JP4145513B2 - Full-color electrophotographic device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にフルカラー電子写真装置に好適な電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真装置は画像形成装置の中でも高速記録性に優れていることから、オフィスユースだけでなくパーソナルユースにおいても幅広く用いられはじめている。これに伴い、装置の小型化やマシントラブルの抑制化に対する具体化が市場から強く要求されている。また、情報技術の著しい発達により、電子写真装置もこれに応じた進化が要求されている。情報技術の発達は万人がカラードキュメントの作成を容易としており、これにより、例えば、会議用途にカラードキュメントを複数部、且つ短時間のうちにプリントアウトしたいシーンが頻繁に発生している。しかしながら、これに応える手段が現在欠如している。
【0003】
更に、情報技術の発達はデジタルカメラやイメージスキャナーを用いた画像処理を万人が利用できるようにしている。人物画や風景画像などをコンピューターに取り込み、加工、保存、プリントアウトすることも一般的となりつつある。このため、電子写真装置による出力画像の画質もビジネスカラーからナチュラルカラーへの高画質化への転換が強く期待されている。
【0004】
従来より電子写真プロセスで用いられるトナーは体積平均粒径が10μm程度のものが多い。印刷インキの顔料粒径がサブミクロンであることを勘案すると、トナー粒径は非常に大きな画像形成材料と言える。例えば、風景や人物などの画像を粒径の大きな(10μm前後)トナーでプリントアウトすると、解像度や階調性に限度があるため、出力画像にナチュラルな風合いは得られにくい。これは写真画質とは異なるいわば電子写真的な画質(ビジネスカラー画質)となる。
【0005】
このため、電子写真装置が高画質化を獲得するためには小粒径トナーを使用する必要がある。一般的に、トナーの粒子径は小さければ小さいほど、高解像で高画質の画像を得るために有利であるといわれている。しかしながら、小粒径トナーはその流動性や感光体上の転写残トナーのクリーニング性に対して不利に作用する。また、感光体表面へのトナーフィルミングが生じやすい。このような不具合を解消するために流動化剤の多量併用やクリーニングブレードの感光体への押圧力を高める等のクリーニング条件の最適化が図られることになる。結果、感光体表面は多量の添加剤によって、あたかもクレンザーで研磨されてしまう如く、激しい摩耗を来してしまう。これに対して何らかの対策が講じられなければ、使用間もなくメダカ状の異常画像(トナー、現像剤による黒点または白点のメダカ形状の異常画像)を出力したり、カブリが発生することとなる。
【0006】
したがって、電子写真プロセスにおける高画質化には小粒径トナーを用いた作像が必要であると同時に感光体の高耐久化が必要であり、これができない場合、高画質化は成立困難となる。
これまで、感光体の耐摩耗性を向上させる従来技術として、以下に記載する提案がなされてきた。
【0007】
(1)電荷輸送層の膜強度向上化による手段
例えば、特開平10−288846号公報、特開平10−239870号公報には、バインダーとしてポリアリレートを用いることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。また、特開平10−239871号公報、特開平9−160264号公報には、バインダーとしてポリカーボネートを用いることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。また更に、特開平10−186688号公報にはターフェニル骨格を有するポリエステル樹脂を、特開平10−186687号公報にはトリフェニルメタン骨格を有するポリエステル樹脂を、特開平5−40358号公報にはフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂をそれぞれバインダーとして用いることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。
【0008】
(2)電荷輸送層の摩擦係数低減化による手段
例えば、特開平10−246978号公報、特開平10−20534号公報には、電荷輸送層中にシロキサン成分を含有することによる感光体の摩擦係数の低減化が提案されている。また、特開平5−265241号公報、特開平8−328286号公報には、電荷輸送層中にフッ素樹脂粒子を含有することによる感光体の摩擦係数の低減化が提案されている。これらの提案は、感光体表面の摩擦係数を低減させることにより、感光体表面に印加される当接圧を低下せしめ、この結果、感光体の耐摩耗性を向上させる手段であると考えられる。
【0009】
(3)電荷輸送層の改質による手段
例えば、特開平1−129260号公報、特開平8−101517号公報には、電荷輸送層にフィラーを含有させることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。また、特開平9−12637号公報、特開平9−235442号公報には、スチレン系エラストマーを含有したポリマーブレンドを電荷輸送層のバインダーとして用いることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。
【0010】
上記、(1)〜(3)は、いずれも光減衰の感度の制約から感光層中に大量の低分子電荷輸送物質を含有する必要がある。低分子電荷輸送物質は、膜の脆化を著しくもたらす材料であり、低分子電荷輸送物質の含有量に比例して感光層の耐摩耗性は急激に劣化する。このため、低分子電荷輸送物質に起因する感光体表面のキズの発生、及び膜削れが激しく、上記(1)〜(3)に記載した如何なる手段を用いても大きな効果を得ることができなかった。
この他、感光体表層の耐摩耗性を向上させる手段としては、以下に示す提案がされている。
【0011】
(4)保護層を設けることによる手段
例えば、特開平10−177268号公報には、電荷輸送層の更に上層に保護層を設けることによる感光体の耐摩耗性向上化が提案されている。
しかしながら、表面保護層を設けた場合、酸化性物質が感光体表面に滞留してしまい、画像流れを伴うことが少なくない。また、感度劣化等の静電特性が犠牲になる場合が多く、有効な手段であるということはできない。
【0012】
(5)高分子電荷輸送物質を含有することによる手段
以上の事情を鑑み、近年、低分子電荷輸送物質の代わりに高分子電荷輸送物質を用いる手段が提案されている(特開平7−325409号公報)。かかる手段は感光層中の樹脂成分比を極めて大きくすることが可能であるため、良好な耐摩耗性を示すことが期待される。しかしながら、単に低分子電荷輸送物質を高分子電荷輸送物質に変更するだけでは充分な耐摩耗性を感光体に付与できないケースも多く、電荷輸送物質の高分子化が直接、耐摩耗性向上に結びつくとは断定できない。
【0013】
また、本発明者は高分子電荷輸送物質が含有される感光体の耐久評価において、モノクロ画像出力とカラー画像出力の繰り返し印刷により、感光体の摩耗速度が異なる現象に直面した。特にカラー画像を出力した方が摩耗量が多く、概してカラートナーの方が感光体に与えるハザードが大きいものと推測している。これは従来型の電荷輸送層として、低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂との固溶体(以下、簡単のため、低分子−電荷輸送層と称することがある。)でも同じ現象が見られ、且つ程度も高分子電荷輸送物質を用いるものよりも激しいことが多い。
【0014】
高分子電荷輸送物質を用いる場合においても、高耐久化が得られていないのが現状であり、更にカラートナーを使用した場合に膜削れが激しくなる知見も得られている。かかる問題の解決手段は見い出されていないのが現状であり、感光体の耐久性が電子写真装置のカラー出力の高画質化を遅らせていると見なされる。
【0015】
次に、耐摩耗性以外の因子によって感光体の耐久性を改善する手段として、以下に示す提案がなされている。
(6)酸化防止剤添加による手段
例えば、特開昭57−122444号公報、特開昭61−156052号公報には、感光層中に酸化防止剤を添加する提案がなされている。
【0016】
(7)可塑剤添加による手段
例えば、特開平8−272126号公報、特開平8−95278号公報には、感光層中に可塑剤を添加する提案がなされている。
【0017】
上記(6)、(7)による手段は、大量印刷による感光層の帯電性劣化の抑制に有効な手段であるといえる。しかしながら、以上の化合物を低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂から構成される低分子分散型電荷輸送層に適用する場合、既にバインダー樹脂には低分子電荷輸送物質が高濃度に分散されているため、これら化合物の添加量は極めて制限されたものとなる。したがって、添加による大きな効果は期待できない。
また、かかる低分子分散型電荷輸送層は、ガラス転移点が低い場合が多く、上記化合物を更に添加すると、ガラス転移点が機内温度まで低下するケースが少なくない。このとき、感光層の変形やトナーの融着などを誘発させてしまうため、かかる電荷輸送層に対しては必ずしも有用な手段とはいえない。
【0018】
電子写真装置による画像形成では、帯電から除電に至る複数のプロセスの中に多くの不安定要因が内在し、一つでも安定性が欠如すると画像品質が確保できなくなる。このことは装置のカラー化を推進させた場合、プロセスの安定性に対する画像品質の影響は一層厳しいものとなる。現時点では装置のデジタル化が機械的変動や材料の変動要因を制御し安定化させているが、パーソナルユースやスモールオフィス用途への対応として、装置の小型化や低コスト化を図る場合、この制御を付加することが困難となる。このため、上記課題を解決するには感光体の高耐久化が必須となる。
【0019】
しかしながら、以上に記載した如く、感光体の高耐久化について提案されてきた従来の技術は、耐摩耗性、静電特性上の耐久性に関わる一面を向上しようとするものであり、これらの耐久性を同時に向上させる技術とは言い難い。加えて、一方の耐久性向上化を試みた場合、他方の耐久性が劣化するような、両者の耐久性がトレードオフの関係になるケースが少なくない。従来提案されてきた技術は感光体の特定性能の向上には有用であると言えるものの、直接、感光体の高耐久化を果たす技術とは言いきれない。
【0020】
また、小粒径のカラートナーを使用すると、従来のモノクロトナーと比較して感光体が受けるハザードが大きくなる知見が得られている。感光体がこのハザードの耐性を高めることが可能になれば、トナーや電子写真プロセスの種類に対する適用範囲が広がり、パーソナルユースへの応用も可能とするシンプルな高画質カラー電子写真装置の提供が実現される。しかしながら、従来技術ではこの答えが見あたらず、且つ、ハザードの機構も不明であるため、感光体の材料特性が電子写真装置の高画質化を停滞させているのが実状と言える。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高解像度フルカラー画像出力を可能とする電子写真感光体および電子写真装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特に小粒径のカラートナーを用いた感光層の膜削れについて、摩耗の形態がモノクロトナーを用いた場合と異なることと、これによる耐摩耗性を向上させる因子がテーバー摩耗試験によるアブレッシブ摩耗と相関があることを見い出した。また、このアブレッシブ摩耗の耐性を特定する感光体を用いることで、メダカ状の異常画像やカブリの発生が少ない高解像度の画像出力が可能な電子写真感光体と電子写真装置を提供できることを見い出した。
【0023】
更に、感光体の静電特性面の耐久性を感光体表層の水蒸気透過度と相関があることを確認し、これを特定することで繰り返し印刷を行なっても安定した高解像度の画像が得られることを見い出した。これに加えて、感光体表面の水蒸気透過度を特定することが小粒径トナーを使用する際に問題となるトナーの感光体表面へのフィルミングが抑制される新規な効果を発見し、本発明を完成するに至った。
【0024】
すなわち、本発明によれば、少なくとも電子写真感光体、帯電手段、および画像露光手段、現像手段、転写手段を具備してなる画像形成要素を少なくとも有するフルカラー電子写真装置において、カラートナー像を形成する画像形成要素に搭載された現像手段に使用するトナ−の体積平均粒径が6μm以下であり、且つ、電子写真感光体が感光層中に高分子電荷輸送物質を含有し、且つ、CS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたときの該感光体表層の摩耗量が5.0mg以下を示し、且つ、この感光層の水蒸気透過度が200g・m−2・24h−1以下である有機系電子写真感光体であることを特徴とするフルカラー電子写真装置が提供される。
【0025】
従来、電子写真装置内における感光体の摩耗は機械的な摩耗のみで説明することは困難であると考えられてきた。これは装置内で受ける感光体のハザードが機械的な負荷に限らず、帯電、トナーの接触、温度、オゾン環境等が複雑に作用することが原因となっている。感光体の耐久性は使用する機械に搭載して印刷し、実際の削れ量を測定する以外、評価することが困難であった。このため、感光体の耐久性は装置の品種毎に異なり、耐久性を左右する因子は、今迄、魑魅魍魎としていると言っても過言ではなかった。
【0026】
感光体の摩耗は帯電過程などによって感光体表面が劣化する結果、帯電過程も摩耗速度を加速すると考えられるが、摩耗自体は機械的な負荷によって生じている。電子写真装置の内部においては感光体とクリーニング部(トナーとキャリアおよびクリーニング部材)および、転写部(プリント用紙)との擦擦によって摩耗現象が生じており、逆にこれらが介在しないと仮に帯電条件をきつくしても殆ど感光体は削れない。これより、感光体の摩耗自体は、硬いもので表面を掘削するアブレッシブ摩耗と、亀裂の生成・伝播により摩耗粒子を生成する凝着摩耗(疲労摩耗)が代表的なものと考えられる。
【0027】
本発明者はトナーの種類と感光体の摩耗の関係について具体的に調べた結果、小粒径カラートナーは粒径の大きなものよりも削れやすく、また、モノクロトナーよりも摩耗が過酷である知見を得た。
トナーを小粒径化すると、トナーの流動性を確保するためにシリカなど硬い微粒子を多く併用する必要がある。小粒径カラートナーによる使用で感光体が著しく摩耗する結果は、この微粒子が感光体のアブレッシブ摩耗を促進したことに因るものと推定した。
【0028】
そこで、本発明者は小粒径カラートナーを用いる場合、感光体の耐久性がアブレッシブ摩耗の耐性に関係があることを調べ、結果、これらに相関性があることを見い出した。
従来のモノクロトナーや粒径の大きなトナーの場合は、必ずしもアブレッシブ摩耗と、電子写真装置内における感光体との摩耗について対応がとれていたとは言えない。アブレッシブ摩耗よりも凝着摩耗の方が、実機における摩耗と対応がとれるケースが多く、小粒径カラートナーを用いた感光体の摩耗は従来のものと異なると考えられる。
【0029】
アブレッシブ摩耗の耐性を計測する手段としては、CS−10摩耗輪によるテーバー摩耗試験が容易で適当な方法である。他の摩耗輪を用いたテーバー摩耗試験では感光体の耐摩耗性を計測するには摩耗が激しすぎて評価不能になるケースが多く、また別のケースでは、摩耗形態がアブレッシブ摩耗とは異なる場合もあり、適当な評価方法とは言えない。
【0030】
本発明者はCS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機によって、感光体の耐摩耗性を検討したところ以下の知見を見い出した。
(1)感光体の耐摩耗性として、CS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたときの感光体表面層の摩耗(以下、簡単のためテーバー摩耗と称することがある。)による質量減少量が5.0mg以下を示す感光体は、小粒径トナーの使用に際し、極めて耐久性の高い耐摩耗性を発現する。
【0031】
従来型の感光体の場合、テーバー摩耗による質量減少量は10.0mg弱の摩耗量が計測されており、この場合、メダカ状の異常画像が出力されるケースが多い。すなわち、小粒径トナーの使用に対して全く不充分な耐久性であると判断される。他方、この質量減少量が5.0mg以下の場合、メダカ状の異常画像発生が発生せず、感光層の膜厚減少量も小さく有用である。
かかる条件を満足し、且つ高品質な画像を出力することが可能な感光層としては、電荷輸送層に高分子電荷輸送物質を用いることが有用であるが、必ずしも充分とは言えない。
【0032】
次に、本発明者は感光層のテーバー摩耗を減少させる手段として以下の方法を見い出した。
(2)感光層中に、テーバー摩耗量の少ない成分を、少なくとも1種類以上含有させることにより、上記の条件を容易に満足させることができる。これは、感光層中にブレンドすることや、高分子化合物の分子骨格中に共重合させてもよい。
これは、2種類以上の成分からなる高分子材料の耐摩耗性が、多くの場合、個々の耐摩耗性の相加平均的な値を示すことに起因すると考えられる。
【0033】
(3)感光層中に高分子電荷輸送物質を少なくとも1種類以上含有させることにより、先の条件を容易に満足させることができる。これは、高分子電荷輸送物質を用いることにより、感光層中の低分子成分を激減させることが可能であることに起因する。特に、トリアリールアミン構造を有する高分子電荷輸送物質は電荷輸送能に十分な余裕があるため(16V/μm時の移動度(単位;cm2・V-1・sec-1)が10-6オーダーを示すものが多い。)、別の樹脂をブレンドする等、処方設計上の自由度が高く、実使用上、好適に用いることができる。
【0034】
特に、感光層中に高分子電荷輸送物質を含有させることは、感光層中に含有する低分子量成分の低減化に寄与し、耐摩耗性向上と同時に感光層のガラス転移点の上昇にも寄与する。これは感光体表面へのトナーフィルミング発生防止の余裕度を向上でき、出力画像の安定性にとりわけ有用な手段と言える。
また、充分な電荷輸送能を有する高分子電荷輸送物質を用いた場合、感光層の薄膜化が可能である。この場合、感光層中を移動する電荷の拡散を抑えることができ、結果、高画質化に対して有効に作用する。
【0035】
以上、本発明者は、テーバー摩耗による感光体表面層の質量減少が5.0mg以下を示す感光体は、小粒径トナーの使用に際し、極めて耐久性の高い耐摩耗性を発現することを確認し、これを実現する手段として、感光層中にテーバー摩耗量の少ない成分を少なくとも1種類以上含有させること、ないし感光層中に高分子電荷輸送物質を少なくとも1種類以上含有させることにより実用的な高い耐摩耗性向上が可能になることを見い出すに至った。
【0036】
上記の本発明の一部によって、感光層の膜削れがほとんど生じない場合も、例えば、電荷輸送層が酸化性ガスに曝されることによって、地汚れ等の異常画像や解像度の劣化が生じてしまう。本発明者は、電子写真感光体の長寿命化を目的として、上記の耐摩耗性向上化技術と併用できる静電特性面の耐久性向上化技術について検討した結果、以下の知見を得るに至った。
【0037】
(4)繰り返し使用による感光体の帯電性劣化は、電荷輸送層の水蒸気透過度が大きいものほど顕著である。
(5)感光体表面層の水蒸気透過度が大きい感光体ほど、反応性ガス曝露による帯電性や感度の劣化が著しい。
【0038】
かかる現象は、感光体の帯電性が帯電手段より発生するオゾン、NOxなどの反応性ガスに強く影響され、これらの物質が感光体表面層に、浸透することにより帯電性劣化が促進されるものと思われる。また、感度劣化は感光体表面層を透過した反応性ガスが、例えば電荷発生層等の下層に対して作用したことにより加速されると考えられる。
【0039】
更に、本発明者は、膜削れが激しい低分子−電荷輸送層の異常画像発生の程度が耐摩耗性に優れる高分子電荷輸送物質が多分に含まれる電荷輸送層(以下、高分子−電荷輸送層と称する。)と、大差の見られないケースについて、原因を検討したところ、次の知見を得るに至った。
【0040】
(6)低分子−電荷輸送層は、高分子−電荷輸送層と比較して水蒸気透過度が低い。
かかる知見から、低分子−電荷輸送層において、低分子電荷輸送物質が担う機能には、電荷輸送の機能に加え、感光層のガスバリアー性を高める機能を担っていると考えられる。このことから、低分子化合物を電荷輸送層中へ添加することにより水蒸気透過度を低減できることが推察される。
【0041】
そこで、本発明者は、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤及び低分子電荷輸送物質などの低分子化合物を添加した高分子−電荷輸送層と水蒸気透過度の関係について調査した結果、以下の知見を見い出した。
(7)高分子−電荷輸送層の水蒸気透過度は、酸化防止剤や可塑剤などの低分子量の化合物を少量添加することにより、著しい水蒸気透過度の低減が図れる。また、低分子化合物の添加量に比例して電荷輸送層の水蒸気透過度は低下する。
【0042】
上記知見から、更に本発明者は、以下の知見を得るに至った。
(8)高分子−電荷輸送層の水蒸気透過度は、低分子化合物に限らず、ガスバリアー性の高い樹脂を添加することによっても低減する。また、電荷輸送物質にガスバリアー性の高い樹脂成分を共重合することによっても同様の結果が得られる。
【0043】
更に、本発明者は、電荷輸送層の水蒸気透過度と地汚れの関係について検討したところ、電荷輸送層の水蒸気透過度が200g・m-2・24h-1以下であれば、地汚れの発生がほとんど生じないことを見い出した。また、電荷輸送層の水蒸気透過度が200g・m-2・24h-1以上になると、地汚れの度合いが水蒸気透過度の大きさに比例して大きくなることを見い出すに至った。
【0044】
また、発明者は感光体の繰り返し使用により感光体とトナーとの離型性が劣化することを確認した。
この詳細は不明であるが、かかる劣化は感光体を繰り返し使用することで感光体表面の粘着性が増大したことが原因と考えられる。特に、小粒径カラートナーを使用した場合、この劣化は著しくなる。
このような劣化に対し、感光体表層の水蒸気透過度と繰り返し使用による離型性劣化との間に相関関係があることを見い出した。特に感光層の水蒸気透過度を200g・m−2・24h−1以下に抑えることが、静電特性に加えて離型性の劣化を抑制できる効果を見い出した。この効果は、とりわけ、小粒径トナーを用いるカラー電子写真装置において極めて大きな効果が得られる。
【0045】
以上の知見から、本発明者は、導電性支持体上の感光層として、CS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたときの該感光体表面層への摩耗量が5.0mg以下を示し、且つ、この感光層の水蒸気透過度が200g・m-2・24h-1以下とすることにより、上記課題を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0046】
次に、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質について述べる。高分子電荷輸送物質としては、一般的な以下のような高分子物質を用いることができる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の重合体等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の重合体等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の重合体等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の重合体等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の重合体等が例示される。
【0047】
本発明に使用される電子供与性基を有する重合体は、上記重合体だけでなく、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体等を用いることも可能である。
【0048】
また、本発明において、とりわけ有効に用いられるトリアリールアミン構造を有する化合物としては、以下に記載の化合物が例示される。
例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報等がある。
【0049】
また、本発明に用いられる高分子電荷輸送物質として、更に有用なトリアリールアミン構造を有する化合物としては、以下に記載の化合物が挙げられる。
以下に、一般式(1)〜(6)で表わされる電荷輸送物質を例示し、具体例を示す。
【0050】
【化6】
式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わし、R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表わし、R5 、R6 は置換もしくは無置換のアリール基を表わす。また、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表わし、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表わし、5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般式で表わされる2価基を表わす。
【0051】
【化7】
式中、R101、R102は、各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表わす。l、mは0〜4の整数を表わし、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表わす。)または、
【0052】
【化8】
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数を表わし、R103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリール基を表わす。)を表わす。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0053】
一般式(1)の具体例
R1、R2、R3は、それぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
アルキル基として、好ましくはC1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i-プロピル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0054】
R4は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表わすが、そのアルキル基の具体例としては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
【0055】
R5、R6は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0056】
上述のアリール基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、上記のR1、R2、R3と同様のものが挙げられる。
(3)アルコキシ基。アルコキシ基(−OR105)としては、R105は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0057】
Xは下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(A)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0058】
【化9】
【0059】
【化10】
【0060】
一般式(B)のジオール化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の脂肪族ジオールや、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の環状脂肪族ジオールが挙げられる。
【0061】
また、芳香環を有するジオールとしては、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルオキシド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0062】
【化11】
式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0063】
一般式(2)の具体例
R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0064】
芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基、または、
【0065】
【化12】
(ここで、Wは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基を表わす。)
【0066】
【化13】
【0067】
【化14】
【0068】
【化15】
【0069】
【化16】
で表わされる。
【0070】
複素環基。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
また、Ar1、Ar2およびAr3で示されるアリレン基としては、R7およびR8で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
【0071】
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。また、これら置換基は上記一般式中のR106、R107、R108の具体例として表わされる。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C18、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基は、さらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR109)。アルコキシ基(−OR109)としては、R109は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)次式で表わされる置換アミノ基。
【0072】
【化17】
式中、R110及びR111は、各々独立に(2)で定義したアルキル基またはアリール基を表わし、アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。またアリール基上の炭素原子と共同で環を形成しても良い。具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、またはメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基またはアルキレンジチオ基、等が挙げられる。
【0073】
Xは下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(C)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0074】
【化18】
【0075】
【化19】
一般式(B)のジオール化合物は一般式(1)と同じものが挙げられる。
【0076】
【化20】
式中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0077】
一般式(3)の具体例
R9、R10は、置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0078】
芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
【0079】
複素環基。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0080】
また、Ar4、Ar5およびAr6で示されるアリレン基としては、R9およびR10で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。 (1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR112)。アルコキシ基(−OR112)としては、R112は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基;具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0081】
Xは下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用いて重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(D)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0082】
【化21】
【0083】
【化22】
一般式(B)のジオール化合物は一般式(1)と同じものが挙げられる。
【0084】
【化23】
式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基、sは1〜5の整数を表わす。X、k、jおよびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0085】
一般式(4)の具体例
R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0086】
芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
【0087】
複素環基。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0088】
また、Ar7、Ar8およびAr9で示されるアリレン基としては、R11および
R12で示したアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR113)。アルコキシ基(−OR113)としては、R113は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0089】
Xは下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用いて重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(E)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0090】
【化24】
【0091】
【化25】
一般式(B)のジオール化合物は一般式(1)と同じものが挙げられる。
【0092】
【化26】
式中、R15、R16、R17、R18は、置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0093】
一般式(5)の具体例
R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0094】
芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
【0095】
複素環基。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0096】
また、Ar13、Ar14、Ar15およびAr16で示されるアリレン基としては、R15、R16、R17およびR18で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR115)。アルコキシ基(−OR115)としては、R115は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
【0097】
Y1、Y2、Y3は、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。
【0098】
アルキレン基。アルキレン基としては、上記(2)で示したアルキル基より誘導される2価基を表わす。具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、ジフルオロメチレン基、ヒドロキシエチレン基、シアノエチレン基、メトキシエチレン基、フェニルメチレン基、4−メチルフェニルメチレン基、2,2−プロピレン基、2,2−ブチレン基、ジフェニルメチレン基等を挙げることができる。
【0099】
シクロアルキレン基。シクロアルキレン基としては、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロへキシレン基、1,1−シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0100】
アルキレンエーテル基。アルキレンエーテル基としては、ジメチレンエーテル基、ジエチレンエーテル基、エチレンメチレンエーテル基、ビス(トリエチレン)エーテル基、ポリテトラメチレンエーテル基等が挙げられる。
【0101】
Xは下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(G)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0102】
【化27】
【0103】
【化28】
一般式(B)のジオール化合物は一般式(1)と同じものが挙げられる。
【0104】
【化29】
式中、R22、R23、R24、R25は、置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表わす。X、k、jおよびnは、一般式(1)の場合と同じである。
【0105】
一般式(6)の具体例
R22、R23、R24、R25は、置換もしくは無置換のアリール基を表わすが、その具体例としては以下のものを挙げることができ、同一であっても異なってもよい。
【0106】
芳香族炭化水素基。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、縮合多環基としてナフチル基、ピレニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、非縮合多環基としてビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
【0107】
複素環基。複素環基としては、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基などが挙げられる。
【0108】
また、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27およびAr28で示されるアリレン基としては、R22、R23、R24およびR25で示した上記のアリール基の2価基が挙げられ、同一であっても異なってもよい。
上述のアリール基及びアリレン基は以下に示す基を置換基として有してもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)アルキル基。アルキル基としては、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基はさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR118)。アルコキシ基(−OR118)としては、R118は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基。アリールオキシ基としては、アリール基としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有しても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。
(5)置換メルカプト基またはアリールメルカプト基。置換メルカプト基またはアリールメルカプト基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)アルキル置換アミノ基。アルキル置換アミノ基としては、アルキル基は(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
(7)アシル基。アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0109】
Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物をホスゲン法、エステル交換法等を用い重合するとき、下記一般式(B)のジオール化合物を併用することにより主鎖中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネート樹脂はランダム共重合体、又はブロック共重合体となる。また、Xは下記一般式(L)のトリアリールアミノ基を有するジオール化合物と下記一般式(B)から誘導されるビスクロロホーメートとの重合反応によっても繰り返し単位中に導入される。この場合、製造されるポリカーボネートは交互共重合体となる。
【0110】
【化30】
【0111】
【化31】
一般式(B)のジオール化合物は一般式(1)と同じものが挙げられる。
【0112】
その他、トリアリールアミン構造を分岐鎖に有するポリカーボネートとしては、特開平6−234838号公報、特開平6−234839号公報、特開平6−295077号公報、特開平7−325409号公報、特開平9−297419号公報、特開平9−80783号公報、特開平9−80784号公報、特開平9−80772号公報、特開平9−265201号公報等に記載の化合物が例示される。
【0113】
高分子電荷輸送物質のうち、電気的に不活性な構造を有する繰り返し単位は、トリアリールアミン構造のような光導電性を示さない化学構造をもつ単量体をさす。この代表的なものとしては、上記一般式(B)に記載の繰り返し単位を挙げることができる。
【0114】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明で用いられる電子写真感光体を詳細に説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に感光層(24)が設けられている。
図2は、他の構成の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(22)と電荷輸送層(23)との積層からなる感光層(24)が設けられている。
図3は、別の構成の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)が設けられている。
図4は、更に別の構成の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、感光層(24)上に保護層(26)が設けられている。
図5は、さらに別の構成の電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と感光層(24)の間に下引き層(25)が設けられ、感光層(24)の上に保護層(26)が設けられている。
【0115】
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらをDrawning Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawning法、押出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などで表面処理した管などを使用することができる。
【0116】
本発明における感光層(24)は、電荷発生物質を電荷輸送層に分散させた単層型でも、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型でもよいが、ここでは説明の都合上、まず積層型について述べる。
【0117】
積層型感光体における各層のうち、はじめに電荷発生層(22)について説明する。電荷発生層(22)は、電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファスセレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコン等が挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0118】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0119】
電荷発生層(22)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、先述の高分子電荷輸送物質を用いることができる。更に、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
【0120】
電荷発生層(22)に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0121】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0122】
電荷発生層(22)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0123】
次に、電荷輸送層(23)について説明する。
電荷輸送層(23)は、少なくとも電荷輸送能を有し、テーバー摩耗が5.0mg以下であり、且つこの電荷輸送層の水蒸気透過度が200g・m−2・24h− 1以下である層であり、特に、先に挙げた高分子電荷輸送物質が好適に用いられる。
この電荷輸送層のテーバー摩耗の摩耗量と水蒸気透過度の各値はシート状若しくはドラム状の感光体から直接剥離して試験に供することで求めることができる。また、実際に使用される電荷輸送層の膜厚に合わせた電荷輸送層の単独膜を作製し、試験に供することで各値を求めることもできる。
低分子電荷輸送物質とバインダー樹脂(高分子化合物)を主成分とする混合物、高分子電荷輸送物質、ないし高分子電荷輸送物質を主成分とする混合物を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
低分子電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の正孔輸送物質および電子輸送物質が挙げられる。
【0124】
バインダー樹脂として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
これらの高分子化合物は高分子電荷輸送物質のように光導電性を示さない化合物であり、本発明ではこれらの高分子化合物を電気的に不活性な高分子化合物と称す。
【0126】
高分子電荷輸送物質は前述の化合物が使用される。また、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.1〜200重量部、好ましくは0.1〜30重量部、レベリング剤の使用量は、高分子化合物100重量部に対して0.001〜5重量部程度が適当である。また、電荷輸送層(23)の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、解像力が要求される場合、10〜20μmが適当である。
必要により電荷輸送層中に2種類以上の高分子化合物を含有することができる。この場合、2種類以上の高分子電荷輸送物質を電荷輸送層に含有させることもできる。
2種類以上の高分子化合物を含有することにより、電荷輸送層の耐摩耗性および、水蒸気透過度を制御することが可能となる。
【0127】
次に、感光層(24)が単層構成の場合について述べる。
単層型の感光層(24)は、少なくともCS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたテーバー摩耗試験のときの感光体表層の摩耗量が5.0mg以下を示し、且つ、この感光体の水蒸気透過度が200g・m-2・24h-1以下である層であり、適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。
【0128】
単層型の感光層に用いる電荷発生物質ならびに電荷輸送物質は、前述の材料を用いることができる。
また、必要により酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤やレベリング剤を添加することもできる。更に、必要に応じて用いることのできるバインダー樹脂としては、先に電荷輸送層(23)で挙げたバインダー樹脂をそのまま用いる他に、電荷発生層(22)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。単層感光体の膜厚は、5〜100μm程度が適当であり、好ましくは、10〜20μm程度が適当である。
【0129】
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体(21)と感光層(24)との間に下引き層(25)を設けることができ、下引き層(25)は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減する、導電性支持体からの電荷注入を防止するなどの目的で設けられる。下引き層(25)は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
【0130】
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層(25)は、前述の感光層のごとく適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
【0131】
更に、本発明の下引き層(25)として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
【0132】
この他に、本発明の下引き層(25)にはAl2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SiO、SnO2 、TiO2 、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0133】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層(26)が感光層(24)の上に設けられることもある。これに使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン/ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0134】
保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的で、ポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂およびこれら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
保護層(26)の形成法としては、通常の塗布法が採用される。なお、保護層の厚さは、0.5〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作製法にて形成したi−C、a−SiCなど公知の材料も保護層として用いることができる。
また、必要により、電荷輸送物質、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤やレベリング剤を添加することもできる。
【0135】
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、各層に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。これらの化合物の代表的な材料を以下に示す。
【0136】
本発明の電子写真感光体の各層に用いることができる酸化防止剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)フェノール系化合物
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
【0137】
(b)パラフェニレンジアミン類
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0138】
(c)ハイドロキノン類
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0139】
(d)有機硫黄化合物類
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0140】
(e)有機燐化合物類
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0141】
本発明の電子写真感光体の各層に用いることができる可塑剤としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(a)リン酸エステル系可塑剤
リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニルなど。
【0142】
(b)フタル酸エステル系可塑剤
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチルラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチルデシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0143】
(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤
トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0144】
(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルなど。
【0145】
(e)脂肪酸エステル誘導体
オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、トリアセチン、トリブチリンなど。
【0146】
(f)オキシ酸エステル系可塑剤
アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブチルなど。
【0147】
(g)エポキシ可塑剤
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0148】
(h)二価アルコールエステル系可塑剤
ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0149】
(i)含塩素可塑剤
塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メチル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0150】
(j)ポリエステル系可塑剤
ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0151】
(k)スルホン酸誘導体
p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシルアミドなど。
【0152】
(l)クエン酸誘導体
クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエン酸−n−オクチルデシルなど。
【0153】
(m)その他
ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン酸メチルなど。
【0154】
本発明の電子写真感光体の各層に添加できる滑剤としては、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)炭化水素系化合物
流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、低重合ポリエチレンなど。
【0155】
(b)脂肪酸系化合物
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0156】
(c)脂肪酸アミド系化合物
ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドなど。
【0157】
(d)エステル系化合物
脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0158】
(e)アルコール系化合物
セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなど。
【0159】
(f)金属石けん
ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0160】
(g)天然ワックス
カルナバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンロウなど。
【0161】
(h)その他
シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0162】
本発明の電子写真感光体の各層に添加できる紫外線吸収剤として、例えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(a)ベンゾフェノン系
2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど。
【0163】
(b)サルシレート系
フェニルサルシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど。
【0164】
(c)ベンゾトリアゾール系
(2'−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2'−ヒドロキシ−3'−ターシャリブチル−5'−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾール
【0165】
(d)シアノアクリレート系
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3(パラメトキシ)アクリレートなど。
【0166】
(e)クエンチャー(金属錯塩系)
ニッケル(2,2'−チオビス(4−t−オクチル)フェノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートなど。
【0167】
(f)HALS(ヒンダードアミン)
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0168】
本発明の電子写真感光体の各層に添加できる低分子電荷輸送物質は、電荷発生層(22)の説明に記載したものと同じものを用いることができる。
【0169】
本発明の電子写真感光体の各層に添加できるレベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0170】
次に、図面に沿って本発明で用いられる電子写真装置を説明する。
図6は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図6において、電子写真感光体(11)は、テーバー摩耗による感光体表面層の質量減少が5.0mg以下を示す感光体である。感光体(11)は、ドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0171】
また、露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドバスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0172】
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、受像媒体(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
【0173】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0174】
図7には、本発明による電子写真装置の別の例を示す。感光体(11)は、テーバー摩耗による感光体表面層の質量減少が5.0mg以下を示す感光体である。駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段(1B)によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰り返し行なわれる。図7においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
【0175】
以上の電子写真装置は、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図7において、支持体側よりクリーニング前露光を行なっているが、これは感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行なってもよい。
【0176】
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光プレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0177】
以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれていてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例としては、図8に示すものが挙げられる。この場合も、本発明における感光体(11)は、テーバー摩耗による感光体表面層の質量減少が5.0mg以下を示す感光体である。
【0178】
図9には、本発明による電子写真装置の別の例を示す。この電子写真装置では、感光体(11)の周囲に帯電手段(12)、露光手段(13)、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色トナー毎の現像手段(14Bk)、(14C)、(14M)、(14Y)、中間転写体である中間転写ベルト(1F)、クリーニング手段(17)が順に配置されている。ここで、図中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。感光体(11)は感光層中に高分子電荷輸送物質を含有し、且つ、CS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたときの該感光体表層の摩耗量が5.0mg以下を示し、且つ、この感光層の水蒸気透過度が200g・m−2・24h−1以下である有機系電子写真感光体である。また、各色のトナーは体積平均粒径が6μm以下の特徴を有している。各色の現像手段(14Bk)、(14C)、(14M)、(14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行なう色の現像手段のみが駆動される。感光体(11)上に形成されたトナー像は中間転写ベルト(1F)の内側に配置された第1の転写手段(1D)により、中間転写ベルト(1F)上に転写される。第1の転写手段(1D)は感光体(11)に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)を感光体(11)に当接させる。各色の画像形成を順次行ない、中間転写ベルト(1F)上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段(1E)により、受像媒体(18)に一括転写された後、定着手段(19)により定着されて画像が形成される。第2の転写手段(1E)も中間転写ベルト(1F)に対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)に当接する。
【0179】
転写ドラム方式の電子写真装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図9に示すような中間転写方式の電子写真装置では中間転写体(1F)上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特徴がある。このような中間転写方式は、図9に示す装置に限らず前述の図6、図7、図8および後述する図10に示す電子写真装置に適用することができる。
【0180】
図10には、本発明による電子写真装置の別の例を示す。この電子写真装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされ、各色毎に画像形成部が配設されている。また、各色毎の感光体(11Y)、(11M)、(11C)、(11Bk)が設けられている。この電子写真装置に用いられるトナーは体積平均粒径が6μm以下であり、感光体は感光層中に高分子電荷輸送物質を含有し、且つ、CS−10摩耗輪を装着したテーバー摩耗試験機により、荷重250gf、回転速度60rpmで1000回転させたときの該感光体表層の摩耗量が5.0mg以下を示し、且つ、この感光層の水蒸気透過度が200g・m−2・24h−1以下である有機系電子写真感光体である。
各感光体(11Y)、(11M)、(11C)、(11Bk)の周りには、帯電手段(12)、露光手段(13)、現像手段(14)、クリーニング手段(17)等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体(11Y)、(11M)、(11C)、(11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト(1G)が駆動手段(1C)にて掛け渡されている。この搬送転写ベルト(1G)を挟んで各感光体(11Y)、(11M)、(11C)、(11Bk)に対向する転写位置には転写手段(16)が配設されている。
図10の形態のようなタンデム方式の電子写真装置は、各色毎に感光体(11Y)、(11M)、(11C)、(11Bk)を持ち、各色のトナー像を搬送転写ベルト(1G)に保持された受像媒体(18)に順次転写するため、感光体を一つしか持たないフルカラー画像形成装置に比べ、はるかに高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
【0181】
次に、本発明に用いることのできる電子写真用トナーについて説明する。
本発明において用いることのできる電子写真用トナーは、非磁性乾式一成分トナー、磁性乾式一成分トナー、乾式二成分現像剤、湿式トナーのいずれも公知の電子写真用トナーが用いられる。特に、トナーの体積平均粒径が6μm以下の場合、高画質化と共に、本発明における電子写真感光体の高耐久性を有効に利用することができる。
【0182】
また、トナーの製造方法としては、種々の公知の方法、またはそれらを組み合わせた方法により製造することができる。例えば、混練−粉砕法では、バインダーレジンとカーボンブラックなどの着色剤及び必要とされる添加剤を乾式混合し、エクストルーダー又は二本ロール、三本ロール等にて加熱溶融混練し、冷却固化後、ジェットミルなどの粉砕機にて粉砕し、気流分級機により分級してトナーが得られる。また、懸濁重合法や非水分散重合法等により、モノマーと着色剤、添加剤から直接トナーを製造することも可能である。
【0183】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中使用する部は、すべて重量部を表わす。
始めに、本発明に係わる物性の測定方法について述べる。
<テーバー摩耗試験>
表面が平滑なAl板上に、接着層としてポリアミド樹脂(東レ;CM8000)を約0.7μm塗布し、その上に後述する処方により作製した塗工液を塗布し、13μmの電荷輸送層を積層し、これをテーバー摩耗試験用のサンプルとした。
摩耗試験は、東洋精機製作所社ロータリーアブレージョンテスターにより行なった。摩耗輪はCS−10を選択した。ターンテーブルの回転数は60rpm、荷重は250gfとした。試験は3回行ない、試験前後の質量減少量の平均値を算出し、摩耗量(mg)とした。
【0184】
<水蒸気透過度測定>
表面が平滑なAl板上に、後述する処方により作製した電荷輸送層の塗工液を塗布し、水蒸気透過度測定用の電荷輸送層を作製した。水蒸気透過度測定用の電荷輸送層の膜厚は、感光体作成時の電荷輸送層の膜厚と同じ膜厚になるように作製した。この電荷輸送層をAl板より剥離し、水蒸気透過度測定装置L80−4000(LYSSY社製)により水蒸気透過度を測定した。測定方法および測定条件を以下に示す。
【0185】
測定方法
「プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機械測定法)JIS K7129」による感湿センサー法により行なった。
測定条件
測定温度:40±0.5℃
【0186】
<膜厚測定>
渦電流方式膜厚測定器FISCHER SCOPE mms(Fischer社製)により、感光体ドラム長手方向1cm間隔に膜厚を測定し、それらの平均値を感光層膜厚とした。
【0187】
実施例1
直径90mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.1μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0188】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂溶液 10部
(大日本インキ化学工業製:ベッコゾール 1307−60−EL)
メラミン樹脂溶液 7部
(大日本インキ化学工業製:スーパーベッカミン G−821−60)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0189】
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のトリスアゾ顔料 2.5部
【0190】
【化32】
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.25部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
【0191】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0192】
【化33】
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0193】
次に電子写真用トナーとして下記のものを用意した。
・結着樹脂1
(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:126℃) 100重量部
・帯電制御剤
(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤
<イエロートナー用>
ジスアゾ系イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow17) 5重量部
<マゼンタトナー用>
キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red184) 4重量部
<シアントナー用>
銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue15) 2重量部
<ブラックトナー用>
カーボンブラック 5重量部
【0194】
上記の材料を各色ごとにブレンダーで充分混合したのち、100〜110℃に加熱した2本ロールによって溶融混練した。混練り物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて各色の母体着色粒子を得た。なお、各色母体着色粒子の体積平均粒径は、以下のとおりであった。(なお、トナーの体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターモデルTA−IIにより計測した。)
イエロー:6.0(μm)、
マゼンタ:5.9(μm)、
シアン:6.0(μm)、
ブラック:6.0(μm)。
【0195】
更に、母体着色粒子100重量部に対して、外添加剤として、
・疎水性シリカ(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品、
疎水化度80%、1次粒子径:0.04μm) 0.5重量部
・疎水性酸化チタン(イソブチルトリメトキシシランでの表面処理品、
疎水化度70%、比表面積80m2/g、1次粒子径:0.04μm)
0.4重量部
をへンシェルミキサーにて混合を行ない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
【0196】
さらに、本トナー5重量部とシリコーン樹脂でコーティングを行なった(平均樹脂膜厚み:0.3μm)平均粒径50μmのフェライトキャリア95重量部をボールミルにて混合し、現像剤を得た。なお、現像剤の帯電量は−22(μC/g)であった。
【0197】
実施例2
実施例1における電子写真感光体について、電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0198】
【化34】
【0199】
実施例3
実施例1における電子写真感光体について、電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0200】
【化35】
【0201】
比較例1
実施例1における電子写真感光体について、電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例1と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(帝人化成:パンライトTS2050)
下記構造の低分子電荷輸送物質 7部
【0202】
【化36】
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0203】
比較例2
実施例1における電子写真感光体について、電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0204】
【化37】
【0205】
比較例3
実施例1における電子写真感光体について、電荷輸送層に用いた高分子電荷輸送物質を以下の構造のものに変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体とトナー作製した。
【0206】
【化38】
【0207】
比較例4
実施例1において作製したイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックのトナーの体積平均粒径を9.0±0.1μmに変えた以外は実施例1と全く同様に作製して、電子写真感光体とトナーを作製した。
【0208】
以上の様に作製した実施例1〜3および比較例1〜4の電子写真感光体および現像剤を、一部改造した複写機(リコー製:PRETER550)に搭載し、15万枚の通紙試験を行なった。環境条件は、26℃58%RHであった。また、電荷輸送層の膜厚は19.8±0.1μmであった。評価方法としては、感光層の摩耗量測定、試験終了時の画像解像度測定、異常画像発生具合の評価、および感光体の外観を評価した。また、前述の方法にて、電荷輸送層のテーバー摩耗と水蒸気透過度を測定した。結果を表1に示す。
【0209】
【表1】
【0210】
表1より、比較例4のみ画像解像度が他と比べて劣る結果が得られた。この差は使用するトナーの平均粒径に起因し、小粒径トナーが画像解像度の向上に有利であることが確かめられた。
小粒径トナーを用いるカラー電子写真装置において、実施例1〜3は15万枚の通紙試験後もメダカ状の異常画像や地汚れなどが観察されず、且つ、高解像度の画像が出力されており、小粒径トナーの使用に相応しいフルカラー電子写真装置であることが理解される。比較例1は従来型の感光体を搭載した電子写真装置である。この場合、通紙試験後の画像評価において、メダカ状の異常画像が多数観察されていることから、小粒径トナーの使用に耐えられない感光体であると判断される。また、比較例2の電子写真装置に搭載される感光体は電荷輸送層に高分子電荷輸送物質が含有されており、テーバー摩耗の耐久性も良好な試験結果が得られている。しかしながら、通紙試験では感光体表面にトナーフィルミングをきたす試験結果が得られた。このため、比較例2も小粒径トナーの使用に耐えられない感光体であると判断される。また、比較例3の電子写真装置に搭載される感光体は電荷輸送層に高分子電荷輸送物質が含有されているものの、テーバー摩耗の耐久性は必ずしも良好とは言えない結果が得られた。この電子写真装置では、メダカ状の異常画像を出力することが確認されており、小粒径トナーの使用に相応しい電子写真装置とは言えない。
【0211】
実施例4
直径60mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、4.0μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、19μmの電荷輸送層を形成して、本発明の電子写真感光体を得た。
【0212】
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂溶液 10部
(大日本インキ化学工業製:ベッコゾール 1307−60−EL)
メラミン樹脂溶液 7部
(大日本インキ化学工業製:スーパーベッカミン G−821−60)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
【0213】
〔電荷発生層用塗工液〕
チタニルフタロシアニン(リコー社製) 8部
ポリビニルブチラール 5部
2−ブタノン 400部
【0214】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0215】
【化39】
酸化防止剤:
n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−t−ブチルフェノール)プロピオネート
(住友化学工業製:Sumilizer BP76) 0.5部
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0216】
次に電子写真用トナーとして下記のものを用意した。
・結着樹脂1
(ポリエステル樹脂、1/2流出開始温度:126℃) 100重量部
・帯電制御剤
(含フッ素4級アンモニウム塩化合物) 3重量部
・着色剤
<イエロートナー用>
ジスアゾ系イエロー顔料(C.I.Pigment Yellow17) 5重量部
<マゼンタトナー用>
キナクリドン系マゼンタ顔料(C.I.Pigment Red184) 4重量部
<シアントナー用>
銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue15) 2重量部
<ブラックトナー用>
カーボンブラック 5重量部
【0217】
上記の材料を各色ごとにブレンダーで充分混合したのち、100〜110℃に加熱した2本ロールによって溶融混練した。混練り物を自然放冷後、カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて各色の母体着色粒子を得た。なお、各色母体着色粒子の体積平均粒径は、以下のとおりであった。(なお、トナーの体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターモデルTA−IIにより計測した。)
イエロー:5.5(μm)、
マゼンタ:5.4(μm)、
シアン:5.5(μm)、
ブラック:5.5(μm)。
【0218】
更に、母体着色粒子100重量部に対して、外添加剤として、
・疎水性シリカ
(ヘキサメチルジシラザンでの表面処理品、疎水化度80%、
1次粒子径:0.04μm) 0.6重量部
・疎水性酸化チタン
(イソブチルトリメトキシシランでの表面処理品、疎水化度70%、
比表面積80m2/g、1次粒子径:0.04μm) 0.5重量部
をへンシェルミキサーにて混合を行ない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを得た。
【0219】
さらに、本トナー5重量部とシリコーン樹脂でコーティングを行なった(平均樹脂膜厚み:0.3μm)平均粒径50μmのフェライトキャリア95重量部をボールミルにて混合し、現像剤を得た。なお、現像剤の帯電量は−22(μc/g)であった。
【0220】
実施例5
実施例4における電子写真感光体について、酸化防止剤を下記構造の化合物に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0221】
【化40】
【0222】
実施例6
実施例4における電子写真感光体について、酸化防止剤を滑剤:ステアリン酸ブチル(東京化成工業社製)に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0223】
実施例7
実施例4における電子写真感光体について、酸化防止剤を下記構造の紫外線吸収剤(三共製:サノールLS−2626)に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0224】
【化41】
【0225】
実施例8
実施例4における電子写真感光体について、酸化防止剤を下記構造の低分子電荷輸送物質に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0226】
【化42】
【0227】
実施例9
実施例4における電子写真感光体について、電荷輸送塗工液を以下に示す塗工液に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0228】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 8部
【0229】
【化43】
下記構造の電気的に不活性な高分子化合物 2部
【0230】
【化44】
テトラヒドロフラン 100部
【0231】
実施例10
実施例4における電子写真感光体について、電荷輸送塗工液を以下に示す塗工液に変えた以外は実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0232】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 4部
【0233】
【化45】
下記構造の高分子電荷輸送物質 6部
【0234】
【化46】
テトラヒドロフラン 100部
【0235】
比較例5
実施例4における電子写真感光体について、電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0236】
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(帝人化成:パンライトTS2050)
下記構造の低分子電荷輸送物質 7部
【0237】
【化47】
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0238】
比較例6
実施例4における電子写真感光体について、電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0239】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0240】
【化48】
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0241】
比較例7
実施例4における電子写真感光体について、電荷輸送層用塗工液を以下のものに変更した以外は、実施例4と全く同様にして電子写真感光体とトナーを作製した。
【0242】
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記構造の高分子電荷輸送物質 10部
【0243】
【化49】
テトラヒドロフラン 100部
1%のKF−50−100CS(信越化学工業社製シリコーンオイル)の
テトラヒドロフラン溶液 1部
【0244】
以上の様に作製した実施例4〜10および比較例5〜7の電子写真感光体および現像剤を、一部改造した複写機(リコー製:PRETER750)に搭載し、10万枚の通紙試験を行なった。環境条件は、28℃55%RHであった。また、電荷輸送層の膜厚は19.8±0.1μmであった。評価方法としては、感光層の摩耗量測定、試験終了時の画像解像度測定、異常画像発生具合の評価、および感光体の外観を評価した。また、前述の方法にて、電荷輸送層のテーバー摩耗と水蒸気透過度を測定した。結果を表2に示す。
【0245】
【表2】
【0246】
以上の実施例4〜10、比較例5〜7の結果から明らかなように、電荷輸送層のテーバー摩耗が5.0mg以上、または水蒸気透過度が200g・m−2・24h−1以上の高分子電荷輸送物質が含有される電荷輸送層も、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質などの低分子化合物、ガスバリアー性の高い高分子化合物、および靱性の大きい高分子化合物を併用することにより、テーバー摩耗が5.0mg以下にすることが可能であり、同様に、水蒸気透過度も200g・m−2・24h−1以下にすることが可能であることがわかる。また、この表には示していないが、従来型の感光体では小粒径トナーを用いた画像形成装置では耐久寿命が低く感光層を厚膜化する等の対応が必要となる。感光層を厚膜化した場合、画像解像度の低下は避けられない。実施例4〜10はいずれも感光体表面のトナーフィルミングが防止され、加えて地汚れやメダカ状の異常画像の発生が見られない高品質画像が得られる。
【0247】
実施例2と3および比較例2と3で用いた高分子電荷輸送物質について、電気的に不活性な構造のみから構成される高分子膜を電荷輸送層と同じ膜厚(20μm)になるように作成し、そのテーバー摩耗と水蒸気透過度を測定したところ、以下の結果が得られた。
【0248】
【表3】
【0249】
感光体表面層のテーバー摩耗が5.0mg以下の感光層ないし電荷輸送層を得るためには、導入率により多少の前後が見られるものの、電気的に不活性な繰り返し単位として、テーバー摩耗が5.0mg以下のものが好ましく選択される。
感光体表面層の水蒸気透過度についても同様のことが言え、135g・m−2・24h−1以下の水蒸気透過度を示す電気的に不活性な繰り返し単位が好ましく選択される。
【0250】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れ、且つ安定した静電特性を有するため、大量印刷を行なっても常に高品質画像が得られる実用的価値に極めて優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の層構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の他の層構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体の更に他の層構成を示す断面図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体の更に他の層構成を示す断面図である。
【図5】 本発明の電子写真感光体の更に他の層構成を示す断面図である。
【図6】 本発明に係る電子写真装置の一例を示す模式断面図である。
【図7】 本発明に係る電子写真装置の他の一例を示す模式断面図である。
【図8】 本発明に係る電子写真装置の更に他の一例を示す模式断面図である。
【図9】 本発明に係る電子写真装置の更に他の一例を示す模式断面図である。
【図10】 本発明に係る電子写真装置の更に他の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
1D 第1の転写手段
1E 第2の転写手段
1F 中間転写体(中間転写ベルト)
1G 受像媒体担持体
11 電子写真感光体
11Bk ブラック感光体
11C シアン感光体
11M マゼンタ感光体
11Y イエロー感光体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
14Bk ブラック現像手段
14C シアン現像手段
14M マゼンタ現像手段
14Y イエロー現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 受像媒体
19 定着手段
21 導電性支持体
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
24 感光層
25 下引き層
26 保護層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an electrophotographic image forming apparatus particularly suitable for a full-color electrophotographic apparatus.
[0002]
[Prior art]
In recent years, an electrophotographic apparatus is excellent in high-speed recording performance among image forming apparatuses, and thus is widely used not only for office use but also for personal use. Along with this, there is a strong demand from the market for the implementation of miniaturization of devices and suppression of machine troubles. In addition, with the remarkable development of information technology, electrophotographic devices are required to evolve accordingly. The development of information technology has made it easy for everyone to create color documents. For this reason, for example, there are frequent occurrences of scenes in which a plurality of color documents are to be printed out in a short time for conference purposes. However, there is currently a lack of means to respond to this.
[0003]
Furthermore, the development of information technology has made it possible for everyone to use image processing using digital cameras and image scanners. It is also becoming common to capture portraits, landscapes, etc. on a computer, process, save, and print out. For this reason, the image quality of the output image by the electrophotographic apparatus is strongly expected to shift from business color to natural color.
[0004]
Conventionally, many toners used in electrophotographic processes have a volume average particle size of about 10 μm. Considering that the pigment particle size of the printing ink is submicron, it can be said that the toner particle size is an extremely large image forming material. For example, when an image such as a landscape or a person is printed out with toner having a large particle size (around 10 μm), there is a limit in resolution and gradation, so that it is difficult to obtain a natural texture in the output image. This is an electrophotographic image quality (business color image quality) different from the image quality.
[0005]
For this reason, in order for the electrophotographic apparatus to obtain high image quality, it is necessary to use a small particle size toner. In general, it is said that the smaller the toner particle size, the more advantageous it is to obtain a high-resolution and high-quality image. However, the small particle size toner has a disadvantageous effect on its fluidity and cleaning properties of the transfer residual toner on the photoreceptor. In addition, toner filming on the surface of the photoreceptor is likely to occur. In order to solve such a problem, optimization of cleaning conditions such as a large amount of use of a fluidizing agent and an increase in the pressing force of the cleaning blade to the photoconductor is achieved. As a result, the surface of the photoconductor is severely worn by a large amount of additives as if it were polished by a cleanser. If no countermeasure is taken against this, a medaka-like abnormal image (black or white medaka-shaped abnormal image due to toner or developer) will be output or fog will soon occur.
[0006]
Therefore, in order to improve the image quality in the electrophotographic process, it is necessary to form an image using a toner having a small particle diameter, and at the same time, it is necessary to improve the durability of the photosensitive member.
Heretofore, the following proposals have been made as conventional techniques for improving the wear resistance of a photoreceptor.
[0007]
(1) Means by improving the film strength of the charge transport layer
For example, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 10-288846 and 10-239870 propose improvement of the wear resistance of a photoreceptor by using polyarylate as a binder. JP-A-10-239871 and JP-A-9-160264 propose improvement of the wear resistance of a photoreceptor by using polycarbonate as a binder. Further, JP-A-10-186688 discloses a polyester resin having a terphenyl skeleton, JP-A-10-186687 discloses a polyester resin having a triphenylmethane skeleton, and JP-A-5-40358 discloses fluorene. It has been proposed to improve the abrasion resistance of a photoreceptor by using a polyester resin having a skeleton as a binder.
[0008]
(2) Means by reducing the friction coefficient of the charge transport layer
For example, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 10-246978 and 10-20534 propose reduction of the coefficient of friction of the photoreceptor by containing a siloxane component in the charge transport layer. JP-A-5-265241 and JP-A-8-328286 propose a reduction in the coefficient of friction of the photosensitive member by containing fluororesin particles in the charge transport layer. These proposals are considered to be means for reducing the contact pressure applied to the surface of the photoconductor by reducing the coefficient of friction on the surface of the photoconductor, thereby improving the wear resistance of the photoconductor.
[0009]
(3) Means by modifying the charge transport layer
For example, JP-A-1-129260 and JP-A-8-101517 propose improvement of the wear resistance of a photoreceptor by incorporating a filler in a charge transport layer. JP-A-9-12737 and JP-A-9-235442 propose improvement of the wear resistance of a photoreceptor by using a polymer blend containing a styrene elastomer as a binder of a charge transport layer. Yes.
[0010]
In any of the above (1) to (3), it is necessary to contain a large amount of a low molecular charge transport material in the photosensitive layer due to the limitation of the sensitivity of light attenuation. The low molecular charge transport material is a material that causes the membrane to become brittle, and the wear resistance of the photosensitive layer is rapidly deteriorated in proportion to the content of the low molecular charge transport material. For this reason, the generation of scratches on the surface of the photoreceptor due to the low-molecular charge transporting material and the film scraping are severe, and a great effect cannot be obtained by using any means described in the above (1) to (3). It was.
In addition, the following proposals have been made as means for improving the wear resistance of the photoreceptor surface layer.
[0011]
(4) Means by providing a protective layer
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-177268 proposes to improve the wear resistance of the photoreceptor by providing a protective layer on the charge transport layer.
However, when the surface protective layer is provided, the oxidizing substance stays on the surface of the photosensitive member, and it is often accompanied by image flow. In addition, electrostatic characteristics such as sensitivity deterioration are often sacrificed and cannot be said to be effective means.
[0012]
(5) Means by containing a polymer charge transport material
In view of the above circumstances, in recent years, means using a polymer charge transport material instead of a low molecular charge transport material has been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 7-325409). Such means is expected to show good abrasion resistance because the resin component ratio in the photosensitive layer can be extremely increased. However, there are many cases in which sufficient wear resistance cannot be imparted to the photoreceptor by simply changing the low molecular charge transport material to a polymer charge transport material, and the polymerization of the charge transport material directly leads to improved wear resistance. Cannot be determined.
[0013]
Further, the present inventors faced a phenomenon in which the wear rate of the photoconductor is different due to repeated printing of a monochrome image output and a color image output in the durability evaluation of the photoconductor containing the polymer charge transport material. In particular, it is presumed that a color image output has a larger amount of wear, and color toner generally has a greater hazard to the photoreceptor. This is the same as that of a conventional charge transport layer, which is the same as that of a solid solution of a low molecular charge transport material and a binder resin (hereinafter sometimes referred to as a low molecule-charge transport layer for simplicity). Are often more intense than those using polymeric charge transport materials.
[0014]
Even in the case of using a polymer charge transporting material, high durability has not been obtained, and it has also been found that when a color toner is used, film scraping becomes severe. At present, no solution for such a problem has been found, and it is considered that the durability of the photoreceptor delays the improvement of the color image quality of the electrophotographic apparatus.
[0015]
Next, the following proposals have been made as means for improving the durability of the photoreceptor by factors other than wear resistance.
(6) Means by adding an antioxidant
For example, JP-A-57-122444 and JP-A-61-156052 propose to add an antioxidant to the photosensitive layer.
[0016]
(7) Means by adding plasticizer
For example, JP-A-8-272126 and JP-A-8-95278 have proposed to add a plasticizer to the photosensitive layer.
[0017]
The means according to the above (6) and (7) can be said to be effective means for suppressing deterioration of the chargeability of the photosensitive layer due to mass printing. However, when the above compound is applied to a low molecular dispersion type charge transport layer composed of a low molecular charge transport material and a binder resin, since the low molecular charge transport material is already dispersed in a high concentration in the binder resin, The amount of these compounds added is extremely limited. Therefore, the big effect by addition cannot be expected.
In addition, such a low molecular dispersion type charge transport layer often has a low glass transition point, and when the above compound is further added, the glass transition point is often lowered to the in-machine temperature. At this time, the deformation of the photosensitive layer and the fusion of the toner are induced, so that it is not necessarily a useful means for such a charge transport layer.
[0018]
In image formation by an electrophotographic apparatus, there are many instability factors in a plurality of processes from charging to charge removal, and if even one of them lacks stability, image quality cannot be secured. As a result, when the colorization of the apparatus is promoted, the influence of the image quality on the process stability becomes more severe. At present, the digitization of equipment controls and stabilizes mechanical fluctuations and material fluctuation factors, but this control is required when downsizing and cost reduction of equipment are required for personal use and small office applications. It becomes difficult to add. For this reason, it is essential to improve the durability of the photoreceptor in order to solve the above problems.
[0019]
However, as described above, the conventional techniques that have been proposed for improving the durability of the photoreceptor are intended to improve one aspect related to the durability in terms of wear resistance and electrostatic characteristics. It is hard to say that it is a technology that improves sex at the same time. In addition, when one endurance improvement is attempted, there are not a few cases in which the endurance of the other is in a trade-off relationship such that the endurance of the other deteriorates. Although it can be said that the conventionally proposed technology is useful for improving the specific performance of the photoreceptor, it cannot be said that the technology directly achieves high durability of the photoreceptor.
[0020]
Further, it has been found that when a color toner having a small particle diameter is used, the hazard received by the photosensitive member is larger than that of a conventional monochrome toner. If the photoconductor can increase the resistance to this hazard, it will provide a simple high-quality color electrophotographic device that can be applied to personal use by expanding the range of applications for toner and electrophotographic process types. Is done. However, this answer is not found in the prior art, and the mechanism of the hazard is unknown, so it can be said that the material properties of the photoconductor stagnate the image quality improvement of the electrophotographic apparatus.
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
It is an object of the present invention to provide an electrophotographic photosensitive member and an electrophotographic apparatus that can output a high-resolution full-color image.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor found that the abrasion of the photosensitive layer using a color toner having a small particle size is different from the case of using a monochromatic toner, and that the factor for improving the wear resistance is a Taber abrasion test. It has been found that there is a correlation with the abrasive wear caused by. In addition, it has been found that by using a photoconductor that specifies the resistance to this abrasive wear, an electrophotographic photoconductor and an electrophotographic apparatus capable of outputting a high-resolution image with little occurrence of medaka-like abnormal images and fogging can be provided. .
[0023]
Furthermore, it is confirmed that the durability of the electrostatic characteristics surface of the photoconductor is correlated with the water vapor permeability of the photoconductor surface layer, and by specifying this, a stable high-resolution image can be obtained even if repeated printing is performed. I found out. In addition to this, we have discovered a novel effect that suppresses filming of the toner on the surface of the photosensitive member, which is a problem when using a small-diameter toner, by specifying the water vapor permeability on the surface of the photosensitive member. The invention has been completed.
[0024]
That is, according to the present invention, a color toner image is formed in a full-color electrophotographic apparatus having at least an image forming element comprising at least an electrophotographic photosensitive member, a charging unit, an image exposing unit, a developing unit, and a transferring unit. The toner used for the developing means mounted on the image forming element has a volume average particle size of 6 μm or less, the electrophotographic photoreceptor contains a polymer charge transport material in the photosensitive layer, and CS-10 The amount of wear on the surface of the photoconductor when it is rotated 1000 times at a load of 250 gf and a rotational speed of 60 rpm by a Taber abrasion tester equipped with a wear ring indicates 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of the photoconductive layer is 200 g.・ M-2・ 24h-1A full-color electrophotographic apparatus is provided which is an organic electrophotographic photosensitive member as described below.
[0025]
Conventionally, it has been considered that it is difficult to explain the wear of a photoreceptor in an electrophotographic apparatus only by mechanical wear. This is due to the fact that the hazard of the photoreceptor received in the apparatus is not limited to a mechanical load, and that charging, toner contact, temperature, ozone environment, etc. act in a complex manner. It was difficult to evaluate the durability of the photoreceptor except that it was mounted on a machine to be used for printing and the actual amount of scraping was measured. For this reason, the durability of the photoconductor varies depending on the type of apparatus, and it has been no exaggeration to say that the factors that affect the durability have been attractive.
[0026]
Photoreceptor wear is thought to accelerate the wear rate as a result of deterioration of the surface of the photoconductor due to the charging process or the like, but the wear itself is caused by a mechanical load. In the electrophotographic apparatus, abrasion phenomenon occurs due to friction between the photosensitive member, the cleaning unit (toner, carrier and cleaning member), and the transfer unit (printing paper). Even if it is tightened, the photoconductor is hardly scraped. From this, it is considered that the abrasion of the photoreceptor itself is representative of the abrasive wear that excavates the surface with a hard material and the adhesive wear (fatigue wear) that generates wear particles by the generation and propagation of cracks.
[0027]
As a result of specific investigations on the relationship between the type of toner and the wear of the photoreceptor, the present inventor has found that small-size color toners are easier to scrape than large-size toners and are more severely worn than monochrome toners. Got.
When the particle size of the toner is reduced, it is necessary to use a large amount of hard fine particles such as silica in order to ensure the fluidity of the toner. It was estimated that the result that the photoconductor was significantly worn by the use of the color toner having a small particle diameter was attributed to the accelerated wear of the photoconductor by the fine particles.
[0028]
Therefore, the present inventor has investigated that the durability of the photoconductor is related to the resistance to the abrasive wear when using a small-diameter color toner, and found that there is a correlation between them.
In the case of a conventional monochrome toner or a toner having a large particle diameter, it cannot be said that the abrasive wear and the wear on the photoconductor in the electrophotographic apparatus are necessarily dealt with. Adhesive wear is more likely to correspond to wear in an actual machine than abrasive wear, and it is considered that the wear of a photoreceptor using a small particle size color toner is different from the conventional one.
[0029]
As a means for measuring the resistance to abrasive wear, a Taber wear test using a CS-10 wear wheel is easy and suitable. In the Taber abrasion test using other wear wheels, there are many cases where the wear resistance of the photoconductor is too high to be evaluated due to excessive wear, and in other cases, the wear form is different from the abrasive wear. In some cases, it is not an appropriate evaluation method.
[0030]
The present inventor examined the wear resistance of the photoreceptor using a Taber abrasion tester equipped with a CS-10 wear wheel, and found the following knowledge.
(1) As the wear resistance of the photoconductor, the wear of the surface layer of the photoconductor when it is rotated 1000 times at a load of 250 gf and a rotation speed of 60 rpm by a Taber wear tester equipped with a CS-10 wear ring (hereinafter, for the sake of simplicity) A photoconductor having a mass reduction amount of 5.0 mg or less due to sometimes referred to as Taber abrasion exhibits very high wear resistance when using a small particle size toner.
[0031]
In the case of a conventional photoconductor, the amount of mass loss due to Taber wear is measured as a wear amount of less than 10.0 mg. In this case, a medaka-like abnormal image is often output. That is, it is judged that the durability is completely insufficient for the use of the toner having a small particle diameter. On the other hand, when the amount of mass reduction is 5.0 mg or less, there is no occurrence of a medaka-like abnormal image, and the amount of film thickness reduction of the photosensitive layer is small and useful.
As a photosensitive layer that satisfies such conditions and can output a high-quality image, it is useful to use a polymer charge transport material for the charge transport layer, but it is not always sufficient.
[0032]
Next, the present inventor has found the following method as means for reducing the Taber abrasion of the photosensitive layer.
(2) By containing at least one component having a small amount of Taber abrasion in the photosensitive layer, the above conditions can be easily satisfied. This may be blended in the photosensitive layer or copolymerized in the molecular skeleton of the polymer compound.
This is probably because the wear resistance of a polymer material composed of two or more components often shows an arithmetic average value of individual wear resistance.
[0033]
(3) By including at least one polymer charge transport material in the photosensitive layer, the above conditions can be easily satisfied. This is due to the fact that low molecular components in the photosensitive layer can be drastically reduced by using a polymer charge transport material. In particular, a polymer charge transport material having a triarylamine structure has a sufficient margin for charge transport ability (mobility at 16 V / μm (unit: cm2・ V-1・ Sec-1) Is 10-6Many show orders. ), A high degree of freedom in formulation design, such as blending with another resin, and can be suitably used in practical use.
[0034]
In particular, the inclusion of a polymer charge transport material in the photosensitive layer contributes to a reduction in low molecular weight components contained in the photosensitive layer, and also contributes to an improvement in abrasion resistance and an increase in the glass transition point of the photosensitive layer. To do. This can improve the margin for preventing the occurrence of toner filming on the surface of the photoreceptor, and can be said to be a particularly useful means for the stability of the output image.
Further, when a polymer charge transport material having sufficient charge transport ability is used, the photosensitive layer can be made thin. In this case, it is possible to suppress the diffusion of the charges moving in the photosensitive layer, and as a result, it effectively acts for improving the image quality.
[0035]
As described above, the present inventor has confirmed that a photoreceptor whose mass reduction of the photoreceptor surface layer due to Taber abrasion is 5.0 mg or less exhibits extremely high wear resistance when using a small particle size toner. As a means for realizing this, it is practical to contain at least one component having a small amount of Taber abrasion in the photosensitive layer, or to contain at least one polymer charge transport material in the photosensitive layer. It has been found that high wear resistance can be improved.
[0036]
Even when the photosensitive layer is hardly scraped by a part of the present invention described above, for example, when the charge transport layer is exposed to an oxidizing gas, abnormal images such as scumming or degradation of resolution occur. End up. As a result of studying a technique for improving the durability of the electrostatic characteristics that can be used in combination with the above-described technique for improving the wear resistance for the purpose of extending the life of the electrophotographic photosensitive member, the present inventors have obtained the following knowledge. It was.
[0037]
(4) The deterioration of the chargeability of the photoreceptor due to repeated use is more remarkable as the charge transport layer has a higher water vapor permeability.
(5) As the photoconductor surface layer has a higher water vapor permeability, the chargeability and sensitivity are significantly degraded by exposure to reactive gas.
[0038]
In such a phenomenon, the charging property of the photosensitive member is strongly influenced by the reactive gas such as ozone and NOx generated from the charging means, and the deterioration of the charging property is promoted by the penetration of these substances into the surface layer of the photosensitive member. I think that the. Further, it is considered that the sensitivity deterioration is accelerated by the reactive gas that has permeated the surface layer of the photoreceptor acting on the lower layer such as the charge generation layer.
[0039]
Furthermore, the present inventor has proposed that a charge transport layer (hereinafter referred to as a polymer-charge transport layer) containing a polymer charge transport material having a high degree of wear resistance and a high degree of abnormal image generation in a low molecule-charge transport layer with severe film scraping. When the cause was examined in the case where a large difference was not seen, the following knowledge was obtained.
[0040]
(6) The low molecule-charge transport layer has a lower water vapor permeability than the polymer-charge transport layer.
From this knowledge, it is considered that the function of the low molecular charge transport material in the low molecule-charge transport layer is responsible for the function of enhancing the gas barrier property of the photosensitive layer in addition to the function of charge transport. From this, it is presumed that the water vapor permeability can be reduced by adding a low molecular weight compound into the charge transport layer.
[0041]
Therefore, as a result of investigating the relationship between the water vapor permeability and the polymer-charge transport layer to which a low molecular compound such as an antioxidant, a plasticizer, a lubricant, an ultraviolet absorber, and a low molecular charge transport material is added, The following findings were found.
(7) The water vapor permeability of the polymer-charge transport layer can be significantly reduced by adding a small amount of a low molecular weight compound such as an antioxidant or a plasticizer. In addition, the water vapor permeability of the charge transport layer decreases in proportion to the amount of low molecular compound added.
[0042]
From the above findings, the present inventors have further obtained the following findings.
(8) The water vapor permeability of the polymer-charge transport layer is reduced not only by low molecular compounds but also by adding a resin having a high gas barrier property. The same result can be obtained by copolymerizing a charge transporting substance with a resin component having a high gas barrier property.
[0043]
Furthermore, when the present inventor examined the relationship between the water vapor permeability of the charge transport layer and the soil, the water vapor permeability of the charge transport layer was 200 g · m.-2・ 24h-1We found that almost no scumming occurred if Further, the water vapor permeability of the charge transport layer is 200 g · m.-2・ 24h-1From the above, it has been found that the degree of soiling increases in proportion to the water vapor permeability.
[0044]
The inventors have also confirmed that the releasability between the photoreceptor and the toner is deteriorated by repeated use of the photoreceptor.
Although the details are unknown, it is considered that the deterioration is caused by the increase in the adhesiveness of the surface of the photoreceptor due to repeated use of the photoreceptor. In particular, when a small particle size color toner is used, this deterioration becomes significant.
It has been found that there is a correlation between the water vapor permeability of the surface layer of the photoreceptor and the releasability deterioration due to repeated use against such deterioration. In particular, the water vapor permeability of the photosensitive layer is 200 g · m.-2・ 24h-1In addition to electrostatic characteristics, the inventors have found an effect that can suppress deterioration of releasability in addition to electrostatic characteristics. This effect is particularly significant in a color electrophotographic apparatus using a small particle size toner.
[0045]
Based on the above knowledge, the present inventor, as a photosensitive layer on a conductive support, has been subjected to 1000 revolutions at a load of 250 gf and a rotational speed of 60 rpm by a Taber abrasion tester equipped with a CS-10 abrasion wheel. The abrasion amount to the surface layer is 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of this photosensitive layer is 200 g · m.-2・ 24h-1By finding out the following, it has been found that the above-mentioned problems can be achieved, and the present invention has been completed.
[0046]
Next, the polymer charge transport material used in the present invention will be described. As the polymer charge transport material, the following general polymer materials can be used.
(A) a polymer having a carbazole ring
For example, poly-N-vinylcarbazole, Japanese Patent Laid-Open No. 50-82056, Japanese Patent Laid-Open No. 54-9632, Japanese Patent Laid-Open No. 54-11737, Japanese Patent Laid-Open No. 4-175337, Japanese Patent Laid-Open No. 4-183719. Examples thereof include polymers described in JP-A-6-234841.
(B) a polymer having a hydrazone structure
For example, JP-A-57-78402, JP-A-61-20953, JP-A-61-296358, JP-A-1-134456, JP-A-1-179164, JP-A-3-180851 Examples thereof include polymers described in JP-A-3-180852, JP-A-3-50555, JP-A-5-310904, and JP-A-6-234840.
(C) Polysilylene polymer
For example, JP-A 63-285552, JP-A 1-88461, JP-A 4-264130, JP-A 4-264131, JP-A 4-264132, JP-A 4-264133. Examples thereof include polymers described in JP-A-4-289867.
(D) a polymer having a triarylamine structure
For example, N, N-bis (4-methylphenyl) -4-aminopolystyrene, JP-A-1-134457, JP-A-2-282264, JP-A-2-304456, JP-A-4-133565 Examples thereof include polymers described in JP-A-4-133066, JP-A-5-40350, and JP-A-5-202135.
(E) Other polymers
Examples thereof include formaldehyde condensation polymers of nitropyrene, polymers described in JP-A-51-73888, JP-A-56-150749, JP-A-6-23436, and JP-A-6-234837. Is done.
[0047]
The polymer having an electron donating group used in the present invention is not limited to the above-mentioned polymer, but also a copolymer of a known monomer, a block polymer, a graft polymer, a star polymer, It is also possible to use a cross-linked polymer having an electron donating group as disclosed in JP-A-3-109406.
[0048]
In addition, the following compounds are exemplified as compounds having a triarylamine structure that are particularly effectively used in the present invention.
For example, JP-A 64-1728, JP-A 64-13061, JP-A 64-19049, JP-A-4-11627, JP-A-4-225014, JP-A-4-230767 No. 4, JP-A-4-320420, JP-A-5-232727, JP-A-7-56374, JP-A-9-127713, JP-A-9-222740, JP-A-9-265197. JP-A-9-211877, JP-A-9-304956, and the like.
[0049]
In addition, examples of the compound having a triarylamine structure that is more useful as the polymer charge transport material used in the present invention include the following compounds.
The charge transport materials represented by the general formulas (1) to (6) are illustrated below and specific examples are shown below.
[0050]
[Chemical 6]
Where R1, R2, RThreeEach independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group or a halogen atom;FourRepresents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group, RFive , R6 Represents a substituted or unsubstituted aryl group. O, p, q are each independently an integer of 0-4, k, j represents a composition, 0.1 ≦ k ≦ 1, 0 ≦ j ≦ 0.9, and n represents the number of repeating units, It is an integer of 5 to 5000. X represents an aliphatic divalent group, a cycloaliphatic divalent group, or a divalent group represented by the following general formula.
[0051]
[Chemical 7]
Where R101, R102Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group, aryl group or halogen atom. l and m represent an integer of 0 to 4, Y represents a single bond, a linear, branched or cyclic alkylene group having 1 to 12 carbon atoms, -O-, -S-, -SO-, -SO2-, -CO-, -CO-O-Z-O-CO- (wherein Z represents an aliphatic divalent group), or
[0052]
[Chemical 8]
(Wherein, a represents an integer of 1 to 20, b represents an integer of 1 to 2000, R103, R104Represents a substituted or unsubstituted alkyl group or aryl group. ). Where R101And R102, R103And R104May be the same or different.
[0053]
Specific example of general formula (1)
R1, R2, RThreeEach independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group or a halogen atom, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
As an alkyl group, preferably C1~ C12C in particular1~ C8, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, s-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
Examples of the halogen atom include a fluorine atom, a chlorine atom, a bromine atom, and an iodine atom.
[0054]
RFourRepresents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group. Specific examples of the alkyl group include the above R1, R2, RThreeThe same thing is mentioned.
[0055]
RFive, R6Represents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
As aromatic hydrocarbon group, phenyl group, condensed polycyclic group as naphthyl group, pyrenyl group, 2-fluorenyl group, 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, azulenyl group, anthryl group, triphenylenyl group, chrysenyl group, Examples of the fluorenylidenephenyl group, 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, and non-condensed polycyclic groups include a biphenylyl group and a terphenylyl group.
Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
[0056]
The above aryl group may have the following groups as substituents.
(1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. As the alkyl group, the above R1, R2, RThreeThe same thing is mentioned.
(3) Alkoxy group. Alkoxy group (-OR105) As R105Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, s-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
(5) A substituted mercapto group or an aryl mercapto group. Specific examples of the substituted mercapto group or aryl mercapto group include a methylthio group, an ethylthio group, a phenylthio group, and a p-methylphenylthio group.
(6) An alkyl-substituted amino group. As the alkyl-substituted amino group, the alkyl group represents the alkyl group defined in (2). Specific examples include a dimethylamino group, a diethylamino group, an N-methyl-N-propylamino group, and an N, N-dibenzylamino group.
(7) Acyl group. Specific examples of the acyl group include an acetyl group, a propionyl group, a butyryl group, a malonyl group, and a benzoyl group.
[0057]
X is introduced into the main chain by using a diol compound of the following general formula (B) together with the diol compound of the following general formula (B) when polymerizing a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (A) using the phosgene method, transesterification method or the like. Is done. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction of a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (A) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0058]
[Chemical 9]
[0059]
[Chemical Formula 10]
[0060]
Specific examples of the diol compound of the general formula (B) include the following.
1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, 1,8-octanediol, 1,10-decanediol, 2-methyl-1,3- Aliphatic diols such as propanediol, 2,2-dimethyl-1,3-propanediol, 2-ethyl-1,3-propanediol, diethylene glycol, triethylene glycol, polyethylene glycol, polytetramethylene ether glycol, Examples include cycloaliphatic diols such as 4-cyclohexanediol, 1,3-cyclohexanediol, and cyclohexane-1,4-dimethanol.
[0061]
Examples of the diol having an aromatic ring include 4,4′-dihydroxydiphenyl, bis (4-hydroxyphenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, and 1,1-bis (4-hydroxyphenyl). ) -1-phenylethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) propane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclopentane, 2,2-bis (3-phenyl-4-hydroxyphenyl) propane, 2,2-bis (3-isopropyl-4-hydroxyphenyl) propane, 2, 2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2,2-bis (3,5-dimethyl-4-hydroxyphenyl) pro 2,2-bis (3,5-dibromo-4-hydroxyphenyl) propane, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfoxide, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 3, 3′-dimethyl-4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4′-dihydroxydiphenyl oxide, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) hexafluoropropane, 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) xanthene, ethylene glycol-bis (4-hydroxybenzoate), diethylene glycol-bis (4-hydroxybenzoate), triethylene glycol-bis (4-hydroxybenzoate), 1,3 -Bis (4-H Rokishifeniru) - tetramethyldisiloxane, phenol-modified silicone oils.
[0062]
Embedded image
Where R7, R8Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar1, Ar2, ArThreeRepresent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as those in the general formula (1).
[0063]
Specific example of general formula (2)
R7, R8Represents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
[0064]
Aromatic hydrocarbon group. As an aromatic hydrocarbon group, a phenyl group, a condensed polycyclic group as a naphthyl group, a pyrenyl group, a 2-fluorenyl group, a 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, an azulenyl group, an anthryl group, a triphenylenyl group, a chrysenyl group, A fluorenylidenephenyl group, a 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, a non-condensed polycyclic group such as a biphenylyl group, a terphenylyl group, or
[0065]
Embedded image
(W is -O-, -S-, -SO-, -SO2-, -CO-, and the following divalent groups are represented. )
[0066]
Embedded image
[0067]
Embedded image
[0068]
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[0069]
Embedded image
It is represented by
[0070]
Heterocyclic group. Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
Ar1, Ar2And ArThreeThe arylene group represented by R is R7And R8The bivalent group of the aryl group shown by these is mentioned, You may be same or different.
[0071]
The above aryl group and arylene group may have the following groups as substituents. These substituents are R in the above general formula.106, R107, R108It is expressed as a specific example.
(1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. The alkyl group is preferably C.1~ C12C in particular1~ C18, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, sec-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
(3) Alkoxy group (-OR109). Alkoxy group (-OR109) As R109Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, sec-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
(5) A substituted mercapto group or an aryl mercapto group. Specific examples of the substituted mercapto group or aryl mercapto group include a methylthio group, an ethylthio group, a phenylthio group, and a p-methylphenylthio group.
(6) A substituted amino group represented by the following formula:
[0072]
Embedded image
Where R110And R111Each independently represents an alkyl group or an aryl group defined in (2), and examples of the aryl group include a phenyl group, a biphenyl group, and a naphthyl group.1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. A ring may be formed together with a carbon atom on the aryl group. Specifically, diethylamino group, N-methyl-N-phenylamino group, N, N-diphenylamino group, N, N-di (p-tolyl) amino group, dibenzylamino group, piperidino group, morpholino group, Examples include a yurolidyl group.
(7) An alkylenedioxy group or an alkylenedithio group such as a methylenedioxy group or a methylenedithio group.
[0073]
X is introduced into the main chain by using the diol compound of the following general formula (B) together with the diol compound of the following general formula (B) when polymerizing the diol compound having the triarylamino group of the following general formula (C) using the phosgene method, transesterification method or the like. Is done. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction of a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (C) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0074]
Embedded image
[0075]
Embedded image
Examples of the diol compound of the general formula (B) are the same as those of the general formula (1).
[0076]
Embedded image
Where R9, RTenIs a substituted or unsubstituted aryl group, ArFour, ArFive, Ar6Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as those in the general formula (1).
[0077]
Specific example of general formula (3)
R9, RTenRepresents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
[0078]
Aromatic hydrocarbon group. As aromatic hydrocarbon group, phenyl group, condensed polycyclic group as naphthyl group, pyrenyl group, 2-fluorenyl group, 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, azulenyl group, anthryl group, triphenylenyl group, chrysenyl group, Examples of the fluorenylidenephenyl group, 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, and non-condensed polycyclic groups include a biphenylyl group and a terphenylyl group.
[0079]
Heterocyclic group. Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
[0080]
ArFour, ArFiveAnd Ar6The arylene group represented by R is R9And RTenThe bivalent group of the aryl group shown by these is mentioned, You may be same or different. The above aryl group and arylene group may have the following groups as substituents. (1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. The alkyl group is preferably C.1~ C12C in particular1~ C8, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, sec-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
(3) Alkoxy group (-OR112). Alkoxy group (-OR112) As R112Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, s-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
(5) A substituted mercapto group or an aryl mercapto group. Specific examples of the substituted mercapto group or aryl mercapto group include a methylthio group, an ethylthio group, a phenylthio group, and a p-methylphenylthio group.
(6) An alkyl-substituted amino group. As the alkyl-substituted amino group, the alkyl group represents the alkyl group defined in (2). Specific examples include a dimethylamino group, a diethylamino group, an N-methyl-N-propylamino group, and an N, N-dibenzylamino group.
(7) Acyl group; Specific examples include an acetyl group, a propionyl group, a butyryl group, a malonyl group, and a benzoyl group.
[0081]
X is obtained by polymerizing a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (D) by using a phosgene method, a transesterification method or the like, and using the diol compound of the following general formula (B) in the main chain. be introduced. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction of a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (D) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0082]
Embedded image
[0083]
Embedded image
Examples of the diol compound of the general formula (B) include the same compounds as those in the general formula (1).
[0084]
Embedded image
Where R11, R12Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar7, Ar8, Ar9Are the same or different arylene groups, and s represents an integer of 1 to 5. X, k, j and n are the same as those in the general formula (1).
[0085]
Specific example of general formula (4)
R11, R12Represents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
[0086]
Aromatic hydrocarbon group. As aromatic hydrocarbon group, phenyl group, condensed polycyclic group as naphthyl group, pyrenyl group, 2-fluorenyl group, 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, azulenyl group, anthryl group, triphenylenyl group, chrysenyl group, Examples of the fluorenylidenephenyl group, 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, and non-condensed polycyclic groups include a biphenylyl group and a terphenylyl group.
[0087]
Heterocyclic group. Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
[0088]
Ar7, Ar8And Ar9The arylene group represented by R is R11and
R12The bivalent group of the aryl group shown by these is mentioned, You may be same or different.
The above aryl group and arylene group may have the following groups as substituents.
(1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. The alkyl group is preferably C.1~ C12C in particular1~ C8, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, sec-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
(3) Alkoxy group (-OR113). Alkoxy group (-OR113) As R113Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, s-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
(5) A substituted mercapto group or an aryl mercapto group. Specific examples of the substituted mercapto group or aryl mercapto group include a methylthio group, an ethylthio group, a phenylthio group, and a p-methylphenylthio group.
(6) An alkyl-substituted amino group. As the alkyl-substituted amino group, the alkyl group represents the alkyl group defined in (2). Specific examples include a dimethylamino group, a diethylamino group, an N-methyl-N-propylamino group, and an N, N-dibenzylamino group.
(7) Acyl group. Specific examples of the acyl group include an acetyl group, a propionyl group, a butyryl group, a malonyl group, and a benzoyl group.
[0089]
X is obtained by polymerizing a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (E) by using a phosgene method, a transesterification method, or the like, and using the diol compound of the following general formula (B) in the main chain. be introduced. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction of a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (E) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0090]
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[0091]
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Examples of the diol compound of the general formula (B) are the same as those of the general formula (1).
[0092]
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Where R15, R16, R17, R18Is a substituted or unsubstituted aryl group, Ar13, Ar14, Ar15, Ar16Are the same or different arylene groups, Y1, Y2, YThreeRepresents a single bond, a substituted or unsubstituted alkylene group, a substituted or unsubstituted cycloalkylene group, a substituted or unsubstituted alkylene ether group, an oxygen atom, a sulfur atom, or a vinylene group, which may be the same or different. . X, k, j and n are the same as those in the general formula (1).
[0093]
Specific example of general formula (5)
R15, R16, R17, R18Represents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
[0094]
Aromatic hydrocarbon group. As aromatic hydrocarbon group, phenyl group, condensed polycyclic group as naphthyl group, pyrenyl group, 2-fluorenyl group, 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, azulenyl group, anthryl group, triphenylenyl group, chrysenyl group, Examples of the fluorenylidenephenyl group, 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, and non-condensed polycyclic groups include a biphenylyl group and a terphenylyl group.
[0095]
Heterocyclic group. Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
[0096]
Ar13, Ar14, Ar15And Ar16The arylene group represented by R is R15, R16, R17And R18The above-mentioned divalent group of the aryl group shown above is mentioned, and they may be the same or different.
The above aryl group and arylene group may have the following groups as substituents.
(1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. The alkyl group is preferably C.1~ C12C in particular1~ C8, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, sec-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
(3) Alkoxy group (-OR115). Alkoxy group (-OR115) As R115Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, sec-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
[0097]
Y1, Y2, YThreeRepresents a single bond, a substituted or unsubstituted alkylene group, a substituted or unsubstituted cycloalkylene group, a substituted or unsubstituted alkylene ether group, an oxygen atom, a sulfur atom, or a vinylene group, which may be the same or different. Good.
[0098]
An alkylene group. The alkylene group represents a divalent group derived from the alkyl group shown in (2) above. Specifically, methylene group, ethylene group, 1,3-propylene group, 1,4-butylene group, 2-methyl-1,3-propylene group, difluoromethylene group, hydroxyethylene group, cyanoethylene group, methoxyethylene Group, phenylmethylene group, 4-methylphenylmethylene group, 2,2-propylene group, 2,2-butylene group, diphenylmethylene group and the like.
[0099]
A cycloalkylene group; Examples of the cycloalkylene group include 1,1-cyclopentylene group, 1,1-cyclohexylene group, 1,1-cyclooctylene group and the like.
[0100]
Alkylene ether group. Examples of the alkylene ether group include a dimethylene ether group, a diethylene ether group, an ethylene methylene ether group, a bis (triethylene) ether group, and a polytetramethylene ether group.
[0101]
X is introduced into the main chain by using the diol compound of the following general formula (B) together with the diol compound of the following general formula (B) when the diol compound having the triarylamino group of the following general formula (G) is polymerized using the phosgene method, transesterification method or the like. Is done. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction of a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (G) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0102]
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[0103]
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Examples of the diol compound of the general formula (B) include the same compounds as those in the general formula (1).
[0104]
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Where Rtwenty two, Rtwenty three, Rtwenty four, Rtwenty fiveIs a substituted or unsubstituted aryl group, Artwenty four, Artwenty five, Ar26, Ar27, Ar28Represent the same or different arylene groups. X, k, j and n are the same as those in the general formula (1).
[0105]
Specific example of general formula (6)
Rtwenty two, Rtwenty three, Rtwenty four, Rtwenty fiveRepresents a substituted or unsubstituted aryl group, and specific examples thereof include the following, which may be the same or different.
[0106]
Aromatic hydrocarbon group. As aromatic hydrocarbon group, phenyl group, condensed polycyclic group as naphthyl group, pyrenyl group, 2-fluorenyl group, 9,9-dimethyl-2-fluorenyl group, azulenyl group, anthryl group, triphenylenyl group, chrysenyl group, Examples of the fluorenylidenephenyl group, 5H-dibenzo [a, d] cycloheptenylidenephenyl group, and non-condensed polycyclic groups include a biphenylyl group and a terphenylyl group.
[0107]
Heterocyclic group. Examples of the heterocyclic group include a thienyl group, a benzothienyl group, a furyl group, a benzofuranyl group, and a carbazolyl group.
[0108]
Artwenty four, Artwenty five, Ar26, Ar27And Ar28The arylene group represented by R is Rtwenty two, Rtwenty three, Rtwenty fourAnd Rtwenty fiveThe above-mentioned divalent group of the aryl group shown above is mentioned, and they may be the same or different.
The above aryl group and arylene group may have the following groups as substituents.
(1) Halogen atom, trifluoromethyl group, cyano group, nitro group.
(2) An alkyl group. The alkyl group is preferably C.1~ C12C in particular1~ C8, More preferably C1~ CFourThese alkyl groups are further a fluorine atom, a hydroxyl group, a cyano group, C1~ CFourAn alkoxy group, a phenyl group, or a halogen atom,1~ CFourAlkyl group or C1~ CFourA phenyl group substituted with an alkoxy group may be contained. Specifically, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, t-butyl group, sec-butyl group, n-butyl group, i-butyl group, trifluoromethyl group, 2-hydroxyethyl Group, 2-cyanoethyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-methoxyethyl group, benzyl group, 4-chlorobenzyl group, 4-methylbenzyl group, 4-methoxybenzyl group, 4-phenylbenzyl group and the like.
(3) Alkoxy group (-OR118). Alkoxy group (-OR118) As R118Represents an alkyl group defined in (2). Specifically, methoxy group, ethoxy group, n-propoxy group, i-propoxy group, t-butoxy group, n-butoxy group, sec-butoxy group, i-butoxy group, 2-hydroxyethoxy group, 2-cyano Examples include ethoxy group, benzyloxy group, 4-methylbenzyloxy group, trifluoromethoxy group and the like.
(4) Aryloxy group. Examples of the aryloxy group include a phenyl group and a naphthyl group as the aryl group. This is C1~ CFourAn alkoxy group of1~ CFourThese alkyl groups or halogen atoms may be contained as a substituent. Specific examples include phenoxy group, 1-naphthyloxy group, 2-naphthyloxy group, 4-methylphenoxy group, 4-methoxyphenoxy group, 4-chlorophenoxy group, 6-methyl-2-naphthyloxy group and the like. It is done.
(5) A substituted mercapto group or an aryl mercapto group. Specific examples of the substituted mercapto group or aryl mercapto group include a methylthio group, an ethylthio group, a phenylthio group, and a p-methylphenylthio group.
(6) An alkyl-substituted amino group. As the alkyl-substituted amino group, the alkyl group represents the alkyl group defined in (2). Specific examples include a dimethylamino group, a diethylamino group, an N-methyl-N-propylamino group, and an N, N-dibenzylamino group.
(7) Acyl group. Specific examples of the acyl group include an acetyl group, a propionyl group, a butyryl group, a malonyl group, and a benzoyl group.
[0109]
X is introduced into the main chain by using the diol compound of the following general formula (B) together with the diol compound of the following general formula (B) when the diol compound having the triarylamino group of the following general formula (L) is polymerized using the phosgene method, transesterification method, etc. Is done. In this case, the manufactured polycarbonate resin is a random copolymer or a block copolymer. X is also introduced into the repeating unit by a polymerization reaction between a diol compound having a triarylamino group of the following general formula (L) and a bischloroformate derived from the following general formula (B). In this case, the produced polycarbonate becomes an alternating copolymer.
[0110]
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[0111]
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Examples of the diol compound of the general formula (B) are the same as those of the general formula (1).
[0112]
Other polycarbonates having a triarylamine structure in the branched chain are disclosed in JP-A-6-234838, JP-A-6-234839, JP-A-6-295077, JP-A-7-325409, JP-A-9. Examples thereof include compounds described in JP-A No. 297419, JP-A-9-80783, JP-A-9-80784, JP-A-9-80772, and JP-A-9-265201.
[0113]
Among polymer charge transport materials, a repeating unit having an electrically inactive structure refers to a monomer having a chemical structure that does not exhibit photoconductivity, such as a triarylamine structure. Typical examples thereof include the repeating units described in the general formula (B).
[0114]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the electrophotographic photoreceptor used in the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a sectional view schematically showing an example of the electrophotographic photosensitive member of the present invention, in which a photosensitive layer (24) is provided on a conductive support (21).
FIG. 2 is a cross-sectional view schematically showing an electrophotographic photosensitive member having another configuration, in which a photosensitive layer comprising a charge generation layer (22) and a charge transport layer (23) laminated on a conductive support (21). A layer (24) is provided.
FIG. 3 is a cross-sectional view schematically showing an electrophotographic photosensitive member of another configuration, in which an undercoat layer (25) is provided between the conductive support (21) and the photosensitive layer (24).
FIG. 4 is a sectional view schematically showing an electrophotographic photosensitive member of still another configuration, in which a protective layer (26) is provided on the photosensitive layer (24).
FIG. 5 is a cross-sectional view schematically showing an electrophotographic photosensitive member of still another configuration, in which an undercoat layer (25) is provided between the conductive support (21) and the photosensitive layer (24). A protective layer (26) is provided on the layer (24).
[0115]
The conductive support (21) has a volume resistance of 10TenA film that exhibits conductivity of Ω · cm or less, such as a metal such as aluminum, nickel, chromium, nichrome, copper, silver, gold, platinum, or iron, or an oxide such as tin oxide or indium oxide by vapor deposition or sputtering. Alternatively, a cylindrical plastic, paper or the like, or a plate made of aluminum, aluminum alloy, nickel, stainless steel or the like, and a drawing ironing method, an impact ironing method, an extracted ironing method, an extruded drawing method, an extrusion method, an extraction method, etc. After forming the tube, a tube that has been surface-treated by cutting, superfinishing, polishing, or the like can be used.
[0116]
The photosensitive layer (24) in the present invention may be a single layer type in which a charge generation material is dispersed in a charge transport layer, or a laminate type in which a charge generation layer and a charge transport layer are sequentially stacked. First, the laminated type will be described.
[0117]
Of the layers in the multilayer photoconductor, the charge generation layer (22) will be described first. The charge generation layer (22) is a layer mainly composed of a charge generation material, and a binder resin may be used as necessary. As the charge generation material, inorganic materials and organic materials can be used.
Inorganic materials include crystalline selenium, amorphous selenium, selenium-tellurium, selenium-tellurium-halogen, selenium-arsenic compounds, amorphous silicon, and the like. In amorphous silicon, dangling bonds terminated with hydrogen atoms or halogen atoms, or doped with boron atoms, phosphorus atoms or the like are preferably used.
[0118]
On the other hand, a known material can be used as the organic material. For example, phthalocyanine pigments such as metal phthalocyanine and metal-free phthalocyanine, azulenium salt pigments, squaric acid methine pigments, azo pigments having carbazole skeleton, azo pigments having triphenylamine skeleton, azo pigments having diphenylamine skeleton, dibenzothiophene skeleton Azo pigments having fluorenone skeleton, azo pigments having oxadiazole skeleton, azo pigments having bis-stilbene skeleton, azo pigments having distyryl oxadiazole skeleton, azo pigments having distyrylcarbazole skeleton, perylene Pigments, anthraquinone or polycyclic quinone pigments, quinoneimine pigments, diphenylmethane and triphenylmethane pigments, benzoquinone and naphthoquinone pigments, cyanine and azomethine pigments, Jigoido based pigments, and bisbenzimidazole pigments. These charge generation materials can be used alone or as a mixture of two or more.
[0119]
The binder resin used as necessary for the charge generation layer (22) includes polyamide, polyurethane, epoxy resin, polyketone, polycarbonate, silicone resin, acrylic resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl ketone, polystyrene, poly-N-. Vinyl carbazole, polyacrylamide, etc. are used. These binder resins can be used alone or as a mixture of two or more. In addition to the binder resin described above, the above-described polymer charge transport material can be used as the binder resin for the charge generation layer. Furthermore, you may add a low molecular charge transport material as needed.
[0120]
Low molecular charge transport materials that can be used in combination with the charge generation layer (22) include hole transport materials and electron transport materials.
Examples of the electron transporting material include chloroanil, bromoanil, tetracyanoethylene, tetracyanoquinodimethane, 2,4,7-trinitro-9-fluorenone, 2,4,5,7-tetranitro-9-fluorenone, 2,4 , 5,7-tetranitroxanthone, 2,4,8-trinitrothioxanthone, 2,6,8-trinitro-4H-indeno [1,2-b] thiophen-4-one, 1,3,7-tri Examples thereof include electron accepting substances such as nitrodibenzothiophene-5,5-dioxide. These electron transport materials can be used alone or as a mixture of two or more.
[0121]
Examples of the hole transporting material include the electron donating materials shown below and are used favorably. For example, oxazole derivatives, oxadiazole derivatives, imidazole derivatives, triphenylamine derivatives, 9- (p-diethylaminostyrylanthracene), 1,1-bis- (4-dibenzylaminophenyl) propane, styrylanthracene, styrylpyrazoline , Phenylhydrazones, α-phenylstilbene derivatives, thiazole derivatives, triazole derivatives, phenazine derivatives, acridine derivatives, benzofuran derivatives, benzimidazole derivatives, thiophene derivatives, and the like. These hole transport materials can be used alone or as a mixture of two or more.
[0122]
As a method for forming the charge generation layer (22), a vacuum thin film preparation method and a casting method from a solution dispersion system can be largely mentioned.
As the former method, a vacuum deposition method, a glow discharge decomposition method, an ion plating method, a sputtering method, a reactive sputtering method, a CVD method, or the like is used, and the above-described inorganic materials and organic materials can be satisfactorily formed.
Further, in order to provide a charge generation layer by a casting method described later, the above-described inorganic or organic charge generation material is ball milled using a solvent such as tetrahydrofuran, cyclohexanone, dioxane, dichloroethane, butanone together with a binder resin if necessary. It can be formed by dispersing with an attritor, sand mill or the like, and applying the solution after diluting the dispersion appropriately. The coating can be performed using a dip coating method, a spray coating method, a bead coating method, or the like.
The thickness of the charge generation layer provided as described above is suitably about 0.01 to 5 μm, preferably 0.05 to 2 μm.
[0123]
Next, the charge transport layer (23) will be described.
The charge transport layer (23) has at least charge transport ability, Taber abrasion is 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of the charge transport layer is 200 g · m.-2・ 24h− 1In particular, the polymer charge transport materials listed above are preferably used.
Each value of the Taber abrasion amount and the water vapor transmission rate of the charge transport layer can be obtained by directly peeling the sheet from the sheet-shaped or drum-shaped photoreceptor and using it for the test. Moreover, each value can also be calculated | required by producing the single film | membrane of the charge transport layer matched with the film thickness of the charge transport layer actually used, and using for a test.
Dissolve or disperse a mixture composed mainly of a low molecular charge transport material and a binder resin (polymer compound), a polymer charge transport material, or a mixture composed mainly of a polymer charge transport material in an appropriate solvent. It can be formed by coating and drying.
Examples of the material that can be used as the low molecular charge transport material include the above-described hole transport materials and electron transport materials.
[0124]
Examples of the polymer compound that can be used as the binder resin include polystyrene, styrene / acrylonitrile copolymer, styrene / butadiene copolymer, styrene / maleic anhydride copolymer, polyester, polyvinyl chloride, and vinyl chloride / acetic acid. Vinyl copolymer, polyvinyl acetate, polyvinylidene chloride, polyarylate resin, polycarbonate, cellulose acetate resin, ethyl cellulose resin, polyvinyl butyral, polyvinyl formal, polyvinyl toluene, acrylic resin, silicone resin, fluorine resin, epoxy resin, melamine resin, A thermoplastic resin such as a urethane resin, a phenol resin, and an alkyd resin, or a thermosetting resin may be used, but the present invention is not limited thereto.
[0125]
These polymer compounds are compounds that do not exhibit photoconductivity like polymer charge transport materials, and in the present invention, these polymer compounds are referred to as electrically inactive polymer compounds.
[0126]
The aforementioned compound is used as the polymer charge transport material. If necessary, a low-molecular compound such as an antioxidant, a plasticizer, a lubricant, an ultraviolet absorber, a low-molecular charge transporting material, and a leveling agent can be added. These compounds can be used alone or as a mixture of two or more. The amount of the low molecular compound used is 0.1 to 200 parts by weight, preferably 0.1 to 30 parts by weight, based on 100 parts by weight of the polymer compound, and the amount of the leveling agent used is 100 parts by weight of the polymer compound. About 0.001 to 5 parts by weight is appropriate. The film thickness of the charge transport layer (23) is suitably about 5 to 100 μm, and 10 to 20 μm is appropriate when resolution is required.
If necessary, the charge transporting layer can contain two or more kinds of polymer compounds. In this case, two or more kinds of polymer charge transport materials can be contained in the charge transport layer.
By containing two or more kinds of polymer compounds, it becomes possible to control the wear resistance and water vapor permeability of the charge transport layer.
[0127]
Next, the case where the photosensitive layer (24) has a single layer structure will be described.
The single-layer type photosensitive layer (24) has a wear amount on the surface of the photoreceptor when a Taber abrasion test is performed with a Taber abrasion tester equipped with at least a CS-10 abrasion wheel and a load of 250 gf and a rotation speed of 1000 rpm at 1000 rpm. 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of this photoreceptor is 200 g · m.-2・ 24h-1The following layer is formed by dissolving or dispersing in a suitable solvent, coating and drying.
[0128]
The above-mentioned materials can be used for the charge generation material and the charge transport material used for the single-layer type photosensitive layer.
Further, if necessary, an antioxidant, a plasticizer, a lubricant, an ultraviolet absorber and a leveling agent can be added. Furthermore, as a binder resin that can be used as necessary, the binder resin mentioned in the charge generation layer (22) is used in addition to the binder resin mentioned in the charge transport layer (23) as it is. May be. The film thickness of the single-layer photoconductor is suitably about 5 to 100 μm, and preferably about 10 to 20 μm.
[0129]
In the electrophotographic photoreceptor used in the present invention, an undercoat layer (25) can be provided between the conductive support (21) and the photosensitive layer (24), and the undercoat layer (25) is bonded to the electrophotographic photoreceptor. It is provided for the purpose of improving the property, preventing moire, improving the coating property of the upper layer, reducing the residual potential, and preventing the charge injection from the conductive support. The undercoat layer (25) generally has a resin as a main component, but these resins are resins having high solubility resistance to general organic solvents in consideration of applying a photosensitive layer thereon with a solvent. It is desirable.
[0130]
Examples of such resins include water-soluble resins such as polyvinyl alcohol, casein, and sodium polyacrylate, alcohol-soluble resins such as copolymer nylon and methoxymethylated nylon, polyurethane, melamine resins, alkyd-melamine resins, and epoxy resins. Examples thereof include curable resins that form a three-dimensional network structure. Further, fine powders such as metal oxides exemplified by titanium oxide, silica, alumina, zirconium oxide, tin oxide, indium oxide and the like, or metal sulfides and metal nitrides may be added. These undercoat layers (25) can be formed using an appropriate solvent and coating method as in the above-described photosensitive layer.
[0131]
Furthermore, a metal oxide layer formed by using, for example, a sol-gel method using a silane coupling agent, a titanium coupling agent, a chromium coupling agent, or the like is also useful as the undercoat layer (25) of the present invention. .
[0132]
In addition, the undercoat layer (25) of the present invention includes Al.2OThreePrepared by anodic oxidation, organic matter such as polyparaxylylene (parylene), SiO, SnO2 ,TiO2 ,ITO, CeO2A material provided with an inorganic material such as a vacuum thin film can also be used favorably. The thickness of the undercoat layer is suitably from 0 to 5 μm.
[0133]
In the electrophotographic photoreceptor of the present invention, a protective layer (26) may be provided on the photosensitive layer (24) for the purpose of protecting the photosensitive layer. Materials used for this include ABS resin, ACS resin, olefin / vinyl monomer copolymer, chlorinated polyether, allyl resin, phenol resin, polyacetal, polyamide, polyamideimide, polyacrylate, polyallylsulfone, polybutylene, Polybutylene terephthalate, polycarbonate, polyethersulfone, polyethylene, polyethylene terephthalate, polyimide, acrylic resin, polymethylpentene, polypropylene, polyphenylene oxide, polysulfone, AS resin, AB resin, BS resin, polyurethane, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, Resins such as epoxy resins can be used.
[0134]
Other protective layers include fluorine resins such as polytetrafluoroethylene, silicone resins, and those in which inorganic materials such as titanium oxide, tin oxide, and potassium titanate are dispersed in these resins for the purpose of improving wear resistance. Can be added.
As a method for forming the protective layer (26), a normal coating method is employed. In addition, about 0.5-10 micrometers is suitable for the thickness of a protective layer. In addition to the above, known materials such as i-C and a-SiC formed by a vacuum thin film manufacturing method can also be used as the protective layer.
Further, if necessary, a charge transport material, an antioxidant, a plasticizer, a lubricant, an ultraviolet absorber and a leveling agent can be added.
[0135]
In the present invention, in order to improve environmental resistance, an antioxidant, a plasticizer, a lubricant, an ultraviolet absorber, a low molecular charge transport material, Leveling agents can be added. Representative materials of these compounds are shown below.
[0136]
Examples of the antioxidant that can be used in each layer of the electrophotographic photoreceptor of the present invention include, but are not limited to, the following.
(A) Phenolic compounds
2,6-di-t-butyl-p-cresol, butylated hydroxyanisole, 2,6-di-t-butyl-4-ethylphenol, n-octadecyl-3- (4′-hydroxy-3 ′, 5 '-Di-t-butylphenol) propionate, 2,2'-methylene-bis- (4-methyl-6-t-butylphenol), 2,2'-methylene-bis- (4-ethyl-6-t-butylphenol) ), 4,4′-thiobis- (3-methyl-6-tert-butylphenol), 4,4′-butylidenebis- (3-methyl-6-tert-butylphenol), 1,1,3-tris- (2 -Methyl-4-hydroxy-5-t-butylphenyl) butane, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, teto Kiss- [methylene-3- (3 ′, 5′-di-t-butyl-4′-hydroxyphenyl) propionate] methane, bis [3,3′-bis (4′-hydroxy-3′-t) -Butylphenyl) butyric acid] glycol ester, tocopherols and the like.
[0137]
(B) Paraphenylenediamines
N-phenyl-N'-isopropyl-p-phenylenediamine, N, N'-di-sec-butyl-p-phenylenediamine, N-phenyl-N-sec-butyl-p-phenylenediamine, N, N'- Di-isopropyl-p-phenylenediamine, N, N′-dimethyl-N, N′-di-t-butyl-p-phenylenediamine and the like.
[0138]
(C) Hydroquinones
2,5-di-t-octylhydroquinone, 2,6-didodecylhydroquinone, 2-dodecylhydroquinone, 2-dodecyl-5-chlorohydroquinone, 2-t-octyl-5-methylhydroquinone, 2- (2-octadecenyl) ) -5-methylhydroquinone and the like.
[0139]
(D) Organic sulfur compounds
Dilauryl-3,3'-thiodipropionate, distearyl-3,3'-thiodipropionate, ditetradecyl-3,3'-thiodipropionate, and the like.
[0140]
(E) Organophosphorus compounds
Triphenylphosphine, tri (nonylphenyl) phosphine, tri (dinonylphenyl) phosphine, tricresylphosphine, tri (2,4-dibutylphenoxy) phosphine, and the like.
[0141]
Examples of the plasticizer that can be used in each layer of the electrophotographic photoreceptor of the present invention include, but are not limited to, the following.
(A) Phosphate ester plasticizer
Triphenyl phosphate, tricresyl phosphate, trioctyl phosphate, octyl diphenyl phosphate, trichlorethyl phosphate, cresyl diphenyl phosphate, tributyl phosphate, tri-2-ethylhexyl phosphate, triphenyl phosphate and the like.
[0142]
(B) Phthalate ester plasticizer
Dimethyl phthalate, diethyl phthalate, diisobutyl phthalate, dibutyl phthalate, diheptyl phthalate, di-2-ethylhexyl phthalate, diisooctyl phthalate, di-n-octyl phthalate, dinonyl phthalate, diisononyl phthalate, phthalic acid Diisodecyl, diundecyl phthalate, ditridecyl phthalate, dicyclohexyl phthalate, butyl benzyl phthalate, butyl lauryl phthalate, methyl oleyl phthalate, octyl decyl phthalate, dibutyl fumarate, dioctyl fumarate, etc.
[0143]
(C) Aromatic carboxylic ester plasticizer
Trioctyl trimellitic acid, tri-n-octyl trimellitic acid, octyl oxybenzoate, and the like.
[0144]
(D) Aliphatic dibasic acid ester plasticizer
Dibutyl adipate, di-n-hexyl adipate, di-2-ethylhexyl adipate, di-n-octyl adipate, n-octyl-n-decyl adipate, diisodecyl adipate, dicapryl adipate, diazeline 2-ethylhexyl, dimethyl sebacate, diethyl sebacate, dibutyl sebacate, di-n-octyl sebacate, di-2-ethylhexyl sebacate, di-2-ethoxyethyl sebacate, dioctyl succinate, diisodecyl succinate, Dioctyl tetrahydrophthalate, di-n-octyl tetrahydrophthalate and the like.
[0145]
(E) Fatty acid ester derivatives
Butyl oleate, glycerol monooleate, methyl acetylricinoleate, pentaerythritol ester, dipentaerythritol hexaester, triacetin, tributyrin and the like.
[0146]
(F) Oxyester plasticizer
Methyl acetyl ricinoleate, butyl acetyl ricinoleate, butyl phthalyl butyl glycolate, tributyl acetyl citrate and the like.
[0147]
(G) Epoxy plasticizer
Epoxidized soybean oil, epoxidized linseed oil, butyl epoxy stearate, decyl epoxy stearate, octyl epoxy stearate, benzyl epoxy stearate, dioctyl epoxy hexahydrophthalate, didecyl epoxy hexahydrophthalate and the like.
[0148]
(H) Dihydric alcohol ester plasticizer
Diethylene glycol dibenzoate, triethylene glycol di-2-ethylbutyrate, etc.
[0149]
(I) Chlorine-containing plasticizer
Chlorinated paraffin, chlorinated diphenyl, chlorinated fatty acid methyl, methoxychlorinated fatty acid methyl, etc.
[0150]
(J) Polyester plasticizer
Polypropylene adipate, polypropylene sebacate, polyester, acetylated polyester, etc.
[0151]
(K) Sulfonic acid derivative
p-toluenesulfonamide, o-toluenesulfonamide, p-toluenesulfoneethylamide, o-toluenesulfoneethylamide, toluenesulfone-N-ethylamide, p-toluenesulfone-N-cyclohexylamide and the like.
[0152]
(L) Citric acid derivative
Triethyl citrate, triethyl citrate citrate, tributyl citrate, tributyl acetyl citrate, tri-2-ethylhexyl acetyl citrate, acetyl citrate-n-octyldecyl and the like.
[0153]
(M) Other
Terphenyl, partially hydrogenated terphenyl, camphor, 2-nitrodiphenyl, dinonylnaphthalene, methyl abietate and the like.
[0154]
Examples of the lubricant that can be added to each layer of the electrophotographic photoreceptor of the present invention include, but are not limited to, the following.
(A) Hydrocarbon compounds
Liquid paraffin, paraffin wax, microwax, low-polymerized polyethylene, etc.
[0155]
(B) Fatty acid compounds
Lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, arachidic acid, behenic acid, etc.
[0156]
(C) Fatty acid amide compounds
Stearylamide, palmitylamide, oleinamide, methylenebisstearamide, ethylenebisstearamide, etc.
[0157]
(D) Ester compound
Lower alcohol esters of fatty acids, polyhydric alcohol esters of fatty acids, fatty acid polyglycol esters, and the like.
[0158]
(E) Alcohol compounds
Cetyl alcohol, stearyl alcohol, ethylene glycol, polyethylene glycol, polyglycerol, etc.
[0159]
(F) Metal soap
Lead stearate, cadmium stearate, barium stearate, calcium stearate, zinc stearate, magnesium stearate, etc.
[0160]
(G) Natural wax
Carnauba wax, candelilla wax, beeswax, whale wax, ibotarou, montan wax, etc.
[0161]
(H) Other
Silicone compounds, fluorine compounds, etc.
[0162]
Examples of the ultraviolet absorber that can be added to each layer of the electrophotographic photoreceptor of the present invention include, but are not limited to, the following.
(A) Benzophenone series
2-hydroxybenzophenone, 2,4-dihydroxybenzophenone, 2,2 ′, 4-trihydroxybenzophenone, 2,2 ′, 4,4′-tetrahydroxybenzophenone, 2,2′-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, and the like.
[0163]
(B) Salsylate type
Phenyl salicylate, 2,4-di-t-butylphenyl-3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzoate, and the like.
[0164]
(C) Benzotriazole type
(2′-hydroxyphenyl) benzotriazole, (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole, (2′-hydroxy-3′-tarsha) Ributyl-5'-methylphenyl) 5-chlorobenzotriazole
[0165]
(D) Cyanoacrylate type
Ethyl-2-cyano-3,3-diphenyl acrylate, methyl-2-carbomethoxy-3 (paramethoxy) acrylate, and the like.
[0166]
(E) Quencher (metal complex)
Nickel (2,2′-thiobis (4-t-octyl) phenolate) normal butylamine, nickel dibutyldithiocarbamate, nickel dibutyldithiocarbamate, cobalt dicyclohexyldithiophosphate and the like.
[0167]
(F) HALS (hindered amine)
Bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, 1- [2- [3- (3 5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxy] ethyl] -4- [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxy] -2,2,6 6-tetramethylpyridine, 8-benzyl-7,7,9,9-tetramethyl-3-octyl-1,3,8-triazaspiro [4,5] undecane-2,4-dione, 4-benzoyloxy- 2,2,6,6-tetramethylpiperidine and the like.
[0168]
As the low molecular charge transporting material that can be added to each layer of the electrophotographic photosensitive member of the present invention, the same materials as those described in the explanation of the charge generating layer (22) can be used.
[0169]
Examples of the leveling agent that can be added to each layer of the electrophotographic photoreceptor of the present invention include silicone oils such as dimethyl silicone oil and methylphenyl silicone oil, and polymers or oligomers having a perfluoroalkyl group in the side chain. However, it is not limited to these.
[0170]
Next, the electrophotographic apparatus used in the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 6 is a schematic view for explaining the electrophotographic process and the electrophotographic apparatus of the present invention, and the following modifications also belong to the category of the present invention.
In FIG. 6, an electrophotographic photoreceptor (11) is a photoreceptor in which the mass reduction of the photoreceptor surface layer due to Taber abrasion is 5.0 mg or less. The photoconductor (11) has a drum shape, but may be a sheet or endless belt. As the charging means (12), known means such as a corotron, a scorotron, a solid state charger (solid state charger), and a charging roller are used.
As the transfer means, the above charger can be generally used, but a combination of a transfer charger and a separation charger is effective.
[0171]
The light source used for the exposure means (13), the charge removal means (1A), etc. includes fluorescent lamps, tungsten lamps, halogen lamps, mercury lamps, sodium lamps, light emitting diodes (LEDs), semiconductor lasers (LDs), electroluminescence ( EL) in general. Various types of filters such as a sharp cut filter, a band-pass filter, a near-infrared cut filter, a dichroic filter, an interference filter, and a color temperature conversion filter can be used to irradiate only light in a desired wavelength range.
[0172]
The toner (15) developed on the photoreceptor by the developing means (14) is transferred to the image receiving medium (18), but not all is transferred, and toner remaining on the photoreceptor is also generated. Such toner is removed from the photoreceptor by the cleaning means (17). As the cleaning means, a rubber cleaning blade, a brush such as a fur brush, a mag fur brush, or the like can be used.
[0173]
When the electrophotographic photosensitive member is positively (negatively) charged and image exposure is performed, a positive (negative) electrostatic latent image is formed on the surface of the photosensitive member. If this is developed with toner of negative (positive) polarity (detection fine particles), a positive image can be obtained, and if developed with toner of positive (negative) polarity, a negative image can be obtained. A known method is applied to the developing unit, and a known method is also used for the charge eliminating unit.
[0174]
FIG. 7 shows another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention. The photoreceptor (11) is a photoreceptor in which the mass reduction of the photoreceptor surface layer due to Taber abrasion is 5.0 mg or less. Driven by drive means (1C), charged by charging means (12), image exposure by exposure means (13), development (not shown), transfer by transfer means (16), cleaning by pre-cleaning exposure means (1B). Pre-exposure, cleaning by the cleaning means (17), and static elimination by the static elimination means (1A) are repeated. In FIG. 7, light irradiation for pre-cleaning exposure is performed from the support side of the photoreceptor (in this case, the support is translucent).
[0175]
The above electrophotographic apparatus exemplifies an embodiment of the present invention, and other embodiments are of course possible. For example, in FIG. 7, the pre-cleaning exposure is performed from the support side, but this may be performed from the photosensitive layer side, or image exposure and neutralization light irradiation may be performed from the support side.
[0176]
On the other hand, the light irradiation process is illustrated as image exposure, pre-cleaning exposure, and static elimination exposure. In addition, the pre-transfer exposure, image exposure pre-exposure, and other known light irradiation processes are provided to irradiate the photoconductor. Can also be performed.
[0177]
The image forming means as described above may be fixedly incorporated in a copying machine, a facsimile machine, or a printer, but may be incorporated in these apparatuses in the form of a process cartridge. A process cartridge is a single device (part) that contains a photosensitive member and includes a charging unit, an exposure unit, a developing unit, a transfer unit, a cleaning unit, and a charge eliminating unit. There are many shapes and the like of the process cartridge, but a general example is the one shown in FIG. Also in this case, the photoconductor (11) in the present invention is a photoconductor in which the mass reduction of the photoconductor surface layer due to Taber abrasion is 5.0 mg or less.
[0178]
FIG. 9 shows another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention. In this electrophotographic apparatus, a charging unit (12), an exposure unit (13), black (Bk), cyan (C), magenta (M), and yellow (Y) are provided for each color toner around the photoreceptor (11). Developing means (14Bk), (14C), (14M), (14Y), an intermediate transfer belt (1F) as an intermediate transfer member, and a cleaning means (17) are arranged in this order. Here, the subscripts Bk, C, M, and Y shown in the figure correspond to the color of the toner, and are added or omitted as appropriate. The photoconductor (11) contains a polymer charge transport material in the photosensitive layer, and the photosensitivity when the photoconductor is rotated 1000 times at a load of 250 gf and a rotation speed of 60 rpm by a Taber abrasion tester equipped with a CS-10 abrasion wheel. The wear amount of the body surface layer is 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of the photosensitive layer is 200 g · m.-2・ 24h-1The following is an organic electrophotographic photoreceptor. Each color toner has a volume average particle size of 6 μm or less. Each color developing means (14Bk), (14C), (14M), (14Y) can be controlled independently, and only the color developing means for image formation is driven. The toner image formed on the photoreceptor (11) is transferred onto the intermediate transfer belt (1F) by the first transfer means (1D) disposed inside the intermediate transfer belt (1F). The first transfer means (1D) is disposed so as to be able to contact and separate from the photoconductor (11), and the intermediate transfer belt (1F) is brought into contact with the photoconductor (11) only during the transfer operation. The respective color images are sequentially formed, and the toner images superimposed on the intermediate transfer belt (1F) are collectively transferred to the image receiving medium (18) by the second transfer means (1E) and then fixed by the fixing means (19). The image is formed by fixing. The second transfer means (1E) is also arranged so as to be able to contact and separate from the intermediate transfer belt (1F), and abuts on the intermediate transfer belt (1F) only during the transfer operation.
[0179]
In the transfer drum type electrophotographic apparatus, since the toner images of the respective colors are sequentially transferred onto the transfer material electrostatically attracted to the transfer drum, there is a restriction on the transfer material that cannot be printed on cardboard, as shown in FIG. Such an intermediate transfer type electrophotographic apparatus is characterized in that the toner images of the respective colors are superimposed on the intermediate transfer body (1F), and thus the transfer material is not limited. Such an intermediate transfer method can be applied not only to the apparatus shown in FIG. 9 but also to the electrophotographic apparatus shown in FIGS. 6, 7, 8 and 10 described later.
[0180]
FIG. 10 shows another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention. This electrophotographic apparatus is of a type that uses four colors of yellow (Y), magenta (M), cyan (C), and black (Bk) as toner, and an image forming unit is provided for each color. In addition, photoconductors (11Y), (11M), (11C), and (11Bk) for each color are provided. The toner used in this electrophotographic apparatus has a volume average particle diameter of 6 μm or less, the photoreceptor contains a polymer charge transport material in the photosensitive layer, and is subjected to a Taber abrasion tester equipped with a CS-10 abrasion ring. , The wear amount of the surface layer of the photoreceptor when the rotation is 1000 at a load of 250 gf and a rotation speed of 60 rpm is 5.0 mg or less, and the water vapor permeability of the photosensitive layer is 200 g · m.-2・ 24h-1The following is an organic electrophotographic photoreceptor.
Around each of the photoreceptors (11Y), (11M), (11C), and (11Bk), a charging unit (12), an exposure unit (13), a developing unit (14), a cleaning unit (17), and the like are disposed. Has been. Further, a conveying transfer belt (1G) as a transfer material carrier that comes in contact with and separates from the transfer positions of the photosensitive members (11Y), (11M), (11C), and (11Bk) arranged on a straight line is a driving unit. (1C). A transfer means (16) is disposed at a transfer position facing each of the photoconductors (11Y), (11M), (11C), and (11Bk) across the transport transfer belt (1G).
The tandem type electrophotographic apparatus as shown in FIG. 10 has a photoconductor (11Y), (11M), (11C), and (11Bk) for each color, and a toner image of each color is transferred to the transport transfer belt (1G). Since the images are sequentially transferred to the held image receiving medium (18), it is possible to output a full color image at a much higher speed than a full color image forming apparatus having only one photoconductor.
[0181]
Next, an electrophotographic toner that can be used in the present invention will be described.
As the electrophotographic toner that can be used in the present invention, a known electrophotographic toner is used for any of a non-magnetic dry one-component toner, a magnetic dry one-component toner, a dry two-component developer, and a wet toner. In particular, when the toner has a volume average particle size of 6 μm or less, it is possible to effectively utilize the high durability of the electrophotographic photosensitive member according to the present invention as well as high image quality.
[0182]
The toner can be manufactured by various known methods or a combination thereof. For example, in the kneading-pulverization method, a binder resin and a colorant such as carbon black and the necessary additives are dry-mixed, heated and melt-kneaded with an extruder or two-roll, three-roll, etc., and after cooling and solidification Then, the toner is pulverized by a pulverizer such as a jet mill and classified by an airflow classifier. It is also possible to produce a toner directly from a monomer, a colorant, and an additive by a suspension polymerization method or a non-aqueous dispersion polymerization method.
[0183]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to a following example. In addition, all the parts used in an Example represent a weight part.
First, a method for measuring physical properties according to the present invention will be described.
<Taber abrasion test>
A polyamide resin (Toray; CM8000) is applied as an adhesive layer on an Al plate with a smooth surface, about 0.7 μm, and a coating solution prepared by the formulation described later is applied thereon, and a 13 μm charge transport layer is laminated. This was used as a sample for the Taber abrasion test.
The abrasion test was performed by a rotary ablation tester manufactured by Toyo Seiki Seisakusho. The wear wheel CS-10 was selected. The rotation speed of the turntable was 60 rpm and the load was 250 gf. The test was performed three times, and the average value of the mass loss before and after the test was calculated and used as the amount of wear (mg).
[0184]
<Water vapor permeability measurement>
A charge transport layer coating solution prepared according to a formulation described later was applied onto an Al plate having a smooth surface to prepare a charge transport layer for measuring water vapor permeability. The charge transport layer for measuring the water vapor transmission rate was prepared so as to have the same thickness as that of the charge transport layer at the time of producing the photoreceptor. The charge transport layer was peeled off from the Al plate, and the water vapor transmission rate was measured with a water vapor transmission rate measuring device L80-4000 (manufactured by LYSSY). The measurement method and measurement conditions are shown below.
[0185]
Measuring method
The moisture sensitivity sensor method according to “Test method of water vapor permeability of plastic film and sheet (mechanical measurement method) JIS K7129” was used.
Measurement condition
Measurement temperature: 40 ± 0.5 ° C
[0186]
<Film thickness measurement>
The film thickness was measured at an interval of 1 cm in the longitudinal direction of the photosensitive drum by an eddy current type film thickness measuring device FISCHER SCOPE mms (manufactured by Fischer), and the average value thereof was defined as the photosensitive layer film thickness.
[0187]
Example 1
By coating and drying an undercoat layer coating solution, a charge generation layer coating solution, and a charge transport layer coating solution in the order shown below on an aluminum drum having a diameter of 90 mm, an undercoat layer of 3.5 μm is obtained. Then, a 0.1 μm charge generation layer and a 20 μm charge transport layer were formed to obtain the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
[0188]
[Coating liquid for undercoat layer]
10 parts alkyd resin solution
(Dainippon Ink Chemical Co., Ltd .: Beccosol 1307-60-EL)
7 parts of melamine resin solution
(Dai Nippon Ink Chemical Co., Ltd .: Super Becamine G-821-60)
40 parts of titanium oxide
200 parts of methyl ethyl ketone
[0189]
[Coating liquid for charge generation layer]
2.5 parts of trisazo pigment having the following structure
[0190]
Embedded image
Polyvinyl butyral (UCC: XYHL) 0.25 part
200 parts of cyclohexanone
80 parts of methyl ethyl ketone
[0191]
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of polymer charge transport material
[0192]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0193]
Next, the following were prepared as toners for electrophotography.
・
(Polyester resin, 1/2 outflow start temperature: 126 ° C.) 100 parts by weight
・ Charge control agent
(Fluorine-containing quaternary ammonium salt compound) 3 parts by weight
・ Coloring agent
<For yellow toner>
Disazo yellow pigment (C.I. Pigment Yellow 17) 5 parts by weight
<For magenta toner>
Quinacridone magenta pigment (C.I. Pigment Red 184) 4 parts by weight
<For cyan toner>
Copper phthalocyanine blue pigment (C.I. Pigment Blue 15) 2 parts by weight
<For black toner>
5 parts by weight of carbon black
[0194]
The above materials were sufficiently mixed with a blender for each color, and then melt-kneaded with two rolls heated to 100 to 110 ° C. The kneaded product was allowed to cool naturally, then coarsely pulverized by a cutter mill, pulverized by a fine pulverizer using a jet stream, and then a matrix colored particle of each color was obtained using an air classifier. In addition, the volume average particle diameter of each color matrix colored particle was as follows. (The volume average particle diameter of the toner was measured with a Coulter Counter Model TA-II manufactured by Coulter Electronics.)
Yellow: 6.0 (μm),
Magenta: 5.9 (μm),
Cyan: 6.0 (μm),
Black: 6.0 (μm).
[0195]
Furthermore, as an external additive with respect to 100 parts by weight of the base colored particles,
・ Hydrophobic silica (surface treatment with hexamethyldisilazane,
Hydrophobic degree 80%, primary particle size: 0.04 μm) 0.5 parts by weight
・ Hydrophobic titanium oxide (surface treated with isobutyltrimethoxysilane,
Hydrophobic degree 70%, specific surface area 80m2/ G, primary particle size: 0.04 μm)
0.4 parts by weight
The toner was mixed with a Henschel mixer to obtain yellow, magenta, cyan, and black toners.
[0196]
Further, 5 parts by weight of the present toner and a silicone resin coated (average resin film thickness: 0.3 μm) and 95 parts by weight of a ferrite carrier having an average particle diameter of 50 μm were mixed by a ball mill to obtain a developer. The charge amount of the developer was −22 (μC / g).
[0197]
Example 2
For the electrophotographic photoreceptor in Example 1, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 1 except that the polymer charge transport material used in the charge transport layer was changed to one having the following structure.
[0198]
Embedded image
[0199]
Example 3
For the electrophotographic photoreceptor in Example 1, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 1 except that the polymer charge transport material used in the charge transport layer was changed to one having the following structure.
[0200]
Embedded image
[0201]
Comparative Example 1
For the electrophotographic photosensitive member in Example 1, an electrophotographic photosensitive member and a toner were produced in the same manner as in Example 1 except that the charge transport layer coating solution was changed to the following.
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of bisphenol Z polycarbonate
(Teijin Chemicals: Panlite TS2050)
7 parts low molecular charge transport material with the following structure
[0202]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0203]
Comparative Example 2
For the electrophotographic photoreceptor in Example 1, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 1 except that the polymer charge transport material used in the charge transport layer was changed to one having the following structure.
[0204]
Embedded image
[0205]
Comparative Example 3
For the electrophotographic photosensitive member in Example 1, an electrophotographic photosensitive member and a toner were prepared in the same manner as in Example 1 except that the polymer charge transporting material used in the charge transporting layer was changed to the one having the following structure.
[0206]
Embedded image
[0207]
Comparative Example 4
A yellow, magenta, cyan, and black toner prepared in Example 1 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the volume average particle diameter was changed to 9.0 ± 0.1 μm. A toner was prepared.
[0208]
The electrophotographic photoreceptors and developers of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4 produced as described above are mounted on a partially modified copying machine (Ricoh: PRETER550), and 150,000 sheets are passed through. Was done. The environmental condition was 26 ° C. and 58% RH. The thickness of the charge transport layer was 19.8 ± 0.1 μm. As evaluation methods, the wear amount of the photosensitive layer, the image resolution measurement at the end of the test, the evaluation of abnormal image generation, and the appearance of the photoreceptor were evaluated. Further, the Taber abrasion and water vapor permeability of the charge transport layer were measured by the method described above. The results are shown in Table 1.
[0209]
[Table 1]
[0210]
From Table 1, only the comparative example 4 obtained the result in which the image resolution was inferior compared with others. This difference is attributed to the average particle size of the toner used, and it was confirmed that the small particle size toner is advantageous in improving the image resolution.
In a color electrophotographic apparatus using a small particle size toner, in Examples 1 to 3, no medaka-like abnormal image or background stains were observed even after a 150,000 sheet passing test, and a high-resolution image was output. It is understood that this is a full-color electrophotographic apparatus suitable for the use of a small particle size toner. Comparative Example 1 is an electrophotographic apparatus equipped with a conventional photoreceptor. In this case, since many medaka-like abnormal images are observed in the image evaluation after the paper passing test, it is determined that the photoconductor cannot withstand the use of the toner having a small particle diameter. Further, the photoreceptor mounted on the electrophotographic apparatus of Comparative Example 2 contains a polymer charge transport material in the charge transport layer, and a test result with good durability against Taber abrasion is obtained. However, in the paper passing test, a test result causing toner filming on the surface of the photoreceptor was obtained. For this reason, it is determined that Comparative Example 2 is also a photoconductor that cannot withstand the use of a small particle size toner. In addition, although the photoconductor mounted on the electrophotographic apparatus of Comparative Example 3 contained a polymer charge transport material in the charge transport layer, the result that the durability of Taber abrasion was not necessarily good was obtained. This electrophotographic apparatus has been confirmed to output a medaka-like abnormal image, and cannot be said to be an electrophotographic apparatus suitable for use with a small particle size toner.
[0211]
Example 4
By coating and drying an undercoat layer coating solution, a charge generation layer coating solution, and a charge transport layer coating solution in the following order on an aluminum drum having a diameter of 60 mm, an undercoat layer of 4.0 μm is formed. A 0.2 μm charge generation layer and a 19 μm charge transport layer were formed to obtain the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
[0212]
[Coating liquid for undercoat layer]
10 parts alkyd resin solution
(Dainippon Ink Chemical Co., Ltd .: Beccosol 1307-60-EL)
7 parts of melamine resin solution
(Dai Nippon Ink Chemical Co., Ltd .: Super Becamine G-821-60)
40 parts of titanium oxide
200 parts of methyl ethyl ketone
[0213]
[Coating liquid for charge generation layer]
8 parts titanyl phthalocyanine (Ricoh)
Polyvinyl butyral 5 parts
2-butanone 400 parts
[0214]
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of polymer charge transport material with the following structure
[0215]
Embedded image
Antioxidant:
n-octadecyl-3- (4'-hydroxy-3 ', 5'-di
-T-Butylphenol) propionate
(Sumitomo Chemical: Sumilizer BP76) 0.5 part
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0216]
Next, the following were prepared as toners for electrophotography.
・
(Polyester resin, 1/2 outflow start temperature: 126 ° C.) 100 parts by weight
・ Charge control agent
(Fluorine-containing quaternary ammonium salt compound) 3 parts by weight
・ Coloring agent
<For yellow toner>
Disazo yellow pigment (C.I. Pigment Yellow 17) 5 parts by weight
<For magenta toner>
Quinacridone magenta pigment (C.I. Pigment Red 184) 4 parts by weight
<For cyan toner>
Copper phthalocyanine blue pigment (C.I. Pigment Blue 15) 2 parts by weight
<For black toner>
5 parts by weight of carbon black
[0217]
The above materials were sufficiently mixed with a blender for each color, and then melt-kneaded with two rolls heated to 100 to 110 ° C. The kneaded product was allowed to cool naturally, then coarsely pulverized by a cutter mill, pulverized by a fine pulverizer using a jet stream, and then a matrix colored particle of each color was obtained using an air classifier. In addition, the volume average particle diameter of each color matrix colored particle was as follows. (The volume average particle diameter of the toner was measured with a Coulter Counter Model TA-II manufactured by Coulter Electronics.)
Yellow: 5.5 (μm),
Magenta: 5.4 (μm),
Cyan: 5.5 (μm),
Black: 5.5 (μm).
[0218]
Furthermore, as an external additive with respect to 100 parts by weight of the base colored particles,
・ Hydrophobic silica
(Surface-treated product with hexamethyldisilazane, hydrophobization degree 80%,
Primary particle diameter: 0.04 μm) 0.6 parts by weight
・ Hydrophobic titanium oxide
(Surface-treated product with isobutyltrimethoxysilane, hydrophobization degree 70%,
Specific surface area 80m2/ G, primary particle size: 0.04 μm) 0.5 parts by weight
The toner was mixed with a Henschel mixer to obtain yellow, magenta, cyan, and black toners.
[0219]
Further, 5 parts by weight of the present toner and a silicone resin coated (average resin film thickness: 0.3 μm) and 95 parts by weight of a ferrite carrier having an average particle diameter of 50 μm were mixed by a ball mill to obtain a developer. The charge amount of the developer was −22 (μc / g).
[0220]
Example 5
With respect to the electrophotographic photoreceptor in Example 4, an electrophotographic photoreceptor and a toner were produced in the same manner as in Example 4 except that the antioxidant was changed to a compound having the following structure.
[0221]
Embedded image
[0222]
Example 6
For the electrophotographic photoreceptor in Example 4, an electrophotographic photoreceptor and toner were prepared in exactly the same manner as in Example 4 except that the antioxidant was changed to the lubricant: butyl stearate (manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.).
[0223]
Example 7
For the electrophotographic photosensitive member in Example 4, an electrophotographic photosensitive member and a toner were produced in the same manner as in Example 4 except that the antioxidant was changed to an ultraviolet absorber having the following structure (Sankyo LS-2626). did.
[0224]
Embedded image
[0225]
Example 8
For the electrophotographic photoreceptor in Example 4, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 4 except that the antioxidant was changed to a low molecular charge transport material having the following structure.
[0226]
Embedded image
[0227]
Example 9
For the electrophotographic photoreceptor in Example 4, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in the same manner as in Example 4 except that the charge transport coating solution was changed to the coating solution shown below.
[0228]
[Coating liquid for charge transport layer]
8 parts of polymer charge transport material with the following structure
[0229]
Embedded image
2 parts of electrically inactive polymer compound with the following structure
[0230]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
[0231]
Example 10
For the electrophotographic photoreceptor in Example 4, an electrophotographic photoreceptor and a toner were prepared in the same manner as in Example 4 except that the charge transport coating solution was changed to the coating solution shown below.
[0232]
[Coating liquid for charge transport layer]
Polymer charge transport material with the following structure: 4 parts
[0233]
Embedded image
6 parts of polymer charge transport material with the following structure
[0234]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
[0235]
Comparative Example 5
For the electrophotographic photosensitive member in Example 4, an electrophotographic photosensitive member and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 4 except that the charge transport layer coating solution was changed to the following.
[0236]
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of bisphenol Z polycarbonate
(Teijin Chemicals: Panlite TS2050)
7 parts low molecular charge transport material with the following structure
[0237]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0238]
Comparative Example 6
For the electrophotographic photosensitive member in Example 4, an electrophotographic photosensitive member and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 4 except that the charge transport layer coating solution was changed to the following.
[0239]
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of polymer charge transport material with the following structure
[0240]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0241]
Comparative Example 7
For the electrophotographic photosensitive member in Example 4, an electrophotographic photosensitive member and a toner were prepared in exactly the same manner as in Example 4 except that the charge transport layer coating solution was changed to the following.
[0242]
[Coating liquid for charge transport layer]
10 parts of polymer charge transport material with the following structure
[0243]
Embedded image
Tetrahydrofuran 100 parts
1% KF-50-100CS (Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. silicone oil)
[0244]
The electrophotographic photoreceptors and developers of Examples 4 to 10 and Comparative Examples 5 to 7 prepared as described above are mounted on a partially modified copier (Ricoh: PRETER 750) and 100,000 sheets are passed through. Was done. The environmental condition was 28 ° C. and 55% RH. The thickness of the charge transport layer was 19.8 ± 0.1 μm. As evaluation methods, the wear amount of the photosensitive layer, the image resolution measurement at the end of the test, the evaluation of abnormal image generation, and the appearance of the photoreceptor were evaluated. Further, the Taber abrasion and water vapor permeability of the charge transport layer were measured by the method described above. The results are shown in Table 2.
[0245]
[Table 2]
[0246]
As is clear from the results of Examples 4 to 10 and Comparative Examples 5 to 7 described above, the Taber abrasion of the charge transport layer is 5.0 mg or more, or the water vapor permeability is 200 g · m.-2・ 24h-1The charge transport layer containing the above polymer charge transport material also includes low molecular compounds such as antioxidants, plasticizers, lubricants, ultraviolet absorbers, low molecular charge transport materials, high gas barrier polymer compounds, and By using a polymer compound with high toughness, the Taber abrasion can be reduced to 5.0 mg or less. Similarly, the water vapor permeability is 200 g · m.-2・ 24h-1It can be seen that: Although not shown in this table, an image forming apparatus using a small-diameter toner in a conventional type photoreceptor has a low durability life and requires measures such as increasing the thickness of the photosensitive layer. When the photosensitive layer is thickened, a reduction in image resolution is inevitable. In each of Examples 4 to 10, toner filming on the surface of the photoreceptor is prevented, and in addition, a high-quality image in which generation of background stains and medaka-like abnormal images is not seen is obtained.
[0247]
Regarding the polymer charge transport materials used in Examples 2 and 3 and Comparative Examples 2 and 3, the polymer film composed only of an electrically inactive structure is made to have the same thickness (20 μm) as the charge transport layer. When the Taber abrasion and water vapor permeability were measured, the following results were obtained.
[0248]
[Table 3]
[0249]
In order to obtain a photosensitive layer or a charge transport layer having a Taber abrasion of the photoreceptor surface layer of 5.0 mg or less, although there are some fluctuations depending on the introduction rate, Taber abrasion is 5 as an electrically inactive repeating unit. Those of 0.0 mg or less are preferably selected.
The same can be said for the water vapor permeability of the surface layer of the photoreceptor, 135 g · m-2・ 24h-1An electrically inactive repeating unit having the following water vapor permeability is preferably selected.
[0250]
【The invention's effect】
As described above, as is clear from the detailed and specific description, the electrophotographic photosensitive member of the present invention is excellent in wear resistance and has stable electrostatic characteristics. Therefore, a high-quality image is always obtained even when mass printing is performed. The obtained practical value is extremely excellent.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a layer structure of an electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing another layer structure of the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing still another layer structure of the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing still another layer structure of the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing still another layer structure of the electrophotographic photosensitive member of the present invention.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view showing an example of an electrophotographic apparatus according to the present invention.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view showing another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view showing still another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention.
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing still another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention.
FIG. 10 is a schematic cross-sectional view showing still another example of the electrophotographic apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1A Static elimination means
1B Exposure means before cleaning
1C Driving means
1D first transfer means
1E Second transfer means
1F Intermediate transfer body (intermediate transfer belt)
1G image receiving medium carrier
11 Electrophotographic photoreceptor
11Bk black photoconductor
11C cyan photoreceptor
11M Magenta photoconductor
11Y yellow photoreceptor
12 Charging means
13 Exposure means
14 Development means
14Bk black developing means
14C cyan developing means
14M magenta developing means
14Y Yellow developing means
15 Toner
16 Transfer means
17 Cleaning means
18 Image receiving medium
19 Fixing means
21 Conductive support
22 Charge generation layer
23 Charge transport layer
24 Photosensitive layer
25 Underlayer
26 Protective layer
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