JP4151776B2 - さく孔機のさく孔位置決めの修正装置及び修正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、さく岩機を搭載したガイドシェルやブームの各関節部やスライド部等の可動部分の作動量を検出し、その検出データに基づいて自動位置決めや位置表示を行うトンネルジャンボ等のさく孔機におけるさく孔位置決めの修正装置及び修正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル掘削等のさく孔作業において、省力化のために、さく岩機を搭載したガイドシェルとこれを支持するブームをコンピュータで制御して自動的に位置決め又は位置表示を行うさく孔機Qが用いられている。このようなさく孔機Qでは、ガイドシェルやブームの各関節部やスライド部等の可動部分の作動量を検出し、その検出データに基づいて目標位置までの所要移動量を演算して各可動部分のアクチュエーターの作動を行う。
【0003】
例えば、図5に示すさく孔機Qでは、さく孔機の台車11の基台12上にブーム台13を旋回軸14によって枢着し、ブーム台13に伸縮ブーム15の基端を俯仰軸16によって枢着している。伸縮ブーム15は基端ブーム4と先端ブーム5とからなり、先端ブーム5が基端ブーム4に対してスライドするよう装着されている。基台12とブーム台13との間には旋回用油圧シリンダ17、伸縮ブーム15の基端ブーム4とブーム台13との間には俯仰用油圧シリンダ18が設けられており、これによって伸縮ブーム15は、旋回、俯仰可能になっている。
【0004】
先端ブーム5の先端部には、チルトボデイ19がチルト軸20によって枢着され、先端ブーム5との間にチルト用油圧シリンダ21を設けてチルト可能になっている。チルトボデイ19には、スイングボデイ22がスイング軸23によって枢着され、チルトボデイ19との間にスイング用油圧シリンダ(図示略)を設けてスイング可能になっている。スイングボデイ22にはガイドロータリ24が設けられており、ロータリ軸25を中心としてローテーション可能になっている。ガイドロータリ24には、マウント軸27でガイドマウンチング26が支持され、このガイドマウンチング26でガイドシェル6を前後スライド可能に支承している。ガイドシェル6にはさく岩機9が搭載されている。さく岩機9には先端にビット7を取付けたロッド8が挿着されており、ガイドシェル6上で前後方向への送りが与えられて切羽10の岩盤にさく孔する。
【0005】
このさく孔機Qの伸縮ブーム15の旋回軸14、俯仰軸16、チルト軸20、スイング軸23、ロータリ軸25、及び伸縮ブーム15、ガイドマウンチング26、ガイドシェル6のスライド部の各可動部分には、その作動量を検出するための検出器(図示略)が設置されており、旋回角θ1 、俯仰角θ2 、チルト角θ3 、スイング角θ4 、ロータリ角θ5 、ブームスライド長L1 、ガイドスライド長L2 、さく岩機フィード長L3 が検出される。
【0006】
このさく孔機Qにおいて、さく岩機9を搭載したガイドシェル6及びガイドシェル6をガイドマウンチング26で支承する伸縮ブーム15からなるさく孔装置の作動の基準点は、ブーム台13の旋回軸14上にある。このさく孔機の基準点に対するビット7の先端の位置は、前記各検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5,L1 ,L2 ,L3 )の関数として、また、さく孔機の基準方向に対するガイドシェル6の方向は検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 )の関数として制御装置のコンピュータで演算し求められる。
【0007】
トンネルでさく孔作業を行う場合は、さく孔機Qの台車11を切羽10付近に設置した後、さく孔機の基準方向に対するさく孔機の基準方向のずれと切羽10に対するさく孔機の基準点の位置データを求め、さらにコンピュータに入力してさく孔位置の初期値を補正設定しておく。次いでコンピュータ制御により目標とする切羽のさく孔位置に位置決めを行って、さく孔が開始される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記さく孔機Qのブーム等の可動部分には、トンネル内の過酷な環境や条件における繰り返し使用に伴って、機械的なガタと部材の撓みが蓄積し、位置の誤差が発生する。このため、さく岩機のビット7の位置が所望位置から外れることが多く、前記位置の誤差によるさく孔位置決めの精度低下が著しい。この精度低下の影響によって、トンネルの外周掘削が不足になる恐れがある。
【0009】
従来は、この掘削不足を回避するために、図6に示すように、トンネルの計画輪郭線PLより5〜10cm程度外側の施工輪郭線CLに沿って掘削する余掘り方法が採用されているが、この余掘りの影響で、トンネル外壁を仕上げる際に、余分なコンクリートECを打設する必要があるため、工期の長期化及びコストの増大を招いてしまうという問題があった。
【0010】
そこで、従来は、この精度低下の問題を解決するため、現場付近にさく孔機Qをセットした後、ブーム及びガイドシェルなどの可動部分の寸法、動きを再度計測して、この再度計測データに基づいてコンピュータ制御用計算モデルに対して、誤差の補正を行う調整方法を採用しているが、この調整作業は非常に煩雑であり、しかも定期的に実施しなければならず、時間と労力及び費用の面で大きな問題があった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、さく孔機の可動部分のガタ等による誤差の修正を容易に行うことができ、所定のさく孔位置に高精度に位置決めを行うと共に、無駄な作業と費用の削減を図ることができるさく孔機のさく孔位置決めの修正装置及び修正方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るさく孔機のさく孔位置決めの修正装置は、さく岩機が搭載されるガイドシェルと、そのガイドシェルをガイドマウンチングで支承するブームと、前記ガイドシェルおよびブームの可動部分の作動量を検出するための検出器と、その検出器からの検出データに基づいて前記ガイドシェルの自動位置決め又は位置表示を行う制御装置と、を備えたさく孔機に用いられ、前記さく孔機の後方に設置されてレーザビーム照射機構を内蔵する測量機と、前記制御装置と前記測量機との間で必要なデータを交信する通信器と、さく孔位置決めの修正を行う修正手段とを備えるさく孔位置決めの修正装置であって、前記修正手段は、機械的なガタと部材の撓みによる位置決め誤差を修正する位置決めの修正作業がなされたときに、前記さく岩機のビット位置の位置データを、前記通信器を介して前記測量機へ送信して前記位置データに対応する位置に前記測量機からレーザビームを照射させ、そのレーザビームの照射位置と前記さく岩機のビット位置とのずれに応じてなされた前記レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるために要された前記検出器からの検出データの移動量に基づいて、さく孔位置決めの修正を行うための修正データを算出し、前記制御装置は、前記修正手段で算出された前記修正データを加味してさく孔機座標系上で設定されるさく孔パタンのデータを取得するようになっていることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明に係るさく孔機のさく孔位置決めの修正方法は、さく岩機が搭載されるガイドシェルと、そのガイドシェルをガイドマウンチングで支承するブームと、前記ガイドシェルおよびブームの可動部分の作動量を検出するための検出器と、その検出器からの検出データに基づいて前記ガイドシェルの自動位置決め又は位置表示を行う制御装置とを備えるさく孔機において、さく孔のための精度修正範囲を設定して、その設定する精度修正範囲での機械的なガタと部材の撓みによる位置決め誤差を修正する方法であって、前記精度修正範囲内にトンネルの輪郭線が含まれる位置では、トンネルの輪郭線に沿って隣接する精度修正範囲が重なりあうように、周方向に沿って複数の精度修正範囲を設定し、設定する各精度修正範囲においては、前記ブームを位置決めした後に、前記さく岩機のビット位置の位置データに対応する位置にレーザビームを照射し、前記さく岩機のビット位置を手動モードでレーザビームの照射位置に一致させ、そのレーザビームの照射位置と前記さく岩機のビット位置とのずれに応じてなされた前記レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるために要された移動量に基づいて、設定する精度修正範囲毎に、さく孔位置決めの修正をするための修正値を設定することを特徴とするものである。
【0014】
さく孔作業を行う場合には、さく孔機の台車を切羽付近に設置した後、さく孔の基準方向に対するさく孔機の基準方向のずれと切羽に対するさく孔機の基準点の位置データを求め、さく孔位置の初期値を補正しておく。そして、制御装置は、さく岩機のビット位置の位置データを演算設定すると共に、通信器を介してさく孔機の後方に設置された測量機に送信する。測量器は、通信器を介して前記さく岩機のビット位置の位置データを受信し、この位置データに基づいてレーザビームを照射する。ビットの位置決めを行ったときに、さく岩機のビット位置と前記レーザビームの照射位置とのずれが生じている場合には、オペレータが前記レーザビームの照射位置と前記ビット位置とを一致させるように操作する。このとき、前記レーザビームの照射位置と前記ビット位置とを一致させるために要した移動量に基づいて、修正手段が制御装置にずれの修正データを入力する。よって、以後のさく孔では、所定のさく孔位置にビットを合致させるよう位置決めすることができる。
【0015】
上記のさく孔機のさく孔位置決めの修正は、レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるだけなので、極めて容易であり、しかも高精度な位置決めが期待できると共に、従来技術と比べて煩雑かつ定期的な調整作業が不要となり、時間、労力とコストの低減が得られ、さく孔の自動化等の利点が生かされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態であるさく孔位置決めの修正装置を備えたさく孔機の側面図、図2と図3及び図4は修正作業の説明図である。ここで、さく孔機の基本的構成は、図5に示す従来の自動制御方式のさく孔機と同様であり、さく孔機の台車11の基台12上にブーム台13を旋回軸14によって枢着し、このブーム台13に伸縮ブーム15の基端を俯仰軸16によって枢着している。伸縮ブーム15は基端ブーム4と先端ブーム5とからなり、先端ブーム5が基端ブーム4に対してスライドするよう装着されている。基台12とブーム台13との間には旋回用油圧シリンダ17、伸縮ブーム15の基端ブーム4とブーム台13との間には俯仰用油圧シリンダ18が設けられており、これによって伸縮ブーム15は、旋回、俯仰可能になっている。
【0017】
先端ブーム5の先端部には、チルトボデイ19がチルト軸20によって枢着され、先端ブーム5との間にチルト用油圧シリンダ21を設けてチルト可能になっている。チルトボデイ19には、スイングボデイ22がスイング軸23によって枢着され、チルトボデイ19との間にスイング用油圧シリンダ(図示略)を設けてスイング可能になっている。スイングボデイ22にはガイドロータリ24が設けられており、ロータリ軸25を中心としてローテーション可能になっている。ガイドロータリ24には、マウント軸27でガイドマウンチング26が支持され、このガイドマウンチング26でガイドシェル6を前後スライド可能に支承している。ガイドシェル6には、先端にビット7を取付けたロッド8が挿着されているさく岩機9が搭載されており、さく岩機9は前後方向への送りが与えられて切羽10の岩盤にさく孔する。
【0018】
このさく孔機の伸縮ブーム15の旋回軸14、俯仰軸16、チルト軸20、スイング軸23、ロータリ軸25、及び伸縮ブーム15、ガイドマウンチング26、ガイドシェル6のスライド部の各可動部分には、その作動量を検出するための検出器(図示略)が設置されており、旋回角θ1 、俯仰角θ2 、チルト角θ3 、スイング角θ4 、ロータリ角θ5 、ブームスライド長L1 、ガイドスライド長L2 、さく岩機フィード長L3 が検出される。
【0019】
図1に示すように、このさく孔機の台車11にはコンピュータを用いた制御装置50と無線通信機51が搭載されている。制御装置50は、コンピュータにより設定されたさく孔の位置データに基づいて、各可動部分のアクチュエーターを作動させて自動さく孔位置決めを行う。この際、さく孔機の基準点Jに対するビット7の先端の位置は、前記検出器の各検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 ,L1 ,L2 ,L3 )の関数Fとして、また、さく孔機の基準方向に対するガイドシェル6の方向は検出値(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 )の関数Gとして制御装置50のコンピュータで演算し求められる。
【0020】
このさく孔機では、ビット7の位置が後述レーザビームLBの照射位置とのずれが発生している場合に、オペレータがレーザビームLBの照射位置にビット7を目視で合致させるように、制御装置50を手動モードに切換えて操作レバー等の手動操作手段を作動し、このときの移動量に基づいて、誤差の修正を行う修正手段60を備えている。この修正手段60は、移動時の検出器の検出値に基づいて、位置誤差演算プログラムの実行によって、所要の修正値を演算し、制御装置50への入力を行う。修正後のさく孔では、制御装置50によって、正確に位置決めすることが可能となる。
【0021】
さく孔機の台車11の後方には、自動追尾式測量機40が設置される。この自動追尾式測量機40は、可視レーザビームLB照射機構を内蔵し、外部からの指令信号により鉛直方向と水平方向に回転可能である。前記制御装置50で設定されたさく孔位置の位置データは、前記無線通信機51から前記無線通信機41に送信され、自動追尾式測量器40は、この受信されたさく孔位置の位置データに基づいて、切羽に向けてレーザビームLBを照射する。
【0022】
なお、自動追尾式測量器機40は、赤外線IRを利用した追尾機能を備えており、距離測定と三次元座標測定とを行うことができる。自動追尾式測量機40によって測定されたデータは、無線通信機41から台車11上の無線通信機51に送信され、無線通信機51から制御装置50に入力される。
さらに、このさく孔機では、ガイドシェル6の後端にガイドシェル6の位置を検出するためのプリズム3が設置され、プリズム3の位置を自動追尾式測量器40で測定し、この測定データに基づいて、さく孔の基準方向に対するさく孔機の基準方向のずれと、切羽10に対するさく孔機の基準点Jの位置とを求める機能を備えている。
【0023】
次に、このさく孔機のさく孔位置決めの修正方法について施工手順を追って説明する。
まず、さく孔の基準方向に対するさく孔機の基準方向のずれと、切羽10に対するさく孔機の基準点Jの位置とを求める。具体的には、さく孔機の台車11を切羽10付近に設置した後、切羽10から離隔した位置から伸縮ブーム15やガイドロータリ24等を作動させ、切羽10上の点にビット7の先端を接触させる。この切羽10上の点は、制御装置50で設定された位置データに基づいて、自動追尾式測量機40から照射されたレーザビームLBによって切羽上に形成される切羽基準点である。この切羽基準点を第1測定点とし、自動追尾式測量機40は、ガイドシェル6の移動に伴って移動するプリズム3を自動追尾して第1測定点におけるプリズム位置B1を測定する。次に、ビット7の先端を前記切羽基準点から離隔するようにガイドシェル6をガイドマウンチング26上でスライドさせ第2測定点へと後退させる。この後退距離は、任意に選択できるが、ある程度大きくとることが望ましい。そして、第2測定点において、自動追尾式測量機40は、ガイドシェル6の後退に伴って移動するプリズム3を自動追尾して第2測定点におけるプリズム位置B2を測定する。
【0024】
自動追尾式測量機40による第1、2測定点のプリズム位置Bl 、B2 の第1、2測定データは、さく孔の基準方向をZ軸、このZ軸と直交する仮想切羽面上の水平線、垂直線をX軸、Y軸とする、切羽座標系の座標B1(Xl ,Yl ,Zl )、B2(X2 ,Y2 ,Z2 )として得られる。同時に制御装置50のコンピュータは、第1、2測定点のプリズム位置Bl 、B2 を前記2測定点における検出器の検出データ(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 ,L1 ,L2 ,L3 )から求める。検出器の検出データから算出によって求められる各測定点のプリズム位置Bl 、B2 の第1、2演算データは、さく孔機の基準点Jを原点とし、さく孔機の前後方向をz軸、左右方向をx軸、上下方向をy軸とするさく孔機座標系の座標B1(xl ,yl ,zl )、B2(x2 ,y2 ,z2 )として得られる。
【0025】
もし、さく孔の基準方向とさく孔機の基準方向とが一致するように台車11が設置されていない場合には、切羽座標系上の2点座標B1(Xl ,Yl ,Zl )、B2(X2,Y2 ,Z2 )を通る直線の方向の角度データ(αX ,αY ,αZ )と、さく孔機座標系上の2点座標B1(xl ,yl ,zl )、B2(x2 ,y2 ,z2 )を通る直線の方向の角度データ(βx ,βy ,βz )とが一致しないので、制御装置50のコンピュータがこの角度データ(αX ,αY ,αZ )と(βx ,βy ,βz )とを対比して、さく孔の基準方向とさく孔機の基準方向とのずれを求める。
【0026】
次に、切羽座標系上の第1測定データB1(Xl ,Yl ,Zl )とさく孔機座標系上の第1測定データB1(xl ,yl ,zl )とを対比して、切羽に対するさく孔機の基準点Jの位置を求める。
このようにして得られた基準方向のずれ及び基準点の位置のデータは、制御装置50のコンピュータのさく孔制御プログラムに補正のための初期値として設定される。そして、切羽座標系上で設定されているさく孔パターンのデータは、制御装置50により、予め設定された基準方向のずれ及び基準点の位置のデータに基づいてさく孔機を基準とするさく孔パターンのデータに変換され、さく孔が制御される。
【0027】
通常、トンネルの輪郭線から離れた内部には高精度に位置決めする必要がないため、制御装置50は、前記さく孔パターンのデータに基づいて、伸縮ブーム15等の可動部分を作動させ、さく岩機9のビット7を計算されたさく孔位置に位置決めするだけで、位置決めの修正作業は行わない。
一方、トンネルの輪郭線付近にさく孔作業を開始する場合は、さく孔位置決めの修正作業を行う。この場合は、例えば、図2に示すように、複数個の修正中心点C1,C2,C3,C4を中核とする位置決めの精度修正範囲R1,R2,R3,R4を切羽10面上に設定しておく。なお、一つの切羽のさく孔作業には、少なくとも4回の修正作業が必要である。これはブームの移動量が大きい程、誤差が増大するためである。
【0028】
具体的には、図2と図3に示すように、制御装置50が伸縮ブーム15やガイドロータリ24等を作動して、精度修正範囲R1の修正中心点C1にビット7の先端を自動位置決めさせる。切羽座標系上の修正中心点C1の座標C1(Xl ,Yl ,Zl )は前述したように、関数F(θ1 ,θ2 ,θ3 ,θ4 ,θ5 ,L1 ,L2 ,L3 )により計算されたさく孔機座標系の座標C1(xl ,yl ,zl )と切羽に対するさく孔機の基準点Jの位置データとの和と等しい。また、座標C1(Xl ,Yl ,Zl )は修正手段60から無線通信器51と無線通信器41との間での交信を介して自動追尾式測量器40に送信される。自動追尾式測量器40は、受信された座標C1(Xl ,Yl ,Zl )に基づいて、切羽10上の修正中心点C1にレーザビームLBの視準方向をセットする。セット完了後、自動追尾式測量器40からレーザビームLBを照射するよう、無線通信器41と無線通信器51との交信により修正手段60から自動追尾式測量器40に送信され、レーザビームLBが修正中心点C1に照射される。なお、修正作業が、基本的にトンネルの輪郭線付近で行われるため、レーザビームLBがさく孔機本体に干渉することはない。
【0029】
実際のビット7の位置とレーザビームLBにより照射された位置とが一致する場合は、位置決め誤差はないためそのままさく孔可能になる。一方、修正中心点C1から外れる切羽10上の点D1に位置決めされている場合には、図4に示すように、オペレータは、実際のビット7の位置を点D1から修正中心点C1に合わせるように、制御装置50を手動モードに切換えて操作レバー等の作動手段を操作する。修正手段60は、このときの検出器の検出データから、位置誤差演算プログラムの実行により、点D1から修正中心C1までの距離Δ(x ,y ,z )を計算して、修正データを求め、制御装置50に入力する。次にオペレータは、制御装置50の再作動により、修正中心点C1にビット7が位置決めされているか否かを確認する。この位置決めが正しく行われると、修正中心点C1に対する修正作業が終了するので、精度修正範囲R1において、さく孔が開始される。その後、残りの修正中心点C2,C3,C4に対して、上記と同様な位置決めの修正作業を順次行う。
【0030】
このようにすれば、修正中心点C1,C2,C3,C4の近傍は高精度な位置決めが可能となる。さらに、必要に応じて、修正中心点の箇所を適切に増加すると共に、それぞれの箇所で位置決めするたびに上記修正作業を実施することで、さく孔機の可動部分の機械的ガタ・遊び及び部材の撓みが増大していっても、常に高精度に位置決めすることができる。
【0031】
なお、修正中心点C1,C2,C3,C4は、必ずしも本実施の形態のように切羽10面上に設定する必要はなく、切羽10付近の空間に修正中心点C1,C2,C3,C4を設け、そこでビット7とレーザビームLBとを一致させることでさく孔位置決めの修正作業を行うこともできる。これによって、実際の切羽10が傾いていたり、凹凸がある場合でもさく孔位置決めの修正が可能となる。
【0032】
また、本発明は、上記のさく岩機のビット位置をレーザビームLBの照射位置に合わせる方法に限定されたものではない。逆に、レーザビームLBを実際のビット7の位置に合わせても良い。この場合は、オペレータが、レーザビームLBを実際のビット7の位置に合わせるように、例えば、修正手段60の遠隔操作等で自動追尾式測量器40を操作することにより、レーザビームLBの視準方向を調整する。調整後、自動追尾式測量器40は自動でレーザビームLBの照射位置を測定し、この測定データを、無線通信器41と無線通信器51との交信により、修正手段6へ送信する。修正手段6は、この測定データに基づいて、位置誤差演算プログラムの実行により、実際のビット7の位置とレーザビームLBの照射位置とのずれを修正データとして求め、制御装置50に入力する。その後、制御装置50は再作動し、位置決めを行う。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るさく孔機のさく孔位置決めの修正装置及び修正方法によれば、レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるように制御装置を操作することで、さく孔機の可動部分のガタなどの影響に左右されず、所定のさく孔位置に容易かつ高精度に位置決めすることができる。従って、従来高精度を確保するために必要であった定期的且つ煩雑な調整作業が不要となり、時間と労力及びコストの低減が得られると共に、位置決めの精度低下による無駄な作業と費用を削減することができ、しかも位置決め精度の低下を容易に補正できるので、さく孔の自動化による経済的利点を最大限に生かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるさく孔位置決めの自動修正装置を備えたさく孔機の側面図である。
【図2】精度補正範囲を設定した時の修正作業の説明図である。
【図3】切羽上の実際のビットの位置がレーザビームの照射位置から外れた時の修正作業の説明図である。
【図4】レーザビームの照射位置にビットを一致させた時の修正作業の説明図である。
【図5】さく孔機の構成の説明図である。
【図6】位置決め精度の低下に伴う従来のトンネルの施工方法の説明図である。
【符号の説明】
3 プリズム
4 基端ブーム
5 先端ブーム
6 ガイドシェル
7 ビット
8 ロッド
9 さく岩機
10 切羽
11 台車
12 基台
13 ブーム台
14 旋回軸
15 伸縮ブーム
16 俯仰軸
19 チルトボデイ
20 チルト軸
22 スイングボデイ
23 スイング軸
24 ガイドロータリ
25 ガイドロータリ軸
26 ガイドマウンチング
27 マウント軸
40 自動追尾式測量機
41 無線通信器
50 制御装置
51 無線通信器
60 修正手段
Q さく孔機
J 基準点
LB レーザビーム
Claims (2)
- さく岩機が搭載されるガイドシェルと、そのガイドシェルをガイドマウンチングで支承するブームと、前記ガイドシェルおよびブームの可動部分の作動量を検出するための検出器と、その検出器からの検出データに基づいて前記ガイドシェルの自動位置決め又は位置表示を行う制御装置と、を備えたさく孔機に用いられ、前記さく孔機の後方に設置されてレーザビーム照射機構を内蔵する測量機と、前記制御装置と前記測量機との間で必要なデータを交信する通信器と、さく孔位置決めの修正を行う修正手段とを備えるさく孔位置決めの修正装置であって、
前記修正手段は、機械的なガタと部材の撓みによる位置決め誤差を修正する位置決めの修正作業がなされたときに、前記さく岩機のビット位置の位置データを、前記通信器を介して前記測量機へ送信して前記位置データに対応する位置に前記測量機からレーザビームを照射させ、そのレーザビームの照射位置と前記さく岩機のビット位置とのずれに応じてなされた前記レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるために要された前記検出器からの検出データの移動量に基づいて、さく孔位置決めの修正を行うための修正データを算出し、前記制御装置は、前記修正手段で算出された前記修正データを加味してさく孔機座標系上で設定されるさく孔パタンのデータを取得するようになっていることを特徴とする、さく孔機のさく孔位置決めの修正装置。 - さく岩機が搭載されるガイドシェルと、そのガイドシェルをガイドマウンチングで支承するブームと、前記ガイドシェルおよびブームの可動部分の作動量を検出するための検出器と、その検出器からの検出データに基づいて前記ガイドシェルの自動位置決め又は位置表示を行う制御装置とを備えるさく孔機において、さく孔のための精度修正範囲を設定して、その設定する精度修正範囲での機械的なガタと部材の撓みによる位置決め誤差を修正する方法であって、
前記精度修正範囲内にトンネルの輪郭線が含まれる位置では、トンネルの輪郭線に沿って隣接する精度修正範囲が重なりあうように、周方向に沿って複数の精度修正範囲を設定し、設定する各精度修正範囲においては、前記ブームを位置決めした後に、前記さく岩機のビット位置の位置データに対応する位置にレーザビームを照射し、前記さく岩機のビット位置を手動モードでレーザビームの照射位置に一致させ、そのレーザビームの照射位置と前記さく岩機のビット位置とのずれに応じてなされた前記レーザビームの照射位置とさく岩機のビット位置とを一致させるために要された移動量に基づいて、設定する精度修正範囲毎に、さく孔位置決めの修正をするための修正値を設定することを特徴とする、さく孔機のさく孔位置決めの修正方法。
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JP2002119497A JP4151776B2 (ja) | 2002-04-22 | 2002-04-22 | さく孔機のさく孔位置決めの修正装置及び修正方法 |
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