JP4120338B2 - Coated paper for printing - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用塗工紙に関し、嵩高(低密度)でありながら白紙光沢度が高く、印刷適性に優れた印刷用塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷物のビジュアル化やカラー化が進み、印刷用紙の高品質化の要求が高まっている。一方で、輸送および郵送コストの削減などのため、印刷物の軽量化に対する要求も高い。従来、これらの二つの要望は相反するものであり、高品質印刷用塗工紙は原紙坪量および塗工量が多く、また表面処理による平滑化などにより、同一坪量で比較して密度の高いものであった。印刷物の軽量化には低坪量の用紙を選択することが可能であるが、密度が同等であれば軽量化に伴い紙厚も低くなり、冊子のボリューム感を損なうため好まれない。このため嵩高な、すなわち同一坪量で比較して紙厚の高いもしくは同一紙厚で比較して坪量の低く、かつ高級印刷用途としての塗被紙の要求を満たす高品質な塗工紙が求められている。
【0003】
嵩高化のための手法としては、嵩高なパルプおよび嵩高な填料の使用による塗工紙原紙の嵩高化、および塗工液組成物塗工量減少、および得られる塗工紙の表面処理の緩和等が用いられる。
【0004】
製紙用パルプとしては、化学薬品により繊維中のリグニンを抽出した化学パルプと、化学薬品を使用せずグラインダーで木材を磨り潰した砕木パルプやリファイナーで木材を解繊したサーモメカニカルパルプ等の機械パルプに大別される。一般的には、化学パルプと比較して機械パルプの方は繊維が剛直で嵩高(低密度)化には効果的である。しかしこれらの機械パルプは上質紙に配合すると白色度が低くなる等の品質上問題があり、また中質紙においても、結束繊維等による紙ムケ等印刷欠陥を生じ易いためその配合量には限界がある。また、近年の環境保護気運の高まりや資源保護の必要性から、古紙パルプが配合されることが多くなっている。しかし古紙パルプは一般的に、上質紙、新聞紙、雑誌、塗工紙等が混合されてパルプ化されることが多いため、バージン(紙に抄かれていない未使用の)機械パルプと比較して密度が高く、嵩高にならない。以上のように、パルプ面のみで十分な用紙の嵩高化を達成することは、木材資源の保護や用紙の品質設計を考えた場合困難である。
【0005】
また、塗工紙用原紙の嵩高化として嵩高な填料の使用が考えられる。例えば特開平5-339898号公報には中空の合成有機物カプセルを配合することにより低密度化する手法が開示されている。しかしながらこのような合成有機物は紙力を低下させるため、印刷時の紙ムケや断紙などの問題がある上、十分な嵩高効果を得るには高配合する必要があるため、製造原価が高くなる等の問題もあった。特開昭52-74001号公報には、シラスバルーンを用いる方法が提案されている。しかしこれは、製紙用パルプとの混合性が悪く、また、それを配合した用紙も印刷むらが発生するなどの問題があった。また、その他の嵩高填料あるいは嵩高剤等を使用して塗工原紙を嵩高にすることは可能であるが、それだけでは嵩高で、光沢の高い印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
【0006】
塗工紙の塗工層は一般的に原紙に比較して密度が高いため、塗工層を設けない印刷用紙と比較して塗工紙の密度は高い。このため、塗工紙の嵩高化は、塗工組成物の塗工量を少なくする事によっても達成される。これは、塗工紙全体に占める塗工層の比率が小さくなるためである。しかし、塗工層を少なくする事は同時に、塗工層による原紙の被覆性を低下させるため、白紙光沢度、平滑性、インキ着肉性などの印刷品質を低下せしめるため、目標とする品質を維持しながら塗工量を減少させることは困難であった。
【0007】
塗工紙の印刷品質、特に白紙光沢度、インクの着肉性などの印刷適性を向上するためには、塗工紙の平滑性を高める事が有効な手段の一つである。このため、スーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等の表面平滑化処理を施すことが一般的である。しかし、これらの処理は用紙を加圧して表面の平滑性を高めるものであるため、同時に用紙の紙厚が低くなり、目標とする印刷品質を得るには十分な嵩高化が達成できない問題があった。
【0008】
特開平10−168358号公報(特許文献1参照)には、顔料塗工液に水溶性ウレタン樹脂と特定の樹脂ラテックス等を使用することにより、嵩高で高光沢の印刷用塗工紙が開示されている。しかしながら、嵩高及び光沢については、不十分なものであった。
【0009】
以上のように、従来の技術を単独もしくは組み合わせだけでは、嵩高(低密度)でありながら、白紙光沢度が高く、インキ着肉性等に優れ、良好な印刷適性を有する印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−168358号公報(第2−7頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況に鑑み、本発明は印刷用塗工紙に関し、嵩高(低密度)でありながら、白紙光沢度が高く、インキ吸収性等に優れ、特に枚葉印刷において、インキ着肉むらが発生せず、インキ乾燥性も良好で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた上に、表面層を有する印刷用塗工紙において、原紙の填料として無定型シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有し、表面層として、ガラス転移温度が80℃以上の熱可塑性重合体と表面サイズ剤が固形分で80〜100重量%含有するものであり、該表面サイズ剤が溶剤タイプ、あるいはエマルジョンタイプのものであり、熱風乾燥やカレンダー処理を施した後には粒子形状を有しないものであることにより解決された。本発明により、嵩高(低密度)でありながら、白紙光沢度が高く、インキ吸収性等に優れ、特に枚葉印刷において、インキ着肉むらが発生せず、インキ乾燥性も良好で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができた。
【0013】
本発明においては、ガラス転移温度の高い熱可塑性重合体及び表面サイズ剤を含有する表面層を用いることにより、顔料塗工層の凹部が表面層に覆われ、光学的に平滑化され、光沢が高くなると推測される。
【0014】
ガラス転移温度の高い熱可塑性重合体のみからなる表面層は、微細な空隙部分があり、紙面にインキが転移した際にインキ吸収性が不均一であるため、インキ乾燥性が不均一になり、後刷りのインキが転移したときに不均一に転移するトラッピングが生じ、これにより印刷面の着肉むらが問題になることがあるが、表面サイズ剤を併用することにより、表面サイズ剤が空隙部分を充填あるいは被膜し、空隙部分を埋めるため、インキの浸透をより均一にすることができ、着肉むらが発生せず、インキ乾燥性の良好なものが得られると考えられる。
【0015】
更に原紙中に、填料として無定形シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有させることにより、嵩高で印刷作業性に適した表面強度を得ることができる。また、無定型シリケートは、カレンダー処理してもある程度嵩高性を維持することができ、より嵩高で印刷品質を向上することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明においては、原紙上に顔料と接着剤を有する顔料塗工層を設けた上に、更に表面層を設ける必要がある。
【0017】
原紙としては、填料として無定形シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有させることが必要である。3重量%未満では塗工原紙が低密度にならず、パルプ配合、カレンダー条件を最適化しても十分な低密度原紙を得ることができない。逆に12重量%を超えて配合した場合、パルプ重量当たりの填料粒子数が多くなり、繊維間結合が阻害される確立が高くなって、塗工層を設けた後においても印刷作業性に適した表面強度を維持することができない。また、無定形シリケートの嵩比重は0.2〜0.8g/mlであることが望ましく、更に好ましくは、0.4〜0.7g/mlである。嵩比重が0.2g/ml未満の無定形シリケートを含有する塗工原紙を使用した場合、塗工紙自体の表面強度が低下する傾向にある。嵩比重が0.8g/mlを超える無定形シリケートを含有する塗工原紙を使用する場合、塗工紙密度が高くなり易い。本発明の無定形シリケートは、含水ケイ酸の軽金属塩であって、含水ケイ酸ナトリウム、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウムナトリウム、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム等を例示することができる。これら無定形シリケートは、単独で使用しても2種以上で併用してもよい。また、填料として無定形シリケート以外に通常用いられる重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン、水和珪酸、合成樹脂等を併用してもよい。
【0018】
また、原紙に配合されるパルプの種類等は、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKP)、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が使用される。印刷機上のラフニングを良好にするためには、LBKP、NBKPの化学パルプを使用することが好ましい。さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤などを含有しても良い。
【0019】
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿論、メカニカルパルプを含む中質原紙および回収古紙パルプを含む原紙も使用できる。また、表面強度やサイズ性の向上の目的で、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレスを使用して、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン、ポリビニルアルコール、アルギン酸などを予備塗工した塗工原紙も使用可能である。また、原紙の坪量は、30〜400g/m2が好ましく、より好ましくは30〜200g/m2である。
【0020】
本発明において、原紙上に顔料塗工層を設ける方法は、通常の顔料塗工紙の製造法で十分達せられるが、望まれる品質に応じて、塗料中の顔料、接着剤の種類、あるいは顔料と接着剤の量比を適宜変更して使用する。
【0021】
本発明の顔料塗工層に用いる顔料としては、従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。白紙光沢度を向上させるためには、カオリンを顔料100重量部当たり50重量部以上含有することが好ましい。
本発明の顔料塗工層に用いる接着剤としては、従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗被紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗被紙用塗被組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0022】
原紙上に設ける顔料塗工層は、原紙の片面あるいは両面に、単層あるいは二層以上設ける事も可能である。本発明の塗工層の塗工量は、好ましくは片面当たり2〜40g/m2、より好ましくは5〜25g/m2であり、更に好ましくは 8〜16g/m2である。
【0023】
原紙に顔料塗工層を塗工するための方法としては、2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、およびブレードメタリングサイズプレスコーター、およびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができる。
【0024】
本発明は、原紙に顔料塗工層を設けた後、この顔料塗工層上にガラス転移温度80℃以上の熱可塑性重合体と表面サイズ剤を含有する液を上塗りして表面層とするが、上塗り前に顔料塗工層をスーパーカレンダー、グロスカレンダー等によって平滑化処理を行なっても良い。
【0025】
本発明の表面層に使用するガラス転移温度が80℃以上の熱可塑性重合体とは、熱可塑性を示す重合体あるいは共重合体のエマルジョンの粒子であって、熱風乾燥やカレンダー処理を行っても粒子形状を保持しているものである。コア−シェル形の場合は、好ましくはシェル部分のガラス転移温度が80 ℃以上のものである。好ましく使用される単量体としては、スチレン及びその誘導体、塩化ビニリデン、アクリル酸またはメタクリル酸エステルを例示することができる。熱可塑性重合体のガラス転移温度の上限は特に限定するものではなく、主として熱可塑性重合体の製造に使用する単量体の種類や可塑剤などの添加剤で決まり、通常上限としては約130℃程度である。ガラス転移温度が80℃以下の重合体あるいは共重合体を使用すると、得られた塗工紙の光沢度が低く不十分であり、表面層の表面強度が弱くなり印刷適性が劣り、カレンダー処理時でのカレンダーロールへの付着が生じる傾向にある。また、本発明の熱可塑性重合体の大きさは、高光沢、表面強度の点から平均粒径100nm以下にすることが好ましい。
【0026】
本発明において表面層に使用する表面サイズ剤は、スチレン・アクリル系、スチレン・マレイン酸系、スチレン・メタクリル酸系、オレフィン系、ウレタン系などの共重合体の表面サイズ剤を使用することができ、単独あるいは併用して使用することができる。本発明の表面サイズ剤は溶剤タイプ、あるいはエマルジョンタイプのものであり、熱風乾燥やカレンダー処理を施した後には粒子形状を有しないものである。重量平均分子量としては、1000〜500000のものが好ましい。これらの中でも、スチレン・アクリル系、オレフィン系、またはスチレン・マレイン酸系の共重合体を使用することが好ましく、特にスチレン・アクリル系のサイズ剤を用いるとより高い白紙光沢度を維持することができる。
本発明では熱可塑性重合体と表面サイズ剤を含有する塗工液を表面層として顔料塗工層の上に塗布するが、本発明の目的を損なわない範囲で、本発明の表面層用塗工液に塗工層の表面強度を調節するための一般紙塗工用天然あるいは合成樹脂接着剤、塗工に際しての塗料の塗工適性を調節するための流動調節剤や消泡剤、カレンダーロール等のロールへの付着を減少させる離型剤、および塗工層表面を着色するための着色剤、少量の顔料などを適宜組み合わせ混合し、表面層用塗工液としてもよい。好ましくは、熱可塑性重合体と表面サイズ剤が表面層の固形分で80〜100重量%含有するものである。このようにして得られた表面層用塗工液を顔料塗工層の上に塗布して表面層とする。塗布量は所望の性質が得られるように適宜調節することができるが、塗工量があまり多くなると、コストが高くなるだけでなく、インク吸収性が低下しインクセットが不十分となるとともに、表面層の強度が低下するなどの好ましくない傾向があるため、あまり多量に塗工することは得策でなく、通常片面0.1g/m2以上、好ましくは0.3〜3g/m2程度の塗工量で十分である。
【0027】
表面層用塗工液の塗工は、通常紙塗工の分野で使用されるブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、グラビヤコーター、フレキソコーター等で行なうことができる。塗工後の乾燥も、特別な条件設定は不要であり、通常のコート紙の製造に用いられる乾燥条件で最適な表面層とすることができる。
【0028】
このようにして得られた印刷用塗工紙は、そのままあるいはカレンダー処理を行うことが出来る。カレンダー処理においては、通常コート紙の平滑化処理に使用されるスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等でよく、これらを併用しても良い。好ましくは、100℃以上あるいは150℃以上のカレンダー処理を行うことである。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制限されるものではない。尚、実施例中に示される部および%は、特に断りのない限り全て固形分重量部および固形分重量%を意味する。
〈評価方法〉
(1)ガラス転移温度
20℃、65%(相対湿度)でフィルムを作成し、その20mgを示差走査熱量測定装置(DSC6200R:セイコーインスツルメンツ(株)製)で昇温速度5℃/min、測定温度0〜100℃で得られる特性曲線から算出した。
(2)密度
JIS P 8118:1998に従った。
(3)白紙光沢度…村上式グロスメターを使用し、75゜反射方式にて測定した。
(4)インキ乾燥性…RI−II型印刷試験機を用いて印刷を行い、印刷後の印刷面に白紙を押し当てて、白紙へのインキ転移を目視評価した。評価基準は白紙へのインキ転移が少ない場合を○、インキ転移がやや少なくない場合を△、インキ転移が著しく生じた場合を×とした。
(5)着肉むら…オフセット4色枚葉印刷機(MAN ROLAND社製、R304)にて、インキにハイエコーM(東洋インキ社製)を用いて、墨→藍→紅→黄の順に速度8000枚/時で印刷を行い、藍ベタ部の着肉むらを目視評価した。評価基準は着肉むらがない場合を○、着肉むらが少し生じた場合を△、着肉むらが著しく生じた場合を×とした。
(熱可塑性重合体Aの製造)
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管のついた四ツ口フラスコに水300部とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ9部、ポリオキシエチレンフェノールエーテル(エチレンオキシド付加10モル)4部を仕込み混合した中に、スチレン80部、αメチルスチレン10部、メタクリル酸メチル100部、メタクリル酸10部のモノマー混合物の内60部を仕込み、窒素置換しながら昇温し60℃として、20%過硫酸アンモニウム水溶液7.2部と20%無水重亜硫酸ソーダ水溶液4.8部を加え60分重合した。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液10部を加えた後、モノマー混合物の残り140部を1時間かけて滴下した。90℃で4時間保ち重合を終了し、熱可塑性共重合体Aのエマルジョンを得た。エマルジョンの固形分は39%であり、熱可塑性共重合体Aのガラス転移温度は107℃、平均粒径は75nmであった。
(熱可塑性共重合体B) 攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管のついた四つ口フラスコに水310部とハイテノールN−08(第一工業製薬(株)製ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルの硫酸塩)5.6部、およびスチレン48部、メタクリル酸メチル19部、メタクリル酸エチル8部、ジビニルベンゼン2.5 部メタクリル酸2.5部を仕込み、窒素置換しながら70℃まで昇温し16%過硫酸カリウム水溶液5部を加え85℃で4時間保ち重合を終了し、熱可塑性共重合体Bのエマルジョンを得た。エマルジョンの固形分は21%であり、熱可塑性共重合体Bのガラス転移温度は85℃、平均粒径は75nmであった。
(熱可塑性共重合体C) 熱可塑性共重合体Aで使用したモノマーをスチレン88部、メタクリル酸メチル38部、メタクリル酸n−ブチル70部、メタクリル酸4部と変更する以外は、熱可塑性重合体Aを得るのと同じ操作を行い、熱可塑性共重合体Cのエマルジョンを得た。エマルジョンの固形分は39%であり、ガラス転移温度は72℃であった。
(表面サイズ剤A) スチレン・アクリル系サイズ剤(溶液タイプ):ポリマロン−NS−15−2 荒川化学工業社製
(表面サイズ剤B) オレフィン系サイズ剤(溶液タイプ):ポリマロン482S 荒川化学工業社製
(表面サイズ剤C) スチレン・マレイン酸系サイズ剤:K−4 ハリマ化成社製
[実施例1]
填料として含水ケイ酸アルミニウムソーダを原紙重量当たり6%(嵩比重0.4g/ml)、タルクを6%含有し、製紙用パルプとして化学パルプを含有する坪量64g/m2の上質紙の原紙に、顔料として重質炭酸カルシウムを80部、2級カオリンを10部、微粒カオリンを10部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを0.05部、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックスを11部、燐酸エステル化澱粉4部を加え、さらに水を加えて固形分濃度65%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/m2となるように、塗工速度800m/分のブレードコーターで両面塗工を行い、顔料塗工紙を得た。
【0030】
次にガラス転移温度107℃、平均粒径75nmの熱可塑性共重合体A100部に対してスチレン・アクリル系サイズ剤A10部、ポリエチレンワックスエマルジョン系離型剤5部よりなる固形分30%の表面層用塗工液を前記顔料塗工紙に片面の乾燥重量が1.0g/m2となるように塗工速度500m/分のブレードコータで両面塗工、乾燥して、水分6.5%の上塗り塗工紙を得た後、金属ロール表面温度180℃、弾性ロールよりなるソフトカレンダーにて、ニップ圧40kg/cm、速度270m/minで、2ニップ通紙して印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1の熱可塑性重合体Aを熱可塑性重合体Bに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1の表面サイズ剤Aをオレフィン系表面サイズ剤Bに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1の表面サイズ剤Aをスチレン・マレイン酸系表面サイズ剤Cに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1のカレンダー条件をニップ圧80kg/cmに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1の熱可塑性重合体Aを熱可塑性重合体Cに変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1の表面層を表面サイズ剤A100部のみとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1の表面層を熱可塑性重合体A100部のみとした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、原紙に無定形シリケートを含有しなかった以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
坪量104.7g/のNPiコート(日本製紙(株)製)を用いた。
【0031】
表1に結果を示した。
【0032】
【表1】
表1から明らかなように、本願発明の印刷用塗工紙は低密度で、白紙光沢度が高く、着肉むら、インキ乾燥性などの印刷適性も良好でバランスのとれた印刷用塗工紙を得ることができる。これに対し、比較例のものはいずれも光沢度が不十分、あるいは着肉むらが発生、インキ乾燥性が遅い、密度が高いなどの問題点が有る。
【0033】
【発明の効果】
本発明により、嵩高(低密度)でありながら、白紙光沢度が高く、インキ吸収性等に優れ、特に枚葉印刷において、インキ着肉むらが発生せず、インキ乾燥性も良好で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができた。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coated paper for printing, and relates to a coated paper for printing that is high in bulk (low density), has high glossiness of white paper, and has excellent printability.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the progress of visualization and colorization of printed matter, there is an increasing demand for higher quality printing paper. On the other hand, there is a high demand for weight reduction of printed materials in order to reduce transportation and mail costs. Conventionally, these two demands are contradictory, and high-quality printing coated paper has a large basis weight and coating amount, and due to smoothing by surface treatment, etc. It was expensive. It is possible to select a low basis weight paper for weight reduction of the printed matter, but if the density is equal, the paper thickness decreases with weight reduction, which is not preferable because the volume of the booklet is impaired. Therefore, a high-quality coated paper that is bulky, that is, has a high paper thickness compared to the same basis weight or a low basis weight compared to the same paper thickness, and satisfies the requirements of coated paper for high-grade printing applications. It has been demanded.
[0003]
Methods for increasing the bulk include increasing the bulk of the coated paper by using bulky pulp and bulky filler, reducing the coating amount of the coating liquid composition, and relaxing the surface treatment of the resulting coated paper, etc. Is used.
[0004]
Pulp for papermaking includes chemical pulps extracted from lignin in fibers with chemicals, and mechanical pulps such as ground mechanical pulps that have been crushed with a grinder without using chemicals, and thermomechanical pulps that have been defibrated with refiners It is divided roughly into. In general, compared with chemical pulp, mechanical pulp is more effective in making the fiber stiff and bulky (low density). However, these mechanical pulps have quality problems such as low whiteness when blended with high-quality paper, and medium-size paper is liable to cause printing defects such as paper scumming due to bundling fibers. There is. In addition, waste paper pulp is often blended due to the recent increase in environmental protection and the need for resource protection. However, waste paper pulp is generally mixed with fine paper, newsprint, magazines, coated paper, etc., so it is often pulped. Compared to virgin (unused paper) mechanical pulp. High density and not bulky. As described above, it is difficult to achieve sufficient paper bulkiness only by the pulp surface when considering protection of wood resources and quality design of paper.
[0005]
Moreover, the use of bulky fillers can be considered as an increase in bulk of the base paper for coated paper. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-339898 discloses a technique for reducing the density by blending a hollow synthetic organic capsule. However, since such synthetic organic materials reduce paper strength, there are problems such as paper scumming and paper breakage during printing, and in order to obtain a sufficient bulky effect, it is necessary to add a high amount, which increases the manufacturing cost. There were also problems such as. Japanese Patent Application Laid-Open No. 52-74001 proposes a method using a shirasu balloon. However, this has a problem in that the miscibility with the pulp for papermaking is poor, and the paper blended with it also has uneven printing. Although it is possible to make the coated base paper bulky using other bulky fillers or bulking agents, it is difficult to obtain a coated paper for printing that is bulky and has high gloss.
[0006]
Since the coating layer of the coated paper is generally higher in density than the base paper, the density of the coated paper is higher than that of the printing paper not provided with the coating layer. For this reason, increasing the bulk of the coated paper can also be achieved by reducing the coating amount of the coating composition. This is because the ratio of the coating layer to the entire coated paper is reduced. However, reducing the coating layer at the same time lowers the coverage of the base paper by the coating layer, thus reducing the print quality such as blank paper glossiness, smoothness, and ink fillability. It was difficult to reduce the coating amount while maintaining it.
[0007]
Increasing the smoothness of the coated paper is an effective means for improving the printing quality of the coated paper, particularly the printability such as the glossiness of blank paper and the ink fillability. For this reason, it is common to perform a surface smoothing process such as a super calender or a soft nip calender. However, these treatments pressurize the paper to increase the smoothness of the surface, and at the same time, the paper thickness of the paper decreases, and there is a problem that sufficient bulkiness cannot be achieved to obtain the target print quality. It was.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-168358 (see Patent Document 1) discloses a bulky and high-gloss printing coated paper by using a water-soluble urethane resin and a specific resin latex for the pigment coating liquid. ing. However, the bulkiness and gloss were insufficient.
[0009]
As described above, by using conventional techniques alone or in combination, a coated paper for printing having a high blank paper glossiness, excellent ink depositability, etc., and good printability while being bulky (low density). It was difficult to get.
[0010]
[Patent Document 1]
JP-A-10-168358 (pages 2-7)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the circumstances as described above, the present invention relates to a coated paper for printing, and is bulky (low density), yet has a high glossiness of white paper and excellent ink absorbability, and in particular, unevenness in ink deposition in sheet-fed printing. The present invention provides a coated paper for printing that does not generate ink, has good ink drying properties, and has excellent printability.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The above-mentioned problem is that a coating layer containing a pigment and an adhesive is provided on the base paper, and in the printing paper having a surface layer, 3 to 12% by weight of amorphous silicate is contained as a filler for the base paper per base paper weight. The surface layer contains a thermoplastic polymer having a glass transition temperature of 80 ° C. or more and a surface sizing agent in a solid content of 80 to 100% by weight. The surface sizing agent is of a solvent type or an emulsion type. , and the after performing hot-air drying and calendering has been solved by der Rukoto having no particle shape. According to the present invention, while being bulky (low density), it has high white paper glossiness and excellent ink absorbency and the like, particularly in sheet-fed printing, ink unevenness does not occur, and ink drying properties are also good and printability is good. Excellent coated paper for printing could be obtained.
[0013]
In the present invention, by using a surface layer containing a thermoplastic polymer having a high glass transition temperature and a surface sizing agent, the concave portion of the pigment coating layer is covered with the surface layer, optically smoothed, and glossy. Presumed to be higher.
[0014]
The surface layer consisting only of a thermoplastic polymer having a high glass transition temperature has fine voids, and the ink absorbability is uneven when the ink is transferred to the paper surface. Trapping occurs when the ink for post-printing is transferred unevenly, which may cause uneven unevenness of the printed surface. It is considered that the ink can be permeated more uniformly, unevenness of the ink is not generated, and a good ink drying property can be obtained.
[0015]
Further, by containing 3 to 12% by weight of amorphous silicate as a filler in the base paper, the surface strength suitable for printing workability can be obtained. In addition, amorphous silicate can maintain a certain degree of bulkiness even if it is calendered, and can be more bulky and can improve printing quality.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, it is necessary to provide a surface layer after providing a pigment coating layer having a pigment and an adhesive on the base paper.
[0017]
As the base paper, it is necessary to contain 3 to 12% by weight of amorphous silicate as a filler per base paper weight. If it is less than 3% by weight, the coated base paper does not have a low density, and a sufficient low density base paper cannot be obtained even if the pulp composition and calendar conditions are optimized. On the other hand, when blended in excess of 12% by weight, the number of filler particles per pulp weight increases, and the probability that interfiber bonding is inhibited increases, making it suitable for printing workability even after the coating layer is provided. The surface strength cannot be maintained. The bulk specific gravity of the amorphous silicate is desirably 0.2 to 0.8 g / ml, and more preferably 0.4 to 0.7 g / ml. When a coated base paper containing amorphous silicate having a bulk specific gravity of less than 0.2 g / ml is used, the surface strength of the coated paper itself tends to decrease. When a coated base paper containing amorphous silicate having a bulk specific gravity exceeding 0.8 g / ml is used, the coated paper density tends to be high. The amorphous silicate of the present invention is a light metal salt of hydrous silicate, and can be exemplified by hydrous sodium silicate, hydrous aluminum silicate, hydrous aluminum silicate, hydrous calcium silicate, hydrous magnesium silicate and the like. . These amorphous silicates may be used alone or in combination of two or more. In addition to amorphous silicate, a heavy calcium carbonate, light calcium carbonate, kaolin, clay, talc, titanium oxide, hydrated silicic acid, synthetic resin and the like which are usually used may be used in combination.
[0018]
In addition, for example, hardwood bleached kraft pulp (hereinafter, LBKP), softwood bleached kraft pulp (hereinafter, NBKP), thermomechanical pulp, ground wood pulp, waste paper pulp, and the like are used as the types of pulp blended in the base paper. In order to improve roughening on the printing press, it is preferable to use chemical pulp of LBKP or NBKP. Further, if necessary, a sulfuric acid band, a sizing agent, a paper strength enhancer, a yield improver, a colorant, a dye, an antifoaming agent and the like may be contained.
[0019]
The paper making method of the base paper is not particularly limited, and a long net machine including a top wire, a round net machine, a paperboard machine using both of them, a Yankee dryer machine, etc., acid paper making, neutral paper making, Any of the base papers made by the alkaline paper making method may be used, and of course, medium base papers including mechanical pulp and base papers including recovered waste paper pulp can be used. For the purpose of improving surface strength and size, size starch, bill blade, gate roll coater, pre-metalizing size press, oxidized starch, positive starch, urea phosphate esterified starch, hydroxyethyl etherified starch A coated base paper preliminarily coated with an etherified starch such as dextrin, polyvinyl alcohol, or alginic acid can also be used. The basis weight of the base paper is preferably 30 to 400 g / m 2 , more preferably 30 to 200 g / m 2 .
[0020]
In the present invention, the method for providing the pigment coating layer on the base paper can be sufficiently achieved by the ordinary method for producing pigment coated paper, but depending on the desired quality, the pigment in the paint, the type of adhesive, or the pigment And the amount ratio of the adhesive is changed as appropriate.
[0021]
As the pigment used in the pigment coating layer of the present invention, conventionally used kaolin, clay, delaminated clay, heavy calcium carbonate, light calcium carbonate, talc, titanium dioxide, barium sulfate, calcium sulfate, oxidation Inorganic pigments such as zinc, silicic acid, silicate, colloidal silica, and satin white, and organic pigments such as plastic pigments can be used alone or in combination of two or more. In order to improve the glossiness of blank paper, it is preferable to contain kaolin in an amount of 50 parts by weight or more per 100 parts by weight of the pigment.
As the adhesive used in the pigment coating layer of the present invention, conventionally used styrene / butadiene, styrene / acrylic, ethylene / vinyl acetate, butadiene / methyl methacrylate, vinyl acetate / butyl acrylate, etc. Synthetic adhesives such as polyvinyl alcohol, maleic anhydride copolymer, acrylic acid / methyl methacrylate copolymer, casein, soy protein, synthetic protein proteins, oxidized starch, positive starch, urea Appropriate selection of one or more adhesives for normal coated paper such as phosphated starch, etherified starch such as hydroxyethyl etherified starch, starches such as dextrin, cellulose derivatives such as carboxyethylcellulose, hydroxyethylcellulose, hydroxymethylcellulose Used. These adhesives are used in an amount of about 5 to 50 parts by weight, more preferably about 5 to 25 parts by weight per 100 parts by weight of the pigment. In addition, if necessary, various assistants to be blended in a usual coating composition for coated paper, such as a dispersant, a thickener, a water retention agent, an antifoaming agent, a water resistance agent, a colorant, and a printability improver. Agents are used as appropriate.
[0022]
The pigment coating layer provided on the base paper can be provided as a single layer or two or more layers on one side or both sides of the base paper. The coating amount of the coating layer of the present invention, preferably per side 2 to 40 g / m 2, more preferably from 5 to 25 g / m 2, more preferably from 8~16g / m 2.
[0023]
Film transfer type rolls such as two roll size press coaters, gate roll coaters, blade metering size press coaters, rod metering size press coaters, shim sizers, etc. In addition to coaters, flooded nip / blade coaters, jet fountains / blade coaters, short dwell time application type coaters, rod metering coaters that use grooved rods, plain rods, etc. instead of blades, curtain coaters, die coaters It can be applied by a known coater such as a coater.
[0024]
In the present invention, after a pigment coating layer is provided on a base paper, a liquid containing a thermoplastic polymer having a glass transition temperature of 80 ° C. or higher and a surface sizing agent is coated on the pigment coating layer to form a surface layer. Before the overcoating, the pigment coating layer may be subjected to a smoothing process using a super calendar, a gloss calendar, or the like.
[0025]
The thermoplastic polymer having a glass transition temperature of 80 ° C. or higher used for the surface layer of the present invention is a polymer or copolymer emulsion particle exhibiting thermoplasticity, and may be subjected to hot air drying or calendar treatment. It retains the particle shape. In the case of the core-shell type, the glass transition temperature of the shell portion is preferably 80 ° C. or higher. Examples of the monomer preferably used include styrene and its derivatives, vinylidene chloride, acrylic acid or methacrylic acid ester. The upper limit of the glass transition temperature of the thermoplastic polymer is not particularly limited, and is determined mainly by the type of monomer used in the production of the thermoplastic polymer and additives such as a plasticizer, and the upper limit is usually about 130 ° C. Degree. When a polymer or copolymer having a glass transition temperature of 80 ° C. or lower is used, the gloss of the resulting coated paper is low and insufficient, the surface strength of the surface layer becomes weak, and the printability is inferior. It tends to occur on the calender roll. Moreover, the size of the thermoplastic polymer of the present invention is preferably 100 nm or less in terms of high gloss and surface strength.
[0026]
As the surface sizing agent used in the surface layer in the present invention, a copolymer sizing agent such as styrene / acrylic, styrene / maleic acid, styrene / methacrylic acid, olefin or urethane can be used. These can be used alone or in combination. The surface sizing agent of the present invention is of a solvent type or an emulsion type and does not have a particle shape after hot air drying or calendering. As a weight average molecular weight, the thing of 1000-500000 is preferable. Among these, it is preferable to use a styrene / acrylic copolymer, an olefin copolymer, or a styrene / maleic acid copolymer, and in particular, if a styrene / acrylic sizing agent is used, a higher blank paper glossiness can be maintained. it can.
In the present invention, a coating solution containing a thermoplastic polymer and a surface sizing agent is applied as a surface layer on the pigment coating layer, but within the range not impairing the object of the present invention, the coating for the surface layer of the present invention is applied. Natural or synthetic resin adhesives for general paper coating to adjust the surface strength of the coating layer in the liquid, flow regulators and antifoaming agents, calendar rolls, etc. to adjust the coating suitability of the coating during coating A surface layer coating solution may be prepared by appropriately combining and mixing a release agent for reducing the adhesion of the material to the roll, a colorant for coloring the surface of the coating layer, and a small amount of pigment. Preferably, the thermoplastic polymer and the surface sizing agent are contained in an amount of 80 to 100% by weight as the solid content of the surface layer. The surface layer coating solution thus obtained is applied onto the pigment coating layer to form a surface layer. The coating amount can be adjusted as appropriate so as to obtain the desired properties, but if the coating amount is too large, not only will the cost increase, but the ink absorption will decrease and the ink set will be insufficient, since the strength of the surface layer is undesirably tend such decrease is not a good idea is that very large amounts applied, usually one-sided 0.1 g / m 2 or more, preferably 0.3 to 3 g / m 2 of about The coating amount is sufficient.
[0027]
The coating solution for the surface layer can be applied with a blade coater, a roll coater, an air knife coater, a bar coater, a gravure coater, a flexo coater, etc., which are usually used in the field of paper coating. There is no need to set special conditions for drying after coating, and an optimum surface layer can be obtained under the drying conditions used in the production of ordinary coated paper.
[0028]
The coated paper for printing thus obtained can be subjected to calendar processing as it is. In the calendar process, a super calendar, a gloss calendar, a soft calendar, or the like, which is usually used for smoothing coated paper, may be used. Preferably, calendar treatment at 100 ° C. or higher or 150 ° C. or higher is performed.
[0029]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to the examples. In addition, unless otherwise indicated, all the parts and% shown in an Example mean the solid content weight part and solid content weight%.
<Evaluation methods>
(1) A film was prepared at a glass transition temperature of 20 ° C. and 65% (relative humidity), and 20 mg of the film was measured with a differential scanning calorimeter (DSC6200R: manufactured by Seiko Instruments Inc.) at a rate of temperature increase of 5 ° C./min. It calculated from the characteristic curve obtained at 0-100 degreeC.
(2) Density According to JIS P 8118: 1998.
(3) Glossiness of blank paper: measured with a 75 ° reflection method using a Murakami gloss meter.
(4) Ink drying property: Printing was performed using a RI-II type printing tester, and a blank paper was pressed against the printed surface after printing, and the ink transfer to the blank paper was visually evaluated. The evaluation criteria were ◯ when the ink transfer to the white paper was small, Δ when the ink transfer was not so small, and x when the ink transfer occurred remarkably.
(5) Ink unevenness: Using an offset 4-color sheet-fed printing machine (manufactured by MAN ROLAND, R304), high-echo M (manufactured by Toyo Ink) for ink, speed 8000 in the order of black, indigo, red, yellow Printing was performed per sheet / hour, and the uneven coloring of the indigo solid part was visually evaluated. The evaluation criteria were ◯ when there was no uneven unevenness, Δ when slightly uneven unevenness, and x when uneven unevenness occurred.
(Production of thermoplastic polymer A)
In a four-necked flask equipped with a stirrer, thermometer, condenser, dropping funnel, nitrogen gas inlet tube, 300 parts of water, 9 parts of sodium dodecylbenzenesulfonate, 4 parts of polyoxyethylene phenol ether (10 mol of ethylene oxide added) In the charged mixture, 60 parts of a monomer mixture of 80 parts of styrene, 10 parts of α-methylstyrene, 100 parts of methyl methacrylate and 10 parts of methacrylic acid were charged, and the temperature was raised while replacing with nitrogen to reach 60 ° C. and 20% excess. 7.2 parts of ammonium sulfate aqueous solution and 4.8 parts of 20% anhydrous sodium bisulfite aqueous solution were added and polymerized for 60 minutes. Next, 10 parts of a 20% aqueous solution of ammonium persulfate was added, and the remaining 140 parts of the monomer mixture was added dropwise over 1 hour. The polymerization was terminated at 90 ° C. for 4 hours to obtain an emulsion of thermoplastic copolymer A. The solid content of the emulsion was 39%, and the glass transition temperature of the thermoplastic copolymer A was 107 ° C. and the average particle size was 75 nm.
(Thermoplastic copolymer B) In a four-necked flask equipped with a stirrer, thermometer, cooler, and nitrogen gas inlet tube, 310 parts of water and Haitenol N-08 (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. polyoxyethylene nonylphenol) Ether sulfate) 5.6 parts, 48 parts of styrene, 19 parts of methyl methacrylate, 8 parts of ethyl methacrylate, 2.5 parts of divinylbenzene, 2.5 parts of methacrylic acid, and heated up to 70 ° C. while purging with nitrogen Warm, 5 parts of a 16% aqueous potassium persulfate solution was added and kept at 85 ° C. for 4 hours to complete the polymerization, and an emulsion of thermoplastic copolymer B was obtained. The solid content of the emulsion was 21%, and the glass transition temperature of the thermoplastic copolymer B was 85 ° C. and the average particle size was 75 nm.
(Thermoplastic copolymer C) Thermoplastic heavy, except that the monomer used in thermoplastic copolymer A is changed to 88 parts of styrene, 38 parts of methyl methacrylate, 70 parts of n-butyl methacrylate, and 4 parts of methacrylic acid. The same operation as that for obtaining the polymer A was carried out to obtain an emulsion of the thermoplastic copolymer C. The solid content of the emulsion was 39% and the glass transition temperature was 72 ° C.
(Surface sizing agent A) Styrene / acrylic sizing agent (solution type): Polymeron-NS-15-2 Arakawa Chemical Industries, Ltd. (Surface sizing agent B) Olefin sizing agent (solution type): Polymeron 482S Arakawa Chemical Industries, Ltd. (Surface sizing agent C) Styrene / maleic acid sizing agent: K-4 Harima Kasei Co., Ltd. [Example 1]
Base paper of high quality paper with a basis weight of 64 g / m 2 containing 6% of hydrous aluminum silicate as a filler (weight density 0.4 g / ml) and 6% of talc, and containing chemical pulp as paper pulp 80 parts of heavy calcium carbonate as a pigment, 10 parts of secondary kaolin, 10 parts of fine kaolin, 0.05 part of sodium polyacrylate as a dispersant, 11 parts of carboxy-modified styrene butadiene latex as a binder, phosphoric acid A blade coater with a coating speed of 800 m / min, added with 4 parts of esterified starch and further added with water to a solids concentration of 65% so that the coating amount is 14 g / m 2 per side. Double-sided coating was performed to obtain pigment-coated paper.
[0030]
Next, a surface layer having a solid content of 30% comprising 10 parts of a styrene / acrylic sizing agent and 5 parts of a polyethylene wax emulsion release agent with respect to 100 parts of a thermoplastic copolymer A having a glass transition temperature of 107 ° C. and an average particle diameter of 75 nm. The coating liquid is coated on both sides with a blade coater with a coating speed of 500 m / min so that the dry weight on one side becomes 1.0 g / m 2 on the pigment-coated paper, and the water content is 6.5%. After obtaining the top-coated paper, a soft calender consisting of an elastic roll with a metal roll surface temperature of 180 ° C. and passing through two nips at a nip pressure of 40 kg / cm and a speed of 270 m / min yields a coated paper for printing. It was.
[Example 2]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thermoplastic polymer A of Example 1 was changed to the thermoplastic polymer B.
[Example 3]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the surface sizing agent A of Example 1 was changed to the olefinic surface sizing agent B.
[Example 4]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the surface sizing agent A of Example 1 was changed to styrene / maleic acid type surface sizing agent C.
[Example 5]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the calendar condition of Example 1 was changed to a nip pressure of 80 kg / cm.
[Comparative Example 1]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the thermoplastic polymer A of Example 1 was changed to the thermoplastic polymer C.
[Comparative Example 2]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the surface layer of Example 1 was only 100 parts of the surface sizing agent A.
[Comparative Example 3]
A coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the surface layer of Example 1 was only 100 parts of the thermoplastic polymer A.
[Comparative Example 4]
In Example 1, a coated paper for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that the base paper did not contain amorphous silicate.
[Comparative Example 5]
An NPi coat (manufactured by Nippon Paper Industries Co., Ltd.) having a basis weight of 104.7 g / was used.
[0031]
Table 1 shows the results.
[0032]
[Table 1]
As can be seen from Table 1, the coated paper for printing of the present invention has a low density, high white paper gloss, good printability such as uneven unevenness and ink drying, and well-balanced coated paper for printing. Can be obtained. On the other hand, all of the comparative examples have problems such as insufficient glossiness, uneven unevenness, slow ink drying, and high density.
[0033]
【The invention's effect】
According to the present invention, while being bulky (low density), it has high white paper glossiness and excellent ink absorbency, etc., especially in sheet-fed printing, ink non-uniformity does not occur, ink drying properties are also good and printability is good. Excellent coated paper for printing could be obtained.
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