JP3990128B2 - Magnetic recording device - Google Patents
Magnetic recording device Download PDFInfo
- Publication number
- JP3990128B2 JP3990128B2 JP2001279858A JP2001279858A JP3990128B2 JP 3990128 B2 JP3990128 B2 JP 3990128B2 JP 2001279858 A JP2001279858 A JP 2001279858A JP 2001279858 A JP2001279858 A JP 2001279858A JP 3990128 B2 JP3990128 B2 JP 3990128B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- recording
- layer
- functional layer
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの処理速度向上に伴って、情報の記憶機能及び再生機能を担う磁気記憶装置(HDD)は、さらなる高速化及び高密度化が要求され続けている。しかしながら高密度化には物理的な限界があると言われており、この要求を満たし続けていけるかどうか問題視されている。
【0003】
HDDのうち情報が実質的に記録される磁気記録媒体は、微細な磁性粒子の集合体からなる磁性体層を記録層として具備している。この磁気記録媒体に高密度記録を行うためには磁性体層に記録される磁区をできるだけ微小化する必要がある。
【0004】
また、小さな磁区を分別できるようにするためには磁区の境界が滑らかであることが必要であり、そのためには磁性粒子をできるだけ微小化する必要がある。また、隣接する磁性粒子同士で磁化反転が連鎖すると磁区の境界の乱れとなるので、磁性粒子間には交換結合相互作用が働かないように非磁性体によって磁気的に分断する必要がある。
【0005】
また、HDDのうち磁気ヘッドは、磁気記録媒体に記録された磁気情報を読み取るために、磁気記録媒体の磁性体層との間で相互作用を高くする必要がある。このためには、磁気記録媒体の磁性体層の膜厚も小さくする必要がある。
【0006】
以上の要請から、磁気記録媒体の磁性体層を構成する磁性体の磁化反転の積層構造(磁性粒子とほぼ等しい)の体積はどんどん小さくしていかなければならない。
【0007】
ところが、磁化反転積層構造を微小化すると、その積層構造が持つ磁気異方性エネルギー(磁気異方性エネルギー密度Ku×磁化反転のユニットの体積V)が熱揺らぎエネルギーよりも小さくなり、もはや磁区を保持することができなくなってしまう。これが熱揺らぎ現象であり、この熱揺らぎ現象が主因となる記録密度の物理限界は、熱揺らぎ限界と呼ばれている。
【0008】
熱揺らぎによる磁化の反転を防ぐための一つの方法として、磁性体層の磁気異方性エネルギーを熱揺らぎエネルギーよりも大きくすることが考えられる。しかしながら、磁性体層の磁気異方性エネルギーを大きくすると、磁性体層に反転磁区を形成する(記録する)ときの保磁力は、磁気異方性エネルギーにほぼ比例するために大きくなりすぎ高々12kOe程度の磁界を発生するパーマロイ、Fe或いはFe合金で形成される現状の記録ヘッドが発生しうる磁界では記録ができなくなってしまうという問題が発生する。
【0009】
以上の問題である磁性体層の磁気異方性エネルギーを大きくしても現状の記録ヘッドで記録可能とするために熱アシスト磁気記録が提案されている。
【0010】
熱アシスト磁気記録は、記録時に磁性体層を局所的に加熱して、記録領域の磁気異方性エネルギーを小さくして記録を行うものである。熱アシスト記録は、室温における磁性体層の磁気異方性エネルギーが大きくても、記録領域のみ局所的に加熱してこの領域の磁気異方性エネルギーを小さくすることで現状のヘッドで記録が可能になる。
【0011】
しかしながら熱アシスト磁気記録は、記録時には隣接トラック部が多少なりとも加熱されるために、そこでは熱揺らぎが加速されて記録磁区が消去される現象(クロスイレーズ)が起こる。
【0012】
また、記録直後に記録ヘッドからの磁界がなくなった時点でも磁性体層はある程度加熱されていることから、同様に熱揺らぎが加速されて、一度形成した磁区が消失してしまうという問題がある。
【0013】
これらの問題を解決するには、磁気異方性エネルギー密度Kuの温度に対する変化が記録温度近傍でできるだけ急峻な材料を用いる必要がある。すなわち記録時には温度上昇に伴って急激に磁気異方性エネルギー密度Kuが減少し記録できる値まで達し、記録後は熱が拡散するに伴って急激に磁気異方性エネルギー密度Kuが上昇して熱揺らぎを防ぐようにする必要がある。
【0014】
しかしながら、保磁力が高い材料として現在開発が進んでいるCoCr系磁性薄膜或いはCoPt系磁性薄膜の磁気異方性エネルギー密度Kuの温度変化は概ねリニアであるので熱の拡散速度に対して磁気異方性エネルギー密度Kuがそれほど速くもとの値に戻らない。したがって現状の熱アシスト磁気記録では、記録後の記録磁化の消失或いはクロスイレーズの問題を解消することができない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の熱アシスト磁気記録では磁気記録媒体に用いる磁性材料の磁気異方性エネルギー密度Kuの温度変化が緩慢なために、記録後もすぐに磁気異方性エネルギー密度Kuがもとに戻らず熱揺らぎによる記録磁化の消失或いはクロスイレーズが発生するという問題がある。
【0016】
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたもので、熱アシスト磁気記録を行う際に熱揺らぎ加速により発生する、記録直後の記録磁化の消失やクロスイレーズ現象を起こさない磁気記録装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成され、キュリー温度TcFL及び磁気異方性エネルギー密度KuFLを有する磁性体からなる機能層と、前記機能層上に前記機能層と反強磁性交換結合相互作用を及ぼすように積層された前記キュリー温度Tc FL よりも高いキュリー温度TcRL及び5×106erg/cc以上の磁気異方性エネルギー密度KuRLを有する磁性粒子と前記磁性粒子間に形成された非磁性体とからなる記録層と、前記機能層及び前記記録層を、室温より高く、Tc FL 近傍以下の記録温度Twに加熱する加熱手段と、前記記録層に磁界を印加することによって信号磁化を記録する磁気記録手段とを具備することを特徴とする磁気記録装置を提供する。
【0018】
このとき、前記磁気異方性エネルギー密度Ku FLが前記磁気異方性エネルギー密度Ku RL以下であることが好ましい。
【0019】
また、前記磁気異方性エネルギー密度Ku FL>前記磁気異方性エネルギー密度Ku RL×0.1であることが好ましい。
【0020】
また、前記記録温度Twにおける前記磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温における前記異方性エネルギー密度Ku RLの1/4よりも大きいことが好ましい。
【0021】
また、前記キュリー温度Tc FLにおける前記磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温における磁気異方性エネルギー密度Ku RLの1/4よりも大きいことが好ましい。
【0022】
また、前記記録層と前記機能層との間に厚さ5nm以下の非磁性中間層を有することが好ましい。
【0023】
また、前記非磁性中間層が少なくともRu、Re、Rh、Ir、Tc、Au、Ag、Cu、Si、Fe、Ni、Pt、Pd、Cr、Mn、Al、半導体及び磁性体がドープされた半導体から選ばれる材料からなることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、非磁性基板と、
前記非磁性基板上に形成され、室温における磁化量が記録温度Twにおける磁化量より小さいフェリ磁性体からなる機能層と、
前記機能層上に前記機能層と強磁性交換結合相互作用を及ぼすように積層された磁性粒子と前記磁性粒子間に形成された非磁性体とからなる記録層と、
前記機能層及び前記記録層を前記記録温度Twに加熱する加熱手段と、
前記記録層に磁界を印加することによって信号磁化を記録する磁気記録手段とを具備することを特徴とする磁気記録装置を提供する。
【0025】
このとき、前記機能層が希土類及び遷移金属合金からなることが好ましい。
【0026】
また、前記機能層が、第1磁性体層及び前記第1磁性体層と反強磁性交換結合する第2磁性体層とを具備する積層構造が複数回積層され、前記第1磁性体層と前記第2磁性体層とはキュリー温度が異なることが好ましい。
【0027】
また、前記機能層と前記記録層とを具備する積層構造が複数回積層されていることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(実施形態1)
図1は、ロータリーアクチュエータを用いた磁気ディスク装置の概略を示したものである。
【0030】
図1に示すように、磁気記憶媒体であるディスク101は、スピンドル110に装着され、所定の回転数で回転される。ディスク101上を浮上若しくは接触した状態で情報の記録再生を行う磁気記録再生素子及び加熱手段を搭載した記録ヘッド1が設けられている。この記録ヘッド1は、薄板状のサスペンション50の先端に取り付けられている。ここで磁気記録発生素子としては、パーマロイやFe或いはFe合金からなるものを用いることができる。磁界としては5kOeから6kOe程度であれば十分である。
【0031】
サスペンション50は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部等を有するアクチュエータアーム102の一端に接続されている。一方、アクチュエータアーム102の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ120が設けられている。
【0032】
ボイスコイルモータ120は、アクチュエータアーム102のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟むように対向して配置された永久磁石及び対向ヨークからなる磁気回路とから構成されている。
【0033】
アクチュエータアーム102は、固定軸130に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ120により回転揺動が自在にできるようになっている。これらの構成は筐体100中に配置されている。
【0034】
図2には、図1に示した記録ヘッド1及び磁気記録媒体であるディスク101を拡大したときの断面図である。
【0035】
図2に示すように、磁気記録媒体であるディスク101は、非磁性基板13と、この上に形成された機能層12と、この上に形成された記録層11と、この上に形成された保護層14とを具備している。
【0036】
非磁性基板13としては、円形の硬質の基板を用いることができる。基板13の材料は、金属、ガラス或いはセラミクスなどの非磁性体を用いることができる。
【0037】
記録層11中には磁性粒子とこれらの間に形成された非磁性体とを具備する。記録層11中に存在する磁性粒子の材料としては、飽和磁化Isが大きく、かつ磁気異方性が大きいものが適している。この観点から磁気粒子の磁性金属材料としては例えばCo、Pt、Sm、Fe、Ni、Cr、Mn、Bi及びAlならびにこれらの金属の合金からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0038】
これらのうちでは、結晶磁気異方性の大きいCo基合金、特にCoPt、SmCo、CoCrをベースとしたものやFePt、CoPt等の規則合金がより好ましい。具体的にはCoCr、CoPt、CoCrTa、CoCrPt、CoCrTaPt、Fe60Pt60、Fe60Pd60、Co3Pt1等が挙げられる。これらの他にも、TbFe、TbFeCo、TbCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、NdFeCo、NdTbFeCo等の希土類と遷移金属の合金が挙げられる。
【0039】
また、記録層11として、磁性層と貴金属層の多層膜(Co/Pt、Co/Pd等)が挙げられる。また、記録層11として、PtMnSb等の半金属が挙げられる。また、記録層11として、Coフェライト、Baフェライト等の磁性酸化物などから幅広く選択することができる。
【0040】
記録層11に含まれる磁性微粒子の磁気特性を制御する目的で、上記の磁性体にさらにFe、Niから選ばれる少なくとも1つ以上の元素と合金化させてもよい。また、これらの金属または合金に、磁気特性を向上させるための添加物、例えばCr、Nb、V、Ta、Ti、W、Hf、Cr、In、Si或いはB等の元素或いはこれらの元素と酸素、窒素、炭素、水素の中から選ばれる少なくとも一つの元素との化合物を加えても良い。
【0041】
記録層11の磁気異方性に関しては、垂直磁気異方性、面内磁気異方性或いはそれらの混合であっても構わない。
【0042】
記録層11の厚さについて特に制限はないが、高密度記録を実現するためには100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。0.5nm以下になると薄膜を構成するのが困難になるので好ましくない。
【0043】
記録層11に含まれる磁性粒子間に非磁性体を形成して分断化する方法としては、CrやTaやB等の非磁性元素或いはSiO2に代表される酸化物、Si2N3等に代表される窒化物等の非磁性体を添加して粒間に析出させる方法がある。
【0044】
また、半導体で使われるリソグラフィー等の技術を利用した人工的な加工によって、磁性粒子間に非磁性体を形成しても良い。また、自己組織化するPS−PMMA等のジブロックコポリマーをマスクとした自己組織化加工によって磁性粒子間に非磁性体を形成しても良い。また、粒子線照射等による加工によって磁性粒子間に非磁性体を形成しても良い。
【0045】
機能層12としては磁性体であればなんでも良い。磁気異方性は垂直磁気異方性、面内磁気異方性或いはそれらの混合であっても良い。
【0046】
機能層12の厚さも特に制限はないが、1000nm以上は作成に時間がかかり、また膜応力による特性劣化や剥離が発生しやすくなるので好ましくない。0.1nm以下になると実質的に薄膜を構成できないので好ましくない。磁性体として機能層が満たすべき要件は記録層と同じである。
【0047】
機能層12と記録層11との間の交換結合相互作用は、スパッタ法等による一般的な媒体製造工程において、機能層12を成膜し、真空を破らずに引き続き記録層11を成膜することで実現できる。ただしこのとき機能層12と記録層11のスピンの向きが反平行である場合に最もエネルギーが低くなるようにする必要がある。これは反強磁性交換結合相互作用である。
【0048】
反強磁性交換結合相互作用を発現する構成は記録層11と機能層12の界面の状態を制御することによって実現することができる。例えば部分的に磁性が変化した領域を有する、表面改質層或いは物理/化学吸着層ができている、界面の結合状態がミクロな部分によって異なる、といった例が挙げられる。
【0049】
いずれにしろ記録層11と機能層12との間隙は理論的には数nm程度離れていても反強磁性交換結合相互作用が及ぶので、反強磁性交換結合相互作用が作用するのであれば機能層12と記録層11の間に非磁性の層があっても構わない。
【0050】
また、機能層12と記録層11の間に別の磁性膜を入れることによっても反強磁性交換結合力を制御できるので、本発明による作用を損なわない限り、機能層と記録層の間に複数の磁性層が存在しても構わない。
【0051】
また、機能層12及び記録層11の積層構造で、本発明の磁気記録媒体の効果を奏することは可能であるが、必要に応じて記録層11上に保護層14を形成してもよい。保護層14としては、CやSiO2等からなる薄膜を用いることができる。
【0052】
また、基板13と機能層12との間に下地層を用いることができる。下地層を用いることによって機能層12や記録層11の種々の特性の制御性を向上させることが可能となる。下地層は、磁性体であっても非磁性体であってもよい。下地層の厚さは特に限定されないが、500nmよりも厚いと製造コストが増加するので好ましくない。
【0053】
下地層を磁性体とし、記録層11の磁性体中の磁区や記録ヘッド1と交換相互作用或いは静磁気相互作用を介して磁気的に結合させることによって、磁性薄膜に効率的な記録及び再生を行うことができる。例えば記録層11を垂直磁化膜とする場合、軟磁性膜を下地層とし、単磁極ヘッドで記録を行うことで高密度の記録ができる。この場合記録ヘッドの磁界がより小さくても記録媒体101に記録させることができる。
【0054】
また、記録層11が面内磁化膜の場合、軟磁性層を記録層11の上或いは下に設け、再生時に軟磁性層を飽和させる強度の磁界を印加することによって、高密度の記録ができ、また、熱揺らぎ耐性も向上する。
【0055】
また、下地層を非磁性体とすることで、磁性部や非磁性部の結晶構造を制御することができる。また、基板13からの不純物が機能層12や記録層11へ混入することを防ぐことができる。このとき、格子間隔の小さい或いはは緻密な薄膜を下地層として用いればよい。
【0056】
また、磁性部の結晶配向の格子間隔に近い格子間隔を持つ下地層を用いれば磁性部の結晶状態を制御することが可能である。
【0057】
また、例えば、ある表面エネルギーを持ったアモルファス下地を用いることにより、磁性部或いは非磁性部の結晶性或いはアモルファス性を制御する場合もある。
【0058】
また、下地層の下にさらに下地層を設けても構わない。その場合には、機能を分担させられるので効果が増加する。例えば、記録層11の結晶粒を小さくする目的で粒径の小さなシード層を基板13上に設け、その上に記録層11の結晶性を制御する下地層を設けることができる。
【0059】
上記の磁性体、非磁性体の下地層は、その機能を共通に持っていても構わない。即ち、磁性部の結晶性を制御する磁性下地層等があっても構わない。この場合には、記録或いは再生特性上の効果と結晶性上の効果とが相乗されるので各々の場合よりも好ましい。
【0060】
また、下地層は、イオンプレーティング、雰囲気ガス中でのドープ、中性子線照射等によって行う基板13の表面改質層であっても構わない。この場合、薄膜を堆積するプロセスを介さなくて済むので、磁気記録媒体を作成する上で好ましい。
【0061】
記録ヘッド1は、その直下に局所的な磁界を印加するとともに局所的に加熱ができるようになっている。そして局所的な磁界を印加することにより微細な磁化反転部分を記録層11に作成することができる。
【0062】
加熱する手段は、記録温度に達する部分が局所的であれば、磁気記録媒体であるディスク101全面を加熱するもの或いは局部のみ加熱するものどちらでもよい。一般に、記録保持特性(アーカイブ特性)や使用電力を考えると局所的に加熱して、媒体の大部分は室温、或いは室温以下の温度に保つ方が好ましい。
【0063】
高速かつ局所的な加熱を行うためには、光ディスクに用いられているようなレーザを用いるもの或いは誘導加熱を行うもの或いは電熱線等で加熱されたプローブを近づけたり遠ざけたりするもの或いは電子線を放出するもの等が考えられる。
【0064】
また、より局所的な加熱を行うためには、レーザ光をレンズ等を用いて媒体面上で絞りこむような方式或いはレーザ光を微小開口やソリッドイマルジョンレンズを用いて近接場光とする方式或いはプローブ先端に微細なアンテナを作製してそこから誘導加熱を行う方式或いは加熱プローブの媒体対向部の形状をできる限り先鋭化したり近づける距離をより短くしたりする方法或いは電子線放出プローブの媒体対向部の形状をできる限り先鋭化する方法等が挙げられる。これらの手法を用いた加熱装置は媒体の記録面側にあってもいいし、その反対面側にあっても構わない。
【0065】
記録ヘッド1中に存在する磁界を印加する手段は、通常のHDDで用いられているような浮上スライダーの端面に誘導コイルと磁極からなる磁気回路を有するものを用いることができる。また、永久磁石を設置してもよいし、磁気記録媒体に磁性体層をさらに追加し、温度分布或いは光照射による磁化分布で瞬間的かつ局所的な磁界を発生させてもよい。また、情報の記録を行う磁性体層自身から発生する漏洩磁界を利用してもよい。
【0066】
永久磁石を記録ヘッドとして用いる場合には、それと媒体との距離を可変にし、磁石を近づければ記録でき、遠ざけると記録されない。一度記録したものをオーバーライトするときは磁石を逆向きにして同様にすればよい。また、磁石を微細化することによって高密度記録が可能となる。また、圧電素子等で高速に動かすことによって高速化できる。
【0067】
本発明において、保持された磁気記録情報の読み取りは従来の磁気記録装置と同様の方式を用いることができる。すなわち磁気記録媒体101からの漏洩磁界を、巨大磁気抵抗効果を用いた磁気再生ヘッド1などで検知して行う。すなわち、記録情報の読み取り時には、光照射することなしに行えることから、従来どおりの読み取りシステムとの互換性が確保される。
【0068】
記録層11及び機能層12の磁性体のキュリー温度Tcは磁化M或いは保磁力Hcの温度依存性によって調べることができる。VSM等によって磁気特性を測定する場合には10分ほどは加熱状態を保つ必要があり、また昇温速度も短くはできないので、試料は概ね1時間程度その温度に保持されることになる。
【0069】
磁性体薄膜の場合、この長時間にわたる高温保持によって非可逆な微細構造変化が起こり、正確な磁気特性評価ができない可能性がある。光磁気記録媒体として使われているアモルファス希土類及び遷移金属合金の場合には、そのような変化は比較的起こりにくいが、HDD媒体として用いられているCoCrPt系媒体などは、微細構造の変化が200℃程度で起こる場合もある。
【0070】
そのような場合でもキュリー温度Tcの推定は可能である。すなわち、室温或いはそれ以下の温度から構造変化が起こる温度までの磁気特性の変化を高温側に外挿すれば良い。
【0071】
また、本発明による磁気記録装置におけるキュリー温度Tcの要請は、実質的に磁気異方性エネルギー密度Kuが小さくなっている温度であれば良く、その温度で例えば磁化Mや保磁力Hcの値が室温の値の1/20程度が推定できれば充分である。
【0072】
また、記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLは5×106erg/cc以上である必要がある。これよりも小さい場合には、熱アシスト磁気記録のメリットが出せないからである。
【0073】
図3に、記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL、機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FL、磁気記録媒体全体の反転磁界Hc total、記録ヘッド1から印加される記録磁界Hwの温度に対する変化を模式的に示す。
【0074】
図3に示すように、機能層12のキュリー温度Tc FLは、記録層11のキュリー温度Tc RLよりも低い。また、機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLは、記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLよりも小さく、温度変化に対してより急峻に変化している。
【0075】
機能層12と記録層11とは反強磁性交換結合している。したがってその合成された磁化を反転させる反転磁界Hc totalは、機能層12のキュリー温度Tc FL以下の温度範囲では、記録層11の磁気異方性密度Ku RLと比例せず、温度変化に対して急峻に変化し十分に大きな値を持つ。この温度範囲では、熱揺らぎ現象による反転の問題はない。
【0076】
機能層12のキュリー温度Tc FLよりも媒体温度が上昇すると機能層12の磁気異方性密度Ku FLは0となり、記録層11の磁気異方性密度Ku RLによってのみ反転磁界Hc totalが決定される。したがって記録温度Twを機能層12のキュリー温度Tc FLよりも大きくすることで記録ヘッド1の記録磁界Hwによっても反転可能となる。
【0077】
こうすることで、熱拡散が緩やかでも磁気異方性エネルギー密度Kuの温度変化を急峻にすることなく、記録直後の記録磁化消失やクロスイレーズの問題を解決することができる。
【0078】
この特性を利用した熱アシスト磁気記録について詳しく説明する。
【0079】
図4は、磁気記録媒体の断面構造で、記録層11と機能層12における磁化の反転の様子を模式的に示したものである。符号31は磁性粒子でその中の矢印は磁化の向きを表す。矢印の長さは磁化或いは反転磁界の大きさを表わす。符号32は磁性粒子31間の非磁性体である。機能層12も記録層11と同様な磁性粒子とそれを分断する非磁性体からなる構造になっている。この構造の他に、例えば連続膜や(3次元)グラニュラー構造等の形態をとっても構わない。ここでは、簡単のため、垂直磁気記録媒体の場合を例にとって説明するが、ここで行う説明は面内媒体或いは両者の混合の場合にもそのまま適用できる。
【0080】
機能層12は記録層11と反強磁性交換結合しているのでその磁化は記録層11の磁化と逆向きである。このため、記録媒体の合計の磁化量は記録層11単独の場合の磁化量よりも減り、そのために反転磁界は大きくなる。ある磁気異方性エネルギー密度Kuに対して、反転磁界すなわち異方性磁界Hkは、Hk=2Ku/Msで表される。Msは飽和磁化である。
【0081】
先ず、図4(a)に示すように、初期状態として記録層11の全ての磁化を下向きに設定する。この状態は熱印加及び磁界印加前の室温Taの状態である。記録層11との反強磁性交換結合相互作用により機能層12は上向きの磁化が発現され、記録層11の磁化と反強磁性交換結合しており、その保磁力は大きい。
【0082】
この状態では加熱していないので熱揺らぎによる磁化の消失はない。この状態は図3中室温Taの状態である。このときの反転磁界Hc totalは機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLと記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLとを合成したときの値に比例する。
【0083】
次に、図4(b)に示すように、記録ヘッド(図2中、符号1)に内蔵された熱印加手段により矢印34で図示された範囲のみが加熱される。図3に示すように、熱が印加されることによって室温Taから記録温度Twに基板温度が上昇するにつれて急激に反転磁界Hc totalが低下する。これは機能層12のキュリー温度Tc FLが記録層12より低く磁気異方性エネルギー密度Ku FLが急激に下するためである。こうして記録が行われる直前の状態になる。
【0084】
次に、図4(c)に示すように、記録ヘッド(図2中、符号1)より下向きの磁界を印加して、下向きスピンを持つ記録磁区を形成する。記録層11と機能層12のスピンの関係はそのままにまわりとは逆向きに反転する。図3に示すように記録温度Twでは、反転磁界Hc totalは記録ヘッド1の記録磁界Hwよりも低くなるため容易にスピンを反転させることができる。ここで記録温度Twが機能層12のキュリー温度Tc FLより高くなって機能層12の磁化が消失していてもかまわない。
【0085】
次に、図4(d)に示すように、下向きスピンの記録磁区形成後、熱印加をやめる。こうすることで図3に示すように温度が室温Taに戻ると、急激に機能層12の磁化が大きくなる。これによって反転磁界Hc totalは急激に大きくなる。
【0086】
以上のように、本発明によれば、室温では記録が行えないような大きい磁気異方性エネルギー密度Kuを持つ記録層に磁気記録できる。
【0087】
また、本発明によれば、記録が行えるようになる状況を、キュリー温度が低い機能層の磁気特性の変化によってもたらすために、記録層自体の磁性は室温から記録温度まであまり変化せず、従って従来の熱アシスト磁気記録の課題である熱揺らぎの加速が起こりにくくなる。
【0088】
本発明において、記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLと機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLの室温における大小関係は基本的には任意である。しかしより高密度の磁気記録装置を実現するには、室温における機能層12の磁気異方性エネルギーKu FLは、記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL以下であった方がよい。また、記録層11と機能層12とが同じ磁気異方性エネルギー密度であっても構わない。
【0089】
また、本発明において、機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FL>記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL×0.1という関係であることが好ましい。前述したように機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLは記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL以下であった方がよい。しかしながら機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLはいくら小さくても良いというわけではない。
【0090】
本発明者らは、強磁性交換結合及び反強磁性交換結合した多層膜の実効的な磁気異方性エネルギー密度Kuがどのような特性を示すか調べた結果、下記の知見を見出した。
【0091】
すなわち、第1の層と第2の層とが交換結合エネルギー面密度σで結合している場合、全体の熱揺らぎ耐性としての磁気異方性エネルギー密度は、
σ/(2t2Ku2)<1の場合、t1Ku1+σ−σ2/(4t2Ku2)
σ/(2t2Ku2)>1の場合、t1Ku1+t2Ku2
となる。
【0092】
ここでt1、t2はそれぞれ第1の層及び第2の層の膜厚、Ku1、Ku2はそれぞれ第1の層及び第2の層の磁気異方性エネルギー密度である。
【0093】
いずれの場合にも全体としての熱揺らぎ耐性tKuは増加している。しかし、膜全体の平均は、(t1+t2)で割ってみると分かるように、Ku2だけKu1よりは小さくなり、実効的な磁気異方性エネルギー密度としては減少してしまうことになる。
【0094】
高密度化のためには、媒体を薄膜化しなければならないので、単純にKu1の材料を同じ厚さにした場合と比べてこのことは不利となる。
【0095】
従って機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLは記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLよりも小さい範囲でできるだけ大きい方が好ましい。詳細な実験及び検討の結果、具体的には機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FL>記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL×0.1という関係であればよいことが分かった。
【0096】
また、本発明において、記録温度Twにおける記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温における記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLの1/4よりも大きければよい。
【0097】
本発明による磁気記録装置の最大の特徴は、熱揺らぎ加速現象の抑制にある。具体的には機能層12の磁気特性の変化による全体の反転磁界の変化を利用して記録層11の熱揺らぎが加速される前に記録を行う。すなわち、記録層11のキュリー温度よりも十分低い温度で記録するところにある。
【0098】
発明者らは独自に研究を進めた結果、通常の単層膜に熱アシスト磁気記録を行う場合、熱揺らぎ加速現象を避け得るのは、室温における磁気異方性エネルギー密度が概ね半分になる温度までであるという知見を得た。しかしながら、この結論には簡単のための仮定が入っており、熱揺らぎ加速の過大評価を与えることがわかっている。実際には、媒体上のナノメータ領域での温度の変化とそれに伴う磁気特性の空間分布が絡む複雑な現象が起こっているので、第一原理シミュレーションを用いない限りは精度の良い解析はできない。これらのことを勘案して詳細な実験を行った結果、発明者らは、室温における記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLの1/4に磁気異方性エネルギー密度の値になるまで加熱する場合であれば、温度レスポンスを良くする等の施策により、熱揺らぎ加速現象の影響を抑えることができることを発見した。
【0099】
すなわち記録温度Twにおける記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温における値の1/4よりも大きい場合には熱揺らぎ加速を抑えた熱アシスト磁気記録ができる。このときには記録直後の劣化がなく、また、隣接トラックでは熱揺らぎ加速が起こらない条件であるのでクロスイレーズも起こらない。さらに、記録ヘッドの磁界印加領域(概ね記録磁極のABS面の領域)よりも広い領域の反転磁界を記録磁界以下にすることができるので、記録した磁区は等温線の影響を受けない矩形にすることができるという利点をも有する。
【0100】
この条件はあくまでも熱揺らぎ加速を抑えるための条件であり、ある程度の劣化が許容されるシステム或いは記録直後の補助磁界印加を採用しているシステム、超急冷媒体構造により温度レスポンスが極端に早いシステム等には用いる必要はない。
【0101】
また、より低温で記録ができるようにするには、記録層11自体が高い磁気異方性エネルギー密度Ku RLを持ちかつ低い保磁力を持つ材料であると良い。そうするには記録層11の飽和磁化Msが大きいと良い。しかし、基本的に磁気異方性エネルギー密度Ku RLや飽和磁化Msは材料固有の値であり、それほど制御できるものではない。
【0102】
そこで別の層を記録層11に強磁性交換結合させることにより実現することができる。すなわち、別の高い磁気異方性エネルギー密度を有する材料からなる第2の記録層を記録層11に交換結合させることで、記録層11と第2の記録層を一体と見なした場合の飽和磁化Msを大きくすることができ、結果として高い磁気異方性エネルギー密度Ku RL及び低い保磁力を実現できる。この場合第2の記録層の磁気異方性エネルギー密度は記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLほど高くある必要はない。
【0103】
このような材料系としては、例えば、垂直磁気記録媒体の場合、厚さ1nm前後のCo層とPt層やPd層とを交互に積層したいわゆる人工格子媒体を用いることができる。この媒体は、Co層が薄いほど磁気異方性エネルギー密度が大きくできるので、例えばCo層を厚さ0.25nm、Pt層を0.5nmとした構成で107erg/ccの磁気異方性エネルギー密度で500emu/cc程度のMsを得ることができる。
【0104】
また、本発明において、機能層11のキュリー温度Tc FLにおける記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLが、室温における記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RLの1/4よりも大きいことが好ましい。
【0105】
記録層11が本来持っているのよりも大きな保磁力Hcの温度変化(低下)が得られるのは機能層12が磁性を持っている温度領域においてである。すなわち、最も大きな室温からの保磁力Hcの低下(飽和磁化Msの相対的な増加)が得られるのは、機能層11のキュリー温度Tc FL以下の温度においてである。
【0106】
室温の保磁力の大きさは、室温における磁化の少なさを意味し、反磁界を少なくする効果が大きいことを意味する。従って、記録動作を機能層12のキュリー温度TcFL近傍で行うと、反磁界低減効果を大きくすることができて好ましい。上述の議論より、熱揺らぎ加速現象を抑えるには、記録温度を記録層11の磁気異方性エネルギー密度KuRLが室温の値の1/4になるところにすればよいので、両者の効果を併せ持つシステムを得るには、機能層12のキュリー温度TcFLにおける記録層11の磁気異方性エネルギー密度KuRLが室温における記録層11の磁気異方性エネルギー密度KuRLの1/4よりも大きいことが好ましい。
【0107】
この条件はあくまでも熱揺らぎ加速を抑えかつ反磁界の影響を小さくするための条件であり、それを必要とはしないシステム等には用いる必要はない。この条件を採用するかどうかは用いるシステムの設計によって異なる。
【0108】
また、本発明による磁気記録装置は、記録層11と機能層12との間に5nm以下の非磁性中間層を形成してもよい。
【0109】
また、本発明において、反強磁性交換結合は記録層11と機能層12の界面を制御することにより実現できるが、別の方法として、記録層11と機能層12の間に5nm以下の非磁性中間層を形成することでも実現できることが、発明者らの実験によって明らかになった。記録層11と機能層12との交換結合は5nmを越えない範囲の距離で作用をおよぼし、その距離で交換結合力を制御できることを見出した。この距離は、用いる材料、界面の磁気的・機械的・化学的状態、成膜方法、成膜条件等で変化し、ここで一意に規定できない。
【0110】
また、本発明において、記録層11と機能層12との距離を制御良く保つにはその間に非磁性体からなる中間層を挿入すればよい。
【0111】
また、発明者らは、この非磁性中間層が少なくともRu、Re、Rh、Ir、Tc、Au、Ag、Cu、Si、Fe、Ni、Pt、Pd、Cr、Mn、Alから選ばれる材料からなる場合、大きな交換結合エネルギーが得られることを見出した。
【0112】
本発明による磁気記録装置の場合、必要な条件は記録温度において熱揺らぎ加速が小さく、反転磁界が小さくなっていることである。それを実現する条件は種々あるが、そのうちの一つに交換結合エネルギーが大きいということが挙げられる。これは、機能層12の磁気異方性エネルギー密度を大きくできる、より大きな磁気異方性エネルギー密度を有する記録層が使える利点を有している。ただし、交換結合エネルギーが大きいことは必須の条件ではなく、別のパラメータでも制御できるし、システムによっては小さいものでも良い。その場合には、中間層材料の選択の幅が増えて好ましい。
【0113】
また、発明者らは、上記の非磁性中間層が、半導体、および半導体中に磁性体をドープした材料から選ばれることにより、大きな交換結合エネルギーと急峻な反転磁界の温度変化が得られることを見出した。大きな交換結合エネルギーが得られる理由は良くわからない。急峻な反転磁界の温度変化に関しては、中間層が半導体である場合、電子(キャリア)の数が記録層11と機能層12との交換結合相互作用を担うと考えられるが、その数が温度ともに増加したことによって温度に対する交換結合エネルギーの減少が小さくなったためと思われる。半導体中に磁性体がドープされると、交換結合エネルギーが大きくなる効果もさらに得られる。もちろん、反磁界の影響がそもそも小さいシステムに対しては、これらの半導体中間層を用いる必要性は必ずしもない。
【0114】
次に、図2に模式的に示した断面構造の磁気記録装置を作製した例を示す。
【0115】
先ず、2.5インチのガラス基板13上に、Tiシード層(図示せず)を厚さ10nm、Pt下地層(図示せず)を厚さ20nmスパッタ法にて形成する。次に、この上に厚さ0.32nmのCo層及び厚さ0.78nmのPt層からなる積層構造を5層形成した機能層12をスパッタ法にて積層する。
【0116】
次に、この機能層12上に磁性体として(Co80Pt20)Ta6及びこの間に非磁性体としてSiO2を具備する記録層11を厚さ10nmスパッタ法にて形成する。次に、この記録層12上にCからなる保護層14を厚さ3nmスパッタ法にて積層し、その後潤滑剤を塗布する。
【0117】
機能層12は厚さ0.32nmのCo層及び厚さ0.78nmのPt層からなる積層構造として、この積層構造が5回繰り返された、いわゆる人工格子である。機能層12と記録層11の間には、0.5PaのAr及びN2雰囲気中でRF100Wのスパッタエッチング処理を施してある。
【0118】
次に、記録層11の微細構造を、TEMを用いて分析したところ、主にCoPtからなる柱状の磁性結晶粒子(直径約9nm)がアモルファスSiO2からなる非磁性体で分断されている構造となっていた。この分析ではTaの分析はできなかった。
【0119】
また、記録層11単独の磁気特性は、垂直方向に主たる磁化容易軸を有し、VSM測定及び磁気トルク測定より磁気異方性エネルギー密度Ku RL=8×106erg/ccであると推定された。また、そのキュリー温度Tc RLは約800Kと推定された。
【0120】
同様に機能層12単独の磁気特性は磁気異方性エネルギー密度Ku FL=3×107erg/cc、キュリー温度Tc FL=500Kと推定された。
【0121】
図5に、機能層12と記録層11が積層された状態でのヒステリシスループを模式的に示す。
【0122】
図5に示すように、マイナス側の飽和状態から磁界強度の絶対値を小さくして行くと、H2とH1の二回、磁化の急激な変化が現れた。これは機能層12と記録層11が反強磁性交換結合相互作用を及ぼしあっていることを意味する。
【0123】
マイナス側から磁界強度の絶対値を小さくしていくと、先ず、H2において機能層12が反転し、記録層11と機能層12のスピンの向きが反平行になる状態になる。この状態はエネルギー的に安定であるのでゼロ磁界下でもそのまま保たれる。
【0124】
次に、プラス側に磁界強度が大きくなると外部磁界の力によって強制的に記録層11の磁化が反転させられる。これがH1における変化となる。
【0125】
このヒステリシスループ測定を、温度を変えて行い、H1の温度変化を調べたところ、図3に模式的に示したHc totalのような特性をもつことが分かった。この特性は、機能層12と記録層11の反強磁性交換結合相互作用によってもたらされるものである。
【0126】
上記の磁気記録媒体の動特性をHDDの記録/再生評価装置にて評価した。回転数は4500rpmで、記録ギャップは200nm、GMR素子を用いた再生ヘッドはギャップが110nmであった。浮上量と潤滑剤の厚さから磁気スペーシングは30nmと推定された。局所加熱には波長633nmのレーザを用いた。レーザは基板裏面より外部低浮上レンズを介して機能層12及び記録層11の界面部分へ照射された。外部低浮上レンズと基板の両方でSILレンズとなるように設計を行い、焦点が機能層12及び記録層11の界面部分で結ぶようにした。レーザスポットの直径はFWHMで約500nmである。精密なピエゾ素子によるヘッドの駆動で、光の照射位置と記録ヘッドのギャップ位置とを一致させた。
【0127】
先ず、レーザを照射しないで磁気記録を試みた。再生信号はノイズがほとんどであり、十分な記録ができていないことが分かった。このことは記録層11の保磁力と記録ヘッドの記録能力から勘案して当然の結果である。
【0128】
次に、レーザを照射しながら記録を行った。別の実験とシミュレーションにより、あらかじめレーザの照射パワーと磁気記録媒体の温度上昇の関係をつかんでおき、照射するレーザパワーを変化させて、記録温度Twと再生信号のCN比(CNR)の関係を調べた。400kfciの単一周波数記録をおこなった結果、記録温度Tw=350K以上の領域で再生信号が得られるようになり、記録温度Tw=450K〜550Kあたりで最大の信号強度となり、記録温度Tw=800Kあたりで再び信号が得られなくなった。
【0129】
このような再生信号強度の媒体温度依存性は、上述の熱アシスト磁気記録方式の作用から考えて妥当である。
【0130】
次に、機能層12を成膜後、RFスパッタエッチングを行う代わりに1PaのAr及びO2雰囲気中に1分間暴露する処理を行い、その後上述したものと同じ方法で記録層11と保護層14を成膜した試料を作成した。
【0131】
断面TEM観察の結果、機能層12と記録層11との間に厚さ1nmのCoO層ができていることがわかった。
【0132】
この試料のヒステリシスカーブを測定したところ、図5に示したものと同様のものが得られた。この結果を元に、機能層12と記録層11との間に中間層として厚さ0.8nmのSiO2層、厚さ1nmのTi層、3nmのTi層及び厚さ5nmのTiPt層を挿入した試料を作成した。
【0133】
いずれの場合も図6と同様の特性が得られ、反強磁性結合が得られていることがわかった。中でも厚さ1nmのTi層を中間層として挿入した場合にH1とH2との差がもっとも大きくなり、交換結合エネルギーが最も大きくなっていることが推定された。中間層の厚さが5nmを越える場合には交換結合は得られなかった。
【0134】
次に、実施形態1にかかる別の実施例について説明する。
【0135】
先ず、2.5インチのガラス基板13上に、NiAlシード層(図示せず)を厚さ5nm、V下地層(図示せず)を厚さ10nmスパッタ法にて形成する。次に、この上に(Co16Pt24)Cr1−O機能層12を厚さ10nm、Ru中間層(図示せず)を厚さ0.8nm、(Fe63Pt41)Cu12−SiO2記録層11を厚さ12nm、C保護層14を厚さ3nm順次スパッタ法にて積層し、その後潤滑剤を塗布した。
【0136】
次に、こうして形成された磁気記録媒体の記録層11の微細構造を、TEMを用いて調べたところ、主にFePtからなる柱状の磁性結晶粒子(直径約5nm)がアモルファスSiO2からなる非磁性体で分断されている構造となっていた。Cuは膜中に概ね均一に分布していた。
【0137】
記録層11単独の磁気特性は、面内方向に主たる磁化容易軸を有し、VSM測定及び磁気トルク測定より磁気異方性エネルギー密度Ku RLが8×107 erg/ccであると推定された。記録層11のキュリー温度Tc RLは約700Kと推定された。
【0138】
機能層12単独の磁気特性は磁気異方性エネルギー密度Ku FL=1×107erg/cc、キュリー温度Tc FL=450Kと推定された。
【0139】
機能層12及び記録層11が積層された状態でのヒステリシスループは図5に模式的に示すようなものになり、反強磁性結合が得られた。
【0140】
これを上記と同様の磁気記録実験に供した。その結果、最大の再生信号強度が記録温度Tw=430K〜560Kで得られた点以外はほぼ同様の結果が得られた。この記録層12は磁性体の結晶粒径が5nmと小さいため、1200kfciという非常に高い周波数でも再生信号の存在が確認された。このことは、この媒体は超高密度磁気記録ができることを意味している。
【0141】
同様の試料を、中間層材料及びその厚さを変えて作成した。試みた中間層材料はRu、Re、Rh、Ir、Tc、Au、Ag、Cu、Si、Fe、Ni、Pt、Pd、Cr、Mn、Alである。これら全てにおいて反強磁性結合を示す膜厚が5nm以下の膜厚領域で確認された。
【0142】
また、いずれの場合も酸化物層、SiO2、Ti合金層の場合に比べて大きな交換結合エネルギーを示唆するヒステリシスループが得られた。特にRu、Re、Rh、Irについて詳細に検討したところ、交換結合エネルギー面密度が1erg/cm2〜5erg/cm2と推定されることがわかった。
【0143】
また、同様に半導体、及び半導体中に磁性体をドープした材料を中間層とした場合にも反強磁性交換結合となることを見出した。ここで試みたのは、半導体がSi、Ge、Sn、Te、AlP、GaN、GaP、GaAs、InSb、ZnO、ZnS、ZnTeで、磁性体がCo、Fe、Ni、Mn、Crである。
【0144】
反強磁性結合が誘起される理由はよくわからないが、おそらく半導体中の少数キャリアとドープした磁性材料との超交換相互作用によるものと想定される。従って、ドープする母材は少数キャリを生成できる半導体であれば何でも良く、また、磁性体の材料も上記のものに限定されない。
【0145】
次に、実施形態1にかかる別の実施例について説明する。
【0146】
先ず、2.5インチのガラス基板13上に、FeTaC軟磁性からなる下地層(図示せず)を厚さ30nm、Ti遮断層(図示せず)を厚さ5nm、Pt下地層(図示せず)を厚さ10nm、[Co層(厚さ0.23nm)/Pt層(厚さ0.87nm)]10機能層12、Rh中間層(図示せず)を厚さ0.8nm、[Co層(厚さ0.35nm)/Pt層(厚さ0.43nm)]6記録層11、C保護層14を厚さ3nm順次スパッタ法にて積層し、その後潤滑剤を塗布した。
【0147】
機能層12は、厚さ0.23nmのCo層及び厚さ0.87nmのPt層からなる積層構造を10回積層したものである。また、記録層11は、厚さ0.35nmのCo層及び厚さ0.43nmのPt層からなる積層構造を6回積層したものである。
【0148】
このようにして形成された磁気記録媒体の記録層11の微細構造を、TEMを用いて調べたところ、主にCoとPtの多層膜からなる柱状の磁性結晶粒子(直径約7nm)が物理的に分断された微細構造が観察された。粒間物質は同定できなかったが、構成材料からアモルファスCo−Oであることが想定される。
【0149】
また、記録層11及び機能層12単独の磁気特性は、垂直方向に主たる磁化容易軸を有し、VSM測定及び磁気トルク測定より磁気異方性エネルギー密度Kuはともに1×107erg/ccであると推定された。キュリー温度Tcは記録層11が約900K、機能層12が約520Kと推定された。
【0150】
機能層12及び記録層11が積層された状態でのヒステリシスループは図5に模式的に示すようなものになり、反強磁性結合が得られた。
【0151】
これを上記と同様の磁気記録実験に供した。その結果、最大の再生信号強度が記録温度Tw=400K〜600Kと広い範囲で得られた点以外はほぼ同様の結果が得られた。この磁気記録媒体は記録層11及び機能層12の磁気異方性エネルギー密度Kuの差が小さいために、加熱部の熱揺らぎ加速現象が抑えられ、結果として広い温度マージンをもたらしたものと想像される。
【0152】
次に、この磁気記録媒体の中間層をアモルファスZnSeとした試料を作成した。反強磁性交換結合が得られた。
【0153】
図6に、このようにして形成された磁気記録媒体の反転磁界Hc totalの温度依存性を示す。
【0154】
図6に示すように、反転磁界Hc totalは室温Taから機能層12のキュリー温度Tc FLまで上に凸の曲線を描くように急激に減少している。
【0155】
これは、交換結合エネルギーの温度依存性が機能層11のキュリー温度Tc FLに向かってほぼリニアに減少していく図3に示す例と異なり、機能層11のキュリー温度Tc FLまでほぼ一定であることによるもので、半導体を中間層としたことによって得られた効果である。
【0156】
同じような効果は、中間層として用いる半導体をSi、Te、Ge、ZnO、ZnTeとした場合にも起こることが確認された。また、この中間層にCoをドープすると交換結合エネルギーが増加する傾向が得られた。
【0157】
このうち中間層としてZnSe層を用いた磁気記録媒体を上述と同様の磁気記録実験に供した。その結果、温度マージンが高温側に50K広がり、記録層11のキュリー温度Tc RLになるレベルのレーザを照射した場合においてもクロスイレーズがほとんど起こらないことがわかった。
【0158】
次に、上記と同様の構造の磁気記録媒体を作製した。ただし、機能層12を[Co層(厚さxnm)/Pt層(厚さ0.9nm)]6とし、[Co層(厚さ0.28nm)/Pt層(厚さ0.43nm)]10記録層11に対し、種々のx(機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLが異なることに対応する)での熱アシスト磁気記録の成否について調べた。
【0159】
この磁気記録媒体の記録層11の微細構造は上記と同様であった。また、記録層11と機能層12とが反強磁性結合をしている試料のみを選んで記録再生試験に供した。媒体加熱温度Twは機能層12のキュリー温度Tc FL近傍となるように設定した。
【0160】
図7に、この記録再生試験の結果を示す。
【0161】
図7は600kfciで記録した単一周波数信号を再生した場合のキャリア−ノイズ比(CNR)である。CNRは最大で50dBm程度しかないが、これは記録/再生系、特に加熱タイミングと記録磁界印加時間との関係が最適化されていないためであると思われる。しかしながら、このレベルにおいても熱アシスト磁気記録の適否の判定は充分に行える。
【0162】
図7より明らかなように、Ku FL/Ku RLが0.1以上で充分に大きな信号が得られた。このような特性が得られた理由は機能層11の磁気異方性エネルギー密度Ku FLが小さすぎると磁気記録媒体全体の磁気異方性エネルギー密度Kuが低下するために、熱揺らぎ耐性が低下し、記録温度程度の加熱でも致命的な熱揺らぎ劣化が起こるためと考えられる。もちろん記録温度をTwよりも小さく設定すれば熱揺らぎ劣化が抑えられるので、Ku FL/Ku RLが0.1未満でも熱アシスト記録はでき、実際にこの系においても30dBmを越えるCNRが得られることを確認した。
【0163】
次に、上記と同様の構造の磁気記録媒体を作製した。ただし、機能層12を[Co層(厚さxnm)/Pt層(厚さ0.9nm)]6、記録層11を[Co層(厚さ0.28nm)/Pt層(厚さynm)]10においてx、yを変化させた(それぞれ機能層12の磁気異方性エネルギー密度Ku FLと記録層11のキュリー温度Tc RLが異なることに対応する)磁気記録媒体を作成した。記録層11の微細構造は上記と同様であり、記録層11と機能層12とが反強磁性結合をしている試料のみを選んで記録再生試験に供した。
【0164】
このようにして作成された磁気記録媒体に対し、上記と同様の熱アシスト磁気記録を、照射レーザパワーを変化させて行った。各パワーに対する媒体温度は、熱伝導解析シミュレーションで推定した。
【0165】
その結果を図8に示す。横軸は媒体加熱温度、縦軸はCNRである。
【0166】
図8に示すように、横軸を温度でプロットすると相関が見られなかったが、記録層11のキュリー温度Tc RLで規格化した値としたところ、強い相関が見られた。この結果から、記録温度はTw/Tc RLが0.75よりも小さい領域で充分な再生信号が得られることがわかった。この領域での信号強度にばらつきがあるのは、記録パワーが必ずしも最適値でないことに対応するが、Tw/Tc RLが0.75よりも大きい領域の信号強度はあきらかに低温領域のそれと比べて小さい値である。
【0167】
記録層11単独の磁気異方性エネルギー密度Ku RLは、そのキュリー温度Tc RL Lに向かってリニアに減少するので、Tw/Tc RLが0.75よりも大きい領域は磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温の値の1/4未満になっている領域である。
【0168】
この領域で信号強度が極端に小さくなった理由は、前述のように、記録層11単独の磁気異方性エネルギー密度Ku RLが下がったことによる熱揺らぎ加速のためであると思われる。
【0169】
図8で得られた結果について、最も大きなCNRが得られた記録温度のものを試料ごとに選び、それをTc FL/Tc RLに対してプロットしてみた。その結果を図9にしめす。
【0170】
図9に示すように、Tc FL/Tc RLが0.75よりも小さい場合に充分な再生信号が得られることがわかった。前述のように、記録層11の熱揺らぎ劣化がないとした場合、最大のCNRが得られる条件は記録温度が機能層12のキュリー温度Tc FL近傍になっている場合である。
【0171】
記録層11単独の磁気異方性エネルギー密度Ku RLは、そのキュリー温度Tc RLに向かってリニアに減少するので、Tc FL/Tc RLが0.75よりも大きい領域は機能層12のキュリー温度Tc FLにおける磁気異方性エネルギー密度Ku RLが室温の値の1/4未満になっている場合である。このとき、大きな信号強度が期待される機能層12のキュリー温度Tc FL近傍の加熱では記録層11の熱揺らぎ劣化が起こるためにかえって信号が小さくなってしまい、結果として、もっと低温における加熱による記録しかできなかったためと思われる。
【0172】
(参考例)
次に、参考例にかかる磁気記録装置について説明する。
【0173】
この磁気記録装置は、非磁性基板と、非磁性基板上に形成され、室温における磁化量が記録温度Twにおける磁化量より小さいフェリ磁性体からなる機能層と、機能層上に機能層と強磁性交換結合相互作用を及ぼすように積層された磁性粒子と磁性粒子間に形成された非磁性体とからなる記録層と、機能層及び記録層を加熱する加熱手段と、記録層に磁界を印加することによって信号磁化を記録する磁気記録手段とを具備する。
【0174】
図2に示す実施形態1にかかる磁気記録装置とは、機能層12がフェリ磁性体であるところと、機能層12と記録層11が強磁性交換結合している点が異なり、その他の構成は同様である。
【0175】
本発明において、記録層11から見た機能層12の磁化が温度と共に増加することが特徴である。一般に磁性体の磁化は温度と共に減少するので、この効果を得るのに実施形態1では反強磁性結合を利用した。
【0176】
これに対して参考例では、機能層12自身が温度と共に磁化が増加する特性を有するフェリ磁性体を用い、機能層12と記録層11を強磁性結合によって結合させる点を特徴としている。
【0177】
フェリ磁性は一般に、二つの実効的な大きさの異なるスピンが反強磁性結合している系において見られる。その状態を模式的に図10に示す。
【0178】
図10に示すように、フェリ磁性体はスピンUとLとが逆向きに結合していて、それぞれのキュリー温度が異なっているので、磁化の温度変化は一様ではない。特に高い飽和磁化Ms及び低いキュリー温度Tcを持つスピンLと低い飽和磁化Ms及び高いキュリー温度Tcを持つスピンUとの組み合わせの場合、温度と共に磁化が増加する特性をもつ。
【0179】
従って、このような温度が上昇すると磁化が増加する特性を有するフェリ磁性体を機能層12とし、これと強磁性交換結合する記録層11を用いることによって、図3に示す特性と同様な効果を示す。
【0180】
図11に、このときの機能層12の飽和磁化Ms FLと記録層11の磁気異方性エネルギー密度Ku RL、トータルの反転磁界Hc totalの温度変化を示す。
【0181】
機能層12の飽和磁化Ms FLの増加と共に反転磁界Hc totalは温度に対して記録層11が本来持っているものよりも急峻に減少する。このことにより実施形態1と同様に熱揺らぎ加速劣化が小さく、また、反磁界の影響の小さな磁気記録媒体が得られる。
【0182】
図11に示した作用が得られる必須の条件は機能層12の磁化量(net moment)が室温よりも高温下で大きいことのみである。機能層12のキュリー温度と記録層11のキュリー温度や記録温度との大小関係は任意である。
【0183】
また、本発明による磁気記録装置は、前記機能層12が希土類及び遷移金属合金からなる。フェリ磁性を示すものは、例えば、TbFe、TbFeCo、TbCo、GdTbFeCo、GdDyFeCo、NdFeCo、NdTbFeCo等のアモルファス希土類及び遷移金属合金薄膜や、CrPt3のような規則合金などがあるが、特にアモルファス希土類(RE)及び遷移金属(TM)合金薄膜は光磁気(MO)記録媒体として実用化されており、希土類リッチ組成或いは補償組成或いは遷移金属リッチ組成でも補償組成近傍とすることで、容易に図10のような温度と共に磁化が増加する特性が得られて好ましい。
【0184】
また、本発明による磁気記録装置は、前記機能層12が磁性体である第1機能層と磁性体である第2機能層とが反強磁性交換結合するように積層された積層構造からなり、かつ、第1機能層と第2機能層とでキュリー温度が異なり、かつ前記積層構造が1回以上繰り返されているものである。こうすることで人工的にもフェリ磁性を示す材料を得ることができる。
【0185】
磁性体である第1機能層と(典型的にはCo、Ni、Fe或いはこれらの合金)ともう一層の磁性体である第2機能層とがこの順に積層された積層構造からなり、前記積層構造が1回以上繰り返されている多層膜において、第一機能層と第二機能層との間に反強磁性交換結合相互作用がはたらき、第1機能層と第2機能層の磁気特性が図11に示すような関係がある場合、これは上記と同じフェリ磁性機能層として用いることができる。反強磁性交換結合相互作用が働くようにするには、例えば5nm以下の非磁性体層(例えばRu、Re、Rh、Ir、Tc、Au、Ag、Cu、Mn、Si、Cr或いはこれらの合金或いは酸化物)を第一機能層と第二機能層との間に挿入すればよい。
【0186】
また、反強磁性体と言われているものも、温度条件や結晶方位面などの条件によってはフェリ磁性を示す場合があり、そのような場合にはこれも機能層として用いることができる。
【0187】
反強磁性を示すものとしては、ネール温度が室温よりも高い反強磁性材料を薄膜化したものがある。例えばFe、Cr、Coの合金で、具体的にはMnNi、MnPd、MnPt、CrPd、CuMn、AuMn、AuCr、CrMn、CrRe、CrRu、FeMn、CoMn、FeNiMn、CoMnFe、IrMnなどがあり、また、規則合金、具体的には、AuMn、ZnMn、FeRh、FeRhIr、Au2Mn、Au5Mn12、Au4Cr、NiMn、PdMn、PtMn、PtCr、PtMn3、RhMn3などがあり、この他にもMn3PtN、CrMnPt、PdPtMn、NiO、CoOなどが知られている。
【0188】
本発明による磁気記録装置は、前記機能層12及び記録層11の積層構造が一回以上繰り返して積層されていることを特徴とする。これまでに述べてきた機能層12及び記録層11の対は一対である必要はない。例えば基板/下地/機能層/記録層/機能層/記録層という構成でも構わない。
【0189】
このような場合には、記録層あたり、あるいは機能層あたりの界面が倍になるので、交換結合エネルギーが実質倍になると言う利点がある。交換結合エネルギーが大きくなることがもたらす利点については既に述べたとおりである。
【0190】
この場合には総膜厚が大きくなりがちであるので、積層構造を構成する機能層あるいは記録層は薄いほうが好ましい。
【0191】
次に、参考例にかかる磁気記録媒体について具体的に作成する。
【0192】
先ず、2.5インチのガラス基板13上に、SiN下地層(図示せず)を厚さ50nm、Tb22(Fe85Co15)機能層12を厚さ15nm、[Co層(厚さ0.28nm)/Pt層(厚さ0.43nm)]10記録層11、C保護層14を厚さ3nm順次スパッタ法にて積層し、その後潤滑剤を塗布した。このとき機能層12と記録層11は真空を破らずに連続して堆積した。また、記録層11は、厚さ0.28nmのCo層及び厚さ0.43nmのPt層からなる積層構造を10層積層したものである。
【0193】
このようにして形成した磁気記録媒体の記録層11の微細構造を、TEMを用いて調べたところ、主にCoとPtの多層膜からなる柱状の磁性結晶粒子(直径約7nm)が物理的に分断された微細構造が観察された。粒間物質は同定できなかったが、構成材料からアモルファスCo−Oであることが想定される。
【0194】
記録層11及び機能層12単独の磁気特性は、垂直方向に主たる磁化容易軸を有し、VSM測定および磁気トルク測定より磁気異方性エネルギー密度は記録層11がKu RL=1×107erg/ccと推定された。機能層12は補償組成に近いので磁気異方性エネルギー密度の評価は困難であるが、過去のデータよりKu FL=6×106erg/ccであると推定された。また、キュリー温度は記録層11がTc RL=約900K、機能層12がTc FL=約600Kと推定された。
【0195】
図12に、機能層12及び記録層11が積層された状態でのヒステリシスループを示す。
【0196】
図12に示すように、このヒステリシスループは、一段でプラス磁界側にシフトしたものであった。これは機能層12及び記録層11が強磁性交換結合しており、かつ、機能層11が補償組成で磁化反転しないことによるものである。
【0197】
図12中に機能層12と記録層11のスピンの向きを模式的に示した。上が記録層11、下が機能層12である。
【0198】
機能層12のスピンの向きは成膜時の条件或いはその他の理由で設定されていて、補償組成であるために測定磁界範囲(例えば20kOe)において磁化反転しない(向きが変わらない)。磁界がマイナスに大きい場合、機能層12及び記録層11のスピンは外部磁界にならって下を向く。プラス方向の磁界強度が増してくると記録層11のスピンは上に向く力が増えてくるが、機能層12からの強磁性交換結合力で下方向に大きな力を受けるのでなかなか反転しない。それでも大きな磁界H1下で磁化反転を起こす。
【0199】
その状態を図12中右上部に示してある。ここから外部磁界を減じてマイナス側にもっていくと、記録層11のスピンを向けている外場はなくなっていくが、記録層11の異方性エネルギーのためにゼロ磁界下でも反転は起こらない。しかし、強磁性交換結合力によって常に下を向けるような力を受けているので、H1よりは小さい磁界H2において反転を起こす。従って、このようなヒステリシスが得られたことによりこの媒体は強磁性交換結合していることがわかる。
【0200】
このヒステリシスループ測定を、温度を変えて行い、H1の温度変化を調べたところ、図11に模式的に示した反転磁界Hc totalのような特性をもつことがわかった。
【0201】
また、機能層12の飽和磁化も図11に模式的に示したようになった。これらの特性は、機能層12と記録層11とが強磁性交換結合していることおよび、機能層12の磁化が室温から高温領域に向かって増えていくことによってもたらされるものである。
【0202】
上記の磁気記録媒体の動特性をHDDの記録/再生評価装置にて評価した。回転数は4500rpmで、記録ギャップは200nm、GMR素子を用いた再生ヘッドはギャップが110nmであった。浮上量と潤滑剤の厚さから磁気スペーシングは30nmと推定された。局所加熱には波長633nmのレーザを用いた。レーザは基板裏面より外部低浮上レンズを介して機能層/スイッチング層/記録層部分へ照射された。外部低浮上レンズと基板の両方でSILレンズとなるように設計を行い、焦点が機能層/スイッチング層/記録層部分で結ぶようにした。レーザスポットの直径はFWHMで約500nmである。精密なピエゾ素子によるヘッドの駆動で、光の照射位置と記録ヘッドのギャップ位置とを一致させた。
【0203】
先ず、レーザを照射しないで磁気記録を試みた。再生信号はノイズがほとんどであり、十分な記録ができていないことがわかった。このことは記録層11の保磁力と記録ヘッド1の記録能力から勘案して当然の結果である。
【0204】
次に、レーザを照射しながら記録を行った。400kfciの単一周波数記録をおこなった結果、記録温度TwがTpeakに近いところで最大のCHRが得られた。
【0205】
また、上記のTb組成を変化させて同様な磁気特性評価および記録再生実験を行なった。FeCoに比べてTb組成の多い、いわゆるREリッチ組成においては、磁気特性の温度変化は図11と同様であり、調べた全ての組成において熱アシスト磁気記録ができることを確認した。
【0206】
一方、Tb組成が少ない、いわゆるTMリッチ組成では、図13と図14に示したような2つの場合があることがわかった。
【0207】
図13はTMリッチではあるが補償組成に近く、図14は補償組成から遠いものである。記録再生試験の結果、作成した試料が図13のような特性を示すもののみが熱アシスト磁気記録が可能であった。このことは、磁化の温度変化が室温から高温領域に向かって増加する場合のみが熱アシスト磁気記録が可能であることを示している。
【0208】
その理由は、温度の上昇と共に機能層12の磁化が増えるために、交換結合した機能層12及び記録層11の見かけの磁化も増え、結果として保磁力が下がり記録できるようになったためである。磁化が増えない機能層12を用いると、機能層12及び記録層11の二層膜の磁化も温度と共に下がるので保磁力を記録層単層の場合よりも急峻に減少させることはできない。
【0209】
また機能層12をCrPt3とした試料も作成した。磁気特性の温度依存性は図11と同様であり、熱アシスト磁気記録も可能であることがわかった。このことより、本発明による熱アシスト磁気記録が可能となるのは、機能層12が強磁性交換結合しており、かつその飽和磁化が温度と共に増加するという点に帰着され、用いる材料系には本質的には寄らないことがわかった。
【0210】
上記と同様の磁気記録媒体を作成した。ただし機能層12は、第1機能層としてCo90Cr10層(厚さ0.6nm)とRu層(厚さ0.75nm)及び第2機能層としてCo層(厚さ0.25nm)とRu層(厚さ0.75nm)を積層構造としてこれを4回積層したものを用いた。
【0211】
この機能層12はCoCr磁性層とCo磁性層とが反強磁性結合している磁気構造を持っていることがヒステリシスループから確認された。
【0212】
また、CoCr磁性層単独ではキュリー温度が約500K、Co磁性層単独ではキュリー温度が1200Kである。従って、機能層12単独の磁気特性の温度依存性は、このキュリー温度の差のために、室温ではCoCrドミナントであるのが高温域ではCoドミナントとなって、図11に示すようなフェリ磁性を示す。従って、上記とまったく同様に熱アシスト磁気記録媒体に用いることができる。
【0213】
第1機能層の厚さと第2機能層の厚さを変えた試料をいくつか作成し、上記と同様の記録再生実験を行った。その結果、キュリー温度の小さい第一機能層の室温における飽和磁化の値が第2機能層よりも大きい試料のみ熱アシスト磁気記録が可能であることがわかった。この理由は、熱アシスト磁気記録の成否が機能層12の磁化が温度と共に増加することに本質的に起因することにある。
【0214】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気記録を熱揺らぎ加速による再磁化反転を起こすことなく行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気記録装置の斜視図。
【図2】本発明による磁気記録装置の断面図。
【図3】本発明の実施形態1における磁気記録装置の記録層と機能層の磁気異方性と反転磁界の媒体温度に対する変化を模式的に示す図。
【図4】本発明の実施形態1における磁気記録装置の記録層と機能層の磁化の熱印加に対する変化を模式的に示す図であり、(a)は熱印加前、(b)及び(c)は熱印加中、(d)は熱印加後である。
【図5】本発明の実施形態1における磁気記録装置のヒステリシスループを模式的に示す図。
【図6】本発明の実施形態1における磁気記録装置の別の例における記録層と機能層の磁気異方性と反転磁界の媒体温度に対する変化を模式的に示す図。
【図7】本発明の実施形態1における磁気記録装置の別の例におけるCNRのKuFL/KuRLに対する変化を示す図。
【図8】本発明の実施形態1における磁気記録装置の別の例におけるCNRのTw/TcRLに対する変化を示す図。
【図9】本発明の実施形態1における磁気記録装置の別の例におけるCNRのTcFL/TcRLに対する変化を示す図。
【図10】参考例における磁気記録装置の機能層の磁化と温度の関係を示す図。
【図11】参考例における磁気記録装置の記録層と機能層の磁気異方性と反転磁界の媒体温度に対する変化を模式的に示す図。
【図12】参考例における磁気記録媒体のヒステリシスループを模式的に示す図。
【図13】参考例における磁気記録装置の別の例における記録層と機能層の磁気異方性と反転磁界と磁化の媒体温度に対する変化を模式的に示す図。
【図14】参考例における磁気記録装置の比較例における記録層と機能層の磁気異方性と反転磁界と磁化の媒体温度に対する変化を模式的に示す図。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic recording apparatus.
[0002]
[Prior art]
As the processing speed of computers in recent years increases, magnetic storage devices (HDDs) that are responsible for information storage and playback continue to be required to have higher speed and higher density. However, it is said that there is a physical limit to increasing the density, and there is a question as to whether or not this requirement can continue to be satisfied.
[0003]
A magnetic recording medium in which information is substantially recorded in the HDD includes a magnetic layer made of an aggregate of fine magnetic particles as a recording layer. In order to perform high-density recording on this magnetic recording medium, it is necessary to make the magnetic domain recorded on the magnetic layer as small as possible.
[0004]
Further, in order to be able to separate small magnetic domains, it is necessary that the boundaries of the magnetic domains be smooth, and for this purpose, it is necessary to make the magnetic particles as small as possible. Further, if the magnetization reversal is linked between adjacent magnetic particles, the boundary of the magnetic domain is disturbed. Therefore, it is necessary to magnetically separate the magnetic particles with a non-magnetic material so that the exchange coupling interaction does not work.
[0005]
In addition, in the HDD, the magnetic head needs to increase the interaction with the magnetic layer of the magnetic recording medium in order to read the magnetic information recorded on the magnetic recording medium. For this purpose, it is necessary to reduce the thickness of the magnetic layer of the magnetic recording medium.
[0006]
In view of the above requirements, the volume of the magnetic reversal laminated structure (substantially equal to the magnetic particles) of the magnetic material constituting the magnetic layer of the magnetic recording medium must be made smaller and smaller.
[0007]
However, if the magnetization reversal layered structure is miniaturized, the magnetic anisotropy energy (magnetic anisotropy energy density KuThe volume V) of the magnetization reversal unit becomes smaller than the thermal fluctuation energy, and the magnetic domain can no longer be retained. This is a thermal fluctuation phenomenon, and the physical limit of the recording density mainly caused by this thermal fluctuation phenomenon is called a thermal fluctuation limit.
[0008]
As one method for preventing the reversal of magnetization due to thermal fluctuation, it is conceivable to make the magnetic anisotropy energy of the magnetic layer larger than the thermal fluctuation energy. However, when the magnetic anisotropy energy of the magnetic layer is increased, the coercive force when forming (recording) the reversal magnetic domain in the magnetic layer is substantially proportional to the magnetic anisotropy energy, and thus becomes too large, at most 12 kOe. There arises a problem that recording cannot be performed with a magnetic field that can be generated by a current recording head formed of permalloy, Fe, or Fe alloy that generates a magnetic field of a certain degree.
[0009]
In order to enable recording with the current recording head even when the magnetic anisotropy energy of the magnetic layer, which is the above problem, is increased, heat-assisted magnetic recording has been proposed.
[0010]
In heat-assisted magnetic recording, recording is performed by locally heating a magnetic layer during recording to reduce the magnetic anisotropy energy of a recording region. Thermally assisted recording allows recording with the current head by locally heating only the recording area and reducing the magnetic anisotropy energy in this area even if the magnetic anisotropy energy of the magnetic layer at room temperature is large become.
[0011]
However, in the heat-assisted magnetic recording, the adjacent track portion is heated to some extent at the time of recording, and therefore, a phenomenon (cross erase) in which the recording magnetic domain is erased by accelerating the thermal fluctuation occurs.
[0012]
Further, since the magnetic layer is heated to some extent even when the magnetic field from the recording head disappears immediately after recording, similarly, there is a problem that the magnetic domain once formed disappears due to accelerated thermal fluctuation.
[0013]
To solve these problems, magnetic anisotropy energy density KuIt is necessary to use a material whose change with respect to the temperature is as steep as possible near the recording temperature. That is, during recording, the magnetic anisotropy energy density K suddenly increases as the temperature rises.uDecreases to a recordable value, and after recording, the magnetic anisotropy energy density K suddenly increases as heat diffuses.uNeeds to rise to prevent thermal fluctuations.
[0014]
However, magnetic anisotropy energy density K of CoCr-based magnetic thin film or CoPt-based magnetic thin film, which is currently being developed as a material having high coercive force.uThe change in temperature of the film is almost linear, so the magnetic anisotropy energy density K with respect to the heat diffusion rateuDoes not return to its original value so quickly. Therefore, the current thermally assisted magnetic recording cannot solve the problem of loss of recording magnetization or cross erase after recording.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the conventional heat-assisted magnetic recording, the magnetic anisotropy energy density K of the magnetic material used for the magnetic recording medium.uMagnetic anisotropy energy density K immediately after recording due to slow temperature change ofuHowever, there is a problem that recording magnetization disappears or cross erase occurs due to thermal fluctuations.
[0016]
The present invention has been made in view of the above problems, and provides a magnetic recording apparatus that does not cause the disappearance of recording magnetization immediately after recording or the cross erase phenomenon that occurs due to acceleration of thermal fluctuations when performing thermally assisted magnetic recording. The purpose is to do.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a nonmagnetic substrate and a Curie temperature Tc formed on the nonmagnetic substrate.FLAnd magnetic anisotropy energy density KuFLA functional layer made of a magnetic material having a Curie temperature laminated on the functional layer so as to exert an antiferromagnetic exchange coupling interaction with the functional layer.Tc FL thanHigh Curie temperature TcRLAnd 5 × 106magnetic anisotropy energy density Ku above erg / ccRLA recording layer comprising a magnetic particle having a non-magnetic material formed between the magnetic particles, the functional layer and the recording layer,Higher than room temperature, Tc FL Recording temperature Tw below the vicinityThere is provided a magnetic recording apparatus comprising heating means for heating the recording layer and magnetic recording means for recording signal magnetization by applying a magnetic field to the recording layer.
[0018]
At this time, the magnetic anisotropy energy density Ku FLIs the magnetic anisotropic energy density Ku RLThe following is preferable.
[0019]
The magnetic anisotropy energy density Ku FL> The magnetic anisotropy energy density Ku RLIt is preferable that it is x0.1.
[0020]
The magnetic anisotropic energy density K at the recording temperature Twu RLIs the anisotropic energy density K at room temperatureu RLIt is preferable that it is larger than 1/4.
[0021]
The Curie temperature Tc FLMagnetic anisotropy energy density K inu RLIs magnetic anisotropy energy density K at room temperatureu RLIt is preferable that it is larger than 1/4.
[0022]
Moreover, it is preferable to have a nonmagnetic intermediate layer having a thickness of 5 nm or less between the recording layer and the functional layer.
[0023]
The nonmagnetic intermediate layer is a semiconductor doped with at least Ru, Re, Rh, Ir, Tc, Au, Ag, Cu, Si, Fe, Ni, Pt, Pd, Cr, Mn, Al, a semiconductor, and a magnetic substance. It is preferable that it consists of material chosen from these.
[0024]
The present invention also provides a nonmagnetic substrate,
Formed on the non-magnetic substrate, the amount of magnetization at room temperature is greater than the amount of magnetization at the recording temperature Tw.smallA functional layer made of a ferrimagnetic material;
A recording layer comprising magnetic particles laminated on the functional layer so as to exert a ferromagnetic exchange coupling interaction with the functional layer, and a non-magnetic material formed between the magnetic particles;
Heating means for heating the functional layer and the recording layer to the recording temperature Tw;
There is provided a magnetic recording apparatus comprising magnetic recording means for recording signal magnetization by applying a magnetic field to the recording layer.
[0025]
At this time, the functional layer is preferably made of a rare earth and a transition metal alloy.
[0026]
In addition, the functional layer includes a first magnetic layer and a second magnetic layer that is antiferromagnetic exchange coupled with the first magnetic layer, and a multilayer structure is laminated a plurality of times, and the first magnetic layer and The Curie temperature is preferably different from that of the second magnetic layer.
[0027]
Moreover, it is preferable that a laminated structure including the functional layer and the recording layer is laminated a plurality of times.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0029]
(Embodiment 1)
FIG. 1 shows an outline of a magnetic disk apparatus using a rotary actuator.
[0030]
As shown in FIG. 1, a
[0031]
The suspension 50 is connected to one end of an
[0032]
The
[0033]
The
[0034]
FIG. 2 is a cross-sectional view of the
[0035]
As shown in FIG. 2, a
[0036]
As the
[0037]
The recording layer 11 includes magnetic particles and a nonmagnetic material formed therebetween. As a material for magnetic particles present in the recording layer 11, a material having a large saturation magnetization Is and a large magnetic anisotropy is suitable. From this viewpoint, it is preferable to use at least one selected from the group consisting of Co, Pt, Sm, Fe, Ni, Cr, Mn, Bi, Al, and alloys of these metals as the magnetic metal material of the magnetic particles.
[0038]
Among these, Co-based alloys having a large magnetocrystalline anisotropy, particularly those based on CoPt, SmCo, and CoCr, and ordered alloys such as FePt and CoPt are more preferable. Specifically, CoCr, CoPt, CoCrTa, CoCrPt, CoCrTaPt, Fe60Pt60, Fe60Pd60, Co3Pt1Etc. In addition to these, alloys of rare earths and transition metals such as TbFe, TbFeCo, TbCo, GdTbFeCo, GdDyFeCo, NdFeCo, NdTbFeCo, and the like can be given.
[0039]
Examples of the recording layer 11 include a multilayer film (Co / Pt, Co / Pd, etc.) of a magnetic layer and a noble metal layer. The recording layer 11 may be a semimetal such as PtMnSb. The recording layer 11 can be selected from a wide variety of magnetic oxides such as Co ferrite and Ba ferrite.
[0040]
For the purpose of controlling the magnetic properties of the magnetic fine particles contained in the recording layer 11, the magnetic material may be further alloyed with at least one element selected from Fe and Ni. In addition to these metals or alloys, additives for improving magnetic properties, such as elements such as Cr, Nb, V, Ta, Ti, W, Hf, Cr, In, Si or B, or these elements and oxygen A compound with at least one element selected from nitrogen, carbon, and hydrogen may be added.
[0041]
The magnetic anisotropy of the recording layer 11 may be perpendicular magnetic anisotropy, in-plane magnetic anisotropy, or a mixture thereof.
[0042]
The thickness of the recording layer 11 is not particularly limited, but is preferably 100 nm or less, more preferably 50 nm or less, and still more preferably 20 nm or less in order to realize high-density recording. If it is 0.5 nm or less, it is difficult to form a thin film, which is not preferable.
[0043]
Nonmagnetic elements such as Cr, Ta, and B, or SiO can be used as a method of forming a nonmagnetic material between magnetic particles contained in the recording layer 11 and dividing it.2Oxide represented by Si,2N3There is a method in which a non-magnetic material such as a nitride is used to precipitate between grains.
[0044]
In addition, a nonmagnetic material may be formed between the magnetic particles by artificial processing using a technique such as lithography used in semiconductors. Further, a non-magnetic material may be formed between the magnetic particles by self-assembly processing using a diblock copolymer such as PS-PMMA that is self-organized as a mask. Further, a non-magnetic material may be formed between magnetic particles by processing such as particle beam irradiation.
[0045]
The
[0046]
The thickness of the
[0047]
In the exchange coupling interaction between the
[0048]
A configuration that develops an antiferromagnetic exchange coupling interaction can be realized by controlling the state of the interface between the recording layer 11 and the
[0049]
In any case, even if the gap between the recording layer 11 and the
[0050]
In addition, since the antiferromagnetic exchange coupling force can be controlled by inserting another magnetic film between the
[0051]
In addition, the laminated structure of the
[0052]
In addition, a base layer can be used between the
[0053]
By using the underlayer as a magnetic material and magnetically coupling with the magnetic domain in the magnetic material of the recording layer 11 and the
[0054]
Further, when the recording layer 11 is an in-plane magnetization film, high-density recording can be performed by providing a soft magnetic layer above or below the recording layer 11 and applying a magnetic field that saturates the soft magnetic layer during reproduction. Also, the resistance to thermal fluctuation is improved.
[0055]
Moreover, the crystal structure of a magnetic part or a nonmagnetic part is controllable by making a base layer into a nonmagnetic material. Further, it is possible to prevent impurities from the
[0056]
In addition, the crystal state of the magnetic part can be controlled by using an underlayer having a lattice spacing close to the lattice spacing of the crystal orientation of the magnetic part.
[0057]
In some cases, for example, the crystallinity or amorphousness of the magnetic part or the nonmagnetic part is controlled by using an amorphous base having a certain surface energy.
[0058]
Further, a base layer may be further provided under the base layer. In that case, since the function is shared, the effect is increased. For example, a seed layer having a small particle diameter can be provided on the
[0059]
The magnetic and non-magnetic underlayers may have a common function. In other words, there may be a magnetic underlayer for controlling the crystallinity of the magnetic part. In this case, since the effect on the recording or reproduction characteristics and the effect on the crystallinity are synergistic, it is preferable to each case.
[0060]
The underlayer may be a surface modified layer of the
[0061]
The
[0062]
The heating means may be either one that heats the entire surface of the
[0063]
In order to perform local heating at high speed, a laser used for an optical disk, an induction heating, a probe heated by a heating wire, or the like, or an electron beam is used. Something to be released is considered.
[0064]
In addition, in order to perform more local heating, a system in which laser light is squeezed on the surface of a medium using a lens or the like, or a system in which laser light is used as a near-field light using a minute aperture or a solid immersion lens. Alternatively, a method of making a fine antenna at the tip of the probe and performing induction heating therefrom, a method of sharpening the shape of the medium facing portion of the heating probe as much as possible, or shortening the approaching distance, or a medium facing of the electron beam emission probe A method of sharpening the shape of the part as much as possible is mentioned. The heating device using these methods may be on the recording surface side of the medium or on the opposite surface side.
[0065]
As a means for applying a magnetic field existing in the
[0066]
When a permanent magnet is used as a recording head, recording can be performed if the distance between the permanent magnet and the medium is made variable and the magnet is moved closer, and recording is not performed if the distance is increased. When overwriting what has been recorded once, the magnet may be reversed and the same may be done. Further, high-density recording is possible by miniaturizing the magnet. Further, the speed can be increased by moving the piezoelectric element at high speed.
[0067]
In the present invention, the stored magnetic recording information can be read using the same method as that of a conventional magnetic recording apparatus. That is, the leakage magnetic field from the
[0068]
The Curie temperature Tc of the magnetic material of the recording layer 11 and the
[0069]
In the case of a magnetic thin film, there is a possibility that an irreversible fine structure change occurs due to this high temperature holding for a long time, and accurate magnetic property evaluation cannot be performed. In the case of amorphous rare earths and transition metal alloys used as magneto-optical recording media, such changes are relatively unlikely, but CoCrPt-based media used as HDD media have a change in microstructure of 200. It may occur at about ℃.
[0070]
Even in such a case, the Curie temperature Tc can be estimated. That is, a change in magnetic properties from room temperature or lower to a temperature at which structural change occurs may be extrapolated to the high temperature side.
[0071]
The request for the Curie temperature Tc in the magnetic recording apparatus according to the present invention is substantially the magnetic anisotropy energy density K.uIt is sufficient if the temperature is such that the value of the magnetization M and the coercive force Hc can be estimated to be about 1/20 of the value at room temperature.
[0072]
Further, the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11u RLIs 5 × 106erg / cc or higher. This is because if it is smaller than this, the merit of the heat-assisted magnetic recording cannot be obtained.
[0073]
FIG. 3 shows the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11.u RL, Magnetic anisotropy energy density K of
[0074]
As shown in FIG. 3, the Curie temperature T of the
[0075]
The
[0076]
Curie temperature T of
[0077]
By doing so, it is possible to solve the problem of lost recording magnetization and cross erase immediately after recording without making the temperature change of the magnetic anisotropy energy density Ku steep even if thermal diffusion is slow.
[0078]
The heat-assisted magnetic recording using this characteristic will be described in detail.
[0079]
FIG. 4 is a cross-sectional structure of the magnetic recording medium, and schematically shows the state of magnetization reversal in the recording layer 11 and the
[0080]
Since the
[0081]
First, as shown in FIG. 4A, all the magnetizations of the recording layer 11 are set downward as an initial state. This state is a state of room temperature Ta before heat application and magnetic field application. Due to the antiferromagnetic exchange coupling interaction with the recording layer 11, the
[0082]
Since heating is not performed in this state, there is no loss of magnetization due to thermal fluctuation. This state is a state of room temperature Ta in FIG. The reversal magnetic field H at this timec totalIs the magnetic anisotropy energy density K of the
[0083]
Next, as shown in FIG. 4B, only the range indicated by the
[0084]
Next, as shown in FIG. 4C, a downward magnetic field is applied from the recording head (
[0085]
Next, as shown in FIG. 4D, after the downward spin recording magnetic domain is formed, the heat application is stopped. Thus, when the temperature returns to room temperature Ta as shown in FIG. 3, the magnetization of the
[0086]
As described above, according to the present invention, magnetic recording can be performed on a recording layer having a large magnetic anisotropy energy density Ku that cannot be recorded at room temperature.
[0087]
Further, according to the present invention, in order to bring about a situation where recording can be performed by a change in the magnetic characteristics of the functional layer having a low Curie temperature, the magnetism of the recording layer itself does not change so much from room temperature to the recording temperature. Thermal fluctuation acceleration, which is a problem of conventional heat-assisted magnetic recording, is less likely to occur.
[0088]
In the present invention, the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11u RLAnd magnetic anisotropy energy density K of
[0089]
In the present invention, the magnetic anisotropic energy density K of the
[0090]
The inventors have determined that the effective magnetic anisotropy energy density K of the multilayer film formed by ferromagnetic exchange coupling and antiferromagnetic exchange coupling.uAs a result of investigating what kind of characteristics it shows, the following findings were found.
[0091]
That is, when the first layer and the second layer are bonded with an exchange coupling energy surface density σ, the magnetic anisotropy energy density as the overall thermal fluctuation resistance is
σ / (2t2Ku2) <1, t1Ku1+ Σ-σ2/ (4t2Ku2)
σ / (2t2Ku2)> 1, t1Ku1+ T2Ku2
It becomes.
[0092]
Where t1, T2Are the film thicknesses of the first and second layers, respectively, Ku1, Ku2Are the magnetic anisotropy energy densities of the first layer and the second layer, respectively.
[0093]
In all cases, heat fluctuation resistance tK as a wholeuIs increasing. However, the average for the entire membrane is (t1+ T2), As you can see,u2Only Ku1Therefore, the effective magnetic anisotropy energy density is reduced.
[0094]
In order to increase the density, the medium must be thinned.u1This is a disadvantage compared to the case where the same material is used.
[0095]
Therefore, the magnetic anisotropy energy density K of the
[0096]
In the present invention, the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11 at the recording temperature Tw is used.u RLIs the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11 at room temperature.u RLIt should just be larger than 1/4 of.
[0097]
The greatest feature of the magnetic recording apparatus according to the present invention is to suppress the thermal fluctuation acceleration phenomenon. Specifically, recording is performed before the thermal fluctuation of the recording layer 11 is accelerated by utilizing the change of the entire reversal magnetic field due to the change of the magnetic characteristics of the
[0098]
As a result of the inventors' independent research, when performing thermally assisted magnetic recording on a normal single layer film, the thermal fluctuation acceleration phenomenon can be avoided at a temperature at which the magnetic anisotropy energy density at room temperature is approximately halved. I got the knowledge that However, this conclusion contains assumptions for simplicity and has been found to give an overestimation of thermal fluctuation acceleration. Actually, a complicated phenomenon involving the change in temperature in the nanometer region on the medium and the spatial distribution of the magnetic properties associated therewith has occurred, so accurate analysis cannot be performed unless first-principles simulation is used. As a result of conducting detailed experiments in consideration of these points, the inventors have found that the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11 at room temperature.u RLIt has been found that the effect of the thermal fluctuation acceleration phenomenon can be suppressed by measures such as improving the temperature response if heating is performed until the value of the magnetic anisotropy energy density becomes ¼ of the value.
[0099]
That is, the magnetic anisotropic energy density K of the recording layer 11 at the recording temperature Tw.u RLIs larger than 1/4 of the value at room temperature, heat-assisted magnetic recording with suppressed thermal fluctuation can be performed. At this time, there is no deterioration immediately after recording, and no cross erase occurs because thermal fluctuation acceleration does not occur in adjacent tracks. In addition, since the reversal magnetic field in a region wider than the magnetic field application region of the recording head (generally, the region of the ABS surface of the recording magnetic pole) can be made equal to or less than the recording magnetic field, the recorded magnetic domain is rectangular that is not affected by the isotherm It also has the advantage of being able to.
[0100]
This condition is only for suppressing thermal fluctuation acceleration, such as a system that allows a certain degree of deterioration, a system that employs application of an auxiliary magnetic field immediately after recording, a system that has an extremely fast temperature response due to an extremely rapid refrigerant structure, etc. It is not necessary to use for.
[0101]
In order to enable recording at a lower temperature, the recording layer 11 itself has a high magnetic anisotropy energy density K.u RLIt is preferable that the material has a low coercive force. To do so, the saturation magnetization Ms of the recording layer 11 is preferably large. However, basically the magnetic anisotropy energy density Ku RLThe saturation magnetization Ms is a value inherent to the material and cannot be controlled so much.
[0102]
Therefore, another layer can be realized by ferromagnetic exchange coupling with the recording layer 11. That is, the second recording layer made of another material having a high magnetic anisotropy energy density is exchange-coupled to the recording layer 11 to saturate when the recording layer 11 and the second recording layer are regarded as one body. Magnetization Ms can be increased, resulting in high magnetic anisotropy energy density Ku RLIn addition, a low coercive force can be realized. In this case, the magnetic anisotropy energy density of the second recording layer is equal to the magnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11.u RLIt doesn't have to be as expensive.
[0103]
As such a material system, for example, in the case of a perpendicular magnetic recording medium, a so-called artificial lattice medium in which Co layers having a thickness of about 1 nm and Pt layers and Pd layers are alternately stacked can be used. In this medium, since the magnetic anisotropy energy density can be increased as the Co layer is thinner, for example, the Co layer is 0.25 nm thick and the Pt layer is 0.5 nm.7Ms of about 500 emu / cc can be obtained at a magnetic anisotropy energy density of erg / cc.
[0104]
In the present invention, the Curie temperature T of the functional layer 11 isc FLMagnetic anisotropy energy density K of the recording layer 11 atu RLIs the magnetic anisotropic energy density K of the recording layer 11 at room temperature.u RLIt is preferable that it is larger than 1/4.
[0105]
The temperature change (decrease) of the coercive force Hc larger than the recording layer 11 originally has can be obtained in the temperature range in which the
[0106]
The magnitude of the coercive force at room temperature means that there is little magnetization at room temperature, which means that the effect of reducing the demagnetizing field is great. Therefore, the recording operation is performed using the Curie temperature Tc of the functional layer 12.FLWhen performed in the vicinity, the demagnetizing field reduction effect can be increased, which is preferable. From the above discussion, in order to suppress the thermal fluctuation acceleration phenomenon, the recording temperature is changed to the magnetic anisotropic energy density Ku of the recording layer 11.RLIs a quarter of the room temperature value, so to obtain a system that has both effects,Functional layer12 Curie temperature TcFLMagnetic anisotropy energy density Ku of the recording layer 11 atRLIs the magnetic anisotropy energy density Ku of the recording layer 11 at room temperature.RLIt is preferable that it is larger than 1/4.
[0107]
This condition is only for suppressing thermal fluctuation acceleration and reducing the influence of the demagnetizing field, and need not be used for a system or the like that does not require it. Whether this condition is adopted depends on the design of the system used.
[0108]
In the magnetic recording apparatus according to the present invention, a nonmagnetic intermediate layer of 5 nm or less may be formed between the recording layer 11 and the
[0109]
Further, in the present invention, the antiferromagnetic exchange coupling can be realized by controlling the interface between the recording layer 11 and the
[0110]
In the present invention, in order to keep the distance between the recording layer 11 and the
[0111]
In addition, the inventors have determined that the nonmagnetic intermediate layer is made of at least a material selected from Ru, Re, Rh, Ir, Tc, Au, Ag, Cu, Si, Fe, Ni, Pt, Pd, Cr, Mn, and Al. It has been found that a large exchange coupling energy can be obtained.
[0112]
In the case of the magnetic recording apparatus according to the present invention, the necessary conditions are that the thermal fluctuation acceleration is small at the recording temperature and the reversal magnetic field is small. There are various conditions for realizing this, and one of them is that the exchange coupling energy is large. This has an advantage that a recording layer having a larger magnetic anisotropy energy density that can increase the magnetic anisotropy energy density of the
[0113]
In addition, the inventors have found that the above-described nonmagnetic intermediate layer is selected from a semiconductor and a material doped with a magnetic substance in the semiconductor, so that a large exchange coupling energy and a sharp temperature change of a reversal magnetic field can be obtained. I found it. The reason why large exchange coupling energy is obtained is not well understood. Regarding the temperature change of the steep reversal magnetic field, when the intermediate layer is a semiconductor, the number of electrons (carriers) is considered to be responsible for the exchange coupling interaction between the recording layer 11 and the
[0114]
Next, an example in which a magnetic recording device having a cross-sectional structure schematically shown in FIG.
[0115]
First, a Ti seed layer (not shown) is formed with a thickness of 10 nm and a Pt underlayer (not shown) is formed with a thickness of 20 nm on a 2.5-
[0116]
Next, a magnetic material (Co80Pt20) Ta6And during this, SiO as a non-magnetic material2The recording layer 11 having a thickness of 10 nm is formed by sputtering with a thickness of 10 nm. Next, a
[0117]
The
[0118]
Next, when the fine structure of the recording layer 11 was analyzed using a TEM, columnar magnetic crystal particles (diameter of about 9 nm) mainly made of CoPt were found to be amorphous SiOP.2It was the structure divided by the nonmagnetic material which consists of. In this analysis, Ta could not be analyzed.
[0119]
Further, the magnetic characteristics of the recording layer 11 alone have a main axis of easy magnetization in the vertical direction, and the magnetic anisotropy energy density K is determined by VSM measurement and magnetic torque measurement.u RL= 8 × 106estimated to be erg / cc. Also, its Curie temperature Tc RLWas estimated to be about 800K.
[0120]
Similarly, the magnetic properties of the
[0121]
FIG. 5 schematically shows a hysteresis loop in a state where the
[0122]
As shown in FIG. 5, when the absolute value of the magnetic field strength is decreased from the saturation state on the negative side, H2And H1The sudden change in magnetization appeared twice. This means that the
[0123]
When the absolute value of the magnetic field strength is decreased from the minus side, first, H2, The
[0124]
Next, when the magnetic field strength increases to the plus side, the magnetization of the recording layer 11 is forcibly reversed by the force of the external magnetic field. This is H1Changes.
[0125]
This hysteresis loop measurement is performed by changing the temperature.1As a result of examining the temperature change, the H shown schematically in FIG.c totalIt was found that it has the following characteristics. This characteristic is brought about by the antiferromagnetic exchange coupling interaction between the
[0126]
The dynamic characteristics of the magnetic recording medium were evaluated with a HDD recording / reproduction evaluation apparatus. The rotational speed was 4500 rpm, the recording gap was 200 nm, and the reproducing head using the GMR element had a gap of 110 nm. The magnetic spacing was estimated to be 30 nm from the flying height and the lubricant thickness. A laser with a wavelength of 633 nm was used for local heating. The laser was applied to the interface portion between the
[0127]
First, magnetic recording was attempted without laser irradiation. It was found that the reproduced signal was mostly noisy and sufficient recording was not possible. This is a natural result considering the coercive force of the recording layer 11 and the recording capability of the recording head.
[0128]
Next, recording was performed while irradiating a laser. By another experiment and simulation, the relationship between the laser irradiation power and the temperature rise of the magnetic recording medium is grasped in advance, and the relationship between the recording temperature Tw and the CN ratio (CNR) of the reproduction signal is changed by changing the irradiation laser power. Examined. As a result of performing 400 kfci single frequency recording, a reproduction signal can be obtained in a region where the recording temperature Tw = 350K or higher, the maximum signal intensity is obtained around the recording temperature Tw = 450K to 550K, and the recording temperature Tw = 800K. The signal could not be obtained again.
[0129]
Such dependence of the reproduction signal intensity on the medium temperature is appropriate in view of the action of the above-described heat-assisted magnetic recording system.
[0130]
Next, after forming the
[0131]
As a result of cross-sectional TEM observation, it was found that a CoO layer having a thickness of 1 nm was formed between the
[0132]
When the hysteresis curve of this sample was measured, the same one as shown in FIG. 5 was obtained. Based on this result, an SiO layer having a thickness of 0.8 nm is formed as an intermediate layer between the
[0133]
In any case, the same characteristics as in FIG. 6 were obtained, and it was found that antiferromagnetic coupling was obtained. In particular, when a 1 nm thick Ti layer is inserted as an intermediate layer, H1And H2It was estimated that the difference between and was the largest, and the exchange coupling energy was the largest. Exchange coupling was not obtained when the thickness of the intermediate layer exceeded 5 nm.
[0134]
Next, another example according to the first embodiment will be described.
[0135]
First, a NiAl seed layer (not shown) with a thickness of 5 nm and a V underlayer (not shown) with a thickness of 10 nm are formed on a 2.5-
[0136]
Next, when the fine structure of the recording layer 11 of the magnetic recording medium thus formed was examined using a TEM, columnar magnetic crystal particles (diameter about 5 nm) mainly made of FePt were found to be amorphous SiO.2It was the structure divided by the nonmagnetic material which consists of. Cu was almost uniformly distributed in the film.
[0137]
The magnetic characteristic of the recording layer 11 alone has a main axis of easy magnetization in the in-plane direction, and the magnetic anisotropy energy density K is determined by VSM measurement and magnetic torque measurement.u RLIs 8 × 107 estimated to be erg / cc. Curie temperature T of the recording layer 11c RLWas estimated to be about 700K.
[0138]
The magnetic properties of the
[0139]
The hysteresis loop in the state where the
[0140]
This was subjected to the same magnetic recording experiment as described above. As a result, almost the same result was obtained except that the maximum reproduction signal intensity was obtained at the recording temperature Tw = 430K to 560K. Since the
[0141]
Similar samples were made with varying interlayer material and thickness. The attempted interlayer materials are Ru, Re, Rh, Ir, Tc, Au, Ag, Cu, Si, Fe, Ni, Pt, Pd, Cr, Mn, and Al. In all of these, the film thickness showing antiferromagnetic coupling was confirmed in a film thickness region of 5 nm or less.
[0142]
In either case, the oxide layer, SiO2As a result, a hysteresis loop suggesting a large exchange coupling energy as compared with the Ti alloy layer was obtained. In particular, when Ru, Re, Rh, and Ir were examined in detail, the exchange coupling energy surface density was 1 erg / cm.2~ 5erg / cm2It was found that
[0143]
Similarly, it has been found that antiferromagnetic exchange coupling is also obtained when an intermediate layer is formed of a semiconductor and a material doped with a magnetic substance in the semiconductor. Here, the semiconductors are Si, Ge, Sn, Te, AlP, GaN, GaP, GaAs, InSb, ZnO, ZnS, and ZnTe, and the magnetic materials are Co, Fe, Ni, Mn, and Cr.
[0144]
The reason for the induction of antiferromagnetic coupling is not well understood, but is probably due to superexchange interaction between minority carriers in the semiconductor and the doped magnetic material. Accordingly, the base material to be doped may be any semiconductor as long as it can generate a minority carrier, and the magnetic material is not limited to the above.
[0145]
Next, another example according to the first embodiment will be described.
[0146]
First, on a 2.5-
[0147]
The
[0148]
When the fine structure of the recording layer 11 of the magnetic recording medium thus formed was examined using a TEM, columnar magnetic crystal particles (diameter of about 7 nm) mainly composed of a multilayer film of Co and Pt were physically found. A fine structure divided into two was observed. Although the intergranular substance could not be identified, it is assumed that the constituent material is amorphous Co-O.
[0149]
In addition, the magnetic characteristics of the recording layer 11 and the
[0150]
The hysteresis loop in the state where the
[0151]
This was subjected to the same magnetic recording experiment as described above. As a result, almost the same result was obtained except that the maximum reproduction signal intensity was obtained in a wide range of recording temperatures Tw = 400K to 600K. Since this magnetic recording medium has a small difference in magnetic anisotropy energy density Ku between the recording layer 11 and the
[0152]
Next, a sample in which the intermediate layer of this magnetic recording medium was amorphous ZnSe was prepared. Antiferromagnetic exchange coupling was obtained.
[0153]
FIG. 6 shows the reversal magnetic field H of the magnetic recording medium thus formed.c totalThe temperature dependence of is shown.
[0154]
As shown in FIG.c totalIs the Curie temperature T of the
[0155]
This is because the temperature dependence of the exchange coupling energy is the Curie temperature T of the functional layer 11.c FLUnlike the example shown in FIG. 3, which decreases almost linearly toward the Curie temperature, the Curie temperature T of the functional layer 11c FLThis is an effect obtained by using a semiconductor as an intermediate layer.
[0156]
It has been confirmed that the same effect occurs when the semiconductor used as the intermediate layer is Si, Te, Ge, ZnO, or ZnTe. Moreover, when this intermediate layer was doped with Co, the exchange coupling energy tended to increase.
[0157]
Among them, a magnetic recording medium using a ZnSe layer as an intermediate layer was subjected to the same magnetic recording experiment as described above. As a result, the temperature margin expands to 50K on the high temperature side, and the Curie temperature T of the recording layer 11c RLIt was found that cross-erasing hardly occurred even when the laser was irradiated at a level of.
[0158]
Next, a magnetic recording medium having the same structure as described above was produced. However, the
[0159]
The fine structure of the recording layer 11 of this magnetic recording medium was the same as described above. Further, only a sample in which the recording layer 11 and the
[0160]
FIG. 7 shows the results of this recording / reproduction test.
[0161]
FIG. 7 shows a carrier-noise ratio (CNR) when a single frequency signal recorded at 600 kfci is reproduced. The CNR is only about 50 dBm at the maximum, and this seems to be because the relationship between the recording / reproducing system, particularly the heating timing and the recording magnetic field application time, is not optimized. However, even at this level, the suitability of heat-assisted magnetic recording can be sufficiently determined.
[0162]
As is clear from FIG.u FL/ Ku RLA sufficiently large signal was obtained at 0.1 or more. The reason why such characteristics are obtained is that the magnetic anisotropic energy density K of the functional layer 11 isu FLIf it is too small, the magnetic anisotropy energy density Ku of the entire magnetic recording medium is lowered, so that the thermal fluctuation resistance is lowered, and fatal thermal fluctuation deterioration is caused even by heating at the recording temperature. Of course, if the recording temperature is set lower than Tw, the thermal fluctuation deterioration can be suppressed.u FL/ Ku RLWas less than 0.1, heat assisted recording was possible, and it was confirmed that a CNR exceeding 30 dBm was actually obtained even in this system.
[0163]
Next, a magnetic recording medium having the same structure as described above was produced. However, the
[0164]
The same heat-assisted magnetic recording as described above was performed on the magnetic recording medium thus prepared by changing the irradiation laser power. The medium temperature for each power was estimated by heat conduction analysis simulation.
[0165]
The result is shown in FIG. The horizontal axis is the medium heating temperature, and the vertical axis is the CNR.
[0166]
As shown in FIG. 8, when the horizontal axis is plotted with temperature, no correlation was found, but the Curie temperature T of the recording layer 11c RLA strong correlation was found when the values were normalized by. From this result, the recording temperature is Tw / Tc RLIt has been found that a sufficient reproduction signal can be obtained in a region where is less than 0.75. The variation in the signal intensity in this region corresponds to the fact that the recording power is not necessarily the optimum value, but Tw / Tc RLThe signal intensity in the region where is larger than 0.75 is obviously smaller than that in the low temperature region.
[0167]
Magnetic anisotropic energy density K of recording layer 11 aloneu RLIs its Curie temperature Tc RL LTw / T because it decreases linearly towardc RLIs greater than 0.75 is the magnetic anisotropy energy density Ku RLIs a region that is less than ¼ of the room temperature value.
[0168]
The reason why the signal intensity becomes extremely small in this region is that, as described above, the magnetic anisotropic energy density K of the recording layer 11 alone.u RLThis is probably due to the acceleration of thermal fluctuations due to the drop in
[0169]
For the results obtained in FIG. 8, the recording temperature at which the largest CNR was obtained was selected for each sample.c FL/ Tc RLI tried plotting against. The result is shown in FIG.
[0170]
As shown in FIG.c FL/ Tc RLIt has been found that a sufficient reproduction signal can be obtained when is less than 0.75. As described above, when there is no thermal fluctuation deterioration of the recording layer 11, the condition for obtaining the maximum CNR is that the recording temperature is the Curie temperature T of the
[0171]
Magnetic anisotropic energy density K of recording layer 11 aloneu RLIs its Curie temperature Tc RLDecreases linearly toward T,c FL/ Tc RLIs greater than 0.75 is the Curie temperature T of the
[0172]
(Reference example)
next,Reference exampleThe magnetic recording apparatus according to the above will be described.
[0173]
This magnetic recording device is formed on a nonmagnetic substrate and a nonmagnetic substrate, and the amount of magnetization at room temperature.Than the amount of magnetization at the recording temperature TwA functional layer made of a small ferrimagnetic material, and a functional layer on the functional layerFerromagnetic exchange coupling interactionA recording layer composed of magnetic particles laminated so as to exert a nonmagnetic material formed between the magnetic particles, a functional layer, andRecording layerAnd a magnetic recording means for recording signal magnetization by applying a magnetic field to the recording layer.
[0174]
The magnetic recording apparatus according to the first embodiment shown in FIG. 2 differs from the magnetic recording device according to the first embodiment in that the
[0175]
The present invention is characterized in that the magnetization of the
[0176]
On the contraryReference exampleThe feature is that the
[0177]
Ferrimagnetism is generally found in systems in which two spins of different effective sizes are antiferromagnetically coupled. This state is schematically shown in FIG.
[0178]
As shown in FIG. 10, in the ferrimagnetic material, the spins U and L are coupled in the opposite directions and the Curie temperatures thereof are different, so the temperature change of magnetization is not uniform. In particular, a combination of a spin L having a high saturation magnetization Ms and a low Curie temperature Tc and a spin U having a low saturation magnetization Ms and a high Curie temperature Tc has a characteristic that the magnetization increases with temperature.
[0179]
Therefore, by using the ferrimagnetic material having the characteristic that the magnetization increases when the temperature rises as the
[0180]
FIG. 11 shows the saturation magnetization M of the
[0181]
Saturation magnetization M of
[0182]
The only essential condition for obtaining the action shown in FIG. 11 is that the magnetization amount (net moment) of the
[0183]
In the magnetic recording apparatus according to the present invention, the
[0184]
The magnetic recording device according to the present invention has a laminated structure in which the
[0185]
A first functional layer that is a magnetic material (typically Co, Ni, Fe, or an alloy thereof) and a second functional layer that is another magnetic material are laminated in this order, In a multilayer film in which the structure is repeated one or more times, antiferromagnetic exchange coupling interaction works between the first functional layer and the second functional layer, and the magnetic characteristics of the first functional layer and the second functional layer are shown. 11 can be used as the same ferrimagnetic functional layer as described above. In order to make the antiferromagnetic exchange coupling interaction work, for example, a non-magnetic layer of 5 nm or less (for example, Ru, Re, Rh, Ir, Tc, Au, Ag, Cu, Mn, Si, Cr or alloys thereof) Alternatively, an oxide) may be inserted between the first functional layer and the second functional layer.
[0186]
Also, what is called an antiferromagnetic material may exhibit ferrimagnetism depending on conditions such as temperature conditions and crystal orientation planes, and in such a case, this can also be used as a functional layer.
[0187]
As a material exhibiting antiferromagnetism, there is a thinned antiferromagnetic material having a Neel temperature higher than room temperature. For example, an alloy of Fe, Cr, Co, specifically, MnNi, MnPd, MnPt, CrPd, CuMn, AuMn, AuCr, CrMn, CrRe, CrRu, FeMn, CoMn, FeNiMn, CoMnFe, IrMn, etc. Alloys, specifically AuMn, ZnMn, FeRh, FeRhIr, Au2Mn, Au5Mn12, Au4Cr, NiMn, PdMn, PtMn, PtCr, PtMn3, RhMn3In addition to this, Mn3PtN, CrMnPt, PdPtMn, NiO, CoO and the like are known.
[0188]
The magnetic recording apparatus according to the present invention is characterized in that the laminated structure of the
[0189]
In such a case, since the interface per recording layer or per functional layer is doubled, there is an advantage that the exchange coupling energy is substantially doubled. The advantages brought about by the increased exchange coupling energy are as described above.
[0190]
In this case, since the total film thickness tends to increase, it is preferable that the functional layer or recording layer constituting the laminated structure is thin.
[0191]
next,Reference exampleThe magnetic recording medium according to the above will be specifically created.
[0192]
First, an SiN underlayer (not shown) is formed on a 2.5-
[0193]
When the fine structure of the recording layer 11 of the magnetic recording medium thus formed was examined using TEM, columnar magnetic crystal grains (diameter of about 7 nm) mainly composed of a multilayer film of Co and Pt were physically found. A fragmented microstructure was observed. Although the intergranular substance could not be identified, it is assumed that the constituent material is amorphous Co-O.
[0194]
The magnetic characteristics of the recording layer 11 and the
[0195]
FIG. 12 shows a hysteresis loop in a state where the
[0196]
As shown in FIG. 12, this hysteresis loop was shifted to the plus magnetic field side in one stage. This is because the
[0197]
In FIG. 12, the spin directions of the
[0198]
The spin direction of the
[0199]
This state is shown in the upper right part of FIG. If the external magnetic field is reduced from this point to the minus side, the external field directing the spin of the recording layer 11 disappears, but inversion does not occur even under zero magnetic field due to the anisotropic energy of the recording layer 11. . However, since it is constantly receiving downward force due to the ferromagnetic exchange coupling force, H1Smaller magnetic field H2Cause inversion. Therefore, it can be seen that this medium has ferromagnetic exchange coupling due to such hysteresis.
[0200]
This hysteresis loop measurement is performed by changing the temperature.1As a result of examining the temperature change, the switching magnetic field H schematically shown in FIG.c totalIt was found that it has the following characteristics.
[0201]
Also, the saturation magnetization of the
[0202]
The dynamic characteristics of the magnetic recording medium were evaluated with a HDD recording / reproduction evaluation apparatus. The rotational speed was 4500 rpm, the recording gap was 200 nm, and the reproducing head using the GMR element had a gap of 110 nm. The magnetic spacing was estimated to be 30 nm from the flying height and the lubricant thickness. A laser with a wavelength of 633 nm was used for local heating. The laser was applied to the functional layer / switching layer / recording layer portion from the back surface of the substrate via an external low floating lens. The design was made so that both the external low-levitation lens and the substrate were SIL lenses, and the focal point was formed by the functional layer / switching layer / recording layer portion. The diameter of the laser spot is about 500 nm in FWHM. By driving the head with a precise piezo element, the light irradiation position and the gap position of the recording head were matched.
[0203]
First, magnetic recording was attempted without laser irradiation. It was found that the reproduced signal was mostly noisy and sufficient recording was not possible. This is a natural result considering the coercive force of the recording layer 11 and the recording capability of the
[0204]
Next, recording was performed while irradiating a laser. As a result of 400 kfci single frequency recording, the recording temperature Tw is TpeakThe maximum CHR was obtained near
[0205]
Further, similar magnetic property evaluation and recording / reproducing experiments were performed by changing the Tb composition. In the so-called RE-rich composition having a larger Tb composition than FeCo, the temperature change of the magnetic characteristics was the same as in FIG. 11, and it was confirmed that heat-assisted magnetic recording was possible in all the investigated compositions.
[0206]
On the other hand, it was found that the so-called TM rich composition with a small Tb composition has two cases as shown in FIGS.
[0207]
13 is TM rich but close to the compensation composition, and FIG. 14 is far from the compensation composition. As a result of the recording / reproducing test, only the sample having the characteristics as shown in FIG. 13 was able to perform the heat-assisted magnetic recording. This indicates that heat-assisted magnetic recording is possible only when the temperature change of magnetization increases from room temperature toward a high temperature region.
[0208]
This is because the magnetization of the
[0209]
Further, the
[0210]
A magnetic recording medium similar to the above was prepared. However, the
[0211]
It was confirmed from the hysteresis loop that the
[0212]
The CoCr magnetic layer alone has a Curie temperature of about 500K, and the Co magnetic layer alone has a Curie temperature of 1200K. Therefore, the temperature dependence of the magnetic characteristics of the
[0213]
Several samples with different thicknesses of the first functional layer and the second functional layer were prepared, and a recording / reproducing experiment similar to the above was performed. As a result, it was found that heat-assisted magnetic recording is possible only for a sample having a saturation magnetization value at room temperature of the first functional layer having a low Curie temperature higher than that of the second functional layer. This is because the success or failure of the heat-assisted magnetic recording is essentially caused by the fact that the magnetization of the
[0214]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, magnetic recording can be performed without causing remagnetization reversal due to acceleration of thermal fluctuation.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a magnetic recording apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a magnetic recording apparatus according to the present invention.
FIG. 3 is a diagram schematically showing changes in magnetic anisotropy and reversal magnetic field of the recording layer and functional layer of the magnetic recording apparatus according to
FIGS. 4A and 4B are diagrams schematically showing changes in magnetization of the recording layer and the functional layer of the magnetic recording apparatus according to
FIG. 5 is a diagram schematically showing a hysteresis loop of the magnetic recording apparatus according to the first embodiment of the invention.
FIG. 6 is a diagram schematically showing changes in magnetic anisotropy of a recording layer and a functional layer and a reversal magnetic field with respect to the medium temperature in another example of the magnetic recording apparatus according to
FIG. 7 is a diagram showing a change in CNR with respect to KuFL / KuRL in another example of the magnetic recording apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a change in CNR with respect to Tw / TcRL in another example of the magnetic recording apparatus according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a diagram showing a change in CNR with respect to TcFL / TcRL in another example of the magnetic recording apparatus according to the first embodiment of the invention.
FIG. 10Reference exampleFIG. 6 is a diagram showing the relationship between the magnetization and temperature of the functional layer of the magnetic recording apparatus in FIG.
FIG. 11Reference exampleFIG. 6 is a diagram schematically showing changes in magnetic anisotropy of a recording layer and a functional layer and a reversal magnetic field with respect to the medium temperature of the magnetic recording apparatus in FIG.
FIG.Reference exampleThe figure which shows typically the hysteresis loop of the magnetic recording medium in.
FIG. 13Reference exampleFIG. 6 is a diagram schematically showing changes in magnetic anisotropy, switching magnetic field, and magnetization of a recording layer and a functional layer with respect to a medium temperature in another example of the magnetic recording apparatus in FIG.
FIG. 14Reference exampleFIG. 6 is a diagram schematically showing changes in magnetic anisotropy, switching magnetic field, and magnetization of a recording layer and a functional layer with respect to a medium temperature in a comparative example of the magnetic recording apparatus in FIG.
Claims (7)
前記非磁性基板上に形成され、キュリー温度TcFL及び磁気異方性エネルギー密度KuFLを有する磁性体からなる機能層と、
前記機能層上に前記機能層と反強磁性交換結合相互作用を及ぼすように積層された前記キュリー温度Tc FL よりも高いキュリー温度TcRL及び5×106erg/cc以上の磁気異方性エネルギー密度KuRLを有する磁性粒子と前記磁性粒子間に形成された非磁性体とからなる記録層と、
前記機能層及び前記記録層を、室温より高く、Tc FL 近傍以下の記録温度Twに加熱する加熱手段と、
前記記録層に磁界を印加することによって信号磁化を記録する磁気記録手段とを具備することを特徴とする磁気記録装置。A non-magnetic substrate;
A functional layer formed on the non-magnetic substrate and made of a magnetic material having a Curie temperature Tc FL and a magnetic anisotropic energy density Ku FL ;
The Curie temperature Tc RL higher than the Curie temperature Tc FL laminated so as to exert an antiferromagnetic exchange coupling interaction with the functional layer on the functional layer, and a magnetic anisotropy energy of 5 × 10 6 erg / cc or more A recording layer comprising magnetic particles having a density Ku RL and a non-magnetic material formed between the magnetic particles;
Heating means for heating the functional layer and the recording layer to a recording temperature Tw higher than room temperature and below Tc FL ;
A magnetic recording apparatus comprising: magnetic recording means for recording signal magnetization by applying a magnetic field to the recording layer.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001279858A JP3990128B2 (en) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | Magnetic recording device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001279858A JP3990128B2 (en) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | Magnetic recording device |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007038543A Division JP2007134046A (en) | 2007-02-19 | 2007-02-19 | Magnetic recording medium |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003085702A JP2003085702A (en) | 2003-03-20 |
JP3990128B2 true JP3990128B2 (en) | 2007-10-10 |
Family
ID=19103957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001279858A Expired - Fee Related JP3990128B2 (en) | 2001-09-14 | 2001-09-14 | Magnetic recording device |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3990128B2 (en) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1695183A (en) * | 2002-11-01 | 2005-11-09 | 皇家飞利浦电子股份有限公司 | Thermally-assisted recording medium with a storage layer of antiferromagnetic double-layer structure with anti-parallel orientation of magnetization |
JP2005222669A (en) | 2004-01-05 | 2005-08-18 | Fujitsu Ltd | Magnetic recording medium and magnetic storage device |
KR20070026880A (en) * | 2004-07-13 | 2007-03-08 | 더 리젠츠 오브 더 유니버시티 오브 캘리포니아 | Exchange-bias based multi-state magnetic memory and logic devices and magnetically stabilized magnetic storage |
US7678476B2 (en) | 2006-01-20 | 2010-03-16 | Seagate Technology Llc | Composite heat assisted magnetic recording media with temperature tuned intergranular exchange |
US8130457B2 (en) | 2006-11-24 | 2012-03-06 | Sharp Kabushiki Kaisha | Magnetic recording/reproducing apparatus and method for determining magnetic recording condition |
US20090141387A1 (en) * | 2007-11-29 | 2009-06-04 | Electronics And Telecommunications Research Institute | Nanoprobe-based heating apparatus and heat-assisted magnetic recording head using the same |
US8743666B1 (en) | 2011-03-08 | 2014-06-03 | Western Digital Technologies, Inc. | Energy assisted magnetic recording medium capable of suppressing high DC readback noise |
US8565050B1 (en) | 2011-12-20 | 2013-10-22 | WD Media, LLC | Heat assisted magnetic recording media having moment keeper layer |
US8947987B1 (en) | 2013-05-03 | 2015-02-03 | WD Media, LLC | Systems and methods for providing capping layers for heat assisted magnetic recording media |
JP6285785B2 (en) * | 2013-06-10 | 2018-02-28 | 昭和電工株式会社 | Vertical recording medium and vertical recording / reproducing apparatus |
US9177585B1 (en) | 2013-10-23 | 2015-11-03 | WD Media, LLC | Magnetic media capable of improving magnetic properties and thermal management for heat-assisted magnetic recording |
US9159350B1 (en) | 2014-07-02 | 2015-10-13 | WD Media, LLC | High damping cap layer for magnetic recording media |
US9822441B2 (en) | 2015-03-31 | 2017-11-21 | WD Media, LLC | Iridium underlayer for heat assisted magnetic recording media |
-
2001
- 2001-09-14 JP JP2001279858A patent/JP3990128B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003085702A (en) | 2003-03-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3641611B2 (en) | Magnetic recording medium, method for manufacturing the same, and magnetic recording apparatus | |
US7330335B2 (en) | Magnetic recording medium, magnetic recording apparatus and magnetic recording method | |
US6834026B2 (en) | Method for thermally-assisted recording on a magnetic recording disk | |
JP2002358616A (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording device | |
US7141317B2 (en) | Perpendicular magnetic recording medium | |
JP3385004B2 (en) | Magnetic recording media | |
JPWO2002039433A1 (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording device | |
JP2003296901A (en) | Magnetic recording apparatus and magnetic recording method | |
JP2004039033A (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording/reproducing device | |
JP3990128B2 (en) | Magnetic recording device | |
US6930847B2 (en) | Magnetic recording-reproducing apparatus | |
US6686071B2 (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus using the same | |
JP3749845B2 (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus | |
JP2007134046A (en) | Magnetic recording medium | |
JP3851799B2 (en) | Design method of magnetic recording apparatus | |
JP3913967B2 (en) | Perpendicular magnetic recording medium and perpendicular magnetic recording / reproducing apparatus | |
JP2005310368A (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording device | |
JP2012226792A (en) | Magnetic recording medium | |
JP3647379B2 (en) | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage device | |
JP3340420B2 (en) | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage device | |
JP2006190485A (en) | Perpendicular magnetic recording medium and magnetic storage device | |
JP2001148109A (en) | Magnetic disk and magnetic disk device | |
JP2005310369A (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording device | |
JP2002063712A (en) | Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus using the same | |
JPH10334443A (en) | Vertical magnetic recording medium and recording and reproducing device |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060626 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061226 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070219 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070619 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070625 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070717 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070719 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |