JP4016073B2 - Method for forming aluminum oxide passive film, welding method, fluid contact member and fluid supply / exhaust system - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、酸化アルミニウム不働態膜の形成方法及び溶接方法並びに接流体部材及び流体供給・排気システムに係る。
【0002】
【発明の背景】
半導体製造技術において、塩化水素や臭化水素といった腐食作用の強いガス、またはシラン、ジボラン、ホスフィンといった分解作用の高いガスが使用されており、それらのガスを安定に供給するため酸化クロム不働態膜形成技術が導入されている。さらに近年、半導体製造においては、オゾンガス、オゾン水も使用されだしており、医療関係、食品関係においては、現在すでに使用されている。しかし、オゾンは酸化作用が強いため、耐食性に優れる酸化クロム不働態膜でさえ酸化(腐食)されてしまい、また樹脂においても硬化、樹脂成分の溶解といった問題点が起きていた。そのため、オゾンの酸化(腐食)による供給ラインの劣化、不純物の混入、漏れなどの問題点があった。
【0003】
酸化クロム不働態膜より耐食性に優れる酸化アルミニウム不働態膜の形成技術は、従来はアルミニウムからなる鋼材もしくはアルミニウムを被覆させた鋼材に酸化性ガスを接触させ酸化アルミニウムを形成する方法、もしくはアルミニウムを含有する鋼材に酸化性ガスを接触させ、酸化アルミニウムを含む複合酸化膜を形成する方法が用いられてきた。しかし、アルミニウムを鋼材にすると加工性が悪く、また硬度が小さいため配管材料などに用いるには適しておらず、アルミニウムを被覆する鋼材では費用がかかり、また時間を要するといった問題があった。また、アルミニウムを含有する鋼材に酸化性ガスを接触させ、酸化アルミニウム膜を形成する方法では、酸化アルミニウムの他に他金属の酸化膜も形成されるため、耐食性に劣るといった問題点があり、他金属酸化膜を一切ふくまない酸化アルミニウム膜を形成するのは困難であった。また、酸化アルミニウム膜を形成した配管を溶接した際、溶接熱によって溶接部近傍の酸化アルミニウム膜が蒸発してしまい、母材の表面が再形成されるため耐食性に優れず溶接部近傍の劣化を招いていた。
【0004】
【発明が開発しようとする課題】
本発明は、他金属の酸化膜を含まない耐食性に優れる酸化アルミニウム膜を形成し、腐食性の高い流体を安全に供給することを目的とする。
【0005】
本発明は、耐食性に優れる酸化アルミニウム膜を安価に、また短時間に形成し生産性を向上させることを目的とする。
【0006】
本発明は、耐食性に劣る溶接部においても溶接と同時に酸化アルミニウム膜を形成し溶接部における耐食性の問題点を克服し、耐食性の優れる流体供給システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルミニウム含有ステンレス鋼の表面に酸化性ガスを接触させ、熱処理を行うことにより酸化アルミニウムから成る不働態膜を形成することを特徴とする。
【0008】
本発明の形成方法は酸素もしくは水分を含む酸化性ガスにアルミニウム含有ステンレス鋼に接触させ酸化アルミニウム不働態膜を形成することを特徴とする。酸素濃度は、500ppb〜100ppm、好ましくは1ppm〜50ppmである。水分濃度は、200ppb〜50ppm、好ましくは500ppb〜10ppmである。
【0009】
本発明は、アルミニウム含有ステンレス鋼に接触させる酸化性ガスが、水素を含む酸化性混合ガスであることを特徴とする。
【0010】
本発明の形成方法において、酸化処理温度は700℃〜1200℃、好ましくは800℃〜1100℃であることを特徴とする。
【0011】
本発明の形成方法において、酸化処理時間は30分〜3時間であることを特徴とする。
【0012】
本発明は、かかる酸化アルミニウム不働態膜を施した配管の溶接において、酸素もしくは水分を含む酸化性ガスをバックシールドガス(配管内部を流れるガス)に添加し、溶接と同時に溶接部表面に酸化アルミニウム不働態膜を施すことを特徴とする。酸素濃度は、10ppm〜5000ppmである。水分濃度は、1ppm〜1000ppmである。
【0013】
本発明は、溶接と同時に溶接部表面に酸化アルミニウム不働態膜を施す溶接において使用するバックシールドガス(配管内部を流れるガス)中に水素を含む酸化性混合ガスであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明にかかる作用に関して説明する。
【0015】
本発明は、アルミニウム含有ステンレス鋼の表面に酸化性ガスを接触させ、熱処理を行うことにより他金属の酸化膜を含まない酸化アルミニウムから成る不働態膜を形成することを特徴とする。耐食性に優れる酸化アルミニウム不働態膜をアルミニウム含有ステンレス鋼の表面に形成する事により、従来からの加工性、硬度といった問題点を克服し、配管材料に適した酸化アルミニウム不働態膜の形成を可能にした。また、従来に比べ、安価で短時間の処理が可能で、酸化アルミニウム不働態膜処理の生産性の向上が実現できる。
【0016】
本発明の形成方法は、酸素もしくは水分を含む酸化性ガスにアルミニウム含有ステンレス鋼に接触させ酸化アルミニウム不働態膜を形成することを特徴とし、酸素濃度は、500ppb〜100ppm、好ましくは1ppm〜50ppmであり、また水分濃度は、200ppb〜50ppm、好ましくは500ppb〜10ppmである。さらに、酸化性ガス中に水素を含む酸化性混合ガスでも良いことを特徴とする。アルミニウム含有ステンレス鋼は、アルミニウムの他に、鉄、クロム、ニッケルといったステンレス鋼成分が含有されており、酸化性成分が多量に存在すると他金属もアルミニウムと一緒に酸化されてしまい、他金属酸化膜の存在しない酸化アルミニウム不働態膜を形成することは困難であり、また、酸化性成分が少なすぎると酸化膜が形成できないため、他金属は酸化されず、アルミニウムのみ酸化されるような上記に記載の酸化性雰囲気で処理を行うことにより、酸化アルミニウム不働態膜が形成可能となる。また、さらに過剰な酸化性雰囲気においても還元性の水素を添加し、酸化雰囲気の酸化性成分の濃度を幅広く設定することを可能にした。また、水素を添加することにより、より緻密で強固な酸化アルミニウム不働態膜を形成することが可能である。
【0017】
本発明の形成方法は、酸化処理温度が700℃〜1200℃、好ましくは800℃〜1100℃であることを特徴とする。前記記載の他金属酸化膜の存在しない酸化アルミニウム不働態膜の形成方法において、選択的にアルミニウムのみを酸化するため上記温度で酸化を行い、他金属の酸化を防止することができる。700℃以下では鉄やクロムも酸化されてしまい、また1200℃以上では、形成された酸化アルミニウム不働態膜の表面に酸化アルミニウムの結晶が析出してしまい、流体を供給すると析出した酸化アルミニウムの結晶が剥離してしまい、また亀裂が生じてしまうため、供給流体が汚染してしまう恐れがあるため、処理温度は700℃〜1200℃が適している。
【0018】
本発明の形成方法は、酸化処理時間は30分〜3時間であることを特徴とする。酸化アルミニウム不働態膜形成にかかる時間が30分〜3時間と短いため、従来のようなアルミニウム被覆後に熱処理を施すといった手間がかからず、生産性の向上が可能である。
【0019】
本発明は、かかる酸化アルミニウム不働態膜を施した配管の溶接において、酸素もしくは水分を含む酸化性ガスをバックシールドガス(配管内部を流れるガス)に添加し、溶接と同時に溶接部表面に酸化アルミニウム不働態膜を施すことを特徴とし、酸素濃度は、10ppm〜5000ppmであり、また水分濃度は、1ppm〜1000ppmである。さらに、酸化性ガス中に水素を含む酸化性混合ガスでも良いことを特徴とする。本発明により、一般に言われている溶接部近傍の局所劣化を防止することができ、さらに溶接後の再酸化アルミニウム不働態処理といった手間をかけることなく、溶接と同時に処理可能なため生産性の向上が可能である。
【0020】
本発明により、酸化クロム不働態膜より耐食性に優れた酸化アルミニウム不働態膜が安価で短時間に形成可能であり、腐食作用の高い流体を安定に供給可能な流体供給システムの構築が可能となる。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明にかかる、酸化アルミニウム不働態膜及びその形成技術並びに接流体部材及び流体供給・排気システムの説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
本実施例における溶接は、Arc Machines,Inc.社の溶接電源(Model207A)およびExcel Design社の溶接機を用いて行った。
【0023】
(実施例1)
図1は、本発明にかかる酸化アルミニウム不働態膜の処理を行うガス供給系の模式図である。ガス供給系には、希釈ガスとしてアルゴン、酸化性ガスとして酸素、および水分を発生させるために水素を導入しており、流量性制御器により、正確に流量が制御されている。水分発生には、ニッケルチューブを加熱することによりニッケルの触媒作用により水分を発生させる原理を用いた水分発生器を使用している。また、酸素は2段階希釈により、50ppb〜100ppmまで制御可能である。このガス供給系を用いて、酸化アルミニウム不働態膜形成の酸素濃度依存性を調査した。
【0024】
酸化処理材料としては、アルミニウムを4%含有するステンレス鋼を用いた。
【0025】
酸素濃度を100ppb〜100ppmまで変化させ、その時の酸化表面を島津製作所製ESCA1000にて光電子分光法より測定を行い、表面の化学的組成、ならびに酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。温度は、900℃で、処理時間は1時間である。
【0026】
図2は、その時の酸素濃度依存性の結果を示すグラフである。
【0027】
○は100%アルミニウム不働態膜を表しており、●は複合酸化膜を表している。
【0028】
結果より、500ppb〜10ppmの酸素濃度で100%酸化アルミニウム不働態膜が形成できることが判明した。500ppb以下になると酸化作用が低くなるため酸化膜厚が薄くなり、また10ppm以上になると酸化作用が高くなるため鉄やクロムといった他金属が酸化されるため酸化膜厚は増加するが100%の酸化アルミニウム不働態膜の膜厚が薄くなる傾向が見られた。
【0029】
(実施例2)
実施例1と同様に水分濃度を100ppb〜10ppmまで変化させ、その時の酸化表面の化学的組成、ならびに酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。温度は、900℃で、処理時間は1時間である。
【0030】
図3はその時の酸素濃度依存性の結果を示すグラフである。
【0031】
○は100%アルミニウム不働態膜を表しており、●は複合酸化膜を表している。
【0032】
結果より、200ppb〜5ppmの酸素濃度で酸化アルミニウム不働態膜が形成できることが判明した。水分の方が酸素に比べ酸化作用が高いため酸素に比べると低濃度の酸化性雰囲気で酸化アルミニウム不働態膜の形成が可能であることが判明した。200ppb以下になると酸化作用が低くなるため酸化膜厚が薄くなり、また5ppm以上になると酸化作用が高くなるため鉄やクロムといった他金属が酸化されるため酸化膜厚は増加するが100%の酸化アルミニウム不働態膜の膜厚が薄くなる傾向が見られた。
【0033】
(実施例3)
実施例1及び2において、同様に酸素濃度を500ppb〜500ppmまで、また水分濃度を100ppb〜100ppm変化させ酸化処理を施す際に水素を10%添加し、水素を添加することでの酸化アルミニウム不働態膜形成における酸化雰囲気依存性を調査した。温度は900℃で、処理時間は1時間で酸化処理である。
【0034】
実施例1及び2と同様に光電子分光法より測定を行い、100%酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。
【0035】
図4はその時の酸素濃度及び水分濃度依存性の結果を示すグラフである。
【0036】
□は酸素濃度を表しており、■は水分濃度を表している。
【0037】
結果より、5ppm〜100ppmの酸素濃度で、また1ppm〜50ppmの水分濃度で酸化アルミニウム不働態膜が形成できることが判明した。水素を添加することにより、還元性雰囲気を作れるため、実施例1の時に酸化アルミ不働態膜が形成された低濃度酸化性雰囲気では、酸化膜が成長せず、反対に他金属も酸化されてしまう高濃度酸化性雰囲気において酸化アルミニウム不働態膜を形成できることが判明した。
【0038】
実施例1及び2と併せ本実施例より、水素を添加することにより、酸素濃度500ppb〜100ppmまで、また水分濃度200ppb〜50ppmの広範囲にわたり酸化アルミニウム不働態膜形成が可能であることが判明した。
【0039】
また、水素を添加することにより、アルミニウムが酸化と還元を繰り返しながら酸化膜が成長するため、緻密で強固な酸化アルミ不働態膜が形成できると推測される。
【0040】
(実施例4)
実施例1と同様に処理温度を600℃〜1200℃まで変化させ、その時の酸化表面の化学的組成、ならびに酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。水分濃度5ppmさらに水分混合ガス中に水素を10%添加した酸化性雰囲気で、処理時間は1時間である。
【0041】
図5は、その時の温度依存性の結果を示すグラフである。
【0042】
結果より、600℃においては他金属が存在する複合酸化膜が形成されており、700℃以上において酸化アルミニウム不働態膜形成が可能であることが判明した。さらに、800℃以上においては、ステンレス鋼の最表面から100nm以上の100%酸化アルミニウム不働態膜が形成されており、温度と100%酸化アルミニウム不働態膜厚の関係に依存性があることが明らかになった。
【0043】
しかし、1200℃以上の温度で酸化処理を行うと、酸化アルミ不働態膜表面に酸化アルミニウムが析出してしまい、流体を供給すると析出した酸化アルミニウムの結晶が剥離してしまい、また亀裂が生じてしまう恐れがあると推測される。
【0044】
(実施例5)
実施例1と同様に処理時間を10分〜5時間まで変化させ、その時の酸化表面の化学的組成、ならびに酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。処理温度は900℃、水分濃度5ppmさらに水分混合ガス中に水素を10%添加した酸化性雰囲気である。
【0045】
各時間において、それぞれ3サンプルを処理した。光電子分光法より測定を行い、100%酸化アルミニウム不働態膜の膜厚の測定を行った。
【0046】
図6は、その時の時間依存性の結果を示すグラフである。
【0047】
結果より、30分以上において酸化アルミニウム不働態膜が再現性よく処理可能であることが判明した。30分〜3時間にかけて100%酸化アルミニウム不働態膜厚と時間依存性が明らかであり、時間の増加とともに膜厚がほぼ直線的に増加している。しかし、3時間以上処理を施しても膜厚の増加があまり確認されず、また、あまり膜厚が厚くなりすぎると、酸化アルミニウム不働態膜の下地にアルミニウムの空乏層が出来てしまい、酸化アルミニウム不働態膜の剥離、亀裂といった問題点が出てくると推測される。また30分以下では、膜厚のばらつきが大きく再現性の良い酸化処理が不可能である。そのため処理時間は30分〜3時間が適切であると推測される。
【0048】
(実施例6)
アルミニウムを4%含有するステンレスを水分濃度5ppm、さらに水分混合ガス中に水素を10%添加した酸化性雰囲気で、処理温度は900℃、処理時間は1時間で酸化処理を施した膜厚約200nmの酸化アルミニウム不働態膜、従来技術の膜厚約30nmの酸化クロム不働態膜、通常のステンレス鋼(SUS316L−EP)のそれぞれを100%塩素ガス中に、24時間、圧力5kg/cm2、温度100℃で加速耐食試験を行った。
【0049】
従来のステンレス鋼では、表面全体に腐食生成物が観察され腐食が進行していることが確認されるが、酸化クロム不働態膜及び酸化アルミニウム不働態膜どちらも腐食生成物は一切確認されず、優れた耐食性を示すことが判明した。
【0050】
図7は、本実施例における光電子分光法より測定を行い、表面の化学的組成の結果を示すグラフである。
【0051】
従来のステンレス鋼では、最表面から深さ方向に塩素が検出され、腐食が深さ方向に進行していることが確認されるが、酸化クロム不働態膜及び酸化アルミニウム不働態膜どちらも塩素は最表面のみに検出され、深さ方向には検出されず、塩素は物理的に吸着しているのみであることが確認され、優れた耐食性を示すことが判明した。
【0052】
(実施例7)
実施例6と同様に、膜厚約200nmの酸化アルミニウム不働態膜、膜厚約30nmの酸化クロム不働態膜、通常のステンレス鋼、従来から耐オゾン性に優れると言われているチタンのそれぞれを14ppmオゾン水に1週間浸漬試験し、鋼材中の金属の溶出量を誘導結合型質量分析計(ICP−MS)にて測定した。
【0053】
図8は、その時の溶出試験の結果を示すグラフである。
【0054】
ステンレス鋼、酸化クロム不働態膜の溶出量が多量であり、従来からオゾン用に使用されているチタンはステンレス鋼、酸化クロム不働態膜に比べ溶出量は少量であるが、酸化アルミニウム不働態膜に比べると5倍以上の金属溶出が確認された。オゾンは酸化作用が高いため、ステンレス鋼、酸化クロム不働態膜では、オゾンにより酸化(腐食)され、母材中の金属が多量に溶出し、酸化アルミニウム不働態処理が最もオゾン供給用の表面処理に適していることが明らかになった。
【0055】
(実施例8)
アルミニウムを4%含有するステンレスを水分濃度5ppmさらに、水分混合ガス中に水素を10%添加した酸化性雰囲気で、処理温度は900℃、処理時間は1時間で酸化処理を施した膜厚約200nmの酸化アルミニウム不働態膜を形成した外径6.35mmの配管を電流値10A、回転数7.5rpmで溶接電極を1周させ、溶接を行った。
【0056】
その時の、バックシールディングガスの酸素濃度を1ppm〜1%まで変化させ酸化アルミニウム不働態膜の化学組成、ならびに膜厚を測定した。
【0057】
図9は、その時の酸素濃度依存性の結果を示すグラフである。
【0058】
結果より、酸素濃度10ppm〜500ppmにかけて、酸素濃度と酸化アルミニウム不働態膜厚の関係に依存性があるのが判明し、バックシールディングガス中に酸素を添加することにより、良質な溶接部表面が溶接と同時に形成されることが確認された。また、500ppm以上になると鉄とクロムが酸化され他金属酸化膜を含まない酸化アルミニウム不働態膜が形成されないが、実施例3に記載のごとく水素を添加することにより、酸化アルミニウム不働態膜を得るための酸化性ガスの濃度を高濃度にすることが可能なため、実施例3と同様に水素を加えることにより、溶接と同時に酸化アルミニウム不働態膜を形成するための酸素濃度は高濃度でも可能であると推測されるため、酸化アルミニウム不働態膜形成可能な酸素濃度は、10ppm〜5000ppmであると推測される。
【0059】
本実施例より、溶接と同時に酸化アルミニウム不働態膜が形成可能であり、従来からの溶接部の局所劣化が短時間で防止可能であることが明らかになった。
【0060】
(実施例9)
実施例8と同様に、膜厚約50nmの酸化アルミニウム不働態膜を形成した外径6.35mmの配管を電流値10A、回転数7.5rpmで溶接電極を1周させ、溶接を行った。その時の、バックシールディングガスの水分濃度を1ppm〜1000ppmまで変化させ酸化アルミニウム不働態膜の化学組成、ならびに膜厚を測定した。
【0061】
図10は、その時の水分濃度依存性の結果を示すグラフである。
【0062】
結果より、水分濃度1ppm〜500ppmにかけて、酸素濃度と酸化アルミニウム不働態膜厚の関係に依存性があるのが判明した。また、500ppm以上になると鉄とクロムが酸化され他金属酸化膜を含まない酸化アルミニウム不働態膜が形成されないが、実施例3に記載のごとく水素を添加することにより、酸化アルミニウム不働態膜を得るための酸化性ガスの濃度を高濃度にすることが可能なため、実施例3と同様に水素を加えることにより、溶接と同時に酸化アルミニウム不働態膜を形成するための酸素濃度は高濃度でも可能であると推測されるため、酸化アルミニウム不働態膜形成可能な酸素濃度は、1ppm〜1000ppmであると推測される。
【0063】
実施例8および実施例9より、溶接部の劣化を招くような問題点を克服することが可能であり、耐食性に優れる酸化アルミニウム不働態膜を形成した流体供給システムを構築することが可能であることが確認された。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミニウム含有ステンレス鋼の表面に耐食性に優れる酸化アルミニウムから成る不働態膜を形成することが可能であり、従来からの加工性、硬度といった問題点を克服し、配管材料に適した酸化アルミニウム不働態膜の形成が可能となる。
【0065】
本発明によれば、従来に比べ、安価で短時間の処理が可能で、酸化アルミニウム不働態膜処理の生産性の向上が実現できる
本発明によれば、溶接部近傍の局所劣化を防止することができ、さらに溶接後の再酸化アルミニウム不働態処理といった手間をかけることなく、溶接と同時に処理可能なため生産性の向上が可能となる。
【0066】
本発明によれば、溶接部も含めて全ての接ガス部において酸化アルミニウム不働態処理が安価で短時間に形成可能であり、腐食作用の高い流体を安定に供給可能な流体供給システムを提供することが可能となる。
【0067】
本発明により、酸化クロム不働態膜より耐食性に優れた酸化不働態膜がの構築が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化アルミニウム不働態処理に用いたガス供給系の模式図である。
【図2】本発明の酸化アルミニウム不働態膜形成時の酸素濃度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図3】本発明の酸化アルミニウム不働態膜形成時の水分濃度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図4】本発明の酸化アルミニウム不働態膜形成時の酸化性雰囲気中に水素を添加した時の酸素及び水分濃度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図5】本発明の酸化アルミニウム不働態膜形成時の処理温度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図6】本発明の酸化アルミニウム不働態膜形成時の処理時間依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図7】本発明の酸化アルミニウム不働態膜の塩素ガスに対する耐食性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図8】本発明の酸化アルミニウム不働態膜の耐オゾン性を溶出テストにて評価を行った結果である。
【図9】本発明の溶接技術による、酸化アルミニウム不働態膜形成時の酸素濃度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【図10】本発明の溶接技術による、酸化アルミニウム不働態膜形成時の水分濃度依存性を光電子分光法にて評価を行った結果である。
【符号の説明】
101 流体制御器、
102 バルブ、
103 圧力制御バルブ、
104 水分発生器、
105 酸化処理炉。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention is Ru engages the method of forming the aluminum oxide passivation film and a welding method and wetted member and fluid supply and exhaust system.
[0002]
BACKGROUND OF THE INVENTION
Gases with strong corrosive action such as hydrogen chloride and hydrogen bromide, or gases with high decomposing action such as silane, diborane, and phosphine are used in semiconductor manufacturing technology. In order to supply these gases stably, a chromium oxide passive film is used. Forming technology has been introduced. In recent years, ozone gas and ozone water have been used in semiconductor manufacturing, and are already used in medical and food industries. However, since ozone has a strong oxidizing action, even a chromium oxide passivated film having excellent corrosion resistance is oxidized (corroded), and the resin also has problems such as curing and dissolution of resin components. Therefore, there are problems such as deterioration of the supply line due to ozone oxidation (corrosion), contamination of impurities, and leakage.
[0003]
The technology for forming an aluminum oxide passive film that has better corrosion resistance than a chromium oxide passive film is conventionally a method of forming aluminum oxide by contacting an oxidizing gas with a steel material made of aluminum or a steel material coated with aluminum, or containing aluminum. A method of forming a composite oxide film containing aluminum oxide by bringing an oxidizing gas into contact with the steel material to be used has been used. However, when aluminum is used as a steel material, the workability is poor and the hardness is small, so that it is not suitable for use as a piping material. The steel material covering aluminum is expensive and takes time. In addition, in the method of forming an aluminum oxide film by contacting an oxidizing gas with a steel material containing aluminum, since an oxide film of another metal is formed in addition to aluminum oxide, there is a problem that the corrosion resistance is inferior. It has been difficult to form an aluminum oxide film that does not include any metal oxide film. In addition, when welding a pipe formed with an aluminum oxide film, the aluminum oxide film in the vicinity of the weld is evaporated by the welding heat, and the surface of the base material is re-formed, so the corrosion resistance is not excellent and the vicinity of the weld is deteriorated. I was invited.
[0004]
[Problems to be developed by the invention]
An object of the present invention is to form an aluminum oxide film excellent in corrosion resistance that does not contain an oxide film of another metal, and to safely supply a highly corrosive fluid.
[0005]
An object of the present invention is to improve productivity by forming an aluminum oxide film excellent in corrosion resistance at low cost and in a short time.
[0006]
An object of the present invention is to provide a fluid supply system that is excellent in corrosion resistance by forming an aluminum oxide film at the same time as welding even in a welded part that is inferior in corrosion resistance to overcome the problem of corrosion resistance in the welded part.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is characterized in that a passive film made of aluminum oxide is formed by bringing an oxidizing gas into contact with the surface of aluminum-containing stainless steel and performing a heat treatment.
[0008]
The forming method of the present invention is characterized in that an aluminum oxide passive film is formed by contacting an aluminum-containing stainless steel with an oxidizing gas containing oxygen or moisture. The oxygen concentration is 500 ppb to 100 ppm, preferably 1 ppm to 50 ppm. The water concentration is 200 ppb to 50 ppm, preferably 500 ppb to 10 ppm.
[0009]
The present invention is characterized in that the oxidizing gas brought into contact with the aluminum-containing stainless steel is an oxidizing mixed gas containing hydrogen.
[0010]
In the formation method of the present invention, the oxidation treatment temperature is 700 ° C. to 1200 ° C., preferably 800 ° C. to 1100 ° C.
[0011]
In the formation method of the present invention, the oxidation treatment time is 30 minutes to 3 hours.
[0012]
In the welding of a pipe provided with such an aluminum oxide passivation film, the present invention adds an oxidizing gas containing oxygen or moisture to a back shield gas (a gas flowing inside the pipe), and simultaneously welds aluminum oxide on the surface of the weld. It is characterized by applying a passive film. The oxygen concentration is 10 ppm to 5000 ppm. The water concentration is 1 ppm to 1000 ppm.
[0013]
The present invention is characterized in that it is an oxidizing mixed gas containing hydrogen in a back shield gas (gas flowing inside the pipe) used in welding in which an aluminum oxide passivation film is applied to the surface of the welded portion simultaneously with welding.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, the effect | action concerning this invention is demonstrated.
[0015]
The present invention is characterized in that a passive film made of aluminum oxide not containing an oxide film of another metal is formed by bringing an oxidizing gas into contact with the surface of aluminum-containing stainless steel and performing a heat treatment. By forming an aluminum oxide passive film with excellent corrosion resistance on the surface of aluminum-containing stainless steel, it is possible to overcome conventional problems such as workability and hardness and to form an aluminum oxide passive film suitable for piping materials. did. Compared to the conventional method, the process can be performed at a lower cost and in a shorter time, and the productivity of the aluminum oxide passive film process can be improved.
[0016]
The forming method of the present invention is characterized in that an aluminum oxide passive film is formed by contacting aluminum or stainless steel with an oxidizing gas containing oxygen or moisture, and the oxygen concentration is 500 ppb to 100 ppm, preferably 1 ppm to 50 ppm. In addition, the water concentration is 200 ppb to 50 ppm, preferably 500 ppb to 10 ppm. Furthermore, an oxidizing mixed gas containing hydrogen in the oxidizing gas may be used. Aluminum-containing stainless steel contains stainless steel components such as iron, chromium, and nickel in addition to aluminum. If a large amount of oxidizing components are present, other metals are oxidized together with aluminum, and other metal oxide films As described above, it is difficult to form an aluminum oxide passive film without the presence of oxygen, and an oxide film cannot be formed if there are too few oxidizing components, so that other metals are not oxidized and only aluminum is oxidized. By performing the treatment in an oxidizing atmosphere, an aluminum oxide passive film can be formed. In addition, reducing hydrogen is added even in an excessive oxidizing atmosphere, and the concentration of oxidizing components in the oxidizing atmosphere can be set widely. Further, by adding hydrogen, a denser and stronger aluminum oxide passive film can be formed.
[0017]
The formation method of the present invention is characterized in that the oxidation treatment temperature is 700 ° C to 1200 ° C, preferably 800 ° C to 1100 ° C. In the above-described method for forming an aluminum oxide passive film having no metal oxide film, since only aluminum is selectively oxidized, oxidation can be performed at the above temperature to prevent oxidation of other metals. Below 700 ° C., iron and chromium are also oxidized, and above 1200 ° C., aluminum oxide crystals are deposited on the surface of the formed aluminum oxide passive film. Is peeled off and cracks are generated, so that the supply fluid may be contaminated. Therefore, the processing temperature is preferably 700 ° C to 1200 ° C.
[0018]
The formation method of the present invention is characterized in that the oxidation treatment time is 30 minutes to 3 hours. Since the time required for forming the aluminum oxide passive film is as short as 30 minutes to 3 hours, it is not necessary to perform heat treatment after conventional aluminum coating, and productivity can be improved.
[0019]
In the welding of a pipe provided with such an aluminum oxide passivation film, the present invention adds an oxidizing gas containing oxygen or moisture to a back shield gas (a gas flowing inside the pipe), and simultaneously welds aluminum oxide on the surface of the weld. A passive film is applied, and the oxygen concentration is 10 ppm to 5000 ppm, and the water concentration is 1 ppm to 1000 ppm. Furthermore, an oxidizing mixed gas containing hydrogen in the oxidizing gas may be used. According to the present invention, it is possible to prevent the local deterioration in the vicinity of the welded portion, which is generally said, and to improve productivity because it can be processed simultaneously with welding without taking the trouble of passive treatment of reoxidized aluminum after welding. Is possible.
[0020]
According to the present invention, an aluminum oxide passive film having better corrosion resistance than a chromium oxide passive film can be formed at a low cost in a short time, and a fluid supply system capable of stably supplying a highly corrosive fluid can be constructed. .
[0021]
【Example】
Hereinafter, those according to the present invention with reference to the drawings, although the description of the aluminum oxide passivation film and forming techniques well wetted member and fluid supply and exhaust system, the present invention is to be limited to these examples is not.
[0022]
Welding in this example was performed using a welding power source (Model 207A) manufactured by Arc Machines, Inc. and a welding machine manufactured by Excel Design.
[0023]
Example 1
FIG. 1 is a schematic view of a gas supply system for processing an aluminum oxide passive film according to the present invention. In the gas supply system, argon is introduced as a dilution gas, oxygen is introduced as an oxidizing gas, and hydrogen is generated to generate moisture, and the flow rate is accurately controlled by a flow rate controller. For moisture generation, a moisture generator using the principle of generating moisture by the catalytic action of nickel by heating a nickel tube is used. Moreover, oxygen can be controlled from 50 ppb to 100 ppm by two-stage dilution. Using this gas supply system, the oxygen concentration dependence of aluminum oxide passive film formation was investigated.
[0024]
As the oxidation treatment material, stainless steel containing 4% of aluminum was used.
[0025]
The oxygen concentration was changed from 100 ppb to 100 ppm, and the oxidized surface at that time was measured by photoelectron spectroscopy with ESCA1000 manufactured by Shimadzu Corporation, and the chemical composition of the surface and the film thickness of the aluminum oxide passive film were measured. The temperature is 900 ° C. and the processing time is 1 hour.
[0026]
FIG. 2 is a graph showing the result of oxygen concentration dependency at that time.
[0027]
A circle represents a 100% aluminum passive film, and a circle represents a composite oxide film.
[0028]
From the results, it was found that a 100% aluminum oxide passive film can be formed at an oxygen concentration of 500 ppb to 10 ppm. If it is less than 500 ppb, the oxidation action becomes low and the oxide film thickness becomes thin. If it exceeds 10 ppm, the oxidation action becomes high and other metals such as iron and chromium are oxidized, so the oxide film thickness increases, but 100% oxidation. There was a tendency for the film thickness of the aluminum passive film to decrease.
[0029]
(Example 2)
In the same manner as in Example 1, the water concentration was changed from 100 ppb to 10 ppm, and the chemical composition of the oxidized surface and the thickness of the aluminum oxide passive film at that time were measured. The temperature is 900 ° C. and the processing time is 1 hour.
[0030]
FIG. 3 is a graph showing the result of oxygen concentration dependency at that time.
[0031]
A circle represents a 100% aluminum passive film, and a circle represents a composite oxide film.
[0032]
From the results, it was found that an aluminum oxide passive film can be formed at an oxygen concentration of 200 ppb to 5 ppm. It has been found that an aluminum oxide passivated film can be formed in an oxidizing atmosphere having a lower concentration than oxygen because moisture has a higher oxidizing action than oxygen. If it is less than 200 ppb, the oxidation action becomes low and the oxide film thickness becomes thin. If it becomes 5 ppm or more, the oxidation action becomes high, and other metals such as iron and chromium are oxidized, so that the oxide film thickness increases, but 100% oxidation. There was a tendency for the film thickness of the aluminum passive film to decrease.
[0033]
(Example 3)
In Examples 1 and 2, similarly, the oxygen concentration was changed from 500 ppb to 500 ppm, and the moisture concentration was changed from 100 ppb to 100 ppm. When performing the oxidation treatment, 10% of hydrogen was added, and aluminum oxide was passivated by adding hydrogen. The dependence of oxidizing atmosphere on film formation was investigated. The temperature is 900 ° C., the treatment time is 1 hour, and the oxidation treatment.
[0034]
Measurement was performed by photoelectron spectroscopy in the same manner as in Examples 1 and 2, and the film thickness of a 100% aluminum oxide passive film was measured.
[0035]
FIG. 4 is a graph showing the results of oxygen concentration and moisture concentration dependence at that time.
[0036]
□ represents the oxygen concentration, and ■ represents the moisture concentration.
[0037]
From the results, it was found that an aluminum oxide passive film can be formed at an oxygen concentration of 5 ppm to 100 ppm and at a moisture concentration of 1 ppm to 50 ppm. Since a reducing atmosphere can be created by adding hydrogen, the oxide film does not grow in the low-concentration oxidizing atmosphere in which the aluminum oxide passivation film is formed in Example 1, and other metals are also oxidized on the contrary. It has been found that an aluminum oxide passive film can be formed in a high concentration oxidizing atmosphere.
[0038]
From this example together with Examples 1 and 2, it was found that by adding hydrogen, an aluminum oxide passive film can be formed over a wide range of oxygen concentration from 500 ppb to 100 ppm and water concentration from 200 ppb to 50 ppm.
[0039]
Further, it is presumed that by adding hydrogen, an oxide film grows while aluminum is repeatedly oxidized and reduced, so that a dense and strong aluminum oxide passive film can be formed.
[0040]
(Example 4)
In the same manner as in Example 1, the treatment temperature was changed from 600 ° C. to 1200 ° C., and the chemical composition of the oxidized surface and the thickness of the aluminum oxide passive film at that time were measured. The treatment time is 1 hour in an oxidizing atmosphere having a moisture concentration of 5 ppm and 10% hydrogen added to a moisture mixed gas.
[0041]
FIG. 5 is a graph showing the result of temperature dependence at that time.
[0042]
From the results, it was found that a composite oxide film containing other metals was formed at 600 ° C., and an aluminum oxide passive film could be formed at 700 ° C. or higher. Furthermore, at 800 ° C. or higher, a 100% aluminum oxide passive film having a thickness of 100 nm or more is formed from the outermost surface of the stainless steel, and it is clear that there is a dependence on the relationship between temperature and 100% aluminum oxide passive film thickness. Became.
[0043]
However, if the oxidation treatment is performed at a temperature of 1200 ° C. or higher, aluminum oxide is deposited on the surface of the passive state of the aluminum oxide film. When the fluid is supplied, the precipitated aluminum oxide crystals are separated and cracks are generated. It is speculated that there is a risk of it.
[0044]
(Example 5)
In the same manner as in Example 1, the treatment time was changed from 10 minutes to 5 hours, and the chemical composition of the oxidized surface and the thickness of the aluminum oxide passive film at that time were measured. The treatment temperature is 900 ° C., a moisture concentration of 5 ppm, and an oxidizing atmosphere in which 10% of hydrogen is added to a moisture mixed gas.
[0045]
Three samples were processed each time . Measurement was performed by photoelectron spectroscopy, and the film thickness of a 100% aluminum oxide passive film was measured.
[0046]
FIG. 6 is a graph showing the result of time dependency at that time.
[0047]
From the results, it was found that the aluminum oxide passive film can be processed with good reproducibility in 30 minutes or more. From 30 minutes to 3 hours, the 100% aluminum oxide passive film thickness and time dependence are clear, and the film thickness increases almost linearly with increasing time. However, even if the treatment is carried out for 3 hours or more, the increase in the film thickness is not so much confirmed, and if the film thickness is too thick, an aluminum depletion layer is formed on the underlayer of the aluminum oxide passive film. It is presumed that problems such as delamination and cracking of the passive film will occur. Also, in 30 minutes or less, the variation in film thickness is large and an oxidation process with good reproducibility is impossible. Therefore, it is estimated that a processing time of 30 minutes to 3 hours is appropriate.
[0048]
(Example 6)
Stainless steel containing 4% of aluminum has a moisture concentration of 5 ppm, and an oxidizing atmosphere in which 10% of hydrogen is added to the moisture mixed gas, the processing temperature is 900 ° C., the processing time is 1 hour, and the film thickness is about 200 nm. Each of an aluminum oxide passivated film, a conventional chromium oxide passivated film having a thickness of about 30 nm, and ordinary stainless steel (SUS316L-EP) in 100% chlorine gas for 24 hours, a pressure of 5 kg / cm 2 , a temperature An accelerated corrosion resistance test was performed at 100 ° C.
[0049]
In conventional stainless steel, corrosion products are observed on the entire surface, and it is confirmed that the corrosion has progressed. However, neither the chromium oxide passive film nor the aluminum oxide passive film has any corrosion products, It was found to show excellent corrosion resistance.
[0050]
FIG. 7 is a graph showing the result of the chemical composition of the surface measured by the photoelectron spectroscopy in this example.
[0051]
In conventional stainless steel, chlorine is detected in the depth direction from the outermost surface, and it is confirmed that corrosion proceeds in the depth direction, but both the chromium oxide passive film and the aluminum oxide passive film contain chlorine. It was detected only on the outermost surface, not in the depth direction, and it was confirmed that chlorine was only physically adsorbed, and it was found that excellent corrosion resistance was exhibited.
[0052]
(Example 7)
As in Example 6 , each of an aluminum oxide passive film having a film thickness of about 200 nm, a chromium oxide passive film having a film thickness of about 30 nm, ordinary stainless steel, and titanium that has been conventionally said to have excellent ozone resistance. An immersion test was conducted in 14 ppm ozone water for 1 week, and the amount of metal elution in the steel was measured with an inductively coupled mass spectrometer (ICP-MS).
[0053]
FIG. 8 is a graph showing the results of the dissolution test at that time.
[0054]
The amount of elution of stainless steel and chromium oxide passive film is large, and the amount of elution of titanium used for ozone in the past is smaller than that of stainless steel and chromium oxide passive film, but aluminum oxide passive film. As a result,
[0055]
(Example 8)
Stainless steel containing 4% of aluminum has a moisture concentration of 5 ppm, and an oxidizing atmosphere in which 10% of hydrogen is added to a moisture mixed gas, the processing temperature is 900 ° C., the processing time is 1 hour, and the film thickness is about 200 nm. A pipe having an outer diameter of 6.35 mm on which the aluminum oxide passive film was formed was welded by rotating the welding electrode once at a current value of 10 A and a rotation speed of 7.5 rpm.
[0056]
At that time, the oxygen concentration of the back shielding gas was changed from 1 ppm to 1%, and the chemical composition and film thickness of the aluminum oxide passive film were measured.
[0057]
FIG. 9 is a graph showing the results of oxygen concentration dependency at that time.
[0058]
From the results, it was found that there is a dependency on the relationship between the oxygen concentration and the aluminum oxide passive film thickness over the oxygen concentration of 10 ppm to 500 ppm. By adding oxygen to the back shielding gas, a good quality weld surface is obtained. It was confirmed that it was formed simultaneously with welding. Further, when it is 500 ppm or more, iron and chromium are oxidized and an aluminum oxide passivated film containing no other metal oxide film is not formed. However, by adding hydrogen as described in Example 3, an aluminum oxide passivated film is obtained. Since it is possible to make the concentration of the oxidizing gas high for this purpose, the oxygen concentration for forming the aluminum oxide passive film at the same time as welding can be increased by adding hydrogen as in Example 3. Therefore, the oxygen concentration capable of forming an aluminum oxide passive film is estimated to be 10 ppm to 5000 ppm.
[0059]
From this example, it became clear that an aluminum oxide passive film can be formed simultaneously with welding, and local deterioration of the conventional welded part can be prevented in a short time.
[0060]
Example 9
In the same manner as in Example 8, a pipe having an outer diameter of 6.35 mm on which an aluminum oxide passive film having a film thickness of about 50 nm was formed was welded by rotating the welding electrode once at a current value of 10 A and a rotation speed of 7.5 rpm. At that time, the water concentration of the back shielding gas was changed from 1 ppm to 1000 ppm, and the chemical composition and film thickness of the aluminum oxide passive film were measured.
[0061]
FIG. 10 is a graph showing the result of moisture concentration dependency at that time.
[0062]
From the results, it was found that the relationship between the oxygen concentration and the passive thickness of the aluminum oxide film was dependent on the water concentration from 1 ppm to 500 ppm. Further, when it is 500 ppm or more, iron and chromium are oxidized and an aluminum oxide passivated film containing no other metal oxide film is not formed. However, by adding hydrogen as described in Example 3, an aluminum oxide passivated film is obtained. Since it is possible to make the concentration of the oxidizing gas high for this purpose, the oxygen concentration for forming the aluminum oxide passive film at the same time as welding can be increased by adding hydrogen as in Example 3. Therefore, the oxygen concentration capable of forming an aluminum oxide passive film is estimated to be 1 ppm to 1000 ppm.
[0063]
From Example 8 and Example 9 , it is possible to overcome a problem that causes deterioration of the welded portion, and it is possible to construct a fluid supply system in which an aluminum oxide passive film having excellent corrosion resistance is formed. It was confirmed.
[0064]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to form a passive film made of aluminum oxide having excellent corrosion resistance on the surface of aluminum-containing stainless steel, which overcomes the conventional problems of workability and hardness and is suitable for piping materials. In addition, an aluminum oxide passive film can be formed.
[0065]
According to the present invention, it is possible to perform processing at a lower cost and in a shorter time than in the prior art, and according to the present invention, which can improve the productivity of aluminum oxide passive film processing, it is possible to prevent local deterioration in the vicinity of the weld. Further, the productivity can be improved because the treatment can be performed simultaneously with the welding without taking the trouble of the reoxidation passive state treatment after the welding.
[0066]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the fluid supply system which can supply the aluminum oxide passive state process inexpensively in all the gas contact parts also including a welding part in a short time, and can supply a highly corrosive fluid stably is provided. It becomes possible.
[0067]
According to the present invention, it is possible to construct an oxidation passivated film having better corrosion resistance than a chromium oxide passivated film.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a gas supply system used in aluminum oxide passivation treatment of the present invention.
FIG. 2 is a result of evaluation by oxygen photoelectron spectroscopy of oxygen concentration dependency when forming an aluminum oxide passive film of the present invention.
FIG. 3 shows the result of evaluation by water photoelectron spectroscopy of moisture concentration dependency when forming an aluminum oxide passive film of the present invention.
FIG. 4 is a result of evaluation by photoelectron spectroscopy of oxygen and moisture concentration dependency when hydrogen is added to an oxidizing atmosphere when forming an aluminum oxide passive film of the present invention.
FIG. 5 is a result of evaluation by photoelectron spectroscopy of processing temperature dependence when forming an aluminum oxide passive film of the present invention.
FIG. 6 is a result of evaluation by photoelectron spectroscopy of processing time dependency when forming an aluminum oxide passive film of the present invention.
FIG. 7 is a result of evaluating the corrosion resistance against chlorine gas of the aluminum oxide passive film of the present invention by photoelectron spectroscopy.
FIG. 8 is a result of evaluating the ozone resistance of an aluminum oxide passive film of the present invention by an elution test.
FIG. 9 is a result of evaluation by photoelectron spectroscopy of oxygen concentration dependency when forming an aluminum oxide passive film by the welding technique of the present invention.
FIG. 10 is a result of evaluating the moisture concentration dependency upon formation of an aluminum oxide passive film by photoelectron spectroscopy using the welding technique of the present invention.
[Explanation of symbols]
101 fluid controller,
102 valve,
103 pressure control valve,
104 moisture generator,
105 Oxidation furnace.
Claims (15)
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