JP4097257B2 - チルト補正方法、チルト補正装置及び光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はチルト補正方法、チルト補正装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、光ディスク装置における情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを補正するチルト補正方法、情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを補正するチルト補正装置及び該チルト補正装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置では、光ディスクなどの情報記録媒体が用いられ、その記録面にレーザ光を照射することにより情報の記録を行い、記録面からの反射光に基づいて情報の再生などを行っている。そして、光ディスク装置は、情報記録媒体の記録面にレーザ光を照射して光スポットを形成するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置として、光ピックアップ装置を備えている。
【0003】
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射されるレーザ光を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面からの反射光(戻り光束)を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置され戻り光束を受光する受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御に必要な情報(サーボ情報)などを含む信号が出力される。
【0004】
近年、情報記録媒体の記録容量の増加要求に伴い記録密度の高密度化が図られてきた。記録密度を高くするには記録面に形成される光スポットのスポット径を小さくする必要があり、開口数の大きな対物レンズが用いられる傾向にある。しかしながら、対物レンズの開口数が大きくなると、対物レンズの光軸方向と記録面に垂直な方向とのずれ(以下、便宜上「チルト」ともいう)に起因する波面収差の影響が大きくなり、光スポットの形状の劣化、受光素子から出力される再生情報及びサーボ情報などを含む信号の劣化を引き起こすおそれがあった。
【0005】
また、一般に情報記録媒体は通常樹脂成形品であり、その大部分は生産性の点から、成形品と類似した形状のキャビティを有する成形用型(通常は金型)に溶融状態の樹脂を加圧しながら注入する射出成形法及びそれに類似する方法により製造されている。成形品が情報記録媒体のような円盤形状の場合には、キャビティの中央部(情報記録媒体の回転中心部分に対応する部分)にダイレクトゲート(注入口)を持つラジアルフロータイプの成形用型を用いた成形方式が通常採用され、溶融樹脂はダイレクトゲートを介してキャビティの中央部から外周部に向かって流れていく。キャビティ内に注入された樹脂は、その温度及び冷却速度が一様ではないために、成形品に内部応力が残留したり、樹脂の密度が不均一となり、情報記録媒体の表面が一様な平面とはならないことがある。このような情報記録媒体では、前記チルトに起因する波面収差の影響は場所によって異なることとなる。
【0006】
そこで、チルトを補正するための方法及び装置が種々提案された(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1に開示されているチルトサーボ装置では、データが記録されている領域(記録部)についてはRF信号の振幅が最大となるようにチルト補正を行い、データが記録されていない領域(未記録部)についてはRF信号を得ることができないため、トラックエラー信号を検出する際のプッシュプル信号(以下、便宜上「プッシュプル信号」と略述する)におけるオフセットがほぼ0となるようにチルト補正を行っていた。また、特許文献2に開示されている光ディスク装置では、プッシュプル信号におけるオフセットがほぼ0となるように、あるいはトラックを横切るときのプッシュプル信号(特許文献2では「トラバース信号」と記述されている)の信号振幅が最大となるようにチルト補正を行っていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−52362号公報
【特許文献2】
特開2002−25090号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
通常、光ディスク装置は、プッシュプル信号のオフセットが0のとき、あるいはトラックを横切るときのプッシュプル信号の信号振幅が最大となるときに、チルトがほぼ0となり、最適な再生信号が得られるように設計されている。しかしながら、例えば製造装置の精度により、光ピックアップ装置の光学系が、設計上の組み付け位置から若干ずれて組み付けられることがある。この場合には、ずれ量が所定の許容範囲内であっても、プッシュプル信号のオフセットが0のとき、あるいはトラックを横切るときのプッシュプル信号の信号振幅が最大となるときに、チルトがほぼ0となるとは限らない。そこで、上記プッシュプル信号に基づく補正では、必ずしも最良なチルト補正とはならない場合があった。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、未記録領域においても情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができるチルト補正方法及びチルト補正装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、情報記録媒体へのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に対物レンズを介して光ビームを照射し、記録面からの反射光を受光する光ディスク装置における前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾きを補正するチルト補正方法であって、前記情報記録媒体に対するアクセス要求に応じて、前記記録面における前記アクセスの対象領域の少なくとも近傍を含む領域で、前記反射光から得られるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きに関する情報を取得する第1工程と;前記第1工程での取得結果と、予め得られている同一の情報記録媒体の特定領域での最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きと前記プッシュプル信号の信号特性が前記所定値となるときの前記対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて前記対象領域での前記対物レンズの最適な傾きに関する情報を求める第2工程と;前記最適な傾きに関する情報に基づいて前記対物レンズの傾きを補正するための補正情報を取得する第3工程と;を含むチルト補正方法である。
【0012】
なお、本明細書では、「傾きに関する情報」は傾きそのものだけでなく、傾きの変化に対応して変化する情報、傾きに換算することができる情報及び傾きを制御する信号情報などを含む。また、「補正情報」は傾きの補正量そのものだけでなく、補正量に換算することができる情報などを含む。
【0013】
これによれば、情報記録媒体に対するアクセス要求に応じて、アクセスの対象領域の少なくとも近傍を含む記録面の領域で、プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの対物レンズの傾きに関する情報が取得される。次に、その取得結果と、予め得られている同一の情報記録媒体の特定領域での最適な再生信号が得られるときの対物レンズの傾きとプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて対象領域での対物レンズの最適な傾きに関する情報が求められる。そして、最適な傾きに関する情報に基づいて対物レンズの傾きを補正するための補正情報が取得される。すなわち、対象領域からの再生信号を必要とせずに、対象領域における対物レンズの最適な傾きに関する情報を精度良く取得することが可能となる。従って、再生信号が得られない未記録領域においても情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができる。
【0014】
この場合において、請求項2に記載のチルト補正方法の如く、前記プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きは、前記プッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることとすることができる。
【0015】
上記請求項1及び2に記載の各チルト補正方法において、請求項3に記載のチルト補正方法の如く、前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにRF信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることとすることができる。
【0016】
上記請求項1及び2に記載の各チルト補正方法において、請求項4に記載のチルト補正方法の如く、前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにジッタがほぼ最小となるときの前記対物レンズの傾きであることとすることができる。
【0017】
上記請求項1〜4に記載の各チルト補正方法において、請求項5に記載のチルト補正方法の如く、前記補正情報に基づいて前記対物レンズの傾きを調整する第4工程を更に含むこととすることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に対物レンズを介して光ビームを照射し、記録面からの反射光を受光して情報の記録又は再生を行なう際に、前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾きを補正するチルト補正装置であって、前記記録面における記録又は再生の対象領域の少なくとも近傍を含む領域で、前記反射光から得られるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きに関する情報を取得する傾き情報取得手段と;前記傾き情報取得手段での取得結果と、予め得られている同一の情報記録媒体の特定領域での最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きと前記プッシュプル信号の信号特性が前記所定値となるときの前記対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて前記対象領域での前記対物レンズの最適な傾きに関する情報を求め、該最適な傾きに関する情報に基づいて前記対物レンズの傾きを補正する補正手段と;を備えるチルト補正装置である。
【0019】
これによれば、情報記録媒体に対して情報の記録又は再生を行なう際に、傾き情報取得手段により記録面における記録又は再生の対象領域の少なくとも近傍を含む領域で、プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの対物レンズの傾きに関する情報が取得される。傾き情報取得手段での取得結果は補正手段に通知される。そして、補正手段により、傾き情報取得手段での取得結果と、予め得られている最適な再生信号が得られるときの対物レンズの傾きとプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて対象領域での対物レンズの最適な傾きに関する情報が求められる。さらに、補正手段により、最適な傾きに関する情報に基づいて対物レンズの傾きが補正される。すなわち、対象領域からの再生信号を必要とせずに、対象領域における対物レンズの最適な傾きに関する情報を精度良く取得することが可能となり、その結果として対物レンズの傾きが精度良く補正されることとなる。従って、再生信号が得られない未記録領域においても情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができる。
【0020】
この場合において、請求項7に記載のチルト補正装置の如く、前記プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きは、プッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることとすることができる。
【0021】
上記請求項6及び7に記載の各チルト補正装置において、請求項8に記載のチルト補正装置の如く、前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにRF信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることとすることができる。
【0022】
上記請求項6及び7に記載の各チルト補正装置において、請求項9に記載のチルト補正装置の如く、前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにジッタがほぼ最小となるときの前記対物レンズの傾きを含むこととすることができる。
【0023】
請求項10に記載の発明は、情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう光ディスク装置であって、光源と;前記光源から出射される光束を前記情報記録媒体の記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;前記受光位置に配置された光検出器と;請求項6〜9のいずれか一項に記載のチルト補正装置と;前記チルト補正装置に前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾き補正を指示するとともに、前記光検出器からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置である。
【0024】
これによれば、請求項6〜9のいずれか一項に記載のチルト補正装置を備えているため、情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができる。従って、情報記録媒体への情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を含むアクセスを精度良く安定して行うことができる。
【0025】
この場合において、請求項11に記載の光ディスク装置の如く、前記光検出器の出力信号に基づいて、前記差に関する情報を取得するチルト差情報取得手段を更に備えることとすることができる。
【0026】
この場合において、請求項12に記載の光ディスク装置の如く、前記チルト差情報取得手段は、情報記録媒体の記録面に何も記録されていないときには、前記差に関する情報の取得に先だって、前記記録面の少なくとも一部の領域に所定のダミーデータを記録することとすることができる。
【0027】
上記請求項10〜12に記載の各光ディスク装置において、請求項13に記載の光ディスク装置の如く、前記差に関する情報が保存されたメモリを更に備えることとすることができる。
【0028】
この場合において、請求項14に記載の光ディスク装置において、前記差に関する情報は、装置の製造工程及び調整工程の少なくとも一方において取得され、前記メモリに保存されることとすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の概略構成が示されている。
【0030】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、メモリとしてのフラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVD(digital versatile disc)系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
【0031】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラック(記録領域)が形成された記録面の所定位置にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。なお、この光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0032】
前記再生信号処理回路28は、図2に示されるように、I/Vアンプ28a、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、デコーダ28e、RF信号振幅検出回路28f及びPP信号振幅検出回路28gなどから構成されている。I/Vアンプ28aは、光ピックアップ装置23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅する。サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてサーボ信号(フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号など)を検出する。ここで検出されたサーボ信号はサーボコントローラ33に出力される。ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてウォブル信号を検出する。RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてRF信号を検出する。デコーダ28eは、ウォブル信号検出回路28cで検出されたウォブル信号からADIP(Address In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたADIP情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。また、デコーダ28eは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に対して復号処理及び誤り訂正処理等を行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。なお、再生データが音楽データの場合には外部のオーディオ機器などに出力される。RF信号振幅検出回路28fは、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号における振幅を検出し、CPU40に出力する。PP信号振幅検出回路28gは、I/Vアンプ28aからの電圧信号に基づいてトラックエラー信号検出用のプッシュプル信号における振幅を検出し、CPU40に出力する。
【0033】
図1に戻り、前記サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するための制御信号(以下「フォーカス制御信号」ともいう)を生成し、トラックエラー信号に基づいてトラックずれを補正するための制御信号(以下「トラッキング制御信号」ともいう)を生成する。各制御信号はそれぞれモータドライバ27に出力される。
【0034】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からのフォーカス制御信号に応じた駆動電流(以下「フォーカス駆動電流」ともいう)、及びトラッキング制御信号に応じた駆動電流(以下「トラッキング駆動電流」ともいう)を光ピックアップ装置23に出力する。また、モータドライバ27は、CPU40からの後述するチルト制御信号に応じた駆動電流(以下「チルト駆動電流」ともいう)及び後述するシーク制御信号に応じた駆動信号を光ピックアップ装置23に出力する。さらに、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22に駆動信号を出力する。
【0035】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定量になるとCPU40に通知する。
【0036】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加等を行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0037】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、光ディスク15に照射するレーザ光の出力を制御する制御信号(以下「LD制御信号」ともいう)を光ピックアップ装置23に出力する。
【0038】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0039】
前記フラッシュメモリ39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、フラッシュメモリ39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどを一時的に前記RAM41に保存する。
【0040】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図3〜図5を用いて説明する。この光ピックアップ装置23は、図3に示されるように、スピンドルモータ22によって回転している光ディスク15の記録面にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するピックアップ本体101と、このピックアップ本体101を保持するとともに、ピックアップ本体101のX軸方向への移動をガイドする2本のシークレール102と、ピックアップ本体101をX軸方向に駆動するためのシークモータ(図示省略)などを含んで構成されている。
【0041】
上記ピックアップ本体101は、ハウジング71と、このハウジング71の内部に格納され、光ディスク15の記録面に照射する光束を出射する光束出射系12と、ハウジング71上に配置され、光束出射系12からの光束を光ディスク15の記録面の所定位置に集光する集光系11とから構成されている。
【0042】
上記光束出射系12は、図4に示されるように、光源ユニット51、カップリングレンズ52、ビームスプリッタ54、立ち上げミラー56、検出レンズ58、シリンドリカルレンズ57及び受光器59などを備えている。
【0043】
光源ユニット51は、波長が660nmの光束を発光する光源としての半導体レーザ(図示省略)を備えており、光源ユニット51から出射される光束(以下「出射光束」ともいう)の最大強度出射方向が+X方向となるようにハウジング71に固定されている。
【0044】
前記カップリングレンズ52は、光源ユニット51の+X側に配置され、出射光束を略平行光とする。前記ビームスプリッタ54は、カップリングレンズ52の+X側に配置され、光ディスク15の記録面からの反射光(戻り光束)を−Y方向に分岐する。前記立ち上げミラー56は、ビームスプリッタ54の+X側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した出射光束の最大強度出射方向を+Z方向に変更する。立ち上げミラー56で最大強度出射方向が+Z方向に変更された出射光束は、ハウジング71に設けられた開口部53を介して前記集光系11に入射する。
【0045】
前記検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Y側に配置され、ビームスプリッタ54で−Y方向に分岐された戻り光束を集光する。前記シリンドリカルレンズ57は、検出レンズ58の−Y側に配置され、検出レンズ58で集光された戻り光束を整形する。前記受光器59は、シリンドリカルレンズ57の−Y側に配置され、シリンドリカルレンズ57で整形された戻り光束をその受光面で受光する。この受光器59には、通常の光ディスク装置と同様に4分割受光素子が用いられており、各分割領域(以下、便宜上「部分受光素子」という)からは、それぞれ受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。すなわち、ハウジング71の内部には、半導体レーザから出射された光束を集光系11に導くとともに、戻り光束を受光器59に導くための光路が形成されている。
【0046】
前記集光系11は、図5(A)及びこの図5(A)におけるA−A線断面図である図5(B)に示されるように、対物レンズ60、対物レンズ60を保持するレンズホルダ81、第1のトラッキング用コイル82a、第2のトラッキング用コイル82b、フォーカス用コイル84、ヨーク86、第1のチルト用コイル88a、第2のチルト用コイル88b、第1の永久磁石91a、第2の永久磁石91b、第3の永久磁石91c、第4の永久磁石91d、導電性を有する4本の線ばね(92a1、92a2、92b1、92b2とする)、線ばね固定部87、ねじりばね94、及びねじりばね固定部93などから構成されている。
【0047】
上記線ばね固定部87は、XZ面内で回動可能であるとともに、複数の入力端子及び出力端子(いずれも図示省略)を備えている。そして各入力端子には、モータドライバ27からの複数の信号線がそれぞれ接続され、前記フォーカス駆動電流、トラッキング駆動電流及びチルト駆動電流などが入力される。
【0048】
前記ねじりばね固定部93は、板状部材であり、線ばね固定部87と対峙するように板厚方向がY軸方向とほぼ一致してハウジング71に固定されている。そして、ねじりばね固定部93は前記ねじりばね94を介して線ばね固定部87を保持している。また、ねじりばね固定部93の線ばね固定部87側の面には、第3の永久磁石91c及び第4の永久磁石91dがそれぞれ所定位置に固定されている。ここでは、第3の永久磁石91cが−X方向の端部に配置され、第4の永久磁石91dが+X方向の端部に配置されている。
【0049】
前記レンズホルダ81は、立ち上げミラー56で+Z方向に反射された出射光束の最大強度出射方向と対物レンズ60の光軸とがほぼ一致する位置に配置されている。このレンズホルダ81には、第1のトラッキング用コイル82a、第2のトラッキング用コイル82b及びフォーカス用コイル84がそれぞれ所定位置に固定されている。なお、対物レンズ60、レンズホルダ81、各トラッキング用コイル及びフォーカス用コイル84は一体となって移動するので、以下では、便宜上これらが一体化したものを「可動部」と呼ぶこととする。
【0050】
また、レンズホルダ81には、各トラッキング用コイルに駆動電流を供給するための端子(Ta1、Tb1とする)、及びフォーカス用コイルに駆動電流を供給するための端子(Ta2、Tb2とする)が設けられている。ここでは、レンズホルダ81の−X側の面に端子Ta1及びTa2が、レンズホルダ81の+X側の面に端子Tb1及びTb2が設けられている。そして、端子Ta1には線ばね92a1の一端が接続され、端子Ta2には線ばね92a2の一端が接続されている。また、端子Tb1には線ばね92b1の一端が接続され、端子Tb2には線ばね92b2の一端が接続されている。
【0051】
各線ばねはY軸方向に延び、それらの他端は線ばね固定部87の所定の出力端子に、はんだ付け等によってそれぞれ接続されている。すなわち、可動部は、4本の線ばねを介して線ばね固定部87に弾性的に支持されている。従って、線ばね固定部87が、XZ面内で回動すると可動部も一体となってXZ面内で回動することとなる。また、線ばね固定部87のねじりばね固定部93側の面には、第1のチルト用コイル88a及び第2のチルト用コイル88bがそれぞれ所定位置に固定されている。各チルト用コイルのコイル端は線ばね固定部87の所定の出力端子にそれぞれ接続されている。ここでは、各チルト用コイルは互いにほぼ同一の形状を有し、各チルト用コイルに駆動電流が供給されると、線ばね固定部87をXZ面内で回動させるための回転力が発生するように、第1のチルト用コイル88aが第3の永久磁石91cに対向する位置に配置され、第2のチルト用コイル88bが第4の永久磁石91dに対向する位置に配置されている。なお、回動方向は各チルト用コイルに流れる駆動電流の向きによって制御することができる。また、各チルト用コイルは、必要とされる回転力に応じた大きさ及び形状をそれぞれ有している。
【0052】
ヨーク86は、Y軸方向の両端部が+Z方向に折り曲げられた凹形状の部材であり、ハウジング71上の所定位置に固定されている。このヨーク86には、第1の永久磁石91a及び第2の永久磁石91bが、それぞれ所定の位置関係で固定されている。ここでは、第1の永久磁石91a及び第2の永久磁石91bは、Y軸方向に対峙して配置されている。
【0053】
フォーカス用コイル84は、駆動電流が供給されると+Z方向(又は−Z方向)に可動部を駆動するための駆動力が発生するように、第2の永久磁石91b及びヨーク86の一部を巻回する位置に配置されている。なお、駆動方向はフォーカス用コイル84を流れる駆動電流の向きによって制御することができる。また、フォーカス用コイル84は、必要とされる駆動力に応じた大きさ及び形状を有している。
【0054】
第1のトラッキング用コイル82a及び第2のトラッキング用コイル82bは、駆動電流が供給されると+X方向(又は−X方向)に可動部を駆動するための駆動力が発生するように、それぞれ第1の永久磁石91aに対向する位置に配置されている。なお、駆動方向は各トラッキング用コイルに流れる駆動電流の向きによって制御することができる。また、各トラッキング用コイルは、必要とされる駆動力に応じた大きさ及び形状を有している。
【0055】
ここで、前述のようにして構成された光ピックアップ装置23の作用について簡単に説明する。なお、光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面に垂直な方向がZ軸方向、トラックの接線方向がY軸方向と一致するように光ディスク装置20に搭載されているものとする。すなわち、X軸方向がトラッキング方向、Z軸方向がフォーカス方向となる。
【0056】
《LD制御信号》
レーザコントロール回路24からのLD制御信号は光源ユニット51に入力され、光源ユニット51から+X方向にLD制御信号に応じた出力の光束が出射される。この光束は、カップリングレンズ52で略平行光となった後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した光束は、立ち上げミラー56で+Z方向に反射され、ハウジング71の開口部53を介して集光系11に入射する。集光系11に入射した光束は、対物レンズ60によって光ディスク15の記録面に微小スポットとして集光される。光ディスク15の記録面にて反射した反射光は、戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、ハウジング71の開口部53を介して立ち上げミラー56に入射する。立ち上げミラー56に入射した戻り光束は−X方向に反射され、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54で−Y方向に分岐した戻り光束は、検出レンズ58及びシリンドリカルレンズ57を介して受光器59で受光される。受光器59を構成する各部分受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれ再生信号処理回路28に出力する。
【0057】
《フォーカス駆動電流》
モータドライバ27からのフォーカス駆動電流は、線ばね固定部87の所定の入力端子に入力され、線ばね92a2及び線ばね92b2を介してフォーカス用コイル84に供給される。そして、フォーカス駆動電流の大きさ及び向きに応じて可動部がフォーカス方向に移動する。
【0058】
《トラッキング駆動電流》
モータドライバ27からのトラッキング駆動電流は、線ばね固定部87の所定の入力端子に入力され、線ばね92a1及び線ばね92b1を介して各トラッキング用コイルに供給される。そして、トラッキング駆動電流の大きさ及び向きに応じて可動部がトラッキング方向に移動する。
【0059】
《チルト駆動電流》
モータドライバ27からのチルト駆動電流は、線ばね固定部87の所定の入力端子に入力され、所定の出力端子を介して各チルト用コイルに供給される。そして、チルト駆動電流の大きさ及び向きに応じて可動部がXZ面内で回動する。
【0060】
次に、前述した光ディスク装置20に光ディスク15がロードされたときに行われるチルト差情報の取得処理について図6及び図7を用いて説明する。図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。なお、光ディスク15はその記録領域にデータが記録されていないブランクディスクであるものとする。
【0061】
最初のステップ401では、所定の記録領域に所定のダミーデータを記録する。
【0062】
次のステップ403では、ループカウンタiに初期値1をセットする。
【0063】
次のステップ405では、チルト制御信号Stiltに初期値A1をセットし、モータドライバ27に出力する。モータドライバ27はチルト制御信号Stiltに応じたチルト駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。これにより、前述したように、対物レンズ60がXZ面内で回動することとなる。なお、本実施形態では、予め設定されている基準値を挟み、チルト制御信号Stiltを初期値A1からステップΔaでAm(=A1+(m−1)×Δa:m≧2)まで変化させるものとする。
【0064】
次のステップ407では、光ディスク15に記録したダミーデータの再生を再生信号処理回路28に指示する。
【0065】
次のステップ409では、RF信号振幅検出回路28fを介してRF信号の信号振幅(以下、便宜上「RF振幅」ともいう)を求める。そして、ここで得られたRF振幅を、このときのチルト制御信号Stiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0066】
次のステップ411では、PP信号振幅検出回路28gを介してプッシュプル信号の信号振幅(以下、便宜上「PP振幅」ともいう)を求める。そして、ここで得られたPP振幅を、このときのチルト制御信号Stiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0067】
次のステップ413では、ループカウンタiがm以上であるか否かを判断する。ここでは、iは1であるためステップ413での判断は否定され、ステップ415に移行する。
【0068】
このステップ415では、現在のチルト制御信号StiltにΔaを加算し、モータドライバ27に出力する。
【0069】
次のステップ417では、ループカウンタiに1を加算し、上記ステップ407に戻る。以下、ループカウンタiがm以上となるまで、ステップ407〜ステップ417までの処理を繰り返し行う。
【0070】
そして、ループカウンタiがm以上となると、上記ステップ413での判断は肯定され、ステップ419に移行する。
【0071】
このステップ419では、RAM41に格納されているRF振幅とチルト制御信号Stiltとの関係に基づいて、RF振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求める。ここでは、一例として図7(A)に示されるように、RF振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号としてS1が得られたものとする。
【0072】
次のステップ421では、RAM41に格納されているPP振幅とチルト制御信号Stiltとの関係に基づいて、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求める。ここでは、一例として図7(B)に示されるように、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号としてS2が得られたものとする。
【0073】
次のステップ423では、次の(1)式に基づいてPP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号とRF振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号との差(以下、便宜上「チルト差」ともいう)ΔSを算出する。
【0074】
ΔS=S1−S2 ……(1)
【0075】
次のステップ425では、算出されたチルト差ΔSをフラッシュメモリ39又はRAM41に保存する。そして、処理を終了する。
【0076】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15にユーザデータを記録する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0077】
CPU40はホストから記録要求のコマンドを受信すると、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40はホストから受信したユーザデータのバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0078】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてトラックエラー信号及びフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。これにより、前述の如くしてトラックずれ及びフォーカスずれが補正される。なお、フォーカスずれ及びトラックずれの補正は記録処理が終了するまで随時行われる。また、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号に基づいてADIP情報を取得し、CPU40に通知する。なお、再生信号処理回路28は、記録処理が終了するまで所定のタイミング毎にADIP情報を取得し、CPU40に通知する。
【0079】
CPU40は、ADIP情報に基づいて書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御するシーク制御信号をモータドライバ27に出力する。さらに、CPU40は、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたデータのデータ量が所定の量を超えたとの通知を受けると、エンコーダ25に書き込み信号の生成を指示する。
【0080】
また、光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、CPU40は、チルト補正処理を開始する。このチルト補正処理について図8のフローチャートを用いて説明する。ここでは、光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、図8のフローチャートに対応するサブルーチンの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされるものとする。
【0081】
最初のステップ451では、ループカウンタiに初期値1をセットする。
【0082】
次のステップ453では、チルト制御信号Stiltに初期値B1をセットし、モータドライバ27に出力する。モータドライバ27はチルト制御信号Stiltに応じたチルト駆動信号を光ピックアップ装置23に出力する。なお、本実施形態では、チルト制御信号Stiltを初期値B1からステップΔbでBk(=B1+(k−1)×Δb:k≧2)まで変化させるものとする。ここでのB1、Δb及びkは前記A1、Δa及びmとそれぞれ同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0083】
次のステップ455では、PP信号振幅検出回路28gを介してPP振幅を求める。そして、ここで得られたPP振幅を、このときのチルト制御信号Stiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0084】
次のステップ457では、ループカウンタiがk以上であるか否かを判断する。ここでは、iは1であるためステップ457での判断は否定され、ステップ459に移行する。
【0085】
このステップ459では、現在のチルト制御信号StiltにΔbを加算し、モータドライバ27に出力する。
【0086】
次のステップ461では、ループカウンタiに1を加算し、上記ステップ455に戻る。以下、ループカウンタiがk以上となるまで、ステップ455〜ステップ461までの処理を繰り返し行う。
【0087】
そして、ループカウンタiがk以上となると、上記ステップ457での判断は肯定され、ステップ463に移行する。
【0088】
このステップ463では、RAM41に格納されているPP振幅とチルト制御信号Stiltとの関係に基づいて、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求める。ここでは、一例としてPP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号としてS3が得られたものとする。
【0089】
次のステップ465では、次の(2)式に基づいて最適なチルト制御信号Sを算出する。
【0090】
S=ΔS+S3 ……(2)
【0091】
次のステップ467では、最適なチルト制御信号Sをモータドライバ27に出力する。そして、サブルーチンから戻る。
【0092】
これにより、モータドライバ27は、最適なチルト制御信号Sに対応したチルト駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。そして、光ピックアップ装置23では、前述の如くして対物レンズ60がXZ面内で回動し、チルトが補正される。
【0093】
チルト補正処理が終了すると、CPU40は、エンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に書き込まれる。ユーザデータがすべて書き込まれると記録処理を終了する。
【0094】
また、光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
【0095】
CPU40は、ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。
【0096】
光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述と同様にしてトラックずれ及びフォーカスずれが補正される。なお、フォーカスずれ及びトラックずれの補正は再生処理が終了するまで随時行われる。
【0097】
CPU40は、再生信号処理回路28から所定のタイミング毎に出力されるADIP情報に基づいて、読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシーク制御信号をモータドライバ27に出力する。
【0098】
そして、光ピックアップ装置23が読み出し開始地点に到達すると、CPU40は前述と同様にしてチルト補正処理を行う。CPU40はチルト補正処理が終了すると再生信号処理回路28に通知する。これにより、再生信号処理回路28は、受光器59の出力信号からRF信号を検出し、復号処理、誤り訂正処理等を行った後、再生データとしてバッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
【0099】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置では、CPU40及び該CPU40にて実行されるプログラムとによって、本発明に係るチルト補正装置、処理装置及びチルト差情報取得手段が実現されている。すなわち、図6のフローチャートで示される処理によってチルト差情報取得手段が実現され、図8のフローチャートで示される処理によってチルト補正装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、CPU40によるプログラムに従う上記処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0100】
そして、図8のステップ451〜463の処理によって本発明に係るチルト補正方法の第1工程が実施され、ステップ465の処理によって第2工程及び第3工程が実施され、ステップ467の処理によって第4工程が実施されている。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク装置によると、ホストから記録要求コマンドを受信し、光ピックアップ装置23が書き込み開始位置に到達すると、CPU40はチルト補正処理を行う。このチルト補正処理では、先ず、プッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求めている。そして、そのチルト制御信号に、フラッシュメモリ39又はRAM41に格納されているRF信号の振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号とプッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号との差(チルト差)を加算し、書き込み開始位置での最適なチルト制御信号としている。これにより、書き込みの対象領域におけるプッシュプル信号の測定結果から、書き込みの対象領域における対物レンズの最適な傾きに関する情報を精度良く取得することが可能となる。従って、再生信号が得られない未記録領域においても光ディスクに対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができる。
【0102】
また、本実施形態に係る光ディスク装置によると、データの記録及び再生に先だって対象領域における対物レンズの傾きが精度良く補正されるため、情報記録媒体への記録及び再生を精度良く安定して行うことが可能となる。
【0103】
なお、上記実施形態では、チルト差情報の取得処理は、光ディスク15がロードされたときに自動的に行われる場合について説明したが、これに限らず例えばホストからの要求に応じて行っても良い。また、光ディスク装置の製造工程、調整工程及び検査工程のうちの少なくともいずれかの工程で上記実施形態と同様にしてチルト差情報の取得処理を行い、その結果(チルト差)をフラッシュメモリ39に格納しても良い。さらに、光ディスクの種別情報とともにフラッシュメモリ39に格納しても良い。この場合には、チルト補正処理では光ディスクの種別に対応したチルト差を用いることができる。
【0104】
また、上記実施形態では、光ディスク15がブランクディスクの場合について説明したが、これに限らずブランクディスクでなくても良い。この場合には、ダミーデータの記録(ステップ401)が不要となる。そして、ステップ407では、すでに記録されているデータが再生されることとなる。
【0105】
また、上記実施形態では、チルト差情報の取得処理において、RF信号の振幅とチルト制御信号との関係を求める場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば一例として再生信号におけるジッタとチルト制御信号との関係を求めても良い。この場合について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、この場合には、図10(A)に示されるように再生信号処理回路28には、RF信号検出回路28dで検出されたRF信号に基づいてジッタを測定し、その測定結果をCPU40に出力するジッタ測定回路28hが設けられることとなる。また、RF信号振幅検出回路28fはなくても良い。
【0106】
最初のステップ501〜507では、前記ステップ401〜407と同様な処理を行う。
【0107】
次のステップ509では、ジッタ測定回路28hを介してジッタを測定する。そして、ここで測定されたジッタを、このときのチルト制御信号Stiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0108】
次のステップ511では、前記ステップ411と同様な処理を行う。
【0109】
次のステップ513では、ループカウンタiがm以上であるか否かを判断する。ここでは、iは1であるためステップ513での判断は否定され、ステップ515に移行する。
【0110】
このステップ515及び517では、前記ステップ415及び417と同様な処理を行い、ステップ507に戻る。
【0111】
そして、ループカウンタiがm以上となると、上記ステップ513での判断は肯定され、ステップ519に移行する。
【0112】
このステップ519では、RAM41に格納されているジッタとチルト制御信号Stiltとの関係に基づいて、ジッタがほぼ最小となるときのチルト制御信号を求める。ここでは、一例として図10(B)に示されるようにジッタがほぼ最小となるときのチルト制御信号としてS1’が得られたものとする。
【0113】
次のステップ521では、前記ステップ421と同様な処理を行う。
【0114】
次のステップ523では、次の(3)式に基づいてPP振幅が最大となるときのチルト制御信号とジッタがほぼ最小となるときのチルト制御信号との差(チルト差)ΔS’を算出する。
【0115】
ΔS’=S1’−S2 ……(3)
【0116】
次のステップ525では、算出されたチルト差ΔS’をフラッシュメモリ39又はRAM41に保存する。そして、処理を終了する。
【0117】
なお、この場合には、チルト補正処理において、上記(2)式の代わりに、次の(4)式に基づいて、最適なチルト制御信号Sが算出されることとなる。
【0118】
S=ΔS’+S3 ……(4)
【0119】
また、上記実施形態において、一例として図11(A)に示されるように、光ディスク15に対する対物レンズ60の傾きを計測するためのチルトセンサTSをレンズホルダ81に設けても良い。このチルトセンサTSは光ディスク15にチルト検出用のレーザ光を照射する半導体レーザLDtと、光ディスク15で反射されたチルト検出用のレーザ光を受光する2分割受光素子PDtとを含んで構成されている。ここでは、一例として図11(B)に示されるように、光ディスク15に対する対物レンズ60の傾きに応じて2分割受光素子PDtを構成する部分受光素子PDta及びPDtbの出力に差が生じるように設定されている。そして、各部分受光素子の出力の差信号(以下、便宜上「チルトセンサ信号」ともいう)はデジタル信号に変換された後、CPU40に出力される。この場合におけるチルト差情報の取得処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0120】
最初のステップ601及び603では、前記ステップ401及び403と同様な処理を行う。
【0121】
次のステップ605では、チルトセンサ信号の目標値(以下、便宜上「チルト目標値」ともいう)Dtiltに初期値D1をセットする。なお、ここでは、予め設定されている基準値を挟み、チルト目標値Dtiltを初期値D1からステップΔdでDn(=D1+(n−1)×Δd:n≧2)まで変化させるものとする。
【0122】
次のステップ607では、チルトセンサ信号がチルト目標値Dtiltとなるようにチルト制御信号をセットし、モータドライバ27に出力する。モータドライバ27はチルト制御信号に応じたチルト駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
【0123】
次のステップ609では、前記ステップ407と同様な処理を行う。
【0124】
次のステップ611では、前記ステップ409と同様にしてRF振幅を求める。そして、ここで得られたRF振幅を、このときのチルト目標値Dtiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0125】
次のステップ613では、前記ステップ411と同様にしてPP振幅を求める。そして、ここで得られたPP振幅を、このときのチルト目標値Dtiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0126】
次のステップ615では、ループカウンタiがn以上であるか否かを判断する。ここでは、iは1であるためステップ615での判断は否定され、ステップ617に移行する。
【0127】
このステップ617では、現在のチルト目標値DtiltにΔdを加算する。
【0128】
次のステップ619では、ループカウンタiに1を加算し、上記ステップ607に戻る。以下、ループカウンタiがn以上となるまで、ステップ607〜ステップ619までの処理、判断を繰り返し行う。
【0129】
そして、ループカウンタiがn以上となると、上記ステップ615での判断は肯定され、ステップ621に移行する。
【0130】
このステップ621では、RAM41に格納されているRF振幅とチルト目標値Dtiltとの関係に基づいて、RF振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値を求める。ここでは、一例としてRF振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値としてDaが得られたものとする。
【0131】
次のステップ623では、RAM41に格納されているPP振幅とチルト目標値Dtiltとの関係に基づいて、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値を求める。ここでは、一例としてPP振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値としてDbが得られたものとする。
【0132】
次のステップ625では、次の(5)式に基づいてPP振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値とRF振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値との差(チルト差)ΔDを算出する。
【0133】
ΔD=Da−Db ……(5)
【0134】
次のステップ627では、算出されたチルト差ΔDをフラッシュメモリ39又はRAM41に保存する。そして、処理を終了する。
【0135】
なお、この場合におけるチルト補正処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
【0136】
最初のステップ701では、ループカウンタiに初期値1をセットする。
【0137】
次のステップ703では、チルト目標値Dtiltに初期値Dxをセットする。なお、ここでは、予め設定されている基準値を挟み、チルト目標値Dtiltを初期値DxからステップΔtでDj(=Dx+(j−1)×Δt:j≧2)まで変化させるものとする。
【0138】
次のステップ705では、チルトセンサ信号がチルト目標値Dtiltとなるようにチルト制御信号をセットし、モータドライバ27に出力する。
【0139】
次のステップ707では、PP信号振幅検出回路28gを介してPP振幅を求め、このときのチルト目標値Dtiltに対応付けてRAM41に格納する。
【0140】
次のステップ709では、ループカウンタiがj以上であるか否かを判断する。ここでは、iは1であるためステップ709での判断は否定され、ステップ711に移行する。
【0141】
このステップ711では、現在のチルト目標値DtiltにΔtを加算する。
【0142】
次のステップ713では、ループカウンタiに1を加算し、上記ステップ705に戻る。以下、ループカウンタiがj以上となるまで、ステップ705〜ステップ713までの処理、判断を繰り返し行う。
【0143】
そして、ループカウンタiがj以上となると、上記ステップ709での判断は肯定され、ステップ715に移行する。
【0144】
このステップ715では、RAM41に格納されているPP振幅とチルト目標値Dtiltとの関係に基づいて、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値を求める。ここでは、一例としてPP振幅がほぼ最大となるときのチルト目標値としてDcが得られたものとする。
【0145】
次のステップ717では、次の(6)式に基づいて最適なチルト目標値Dを算出する。
【0146】
D=ΔD+Dc ……(6)
【0147】
次のステップ719では、最適なチルト目標値Dに対応するチルト制御信号をモータドライバ27に出力する。
【0148】
なお、上記図12のフローチャートで示されるチルト差情報取得処理においても、RF振幅に代えてジッタを用いても良い。
【0149】
また、上記実施形態では、2つのトラッキング用コイルを用いて対物レンズ60をトラッキング方向に駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0150】
また、上記実施形態では、1つのフォーカス用コイルを用いて対物レンズ60をフォーカス方向に駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0151】
また、上記実施形態では、2つのチルト用コイルを用いて対物レンズ60をXZ面内で回動する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば光ピックアップ本体101をXZ面内で回動するためのチルトモータを設けても良い。通常、チルト補正における対物レンズの傾き補正量は微小であるため、チルトモータの回転軸にカム機構を設け、カムの回転角と対物レンズの傾きとが連動するようにしても良い。この場合には、チルトモータの回転角によって対物レンズの傾きを制御することができる。
【0152】
また、上記実施形態では、データの記録処理において、光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達したときに、チルト補正処理を開始する場合について説明したが、これに限らず例えば、光ピックアップ装置23が書き込み開始地点近傍に到達したときに、チルト補正処理を開始しても良い。同様に、再生処理においても、例えば光ピックアップ装置23が読み出し開始地点近傍に到達したときに、チルト補正処理を開始しても良い。
【0153】
また、上記実施形態において、チルト差情報の取得処理での取得結果(チルト差)をフラッシュメモリ39又はRAM41に格納する際に、光ディスクの種別情報に対応付けて格納しても良い。この場合には、チルト補正処理では光ディスクの種別に対応したチルト差を用いることができる。
【0154】
また、チルト差情報の取得処理において、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求める代わりに、プッシュプル信号のオフセット成分がほぼ0となるときのチルト制御信号を求めても良い。この場合には、チルト補正処理においても、PP振幅がほぼ最大となるときのチルト制御信号を求める代わりに、プッシュプル信号のオフセット成分がほぼ0となるときのチルト制御信号を求めることとなる。
【0155】
また、上記実施形態では、光ディスクが、DVD系の規格に準拠した情報記録媒体の場合について説明したが、これに限らず、例えばCD系の規格に準拠した情報記録媒体であっても良い。
【0156】
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。
【0157】
また、上記実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、消去及び再生のうち少なくとも記録が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るチルト補正方法及びチルト補正装置によれば、未記録領域においても情報記録媒体に対する対物レンズの傾きを精度良く補正することができるという効果がある。
【0159】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体へのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図1における光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。
【図4】図3における光束出射系の詳細構成を説明するための図である。
【図5】図5(A)は、図3における集光系の詳細構成を説明するための図であり、図5(B)は、図5(A)のA−A線断面図である。
【図6】チルト差情報の取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7(A)はRF信号振幅とチルト制御信号との関係を説明するための図であり、図7(B)はPP信号振幅とチルト制御信号との関係を説明するための図である。
【図8】本発明に係るチルト補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図6のチルト差情報の取得処理において、RF信号の振幅に代えてジッタを用いる場合におけるチルト差情報の取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10(A)は図9のチルト差情報の取得処理における再生信号処理回路の構成を説明するためのブロック図であり、図10(B)はジッタとチルト制御信号との関係を説明するための図である。
【図11】図11(A)はチルトセンサを説明するための図であり、図11(B)はチルトセンサに用いられる2分割受光素子を説明するための図である。
【図12】チルトセンサを用いる場合におけるチルト差情報の取得処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】チルトセンサを用いる場合におけるチルト補正処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、39…フラッシュメモリ(メモリ)、40…CPU(チルト補正装置、処理装置、チルト差情報取得手段)、59…受光器(光検出器)、60…対物レンズ。
Claims (14)
- スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に対物レンズを介して光ビームを照射し、記録面からの反射光を受光する光ディスク装置における前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾きを補正するチルト補正方法であって、
前記情報記録媒体に対するアクセス要求に応じて、前記記録面における前記アクセスの対象領域の少なくとも近傍を含む領域で、前記反射光から得られるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きに関する情報を取得する第1工程と;
前記第1工程での取得結果と、予め得られている同一の情報記録媒体の特定領域での最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きと前記プッシュプル信号の信号特性が前記所定値となるときの前記対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて前記対象領域での前記対物レンズの最適な傾きに関する情報を求める第2工程と;
前記最適な傾きに関する情報に基づいて前記対物レンズの傾きを補正するための補正情報を取得する第3工程と;を含むチルト補正方法。 - 前記プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きは、前記プッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項1に記載のチルト補正方法。
- 前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにRF信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項1又は2に記載のチルト補正方法。
- 前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにジッタがほぼ最小となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項1又は2に記載のチルト補正方法。
- 前記補正情報に基づいて前記対物レンズの傾きを調整する第4工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のチルト補正方法。
- スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に対物レンズを介して光ビームを照射し、記録面からの反射光を受光して情報の記録又は再生を行なう際に、前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾きを補正するチルト補正装置であって、
前記記録面における記録又は再生の対象領域の少なくとも近傍を含む領域で、前記反射光から得られるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きに関する情報を取得する傾き情報取得手段と;
前記傾き情報取得手段での取得結果と、予め得られている同一の情報記録媒体の特定領域での最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きと前記プッシュプル信号の信号特性が前記所定値となるときの前記対物レンズの傾きとの差に関する情報と、に基づいて前記対象領域での前記対物レンズの最適な傾きに関する情報を求め、該最適な傾きに関する情報に基づいて前記対物レンズの傾きを補正する補正手段と;を備えるチルト補正装置。 - 前記プッシュプル信号の信号特性が所定値となるときの前記対物レンズの傾きは、前記プッシュプル信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項6に記載のチルト補正装置。
- 前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにRF信号の振幅がほぼ最大となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項6又は7に記載のチルト補正装置。
- 前記最適な再生信号が得られるときの前記対物レンズの傾きは、前記特定領域に記録されているデータを再生したときにジッタがほぼ最小となるときの前記対物レンズの傾きであることを特徴とする請求項6又は7に記載のチルト補正装置。
- 情報記録媒体に対して情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう光ディスク装置であって、
光源と;
前記光源から出射される光束を前記情報記録媒体の記録面に集光する対物レンズを含み、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置に導く光学系と;
前記受光位置に配置された光検出器と;
請求項6〜9のいずれか一項に記載のチルト補正装置と;
前記チルト補正装置に前記情報記録媒体に対する前記対物レンズの傾き補正を指示するとともに、前記光検出器の出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも記録を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。 - 前記光検出器の出力信号に基づいて、前記差に関する情報を取得するチルト差情報取得手段を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の光ディスク装置。
- 前記チルト差情報取得手段は、情報記録媒体の記録面に何も記録されていないときには、前記差に関する情報の取得に先だって、前記記録面の少なくとも一部の領域に所定のダミーデータを記録することを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
- 前記差に関する情報が保存されたメモリを更に備えることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の光ディスク装置。
- 前記差に関する情報は、装置の製造工程及び調整工程の少なくとも一方において取得され、前記メモリに保存されることを特徴とする請求項13に記載の光ディスク装置。
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