JP4045405B2 - Resin film and its use - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルコキシシリル基を有する環状オレフィン系付加型共重合体を含有し、さらに必要に応じて、オルガノシラン系化合物や金属酸化物を配合した環状オレフィン系付加型共重合体組成物から成形された樹脂フィルムに関する。
さらに、上記組成物がシロキサン結合で架橋された樹脂フィルム、およびこれら(架橋)樹脂フィルムの製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記(架橋)樹脂フィルムを用いた、光学透明性、耐熱性、耐吸水性、耐液晶性、寸法安定性、接着・密着性などに優れた、液晶表示装置およびEL表示装置用の基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶およびEL表示装置は、高画質、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を持ち、電卓、時計、携帯電話、パソコン、テレビ、プロジェクタ、ATM、ナビゲーションなどの車載用表示装置など、多くの製品に使われている。液晶、およびEL表示装置は、多種の部品・材料から構成されている。液晶表示装置では、液晶、液晶配向膜、液晶基板、透明電極、カラーフィルター、偏光フィルム、導光板、透明導電性フィルム、位相差フィルム、表面保護フィルム、光拡散フィルム、プリズムシート、スペーサー、シール剤などが挙げられる。これらを組立て、さらに駆動IC、プリント基板、バックライトなどのモジュール部品を取り付けて、液晶表示装置となる。また、EL表示装置では、EL(エレクトロルミネッセンス)、偏光フィルム、位相差フィルム、透明電極などが挙げられ、これらを組み立てて、EL表示装置となる。
【0003】
液晶基板としては、従来、ガラス基板が主に用いられてきた。ガラス基板は、ガラスの機械強度が弱いため薄型化が困難であること、柔軟性に欠けるため形状の自由度がないこと、割れ易いため生産性に難があることなどの問題点がある。近年、著しく普及している携帯電話などの携帯情報端末、ノートブック型パソコン、サブノート型パソコンなどの携帯性の高い機器に用いる液晶表示装置、および、これに用いる液晶基板は、軽量、薄型、割れないことが求められている。そこで、軽量、薄型、割れないことなどが重視される用途の液晶表示装置においては、ガラス基板に代わって透明樹脂からなる液晶基板フィルムが用いられている。ガラス基板では、塗布した配向膜を200℃以上の高温で焼成するが、従来、この用途によく使用されている透明樹脂PES(ポリエーテルサルフォン)製の液晶基板フィルムの耐熱性は、160〜170℃が限界であり、さらに耐熱性が大きい透明樹脂フィルムが求められている。
【0004】
偏光フィルムは、入射光を互いに直交する2つの偏光成分に分離し、その一方のみを通過させ、他の成分を吸収または分散させる機能を有している。この偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコールなどのフィルムを一定方向に分子配列させ、これにポリ沃素、色素などの二色性物質を吸着させたものが用いられている。しかし、これらの偏光膜は、透過軸方向に対する機械的強度が弱く、しかも熱や水分による収縮といった問題点があり、通常偏光膜の両面に保護層として表面保護フィルムが設けられている。
【0005】
表面保護フィルムは、低複屈折性、耐熱性、低吸湿性、機械強度、表面平滑性、高解像度、粘着剤との密着性などの性能が要求される。従来、表面保護フィルムとしては、低複屈折性と表面平滑性に優れているキャスティング法で製造されたTAC(トリアセチルセルロース)フィルムが用いられている。TACフィルムは、高温高湿下での耐久性、耐熱性、機械的強度、低複屈折性、粘着剤との密着性に劣るという問題点があり、さらに耐熱性が大きい材料が求められている。
【0006】
位相差フィルムは、STN方式の液晶表示装置において、液晶分子をねじったために出てくる屈折率の波長依存性の着色を、補償する目的で使用される。位相差フィルムは、鮮明な色彩と精細な画像を得るために、複屈折が全面に均一であり、高温や高湿度になる厳しい条件下においても光学特性が変化しないことが求められている。位相差フィルムは、接着剤層を介して偏光フィルムが積層された形で液晶表示装置に用いられている。位相差フィルムは、通常、PC(ポリカーボネート)フィルムを延伸、配向させてなるフィルムが用いられているが、PCフィルムは、光弾性係数が9×10-12cm2/dynと大きいため、複屈折が大きくなりすぎること、複屈折が不均一となること、組立時や環境変化に基づいて生じたわずかな応力で、複屈折が変化する問題があった。また、PCフィルムは、表面硬度が小さいためにフィルム製造時やデバイス組立時にも問題があり、これに代る新しい材料が求められている。
【0007】
透明導電性フィルムは、透明フィルム基材の上に透明導電膜が積層された構成になっている。この透明フィルム基材は、耐熱性、表面平滑性、光学特性、耐湿性に優れていることが求められ、従来よりPES(ポリエーテルサルフォン)やPAR(ポリアリレート)が用いられているが、PESからなるフィルムは透明性に劣り、PARも光学歪が出やすく、透明で光学的に均一なフィルムを得るためには複雑な技術を必要とした。
【0008】
光拡散フィルムは、液晶表示素子において光拡散あるいは輝度向上の目的でバックライトの上に積層され、一般に透明なシートまたはフィルムの表面にエンボス工程や光硬化性樹脂の塗布などによりファインパターンを形成してなるものである。光拡散フィルムの基材として通常用いられているものに、PCやPET(ポリエチレンテレフタレート)が挙げられるが、PCからなるフィルムは、表面硬度が低いのでフィルムが傷つきやすく、ファインパターンの形成時やディスプレイなどの組立作業においてフィルムが傷つくことにより透明性が失われるなどの問題がある。また、PETからなるフィルムは、透明性に劣り、このようなフィルムを用いた液晶表示装置は、明るさに欠け見づらい画像となる問題がある。また、耐熱性も十分ではなく、ファインパターン形成時にフィルムにソリが生じるなど均一なファインパターン形成が困難であった。
【0009】
プリズムシートは、光拡散フィルムを通って拡散した光を液晶表示装置の視野角に集め、液晶表示装置の輝度を向上させるためのフィルムで、大型のカラーSTN、カラーTFTに使われている。これは、PCフィルムにプリズム角を付けたものであるが、光学的不均一性の改良、光透過性の向上による液晶表示装置の輝度の一層の向上が求められている。
【0010】
液晶およびEL表示装置に使用される厚さ約10〜500mμの各種フィルムは、それぞれ必要とされる特性を満たす透明樹脂から製造されている。透明樹脂としてはポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PAR(ポリアリレート)樹脂が用いられているが、PC樹脂やポリエステル樹脂は複屈折が大きく、アクリル系樹脂は耐熱性および耐湿性が不足し、PESフィルムの耐熱性は160〜170℃が限界である、などの問題があった。
【0011】
反射防止フィルムの基板フィルムとしては、PETやPC、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明樹脂からなるフィルムが広く用いられている。このフィルムに形成される反射防止膜は単層の場合もあれば2層以上の多層構造の場合もあり、層を多くするにつれて広い波長領域の反射防止が可能となるが、層を多く形成していくにつれ透明性が低下するため、基板の透明性が特に求められている。また、これら反射防止フィルムはディスプレイ用途に用いられることが多いが、複屈折の大きいフィルムであると表示画像が歪んだりするなど良好な画像を得ることが難しいため、フィルム全般にわたって複屈折の小さい、均一なフィルムであることが求められている。
【0012】
また、プラスチック基板材料などの光学部品材料として、下記のような開環重合体の水素化物および付加重合体も提案されている。
(1)開環重合体の水素化物
(1−1)テトラシクロドデセン系化合物の開環共重合体の水素化物(特開昭60−26024号公報、特許第3050196号公報)
(1−2)エステル基を含むノルボルネン系またはテトラシクロドデセン系化合物の開環共重合体の水素化物(特開平1−132625号公報、特開平1−132626号公報)
(2)付加重合体
(2−1)エチレンとノルボルネン系化合物またはテトラシクロドデセン系化合物の共重合体〔特開昭61−292601号公報、Makromol.Chem.Macromol.Symp.Vol.47,83(1991)〕
(2−2)ノルボルネンの付加重合体、ノルボルネンとアルキル置換ノルボルネンとの付加型共重合体(MetCon97,June4−5,1997 B.L.Goodallら、特開平4−63807号公報、特開平8−198919号公報)
(2−3)ノルボルネンのカルボン酸エステルの付加重合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エステルとの付加型共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の付加重合体〔Macromolecule,Vol.29,2755(1996)、Macromol.Rapid.Commun.Vol.19,251(1998)、および国際特許公開WO96/37526号公報〕
【0013】
しかしながら、上記(1−1)および(1−2)の開環共重合体の水素化物に関しては、同じモノマーであっても開環共重合体は付加重合体に比べそのガラス転移温度が相対的に低く、ガラス転移温度の高い重合体を得ることが困難である。また、開環共重合体は、完全に水素化することが困難で、その水素化物は、微量な不飽和結合を重合体中に含むことになり、その結果、250℃以上の高温で薄膜、フィルムまたはシートへ成形加工をする際に着色することがあり、耐熱性の点で必ずしも充分ではない。
また、上記(2−1)のエチレンとノルボルネン系化合物またはテトラシクロドデセン系化合物との共重合体は、エチレンの連鎖に分布があり、エチレン連鎖が少しでも長いと結晶化し、光学的透明性の点で不充分となることが多く、また、極性基を含まないため、接着性および密着性の点で不充分なものである。
【0014】
一方、(2−2)の付加重合体は、ガラス転移温度が高く、耐熱性は高いが、耐溶剤性の点で不十分である。また、(2−3)のノルボルネンのカルボン酸エステルの付加重合体、ノルボルネンとノルボルネンのカルボン酸エステルとの付加型共重合体、ノルボルネンのカルボン酸の付加重合体は、極性基を多く含むため、接着性および密着性の点では優れるが、耐吸湿性の点では不充分で、寸法安定性に欠ける。
【0015】
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造を有する環状オレフィン系共重合体でしかもその架橋体を使用することにより、耐熱性、耐溶剤性、寸法安定性が良く、透明性に優れる液晶表示素子を形成するための液晶配向膜形成基板が得られることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、表示装置用フィルムとして従来使用されていた環状オレフィン系共重合体(開環重合)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン)樹脂、PET樹脂などの樹脂に代わる、新規な樹脂を用いる液晶およびEL表示装置用フィルムを提供することを目的とする。また、本発明は、上記の本発明のフィルムを使用することを特徴とする液晶表示装置用の基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルムを提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式(1)で示される繰り返し単位(a)と下記式(2)で示される繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン系付加型共重合体を含有する環状オレフィン系付加型共重合体組成物(ただし、2−ノルボルネンと5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンとの共重合体、および平均粒子径が1〜100nmであるシリカ微粒子を含有する組成物を除く)からなり、当該環状オレフィン系付加型共重合体中の、上記繰り返し単位(a)の割合が0.2〜30モル%、上記繰り返し単位(b)の割合が70〜99.8%である樹脂フィルム、さらにはこの樹脂フィルムをシロキサン結合で架橋した架橋樹脂フィルムに関する。
【0018】
【化3】
【0019】
[式(1)中、A1〜A4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、または、
−(CR1R2)fSi(OR3)gR4 (3-g)、
−(CR1R2)fSi(R3R4)OSi(OR3)gR4 (3-g)、
−(CR1R2)fC(O)O(CH2)hSi(OR3)gR4 (3-g)
で表されるアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示し、A1〜A4の少なくとも一つはアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示す。ここで、R1,R2はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、R4は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f,hは0〜5の整数、gは1〜3の整数を示す。また、Yは−CH2−または−O−を示し、mは0または1を示す。]
【0020】
【化4】
【0021】
[式(2)中、B1,B2,B3,B4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、または−(CH2)jXで表される極性基示す。ここで、Xは−C(O)OR5、または−OC(O)R6であり、R5,R6は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、またはこれらのハロゲン置換基、jは0〜5の整数を示す。また、B1〜B4にはB1とB2またはB3とB4で形成されるアルキリデニル基、B1とB4、B1とB3、またはB2とB4で形成されるシクロアルキレン基、シクロアルケニレン基も含まれる。nは0から2の整数を示す。]
【0022】
また、上記(架橋)樹脂フィルムには、下記化合物(A)〔下記式(3)で示されるで表されるオルガノシラン、あるいは該オルガノシランの加水分解物、あるいは該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物(以下「オルガノシラン類」ともいう)〕や、下記化合物(B)〔シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物〕が配合されていてもよい。
(R7)pSi(OR8)4-P ………(3)
[式(3)中、R7は、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、R8は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
【0023】
さらに、本発明の(架橋)樹脂フィルムには、上記のオルガノシラン類や金属酸化物などの配合物と、環状オレフィン系付加型共重合体とを、キャスト時あるいはそれ以前にグラフト結合させるため、 Al、Zr、Sn、Zn、Ca、Ba、Ti、Sc、Gd、Yb、Sm、Nd、Sb、Y、およびCeの群から選ばれた少なくとも一種の金属化合物が配合されてもよい。
【0024】
次に、本発明は、上記の環状オレフィン系付加型共重合体組成物を、溶液キャスト法にてフィルム化したのちに、50℃以上に加熱、あるいは熱水または水蒸気で加熱することにより、シロキサン結合を形成させて架橋させることを特徴とする、架橋フィルムの製造方法に関する。
【0025】
また、本発明の(架橋)樹脂フィルムは、液晶表示装置用フィルムおよびEL表示装置用フィルムとして好ましく使用できる。
また、本発明の(架橋)樹脂フィルムは、液晶表示装置の液晶基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルム、および反射防止フィルムとして、好ましく使用できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の表示装置用フィルムに有用な(架橋)樹脂フィルムは、上記式(1)に示す繰り返し単位(a)と上記繰り返し単位(b)を含む環状オレフィン系付加型共重合体を含有する環状オレフィン系付加型共重合体組成物を成形して得られる樹脂フィルム、あるいは、この樹脂フィルムがシロキサン結合で架橋された架橋樹脂フィルムである。
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体に用いられる繰り返し単位(a)は、下記式(1)’に示す環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(1)」ということがある)の付加重合により形成することができる。
【0027】
【化5】
【0028】
[式(1)’中、 A1〜A4 、Y、およびmは上記式(1)に示すものと同一である。]
【0029】
このような「特定の環状オレフィン(1)」の具体例としては、
5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−メトキシクロロメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−メトキシヒドリドメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシヒドリドシリル−2−ノルボルネン、
5−メトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジエトキシクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシクロロ−メチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジエトキシヒドリドシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−エトキシジエチルシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−プロポキシジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリプロポキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリフェノキシシリル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシシリルメチル−2−ノルボルネン、
5−(2−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(2−ジメトキシクロロシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(1−トリメトキシシリル)エチル−2−ノルボルネン、
5−(2−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、
5−(1−トリメトキシシリル)プロピル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシリルエチル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジメトキシメチルシリルメチル−2−ノルボルネン、
5−トリメトキシプロピルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
8−トリエトキシシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチルジメトキシシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
5−トリメトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−メチルジメトキシシロキシ−ジメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメトキシシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエトキシシリルプロピル、
5−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジメトキシメチルシリルプロピル、
などが挙げられる。
【0030】
繰り返し単位(a)の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合は、0.2〜30モル%、好ましくは0.5〜20モル%、さらに好ましくは1.0〜10モル%である。繰り返し単位(a)の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合が0.2モル%未満では、架橋体の形成が困難となり、一方、割合が30モル%を超えると、耐吸湿性、寸法安定性が低下する。
【0031】
なお、式(1)で表される繰り返し単位(a)を形成する他の方法としては、トリクロロシリル基、ジクロロアルキルシリル基を有する環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(2)」という)を付加共重合したのち、得られた共重合体中のトリクロロシリル基、またはジクロロアルキルシリル基をアルカリ金属のアルコキシド化合物またはアリロキシド化合物と反応させる、あるいはアミン化合物の存在下でアルコールまたはフェノール類と反応させる方法を挙げることができる。
【0032】
このような「特定の環状オレフィン(2)」の具体例としては
5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、
5−トリクロロシリル−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−ジクロロメチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ジクロロエチルシリル−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリクロロシリルプロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリクロロシリルプロピル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ジクロロメチルシリルプロピル、
などが挙げられる。
【0033】
本発明の共重合体において、式(1)で示される繰り返し単位(a)とともに用いられる式(2)で示される繰り返し単位(b)は、下記式(2)’に示す環状オレフィン(以下、「特定の環状オレフィン(3)」という。)を付加共重合
することにより形成される。
【0034】
【化6】
【0035】
[式(2)’中、 B1〜B4 、およびnは式(2)と同一である。]
【0036】
このような「特定の環状オレフィン(3)」の具体例としては、
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、
5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、
5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、
5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、
5−オクチル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、
5−ドデシル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、
5−アリル−2−ノルボルネン、5−ブテニル−2−ノルボルネン、
5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、
5−メチル,5−エチル−2−ノルボルネン、
5、6−ベンゾ−2−ノルボルナジエン、
5−フェニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、
2、5−ノルボルナジエン、
5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、
5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、
5−フロロ−2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸プロピル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、
2−エチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリフロロエチル、
2−メチル−5−ノルボルネン−2−イル酢酸エチル、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−フェニルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−シクロヘキシルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2−スピロ−N−メチルスクシンイミド、
5−ノルボルネン−2,3−N−フェニルジカルボキシイミド、
5−ノルボルネン−2,3−N−シクロヘキシルジカルボキシイミド、
アクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン、
メタクリル酸2−メチル−5−ノルボルネン、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、
3−トリシクロ[4.3.0.12,5]デセン、
3,7−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカジエン(ジシクロペンタジエン)、
3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチル,3−テトラシクロ[4.4.0.12,517,10]ドデセン、
8−エチリデン−3−テトラシクロ[4.4.0.12,517,10]ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
などを挙げることができる。
【0037】
上記繰り返し単位(b)を形成する上記式(2)’に示す化合物は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
繰り返し単位(b)の本発明の環状オレフィン系付加型共重合体中の割合は、全繰り返し単位中、70〜99.8モル%、好ましくは80〜99.5モル%、さらに好ましくは90〜99モル%である。(b)の割合が70モル%未満では、ガラス転移温度が低下することがあり、一方、99.8モル%を超えると、架橋が困難となる。
【0038】
なお、上記式(2)’で示される環状オレフィンの中の特定のものを使用し変性することにより、式(1)で表される繰り返し単位(a)を形成することもできる。例えば、ノルボルナジエン化合物、アルケニル置換基を有する化合物およびビニリデニル置換基を有する化合物の群から選ばれた少なくとも1種(以下、「特定の環状オレフィン(4)」という)を付加共重合した後、得られた共重合体中の不飽和二重結合と、Si−H結合をもつアルコキシシラン化合物をPt、Rh、Ruなどの化合物を触媒としてヒドロシリル化反応させる方法を挙げることができる。
【0039】
このような「特定の環状オレフィン(4)」の具体例としては、
2,5−ノルボルナジエン、7−オキサ−2,5−ノルボルナジエン、
5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、
5−ビニル−7−オキサ−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、
5−ブテニル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−7−オキサ−2−ノルボルネン、
5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、
8−エチリデン−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセン、
などが挙げられる。
【0040】
Si−H結合をもつアルコキシシラン化合物の具体例としては、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
トリプロポキシシラン、ジメトキシシラン、
ジエトキシシラン、ジメトキシクロロシラン、
ジエトキシクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、
ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、
ジエトキシフェニルシラン、モノメトキシジメチルシラン、
モノエトキシジメチルシラン、モノエトキシジエチルシラン、
などが挙げられる。
【0041】
また、ヒドロシリル化反応触媒としては、H2PtCl6・H2O、Pt/Al2O3、RhCl(PPh3)2、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、およびTiCl4などが挙げられる。
【0042】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体に用いられる重合の触媒としては、以下の1)、2)および3)に挙げる多成分系触媒が用いられる。
1)遷移金属化合物
ニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩、有機亜リン酸塩、有機リン酸塩、有機スルフォン酸塩、β−ジケトン化合物などから選ばれた化合物またはニッケルまたはコバルトの有機カルボン酸塩と六フッ化アンチモン酸、四フッ化硼素酸、トリフロロ酢酸、六フッ化アセトン、などの超強酸変性化合物、
ニッケルの1,5−シクロオクタジエン錯体、
[(η3-クロチル)Ni(シクロオクタジエン)][B((CF3)2C6H4)4]、
ニッケルのシクロドデカトリエン錯体、
ニッケルのノルボルナジエン錯体、などのジエンまたはトリエンが配位した錯体、
ニッケルまたはコバルトのビス(トリアリールホスフィン)ジハロゲン錯体、
[(η3-クロチル)Ni(シクロオクタジエン)][B((CF3)2C6H4)4]
Bis[N−(3−tert−butylsalicylidene)phenylaminato]Ni
Ni[PhC(O)CHPPh2](Ph)(PPh3)
Ni(OC(O)(C6H4)PPh2)(H)(PCy3)
Ni[OC(O)(C6H4)PPh2](H)(PPh3)
Ni(COD)2とPPh3=CHC(O)Phの反応物
[(ArN=CHC6H3(O)(Anth)](Ph)(PPh3)Ni
(Ar:2,6−(Pr)2C6H3 ,Pr:isopropyl ,Anth:9-anthracene、
Ph:phenyl、Cy:Cyclohexyl)
などの2または3座配位子をもつ錯体
【0043】
2)有機アルミニウム化合物
メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、
トリアルキルアルミニウムが部分混合されたメチルアルモキサン、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、
ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
エチルアルミニウムジクロライド
などの有機アルミニウム化合物
【0044】
3)さらに、重合活性向上のため添加できる化合物として
1,5−シクロオクタジエン、1,5,9-シクロドデカトリエンなどの
非共役ジエン化合物、
三フッ化ホウ素のエーテル、アミン、フェノールなどの錯体、
トリ(ペンタフロロフェニル)ボラン、
トリ(3,5-ジ-トリフロロメチルフェニル)ボラン、
トリ(ペンタフロロフェニル)アルミニウム
などのルイス酸化合物。
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ジ-トリフロロメチル-フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、
などのイオン性ホウ素化合物。
【0045】
これらの触媒成分は、以下の範囲の使用量で用いられる。すなわち、ニッケルまたはコバルト化合物は単量体1モルに対して、0.02〜100ミリモル原子、有機アルミニウム化合物はニッケルまたはコバルト1モル原子に対し、1〜5,000モル、また非共役ジエン、ルイス酸化合物、イオン性ホウ素化合物はニッケルまたはコバルト1モル原子に対して、0.2〜100モルである。
【0046】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体の重合反応の溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブテン、2−メチルブテンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ニトロメタンなどの極性溶媒から1種または2種以上選ばれて用いられる。
【0047】
以下に、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を得る方法の概要を例示するが、必ずしもこの例示に限定されるものではない。
すなわち、窒素、またはアルゴン雰囲気下で、反応容器に溶媒と環状オレフィンからなるモノマーと分子量調節剤を仕込み、−20℃〜100℃の範囲の温度に重合系を設定する。
次に、上記触媒成分を添加して−20℃〜100℃の範囲で重合を行う。溶媒/モノマーの重量比は1〜20の範囲で行われる。分子量の調節は、重合触媒の量とα−オレフィン、水素、ジフェニルジヒドロシランなどの分子量調節剤の添加量、重合体への転化率および重合温度によって、目的とする分子量に調節される。重合の停止は、水、アルコール、有機酸、炭酸ガスなどから選ばれた化合物により行われる。重合体溶液にマレイン酸、フマル酸、シュウ酸から選ばれた酸の水/アルコール混合物を添加して、触媒残さは重合体溶液から分離・除去される。重合体は、重合体溶液をメタノール、エタノール、イソプロパノールなどから選ばれたアルコール中に入れて、凝固し、減圧乾燥することにより得られる。この工程で重合体溶液に残存する未反応モノマーも除去される。
【0048】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とするゲル・パーミエションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量が好ましくは10,000〜1,000,000、さらに好ましくは50,000〜500,000である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは15,000〜1,500,000、さらに好ましくは70,000〜700,000である。ポリスチレン換算の数平均分子量が10,000未満、重量平均分子量が15,000未満であると、破壊強度が不充分となることがある。一方、ポリスチレン換算の数平均分子量が1,000,000を超え、重量平均分子量が1,500,000を超えると、環状オレフィン系付加型共重合体の溶液を用いて、キャストしてシートまたはフィルム状の基板を作製するときに溶液粘度が高くなり、うねり、そりなどがない平滑性のよい、シート、フィルムの作製が困難となることがある。
また、上記のようにして得られた本発明の環状オレフィン系付加型共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは250℃〜400℃である。200℃未満であると、架橋するときの熱負荷に対して変形を生じることがある。
【0049】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含む樹脂フィルムの架橋反応は、酸触媒により進行する。酸触媒としては、加熱分解により酸を発生する化合物、あるいは熱水または水蒸気の存在下で加水分解することにより酸を発生する化合物の中から選ばれた、少なくとも1種以上の化合物が用いられる。熱分解、あるいは加水分解の進行する温度は、50℃以上、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。
【0050】
加熱分解により酸を発生する化合物(酸発生剤)としては、ベンジルスルホニウム塩、ベンジルアンモニウム塩、ベンジルホスホニウム塩、ヒドラジニウム塩などが挙げられる。
一方、加水分解により酸を発生する化合物としては、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステル、イミノホスホナート、有機カルボン酸エステル、有機スルホン酸エステル、有機スルフィン酸などを挙げることができる。
これらのうちでも、貯蔵安定性の点から、亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルが好ましい。
【0051】
亜リン酸エステルには、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルの3種があるが、室温から100℃付近までの範囲では、トリエステルは中性、モノおよびジエステルは極めて弱い酸性であることが多く、架橋触媒としての作用は弱い。
一方、高温に加熱した条件下では、モノおよびジエステルは酸性度のより強い互変異体へと異性化することが知られている。また、トリエステルは、熱水または水蒸気存在下で加水分解を受け、モノあるいはジエステルに変化することで酸としての機能が発現する。
次亜リン酸エステルの場合もこれと同様であり、中性を示すジエステルが加水分解を受け、高温で酸性を示すモノエステル、および次亜リン酸へと変換される。
この反応機構により、熱水および水蒸気存在下で、亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルの架橋触媒機能が発現すると考えられる。
【0052】
亜リン酸エステルまたは次亜リン酸エステルは、ヒドロキシ基を有する有機化合物と亜リン酸または次亜リン酸と反応させることにより得られる。亜リン酸または次亜リン酸と反応させる、ヒドロキシ基を有する有機化合物としては、炭素数1〜40の飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したアルコール、炭素数5〜40の飽和あるいは不飽和の脂環族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したアルコール、および炭素数6〜40の、アルキル基置換あるいは無置換の芳香族炭化水素にヒドロキシ基が1個以上置換したフェノールなどが挙げられる。
【0053】
これらヒドロキシ基を有する有機化合物と亜リン酸の反応により形成される亜リン酸エステルの具体例としては、
[亜リン酸トリエステルの具体例]
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、
トリヘキシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、
トリデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリノニルフェニルホスファイト、トリステアリルホスファイト、
ジフェニルオクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、
フェニルジデシルホスファイト、
(テトラフェニル)ジプロピレングリコールジホスファイト、
(テトラフェニル)テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、
テトラ(トリデシル)−4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
2、2−メチレンビス(4,6−ジーt−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、
トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(ジ−ノニル−フェニル)ホスファイト、
1、1,3−トリス(2−メチルー4−ジトリデシルホスファイトー5−t−ブチルフェニル)ブタン、
ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オクタデシルオキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
【0054】
[亜リン酸ジエステルの具体例]
ジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピルホスファイト、
ジブチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジオクチルホスファイト、
ジデシルホスファイト、ジラウリルホスファイト、ジオレイルホスファイト、
ジフェニルホスファイト、フェニルオクチルホスファイト、フェニルデシルホスファイト、
【0055】
[亜リン酸モノエステルの具体例]
メチルホスファイト、エチルホスファイト、プロピルホスファイト、
ブチルホスファイト、ヘキシルホスファイト、オクチルホスファイト、
デシルホスファイト、フェニルホスファイト、
などが挙げられる。
【0056】
一方、次亜リン酸エステルの具体例としては、
[次亜リン酸ジエステルの具体例]
ジメチル−フェニルホスホナイト、ジエチル−フェニルホスホナイト、
ジプロピル−フェニルホスホナイト、ジブチル−フェニルホスホナイト、
ジヘキシル−フェニルホスホナイト、ジオクチル−フェニルホスホナイト、
ジデシル−フェニルホスホナイト、メチル−ジフェニルホスホナイト、
エチル−ジフェニルホスホナイト、プロピル−ジフェニルホスホナイト、
ブチル−ジフェニルホスホナイト、ヘキシル−ジフェニルホスホナイト、
オクチル−ジフェニルホスホナイト、デシル−ジフェニルホスホナイト、
ビス[ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル、
ビス[ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ)ホスフィノ]ビフェニル、
【0057】
[次亜リン酸モノエステルの具体例]
メチル−フェニルホスフィネート、エチル−フェニルホスフィネート、
プロピル−フェニルホスフィネート、ブチル−フェニルホスフィネート、
ヘキシル−フェニルホスフィネート、オクチル−フェニルホスフィネート、デシル−フェニルホスフィネート、
などが挙げられる。
【0058】
亜リン酸エステルおよび次亜リン酸エステルのうち、触媒活性および貯蔵安定性の両面をから好ましいのは、亜リン酸エステルであり、さらに好ましいのは亜リン酸トリエステルである。
【0059】
また、加水分解により酸を発生する他の化合物としては、下記の例が挙げられる。
[有機カルボン酸エステルの具体例]
酢酸−プロピルエステル、酢酸−ブチルエステル、酢酸−アミルエステル、プロピオン酸−プロピルエステル、プロピオン酸−ブチルエステル、プロピオン酸−アミルエステル、2−エチルヘキサン酸−プロピルエステル、2−エチルヘキサン酸−ブチルエステル、2−エチルヘキサン酸−アミルエステル、
【0060】
[有機スルホン酸エステルの具体例]
p-トルエンスルホン酸−エチルエステル、 p-トルエンスルホン酸−プロピルエステル、 p-トルエンスルホン酸−ブチルエステル、 p-トルエンスルホン酸−アミルエステル、デカンスルホン酸−エチルエステル、デカンスルホン酸−プロピルエステル、デカンスルホン酸−ブチルエステル、デカンスルホン酸−アミルエステル
【0061】
[有機スルフィン酸エステルの具体例]
p-トルエンスルフィン酸−エチルエステル、 p-トルエンスルフィン酸−プロピルエステル、 p-トルエンスルフィン酸−ブチルエステル、 p-トルエンスルフィン酸−アミルエステル、デカンスルフィン酸−エチルエステル、デカンスルフィン酸−プロピルエステル、デカンスルフィン酸−ブチルエステル、デカンスルフィン酸−アミルエステル
【0062】
[イミノスルホナートの具体例]
2,3,4−トリヒドロナフチル−1−イミノ−N−フェニルスルホナート
【0063】
これらの、加水分解して酸として作用する酸触媒(架橋触媒)は、重合体100重量部当たり、0.001〜10重量部の範囲で、好ましくは0.01〜5.0重量部、さらに好ましくは0.05〜2.0重量部の範囲で用いられる。酸触媒の使用割合が0.001重量部未満では架橋触媒としての効果が不十分であり、一方、10重量部を超えて添加すると、得られる架橋体(架橋樹脂フィルム)の透明性低下、加熱時の揮発成分の増加などが生じてしまい、好ましくない。
【0064】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体と混合および/または縮合して配合されてその樹脂フィルムを形成する化合物としては、下記化合物(A)および(B)が挙げられる(これら配合物を総称して、以下「配合物(1)」という)。
【0065】
化合物(A):
下記式(3)で表されるオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(1)」という。)、オルガノシラン(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮合物から選択された少なくとも1種
(R7)pSi(OR8)4-P ………(3)
[式(3)中、R7は、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、R8は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
化合物(B):
シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物
【0066】
これら配合物(1)を添加することにより、線膨張係数の小さい、すなわち寸法安定性の良いフィルムシートが得られる、という効果がある。
【0067】
ここで、上記オルガノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)に含まれるR8がすべて加分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
また、上記オルガノシラン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
【0068】
式(3)において、R7の炭素数は1〜10、好ましくは1〜8である。R1の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基や、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
【0069】
R7の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR7の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて20以下である。
式(3)中に、R7が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。また、R8の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
【0070】
このようなオルガノシラン(1)の具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
これらのうち、テトラアルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
【0071】
本発明において、オルガノシラン(1)としては、特に、テトラアルコキシシランのみ、トリアルコキシシランのみ、あるいは、テトラアルコキシシラン10〜90モル%とトリアルコキシシラン10〜90モル%との組み合わせが好ましい。テトラアルコキシシラン、またはトリアルコキシシランを導入することより、得られる塗膜の架橋度を増加させ、また、密着性を向上させることができる。
【0072】
オルガノシラン(1)は、そのまま、あるいは加水分解物および/または縮合物として使用される。
また、上記加水分解縮合物は、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合して得られるのみならず、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどのクロロシラン化合物を加水分解・縮合して得ることもできる。
【0073】
オルガノシラン(1)が、加水分解・縮合物として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは、800〜100,000、さらに好ましくは、1,000〜50,000である。
【0074】
オルガノシラン(1)の加水分解・縮合物の市販品には、三菱化学(株)製のMKCシリケート、コルコート社製のエチルシリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化学工業(株)製のシリコンレジン、ダウコーニング・アジア(株)製のヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、または縮合させて使用してもよい。
【0075】
これらの組成物において、上記の配合物(1)の割合は、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体100重量部に対して、2〜70重量部の割合で、好ましくは5〜50重量部配合される。配合される化合物の割合が2重量部未満では、フィルムまたはシートにした際、耐溶剤性、寸法安定性などの効果が少ない。一方、70重量部を超えると、透明性が損なわれることが多い。
【0076】
また、配合物(1)が加水分解・縮合により無機粒子を生成する場合は、その粒径が100μm以下、好ましくは10μm以下で重合体中に分散されることにより、組成物は光学的に透明でかつ耐熱性、寸法安定性のよいものとなる。
【0077】
上記の配合物(1)を含む環状オレフィン付加型共重合体の(架橋)樹脂フィルムでは、時々白濁が生じてしまう場合がある。この問題を解決し、透明性の高い(架橋)樹脂フィルムを再現よく製造するためには、キャスト時あるいはそれ以前に、環状オレフィン付加型共重合体と配合物(1)をグラフト化させて、重合体中への配合物(1)の分散化率を向上させる手法をとることができる。具体的には、下記の金属触媒(1)の作用(アルコキシシリル基の加水分解・縮合反応)により、共重合体に含まれるアルコキシシリル基と配合物(1)とのグラフト化が進行する。
【0078】
金属触媒(1)
アルミニウム(Al)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、スズ(Sn)化合物、亜鉛(Zn)化合物、カルシウム(Ca)化合物、バリウム(Ba)化合物、チタン(Ti)化合物、スカンジウム(Sc)化合物、ランタニド(Gd、Yb、Sm、Ndなど)化合物、アンチモン(Sb)化合物、イットリウム(Y)化合物、セリウム(Ce)化合物など。
【0079】
具体例としては、
[アルミニウム化合物の具体例]
トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
【0080】
[ジルコニウム化合物の具体例]
テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;
【0081】
などのカルボン酸型有機スズ化合物;
【0082】
などのメルカプチド型有機スズ化合物
【0083】
などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0084】
などのクロライド型有機スズ化合物
【0085】
(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnOなどの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサイドとシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物
【0086】
[スズ化合物の具体例]
酢酸亜鉛、オクタン酸亜鉛
【0087】
[カルシウム化合物の具体例]
酢酸カルシウム、オクタン酸カルシウム
【0088】
[バリウム化合物の具体例]
酢酸バリウム、オクタン酸バリウム
【0089】
[チタン化合物の具体例]
テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウム
【0090】
[スカンジウム化合物の具体例]
スカンジウムトリイソプロポキシド
【0091】
[ランタニド化合物の具体例]
Gd、Yb、Sm、Ndなどのイソプロポキドやブトキシド
【0092】
[アンチモン化合物の具体例]
酢酸アンチモン、アンチモンエチレングリコキシド
【0093】
[イットリウム化合物の具体例]
イットリウムトリイソプロポキシド、イットリウムトリス(アルミニウムテトライソプロポキシド)
【0094】
[セリウム化合物の具体例]
トリイソプロポキシセリウム、三塩化セリウム
などが挙げられる。
【0095】
金属触媒(1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0096】
金属触媒(1)の使用量は、前述のオルガノシラン (1)中に含まれるOR81モルに対して、通常、0〜10モル、好ましくは、0.001〜7モル、さらに好ましくは、0.001〜5モルである。この場合、有機金属化合物(1)の使用量が10モル以内であれば、組成物の保存安定性に優れるほか、塗膜強度に優れクラックが発生しにくくなる傾向がある。
【0097】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含む樹脂フィルムは、溶液キャスティング法(溶液流延法)により製造することができる。
キャスティング法によるフィルムの製造は、環状オレフィン系付加型共重合体の有機溶媒(該共重合体の重合溶媒など)に、該共重合体と、酸触媒(例えば、加水分解して酸を発生する化合物)、さらに必要に応じて前述の配合物(1)、さらに必要に応じて前述の金属触媒(1)を均一に混合してなる溶液を、所定の温度で所定時間反応、あるいは熟成し、必要に応じてキャスティングに適当な濃度に濃縮、あるいは希釈してから、平滑なフッ素系樹脂板やガラス板に、T型ダイなどを用いて流延し、溶媒を蒸発除去し、必要に応じてさらに加熱して行なわれる。キャスト溶媒として用いられる溶媒は、重合体の種類によりその溶解性が異なるが、炭化水素化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、エーテル類、エステル類、ケトン類、アミン類、アミド類、アルコール類、フェノール類、スルフォキシド類などから1種以上選んで用いられる。溶媒の量は、重合体100重量部あたり、1〜10,000重量部、好ましくは10〜5,000重量部の範囲で用いられる。
また、キャスティング前に、各成分の溶解度や粘度を調整するため、あるいは、キャスティングを容易にするために、溶媒の一部または全部を別の溶媒に置換することもできる。
【0098】
このキャストフィルムの架橋反応は、前述のようにフィルムを水あるいは水蒸気下で加熱して行われる。前述の酸触媒(架橋触媒)を添加しない場合では、水蒸気下で加熱してもシロキサン結合は形成されず、全く架橋されない。また、重合体のアルコキシシラン含量に対して、十分水が供給されないと、架橋が不十分なものになる。反応温度は、50℃以上、好ましくは60℃〜300℃の範囲で、さらに好ましくは80℃〜250℃で、特に好ましくは100℃〜200℃の範囲である。50℃未満の温度ではほとんど架橋されず、一方、300℃を超える温度では、重合体が熱分解する可能性が高まる。
架橋反応の時間は、目的とする架橋の度合い、反応系の状態、重合体の種類、触媒の量、触媒の種類により適宜選択されるが、通常、1分〜1,000時間、好ましくは5分〜100時間、さらに好ましくは10分〜50時間である。
【0099】
本発明の架橋体(架橋樹脂フィルム)は、25℃のトルエンで測定される膨潤度が500%未満であることが好ましく、300%以下であることがさらに好ましい。
トルエン膨潤度が500%以上であるものでは、ガラス代替品として使用する場合、耐薬品性、耐溶剤性、加熱時の寸法安定性などが不十分である場合がある。なお、この膨潤度の測定は、後記する方法で測定した値である。架橋体の膨潤度は、架橋触媒の量、反応温度、および反応時間により、容易に調整することができる。
【0100】
また、下記に示すフィルム用途より、本発明の架橋樹脂フィルムの線膨張係数は、好ましくは65(ppm/℃)以下、より好ましくは60(ppm/℃)以下である。
【0101】
本発明の透明(架橋)樹脂フィルムは、シリル基を有するためガラスとの親和性が大であり、石英ガラスへの密着試験における剥離ブロックの割合が25ブロック中、好ましくは5ブロック以下、より好ましくは3ブロック以下、特に好ましくは1ブロック以下である。
【0102】
本発明の組成物には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル,4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、などのフェノール系、ヒドロキノン系酸化防止剤;さらにトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤を添加して、酸化安定性を向上させることができる。これらの酸化防止剤の添加量は、本発明の環状オレフィン付加型共重合体と、配合物(1)の合計100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。酸化防止剤の使用量が少なすぎる場合には耐久性の改良効果が不十分であり、多すぎる場合には成形表面がブリードしたり、透明性が低下するなどの問題点が生じ好ましくない。
【0103】
また、本発明の組成物には、紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することもできる。
【0104】
上述のようにして、本発明の環状オレフィン系付加型共重合体組成物からなる透明樹脂を用いて得られた(架橋)樹脂フィルムは、そのまま液晶表示装置あるいはEL表示装置などの表示装置用フィルムとして使用できる。
【0105】
本発明の表示装置用フィルムの厚さは、通常、5〜600μm、好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは25〜400μmであり、用途により適宜決められる。本発明の表示装置用フィルムは、レターデーションのバラツキが小さいことが望ましく、波長633nmにおけるレターデーションのバラツキが±20%以下であることが好ましい。レターデーションのバラツキが±20%の範囲外であると、光学的に均一なフィルムとは言い難くなり、表示装置に用いた場合、ディスプレイの画像が歪んだりするなど良好な表示性能が得られにくい。本発明においてレターデーション値は、エリプソメーター〔溝尻光学(株)製DVA−36LS〕を用いて波長633nmの光で測定した値である。
【0106】
本発明の液晶基板フィルムは、上述の表示装置用フィルムを使用してなるもので、通常、厚さ25〜400μm、厚さムラは全面で厚さの±30%以下、Rmax値が0.2μm以下であり、好ましくは、厚さムラが全面で厚さの±20%以下、Rmax値が0.1μm以下である。厚さムラが大きい、または表面平滑性に劣る場合には、液晶表示装置の画面の歪みが生じる。
【0107】
本発明の偏光フィルムは、PVA系フィルムなどをベースとした偏光膜に、本発明の表示装置用フィルムを保護層として貼り合せて製造することができる。保護層の厚さは、通常、5〜500μm、好ましくは10〜300μm、さらに好ましくは20〜200μmである。偏光フィルムの偏光膜に保護層を積層するには、粘着剤や接着剤を用いることができる。これらの粘着剤、接着剤としては、透明性に優れたものが好ましく、具体例としては天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエーテル、アクリル系、変性ポリオレフィン系、およびこれらにイソシアナートなどの硬化剤を添加した硬化型粘着剤、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアナート系樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、合成ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
【0108】
本発明で使用する偏光膜は、偏光子としての機能を有するものであれば、特に限定されない。例えば、PVA・ヨウ素系偏光膜、PVA系フィルムに二色性染料を吸着配向させた染料系偏光膜、また、PVA系フィルムより脱水反応を誘起させたり、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光膜、分子内にカチオン基を含有する変性PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光膜などが挙げられる。偏光膜の製造方法も特に限定されない。例えば、PVA系フィルムを延伸後ヨウ素イオンを吸着させる方法、PVA系フィルムを二色性染料による染色後延伸する方法、PVA系フィルムを延伸後二色性染料で染色する方法、二色性染料をPVA系フィルムに印刷後延伸する方法、PVA系フィルムを延伸後二色性染料を印刷する方法などの公知の方法が挙げられる。より具体的には、ヨウ素をヨウ化カリウム溶液に溶解して、高次のヨウ素イオンを作り、このイオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜4重量%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方法、あるいはPVAフィルムを同様にホウ酸処理して一軸方向に3〜7倍程度延伸し、0.05〜5重量%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着し、80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造する方法などがある。
【0109】
本発明で使用する表面保護フィルムは、上述の偏光フィルムの製造において、偏光膜に貼り合せたフィルムと同じものである。表示装置用の薄膜部品に対して、表面を保護するために、該部品の片面あるいは両面に貼り合わせて使用される。
【0110】
本発明で使用する位相差フィルムは、上述の表示装置用フィルムを使用してなるもので、これを延伸配向もしくは表面プレスして製造することができる。延伸前のシートの厚さは、通常、25〜500μm、好ましくは50〜400μm、さらに好ましくは100〜300μmである。延伸方法としては公知の一軸延伸法、すなわちテンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周縁の異なるロールを利用する縦一軸延伸法を用いることができる。また、分子の配向に影響のない範囲で延伸した後、分子を配向させるべく一軸方向に延伸する二軸延伸であってもよい。上記のようにして得たフィルムは、延伸により分子が配向し、一定のレターデーション値を持つが、レターデーションは、延伸前のシートのレターデーションと延伸倍率、延伸温度、延伸配向フィルムの厚さにより制御することができる。延伸前のシートが一定の厚さの場合、延伸倍率が大きいフィルムほどレターデーションの絶対値が大きくなる傾向があるので、延伸倍率を変更することによって所望のレターデーションの延伸配向フィルムを得ることができる。
【0111】
本発明において、上記の方法によって得たフィルムは、偏光顕微鏡によるレターデーションの測定値が5〜900nmのものが用いられる液晶ディスプレイの種類や形状によってそれぞれ好ましいレターデーションの範囲が異なるが、例えばTFT方式による液晶表示装置に用いられる偏光フィルムでは、透明性が特に高いことが必要であり、光学的に均一でレターデーションが10〜80nmの小さなものが好適に用いられる。
【0112】
本発明の透明導電性フィルムは、本発明の透明樹脂からなるフィルムに透明導電層を形成したものである。透明導電層を形成するための素材としては、Sn、In、Ti、Pb、Au、Pt、Agなどの金属、またはそれらの酸化物が一般的に使用される。これらの金属は、液晶基板フィルム上に、プラズマ法、スパッタリング法、真空蒸着法、メッキ、イオンプレーティング法、スプレー法、電解析出法などによって、通常、厚さ10〜10,000オングストローム、好ましくは50〜5,000オングストロームに被膜される。金属単体をフィルム上に形成したときは、必要に応じてその後、酸化することもできる。当初から酸化物層として付着形成させる方法もあるが、最初は金属単体または低級酸化物の形態で被膜を形成し、しかるのち、加熱酸化、陽極酸化あるいは液相酸化などの酸化処理を施して透明化することもできる。透明導電膜の比抵抗は、100オームcm以下であることが好ましい。
【0113】
本発明の光拡散フィルムは、本発明の透明樹脂からなるフィルムの片面に、拡散機能を有する形状のパターンを形成することにより製造することができる。ここで、拡散機能を有する形状のパターンは、エンボス加工、あるいは、紫外線などの光硬化性樹脂を塗布してパターンを形成させる方法の他に、各種コート材を塗布して形成することもできる。
本発明のフィルム上にパターンを形成するために用いられる光硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリロイル基などのエチレン性二重結合をその分子内に少なくとも1個以上有する化合物1種以上と光重合開始剤とを配合した組成物、エポキシ基などの開環反応性を有する基をその分子内に少なくとも1個有する化合物1種以上と光カチオン反応開始剤とを配合した組成物、ゼラチンと重クロム酸塩とを配合した組成物、環化ゴムとビスアジド系感光剤とを配合した組成物、ノボラック樹脂とキノンアジド系感光剤とを配合した組成物などをあげることができる。また、フィルムの表面は、光硬化性樹脂を塗布する前に、その付着性を制御するために、プラズマ処理などの物理的下地処理、あるいは、従来のゴム系、樹脂系、特にアクリル系、シリコン系などの各種コート材による化学的下地処理を施していても良い。
【0114】
光拡散フィルムを通って拡散した光を、表示装置の視野角に集めて、表示装置の輝度を向上させるためのプリズムシートは、透明フィルム面に微小なプリズム角を付したものであるが、上記の光拡散フィルムと同様にして、本発明の透明樹脂からなるフィルム面に、プリズム角のパターンをエンボス加工、あるいは、紫外線などの光硬化性樹脂を塗布してパターンを形成させるなどの方法により製造することができる。
本発明の(架橋)樹脂フィルムは、EL表示装置用フィルムとしても有用である。このEL表示装置用フィルムとしては、上記液晶表示装置にも使用されている、基板フィルム、偏光フィルム、表面保護フィルム、透明導電フィルムなどが挙げられる。もちろん、これらフィルムの特性などは、必ずしも液晶表示装置用の場合と同じとは限らない。
また、本発明の(架橋)樹脂フィルムの表面に、透明導電性膜を形成させることにより、透明導電性複合材料として、使用することができる。この透明導電性複合材料としては、上記液晶表示装置あるいはEL表示装置用の電極フィルムのほか、CRTなどの電子機器の電磁波防止フィルムとしても有用である。
さらに、本発明の(架橋)樹脂フィルムの表面に、該フィルムの表面と接する層がSiOx(0.8≦x≦1.8)からなり、最外層がSiO2からなる層である反射防止膜を形成させることにより、反射防止フィルムとして用いることができる。この反射防止フィルムは、耐熱性に優れるため、上記液晶表示装置あるいはEL表示装置だけでなく、プラズマディスプレイやフィールドエミッションディスプレイなどにも有用である。
【0115】
本発明の表示装置用各種フィルムは、隣接して使用する場合、予め一体化しておくと部品数の削減、表示装置の厚さの減少、軽量化などの利点がある。例えば、液晶基板フィルムと偏光フィルム、位相差フィルムと透明導電フィルム、光拡散フィルムとプリズムシート、偏光フィルムと光拡散フィルムなどである。一体化には、両膜間に接着層および/またはアンカーコート層を形成して接着する。この接着層としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリブタジエン、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱樹脂を例示することができる。またアンカーコート層としては、エポキシジアクリレート、ウレタンジアクリレート、ポリエステルジアクリレートなどのいわゆるアクリルプレポリマーなどを成分として含むものが用いられる。硬化の方法は公知の手法を用いることができ、例えばUV硬化や熱硬化などが用いられる。
本発明の表示装置用フィルムは、優れた光学透明性、耐熱性、耐吸湿性、耐液晶性、寸法安定性、接着・密着性を有するので、液晶表示装置およびEL表示装置の製造に好適に使用でき、これら表示装置は、パソコン、テレビ、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどに用いることができる。
【0116】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものでない。
また、分子量、膨潤度、ガラス転移温度、耐液晶性、全光線透過率、複屈折率は、下記の方法で測定した。
【0117】
(1)重量平均分子量、数平均分子量
ウオ−ターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)装置で東ソー(株)製Hタイプカラムを用い、o-ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値を示す。
(2)金属原子量
(株)日立製作所製Z-9000形原子吸光分光光度計を用い、ニッケルおよびアルミニウムの標準溶液〔和光純薬工業(株)〕により作成した検量線を基に、共重合体中の残存金属原子を定量した。
(3)トルエン膨潤度
厚さ50〜500ミクロン、縦2cm × 横2cmのフィルムまたはシートを25℃のトルエンに3時間浸漬し、浸漬前後の重量比から膨潤度を算出した。まったく膨潤しないものを100%とした。
(4)ガラス転移温度
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体のガラス転移温度は、走査型示差熱量系(DSC)の測定では、不明確で測定されないことが多いため、動的粘弾性で測定されるTanδ(貯蔵弾性率E'と損失弾性率E''との比E'/E″=Tanδ)のピーク温度で規定した。動的粘弾性の測定は、レオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック株式会社製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmの条件で行った。
(5)全光線透過率
ASTM−D1003に準拠し、厚さ100μmのフィルムの全光線透過率を測定した。
(6)線膨張係数
TMA(Thermal Mechanical Analysis)/SS6100 (セイコーインスツルメント社製)を用いて、膜厚100μm、幅3 mm、長さ10 cmの試料を、チャック間距離10 mmで固定し、室温から200 ℃ 程度まで一旦昇温して残留ひずみをとった後、室温から3℃/min. で昇温し、チャック間距離の伸びから線膨張率を求めた。
(7)耐液晶性
厚さ50〜500ミクロン、縦横2cm×2cmの本評価用試料をTFT用液晶〔メルクジャパン(株)製 ZLI5081〕中に浸漬し、1滴(約20mg)滴下し、大気下150℃で1時間加熱した後のフィルム表面の変化を目視で評価した。評価基準は下記のとおりである。
◎;形状変化なし。
○;やや膨潤する。
△;膨潤する。
×;溶解などで、形状くずれる。
(8)接着性・密着性:
本評価用フィルム上にアルミニウムを蒸着し、この蒸着膜に対して、カッターにより、1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるように、切り込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行ない、25ブロック中における剥離したブロックの数を測定した。なお、石英ガラスに対する密着性評価においては、本発明組成物を石英ガラスに乾燥塗膜5〜10μmになるよう塗布し、90℃で乾燥・硬化した後に上記同様のセロハンテープによる剥離試験を行なった。
(9)複屈折(nm)
エリプソメーター〔(株)溝尻光学工業所製〕により測定した。
【0118】
参考例1(共重合体aの合成)
単量体として2−ノルボルネン593.75ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン31.25ミリモル、溶媒としてトルエン500g、分子量調節剤(1,5−シクロオクタジエン)0.25ミリモルを容量1リットルの反応器に窒素下で仕込んだ。反応系を10℃にして、予めオクタン酸ニッケル〔Ni(オクトエート)2]と六フッ化アンチモン酸を−15℃でモル比1:1で反応させたニッケル化合物を0.25ミリモル、トリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体を2.25ミリモル、トリエチルアルミニウム2.5ミリモルを仕込み、重合を行った。
30℃で1時間重合を行い、イソプロピルアルコールで重合を停止した。共重合体への添加率は95%であった。共重合体溶液に乳酸6gを加え、触媒成分と反応させた。共重合体溶液を4リットルのイソプロパノールに入れて共重合体を凝固し、未反応単量体と触媒残磋を除去した。
凝固した共重合体を乾燥し、共重合体aを得た。
共重合体aの270MHz 1H−NMRによる(3.8〜4.0ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は5.0モル%であった。また、共重合体aのポリスチレン換算の数平均分子量は87,000、重量平均分子量は211,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムは1.6ppmであった。
【0119】
参考例2(共重合体bの合成)
単量体として2−ノルボルネン562.5ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン62.5ミリモルとした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、共重合体bを得た。
共重合体bの270MHz 1H−NMRによる(4ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は9.9モル%であった。また、共重合体bのポリスチレン換算の数平均分子量は88,000、重量平均分子量は223,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムは1.2ppmであった。
【0120】
参考例3(共重合体cの合成)
単量体として2−ノルボルネン531.23ミリモル、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン62.50ミリモル、8−メチル−8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ〔4.4.0.12,517,10〕ドデセン31.25ミリモルとした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、共重合体cを得た。
共重合体cの270MHz 1H−NMRによる(4ppmのエトキシシリル基メチレン吸収、溶媒はd化トルエン、TMS基準)分析で、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネンに由来する構造体の含有量は9.9モル%であった。共重合体c中の8−メチル,8−メトキシカルボニル−3−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデセンに由来する構造体の割合は,赤外分析1,730 cm−1の特性吸収による検量線から、4.9モル%であった。また、共重合体cのポリスチレン換算の数平均分子量は89,000、重量平均分子量は256,000であった。重合体中残存ニッケルは0.1ppm以下、残存アルミニウムも0.1ppm以下であった。
【0121】
実施例1〔共重合体aの架橋フィルム作成 (P添加、Sn無し)〕
共重合体a10gを水分70ppmを含むトルエン40gに溶解して、共重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕1.0重量部を添加した。酸触媒(架橋触媒)として、トリブトキシホスファイト 0.5重量部を添加後、この溶液をステンレス製シャーレに流し込み、40℃、3時間かけてキャストした。生成したフィルムを150℃で2時間乾燥させた後、150℃の水蒸気下で4時間熱処理した。その後、真空下230℃で1時間乾燥することにより、厚さ100μmの無色透明のフィルムを得た。フィルム作成条件および得られたフィルムの状態、膨潤度を表1に示す。
【0122】
実施例2〔共重合体a の架橋フィルム作成 (P, Sn添加)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにジオクチルスズ(II)添加したこと以外は、実施例1と同条件下で架橋フィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0123】
実施例3〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成(P添加Sn添加)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)を2gとジオクチルスズ(II)を添加したこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。フィルムのトルエン膨潤度は160%, 線膨張係数は45 ppm/℃ となった。結果を表1に示す。
【0124】
実施例4〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P 添加, Sn無し)〕
実施例1で調製したキャスト溶液に、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)を2g添加したこと以外は、実施例1と同条件下で架橋フィルムを作成した。このフィルムはやや白濁し、全光線透過率は85%となった。結果を表1に示す。
【0125】
実施例5〔共重合体b + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P, Sn添加)〕
共重合体aの代わりに共重合体bを用いたこと以外は、実施例2と同条件下でフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0126】
実施例6〔共重合体c + TEOS複合系の架橋フィルム作成 (P, Sn添加)〕
共重合体aの代わりに共重合体cを用いたこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。結果を表1に示す。
【0127】
比較例1〔共重合体aの架橋フィルム作成(P無し, Sn無し)〕
トリブトキシホスファイトを添加しなかった以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、全く架橋しなかった。結果を表1に示す。
【0128】
比較例2〔共重合体aの架橋フィルム作成(P無し、Sn添加)〕
トリブトキシホスファイトを添加せず、代わりにジオクチルスズ(II)を添加したこと以外は、実施例1と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、ほとんど架橋しなかった。結果を表1に示す。
【0129】
比較例3〔共重合体aの架橋フィルム作成(P, Sn添加、40℃温水処理)〕
水蒸気(150℃)の代わりに、40℃の温水中でフィルムを加熱したこと以外は、実施例1と同じ操作でフィルムを作成した。この条件では、全く架橋しなかった。結果を表1に示す。
【0130】
比較例4〔共重合体a + TEOS複合系の架橋フィルム作成(P無し、Sn添加)〕
トリブトキシホスファイトを添加しなかったこと以外は、実施例2と同条件下でフィルムを作成した。この条件では、ほとんど架橋しなかった。結果を表1に示す。
【0131】
【表1】
【0132】
実施例7
液晶表示装置用フィルム、液晶基板フィルムの製造:実施例3で作成した架橋フィルム▲1▼の波長633nmにおけるレターデーションのバラツキは±5%であった。得られたフィルムに、水/アルコール(50/50重量比)を溶剤成分とするイオン高分子錯体〔東ソー(株)製トヨバイン210K〕からなるアンカー剤溶液を塗布し、90℃で5分間乾燥して、水系アンカーコート層▲2▼を形成させた。この水系アンカーコート層の上に、ウレタン系接着剤〔武田薬品工業(株)製タケラックAー371〕と硬化剤〔武田薬品工業(株)製タケネ−トA−10〕からなる接着剤層▲3▼を形成させた。さらに、この接着剤層の上に、エチレンービニルアルコール共重合体/2色性染料系偏光膜▲4▼を重ね、80℃、圧力3kg/cm2で熱圧して積層一体化した。次いで、この偏光膜面に、酸化インジウム/酸化スズ(重量比95:5)からなるターゲットを用いて透明導電層▲5▼をスパッタリング法により形成させた。これにより、透明電極▲5▼/偏光膜▲4▼/接着剤層▲3▼/水系アンカーコート層▲2▼/基板層▲1▼からなる積層構造を有する液晶表示パネルが得られた。この積層体の基板層▲1▼と偏光膜層▲3▼の密着性は良好で剥離は全く認められなかった。また、80℃、90%相対湿度の条件で耐久試験を行なったところ、1,000時間の段階でこの積層体に異常は認められず、耐久性は良好であった。
【0133】
実施例8
表面保護フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液に、合計100重量部に対して、ステアリル−β−(3.5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを1重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.1重量部添加し、キャスティング法により、厚さ80μmのフィルムを作製し、保護フィルムとした。このフィルムのガラス転移温度は340℃であった。また波長633nmにおけるレターデーションのバラツキは±5%と小さい値であった。
【0134】
実施例9
偏光フィルムの製造:厚さ50μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素5.0g、ヨウ化カリウム250g、ほう酸10g、水1000gからなる40℃の浴に浸漬しながら約5分間で4倍まで一軸延伸した。得られたフィルムを緊張を保ちながらアルコールで表面を洗浄後風乾し、偏光膜を得た。このポリビニルアルコール製偏光膜に、n−ブチルアクリレート90重量%、エチルアクリレート7重量%、アクリル酸3重量%からなるアクリル系樹脂100重量部とトリレンジイソシアナート(3モル)のトリメチロールプロパン(1モル)付加物の75重量%酢酸エチル溶液2重量部からなる架橋剤を混合して得られた粘着剤を用いて、上記の保護フィルムを積層した。この積層体の両層の密着性は良好で剥離は認められなかった。また、80℃、90%の相対湿度での耐久試験を行なったところ、1,000時間の段階で偏光フィルムに異常は認められず耐久性は良好であった。
【0135】
実施例10
位相差フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液を用いて、キャスティング法により厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムを温度300℃で一軸方向に延伸して厚さ80μmの位相差フィルムを得た。このフィルムの波長633nmにおけるレターデーションは136μmであり、またレターデーションのバラツキは±5%と小さい値となった。また、450nm〜750nmの波長範囲におけるレターデーションの波長分散性(α)は1.01であった。
【0136】
実施例11
透明導電性フィルムの製造:実施例3の手法で、縦200mm、横200mm、厚さ0.1mmのフィルムを作成した。得られたフィルム上にスパッター機(中外炉工業)を用いて以下の条件でインジウム−スズ酸化物(ITO)膜を形成した。
電源 MHzの高周波電源
基板温度 70℃
ターゲット In2O3 / SnO2 = 90 / 10 (重量比) の合金
雰囲気 アルゴンガス流入下
スパッター速度 270オングストローム/分
スパッター圧力 10-2 Torr
得られたITOの膜の厚さは2,500オングストローム、比抵抗は1.5×10-3オームcmであり、透明導電性複合材料の400〜800 nmにおける光透過率は84%であった。得られた透明導電性複合材料とITO膜との密着性についてJIS K−5400(8,5,2盤番目試験)により試験したところ、全く剥離は認められなかった。さらに、得られた透明導電性複合材料を温度90℃、湿度95%の条件下に一週間保存した後の導電特性および外観には全く変化が認められなかった。
【0137】
実施例12
EL表示装置の製造:ITO膜が形成された5cm角のガラス基板上にキノリノール錯体溶液を塗布した後、溶剤の除去処理を行なうことにより、厚みが50nmのエレクトロルミネッセンス層を形成した。次いで、エレクトロルミネッセンス層上に、トリスキノリノラートアルミナムよりなる厚みが60nmの電子輸送発光層を形成し、この電子輸送発光層上に、蒸着法によって厚みが100nmの5mm角のマグネシウム/銀アロイ(重量比10:1)膜(陰極層)を形成した。さらに、ITO膜が形成されたガラス基板のITO膜と反対側に、上記の位相差フィルムと市販偏光フィルム〔日東電工(株)製 NPF−F1225DU〕の積層体を積層して、EL表示装置を製造した。
製造したEL表示装置は、色調;黒、品位;外景色の映り込みなし、光反射率(%);0.2、密着性;剥離なし、高温高湿での耐久性;異常はなし、の評価結果であった。このように本発明の位相差フィルムを用いたEL表示装置は、背面電極からの反射光を遮断して、外部の景色が写らないようにすることができ、明るいところでも非常に見やすいEL表示装置を得ることができた。
【0138】
実施例13
光拡散複合シートの製造:実施例3の手法で、厚さ0.1mmのフィルムを作成した。得られたフィルム上に、メチルエチルケトン/エチレングリコール(40/0.1重量比)を溶媒成分とする塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体10gからなる溶液を塗布、乾燥して厚さ30μmの樹脂膜を形成させた。次に、このフイルムを80℃の熱水中に45分間浸せきしてから取り出し、乾燥して厚さ130μmの光拡散複合シートを得た。この場合において、透明樹脂膜の光透過率は75%であり、粒径2〜8μmの範囲の単独気泡であった。
【0139】
実施例14
反射防止フィルムの製造:実施例3で調製した混合溶液を用いて、キャスティング法により厚さ100μmのフィルムを作製した。このフィルムの表面に、10-4 Torrの真空下でSiOを825nmの膜厚で蒸着を行った。次に、SiO2を130nmの膜厚で蒸着した。さらに、ZrO2とTiO2の混合物を130nmの膜厚で蒸着した。さらに、最外層としてSiO2を248nmの膜厚で蒸着して、反射防止フィルムを得た。この反射防止フィルムの光線透過率は90%であり、また、複屈折は2nmと小さい値となった。
【0140】
【発明の効果】
本発明の環状オレフィン系付加型共重合体を含有する組成物からなる透明な(架橋)樹脂フィルムを用いた表示装置用フィルムは、光学透明性、耐熱性、耐液晶性、寸法安定性、接着性を持ち、液晶表示装置およびEL表示装置における基板ガラスの代替品として好適に用いられることをはじめ、これらの装置の偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、光拡散フィルム、EL表示装置用フィルム、透明導電性複合材料、反射防止フィルムなどに用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention contains a cyclic olefin addition copolymer having an alkoxysilyl group and, if necessary, a cyclic olefin addition copolymer composition containing an organosilane compound or a metal oxide. It is related with the made resin film.
Furthermore, the present invention relates to a resin film in which the composition is crosslinked with a siloxane bond, and a method for producing these (crosslinked) resin films.
Furthermore, the present invention provides a liquid crystal display device and an EL display that are excellent in optical transparency, heat resistance, water absorption resistance, liquid crystal resistance, dimensional stability, adhesion / adhesion, and the like, using the above (crosslinked) resin film. It is related with the board | substrate film for apparatuses, a polarizing film, a surface protective film, retardation film, a transparent conductive film, and a light-diffusion film.
[0002]
[Prior art]
Liquid crystal and EL display devices have features such as high image quality, thinness, light weight, and low power consumption. Many products such as calculators, watches, mobile phones, personal computers, TVs, projectors, ATMs, navigation displays, and other in-vehicle display devices. It is used for. Liquid crystal and EL display devices are composed of various parts and materials. In the liquid crystal display device, liquid crystal, liquid crystal alignment film, liquid crystal substrate, transparent electrode, color filter, polarizing film, light guide plate, transparent conductive film, retardation film, surface protective film, light diffusion film, prism sheet, spacer, sealant Etc. These are assembled, and further, module parts such as a driving IC, a printed circuit board, and a backlight are attached to form a liquid crystal display device. Moreover, in EL display devices, EL (electroluminescence), a polarizing film, a retardation film, a transparent electrode, etc. are mentioned, These are assembled and it becomes an EL display device.
[0003]
Conventionally, a glass substrate has been mainly used as a liquid crystal substrate. The glass substrate has problems such as difficulty in thinning because the mechanical strength of glass is weak, lack of flexibility due to lack of flexibility, and difficulty in productivity because it is easily broken. 2. Description of the Related Art In recent years, liquid crystal display devices used for highly portable devices such as portable information terminals such as mobile phones, notebook personal computers, sub-notebook personal computers, and liquid crystal substrates used therefor are lightweight, thin, It is required not to break. In view of this, in a liquid crystal display device for applications in which light weight, thinness, and non-breaking are important, a liquid crystal substrate film made of a transparent resin is used instead of a glass substrate. In a glass substrate, the applied alignment film is baked at a high temperature of 200 ° C. or higher. Conventionally, the heat resistance of a liquid crystal substrate film made of a transparent resin PES (polyethersulfone) often used for this purpose is 160 to There is a demand for a transparent resin film having a limit of 170 ° C. and higher heat resistance.
[0004]
The polarizing film has a function of separating incident light into two polarization components orthogonal to each other, allowing only one of them to pass, and absorbing or dispersing the other components. As this polarizing film, a film in which a film of polyvinyl alcohol or the like is molecularly arranged in a certain direction and a dichroic substance such as polyiodine or a dye is adsorbed thereon is used. However, these polarizing films have weak mechanical strength in the direction of the transmission axis and have problems such as shrinkage due to heat and moisture. Usually, a surface protective film is provided as a protective layer on both surfaces of the polarizing film.
[0005]
The surface protective film is required to have performances such as low birefringence, heat resistance, low hygroscopicity, mechanical strength, surface smoothness, high resolution, and adhesiveness with an adhesive. Conventionally, as a surface protective film, a TAC (triacetyl cellulose) film manufactured by a casting method having excellent low birefringence and surface smoothness has been used. The TAC film has a problem that it is inferior in durability under high temperature and high humidity, heat resistance, mechanical strength, low birefringence, and adhesiveness with an adhesive, and a material having higher heat resistance is required. .
[0006]
The retardation film is used in a STN liquid crystal display device for the purpose of compensating for the wavelength-dependent coloring of the refractive index that is generated when the liquid crystal molecules are twisted. In order to obtain a clear color and a fine image, the retardation film is required to have uniform birefringence over the entire surface, and optical properties do not change even under severe conditions such as high temperature and high humidity. The retardation film is used in a liquid crystal display device in a form in which a polarizing film is laminated via an adhesive layer. As the retardation film, a film obtained by stretching and orienting a PC (polycarbonate) film is usually used. The PC film has a photoelastic coefficient of 9 × 10.-12cm2Because of the large / dyn, there are problems that the birefringence becomes too large, the birefringence becomes non-uniform, and the birefringence changes due to a slight stress generated due to assembly or environmental changes. In addition, since the PC film has a small surface hardness, there is a problem at the time of film production and device assembly, and a new material is demanded instead.
[0007]
The transparent conductive film has a configuration in which a transparent conductive film is laminated on a transparent film substrate. This transparent film substrate is required to be excellent in heat resistance, surface smoothness, optical properties, and moisture resistance, and PES (polyethersulfone) and PAR (polyarylate) are conventionally used, A film made of PES is inferior in transparency, and PAR is also susceptible to optical distortion, and a complicated technique is required to obtain a transparent and optically uniform film.
[0008]
A light diffusion film is laminated on a backlight for the purpose of light diffusion or brightness improvement in a liquid crystal display element, and generally forms a fine pattern on the surface of a transparent sheet or film by an embossing process or application of a photocurable resin. It will be. PC and PET (polyethylene terephthalate) are commonly used as the base material for the light diffusion film. However, the film made of PC has a low surface hardness, so the film is easily damaged. There is a problem that the transparency is lost due to the film being damaged in the assembly work. In addition, a film made of PET is inferior in transparency, and a liquid crystal display device using such a film has a problem that the image is difficult to see due to lack of brightness. Further, the heat resistance is not sufficient, and it is difficult to form a uniform fine pattern such as warping of the film during the formation of the fine pattern.
[0009]
The prism sheet is a film for collecting the light diffused through the light diffusion film at the viewing angle of the liquid crystal display device and improving the luminance of the liquid crystal display device, and is used for large color STN and color TFT. This is a PC film with a prism angle, and there is a demand for further improvement in the luminance of the liquid crystal display device by improving the optical non-uniformity and the light transmittance.
[0010]
Various films having a thickness of about 10 to 500 m, which are used in liquid crystal and EL display devices, are manufactured from transparent resins that satisfy the required properties. As the transparent resin, acrylic resin such as polymethyl methacrylate, PC (polycarbonate) resin, PET (polyethylene terephthalate) resin, PES (polyethersulfone) resin, PAR (polyarylate) resin are used, but PC resin The polyester resin has a large birefringence, the acrylic resin has insufficient heat resistance and moisture resistance, and the heat resistance of the PES film is limited to 160 to 170 ° C.
[0011]
As a substrate film for the antireflection film, a film made of a transparent resin such as PET, PC, or polymethyl methacrylate (PMMA) is widely used. The antireflection film formed on this film may be a single layer or a multilayer structure of two or more layers, and as the number of layers increases, antireflection in a wide wavelength region becomes possible, but many layers are formed. The transparency of the substrate decreases with time, and thus the transparency of the substrate is particularly required. In addition, these antireflection films are often used for display applications, but since it is difficult to obtain a good image such as a display image being distorted if the film has a large birefringence, the birefringence is low throughout the film. It is required to be a uniform film.
[0012]
In addition, the following hydrides and addition polymers of ring-opening polymers have been proposed as optical component materials such as plastic substrate materials.
(1) Ring-opening polymer hydride
(1-1) A hydride of a ring-opening copolymer of a tetracyclododecene compound (Japanese Patent Laid-Open No. 60-26024, Japanese Patent No. 3050196)
(1-2) A hydride of a ring-opening copolymer of a norbornene-based or tetracyclododecene-based compound containing an ester group (JP-A-1-132625, JP-A-1-132626)
(2) Addition polymer
(2-1) Copolymer of ethylene and norbornene compound or tetracyclododecene compound [Japanese Patent Laid-Open No. 61-292601, Makromol. Chem. Macromol. Symp. Vol. 47, 83 (1991)]
(2-2) Norbornene addition polymer, addition type copolymer of norbornene and alkyl-substituted norbornene (MetCon97, June 4-5, 1997 B. Goodall et al., JP-A-4-63807, JP-A-8- (198919)
(2-3) Norbornene carboxylic acid addition polymer, norbornene and norbornene carboxylic acid addition copolymer, norbornene carboxylic acid addition polymer [Macromolecule, Vol. 29, 2755 (1996), Macromol. Rapid. Commun. Vol. 19,251 (1998), and International Patent Publication No. WO96 / 37526]
[0013]
However, regarding the hydrides of the ring-opening copolymers (1-1) and (1-2) above, the ring-opening copolymer has a relative glass transition temperature relative to that of the addition polymer even if it is the same monomer. In particular, it is difficult to obtain a polymer having a low glass transition temperature. Further, the ring-opening copolymer is difficult to be completely hydrogenated, and the hydride contains a small amount of unsaturated bonds in the polymer. When forming into a film or sheet, it may be colored, which is not always sufficient in terms of heat resistance.
In addition, the copolymer of ethylene and norbornene compound or tetracyclododecene compound of (2-1) has a distribution in the ethylene chain, and crystallizes when the ethylene chain is as long as possible. In many cases, this is insufficient, and since it does not contain a polar group, it is insufficient in terms of adhesion and adhesion.
[0014]
On the other hand, the addition polymer (2-2) has a high glass transition temperature and high heat resistance, but is insufficient in terms of solvent resistance. In addition, since the addition polymer of norbornene carboxylic acid ester (2-3), the addition type copolymer of norbornene and norbornene carboxylic acid ester, and the addition polymer of norbornene carboxylic acid contain many polar groups, Although excellent in terms of adhesiveness and adhesion, it is insufficient in terms of moisture absorption resistance and lacks dimensional stability.
[0015]
The present inventionPersonAs a result of intensive studies, a liquid crystal display device having excellent heat resistance, solvent resistance, dimensional stability and excellent transparency can be obtained by using a cyclic olefin copolymer having a specific structure and its crosslinked product. The inventors have found that a liquid crystal alignment film-formed substrate for forming can be obtained, and have completed the present invention.
[0016]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above problems, and has been conventionally used as a film for a display device. Cyclic olefin copolymer (ring-opening polymerization) resin, PC (polycarbonate) resin, TAC (triacetyl cellulose) ) An object of the present invention is to provide a film for a liquid crystal and EL display device using a new resin instead of a resin such as a resin, a PES (polyether sulfone) resin, or a PET resin. The present invention also provides a substrate film, a polarizing film, a surface protective film, a retardation film, a transparent conductive film, and a light diffusion film for a liquid crystal display device characterized by using the film of the present invention. It is for the purpose.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a cyclic olefin addition copolymer containing a cyclic olefin addition copolymer containing a repeating unit (a) represented by the following formula (1) and a repeating unit (b) represented by the following formula (2). Polymer composition(Excluding a composition containing 2-norbornene and 5-triethoxysilyl-2-norbornene copolymer and silica fine particles having an average particle size of 1 to 100 nm), and the cyclic olefin addition The proportion of the repeating unit (a) in the mold copolymer is 0.2 to 30 mol%, and the proportion of the repeating unit (b) is 70 to 99.8%.The present invention relates to a resin film, and further to a crosslinked resin film obtained by crosslinking this resin film with a siloxane bond.
[0018]
[Chemical Formula 3]
[0019]
[In formula (1), A1~ AFourEach independently represents a hydrogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, or
-(CR1R2)fSi (ORThree)gRFour (3-g),
-(CR1R2)fSi (RThreeRFour) OSi (ORThree)gRFour (3-g),
-(CR1R2)fC (O) O (CH2)hSi (ORThree)gRFour (3-g)
Represents an alkoxysilyl group and an allyloxysilyl group represented by1~ AFourAt least one of them represents an alkoxysilyl group or an allyloxysilyl group. Where R1, R2Each independently represents a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms;ThreeRepresents an alkyl group, alkenyl group, aryl group or cycloalkyl group having 1 to 10 carbon atoms;FourRepresents a hydrogen atom, a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, f and h are integers of 0 to 5, and g is an integer of 1 to 3. Y is -CH2-Or -O- is shown, and m is 0 or 1. ]
[0020]
[Formula 4]
[0021]
[In formula (2), B1, B2, BThree, BFourEach independently represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aryl group, an alkenyl group, a cycloalkyl group, a halogen atom, a halogenated hydrocarbon group, or — (CH2)jThe polar group represented by X is shown. Where X is -C (O) ORFiveOr -OC (O) R6And RFive, R6Represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group, an aryl group, a cycloalkyl group, or a halogen substituent thereof, and j represents an integer of 0 to 5. B1~ BFourB1And B2Or BThreeAnd BFourAn alkylidenyl group formed by1And BFour, B1And BThreeOr B2And BFourAlso included are cycloalkylene groups and cycloalkenylene groups formed by n represents an integer of 0 to 2. ]
[0022]
In addition, the (crosslinked) resin film includes an organosilane represented by the following compound (A) [shown by the following formula (3), a hydrolyzate of the organosilane, or a group of condensates of the organosilane. At least one compound selected from (hereinafter also referred to as “organosilanes”) and the following compound (B) [at least one metal oxide selected from the group consisting of silica, alumina, zirconia and titania]. It may be blended.
(R7)pSi (OR8)4-P ……… (3)
[In formula (3), R7Are the same or different when two are present, and represent an organic group having 1 to 10 carbon atoms, R8Are the same or different and each represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms or an acyl group having 1 to 6 carbon atoms, and p is an integer of 0 to 2. ]
[0023]
Furthermore, in the (crosslinked) resin film of the present invention, the compound such as the above-mentioned organosilanes and metal oxides and the cyclic olefin addition copolymer are graft-bonded at the time of casting or before, At least one metal compound selected from the group consisting of Al, Zr, Sn, Zn, Ca, Ba, Ti, Sc, Gd, Yb, Sm, Nd, Sb, Y, and Ce may be blended.
[0024]
Next, in the present invention, the cyclic olefin-based addition copolymer composition is formed into a film by a solution casting method, and then heated to 50 ° C. or higher, or heated with hot water or water vapor to obtain a siloxane. The present invention relates to a method for producing a crosslinked film, characterized by forming a bond and crosslinking.
[0025]
The (crosslinked) resin film of the present invention can be preferably used as a film for liquid crystal display devices and a film for EL display devices.
The (crosslinked) resin film of the present invention can be preferably used as a liquid crystal substrate film, a polarizing film, a surface protective film, a retardation film, a transparent conductive film, a light diffusion film, and an antireflection film of a liquid crystal display device.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The (crosslinked) resin film useful for the display device film of the present invention contains a cyclic olefin-based addition copolymer containing the repeating unit (a) represented by the above formula (1) and the repeating unit (b). It is a resin film obtained by molding an olefin addition type copolymer composition, or a crosslinked resin film obtained by crosslinking this resin film with a siloxane bond.
The repeating unit (a) used in the cyclic olefin addition copolymer of the present invention is an addition of a cyclic olefin represented by the following formula (1) ′ (hereinafter sometimes referred to as “specific cyclic olefin (1)”). It can be formed by polymerization.
[0027]
[Chemical formula 5]
[0028]
[In Formula (1) ', A1~ AFour , Y, and m are the same as those shown in the above formula (1). ]
[0029]
Specific examples of such “specific cyclic olefin (1)” include
5-trimethoxysilyl-2-norbornene,
5-trimethoxysilyl-7-oxa-2-norbornene,
5-dimethoxychlorosilyl-2-norbornene,
5-dimethoxychlorosilyl-7-oxa-2-norbornene,
5-methoxychloromethylsilyl-2-norbornene,
5-dimethoxychlorosilyl-2-norbornene,
5-methoxyhydridomethylsilyl-2-norbornene,
5-dimethoxyhydridosilyl-2-norbornene,
5-methoxydimethylsilyl-2-norbornene,
5-triethoxysilyl-2-norbornene,
5-triethoxysilyl-7-oxa-2-norbornene,
5-diethoxychlorosilyl-2-norbornene,
5-ethoxychloro-methylsilyl-2-norbornene,
5-diethoxyhydridosilyl-2-norbornene,
5-ethoxydimethylsilyl-2-norbornene,
5-ethoxydiethylsilyl-7-oxa-2-norbornene,
5-propoxydimethylsilyl-2-norbornene,
5-tripropoxysilyl-2-norbornene,
5-triphenoxysilyl-2-norbornene,
5-trimethoxysilylmethyl-2-norbornene,
5- (2-trimethoxysilyl) ethyl-2-norbornene,
5- (2-dimethoxychlorosilyl) ethyl-2-norbornene,
5- (1-trimethoxysilyl) ethyl-2-norbornene,
5- (2-trimethoxysilyl) propyl-2-norbornene,
5- (1-trimethoxysilyl) propyl-2-norbornene,
5-triethoxysilylethyl-7-oxa-2-norbornene,
5-dimethoxymethylsilylmethyl-2-norbornene,
5-trimethoxypropylsilyl-2-norbornene,
5-triethoxysiloxy-dimethylsilyl-2-norbornene,
8-triethoxysilyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
8-Methyldimethoxysilyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
8-Triethoxysiloxy-dimethylsilyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
5-trimethoxysiloxy-dimethylsilyl-2-norbornene,
5-triethoxysiloxy-dimethylsilyl-2-norbornene,
5-methyldimethoxysiloxy-dimethylsilyl-2-norbornene,
Trimethoxysilylpropyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Triethoxysilylpropyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Dimethoxymethylsilylpropyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Trimethoxysilylpropyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Trimethylsilylpropyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Dimethoxymethylsilylpropyl 5-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Etc.
[0030]
The ratio of the repeating unit (a) in the cyclic olefin addition copolymer is 0.2 to 30 mol%, preferably 0.5 to 20 mol%, more preferably 1.0 to 10 mol%. When the proportion of the repeating unit (a) in the cyclic olefin addition copolymer is less than 0.2 mol%, it is difficult to form a crosslinked product. On the other hand, when the proportion exceeds 30 mol%, moisture absorption resistance and dimensions Stability is reduced.
[0031]
In addition, as another method for forming the repeating unit (a) represented by the formula (1), a cyclic olefin having a trichlorosilyl group or a dichloroalkylsilyl group (hereinafter referred to as “specific cyclic olefin (2)”). After addition copolymerization, the trichlorosilyl group or dichloroalkylsilyl group in the resulting copolymer is reacted with an alkali metal alkoxide compound or allyloxide compound, or reacted with an alcohol or phenol in the presence of an amine compound. Can be mentioned.
[0032]
Specific examples of such “specific cyclic olefin (2)”
5-trichlorosilyl-2-norbornene,
5-trichlorosilyl-7-oxa-2-norbornene,
5-dichloromethylsilyl-2-norbornene,
5-dichloroethylsilyl-2-norbornene,
Trichlorosilylpropyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Trichlorosilylpropyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Dichloromethylsilylpropyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Etc.
[0033]
In the copolymer of the present invention, the repeating unit (b) represented by the formula (2) used together with the repeating unit (a) represented by the formula (1) is a cyclic olefin (hereinafter referred to as the following formula (2) ′). Addition copolymerization of "specific cyclic olefin (3)")
It is formed by doing.
[0034]
[Chemical 6]
[0035]
[In formula (2) ', B1~ BFour , And n are the same as those in the formula (2). ]
[0036]
Specific examples of such “specific cyclic olefin (3)” include
2-norbornene, 5-methyl-2-norbornene,
5-ethyl-2-norbornene, 5-propyl-2-norbornene,
5-butyl-2-norbornene, 5-pentyl-2-norbornene,
5-hexyl-2-norbornene, 5-heptyl-2-norbornene,
5-octyl-2-norbornene, 5-decyl-2-norbornene,
5-dodecyl-2-norbornene, 5-vinyl-2-norbornene,
5-allyl-2-norbornene, 5-butenyl-2-norbornene,
5-methylidene-2-norbornene, 5-ethylidene-2-norbornene,
5-isopropylidene-2-norbornene,
5,6-dimethyl-2-norbornene,
5-methyl, 5-ethyl-2-norbornene,
5,6-benzo-2-norbornadiene,
5-phenyl-2-norbornene, 2,5-norbornadiene,
2,5-norbornadiene,
5-methyl-2,5-norbornadiene,
5-cyclohexyl-2-norbornene,
5-fluoro-2-norbornene, 5-chloro-2-norbornene,
Methyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Ethyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Butyl 5-norbornene-2-carboxylate,
Methyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Ethyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Propyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Butyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Methyl 2-ethyl-5-norbornene-2-carboxylate,
Trifluoroethyl 2-methyl-5-norbornene-2-carboxylate,
2-methyl-5-norbornen-2-yl ethyl acetate,
5-norbornene-2-spiro-N-phenylsuccinimide,
5-norbornene-2-spiro-N-cyclohexylsuccinimide,
5-norbornene-2-spiro-N-methylsuccinimide,
5-norbornene-2,3-N-phenyldicarboximide,
5-norbornene-2,3-N-cyclohexyldicarboximide,
2-methyl-5-norbornene acrylate,
2-methyl-5-norbornene methacrylate,
Dimethyl 5-norbornene-2,3-dicarboxylate,
Diethyl 5-norbornene-2,3-dicarboxylate,
3-Tricyclo [4.3.0.12,5] Desen,
3,7-tricyclo [4.3.0.12,5] Decadiene (dicyclopentadiene),
3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
8-methyl, 3-tetracyclo [4.4.0.12,517,10] Dodesen,
8-ethylidene-3-tetracyclo [4.4.0.12,517,10] Dodesen,
8-Methyl-8-methoxycarbonyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
8-Methyl-8-ethoxycarbonyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
And so on.
[0037]
The compounds represented by the above formula (2) ′ forming the repeating unit (b) can be used singly or in combination of two or more.
The proportion of the repeating unit (b) in the cyclic olefin addition copolymer of the present invention is 70 to 99.8 in all repeating units.Mole%, Preferably 80-99.5Mole%, More preferably 90 to 99 mol%. If the proportion of (b) is less than 70 mol%, the glass transition temperature may be lowered, whereas if it exceeds 99.8 mol%, crosslinking becomes difficult.
[0038]
In addition, the repeating unit (a) represented by Formula (1) can also be formed by modifying | denaturing using the specific thing in the cyclic olefin shown by said Formula (2) '. For example, it is obtained after addition copolymerization of at least one selected from the group of norbornadiene compounds, compounds having an alkenyl substituent and compounds having a vinylidenyl substituent (hereinafter referred to as “specific cyclic olefin (4)”). Further, there can be mentioned a method in which an alkoxysilane compound having an unsaturated double bond and a Si—H bond in a copolymer is subjected to a hydrosilylation reaction using a compound such as Pt, Rh, or Ru as a catalyst.
[0039]
As a specific example of such “specific cyclic olefin (4)”,
2,5-norbornadiene, 7-oxa-2,5-norbornadiene,
5-methyl-2,5-norbornadiene, 5-vinyl-2-norbornene,
5-vinyl-7-oxa-2-norbornene, 5-allyl-2-norbornene,
5-butenyl-2-norbornene, 5-methylidene-2-norbornene,
5-ethylidene-2-norbornene,
5-ethylidene-7-oxa-2-norbornene,
5-isopropylidene-2-norbornene,
8-ethylidene-3-tetracyclo [4.4.0.12,5. 17,10] Dodesen,
Etc.
[0040]
As a specific example of an alkoxysilane compound having a Si-H bond,
Trimethoxysilane, triethoxysilane,
Tripropoxysilane, dimethoxysilane,
Diethoxysilane, dimethoxychlorosilane,
Diethoxychlorosilane, dimethoxymethylsilane,
Diethoxymethylsilane, dimethoxyphenylsilane,
Diethoxyphenylsilane, monomethoxydimethylsilane,
Monoethoxydimethylsilane, monoethoxydiethylsilane,
Etc.
[0041]
Moreover, as a hydrosilylation reaction catalyst, H2PtCl6・ H2O, Pt / Al2OThree, RhCl (PPhThree)2, Rh / Al2OThree, RuClThree, IrClThree, FeClThreeAlClThree, PdCl2・ 2H2O, NiCl2, And TiClFourEtc.
[0042]
As the polymerization catalyst used in the cyclic olefin addition copolymer of the present invention, multicomponent catalysts listed in the following 1), 2) and 3) are used.
1) Transition metal compounds
Nickel or cobalt organic carboxylate, organic phosphite, organic phosphate, organic sulfonate, β-diketone compound, etc., or nickel or cobalt organic carboxylate and hexafluoroantimonic acid , Super strong acid-modified compounds such as boron tetrafluoride, trifluoroacetic acid, acetone hexafluoride,
1,5-cyclooctadiene complex of nickel,
[(ΗThree-Crotyl) Ni (cyclooctadiene)] [B ((CFThree)2C6HFour)Four],
A cyclododecatriene complex of nickel,
A diene or triene coordinated complex, such as a norbornadiene complex of nickel,
Bis (triarylphosphine) dihalogen complexes of nickel or cobalt,
[(ΗThree-Crotyl) Ni (cyclooctadiene)] [B ((CFThree)2C6HFour)Four]
Bis [N- (3-tert-butylsalicylidene) phenylaminato] Ni
Ni [PhC (O) CHPPh2] (Ph) (PPhThree)
Ni (OC (O) (C6HFourPPh2) (H) (PCyThree)
Ni [OC (O) (C6HFourPPh2] (H) (PPh3)
Ni (COD)2And PPhThree= Reaction product of CHC (O) Ph
[(ArN = CHC6HThree(O) (Anth)] (Ph) (PPhThree) Ni
(Ar: 2,6- (Pr) 2C6HThree , Pr: isopropyl, Anth: 9-anthracene,
(Ph: phenyl, Cy: Cyclohexyl)
Complexes with bidentate or tridentate ligands such as
[0043]
2) Organoaluminum compound
Methylalumoxane, ethylalumoxane, butylalumoxane,
Methylalumoxane partially mixed with trialkylaluminum,
Trimethylaluminum, triethylaluminum,
Triisobutylaluminum, diisobutylaluminum hydride,
Diethylaluminum chloride, ethylaluminum sesquichloride,
Ethyl aluminum dichloride
Organoaluminum compounds such as
[0044]
3) Furthermore, as a compound that can be added to improve polymerization activity
1,5-cyclooctadiene, 1,5,9-cyclododecatriene, etc.
Non-conjugated diene compounds,
Boron trifluoride ethers, amines, phenols and other complexes,
Tri (pentafluorophenyl) borane,
Tri (3,5-di-trifluoromethylphenyl) borane,
Tri (pentafluorophenyl) aluminum
Lewis acid compounds such as.
Triphenylcarbenium tetrakis (pentafluorophenyl) borate,
Triphenylcarbenium tetrakis (3,5-di-trifluoromethyl-phenyl) borate,
Tributylammonium tetrakis (pentafluorophenyl) borate,
N, N-dimethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate,
N, N-diethylanilinium tetrakis (pentafluorophenyl) borate,
Ionic boron compounds such as.
[0045]
These catalyst components are used in amounts used within the following ranges. That is, the nickel or cobalt compound is 0.02 to 100 millimol atom per mole of monomer, the organoaluminum compound is 1 to 5,000 mole per mole atom of nickel or cobalt, non-conjugated diene, Lewis An acid compound and an ionic boron compound are 0.2-100 mol with respect to 1 mol atom of nickel or cobalt.
[0046]
As a solvent for the polymerization reaction of the cyclic olefin addition copolymer of the present invention, aliphatic hydrocarbons such as pentane, hexane, heptane, butene, 2-methylbutene, alicyclic such as cyclohexane, cyclopentane, methylcyclopentane, etc. Hydrocarbons, aromatic hydrocarbons such as toluene, benzene, xylene and mesitylene, halogenated hydrocarbons such as dichloromethane, 1,2-dichloroethane, chlorobenzene and o-dichlorobenzene, ethyl acetate, butyl acetate, γ-butyrolactone, nitromethane, etc. One or two or more polar solvents are selected and used.
[0047]
Below, although the outline | summary of the method of obtaining the cyclic olefin type addition type copolymer of this invention is illustrated, it is not necessarily limited to this illustration.
That is, in a nitrogen or argon atmosphere, a monomer composed of a solvent and a cyclic olefin and a molecular weight regulator are charged in a reaction vessel, and the polymerization system is set to a temperature in the range of −20 ° C. to 100 ° C.
Next, the said catalyst component is added and it superposes | polymerizes in the range of -20 degreeC-100 degreeC. The solvent / monomer weight ratio is in the range of 1-20. The molecular weight is adjusted to the target molecular weight by the amount of the polymerization catalyst, the addition amount of a molecular weight regulator such as α-olefin, hydrogen, diphenyldihydrosilane, the conversion rate to the polymer and the polymerization temperature. The polymerization is stopped by a compound selected from water, alcohol, organic acid, carbon dioxide gas and the like. By adding a water / alcohol mixture of an acid selected from maleic acid, fumaric acid and oxalic acid to the polymer solution, the catalyst residue is separated and removed from the polymer solution. The polymer is obtained by putting the polymer solution in an alcohol selected from methanol, ethanol, isopropanol, and the like, coagulating and drying under reduced pressure. In this step, unreacted monomers remaining in the polymer solution are also removed.
[0048]
The cyclic olefin addition copolymer of the present invention preferably has a polystyrene-equivalent number average molecular weight of 10,000 to 1,000,000 as measured by gel permeation chromatography using o-dichlorobenzene as a solvent. More preferably, it is 50,000-500,000. Moreover, the weight average molecular weight of polystyrene conversion becomes like this. Preferably it is 15,000-1500,000, More preferably, it is 70,000-700,000. If the number average molecular weight in terms of polystyrene is less than 10,000 and the weight average molecular weight is less than 15,000, the fracture strength may be insufficient. On the other hand, when the polystyrene-equivalent number average molecular weight exceeds 1,000,000 and the weight average molecular weight exceeds 1,500,000, the sheet or film is cast using a solution of a cyclic olefin addition copolymer. When producing a substrate, the solution viscosity becomes high, and it may be difficult to produce a sheet or film having good smoothness without waviness or warpage.
Moreover, the glass transition temperature (Tg) of the cyclic olefin addition type copolymer of the present invention obtained as described above is preferably 200 ° C. or higher, more preferably 250 ° C. to 400 ° C. If it is lower than 200 ° C., deformation may occur with respect to the heat load during crosslinking.
[0049]
The crosslinking reaction of the resin film containing the cyclic olefin addition copolymer of the present invention proceeds with an acid catalyst. As the acid catalyst, at least one compound selected from a compound that generates an acid by thermal decomposition or a compound that generates an acid by hydrolysis in the presence of hot water or steam is used. The temperature at which thermal decomposition or hydrolysis proceeds is 50 ° C. or higher, preferably 80 ° C. or higher, more preferably 100 ° C. or higher.
[0050]
Examples of the compound (acid generator) that generates an acid by thermal decomposition include benzylsulfonium salt, benzylammonium salt, benzylphosphonium salt, and hydrazinium salt.
On the other hand, examples of the compound that generates an acid by hydrolysis include phosphite, hypophosphite, iminophosphonate, organic carboxylic acid ester, organic sulfonic acid ester, and organic sulfinic acid.
Of these, phosphites and hypophosphites are preferred from the viewpoint of storage stability.
[0051]
There are three types of phosphites: monoesters, diesters, and triesters. In the range from room temperature to around 100 ° C, triesters are often neutral, and mono- and diesters are very weakly acidic. The action as a crosslinking catalyst is weak.
On the other hand, it is known that mono- and diesters isomerize into stronger tautomers under conditions of heating to high temperatures. Further, the triester is hydrolyzed in the presence of hot water or water vapor, and changes to a mono- or diester to exhibit a function as an acid.
In the case of hypophosphorous acid ester, the same is true, and a diester showing neutrality is hydrolyzed and converted into a monoester showing acidity at high temperature and hypophosphorous acid.
By this reaction mechanism, it is considered that the crosslinking catalyst function of phosphite ester and hypophosphite ester is developed in the presence of hot water and water vapor.
[0052]
The phosphite ester or hypophosphite ester is obtained by reacting an organic compound having a hydroxy group with phosphorous acid or hypophosphorous acid. Examples of the organic compound having a hydroxy group to be reacted with phosphorous acid or hypophosphorous acid include alcohols in which one or more hydroxy groups are substituted on a saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbon having 1 to 40 carbon atoms, carbon number 5 Alcohol substituted with one or more hydroxy groups on saturated or unsaturated alicyclic hydrocarbon of ˜40, and one or more hydroxy groups on alkyl group-substituted or unsubstituted aromatic hydrocarbon having 6 to 40 carbon atoms Examples include substituted phenols.
[0053]
Specific examples of the phosphite ester formed by the reaction of these organic compounds having a hydroxy group and phosphorous acid include:
[Specific examples of phosphorous acid triesters]
Trimethyl phosphite, triethyl phosphite,
Tripropyl phosphite, tributyl phosphite,
Trihexyl phosphite, trioctyl phosphite,
Tridecyl phosphite, triphenyl phosphite,
Trinonylphenyl phosphite, tristearyl phosphite,
Diphenyl octyl phosphite, diphenyl decyl phosphite,
Phenyldidecyl phosphite,
(Tetraphenyl) dipropylene glycol diphosphite,
(Tetraphenyl) tetra (tridecyl) pentaerythritol tetraphosphite,
Tetra (tridecyl) -4,4′-isopropylidene diphenyl diphosphite,
Bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) pentaerythritol-diphosphite,
Bis (2,4-di-t-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite,
Bis (2,4-di-cumylphenyl) pentaerythritol diphosphite,
Bis (2,6-di-cumylphenyl) pentaerythritol diphosphite,
Distearyl pentaerythritol diphosphite,
2,2-methylenebis (4,6-di-t-butylphenyl) octyl phosphite,
Tri (nonylphenyl) phosphite,
Tris (di-nonyl-phenyl) phosphite,
1,1,3-tris (2-methyl-4-ditridecylphosphite 5-t-butylphenyl) butane,
Bis (tridecyl) pentaerythritol diphosphite,
Bis (nonylphenyl) pentaerythritol diphosphite,
Distearyl pentaerythritol diphosphite,
Bis (2,6-di-t-butyl-4-methoxycarbonylethyl-phenyl) pentaerythritol diphosphite,
Bis (2,6-di-t-butyl-4-octadecyloxycarbonylethyl-phenyl) pentaerythritol diphosphite,
[0054]
[Specific examples of phosphorous acid diester]
Dimethyl phosphite, diethyl phosphite, dipropyl phosphite,
Dibutyl phosphite, dihexyl phosphite, dioctyl phosphite,
Didecyl phosphite, dilauryl phosphite, dioleyl phosphite,
Diphenyl phosphite, phenyl octyl phosphite, phenyl decyl phosphite,
[0055]
[Specific examples of phosphorous acid monoester]
Methyl phosphite, ethyl phosphite, propyl phosphite,
Butyl phosphite, hexyl phosphite, octyl phosphite,
Decyl phosphite, phenyl phosphite,
Etc.
[0056]
On the other hand, as a specific example of hypophosphite,
[Specific examples of hypophosphorous acid diester]
Dimethyl-phenylphosphonite, diethyl-phenylphosphonite,
Dipropyl-phenylphosphonite, dibutyl-phenylphosphonite,
Dihexyl-phenylphosphonite, dioctyl-phenylphosphonite,
Didecyl-phenylphosphonite, methyl-diphenylphosphonite,
Ethyl-diphenylphosphonite, propyl-diphenylphosphonite,
Butyl-diphenylphosphonite, hexyl-diphenylphosphonite,
Octyl-diphenylphosphonite, decyl-diphenylphosphonite,
Bis [bis (2,4-di-t-butyl-5-methylphenoxy) phosphino] biphenyl,
Bis [bis (2,4-di-t-butylphenoxy) phosphino] biphenyl,
[0057]
[Specific examples of hypophosphorous acid monoester]
Methyl-phenylphosphinate, ethyl-phenylphosphinate,
Propyl-phenylphosphinate, butyl-phenylphosphinate,
Hexyl-phenyl phosphinate, octyl-phenyl phosphinate, decyl-phenyl phosphinate,
Etc.
[0058]
Of the phosphites and hypophosphites, phosphites are preferred from the viewpoints of both catalytic activity and storage stability, and phosphites triesters are more preferred.
[0059]
Moreover, the following example is mentioned as another compound which generate | occur | produces an acid by a hydrolysis.
[Specific examples of organic carboxylic acid esters]
Acetic acid-propyl ester, acetic acid-butyl ester, acetic acid-amyl ester, propionic acid-propyl ester, propionic acid-butyl ester, propionic acid-amyl ester, 2-ethylhexanoic acid-propyl ester, 2-ethylhexanoic acid-butyl ester 2-ethylhexanoic acid-amyl ester,
[0060]
[Specific examples of organic sulfonate esters]
p-toluenesulfonic acid-ethyl ester, p-toluenesulfonic acid-propyl ester, p-toluenesulfonic acid-butyl ester, p-toluenesulfonic acid-amyl ester, decanesulfonic acid-ethyl ester, decanesulfonic acid-propyl ester, Decanesulfonic acid-butyl ester, decanesulfonic acid-amyl ester
[0061]
[Specific examples of organic sulfinic acid esters]
p-toluenesulfinic acid-ethyl ester, p-toluenesulfinic acid-propyl ester, p-toluenesulfinic acid-butyl ester, p-toluenesulfinic acid-amyl ester, decanesulfinic acid-ethyl ester, decanesulfinic acid-propyl ester, Decanesulfinic acid-butyl ester, decanesulfinic acid-amyl ester
[0062]
[Specific examples of iminosulfonate]
2,3,4-Trihydronaphthyl-1-imino-N-phenylsulfonate
[0063]
These acid catalysts that hydrolyze and act as acids (crosslinking catalysts) are in the range of 0.001 to 10 parts by weight, preferably 0.01 to 5.0 parts by weight, per 100 parts by weight of the polymer. Preferably it is used in the range of 0.05 to 2.0 parts by weight. When the amount of the acid catalyst used is less than 0.001 part by weight, the effect as a crosslinking catalyst is insufficient. On the other hand, when the amount exceeds 10 parts by weight, the transparency of the resulting crosslinked product (crosslinked resin film) decreases, heating An increase in volatile components at times occurs, which is not preferable.
[0064]
Examples of the compound which is mixed and / or condensed with the cyclic olefin addition copolymer of the present invention to form the resin film include the following compounds (A) and (B) (these compounds are generic names). (Hereinafter referred to as “Compound (1)”).
[0065]
Compound (A):
At least one selected from an organosilane represented by the following formula (3) (hereinafter referred to as “organosilane (1)”), a hydrolyzate of organosilane (1), and a condensate of organosilane (1). seed
(R7)pSi (OR8)4-P ……… (3)
[In formula (3), R7Are the same or different when two are present, and represent an organic group having 1 to 10 carbon atoms, R8Are the same or different and each represents an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms or an acyl group having 1 to 6 carbon atoms, and p is an integer of 0 to 2. ]
Compound (B):
At least one metal oxide selected from the group of silica, alumina, zirconia and titania
[0066]
By adding these blends (1), there is an effect that a film sheet having a small linear expansion coefficient, that is, having good dimensional stability can be obtained.
[0067]
Here, the hydrolyzate of the organosilane (1) is R contained in the organosilane (1).8It is not necessary that all are decomposed. For example, only one may be hydrolyzed, two may be hydrolyzed, or a mixture thereof.
The organosilane (1) condensate is formed by condensation of silanol groups of the hydrolyzate of organosilane (1) to form Si—O—Si bonds. It is not necessary to condense all of them, and it is a concept including a mixture of a small part of silanol groups or a mixture of those having different degrees of condensation.
[0068]
In formula (3), R7Has 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 8 carbon atoms. R1Examples of the monovalent organic group include, for example, methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, sec-butyl group, t-butyl group, and n-hexyl. Group, alkyl group such as n-heptyl group, n-octyl group, 2-ethylhexyl group, acyl group such as acetyl group, propionyl group, butyryl group, valeryl group, benzoyl group, trioyl group, caproyl group, vinyl group, In addition to an allyl group, a cyclohexyl group, a phenyl group, a glycidyl group, a (meth) acryloxy group, a ureido group, an amide group, a fluoroacetamide group, an isocyanate group, etc., substituted derivatives of these groups can be exemplified.
[0069]
R7Examples of the substituent in the substituted derivative include, for example, a halogen atom, a substituted or unsubstituted amino group, a hydroxyl group, a mercapto group, an isocyanate group, a glycidoxy group, a 3,4-epoxycyclohexyl group, a (meth) acryloxy group, and a ureido Groups, ammonium bases and the like. However, R consisting of these substituted derivatives7The carbon number of is 20 or less including the carbon atom in a substituent.
In formula (3), R7When two are present, they may be the same or different from each other. R8Examples of the alkyl group having 1 to 5 carbon atoms include methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, sec-butyl group, t-butyl group, and n-pentyl group. Examples of the acyl group having 1 to 6 carbon atoms include an acetyl group, a propionyl group, a butyryl group, a valeryl group, and a caproyl group.
[0070]
Specific examples of such organosilane (1) include
Tetraalkoxysilanes such as tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra-n-propoxysilane, tetra-i-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane; methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, Ethyltriethoxysilane, n-propyltrimethoxysilane, n-propyltriethoxysilane, i-propyltrimethoxysilane, i-propyltriethoxysilane, n-butyltrimethoxysilane, n-butyltriethoxysilane, n-pentyl Trimethoxysilane, n-hexyltrimethoxysilane, n-heptyltrimethoxysilane, n-octyltrimethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, cyclohexyltrimethoxysilane Cyclohexyltriethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, 3-chloropropyltrimethoxysilane, 3-chloropropyltriethoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltrimethoxysilane, 3,3,3- Trifluoropropyltriethoxysilane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, 2-hydroxyethyltrimethoxysilane, 2-hydroxyethyltriethoxysilane, 2-hydroxypropyltrimethoxysilane, 2-hydroxy Propyltriethoxysilane, 3-hydroxypropyltrimethoxysilane, 3-hydroxypropyltriethoxysilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltrie Xysilane, 3-isocyanatopropyltrimethoxysilane, 3-isocyanatopropyltriethoxysilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropyltriethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) Ethyltrimethoxysilane, 2- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltriethoxysilane, 3- (meth) acryloxypropyltrimethoxysilane, 3- (meth) acryloxypropyltriethoxysilane, 3-ureidopropyltri Trialkoxysilanes such as methoxysilane and 3-ureidopropyltriethoxysilane; dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, diethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, di-n-propyldimethoxy Sisilane, di-n-propyldiethoxysilane, di-i-propyldimethoxysilane, di-i-propyldiethoxysilane, di-n-butyldimethoxysilane, di-n-butyldiethoxysilane, di-n-pentyl Dimethoxysilane, di-n-pentyldiethoxysilane, di-n-hexyldimethoxysilane, di-n-hexyldiethoxysilane, di-n-heptyldimethoxysilane, di-n-heptyldiethoxysilane, di-n- In addition to dialkoxysilanes such as octyldimethoxysilane, di-n-octyldiethoxysilane, di-n-cyclohexyldimethoxysilane, di-n-cyclohexyldiethoxysilane, diphenyldimethoxysilane and diphenyldiethoxysilane, methyltriacetyl Oxysilane, dimethyldiacetyl Or the like can be mentioned Kishishiran.
Of these, the tetraalkoxysilanes are preferably tetramethoxysilane and tetraethoxysilane, the trialkoxysilanes are preferably methyltrimethoxysilane and methyltriethoxysilane, and the dialkoxysilanes are preferably dimethyl Dimethoxysilane and dimethyldiethoxysilane are preferred.
[0071]
In the present invention, the organosilane (1) is particularly preferably tetraalkoxysilane alone, trialkoxysilane alone, or a combination of 10 to 90 mol% tetraalkoxysilane and 10 to 90 mol% trialkoxysilane. By introducing tetraalkoxysilane or trialkoxysilane, the degree of crosslinking of the resulting coating film can be increased, and the adhesion can be improved.
[0072]
Organosilane (1) is used as it is or as a hydrolyzate and / or condensate.
The hydrolysis condensate is not only obtained by hydrolysis / condensation of organosilane (1), but also methyltrichlorosilane, ethyltrichlorosilane, phenyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, diethyldichlorosilane, diphenyldichlorosilane. It can also be obtained by hydrolysis and condensation of chlorosilane compounds such as
[0073]
When the organosilane (1) is used as a hydrolysis / condensation product, the polystyrene-equivalent weight average molecular weight (hereinafter referred to as “Mw”) of the condensation product is preferably 800 to 100,000, more preferably. 1,000 to 50,000.
[0074]
Commercially available products of hydrolysis / condensation products of organosilane (1) include MKC silicate manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, ethyl silicate manufactured by Colcoat, silicon resin manufactured by Toray Dow Corning, manufactured by Toshiba Silicone Co., Ltd. Silicone resin, Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., Dow Corning Asia Co., Ltd. hydroxyl group-containing polydimethylsiloxane, Nihon Unica Co., Ltd. silicon oligomer, etc. You may use it.
[0075]
In these compositions, the proportion of the blend (1) is 2-70 parts by weight, preferably 5-50 parts by weight, with respect to 100 parts by weight of the cyclic olefin addition copolymer of the present invention. Partly formulated. When the proportion of the compound to be blended is less than 2 parts by weight, there are few effects such as solvent resistance and dimensional stability when formed into a film or sheet. On the other hand, if it exceeds 70 parts by weight, the transparency is often impaired.
[0076]
When the compound (1) generates inorganic particles by hydrolysis / condensation, the composition is optically transparent by being dispersed in the polymer with a particle size of 100 μm or less, preferably 10 μm or less. In addition, heat resistance and dimensional stability are good.
[0077]
In the (crosslinked) resin film of the cyclic olefin addition copolymer containing the blend (1), white turbidity sometimes occurs. In order to solve this problem and produce a highly transparent (crosslinked) resin film with good reproducibility, grafting the cyclic olefin addition copolymer and the compound (1) at the time of casting or before, A technique for improving the dispersion ratio of the compound (1) in the polymer can be employed. Specifically, grafting of the alkoxysilyl group contained in the copolymer and the compound (1) proceeds by the action of the following metal catalyst (1) (hydrolysis / condensation reaction of alkoxysilyl group).
[0078]
Metal catalyst (1)
Aluminum (Al) compound, zirconium (Zr) compound, tin (Sn) compound, zinc (Zn) compound, calcium (Ca) compound, barium (Ba) compound, titanium (Ti) compound, scandium (Sc) compound, lanthanide ( Gd, Yb, Sm, Nd, etc.) compounds, antimony (Sb) compounds, yttrium (Y) compounds, cerium (Ce) compounds, etc.
[0079]
As a specific example,
[Specific examples of aluminum compounds]
Tri-i-propoxyaluminum, di-i-propoxyethyl acetoacetate aluminum, di-i-propoxy acetylacetonate aluminum, i-propoxy bis (ethylacetoacetate) aluminum, i-propoxy bis (acetylacetonate) ) Organoaluminum compounds such as aluminum, tris (ethylacetoacetate) aluminum, tris (acetylacetonate) aluminum, monoacetylacetonate bis (ethylacetoacetate) aluminum
[0080]
[Specific examples of zirconium compounds]
Tetra-n-butoxyzirconium, tri-n-butoxyethylacetoacetatezirconium, di-n-butoxybis (ethylacetoacetate) zirconium, n-butoxytris (ethylacetoacetate) zirconium, tetrakis (n-propylacetate) Organic zirconium compounds such as acetate) zirconium, tetrakis (acetylacetoacetate) zirconium, tetrakis (ethylacetoacetate) zirconium;
[0081]
Carboxylic acid-type organotin compounds such as
[0082]
Mercaptide-type organotin compounds such as
[0083]
Sulfide-type organotin compounds such as;
[0084]
Chloride-type organotin compounds such as
[0085]
(CFourH9)2SnO, (C8H17)2Reaction products of organotin oxides such as SnO, and these organotin oxides with ester compounds such as silicates, dimethyl maleate, diethyl maleate and dioctyl phthalate
[0086]
[Specific examples of tin compounds]
Zinc acetate, zinc octoate
[0087]
[Specific examples of calcium compounds]
Calcium acetate, calcium octoate
[0088]
[Specific examples of barium compounds]
Barium acetate, barium octoate
[0089]
[Specific examples of titanium compounds]
Tetra-i-propoxy titanium, di-i-propoxy bis (ethylacetoacetate) titanium, di-i-propoxy bis (acetylacetate) titanium, di-i-propoxy bis (acetylacetone) titanium
[0090]
[Specific examples of scandium compounds]
Scandium triisopropoxide
[0091]
[Specific examples of lanthanide compounds]
Isopropoxide and butoxide such as Gd, Yb, Sm, Nd
[0092]
[Specific examples of antimony compounds]
Antimony acetate, antimony ethylene glycoloxide
[0093]
[Specific examples of yttrium compounds]
Yttrium triisopropoxide, Yttrium tris (aluminum tetraisopropoxide)
[0094]
[Specific examples of cerium compounds]
Triisopropoxycerium, cerium trichloride
Etc.
[0095]
A metal catalyst (1) can be used individually or in mixture of 2 or more types, and can also be used in mixture with a zinc compound and another reaction retarder.
[0096]
The amount of the metal catalyst (1) used is OR contained in the organosilane (1).8It is 0-10 mol normally with respect to 1 mol, Preferably, it is 0.001-7 mol, More preferably, it is 0.001-5 mol. In this case, when the amount of the organometallic compound (1) used is within 10 moles, the composition has excellent storage stability and also has excellent coating film strength and is less prone to cracking.
[0097]
The resin film containing the cyclic olefin addition type copolymer of the present invention can be produced by a solution casting method (solution casting method).
The production of a film by the casting method involves the production of an acid in an organic solvent (such as a polymerization solvent for the copolymer) of a cyclic olefin addition copolymer and an acid catalyst (for example, hydrolysis). Compound), if necessary, the above-mentioned formulation (1), and if necessary, a solution obtained by uniformly mixing the above-mentioned metal catalyst (1), reacting or aging at a predetermined temperature for a predetermined time, If necessary, concentrate or dilute to a suitable concentration for casting, and then cast it on a smooth fluororesin plate or glass plate using a T-shaped die, etc., and remove the solvent by evaporation. Further heating is performed. Solvents used as casting solvents differ in solubility depending on the type of polymer, but hydrocarbon compounds, halogenated hydrocarbon compounds, ethers, esters, ketones, amines, amides, alcohols, phenols , Sulfoxides and the like are selected and used. The amount of the solvent is 1 to 10,000 parts by weight, preferably 10 to 5,000 parts by weight per 100 parts by weight of the polymer.
Moreover, in order to adjust the solubility and viscosity of each component before casting, or to facilitate casting, a part or all of the solvent can be replaced with another solvent.
[0098]
The cross-linking reaction of the cast film is performed by heating the film under water or steam as described above. In the case where the above-mentioned acid catalyst (crosslinking catalyst) is not added, no siloxane bond is formed even when heated under steam, and no crosslinking is performed. In addition, if sufficient water is not supplied with respect to the alkoxysilane content of the polymer, crosslinking is insufficient. The reaction temperature is 50 ° C. or higher, preferably 60 ° C. to 300 ° C., more preferably 80 ° C. to 250 ° C., and particularly preferably 100 ° C. to 200 ° C. At temperatures below 50 ° C., it is hardly crosslinked, while at temperatures above 300 ° C., the polymer is more likely to be thermally decomposed.
The time for the cross-linking reaction is appropriately selected depending on the desired degree of cross-linking, the state of the reaction system, the type of polymer, the amount of catalyst, and the type of catalyst, but is usually 1 minute to 1,000 hours, preferably 5 Minutes to 100 hours, more preferably 10 minutes to 50 hours.
[0099]
The crosslinked body (crosslinked resin film) of the present invention preferably has a degree of swelling measured with toluene at 25 ° C. of less than 500%, more preferably 300% or less.
When the toluene swelling degree is 500% or more, when used as a glass substitute, chemical resistance, solvent resistance, dimensional stability during heating, etc. may be insufficient. In addition, the measurement of this swelling degree is the value measured by the method mentioned later. The degree of swelling of the crosslinked product can be easily adjusted by the amount of the crosslinking catalyst, the reaction temperature, and the reaction time.
[0100]
Moreover, from the film use shown below, the linear expansion coefficient of the crosslinked resin film of the present invention is preferably 65 (ppm / ° C.) or less, more preferably 60 (ppm / ° C.) or less.
[0101]
The transparent (crosslinked) resin film of the present invention has a large affinity with glass because it has a silyl group, and the ratio of the peeled block in the adhesion test to quartz glass is 25 blocks, preferably 5 blocks or less, more preferably. Is 3 blocks or less, particularly preferably 1 block or less.
[0102]
The compositions of the present invention include known antioxidants such as 2,6-di-tert-butyl, 4-methylphenol, 4,4′-thiobis- (6-tert-butyl-3-methylphenol), 1,1′-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 2,2′-methylenebis (4-ethyl-6-tert-butylphenol), 2,5-di-tert-butylhydroquinone, pentaerythrityl-tetrakis [3 -(3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, phenolic and hydroquinone antioxidants; tris (4-methoxy-3,5-diphenyl) phosphite, tris (nonylphenyl) ) Phosphite, Tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, bis (2,6-di-t-butyl-4-methylphenyl) penta List over diphosphite, with the addition of phosphorus-based antioxidants such as bis (2,4-di -t- butyl-phenyl) pentaerythritol diphosphite, it is possible to improve the oxidation stability. The amount of these antioxidants to be added is usually 0.1 to 5 parts by weight, preferably 0.005 parts per 100 parts by weight in total of the cyclic olefin addition copolymer of the present invention and the blend (1). 2 to 3 parts by weight. When the amount of the antioxidant used is too small, the effect of improving the durability is insufficient, and when it is too large, problems such as bleeding of the molding surface and a decrease in transparency are undesirable.
[0103]
The composition of the present invention can be stabilized by adding an ultraviolet absorber such as 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone. Further, additives such as a lubricant can be added for the purpose of improving processability.
[0104]
As described above, the (crosslinked) resin film obtained using the transparent resin comprising the cyclic olefin addition copolymer composition of the present invention is a film for a display device such as a liquid crystal display device or an EL display device. Can be used as
[0105]
The thickness of the film for a display device of the present invention is usually 5 to 600 μm, preferably 10 to 500 μm, more preferably 25 to 400 μm, and is appropriately determined depending on the application. The film for a display device of the present invention desirably has a small variation in retardation, and the variation in retardation at a wavelength of 633 nm is preferably ± 20% or less. When the variation in retardation is outside the range of ± 20%, it is difficult to say that the film is optically uniform, and when used in a display device, it is difficult to obtain good display performance such as distortion of the display image. . In the present invention, the retardation value is a value measured with light having a wavelength of 633 nm using an ellipsometer [DVA-36LS manufactured by Mizoji Optical Co., Ltd.].
[0106]
The liquid crystal substrate film of the present invention is formed by using the above-mentioned film for a display device. Usually, the thickness is 25 to 400 μm, the thickness unevenness is ± 30% or less of the entire thickness, and the Rmax value is 0.2 μm. The thickness unevenness is preferably ± 20% or less of the thickness over the entire surface, and the Rmax value is 0.1 μm or less. When the thickness unevenness is large or the surface smoothness is poor, the screen of the liquid crystal display device is distorted.
[0107]
The polarizing film of the present invention can be produced by bonding the display device film of the present invention as a protective layer to a polarizing film based on a PVA film or the like. The thickness of the protective layer is usually 5 to 500 μm, preferably 10 to 300 μm, more preferably 20 to 200 μm. In order to laminate the protective layer on the polarizing film of the polarizing film, an adhesive or an adhesive can be used. These pressure-sensitive adhesives and adhesives are preferably excellent in transparency. Specific examples include natural rubber, synthetic rubber, vinyl acetate / vinyl chloride copolymer, polyvinyl ether, acrylic, modified polyolefin, and isocyanates. Examples thereof include a curable pressure-sensitive adhesive to which a curing agent such as natto is added, an adhesive for dry lamination in which a polyurethane resin solution and a polyisocyanate resin solution are mixed, a synthetic rubber adhesive, and an epoxy adhesive.
[0108]
The polarizing film used in the present invention is not particularly limited as long as it has a function as a polarizer. For example, a PVA / iodine polarizing film, a dye-based polarizing film in which a dichroic dye is adsorbed and oriented on a PVA film, a dehydration reaction is induced from a PVA film, or a dehydrochlorination reaction of a polyvinyl chloride film Examples include a polyene polarizing film in which a polyene is formed, and a polarizing film having a dichroic dye on the surface and / or inside of a PVA film made of modified PVA containing a cationic group in the molecule. The manufacturing method of the polarizing film is not particularly limited. For example, a method of adsorbing iodine ions after stretching a PVA film, a method of stretching a PVA film after dyeing with a dichroic dye, a method of dyeing a PVA film with a dichroic dye after stretching, a dichroic dye Well-known methods such as a method of stretching after printing on a PVA-based film and a method of printing a dichroic dye after stretching a PVA-based film can be mentioned. More specifically, iodine is dissolved in a potassium iodide solution to form higher-order iodine ions, and these ions are adsorbed on a PVA film and stretched. Then, a bath temperature of 30 wt. A method for producing a polarizing film by immersing at ~ 40 ° C, or treating a PVA film with boric acid in the same manner and stretching it about 3 to 7 times in a uniaxial direction to form a 0.05 to 5% by weight dichroic dye aqueous solution There is a method in which a dye is adsorbed by dipping at a bath temperature of 30 to 40 ° C., dried at 80 to 100 ° C., and heat-fixed to produce a polarizing film.
[0109]
The surface protective film used in the present invention is the same as the film bonded to the polarizing film in the production of the polarizing film described above. In order to protect the surface of a thin film component for a display device, it is used by being bonded to one side or both sides of the component.
[0110]
The retardation film used in the present invention is obtained by using the above-described film for a display device, and can be produced by stretching orientation or surface pressing. The thickness of the sheet before stretching is usually 25 to 500 μm, preferably 50 to 400 μm, and more preferably 100 to 300 μm. As a stretching method, a known uniaxial stretching method, that is, a horizontal uniaxial stretching method by a tenter method, a compression stretching method between rolls, or a longitudinal uniaxial stretching method using rolls having different peripheral edges can be used. Moreover, after extending | stretching in the range which does not affect the orientation of a molecule | numerator, the biaxial stretching which extends | stretches to a uniaxial direction in order to orient a molecule | numerator may be sufficient. The film obtained as described above is oriented with molecules by stretching and has a certain retardation value, but the retardation is the retardation and stretching ratio of the sheet before stretching, the stretching temperature, the thickness of the stretched oriented film. Can be controlled. When the sheet before stretching has a certain thickness, the absolute value of retardation tends to increase as the stretching ratio of the film increases. Therefore, it is possible to obtain a stretched oriented film having a desired retardation by changing the stretching ratio. it can.
[0111]
In the present invention, the film obtained by the above-mentioned method has a preferable retardation range depending on the type and shape of the liquid crystal display in which the measured value of the retardation with a polarizing microscope is 5 to 900 nm. In the polarizing film used in the liquid crystal display device according to the above, it is necessary that the transparency is particularly high, and an optically uniform film having a small retardation of 10 to 80 nm is preferably used.
[0112]
The transparent conductive film of the present invention is obtained by forming a transparent conductive layer on a film made of the transparent resin of the present invention. As a material for forming the transparent conductive layer, metals such as Sn, In, Ti, Pb, Au, Pt, and Ag, or oxides thereof are generally used. These metals are usually formed on a liquid crystal substrate film by a plasma method, sputtering method, vacuum deposition method, plating, ion plating method, spray method, electrolytic deposition method, etc. Is coated to 50 to 5,000 angstroms. When a metal simple substance is formed on a film, it can also be oxidized after that as needed. There is also a method of depositing as an oxide layer from the beginning, but at first, a film is formed in the form of a single metal or a lower oxide, and then subjected to an oxidation treatment such as heat oxidation, anodization or liquid phase oxidation to be transparent. It can also be converted. The specific resistance of the transparent conductive film is preferably 100 ohm cm or less.
[0113]
The light diffusing film of the present invention can be produced by forming a pattern having a diffusing function on one side of a film made of the transparent resin of the present invention. Here, the pattern having a diffusion function can be formed by applying various coating materials in addition to embossing or a method of forming a pattern by applying a photocurable resin such as ultraviolet rays.
Examples of the photocurable resin used for forming a pattern on the film of the present invention include one or more compounds having at least one ethylenic double bond such as a (meth) acryloyl group in the molecule. A composition comprising a photopolymerization initiator, a composition comprising at least one compound having at least one group having ring-opening reactivity such as an epoxy group in the molecule, and a photocationic initiator, gelatin, Examples thereof include a composition containing a dichromate, a composition containing a cyclized rubber and a bisazide photosensitizer, and a composition containing a novolac resin and a quinone azide photosensitizer. In addition, the surface of the film is subjected to physical ground treatment such as plasma treatment, or conventional rubber-based, resin-based, in particular acrylic-based, silicon-based, in order to control its adhesion before applying the photocurable resin. Chemical base treatment with various coating materials such as a system may be performed.
[0114]
The prism sheet for collecting the light diffused through the light diffusing film at the viewing angle of the display device and improving the brightness of the display device has a transparent prism surface with a small prism angle. In the same manner as the light diffusing film, the prism surface pattern is embossed on the film surface made of the transparent resin of the present invention, or a pattern is formed by applying a photocurable resin such as ultraviolet rays. can do.
The (crosslinked) resin film of the present invention is also useful as a film for an EL display device. Examples of the EL display device film include a substrate film, a polarizing film, a surface protective film, and a transparent conductive film, which are also used in the liquid crystal display device. Of course, the characteristics of these films are not always the same as those for liquid crystal display devices.
Moreover, it can be used as a transparent conductive composite material by forming a transparent conductive film on the surface of the (crosslinked) resin film of the present invention. As this transparent conductive composite material, in addition to the electrode film for the liquid crystal display device or EL display device, it is also useful as an electromagnetic wave prevention film for electronic devices such as CRT.
Further, a layer in contact with the surface of the (crosslinked) resin film of the present invention is in contact with the surface of the film.x(0.8 ≦ x≦1.8), and the outermost layer is SiO2By forming an antireflection film, which is a layer made of, it can be used as an antireflection film. Since this antireflection film is excellent in heat resistance, it is useful not only for the liquid crystal display device or EL display device, but also for a plasma display, a field emission display, and the like.
[0115]
When the various films for a display device of the present invention are used adjacent to each other, if they are integrated in advance, there are advantages such as a reduction in the number of components, a reduction in the thickness of the display device, and a reduction in weight. For example, a liquid crystal substrate film and a polarizing film, a retardation film and a transparent conductive film, a light diffusion film and a prism sheet, a polarizing film and a light diffusion film, and the like. For the integration, an adhesive layer and / or an anchor coat layer is formed between the two films and bonded. Examples of the adhesive layer include heat-resistant resins such as epoxy resin, polyimide, polybutadiene, phenol resin, and polyetheretherketone. Moreover, as an anchor coat layer, what contains what is called acrylic prepolymers, such as epoxy diacrylate, urethane diacrylate, and polyester diacrylate, are used. As a curing method, a known method can be used, and for example, UV curing, thermal curing, or the like is used.
The display device film of the present invention has excellent optical transparency, heat resistance, moisture absorption resistance, liquid crystal resistance, dimensional stability, and adhesion / adhesion, and is therefore suitable for the production of liquid crystal display devices and EL display devices. These display devices can be used for personal computers, televisions, mobile phones, digital information terminals, pagers, navigation, liquid crystal monitors, light control panels, displays for OA devices, displays for AV devices, and the like.
[0116]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited by these examples.
Moreover, molecular weight, swelling degree, glass transition temperature, liquid crystal resistance, total light transmittance, and birefringence were measured by the following methods.
[0117]
(1) Weight average molecular weight, number average molecular weight
The measurement was performed at 120 ° C. using o-dichlorobenzene as a solvent, using a H type column manufactured by Tosoh Corporation with a 150C gel permeation chromatography (GPC) apparatus manufactured by WATERS. The obtained molecular weight shows a standard polystyrene conversion value.
(2) Metal atomic weight
Using a Z-9000 atomic absorption spectrophotometer manufactured by Hitachi, Ltd., based on a calibration curve prepared with a standard solution of nickel and aluminum [Wako Pure Chemical Industries, Ltd.], residual metal atoms in the copolymer Was quantified.
(3) Toluene swelling degree
A film or sheet having a thickness of 50 to 500 microns and a length of 2 cm and a width of 2 cm was immersed in toluene at 25 ° C. for 3 hours, and the degree of swelling was calculated from the weight ratio before and after the immersion. The thing which does not swell at all was made into 100%.
(4) Glass transition temperature
The glass transition temperature of the cyclic olefin-based addition type copolymer of the present invention is often unclear and not measured in the scanning differential calorimetry (DSC) measurement. Therefore, Tanδ (storage) measured by dynamic viscoelasticity It was defined by the peak temperature of the ratio E ′ / E ″ = Tanδ) of the elastic modulus E ′ and the loss elastic modulus E ″. The dynamic viscoelasticity was measured using Leo Vibron DDV-01FP (manufactured by Orientec Corporation). The measurement frequency was 10 Hz, the heating rate was 4 ° C./min, the excitation mode was a single waveform, and the excitation amplitude was 2.5 μm.
(5) Total light transmittance
Based on ASTM-D1003, the total light transmittance of a film having a thickness of 100 μm was measured.
(6) Linear expansion coefficient
Using TMA (Thermal Mechanical Analysis) / SS6100 (manufactured by Seiko Instruments Inc.), a sample with a film thickness of 100 μm, a width of 3 mm, and a length of 10 cm is fixed at a distance between chucks of 10 mm, and is about 200 ° C from room temperature The temperature was raised to room temperature to remove residual strain, and then the temperature was raised from room temperature at 3 ° C / min., And the linear expansion coefficient was obtained from the elongation of the distance between chucks.
(7) Liquid crystal resistance
The sample for evaluation having a thickness of 50 to 500 microns and a length and width of 2 cm × 2 cm is immersed in a liquid crystal for TFT [ZLI5081 manufactured by Merck Japan Ltd.], and 1 drop (about 20 mg) is added dropwise at 150 ° C. for 1 hour in the atmosphere. The change of the film surface after heating was visually evaluated. The evaluation criteria are as follows.
A: No change in shape.
○: Slightly swollen.
Δ: Swells.
X: The shape is lost due to dissolution or the like.
(8) Adhesiveness / adhesion:
Aluminum is vapor-deposited on the film for evaluation, and this vapor-deposited film is cut with a cutter so that 10 × 10 grids of 1 mm × 1 mm are formed, and a peel test using a cellophane tape is performed. The number of peeled blocks in 25 blocks was measured. In the evaluation of adhesion to quartz glass, the composition of the present invention was applied to quartz glass so as to have a dry coating film thickness of 5 to 10 μm, dried and cured at 90 ° C., and then subjected to the same peeling test using a cellophane tape. .
(9) Birefringence (nm)
It was measured with an ellipsometer (manufactured by Mizojiri Optical Co., Ltd.).
[0118]
Reference Example 1 (Synthesis of copolymer a)
2-norbornene 593.75 mmol as monomer, 5-triethoxyCyrilA reactor having a capacity of 1 liter was charged under nitrogen with 31.25 mmol of 2-norbornene, 500 g of toluene as a solvent, and 0.25 mmol of a molecular weight regulator (1,5-cyclooctadiene). The reaction system is set to 10 ° C., and nickel octoate [Ni (octoate)2] And hexafluoroantimonic acid at a molar ratio of 1: 1 at −15 ° C. were charged with 0.25 mmol, trifluoroboron diethyl ether complex 2.25 mmol, and triethylaluminum 2.5 mmol, Polymerization was performed.
Polymerization was carried out at 30 ° C. for 1 hour, and the polymerization was stopped with isopropyl alcohol. The addition rate to the copolymer was 95%. 6 g of lactic acid was added to the copolymer solution and reacted with the catalyst component. The copolymer solution was put into 4 liters of isopropanol to solidify the copolymer, and unreacted monomers and catalyst residues were removed.
The coagulated copolymer was dried to obtain a copolymer a.
270 MHz of copolymer a1The content of the structure derived from 5-triethoxysilyl-2-norbornene is 5 in analysis by H-NMR (3.8-4.0 ppm absorption of ethoxysilyl group methylene, solvent is toluene dated, TMS standard). 0.0 mol%. Moreover, the number average molecular weight of polystyrene conversion of the copolymer a was 87,000, and the weight average molecular weight was 211,000. The residual nickel in the polymer was 0.1 ppm or less, and the residual aluminum was 1.6 ppm.
[0119]
Reference Example 2 (Synthesis of copolymer b)
As a monomer, 2-norbornene 562.5 mmol, 5-triethoxyCyrilPolymerization was carried out in the same manner as in Example 1 except that 6-2.5 mmol of 2-norbornene was used to obtain a copolymer b.
270 MHz of copolymer b1The content of the structure derived from 5-triethoxysilyl-2-norbornene was 9.9 mol% by analysis by H-NMR (4 ppm ethoxysilyl group methylene absorption, solvent d-toluene, TMS standard). It was. The copolymer b had a polystyrene-equivalent number average molecular weight of 88,000 and a weight average molecular weight of 223,000. The residual nickel in the polymer was 0.1 ppm or less, and the residual aluminum was 1.2 ppm.
[0120]
Reference Example 3 (Synthesis of copolymer c)
2-norbornene 531.23 mmol as monomer, 5-triethoxyCyril2-norbornene 62.50 mmol, 8-methyl-8-methoxycarbonyl-3-tetracyclo [4.4.0.12,517, 10Polymerization was carried out in the same manner as in Example 1 except that 31.25 mmol of dodecene was used to obtain a copolymer c.
270 MHz of copolymer c1The content of the structure derived from 5-triethoxysilyl-2-norbornene was 9.9 mol% by analysis by H-NMR (absorption of 4 ppm ethoxysilyl group methylene, solvent d-toluene, TMS standard). It was. 8-Methyl, 8-methoxycarbonyl-3-tetracyclo [4.4.0.1] in the copolymer c.2,5. 17, 10] The proportion of structures derived from dodecene is 1,730 cm by infrared analysis.-1It was 4.9 mol% from the calibration curve by the characteristic absorption. Moreover, the number average molecular weight of polystyrene conversion of the copolymer c was 89,000, and the weight average molecular weight was 256,000. Residual nickel in the polymer was 0.1 ppm or less, and residual aluminum was also 0.1 ppm or less.
[0121]
Example 1 [Creation of a crosslinked film of copolymer a (addition of P, no Sn)]
10 g of copolymer a was dissolved in 40 g of toluene containing 70 ppm of water, and pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4 was used as an antioxidant with respect to 100 parts by weight of copolymer. -Hydroxyphenyl) propionate] 1.0 part by weight was added. After adding 0.5 part by weight of tributoxyphosphite as an acid catalyst (crosslinking catalyst), this solution was poured into a stainless steel petri dish and cast at 40 ° C. for 3 hours. The produced film was dried at 150 ° C. for 2 hours, and then heat-treated under steam at 150 ° C. for 4 hours. Then, it dried at 230 degreeC under vacuum for 1 hour, and obtained the 100-micrometer-thick colorless transparent film. Table 1 shows the film production conditions, the state of the obtained film, and the degree of swelling.
[0122]
Example 2 [Crosslinked film preparation of copolymer a (P, Sn added)]
A crosslinked film was prepared under the same conditions as in Example 1 except that dioctyltin (II) was further added to the cast solution prepared in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0123]
Example 3 [Copolymer a + TEOS composite crosslinked film preparation (P-added Sn added)]
A film was prepared under the same conditions as in Example 1 except that 2 g of tetraethoxysilane (TEOS) and dioctyltin (II) were further added to the cast solution prepared in Example 1. The toluene swelling degree of the film was 160% and the linear expansion coefficient was 45 ppm / ℃. The results are shown in Table 1.
[0124]
Example 4 [Creation of Copolymer a + TEOS Composite Crosslinked Film (P Added, No Sn)]
A crosslinked film was prepared under the same conditions as in Example 1 except that 2 g of tetraethoxysilane (TEOS) was further added to the cast solution prepared in Example 1. This film was slightly cloudy and had a total light transmittance of 85%. The results are shown in Table 1.
[0125]
Example 5 [Creation of crosslinked film of copolymer b + TEOS composite (addition of P, Sn)]
A film was prepared under the same conditions as in Example 2 except that copolymer b was used instead of copolymer a. The results are shown in Table 1.
[0126]
Example 6 [Creation of Copolymer c + TEOS Composite Crosslinked Film (P, Sn Addition)]
A film was produced under the same conditions as in Example 1 except that the copolymer c was used instead of the copolymer a. The results are shown in Table 1.
[0127]
Comparative Example 1 [Creating a crosslinked film of copolymer a (no P, no Sn)]
A film was prepared under the same conditions as in Example 1 except that tributoxyphosphite was not added. Under these conditions, no crosslinking occurred. The results are shown in Table 1.
[0128]
Comparative Example 2 [Creating a crosslinked film of copolymer a (no P, Sn added)]
A film was prepared under the same conditions as in Example 1 except that tributoxyphosphite was not added and dioctyltin (II) was added instead. Under these conditions, there was almost no crosslinking. The results are shown in Table 1.
[0129]
Comparative Example 3 [Creation of a crosslinked film of copolymer a (P, Sn added, 40 ° C. hot water treatment)]
A film was prepared by the same operation as in Example 1 except that the film was heated in warm water of 40 ° C. instead of water vapor (150 ° C.). Under these conditions, no crosslinking occurred. The results are shown in Table 1.
[0130]
Comparative Example 4 [Creation of Copolymer a + TEOS Composite Crosslinked Film (No P, Add Sn)]
A film was prepared under the same conditions as Example 2 except that no tributoxy phosphite was added. Under these conditions, there was almost no crosslinking. The results are shown in Table 1.
[0131]
[Table 1]
[0132]
Example 7
Production of film for liquid crystal display device and liquid crystal substrate film: Variation in retardation of the crosslinked film (1) prepared in Example 3 at a wavelength of 633 nm was ± 5%. An anchor agent solution composed of an ionic polymer complex [Toyobein 210K manufactured by Tosoh Corporation] having water / alcohol (50/50 weight ratio) as a solvent component is applied to the obtained film, and dried at 90 ° C. for 5 minutes. Thus, an aqueous anchor coat layer (2) was formed. On this water-based anchor coat layer, an adhesive layer comprising a urethane-based adhesive [Takelac A-371 manufactured by Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.] and a curing agent [Takenet A-10 manufactured by Takeda Pharmaceutical Co., Ltd.] 3 ▼ was formed. Further, an ethylene-vinyl alcohol copolymer / dichroic dye-based polarizing film (4) is overlaid on the adhesive layer, and 80 ° C., pressure 3 kg / cm.2Was laminated with heat and pressure. Next, a transparent conductive layer (5) was formed on the polarizing film surface by sputtering using a target made of indium oxide / tin oxide (weight ratio 95: 5). As a result, a liquid crystal display panel having a laminated structure of transparent electrode (5) / polarizing film (4) / adhesive layer (3) / aqueous anchor coat layer (2) / substrate layer (1) was obtained. The adhesion between the substrate layer (1) and the polarizing film layer (3) of this laminate was good and no peeling was observed. Further, when a durability test was performed under the conditions of 80 ° C. and 90% relative humidity, no abnormality was observed in the laminate at a stage of 1,000 hours, and the durability was good.
[0133]
Example 8
Production of surface protective film: 1 part by weight of stearyl-β- (3.5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate was added to the mixed solution prepared in Example 3 with respect to 100 parts by weight in total. 0.1 parts by weight of tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite was added, and a film having a thickness of 80 μm was prepared by a casting method to obtain a protective film. The glass transition temperature of this film was 340 ° C. Further, the variation in retardation at a wavelength of 633 nm was as small as ± 5%.
[0134]
Example 9
Production of polarizing film: A polyvinyl alcohol film having a thickness of 50 μm was uniaxially stretched up to 4 times in about 5 minutes while being immersed in a 40 ° C. bath composed of 5.0 g of iodine, 250 g of potassium iodide, 10 g of boric acid, and 1000 g of water. The surface of the obtained film was washed with alcohol while keeping tension, and then air-dried to obtain a polarizing film. To this polyvinyl alcohol polarizing film, 100 parts by weight of an acrylic resin consisting of 90% by weight of n-butyl acrylate, 7% by weight of ethyl acrylate and 3% by weight of acrylic acid and trimethylolpropane (1 mol) of tolylene diisocyanate (3 mol) Mol) The above protective film was laminated using an adhesive obtained by mixing a crosslinking agent comprising 2 parts by weight of a 75% by weight ethyl acetate solution of the adduct. The adhesion of both layers of this laminate was good and no peeling was observed. In addition, when a durability test was performed at 80 ° C. and a relative humidity of 90%, no abnormality was observed in the polarizing film at the stage of 1,000 hours, and the durability was good.
[0135]
Example 10
Production of retardation film: Using the mixed solution prepared in Example 3, a film having a thickness of 100 μm was produced by a casting method. This film was stretched in a uniaxial direction at a temperature of 300 ° C. to obtain a retardation film having a thickness of 80 μm. The retardation of this film at a wavelength of 633 nm was 136 μm, and the variation in retardation was as small as ± 5%. The wavelength dispersion (α) of retardation in the wavelength range of 450 nm to 750 nm was 1.01.
[0136]
Example 11
Production of transparent conductive film: A film having a length of 200 mm, a width of 200 mm, and a thickness of 0.1 mm was prepared by the method of Example 3. An indium-tin oxide (ITO) film was formed on the obtained film under the following conditions using a sputtering machine (Chuai Furnace Industries).
Power supply MHz high frequency power supply
Substrate temperature 70 ° C
Target In2OThree / SnO2 = 90/10 (weight ratio) alloy
Atmosphere Argon gas inflow
Sputtering speed 270 angstrom / min
Sputtering pressure 10-2 Torr
The thickness of the obtained ITO film is 2,500 angstroms and the specific resistance is 1.5 × 10-3The light transmittance at 400 to 800 nm of the transparent conductive composite material was 84%. When the adhesion between the obtained transparent conductive composite material and the ITO film was tested according to JIS K-5400 (8th, 5th and 2nd test), no peeling was observed. Furthermore, no changes were observed in the conductive properties and appearance after the obtained transparent conductive composite material was stored for one week under conditions of a temperature of 90 ° C. and a humidity of 95%.
[0137]
Example 12
Manufacture of EL display device: After applying a quinolinol complex solution on a 5 cm square glass substrate on which an ITO film was formed, the solvent was removed to form an electroluminescence layer having a thickness of 50 nm. Next, a 60 nm thick electron transport light emitting layer made of triskinolinolatoaluminum is formed on the electroluminescent layer, and a 100 mm thick 5 mm square magnesium / silver alloy (by a vapor deposition method) is formed on this electron transport light emitting layer. A 10: 1 weight ratio film (cathode layer) was formed. Furthermore, on the side opposite to the ITO film of the glass substrate on which the ITO film is formed, a laminate of the above retardation film and a commercially available polarizing film [NPF-F1225DU manufactured by Nitto Denko Corporation] is laminated to form an EL display device. Manufactured.
The manufactured EL display device has an evaluation of color tone; black, quality; no reflection of outside scenery, light reflectance (%); 0.2, adhesion; no peeling, durability at high temperature and high humidity; It was a result. As described above, the EL display device using the retardation film of the present invention can block the reflected light from the back electrode so as not to capture an external scenery, and is very easy to see even in a bright place. Could get.
[0138]
Example 13
Production of light diffusion composite sheet: A film having a thickness of 0.1 mm was prepared by the method of Example 3. On the obtained film, a solution of 10 g of vinyl chloride-vinyl acetate copolymer containing methyl ethyl ketone / ethylene glycol (40 / 0.1 weight ratio) as a solvent component was applied and dried to form a resin film having a thickness of 30 μm. Formed. Next, this film was immersed in hot water at 80 ° C. for 45 minutes and then taken out and dried to obtain a 130 μm thick light diffusion composite sheet. In this case, the light transmittance of the transparent resin film was 75%, and it was a single cell having a particle size in the range of 2 to 8 μm.
[0139]
Example 14
Production of antireflection film: Using the mixed solution prepared in Example 3, a film having a thickness of 100 μm was produced by a casting method. On the surface of this film, 10-Four Under a Torr vacuum, SiO was deposited with a film thickness of 825 nm. Next, SiO2Was deposited with a film thickness of 130 nm. Furthermore, ZrO2And TiO2The mixture was deposited with a film thickness of 130 nm. Furthermore, as the outermost layer, SiO2Was deposited to a thickness of 248 nm to obtain an antireflection film. The light transmittance of this antireflection film was 90%, and the birefringence was as small as 2 nm.
[0140]
【The invention's effect】
A film for a display device using a transparent (crosslinked) resin film comprising the composition containing the cyclic olefin addition type copolymer of the present invention has optical transparency, heat resistance, liquid crystal resistance, dimensional stability, adhesion In addition to being used suitably as a substitute for substrate glass in liquid crystal display devices and EL display devices, polarizing films, surface protective films, retardation films, transparent conductive films, light diffusion films of these devices, It can be used for films for EL display devices, transparent conductive composite materials, antireflection films, and the like.
Claims (15)
−(CR1R2)fSi(OR3)gR4 (3−g)、
−(CR1R2)fSi(R3R4)OSi(OR3)gR4 (3−g)、
−(CR1R2)fC(O)O(CH2)hSi(OR3)gR4 (3−g)
で表されるアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示し、A1〜A4の少なくとも一つはアルコキシシリル基、アリロキシシリル基を示す。ここで、R1,R2はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、R4は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、f,hは0〜5の整数、gは1〜3の整数を示す。また、Yは−CH2−または−O−を示し、mは0または1を示す。]
- (CR 1 R 2) f Si (OR 3) g R 4 (3-g),
- (CR 1 R 2) f Si (R 3 R 4) OSi (OR 3) g R 4 (3-g),
- (CR 1 R 2) f C (O) O (CH 2) h Si (OR 3) g R 4 (3-g)
And at least one of A 1 to A 4 represents an alkoxysilyl group or an allyloxysilyl group. Here, R 1 and R 2 each independently represent a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, and R 3 represents an alkyl group, alkenyl group, aryl group or cycloalkyl group having 1 to 10 carbon atoms. R 4 represents a hydrogen atom, a halogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 20 carbon atoms, f and h are integers of 0 to 5, and g is an integer of 1 to 3. Y represents —CH 2 — or —O—, and m represents 0 or 1. ]
化合物(A):
下記式(3)で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種
(R7)pSi(OR8)4−P ………(3)
[式(3)中、R7は、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、R8は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
化合物(B):
アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物The resin film according to claim 1, further comprising the following compound (A) and / or (B) in the cyclic olefin addition copolymer composition according to claim 1.
Compound (A):
At least one selected from the group consisting of an organosilane represented by the following formula (3), a hydrolyzate of the organosilane, and a condensate of the organosilane (R 7 ) p Si (OR 8 ) 4-P. ... (3)
[In Formula (3), R 7 is the same or different when two are present, and represents an organic group having 1 to 10 carbon atoms; R 8 is the same or different and is an alkyl group or carbon having 1 to 5 carbon atoms; The acyl group of number 1-6 is shown, p is an integer of 0-2. ]
Compound (B):
At least one metal oxide selected from the group of alumina, zirconia and titania
化合物(A):
下記式(3)で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物、および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種
(R7)pSi(OR8)4−P ………(3)
[式(3)中、R7は、2個存在する場合には同一または異なり、炭素数1〜10の有機基を示し、R8は同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、pは0〜2の整数である。]
化合物(B):
シリカ、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物The resin film according to claim 4, further comprising the following compound (A) and / or (B) in the cyclic olefin addition copolymer composition according to claim 4.
Compound (A):
At least one selected from the group consisting of an organosilane represented by the following formula (3), a hydrolyzate of the organosilane, and a condensate of the organosilane (R 7 ) p Si (OR 8 ) 4-P. ... (3)
[In Formula (3), R 7 is the same or different when two are present, and represents an organic group having 1 to 10 carbon atoms; R 8 is the same or different and is an alkyl group or carbon having 1 to 5 carbon atoms; The acyl group of number 1-6 is shown, p is an integer of 0-2. ]
Compound (B):
At least one metal oxide selected from the group of silica, alumina, zirconia and titania
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