In addition to the YM tube opening 68 for introducing the ink supply tube Ty and the magenta (M) ink supply tube Tm into the printer engine 60, a cable connected to a main board (not shown) is connected to the printer engine 60. A cable opening or the like for introduction is formed.
[0045]
As shown in FIG. 8, a paper transport mechanism 76 composed of a plurality of roller pairs is provided inside the engine housing 62, and the paper supplied from the paper feed roller 23 is sent to the engine paper discharge port 64 on the paper transport path. Transport by. A carriage scanning shaft 72 extends above the paper transport path and in a direction perpendicular to the paper transport direction. A carriage 74 is provided on the carriage scanning shaft 72 so as to reciprocate along the carriage scanning shaft 72. The piezoelectric inkjet head 70 is mounted on the lower surface of the carriage 74, and has a nozzle group (not shown) for each of the plurality of colors of ink. Each nozzle faces downward, and ejects ink downward toward the paper. The piezoelectric ink jet head 70 is connected to four ink supply tubes T (Tk, Tc, Ty, Tm) and cables corresponding to each nozzle group, and has four colors (black, cyan, yellow, Magenta) ink and drive signals are supplied. The carriage 74 scans along the carriage scanning axis 72, and the piezoelectric inkjet head 70 performs band recording by a width corresponding to the width of each nozzle group. Each time one scan is completed, the paper transport mechanism 76 feeds the paper by an amount corresponding to the recording width. A purge device 78 having a known cap and pump (not shown) is provided at a position on the carriage scanning shaft 72 and out of the paper conveyance path. When the nozzle of the piezoelectric ink jet head 70 is clogged, the piezoelectric ink jet head 70 moves to a position opposite to the purge device 78, and a purge operation is performed in which the cap covers the nozzle and the pump sucks ink from the nozzle. Do.
[0046]
Thus, only the piezoelectric inkjet head 70 is mounted on the carriage 74, and the ink of the ink cartridge 200 stored in the ink cartridge storage portion P is supplied to the piezoelectric inkjet head 70 through a tube. In addition, since the piezoelectric inkjet head 70 is disposed above the ink cartridge storage portion P in the vertical direction, the ink in the nozzles of the inkjet head 70 is negatively affected by the water head difference between the piezoelectric inkjet head 70 and the ink cartridge 200. Pressure (ie back pressure) can be applied. Therefore, it is possible to prevent the ink from dripping unintentionally from the nozzles of the piezoelectric inkjet head 70.
[0047]
As shown in FIG. 9, the ink supply mechanism 80, the positive pressure applying mechanism 90, and the cartridge mounting mechanism 100 provided in all four ink cartridge mounting portions S have the same configuration.
[0048]
As shown in FIGS. 9 and 10, the ink supply mechanism 80 includes a buffer tank 84 to which an ink lead-out hollow needle 82 and an ink supply tube T are connected. The ink lead-out hollow needle 82 extends in the direction toward the front opening O. The hollow needle 82 is hollow like a known one, and a pair of needle holes communicating with the inside are formed on the side surface. When the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, the ink lead-out hollow needle 82 is inserted into the ink cartridge 200 and supplies ink to the buffer tank 84. The buffer tank 84 temporarily holds the ink supplied by the hollow needle 82 for discharging the ink and filters dust in the ink. The filtered ink is supplied to the piezoelectric inkjet head 70 through the ink supply tube T.
[0049]
The positive pressure application mechanism 90 is for applying a positive air pressure to the ink in the ink cartridge 200. The positive pressure application mechanism 90 includes a positive pressure application member 91 connected to the positive pressure air pump 36. A total of four positive pressure applying members 91 provided in all four ink cartridge mounting portions S are connected in series to the positive pressure air pump 36 via a positive pressure applying tube 92. In addition, a relief valve (pressure release) (not shown) is provided between the positive pressure air pump 36 and the positive pressure application tube 92, and the ink cartridges are driven from the four positive pressure application members 91 via the tube 92 by driving the air pump 36. An air flow of equal pressure is discharged toward 200 respectively.
[0050]
As shown in FIG. 10, the positive pressure applying member 91 includes an annular elastic seal member 93 and a holding member 96 that holds the annular elastic seal member 93 while urging the annular elastic seal member 93 in a direction toward the front opening O by a spring 94. It consists of. The annular elastic seal member 93 is formed of a rubber cap, and includes a positive pressure application hole 98 communicating with a positive pressure application tube 92 from the positive pressure pump 36 at the center. The positive pressure application hole 98 is formed in the front opening O. Opposite to.
[0051]
The cartridge mounting mechanism 100 includes a partition wall 110, a dent 102 on the bottom wall 32, a guide projection wall 120, a needle protection plate 130, a lock member 180 (see FIG. 11) of the needle protection plate 130, and a lock release operation. A strip 150, a retaining lock convex portion 160, and a photo sensor 170 for detecting the remaining amount of ink are provided.
[0052]
The partition 110 is formed so as to protrude upward from the bottom wall 32 on both sides of each ink cartridge mounting portion S and extend from the front opening O to the back, and defines the width of the ink cartridge mounting portion S. The partition 110 positioned between the adjacent ink cartridge mounting portions S also serves to partition the adjacent ink cartridge mounting portions S.
[0053]
Here, the width of each ink cartridge mounting portion S is adapted to the width of the corresponding ink cartridge 200 so that the corresponding ink cartridge 200 can be mounted. As will be described later, the widths of the cyan (C) ink cartridge 200c, the yellow (Y) ink cartridge 200y, and the magenta (M) ink cartridge 200m are equal to each other, and the black (K) ink cartridge 200k that frequently uses ink is used. The width is larger than the width of the cyan (C) ink cartridge 200c, the yellow (Y) ink cartridge 200y, and the magenta (M) ink cartridge 200m so that the internal capacity is increased. For this reason, the widths of the cyan (C) ink cartridge mounting portion Sc, the yellow (Y) ink cartridge mounting portion Sy, and the magenta (M) ink cartridge mounting portion Sm are equal to each other, and the black (K) ink cartridge mounting portion Sk The width is larger than the width of the other ink cartridge mounting portion.
[0054]
The bottom wall 32 of the ink cartridge mounting portion S extends forward from the front opening O. Since the ceiling surface, that is, the cover portion 44 has a length up to the position of the front opening portion O, the top surface of the bottom wall 32 extending to the front side is opened in a state where the front cover 50 is opened, and the ink cartridge 200. When attaching the ink cartridge 200, the ink cartridge 200 is guided toward the front opening O.
[0055]
The needle protection plate 130, the ink remaining amount detection photosensor 170, the unlocking operation piece 150, and the retainer locking convex portion 160 are located in front of the hollow needle 82 for leading out the ink (the extension direction axis of the hollow needle 82. Are arranged in this order from the hollow needle 82 side. The guide protruding wall 120, the unlocking operation piece 150, and the ink remaining amount detection photosensor 170 are provided at positions on both sides of the extending direction axis of the hollow needle 82 in the width direction. The guide protruding wall 120 extends in the depth direction, and the needle protection lock release piece 150 is located between the front side end and the back side end of the guide protruding wall 120 in the depth direction. The needle protection plate 130 is located between the near-side end and the back-side end of the guide protruding wall 120 in the depth direction and on the back side from the operation piece 150 for unlocking. The ink remaining amount detection photo sensor 170 is also located between the front side end and the back side end of the guide protruding wall 120 in the depth direction and behind the operation piece 150 for unlocking.
[0056]
Further, the distance in the width direction between the guide protruding wall 120 and the partition wall 110 adjacent to the guide protruding wall 120 (distance between the guide and the partition wall), and the distance in the width direction between the guide protruding wall 120 and the photo sensor 170 for detecting the remaining ink amount. (Guide-sensor distance) In the cyan (C) ink cartridge mounting portion Sc, the yellow (Y) ink cartridge mounting portion Sy, and the magenta (M) ink cartridge mounting portion Sm, the guide-partition wall distance La is The guide-sensor distance Lb1 is also equal to each other. On the other hand, the guide-partition wall distance La in the black (K) ink cartridge mounting part Sk is equal to the guide-partition wall distance in other ink cartridge mounting parts, but the guide-sensor distance in the black (K) ink cartridge mounting part Sk. Lb2 is larger than the guide-sensor distance in the other ink cartridge mounting portion.
[0057]
The partition wall 110 extends upward from the bottom wall 32 until it reaches the lower surface of the cover body 40. An overhang 112 is formed on the upper part of the front opening O side end of the partition wall 110. When the ink cartridge 200 is inserted, the overhang 112 is tapered downward so that the ink cartridge can easily enter under the overhang, and the height and position of the ink cartridge are regulated after insertion. To do. A similar overhang 112 is also formed on the upper part of the rear side in the depth direction of the partition wall 110 to regulate the height. A similar overhang 112 is also formed in the middle upper part of the partition wall 110 in the depth direction. On the overhang 112, a spring 114 for biasing the ink cartridge 200 downward is provided. And restricts the vertical movement of the ink cartridge 200.
[0058]
The guide protruding wall 120 protrudes upward from the bottom wall 32 at a position adjacent to the unlocking operation piece 150, and an interval La between the guide protruding wall 120 and the partition wall 110 adjacent thereto is determined by a normal user's finger. This is to prevent the user's finger from touching the operation piece 150 by being sufficiently smaller than the thickness of the operation piece 150. Further, the ink cartridge 200 inserted into the ink cartridge mounting portion S from the front opening O side is positioned in the width direction while being guided in the back direction. The front and rear ends of the guide protruding wall 120 are thicker. For this reason, positioning in the width direction is performed with high accuracy by making point contact with the ink cartridge 200 at a large width. The guide and positioning of the ink cartridge 200 can be performed by the partition wall 110, or can be performed jointly by the partition wall 110 and the guide protrusion wall 120.
[0059]
The ink remaining amount detection photo sensor 170 includes an infrared light emitting unit 172 and an infrared light receiving unit 174, and detects the remaining amount of ink in the ink cartridge 200. The photo sensor 170 protrudes above the bottom wall 32 from a circuit board disposed under the bottom wall 32. A sensor guard 176 for protecting the infrared light emitting unit 172 and the infrared light receiving unit 174 from the bottom wall 32 is provided on the front opening O side of each.
[0060]
The needle protection plate 130 is located at a distance from the front opening O side of the hollow needle 82 for discharging ink, and covers the tip of the needle protection plate 130 with respect to the front opening O. As shown in FIG. 11, the needle protection plate 130 is rotatably supported around a needle protection plate rotation shaft 132 orthogonal to the depth direction on the lower side of the bottom wall 32, and an opening formed in the bottom wall 32. It can move to the cover position protruding from the portion 104 on the bottom wall 32 and the open position submerged in the opening 104, and is always biased toward the cover position by a spring 183. The lock member 180 is rotatably supported around the shaft 184 on the lower side of the bottom wall 32, and the holding plate 140 rising from one end thereof is opposed to the surface of the needle protection plate 130 on the hollow needle 82 side. It is urged by a spring 182 in the direction to be moved. The lock member 180 is integrally provided with an operation piece 150 for unlocking between the shaft 184 and the pressing plate 140, and the operation piece 150 is formed on the bottom wall 32 by the bias of the spring 182. The guide protrudes from the opening 106 between the guide protruding wall 120 and the partition wall 110.
[0061]
In this state, when the ink cartridge 200 is properly inserted from the front opening O, as will be described later, the unlocking operation piece 150 is first pressed on the lower surface of the ink cartridge 200, and the lock member 180 is rotated to rotate the holding plate. 140 is retracted downward from the back surface of the needle protection plate 130. When the ink cartridge 200 is further advanced in the depth direction of the mounting portion S, the needle protection plate 130 is pushed on the front surface of the ink cartridge 200, but the pressing plate 104 that prevents the rotation of the needle protection plate 130 does not exist on the back surface. Therefore, the needle protection plate 130 is tilted into the opening 104, and the ink cartridge 200 is connected to the hollow needle 82.
[0062]
When the ink cartridge 200 is removed from the mounting portion S, the needle protection plate 130 first stands at a position that covers the hollow needle 82 by the action of the spring 183, and then the presser plate 140 acts by the action of the spring 182 to protect the needle. Return to the back of the plate 130.
[0063]
Even if an external force acts on the needle protection plate 130 from the front opening O side without pressing the operation piece 150 for unlocking, the back surface of the needle protection plate 130 is in contact with the holding plate 140, so that the hollow needle 82 is not exposed to the front opening O side.
[0064]
The retaining lock member 190 is provided to provide resistance against the urging of the attached ink cartridge 200 by the spring 94 of the positive pressure application member 91, and the opening 108 formed in the bottom wall 32. And a convex portion 160 that can project onto the bottom wall 32. The retaining lock member 190 is supported on the lower surface of the bottom wall 32 so as to be rotatable around a shaft 192 and is urged upward by a spring 182. Normally, the convex portion 160 extends from the opening 108 to the bottom wall 32. It protrudes upward and is fitted into a later-described retaining lock recess 246 (FIG. 18) of the ink cartridge 200 in the mounting position. However, as will be described later, when the ink cartridge 200 comes into contact with the convex portion 160 due to the force when the ink cartridge 200 is attached or detached, the retaining lock member 190 rotates around the shaft 192 so that the convex portion 160 is The ink cartridge 200 is retracted below the bottom wall 32 to enable the ink cartridge 200 to be attached and detached.
[0065]
The ink cartridge storage portion P having the above-described configuration is arranged in the width direction on the same plane (on the bottom wall 32) below the ceiling plate formed by the cartridge storage cover portion 44 of the cover body 40. ing. Therefore, the ink cartridge storage portion P has a flat and substantially rectangular parallelepiped shape as a whole. Therefore, the overall configuration of the multifunction machine 1 is also thin and compact.
[0066]
Hereinafter, the ink cartridge 200 of the present embodiment will be described with reference to FIGS.
[0067]
The cyan, yellow, magenta, and black ink cartridges 200 of the present embodiment all have the shape shown in FIG. That is, each of them is composed of a substantially transparent main body case 230 made of a resin and a lid 210, and has a generally flat rectangular parallelepiped shape as a whole. The cyan, yellow, and magenta ink cartridges 200 (color ink cartridges) have the same size. On the other hand, the length of the black ink cartridge 200 is the same as that of the color ink cartridge 200. However, the width of the black ink cartridge is larger than the color ink cartridge.
[0068]
The main body case 230 includes flat side walls 232 on both sides in the width direction, and the distance between the side walls 232 (that is, the width of the main body case 230) corresponds to the distance between the partition walls 110 provided on both sides of the ink cartridge mounting portion S. is doing.
[0069]
The lid 210 has a substantially flat shape. The lid 210 includes a spherical outer curved portion 212 that is curved outward in a spherical shape at a substantially central portion thereof, and also includes a convex portion 213 that is raised to a flat shape while leaving both end portions in the width direction at the front end portion. ing. Flat portions 214 are formed around the spherical outer curved portion 212 of the lid 210 and on the left and right sides of the convex portion 213. The portions of the flat portion 214 located on both sides in the width direction of the spherical outer curved portion 212 and the convex portion 213 extend in the length direction of the ink cartridge 200. When the ink cartridge 200 is inserted into the ink cartridge mounting portion S, the flat portion 214 extending in the length direction faces the bottom of the overhang 112, and the flat portion 214 slides against the spring 114 (FIG. 10). . The curved portion 212 and the convex portion 213 protrude toward the lower surface (that is, the ceiling surface) of the cover portion 44 from the lower surface of the overhang 112 positioned on both sides thereof.
[0070]
The ink cartridge 200 is made sufficiently longer than the length of the cover portion 44 in the depth direction, and the rear end portion protrudes from the cover portion 44 in the mounting state on the mounting portion S. The rear end portion of the ink cartridge 200 is narrowed to form a knob portion 202. According to the knob portion 202, when a plurality of ink cartridges 200 are stored in the ink cartridge storage portion P as shown in FIG. 6, a desired one can be easily picked up. Conversely, when the ink cartridge 200 is stored in the adjacent ink cartridge storage portion P, it can be easily entangled and mounted. A rib 217 extending linearly in the width direction is formed near the rear end of the lid 210. Therefore, the ink cartridge 200 can be taken out from the ink cartridge storage portion P with one finger by putting the finger on the rib 217 and pulling the cartridge 200 forward.
[0071]
As shown in FIG. 13, the front wall 234 of the main body case 230 is formed with a convex portion 235 protruding upward in the center region in the width direction. An ink supply hole 260 is opened substantially at the center of the front wall 234. The ink supply hole 260 is a hole for supplying ink from the ink container 300 (FIG. 14) provided in the main body case 230. The ink supply rubber plug 262 (FIG. 39 (a)) is press-fitted. Is installed. An ink injection hole 270 is opened adjacent to the ink supply hole 260. The ink injection hole 270 is a hole for injecting ink into the ink containing portion 300 from the outside, and an ink injection rubber plug 272 (FIG. 39A) is press-fitted and attached. Further, the air communication hole 280 is also opened. The air communication hole 280 is an elongated hole having a small diameter, and communicates with the positive pressure application hole 98 of the positive pressure application member 91 when the ink cartridge 200 is installed in the ink cartridge installation part S. Further, a guide groove 236 and a sensor housing groove 240 are formed in the front surface and the lower surface over the front wall 234 and the bottom wall of the main body case 230. The guide groove 236 is a recess for engaging the guide protruding wall 120 (FIG. 10) when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S. The front surface and the bottom surface of the portion between the guide groove 236 and the side wall 232 in the vicinity thereof function as the lock release portion 238, and the lock release operation piece 150 is attached when the ink cartridge 200 is attached to the ink cartridge attachment portion S. Play a role to press. The sensor housing groove 240 is a recess for housing the ink remaining amount detection photosensor 170 when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S.
[0072]
As shown in FIG. 14, the main body case 230 includes an ink storage unit 300 therein and opens upward. More specifically, the main body case 230 includes a front wall 234, side walls 232 on both sides, and a rear wall 237. A side wall 232 connects the front wall 234 and the rear wall 237. A knob portion 202 is connected to the rear of the rear wall 237. The ink container 300 is surrounded by the front wall 234, the side walls 232 on both sides, and the rear wall 237. The ink storage unit 300 has a configuration in which a flexible film 302 is attached to a storage recess 310 (FIG. 15), which will be described later, formed in the main body case 230. The flexible film 302 is welded to the peripheral edge 312 of the opening of the storage recess 310, and ink is stored between the flexible film 302. In a state where the ink is fully filled, the film 302 swells in a spherical shape toward the upper side. The ink supply hole 260 and the ink injection hole 270 communicate with the ink storage unit 300. More specifically, the ink supply hole 260 communicates with the inside of the ink storage unit 300 via an ink supply communication path 268 having a smaller diameter than the ink supply hole 260. In addition, the ink injection hole 270 communicates with the inside of the ink storage unit 300 through an ink injection communication path 278 having a smaller diameter than the ink injection hole 270.
[0073]
A tension plate 306 having a substantially rectangular plate shape is provided on the flexible film 302 so that the longitudinal direction thereof extends in parallel with the length direction of the ink cartridge 200. A central portion in the longitudinal direction of the tension plate 306 is attached to a substantially central portion of the flexible film 302 with a double-sided tape.
[0074]
Note that the longitudinal cross-sectional shape (FIG. 21) of the case body is the same for both black and color. Since the tension plate 306 is attached in the longitudinal direction, the same tension can be given by preparing and attaching the tension plate 306 having the same length for all colors. The length of the tension plate 306 is slightly shorter than the length of the ink container 300 in the length direction. The material of the tension plate is a resin film such as a PET film. The detailed operation of the tension plate 306 will be described later.
[0075]
An atmosphere chamber 290 communicating with the atmosphere communication hole 280 is formed around the ink storage unit 300. More specifically, a partition wall 282 is formed on the rear side of the front wall 234 and connects the side walls 232 on both sides. An outer convex wall 211 is formed from the flat portion 214 of the lid 210 to be joined to the partition wall 282, the side wall 232, and the rear wall 237 of the main body case 230. The atmosphere chamber 290 is surrounded by the partition wall 282, the side wall 232, and the rear wall 237 by attaching the lid 210 to the main body case 230 and joining the outer convex wall 211 to the partition wall 282, the side wall 232, and the rear wall 237. In addition, the area is defined as an area surrounding the ink storage unit 300 covered with the lid 210. The atmospheric chamber 290 is in a substantially sealed state that communicates with the outside only through the atmospheric communication hole 280. Here, the atmosphere communication hole 280 is a communication path that extends between the front wall 234 and the partition wall 282 and opens to the front wall 234 and the partition wall 282. An ink supply communication path 268 and an ink injection communication path 278 pass through the partition wall 282 and communicate with the ink storage unit 300. When the lid 210 is attached to the main body case 230 and covers the opening of the main body case 230, the atmosphere chamber 290 communicates with the outside only by the atmosphere communication hole 280. By applying atmospheric pressure or positive pressure to the atmospheric chamber 290, pressure can be applied to the flexible film 302 of the ink storage unit 300 from the outside of the ink storage unit 300. For this reason, the ink in the ink container 300 can be discharged to the outside via the ink supply hole 260.
[0076]
A plurality of ribs 292 (FIG. 15) are formed in the atmosphere chamber 290, and the strength of the main body case 230 is maintained.
[0077]
FIG. 14 shows an inner surface of the lid 210 that is attached to the main body case 200. As is clear from this figure, the lid 210 is substantially flat, and the spherical outer curved portion 212 formed at the substantially central portion thereof is shaped to wrap around the bulge of the flexible film 302. An annular portion having a predetermined width of the flat portion 214 surrounding the spherical outer curved portion 212 defines an ink containing peripheral portion 216 described later. As is apparent from this drawing, a groove-shaped notch 218 is formed so as to divide the annular ink containing peripheral edge 216. In the state where the lid 210 is joined to the main body case 230, the peripheral edge portion 216 on the lid side is designed to be spaced from the flexible film 302 bonded to the opening peripheral edge portion 312 on the main body case side. Even when the ink cartridge is vacuum-packed so that the lid 210 and the main body case 230 are plastically deformed in the direction of approaching each other and the peripheral edge 216 on the lid side is in close contact with the flexible film 302, the groove shape The space between the spherical outer curved portion 212 and the flexible film 302 communicates with the atmospheric chamber 290 through a notch 218 and a convex wall notch 219 described later. A convex wall 215 that protrudes from the flat portion 214 so as to surround the ink containing peripheral edge 216 is formed outside the ink containing peripheral edge 216 and inside the outer convex wall 211. When the lid 210 is attached to the main body case 230, the convex wall 215 is positioned so as to surround the outer periphery of the storage recess peripheral portion 312 described later (see FIG. 27). However, the convex wall 215 is cut out at a portion close to the outer convex wall 211 along the side wall 232 of the main body case and connected to the outer convex wall 211. As a result, at the position corresponding to the position where the notch 218 is formed in the ink containing peripheral edge 216 and the position opposite to the position where the notch 218 is formed at the ink containing peripheral edge 216, A convex wall notch 219 is defined in the convex wall 215 portion. The convex wall notch 219 also communicates the space between the spherical outer curved portion 212 and the flexible film 302 with the atmospheric chamber 290, and the positive pressure from the atmospheric communication hole 280 is not blocked by the convex wall 215. To play a role.
[0078]
As shown in FIG. 15, the storage recess 310 includes a concave portion 320 that is surrounded by the opening peripheral edge portion 312 and opens on the upper surface. The opening peripheral edge portion 312 has a circular shape (or an oval shape) and a portion 328 thereof projects outward. The concave surface portion 320 is curved downward in a substantially spherical shape from the circular (or elliptical) peripheral edge 322 located at the same height as the opening peripheral edge portion 312, and the approximate center is the lowest position. A spherical portion 324 is provided. A part of the spherical surface portion 324 is a slope portion 326 that is inclined straight. A flat shoulder 328 extending horizontally is formed between a portion projecting outside the opening peripheral edge 312 and the circular (or elliptical) peripheral edge 322. The flexible film 302 is attached to the opening peripheral edge portion 312 so as to cover the concave surface portion 320, so that the flexible film 302, the spherical surface portion 324 including the inclined surface portion 326, and the flat shoulder portion 328 are interposed. Ink is stored.
[0079]
Note that the height of the flat shoulder 328 is substantially equal to the height of the opening peripheral edge 312 and the amount of swelling of the flexible film 302 on the flat shoulder 328 is small. Even when the lid 210 is attached to the case main body 230, the color of the ink can be visually recognized from the top of the lid 210 by the ink stored between the flat shoulder 328 and the flexible film 302. In other words, the ink in the concave portion 320 is almost black because the ink layer is thick in a state where the ink is fully filled therewith, but the color between the flat shoulder 328 and the flexible film 302 is between In the thin ink layer, the original ink color can be seen.
[0080]
The flexible film 302 is formed in advance in a substantially spherical shape that is substantially in close contact with the inner surface of the housing recess 310 in a state where there is almost no ink in the housing recess 310. A method of manufacturing the flexible film 302 in this shape will be described later. Thereby, the flexible film follows the amount of ink and is flexible from a state where the ink is filled between the flexible film 302 and the accommodating recess 310 to a state where there is almost no ink in the accommodating recess 310. The flexible film itself hardly expands or contracts due to elasticity and exerts pressure on the ink.
[0081]
On the bottom surface of the concave portion 320, an ink injection groove 330 that communicates with the ink injection hole 270 (ink injection communication path 278), and an air vent / ink supply groove 332 that communicates with the ink supply hole 260 (ink supply communication path 268). Is formed. A sensing mechanism 340 for detecting the remaining amount of ink remaining on the concave surface portion 320 is further provided on the bottom surface of the concave surface portion 320.
[0082]
As shown in FIG. 16, the sensing mechanism 340 includes a sensor lever housing groove 350, a sensor lever 360 disposed in the sensor lever housing groove 350, and a T-shaped holding film 342. The sensor lever accommodation groove 350 has an opening on the bottom surface of the concave surface portion 320 and has a bottom surface 352 along the lower surface (FIG. 18) of the case main body 230. The sensor lever receiving groove 350 extends from the center position of the spherical portion 324 of the concave surface portion 320 in a direction shifted by 45 degrees with respect to the length direction of the case body, and the circular (or elliptical) peripheral edge 322 of the concave surface portion 320. It is formed so that it may be bent by 45 degrees and extend in parallel with the length direction of the case body. A portion of the sensor lever receiving groove 350 that extends parallel to the length direction of the case body is referred to as a groove end portion 354. The groove end 354 opens on the flat shoulder 328. As described above, the sensor lever receiving groove 350 extends in a direction shifted by 45 degrees with respect to the length direction of the case body at a position extending from the center portion of the spherical portion 324 of the concave surface portion 320 to the slope portion 326. An opening is formed on the flat shoulder 328 so as to extend parallel to the length direction of the case body. The depth of the sensor lever receiving groove 350 is substantially constant at the spherical portion 324, increases sharply at the slope portion 326, and becomes substantially constant again at the flat shoulder portion 328. The groove end portion 354 of the sensor lever receiving groove 350 extends outside the concave surface portion 320 and reaches the inside of the sensor receiving groove 240 along the wall protruding from the sensor receiving groove 240, that is, the convex portion 372 (FIG. 18). Yes. Further, the sensor lever receiving groove 350 has a groove 351 orthogonal to the longitudinal direction thereof.
[0083]
The sensor lever 360 has a specific gravity higher than that of ink, and is formed of a black resin so as to shield infrared rays. The sensor lever 360 is disposed in the sensor lever receiving groove 350. The sensor lever 360 is a plate-like beam member having a triangular fulcrum-shaped rotation fulcrum part 362 and having an operation arm part 364 and a sensing arm part 366 on both sides thereof. A hemispherical pivot 365 (ink remaining amount detection point) is provided at the end of the operating arm 364. The sensor lever 360 is disposed in the sensor lever receiving groove 350 so that the hemispherical pivot 365 (ink remaining amount detection point) is located at the center of the spherical portion 324 of the concave portion 320. The sensing arm portion 366 is bent at 45 degrees at its end, and the bent end 367 is disposed at the groove end 354 of the sensor lever receiving groove 350 (the portion opened to the flat shoulder 328). It functions as a sensing point 367. The rotation fulcrum portion 362 is disposed in the orthogonal groove 351 of the sensor lever receiving groove 350 and sinks in the ink so that the apex of the cross-sectional triangle of the rotation fulcrum portion 362 contacts the bottom surface of the groove 351. As a result, the sensor lever 360 can rotate with the rotation fulcrum 362 as a fulcrum. Here, the weight of the sensing arm unit 366 is larger than the weight of the operation arm unit 364. For example, the weight of the sensing arm unit 366 is five times or more the weight of the operation arm unit 364. For this reason, the sensor lever 360 has a hemispherical shape in which the sensing arm end portion 367 side is positioned on the bottom surface 352 of the sensor lever receiving groove 350 as shown by a solid line in FIG. A pivot 365 (ink remaining amount detection point) floats from the bottom surface 352 and protrudes on the bottom surface of the concave portion 320. On the other hand, when the ink is consumed and the flexible film 302 descends toward the concave portion 320, the flexible film 302 becomes hemispherical pivot 365 (ink remaining amount detection) as shown by a two-dot chain line in FIG. By pushing the point) downward, the sensing arm end 367 (sensing point) is raised by the lever principle. As described above, since the sensor lever 360 is accommodated in the sensor lever accommodating portion 350 extending from the bottom of the concave portion 320 to the outside of the concave portion 320, the sensor lever 360 may be deformed toward the concave portion 320. Since the flexible film 302 is not obstructed, the remaining ink amount can be reliably detected.
[0084]
Further, the length L1 of the sensing arm portion 366 of the sensor lever 360 is larger than the length L2 of the operation arm 364. For example, the length L1 of the sensing arm unit 366 is about four times the length L2 of the operation arm 364. Therefore, even if the flexible film 302 slightly lowers the hemispherical pivot 365 (ink remaining amount detection point), the sensing arm end 367 is greatly raised, and the detection / non-detection operation of the remaining amount detection sensor 70 described later is performed. Can be performed reliably.
[0085]
In this embodiment, since the tension plate 306 made of PET film is provided, the sensor lever 360 can be reliably operated in a state where there is almost no remaining ink, that is, the ink can be used up to the maximum. I have to. That is, when the flexible film 302 descends as the ink decreases, the flexible film 302 may come into close contact with the storage recess 320 while wrinkling partly. The sensor lever 360 is operated with the ink remaining between the wrinkled portion and the storage recess 320, causing the ink to remain unusable.
[0086]
As described above, only the central portion of the tension plate 306 is bonded to the central portion of the flexible film 302. When the ink is large, the tension plate 306 has a swelled flexible film 302 as shown by a solid line in FIG. It is in a state of being placed on the top and descends as the ink decreases. However, when the amount of ink decreases, the tension plate 306 is restrained from descending by bringing its both ends into contact with the inner peripheral surface of the storage recess 320 at a position above the lowest position of the storage recess 320. The As a result, the peripheral portion of the flexible film 302 is in close contact with the inner peripheral surface of the storage recess 320, but the central portion is lifted by the tension plate 306. At this time, the central portion of the lifted flexible film 302 faces the pivot 365 of the sensor lever 360 with a gap.
[0087]
When the ink is further decreased, the central portion of the flexible film 302 is further lowered against the elasticity of the tension plate 306, and when the ink is almost exhausted, the pivot 365 of the sensor lever 360 is pushed. At this time, until the center of the flexible film 302 presses the sensor lever 360, the area of the peripheral portion of the flexible film 302 that is in close contact with the inner peripheral surface of the storage recess 320 is gradually increased toward the center. Go. In other words, the flexible film 302 is less likely to be wrinkled on the way, and the flexible film 302 is lowered while collecting the ink in the center of the storage recess 320, so that there is almost no remaining ink. The sensor lever 360 can be reliably operated.
[0088]
The tension plate 306 is not limited to a substantially rectangular shape as described above, but a triangular shape as long as the flexible film 302 can be spaced from the pivot 365 of the sensor lever 360 when the downward movement is restrained as described above. Any shape such as a star shape or a circular shape may be used. Further, not only the outer peripheral portion of the outer peripheral portion abuts against the inner peripheral surface of the storage recess 320, but also the outer peripheral portion can be placed on the opening peripheral portion 312.
[0089]
The tension plate 306 preferably has a weight and an elastic force that do not affect the pressure in the ink storage unit 300, but the pressure in the ink storage unit 300 can be adjusted by appropriately setting these. . When there is a lot of ink, only the central portion of the tension plate 306 is in contact with the flexible film 302, so that the tension plate 306 is given a positive pressure into the ink containing portion 300 by its own weight. When the ink becomes low, the tension plate 306 functions like a beam and lifts the central portion of the flexible film 302 upward. As a result, a negative pressure is applied to the ink storage unit 300. The tension force of the tension plate 306 (related to negative pressure when ink is small), weight (related to positive pressure when ink is large) and length (related to timing when switching from applying positive pressure to negative pressure) are adjusted. As a result, an appropriate pressure corresponding to the ink consumption status is applied to the ink containing unit 300.
[0090]
In the present embodiment, the tension plate 306 is connected to the flexible film 302 so as to move following the flexible film 302 until the ink remaining amount becomes very small. On the other hand, the tension plate 306 is restrained by the concave portion 320 of the main body case after the ink remaining amount is in a very small state, and moves the flexible film 302 away from the pivot (ink remaining amount detection point) 365. Has elasticity to bias. The tension plate 306 allows the other portions of the flexible film 302 other than the portion facing the pivot (ink remaining amount detection point) 365 to substantially follow the concave portion 320 at least after the ink remaining amount is low. However, the portion of the flexible film 302 that faces the pivot (ink remaining amount detection point) 365 is urged away from the pivot (ink remaining amount detection point) 365. In addition, the flexible film approaches the pivot (ink remaining amount detection point) 365 against the urging of the tension plate 306 as the amount of ink decreases after the ink remaining state is low. Thus, it is ensured that the ink is used up.
[0091]
As shown in FIG. 16, the T-shaped restraining film 342 is made of PET and is provided in the sensor lever housing groove so as to press the sensor lever 360 downward from above the sensor lever 360. More specifically, the holding film 342 integrally includes a fixed portion 342a and an elastic plate portion 342b that presses the sensing arm portion 366. A step is formed in the groove 351 in which the rotation fulcrum 362 is accommodated in the sensor lever accommodation groove 350, and a pair of convex portions 356 are formed from the step. A pair of holes 344 are formed in the fixed portion 342a, and the pair of convex portions 356 are fitted into the pair of holes 344, and the pair of convex portions 356 are crushed so that the fixed portion 342a is caulked to the concave surface portion 320. Stopped. Thereby, the rotation fulcrum part 362 is held in the groove 351 with a gap between the T-shaped restraining film 342 and the sensor lever 360 can be freely rotated with the rotation fulcrum 362 as a fulcrum. The elastic plate portion 342b is inserted and disposed in the groove 350 so as to extend from the fixed portion 342a to the sensing arm portion 366 side. Accordingly, the sensing arm portion 366 is biased downward by the elastic plate portion 342b, that is, in a direction in which the hemispherical pivot 365 projects onto the bottom surface of the bathtub recess 320, so that the ink cartridge is transported during transportation of the ink cartridge. Can be ensured that the hemispherical pivot 365 protrudes above the bottom surface of the concave portion 320. Note that the elasticity of the elastic plate portion 34 is large enough not to prevent the sensing arm portion 366 from rising as the ink decreases.
[0092]
Note that a portion of the sensor lever housing groove 350 in which the sensing arm portion 366 is housed is formed in the slope portion 326. Since the slope portion 326 is inclined more than the spherical surface portion, the ascending movement amount of the sensing arm portion 366 can be sufficiently ensured without being disturbed by contact with the flexible film 302.
[0093]
As shown in FIG. 18, the lower surface of the main body case 230 includes a smooth surface 242 that can be slid with respect to the bottom surface of the ink cartridge mounting portion S. The smooth surface 242 is connected to the side walls 232 on both sides. A guide groove 236 and a sensor receiving groove 240 are formed on the lower surface of the main body case 230. Here, as shown in FIG. 30, the distance Lac between the guide groove 236 and the side wall 232 near the width direction corresponds to the guide-partition wall distance La in the ink cartridge mounting portion S. As shown in FIG. 35, the guide groove 236 has a length Lcc (specifically, at least positive pressure in the ink cartridge mounting portion S) that can accommodate the guide protrusion wall 120 in the length direction from the front wall 234. The distance between the applying member 91 and the front opening portion O side end portion of the guide projection wall 120 is equal to or longer than the distance Lc. Therefore, when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, the guide groove 236 can accommodate the guide protruding wall 120. As shown in FIG. 30, the distance Lbc between the guide groove 236 and the sensor receiving groove 240 is a distance corresponding to the guide-sensor distance Lb in the ink cartridge mounting portion S. Further, as shown in FIG. 35, the sensor receiving groove 240 is formed in the length direction from the front wall 234 by a length Ldc corresponding to the distance Ld between the positive pressure applying member 91 and the remaining ink detection photosensor 170. Thus, when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, the photo sensor 170 for detecting the remaining ink amount can be accommodated.
[0094]
On the lower surface of the main body case 230, a plurality of ribs 243 are formed to support the strength of the concave surface portion 320 from the back surface. A bottom centerline rib 244 extending in the length direction of the main body case 230 is formed at the center position in the width direction of the main body case 230. When the ink cartridge 200 is slid on the bottom surface of the ink cartridge mounting portion S, the bottom center line rib 244 continues to retract the locking projection 160 (FIG. 10) below the bottom surface. A retaining lock recess 246 is formed on the rear side of the bottom centerline rib 244 on the lower surface of the main body case 230. When the ink cartridge 200 is mounted on the ink cartridge mounting portion S, the retaining lock convex portion 160 engages with the retaining lock concave portion 246, whereby the ink cartridge 200 is retained.
[0095]
A sensor lever housing portion 370 having the sensor lever housing groove 350 formed therein is formed on the lower surface of the main body case 230 so as to protrude from the concave surface portion 320. Of the sensor lever housing portion 370, a portion of the sensor lever housing groove 350 that houses the groove end portion 354 (sensor lever housing convex portion 372) projects in the length direction at the center in the width direction in the sensor housing groove 240. Yes. As shown in FIG. 35, when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S and the photo sensor 170 for detecting the remaining ink amount is stored in the sensor storing groove 240, the sensing arm storing convex portion is used for detecting the remaining ink amount. It is located between the infrared light emitting unit 172 and the infrared light receiving unit 174 of the photosensor 170. The sensing arm end portion 367 (sensing point) located in the groove end portion 354 in the sensor lever housing convex portion 372 of the sensor lever 360 is positioned between the infrared light emitting portion 172 and the infrared light receiving portion 174. In addition, at least the sensor lever housing convex portion 372 of the main body case is made of a material that transmits infrared rays.
[0096]
FIG. 19 is a schematic plan view of the ink cartridge 200 of the present embodiment having the above-described configuration (when the main body case 230 and the lid 210 are attached), and the internal structure is shown by broken lines. 20 is a front view showing the front surface of the ink cartridge 200, that is, an AA arrow view of FIG. 21 to 28 are respectively a BB cross section, a CC cross section, a DD cross section, an EE cross section, an FF cross section, a GG cross section, an HH cross section, and an II cross section in FIG. It is sectional drawing which shows a cross section. In these drawings, the flexible film 302 and the ribs (243, 292) are not shown for the sake of clarity. However, the bottom centerline rib 244 is shown in some of the drawings.
[0097]
As shown in FIGS. 15 and 27, the main body case 230 is integrally and continuously connected to the bottom surface side of the main body case 230 (the depth direction of the concave surface portion 320). ) Is formed. The peripheral wall 231, the side wall 232, and the smooth surface portion 242 are connected to form a peripheral wall portion 233 that supports the concave surface portion 320 from the periphery. Here, the peripheral wall 231 and the side wall 232 are connected to each other by a plurality of ribs 292. And the flat part 214 of a lid | cover is joined to the upper end of the surrounding wall part 233 as an outer peripheral part facing the surrounding wall part 233. FIG. Therefore, even if the lower surface of the ink containing portion 300 is substantially spherical, it can be stably placed by the lower surface 242 of the peripheral wall portion 233 and can be easily attached to and detached from the main body of the multifunction device 1. In addition, since the flexible film 202 is attached to the peripheral edge portion 312 of the opening and the lid 210 is joined to the upper end of the peripheral wall portion 233, the lid 210 does not interfere with the attachment portion of the flexible film 202, and the ink is received. Securely sealed. Further, since the peripheral wall portion 233 has a double structure composed of the side wall 231 and the peripheral wall 232, and both are connected by a plurality of ribs 292, the peripheral wall is provided even if the ink cartridge 200 is vacuum packed as will be described later. The portion 233 is prevented from being deformed. Further, as is apparent from FIG. 18, a plurality of ribs 243 are formed so as to connect the lower surface of the concave portion 320 and the peripheral wall portion 233. For this reason, even when the ink cartridge 200 is vacuum-packed as described later, the rib 243 prevents the concave surface portion 320 and the peripheral wall portion 233 from being deformed.
[0098]
The ink cartridge 200 having the above structure has a flat bottom surface, but the top surface of the ink cartridge 200 has a curved central portion (spherical outer curved portion 212) as shown in FIG. It is higher than the height of both ends (side walls 232). Here, the heights at both ends in the width direction (the height from the lower surface 242 to the flat portion 214) are the overhang 112 formed at the upper part of the front opening O side end portion of the partition wall 110 in the ink cartridge mounting portion S and the bottom. It is approximately equal to the distance from the wall 32. Therefore, the ink cartridge 200 can be inserted into the ink cartridge mounting portion S. On the other hand, the height of the curved portion 212 and the convex portion 213 is higher than the height of both ends in the width direction, and the curved convex wall 47 on the ceiling surface of the mounting portion S extends along the spherical outer curved portion 212 of the ink cartridge 200. Due to the shape, it is possible to prevent the ink cartridge 200 from being inserted upside down by mistake.
[0099]
Since the bottom surface of the main body case 230 is smooth and has a bottom centerline rib 244 extending in the length direction, the ink cartridge 200 is simply slid into the ink cartridge mounting portion S and slid on the bottom surface. The ink cartridge 200 can be mounted while the retaining lock projection 160 is retracted. Moreover, the width of the ink cartridge 200 corresponds to the distance between the partition walls 110 on both sides of the ink cartridge mounting portion S, and the distance Lac between the guide groove 236 and the side wall 232 near the width direction is the guide-partition wall in the ink cartridge mounting portion S. Corresponding to the distance La, the distance Lbc between the guide groove 236 and the sensor housing groove 240 corresponds to the guide-sensor distance Lb in the ink cartridge mounting portion S. Accordingly, when the ink cartridge 200 is inserted into the ink cartridge mounting portion S, the cartridge is slid so that the guide groove 236 is guided by the guide protrusion wall 120, whereby the ink remaining amount detection photosensor 170 is detected by the sensor. The sensor is securely stored in the storage groove 240, and the sensing point 367 in the sensor storage groove 240 is inserted between the light emitting unit 172 and the light receiving unit 174 of the photosensor.
[0100]
In the ink cartridge mounting portion S, as shown in FIGS. 9 and 30, the end position on the front opening O side of the guide projection wall 120 is the end position on the front opening O side of the sensor 170. It is located closer to the front opening O than the position of the part (sensor guard 176). In the ink cartridge 200, the end portion of the guide groove 236 on the side opposite to the front wall 234 is farther from the front wall 234 than the end portion of the sensor receiving groove 240 on the side opposite to the front wall 234. positioned. Therefore, when the ink cartridge 200 is inserted into the mounting portion S and is slid on the bottom wall 32, the sensor groove 240 reaches the sensor 170 after the guide groove 236 first accommodates the guide protrusion wall 120. Since the sensor housing groove 240 reaches the sensor 170 after the ink cartridge 200 is positioned in the width direction by the engagement between the guide groove 236 and the guide protruding wall 120, the sensing point 367 in the sensor housing groove 240 is a photo. It is inserted between the light emitting part 172 and the light receiving part 174 of the sensor.
[0101]
In the ink cartridge mounting portion S, the guide protrusion wall 120 is near the unlocking operation piece 150 in the width direction, and in the ink cartridge 200, the guide groove 236 is near the lock release portion 238 in the width direction. Therefore, when the ink cartridge 200 is attached to the ink cartridge attachment portion S, the lock release portion 238 reliably contacts the operation piece 150 and retracts it. In addition, in the ink cartridge mounting portion S, the spring 114 member holds the ink cartridge 200 downward from above the partition wall 110 near the guide projection wall 120, so that the operation of retracting the operation piece 150 is made more reliable.
[0102]
As shown in FIGS. 29 and 35, the ink cartridge 200 houses the sensor housing groove 240 for housing the sensor 170 and the guide protruding wall 120 at positions on both sides of the ink supply hole 260 when viewed from the front wall 234 side. And a guide groove 236 that opens to the front wall 234 and the lower surface side. Then, the sensor lever housing convex portion 372 that movably houses the sensing arm end portion 367 inserted between the light emitting portion 172 and the light receiving portion 174 is protruded into the sensor housing groove 240, and the guide groove 236 is formed in the guide groove 236. An unlocking portion 238 is provided adjacently. For this reason, the ink cartridge 200 is configured to be flat and can be slid stably with respect to the floor surface 32 of the ink cartridge mounting portion S, and can be easily attached and detached, and mounted on the ink cartridge mounting portion S. The remaining amount of ink can be reliably detected.
[0103]
The ink cartridge 200 of the present embodiment is mounted on the ink cartridge mounting portion S as shown in FIGS.
[0104]
The user inserts the ink cartridge 200 into the front opening O of the ink cartridge mounting part S, and slides the lower surface thereof onto the mounting part bottom surface 32. Then, first, as shown in FIGS. 30 and 31, the cartridge front wall 234 retracts the retaining lock projection 160. Thereafter, as shown in FIG. 32, the retaining lock convex portion 160 continues to be retracted by the bottom centerline rib 244 while the cartridge slides and advances. Then, the guide groove 236 of the cartridge is engaged with the guide protrusion wall 120 and further slid. When the unlocking portion 238 of the cartridge front wall 234 kicks the unlocking operation piece 150, the lock member 180 unlocks the needle protection plate 130 (lowers the pressing plate 140). Thereafter, as shown in FIG. 33, when the front wall 234 of the cartridge pushes the needle protection plate 130, the needle protection plate 130 is retracted. When the cartridge is further advanced and completely inserted into the ink cartridge mounting part S, the ink outlet hollow needle 82 is stuck in the ink supply rubber plug 262 (FIG. 39A) in the ink supply hole 260. Thereafter, as shown in FIGS. 34 and 35, the front wall 234 of the cartridge comes into contact with the rubber cap 93 of the positive pressure applying member 91. The cartridge is pushed into a position once further advanced against the force of the spring 94 of the positive pressure applying member 91. At this time, it is preferable that the front surface of the cartridge hits a stopper wall (not shown) to prevent the cartridge from moving forward. Thereafter, the cartridge is slightly returned by the force of the spring 94, but the retaining lock projection 160 engages with the retaining lock recess 246 on the lower surface of the cartridge. As a result, the cartridge is locked and prevented from coming off. Thus, the ink cartridge 200 is mounted on the ink cartridge mounting portion S. The portion of the front wall 234 of the cartridge 200 that abuts against the rubber cap 93 is substantially flat as shown in FIG. 35, so that the positive pressure application hole 98 and the atmosphere communication hole 280 of the rubber cap 93 are air leaks. Communication is made surely so that no problem occurs.
[0105]
Since the black ink cartridge is wider than the other color ink cartridges, it cannot be erroneously inserted into the color ink cartridge mounting portion S. On the other hand, it is possible that another color ink cartridge is erroneously inserted into the mounting portion for the black cartridge. However, the distance Lb1 in the width direction between the guide groove 236 and the sensor receiving groove 240 in the color cartridge is the width direction distance between the guide protruding wall 120 and the remaining ink amount detecting photosensor 170 in the black cartridge storage portion. It is narrower than the distance Lb2. Therefore, even when the guide groove 236 is engaged with the guide projection wall 120 and slid, the front surface of the cartridge comes into contact with the sensor guard 176 and cannot move further. Even if the width of the color cartridge is large enough to be inserted between the guide protrusion wall 120 and the partition wall 110 far from the protrusion wall 120 in the black cartridge storage portion, the guide groove 236 is formed. In the first place, since the unlocking operation piece 150 cannot be retracted unless it is engaged with the guide protruding wall 120, the needle protection plate 130 cannot be retracted, and the front surface of the cartridge contacts the needle protection plate 130. The hollow needle 82 for leading out the ink cannot be inserted into the ink supply hole 260.
[0106]
When the ink cartridge 200 is mounted on the ink cartridge mounting portion S, the ink drawing hollow needle 82 supplies the ink in the ink storage portion 300 to the buffer tank 84. Ink is supplied from the buffer tank 84 to the piezoelectric inkjet head 70 via the ink supply tube T, and is used for recording operation.
[0107]
Here, in the ink cartridge 200, the positive pressure air pump 36 is stopped, but atmospheric pressure acts on the atmospheric chamber 290 through the pump 36, the tube 92, the positive pressure applying member 91, and the air communication hole 280. is doing. For this reason, as the ink decreases, the flexible film 302 is deformed without applying pressure to the ink, and the shape formed in advance is brought into close contact with the storage recess 320, so that the ink supplied to the inkjet head 70 The ink discharge operation of the inkjet head 70 can be stabilized by always maintaining the pressure of the ink jet head at a substantially constant level. In addition, since the flexible film 302 finally comes into close contact with the storage recess 320, the remaining amount of ink can be reduced. Moreover, since at least a part of the concave surface portion 320 is a substantially spherical shape portion 324 whose cross-sectional area decreases as it moves away from the upper side (opening side), the flexible film 302 is used when the ink remaining amount decreases. However, it is easy to follow the concave portion 320, the remaining amount of ink can be reduced, and the pressure of the ink supplied to the end can be kept almost constant.
[0108]
Here, since the ink cartridge mounting portion S on which the ink cartridge 200 is mounted is positioned below the piezoelectric inkjet head 70 in the vertical direction (see FIG. 3), the nozzle of the piezoelectric inkjet head 70 is caused by the water head difference. A negative pressure always acts on the ink in the same manner as in a general ink jet recording apparatus, but in a normal state, the negative pressure is resisted by the surface tension of the meniscus of the ink formed in the nozzle. Ink is held in the nozzle. After performing the purging operation by the known purging device 78, that is, the operation of sucking the ink in the nozzle by the operation of the pump after covering the nozzle with the cap, when the sucking operation by the pump is stopped, the ink bubbled in the cap is removed. Due to the water head difference, the ink enters the nozzle, and when the head 70 performs a printing operation thereafter, there is a possibility of causing a discharge failure. For this reason, in the present embodiment, the positive pressure air pump 36 is operated until the cap is opened after the purge operation (which may start during the operation). Thus, a positive pressure air flow is supplied to the atmosphere chamber 290 in the cartridge, and a positive pressure is applied to the ink through the flexible film 302. As a result, positive pressure can be applied to the ink in the nozzles of the head 70 from the cartridge side, and air bubbles can be prevented from being drawn into the nozzles. At this time, the pressure applied by the positive pressure pump 36 may be a pressure that does not draw bubbles into the nozzle and does not need to be large enough to positively push out ink from the nozzle. The form does not preclude using such a high pressure.
[0109]
Further, as described above, when the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, after the hollow needle 82 for leading out the ink touches the rubber plug 262 for ink supply in the ink supply hole 260, the air communication hole 280 comes into contact with the positive pressure applying member 91. (In more detail, as shown in FIG. 35, the distance A between the front surface of the rubber cap 93 of the positive pressure applying member 91 and the needle hole of the hollow needle 82 for discharging ink in the ink cartridge mounting portion S is determined by the rubber plug for supplying ink. 262 is larger than the distance B that closes the ink supply hole 260 from the front surface of the ink cartridge 200.) When the ink cartridge 200 is removed from the ink cartridge mounting portion S, the atmospheric communication hole 280 is separated from the positive pressure applying member 91. After that, the hollow needle 82 for drawing out the ink comes out of the rubber stopper in the ink supply hole 260. Therefore, even if the user accidentally removes the ink cartridge 200 from the ink cartridge mounting portion S while the positive pressure pump 36 applies a positive pressure to the ink cartridge 200, the hollow needle 82 remains stuck. In this state, first, the air communication hole 280 is separated from the positive pressure applying member 91, so that ink is prevented from spilling from the ink cartridge 200.
[0110]
When the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, as shown in FIG. It is accommodated in the sensor accommodation groove 240 so as to face each other with the sensor lever accommodation convex portion 372 in which the end portion 367 (sensing point) is accommodated. Therefore, the sensing arm end 367 (sensing point) of the sensor lever 360 is positioned between the infrared light emitting unit 172 and the infrared light receiving unit 174. In this manner, an ink sensing mechanism for detecting a state where ink in the ink cartridge 200 runs out is completed. That is, in the ink sensing mechanism of the present embodiment, the sensor portion 170 (light emitting portion 172 + light receiving portion 174) is provided in the ink cartridge mounting portion S on the recording apparatus main body side, and senses on / off of the sensor portion 170. A lever (a sensor lever 360 made of black resin) is provided in the ink cartridge 200, and the ink cartridge 200 is mounted on the ink cartridge mounting portion S to complete.
[0111]
As described above, the sensor lever 360 moves the sensing arm end 367 (sensing point) up and down according to the remaining amount of ink. When the ink remaining amount is sufficient, the sensing arm end portion 367 is located between the light emitting portion 172 and the light receiving portion 174 and shields infrared light. When there is almost no remaining ink, the light receiving unit 174 receives infrared light by removing from between the light emitting unit 172 and the light receiving unit 174. Thus, it is easy for those skilled in the art to control the operation of the recording apparatus by converting the presence or absence of ink into an electrical signal. The sensor 170 can be used not only to detect the presence / absence of ink but also to detect whether an ink cartridge is installed.
[0112]
As described above, the ink cartridge 200 according to the present embodiment includes only resin parts, and has a basic configuration in which a film is stretched on a resin case and ink is collected therebetween. That is, a single film is stretched on the concave portion 320 of the main body case 230, and ink is stored between the main body case 230 and the film. By attaching the lid 210 to the main body case 230, the film is prevented from being torn so that the user is not directly touched by the film.
[0113]
More specifically, the main body case 230 is made of an ink resistant resin. In this example, the main body case 230 is made of additive-free polypropylene (PP) that hardly contains additives. This is because the main body case 230 (housing recess 310) is in direct contact with the ink, so that if the additive is contained, the additive dissolves into the ink. On the other hand, the lid 210 is made of polypropylene (PP) to which an additive is added in order to maintain strength because it does not directly contact the ink. Thus, the main body case 230 and the lid 210 are made of the same resin material (PP), so that both can be joined by ultrasonic welding.
[0114]
In the present embodiment, the ink containing portion 300 is defined between the concave surface portion 320 and the flexible film 302. Since no foam is used to contain the ink, the ink can be used up. In addition, since the ink cartridge 200 is formed using only resin without using foam, dioxins are not generated even if the ink cartridge 200 is burned after the ink is used up. Further, unlike the case where the ink containing portion 300 is formed in a bag shape, the ear portion and the spout portion necessary for the bag shape are not necessary, so that a large amount of ink can be accommodated in the small volume case body. Further, in the present embodiment, the ink storage unit 300 can be formed with a simple structure in which a storage recess is formed and a film is pasted thereon. According to such a configuration, it is possible to easily cope with a design change in ink capacity.
[0115]
In this embodiment mode, the flexible film 302 has a two-layer structure. That is, the inner layer made of polypropylene (thickness 30 μm) and the outer layer made of nylon are bonded to each other. Polypropylene (thickness 30 μm) has heat melting characteristics, and nylon has heat resistance characteristics and impact resistance characteristics. Here, polypropylene (thickness 30 μm) is a non-added type containing almost no additive. This is because the inner layer comes into contact with the ink, so if the additive is contained, it will dissolve in the ink. However, polypropylene (thickness 30 μm) is very weak against mechanical impact. For this reason, impact is absorbed by the outer layer of nylon. Here, the two-layer structure composed of an inner layer made of polypropylene (thickness 30 μm) and an outer layer made of nylon has a property of extending when heat is applied and air permeability, and will be described below. Thus, it is extremely preferable to be used for the flexible film 302 of the present embodiment.
[0116]
In the present embodiment, the flexible film 302 having the double structure is attached to the housing recess 310 as described below and formed into a shape bulging outward. The flexible film 302 includes an inner layer 302a made of polypropylene (thickness 30 μm) and an outer layer 302b made of nylon.
[0117]
First, as shown to Fig.37 (a), it arrange | positions so that the flexible film 302 may cover the opening part of the concave-surface part 320 in a flat state. Then, heat is applied to the opening peripheral edge 312. As a result, only the inner layer 302a (polypropylene layer) is melted and thermally welded to the opening peripheral edge 312. Thereafter, as shown in FIG. 37 (b), a vacuum device (not shown) is connected to the ink supply hole 260 communicating with the concave portion 320 through the closed space formed between the flexible film 302 and the concave portion 320. And depressurize. Since the atmospheric pressure is applied to the flexible film 302 from the outside, the flexible film 302 tends to adhere to the concave portion 320. Simultaneously with the vacuum, heat is applied to the entire flexible film 302 by an external heat source (not shown) provided on the upper side of the flexible film 302. As a result, the flexible film 302 is plastically deformed into a shape along the concave surface portion 320. In this way, the flexible film 302 is molded so as to stick to the concave surface portion 320. As a result, the flexible film 302 has a shape that follows the shape of the bottom surface of the concave portion 320. When ink is injected between the concave surface portion 320 and the flexible film 302, the flexible film 302 swells in a direction away from the concave surface portion 320, and can accommodate ink twice the volume of the concave surface portion 320. it can. As the ink is consumed, the flexible film 302 approaches the concave surface portion 320, and when the ink is completely removed, the flexible film 302 is completely adhered to the concave surface portion 320. Therefore, the ink can be completely used up.
[0118]
In addition, although nylon of the outer layer 302b is located at a position close to an external heat source (not shown), since nylon has heat resistance characteristics, it does not melt. On the other hand, since the polypropylene layer of the inner layer 302a is located far from the external heat source, it is not thermally welded but only plastically deformed. Therefore, unlike the case where the flexible film 302 is formed of a single layer of polypropylene, there is no possibility that the flexible film 302 is melted by an external heat source.
[0119]
Further, if the flexible film 302 is pressed by rolling, the flexible film 302 may be wrinkled and ink or air may leak. However, according to the above method, there is no such a risk.
[0120]
In addition, in the present embodiment, a method is adopted in which the concave surface portion 324 itself becomes a mold, and the shape of the concave surface portion 324 is transferred to the flexible film 302 by extending the flexible film 302. Therefore, even if the concave surface portion 324 has an arbitrary shape, it is easy to form the flexible film 302 following the shape. Therefore, it is possible to easily cope with a shape change. In addition, a large number of ink injection grooves 330 and ink supply grooves 332, which will be described later, are formed on the concave surface portion 324, or embossed irregularities are formed, so that the flexible film 302 is stuck to the concave surface portion 324 during the heating. Can be prevented.
[0121]
Furthermore, unlike the case where a plurality of flexible films 302 that have been pressed and expanded are pasted to the peripheral edge 312 of the opening, the number of steps is small, so that the possibility of dust or the like entering the ink container 300 is also reduced. Can do. In addition, since a separate press die is not required, the facilities can be simplified.
[0122]
It should be noted that the outer layer 302b is made of additive-type polypropylene which is difficult to dissolve instead of nylon, the inner layer 302a is made of non-added polypropylene, and the outer layer 302b and the inner layer 302a are made of two polypropylenes having different properties. Good.
[0123]
As shown in FIG. 38, a mold 400 having a storage concave shape having a shape symmetrical to the shape of the concave surface portion 320 may be separately provided on the concave surface portion 320. In this case, the flexible film 302 is flatly heat-welded to the opening peripheral edge portion 312, and then pressurized air is pushed between the flexible film 302 and the concave surface portion 320 through the ink supply hole 260. Warm the mold 400. Then, the flexible film 302 swells and the concave shape of the mold 400 is transferred to the flexible film 302. Instead of pushing air into the internal space between the flexible film 302 and the concave portion 320 to increase the pressure inside the internal space, the space between the flexible film 302 and the mold 400 is reduced. You may do it.
[0124]
Next, FIGS. 39A and 39B show a method of injecting ink between the flexible film 302 formed in the bulging shape as described above and the concave surface portion 320 (ink storage portion 300). This will be described below with reference.
[0125]
Here, as shown in FIG. 39A, a check valve 264 and an ink supply rubber plug 262 (silicon rubber bush) are provided inside the ink supply hole 260. An ink injection rubber stopper 272 (silicon rubber bush) is provided inside the ink injection hole 270. Here, the ink injection rubber stopper 272 is connected to the ink supply rubber stopper 262 by a link portion 266. The ink injection rubber stopper 272 is formed with an ink injection needle insertion recess 274 and a stopper peak 276 that are offset from each other. The rubber plugs 262 and 272 are pierced with a needle as will be described later. After the needle is pulled out, the rubber plugs 262 and 272 have a property of sealing the pierced trace by its own elasticity.
[0126]
First, as shown in FIG. 39A, the ink supply rubber plug 262 and the ink injection rubber plug 272 are fitted into the ink supply hole 260 and the ink injection hole 270. At this time, the ink injection rubber stopper 272 is fitted halfway so that the stopper peak 276 is away from the ink injection communication path 278. With the front wall 234 of the main body case 230 facing upward in the vertical direction, the air supply hollow needle 502 is inserted into the ink supply rubber stopper 262, and the ink injection needle 504 is inserted into the ink injection rubber stopper 272. At that time, the needle holes of the needles 502 and 504 are exposed in the recesses of the rubber stoppers. Here, the air vent hollow needle 502 communicates with an air vent pressure reducing pump (not shown), and the ink injection needle 504 communicates with the ink pump. In the state where the ink pump is not operated, the air in the ink containing portion 300 is removed through the ink supply hole 260 to make the inside vacuum. Thereafter, the ink pump is operated to inject ink into the ink injection hole 270. Here, since the ink injection needle insertion recess 274 is thin, the air remaining in this portion cannot be removed no matter how much the pressure is reduced. In addition, when this air is mixed into the ink storage unit 300, there is a possibility that the air will later expand to cause malfunction of detection of the remaining amount of ink or to hinder ink supply to the head. Therefore, after the completion of ink injection, the ink injection rubber stopper 272 is completely pushed into the ink injection hole 270. As a result, as shown in FIG. 39B, the stopper ridge 276 completely blocks the ink injection communication path 278. Accordingly, it is possible to prevent a slight amount of air remaining in the ink injection needle insertion recess 274 from entering the ink storage unit 300.
[0127]
As shown in FIG. 15, in the concave surface portion 320, the ink injection groove 330 communicates with the ink injection hole 270 (ink injection communication path 278) and is formed along the concave surface portion 324 as appropriate, so that the ink wraps around. It has a shape. When ink is injected, the ink enters the concave surface portion 320 along the ink injection groove 330, so that air bleeding is promoted. Further, the air venting / ink supply groove 332 communicates with the ink supply hole 260 (ink supply communication path 268), is formed in a loop shape along the concave surface portion 324 as appropriate, and also communicates with the ink injection groove 330. When removing the air, it is easier to remove the air. That is, even if the flexible film 302 is tightly adhered to the concave surface portion 324 while the air is being evacuated, it is easy to create a space for air bleed on the air bleed / ink supply groove 332. Air can be extracted from the entire 300. In place of forming the air venting / ink supply groove 332 in the concave portion 320, a concave portion may be formed between a number of embossed convex portions. Further, the air venting / ink supply groove 332 and the embossing also extend to the lowest position of the concave surface portion 324, that is, around the remaining amount detection point 365, so that when ink is supplied to the inkjet head, even if the remaining amount of ink decreases. The ink flow can be positively controlled by making it easy to draw ink even from the lowest position, or by reducing the adhesion between the concave surface portion 324 and the flexible film 302 to prevent the back pressure from rising. .
[0128]
After the ink is put into the ink containing portion 300 in this way, the lid 210 is attached to the main body case 230, and the ink cartridge 200 is completed. The ink cartridge 200 is then vacuum packed. That is, as shown in FIG. 36, the entire ink cartridge 200 is wrapped in a sheet 500 of resin film material and evacuated. Since the piezoelectric head 70 ejects ink by pressure waves, if there are bubbles in the ink, the bubbles absorb the pressure and the ink is not ejected. Since the bubbles are formed by the growth of dissolved air in the ink over time, in this embodiment, in order to limit the amount of dissolved air in the ink accommodated in the ink cartridge 200, It is vacuum packed.
[0129]
Here, the ink injected into the ink container 300 has already been deaerated to some extent. That is, the air content is about 30 to 35% with respect to the saturation amount. When such ink is stored in the ink storage unit 300 and the entire ink cartridge 200 is wrapped in a film material and vacuumed, the air in the ink is made of a flexible film 302 made of polypropylene and nylon, and made of polypropylene. It penetrates the wall of the main body case made of the resin and is drawn into the vacuum pack. Thus, the ink in the ink cartridge is further degassed, and after a few days, the air content of the ink in the ink cartridge decreases to about 20%. Therefore, by providing the user with the vacuum-packed ink cartridge, it is possible to provide the user with a highly deaerated ink.
[0130]
When the ink cartridge 200 is mounted in the ink cartridge mounting portion S, the ink lead-out hollow needle 82 is inserted into the ink supply rubber plug 262 in the ink supply hole 260. Here, the hollow needle 82 for leading out the ink communicates with the piezoelectric inkjet head 70 via the buffer tank 84 and the ink supply tube T. Here, the air dissolved in the ink grows with time and becomes bubbles, and adheres to the inner walls of the buffer tank 84 and the tube T, and further grows due to a temperature change or the like. Here, the check valve 264 in the ink supply hole 260 is designed to close even when a slight pressure is applied from the outside. Therefore, when bubbles grow in the buffer tank 84 and the tube T and a little pressure is applied to the check valve 264, the check valve 264 closes. On the other hand, the check valve 264 is free for the force with which the piezoelectric inkjet head 70 pulls ink. For this reason, the check valve 264 can supply any amount of ink, but is closed when the pressure of the bubble is applied, and the bubble is prevented from entering the ink container 300 of the ink cartridge. Therefore, the problem that bubbles enter the ink cartridge and bubbles enter the head from the ink cartridge to cause ejection failure is prevented.
[0131]
In the present embodiment, the ink injection hole 270 and the ink supply hole 260 are provided separately, and these are provided so as to open side by side in the left-right direction on the front surface of the ink cartridge. Here, if only one hole is provided in the front surface of the ink cartridge, and vacuum, ink injection, and ink supply in the ink storage unit 300 are all performed from this hole, a rubber plug attached to this one hole. You must pierce the needle three times. In order to pierce the needle at three different positions, the diameter of the hole itself must be increased, and the thickness of the ink cartridge itself must be increased. On the other hand, according to the present embodiment, since the ink injection holes and the ink supply holes are separately provided, the diameter of each hole can be reduced, and these holes are arranged in the left-right direction. Was able to be reduced.
[0132]
Since the ink supply hole 260 is also used for pressure reduction during ink injection, the ink supply rubber stopper 262 is inserted into the ink cartridge mounting portion S at the position where the air bleeding hollow needle 502 is inserted. In this case, the position may be different from the position where the hollow needle 82 for leading out the ink is stabbed. Here, in the present embodiment, as shown in FIG. 20, the ink supply hole 260 is formed at the approximate center in the height direction in the approximate center in the width direction of the front wall 234. Here, since the convex part 235 is formed in the approximate center of the width direction of the front wall 234, the height (thickness) is large compared with the width direction both ends. Therefore, the diameter of the ink supply hole 260 can be increased, and the diameter of the ink supply rubber plug 262 can be increased. The air bleeding hollow needle 502 can be easily pierced at a position different from the position where the ink derivation hollow needle 82 is pierced.
[0133]
In the present embodiment, the ink cartridge 200 is vacuum-packed, and at that time, pressure is applied in a direction in which the case main body and the lid 210 approach each other. For this reason, in this embodiment, in order to resist such pressure, the concave surface portion 320 and the spherical outer curved portion 212 of the lid 210 are formed into a substantially spherical shape, and a reinforcing structure using ribs is employed.
[0134]
In the present embodiment, as shown in FIG. 40, the spherical outer curved portion 212 of the lid 210 has an ink containing peripheral portion 216 around the spherical outer curved portion 212 than the inner edge of the opening peripheral portion 312 on the main body case side. It forms so that it may be located slightly outside. That is, the inner peripheral edge 216 a of the ink containing peripheral edge 216 is opposed to the intermediate portion between the inner edge and the outer edge of the opening peripheral edge 312. Here, if the edge portion 216a is on the inner side of the inner periphery of the opening peripheral edge portion 312, the edge portion 216a is flexible when the lid 210 and the concave surface portion 320 receive a force in a direction approaching each other by the vacuum pack. There is a risk of hitting the protective film 302 and damaging it. However, in the present embodiment, the lid 210 collides with a position slightly outside the inner edge of the opening peripheral edge 312, that is, on the opening peripheral edge 312. Here, the flexible film 302 is firmly welded onto the opening peripheral edge portion 312 and integrated with the resin of the main body case 230. Therefore, even if the ink containing peripheral edge 216 of the lid 210 directly contacts the flexible film 302 on the opening peripheral edge 312, the flexible film 302 is not damaged.
[0135]
The ink cartridge and the ink cartridge manufacturing method according to the present invention are not limited to the above-described embodiments, and various modifications and improvements can be made within the scope described in the claims.
[0136]
For example, as shown in FIG. 41, the guide groove 236 and the sensor receiving groove 240 may be cut out to the side wall 232. This is because the guide can be guided by sliding the side face of the guide cutout recess 236 ′ along the corresponding side face of the guide protrusion wall 120. In this case, as shown in FIG. 42, the needle protection lock releasing piece 150 may be provided in the vicinity of the guide protruding wall 120 and on the side where the hollow needle 82 for leading out the ink is disposed. . Of the front wall 234 of the ink cartridge 200, a portion around a position below the air communication hole 280 can function as the lock release portion 238.
[0137]
The structure of the needle protection plate 130, the needle protection lock member 180, and the retaining lock member 190 is not limited to the structure shown in FIG.
[0138]
【The invention's effect】
According to the ink cartridge manufacturing method of the first aspect, it is possible to easily and surely manufacture an ink cartridge including a main body case having an ink containing recess whose flexible film covers the opening.
[0139]
According to the ink cartridge manufacturing method of the second aspect, it is possible to easily and reliably manufacture an ink cartridge provided with a main body case having an ink containing recess whose flexible film covers the opening.
[0140]
According to the ink cartridge manufacturing method of the third aspect, it is possible to easily and surely manufacture an ink cartridge including a main body case having an ink containing recess whose flexible film covers the opening.
[0141]
According to the ink cartridge manufacturing method of the fourth aspect, it is possible to easily and surely manufacture an ink cartridge including a main body case having an ink containing recess whose flexible film covers the opening.
[0142]
According to the ink cartridge manufacturing method of the fifth aspect, it is possible to easily and surely manufacture an ink cartridge provided with a main body case having an ink containing recess whose flexible film covers the opening.
[0143]
According to the ink cartridge manufacturing method of the sixth aspect, the opening of the ink containing recess can be easily covered with the flexible film.
[0144]
According to the ink cartridge manufacturing method of the seventh aspect, ink can be injected without remaining air.
[0145]
According to the ink cartridge manufacturing method of the eighth aspect, the ink can be injected without remaining air.
[0146]
According to the ink cartridge manufacturing method of the ninth aspect, ink can be injected without remaining air.
[0147]
[0148]
[0149]
[0150]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an overall configuration of a multifunction machine to which an ink cartridge according to an embodiment of the present invention is attached.
2 is a perspective view showing a state in which the upper surface cover of the flat bed type reading device is opened in the multifunction machine of FIG. 1; FIG.
3 is a schematic diagram showing a cross-sectional configuration of the multifunction machine of FIG. 1. FIG.
4 is a perspective view showing a state in which a flat bed type reading device is removed from the multifunction machine of FIG. 1; FIG.
FIG. 5 is a perspective view showing a lower surface of the cover body.
FIG. 6 is a perspective view showing a state in which a front cover is opened.
7 is a perspective view showing a state in which the cover body and the front cover are further removed from the state of FIG. 4 from which the flat bed type reading device has been removed.
FIG. 8 is a perspective view schematically illustrating the configuration of a printer engine.
FIG. 9 is a plan view schematically illustrating the configuration of an ink cartridge storage unit.
FIG. 10 is a perspective view illustrating a configuration of one ink cartridge mounting portion in the ink cartridge storage portion.
FIG. 11 is a perspective view showing the structure of a needle protection, a needle protection lock, and a mechanism for preventing cartridge removal provided under the floor surface of the ink cartridge mounting portion.
FIG. 12 is a perspective view of the ink cartridge as viewed from the upper rear side.
FIG. 13 is a perspective view of the ink cartridge as viewed from the upper front side.
FIG. 14 is a perspective view showing the main body case and the lid when the lid of the ink cartridge is opened.
FIG. 15 is a perspective view showing a state before a flexible film is attached to the main body case.
FIG. 16 is an exploded perspective view illustrating a sensing mechanism provided in a concave surface portion of the main body case.
FIG. 17 is an operation explanatory diagram for explaining the operation of the sensing mechanism of FIG. 16;
FIG. 18 is a bottom view of the main body case.
FIG. 19 is a schematic plan view of an ink cartridge according to the present embodiment.
20 is an AA arrow view of the ink cartridge of FIG.
FIG. 21 is a cross-sectional view of the ink cartridge of FIG. 19 taken along the line BB.
22 is a cross-sectional view of the ink cartridge of FIG. 19 taken along the line CC.
23 is a cross-sectional view taken along the line DD of the ink cartridge in FIG. 19;
24 is an EE cross-sectional view of the ink cartridge of FIG.
25 is a cross-sectional view of the ink cartridge of FIG. 19 taken along the line F-F.
26 is a cross-sectional view taken along the line GG of the ink cartridge in FIG.
27 is a cross-sectional view of the ink cartridge of FIG. 19 taken along the line HH.
28 is a cross-sectional view taken along the line II of the ink cartridge in FIG.
FIG. 29 shows the height of the ink cartridge when the ink cartridge is inserted into the mounting portion opening of the ink cartridge mounting portion, the overhang formed on the partition wall of the ink cartridge mounting portion, and the ceiling surface of the ink cartridge mounting portion. Explanatory drawing which shows the relationship with a curved convex wall.
FIG. 30 is a plan view showing a state in which the front wall of the cartridge retracts the convex portion for preventing locking when the ink cartridge is inserted into the mounting portion opening of the ink cartridge mounting portion.
FIG. 31 is a cross-sectional view of FIG. 30;
FIG. 32: The guide groove of the ink cartridge is engaged with the guide convex wall and slid, and the lock release portion kicks the needle protection lock release piece, so that the needle protection lock member locks the needle protection plate. Sectional drawing which shows the state to cancel | release.
FIG. 33 is a cross-sectional view showing a state where a hollow needle for leading out an ink is inserted into an ink supply hole after the front surface of the ink cartridge pushes the needle protection plate after the needle protection plate is unlocked and retracts the needle protection plate Figure.
FIG. 34 shows that the front surface of the ink cartridge comes into contact with the rubber cap of the positive pressure application member after the ink lead-out hollow needle is inserted into the ink supply hole, and the retaining lock convex portion is engaged in the retaining lock concave portion. Sectional drawing which shows the state to match.
35 is a plan view of FIG. 34. FIG.
FIG. 36 is an explanatory view showing a state where the ink cartridge is packaged in a vacuum pack.
FIG. 37 is a schematic process diagram showing a method of attaching the flexible film of the present embodiment to the peripheral edge of the opening and inflating the flexible film, and (a) is attaching the flexible film to the peripheral edge of the opening. It is a figure which shows the process to attach, (b) is a figure which shows the process of inflating a flexible film.
FIG. 38 is a diagram showing a modified example of the step of inflating the flexible film.
FIG. 39A is a step of fitting a rubber plug with a check valve and a rubber plug for ink injection into the ink supply hole and the ink injection hole halfway, discharging the air in the ink container and injecting ink. FIG. FIG. 6B is a diagram illustrating a state where the crest portion of the rubber plug for ink injection is caught in the edge of the ink injection hole.
FIG. 40 is a cross-sectional explanatory view showing the positional relationship between the edge of the spherical outer curved portion (ink containing peripheral portion) of the lid, the inner edge of the opening peripheral portion, and the flexible film.
FIG. 41 is a perspective view showing a modified example of the ink cartridge according to the present embodiment.
42 is a plan view showing a modified example in which the position of the needle protection lock releasing piece in the ink cartridge mounting portion is changed corresponding to the ink cartridge of FIG. 41. FIG.
[Explanation of symbols]
1 MFP
10 Reading device
20 Inkjet recording device
32 Housing floor
36 positive pressure pump
40 Cover body
44 Ceiling board (cartridge storage cover)
46 Paper outlet
47 Curved convex wall
70 Piezoelectric inkjet head
82 Hollow needle
90 Positive pressure application mechanism
91 Positive pressure application member
93 Elastic seal member (rubber cap)
98 Positive pressure application hole
100 Cartridge mounting mechanism
102 dent
110 Bulkhead
114 spring
120 Convex wall for guide
130 Needle protection plate
140 Needle protection plate presser plate
150 Needle protection lock release piece
160 Convex part for locking
170 Photosensor for detecting remaining ink level
172 Infrared light emitter
174 Infrared detector
176 Sensor guard
200 Ink cartridge
202 Knob
210 lid
212 Spherical outer curved portion
214 Flat part
216 Ink containing peripheral edge
217 ribs
230 Case body
231 wall
232 side wall
233 peripheral wall
234 Front wall
235 Convex part
236 Guide groove
238 Unlocking part
240 Sensor receiving groove
242 Smooth surface
243 ribs
244 Bottom centerline rib
246 Lock recess
260 Ink supply hole
262 Rubber plug for ink supply
270 Ink injection hole
272 Rubber stopper for ink injection
280 Air communication hole
290 Atmospheric chamber
292 ribs
300 Ink container
302 flexible film
302a inner layer
302b outer layer
306 Tension plate
310 Storage recess
312 Opening edge
320 Concave surface
322 Circular (or oval) peripheral edge
324 Spherical surface
326 slope
328 flat shoulder
330 Ink filling groove
332 Ink supply groove
340 Sensing mechanism
342 T-shaped restraining film
342a fixed part
342b Elastic plate part
344 holes
350 Sensor lever receiving groove
352 bottom
354 Groove end
356 Convex part
360 Sensor lever
362 fulcrum
364 Operating arm
365 Hemispherical pivot
366 Sensing arm
367 Sensing arm end (sensing point)
370 Sensor lever housing
372 Sensor lever housing convex
400 type
D Output section
O Front opening
P Ink cartridge storage
S Ink cartridge mounting part