JP4039833B2 - silica gel - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐水性などに優れた新規なシリカゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカゲルは古くより乾燥剤として広く用いられてきたが、最近は、触媒担体、分離剤、吸着剤等とその用途が広がっている。そこで、各用途に応じた、シリカゲルの性能に対する要求も多様化している。シリカゲルの性能は、シリカゲルの表面積、細孔径、細孔容積、細孔径分布等の物性に大きく影響されるが、これらの物性はシリカゲルの製造条件に大きく影響される。
【0003】
このシリカゲルの製造方法としては、最も一般的には、ケイ酸ソーダ等のケイ酸アルカリ塩を鉱酸で加水分解し、得られるシリカヒドロゾルをゲル化し、乾燥する方法であるが、シリカゲルの性能を改良するため、製造方法の詳細につき多くの提案がなされている。
例えば、特開昭62−113713号公報では、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸との反応により生成したシリカヒドロゾルをゲル化し、これをpH2.5以下の酸溶液で処理し、水洗後、緩衝作用を有する水溶液中でpH4―9に調整して水熱処理することにより、細孔分布の狭いシリカゲルを製造する方法が提案されている。
【0004】
また、特開平9−30809号公報では、シリカヒドロゲルの乾燥を回分式流動乾燥、次いで水熱処理する方法を提案している。この方法でも得られるシリカゲルの性能に変化は認められ、よりシャープな細孔分布を有するシリカゲルが得られる。とは言いながら、細孔容積、比表面積及び平均細孔径を十分変化できるまでには至らず、所望の物性範囲のシリカゲルを得る方法としては十分ではなかった。
【0005】
一方、上記で説明したケイ酸アルカリ塩を原料として得られるシリカゲルには、通常、原料に由来するナトリウム、カルシウム、マグネシウム、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの不純物が相当量含まれている。シリカゲル中の金属不純物の合計は、その含有量がたとえ数百ppm程度の微量であっても、シリカゲルの性能に大きな影響を与える。例えば、1)高温下においてはシリカゲルの結晶化を促進する、2)水存在下ではシリカゲルの水熱反応を促進して、細孔径や細孔容積の拡大、比表面積の低下、細孔分布の拡大をもたらす、3)これらの不純物は、焼結温度を低下させるので、これらを含むシリカゲルを加熱すると比表面積の低下を促進させる、などが挙げられる。そして、かかる影響は、アルカリ金属、アルカリ土類金属の不純物で、特にその傾向が強い。更に、不純物としてチタンやアルミニウムがシリカゲルの表面又はシロキサン結合中に存在すると、酸性点が増加し、触媒担体や吸着剤として用いた場合にシリカゲル自身が好ましからざる触媒作用を発現することもありうる。
【0006】
KIMら(Ultrastable Mesostructured Silica Vesicles Science,282,1302)(1998)には、電気的に中性のgemini界面活性剤とシリカの前駆体との水素結合からなる超分子構造を形成後、gemini界面活性剤を除去することによって、耐熱性(1000℃)、耐水性(100℃で150時間以上)のメソポーラスのモレキュラーシーブの製造について記載されている。
【0007】
不純物を含まないシリカゲルの製造方法として、珪酸アルカリ塩を中和して得るゲルを精製する方法や、シリコンアルコキシドを加水分解する方法が知られているが、特に、後者の方法は、シリコンアルコキシドは蒸留等により精製することができるため、比較的容易に高純度のシリカゲルを得ることが可能である。しかしながら、シリコンアルコキシドからゾル−ゲル法により得られるシリカゲルは、一般に、平均細孔径が小さく、かつ細孔分布も広い。また、このシリカゲルに水熱処理を施しても目立った性能の改良は殆ど報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術の問題点を踏まえ、細孔容積と比表面積が大きいだけでなく、細孔分布が狭く、耐熱性、耐水性などに優れたシリカゲルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、固体Si−NMRでのQ 4 /Q 3 の値が1.3以上であり、以下の特徴を有するシリカゲルに存する。
(a)細孔容積が0.6〜1.6ml/g、
(b)比表面積が300〜1000m2/g、
(c)細孔の最頻直径(Dmax)が20nm未満、
(d)Dmaxの±20%の範囲にある細孔の容積が全細孔容積の50%以上、
(e)非結晶質であること。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明のシリカゲルは、細孔容積と比表面積が通常のものより大きい範囲のものであり、細孔容積は、窒素ガス吸・脱着法で測定して0.6〜1.6ml/g、好ましくは0.8〜1.6ml/gである。また、比表面積は、300〜1000m2/g、更に好ましくは300〜900m2/g、特に好ましくは400〜900m2/gである。これら細孔容積と比表面積は窒素ガス吸脱着によるBET法で測定される。
【0011】
更に、本発明のシリカゲルは、窒素ガス吸脱着法で測定した等温脱着曲線から、E.P.Barrett,L.G.Joyner,P.H.Haklenda,J.Amer.Chem.Soc.,vol.73,373(1951)に記載のBJH法により算出される細孔分布曲線、即ち、細孔直径d(nm)に対して微分窒素ガス吸着量(ΔV/Δ(logd);Vは窒素ガス吸着容積)をプロットした図上での最頻直径(Dmax)が20nm未満であり、下限は特に制限はないが、好ましくは2nm以上である。このことは、本発明のシリカゲルの最頻直径(Dmax)が、通常のシリカゲルより小さい範囲のものであることを意味する。
【0012】
本発明のシリカゲルは、上記の最頻直径(Dmax)の値の±20%の範囲にある細孔の容積が、全細孔容積の通常50%以上、好ましくは60%以上である点においても特徴づけられる。また、上記の最頻直径(Dmax)の値の±20%の範囲にある細孔の容積は、全細孔容積の通常90%以下である。このことは、本発明のシリカゲルが、最頻直径(Dmax)付近の細孔で揃っていることを意味する。
【0013】
かかる特徴に関連して、本発明のシリカゲルは、上記のBJH法により算出された最頻直径(Dmax)における微分細孔容積ΔV/Δ(logd)が、通常2.0〜20.0ml/g、特に5.0〜12.0ml/gであることが好ましい(なお、上式において、dは細孔直径(nm)であり、Vは窒素ガス吸着容積である。)。微分細孔容積ΔV/Δ(logd)が前記範囲に含まれるものは、最頻直径(Dmax)の付近に揃っている細孔の絶対量が極めて多いものと言える。
【0014】
本発明のシリカゲルは、以上の細孔構造の特徴に加えて、その三次元構造を見るに、非結晶質であること、即ち、結晶性構造が認められないという特徴を有する。このことは、本発明のシリカゲルをX線回折で分析した場合に、結晶性ピークが実質的に認められないことを意味する。本発明において非結晶質ではないシリカゲルとは、X線回折パターンで6オングストローム(Å Units d−spacing)を越えた位置に、少なくとも一つの結晶構造のピークを示すものを指す。非結晶質のシリカゲルは、結晶性のシリカゲルに較べて、極めて耐水性に優れている。
【0015】
その他、本発明のシリカゲルの構造に関しては、固体Si−NMRによる分析でも特徴ある結果が得られる。即ち、固体Si−NMRでは、本発明のシリカゲルの、−OSiが3個結合したSi(Q3 )と−OSiが4個結合したSi(Q4 )とのモル比を示す「Q4 /Q3 」の値が通常1.3以上、好ましくは1.5以上である。一般的に、「Q4 /Q3 」の値が大きいほど、その熱安定性が高いものと言われている。「Q4 /Q3 」の値は、通常10以下である。
【0016】
本発明のシリカゲルを特定する最後の特徴は、シリカゲルの骨格を構成するケイ素を除いた、金属不純物の合計含有量が通常500ppm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、最も好ましくは1ppm以下というように、極めて高純度であることである。このように不純物の影響が少ないことは、本発明のシリカゲルにおける耐熱性、耐水性などの優れた性質を発現させることができる大きな要因の一つである。
【0017】
以上説明してきたような物性を有する本発明のシリカゲルは、実質的に水熱処理の前に熟成しない以外はその製造方法が制限されるべきものではなく、珪酸アルカリ塩を加水分解して得られるシリカヒドロゲル、またはシリコンアルコキシドを加水分解して得られるシリカヒドロゲルを水熱処理する方法を応用して製造することができ、好ましくは、シリコンアルコキシドを加水分解する方法である。
【0018】
本発明のシリカゲルの原料として使用されるシリコンアルコキシドとしては、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の炭素数1〜4の低級アルキル基を有するトリまたはテトラアルコキシシラン或いはそれらのオリゴマーが挙げられるが、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びそれらのオリゴマーである。以上のシリコンアルコキシドは蒸留により容易に精製し得るので、高純度のシリカゲルの原料として好適である。シリコンアルコキシド中の金属不純物の総含有量は、通常好ましくは100ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。金属不純物の含有量は、シリカゲル中の不純物の測定法と同じ方法で測定できる。
【0019】
シリコンアルコキシドの加水分解は、シリコンアルコキシド1モルに対して、通常2〜20モル、好ましくは3〜10モル、特に好ましくは4〜8モルの水を用いて行う。シリコンアルコキシドの加水分解により、シリカのヒドロゲルとアルコールが生成する。この加水分解反応は、通常、室温から100℃程度であるが、加圧下で液相を維持することでより高い温度で行うことも可能である。反応時間は反応液組成(シリコンアルコキシドの種類や、水とのモル比)並びに反応温度に依存し、ゲル化するまでの時間が異なるので、一概には規定されない。反応時間はヒドロゲルの破壊応力が6MPaを越えない時間である。なお、反応系に、触媒として、酸、アルカリ、塩類などを添加することで加水分解を促進させることができる。しかしながら、かかる添加物の使用は、後述のように、生成したヒドロゲルの熟成を引き起こすことになるので、本発明のシリカゲルの製造においてはあまり好ましいことではない。
【0020】
上記のシリコンアルコキシドの加水分解反応では、シリコンアルコキシドが加水分解してシリケートが生成するが、引き続いて該シリケートの縮合反応が起こり、反応液の粘度が上昇し、最終的にゲル化してシリカヒドロゲルとなる。本発明のシリカゲルを製造するためには、上記の加水分解により生成したシリカのヒドロゲルの硬さが上昇しないように、実質的に熟成することなく、直ちに水熱処理を行うことが重要である。シリコンアルコキシドを加水分解すると、軟弱なシリカのヒドロゲルが生成するが、このヒドロゲルを安定した熟成、あるいは乾燥させ、更にこれに水熱処理を施し、最終的に細孔特性の制御されたシリカゲルとする従来の方法では、本発明で規定する物性範囲のシリカゲルを製造することができない。
【0021】
上記にある、加水分解により生成したシリカのヒドロゲルを、実質的に熟成することなく、直ちに水熱処理を行うということは、シリカのヒドロゲルが生成した直後の軟弱な状態が維持されたままで、次の、水熱処理に供するようにするということを意味する。シリコンアルコキシドの加水分解反応系に酸、アルカリ、塩類等を添加すること、または該加水分解反応の温度を厳しくし過ぎることなどは、ヒドロゲルの熟成を進行させるため好ましくない。また、加水分解後の後処理における水洗、乾燥、放置などにおいて、必要以上に温度や時間をかけるべきではない。
【0022】
ヒドロゲルの熟成状態を具体的に確認する手段としては、後述の実施例に示すような方法で測定したヒドロゲルの硬度を参考にすることができる。即ち、破壊応力が、通常6MPa以下、好ましくは3MPa以下、更に好ましくは2MPa以下の柔らかい状態のヒドロゲルを水熱処理することで、本発明で規定する物性範囲のシリカゲルを得ることができる。
【0023】
この水熱処理の条件としては、水の状態が液体、気体のいずれでもよく、溶媒や他の気体によって希釈されていてもよいが、好ましくは液体の水が使われる。シリカのヒドロゲルに対して、通常0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜5重量倍、特に好ましくは1〜3重量倍の水を加えてスラリー状とし、通常40〜250℃、好ましくは50〜200℃の温度で、通常0.1〜100時間、好ましくは1〜10時間実施される。水熱処理に使用される水には低級アルコール類、メタノール、エタノール、プロパノールなどが含まれてもよい。また、メンブランリアクターなどを作る目的で、シリカゲルを膜状あるいは層状に粒子、基板、あるいは管などの基体上に形成させた材料の場合にも、この水熱処理方法は適用される。なお、加水分解反応の反応器を用い、続けて温度条件変更により水熱処理を行うことも可能であるが、加水分解反応とその後の水熱処理では最適条件が通常は異なっているため、この方法で本発明のシリカゲルを得ることは一般的には難しい。
【0024】
以上の水熱処理条件において、温度を高くすると得られるシリカゲルの細孔径、細孔容積が大きくなる傾向がある。また、処理時間とともに、得られるシリカゲルの比表面積は、一度極大に達した後、緩やかに減少する傾向がある。以上の傾向を踏まえて、所望の物性値に応じて条件を適宜選択する必要があるが、水熱処理は、シリカゲルの物性を変化させる目的なので、通常、前記の加水分解の反応条件より高温条件とすることが好ましい。
【0025】
水熱処理の温度、時間を上記範囲外に設定すると本発明のシリカゲルを得ることが困難となる。例えば、水熱処理の温度が高すぎると、シリカゲルの細孔径、細孔容積が大きくなりすぎ、また、細孔分布も広がる。逆に、水熱処理の温度が低過ぎると、生成するシリカゲルは、架橋度が低く、熱安定性に乏しくなり、細孔分布にピークが発現しなくなったり、前述した固体Si−NMRでのQ4/Q3値が極端に小さくなる。
【0026】
なお、水熱処理をアンモニア水中で行うと、純水中で行う場合よりも低温で同様の効果が得られる。また、アンモニア水中で水熱処理すると、純水中で処理する場合と比較して、最終的に得られるシリカゲルは一般に疎水性となるが、通常30〜250℃、好ましくは40〜200℃という比較的高温で水熱処理すると、特に疎水性が高くなる。ここでのアンモニア水のアンモニア濃度としては、好ましくは0.001〜10%、特に好ましくは0.005〜5%である。
【0027】
水熱処理されたシリカヒドロゲルは、通常40〜200℃、好ましくは60〜120℃で乾燥する。乾燥方法は特に限定されるものではなく、バッチ式でも連続式でもよく、且つ、常圧でも減圧下でも乾燥することができる。必要に応じ、原料のシリコンアルコキシドに由来する炭素分が含まれている場合には、通常400〜600℃で焼成除去することができる。また、表面状態をコントロールするため、最高900℃の温度で焼成することもある。更に、必要に応じて粉砕、分級することで、最終的に目的としていた本発明のシリカゲルを得る。
【0028】
結晶構造を有するシリカゲルは、水中熱安定性に乏しくなる傾向にあり、ゲル中に細孔を形成するのに用いられる界面活性剤等のテンプレートの存在下でシリコンアルコキシドを加水分解すると、ゲルは容易に結晶構造を含むものとなる。従って、本発明においては、界面活性剤等のテンプレートの非存在下で、すなわち、これらがテンプレートとしての機能を発揮するほどの量は存在しない条件下で加水分解するのが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
(1) シリカのヒドロゲルの硬度測定
5Lセパラブルフラスコ中でシリコンアルコキシドと6モル倍の水を反応させ、反応液の温度が反応により生成するアルコールの沸点に達した後に、反応液をフラスコより抜き取り、抜き出した反応液を50ccのガラス製スクリュー管に一定量(液深で20mm程度)移し、密栓して実質的に一定温度にコントロールされた水浴に保持し、熟成時間の経過と共に破壊強度をデジタルフォースゲージ(株式会社エイ・アンド・ディー社製、型式:AD−4935)にて測定した。該測定器にはプローブ(ステンレス製直径5mmの丸棒)が装着されており、ヒドロゲル中にゆっくりと押し込まれることにより、容器中に保持されたヒドロゲルを圧縮破壊する。ヒドロゲルが圧縮されて破壊される迄の間に示される最大の応力値をもって破壊応力とした。
測定結果を図1に示した。図1は、シリカのヒドロゲルの熟成時間の常用対数を横軸に、破壊応力を縦軸にプロットしたものである。図1より、熟成時間の経過とともに破壊応力が大きくなること、熟成速度が温度に依存していることがわかる。
【0030】
(2)シリカゲルの分析方法
1)細孔容積、比表面積
カンタクローム社製AS−1にてBET窒素吸着等温線を測定し、細孔容積、比表面積を求めた。具体的には細孔容積は相対圧P/P0 =0.98のときの値を採用し、比表面積はP/P0 =0.1,0.2,0.3の3点の窒素吸着量よりBET多点法を用いて算出した。また、BJH法で細孔分布曲線及び最頻直径(Dmax)における微分細孔容積を求めた。測定する相対圧の各点の間隔は0.025とした。
2)粉末X線回折
理学電機社製RAD-RB装置を用い、CuKαを線源として測定を行った。発散スリット1/2deg、散乱スリット1/2deg、受光スリット0.15mmとした。
3)金属不純物の含有量
試料2.5gにフッ酸を加えて加熱し、乾涸させたのち、水を加えて50mlとした。この水溶液を用いてICP発光分析を行った。なお、ナトリウム及びカリウムはフレーム炎光法で分析した。
4)固体Si−NMR(Q4/Q3値)
Bruker社製MSL300固体NMR装置を使用し、共鳴周波数59.2MHz(7.05テスラ)、7mmCP/MAS(Cross Polarization/Magic Angle Spinning)プローブにて、測定を行った。また、試料の回転数は5000rpsとした。
(2) シリカゲルの製造、評価
【0031】
実施例1〜3
ガラス製で、上部に大気開放の水冷コンデンサが取り付けてある5Lセパラブルフラスコ(ジャケット付き)に、純水1000gを仕込んだ。80rpmで撹拌しながら、これにテトラメトキシシラン1400gを3分間かけて仕込んだ。水/テトラメトキシシランのモル比は約6である。セパラブルフラスコのジャケットには50℃の温水を通水した。引き続き撹拌を継続し、内容物が沸点に到達した時点で、撹拌を停止した。引き続き約0.5時間、ジャケットに50℃の温水を通水して生成したゾルをゲル化させた。その後、速やかにゲルを取り出し、目開き600ミクロンのナイロン製網を通してゲルを粉砕し、粉体状のウェットゲル(シリカヒドロゲル)を得た。このヒドロゲル450gと純水450gを1Lのガラス製オートクレーブに仕込み、表−1に示す条件で水熱処理を実施した。所定時間水熱処理した後、No.5A濾紙で濾過し、濾滓を水洗することなく100℃で恒量となるまで減圧乾燥した。
【0032】
得られたシリカゲルの諸物性を表−1に示す。細孔径分布を図2に、粉末X線回折スペクトルの低角側を図3に、広角側を図4に示す。粉末X線回折図には結晶性のピークは出現しておらず、また周期的構造による低角度側(2θ≦5deg)のピークも認められない。
なお、得られたシリカゲルの不純物濃度は、実施例1〜3のいずれのものも、ナトリウム0.2ppm、カリウム0.1ppm、カルシウム0.2ppmで、マグネシウム、アルミニウム、チタン及びジルコニウムは検出されなかった。
【0033】
実施例4
実施例1と同様にしてシリカヒドロゲルを製造した。1Lのオートクレーブにこのシリカゲル450gと1重量%アンモニア水450gを加え、60℃で3時間撹拌することなく、水熱処理を行った。乾燥後のシリカゲルの諸物性を表−1に、その細孔径分布を図2に示す。
比較例1
実施例1で製造したシリカヒドロゲルを密封容器に入れ、冷暗所(10〜15℃)に2週間放置して熟成した後、実施例1と同様にして60℃で3時間水熱処理した。乾燥後のシリカゲルの諸物性を表−1に示す。
比較例2〜4
富士シリシア化学(株)製の触媒担体用シリカゲルCARIACT Gシリーズ(破砕状)の諸物性を表−1に、それらの細孔径分布を図5に示す。
また、G−6の金属不純物濃度を測定したところ、ナトリウム170ppm、マグネシウム31ppm、アルミニウム15ppm、カリウム23ppm、カルシウム160ppm、チタン260ppm、ジルコニウム44ppmであった。
比較例5
実施例1で使用したシリカヒドロゲルの一部を、60℃で48時間真空乾燥させた後、実施例1と同様にして、150℃で3時間水熱処理した。乾燥後のシリカゲルの諸物性を表−1に示す。
【0034】
【表1】

Figure 0004039833
【0035】
(シリカゲルの耐熱性試験)
実施例1、2、比較例2,3のシリカゲル試料を各々5gを石英ビーカーに入れ、電気炉中で空気雰囲気下に200℃/分で所定の熱処理温度まで昇温させた。所定の熱処理温度に1時間保持したのち、直ちにビーカーを室温に取出し、放冷した。この試料につき窒素吸脱着によるBET法で比表面積を測定した結果を図6に示す。図6より実施例のシリカゲルの方が、比較例のシリカゲルより、熱処理をした際の比表面積の変化が小さいことがわかる。
【0036】
(シリカゲルの水中熱安定性試験)
実施例1〜3、比較例2〜4のシリカゲルに、各々純水を加えて40重量%のスラリーを調製した。容積60mlのステンレススチール製のミクロボンベに、上記で調製したスラリー約40mlを入れて密封し、280±1℃のオイルバス中に3日間浸漬した。ミクロボンベからスラリーの一部を抜出し、5A濾紙で濾過した。濾滓は100℃で5時間真空乾燥した。この試料について比表面積を測定した結果を表−2に示す。
【0037】
また、上記の試料について、発散スリット1deg、散乱スリット1degとした以外は前記と同様にして粉末X線パターンを測定した。実施例1〜3、比較例2のシリカゲルではいずれもピークが発現せず、非晶質パターンのままであった。これに対し、比較例3,4のシリカゲルでは、非晶質パターンの中に2θ=20.9°及び26.6°に明瞭なピークが発現した。このピークはα−Quartzのピークと一致するので、比較例3,4のシリカゲルは一部結晶化していると考えられる。これらのシリカゲルが高温・高圧の水熱条件下で結晶化を起し、かつ比表面積の著しい減少を起したのは、これらのシリカゲルがアルカリ金属などを高濃度に含んでいて構造や形状の変化を起しやすいことによるものと考えられる。
【0038】
(シリカゲルの圧壊強度試験)
IR用錠剤成形器(錠剤直径20mm)を圧壊機として使用し、圧壊前後の試料について、BET法により比表面積と細孔容積を測定する。そして、圧壊前後の測定値の変化の大きさを評価する。圧壊前後の測定値に大きな変化がないことは、シリカゲルの比表面積と細孔容積に関する構造的要素の強度が大きいと判断される。上記の試料の圧壊は、試料1.4±0.2gを使用し、常温にて4.0ton/cm2の圧力を3分間加圧することによって行った。実施例1,比較例2のシリカゲルについて試験を行った結果を、表−3に示す。実施例1のシリカゲルは比表面積、細孔容積共に大きな変化がなかったのに対し、比較例2の市販のシリカゲルは、試験後に大きく低下した。
【0039】
【表2】
Figure 0004039833
【0040】
【表3】
Figure 0004039833
【0041】
工業的に得られるシリカゲルには高い機械的強度が要求される。そのまま用いられる場合は、粒子同士、または機器との接触により粒子が壊れて微粉が発生し、それによりシリカゲルが関与する設備の運転に問題をきたしうる。また、成型体として用いられる場合は、成型時にかけられる圧力に耐えられることが重要であり、十分な強度を持たないものは、元々のシリカゲルの細孔特性が生かされない成型体となってしまう。従来のシリカゲルは、十分な強度ではなかった。表−3からも明らかなように、本発明のシリカゲルは十分は圧壊強度を有するものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の新規なシリカゲルは、従来からのシリカゲルと比較して、耐熱性、耐水性に優れ、安定性が高いうえ、高純度である。また、本発明のシリカゲルは、シリコンアルコキシドを原料とした比較的簡単な工程で、且つ、所望の物性範囲に制御されたシリカゲルを製造することができる。
【0043】
本発明のシリカゲルは、従来からのシリカゲルの用途で利用できるが、特に、触媒担体、メンブランリアクターなどとして用いた場合、性能劣化が少なく、より安定に長時間使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリカのヒドロゲルを、35℃、45℃及び55℃の各温度で熟成させた場合の、各熟成時間とその際のヒドロゲルの破壊応力の関係を示す図である。
【図2】 本発明の実施例のシリカゲルの細孔分布を示す図である。
【図3】 本発明の実施例のシリカゲルの粉末X線回折スペクトル(低角側)を示す図である。
【図4】 本発明の実施例のシリカゲルの粉末X線回折スペクトル(広角側)を示す図である。
【図5】 比較例(市販シリカゲル)の細孔分布を示す図である。
【図6】 本発明の実施例のシリカゲル及び比較例のシリカゲルの、加熱による比表面積の変化を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel silica gel excellent in heat resistance and water resistance.
[0002]
[Prior art]
Silica gel has been widely used as a desiccant for a long time, but recently, its use is expanding as a catalyst carrier, a separating agent, an adsorbent and the like. Therefore, the requirements for the performance of silica gel according to each application are diversified. The performance of silica gel is greatly affected by physical properties such as surface area, pore diameter, pore volume, pore diameter distribution, etc. of silica gel, and these physical properties are greatly influenced by the production conditions of silica gel.
[0003]
This silica gel is most commonly produced by hydrolyzing an alkali silicate salt such as sodium silicate with mineral acid, gelling the resulting silica hydrosol, and drying the silica gel. Many proposals have been made for details of the manufacturing method.
For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-1113713, a silica hydrosol formed by the reaction of an alkali silicate aqueous solution and a mineral acid is gelled, treated with an acid solution having a pH of 2.5 or less, washed with water, and buffered. There has been proposed a method for producing silica gel having a narrow pore distribution by adjusting the pH to 4-9 in an aqueous solution having a hydrothermal treatment.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-30809 proposes a method in which silica hydrogel is dried by batch fluidized drying and then hydrothermally treated. A change in the performance of the silica gel obtained by this method is recognized, and a silica gel having a sharper pore distribution can be obtained. Nevertheless, the pore volume, specific surface area, and average pore diameter cannot be sufficiently changed, and it is not sufficient as a method for obtaining silica gel having a desired physical property range.
[0005]
On the other hand, the silica gel obtained using the alkali silicate salt described above as a raw material usually contains a substantial amount of impurities such as sodium, calcium, magnesium, titanium, aluminum, and zirconium derived from the raw material. The total amount of metal impurities in the silica gel has a great influence on the performance of the silica gel even if its content is as small as several hundred ppm. For example, 1) promotes crystallization of silica gel at high temperature, 2) promotes hydrothermal reaction of silica gel in the presence of water, enlarges pore diameter and pore volume, lowers specific surface area, reduces pore distribution 3) Since these impurities lower the sintering temperature, heating the silica gel containing them promotes the reduction of the specific surface area. Such an influence is an impurity of alkali metal or alkaline earth metal, and this tendency is particularly strong. Furthermore, when titanium or aluminum is present as an impurity on the surface of the silica gel or in the siloxane bond, the acidic point increases, and when used as a catalyst carrier or adsorbent, the silica gel itself may exhibit an undesirable catalytic action.
[0006]
KIM et al. (Ultrastable Mesostructured Silica Vesicles Science, 282, 1302) (1998) describes the formation of supramolecular structures consisting of hydrogen bonds between electrically neutral gemini surfactants and silica precursors, followed by gemini surfactant activity. It describes the production of heat-resistant (1000 ° C.) and water-resistant (100 ° C. for 150 hours or more) mesoporous molecular sieves by removing the agent.
[0007]
As a method for producing silica gel containing no impurities, a method for purifying a gel obtained by neutralizing an alkali silicate salt and a method for hydrolyzing silicon alkoxide are known. Since it can be purified by distillation or the like, high-purity silica gel can be obtained relatively easily. However, silica gel obtained from a silicon alkoxide by a sol-gel method generally has a small average pore diameter and a wide pore distribution. In addition, even if this silica gel is subjected to hydrothermal treatment, there has been little reported improvement in performance.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention, light of the above-mentioned problems of the prior art, not only the pore volume and the specific surface area is large, narrow pore distribution, heat resistance, to provide a superior silica gel le in water resistance is there.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The gist of the present invention resides in a silica gel having a Q 4 / Q 3 value of 1.3 or more in solid-state Si-NMR and having the following characteristics.
(A) a pore volume of 0.6 to 1.6 ml / g,
(B) a specific surface area of 300 to 1000 m 2 / g,
(C) the mode diameter (D max ) of the pores is less than 20 nm,
(D) the volume of the pores in the range of ± 20% of D max is 50% or more of the total pore volume,
(E) It must be amorphous.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The silica gel of the present invention has a pore volume and specific surface area that are larger than usual, and the pore volume is preferably 0.6 to 1.6 ml / g, measured by nitrogen gas absorption / desorption method, Is 0.8 to 1.6 ml / g. The specific surface area, 300~1000m 2 / g, more preferably 300~900m 2 / g, particularly preferably 400~900m 2 / g. These pore volume and specific surface area are measured by the BET method by nitrogen gas adsorption / desorption.
[0011]
Furthermore, the silica gel of the present invention is obtained from the isothermal desorption curve measured by the nitrogen gas adsorption / desorption method. P. Barrett, L.M. G. Joyner, P.M. H. Haklenda, J .; Amer. Chem. Soc. , Vol. 73, 373 (1951), the pore distribution curve calculated by the BJH method, that is, the differential nitrogen gas adsorption amount (ΔV / Δ (logd)) with respect to the pore diameter d (nm); The mode diameter (Dmax) on the graph in which (volume) is plotted is less than 20 nm, and the lower limit is not particularly limited, but is preferably 2 nm or more. This means that the mode diameter (Dmax) of the silica gel of the present invention is in a range smaller than that of ordinary silica gel.
[0012]
In the silica gel of the present invention, the volume of the pores in the range of ± 20% of the value of the mode diameter (Dmax) is usually 50% or more, preferably 60% or more of the total pore volume. Characterized. The pore volume in the range of ± 20% of the value of the mode diameter (Dmax) is usually 90% or less of the total pore volume. This means that the silica gel of the present invention is aligned with pores near the mode diameter (Dmax).
[0013]
In relation to such characteristics, the silica gel of the present invention has a differential pore volume ΔV / Δ (logd) at the mode diameter (Dmax) calculated by the BJH method of usually 2.0 to 20.0 ml / g. In particular, it is preferably 5.0 to 12.0 ml / g (where, d is the pore diameter (nm) and V is the nitrogen gas adsorption volume). When the differential pore volume ΔV / Δ (logd) is included in the above range, it can be said that the absolute amount of pores arranged in the vicinity of the mode diameter (Dmax) is extremely large.
[0014]
Sheet Rikageru of the present invention, in addition to the features of the above pore structure, to see the three-dimensional structure, it is amorphous, i.e., has the feature that the crystalline structure is not observed. This means that when the sheet Rikageru of the present invention were analyzed by X-ray diffraction, it means that the crystallinity peak is not substantially observed. In the present invention, non-amorphous silica gel refers to a silica having a peak of at least one crystal structure at a position exceeding 6 angstroms (Å Units d-spacing) in the X-ray diffraction pattern. Amorphous silica gel is extremely excellent in water resistance compared to crystalline silica gel.
[0015]
Other, for the structure of the sheet Rikageru of the present invention, wherein there results can be obtained in analysis by solid Si-NMR. That is, in the solid Si-NMR, the sheet Rikageru of the present invention, a molar ratio of -OSi is three bonded Si (Q 3) and Si (Q 4) which -OSi has four binding "Q 4 / The value of “Q 3 ” is usually 1.3 or more, preferably 1.5 or more. Generally, it is said that the greater the value of “Q 4 / Q 3 ”, the higher the thermal stability. The value of “Q 4 / Q 3 ” is usually 10 or less.
[0016]
Last feature that identifies the sheet Rikageru of the present invention, except for the silicon constituting the skeleton of the silica gel, usually 500ppm or less a total content of metal impurities is preferably 100ppm or less, more preferably 10ppm or less, and most preferably 1ppm The following is extremely high purity. Thus the influence of impurities is small, the heat resistance in sheet Rikageru of the present invention, is one of the major factors that can exhibit excellent properties such as water resistance.
[0017]
The silica gel of the present invention having the physical properties as described above is not limited in its production method except that it is not substantially ripened before hydrothermal treatment. Silica obtained by hydrolyzing an alkali silicate salt A hydrogel or a silica hydrogel obtained by hydrolyzing silicon alkoxide can be produced by applying a hydrothermal treatment method, and a method of hydrolyzing silicon alkoxide is preferred.
[0018]
As silicon alkoxide used as a raw material of the silica gel of the present invention, a lower alkyl group having 1 to 4 carbon atoms such as trimethoxysilane, tetramethoxysilane, triethoxysilane, tetraethoxysilane, tetrapropoxysilane, tetrabutoxysilane and the like. Examples thereof include tri- or tetraalkoxysilane or oligomers thereof, and tetramethoxysilane, tetraethoxysilane and oligomers thereof are preferable. Since the above silicon alkoxide can be easily purified by distillation, it is suitable as a raw material for high-purity silica gel. The total content of metal impurities in the silicon alkoxide is usually preferably 100 ppm or less, more preferably 10 ppm or less. The content of metal impurities can be measured by the same method as the method for measuring impurities in silica gel.
[0019]
The hydrolysis of the silicon alkoxide is usually performed using 2 to 20 mol, preferably 3 to 10 mol, particularly preferably 4 to 8 mol, of water with respect to 1 mol of the silicon alkoxide. Hydrolysis of the silicon alkoxide produces silica hydrogel and alcohol. This hydrolysis reaction is usually from room temperature to about 100 ° C., but it can also be performed at a higher temperature by maintaining the liquid phase under pressure. The reaction time depends on the composition of the reaction solution (type of silicon alkoxide and molar ratio with water) and the reaction temperature, and since the time until gelation varies, it is not generally specified. The reaction time is the time when the fracture stress of the hydrogel does not exceed 6 MPa. In addition, hydrolysis can be accelerated | stimulated by adding an acid, an alkali, salts, etc. to a reaction system as a catalyst. However, the use of such additives is not very preferable in the production of the silica gel of the present invention because it causes aging of the produced hydrogel, as will be described later.
[0020]
In the above silicon alkoxide hydrolysis reaction, the silicon alkoxide is hydrolyzed to produce a silicate. Subsequently, a condensation reaction of the silicate occurs, the viscosity of the reaction solution rises, and finally gelates to form a silica hydrogel. Become. In order to produce the silica gel of the present invention, it is important to immediately perform a hydrothermal treatment without substantially aging so that the hardness of the hydrogel of silica produced by the above hydrolysis does not increase. Hydrolysis of silicon alkoxide produces a soft silica hydrogel. This hydrogel is stably aged or dried, and then hydrothermally treated, finally resulting in silica gel with controlled pore properties. In this method, silica gel having the physical property range defined in the present invention cannot be produced.
[0021]
Immediate hydrothermal treatment of the hydrogel of silica generated by hydrolysis without substantial aging described above means that the soft state immediately after the formation of the hydrogel of silica is maintained and the following conditions are maintained. It means to be subjected to hydrothermal treatment. It is not preferable to add acid, alkali, salt, or the like to the silicon alkoxide hydrolysis reaction system, or to make the temperature of the hydrolysis reaction too strict, since the aging of the hydrogel proceeds. Also, temperature and time should not be taken more than necessary in washing, drying, leaving, etc. in post-treatment after hydrolysis.
[0022]
As a means for specifically confirming the aging state of the hydrogel, the hardness of the hydrogel measured by a method as shown in the examples described later can be referred to. That is, a silica gel having a physical property range defined in the present invention can be obtained by hydrothermally treating a soft hydrogel having a fracture stress of usually 6 MPa or less, preferably 3 MPa or less, more preferably 2 MPa or less.
[0023]
As conditions for this hydrothermal treatment, the state of water may be either liquid or gas, and it may be diluted with a solvent or other gas, but preferably liquid water is used. 0.1 to 10 times by weight, preferably 0.5 to 5 times by weight, particularly preferably 1 to 3 times by weight water is added to the silica hydrogel to form a slurry, usually 40 to 250 ° C., preferably Is carried out at a temperature of 50 to 200 ° C. for usually 0.1 to 100 hours, preferably 1 to 10 hours. The water used for the hydrothermal treatment may contain lower alcohols, methanol, ethanol, propanol and the like. The hydrothermal treatment method is also applied to a material in which silica gel is formed on a substrate such as a particle, a substrate, or a tube in the form of a film or a layer for the purpose of making a membrane reactor or the like. It is also possible to perform hydrothermal treatment by changing the temperature conditions using a hydrolysis reaction reactor, but the optimum conditions are usually different between the hydrolysis reaction and the subsequent hydrothermal treatment. It is generally difficult to obtain the silica gel of the present invention.
[0024]
Under the above hydrothermal treatment conditions, increasing the temperature tends to increase the pore diameter and pore volume of the silica gel obtained. Further, with the treatment time, the specific surface area of the silica gel obtained tends to decrease gradually after reaching the maximum once. Based on the above tendency, it is necessary to appropriately select the conditions according to the desired physical property values, but since hydrothermal treatment is intended to change the physical properties of silica gel, it is usually at a higher temperature than the hydrolysis reaction conditions described above. It is preferable to do.
[0025]
If the hydrothermal treatment temperature and time are set outside the above ranges, it will be difficult to obtain the silica gel of the present invention. For example, if the hydrothermal treatment temperature is too high, the pore diameter and pore volume of the silica gel become too large, and the pore distribution is also widened. On the other hand, if the hydrothermal treatment temperature is too low, the resulting silica gel has a low degree of crosslinking, poor thermal stability, no peaks in the pore distribution, or Q 4 in the solid Si-NMR described above. / Q 3 value becomes extremely small.
[0026]
When the hydrothermal treatment is performed in ammonia water, the same effect can be obtained at a lower temperature than in pure water. In addition, when hydrothermal treatment is performed in ammonia water, the silica gel finally obtained is generally hydrophobic as compared with the case of treatment in pure water, but is usually 30 to 250 ° C, preferably 40 to 200 ° C. When hydrothermal treatment is performed at a high temperature, the hydrophobicity becomes particularly high. The ammonia concentration here is preferably 0.001 to 10%, particularly preferably 0.005 to 5%.
[0027]
The hydrothermally treated silica hydrogel is usually dried at 40 to 200 ° C, preferably 60 to 120 ° C. The drying method is not particularly limited, and it may be a batch type or a continuous type, and can be dried under normal pressure or reduced pressure. If necessary, when a carbon component derived from the raw material silicon alkoxide is contained, it can be usually removed by baking at 400 to 600 ° C. Moreover, in order to control a surface state, it may bake at the temperature of a maximum of 900 degreeC. Furthermore, the final silica gel of the present invention is obtained by pulverizing and classifying as necessary.
[0028]
Silica gel with a crystal structure tends to have poor thermal stability in water, and gels are easy to hydrolyze silicon alkoxide in the presence of a template such as a surfactant used to form pores in the gel. Includes a crystal structure. Therefore, in the present invention, it is preferable to hydrolyze in the absence of a template such as a surfactant, that is, in a condition where there is no such an amount that it functions as a template.
[0029]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not restrict | limited to a following example, unless the summary is exceeded.
(1) Hardness measurement of silica hydrogel In a 5 L separable flask, silicon alkoxide was reacted with 6 moles of water, and after the temperature of the reaction solution reached the boiling point of the alcohol produced by the reaction, the reaction solution was extracted from the flask. The transferred reaction solution is transferred to a 50 cc glass screw tube (approximately 20 mm in depth), kept tightly in a water bath controlled at a substantially constant temperature, and the breaking strength is digitalized over time. It was measured with a force gauge (manufactured by A & D Co., Ltd., model: AD-4935). A probe (stainless steel round bar with a diameter of 5 mm) is attached to the measuring instrument, and the hydrogel held in the container is compressed and broken by being slowly pushed into the hydrogel. The maximum stress value shown until the hydrogel was compressed and destroyed was taken as the breaking stress.
The measurement results are shown in FIG. FIG. 1 is a plot of the common logarithm of the aging time of a silica hydrogel on the horizontal axis and the fracture stress on the vertical axis. As can be seen from FIG. 1, the fracture stress increases with the aging time, and the aging rate depends on the temperature.
[0030]
(2) Analysis method of silica gel 1) Pore volume and specific surface area BET nitrogen adsorption isotherm was measured with AS-1 manufactured by Cantachrome Co., and the pore volume and specific surface area were determined. Specifically, the pore volume adopts a value when the relative pressure P / P0 = 0.98, and the specific surface area is the nitrogen adsorption amount at three points of P / P0 = 0.1, 0.2, 0.3. It was calculated using the BET multipoint method. Further, the pore distribution curve and the differential pore volume at the mode diameter (Dmax) were determined by the BJH method. The interval between each point of the relative pressure to be measured was 0.025.
2) Powder X-ray diffraction Using a RAD-RB apparatus manufactured by Rigaku Denki Co., Ltd., measurement was performed using CuKα as a radiation source. The divergence slit was ½ deg, the scattering slit was ½ deg, and the light receiving slit was 0.15 mm.
3) Content of metal impurities To 2.5 g of sample, hydrofluoric acid was added and heated to dryness, and then water was added to make 50 ml. ICP emission analysis was performed using this aqueous solution. Sodium and potassium were analyzed by flame flame light method.
4) Solid Si-NMR (Q 4 / Q 3 value)
Measurement was performed using a Bruker MSL300 solid-state NMR apparatus with a resonance frequency of 59.2 MHz (7.05 Tesla) and a 7 mm CP / MAS (Cross Polarization / Magic Angle Spinning) probe. The rotation speed of the sample was 5000 rps.
(2) Manufacture and evaluation of silica gel [0031]
Examples 1-3
1000 g of pure water was charged into a 5 L separable flask (with a jacket) made of glass and fitted with a water-cooled condenser open to the atmosphere at the top. While stirring at 80 rpm, 1400 g of tetramethoxysilane was charged into this over 3 minutes. The water / tetramethoxysilane molar ratio is about 6. Warm water at 50 ° C. was passed through the jacket of the separable flask. Stirring was continued, and the stirring was stopped when the contents reached the boiling point. Subsequently, hot water of 50 ° C. was passed through the jacket for about 0.5 hour to gel the sol produced. Thereafter, the gel was quickly taken out and pulverized through a nylon net having an opening of 600 microns to obtain a powdery wet gel (silica hydrogel). 450 g of this hydrogel and 450 g of pure water were charged into a 1 L glass autoclave, and hydrothermal treatment was performed under the conditions shown in Table-1. After hydrothermal treatment for a predetermined time, no. It filtered with 5A filter paper, and it dried under reduced pressure until it became constant weight at 100 degreeC, without washing with water.
[0032]
Various physical properties of the obtained silica gel are shown in Table-1. The pore diameter distribution is shown in FIG. 2, the low angle side of the powder X-ray diffraction spectrum is shown in FIG. 3, and the wide angle side is shown in FIG. In the powder X-ray diffraction diagram, no crystalline peak appears, and no peak on the low angle side (2θ ≦ 5 deg) due to the periodic structure is observed.
The impurity concentration of the obtained silica gel was 0.2 ppm for sodium, 0.1 ppm for potassium and 0.2 ppm for calcium in any of Examples 1 to 3, and magnesium, aluminum, titanium and zirconium were not detected. .
[0033]
Example 4
A silica hydrogel was produced in the same manner as in Example 1. 450 g of this silica gel and 450 g of 1 wt% ammonia water were added to a 1 L autoclave, and hydrothermal treatment was performed without stirring at 60 ° C. for 3 hours. The physical properties of the silica gel after drying are shown in Table 1, and the pore size distribution is shown in FIG.
Comparative Example 1
The silica hydrogel produced in Example 1 was placed in a sealed container, allowed to stand in a cool dark place (10 to 15 ° C.) for 2 weeks, and then hydrothermally treated at 60 ° C. for 3 hours in the same manner as in Example 1. Various physical properties of the silica gel after drying are shown in Table-1.
Comparative Examples 2-4
Various physical properties of silica gel CARIACT G series (crushed) for catalyst carrier manufactured by Fuji Silysia Chemical Co., Ltd. are shown in Table 1, and their pore size distribution is shown in FIG.
Further, when the metal impurity concentration of G-6 was measured, it was 170 ppm for sodium, 31 ppm for magnesium, 15 ppm for aluminum, 23 ppm for potassium, 160 ppm for calcium, 260 ppm for titanium, and 44 ppm for zirconium.
Comparative Example 5
A part of the silica hydrogel used in Example 1 was vacuum-dried at 60 ° C. for 48 hours, and then hydrothermally treated at 150 ° C. for 3 hours in the same manner as in Example 1. Various physical properties of the silica gel after drying are shown in Table-1.
[0034]
[Table 1]
Figure 0004039833
[0035]
(Silica gel heat resistance test)
5 g of each of the silica gel samples of Examples 1 and 2 and Comparative Examples 2 and 3 were placed in a quartz beaker and heated to a predetermined heat treatment temperature at 200 ° C./min in an air furnace in an air atmosphere. After maintaining at a predetermined heat treatment temperature for 1 hour, the beaker was immediately taken to room temperature and allowed to cool. FIG. 6 shows the result of measuring the specific surface area of this sample by the BET method using nitrogen adsorption / desorption. It can be seen from FIG. 6 that the change in the specific surface area when the heat treatment is performed is smaller in the silica gel of the example than in the silica gel of the comparative example.
[0036]
(Silica gel thermal stability test in water)
Pure water was added to each of the silica gels of Examples 1 to 3 and Comparative Examples 2 to 4 to prepare 40 wt% slurries. About 40 ml of the slurry prepared above was sealed in a stainless steel microbomb having a volume of 60 ml, and immersed in an oil bath at 280 ± 1 ° C. for 3 days. A part of the slurry was extracted from the microbomb and filtered through 5A filter paper. The filter cake was vacuum-dried at 100 ° C. for 5 hours. The results of measuring the specific surface area of this sample are shown in Table 2.
[0037]
Moreover, about said sample, the powder X-ray pattern was measured like the above except having set it as the divergence slit 1deg and the scattering slit 1deg. None of the silica gels of Examples 1 to 3 and Comparative Example 2 exhibited a peak and remained in an amorphous pattern. In contrast, in the silica gels of Comparative Examples 3 and 4, clear peaks appeared at 2θ = 20.9 ° and 26.6 ° in the amorphous pattern. Since this peak coincides with the α-Quartz peak, the silica gels of Comparative Examples 3 and 4 are considered to be partially crystallized. These silica gels crystallized under high-temperature and high-pressure hydrothermal conditions, and the specific surface area decreased significantly because these silica gels contained a high concentration of alkali metals, etc. This is thought to be caused by the fact that
[0038]
(Crushing strength test of silica gel)
Using a tableting machine for IR (tablet diameter 20 mm) as a crusher, the specific surface area and pore volume of the sample before and after crushing are measured by the BET method. And the magnitude | size of the change of the measured value before and behind crushing is evaluated. The fact that there is no significant change in the measured values before and after crushing is considered to be that the strength of the structural elements related to the specific surface area and pore volume of silica gel is large. The above sample was crushed by using a sample of 1.4 ± 0.2 g and applying a pressure of 4.0 ton / cm 2 for 3 minutes at room temperature. The results of testing the silica gel of Example 1 and Comparative Example 2 are shown in Table-3. The silica gel of Example 1 was not significantly changed in specific surface area and pore volume, whereas the commercially available silica gel of Comparative Example 2 was greatly lowered after the test.
[0039]
[Table 2]
Figure 0004039833
[0040]
[Table 3]
Figure 0004039833
[0041]
Industrially obtained silica gel is required to have high mechanical strength. When it is used as it is, the particles are broken by contact with each other or equipment to generate fine powder, which may cause a problem in the operation of the equipment in which silica gel is involved. In addition, when used as a molded body, it is important to be able to withstand the pressure applied at the time of molding, and those that do not have sufficient strength result in a molded body that does not utilize the pore characteristics of the original silica gel. Conventional silica gel was not strong enough. As is clear from Table 3, the silica gel of the present invention has sufficient crushing strength.
[0042]
【The invention's effect】
The novel silica gel of the present invention has excellent heat resistance and water resistance, high stability and high purity as compared with conventional silica gel. Further, the silica gel of the present invention can be produced by a relatively simple process using silicon alkoxide as a raw material and controlled in a desired physical property range.
[0043]
The silica gel of the present invention can be used for conventional silica gel applications. In particular, when used as a catalyst carrier, a membrane reactor, etc., the performance of the silica gel is small and it can be used more stably for a long time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between each aging time and the fracture stress of the hydrogel at that time when the silica hydrogel was aged at 35 ° C., 45 ° C., and 55 ° C. FIG.
FIG. 2 is a diagram showing the pore distribution of silica gel in an example of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a powder X-ray diffraction spectrum (low angle side) of silica gel in an example of the present invention.
FIG. 4 is a graph showing a powder X-ray diffraction spectrum (wide angle side) of silica gel of an example of the present invention.
FIG. 5 is a view showing the pore distribution of a comparative example (commercially available silica gel).
FIG. 6 is a graph showing changes in specific surface area of the silica gel of an example of the present invention and the silica gel of a comparative example by heating.

Claims (10)

固体Si−NMRでのQ 4 /Q 3 の値が1.3以上であり、以下の特徴を有するシリカゲル。
(a)細孔容積が0.6〜1.6ml/g、
(b)比表面積が300〜1000m2 /g、
(c)細孔の最頻直径(Dmax)が20nm未満、
(d)Dmaxの±20%の範囲にある細孔の容積が全細孔容積の50%以上、
(e)非結晶質であること。
A silica gel having a Q 4 / Q 3 value of 1.3 or more in solid-state Si-NMR and having the following characteristics.
(A) a pore volume of 0.6 to 1.6 ml / g,
(B) a specific surface area of 300 to 1000 m 2 / g,
(C) the mode diameter (D max ) of the pores is less than 20 nm,
(D) the volume of the pores in the range of ± 20% of D max is 50% or more of the total pore volume,
(E) It must be amorphous.
細孔容積が0.8〜1.6ml/gである請求項1のシリカゲル。  2. The silica gel according to claim 1, which has a pore volume of 0.8 to 1.6 ml / g. 比表面積が400〜900m2/gである請求項1または2のシリカゲル。The silica gel according to claim 1 or 2, which has a specific surface area of 400 to 900 m 2 / g. 最頻直径(Dmax)が2nm以上である請求項1から3いずれかのシリカゲル。The silica gel according to any one of claims 1 to 3, wherein a mode diameter ( Dmax ) is 2 nm or more. 最頻直径(Dmax)の±20%の範囲にある細孔の容積が、全細孔容積の60%以上である請求項1から4いずれかのシリカゲル。The silica gel according to any one of claims 1 to 4, wherein the volume of the pores in the range of ± 20% of the mode diameter ( Dmax ) is 60% or more of the total pore volume. 金属不純物の含有量が500ppm以下である請求項1から5いずれかのシリカゲル。  The silica gel according to any one of claims 1 to 5, wherein the content of metal impurities is 500 ppm or less. 金属不純物の含有量が10ppm以下である請求項1から6いずれかのシリカゲル。  The silica gel according to any one of claims 1 to 6, wherein the content of metal impurities is 10 ppm or less. 金属不純物の含有量が1ppm以下である請求項1から7いずれかのシリカゲル。  The silica gel according to any one of claims 1 to 7, wherein the content of metal impurities is 1 ppm or less. 最頻直径(Dmax)における微分細孔容積が2.0〜20.0ml/gである請求項1から8いずれかのシリカゲル。9. The silica gel according to claim 1, wherein the differential pore volume at the mode diameter (D max ) is 2.0 to 20.0 ml / g. シリコンアルコキシドを加水分解する工程を経て製造される請求項1からいずれかのシリカゲル。The silica gel according to any one of claims 1 to 9, which is produced through a step of hydrolyzing silicon alkoxide.
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