JP4088722B2 - 情報信号利用制限方法および情報信号処理装置 - Google Patents

情報信号利用制限方法および情報信号処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報信号の利用制限を行う方法、装置、および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
VTR(ビデオテープレコーダ)が普及し、VTRで再生が可能な数多くのソフトウエアが提供されるようになってきている。また最近では、デジタルVTRやDVD(デジタルビデオディスク)の再生装置、記録再生装置などが現実のものとなってきており、画質、音質の良い映像、音声を手軽に再生して視聴することができるようになってきている。
【0003】
しかし、一方で、このように豊富に提供されるようになったソフトウエアが無制限に複製されてしまうおそれがあるという問題がある。そこで、複製禁止、複製許可、あるいは、複製の世代制限を制御内容として指示する複製防止制御信号を情報信号に付加しておくことにより、複製防止制御を行うようにする複製防止策が施されるようになってきている。
【0004】
図3は、VTR(ビデオテープレコーダ)などの複製防止制御信号が付加された映像信号を情報信号として扱う記録再生装置の基本的な構成図である。図3に示した記録再生装置には、例えば、再生用のVTRなどにより再生された複製防止制御信号が付加された映像信号S11が入力される。
【0005】
複製防止制御信号が付加された映像信号S11は、図3に示すように、書き込み部11と、複製防止制御信号検出部12とに供給される。書き込み部11は、供給された映像信号S11を記録用の映像信号S12に変換し、これを記録媒体100に記録するようにする。この書き込み部11は、書き込み制御部13からの制御信号S14によって制御される。
【0006】
複製防止制御信号検出部12は、映像信号S11に付加されている複製防止制御信号の検出を行う。ここで検出された複製防止制御信号は複製防止制御情報S13として書き込み制御部13に供給される。
【0007】
書き込み制御部13は、これに供給された複製防止制御情報S13に基づいて、書き込み制御信号S14を形成し、これを書き込み部11に供給することによって、映像信号の書き込み制御を行う。
【0008】
書き込み部11は、書き込み制御部13からの書き込み制御信号S14が、複製を許可するものであるときには、供給された映像信号を記録媒体100に書き込み、書き込み制御信号S14が、複製を禁止するものである場合には、映像信号を記録媒体100に書き込まないようにする。
【0009】
また、複製防止制御信号検出部12からの複製防止制御情報S13が、第1世代の複製のみを許可するものであるときには、書き込み制御部13からは、複製を許可すると共に、映像信号に付加されている複製防止制御信号を複製禁止(次世代の複製禁止)を指示するものに変更するようにする書き込み制御信号S14が書き込み部11に供給される。
【0010】
この場合、書き込み部11は、記録用の映像信号S12の複製防止制御信号を複製禁止を指示するものに変更して、この変更された複製防止制御信号が付加されている記録用の映像信号S12を記録媒体100に記録する。したがって、この場合には、記録媒体100に記録された映像信号をさらに複製することができないようにされる。
【0011】
そして、再生時には、記録媒体100を再生して得られる信号S15が、読み出し部14に供給され、ここで再生映像信号S16が形成されて出力される。この再生映像信号S16は、例えば、モニタ受像機に供給されるなどして観視することができるようにされる。
【0012】
このように、映像信号に複製防止制御信号を付加しておくことにより、この複製防止制御信号に応じて映像信号の複製防止制御を行うことができるようにされるとともに、記録媒体100に記録された映像信号は、必要に応じて再生されて観視することができるようにされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように複製防止制御信号が付加された映像信号の場合、図3に示した記録再生装置を用いることによって、映像信号に付加されている複製防止制御信号に応じて複製防止制御を行うことはできる。しかしながら、複製が許可されている映像信号が、図3に示した記録再生装置に供給された場合には、、記録媒体100に複製することはもちろんできるし、記録媒体100に複製された映像信号は、繰り返し再生することができるため、恒久的な利用が可能である。
【0014】
このように、複製が許可された映像信号を記録媒体に記録した場合には、繰り返し再生することができるため、この記録媒体に記録された映像信号をさらに複製したり、あるいは、複製が許可された映像信号が記録された記録媒体を他人に貸渡したりすることにより、同じ映像信号を不特定多数のユーザが制限なく繰り返し利用できることになる。
【0015】
このため、複製が許可された映像信号を提供した場合には、この映像信号が不特定多数のユーザに利用される可能性が高く、映像信号の提供者側が不利益を被ることがある。これを防止するためには、前述したように、供給する映像信号に複製防止制御信号を付加しておくことにより複製自体を禁止することができるが、この場合には、映像信号の提供を受けるユーザ側にとっては、必要以上に映像信号の複製が制限される場合が発生し、好ましくない。
【0016】
以上のことにかんがみ、この発明は、上記問題点を一掃し、映像信号などの情報信号の提供者側が、提供する情報信号の利用を適度に制限することができるようにする方法、装置および記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明による請求項1に記載の情報信号利用制限方法は、
再生を制限するための制限付き利用許可情報及び情報信号の所定の区間が再生されたか否かを識別するための識別情報が予め付加されて入力された情報信号を保存し、当該情報信号を読み出して、これを再生するようにする情報信号処理装置で用いられる情報信号利用制限方法であって、
読み出した前記情報信号から前記制限付き利用許可情報を検出する第1の検出工程と、
読み出した前記情報信号から前記識別情報を検出する第2の検出工程と、
前記第1の検出工程において、前記制限付き利用許可信号が検出され、かつ、前記第2の検出工程において、前記識別情報が検出され、前記情報信号の所定の区間が再生されたと判断した場合であって、継続して行われていた当該情報信号の読み出しが終了した場合に、読み出された情報信号であって、保存されている前記情報信号について、再度の再生を禁止するように処理する再生制限工程と
を有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明による方法、装置の実施の形態について説明する。
【0029】
以下に説明する記録再生装置は、この発明による情報信号処理装置が用いられて形成されたものであり、情報信号としての映像信号の記録および再生が可能なVTR(ビデオテープレコーダ)に適用したものとして説明する。また、説明を簡単にするため、音声信号系についての説明は省略する。
【0030】
[入力映像信号について]
まず、この実施の形態の記録再生装置に入力される入力映像信号について説明する。この実施の形態の記録再生装置で扱われる入力映像信号は、アナログ映像信号であり、複製禁止、複製許可、複製の世代制限などを制御内容として指示する複製防止制御信号と、詳しくは後述する制限付き利用許可情報(制限付きタイムシフト情報)と、タイムシフト開始情報およびタイムシフト終了情報とが、例えば、垂直帰線消去期間の予め決められた水平区間に付加されたものである。
【0031】
制限付き利用許可情報は、映像信号に付加されている複製防止制御信号によって、当該映像信号の複製が許可されている場合や複製の世代制限を行うようにされている場合であっても、複製された映像信号は、例えば、一回しか再生して利用することができないように映像信号の利用を制限するための情報である。
【0032】
また、タイムシフト開始情報およびタイムシフト終了情報のそれぞれは、複製された映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するために、映像信号中の再生時点として時間的に離れた位置に付加されるものである。例えば、タイムシフト開始情報は、映像信号を再生した場合に、この映像信号の先頭から10分経過した位置に付加され、タイムシフト終了情報は、その映像信号の最後尾から10分前の位置に付加されるというように、映像信号の先頭付近とその映像信号の最後尾付近に設けられる。
【0033】
そして、再生時にこのタイムシフト開始情報とタイムシフト終了情報との両方を検出することにより、このタイムシフト開始情報が付加されている位置からタイムシフト終了情報が付加されている位置までの区間の映像信号が再生されたことを確実に検出することができるので、このように予め決められた区間の映像信号が再生された場合に、当該映像信号が再生されて利用されたと識別するようにする。
【0034】
このようにすることによって、複製された映像信号のごく一部が再生されただけでは、その映像信号が再生されて利用されたと識別しないようにし、このような場合には、前述した制限付き利用許可情報に応じての当該映像信号の利用を制限しないようにしている。すなわち、複製された映像信号の利用を必要以上に制限しないようにしている。
【0035】
この実施の形態においては、これら複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報は、いずれも1ビットあるいは数ビットで構成され、映像信号の垂直帰線消去期間の予め決められた水平区間に付加位置を別にして付加されているものとする。
【0036】
そして、以下に説明するこの実施の形態においては、入力映像信号には、再生は1回までとする制限付き利用許可情報が付加されるとともに、当該入力映像信号の先頭から10分経過した位置に相当する垂直帰線消去期間の予め決められた水平区間にタイムシフト開始情報が付加され、その映像信号の最後尾から10分前の位置に相当する垂直帰線消去期間の予め決められた水平区間にタイムシフト終了情報が付加されているものとして説明する。
【0037】
[記録再生装置について]
図1は、この実施の形態の記録再生装置を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の記録再生装置は、書き込み部1、複製防止制御信号検出部2、書き込み制御部3、読み出し部4、利用許可情報検出部5、利用禁止処理部6を備えている。また、この実施の形態において、記録媒体100は、ビデオテープである。
【0038】
記録時について説明する。この実施の形態においては、再生用VTRにより再生された映像信号やテレビチューナにより選局された映像信号であって、前述したように、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が付加された入力映像信号S1が、図1に示した記録再生装置に入力される。
【0039】
入力映像信号S1は、書き込み部1と複製防止制御信号検出部2に供給される。書き込み部1は、これに供給された映像信号S1を記録に適した記録用の映像信号S2に変換し、これを記録媒体100に記録するようにする。この書き込み部1は、後述するように、書き込み制御部3からの制御信号S4により書き込みが制御される。
【0040】
なお、書き込み部1において形成される記録用の映像信号S2は、入力映像信号S1が変換されたものであり、入力映像信号S1に付加されている複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報をそのまま有するものである。
【0041】
複製防止制御信号検出部2は、入力映像信号S1に付加されている複製防止制御信号を検出する。検出された複製防止制御信号は、複製防止制御情報S3として書き込み制御部3に供給される。
【0042】
書き込み制御部3は、複製防止制御情報S3に基づいて、書き込み部1に供給する制御信号S4を形成し、この制御信号S4を書き込み部1に供給することによって、書き込み部1を制御する。
【0043】
したがって、書き込み制御部3は、複製防止制御情報S3が、映像信号の複製を許可することを示す情報であった場合には、複製を許可する制御信号S4を形成し、複製防止制御情報S3が、映像信号の複製を禁止することを示す情報であった場合には、複製を禁止する制御信号S4を形成して書き込み部1に供給する。
【0044】
また、書き込み制御部3は、複製防止制御情報S3が、第1世代の複製のみを許可するものであるときには、複製を許可するとともに、記録用の映像信号S2の複製防止制御信号を複製禁止(次世代の複製禁止)を指示するものに変更するようにする制御信号S4を形成して書き込み部1に供給する。
【0045】
これにより、書き込み制御部3からの制御信号S4の供給を受ける書き込み部1は、制御信号S4が、書き込みを許可するものであるときには、記録用の映像信号S2を記録媒体100に書き込み、制御信号S4が、書き込みを禁止するものであるときには、記録用の映像信号S2を記録媒体100に書き込まないようにする。
【0046】
また、書き込み部1は、前述したように、映像信号S1に付加されている複製防止制御信号が、第1世代の複製のみを許可するものであり、書き込み制御部3からの制御信号S4が、記録は許可するが、複製防止制御信号を記録禁止に変更するように指示するものであるときには、記録用の映像信号S2の複製防止制御信号を記録禁止に変更した後に、これを記録媒体100に記録する。したがって、この場合には、記録媒体100に記録されている映像信号を複製することができないようにされる。
【0047】
次に、再生時について説明する。読み出し部4は、記録媒体100を再生して得られる信号S5から再生映像信号S6を形成し、これを出力する。この再生映像信号S6は、例えば、モニタ受像機に供給されて、映像の再生に用いられるようにされるとともに、利用許可情報検出部5にも供給される。また、読み出し部4は、記録媒体100に記録されているタイムコードTCを読み出して、これを利用許可情報検出部5に供給する。
【0048】
利用許可情報検出部5は、記録媒体100を再生して得られる信号S5から形成される再生映像信号S6に付加されている制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報を検出し、これら3つの情報が再生映像信号S6から検出されたときには、制限付き利用許可情報に応じた利用禁止制御信号S7を形成して、利用禁止処理部6に供給する。
【0049】
図2は、利用許可情報検出部5に設けられる制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報を検出する部分を説明するための図である。図2に示すように、この実施の形態の利用許可情報検出部5は、制限付き利用許可情報検出部51と、タイムシフト開始情報検出部52と、タイムシフト終了情報検出部53とから構成される映像信号の利用を制限するために用いられる情報を検出する部分を備えている。これら各部には、図2に示すように、読み出し部4からの再生映像信号S6、タイムコードTCが供給される。
【0050】
制限付き利用許可情報検出部51は、再生映像信号S6に付加されている制限付き利用許可情報を検出する処理を行い、制限付き利用許可情報を検出したときには、これを信号S51として出力する。
【0051】
タイムシフト開始情報検出部52は、再生映像信号S6に付加されているタイムシフト開始情報およびそのアドレス情報を検出する。そして、タイムシフト開始情報を検出したときには、読み出し部4から供給されるタイムコードTCから取得するこのタイムシフト開始情報が付加されている記録媒体100上の位置を示すアドレス情報(以下、開始アドレス情報という)を信号S52として出力する。
【0052】
同様に、タイムシフト終了情報検出部52は、再生映像信号S6に付加されているタイムシフト終了情報およびそのアドレス情報を検出する。そして、タイムシフト終了情報を検出したときには、読み出し部4から供給されるタイムコードTCから取得するこのタイムシフト終了情報が付加されている記録媒体100上の位置を示すアドレス情報(以下、終了アドレス情報という)を信号S53として出力する。
【0053】
そして、利用許可情報検出部5は、前述した各部において、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が検出されたときには、制限付き利用許可情報S51、開始アドレス情報S52、終了アドレス情報S53からなる利用禁止制御信号S7を形成し、これを利用禁止処理部6に供給する。
【0054】
すなわち、利用許可情報検出部5は、利用許可情報検出部51において、再生映像信号S6から制限付き利用許可情報が検出された場合には、記録媒体100に記録されている映像信号であって、再生映像信号S6として再生される映像信号は、利用が1回までに制限されたものであると認識する。
【0055】
さらに、利用許可情報検出部5は、タイムシフト開始情報検出部52においてタイムシフト開始情報が検出され、かつ、タイムシフト終了情報検出部53においてタイムシフト終了情報が検出された場合には、記録媒体100に記録されている映像信号であって、再生映像信号S6として再生される映像信号のタイムシフト開始情報とタイムシフト終了情報とにより予め決められた区間の信号が再生されて利用され、当該映像信号の1回に制限された利用が終了したと識別する。
【0056】
そして、このように、当該映像信号は利用が1回までに制限され、かつ、当該映像信号の利用が終了したと識別したときには、利用許可情報検出部5は、利用禁止制御信号S7を形成して出力する。
【0057】
この実施の形態の利用禁止処理部6は、利用禁止制御信号S7が供給され、かつ、再生処理が終了したことを検知した場合に、利用禁止制御信号S7に基づいて、記録媒体100に記録されている映像信号を消去し、記録媒体100に記録されている映像信号の繰り返しての利用を禁止する。すなわち、利用禁止処理部6は、利用禁止制御信号S7に基づいて、記録媒体に記録されている制限付き利用許可情報が付加された映像信号の利用を制限するようにする利用制限手段としての機能を有している。
【0058】
すなわち、この実施の形態において利用禁止処理部6は、利用禁止制御信号S7が供給されるとともに、この実施の形態の記録再生装置に設けられている再生処理や記録処理を停止させるための操作ボタンキーである停止キー(ストップキー)が操作されたり、あるいは、記録媒体100の最後尾まで再生処理が行われて、再生処理が停止されると、少なくとも、開始アドレス情報が示す位置にまで、ビデオテープである記録媒体100を巻き戻し、そこから少なくとも終了アドレスが示す位置にまで、消去信号を書き込むようにする。
【0059】
これにより、再生を1回までとする制限付き利用許可情報が付加された記録媒体100に記録されている映像信号が消去されて、再生を1回までとする制限付き利用許可情報が付加された映像信号を繰り返し利用することができないようにされる。
【0060】
この実施の形態においては、前述したように、開始アドレス情報が示す記録媒体100上の位置から、終了アドレス情報が示す記録媒体100上の位置までの映像信号を消去するようにすることによって、制限付き利用許可情報が付加された映像信号のみを消去するようにされるため、記録媒体100の他の領域に、例えば、他の映像信号が記録されていてもこれを消去することはない。
【0061】
このように、制限付き利用許可情報を映像信号に付加しておくことにより、この制限付き利用許可情報に基づいて、映像信号の利用を制限することができるため、映像信号が記録された記録媒体を貸渡したり、映像信号のさらなる複製を行って、不特定多数の者が複製された映像信号を利用することを防止することができる。
【0062】
また、映像信号の供給者側は、制限付き利用許可情報を映像信号に付加するか否かによって、供給する映像信号毎に恒久的な利用を認めるか、あるいは、再生を制限するかを選択することができる。すなわち、映像信号の供給者側に映像信号の繰り返しての利用(タイムシフト利用)を認めるか否かの選択権を持たせることができる。
【0063】
これにより、映像信号の供給者側は、映像信号の利用形態を細かく管理することができるため、例えば、再生が1回に制限された映像信号については、映像信号使用料を安く設定し、恒久的な利用を可能にした映像信号については、映像信号使用料を高めに設定してユーザに提供することができる。したがって、映像信号の供給を受けるユーザは、例えば、1回だけ再生すれば十分な映像信号の場合には安価に供給を受けることができる。
【0064】
なお、前述した実施の形態においては、タイムシフト開始情報は、映像信号を再生した場合に、この映像信号の先頭から10分経過した位置に付加されており、タイムシフト終了情報は、その映像信号の最後尾から10分前の位置に付加されているものとして説明したが、これに限るものではない。
【0065】
例えば、映像信号の全体の再生時間の長さに応じて、映像信号を再生した場合に、確実に再生されると考えられる映像信号の先頭付近にタイムシフト開始情報を付加し、映像信号の最後尾付近にタイムシフト終了情報を付加するようにすればよい。
【0066】
また、前述した実施の形態においては、記録媒体100に複製された映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報として、タイムシフト開始情報とタイムシフト終了情報とを時間的に離れた位置に付加するようにしたが、必ずしもタイムシフト開始情報とタイムシフト終了情報とを付加する必要はない。
【0067】
例えば、複製された映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報は付加せずに、制限付き利用許可情報だけを映像信号に付加しておき、再生時にこの制限付き利用許可情報が検出された場合には、当該映像信号の利用を制限するようにしてもよい。
【0068】
また、記録媒体100に複製された映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報として、1つのフラグ情報を、当該映像信号中の任意の位置一か所に付加し、このフラグ情報を検出した場合に当該映像信号が再生されて利用されたと識別するようにしてもよい。
【0069】
例えば、記録媒体100に記録された映像信号は時系列信号であり、通常その先頭から再生されて利用されるため、識別情報としてのフラグ情報を当該映像信号の最後尾付近に付加しておくことにより、このフラグ情報を検出した場合には、当該映像信号は、その先頭から最後尾までが再生されて利用されたと識別することができる。
【0070】
また、映像信号の複数箇所に、当該映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報としてのフラグ情報を付加するようにし、この複数のフラグ情報の全部、あるいは、この複数のフラグ情報の内の幾つかを検出したときに、当該映像信号が再生されて利用されたと識別するようにしてもよい。
【0071】
また、前述した実施の形態においては、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が付加された映像信号の複製と再生とを同じ記録再生装置で行う場合の例として説明したが、このように記録と再生が同じ装置で行われる場合に限るものではない。
【0072】
例えば、他の記録装置によって複製された、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が付加された映像信号が記録された記録媒体をこの実施の形態の記録再生装置で再生するようにした場合にも、前述したように、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報に応じて、記録媒体に記録されている映像信号の利用制限を行うことができる。
【0073】
すなわち、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が付加された映像信号が記録された記録媒体を作成した場合には、この記録媒体に記録された映像信号の再生時において、映像信号に付加されている制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報に応じて当該映像信号の利用制限を行うようことができる。
【0074】
また、前述の実施の形態において、入力映像信号には、その垂直帰線消去期間の予め決められた水平区間に、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報が付加されているものとして説明したが、これに限るものではない。
【0075】
例えば、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報をスペクトラム拡散し、スペクトラム拡散された情報を入力映像信号に重畳するようにしておいてもよい。この場合には、スペクトラム逆拡散を行うことによって、映像信号に重畳されている情報を取り出すことができる。
【0076】
このように、複製防止制御信号、制限付き利用許可情報、タイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報は、記録時には映像信号とともに記録媒体に記録され、また、再生時には再生される映像信号に対応して記録媒体から読み出して、利用することができるようにされていればよい。
【0077】
また、前述した実施の形態において、利用禁止処理部6は、記録媒体100上の開始アドレス情報が示す位置から終了アドレス情報が示す位置までの映像信号を消去するようにしたが、これに限るものではなく、当該映像信号の全部を消去するようにしてもよい。
【0078】
また、前述した実施の形態において、利用禁止処理部6は、記録媒体100に記録されている制限付き利用許可情報が付加された映像信号を消去するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、制限付き利用許可情報が付加された映像信号を乱すように処理したり、再生画像がノイズで見苦しくなるようにするなど、当該映像信号の正常な再生を不能にすることによって、当該映像信号を利用することができないようにしてもよい。
【0079】
また、前述した実施の形態においては、情報信号は、アナログ映像信号であるものとして説明したが、アナログ映像信号に限るものではない。例えば、情報信号は、音声信号や各種のデータであってもよい。また、情報信号は、アナログ信号だけでなく、デジタル映像信号であってももちろんよい。
【0080】
また、前述した実施の形態の記録再生装置は、VTRとして説明したが、VTRに限るものではなく、ミニディスク(MD)と呼ばれる小型光磁気ディスクを記録媒体とする記録再生装置や再生装置、DVD(デジタルビデオディスク)を記録媒体として用いる記録再生装置や再生装置など、各種の記録再生装置や再生装置にこの発明を適用することができる。
【0081】
また、テレビ放送やケーブルテレビ放送の場合に、映像信号に制限付き利用許可情報や、当該映像信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報としてのタイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報を付加して放送するようにすれば、これらの情報が付加された映像信号が複製されたとしても、当該映像信号の利用を制限することができる。
【0082】
また、いわゆるパソコン通信のように、コンピュータ間で情報信号の送受を行う場合に、情報信号に制限付き利用許可情報や、当該情報信号が再生されて利用されたか否かを識別するための識別情報としてのタイムシフト開始情報、タイムシフト終了情報を付加して送信することにより、当該情報信号の利用を制限することができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、制限付き利用許可情報を情報信号に付加し、この制限付き利用許可情報に基づいて、情報信号の利用を制限することができるため、情報信号が記録された記録媒体の又貸しや情報信号の複製を防止することができる。これにより、情報信号の供給者側が不利益を被ることを防止することができる。
【0084】
また、情報信号の供給者側は、制限付き利用許可情報を情報信号に付加するか否かによって、供給する情報信号毎に恒久的な利用を認めるか、あるいは、再生を制限するかを選択することができる。すなわち、情報信号の供給者側に情報信号の繰り返しての利用(タイムシフト利用)を認めるか否かの選択権を持たせることができる。
【0085】
これにより、情報信号の供給者側は、情報信号の利用形態を細かく管理することができるため、例えば、再生が1回に制限された映像信号については、映像信号使用料を安く設定するなどのことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による記録再生装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した記録再生装置の利用許可情報検出部を説明するためのブロック図である。
【図3】従来の記録再生装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…書き込み部、2…複製防止制御信号検出部、3…書き込み制御部、4…読み出し部、5…利用許可情報検出部、6…利用禁止処理部、51…制限付き利用許可情報検出部、52…タイムシフト開始情報検出部、53…タイムシフト終了情報検出部、100…記録媒体

Claims (9)

  1. 再生を制限するための制限付き利用許可情報及び情報信号の所定の区間が再生されたか否かを識別するための識別情報が予め付加されて入力された情報信号を保存し、当該情報信号を読み出して、これを再生するようにする情報信号処理装置で用いられる情報信号利用制限方法であって、
    読み出した前記情報信号から前記制限付き利用許可情報を検出する第1の検出工程と、
    読み出した前記情報信号から前記識別情報を検出する第2の検出工程と、
    前記第1の検出工程において、前記制限付き利用許可信号が検出され、かつ、前記第2の検出工程において、前記識別情報が検出され、前記情報信号の所定の区間が再生されたと判断した場合であって、継続して行われていた当該情報信号の読み出しが終了した場合に、読み出された情報信号であって、保存されている前記情報信号について、再度の再生を禁止するように処理する再生制限工程と
    を有することを特徴とする情報信号利用制限方法。
  2. 再生を制限するための制限付き利用許可情報及び情報信号の所定の区間が再生されたか否かを識別するための識別情報が予め付加されて入力された情報信号を保存し、当該情報信号を読み出して、これを再生するようにする情報信号処理装置であって、
    読み出した前記情報信号から前記制限付き利用許可情報を検出する第1の検出手段と、
    読み出した前記情報信号から前記識別情報を検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段により、前記制限付き利用許可信号が検出され、かつ、前記第2の検出手段により、前記識別情報が検出され、前記情報信号の所定の区間が再生されたと判断された場合であって、継続して行われていた当該情報信号の読み出しが終了した場合に、読み出された情報信号であって、保存されている前記情報信号について、再度の再生を禁止するように処理する再生制限手段と
    を備えることを特徴とする情報信号処理装置。
  3. 前記識別情報は、前記情報信号中の1箇所以上の任意の位置に付加されるものであることを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  4. 前記情報信号の利用は、前記情報信号を順次に読み出して行うものであり、
    前記識別情報は、前記情報信号が前記順次に読み出されたときに、時間的に離れた位置に付加される開始情報と終了情報とであることを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  5. 前記情報信号の利用は、前記情報信号を時系列信号として順次に読み出して行うものであり、
    前記識別情報は、前記情報信号が前記時系列信号として順次に読み出されたときに、時間的に離れた位置に付加される開始情報と終了情報とであることを特徴とする請求項2に記載の情報信号処理装置。
  6. 前記再生制限手段は、前記情報信号の全部または一部を消去することにより、前記情報信号の再生を禁止することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の情報信号処理装置。
  7. 前記再生制限手段は、前記開始情報が示す前記情報信号における位置から前記終了情報が示す前記情報信号における位置までを消去することにより、前記情報信号の再生を禁止することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の情報信号処理装置。
  8. 前記再生制限手段は、前記情報信号の全部または一部の正常な再生を不能にすることにより、前記情報信号の利用を禁止することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載の情報信号処理装置。
  9. 前記再生制限手段は、前記開始情報が示す前記情報信号における位置から、前記終了情報が示す前記情報信号における位置まで、前記情報信号の一部の正常な再生を不能にすることにより、前記情報信号の利用を禁止することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の情報信号処理装置。
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