JP4004254B2 - 有機el素子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は有機EL素子の製造方法に関し、特に転写法を用いた有機EL素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蛍光性の発光層を含む有機層を電極で挟持した有機EL素子(エレクトロルミネッセンス素子)は、自発光であるため視認性が高く、また有機材料を主たる原料としているので、分子設計の自由度が高く、多色化が容易である。また、完全固体素子であるため、耐衝撃性に優れているとともに取扱いが容易であるなどの優れた特性を有し、面光源、ディスプレイおよびプリンタの光源への応用が進められている。
【0003】
このような有機EL素子をディスプレイへと応用するにあたり、RGB 発光層の塗り分けが必須であり、また高精細なディスプレイを作成する場合、微細な塗分け技術が必要となる。
RGB 各色の高精細な塗分けが容易な方法として、特開平11−260549号公報等には、転写法による有機層の形成方法が提案されている。
【0004】
上記の転写法は、通常、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等から構成されるドナー基板上に、転写層、すなわち、有機層や電極等の転写すべき薄膜層を、蒸着法、スピンコート法またはスパッタ法等で形成し、次に転写層が基板に接するようにドナー基板を基板に貼り付けて、ドナー基板側からレーザー光や熱等のエネルギーを加えることにより、転写層を基板側に転写する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報等に記載された従来の転写法により有機EL素子の有機層や電極等のを形成する際、特に、高精細な塗り分けが必要な部分の転写を行う場合、図3に示すように、形成される転写膜のエッジSが、所望する転写膜の幅Wに対してずれることがあった。
これは、転写時の転写フイルム上の温度が130〜300℃になるため、熱の拡散によって有機材料の転写が不均一になるものと考えられる。
また、レーザーを照射する際、照射されるレーザーの幅を所望する転写層の幅よりも狭くする方法があるが、この場合も熱の拡散の割合が一定でないため、所望とする転写幅を得ることができなかった。
【0006】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、転写法を用いて高精細なパターンの塗り分けが行える有機EL素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、ベースフイルム上に熱伝播層と、剥離層と、少なくとも発光層を含み、かつ70℃以上のガラス転移温度を有する有機材料を含む有機層を有する転写層とをこの順に積層して転写フイルムを形成し、この転写フイルムの転写層を基板上に転写し、それによって基板上に第1電極、前記有機層および第2電極がこの順に積層された有機EL素子を形成するに際し、前記基板上にスイッチング素子を形成し、該スイッチング素子を覆うように基板上に平坦化膜を形成し、該平坦化膜上に第1電極を形成すると共に、該第1電極の周囲に膜厚5μm以下で第1電極の厚みよりも厚い隔壁を形成し、その後、前記転写フイルムの転写層を基板上に転写して前記有機層を第1電極上に形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法が提供される。
【0008】
すなわち、本発明者らは、基板に接する有機材料の熱特性と転写特性を調べたところ、有機材料のガラス転移温度が70℃以上であれば、所望する転写幅を得ることができる有機EL素子の製造方法を見出した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の有機EL素子の構成およびその製造方法の実施の形態を説明するが、この発明はこれらによって限定されない。
図1は、この発明の実施の一形態による有機EL素子の構成を示す正面断面図である。
【0010】
図1において、有機EL素子10は、基板1と、基板1上に順に形成されたスイッチング素子7、平坦化膜8(絶縁膜)、第1電極2、隔壁3、発光層を含む有機層4、第2電極5、封止材6および平坦化膜8を貫通して第1電極2とスイッチング素子7を接続するスルーホール11とを有する。スイッチング素子7および第2電極5は、図示しない電源回路部に接続されている。有機EL素子10は、スイッチング素子7からの信号に基づいて前記発光層の発光が駆動され、この発光を基板1側、あるいは基板1と反対側の第2電極5から取り出す構成とすることができる。
【0011】
基板1は、少なくとも両電極(2、5)の一方側に配設され、絶縁性を有し、透光性または非透光性の基板が使用が可能である。
基板1の材料は、従来の有機EL素子用に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、石英、ソーダカラス、セラミック材料等の無機材料、ポリイミド、ポリエステル等の有機材料が挙げられる。
【0012】
開口率を高めるために発光層の発光を基板1と反対側の第2電極5から取り出すことが望ましいが、この場合、基板1は、コントラストの向上のために可視光領域における光の吸収係数が大きいことが好ましい。
また、転写時における転写フィルムの位置合わせのために、基板1にマーカーを付けておくと、所望の位置により正確に転写を行うことができる。
基板1には、必要に応じてTFT素子またはMIM素子等のスイッチング素子7あるいはデータ記憶用のキャパシタを組み込んでもよい。したがって、基板1は、スイッチング素子7等の上記素子を作成するために、耐熱性および耐薬品性に優れた材料で構成されることが好ましい。
【0013】
第1電極2および第2電極5は、その材料が特に限定されないが、いずれか一方が透明性金属であることが好ましく、例えば、インジウムー錫酸化物(ITO )、SnO2、Au薄膜等の無機材料やポリアニリン、ポリチオフェン薄膜などの有機材料を用いることができる。
また、他方の電極は、その材料が特に限定されないが、例えばマグネシウム、リチウム、カルシウム、銀、アルミニクム、インジウム、セシウムおよび銅などが挙げられる。また、これら金属の単体、合金もしくは異なる材料が積層された構造のものなどが使用できる。
【0014】
隔壁3は、両電極間のリークや画素間におけるクロストークの防止、画素間における有機材料の混合防止のためのブロック膜として機能し、画素部の周囲または一部に存在することが望ましい。
隔壁3の材料は、特に限定されないが、SiO2,SiN などの無機材料、ポリイミド、フォトレジストなどの有機材料あるいはこれらを組みあわせたものが挙げられる。
隔壁3の大きさおよび形状は特に限定されないが、隔壁3の膜厚は5μm以下であることが好ましい。隔壁の膜厚が5μm以上であると、後記の転写フイルムを隔壁3付きの基板に貼り付ける際に、隔壁3の周囲に隙間が生じ、転写不良の原因となりやすい。
【0015】
有機層4は、発光層以外にも、例えばホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層等の電荷輸送層を積層して構成したものであってもよい。
有機層4は、単層構造でも積層構造でもよく、両電極間における構成は特に限定されるものではないが、具体的には、第1電極/発光層/第2電極、第1電極/ホール輸送層/電子輸送性発光層/第2電極、あるいは第1電極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極などの構成が挙げられる。
有機層4は、また、電子注入材料、電荷制限材料などの無機材料を挿入することもでき、特に限定されるものではない。
【0016】
発光層を構成する材料としては、有機EL素子に用いられてきた低分子発光材料や高分子発光材料を使用することが可能である。
上記低分子発光材料としては、8−ヒドロキシキノリロール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、キナタリドン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、ペリレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、蛍光性金属錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
また、上記高分子発光材料としては、ポリパラフィニレンビニレン(PPV )誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK )、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの材料を組み合わせたり、ドーパント材料(例えば、クマリン誘導体やキナクリドン誘導体、公知のレーザー用色素が挙げられるが、これらに限定されるものではない)などの添加剤(例えば、リチウム、セシウムなどの金属あるいは金属の酸化物や弗化物など)を組み合わせてもよい。
【0018】
ホール輸送層を形成する材料としては、NPD (4,4'-bis[N-naphthyl-N-phenyl-amino] biphenyl)、トリフェニルアミン誘導体、PPV 誘導体、PVX 、ポリアニリン、PEDOT /PSS などの導電性高分子、p 型半導体材料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホール注入層を形成する材料としては、CuPc(銅フタロシアニン)、トリフェニールアミン誘導体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電子輸送層を形成する材料としては、オキサジアゾール誘導体、有機金属錯体、PPV 誘導体、Alq3( アルミニウムキノリン) が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電子注入層を形成する材料としては、LiF (フッ化リチウム)、Li2O(酸化リチウム)、 CsF(フッ化セシウム)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
この発明において、有機層4は、ガラス転移温度Tgが70〜300℃の有機材料を含む。
このような有機材料としては、NPD (4,4'-bis[N-naphthyl-N-phenyl-amino] biphenyl)〔Tg=95℃〕、Alq3(アルミニウムキノリン)〔Tg=175 ℃〕、m-MTDATA(4,4',4"-tris〔3-methylphenylamino〕triphenylamine)〔Tg=75℃〕あるいはこれらの少なくとも1種類と少なくとも1種類の高分子材料(ガラス転移温度Tgが70〜300℃でなくてもよい)等を混合した材料が挙げられる。
これらの有機材料は、有機層4の全体または有機層4の一部を構成するものであってもよい。また、有機層4に接するように転写層4の表面、すなわち転写時に基板1側の表面に接する面を形成するように成膜されてなるのが好ましい。
有機材料のガラス転移温度Tgが70℃以下であると、転写時に生じた熱の拡散により転写が行われてしまう場合があり、転写時に所望とする形状や線幅を有する部分の転写が困難になり表示画質の低下やリークの原因となる。
有機材料のガラス転移温度Tgが、300℃以上であると、有機層4やスイッチング素子7等に支障をきたすおそれがあるので、好ましくない。
【0020】
封止材6は、水分や酸素が有機層4に接触するのを防止する機能を有する。
封止材6の構造および材料は特に限定されるものではなく、具体的には、公知の封止用キャップを貼り合わせたり、有機物や無機物によるパッシベーション、ラミネートによる封止などが挙げられる。
封止材6は、封止材6側から発光層の発光を得る場合には、透明性が高いことが好ましい。また、封止材6は、必要に応じて偏光板の機能を兼ね備えた構成としてもよいし、防湿材などと組み合わせた構成としてもよい。
【0021】
図2は、この発明の実施の一形態による転写フイルムの構成を示す正面断面図である。
図2に示すように、転写フイルムは、少なくとも、べ−スフイルム21、熱伝播層22、剥離層23および転写層24を含む多層構造からなり、転写時には、べ−スフイルム21側から(図中矢印方向から)光または熱が基板1に向かって照射される。
べ−スフイルム21は、透明で物理的に柔軟な材料であることが好ましい。材料の柔軟性が高いと、表面に凹凸のある基板1、すなわち第1電極2や隔壁3等が形成された基板1に転写フイルムをセットする際に、基板1との間に隙間を形成することなく転写フイルムをセットできる。
べ−スフイルム21の材料は、上記の特性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、公知のPET やPMMAなどの高分子材料が挙げられる。
べ−スフイルム21の膜厚は、フイルムの柔軟性の点で、0.01〜1000μmが好ましい。
【0022】
熱伝播層22は、転写を効率的に行うために熱を伝播させる層であり、例えば、ポリαメチルスチレンなどの高分子材料が挙げられる。
熱伝播層22は、光一熱変換層と熱伝播層とに分けられた積層構造が好ましい。また、発熱反応を用いた転写の場合、発熱層と熱伝播層とに分けることが好ましい。
【0023】
光一熱変換層は、レーザーによる転写の場合、レーザー光を熱に効率よく変換する性質を有する物質から構成される。具体的には、アルミニウム、アルミニウム酸化物および/またはアルミニウム硫化物からなる金属膜、カーボンブラック、黒鉛または赤外線染料等を高分子材料(例えば、熱硬化型エポキシ樹脂)に分散した有機膜等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
熱伝播層22は、これらの材料にカーボンブラック等を分散させて黒色とした層から構成されてもよい。
剥離層23は、公知の材料であれば特に限定されるものではなく、例えばポリαメチルスチレンや熱発泡性樹脂などが挙げられる。
【0024】
前記のように構成された転写フイルムは、転写フイルム上、すなわち剥離層23の表面に、基板1側への転写を所望する有機層4、または有機層4と第2電極5からなる転写層24が形成される。
転写層24として形成される有機層4は、単層構造でも積層構造でもよく、その構成は特に限定されるものではない。
転写フイルム上に有機層4を形成する方法は特に限定されるものではなく、公知の技術、例えば真空蒸着法、スパッタ法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法あるいはこれらを組み合わせた方法を用いることができる。
【0025】
有機EL素子10の第2電極5側から発光層の発光を取り出す場合には、光取り出し効率を上げるために第2電極5を透明にする必要がある。このとき、透明電極からなる第2電極5を陽極とするのであれば、基板1に接する有機層4部分を電子輸送層とし、第2電極5に接する有機層4部分をホール注入層とすることが好ましい。電子輸送層は、この場合、熱的にも安定し、かつ電子輸送性の高い材料であるアルミニウムキノリン〔Alq3〕を用いることが好ましい。
【0026】
基板1への転写層24の転写について説明する。
基板1への転写層24の転写は、前記転写フイルムを基板1に貼り合わせ、レーザー光の照射により行なう。基板1上には、スイッチング素子7および第1電極2が形成されていてもよい。
基板1と転写フイルムを貼り合わせる際、基板1と転写フイルムとの間に気泡が残らないようにすることが好ましい。気泡が残ると、所望するパターンおよび膜厚が転写後に得られない場合が生じるからである。
【0027】
基板1と転写フイルムとの間に気泡が残らないように脱気を行う方法は、特に限定されるものではなく、例えば基板1と転写フイルムとの間を真空ポンプで脱気したり、基板1上に転写フイルムをセットした後に、転写フイルム上からローラーを転がして脱気してもよいし、これらを合わせて行ってもよい。
次いで、レーザー光を照射して、転写を行う。
このとき、レーザーは、転写を行う部分に照射する。すなわち、レザーが照射された所だけが転写される。その際、レーザーの出力は特に限定されるものではないが、出力が大きすぎると、有機材料にダメージを与えてしまうので好ましくない。また、出力が小さすぎると、転写が不十分になったり、まだらに転写されるおそれがある。
【0028】
また、用いられるレーザーの種類および照射されるレーザーの波長は特に限定されるものではなく、例えばYAG レーザーや半導体レーザーなどが出力が安定している点で好ましい。
転写を所望する部分にレーザーを照射した後、転写フイルムを剥離することにより転写は終了する。
上記したように、レーザーを照射し、これを熱に変換する方法以外に、転写を行う部分を直接加熱する方法がある。具体的には、熱した金属マスクを押しつけるなどの方法で行う。
【0029】
以下に、この発明の有機EL素子の製造方法の実施例を説明する。
実施例1
転写フイルムは、公知の方法にて作成した。まず、べ−スフイルム21として厚さが0.1mmのPET 上に、光一熱変換層としてカーボンを分散させたエポキシ樹脂層を5nm成膜した。続いて、この上に剥離層23としてポリαメチルスチレン膜を1nm成膜し、次いで、転写層24としてNPD (Tg=95℃)を厚さ100 nmで剥離層23上に真空蒸着法を用いて成膜した。これにより、基板1上に有機層4を形成する有機材料を含んだ転写層24が表面となる転写フイルムが形成された。
上記の転写フイルムを、ITO からなる第1電極2が形成された基板1上に貼り合わせたのち、ローラーを転がすことにより脱気を行った。次いで、レーザー光を照射幅50nm、エネルギー量16wで照射して転写を行った。
【0030】
その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004004254
【0032】
なお、表1において、転写法により形成した転写層のエッジが所望する転写幅に対して±7%以内の場合は表中の転写特性を「○」とし、それ以外の場合は表中の転写特性を「×」とした。
【0033】
実施例2
転写フイルムに成膜した有機材料をAlq3(Tg=175 ℃)としたこと以外は実施例1と同じとした。その結果を表1に示す。
【0034】
実施例3
転写フイルム上に、真空蒸着法を用いて有機層4を形成する転写層24として、Alq350nmとNPD50nm をこの順に積層したこと以外は実施例1と同様とした。その結果を表1に示す。
【0035】
実施例4
真空蒸着法を用いて、転写フイルム上に、有機層4を形成する転写層24として、NPD50nm とAlq350nmをこの順に積層したこと以外は実施例1と同様とした。その結果を表1に示す。
【0036】
実施例5
真空蒸着法を用いて、転写フイルム上に、有機層4を形成する転写層24として、TPD (Tg=63℃)50nm とAlq350nmをこの順に積層したこと以外は実施例1と同様とした。その結果を表1に示す。
【0037】
実施例6
この例は、ガラス転移温度が70℃以上の有機材料が転写層24の表面に配設され、転写層24に接する基板上にガラス転移温度70℃以下の有機材料が配設される構成を示す。
まず、真空蒸着法を用いて、転写フイルム上に、Alq3を50nm形成した。また、同時にITO 付き基板1にTPD (Tg=63℃)を50nm形成した。TPD を形成したITO 付き基板1に、Alq3を形成した転写フイルムを貼り合わせて、レーザーを照射することにより転写をおこなった。その転写結果を表1に示す。
【0038】
実施例7
この例は、転写層24が、スイッチング素子7および第1電極2が形成された基板1上に転写される有機層4である構成を示す。
転写フイルムは、実施例1と同様に作成した。まず、有機層4を形成する転写層24として、真空蒸着法を用いて、転写フイルム上にホール注入層としてCuPcを20nm成膜した。次いで、ホール輸送層としてNPD を40nm、電子輸送性発光層としてAlq3を60nmをこの順に成膜した。これにより、基板1と接する有機層4は、Alq3となる。
一方、TFT 素子及び第1電極2を形成した基板1をUVオゾン洗浄により洗浄した後、転写フイルムを貼り合わせ、ローラーにより脱気を行なった。その後、レーザーを転写フイルム上から照射した。このときのレーザーのパワーは、16wであった。レーザーによる転写層24の転写が終了後、転写フイルムを剥離して有機層4の形成が行なわれた。
【0039】
なお、これらのレーザーによる転写工程は乾燥窒素中で行なった。続いて、有機層4が形成された基板1を真空蒸着器にセットし、スパッタ法を用いて、第1電極2としてITO を100nm 成膜した後に、封止材6として透明なガラスを貼り付けることにより封止を行ない、TFT 付き基板1に対して第2電極5側から発光層の発光を取り出す構成の有機ELディスプレイを作成した。
作製した有機ELディスプレイにおいて、駆動用電源と信号を入力したところ、動画表示が可能なフルカラーディスプレイが完成した。
実施例7では、発光層の発光が第2電極5側から取り出されるので、開口率が高いディスプレイを提供することができた。
【0040】
実施例8
転写フイルムに成膜した有機材料をm-MTDATA(4,4',4"-tris〔3-methylphenylamino〕triphenylamine)(Tg=75℃)としたこと以外は実施例1と同じとした。その結果を表1に示す。
この例では、ガラス転移温度が70℃以上であったため、所望する転写幅の有機層4が得られた。
【0041】
比較例1
転写フイルムに成膜した有機材料をTPD (Tg=63℃)としたこと以外は実施例1 と同じとした。その結果を表1 に示す。
この例では、有機材料のガラス転移温度が70℃以下であったので、所望する転写幅の有機層4が形成されなかった。
【0042】
表1の結果から、転写フイルムの表面の有機材料のガラス転移温度が70℃以上であれば、所望する転写幅の有機層4を形成できることがわかった。したがって、高精細なパターンの塗り分けが可能な有機EL素子の製造方法を提供できる。
【0043】
【発明の効果】
この発明では、転写法を用いて所望する転写幅を得ることができる。したがって、高精細なパターンの塗り分けが可能な有機EL素子の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による有機EL素子の構成の一例を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の一形態による転写フイルムの構成を示す正面断面図である。
【図3】従来の転写法により形成される転写膜のエッジEと所望する転写膜の幅Dとの関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 第1電極
3 隔壁
4 有機層
5 第2電極
6 封止材
7 スイッチング素子
10 有機EL素子
21 べ−スフイルム
22 熱伝播層
23 剥離層
24 転写層

Claims (8)

  1. ベースフイルム上に熱伝播層と、剥離層と、少なくとも発光層を含み、かつ70℃以上のガラス転移温度を有する有機材料を含む有機層を有する転写層とをこの順に積層して転写フイルムを形成し、この転写フイルムの転写層を基板上に転写し、それによって基板上に第1電極、前記有機層および第2電極がこの順に積層された有機EL素子を形成するに際し、
    前記基板上にスイッチング素子を形成し、該スイッチング素子を覆うように基板上に平坦化膜を形成し、該平坦化膜上に第1電極を形成すると共に、該第1電極の周囲に膜厚5μm以下で第1電極の厚みよりも厚い隔壁を形成し、その後、前記転写フイルムの転写層を基板上に転写して前記有機層を第1電極上に形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記有機材料が、転写層の表面に成膜されてなる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記転写層が、前記第2電極をさらに有する請求項1に記載の製造方法。
  4. 発光層の発光が第2電極側から取り出される有機EL素子を形成する請求項記載の製造方法。
  5. スイッチング素子が、TFT 素子である請求項に記載の製造方法。
  6. 転写時に熱またはレーザー光を用いる請求項1に記載の製造方法。
  7. 有機材料が、電子輸送材料からなる請求項に記載の製造方法。
  8. 電子輸送材料が、アルミニウムキノリンである請求項に記載の製造方法。
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