JP4046786B2 - ファイバオプティックプレート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイバオプティックプレート(FOP)に用いることができる吸収体ガラス、及びこの吸収体ガラスを用いて製造されたFOPに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファイバオプティックプレート(FOP)は、複数のオプティカルファイバで構成された板状のイメージ素子であり、イメージインテンシファイアやCRTのフェースプレート、CCDカップリング等、光学機器の光導波路として利用されている。
【0003】
図1(a)は、典型的なFOPの光路方向に垂直な断面図である。図1(a)に示されるように、FOP500は、高屈折率のコアガラス502と、コアガラス502を被覆する低屈折率のクラッドガラス504と、迷光を吸収する吸収体ガラス506とから構成される。
【0004】
FOPは、以下のように製造される。コアガラスをクラッドガラスで被覆した細いシングルファイバと、吸収体ファイバとの集合体を、ファイバ方向に整列させて、高温高圧で融着させる。これをファイバ方向に対して垂直に切断して、図1(a)に示されるような断面を有するFOPを得る。
【0005】
図1(b)は、FOPのコアの模式的な断面図である。図1(b)に示されるように、FOPに入射した光は、ファイバ内で全反射を繰り返し、入射面から出射面に高い解像度で効率よく伝達される。このとき、全反射しないでコアガラスから漏れる光が一部生じるが、これを他のコアガラスに入射させないために、吸収体ガラスが配置される。FOPの基本的な構造及び特性は、例えば「光学ファイバ」(長尾和美、共立出版、1974)や、中山らの文献(テレビジョン学会技術報告、Vol.4,No.53,pp.1-6,IPU90-44,Sept.1990 )に記載されている。
【0006】
従来の代表的な吸収体ガラスには、NiO、Ni23、CoO、Co23、Cr23、CuO、MnO2、SnO、V25、WO3等の迷光吸収のための酸化物着色剤が含有される。吸収体ガラスの特性を向上させるためには、広い吸収波長帯を有する酸化物着色剤を選ぶ必要がある。また、FOP製造の際の高温高圧下での融着やファイバ化の線引等の工程に際して、退色を生じたり、拡散等によりコアの失透を生じたりしない点にも留意して酸化物着色剤を選択する必要がある。
【0007】
特開平2−38343には、SiO2,B23,La23,BaO,TiO2の5成分を基本成分とし、PbO,CdO,Bi23,As23,Sb23,F,Clを含まないFOP用吸収体ガラスが開示されている。この文献では、ガラス化が可能な各成分の含有率に関しても言及されており、例えば、着色効果を与えるとされるFe23は、15%以上含有させるとガラスが不安定になることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年では可視光域のみならず近赤外域によるイメージ伝送も多用されるようになっているが、従来のFOPは、550nm附近の可視光における吸収性の高い吸収体ガラスが用いられているものの、近赤外域での迷光吸収能力が不足しているため、近赤外域でのイメージは解像度の劣化が避けられない。
【0009】
上記の特開平2−38343に開示される吸収体ガラスでは、800nmにおいて良好な吸収をもつことが示されているものの、590nm附近を中心とする可視光領域の吸収率は示されていない。また、着色剤酸化物の含有率を増加させて広い帯域にわたって高い吸収能力を維持するための方策に関しても言及されていない。
【0010】
従って、本発明の目的は、紫外領域から可視光領域を経て近赤外領域に至る広い吸収帯を有するFOP用吸収体ガラス、及びこの吸収体ガラスを用いて製造されたFOPを提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、広い吸収帯に亘り安定して大きな吸収率を有するFOP用吸収体ガラス、及びこの吸収体ガラスを用いて製造されたFOPを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点に鑑み鋭意研究の結果、ガラスにFeOとFe23とを共に含ませることができ、且つ、このガラスが紫外領域から可視光領域を経て近赤外領域に至る広い吸収帯を有することを見出した。更に、この知見に基づいて試作研究を重ねた結果、高い吸収率を得る目的でFeOとFe23とを共に高い含有率でガラスに含有させなおかつガラス化させるためには、SiO2の含有率も同時に高くすることが有効であることを見出し本発明を完成させるに至った。また、FeO又はFe23を単独で用いる場合でも同様に、SiO2の含有率を増加させることによりFeO又はFe23を高い含有率で含有させることができることも見出された。
【0013】
請求項1に記載の発明は、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、SiO2を重量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以上30%以下であることを特徴とするファイバオプティックプレートである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
(SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>50%
の関係を有することを特徴とするファイバオプティックプレートである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、吸収体ガラスが、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とするファイバオプティックプレートである。
【0041】
本発明の吸収体ガラスは、FeOとFe23とを高い含有率で含むことができるため、可視光域から近赤外域までの広い範囲で大きな吸収率を示す。SiO2の含有率も併せて高くすることにより、ガラス化のためのこれら酸化鉄の含有量の上限が大幅に緩和され、これら酸化鉄の含有率が高く且つ安定なガラスを得ることが出来る。
【0042】
また、本発明のCoO及びCo23を実質的に含まない態様では、吸収体ガラスから他の部分へ拡散しやすいCo2+及びCo3+を含まないため、この吸収体ガラスをFOPに用いれば、コバルトイオンのコアへの拡散によりコアの透過率が損われる問題が解消される。この吸収体ガラスはCoO及びCo23を含まないがFeO及びFe23を含むため、広い範囲で良好な吸収能力を有する。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の吸収体ガラスを構成する物質成分に着目して説明する。
【0044】
(B23
ガラス形成のための酸化物である。添加することによりガラス化が容易になるが、必ずしも含有する必要はない。含有率が10%を越えるとガラスの密度が小さくなるため、吸収体ガラスとしての吸収能力が低下する。
【0045】
(SiO2
23と同様、ガラスを形成するための酸化物であり、本発明に必須である。含有率が18%未満の場合は、以下に述べる着色剤を多量に含有させることができない。また、40%を越える場合は、着色剤の含有率を大きくすることができないため、吸収能力が低下する。
【0046】
(TiO2
FeOやFe23等の着色剤を多量に含有させる際に、TiO2を添加することによりガラス化が容易となる。また、ガラスを硬くする作用も併せもつ。但し、含有率が15%を越えれば逆にガラス化が困難になる。5%未満の場合は添加の効果は少なくなるが、必ずしも含有している必要はなくゼロ%でもよい。
【0047】
(BaO)
ガラス化範囲を広げ、熱膨張係数を大きくする作用がある。BaO含有率が5%未満の場合に着色剤を多量に含有させようとしてもガラス化しなくなり、40%を越えれば着色剤を含有させる余地がなくなる。
【0048】
(La23
ガラス化を容易にし、ガラスの密度を大きくする作用がある。ガラスの密度が大きくなるため着色剤の吸収能力が向上する。含有率4%未満では添加の効果は少なく、20%を越えればガラス化が困難になる。
【0049】
(FeO)
特に近赤外域に良好な吸収特性を有する着色剤である。含有率が3%未満の場合は、吸収体ガラスの近赤外域の吸収特性が不十分となる。30%を越えれば、ガラス化が困難となる。
【0050】
(Fe23
特に紫外域から可視域にかけて良好な吸収特性を有する着色剤である。含有率が3%未満では吸収体ガラスの吸収特性が不十分であり、含有率30%を越えれば、ガラス化が困難となる。
【0051】
(Co23
主に可視域に吸収特性を有する着色剤であるが、本発明に必須ではない。含有率が15%を越える場合はガラス化が困難となる。尚、後述するが、Co23を含む吸収体ガラスを用いて作製されたFOPにおいて、Co3+がコア部分へ拡散して伝送特性が損なわれたため、好ましくはCo23を含有しなくてもよい。
【0052】
【実施例】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例を説明する。尚、添付した各図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0053】
本発明に従った吸収体ガラスファイバの製造方法について簡単に説明する。本実施例での各成分は、次の様な原料形態であった:
成分物質 原料
23 ホウ酸(H3BO3
SiO2 無水ケイ酸(SiO2
TiO2 酸化チタン(TiO2
BaO 炭酸バリウム(BaCO3
La23 酸化ランタン(La23
FeO 酸化鉄(I)(FeO)
Fe23 酸化鉄(II)(Fe23
Co23 酸化コバルト(II)(Co23)。
【0054】
これらの原料の全てを均一に混合した後、石英坩堝に投入し1250℃に加熱して、ラフメルトを行う。ほぼ全ての成分が溶融したところで、石英坩堝から溶融物を取り出し、急冷してカレットとする。これを繰り返す。次に、出来上がったカレットを白金坩堝に投入し、1350℃に加熱して溶融する。このときの溶融の時間は2時間である。2時間溶融する間に3回、白金棒で溶融物を攪拌し、溶融物の均質化を行う。2時間経過後、徐々に温度を下げ、溶融物が適当な粘度に致ったところで、棒状のキャビティーを有する型に溶融物を流し込む。炉内温度が予め720℃〜730℃に設定された電気炉内にこの溶融物を型ごと入れてアニール処理を行う。そして、電気炉内で溶融物が一定の温度になったところで、電気炉の電源を切り、溶融物を自然冷却する。ここで、吸収体ガラスの棒が完成した。そして、吸収体ガラスの棒を型から取り出し、所定の寸法に研削、研磨した後、FOP用吸収体ガラスファイバに加工する。
【0055】
まず、本発明者は、以下のように着色剤酸化物の選択を行った。ここで、本発明の目的は、紫外〜可視〜近赤外に致る広い帯域で良好な吸収特性を得る事であり、特に近赤外域の吸収特性を改善しつつ可視域の吸収も良好に維持することを目指した。近赤外域の良好な吸収特性を与えるものはCu2+とFe2+がよく知られており、これらを含む酸化物を吸収体ガラスに含有させる事を念頭に置き、更に紫外域〜可視域にも良好な吸収特性を与えるような組成を探索した。広い帯域において吸収能力を得るため、着色剤酸化物として少なくともFeOとFe23とを含有させることとした。そして、着色剤酸化物の含有量をできるだけ増加させることにより高い吸収能力を得ようとした。この際、着色剤酸化物の組み合わせや含有量がガラス化の程度に影響を及ぼすことに留意しつつ、探索を行った。
【0056】
まず、SiO219%、B236%、La2316%、BaO36%、TiO28%、FeO2.4%、Fe235.6%、Co231%、CuO6%の組成の吸収体ガラスを上記の方法により作製した。この吸収体ガラス(以下、EMAと略記する)の790nmにおける透過率を測定したところ、厚さ250μmのEMAで0.5%であった。即ち、このEMAは近赤外域で非常に良好な吸収能力を有することが明らかになった。
【0057】
しかし、このEMAをコア、クラッド部と共に線引してFOPを作製したところ、EMAが結晶化してしまった。この線引の際の温度条件を変えた試作を更に行ったが、EMAを結晶化させないための温度条件が非常に狭く限られることが判明し、即ち線引の際の温度制御が著しく困難であることが明らかになった。また、EMA中のCu2+がコアに容易に拡散し、コアが著しく着色されてしまった。このFOPの分光透過率は、可視域〜近赤外域で大幅に低下したものとなり、実用に供しないことが明らかになった。従って、本発明のEMAには、Cuイオンを含まないこととした。
【0058】
次に、上記の組成に対し、CuO6%に変えて、従来から用いられる着色剤酸化物を約5〜6%前後としたEMAを作製して、ガラス化及び790nm近辺での吸収を評価した。CuOに換えた着色剤酸化物には、Ni23、MnO2、Co23、SnO、V25、WO3及びCr23をそれぞれ単独で用いた。その結果、MnO2、SnO、V25、WO3又はCr23を用いた場合は、ガラス化が充分ではなく、Ni23又はCo23を約5〜6%前後として用いた場合に、ガラス化が充分に達成されることが明らかになった。
【0059】
そして、以上の結果を踏まえて、組成の最適化の検討を行った。上記の製造工程により、組成の異なる12種類のEMAを作製した。そして、それぞれに関して、波長約300nm〜約1,000nmの範囲で透過率を測定した。これら12種類のガラスの組成を、以下の表1及び表2に示す。尚、これらは全て、良好にガラス化した。
【0060】
【表1】
Figure 0004046786
【0061】
【表2】
Figure 0004046786
【0062】
作製されたこれら12種類の組成のEMAに対して、波長300nm〜1,000nmの広い帯域にわたる分光透過率を測定して、EMAの吸収特性を評価した。これら全てのEMAが300nm〜1,000nmにわたって比較的良好な吸収能力を有することが確認された。また、近赤外域である波長790nmに対する透過率を、表1及び表2に併せて示した。
【0063】
まず、Ni23を含有するNo.40は、波長790nmに対して、この中では最も高い透過率(即ち低い吸収率)を呈したが、実用に供しないレベルではない。
【0064】
次いで、Ni23ではなくCo23を着色剤酸化物として、FeO及びFe23と共に含有させたNo.57〜61では、FeOとFe23の含有率の合計が最も高いNo.58が、最も低い透過率を示した。
【0065】
また、B23を含まずFeOとFe23の含有率の合計がNo.58に近いレベルであるNo.70、71では、EMAのガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)が改善された。
【0066】
更に、FeO単独又はFe23で用い、且つこれらの含有率を22.2%としたNo.75、76では、透過率が著しく改善された。
【0067】
これらの結果から、FeO及びFe23の含有量を高めれば、他の着色剤酸化物を用いることなく充分高い吸収率を得ることができることが明らかになった。
【0068】
そして、この見解に基づき、FeOとFe23を共に用いて、且つこれらの含有量を高める検討を行った結果が、表2に示されるNo.74及びNo.80である。これらは共に波長790nmに対して著しく良好な吸収性能を示した。
【0069】
透過率が著しく改善されたNo.74〜No.76及びNo.80においては、SiO2が重量百分率で18〜40%含有され、FeOの含有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以上になっている。
【0070】
これらのうち、No.74及びNo.80の透過率を更に詳しく調べた。このとき、比較のために、本発明に従わない従来品として、SiO219%、B236%、La2316%、BaO36%、TiO28%、FeO2.4%、Fe235.6%、Co231%の組成をもつ従来品EMAを用いた。まず、厚さによる透過率の変化を、比較的良好な結果が得られたNo.58、No.70と共に図2に示す。この図2に示されるように、従来品と比較してNo.58、70、74及び80は、波長790nmに対して良好な吸収特性を有することが示され、特にNo.74及びNo.80は著しく良好であった。
【0071】
次に、厚さ130μmの場合のNo.74、No.80及び従来品の分光透過率のスペクトルを図3に示す。図3に示されるように、従来品に比べてNo.74及びNo.80は共に、全波長域にわたって著しく良好な吸収特性を発揮したことが示された。
【0072】
更に、NO.80のEMA及び従来品EMAを用いて、公知のコア及びクラッドと共に開口数(N.A.)が1であるFOPを作製し、厚さ3mmのFOPに対する分光透過率を測定した。この時の分光透過率のスペクトルを、図4に示す。図4に示されるように、従来品EMAを用いたFOPでは、近赤外域で透過率が上昇し迷光が多く吸収体の効果が小さいことが示される。これに対して、本発明のEMA(No.80)を用いたFOPは、近赤外域での透過率の立ち上がりがなく迷光の吸収を効果的に行っていることがわかる。このFOPは、開口数(N.A.)が1であるものを用いており、拡散光の場合、コア部分に入射した光は全てファイバ内で全反射を繰り返し、同一ファイバの反対側より出射する。しかし、それ以外のクラッド部、吸収体部に入射した光は、吸収体の能力が不完全であれば屈折を繰り返し、減衰しながら同一角度で出射する。このため、FOPのコア部分で伝送されたイメージにこれら迷光成分が加わり、伝送イメージはその解像度が劣化する。従って、本発明に従ったFOPは、近赤外の迷光を大幅に吸収し且つ紫外域〜可視域にわたっても同様に迷光を大幅に吸収することができるため、広い範囲で良好な解像度を維持しつつイメージを伝送することが可能となる。
【0073】
以上説明したように、第1の発明に係るファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、SiO2を重量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以上であることを特徴とする。
【0074】
第2の発明に係るファイバオプティックプレートは、SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
(SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>50%
の関係を有することを特徴とする。
【0075】
第3の発明に係るファイバオプティックプレートは、吸収体ガラスが、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0076】
第4の発明に係るファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、重量百分率で
SiO2:18〜40%と、
2 3 :0〜10%と、
TiO 2 :0〜15%と、
BaO:25〜40%と、
La23:4〜20%と、
FeO:3〜30%と、
Fe23:3〜30%と、
Co 2 3 :0〜15%と
を含むことを特徴とする。
【0080】
第8の発明に係るファイバオプティックプレートは、SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
(SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>35%
の関係を有することを特徴とする。
【0081】
第9の発明に係るファイバオプティックプレートは、吸収体ガラスが、重量百分率で3〜6%のNi23を更に含むことを特徴とする。
【0082】
第10の発明に係るファイバオプティックプレートは、吸収体ガラスが、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0083】
第11の発明に係るファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、重量百分率で、
SiO2:20〜35%と、
2 3 :0〜6%と、
TiO2:5〜12%と、
BaO:25〜35%と、
La23:7〜10%と、
FeO:3〜9%と、
Fe23:7〜21%と、
Co 2 3 :0〜10%と
を含むことを特徴とする。
【0086】
第14の発明に係るファイバオプティックプレートは、吸収体ガラスが、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0087】
第15の発明に係るファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、重量百分率で、
SiO2:23〜31%と、
2 3 :0〜6%と、
TiO2:7〜11%と、
BaO:30〜32%と、
La23:7〜8%と、
FeO:3〜5%と、
Fe23:8〜12%と
を含み、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0089】
第17の発明に係るファイバオプティックプレートは、複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、コアのそれぞれの外周部を覆い、コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、複数のコアの間に配置され、コアから漏れクラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体とを備え、吸収体ガラスが、重量百分率で、
SiO2:28〜31%と、
TiO2:7〜11%と、
BaO:30〜32%と、
La23:7〜8%と、
FeO:6〜9%と、
Fe23:15〜21%と
を含み、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0090】
第18の発明に係るファイバオプティックプレートは、吸収体ガラスが、B23を実質的に含まないことを特徴とする。
【0091】
第19の発明に係る吸収体ガラスは、SiO2を重量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以上であることを特徴とする。
【0092】
第20の発明に係る吸収体ガラスは、重量百分率で
SiO2:18〜40%と、
23:0〜10%と、
TiO2:0〜15%と、
BaO:25〜40%と、
La23:4〜20%と、
FeO:3〜30%と、
Fe23:3〜30%と、
Co23:0〜15%と
を含むことを特徴とする。
【0093】
第21の発明に係る吸収体ガラスは、SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
(SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>35%
の関係を有することを特徴とする。
【0094】
第22の発明に係る吸収体ガラスは、SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
(SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>50%
の関係を有することを特徴とする。
【0095】
第23の発明に係る吸収体ガラスは、重量百分率で3〜6%のNi23を更に含むことを特徴とする。
【0096】
第24の発明に係る吸収体ガラスは、重量百分率で、
SiO2:20〜35%と、
23:0〜6%と、
TiO2:5〜12%と、
BaO:25〜35%と、
La23:7〜10%と、
FeO:3〜9%と、
Fe23:7〜21%と、
Co23:0〜10%と
を含むことを特徴とする。
【0097】
第25の発明に係る吸収体ガラスは、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0098】
第26の発明に係る吸収体ガラスは、重量百分率で、
SiO2:23〜31%と、
23:0〜6%と、
TiO2:7〜11%と、
BaO:30〜32%と、
La23:7〜8%と、
FeO:3〜5%と、
Fe23:8〜12%と
を含み、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0099】
第27の発明に係る吸収体ガラスは、重量百分率で、
SiO2:28〜31%と、
TiO2:7〜11%と、
BaO:30〜32%と、
La23:7〜8%と、
FeO:6〜9%と、
Fe23:15〜21%と
を含み、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする。
【0100】
第28の発明に係る吸収体ガラスは、B23を実質的に含まないことを特徴とする。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の吸収体ガラスは、近赤外の迷光を大幅に吸収し且つ紫外域〜可視域にわたっても同様に迷光を大幅に吸収することができる。このため、この吸収体ガラスを用いて製造されたFOPは、広い範囲で良好な解像度を維持しつつイメージを伝送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はFOPの断面図であり、(b)はFOPのコアの模式的な断面図である。
【図2】 波長790nmに対する吸収体ガラスの厚さに対する透過率の関係を表すグラフである。
【図3】 厚さ130μmの吸収体ガラスに対する分光透過率のチャートである。
【図4】 厚さ3mmのファイバオプティカルプレートの分光透過率のチャートである。
【符号の説明】
500…ファイバオプティカルプレート、502…コアガラス、504…クラッドガラス、506…吸収体ガラス。

Claims (3)

  1. 複数の光ファイバを束ねた状態で一体化することによって形成され、
    入射した光を伝搬し、コアガラスからなる複数のコアと、
    前記コアのそれぞれの外周部を覆い、前記コアガラスよりも屈折率が低いクラッドガラスからなるクラッドと、
    前記複数のコアの間に配置され、前記コアから漏れ前記クラッドに入射した迷光を吸収し、吸収体ガラスからなる吸収体と
    を備え、
    前記吸収体ガラスが、SiO2を重量百分率で18〜40%含有し、更にFeOの含有率とFe23の含有率との和が重量百分率で20%以上30%以下であることを特徴とするファイバオプティックプレート。
  2. SiO2とFeOとFe23とが重量百分率で、
    (SiO2の含有率)+(FeOの含有率)+(Fe23の含有率)>50%の関係を有することを特徴とする請求項1に記載のファイバオプティックプレート。
  3. 前記吸収体ガラスが、CoOとCo23とを実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載のファイバオプティックプレート。
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