JP4045107B2 - 難黄変性軟質ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、残留湿熱歪みが小さく、しかも変色することの少ない軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。詳しくは靴用や衣料用として有用な残留湿熱歪の小さい無黄変または難黄変軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。より具体的にはたとえば、肩パッド、ブラジャーパッド等の衣料用パッド類、靴の内部、外部に使用されるクッション材としてのパッド類等に好適に用いられる無黄変または難黄変であり、かつ残留熱歪の小さい軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール、水、触媒、シリコーン界面活性剤、および必要により架橋剤、その他助剤と、有機ポリイソシアネートとから製造されてきた。有機ポリイソシアナートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)を用いることが一般的であるが、TDIのような芳香族イソシアネートを用いて得られたウレタンフォームは、日光等の紫外線の影響を受け、時間とともにフォームが黄色に変色するという問題点があった。このため、洗濯後天日で乾燥させることが多い靴用あるいは衣料用の軟質ポリウレタンフォームでは、無黄変または難黄変の軟質ポリウレタンフォームが求められている。この要求を満足させるため、TDIを用いた軟質ポリウレタンフォームにおいて紫外線吸収剤を大量に用いる難黄変フォームが製造されているが、耐変色性に問題が残されている。
【0003】
また、イソホロンジイソシアネート(IPDI)を用いれば紫外線による黄変はなくなるが、IPDIを用いて得られた軟質ポリウレタンフォームは、湿熱条件下での残留歪みが大きいという問題点である。この残留歪みが大きいと、靴用のパッド類等の使用時に変形が生じて外観を損ね、またクッション感を減じることがあり、衣料用のパッド類では、洗濯後変形が生じたりすることが問題である。これらの問題は、湿熱条件下の残留歪みの指標となるウエットセット値(Wet Set、50℃、相対湿度95%の条件下で50%圧縮を22時間行った後の残留歪み率)が小さいことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、十分な耐黄変性を有し、かつ湿熱条件での残留歪み特性にも優れた無黄変または難黄変軟質ポリウレタンフォームを高生産性で製造することのできる軟質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0005】
【発明の概要】
本発明者らは前記の目的を達成すべく、種々検討した結果、たとえば脂環族ポリイソシアネート化合物たとえばノルボルネンジイソシアナートを用いて軟質ポリウレタンフォームを製造すれば、上記課題が解決され、優れた物性を有する無黄変または難黄変軟質ポリウレタンフォームが得られ、それらを高生産性で製造方法することができることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0006】
即ち、本発明は以下の(1)〜(10)を提供するものである。
(1)ポリオール、発泡剤、触媒、安定剤および脂環族ポリイソシアネート化合物とから残留湿熱歪みの小さい難黄変性軟質ポリウレタンフォームを製造することを特徴とする難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(2)脂環族ポリイソシアネート化合物が、多環式脂環族ポリイソシアネートである上記(1)に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0007】
(3) 前記多環式脂環族ポリイソシアネート化合物が、ノルボルナン環を有するポリイソシアネートまたはその誘導体であることを特徴とする上記(2)に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(4) 前記有機ポリイソシアネート化合物が、多環式脂環族ポリイソシアネート化合物、単環式脂環族ポリイソシアネート化合物あるいはそれらの誘導体を含むことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0008】
(5)前記有機ポリイソシアネート化合物が、ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を50重量%以上含み、トルエンジイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシアネートを30重量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0009】
(6)前記ポリオールとして、末端にエチレンオキサイドを5〜30重量%付加されたポリオキシアルキレンポリオールで用い、ポリオール100重量部に対して紫外線吸収剤を反応系中に50〜100000ppm添加することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0010】
(7)炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒を、ポリオール100重量部に対して0.01〜2.0重量部(以下、部ともいう)用いることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(8)炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒と、アミン触媒とを併用することを特徴とする上記(7)に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0011】
(9)得られる難黄変性軟質ポリウレタンフォームが衣料用または靴用である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
(10)ポリオール、発泡剤、触媒、安定剤および脂環族ポリイソシアネート化合物とから、ウエットセットが30%以下である難黄変性軟質ポリウレタンフォームを製造することを特徴とする難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【0012】
【発明の具体的説明】
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール、化学発泡剤、必要に応じて物理発泡剤、触媒その他助剤と、有機ポリイソシアネートとを用いて発泡、硬化させて得られる。
以下まず軟質ポリウレタンフォームを製造する際に用いられる各成分について説明する。
【0013】
[ポリオール]
本発明において有機ポリイソシアネート化合物と反応させるポリオールとは、たとえば多価アルコール、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールなどが例示できる。ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリオキシアルキレンポリオールを用いることがさらに好ましい。これらのポリオールは、単独で用いてもよいが複数を併用してもよい。
【0014】
ポリオールの水酸基価は、一般には20mgKOH/g以上、70mgKOH/g以下で、好ましくは水酸基価25mgKOH/g以上、65mgKOH/g以下で、さらに好ましくは水酸基価30mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下である。
これらポリオールの中でも末端にエチレンオキサイドが5〜30重量%付加されたポリオキシアルキレンポリオールまたはそのポリオキシアルキレンポリオールを含有するポリオールを用いることが好ましい。
【0015】
また連通化剤として、アルキレンオキシド中のエチレンオキシドの含有量が20重量%以上、水酸基価15mgKOH/g以上100mgKOH/g以下のポリオールを0.5〜30部使用することができる。
<ポリオキシアルキレンポリオール>
ポリオキシアルキレンポリオールとは、ポリオキシアルキレンポリエーテルポリオールとも呼称され、アルキレンオキシドを開環重合させて得られたオリゴマーないしは重合物を意味する。通常触媒存在下、活性水素化合物を開始剤としてアルキレンオキシドを開環重合させて得られる。ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際し、開始剤やアルキレンオキシドはそれぞれ単独でも複数併用してもよい。
【0016】
軟質ポリウレタンフォームのキュアー性をより一層高める場合には、末端オキシエチレン基が5重量%以上、30重量%以下あることが好ましく、オキシエチレン基が10重量%以上、25重量%以下であることがさらに好ましい。
(ポリオキシアルキレンポリオール製造用活性水素化合物)
ポリオキシアルキレンポリオールの製造に際して開始剤として用いられる活性水素化合物としては、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物等が挙げられる。
【0017】
(1) 酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物
本発明の方法における活性水素化合物のうち、酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物としては水、炭素数1〜20のカルボン酸、炭素数2〜20でありカルボキシル基を2〜6個有する多価カルボン酸、カルバミン酸類、炭素数1〜20のアルコール、水酸基を2〜8個有する炭素数2〜20の多価アルコール、糖類またはその誘導体、水酸基を1〜3個有する炭素数6〜20の芳香族化合物、2〜8の末端を有しその末端に1〜8の水酸基を有するポリアルキレンオキシド等が挙げられる。
【0018】
炭素数1〜20のカルボン酸としては、たとえば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、フェニル酢酸、ジヒドロ桂皮酸またはシクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、パラメチル安息香酸または2-カルボキシナフタレン等が挙げられる。
カルボキシル基を2〜6個有する炭素数2〜20の多価カルボン酸としては、たとえば、蓚酸、マロン酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、イタコン酸酸、ブタンテトラカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸またはピロメリット酸等が挙げられる。
【0019】
カルバミン酸としては、たとえば、N,N-ジエチルカルバミン酸、N-カルボキシピロリドン、N-カルボキシアニリンまたはN,N'-ジカルボキシ-2,4-トルエンジアミン等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、ノルマル-プロパノール、イソプロパノール、ノルマル-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、ノルマル-オクチルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、アリルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、トリフェニルカルビノールまたはシンナミルアルコール等が挙げられる。
【0020】
水酸基を2〜8個有する炭素数2〜20の多価アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0021】
糖類またはその誘導体としては、たとえば、グルコース、ソルビトール、デキストロース、フラクトースまたはシュクロース等が挙げられる。
水酸基を1〜3個有する炭素数6〜20の芳香族化合物としては、たとえば、フェノール、2-ナフトール、2,6-ジヒドロキシナフタレンまたはビスフェノールA等が挙げられる。
【0022】
2〜8の末端を有しその末端に1〜8の水酸基を有するポリアルキレンオキシドとしては、たとえば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー等であって、2〜8の末端を有しその末端に1〜8の水酸基を有するポリアルキレンオキシドが挙げられる。
(2) 窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物
本発明で用いられる活性水素化合物のうち、窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物としては、炭素数1〜20の脂肪族または芳香族一級アミン、炭素数2〜20の脂肪族または芳香族二級アミン、一級もしくは二級アミノ基を2〜3個有する炭素数2〜20の多価アミン、炭素数4〜20の飽和環状二級アミン、炭素数4〜20の不飽和環状二級アミン、二級アミノ基を2〜3個含む炭素数4〜20の環状の多価アミン、炭素数2〜20の無置換またはN-一置換の酸アミド、5〜7員環の環状アミド類、炭素数4〜10のジカルボン酸のイミド等が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜20の脂肪族または芳香族一級アミンとしては、たとえば、メチルアミン、エチルアミン、ノルマル-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマル-ブチルアミン、イソブチルアミン、sec-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミン、アニリン、o-トルイジン、m-トルイジンまたはp-トルイジン等が挙げられる。
【0024】
炭素数2〜20の脂肪族または芳香族二級アミンとしては、たとえば、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジ-ノルマル-プロピルアミン、エチル-ノルマル-ブチルアミン、メチル-sec-ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、n-メチルアニリンまたはジフェニルアミン等が挙げられる。
【0025】
一級もしくは二級アミノ基を2〜3個有する炭素数2〜20の多価アミンとしては、たとえば、エチレンジアミン、ジ(2-アミノエチル)アミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、トリ(2-アミノエチル)アミン、N,N'-ジメチルエチレンジアミン、N,N'-ジエチルエチレンジアミンまたはジ(2-メチルアミノエチル)アミン等が挙げられる。
【0026】
炭素数4〜20の飽和環状二級アミンとしては、たとえば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンまたは1,2,3,4-テトラヒドロキノリン等が挙げられる。
炭素数4〜20の不飽和環状二級アミンとしては、たとえば、3-ピロリン、ピロール、インドール、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾールまたはプリン等が挙げられる。
【0027】
炭素数4〜20の二級アミノ基を2〜3個含む環状の多価アミンとしては、たとえば、ピペラジン、ピラジンまたは1,4,7-トリアザシクロノナン等が挙げられる。
炭素数2〜20の無置換またはN-一置換の酸アミドとしては、たとえば、アセトアミド、プロピオンアミド、N-メチルプロピオンアミド、N-メチル安息香酸アミドまたはN-エチルステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0028】
5〜7員環の環状アミドとしては、たとえば、2-ピロリドンまたはε-カプロラクタム等が挙げられる。
炭素数4〜10のジカルボン酸のイミドとしては、たとえば、こはく酸イミド、マレイン酸イミドまたはフタルイミド等が挙げられる。
これらの活性水素化合物のうち、水、炭素数1〜20のアルコール、水酸基を2〜8個有する炭素数2〜20の多価アルコール、糖類またはその誘導体、2〜8の末端を有しその末端に1〜8の水酸基を有する分子量100〜50,000のポリアルキレンオキシド、炭素数2〜20の脂肪族または芳香族二級アミン、炭素数2〜20の一級もしくは二級アミノ基を2〜3個有する多価アミン、炭素数4〜20の飽和環状二級アミン、炭素数4〜20の二級アミノ基を2〜3個含む環状の多価アミンが好ましい。
【0029】
さらに、水、炭素数1〜10のアルコール、水酸基を2〜4個有する炭素数2〜10の多価アルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマー等であって、2〜6の末端を有しその末端に2〜6個の水酸基を有する分子量100〜10,000のポリアルキレンオキシド、炭素数2〜10の二級アミノ基を2〜3個有する多価アミン、炭素数4〜10の飽和環状二級アミン、炭素数4〜10の二級アミノ基を2〜3個含む環状の多価アミン等が特に好ましい。
【0030】
(アルキレンオキシド化合物)
このようなポリオキシアルキレンポリオールを製造するに用いられるアルキレンオキシド化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルまたはフェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物である。
【0031】
これらのアルキレンオキシド化合物のうち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシドまたはスチレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドがさらに好ましい。
これらは2種以上を併用してもよい。併用する場合には、複数のアルキレンオキシド化合物を同時に併用する方法、順次に併用する方法または順次を繰り返して行なう方法などがとり得る。
【0032】
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールは、多官能カルボン酸と多官能ヒドロキシル化合物との重縮合によって得られ、汎用ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、芳香族ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0033】
(汎用ポリエステルポリオール)
汎用ポリエステルポリオールとしては、ジカルボン酸と多価アルコールとの重縮合物が挙げられる。
汎用ポリオエステルポリオールに用いられるジカルボン酸としては、アジピン酸、o-フタル酸、m-フタル酸、p-フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、スベリン酸、リシノール酸等が挙げられる。
【0034】
汎用ポリエステルポリオールに用いられる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0035】
(ポリカプロラクトンポリオール)
ε-カプロラクトンと多価アルコールより得られる物であり、通常分子量500〜4000、水酸基価30〜240である。多価アルコールとしては、汎用ポリエステルポリオールに用いられる多価アルコール等を用いることができる。
(芳香族ポリエステルポリオール)
ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を多価アルコールによりエステル交換反応によって製造されるものである。通常水酸基価は60〜200である。
【0036】
[ポリイソシアネート]
本発明で用いられるポリイソシアネートは、脂環族ポリイソシアネートまたはその誘導体が好ましく用いられる。脂環族ポリイソシアネートとしては、多環式ポリイソシアネート化合物またはその誘導体が好ましい。ノルボルナン環を有するポリイソシアネートは、単環式脂肪族であるIPDIと比較して、同一条件下において、たとえばNCO残存量が1/2以下とすることが出来る等反応性に優れ、より生産性の向上に寄与することがあり、多環式ポリウレタンイソシアネートとしてはノルボルネンジイソシアネートまたはその誘導体が好ましい。
【0037】
また、ノルボルネンジイソシアネートのヌレート変性体、ウレタン変性体も好ましく用いられる。これらの変性体のNCO%は41%から5%であり、好ましくは41%から10%である。
ノルボルネンジイソシアネートのウレタン変性体は、ノルボルネンジイソシアネートをポリオールで変性したものであり、この変性体はノルボルネンジイソシアネートとポリールとを混合加熱することにより製造できる。
【0038】
これらのイソシアネート化合物は単独および混合して用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物は、多環式脂環族ポリイソシアネート化合物またはその誘導体と、単環式脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネートまたはそれらの誘導体との混合物であるが好ましい。
多環式脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、2,5(6)-ジイソシアネートメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2-イソシアネートメチルー5(6)-イソシアネートエチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)-ジイソシアネートエチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)-ジイソシアネートプロピルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)-ジイソシアネートブチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5(6)-ジイソシアネートペンチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン、5(6)-ジイソシアネートメチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2-イソシアネートメチルー5(6)-イソシアネートエチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイソシアネートエチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイソシアネートプロピルビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイソシアネートブチルビシクロ[2,2,2]オクタン、2,5(6)-ジイソシアネートペンチルビシクロ[2,2,1]オクタン、3(4),8(9)-ジイソシアネートメチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4)-イソシアネートメチル-8(9)-イソシアネートエチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8(9)-ジイソシアネートエチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8(9)-ジイソシアネートプロピルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8(9)-ジイソシアネートブチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),8(9)-ジイソシアネートペンチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン、3(4),7(8)-ジイソシアネートメチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、3(4)?イソシアネートメチルー7(8)-イソシアネートエチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジイソシアネートエチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジイソシアネートプロピルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジイソシアネートブチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン、3(4),7(8)-ジイソシアネートペンチルビシクロ[4,3,01,6]ノナン等であり、これら単独またはこれらの混合物である。
【0039】
これらの多環式脂肪族ジイソシアネートの中でも、特にノルボルナン環を有する、2,5(6)-ジイソシアネートメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタンが好ましい。これらを2,5―ノルボルナンジイソシアネート(2,5-NBDI)、2,6―ノルボルナンジイソシアネート(2,6-NBDI)と呼称することもあり、2,5体および2,6体を主とするノルボルナンジイソシアネート異性体の混合物をNBDIと呼称する。
【0040】
前記多環式ポリイソシアネート化合物はノルボルナン環を有するものが好ましく、その含有量は50重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。ノルボルナン環を有するイソシアネートとしては、ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体が好ましい。また有機ポリイソシアネートは、多環式ポリイソシアネートを50重量%以上含有し、トルエンジイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシアネートを30重量%以上含有することが特に好ましい。
【0041】
さらに、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートをそれぞれ単独または混合物として、ノルボルネンジイソシアネートに50重量%を超えない範囲で混合して使用することもできる。
[発泡剤]
発泡剤としてはその作用により化学発泡剤と物理発泡剤に分類される。これらはいずれも単独で用いても複数を併用しても良い。
【0042】
(化学発泡剤)
水はポリイソシアネートと反応して炭酸ガスを発生することにより化学発泡剤として使用される。通常使用される量はポリオール総量100重量部に対して1部〜7部が好ましく、さらに好ましくは2.5部〜6部である。
(物理発泡剤)
発泡剤として必要に応じて物理発泡剤も併用することができる。物理発泡剤として、メチレンクロライドや地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類や、ヒドロキシクロロフルオロカーボン類(HCFC-134a等)、炭化水素類(シクロペンタン等)、炭酸ガス、液化炭酸ガス、その他の発泡剤が発泡助剤として水と併用して使用される。その使用量はポリオール100重量部に対して3重量部以下であると発泡が安定し好ましく、2.5重量部以下であることがさらに好ましい。
【0043】
(架橋剤)
架橋剤は特に使用しなくても良いが、使用する場合には水酸基価200〜1800mgKOH/gの化合物が用いられる。たとえばグリセリン等の脂肪族多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等が用いられる。また水酸基価200〜1800mgKOH/gのポリオキシアルキレンポリオールが用いられる他、従来公知の架橋剤がポリオール100重量部に対して0.5部〜10部の間で任意の量使用できる。
【0044】
(シリコーン界面活性剤)
シリコーン界面活性剤としては、軟質ポリウレタンフォームの製造に通常用いられる有機ケイ素系界面活性剤が使用できる。たとえば日本ユニカー社製のL-580等が使用できる。使用量は通常、ポリオール100重量部に対し0.2部〜3部である。
【0045】
(軟質ポリウレタンフォームの製造に際して用いられる触媒)
軟質ポリウレタンフォームの製造に際して用いられる触媒としては従来公知のものが使用できる。使用量はポリオール100重量部に対し0.005部〜10部を使用することが好ましい。
触媒としてはたとえば、トリエチレンジアミンやビス(N,N-ジメチルアミノエチルエーテル)、モルホリン類、ジアザビシクロウンデセン等の脂肪族アミン類やオクタン酸スズやジブチルチンジラウレイト等の有機錫化合物、およびネオデカン酸ビスマス等が用いられる。これらの触媒は単独、または複数種が使用される。
【0046】
本発明で特に好ましい触媒は、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムであり、これらは単独または他の触媒(たとえばアミン系化合物)と併用して用いることができる。触媒として以下の触媒群から選ばれた1種または2種以上をポリオール100重量部に対して0.01〜2.0部使用することが好ましく、さらに好ましくは0.02〜1.5部である。
触媒群:炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム
(紫外線吸収剤など)
本発明では、得られる軟質ウレタンフォーム中に紫外線吸収剤、酸化安定剤、および多機能安定剤の群から選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましい。紫外線吸収剤は、ポリオールに対して50〜100000ppm添加して使用されるが、好ましくは100〜80000ppm、さらに好ましくは500〜50000ppmである。
【0047】
紫外線吸収剤とは紫外線吸収能をもった安定剤であり、特に限定されるわけではないが、たとえば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤、およびニッケルないしコバルト錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0048】
一般に使用できる紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤および/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく、具体的には次に挙げるようなものが有る。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどを例示できる。
【0049】
また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、一般に市販されているものを用いることも可能であり、それらの具体例としては、たとえば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(SEESORB 100(シブロ化成)、バイオソーブ 100(共同)、KEMISORB 10(ケミプロ化成)、ASL 23(湘南化学工業)、UVINUL 400(BASF)、Inhibitor DHBP(Eastman Kodak))、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Sumisorb 110(住友)、SEESORB 101(シブロ化成)、バイオソーブ 110(共同)、KEMISORB 11(ケミプロ化成)、ASL 24(湘南化学工業)、UVINUL M−40(BASF)、サイアソーブ UV 9(ACC)、トミソーブ 300(吉富))、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(SEESORB 101 S(シブロ化成)、KEMISORB 11 S(ケミプロ化成)、ASL 24 S,24 ST(湘南化学工業)、UVINUL MS−40(BASF)、サイアソーブ UV 284(ACC)、ハリソーブ 101S(吉富))、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(アデカスタブ 1413(旭電化)、Sumisorb 130(住友)、SEESORB 102(シブロ化成)、KEMISORB 12(ケミプロ化成)、バイオソーブ 530(共同)、サイアソーブUV 531(ACC)、トミソーブ 800(吉富)、ハリソーブ 108(播磨))、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキベンゾフェノン(InhibitorDHBP(Eastman Kodak)、SEESORB 103(シブロ化成)、KEMISORB 13(ケミプロ化成)、UV−ehek Ald−320(Fero))、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン(アデカスタブ LA−51(旭電化))、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン(KEMISORB111(ケミプロ化成)、サイアソーブ UV 24(ACC))、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ ベンゾフェノン(UVINUL D−49(BASF))が、例示できるが、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
【0050】
またベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2′−メチル−4′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ステアリルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5′−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリアゾールブチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2−(2′−アセトキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを例示できる。また、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、たとえば、、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(アデカスタブ LA−32(旭電化)、Sumisorb 200(住友)、SEESORB 701(シブロ化成)、TINUVIN-P(チバ・ガイギー)、KEMISORB 71(ケミプロ化成)、バイオソーブ 520(共同)、JF−77(城北))、2−[2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール(TINUVIN-234(チバ・ガイギー))、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール(アデカスタブ LA−38(旭電化)、Sumisorb 320(住友)、SEESORB 705(シブロ化成)、TINUVIN-320(チバ・ガイギー)、バイオソーブ 582(共同))、2−(2′−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリゾール(アデカスタブ LA−36(旭電化)、Sumisorb 300(住友)、SEESORB 703(シブロ化成)、TINUVIN-326(チバ・ガイギー)、バイオソーブ(共同)、トミソーブ(吉富)、JF−600(城北))、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(アデカスタブ LA−34(旭電化)、SEESORB702(シブロ化成)、TINUVIN-327(チバ・ガイギー)、KEMISORB 72(ケミプロ化成)、バイオソーブ580(共同))、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミル)−ベンゾトリアゾール(Sumisorb 350(住友)、SEESORB 704(シブロ化成)、TINUVIN-328(チバ・ガイギー)、バイオソーブ 591(共同))、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Sumisorb 340(住友)、SEESORB 709(シブロ化成)、バイオソーブ 583(共同)、JF−83(城北)、Cyasorb UV5411(ACC))、2,2′−メチレン ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール](アデカスタブ LA−31(旭電化))が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるわけではない。
【0051】
サリチレート系紫外線吸収剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートが挙げられる。市販のものとしては、たとえば、フェニルサリシレート(SEESORB 201(シブロ化成)、サロールP(岩城)、KEMISORB 21(ケミプロ化成))、4−t−ブチルフェニルサリシレート(SEESORB 202(シブロ化成)、ブチサロール(岩城)、KEMISORB 28(ケミプロ化成)DICTBS(日本))が挙げられるが、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
【0052】
また、シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートが挙げられる。市販のものとしては、たとえば、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート(SEESORB501(シブロ化成)、バイオソーブ 910(共同)、ユヒソレーター 300(第一化成工業)、UVINUL N−589(BASF))、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート(UVINUL N−589(BASF))が挙げられるが、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
【0053】
さらに、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2−2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2−2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)トリエタノールアミンニッケル(II)が挙げられる。
【0054】
また、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル) 1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、ポリ[(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との重縮合物、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが例示できるが、これらに限定されるものではない。また、市販のヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ビス−[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]セバケート(TINUVIN-770(チバ・ガイギー)、Sanol LS−770(三共)、アデカスタブ LA−77(旭電化))、ビス−[N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル]セバケート(Tinuvin-765(チバ・ガイギー)、SANOL LS 765(三共))、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート(TINUVIN-144(チバ・ガイギー))、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3, 4−ブタン テトラ カルボキシレート(アデカスタブ LA−57(旭電化))、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン テトラ カルボキシレート(アデカスタブ LA−52(旭電化))、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタン テトラ カルボキシレート(アデカスタブ LA−67(旭電化)1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/トリデシル)−1,2,3,4−ブタン テトラ カルボキシレート(アデカスタブ LA−62(旭電化))などが挙げられる。
【0055】
さらに、紫外線吸収剤として、高分子量のものが市販されており、たとえば旭電化製のMARK LA−51、MARK LA−31、シプロ化成製のSEESORB 706、竹本油脂製のUVA 101等が利用可能である。
(酸化防止剤)
酸化防止剤とは酸化防止能をもった耐熱安定剤であり、特に限定されるわけではないが、たとえば、ヒンダードフェノール系安定剤、アミン系安定剤、リン系安定剤、イオウ安定剤等の安定剤が挙げられる。
【0056】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、たとえば3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル−ベンジル)イソシアネート、テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n-オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート]、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールなどが挙げられる。
【0057】
また、リン系安定剤としては、特に限定されるわけではないが、ホスファイト類、たとえばトリデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト、テトラキス2,4−ジ−t−ブチルフェニル−4,4'−ビフェニレン−ジ−ホスファイトなど]およびヒドラジン類(N−サリチロイル−N'−アルデヒドヒドラジンなど)などが例示できる。
【0058】
イオウ系安定剤としては、特に限定されるわけではないが、たとえば、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジラウリル−3,3´−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3´−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3´−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)などを例示できる。
【0059】
また、酸化防止剤として市販されているものを用いることもでき、具体的にはたとえば、チバガイギー製ヒンダードフェノールタイプのIRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX1010、IRGANOX1035あるいは、城北化学工業製リン系化合物JP310、JP333E等が挙げられるが、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
【0060】
これらの酸化防止剤は紫外線吸収剤と併用しても何ら本発明の効果を損なうものではない。
(多機能安定剤)
その他、紫外線吸収剤に代えて多機能安定剤を使用することもできる。多機能安定剤とはたとえば、紫外線吸収機能と酸化防止機能の両機能を併せ持った安定剤であり、具体的には、たとえば、ベンゾトリアゾリル−アルキルビスフェノール化合物を好ましく例示できる。
【0061】
(その他助剤)
その他助剤として、必要に応じて従来公知の難燃剤、顔料等を使用できる。
[軟質ポリウレタンフォームの製造方法]
軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール、上記のような脂環族ポリイソシアネート、発泡剤、必要に応じてその他の成分を用いて発泡、硬化させることによって製造される。その他の成分としては、たとえば架橋剤、シリコーン界面活性剤、触媒、その他添加剤(難燃剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等)等を用いて発泡、硬化させることによって製造される。
【0062】
有機ポリイソシアネートとポリオールとは、発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は必要に応じてポリオールと予め混合することが一般的であり、それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留し必要量を適宜使用してもよい。その他の成分の混合は必要に応じて適宜その混合の組み合わせ、混合順序、混合後の貯留時間等を決定することができる。
【0063】
このような混合物のうちポリオールとその他の成分の混合物、即ちポリオールと化学発泡剤、触媒等、必要に応じて架橋剤、触媒、シリコーン界面活性剤、その他添加剤を混合したものをレジンプレミックスと呼称することがある。これらの組成は必要とされる軟質ポリウレタンフォームの品質によって適宜設定することができる。このレジンプレミックスは上記のような脂環族ポリイソシアネートと反応させる。
【0064】
使用するレジンプレミックスの粘度は、発泡機での混合性、フォームの成形性の観点から2500mPa・s/25℃以下であることが好ましい。
混合方法はダイナミックミキシング、スタティックミキシングいずれでも良く、また両者を併用してもよい。ダイナミックミキシングによる混合方法としては攪拌翼等により混合する方法が挙げられる。またスタティックミキシングによる混合方法としては発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行う方法やスタティックミキサー等を用いて送液配管内で混合を行う方法等が挙げられる。発泡直前で行なわれる混合や物理発泡剤等のガス状成分と液状成分の混合は、スタティックミキシングで実施され、一方貯留可能成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される。
【0065】
混合温度、圧力は目的の軟質ポリウレタンフォームの品質、原料の種類や組成によって必要に応じて任意に設定することができる。
[軟質ポリウレタンフォーム]
本発明で得られる軟質ポリウレタンフォームは、残留湿熱歪みが小さく、しかも難黄変性をも兼ね備えている。
【0066】
すなわち本発明で得られる軟質ポリウレタンフォームは、50℃、相対湿度95%の条件下で50%圧縮を22時間行なった後の残留歪み率(ウエット・セット)の値が30%以下好ましくは25%以下である。
またこの軟質ポリウタレンフォームは、サンシャインウェザーメータ(スガ試験機(株)社製 WEL−SUN−HC)を用いて、水散布せずに、試料表面温度が60〜63℃で24時間にわたって太陽光線全波長域の光照射を行なった後に、ハンター色差計で測定した色相変化(△E)の値が20以下好ましくは17以下さらに好ましくは15以下である。このような色相変化は目視によって評価することもできる。
【0067】
さらにこの軟質ポリウレタンフォームは、耐劣化性にも優れている。
本発明で得られる軟質ポリウレタンフォームは、靴や衣料等の優れた耐光性を要する用途に幅広く用いらうる無黄変または難黄変軟質ポリウレタンフォームである。具体的にはたとえば、肩パッド等の衣料用パッド、ブラジャーパッド等の下着用のパッド、その他衣料の飾りに用いられるパッド類に好適であり、また靴の内部、外部に使用されるクッション材としてのパッド類等に好適である。このような衣料用または靴用に用いられるフォームは、その使用時、または洗濯乾燥時等において太陽光等にさらされるため、難黄変性や無黄変性が要求される。
【0068】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例等によって何等制限されるものではない。
使用したポリオール、有機ポリイソシアネート、触媒は表4に記載した。
(実施例1)
ポリオールA100gを量り取り、架橋剤のトリエタノールアミン(TEOA)を1.5g、水3.0g、触媒B0.25g、触媒D0.7g、シリコーン界面活性剤L−580(日本ユニカー社製)1.0gを混合し、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)48.1gと混合し、3リットルPP製カップに反応混合液を注入し、そのまま発泡硬化させた。NBDIと混合を開始した時間から、フォーム表面からガスが抜けるまでの時間をライズタイムと呼び、この長さを反応性の指標とした。得られた軟質ポリウレタンフォームは2日後に切断し、セル状態を観察し、コアの密度を測定し、Wet Set(50℃、相対湿度95%の条件下に50%圧縮を22時間行った後の残留歪み率)の測定を行った。セル状態の良好な、密度29.2kg/m3のフォームが得られ、ウエットセット(Wet Set)は7.3%と極めて良好な値を示した。また、黄変性はサンシャインウエザーメーターを用い、水散布無し、試料表面温度60〜63℃で24時間太陽光線全波長域の光照射を行い、目視により評価した。この時、本実施例では黄変は全く見られなかった。また劣化性は黄変性を評価したサンプルを擦ったときの触感でぼろぼろ感を評価したが、光未照射のサンプルと比較して表面がややぼろぼろと崩れるような感触があり、僅かにぼろぼろ感が感じられた。
【0069】
結果を表1に示す。
【0070】
結果を表1に示す。
(実施例3〜5)
実施例3では、NBDIのヌレート変性体を使用し、実施例1と同様の操作でフォームを製造し、評価したが、ウエットセットは極めて良好で、黄変は見られず、黄変性の極めて良好なフォームが得られた。実施例4、5では、NBDIウレタン変性体を使用し実施例1と同様の操作でフォームを製造し、評価したが、ウエットセットが多少悪化する他は実施例1と同様黄変は見られず、黄変性が極めて良好なフォームが得られた。但し、NBDIウレタン変性体を用いた場合、ライズタイムが多少遅延する傾向が見られた。
【0071】
結果を表1に示す。
(実施例6〜8、参考例9)実施例6では、NBDIおよびIPDIを表1に示す量で含む有機ポリイソシアネートを用い、実施例1と同様の操作でフォームを製造し、評価した。ウエットセットが多少悪化するが、黄変は見られず、黄変性の極めて良好なフォームが得られた。実施例7では、NBDIおよびTDIを表1に示す量で含む有機ポリイソシアネートを用いた。極僅かな黄変が見られたが、劣化性の改善された、ウエットセットの極めて良好なフォームが得られた。さらに実施例8では、NBDI、TDIおよびIPDIを表1に示す量で含む有機ポリイソシアネートを用いたが、全く黄変の見られない、劣化性にも優れ、ウエットセットも極めて良好なフォームが得られた。参考例9では、ポリオールC(末端にエチレンオキサイドを付加していないポリオール)を用いて発泡を行ったが、黄変性、劣化性は問題が無いが、ライズタイムが350sec.であり反応性が極めて遅くなることから、硬化時間短縮には末端にエチレンオキサイドを付加したポリオールの方が好ましいことがわかる。
【0072】
結果を表1に示す。
(比較例1〜4)
比較例1では、IPDIを用いて発泡を行った。黄変性、劣化性はNBDIを用いたフォームと同等であったが、ウエットセットの値は48%であり、残留歪み特性が極めて悪いものであった。比較例2では、TDIを用いて発泡を行ったが、光照射により、激しい黄変が観測された。比較例3では、TDIおよびNBDIを表1に示す量で含む有機ポリイソシアネートを用いて発泡を行ったが、やはり激しい黄変が見られた。比較例4ではNBDI、IPDIを表1に示す量で含む有機ポリイソシアネートを用い、フォームを製造したが、Wet Setの値が34.5%であり、実用に適さない。
【0073】
結果を表1に示す。
(実施例10〜12)
実施例1のフォームに紫外線吸収剤サノールLS−770(三共製)を添加した実施例を実施例9〜12に示した。紫外線吸収剤を500ppm添加すると、耐劣化性が改善され、10000ppm添加で劣化性評価における表面のぼろぼろ感の全くないフォームが得られる。50000ppm添加しても、特に他物性等に対する悪影響は見られず、劣化性改善のため、紫外線吸収剤をポリオールに対して50〜100000ppm添加して使用することが好ましいことがわかる。
【0074】
結果を表2に示す。
(実施例13〜15、17、参考例16、18、19)実施例13〜15は、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等の無機・有機酸カリウム塩触媒とアミン触媒の組み合わせた例であるが、表3からわかるように何れもセル状態は良好である。参考例16は、無機・有機酸カリウム塩触媒を使用しない例である。この場合もフォームは得られるがセルが荒いものとなっており、無機・有機酸カリウム塩触媒を使用することがより好ましいことがわかる。実施例17は無機・有機酸カリウム塩触媒の使用量を減じた例であるが、ポリオール100重量部に対して0.05重量部まで減じるとセルが荒くなった。また、参考例18、19は無機・有機酸カリウム塩触媒単独触媒の例であるが、やはりセルがやや荒いものとなっており、細かなセル状態のフォームを得るためには炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等の無機・有機酸カリウム塩触媒とアミン触媒の組み合わせを用いることが好ましいことがわかる。
【0075】
結果を表3に示す。
【0076】
【発明の効果】
本発明により、耐黄変性に優れまたは実質的に無黄変で軟質ポリウレタンフォームが得られる。その上湿熱残留歪みが小さく、衣料や靴用途に好適な軟質ポリウレタンフォームが得られる。特にウエットセットの値が極めて良好な軟質ポリウレタンフォームが得られた。多環式脂環族ポリイソシアネートを用いることにより、耐黄変性に優れまたは実質的に無黄変の軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造することができる。
【0077】
また、特定のポリオールの使用や、紫外線吸収剤の使用により、生産性、耐劣化性に優れた無黄変、難黄変軟質ポリウレタンフォームが得られた。さらに特定の触媒を使用することにより、セル状態の良好な無黄変、難黄変軟質ポリウレタンフォームが得られた。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
Claims (8)
- ポリオール、化学発泡剤、触媒、安定剤および、ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を50重量%以上含むポリイシアネート、とからウエットセット(50℃、相対湿度95%の条件下で50%圧縮を22時間行った後の残留歪み率)の値が30%以下である難黄変性軟質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
前記ポリオールが、末端にエチレンオキサイドを5〜30重量%付加されたポリオキシアルキレンポリオールであり、かつ、
前記化学発泡剤が、前記ポリオール総量100重量部に対し2.5〜6重量部であり、
かつ、
前記触媒が、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒と、アミン触媒とを併用し、かつ、
前記アミン触媒が、1 , 8−ジアザ−ビシクロ−(5 , 4 , 0)ウンデセン−7である
ことを特徴とする難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。 - 炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒を、前記ポリオール100重量部に対して0.01〜2.0重量部用いることを特徴とする請求項1に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 前記ポリイソシアネートが、
ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を50重量%以上含み、トルエンジイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシアネートを30重量%以上含有する、ポリイソシアネートである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。 - 得られる難黄変性軟質ポリウレタンフォームが衣料用または靴用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
- ポリオール、化学発泡剤、触媒、安定剤および、ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を50重量%以上含むポリイシアネート、とからウエットセット(50℃、相対湿度95%の条件下で50%圧縮を22時間行った後の残留歪み率)の値が30%以下である難黄変性軟質ポリウレタンフォームであって、
前記ポリオールが、末端にエチレンオキサイドを5〜30重量%付加されたポリオキシアルキレンポリオールであり、かつ、
前記化学発泡剤が、前記ポリオール総量100重量部に対し2.5〜6重量部であり、
かつ、
前記触媒が、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒と、アミン触媒とを併用し、かつ、
前記アミン触媒が、1 , 8−ジアザ−ビシクロ−(5 , 4 , 0)ウンデセン−7である
ことを特徴とする難黄変性軟質ポリウレタンフォーム。 - 炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒を、前記ポリオール100重量部に対して0.01〜2.0重量部用いることを特徴とする請求項5に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
- 前記ポリイソシアネートが、
ノルボルネンジイソシアネートおよび/またはその誘導体を50重量%以上含み、トルエンジイソシアネートおよび/またはイソホロンジイソシアネートを30重量%以上含有する、ポリイソシアネートである
ことを特徴とする請求項5または6に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォーム。 - 得られる難黄変性軟質ポリウレタンフォームが衣料用または靴用であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の難黄変性軟質ポリウレタンフォーム。
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