JP4131214B2 - 傾斜角度検出装置及び傾斜角度検出方法 - Google Patents

傾斜角度検出装置及び傾斜角度検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、傾斜角度検出装置及び傾斜角度検出方法に関するものである。
自動焦点カメラ等には、被写体までの距離を計測する測距センサが備えられている。また、このような測距センサとして、パッシブ方式のものがある(例えば、特許文献1参照)。かかるパッシブ方式の測距センサは、図22に示すように、1対のレンズ51a、51bと、光センサアレイ52a,52bと、を備える。
レンズ51aとレンズ51bとは、間隔bをもって配置される。C1,C2は、レンズ51a,51bのそれぞれの中心線である。中心線C1,C2は、レンズ51a,51bに対して無限大の位置に存在する被写体53からの光線と一致し、互いに平行である。光センサアレイ52a,52bは、この中心線C1,C2に対して、それぞれ、垂直になるように配置される。
光センサアレイ52a,52bには、それぞれ、被写体53の映像データ列L0、R0が形成される。このような測距センサにおいて、レンズ51a,51bから被写体53までの距離Lは、次の数2によって求められる。
Figure 0004131214
被写体53がレンズ51a,51bに対して無限大の位置よりも近い位置に配置されると、位相差(x1+x2)が生じる。
測距センサは、例えば、光センサアレイ52b上のデータ列R1をシフトしつつ、光センサアレイ52aのデータ列L1とデータ列R1との相関値を求める。そして、相関値が極大となる中心線C1,C2からのずれ(シフト)量が位相差(x1+x2)になる。
このような測距センサをプロジェクタに適用して、プロジェクタから投影光が投射される投影面としてのスクリーンの傾斜角度を求めることもできる。プロジェクタでは、スクリーンの傾斜角度によって、スクリーン上に結像した投影像が歪んでしまうため、プロジェクタの投影光の光軸に対するスクリーンの傾斜角度がこの投影像の補正に必要になってくる。
このようなスクリーンの傾斜角度を求めるには、プロジェクタに前記測距センサを備え、プロジェクタが、明暗部が並んだチャート光をスクリーンに投射して、前記測距センサが、投射されたチャートの2つの測距ウィンドウからの反射光を受光する。そして、プロジェクタは、2つの測距ウィンドウからの反射光を受光した場合のそれぞれの位相差を計測し、得られたそれぞれの位相差に基づいて、スクリーン面上の複数の測距点までの距離を計測する。スクリーン面上の複数の測距点までの測距データが得られれば、この複数の測距データに基づいて、スクリーンの傾斜角度を求めることができる。
特開2003−057531号公報(第2頁、第3頁、図3)
しかし、このような測距センサを用いた傾斜角度検出装置では、スクリーン面上の複数の測距点までの距離を計測しても、チャートの投影位置が少しずれただけでも、検出される距離が変化し、この検出された距離に基づいてスクリーン面の傾斜角度を求めても十分な精度を得ることができない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、投影面の傾斜角度を精度良く検出することが可能な傾斜角度検出装置及び傾斜角度検出方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る傾斜角度検出装置は、
投影光を投射する投影面の、前記投影光の光軸に垂直の理想投影面に対する傾斜角度を検出する傾斜角度検出装置において、
明暗部が等間隔となるように連続して並べられたパターンの等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンを4以上の2の倍数の回数シフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画するチャート描画部と、
中心線を中心に複数の受光部を間隔をもって配置し、前記投影面に描画された前記等間隔連続模様チャートの反射光を前記複数の受光部で順次、受光するセンサ部と、
前記センサ部が平行光を受光したときの前記受光部上の結像位置と前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの前記受光部上の結像位置との各ずれ量の和を位相差として、前記センサ部が順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求め、求めた平均距離に基づいて前記投影面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、を備えたものである。
前記傾斜角度取得部は、前記センサ部が順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、平均位相差を求め、求めた平均位相差に基づいて前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求めるように構成されたものであってもよい。
前記傾斜角度取得部は、前記センサ部の中心線に対して角度θwをもって左右に位置する投影面上の2つの測距ウィンドウ内の測距点までのそれぞれの平均距離Lと平均距離Rとに基づいて数3を演算することによって前記投影面の傾斜角度θsを取得するように構成されたものであってもよい。
Figure 0004131214
前記チャート描画部は、前記明暗部のピッチを360度として、シフトする角度を90度刻みの4つの値の組を少なくとも2つ選択して、前記チャートの投影光のパターンを前記角度だけシフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記チャートを描画するように構成されたものであってもよい。
前記チャート描画部は、
前記等間隔連続模様チャートを前記投影面に投射する前に、前記センサ部の各受光部が受光したときのセンサデータの相関を示す相関関数値の極大値が1つのみとなるように所定範囲にのみ明暗部が並べられた不連続チャートの投影光を前記投影面に投射し、
前記傾斜角度取得部は、前記不連続チャートからの反射光を受光したときのセンサデータを前記センサ部から取得して前記相関関数値の極大値を求め、求めた極大値に基づいて前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの平均位相差が特定されるように前記平均位相差の検索範囲を設定して、前記平均位相差を求めるように構成されたものであってもよい。
前記チャート描画部は、前記等間隔連続模様チャートを前記投影面に投射する前に、前記センサ部の各受光部が受光したときのセンサデータの相関を示す相関関数値の極大値が、前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの相関関数値の極大値の少なくとも2倍となるように明暗部の間隔を設定した倍ピッチ等間隔連続模様チャートの投影光を前記投影面に投射し、
前記傾斜角度取得部は、前記倍ピッチ等間隔連続模様チャートからの反射光を受光したときのセンサデータを前記センサ部から取得して前記相関関数値の極大値を求め、求めた極大値に基づいて前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの平均位相差が特定されるように前記平均位相差の検索範囲を設定して、前記平均位相差を求めるように構成されたものであってもよい。
前記チャート描画部は、前記等間隔連続模様チャートとして、前記明暗部の明度を調整した等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンをシフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画するように構成されたものであってもよい。
本発明の第2の観点に係る傾斜角度検出方法は、
投影光を投射する投影面の前記投影光の光軸に垂直の理想投影面に対する傾斜角度を検出する傾斜角度検出方法であって、
明暗部が等間隔となるように連続して並べられたパターンの等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンを4以上の2の倍数の回数シフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画する描画ステップと、
前記投影面に描画された前記等間隔連続模様チャートからの反射光を、間隔を持って配置された複数の受光部で、順次、受光する受光ステップと、
平行光を受光したときの平行光線の前記受光部上の位置と前記チャートからの反射光を受光したときの反射光線の前記受光部上の位置との各ずれ量の和を位相差として、順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求め、求めた平均距離に基づいて前記投影面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得ステップと、を備えたものである。
本発明によれば、投影面の傾斜角度を精度良く検出することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る傾斜角度検出装置を図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、傾斜角度検出装置をプロジェクタに適用した場合について説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係るプロジェクタの構成を図1に示す。
実施形態1に係るプロジェクタ1は、プロジェクタ描画部11と、位相差角度センサ12A,12Bと、プロジェクタ制御部13と、を備える。
プロジェクタ描画部11は、チャート又は入力された映像信号に基づく投影像をスクリーン2に投射するものであり、スケーラ21と、台形補正部22と、信号選択部23と、投影光変換デバイス24と、光学機構部25と、水平チャート生成部26と、垂直チャート生成部27と、を備えて構成される。
スケーラ21は、入力された映像信号の解像度を調整するものである。
台形補正部22は、スケーラ21が解像度を補正した映像信号に対して、台形補正を行うものである。
台形補正部22は、スクリーン2の傾斜角度θH,θVに基づいて、スクリーン2に投影された補正前の投影像の内側に、補正後の投影像の位置及び形状を設定し、時間連続的に映像信号を射影変換することにより、台形補正を行う。傾斜角度θHは、投影光の光軸に対し、スクリーン2の水平方向の傾斜角度であり、傾斜角度θVは、スクリーン2の垂直方向の傾斜角度である。
この台形補正について説明する。
図2(1)に示すような四角形abcdの映像の映像信号が供給されて、スクリーン2が投影光の光軸に対して傾斜角度θH,θVだけ傾斜しているため、スクリーン2上の投影像が、図2(2)に示すような四角形a’b’c’d’になったものとする。台形補正部22は、四角形a’b’c’d’の中に配置されるように、四角形p’q’r’s’を切り取る。台形補正部22は、四角形p’q’r’s’を逆変換して、図2(3)に示すような逆変換像pqrsを生成する。この逆変換像pqrsをスクリーン2に投影することにより、歪みのない投影像がスクリーン2上に結像する。台形補正部22は、このような台形補正を行う。
信号選択部23は、水平チャート生成部26が生成した水平チャート、垂直チャート生成部27が生成した垂直チャート及び台形補正部22が生成した投影像のうちのいずれか1つを選択出力するものである。
投影光変換デバイス24は、信号選択部23が選択出力した映像信号を投影光に変換するものである。
光学機構部25は、スクリーン2に像が結像するようにフォーカス制御を行って、投影光変換デバイス24が変換した投影光をスクリーン2に投影するものである。
水平チャート生成部26は、スクリーン2上に投影される図3に示すようなチャート#0〜#7を生成するものである。
この水平チャートは、地平面に対して水平方向の複数の測距点までの距離を計測するために投射されるチャートである。
図中、各チャートの白の四角形はチャートの明部を、斜線部分は背景及びチャートの暗部を表している。各チャートの明部の中心からそのとなりの明部の中心までの間隔を1ピッチとする。このチャートピッチは、スクリーン2に投影されたチャート#0〜#7の大きさ、測距センサ31Aの分解能等に基づいて設定される。また、図中、枠で示される2つの測距ウィンドウは、位相差角度センサ12Aが投影像の左右方向に測距を行うエリアを示す。
各チャート#0〜#7のパターンは、少しずつシフトされている。このようなチャート#0〜#7を、順次、スクリーン2に投射するのは、チャートの誤差成分を打ち消して傾斜角度θH、θVの精度を高めるためである。
この理由について説明する。
各チャートのずれ量(シフト量)は、チャートピッチ(繰返間隔)で表すことができる。各チャートの1ピッチを360度として、チャートの数を図3に示すように8個とすると、各チャート#0〜#7のずれ量は、均等に配分して、360÷8=45度となる。
チャート#0を基準にして各チャートのずれを角度で表すと、チャート#0〜#7の各ずれの角度は、0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、315度となる。
図4(1)に示す誤差成分は、図4(2)の誤差成分と図4(3)に示す誤差成分とにほぼ分解される。これは、実験結果として得られたものである。図4(2)に示す誤差成分Aは、チャートのずれと同じ周期の誤差成分である。また、図4(3)に示す誤差成分Bは、チャートのずれの2倍の周期の誤差成分である。
即ち、位相差誤差成分eは、次の数4によって表される。
Figure 0004131214
ただし、第1項は誤差成分A、第2項は誤差成分Bを示し、θはチャート#0を基準とするずれの角度、θ01及びθ02はチャート#0の初期ずれ、a及びbはチャートピッチ及び光学特性などで決定される定数である。
また、数5に示す関係式が成立するようにチャートを選択すると、誤差を小さくすることができる。
Figure 0004131214

ただしnはチャートの数で4以上の2の倍数、kはチャート番号0〜n−1、θkはチャート#kのチャート#0を基準としたときのずれの角度である。
このようにチャートを選択すると、ずれの周期と同じ周期で発生する誤差と、半分の周期で発生する誤差との両方を平均することによってチャート#0〜#7の誤差が打ち消される。チャート#0〜#7の誤差が小さくなれば、傾斜角度θH、θVの精度は高くなる。
図1に戻り、垂直チャート生成部27は、図3に示すようなスクリーン2上に投影される8つの垂直チャートを生成するものである。
この垂直チャートは、地平面に対して垂直方向の複数の測距点までの距離を計測するときに投射されるチャートである。
位相差角度センサ12A,12Bは、それぞれ、スクリーン2上の水平方向、垂直方向の測定線上の複数の測距点までの距離を測定し、測定した距離に基づいて、スクリーン2の傾斜角度θA、θBを取得するものである。傾斜角度θA,θBは、ともに図5の角度θsによって表される角度であり、位相差角度センサ12A,12B(測距センサ31A、31B)のスクリーン2の方向の中心線(図22に示すレンズ51a,51bの各中心から等距離の点を結ぶ線)C0が垂直に貫く仮想スクリーンと実際のスクリーン2(スクリーン2上の測定点P1,P2を結ぶ線)との傾斜角度である。
位相差角度センサ12Aは、測距センサ31Aと、センサコントローラ32Aと、を備え、位相差角度センサ12Bは、測距センサ31Bと、センサコントローラ32Bと、を備える。
測距センサ31A,31Bは、スクリーン2上の測距ウィンドウからの反射光を受光するものであり、従来、スクリーン2上の測距点までの距離を計測するために用いられる図22に示すようなものである。この測距センサ31A,31Bは、複数の方向の距離の計測が可能なマルチ測距機能を有する位相差方式のセンサである。
測距センサ31A,31Bは、信号選択部23が水平チャートを選択した場合、図5に示すように、測距センサ31A,31Bの中心線C0に対して、角度θwをもって左右に位置するスクリーン2上の2つの測距ウィンドウの中心点P1,P2からの反射光を受光する。
図中、S1で示す面は、測距センサ31A,31Bの中心線C0が垂直に貫く仮想スクリーン面であり、θsがこの仮想スクリーン面に対するスクリーン2の傾斜角度である。R,Lは、それぞれ、プロジェクタ1と測距ウィンドウ内の測距点P1,P2との間の距離を示す。また、角度θwは、測距センサ31A,31Bの中心線C0と測距点P1、P2とのそれぞれの間の角度を示し、角度θNは、図3に示す各測距ウィンドウ幅に対応した角度を示す。
測距センサ31Aで考えると、測距センサ31Aが、スクリーン2上の右側測距ウィンドウの中心点P1からの反射光を受光すると、図3に示す右側測距ウィンドウ内のチャートの像が図22に示す光センサアレイ52a、52b上に形成される。
測距センサ31A,31Bは、図6(1)に示すように、投影レンズ28の近傍に、それぞれの中心線(2つの光センサアレイ52a,52bの中心点を結ぶ線)Ca,Cbが直交するように配置される。
尚、図6(2)に示すように、測距センサ31A,31Bのプロジェクタ1の投影光の光軸に対する仰角をθpとする。但し、仰角θpは、正の値だけでなく、負の値であってもよいし、また、0であってもよい。
仰角θpがゼロである場合は投影レンズ28の光軸と測距センサ31A,31Bの中心線C0とが平行になり、図5に示すS1が投影レンズ28の光軸に垂直な理想スクリーン面となる。即ち、投影レンズ28の理想スクリーン面と測距センサ31A,31Bの仮想スクリーン面とが一致する。しかし、仰角θpがゼロでない場合、投影レンズ28の理想スクリーン面と測距センサ31A,31Bの仮想スクリーン面とは一致しなくなる。
測距センサ31A,31Bは、それぞれ、受光した光をセンサデータとしてセンサコントローラ32A,32Bに供給する。
センサコントローラ32Aは、水平チャート生成部26、信号選択部23、測距センサ31Aを制御して、傾斜角度θAを取得するものである。センサコントローラ32Bは、垂直チャート生成部27、信号選択部23、測距センサ31Bを制御して、傾斜角度θBを取得するものである。
センサコントローラ32Aが傾斜角度θAを取得する場合、センサコントローラ32Aは、信号選択部23に水平チャート#0〜#7を、順次、描画させるための水平チャート描画指示を出力する。そして、センサコントローラ32Aは、測距センサ31Aにセンサ動作を行うようにセンサ制御信号を測距センサ31Aに出力し、測距センサ31Aから、チャート#0〜#7からの反射光を受光した場合の8つのセンサデータを取得する。
センサコントローラ32Aは、各センサデータに基づいて、測距センサ31Aの図22に示すような2つの左右の光センサアレイ52a,52bの2つのデータ列の相関値を求め、その極大値を求めることによって各位相差を求める。センサコントローラ32Aは、8つの位相差を平均して平均位相差を求め、求めた平均位相差に基づいて点P1,P2までの平均距離を求める。
測距点までの距離は、平均位相差から、次の数6を用いて求められる。
Figure 0004131214

さらに、センサコントローラ32Aは、図5に示すように、仮想スクリーン面と実際のスクリーン2との角度θsを、数7を用いて求める。
Figure 0004131214
センサコントローラ32Aは、求めた角度θsを、傾斜角度θAとして、プロジェクタ制御部13に供給する。
センサコントローラ32Bも、センサコントローラ32Aと同様に、傾斜角度θBを取得する場合、信号選択部23に垂直チャート#0〜#7を、順次、描画させるための垂直チャート描画指示を出力する。そして、センサコントローラ32Bは、8つのセンサデータを測距センサ31Bから取得し、センサコントローラ32Aと同様に、角度θsを求める。センサコントローラ32Bは、求めた角度θsを傾斜角度θBとして、プロジェクタ制御部13に供給する。
プロジェクタ制御部13は、プロジェクタ1を制御するとともに、それぞれ、センサコントローラ32A,32Bから供給された傾斜角度θA,θBに基づいて傾斜角度θH、θVを求めるものである。プロジェクタ制御部13は、傾斜角度θH、θVを求める場合、センサコントローラ32A,32Bに、それぞれ、センサ動作の開始命令を出力する。
傾斜角度θH、θVは、次の数8に示す関係式に従って、傾斜角度θA,θBを読み替えることによって求められる。
Figure 0004131214
そして、プロジェクタ制御部13は、求めたスクリーン2の傾斜角度θH,θVを台形補正部22に供給する。
次に実施形態1に係るプロジェクタ1の動作を説明する。
プロジェクタ制御部13は、スクリーン2の傾斜角度θH、θVを求める場合、センサコントローラ32A,32Bに、それぞれ、センサ動作の開始命令を送信する。
センサコントローラ32A,32Bがプロジェクタ制御部13からセンサ動作の開始命令を受信すると、位相差角度センサ12A,12Bは、それぞれ、傾斜角度θA,θBを求める処理を実行する。
まず、センサコントローラ32Aは、図7に示すフローチャートに基づいて傾斜角度θAを取得する。
センサコントローラ32Aは、点P2,P1までの距離を計測したときの各位相差をそれぞれ、BL、BRとして、位相差BL、BRのそれぞれの合計値SL,SRに0をセットする(ステップS11)。
センサコントローラ32Aは、カウント数nに0をセットする(ステップS12)。このカウント数nは、スクリーン2上のチャートまでの距離を測距する回数を示すものである。
センサコントローラ32Aは、チャート#nを投影するように、信号選択部23に水平チャート描画指示を出力する(ステップS13)。信号選択部23は、センサコントローラ32Aからの指令を受信して、水平チャート生成部26が生成したチャート#nを選択出力する。
投影光変換デバイス24は、信号選択部23が選択出力したチャート#nをチャート投影光に変換する。
光学機構部25は、フォーカス制御等を行う。投影光変換デバイス24が変換したチャート#nのチャート投影光は、スクリーン2に向けて投影される。
センサコントローラ32Aは、測距を行うように、測距センサ31Aを制御する(ステップS14)。測距センサ31Aは、計測した測距点P2、P1までのそれぞれの距離L,Rを計測し、そのセンサデータをセンサコントローラ32Aに供給する。
センサコントローラ32Aは、距離L,Rを測距センサ31Aから取得する(ステップS15)。
センサコントローラ32Aは、取得した距離L,Rに基づいて、それぞれ、位相差BL,BRを算出する(ステップS16)。
センサコントローラ32Aは、位相差合計値SL,SRに、それぞれ、位相差BL,BRを加算し、加算した値を新たな位相差合計値SL,SRとして保持する(ステップS17)。
センサコントローラ32Aは、カウント数nを1つだけインクリメントする(ステップS18)。
センサコントローラ32Aは、カウント数nが8未満(n<8)であるか否かを判定する(ステップS19)。
カウント数nが8未満であると判定した場合(ステップS19においてYes)、センサコントローラ32Aは、ステップS13〜S18の処理を、再度、実行する。
センサコントローラ32AがステップS13〜S18の処理を、順次、実行することにより、カウント数nが8になると、センサコントローラ32Aは、カウント数nが8未満ではないと判定する(ステップS19においてNo)。
カウント数nが8未満ではないと判定すると、センサコントローラ32Aは、それぞれ、位相差合計値SL,SRを8で割って、その商として、平均位相差AL,ARを求める(ステップS20)。
センサコントローラ32Aは、数6に従って、距離L,Rを求める(ステップS21)。
センサコントローラ32Aは、数7に従って、角度θsを求める(ステップS22)。
センサコントローラ32Aは、求めた角度θsを傾斜角度θAとして、プロジェクタ制御部13に供給し、この処理を終了させる。
センサコントローラ32Bも、センサコントローラ32Aと同様の処理を実行する。即ち、センサコントローラ32Bは、信号選択部23を制御して、測距センサ31Bを制御して、測距センサ31Bから得られたセンサデータに基づいて、角度θsを求める。そして、センサコントローラ32Bは、角度θsを傾斜角度θBとして、プロジェクタ制御部13に供給する。
プロジェクタ制御部13は、センサコントローラ32A,32Bからそれぞれ供給された傾斜角度θA,θBを、数8に示す関係式に従って、傾斜角度θH,θVへの読み替えを行う。
プロジェクタ制御部13が求めた傾斜角度θH,θVは、チャート#0〜#7までの距離を計測して、平均位相差に基づいて求められた値なので、誤差eの平均値はほぼゼロになる。従って、傾斜角度θH,θVの精度は高くなる。
プロジェクタ制御部13は、プロジェクタ描画部11の台形補正部22に、スクリーン2の傾斜角度θH,θVを供給する。
台形補正部22は、このスクリーン2の傾斜角度θH,θVに基づいて台形補正を行う。信号選択部23が台形補正部22の出力信号を選択すると、投影光変換デバイス24は、台形補正部22によって補正された映像信号を投影光に変換し、光学機構部25を介してスクリーン2に投影する。スクリーン2には、精度良く補正された投影像が結像する。
以上説明したように、本実施形態1によれば、スクリーン2の傾斜角度θH,θVを取得する場合、投影光変換デバイス24は、水平チャート生成部26、垂直チャート生成部27が生成した8つのチャートを、それぞれ、スクリーン2に投射する。センサコントローラ32A,32Bは、測距センサ31A,31Bからのセンサデータに基づいて、平均位相差を求め、求めた平均位相差に基づいてスクリーン2上の測距ウィンドウの測距点P1,P2までの距離を求めるようにした。
従って、求めた平均位相差の位相差誤差成分は、打ち消されてゼロになり、精度よく測距点P1,P2までの距離を計測することができる。また、このようにして求めた距離に基づいて、高精度のスクリーン2の傾斜角度θH,θVを得ることができる。
尚、実際のチャートはプロジェクタ1で投影されるため、画素の大きさの関係で、チャート#0を基準とした各チャートのずれの選択に制約を受ける場合がある。つまり、LCDやDMD(Digital Micromirror Device;商標)を利用したデジタルプロジェクタでは、チャートは画素単位でしか表示できないので、45度刻みでずらすことが出来ない場合がある。
この場合、チャート#0を基準として、各チャートのずれに8つの45度刻みの値を採用する替わりに、90度刻みの4つの値の組を2つ選択するようにすると精度が高くなる。
例えば、チャート#0を基準としてチャート#0〜#7の各チャートのずれ量を0度、30度、90度、120度、180度、210度、270度、300度の8つにする。
このようにチャートのずれ量を設定することは、0度、90度、180度、210度の組と、30度、120度、210度、300度との2つの組を設けたことを意味する。
また、チャートの数を6個にしてもよい。チャートの数が6個の場合、チャート#0〜#5として、チャート#0を基準とする各チャートのずれ量を0度、60度、120度、180度、240度、300度とする。
即ち、数4を一般化すると、誤差ekは、次の数9によって表わされる。
Figure 0004131214

この誤差ekが数5に示す関係になるように、チャート#0〜#n−1のずれ量を設定すると、平均位相差誤差Eは、次の数10に示すようにゼロになる。即ち、誤差ekを平均することにより誤差は打ち消される。
Figure 0004131214
図8は、チャート#0〜#7のずれ量を、それぞれ、0度、30度、90度、120度、180度、210度、270度、300度となるように設定した場合の誤差成分を示す図である。図8に示すように、このように各チャートのずれ量を設定した場合も誤差は打ち消される。
図9は、チャート#0〜#5のずれ量を、それぞれ、0度、60度、120度、180度、240度、300度となるように設定した場合の誤差成分を示す図である。いずれも誤差ekを平均することにより誤差Eがゼロになることが分かる。尚、チャート数が6個の場合、チャート数が8個の場合より、精度は多少劣るものの、十分に高い精度の距離を計測することができる。
また、プロジェクタ1がズーム機構を有し、そのズーム可変範囲が広い場合、それによるチャートピッチの変動を小さく抑えなければならない。チャートはプロジェクタ1の投影光で投影しているので、ズームの影響でピッチが変わるが、測距センサ31A,31Bはプロジェクタ1の光学系とは独立しているのでズームの影響を受けない。このときも同様に、90度刻みの4つの値の組を2つ選択するようにすると精度が高くなる。
(実施形態2)
実施形態2に係るプロジェクタは、等間隔連続模様チャートに起因する誤測距を防止するため、プレ測距を行うようにしたものである。
まず、誤測距の発生について説明する。
例えば、測距センサ31A,31Bが計測した結果の位相差と距離とが図10に示すような対応関係であるとする。
測距範囲が0.6〜6メートルである場合、この測距範囲を位相差の検索範囲に対応させると、位相差の検索範囲は16〜30ビットとなる。
測距センサ31A,31Bが、図22に示す光センサアレイ52b上のデータ列R1をシフトしつつ、光センサアレイ52aのデータ列L1とデータ列R1との相関値を求めると、測距センサ31A,31Bが求めた相関関数値は、図11(1)に示すように、各チャートのピッチと同じ間隔で極大値を有する。この相関関数値は、測距センサ31A,31Bがそれぞれ備える2つの光センサアレイ52a,52bのデータ列の相関をとることによって得られた値である。極大値が周期的に現れるのは、測距センサ31A,31Bが受光したチャート#0〜#7が等間隔連続縞模様を有しているためである。
尚、Fは遠側限界位相差であって16ビット、Nは近側限界位相差であって30ビットとなる。この位相差検索範囲内で相関関数値が極大になる位相差が検索される。
前述のように、図3に示すチャート#0〜#7の各ピッチは、スクリーン2に投影されたチャート#0〜#7の大きさ、測距センサ31A,31Bの分解能との関係等で設定される。1ピッチがセンサ画素換算10ビット幅の等間隔連続縞模様チャートを用いて測距する場合、相関関数の極大値は、10ビット毎に存在する。
図11(1)に示すように、検索範囲として16〜30ビットの範囲内において、位相差18ビットに相関関数値の極大値Aが存在したとしても、10ビット離れた位相差28ビットにも、相関関数値の極大値Bが存在する場合がある。この場合、センサコントローラ32A,32Bは、極大値Aと極大値Bのうちの大きい方に対応する位相差が正しい値と判別する。極大値Aと極大値Bの大小関係は、チャートと測距センサ31A,31Bとの画素の僅かな位置関係などにより決定され、必ずしも真の距離に対応するとは限られない。
このように、検索範囲において、極大値Aと極大値Bとが存在すると、誤測距の原因となる。例えば、図11(2)に示すように、極大値Aが極大値Bよりもわずかに大きければ、真の距離が0.64メートルであったとしても、センサコントローラ32A,32Bは、距離は2.53メートルであると判別する場合がある。
また、図11(3)に示すように、極大値Bが極大値Aよりも大きければ、真の距離が2.53メートルであったとしても、センサコントローラ32A,32Bは、距離は0.64メートルであると判別する場合がある。
実施形態2に係るプロジェクタ1は、このような誤測距を防止するため、実施形態1において説明した本測距の前に、不連続のチャートを一度表示させてプレ測距を行う。
即ち、実施形態2に係るプロジェクタ1の水平チャート生成部26は、プレ測距用のチャートとして、図12に示すような3本チャートを生成する。この3本チャートは、左右方向に、それぞれ、3つの明部からなる不連続チャートである。垂直チャート生成部27も、プレ測距用のチャートとして、同様の3本チャートを生成する。
投影光変換デバイス24は、水平チャート生成部26が生成した3本チャートをスクリーン2に投射し、測距センサ31A,31Bは、チャートの反射光を受光する。このようなプレ測距が行われると、相関関数の極大値は、図13に示すように、1つのみとなる。
センサコントローラ32Aは、プレ測距によって得られた位相差を、本測距のときの参考値として採用する。即ち、センサコントローラ32Aは、本測距時において、相関関数値の極大点が1つとなり、かつ、プレ測距時に誤差が生じても確実に極大点を捉えることができるような検索範囲を、この位相差に基づいて設定する。センサコントローラ32Aは、本測距を行い、このように設定した検索範囲内において相関関数が極大となる位相差を取得して傾斜角度θAを求める。
センサコントローラ32Bも、センサコントローラ32Aと同様に、垂直方向のプレ測距を行い、プレ測距によって得られた位相差に基づいて検索範囲を設定する。そして、センサコントローラ32Bは、本測距を行うときに、このように設定した検索範囲内において相関関数が極大となる位相差を取得して傾斜角度θBを求める。
次に実施形態2に係るプロジェクタ1の動作を説明する。
プロジェクタ制御部13が、センサコントローラ32A,32Bに、それぞれ、センサ動作の開始命令を送信すると、センサコントローラ32A,32Bは、測距制御を行う。まず、センサコントローラ32Aは、図14に示すフローチャートに従って、測距制御を行う。
センサコントローラ32Aは、水平チャート生成部26と信号選択部23とに水平チャート描画の指示を行い、測距センサ31Aにプレ測距を行うように指示する(ステップS31)。
水平チャート生成部26は、水平チャート描画の指示に従って、図12に示すようなプレ測距用の3本チャートを生成し、信号選択部23は、この指示に従って、水平チャート生成部26が生成した3本チャートを選択出力する。
投影光変換デバイス24は、この3本チャートの投影光をスクリーン2に投射し、測距センサ31Aは、この反射光を受光する。
センサコントローラ32Aは、測距センサ31Aが測距を行った結果のセンサデータを取得し、取得したセンサデータに基づいて相関関数値を求めることにより、プレ測距を行ったときの位相差を算出する(ステップS32)。
センサコントローラ32Aは、算出した位相差に基づいて、本測距を行った場合の検索範囲を設定する(ステップS33)。
センサコントローラ32Aは、このように検索範囲を設定すると、実施形態1と同様に、本測距を行って平均位相差を求め(ステップS34〜ステップS43)、求めた平均位相差に基づいて距離L、Rを求める(ステップS44)。そして、センサコントローラ32Aは、求めた距離L、Rに基づいて角度θsを求める(ステップS45)。
センサコントローラ32Bも、センサコントローラ32Aと同様に測距制御を行い、角度θsを求める。
このプロジェクタ1の動作を、さらに具体的に説明する。
プレ測距を行うことにより、図15(1)に示すように、相関関数値の極大値が位相差18ビットのときに存在するものとする。前述のように、プレ測距の場合、極大値は、この位相差18ビットのときの1つのみとなる。
センサコントローラ32A,32Bは、この相関関数値が極大となる位相差18ビットを中心位相差Gとして、検索範囲を設定する。検索範囲は、本測距を行う場合に極大値が1つとなり、プレ測距にて誤差が生じても確実に極大値を捉えることができるように設定され、プレ測距を行わない場合よりも狭くなる。センサコントローラ32Aは、この検索範囲を、例えば、図15(2)に示すように、G±4とする(ステップS33の処理)。
プロジェクタ1がこのように検索範囲を設定して本測距を行った結果、この検索範囲において、位相差18ビットで相関関数値が極大になったものとする。この場合、極大値Bが極大値Aよりも大きくても、センサコントローラ32Aは、位相差18ビットのときの距離2.53メートルが正しい計測結果であると判別する。
一方、図16(1)に示すように、プレ測距を行うことにより、位相差28ビットのときに相関関数値の極大値が存在するものとする。プレ測距の場合の極大値は、位相差28ビットのときのこの1つのみとなる。
センサコントローラ32Aは、この相関関数値が極大となる位相差28ビットを中心位相差Gとして、例えば、G±4を検索範囲として設定する(ステップS33の処理)。
本測距を行った結果、この検索範囲において、位相差28ビットで相関関数値が極大になったものとする。この場合、極大値Aが極大値Bよりも大きくても、センサコントローラ32Aは、位相差28ビットのときの距離0.64メートルが正しい計測結果であると判別する。
このように等間隔連続縞模様チャートを用いて本測距を行った場合に、相関関数値の極大点が位相差18ビットと28ビットとに存在したとしても、プレ測距の計測結果に基づいて検索範囲を設定することにより、誤測距が防止される。
以上説明したように、本実施形態2によれば、チャート#0〜#7を用いて本測距を行う前に、3本チャートを用いてプレ測距を行い、測距の結果、得られたセンサデータに基づいて、極大点が1つのみとなるように検索範囲を設定するようにした。従って、検索範囲がプレ測距を行わない場合よりも狭くなり、誤測距を防止することができる。
尚、図17(1)及び(2)に示すように、検索範囲G±4ビットと、必要とされる測距性能範囲の0.6〜6メートルから決定される検索範囲16〜30ビットとの論理積を位相差検索範囲とすることもできる。このようにすることにより、検索範囲をさらに狭めることが出来、より確実に誤測距を防止することができる。
また、3本チャートのような不連続チャートを用いる代わりに、図18に示すように、図3に示す等間隔連続縞模様チャートの2倍のピッチの等間隔連続縞模様チャートを用いてプレ測距を行うように構成されることもできる。
この場合、本来の位相差に2倍のピッチ分のセンサ画素数を加えた値または引いた値が、検索範囲に入らないことが条件である。図19(1)及び(2)に示すように、チャートピッチは、図3に示すチャート#0〜#7の2倍になるので、そのセンサ画素換算で20ドットになる。従って、相関関数値の極大点は20ドット毎に存在する。
図19(1)に示すように、相関関数値が18ビットのときに極大になったとすると、センサコントローラ32A,32Bは、G=18ビットを中心に、例えば、G±4の範囲を検索範囲として設定する。
また、図19(2)に示すように、相関関数値が28ビットのときに極大になったとすると、センサコントローラ32A,32Bは、G=28ビットを中心にG±4の範囲を検索範囲として設定する。
このようにして、プレ測距によって設定された検索範囲内には極大点は1つしか存在しないので誤測距は防止される。このため、不連続チャートの場合と同様、検索範囲をプレ測距を行わない場合よりも狭めることが出来る。
(実施形態3)
実施形態3に係るプロジェクタは、等間隔連続チャートの明暗部の明度を調整することにより、プレ測距を行わずに、誤測距を防止するようにしたものである。
実施形態3に係るプロジェクタ1の水平チャート生成部26は、図20に示すようなチャート#0〜#7を生成する。このチャート#0〜#7は、等間隔連続縞模様を有する。尚、垂直チャート生成部27も、同様に、このような等間隔連続縞模様チャートを生成する。
図20に示す等間隔連続チャートは、実線で示す白四角形の明るさと点線で示す白四角形の明るさとを調整して構成されたものである。例えば、実線で示す白四角形の明るさは、100%とされ、点線で示す白四角形の明るさは、実線で示す白四角形の明るさの80%とされる。
また、図20に示すチャート#0〜#7は、本来の位相差に2倍のピッチ分のセンサ画素数を加えた値または引いた値が、検索範囲に入らないように構成される。それ以外、このチャートの構成は、図3に示すチャートと同様である。
このようなチャートを用いた場合の相関関数値を図21に示す。検索範囲内に大きさの異なる極大値が1つずつ存在する。明るさが互いに異なる明部同士によって得られた相関関数の極大値は小さくなる。複数の極大値を比較して、小さい方を無視することにより正しい位相差を検出することができる。
図21(1)に示す関係の場合、極大値Bは、極大値Aよりも小さい。このため、極大値Bは、明るさが互いに異なる明部同士によって得られた相関関数の極大値であることが判別される。センサコントローラ32A,32Bは、この極大値Bを無視して18ビットが正しい位相差であると判別する。
一方、図21(2)に示す関係の場合場合、極大値Aは、極大値Bよりも小さい。このため、センサコントローラ32A,32Bは、この極大値Aを無視して28ビットが正しい位相差であると判別する。
このようにして、誤測距を防止することができる。また、実施形態3によれば、プレ測距を行う必要がないので、その分、全体の測距時間を短くすることができる。
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、複数の誤差を含んだ位相差を平均することにより誤差の少ない平均位相差を求め、その平均位相差から距離を求めた。しかし、複数の誤差を含んだ位相差から複数の誤差を含んだ距離を各々算出し、その複数の誤差を含んだ距離を平均することにより誤差の少ない平均距離を求めるようにしても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、傾斜角度検出装置をプロジェクタに適用した場合について説明した。しかし、傾斜角度検出装置をプロジェクタ以外のもの、例えば、建物の壁等の傾きを検出する場合にも適用することもできる。この場合、建物の壁を投影面として、投影光を壁に向けて投射し、壁の傾斜角度を検出する。
本発明の実施形態1に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。 図1に示す台形補正部の動作を示す説明図であり、(1)は、入力映像、(2)は、投影像、(3)は、逆変換像を示す。 図1に示す水平チャート生成部が生成する水平チャートを示す説明図である。 図1に示すセンサコントローラが平均位相差を求めた場合の誤差を示す説明図である。 図1のプロジェクタとスクリーンとの位置関係を示す説明図である。 図1に示すプロジェクタと測距センサの取付位置を示す図であり、(1)は、プロジェクタの前面図、(2)は、プロジェクタの側面図である。 図1の位相差角度センサの動作を示すフローチャートである。 図3に示すチャートのずれ量を変更した場合の図1に示すセンサコントローラが平均位相差を求めた場合の誤差を示す説明図(1)である。 図3に示すチャートのずれ量を変更した場合の図1に示すセンサコントローラが平均位相差を求めた場合の誤差を示す説明図(2)である。 計測される距離と位相差との関係を説明するための説明図である。 本発明の実施形態2において、プレ測距を行わない場合の誤測距を説明するための説明図である。 プレ測距に用いる不連続の3本チャートを示す説明図である。 プレ測距を行った場合の相関関数の極大値を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るプロジェクタの動作を示すフローチャートである。 プレ測距を行った場合の相関関数の極大値と検索範囲との関係を示す説明図(1)である。 プレ測距を行った場合の相関関数の極大値と検索範囲との関係を示す説明図(2)である。 実施形態2の応用例を説明するための説明図である。 プレ測距に用いる2倍ピッチの等間隔連続縞模様チャートを示す説明図である。 図18に示すチャートを用いてプレ測距を行った場合の相関関数の極大値と検索範囲との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態3に係るプロジェクタのチャートを示す説明図である。 図20に示すプロジェクタにおいて、計測した結果の相関関数の極大値と検索範囲との関係を示す説明図である。 従来の測距センサの動作を説明するための説明図である。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、2・・・スクリーン、11・・・プロジェクタ描画部、12A,12B・・・位相差角度センサ、13・・・プロジェクタ制御部、22・・・台形補正部、23・・・信号選択部、24・・・投影光変換デバイス、25・・・光学機構部、26・・・水平チャート生成部、27・・・垂直チャート生成部、31A,31B・・・測距センサ、32A,32B・・・センサコントローラ

Claims (8)

  1. 投影光を投射する投影面の、前記投影光の光軸に垂直の理想投影面に対する傾斜角度を検出する傾斜角度検出装置において、
    明暗部が等間隔となるように連続して並べられたパターンの等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンを4以上の2の倍数の回数シフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画するチャート描画部と、
    中心線を中心に複数の受光部を間隔をもって配置し、前記投影面に描画された前記等間隔連続模様チャートの反射光を前記複数の受光部で順次、受光するセンサ部と、
    前記センサ部が平行光を受光したときの前記受光部上の結像位置と前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの前記受光部上の結像位置との各ずれ量の和を位相差として、前記センサ部が順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求め、求めた平均距離に基づいて前記投影面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得部と、を備えた、
    ことを特徴とする傾斜角度検出装置。
  2. 前記傾斜角度取得部は、前記センサ部が順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、平均位相差を求め、求めた平均位相差に基づいて前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求めるように構成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の傾斜角度検出装置。
  3. 前記傾斜角度取得部は、前記センサ部の中心線に対して角度θwをもって左右に位置する投影面上の2つの測距ウィンドウ内の測距点までのそれぞれの平均距離Lと平均距離Rとに基づいて数1を演算することによって前記投影面の傾斜角度θsを取得するように構成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の傾斜角度検出装置。
    Figure 0004131214

  4. 前記チャート描画部は、前記明暗部のピッチを360度として、シフトする角度を90度刻みの4つの値の組を少なくとも2つ選択して、前記チャートの投影光のパターンを前記角度だけシフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記チャートを描画するように構成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の傾斜角度検出装置。
  5. 前記チャート描画部は、
    前記等間隔連続模様チャートを前記投影面に投射する前に、前記センサ部の各受光部が受光したときのセンサデータの相関を示す相関関数値の極大値が1つのみとなるように所定範囲にのみ明暗部が並べられた不連続チャートの投影光を前記投影面に投射し、
    前記傾斜角度取得部は、前記不連続チャートからの反射光を受光したときのセンサデータを前記センサ部から取得して前記相関関数値の極大値を求め、求めた極大値に基づいて前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの平均位相差が特定されるように前記平均位相差の検索範囲を設定して、前記平均位相差を求めるように構成された、
    ことを特徴とする請求項2に記載の傾斜角度検出装置。
  6. 前記チャート描画部は、前記等間隔連続模様チャートを前記投影面に投射する前に、前記センサ部の各受光部が受光したときのセンサデータの相関を示す相関関数値の極大値が、前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの相関関数値の極大値の少なくとも2倍となるように明暗部の間隔を設定した倍ピッチ等間隔連続模様チャートの投影光を前記投影面に投射し、
    前記傾斜角度取得部は、前記倍ピッチ等間隔連続模様チャートからの反射光を受光したときのセンサデータを前記センサ部から取得して前記相関関数値の極大値を求め、求めた極大値に基づいて前記センサ部が等間隔連続チャートの反射光を受光したときの平均位相差が特定されるように前記平均位相差の検索範囲を設定して、前記平均位相差を求めるように構成された、
    ことを特徴とする請求項2に記載の傾斜角度検出装置。
  7. 前記チャート描画部は、前記等間隔連続模様チャートとして、前記明暗部の明度を調整した等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンをシフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画するように構成されたものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の傾斜角度検出装置。
  8. 投影光を投射する投影面の前記投影光の光軸に垂直の理想投影面に対する傾斜角度を検出する傾斜角度検出方法であって、
    明暗部が等間隔となるように連続して並べられたパターンの等間隔連続模様チャートの投影光を、前記パターンを4以上の2の倍数の回数シフトしつつ、順次、前記投影面に投射して前記等間隔連続模様チャートを描画する描画ステップと、
    前記投影面に描画された前記等間隔連続模様チャートからの反射光を、間隔を持って配置された複数の受光部で、順次、受光する受光ステップと、
    平行光を受光したときの平行光線の前記受光部上の位置と前記チャートからの反射光を受光したときの反射光線の前記受光部上の位置との各ずれ量の和を位相差として、順次、前記等間隔連続模様チャートの反射光を受光したときの複数の位相差に基づいて、前記投影光の投射点と前記等間隔連続模様チャートとの間の平均距離を求め、求めた平均距離に基づいて前記投影面の傾斜角度を取得する傾斜角度取得ステップと、を備えた、
    ことを特徴とする傾斜角度検出方法。
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