JP4016956B2 - エンジンの可変動弁機構及びその制御装置 - Google Patents

エンジンの可変動弁機構及びその制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方の最大バルブリフト量を可変とすることのできるエンジンの可変動弁機構に関する。
こうした可変動弁機構としては、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
図23に、可変動弁機構の斜視構造を示す。
可変動弁機構91は、エンジンバルブ(吸気バルブまたは排気バルブ)をリフトさせる仲介駆動機構92を備えている。
仲介駆動機構92は、コントロールシャフト93と連動して軸方向へ移動することのできるスライダギア94、このスライダギア94と噛合する入力アーム95及び出力アーム96を備えている。
可変動弁機構91では、適宜のアクチュエータを通じてコントロールシャフト93を軸方向へ移動し、入力アーム95と出力アーム96のノーズ96aとの相対位相差を変更することにより、対応するエンジンバルブの最大リフト量を変更することができる。
なお、本発明にかかる特許文献1としては、以下に示す特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
特開2001−263015号公報 特開平9−287426号公報
ところで、上記可変動弁機構91を搭載したエンジンにおいては、各出力アーム96のノーズ96aとこれに対応する入力アーム95との相対位相差が可変動弁機構91内で一致していない場合、例えば、吸気バルブの最大リフト量が各バルブ間で異なることによりトルク変動をまねくようになる。
従って、可変動弁機構91の組み付けに際しては、上記相対位相差を調整するために、必要に応じて出力アーム96と入力アーム95との間や出力アーム96とシリンダヘッドの軸受部との間に調整部材を介在させるようにしている。
このため、従来の可変動弁機構91の組み付け作業においては、こうした調整部材の取り付けにより作業効率の低下が避けられないものとなっている。
なお、その他の可変動弁機構としては、特許文献2に記載の装置が知られている。
この可変動弁機構では、油圧シリンダ機構によりシリンダ毎に最大リフト量の調整を行うことができるようにしている。
こうした構成を採用した場合には、油圧シリンダ機構や油路の形成が必要となるため、装置の大型化や複雑化をまねくようになる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存の装置の構成を極力維持しつつ組み付けに際して作業効率の向上を図ることのできるエンジンの可変動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
<請求項1>
請求項1に記載の発明は、エンジンのカムシャフトによる入力アームの揺動を出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動を通じてエンジンバルブをリフトさせるとともに、前記入力アーム及び出力アーム内に設けられたスライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、相対回転可能に嵌め合わされたインナ及びアウタと、前記インナと前記アウタとを相対回転させる位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成したことを要旨としている。
上記構成では、インナとアウタとを相対回転させることにより、インナとアウタとの相対位相差を変更することができるようにしている。これにより、各出力アームとこれに対応する入力アームとの相対位相差の調整に際して、調整部材を用いる必要がなくなるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。また、既存の可変動弁機構に対して当該発明を適用する際、変更箇所は出力アームのみとなるため、既存の装置構成を極力維持することができるようにもなる。
<請求項2>
請求項2に記載の発明は、エンジンのカムシャフトによる入力アームの揺動を出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動を通じてエンジンバルブをリフトさせるとともに、前記入力アーム及び出力アーム内に設けられたスライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、前記スライダギアと噛合するスプライン部及び径方向外方へ突出した突部を有する略管状のインナと、前記突部の周方向への移動を許容した状態で前記インナを収容可能な略管状のアウタと、これらインナとアウタとを嵌め合わせた状態において、前記突部を周方向へ変位させて前記インナと前記アウタとを相対回転させることにより前記インナと前記アウタとの相対位相を変更する位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成したことを要旨としている。
上記構成では、インナとアウタとを相対回転させることにより、インナとアウタとの相対位相差を変更することができるようにしている。これにより、各出力アームとこれに対応する入力アームとの相対位相差の調整に際して、調整部材を用いる必要がなくなるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。また、既存の可変動弁機構に対して当該発明を適用する際、変更箇所は出力アームのみとなるため、既存の装置構成を極力維持することができるようにもなる。
<請求項3>
請求項3に記載の発明は、エンジンバルブに対応して設けられたカムシャフトと、カムシャフトのカムと協働して前記エンジンバルブをリフトさせるバルブリフト部とを備えたエンジンに適用されて、前記カムシャフトに対応して設けられたコントロールシャフトと、該コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動可能なスライダギアと、スライダギア上に設けられて前記カムシャフトのカムと接触する入力アームと、前記スライダギア上に設けられて前記バルブリフト部と接触する出力アームとを備え、前記カムによる前記入力アームの揺動を前記出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動による前記バルブリフト部の駆動を通じて前記エンジンバルブをリフトさせるとともに、前記コントロールシャフトを通じて前記スライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、相対回転可能に嵌め合わされたインナ及びアウタと、前記インナと前記アウタとを相対回転させる位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成したことを要旨としている。
上記構成では、インナとアウタとを相対回転させることにより、インナとアウタとの相対位相差を変更することができるようにしている。これにより、各出力アームとこれに対応する入力アームとの相対位相差の調整に際して、調整部材を用いる必要がなくなるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。また、既存の可変動弁機構に対して当該発明を適用する際、変更箇所は出力アームのみとなるため、既存の装置構成を極力維持することができるようにもなる。
<請求項4>
請求項4に記載の発明は、エンジンバルブに対応して設けられたカムシャフトと、カムシャフトのカムと協働して前記エンジンバルブをリフトさせるバルブリフト部とを備えたエンジンに適用されて、前記カムシャフトに対応して設けられたコントロールシャフトと、該コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動可能なスライダギアと、スライダギア上に設けられて前記カムシャフトのカムと接触する入力アームと、前記スライダギア上に設けられて前記バルブリフト部と接触する出力アームとを備え、前記カムによる前記入力アームの揺動を前記出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動による前記バルブリフト部の駆動を通じて前記エンジンバルブをリフトさせるとともに、前記コントロールシャフトを通じて前記スライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、前記スライダギアと噛合するスプライン部及び径方向外方へ突出した突部を有する略管状のインナと、前記突部の周方向への移動を許容した状態で前記インナを収容可能な略管状のアウタと、これらインナとアウタとを嵌め合わせた状態において、前記突部を周方向へ変位させて前記インナと前記アウタとを相対回転させることにより前記インナと前記アウタとの相対位相を変更する位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成したことを要旨としている。
上記構成では、インナとアウタとを相対回転させることにより、インナとアウタとの相対位相差を変更することができるようにしている。これにより、各出力アームとこれに対応する入力アームとの相対位相差の調整に際して、調整部材を用いる必要がなくなるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。また、既存の可変動弁機構に対して当該発明を適用する際、変更箇所は出力アームのみとなるため、既存の装置構成を極力維持することができるようにもなる。
<請求項5>
請求項5に記載の発明は、請求項2または4に記載のエンジンの可変動弁機構において、前記突部を周方向の一方へ押圧するアジャストスクリュと、
前記突部を前記アジャストスクリュの押圧方向と反対の方向へ押圧する弾性体とを備えて前記位相変更手段を構成したことを要旨としている。
上記構成では、アジャストスクリュを通じて突起の周方向の位置を変更することにより、インナとアウタとを相対回転させることが可能となる。このように、簡易な構成をもってインナとアウタとの相対位相差を変更できるようにしているため、装置の複雑化を好適に回避することができるようになる。
<請求項6>
請求項6に記載の発明は、請求項2または4に記載のエンジンの可変動弁機構において、前記突部を周方向の一方へ押圧する電動アクチュエータと、
前記突部を前記電動アクチュエータの押圧方向と反対の方向へ押圧する弾性体とを備えて前記位相変更手段を構成したことを要旨としている。
上記構成では、電動アクチュエータを通じて突起の周方向の位置を変更することにより、インナとアウタとを相対回転させることが可能となる。こうした構成を採用した場合には、電動アクチュエータの制御を通じて、インナとアウタとの相対位相差を自動的に調整することができるようになる。
<請求項7>
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のエンジンの可変動弁機構において、前記エンジンの燃焼状態に基づいて前記電動アクチュエータを制御する制御手段を備えたことを要旨としている。
上記構成では、エンジンの経時変化等により各出力アームと対応する入力アームとの相対位相、即ち各エンジンバルブの最大リフト量にずれが生じた場合にあっても、こうしたずれを修正して好適な運転状態を維持することができるようになる。
<請求項8>
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のエンジンの可変動弁機構において、前記制御手段は、前記エンジンがシリンダ内にスワール流を必要とする運転状態にあるとき、前記電動アクチュエータの制御を通じて、前記シリンダに対応する一対の吸気バルブの間で最大リフト量に差をもたせることを要旨としている。
上記構成では、電動アクチュエータの制御を通じて、一対の吸気バルブの間で最大リフト量に差をもたせることにより、シリンダ内にスワール流を生じさせるようにしている。こうした構成を採用した場合には、スワール流を生じさせるためのその他の機構が不要となるため、装置の構成を簡略化することができるようになる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図20を参照して説明する。
本実施形態では、直列4気筒型エンジンに本発明の可変動弁機構を適用した場合を想定している。
<装置全体の構造>
図1に、エンジンのシリンダヘッドにおけるカムシャフト及び可変動弁機構の配置構造を示す。
エンジン1は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12を備えて構成される。
シリンダブロック11には、複数のシリンダ13が設けられている。
シリンダヘッド12には、シリンダ13の吸気ポートを開閉する吸気バルブ14がシリンダ13毎に設けられている。各シリンダ13には、吸気ポートに対応して一対の吸気バルブ14が設けられている。
シリンダヘッド12には、シリンダ13の排気ポートを開閉する排気バルブ15がシリンダ13毎に設けられている。各シリンダ13には、排気ポートに対応して一対の排気バルブ15が設けられている。
吸気バルブ14の上方には、吸気カム16を有する吸気カムシャフト17が設けられている。
排気バルブ15の上方には、排気カム18を有する排気カムシャフト19が設けられている。
吸気カムシャフト17は、軸受21により回転可能に支持されている。
排気カムシャフト19は、シリンダヘッド12に形成された軸受22により回転可能に支持されている。
吸気カムシャフト17及び排気カムシャフト19は、タイミングチェーン23を介してクランクシャフトに駆動連結されている。
吸気カムシャフト17の近傍には、各吸気バルブ14の最大リフト量及び作用角を連続的に可変とする最大リフト量可変機構3が設けられている。
最大リフト量可変機構3は、各シリンダ13に対応して設けられた複数の仲介駆動機構4を備えて構成される。
各仲介駆動機構4は、軸受21間に配置されて、軸方向への動きが軸受21によって規制される。
各仲介駆動機構4は、吸気カムシャフト17と、これに対応する一対の吸気バルブ14との間に設けられている。そして、吸気カムシャフト17の駆動力を吸気バルブ14へ伝達して、吸気バルブ14をリフトさせる。
<仲介駆動機構の全体構造>
図2に、仲介駆動機構4の斜視構造を示す。
図3に、仲介駆動機構4の分解斜視構造を示す。
仲介駆動機構4は、中央に設けられた入力アーム41、入力アーム41の一端側に設けられた第1出力アーム51、入力アーム41を介して第1出力アーム51とは反対側に設けられた第2出力アーム52及び内部に配置されたスライダギア42を備えて構成される。
全ての仲介駆動機構4は、共通する1本の支持パイプ43により支持されている。
支持パイプ43内には、軸方向へ往復動することのできるコントロールシャフト44が挿通されている。
コントロールシャフト44の一端には、アクチュエータ31が設けられている(図1参照)。
アクチュエータ31は、モータ、油圧シリンダ等により構成されており、コントロールシャフト44に連結されている。アクチュエータ31は、コントロールシャフト44を軸方向へ変位させてその軸方向における位置を調整することができる。
支持パイプ43(及びコントロールシャフト44)は、シリンダ配列方向(矢印FR方向)へ延びるように配置されている。また、支持パイプ43は、軸方向への移動及び回転ができないように軸受21に固定されている。なお、矢印Fは、アクチュエータ31から離れる方向を、矢印Rは、アクチュエータ31に近づく方向をそれぞれ示す。
〔1〕「入力アームの構造」
入力アーム41のハウジング41a内部には、軸方向に延びた空間が形成されている。
ハウジング41aの内周面には、ヘリカルスプライン41bが形成されている。
ハウジング41a外周面には、略径方向外方へ突出した2つのアーム41c,41dが形成されている。アーム41cとアーム41dとは平行に形成されている。
これらアーム41c,41dの間には、ハウジング41aの軸方向と平行となるようにシャフト41eが設けられている。シャフト41eには、ローラ41fが回転可能に取り付けられている。
〔2〕「出力アームの内部構造」
図4に、正面側(図2と同方向)から見た入力アーム41及び各出力アーム51,52の部分破断斜視構造を示す。
図5に、背面側(図2と反対方向)から見た入力アーム41及び各出力アーム51,52の部分破断斜視構造を示す。
第1出力アーム51のハウジング51a内部には、軸方向に延びた空間が形成されている。なお、ハウジング51aは、別体に形成されたアウタ5Aとインナ5Bとを備えて構成される。
ハウジング51aの内周面には、ヘリカルスプライン51bが形成されている。ヘリカルスプライン51bの歯すじの傾斜方向は、入力アーム41に形成されたヘリカルスプライン41bの歯すじの傾斜方向とは反対に形成されている。
ハウジング51aの内部空間は、その一端が軸受部51cにて覆われている。
ハウジング51aの外周面には、略径方向外方へ突出したノーズ51dが形成されている。このノーズ51dは、略三角形状に形成されており、凹状に湾曲したカム面51eが一辺に設けられている。
第2出力アーム52のハウジング52a内部には、軸方向に延びた空間が形成されている。
ハウジング52aの内周面には、ヘリカルスプライン52bが形成されている。ヘリカルスプライン52bの歯すじの傾斜方向は、入力アーム41に形成されたヘリカルスプライン41bの歯すじの傾斜方向とは反対に形成されている。
ハウジング52aの内部空間は、その一端が軸受部52cにて覆われている。
ハウジング52aの外周面には、略径方向外方へ突出したノーズ52dが形成されている。このノーズ52dは、略三角形状に形成されており、凹状に湾曲したカム面52eが一辺に設けられている。
〔3〕「スライダギア周辺の構造」
図6に、支持パイプ43、コントロールシャフト44及びスライダギア42の斜視構造を示す。
スライダギア42の軸方向中央には、ヘリカルスプライン42aが形成されている。このヘリカルスプライン42aは、入力アーム41のヘリカルスプライン41bと噛み合うように形成されている。
スライダギア42の軸方向両端部には、ヘリカルスプライン42b,42cが形成されている。このヘリカルスプライン42b,42cは、各出力アーム51,52のヘリカルスプライン51b,52bと噛み合うように形成されている。
スライダギア42の軸方向には、貫通孔42dが形成されている。貫通孔42dへ支持パイプ43を挿通させることにより、支持パイプ43上においてスライダギア42を回動及び軸方向へ移動可能な状態で支持することができる。
スライダギア42には、ヘリカルスプライン42aとヘリカルスプライン42cとの間に周方向へ延びる長孔42eが形成されている。また、支持パイプ43において、各仲介駆動機構4に対応する箇所には、軸方向へ延びる長孔43aが形成されている。
スライダギア42の長孔42eと支持パイプ43の長孔43aとの交差する箇所には、係止ピン45が配置される。係止ピン45の一端部は、コントロールシャフト44において長孔43aと対応する位置に形成された挿通孔44aに固定される。
コントロールシャフト44を軸方向へ移動することにより、係止ピン45が支持パイプ43の長孔43a内を移動するため、スライダギア42を軸方向に移動させることが可能となる。また、スライダギア42は、長孔42eに係止ピン45が挿通されるため、軸周りについては係止ピン45の移動範囲内で回動することができる。これにより、コントロールシャフト44を軸方向へ移動させた際、コントロールシャフト44の移動に連動して、スライダギア42が同方向へ移動しながら回動する。
〔4〕「仲介駆動機構の内部構造」
図7に、仲介駆動機構4について、入力アーム41及び各出力アーム51,52の上部半分を取り除いた状態の斜視構造を示す。
仲介駆動機構4において、入力アーム41のヘリカルスプライン41bとスライダギア42のヘリカルスプライン42aとは、互いに噛み合わされる。また、入力アーム41のヘリカルスプライン42b,42cと各出力アーム51,52のヘリカルスプライン51b,52bとは、互いに噛み合わされる。
従って、コントロールシャフト44とともにスライダギア42を軸方向へ移動させることにより、入力アーム41と各出力アーム51,52とに対して互いに逆方向のねじり力が付与される。これにより、入力アーム41と各出力アーム51,52とが相対回転するため、入力アーム41と各出力アーム51,52との相対位相差が変化する。
〔5〕「仲介駆動機構によるバルブの駆動」
各仲介駆動機構4のローラ41fは、常に吸気カム16と接触している。なお、ローラ41fとシリンダヘッド12との間にはスプリングが圧縮状態で配置されており、このスプリングによりローラ41fが常に吸気カム16へ押付けられている。
このため、各仲介駆動機構4の入力アーム41は、吸気カム16のカムプロフィールに応じて、支持パイプ43を支点として上下に揺動する。また、入力アーム41とともに各出力アーム51,52のノーズ51d,52dが揺動する。
そして、ノーズ51d,52dの揺動を通じて、各吸気バルブ14に対応して設けられたロッカアーム(バルブリフト部)が駆動されることにより、吸気バルブ14がリフトされる。
<出力アームの構造>
出力アーム(第1出力アーム51)の詳細な構造について、図8〜図19を参照して説明する。なお、第2出力アーム52も以下に説明する第1出力アーム51の構造と同様の構造を有する。
図8に、第1出力アーム51の分解斜視構造を示す。
第1出力アーム51は、ノーズ51dを有するアウタ5Aと、内周にスプライン51bが形成されたインナ5Bと、アウタ5Aに取り付けられるアジャストスクリュ5Cとを備えて構成される。第1出力アーム51のハウジング51aは、アウタ5Aとインナ5Bとにより構成される。
なお、以降では、アウタ5A及びインナ5Bにおける軸方向の端面を次のように示す。
アウタ5Aにおいて、スライダギア42へ組み付けた際に入力アーム41と当接する端面を入力アーム側端面5Aaとする。また、スライダギア42へ組み付けた際に入力アーム41と当接しない端面を軸受側端面5Abとする。
インナ5Bにおいて、アウタ5Aへ組み付けた際にアウタ5Aと当接しない端面を入力アーム側端面5Baとする。また、アウタ5Aへ組み付けた際にアウタ5Aと当接する端面を軸受側端面5Bbとする。
アウタ5Aとインナ5Bとは同一の回転中心を有するように形成されている。
アウタ5Aにインナ5Bを組み付けた状態において、アウタ5Aの入力アーム側端面5Aaとインナ5Bの入力アーム側端面5Baとは略同一の平面に属する。また、軸受部51cと軸受側端面5Bbとが接触した状態となる。
〔1〕「アウタの構造」
図9に、図8のA1方向から見たアウタ5Aの構造を示す。
図10に、図8のA2方向から見たアウタ5Aの構造を示す。
図11に、図8のA3方向から見たアウタ5Aの構造を示す。
アウタ5Aは、管状のインナ収容部5Acと、インナ収容部5Acの一部から径方向外方へ突出して形成された突起収容部5Adとを備えて構成される。
インナ収容部5Acの一端は、軸受部51cにて覆われている。軸受部51cの軸受孔51caは、その中心軸がインナ収容部5Acの中心軸と一致するように形成されている。
インナ収容部5Acの外周面5Acaには、略径方向外方へ突出して形成されたノーズ51dが設けられている。
突起収容部5Adは、インナ収容部5Acの外周面5Acaの円周方向において、ノーズ51dが設けられていない位置に形成されている。
突起収容部5Adには、アジャストスクリュ5Cを挿入するための貫通孔5Aeが形成される。貫通孔5Aeは、その中心軸がアウタ5Aの径方向の平面に対して略直行するように形成される。
〔2〕「インナの構造」
図12に、図8のB1方向から見たインナ5Bの構造を示す。
図13に、図8のB2方向から見たインナ5Bの構造を示す。
図14に、図8のB3方向から見たインナ5Bの構造を示す。
インナ5Bは、内周面にスプライン51bを有するインナ本体5Bcと、インナ本体5Bcの一部から径方向外方へ突出して形成された突部5Bdとを備えて構成される。
突部5Bdは、インナ本体5Bcと一体に成形されている。
突部5Bdは、インナ本体5Bcの外周面5Bcaにおいて、アウタ5Aの突起収容部5Adと対応する位置に形成されている。
突部5Bdは、突起収容部5Adの内部空間において、周方向のいずれへも移動することができる大きさに形成されている。また、突部5Bdの高さ(径方向の長さ)は、インナ5Bをアウタ5Aへ組み付けた状態において、突起収容部5Adの壁面と接触しない大きさに設定されている。
突部5Bdには、突起収容部5Adの貫通孔5Aeが形成されている壁部とは反対側の壁部と対向する位置にばね5Be(弾性体)が設けられている。これにより、インナ5Bをアウタ5Aに組み付けた際、ばね5Beがインナ収容部5Acの壁面と当接することにより、突部5Bdは貫通孔5Ae側へ付勢される。
〔3〕「出力アームの構造」
図15に、アウタ5Aへインナ5Bを組み付けた状態の第1出力アーム51の斜視構造を示す。
図16に、図15のC1方向から見た出力アームの構造を示す。
図17に、図15のC2方向から見た出力アームの構造を示す。
図18に、図15のC3方向から見た出力アームの構造を示す。
図19に、図17のD2−D2線に沿った入力アームの断面構造、及び図16のD1−D1線に沿った出力アームの断面構造を示す。
第1出力アーム51の各部の状態について説明する。
インナ収容部5Ac及びインナ本体5Bcは、内周面5Acbと外周面5Bcaとが接触した状態にある。
インナ5Bの突部5Bdは、アウタ5Aの突起収容部5Adの内部空間に位置している。
アジャストスクリュ5Cの先端部は、インナ5Bの突部5Bdと接触している。
突部5Bdのばね5Beは、対向する突起収容部5Adの壁面と接触している。
これらアジャストスクリュ5C及びばね5Beにより、突部5Bdの周方向位置が固定されている。即ち、アウタ5Aとインナ5Bとが相対回転できない状態に維持される。
第1出力アーム51においては、アジャストスクリュ5Cをばね5Beの付勢力に抗して突部5Bd側へねじこむことにより、アジャストスクリュ5Cを通じて突部5Bdを押圧することが可能となる。この突部5Bdの押圧により、アウタ5Aとインナ5Bとが相対回転する。なお、位相変更手段は、アジャストスクリュ5C及びばね5Beを含めて構成される。
アウタ5Aとインナ5Bとの相対回転の範囲は、突起収容部5Ad及び突部5Bdにより規制されている。即ち、アウタ5Aとインナ5Bとの相対回転の範囲は、突部5Bdが突起収容部5Adの内部空間において周方向に移動できる範囲に相当する。
アウタ5Aとインナ5Bとの相対回転により、アウタ5Aのノーズ51dとインナ5Bのヘリカルスプライン51bとの相対位相が変更される。即ち、第1出力アーム51においては、アジャストスクリュ5Cを通じて、ノーズ51dとヘリカルスプライン51bとの相対位相を調整することができる。なお、アジャストスクリュ5Cは、ロックナット5Caを締め付けることにより、回転不能な状態に維持される。
<作用効果>
通常の最大リフト量可変機構においては、同可変機構をエンジンのシリンダヘッドに組み付ける際、次のようなことが問題となる。なお、ここでは、最大リフト量可変機構の出力アームとして、ノーズとヘリカルスプラインとが同一の構造体に形成された構造(ノーズとヘリカルスプラインとの相対位相を変更することができない構造)のものを想定している。
以下、エンジン1(図1)に上記通常の最大リフト量可変機構を組み付ける場合を想定して、その問題について説明する。
上記最大リフト量可変機構においては、1つのシリンダ13に対応する一対の出力アーム(出力アームA及び出力アームB)をスライダギアへ組み付けた際、各出力アーム及びスライダギアのヘリカルスプラインの加工精度が各々異なることに起因して、出力アームAのノーズの位相と出力アームBのノーズの位相とが一致しないこともある。
こうした場合、一般には、図20(a)に示すように出力アームA,Bと入力アームCとの間に調整部材Da(例えば、ワッシャシム)を介在させて出力アームAのノーズの位相と出力アームBのノーズの位相とを一致させる作業が行われる。このため、作業効率の低下が余儀なくされる。
なお、最大リフト量可変機構をエンジン1へ組み付けた後に、こうしたノーズの位相ずれが検出されたときは、
(a)最大リフト量可変機構をシリンダヘッド12から取り外す
(b)支持パイプ43から出力アームを取り外す
といった作業を行った後にワッシャシムを取り付けることになるため、作業効率を大きく低下させる要因となる。
また、一対の出力アームA,B間でノーズの位相が一致している場合であっても、各シリンダ13の出力アーム間でノーズの位相が一致していないこともあるため、この場合には、さらにこうした各シリンダ13間での位相のずれを補正する作業が必要となる。
この作業では、図20(b)に示すように出力アームと軸受22との間に調整部材Db(例えば、馬蹄形シム)を介在させて、スライダギアに対する入力アーム及び出力アームの軸方向位置を調整することにより、各シリンダ13の出力アーム間でノーズの位相を一致させるようにしている。
このように上記出力アームを採用した場合には、その組み付けに際して、ワッシャシムの選択及びその取り付け、さらには馬蹄形シムの選択及びその取り付けが必要となるため、組み付けにかかる作業効率の低下が問題となる。
この点、本実施形態の出力アーム(第1出力アーム51及び第2出力アーム52)を採用した場合には、こうした組み付け作業の問題を解消することができるようになる。
各出力アーム51,52をスライダギア42に組み付けた状態において(図2)、アジャストスクリュ5Cを通じてアウタ5Aとインナ5Bとを相対回転させることにより、ヘリカルスプライン51b,52bに対するノーズ51d,52dの相対位相を変更することができる。即ち、支持パイプ43周りにおけるノーズ51d,52dの周方向位置の変更を通じて、ノーズ51d,52dの位相を調整することが可能となる。
これにより、ワッシャシム等の調整部材を用いることなく、一対の出力アーム51,52間でノーズ51d,52dの位相を一致させることができるようになる。
また、各シリンダ13の出力アーム間においても、上記作業と同様の作業を行うことにより、馬蹄形シム等の調整部材を用いることなくノーズの位相を一致させることができるようになる。
<組み付け手順の一例>
最大リフト量可変機構3の組み付け手順の一例を以下に示す。
[1]4つのスライダギア42の貫通孔42dに支持パイプ43を挿通する。
[2]対応する長孔43aの位置に各スライダギア42を配置する。
[3]長孔43aを介して係止ピン45の端部をコントロールシャフト44の挿通孔44aに挿入する。
[4]入力アーム41及び各出力アーム51,52をスライダギア42と噛み合わせる。
[5]各ノーズ51d,52dの位相にずれがある場合は、アジャストスクリュ5Cを通じてノーズ51d,52dの位相を調整する。
[7]位相の調整が完了した後、ロックナット5Caを締め付けてアジャストスクリュ5Cを固定する。
[8]シリンダヘッド12に最大リフト量可変機構3を組み付けて軸受22により固定する。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第1実施形態にかかるエンジンの可変動弁機構及びその制御装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、各出力アーム51,52をスライダギア42に組み付けた状態において、アジャストスクリュ5Cを通じてアウタ5Aとインナ5Bとを相対回転させることにより、出力アーム51,52のノーズ51d,52dの位相を調整することができるようにしている。これにより、ノーズ51d,52dの位相を調整する際、調整部材を取り付ける必要がなくなるため、作業効率の向上を図ることができるようになる。
(2)また、ノーズ51d,52dの位相の調整に際して、出力アーム51,52の取り外しを行う必要がないため、サービス性の向上を図ることができるようになる。
(3)また、調整部材のストックが不要となるため、コストの低減を図ることができるようになる。
(4)また、既存の可変動弁機構に対して当該出力アーム51,52を適用することにより上記効果が得られるようになるため、既存の装置の構成を極力維持することができるようになる。
(5)また、出力アーム51,52のノーズ51d,52dの位相調整を連続的に行うことが可能となるため、調整部材を用いる場合よりも高い効率をもって位相調整を行うことができるようになる。
(6)本実施形態では、アジャストスクリュ5Cをばね5Beの付勢力に抗して突部5Bd側へねじこむことにより、アウタ5Aとインナ5Bとを相対回転させることができるようにしている。このように、簡易な構成をもってアウタ5Aとインナ5Bとの相対位相差を変更できるようにしているため、装置の複雑化を回避するとともにコストの低減を図ることができるようになる。
<変更例>
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1実施形態では、アジャストスクリュ5C及びばね5Beを含めて位相変更手段を構成したが、突起収容部5Ad内における突部5Bdの周方向位置の変更及び固定ができる構成であれば、適宜の機構を位相変更手段として採用することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図21を参照して説明する。
図21に、可変動弁機構の斜視構造を示す。
本実施形態の可変動弁機構は、前記第1実施形態の可変動弁機構において、アジャストスクリュに換えてピエゾアクチュエータ5D(電動アクチュエータ)を採用した構造を有する。また、これにともなって、ピエゾアクチュエータを制御する制御装置6(制御手段)が備えられている。なお、この制御装置6は、エンジン1の運転を統括的に制御する電子制御装置に含まれている。
こうした可変動弁機構においては、ピエゾアクチュエータ5Dを通じてアウタ5Aとインナ5Bとを相対回転させることにより、出力アーム51,52のノーズ51d,52dの位相を調整することが可能となる。
制御装置6は、エンジン1の運転中、各吸気バルブの最大リフト量が一致するようにエンジン1の燃焼状態に基づいてピエゾアクチュエータ5Dを制御する。
ちなみに、各吸気バルブの最大リフト量が一致していない場合、各シリンダのトルクにばらつきが生じるため、こうしたトルクのばらつきに基づいてピエゾアクチュエータ5Dを制御することにより、最大リフト量を的確に調整することが可能となる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかるエンジンの可変動弁機構及びその制御装置によれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(5)の効果に加えて、以下に示すような効果が得られるようになる。
(7)本実施形態では、エンジン1の運転状態に基づいてピエゾアクチュエータ5Dを制御することにより、各吸気バルブの最大リフト量を一致させるようにしている。これにより、最大リフト量の調整に際して、部品の取り外しが一切不要となるため、サービス性の大幅な向上を図ることができるようになる。
(8)また、エンジン1の経時変化等により各吸気バルブの最大リフト量にずれが生じた場合にあっても、こうしたずれを修正して好適な運転状態を維持することができるようになる。
<変更例>
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2実施形態では、ピエゾアクチュエータ5Dを採用する構成としたが、電気的に制御可能なアクチュエータであれば、適宜のアクチュエータを採用することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について、図22を参照して説明する。
本実施形態の可変動弁機構は、前記第2実施形態の可変動弁機構と同様の構成を有する。
そして、制御装置6を通じて、以下に説明する「スワール制御」を行うことにより、エンジン1の運転状態に応じてスワール流を発生させることができるようにしている。
<スワール制御>
図22を参照して、スワール制御について説明する。
本処理は、エンジン1の運転中、所定時間毎の定時割り込み処理として周期的に行われる。
[ステップS100]エンジン1の運転状態に基づいて、シリンダ13内においてスワール流を発生させる要求があるか否かを判定する。
[ステップS200]スワール流を発生させる要求があるとき、一対の吸気バルブ14について、一方の吸気バルブ14の最大リフト量が小さくなるようにピエゾアクチュエータ5Dを駆動する。
これにより、一対の吸気バルブ14において、各吸気バルブ14を介してシリンダ13内へ流入する吸気量に差が生じるため、シリンダ13内にスワール流が発生するようになる。
[ステップS300]スワール流を発生させる要求がないときは、全ての吸気バルブ14の最大リフト量が一致するようにピエゾアクチュエータ5Dを駆動する。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第3実施形態にかかるエンジンの可変動弁機構及びその制御装置によれば、先の第2実施形態による前記(1)〜(5)、(7)及び(8)の効果に加えて、以下に示すような効果が得られるようになる。
(9)本実施形態では、ピエゾアクチュエータ5Dを通じて一対の吸気バルブ14間で最大リフト量に差をもたせることにより、シリンダ13内にスワール流を発生させるようにしている。これにより、シリンダ13内にスワール流を発生させるための機構を別途備える必要がなくなるため、装置構成の簡略化を図ることができるようになる。
<変更例>
なお、上記第3実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第3実施形態では、一対の吸気バルブ14について、一方の吸気バルブ14の最大リフト量が小さくなるようにピエゾアクチュエータ5Dを駆動してスワール流を発生させる構成としたが、ピエゾアクチュエータ5Dの制御態様はこうした制御態様に限られるものではない。要するに、一対の吸気バルブ14間で最大リフト量に差が生じるようにピエゾアクチュエータ5Dを駆動する制御態様であれば、任意の制御態様を採用することができる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に列挙する。
・上記各実施形態では、突部5Bdは突起収容部5Adの壁面と接触しない大きさに設定する構成としたが、突起収容部5Ad内における突部5Bdの周方向への移動が許容されるのであれば、突部5Bdの大きさは適宜変更可能である。
・上記各実施形態では、突部5Bdにばね5Beを設ける構成としたが、突部5Bdが貫通孔5Ae側へ押圧されるように突起収容部5Adへばね5Beを設けることも可能である。
・上記各実施形態では、図1に例示した構成の可変動弁機構を想定したが、本発明の適用対象はこうした可変動弁機構に限られるものではない。要するに、カムシャフトによる入力アームの揺動を出力アームへ伝達し、出力アームの揺動を通じてエンジンバルブをリフトさせるとともに、スライダギアを軸方向へ変位させることにより入力アームと出力アームとの相対位相差を変更してエンジンバルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構であれば、いずれの可変動弁機構に対しても本発明の適用は可能である。
・上記各実施形態では、直列4気筒型エンジンに本発明の可変動弁機構を適用する場合を想定したが、エンジンバルブに対応して設けられたカムシャフトと、カムシャフトのカムと協働してエンジンバルブをリフトさせるロッカアームとを備えたエンジンであれば、いずれのエンジンに対しても本発明の可変動弁機構を適用することができる。
本発明にかかるエンジンの可変動弁機構を具体化した第1実施形態について、エンジンのシリンダヘッドにおけるカムシャフト及び可変動弁機構の配置構造を示す平面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、仲介駆動機構の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、仲介駆動機構の分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図2と同方向から見た入力アーム及び出力アームの部分破断斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図2と反対方向から見た入力アーム及び出力アームの部分破断斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、支持パイプ、コントロールシャフト及びスライダギアの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、入力アーム及び各出力アームの上部半分を取り除いた状態の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、第1出力アームの分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のA1方向から見たアウタの正面構造を示す正面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のA2方向から見たアウタの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のA3方向から見たアウタの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のB1方向から見たインナの正面構造を示す正面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のB2方向から見たインナの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図8のB3方向から見たインナの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、アウタへインナを組み付けた状態の第1出力アームの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図15のC1方向から見た第1出力アームの正面構造を示す正面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図15のC2方向から見た第1出力アームの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、図15のC3方向から見た第1出力アームの側面構造を示す側面図。 同実施形態のエンジンの可変動弁機構について、(a)図17のD2−D2線に沿った第1出力アームの断面構造を示す断面図/(b)図16のD1−D1線に沿った第1出力アームの断面構造を示す断面図。 従来の可変動弁機構の組み付け作業における調整部材の取り付け態様の一例を示す図。 本発明にかかるエンジンの可変動弁機構を具体化した第2実施形態について、可変動弁機構の斜視構造を示す斜視図。 本発明にかかるエンジンの可変動弁機構を具体化した第3実施形態について、同実施形態にて行われる「スワール制御」の処理手順を示すフローチャート。 一般的な可変動弁機構の斜視構造を示す斜視図。
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…シリンダ、14…吸気バルブ14…排気バルブ、16…吸気カム、17…吸気カムシャフト、18…排気カム、19…排気カムシャフト、21…軸受、22…軸受、23…タイミングチェーン、3…最大リフト量可変機構、31…アクチュエータ、4…仲介駆動機構、41…入力アーム、41a…ハウジング、41b…ヘリカルスプライン、41c…アーム、41d…アーム、41e…シャフト、41f…ローラ、42…スライダギア、43…支持パイプ、43a…長孔、44…コントロールシャフト、44a…挿通孔、45…係止ピン、51…第1出力アーム、51a…ハウジング、51b…ヘリカルスプライン、51c…軸受部、51ca…軸受孔、51d…ノーズ、51e…カム面
52…第2出力アーム、52a…ハウジング、52b…ヘリカルスプライン、52c…軸受部、52d…ノーズ、52e…カム面、5A…アウタ、5Aa…入力アーム側端面、5Ab…軸受側端面、5Ac…インナ収容部、5Aca…外周面、5Acb…内周面、5Ad…突起収容部、5Ae…貫通孔、5B…インナ、5Ba…入力アーム側端面、5Bb…軸受側端面、5Bc…インナ本体、5Bca…外周面、5Bd…突部、5Be…ばね、5C…アジャストスクリュ、5Ca…ロックナット。

Claims (8)

  1. エンジンのカムシャフトによる入力アームの揺動を出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動を通じてエンジンバルブをリフトさせるとともに、前記入力アーム及び出力アーム内に設けられたスライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、
    相対回転可能に嵌め合わされたインナ及びアウタと、
    前記インナと前記アウタとを相対回転させる位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  2. エンジンのカムシャフトによる入力アームの揺動を出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動を通じてエンジンバルブをリフトさせるとともに、前記入力アーム及び出力アーム内に設けられたスライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、
    前記スライダギアと噛合するスプライン部及び径方向外方へ突出した突部を有する略管状のインナと、
    前記突部の周方向への移動を許容した状態で前記インナを収容可能な略管状のアウタと、
    これらインナとアウタとを嵌め合わせた状態において、前記突部を周方向へ変位させて前記インナと前記アウタとを相対回転させることにより前記インナと前記アウタとの相対位相を変更する位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  3. エンジンバルブに対応して設けられたカムシャフトと、カムシャフトのカムと協働して前記エンジンバルブをリフトさせるバルブリフト部とを備えたエンジンに適用されて、前記カムシャフトに対応して設けられたコントロールシャフトと、該コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動可能なスライダギアと、スライダギア上に設けられて前記カムシャフトのカムと接触する入力アームと、前記スライダギア上に設けられて前記バルブリフト部と接触する出力アームとを備え、前記カムによる前記入力アームの揺動を前記出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動による前記バルブリフト部の駆動を通じて前記エンジンバルブをリフトさせるとともに、前記コントロールシャフトを通じて前記スライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、
    相対回転可能に嵌め合わされたインナ及びアウタと、
    前記インナと前記アウタとを相対回転させる位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  4. エンジンバルブに対応して設けられたカムシャフトと、カムシャフトのカムと協働して前記エンジンバルブをリフトさせるバルブリフト部とを備えたエンジンに適用されて、前記カムシャフトに対応して設けられたコントロールシャフトと、該コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動可能なスライダギアと、スライダギア上に設けられて前記カムシャフトのカムと接触する入力アームと、前記スライダギア上に設けられて前記バルブリフト部と接触する出力アームとを備え、前記カムによる前記入力アームの揺動を前記出力アームへ伝達し、前記出力アームの揺動による前記バルブリフト部の駆動を通じて前記エンジンバルブをリフトさせるとともに、前記コントロールシャフトを通じて前記スライダギアを軸方向へ変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの相対位相差を変更して前記エンジンバルブの最大リフト量を変更するエンジンの可変動弁機構において、
    前記スライダギアと噛合するスプライン部及び径方向外方へ突出した突部を有する略管状のインナと、
    前記突部の周方向への移動を許容した状態で前記インナを収容可能な略管状のアウタと、
    これらインナとアウタとを嵌め合わせた状態において、前記突部を周方向へ変位させて前記インナと前記アウタとを相対回転させることにより前記インナと前記アウタとの相対位相を変更する位相変更手段とを備えて前記出力アームを構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  5. 請求項2または4に記載のエンジンの可変動弁機構において、
    前記突部を周方向の一方へ押圧するアジャストスクリュと、
    前記突部を前記アジャストスクリュの押圧方向と反対の方向へ押圧する弾性体とを備えて前記位相変更手段を構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  6. 請求項2または4に記載のエンジンの可変動弁機構において、
    前記突部を周方向の一方へ押圧する電動アクチュエータと、
    前記突部を前記電動アクチュエータの押圧方向と反対の方向へ押圧する弾性体とを備えて前記位相変更手段を構成した
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  7. 請求項6に記載のエンジンの可変動弁機構において、
    前記エンジンの燃焼状態に基づいて前記電動アクチュエータを制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
  8. 請求項7に記載のエンジンの可変動弁機構において、
    前記制御手段は、前記エンジンがシリンダ内にスワール流を必要とする運転状態にあるとき、前記電動アクチュエータの制御を通じて、前記シリンダに対応する一対の吸気バルブの間で最大リフト量に差をもたせる
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構。
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