JP4047597B2 - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録材料に関し、詳しくは光沢性、表面性、およびインク吸収性が良好であり、印字濃度、インクの滲み、および耐傷性に優れたインクジェット記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔質のインク受容層を設けてなる記録材料が知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録材料が提案されている。
【0004】
また、特公平3−56552号、特開平2−188287号、同平10−81064号、同平10−119423号、同平10−175365号、同10−203006号、同10−217601号、同平11−20300号、同平11−20306号、同平11−34481号公報等公報には、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いた記録材料が開示されている。また、特開昭62−174183号、特開平2−276670号、特開平5−32037号、特開平6−199034号公報等にアルミナやアルミナ水和物を用いた記録材料が開示されている。
【0005】
しかしながら、上記したような気相法シリカは、一次粒子の平均粒径が数nm〜数十nmの超微粒子であり、高い光沢と良好なインク吸収性が得られるという特長がある。しかしその反面、印字したインクが滲む問題や、超微粒子であるが故にインク受容層表面に傷が発生しやすいという問題、及び高光沢であるがために傷が目立ちやすいという問題がある。また、アルミナやアルミナ水和物を使用すると、光沢が高く、インクの滲みは良好であるが、インク吸収性が低く、表面に傷が発生しやすい問題がある。
【0006】
一方、インクジェット記録材料の支持体としては、従来、紙が一般的に用いられており、紙自体にインク吸収層としての役割を持たせていた。近年、フォトライクの記録シートが要望される中、紙支持体を用いた記録シートは、光沢、質感、耐水性、印字後のコックリング(皺あるいは波打ち)等の問題があり、耐水性加工された紙支持体、例えば、紙の両面にポリエチレン等のポリオレフィン樹脂をラミネートした樹脂ラミネート紙(ポリオレフィン樹脂被覆紙)、プラスチックフィルム等が用いられるようになってきた。しかしながら、これらの耐水性支持体は、紙支持体と違ってインク受容層を設けた表面の平滑性が高いために、擦れによりインク受容層面に傷が発生しやすいという問題がある。また、耐水性支持体それ自体はインク吸収能力が無いためにインク受容層のインク吸収容量を大きくしなければならず、そのためには空隙率の高い無機微粒子層を厚く塗布する必要がある。空隙率を高くするためには無機微粒子に対する有機バインダーの比率を小さくしなければならず、有機バインダー量減によってインク受容層の皮膜が脆弱になり、益々傷が発生しやすくなる。この現象は特に平均一次粒子径が50nm以下の気相法シリカ、アルミナ水和物、およびアルミナを用いたときに顕著になる。
【0007】
上記したような傷の問題を解消する技術として例えば、上層にコロイダルシリカを含有する層を設けることが提案されている。例えば、特開平6−183131号、特開平6−183134号、特開平7−101142号、特開平9−183267号、特開平10−71762号、特開平10−166715号、特開2000−33769号、特開2000−37944号、同2000−108505号、同2000−280609号、同2001−10212号、同2001−353957公報等に記載されている。しかしながら、コロイダルシリカ層を上層に単に設けるだけでは、光沢、インク吸収性、インクの滲み、および耐傷性を同時に充分に満足させることはできなかった。特に、特開2000−33769号公報では上層に金属化合物で処理したコロイダルシリカゲルを用いてインクの染料成分の吸着性を向上させる提案がなされているが、下層のインク受容層に気相法シリカを用いた場合にはインクの滲み防止は不十分であり、特に上層とインク受容層との界面でのインクの滲みが発生した。下層のインク受容層にアルミナ、またはアルミナ水和物を単層で用いた場合にはインクの滲みは良好であるが、インクの吸収性が不十分であった。特開2001−353957号公報には、気相法シリカを含有する下層とコロイダルシリカを含有する上層を有する記録用シートが提案されているが、気相法シリカ含有の塗布液にカチオン性の媒染剤を添加すると凝集を起こすのでカチオン性の媒染剤を別の溶液として塗布するのが好適と記載されており、塗布時の下層と上層とのハジキについての記載は無い。
【0008】
また、上記した特開公報からも伺えるように、従来の一般的な製造方法としては、下層のインク受容層を塗布乾燥した後、上層のコロイダルシリカ層を塗布し乾燥するという、逐次塗布方法が採用されていた。本発明の目的の1つであるインク吸収性を高めるためには、比較的膜厚の大きいインク受容層と比較的膜厚の小さいコロイダルシリカ層の構成が好ましいことを確認しているが、この構成の場合、上記した従来の製造方法、即ち、予め塗布乾燥されたインク受容層の上にコロイダルシリカ層を塗布し乾燥するという方法では、充分な光沢と耐傷性が得られないことが分かった。また更にインク受容層の上に比較的薄層のカチオン性コロイダルシリカ層を逐次塗布する方法は、均一な塗布面が得られにくいという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、光沢、インク吸収性、印字濃度、インク滲み、および耐傷性に優れ、かつ塗布面が均一で塗布ムラのないインクジェット記録材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、主として以下により達成された。
【0011】
(1)耐水性支持体上に、少なくとも1層の気相法シリカを主体に含有するインク受容層の塗布液と、少なくとも1層のコロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層の塗布液をこの順に同時重層塗布してなるインクジェット記録材料の製造方法であって、該インク受容層の塗布液が水溶性多価金属化合物を含有し且つpHが3.0〜6.0であり、該コロイダルシリカがカチオン性コロイダルシリカであり、該カチオン性コロイダルシリカの塗布量が固形分で4.0g/m2以下であり、該表面被覆層の塗布液が、有機バインダーを該カチオン性コロイダルシリカに対して固形分で1〜7質量%含有し且つpH3.2〜5.5の塗布液であることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
【0012】
(2)上記(1)のインク受容層と表面被覆層の間に、アルミナ水和物またはアルミナを主体に含有するインク受容層を前記両層と同時重層塗布してなるインクジェット記録材料の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料は、耐水性支持体上に少なくとも1層の気相法シリカを主体に含有するインク受容層A、およびカチオン性コロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層を設けるか、または、耐水性支持体上に少なくとも1層の気相法シリカを主体に含有するインク受容層B、少なくとも1層のアルミナ水和物またはアルミナを主体に含有するインク受容層C、およびカチオン性コロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層をこの順に設ける。ここで、例えば気相法シリカを主体に含有するインク受容層とは、インク受容層を構成する全固形分に対して気相法シリカを50質量%以上含有することを意味し、好ましくは60質量%、特に好ましくは65質量%以上含有する。アルミナ水和物、アルミナ、およびカチオン性コリダルシリカを主体とする場合も同様である。本発明において、インクジェット記録材料の各インク受容層に含有される気相法シリカ、アルミナ水和物、およびアルミナの合計の固形分量は、10〜50g/m2が好ましく、15〜40g/m2の範囲がより好ましい。
【0014】
本発明で用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、トクヤマ(株)からQSタイプとして市販されており入手することができる。
【0015】
気相法シリカの平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜30nmであり、BET法による比表面積が50〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0016】
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で50〜300nm程度まで粉砕したものが好ましく使用出来る。
【0017】
本発明に用いられるアルミナ水和物は、Al2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
【0018】
アルミナ水和物の一次粒子の平均粒径は、5〜50nmが好ましく、より高い光沢を得るためには、5〜30nmでかつ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒径の比)が2以上、好ましくは3〜8の平板状の粒子を用いるのが好ましい。
【0019】
本発明において、インク受容層には皮膜としての特性を維持するために有機バインダーを含有するのが好ましい。有機バインダーとしては、各種水溶性ポリマーあるいはポリマーラテックスが好ましく用いられる。水溶性ポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系等やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい有機バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
【0020】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。また、カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
【0021】
また有機バインダーとして用いられるポリマーラテックスとしては、例えば、アクリル系ラテックスとしては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基等のアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類、アクリルニトリル、アクリルアミド、アクリル酸及びメタクリル酸等の単独重合体または共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン酸やビニルスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体が挙げられる。オレフィン系ラテックスとしては、ビニルモノマーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマーが好ましく、ビニルモノマーとしてはスチレン、アクリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用いられ、ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0022】
本発明のインク受容層には有機バインダーを無機微粒子に対して5〜35質量%の範囲で用いるのが好ましく、特に10〜30質量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0023】
本発明において、カチオン性コロイダルシリカを主体とする表面被覆層に接するインク受容層Aが気相法シリカを主体に含有する場合には、併せて水溶性金属化合物を含有させることによって、インク吸収性とインクの滲みが良好となる。表面被覆層のカチオン性コロイダルシリカとインク受容層Aの気相法シリカとの界面における凝集が水溶性金属化合物からのカチオン性金属イオンにより防止され、その結果界面でのインクの溜まりが無くなるのでインク吸収性が良好になり、カチオン性金属イオンの効果と相まってインクの滲みも改良されると推測される。好ましくは、表面被覆層のカチオン性コロイダルシリカの平均一次粒径がインク受容層Aの気相法シリカの平均一次粒径以上とすることで表面被覆層とインク受容層Aとの界面のインク溶剤浸透性が良好となる。気相法シリカ間の空隙を小さくすることによりカチオン性コロイダルシリカ粒子が空隙に落ち込みにくくして穴埋めによる溶剤浸透抵抗を少なくするためと推測される。気相法シリカを主体とするインク受容層が2層以上の場合には、表面被覆層に接するインク受容層A以外の各層に水溶性金属化合物を含有させるほうが好ましい。
【0024】
本発明において、カチオン性コロイダルシリカを主体とする表面被覆層に接するインク受容層Cがアルミナ水和物、またはアルミナを主体に含有する場合には、両層の界面では凝集の発生が少なく、良好なインク溶剤の透過性を示すが、耐水性支持体とインク受容層Cとの間に、気相法シリカが主体で好ましくは水溶性金属化合物を含有するインク受容層Bを設けることでインク吸収性、およびインクの滲みが良好となる。インク受容層Cの低いインク吸収性がインク受容層Bにより改良されるのに加えて、インク受容層Bに水溶性金属化合物を含有させることでインク受容層BとCとの界面での凝集が防止されるためと推測される。好ましくは表面被覆層のカチオン性コロイダルシリカの平均一次粒径L、インク受容層Cのアルミナ水和物かアルミナの平均一次粒径M、およびインク受容層Bの気相法シリカの平均一次粒径Nとの関係が、L≧M≧Nとすることで各界面でのインク溶剤の浸透性が良好となり、界面でのインクの滲みも改良される。空隙の大きさを表面被覆層、インク受容層C、インク受容層Bの順に同等以下とすることで上層の粒子の下層への落ち込みを防止する効果によると推測される。
【0025】
本発明でインク受容層に使用される水溶性金属化合物としては、水溶性多価金属化合物が好ましい。多価金属としては、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、チタン、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンが挙げられ、これらの金属の水溶性塩として用いることができる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、塩化チタン、硫酸チタン、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。これらの中でも特に、アルミニウムあるいは周期表IVa族元素(ジルコニウム、チタン)の水溶性塩が好ましい。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを意味する。
【0026】
上記以外の水溶性アルミニウム化合物として、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の一般式1、2又は3で示され、例えば[Al6(OH)15]3+、[Al8(OH)20]4+、[Al13(OH)34]5+、[Al21(OH)60]3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0027】
[Al2(OH)nCl6-n]m ・・式1
[Al(OH)3]nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
【0028】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。これらの塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物は、特公平3−24907、同平3−42591号公報にも記載されている。
【0029】
本発明において、上記した水溶性の多価金属化合物のインク受容層中の含有量は、0.1g/m2〜10g/m2、好ましくは0.2g/m2〜5g/m2である。
【0030】
本発明で気相法シリカの分散等で用いられるカチオン性ポリマーとしては、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、あるいは1〜3級アミンの酸付加物を有する水溶性カチオン性ポリマーが挙げられる。例えば、ポリエチレンイミン、ポリジアルキルジアリルアミン、ポリアリルアミン、アリキルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−280681号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載されたカチオン性ポリマーが挙げられる。本発明に用いられるカチオン性ポリマーの重量平均分子量は10万以下が好ましく、より好ましくは5万以下であり、下限は2千程度である。
【0031】
これらのカチオン性ポリマーの使用量は無機微粒子に対して1〜8質重量%の範囲が好ましい。
【0032】
本発明において、インク受容層に皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは親水性バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
【0033】
本発明において、インク受容層には、有機バインダーとともに硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
【0034】
インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。また、本発明のインク受容層の塗布液のpHは、3.0〜6.0の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。このインク受容層塗布液のpH範囲と、上層の表面被覆層の塗布液のpH3.0〜6.0とを組み合わせることによって、更にインク吸収性、光沢性、及び均一な塗布面が得られる。
【0035】
本発明のインクジェット記録材料は、上記したインク受容層の上に少なくとも1層のカチオン性コロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層を有する。コロイダルシリカの形状は、一般的に球状または球状に近い形状、またはシリカの一次粒子が二次元的に鎖状に連結して伸長した形状を有しており、三次元的に結合した二次凝集粒子であるシリカゲルとは異なる。
【0036】
本発明に用いられるカチオン性コロイダルシリカは、少なくともpHが3.0〜6.0の範囲の何れかの表面被覆層塗布液中で表面が陽性電荷を帯びているコロイダルシリカである。例えばケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカにアルミニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ジルコニウムイオン等の多価金属イオンを反応させて得られたものであり、特公昭47−26959号公報にはアルミニウム処理によるカチオン性コロイダルシリカが開示されている。市販されているカチオン性コロイダルシリカとしては、日産化学工業(株)社からスノーテックスST−AK−L、ST−UP−AK、ST−AK、ST−PS−M−AK、ST−AK−YL等が市販されている。2種以上のカチオン性コリダルシリカを混合使用してもよい。
【0037】
本発明に用いられるカチオン性コロイダルシリカの平均一次粒径は、10nm以上であり、インク吸収性および光沢の観点からは30nm〜100nmの範囲のものが好ましい。更に平均一次粒子径の異なる2種類以上のカチオン性コロイダルシリカを併用してもよい。この場合、平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満と60nm以上〜100nm以下のカチオン性コロイダルシリカを組み合わせて用いるのが好ましく、平均一次粒子径が30nm以上〜60nm未満のカチオン性コロイダルシリカを60質量%以上用いるのがより好ましい。球状粒子が連結して鎖状となった場合には平均粒径が40〜200nm、好ましくは40〜160nm程度のものが使用される。
【0038】
表面被覆層におけるカチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量は、一般的には0.1〜8.0g/m2であり、0.3〜4.0g/m2の範囲が好ましい。これによって、インク吸収性を低下させずに、光沢性、インクの定着性、および耐傷性の一段の改良が図られる。
【0039】
表面被覆層には、更に有機バインダーを含有するのが好ましい。有機バインダーはカチオン性コロイダルシリカに対して固形分で10質量%以下で用いるのが好ましく、下限は0.5質量%程度である。より好ましくは、1〜7質量%の範囲で有機バインダーを用いる。有機バインダーをこの範囲で含有させることによってインク吸収性を低下させずに平滑性、および耐傷性を向上させる。インク受容層の塗布液を塗布、乾燥した後で有機バインダーを含有した表面被覆層の塗布液を塗布する場合でもハジキ防止効果が得られるが、特にインク受容層と表面被覆層の塗布液を同時重層塗布する場合に表面被覆層に有機バインダーを含有させることで塗布性が向上し、ハジキのない均一な表面が得られるので望ましい。好ましくは有機バインダーとして水溶性ポリマーを用い、カチオン性コロイダルシリカに対して固形分で1〜7質量%、より好ましくは3〜7質量%用いることで塗布性が良好となる。
【0040】
上記有機バインダーとしては、インク受容層に用いられる前述した有機バインダーを挙げることができる。これらの中でも特に好ましい有機バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
【0041】
表面被覆層には、有機バインダーとともに硬膜剤を用いることができる。硬膜剤としては、前述したインク受容層に用いられる硬膜剤を挙げることができる。これらの硬膜剤の中でも特に、ほう酸あるいはほう酸塩が好ましく用いられる。表面被覆層には、他に界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等を含有することができる。
【0042】
本発明のインクジェット記録材料は、耐水性支持体上に少なくとも1層の気相法シリカ、アルミナ水和物、またはアルミナを主体に含有するインク受容層の塗布液と、カチオン性コロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層の塗布液をこの順に塗布されて製造されたものであり、表面被覆層の塗布液のpHが3.0〜6.0の範囲にあることがインク吸収性、および印字濃度からは好ましく、より好ましいpHの範囲は3.2〜5.5、更に好ましくは3.2〜4.4である。以上の範囲とすることで塗布液中でのカチオン性コロイダルシリカの安定性が向上し、得られる記録材料の膜面pHを有効にインク滲みを抑え、インク吸収性と印字濃度が良好となる範囲とするものである。
【0043】
本発明において、インク受容層、および表面被覆層の塗布方法は、1層ずつ塗布する逐次塗布方法(例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター等)、あるいは多層同時重層塗布方法(例えば、スライドビードコーターやスライドカーテンコーター等)のいずれの方法であっても、本発明の効果は得られるが、多層同時重層塗布方法が好ましく用いられる。
【0044】
従来、インク受容層と表面被覆層は逐次塗布(インク受容層を塗布乾燥後に表面被覆層を塗布乾燥する方法)するのが一般的であったが、インク吸収性の改良から表面被覆層におけるカチオン性コロイダルシリカの塗布量を固形分で8g/m2以下にする場合、更には4g/m2以下の場合に逐次塗布すると、表面被覆層の光沢性及び耐傷性の効果が十分に発揮されないということが分かった。これは、塗布乾燥された気相法シリカ、アルミナ水和物。またはアルミナを主体に含有するインク受容層の上に、比較的薄層の表面被覆層を塗布した場合、インク受容層中の空隙に表面被覆層の塗布液が一部浸透し、均一なカチオン性コロイダルシリカ層が得られないためと考えられている。また、インク受容層中の空隙に存在する空気が上層の表面被覆層の塗布液中に拡散して泡となって、クレーター状の塗布欠陥(クレーター状ハジキ)を発生させることも、表面被覆層の光沢性、均一性の障害になっていた。
【0045】
また、更に、インク受容層に平均一次粒子径が50nm以下の気相法シリカ、アルミナ、あるいはアルミナ水和物を用いた場合、特に気相法シリカを用いた場合、インク受容層を一旦塗布乾燥した後、表面被覆層を塗布した場合、インク受容層が再度湿潤状態となって乾燥する過程で、インク受容層に微小なひび割れを生じさせる場合がある。
【0046】
上記したような、比較的薄層の表面被覆層をインク受容層の塗布乾燥後に逐次塗布する場合の課題は、インク受容層と表面被覆層を同時重層塗布することによって解消する。本発明において、表面被覆層の薄層塗布は、インク吸収性の点で好ましい。カチオン性コロイダルシリカは、本発明のインク受容層に好ましく用いられる気相法シリカ、アルミナやアルミナ水和物に比べインク吸収性に劣るために、上層にコロイダルシリカ層を設ける場合は薄層の方が好ましい。その反面、カチオン性コロイダルシリカは光沢及び耐傷性に優れており、均一な塗布面が形成できれば薄層であっても充分に高い光沢性および耐傷性の効果が得られる。従って、インク吸収性、光沢、及び耐傷性を同時に高いレベル満足させるためには、薄層のカチオン性コロイダルシリカ層を気相法シリカやアルミナ水和物主体のインク受容層と同時重層塗布するのが極めて好ましいと言える。
【0047】
多層同時重層塗布は、スライドビードコーターやスライドカーテンコーターのようなコーターを用いて、インク受容層および表面被覆層の複数の塗布液を積層状態で支持体に塗布する。インク受容層と表面被覆層の塗布液が積層した状態や、乾燥したインク受容層に表面被覆層の塗布液を塗布した状態において、2つの層の界面での凝集を防止し、塗布ムラを防止する方法は、表面被覆層にカチオン性コロイダルシリカを主体で、好ましくは有機バインダーを使用し、直下のインク受容層として気相法シリカ主体の場合には水溶性金属化合物を含有させるか、アルミナ水和物かアルミナを主体とし、表面被覆層の塗布液のpHを好ましくは3.0〜6.0、より好ましくは3.2〜5.5の範囲に調整し、更に好ましくはインク受容層の塗布液のpHも3.0〜6.0とすることによって解消される。
【0048】
表面被覆層の好ましい構成は前述した通りであるが、該層の塗布液におけるカチオン性コロイダルシリカの濃度は、3〜25質量%程度が適当であり、より好ましくは5〜20質量%である。表面被覆層の塗布液の湿分塗布量は、7〜50g/m2程度が好ましく、7〜30g/m2がより好ましい。
【0049】
インク受容層の構成についても前述したとおりであるが、インク受容層の塗布液における気相法シリカ、アルミナ水和物、およびアルミナの固形分濃度は、5〜20質量%程度が好ましい。インク受容層は、複数層の場合でも、いずれの層も上記範囲の濃度であることが好ましい。インク受容層塗布液の湿分塗布量は、単一層の場合でも複数層の場合でも、合計で100〜300g/m2程度が適当である。インク受容層の塗布液のpHは、3.0〜6.0の範囲が好ましく、特に3.5〜5.5の範囲が好ましい。この範囲のpHに調整することによって、更に上層の表面被覆層との界面での凝集がより抑制され、得られる記録材料のインク吸収性が向上する。
【0050】
本発明で使用される耐水性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、及び紙と樹脂フィルムを貼り合わせたもの、紙の少なくとも片面にポリオレフィン樹脂等の疎水性樹脂をラミネートしたポリオレフィン樹脂被覆紙等が好ましい。これらの耐水性支持体の厚みは50〜300μm、好ましくは80〜260μmのものが用いられる。
【0051】
本発明に好ましく用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙支持体(以降、ポリオレフィン樹脂被覆紙と称す)について詳細に説明する。本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙は、その含水率は特に限定しないが、カール性より好ましくは5.0〜9.0%の範囲であり、より好ましくは6.0〜9.0%の範囲である。ポリオレフィン樹脂被覆紙の含水率は、任意の水分測定法を用いて測定することができる。例えば、赤外線水分計、絶乾重量法、誘電率法、カールフィッシャー法等を用いることができる。
【0052】
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する基紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この基紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0053】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0054】
また、基紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0055】
基紙を被覆するポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0056】
また、ポリオレフィン樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0057】
ポリオレフィン樹脂被覆紙の主な製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その少なくとも片面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。インク吸収性からは基紙のインク受容層を設ける面(基紙の表面)に樹脂を被覆しないほうが好ましく、反対面(基紙の裏面)にはカール防止の点からは樹脂層を設けたほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、裏面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に片面5〜50μmの厚みに片面または表裏両面に樹脂コーティングされる。片面だけを樹脂被覆する場合には、得られるインクジェット記録材料のカール性からはポリオレフィン樹脂被覆層の厚みは5〜30μm程度が好ましい。
【0058】
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の表のインク受容層が塗設される面(以後ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面と称す)は、基紙面のままでもよいが、光沢、平滑性からはポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際、クーリングロールはポリオレフィン樹脂コーティング層の表面形状の形成に使用され、樹脂層の表面はクーリングロール表面の形状により鏡面、微粗面、またはパターン化された絹目状やマット状等に型付け加工することができる。インク受容層や表面被覆層のひび割れ防止からは、樹脂被覆層の表面のJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるように型付け加工することが好ましい。
【0059】
本発明のポリオレフィン樹脂被覆紙の裏のインク受容層の塗設される面(以後ポリオレフィン樹脂被覆紙の裏面と称する)は、表面を樹脂被覆する場合には基紙面のままでも良いが、カール性や印字画像の向上からは主としてポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。この際プリンターでの搬送性、印字画像からはクーリングロールはJIS−B−0601に規定されるRaが0.8〜5μmになるようにクーリングロール表面の形状により微粗面、またはパターン化された、例えば絹目状やマット状等に型付け加工することが好ましい。
【0060】
基紙の裏面や表面にポリオレフィン樹脂被覆層を設ける方法は、加熱溶融樹脂を押し出して塗設する以外に電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥し、表面平滑化処理を施す方法等が有る。いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能なポリオレフィン樹脂被覆紙が得られる。
【0061】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂被覆紙の表面には下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗設される前に、予め耐水性支持体の表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくは、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーの付着量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2がより好ましい。更に、下引き層には、他に界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、樹脂被覆紙に下引き層を塗布する前には、コロナ放電することが好ましい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。実施例中の部とは質量部を表す。
【0063】
実施例1
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ35μmになるように押出被覆し、微粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。もう一方の面には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ30μmになるように押出コーティングし、粗面加工されたクーリングロールを用いて押出被覆した。
【0064】
上記ポリオレフィン樹脂被覆紙の表面に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥して耐水性支持体を作成した。
【0065】
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
【0066】
得られた耐水性支持体の下引き層を設けた面に下記組成のインク受容層塗布液1、および表面被覆層塗布液1をスライドビードコーターで同時重層塗布した。インク受容層塗布液1における気相法シリカの濃度は9質量%になるように調製した。インク受容層塗布液の湿分塗布量は220g/m2である(気相法シリカの固形分塗布量は20g/m2)。表面被覆層塗布液1におけるカチオン性コロイダルシリカの濃度は8質量%になるように調製した。表面被覆層塗布液1の湿分塗布量は12.5g/m2である(カチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量は1g/m2)。
【0067】
<インク受容層塗布液1>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径7nm、BET法による比表面積300m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 22部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
塗布液のpHを4.0に調製した。
【0068】
<表面被覆層塗布液1>
カチオン性コロイダルシリカ 100部
(日産化学工業(株)社製スノーテックスST−AK−L、平均一次粒径45nm)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.1部
(ノニオン系;日本サーファクタント社製、Nikkol BT−9)
【0069】
上記の表面被覆層塗布液1は以下のようにして作製した。まずカチオン性コロイダルシリカの濃度が12質量%になるように水を加えて水溶液を調製し、このカチオン性コロイダルシリカ水溶液を高速回転ディスパーで高速撹拌しながらポリビニルアルコール、界面活性剤を順に加えて塗布液を作製した。この塗布液のpHは4.3であった。
【0070】
<表面被覆層塗布液2>
上記表面被覆層塗布液1と同様にして作製した。但し、カチオン性コロイダルシリカ水溶液を高速回転ディスパーで高速撹拌しながら0.5質量%の水酸化ナトリウムを徐々に加えてpHを上昇させた後、撹拌しながらポリビニルアルコール、界面活性剤を順に加えて塗布液を作製した。この塗布液のpHは5.0であった。
【0071】
<表面被覆層塗布液3>
上記表面被覆層塗布液2と同様に作製した。但し、水酸化ナトリウムの量を調整し、塗布液のpHを6.0に調製した。
【0072】
<表面被覆層塗布液4>
上記表面被覆層塗布液1と同様にして作製した。但し、カチオン性コロイダルシリカ水溶液を高速回転ディスパーで高速撹拌しながら1質量%の硝酸を徐々に加えてpHを低下させた後、撹拌しながらポリビニルアルコール、界面活性剤を順に加えて塗布液を作製した。この塗布液のpHは3.6であった。
【0073】
<表面被覆層塗布液5>
上記表面被覆層塗布液4と同様に作製した。但し、硝酸の量を調整し、塗布液のpHを3.1に調製した。
【0074】
<表面被覆層塗布液6>
上記表面被覆層塗布液1でポリビニルアルコールを抜いた以外は同様に作製した。
【0075】
上記のインク受容層と、表面被覆層層1〜6をそれぞれ同時重層塗布して、インクジェット記録材料A1〜A6を作製した。但し、A6ではインク受容層塗布液と表面被覆層塗布液とがハジキを生じて満足な表面性が得られなかったのでA1〜A5の5種類の記録材料について光沢性、インク吸収性、印字濃度、インクの滲み、および耐傷性を以下の方法でそれぞれ評価した。更に、塗布面のムラの発生程度も評価した。その結果を表1に示す。
【0076】
<光沢性>
記録材料の印字前の光沢感を斜光で観察し、下記の基準で評価した。
○:カラー写真並の高い光沢感が有る。
△:アート、コート紙並の光沢感が有る。
×:アート、コート紙並の光沢感がない。
【0077】
<インク吸収性>
セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−880Cで黒ベタ印字し、インクの吸収状態及びモットリング(画像の濃淡むら)の発生状況を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:速やかにインクが吸収され、モットリングの発生はない。
○:インクの吸収はやや遅いが、モットリングの発生はない。
△:印字面にインクがやや溢れ、僅かにモットリングの発生が認められる。
×:印字面にインクが溢れ、明らかに認められる強いモットリングの発生がある。
【0078】
<印字濃度>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−880C)にて黒色100%を印字した部分を23℃、55%RHで一昼夜放置後にマクベス濃度計にて反射濃度を測定した。
【0079】
<インクの滲み>
インクジェットプリンター(セイコーエプソン社製、PM−880C)にて黒色100%を細線印字したシートを35℃、80%RHの雰囲気で3日間保存し、滲みの程度を目視で判定した。
○:全く滲み無し。
△:やや滲み有るが問題無し。
×:滲みが大きい。
【0080】
<耐傷性>
印字していない記録材料を表面を上に2枚重ね、その上に100gの分銅を置いた状態で下の記録材料を抜き出した後、インク受容層面の傷を目視で観察した。
○:傷が全く認められない。
△:傷が若干認められる。
×:傷が明確に認められる。
【0081】
<塗布面のムラ>
塗布面のムラの発生状況を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:塗布面にムラが全く認められない。
△:塗布面にムラが僅かに認められる。
×:塗布面にムラが明確に認められる。
【0082】
【表1】
【0083】
実施例2
実施例1と同じ耐水性支持体上に、下記のインク受容層塗布液2とインク受容層塗布液3、および実施例1の表面被覆層塗布液1の3層をスライドビードコーターで同時重層塗布した。湿分塗布量は、インク受容層塗布液2が180g/m2(気相法シリカの固形分塗布量は16.2g/m2)、インク受容層塗布液3が40g/m2(アルミナ水和物の固形分塗布量は6g/m2)、および表面被覆層塗布液2が12.5g/m2(カチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量は1g/m2)である。
【0084】
<インク受容層塗布液2>
気相法シリカ 100部
(平均一次粒径12nm、BET法による比表面積200m2/g)
ジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー 4部
(第一工業製薬(株)製、シャロールDC902P、分子量9000)
ほう酸 3部
ポリビニルアルコール 20部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
塩基性ポリ水酸化アルミニウム 3部
(商品名:ピュラケムWT、(株)理研グリーン製)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
塗布液のpHを4.0に調製した。
塗布液中の気相法シリカの固形分濃度は9質量%である。
【0085】
<インク受容層塗布液3>
アルミナ水和物 100部
(擬ベーマイト、平均一次粒径13nm、アスペクト比3の平板状)
硝酸 1部
ほう酸 0.5部
ポリビニルアルコール 10部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
界面活性剤 0.3部
(ベタイン系;日本サーファクタント社製、スワノールAM)
塗布液のpHを4.2に調製した。
塗布液中のアルミナ水和物の固形分濃度は15質量%である。
【0086】
上記のインク受容層2および3と、実施例1の表面被覆層1〜5をそれぞれ同時重層塗布して、インクジェット記録材料B1〜B5を作製した。この5種類の記録材料について実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
実施例3
実施例1の記録材料A4に準じて記録材料C1〜C5を作製した。但し、表面被覆層塗布液4を以下のように変更した。
【0089】
<記録材料C1の作製>
実施例1の記録材料A4で使用の表面被覆層塗布液4のカチオン性コロイダルシリカを平均粒径が135nmのスノーテックスPS−M−AK(日産化学工業(株)社製、鎖状カチオン性コロイダルシリカ)に代えた表面被覆層塗布液6を使用した以外は実施例1と同様にして記録材料C1を作製した。
【0090】
<記録材料C2の作製>
実施例1の記録材料A4で使用の表面被覆層塗布液4のカチオン性コロイダルシリカを、平均一次粒子径が65nmのスノーテックスST−AK−YL(日産化学工業(株)社製、球状カチオン性コロイダルシリカ)に代えた表面被覆層塗布液7を使用した以外は実施例1と同様にして記録材料C2を作製した。
【0091】
<記録材料C3の作製>
実施例1の記録材料A4で使用の表面被覆層塗布液4のポリビニルアルコールの部数の4部を1.5部とした以外は同様にして記録材料C3を作製した。
【0092】
<記録材料C4の作製>
実施例1の記録材料A4で使用の表面被覆層塗布液4のポリビニルアルコールの部数の4部を0.5部とした以外は同様にして記録材料C4を作製した。
【0093】
<記録材料C5の作製>
実施例1の記録材料A4で使用の表面被覆層塗布液4のカチオン性コロイダルシリカを、平均一次粒子径が45nmのスノーテックスST−OL40(日産化学工業(株)社製、球状アニオン性コロイダルシリカ)に代えた表面被覆層塗布液8を使用し、インク受容層塗布液1との2層をスライドビードコーターで同時重層塗布したが2層の界面で凝集が発生して表面がざらつき、光沢性が大幅に低下したので、先ずインク受容層塗布液1をバーコーターで塗布、乾燥し、次いで実施例1の表面被覆層塗布液8をエアーナイフコーターを用いて塗布、乾燥して記録材料C5を作製した。
【0094】
上記3種類の記録材料C1〜C5および実施例1の記録材料A4について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表3に示す。
【0095】
【表3】
【0096】
実施例4
実施例1の記録材料A4に準じて記録材料を作製した。但し、表面被覆層塗布液1のカチオン性コロイダルシリカの固形分濃度を高くし、かつ湿分塗布量を増量して、カチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量を以下のように変化させた。
【0097】
上記3種類の記録材料D1〜D3および実施例1の記録材料A4について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0102】
【発明の効果】
上記実施例より明らかなように、気相法シリカ、アルミナ水和物、またはアルミナを主体に含有するインク受容層の上層にカチオン性コロイダルシリカを主体の表面被覆層を設けるに際し、インク受容層が気相法シリカ主体の場合には水溶性金属化合物を含有させ、かつ表面被覆層の塗布液のpHを3.0〜6.0の範囲、好ましくはpH3.2〜5.5の範囲に調整することによって製造されたインクジェット記録材料の光沢性、インク吸収性、印字濃度、インク滲み、および耐傷性が向上する。特に実施例2のインク受容層の上層に擬ベーマイトを使用したB1〜B5の記録材料は実施例1のA1〜A5の記録材料よりも光沢性は非常に良好であった。また、平均粒径が135nmの鎖状カチオン性コロイダルシリカを用いた記録材料C1は、平均一次粒径が45nmのカチオン性コロイダルシリカを用いた記録材料A4と比較して印字濃度がやや低下したが他の特性は同様に良好であった。平均一次粒径が65nmのカチオン性コロイダルシリカを用いた記録材料C2は印字濃度が記録材料A4よりもやや低下したが他の特性は良好であった。表面被覆層の有機バインダーの量を1.5部に減らした記録材料C3は記録材料A4とほぼ同様の良好な特性を示したが、有機バインダーの量を0.5部とした記録材料C4は、耐傷性と塗布ムラが低下した。比較例である平均一次粒径が45nmのアニオン性コロイダルシリカを用いた記録材料C5は記録材料A4と比較して光沢性、インク吸収性、印字濃度、および塗布ムラが低下し、インク滲みが大幅に悪化した。また、表面被覆層のカチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量が0.3〜8.0g/m2の範囲、更には0.3〜4.0g/m2の範囲で、インク吸収性の一段の向上が図られる。また更に、無機微粒子を主体に含有するインク受容層とカチオン性コロイダルシリカ層とを同時重層塗布することによって、逐次塗布に比べ塗布ムラが良好で、光沢性、および耐傷性の点で好ましい結果が得られる。この効果は特にカチオン性コロイダルシリカの固形分塗布量が8g/m2以下、更には2g/m2以下の場合に顕著に現れる。
Claims (2)
- 耐水性支持体上に、少なくとも1層の気相法シリカを主体に含有するインク受容層の塗布液と、少なくとも1層のコロイダルシリカを主体に含有する表面被覆層の塗布液をこの順に同時重層塗布してなるインクジェット記録材料の製造方法であって、該インク受容層の塗布液が水溶性多価金属化合物を含有し且つpHが3.0〜6.0であり、該コロイダルシリカがカチオン性コロイダルシリカであり、該カチオン性コロイダルシリカの塗布量が固形分で4.0g/m2以下であり、該表面被覆層の塗布液が、有機バインダーを該カチオン性コロイダルシリカに対して固形分で1〜7質量%含有し且つpH3.2〜5.5の塗布液であることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
- 前記のインク受容層と前記の表面被覆層の間に、アルミナ水和物またはアルミナを主体に含有するインク受容層を前記両層と同時重層塗布してなる請求項1記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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