JP4119114B2 - 新規なジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な化合物である一般式(1):
【0002】
【化3】
Figure 0004119114
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基を、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を表す。但し、R1及びR2が共に水素原子である場合を除く。)で示される新規なジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類及びその製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】
本発明の上記一般式(1)で示されるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類は、文献未記載の新規な化合物である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ピリジン環の炭素原子に結合するボリル基を有するピリジルボラン類は、例えば、ハロゲン原子を有する芳香族化合物とのカップリング反応によって有機EL材料、液晶材料として有用なビアリール化合物へ誘導される。当該ピリジルボラン類の具体例としては、ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(4−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2−メトキシ−3−ピリジル)ボラン、ジエチル(3−ピリジル)ボラン等、数例の報告しかなく、有機EL、液晶分野において高性能の有機EL材料、液晶材料の開発のために新たな化合物の提供が望まれている。
本発明は、新規なピリジルボラン類を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、有機EL材料や液晶材料の他、医農薬等の中間体等、多様な用途への使用が期待できる化合物である一般式(1):
【0006】
【化4】
Figure 0004119114
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基を、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を表す。但し、R1及びR2が共に水素原子である場合を除く。)で示されるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類[以下、ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)という。]を見出した。ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)は、例えば一般式(1)中のR1がハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基である化合物、即ち、一般式(4):
【0007】
【化5】
Figure 0004119114
(式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を、R3はハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基を表す。)で示されるジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類又はジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類は、有機溶媒中、一般式(2):
【0008】
【化6】
Figure 0004119114
(式中、R2及びR3は上記と同じ。)で示されるピリジン類をリチウムアミドと反応させた後、得られた反応混合物に一般式(3):
B(OR43 (3)
(式中、R4はアルキル基を表す。)で示されるトリアルコキシボラン類を加えて反応させ、次いで得られた反応混合物に水を加えて反応させることによって容易に製造することができる。また、ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)において一般式(1)中のR1が水素原子であり且つR2がハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基である化合物、即ち、一般式(6):
【0009】
【化7】
Figure 0004119114
(式中、R5はハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を表す。)で示される化合物は、一般式(5):
【0010】
【化8】
Figure 0004119114
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R5は上記と同じ。)で示される化合物を、溶媒中、水素化触媒及び塩基の存在下に水素と反応させて脱ハロゲン化を行うことによって容易に製造することができる。
本発明は上記知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0011】
即ち、本発明は、ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)に関する。
【0012】
尚、本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)は、分子間で容易に脱水縮合反応して経時的に一般式(7):
【0013】
【化9】
Figure 0004119114
[式中、Arは、
【0014】
【化10】
Figure 0004119114
(式中、R1及びR2は上記と同じ。)で示される3−ピリジル基を表す。]で示されるボロキシン類に転化する。本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)は上記一般式(7)で示されるボロキシン類を包含する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)において、上記一般式(1)中のR1で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素等が挙げられる。アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基等の直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0016】
また、上記一般式(1)中のR2で表されるハロゲン原子としては上記のR1で表されるハロゲン原子と同様のものが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びt−ブチル基等の直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられ、そしてフロロアルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、1,2−ジフルオロメチル基、1,1,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエチル基等のメチル基又はエチル基の水素原子を1個以上フッ素原子に置換したものが挙げられる。
【0017】
本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)は、以下の方法によって製造することができる。
【0018】
ジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)において一般式(1)中のR1がハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基である化合物、即ち、一般式(4):
【0019】
【化11】
Figure 0004119114
(式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を、R3はハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基を表す。)で示されるジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類又はジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類[以下、それぞれ単にジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類、ジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類という。]は、有機溶媒中、一般式(2):
【0020】
【化12】
Figure 0004119114
(式中、R2及びR3は上記と同じ。)で示されるピリジン類[以下、ピリジン類(2)という。]を、リチウムアミドと反応させた後、得られた反応混合物に一般式(3):
B(OR43 (3)
(式中、R4はアルキル基を表す。)で示されるトリアルコキシボラン類[以下、トリアルコキシボラン類(3)という。]を加えて反応させ、次いで得られた反応混合物に水を加えて反応させることによって製造することができる。
【0021】
一般式(4)で示されるジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類又はジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類の製造法は、詳しくは次の通りのものである。即ち、有機溶媒中、ピリジン類(2)を、リチウムアミドと反応させることにより一般式(8):
【0022】
【化13】
Figure 0004119114
(式中、R2及びR3は上記と同じ。)で示される3−ピリジルリチウム類[以下、3−ピリジルリチウム類(8)という。]を製造し、次いで得られる3−ピリジルリチウム類(8)を、トリアルコキシボラン類(3)と反応させて一般式(9):
【0023】
【化14】
Figure 0004119114
(式中、R2、R3及びR4は上記と同じ。)で示されるジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類[以下、アルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)という。]を製造し、さらに得られるジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)を加水分解してジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類又はジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類を製造する方法である。
【0024】
3−ピリジルリチウム類(8)の製造に用いられるピリジン類(2)において、一般式(2)中のR3で表されるハロゲン原子及びアルコキシカルボニルアミノ基は、上記R1で表されるそれらと同じである。ピリジン類(2)の具体例としては、2−クロロピリジン、2−ブロモピリジン、2,5−ジクロロピリジン、2−クロロ−6−メチルピリジン、2−クロロ−5−トリフロロメチルピリジン、2−t−ブトキシカルボニルアミノピリジン等を挙げることができるがこれらに限定されない。
【0025】
3−ピリジルリチウム類(8)の製造においては、反応の前に第2級アミンとアルキルリチウムとからリチウムアミドを調製するのが好ましい。リチウムアミドの調製は、例えば、有機溶媒中、第2級アミンとアルキルリチウムの等モルを攪拌下に混合して反応させるだけで容易に実施でき、この反応によりほぼ定量的にリチウムアミドが生成する。そして得られたリチウムアミドを含む反応混合物に、ピリジン類(2)を加えて攪拌下に混合し、ピリジン類(2)をリチウムアミドと反応させることによって3−ピリジルリチウム類(8)を製造することができる。尚、この方法においては、アルキルリチウム、リチウムアミド及び3−ピリジルリチウム類(8)が水と容易に反応して分解することから、反応系を無水の状態に保つのが好ましい。リチウムアミドの調製に用いられる第2級アミンとしては、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等のジアルキルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジン等のポリメチレンイミン等が挙げられる。またアルキルリチウムとしては、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ナフチルリチウム等が挙げられる。これら第2級アミン及びアルキルリチウムとの具体例からは、リチウムアミドとしてリチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウム2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジド等が調製され、本発明においてはジアルキルアミンとアルキルリチウムから調製されるリチウムジアルキルアミドが好適に用いられる。こうして得られるリチウムアミドを含有する混合物にピリジン類(2)を加えて反応させると3−ピリジルリチウム類(8)を製造できる。
【0026】
有機溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されず、例えば、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が挙げられ、反応にはこれらの1種以上を使用することができる。
【0027】
ピリジン類(2)、リチウムアミド及び有機溶媒の使割合は、通常、ピリジン類(2)1モルに対してリチウムアミドが1.0〜3.5モル及び有機溶媒が1〜100重量部である。
【0028】
3−ピリジルリチウム類(8)の製造において、予めリチウムアミドを調製する場合の第2級アミンとアルキルリチウムの反応の反応温度は好ましくは−80〜0℃であり、またピリジン類(2)とリチウムアミドの反応の反応温度は、好ましくは−80〜−20℃である。
【0029】
そして上記のようにして得られる3−ピリジルリチウム類(8)を含む反応混合物をそのまま用いてジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)の製造を行うことができる。
【0030】
ジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)の製造は、上記のようにして得られる3−ピリジルリチウム類(8)を含む反応混合物に、トリアルコキシボラン類(3)を加えて、攪拌下に混合して3−ピリジルリチウム類(8)をトリアルコキシボラン類(3)と反応させればよい。
【0031】
トリアルコキシボラン類(3)における上記一般式(3)中のR3で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。トリアルコキシボラン類(3)の具体例としては、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリプロポキシボラン等が挙げられるがこれらに限定されない。トリアルコキシボラン類(3)の使用量は、3−ピリジルリチウム類(8)の製造に用いたピリジン類(2)1モルに対して通常1.0〜3.5モルである。
【0032】
3−ピリジルリチウム類(8)とトリアルコキシボラン類(3)の反応における反応温度は、ピリジン類(2)とリチウムアミドとの反応温度と同様である。
【0033】
このようにしてジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)を含む反応混合物が得られる。そして引き続き、得られた反応混合物をそのまま用い、当該反応混合物に含まれるジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)を加水分解すれば一般式(4)で示されるジヒドロキシ(2−ハロゲノ−3−ピリジル)ボラン類又はジヒドロキシ(2−アルコキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン類を製造することができる。
【0034】
加水分解は、上記で得られるジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)を含む反応混合物に水を添加して攪拌するだけでよい。水の使用量は、反応混合物に含まれるジアルコキシ(3−ピリジル)ボラン類(9)1重量部に対して通常1〜10重量部である。
【0035】
加水分解の反応温度は、通常−80〜50℃、好ましくは−30〜30℃である。
【0036】
またジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)において一般式(1)中のR1が水素原子である化合物、即ち、一般式(6):
【0037】
【化15】
Figure 0004119114
(式中、R5はハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を表す。)で示される化合物は、一般式(5):
【0038】
【化16】
Figure 0004119114
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R5は上記と同じ。)で示される化合物を、溶媒中、水素化触媒及び塩基の存在下に水素と反応させて脱ハロゲン化を行うことにより製造できる。
【0039】
水素化触媒としては、一般に公知のものを広く適用することができ、好ましくはパラジウム触媒、白金触媒等の貴金属触媒を用いる。特に好ましい水素化触媒は、シリカゲル、アルミナ、活性炭、珪藻土、炭酸カルシウム等の担体にパラジウム、白金等の貴金属が担持された担持触媒である。担持触媒における貴金属の担持量は担体に対して金属が通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜10%である。また、水素化触媒の使用量は、一般式(5)で示される化合物に対して通常0.1〜100重量%、好ましくは0.1〜20重量%である
【0040】
塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の無機塩基、アンモニア、トリエチルアミン等の有機塩基のいずれも使用できる。塩基の使用量は、一般式(5)で示される化合物1モルに対して通常1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。
【0041】
溶媒としては、水及びアルコールが好ましく、アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−ブタノール等の炭素数1〜4のアルコールが好ましい。使用量としては一般式(5)で示される化合物1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0042】
反応における水素の圧力は、通常大気圧〜10MPa、好ましくは大気圧〜1.0MPaである。また反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは20〜60℃である。
【0043】
上記のようにしてジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)を製造することができる。本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)は、上記製造法における原料化合物の入手が容易なことから、好ましくは一般式(1)中のR1がハロゲン原子である化合物、一般式(1)中のR1がアルコキシカルボニルアミノ基であり且つR2が水素原子である化合物、並びに上記一般式(1)中のR1が水素原子であり且つR2がハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基である化合物である。
【0044】
本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)の具体例としては、例えば、ジヒドロキシ(2−クロロ−3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2−ブロモ−3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2,5−ジクロロ−3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン、ジヒドロキシ(2−クロロ−5−トリフロロメチル−3−ピリジル)ボラン等を挙げることができ、これらは上述した通りの脱水縮合物をそれぞれ包含する。本発明のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0045】
上記のようにして得られるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)を含む反応混合物からは、濾過、中和、抽出、濃縮、蒸留、再結晶及び/又はカラムクロマトグラム等の単位操作を組み合わせてジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類(1)を単離することができる。
【0046】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
実施例1
ジイソプロピルアミン2.11ml(15ミリモル)及び無水テトラヒドロフラン15mlからなる溶液を0℃に冷却し、1.53モル/リットルのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液9.8ml(n−ブチルリチウム15ミリモル)を10分かけて滴下して混合し、リチウムジイソプロピルアミドを含む混合物を得た。得られた混合物を−78℃に冷却し、ここに2−クロロピリジン0.94ml(10ミリモル)及び無水テトラヒドロフラン10mlからなる溶液を20分かけて滴下し、同温で2時間攪拌して反応させた。さらに同温でトリメトキシボラン1.14ml(10ミリモル)及び無水テトラヒドロフラン10mlからなる溶液を20分かけて滴下し、同温で2時間攪拌して反応させた。得られた反応混合物に含水テトラヒドロフラン(含水率:約16重量%)2.4mlを−78℃にて滴下した後、−10℃まで昇温し、さらに水20mlを添加した。得られた反応混合物を室温にし、酢酸エチル20mlを加えて混合した後、有機層と水層に分液した。得られた水層を10重量%塩酸でpH約4.0に調整し、酢酸エチル30mlによる抽出を2回行った。抽出液の有機層を飽和食塩水20mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[酢酸エチル:酢酸=100:0.1]にて精製し、赤橙色固体1.04gを得た。得られた固体はジヒドロキシ(2−クロロ−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは下記の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2−クロロ−3−ピリジル)ボランに換算して66%である。
【0048】
1H−NMR(D2O、NaOD、MeOD;ppm)σ:8.09〜8.15(m,1H)、8.06、8.04、7.98(前記3つのピークはそれぞれ、dd,J=7.3Hz,J=ca.2.0Hzであり、これらの合計の相対プロトン数は1H)、7.28(ddd,J=6.8Hz,J=4.8Hz,J=1.6Hz,1H)
【0049】
実施例2
実施例1において2−クロロピリジンに代えて2−ブロモピリジン1.58g(10ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様に行って褐色固体1.55gを得た。得られた固体はジヒドロキシ(2−ブロモ−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは次の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2−ブロモ−3−ピリジル)ボランに換算して77%であった。
【0050】
1H−NMR(D2O,NaOD,MeOD;ppm)σ:7.97−8.13(m,2H)、7.28−7.37(m,1H)
【0051】
実施例3
実施例1において2−クロロピリジンに代えて2−クロロ−6−メチルピリジン1.28g(10ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様に行って黄色固体185mgを得た。得られた固体はジヒドロキシ(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは次の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジル)ボランに換算して11%である。
【0052】
1H−NMR(D2O,NaOD,MeOD;ppm)σ:7.84−7.98(m,1H)、7.13(dd,J=7.3Hz,J=1.8Hz,1H)、2.40(s,3H)
【0053】
実施例4
実施例1において2−クロロピリジンに代えて2−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン1.82g(10ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様に行って茶褐色固体572mgを得た。得られた固体はジヒドロキシ(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは次の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−3−ピリジル)ボランに換算して25%であった。
【0054】
1H−NMR(D2O,NaOD,MeOD;ppm)σ:8.45−8.51(m,1H)、8.39、8.36、8.29(これら3つのピークはそれぞれ、d,J=2.5Hzであり、これらの合計の相対プロトン数は1H)
【0055】
実施例5
実施例1において2−クロロピリジンに代えて2,5−ジクロロピリジン1.48g(10ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様に行って淡黄色固体770mgを得た。得られた固体はジヒドロキシ(2,5−ジクロロ−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは次の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2,5−ジクロロ−3−ピリジル)ボランに換算して40%であった。
【0056】
1H−NMR(D2O,NaOD,MeOD;ppm)σ:8.15(s,1H)、7.65、7.62、7.57(これら3つのピークはそれぞれ、sであり、これらの合計の相対プロトン数は1H)
【0057】
実施例6
実施例1において2−クロロピリジンに代えて2−ブトキシカルボニルアミノピリジン1.94g(10ミリモル)を用いた以外は実施例1と同様に行って白色固体47mgを得た。得られた固体は(2−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボラン及びその脱水縮合物である上記一般式(4)で示されるボロキシン構造を有する化合物の混合物であり、その1H−NMRは次の通りである。収率は、ジヒドロキシ(2−ブトキシカルボニルアミノ−3−ピリジル)ボランに換算して2.0%であった。
【0058】
1H−NMR(D2O,NaOD,MeOD;ppm)σ:8.24(m,1H)、7.81(m,1H)、7.67(d,J=8.4Hz,1H)、7.11(ddd,J=6.5,J=5.3,J=0.8 Hz,1H)、1.55(s、1H)

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    Figure 0004119114
    で示されるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類において、R 1 がハロゲン原子又はアルコキシカルボニルアミノ基であり、且つR 2 が水素原子又はアルキル基である(但し、R 1 及びR 2 がそれぞれがハロゲン原子及び水素原子である場合を除く。)ことを特徴とするジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類。
  2. 1 がハロゲン原子であり、且つ 2 がアルキル基である請求項1に記載のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類。
  3. 1 がアルコキシカルボニルアミノ基であり、且つR2が水素原子である請求項1に記載のジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類。
  4. 有機機溶媒中、一般式(2):
    Figure 0004119114
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基を、Rはハロゲン原子又はアルコシキカルボニルアミノ基を表す。)で示されるピリジン類をリチウムアミドと反応させた後、得られた反応混合物に一般式(3):
    B(OR (3)
    (式中、Rはアルキル基を表す。)で示されるトリアルコキシボラン類を加えて反応させ、次いで得られた反応混合物に水を加えて反応させることを特徴とする前記一般式(1)において、R がハロゲン原子又はアルコシキカルボニルアミノ基であり、且つR が水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基であるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類の製造法。
  5. 前記一般式(1)において、がハロゲン原子であり且つRがハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基であるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類を、溶媒中、水素化触媒及び塩基の存在下に水素と反応させることを特徴とする前記一般式(1)において、R が水素原子であり、且つR がハロゲン原子、アルキル基又はフロロアルキル基であるジヒドロキシ(3−ピリジル)ボラン類の製造法。
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