JP3982290B2 - バネ、ヒゲゼンマイ、および時計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、時計の調速用に利用されるバネ材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、時計、オルゴール等の精密機械には、種々のバネが採用されている。例えば、時計であれば、機械式時計におけるテンプを付勢するヒゲゼンマイ等が知られている。
【0003】
このようなバネに用いられる材料としては、従来より炭素鋼、ステンレス、コバルト合金、銅合金等からなるバネ材料、ゼンマイ材料等が採用されていたが、次のような問題がある。
機械式時計の調速機を構成するテンプを付勢するヒゲゼンマイの場合、温度変化によってヤング率が変化して付勢力がばらつき、テンプの揺動周期が変化し、このテンプの揺動周期の変化が機械式時計の精度に大きく影響を及ぼす。従って、ヒゲゼンマイの材料としては、温度変化によりヤング率が変化しないものを採用するのが好ましい。
【0004】
このようなゼンマイの巻数と出力トルクとの関係は比例関係にあり、ゼンマイが出力するトルクをT、ゼンマイの巻締め回数(巻数)をN、ヤング率をE、ゼンマイの全長をLとし、ゼンマイが厚さt、幅bの矩形状の断面を有するとすると、
T=(Etbπ/6L)×N …(1)
という式で表されることが知られている。
【0005】
一方、ゼンマイの全長L、厚さt、幅bは、ゼンマイが収納される香箱サイズによって決定され、香箱内半径をR、香箱真半径をrとすると、ゼンマイの全長Lは、
L=π(R−r)/2t …(2)
という式によって導かれ、ゼンマイの全長Lおよび厚さtは反比例の関係にあるということが判る。
【0006】
ここで、ゼンマイに蓄えられる機械エネルギは、(1)式の出力トルクTを巻数Nで積分することにより与えられ、(1)式がゼンマイの全長Lおよび厚さtの関数とも考えられるので、従来は、L、tを調整することによってゼンマイのエネルギを調整していた。
【0007】
すなわち、ゼンマイの厚さtを薄くしてゼンマイの全長Lを大きくすれば、ゼンマイの最大巻数Nmaxを大きくすることができる。
【0008】
逆に、ゼンマイの全長Lを短くしてゼンマイの厚さtを厚くすれば、出力トルクTの値を高くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような決定方法では、(2)式から判るように、ゼンマイの厚さtおよび全長Lが香箱内部の収納空間の容積によって制限されてしまうので、長時間動作可能なゼンマイを採用する場合、必然的に香箱を大きくして収納空間を大きくとらなければならず、ゼンマイを含む駆動機構の小型化が図れないという問題がある。
【0010】
また、ヤング率の高いゼンマイ材料を採用して厚さtが薄くても高トルクを出力することのできるゼンマイとすることも考えられたが、ゼンマイの靱性を確保しづらく、ゼンマイの耐久性という点で限界があった。
【0011】
本発明の目的は、時計等の精密機械の高精度化、安定動作化を図ることができるバネを提供することにあり、また、動力源として利用した場合、長時間動作化を図ることのできるバネ、およびこのバネを動力源とする駆動機構を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
1.バネ材料の特定
ヒゲゼンマイ等に組み込まれて調速用として使用されるバネにおいて、アモルファス金属から構成されていることを特徴とする。
【0013】
ここで、バネ材料としてアモルファス金属を採用したのは、要するに、引っ張り応力が大きくかつヤング率の小さな材料をバネ材料とするためである。具体的には、従来のゼンマイ材料(化学組成(重量%):Co 30〜45%、Ni 10〜20%、Cr 8〜15%、C <0.03%、W 3〜5%、Mo 3〜12%、Ti 0.1〜2%、Mn 0.1〜2%、Si 0.1〜2%、Fe 残)と、アモルファス金属から構成されるバネとを比較すると、以下のようになる。
Figure 0003982290
【0014】
尚、上述したアモルファスバネのアモルファス金属としては、例えば、Ni−Si−B系、Ni−Si−Cr系、Ni−B−Cr系、Co−Fe−Cr系等のアモルファス金属を採用することができるが、バネの要求性能に応じて、種々のアモルファス金属を採用することができる。
【0015】
このようなアモルファス金属から構成されるバネを採用すれば、アモルファスバネの方が最大引張り応力が大きいので、許容応力も大きくなり、同じ形状の従来材料のバネと比較して、高い付勢力が得られ、精密機器を小型化する際に好適である。
【0016】
また、バネがアモルファス金属により構成されているので、単ロール法、双ロール法、回転水中紡糸法等によりワイヤ、リボン材等を簡単に製造することができ、バネの製造工程の簡素化が図られる。
【0017】
さらに、アモルファス金属は耐食性が良好なので、錆止め用メッキを使用箇所によっては不要とすることができる。
【0018】
そして、水晶振動子を固定する付勢手段としてアモルファス金属から構成されるバネを用いた場合、以下の理由で水晶振動子の信号の周期の進み遅れを防止することができる。すなわち、上述したように、アモルファス金属から構成されるバネは、従来材料のバネと比較してヤング率が低いため、バネのたわみ量εと付勢力Fとの関係は、図1に示すように、従来材料のバネのグラフG1よりも傾きの小さいグラフG2となる。従って、水晶振動子を固定するのに必要な付勢力F0を与える従来材料のバネのたわみ量をε1、アモルファスバネのたわみ量をε2とすると、両者のバネのたわみ量ε1およびたわみ量ε2にδという変化が生じた場合、その際の付勢力F0の変動df1、df2を比較するとアモルファスバネの付勢力の変動df2の方が小さいことが判る。よって、水晶振動子を固定する付勢手段としてアモルファスバネを採用すれば、付勢力のばらつきを低減することが可能となり、水晶振動子の周期のずれを少なくすることができ、時計体の高精度化が図られる。
【0019】
また、アモルファスから構成されるバネを、機械式時計の調速機を構成するテンプを付勢するヒゲゼンマイとして採用すれば、通常のヒゲゼンマイ材料である炭素鋼等と比較すると、温度変化に伴うヤング率の変化が少ないので、温度変化が生じても、付勢力のばらつきに伴うテンプの揺動周期の変化が少なく、機械式時計の高精度化が図られる。
【0020】
さらに、駆動機構の動力源としてアモルファス金属から構成されるバネを採用した場合、すなわち、アモルファス金属から構成されるゼンマイとした場合、動力源の長時間動作化は、以下のような考えに基づいて導くことができる。
【0021】
すなわち、上述した式(1)の関係が成立するゼンマイ31(厚さt、幅b、長さL)のたわみは、図2に示されるように、内端311が香箱真33に剛接合され、他の端部となる外端312が自由端とされる片持ち支持梁のたわみとして近似的に求められる。図2におけるたわみ角α(rad)は、ゼンマイ31のたわみ半径をrとすると、
r=L/α …(3)
と表すことができる。
【0022】
一方、ゼンマイ31の巻数Nは、上述したたわみ角αによって、
N=α/2π …(4)
と表される。
【0023】
従って、上述した式(1)は(3)、(4)式から、
T=(btE/12L)×α …(5)
と変形される。
【0024】
そして、ゼンマイ31のたわみによって蓄えられるエネルギUは、ゼンマイ1に作用する曲げモーメント、すなわち、ゼンマイ1の出力トルクTをαについて積分することによって求められ、
Figure 0003982290
となる。
【0025】
従って、長さLのゼンマイが蓄え得る最大エネルギUmaxは、図2におけるゼンマイ31の最大たわみ角αmaxとすると、
Umax=(btE/24L)×αmax …(7)
と表される。
【0026】
ここで、ゼンマイ31に作用する曲げ応力σは、ゼンマイ31に作用する曲げモーメント、すなわち、たわみ状態にあるゼンマイ31が出力し得る出力トルクTの関数として表され、ゼンマイ1の中立軸Aからの厚さ方向変位をy、ゼンマイ31の断面二次モーメントをIzとすると、
σ=T×y/Iz …(8)
と表される。
【0027】
従って、図2におけるゼンマイ31の上面に作用する引っ張り方向の最大曲げ応力σbは、(8)式より、
σb=T・(t/2)/Iz …(9)
と算出される。
【0028】
一方、ゼンマイ31の断面は、厚さt、幅bの矩形状をなしているから、
Iz=bt/12 …(10)
と算出され、(9)、(10)式より、
T=(bt/6)×σb …(11)
と表される。
【0029】
従って、(1)、(11)式より、
T=(Etbπ/6L)×N=(bt/6)×σb …(12)
と表され、(7)式におけるαmaxを与えるゼンマイの最大巻数Nmaxは、(4)式より、
Nmax=αmax/2π …(13)
となる。よって、(12)、(13)式より、
αmax=2Lσb/Et …(14)
という関係が導き出せる。
【0030】
従って、αmaxは、ゼンマイ31の引っ張り方向の最大曲げ応力σb、すなわち、ゼンマイ31に用いられるゼンマイ材料の最大引っ張り応力σmaxによって決定され、上述した(7)式は、
Figure 0003982290
と算出されることが判る。
【0031】
(15)式から、図2のゼンマイ31に蓄えられる最大エネルギUmaxは、ゼンマイ31の厚さt、幅b、長さLのみならず、ゼンマイ31を構成する材料の最大引っ張り応力σmax、ヤング率Eによっても変化することが判る。
【0032】
従って、ゼンマイに蓄えられるエネルギUmaxをより大きくするには、最大引っ張り応力σmaxが大きくかつヤング率Eが小さい性質の材料をゼンマイ1に採用するのが好ましいということが判る。すなわち、上述したσmax=340(kgf/mm)、E=9000〜12000(kgf/mm)のアモルファスバネをゼンマイ31の材料として採用した場合、(15)式より、従来の場合と比較して4.8〜6.4倍のエネルギを蓄えられることが判る。
【0033】
従って、時計やオルゴール等の駆動機構の動力源としてアモルファスゼンマイを採用すれば、香箱等他の部分の形状寸法を変更することなく、ゼンマイに蓄積可能なエネルギ体積密度を向上することが可能となる。よって、駆動機構の動力源としては、小型化を維持しつつ、長時間動作させることが可能となり、特に、小型化が重要な腕時計の駆動機構の動力源として好ましい。
【0034】
以上において、上述したアモルファス金属から構成されるバネがヒゲゼンマイまたはゼンマイとして利用される場合、非磁性体からなるゼンマイであるのが好ましい。すなわち、これらのゼンマイが非磁性体で構成されていれば、耐磁性が向上するので、ゼンマイが磁界等に引っ張られても、ゼンマイの特性が低下することもない。尚、アモルファス金属から構成されるバネを、水晶振動子の固定バネ、コハゼバネ等に用いた場合、当該バネが非磁性体から構成されていれば、耐磁性が向上し、上述と同様にバネの付勢力が磁界等に影響されることもない。
【0035】
2.アモルファス金属から構成されるバネの最適形状
また、アモルファス金属から構成されるバネの断面形状は、直径0.05mm以上の円形断面、または厚さ0.01mm×幅0.05mm以上の矩形断面を有しているのが好ましい。
【0036】
すなわち、バネの断面形状がこのような断面であれば、十分な付勢力が得られるので、水晶振動子の固定手段、機械式時計の調速機を構成するテンプを付勢するヒゲゼンマイ、駆動機構の動力源となるゼンマイ等として利用することができる。
【0037】
また、上述したアモルファス金属から構成されるバネは、基板や地板等に初期たわみを持たせて組み込まれているのが好ましい。
【0038】
すなわち、初期たわみがあるので、バネを基板、地板等に組み込んでも、バネの動きやずれを生じることもない。さらに、初期たわみがあると、荷重を初期から加えることができるが、従来材料のバネではヤング率が高いため、その分許容応力までの余裕が少なくなってしまう。これに対して、アモルファス金属から構成されるバネでは、ヤング率が低いため、初期たわみで荷重がかかっていても、許容応力の余裕分が十分確保される。
【0039】
さらに、上述したアモルファス金属から構成されるバネが駆動機構の動力源であるゼンマイとして利用される場合、このゼンマイの自由展開形状はS字状をなし、この自由展開形状の湾曲方向が変化する変曲点は、巻き取り側の端部となる内端と、この内端に対して他の端部となる外端との中間点よりも内端側に形成されているのが好ましい。
【0040】
ここで、ゼンマイの自由展開形状とは、ゼンマイを香箱内から出した状態の形状のように、ゼンマイの拘束状態を解放した場合の展開形状をいう。
【0041】
従来材料からなるゼンマイの自由展開形状では、図3に示すグラフG3のように、ゼンマイの内端と外端との中間点Cに変曲点(曲率半径ρが無限大となり、ゼンマイの湾曲方向が変化する点)を設けた理想曲線に近いS字状に形成していたが、これは以下の理由による。
▲1▼ 予めゼンマイを巻き取り方向とは反対側にクセ付しておき、巻締め時、ゼンマイに蓄えられるエネルギを多く蓄積するためである。
▲2▼ ゼンマイ全体に亘って均等に曲げ応力が作用するようにして応力集中によるゼンマイの破断を防止するためである。
【0042】
一方、上述したように、アモルファスゼンマイは、従来のゼンマイ材料と比較してヤング率が小さいので、上記▲2▼の理由による制限は緩和され、専ら▲1▼を達成するためにクセ付を行うことが可能となる。
【0043】
そして、具体的には、アモルファスゼンマイの最適な自由展開形状は、以下のようにして決定される。
【0044】
香箱に収納されたゼンマイの巻締め時における螺旋形状をアルキメデスの螺旋と仮定すると、極座標r、θを採った場合、
r=(t/2π)・θ …(16)
と表される(t:ゼンマイの厚さ)。
【0045】
そして、ゼンマイ全体に亘って応力集中が起こらない理想曲線を与える条件は、ゼンマイに作用する曲げモーメントをM、ゼンマイの曲げ剛性をB、自由展開形状におけるゼンマイの曲率半径をρ0、巻締め時におけるゼンマイの外周部分の曲率半径をρ1とすると、
(1/ρ1)−(1/ρ0)=M/B=一定 …(17)
で与えられる。
【0046】
また、ゼンマイ全体の蓄積した弾性エネルギが最大となる条件は、ゼンマイの最大弾性歪み量をεmaxとすると、
B/M=t/4εmax …(18)
で与えられる。
【0047】
巻出し中心からの曲線に沿って測ったゼンマイの長さをL’とすると、
1/ρ1=(π/tL’)1/2 …(19)
という関係が成立する。
【0048】
従って、(17)、(19)式より、
1/ρ0=(π/tL’)1/2−M/B …(20)
となる。
【0049】
実際には、ゼンマイの内端は、香箱真に巻き付けられるので、この香箱真半径をrとすると、実際のゼンマイの長さLは、
L=L’−πr/t …(21)
となる。そして、理想曲線形の自然方程式は(22)式のようになる。
ρ0=2(π/t)×(B/M)×(1/L)+B/M …(22)
【0050】
従って、ゼンマイの蓄積エネルギが最大となる場合の自由展開形状における曲率半径ρ0は、(18)、(22)式より、
ρ0=2(π/t)×(t/4εmax)×(1/L)+t/4εmax
…(23)
と表すことができる。
【0051】
尚、εmax=0.02となると、理想曲線の渦巻形状のピッチがゼンマイの厚さtよりも完全に小さくなってしまうので、実際には、εmax=0.02に近い形状で代用することとなる。
【0052】
(23)式を上述した図3に表せばグラフG4のようになり、計算上変曲点を、従来材料のゼンマイのグラフG3よりも内端側に形成することが可能なことが判る。
【0053】
従って、アモルファスゼンマイであれば、ゼンマイの全長に亘って巻き取り方向とは反対側にクセ付することが可能となるので、巻締め時の蓄積エネルギをより多くすることが可能となる。
【0054】
ここで、上述した(1)式は理論上算出される基礎式であり、(22)式もこの基礎式から求められる理論上の式であり、実際には、ゼンマイ同士またはゼンマイと香箱との間に摩擦が生じたり、ゼンマイと香箱真とを接合するための巻き代が必要となるので、これらを考慮する必要がある。
【0055】
従って、摩擦による補正係数をK1、ゼンマイを香箱真に巻き付けるための巻数Noとすると、従来材料のゼンマイでは、巻数Nと出力トルクTとの関係は、
T=K1・(Ebtπ/6L)×(N−No) …(24)
となる。
【0056】
従って、図4に示すように、従来材料のゼンマイの出力トルク特性G6と比較して、アモルファスゼンマイの出力トルク特性G5は、巻数は同じであるが、カーブの傾きが小さく巻数の変化によるトルク変動が小さい。また、同じ巻数時でのトルクが高いので、持続時間が増加し、駆動機構をより長時間動作させることが可能となる。
3.最適形状となるアモルファスゼンマイの形成
また、上述したアモルファス金属から構成されるバネをゼンマイとして利用する場合、単板では厚さtが50μm以上のものを製造するのが困難なため、2枚、3枚、および複数枚のアモルファス金属板状体を積層一体化してアモルファスゼンマイとするのが好ましい。
【0057】
すなわち、アモルファス金属板状体が積層して形成されているので、(1)、(22)、(23)式から判るように、出力トルク等の要求性能に応じてアモルファスゼンマイの厚さtを自由に設定することが可能となる。
【0058】
さらに、積層一体化する場合、複数枚のアモルファス金属板状体を合成樹脂系の接着剤で貼り合わせるのが好ましい。
【0059】
すなわち、合成樹脂系の接着剤は、比較的低温で複数枚のアモルファス金属板状体を積層一体化することができるので、アモルファス金属の特性が変化することもなく、上述したアモルファスゼンマイの特徴が損なわれることもない。
【0060】
具体的には、アモルファス金属の特性が変化する略300℃以下の温度で硬化する接着剤を採用すればよく、例えば、エポキシ系接着剤であれば、略100℃で硬化するので、アモルファス金属の特性が変化することもない。
【0061】
また、接着剤が完全に硬化する前であれば容易に変形するので、上述したアモルファスゼンマイのクセ付を治具等に巻き付けて容易に行うことが可能となる。
【0062】
さらに、従来のゼンマイのようにクセ付のために別途熱処理等をする必要がなく、ゼンマイの製造工程の簡素化を図ることが可能となる。尚、複数枚のアモルファス金属板状体の内端部分、変曲点部分、外端部分をスポット溶接しても、アモルファスゼンマイのクセ付を行うことが可能である。尚、このような積層一体化したバネを、水晶振動子の固定バネ、コハゼバネ等として用いても、上述と同様の効果を享受できる。
【0063】
4.アモルファスゼンマイを利用した駆動機構
そして、本発明に係るゼンマイを利用した駆動機構は、上述したアモルファスゼンマイと、このゼンマイの機械エネルギを伝達する輪列とを備えたゼンマイを利用した駆動機構であって、複数のアモルファスゼンマイと、これらのゼンマイを収納する複数の香箱とを有し、前記輪列には、前記複数の香箱が同時に噛合していることを特徴とする。
【0064】
すなわち、アモルファスゼンマイが収納された複数の香箱を同時に輪列に噛合させているので、輪列には、複数の香箱から出力される出力トルクを重ね合わせた出力トルクが作用し、輪列に大きなトルクを作用させることが可能となり、駆動機構を高い出力トルクで動作させることが可能となる。
【0065】
以上において、前記複数の香箱は、輪列に対する噛合の位相が互いにずれているのが好ましい。
【0066】
すなわち、噛合の位相が互いにずれているので、一方の香箱と輪列との噛合によって発生するトルク変動を、他の香箱との噛合により打ち消すことが可能となり、香箱全体で輪列への伝達トルクの変動を抑制して駆動機構をスムースに動作させることが可能となる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0068】
第1実施形態は、本発明に係るバネをゼンマイとして利用した駆動機構に係るものである。図5は、本発明の第1実施形態に係るアモルファスゼンマイを利用した電子制御式機械時計の駆動機構を示す平面図であり、図6及び図7はその断面図である。
【0069】
電子制御式機械時計の駆動機構1は、アモルファスゼンマイ31、香箱歯車32、香箱真33及び香箱蓋34からなる香箱30を備えている。アモルファスゼンマイ31は、外端が香箱歯車32、内端が香箱真33に固定される。香箱真33は、地板2と輪列受3に支持され、角穴車4と一体で回転するように角穴ネジ5により固定されている。
【0070】
角穴車4は、時計方向には回転するが反時計方向には回転しないように、コハゼ6と噛み合っている。なお、角穴車4を時計方向に回転しアモルファスゼンマイ31を巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
香箱歯車32の回転は、7倍に増速されて二番車7へ、順次6.4倍増速されて三番車8へ、9.375 倍増速されて四番車9へ、3倍増速されて五番車10へ、10倍増速されて六番車11へ、10倍増速されてロータ12へと、合計126,000倍の増速をし、これらの歯車が輪列を構成している。
【0072】
二番車7には筒かな7aが、筒かな7aには分針13が、四番車9には秒針14がそれぞれ固定されている。従って、二番車7を1rphで、四番車9を1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rpsで回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車1bは、1/7rphとなる。
【0073】
この電子制御式機械時計は、ロータ12、ステータ15、コイルブロック16から構成される発電機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成される。ロータ慣性円板12cは、香箱30からの駆動トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくするためのものである。ステータ15は、ステータ体15aに4万ターンのステータコイル15bを巻線したものである。
【0074】
コイルブロック16は、磁心16aに11万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここで、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等で構成されている。また、ステータコイル15bとコイル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるように直列に接続されている。
【0075】
このような発電機20によって発電された交流出力は、図5〜図7では図示を略したが、駆動機構1の調速、脱進等の制御用に組み込まれる制御回路に供給される。
【0076】
次に、上述した香箱30の内部構造について図8に基づいて説明する。
【0077】
図8(A)には、前述したアモルファスゼンマイ31が香箱30内で巻締められた状態が示され、図8(B)には、アモルファスゼンマイ31が香箱内で巻戻った後の状態が示されている。
【0078】
尚、このアモルファスゼンマイ31の形状寸法は、幅b=1mm、厚さt=0.1mm、全長L=300mmである。
【0079】
アモルファスゼンマイ31は、上述したように、その内端311が香箱真33に巻き付けられているとともに、外端312が香箱の内側面に接合固定されている。
【0080】
図8(B)の状態において、外力によって香箱30を香箱真33に対して回転させると、アモルファスゼンマイ31が巻締まる。巻締め後、香箱30の拘束状態を解放すると、アモルファスゼンマイ31の巻戻りとともに、香箱30が回転する。そして、香箱30の外周に形成される香箱歯車32によって上述した二番車7等の輪列を回転させて分針13、秒針14等が動作する。
【0081】
アモルファスゼンマイ31は、図9に示すように、厚さ50μmのアモルファス金属板状体313を複数枚積層一体化して形成され、各々のアモルファス金属板状体313同士は、エポキシ系接着剤314によって貼り付けられている。
【0082】
前記香箱30から取り外したアモルファスゼンマイ31は、図10に示すように、香箱真33に対する巻取り方向とは、反対側にクセ付され、平面略S字状の自由展開形状を有している。
【0083】
そして、湾曲方向が変化する変曲点315は、内端311の近傍に形成され、変曲点315から内端311までは、アモルファスゼンマイ31を香箱真33に固定するために利用される。
【0084】
以上のようなアモルファスゼンマイ31を製造するに際しては、まず、アモルファス金属板状体313を駆動機構1の動力源として必要な幅、長さ寸法に加工する。
【0085】
そして、各々のアモルファス金属板状体313をエポキシ系接着剤314を用いて互いに貼り合わせ、アモルファスゼンマイ31に必要な厚さt(0.1mm)を確保する。
【0086】
最後に、エポキシ系接着剤314が硬化する前に、丸棒等にアモルファスゼンマイ31を巻き付けてクセ付を行い、エポキシ系接着剤314を硬化させる。
【0087】
以上のような第1実施形態に係るアモルファスゼンマイ31によれば、次のような効果がある。
▲1▼ 駆動機構1の動力源としてアモルファスゼンマイ31が採用されているので、駆動機構1の小型化を維持しつつ、当該駆動機構1を長時間動作させることができる。
【0088】
因みに、上述した駆動機構1に従来のゼンマイを組み込んだ場合、巻締め時から40時間で停止するのに対して、アモルファスゼンマイ31を組み込んだ場合、巻締め時から45時間で停止し、持続時間は約10%増加する。
▲2▼ 変曲点315の位置を内端311の近傍に設定することができるので、クセ付をアモルファスゼンマイ31のほぼ全長に亘って行うことができ、アモルファスゼンマイ31が蓄積する機械エネルギを増大させて駆動機構1の動作の長時間化を一層図ることができる。
【0089】
また、アモルファスゼンマイ31であればトルク変動が小さいので、機械式時計の動力源として採用した場合、駆動精度が向上する。
▲3▼ 従来のゼンマイでは、バルク材から圧延を繰り返して所定寸法の厚さのゼンマイを得ていた。
【0090】
これに対して、上述したアモルファスゼンマイ31は、単ロール法、双ロール法、回転水中紡糸法等によりワイヤ、リボン材等を簡単に製造することができるので、アモルファスゼンマイの製造の簡単化を図ることができる。
▲4▼ 複数枚のアモルファス金属板状体313の積層一体化をエポキシ系接着剤314によって行っているので、アモルファスゼンマイ31の形成に加熱工程が加わることもなく、アモルファス金属の特性を損なうことがない。
【0091】
また、接着剤の硬化前にクセ付を行うことができるので、アモルファスゼンマイ31のクセ付を治具等に巻き付けて容易に行うことができる。
【0092】
次に、本発明の第2実施形態に係るアモルファスゼンマイを利用した駆動機構について説明する。尚、以下の発明では、既に説明した部分又は部材と同一又は類似の部分等については、その説明を省略又は簡略する。
【0093】
前述した第1実施形態に係る駆動機構1では、駆動機構1を動作させる動力源は、香箱30に収納された1つのアモルファスゼンマイ31のみであった。
【0094】
これに対して、図11に示すように、第2実施形態に係る駆動機構101は、香箱30を2つ備え、各々の内部に収納されたアモルファスゼンマイ31が駆動機構101の動力源とされている点が相違する。
【0095】
駆動機構101の二番車7の基部歯車71には、2つの香箱30の外周に形成された香箱歯車32(図11では図示略)が同時に噛合している。
【0096】
2つの香箱30は、それぞれの香箱真33を中心として同一方向に回動し、二番車7には、各々のアモルファスゼンマイ31の出力トルクTを加えたトルク2Tが作用している。
【0097】
ここで、二番車7に噛合する香箱歯車32は、図12に示すように、左側の香箱歯車32と右側の香箱歯車32とが噛合する位相が異なっていて、左側の香箱歯車32が二番歯車7とB1点で当接する時、右側の香箱歯車32はB2点で二番歯車7から離間しようとしている。
【0098】
尚、このような位相の相違は、香箱真33の相対位置によって決まり、図11から判るように、二番車7の回転中心と香箱真33とがなす角βに応じて噛合する位相を調整することができる。
【0099】
このような第2実施形態に係るアモルファスゼンマイを利用した駆動機構101によれば、前述の第1実施形態で述べた効果に加えて、次のような効果がある。すなわち、アモルファスゼンマイ31が収納された2つの香箱30を同時に輪列を構成する二番車7に同時に噛合させているので、香箱30各々の出力トルクTを重ね合わせて二番車7を回転させることができ、駆動機構101を高い出力トルク2Tで動作させることができる。
【0100】
また、二番車7に噛合する香箱歯車32の位相が互いにずれているので、一方、例えば、図12において、左側の香箱30と二番歯車7との噛合状態によって発生するトルク変動を、他の右側の香箱30との噛合状態によりトルクを和することで、伝達トルクの変動を抑制して駆動機構101をスムースに動作させることができる。
【0101】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、本発明に係るアモルファス金属から構成されるバネを、機械式時計の調速機を構成するテンプを付勢するヒゲゼンマイとして利用したものである。すなわち、本例における調速機を構成するテンプひげ系400は、図13および図14に示すように、テン真410、テン輪420、振り座430、ヒゲ玉440、ヒゲ持450、緩急針460を含んで構成される。
【0102】
テン真410には、テン輪420、振り座430、ヒゲ玉440が固定され、これらが一体で回転するように構成されている。ヒゲゼンマイ470は、アモルファス合金から構成される非磁性体であり、その内周端がヒゲ玉440に固定され、外周端は、ヒゲ持450に固定されている。緩急針460は、ヒゲ棒461およびヒゲ受462を含んで構成され、ヒゲゼンマイ470の最外周部分は、ヒゲ棒461およびヒゲ受の間を通過している。
【0103】
そして、このようなテンプヒゲ系400では、テンプ輪420がテン真410を軸として回転すると、これに伴いヒゲ玉440も回転するので、テンプ輪420には、ヒゲゼンマイ470の付勢力が作用し、この付勢力とテンプ輪470の慣性力とがつり合うと、テン輪420の回転が停止し、ヒゲゼンマイ470の付勢力により、テン輪420は逆方向に回転する。すなわち、テン輪420は、テン真410を軸として揺動を繰り返す。このテン輪420の揺動周期は、緩急針460のヒゲ棒461、ヒゲ受462の位置を微調整することにより、変化させることができる。また、この揺動周期Tは、テンプ輪420等の回転部分の慣性モーメントJの他、ヒゲゼンマイ470の材料特性によっても変化し、ヒゲゼンマイ470の幅をb、厚さをt、ゼンマイ長さをL、ヒゲゼンマイのヤング率をEとすると、以下の(25)式によって表される。
Figure 0003982290
以上ような第3実施形態によれば、次のような効果がある。
【0104】
すなわち、ヒゲゼンマイ470がアモルファス金属により構成されているので、温度変化に伴うヤング率Eの変化が少なく、(25)式で表されるテンプヒゲ系400の揺動周期の変化も少なくなり、テンプヒゲ系400を含む調速機を有する機械式時計の高精度化を図ることができる。
【0105】
また、ヒゲゼンマイ470が非磁性体のアモルファス金属から構成されているので、耐磁性が向上し、ヒゲゼンマイ470が外部磁界等に引っ張られても、ゼンマイの特性が低下することもない。
【0106】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、本発明に係るアモルファス金属から構成されるバネを、水晶発振式時計の水晶振動子を付勢状態で固定するバネとして利用したものである。
【0107】
すなわち、図15に示すように、水晶振動子500は、真空カプセル501と、この真空カプセル501の内部に収納される音叉型の振動子本体502とを含んで構成され、真空カプセル501の端部に設けられる端子503が回路基板510と電気的に接続されて発振回路が構成される。
このような水晶振動子500は、地板520上に配置され、ネジ530と、アモルファス金属から構成される固定バネ540によって、地板520に押さえつけられる方向に付勢された状態で固定されている。
【0108】
このような第4実施形態によれば、以下のような効果がある。すなわち、アモルファス金属から構成される固定バネ530は、ヤング率が小さいので、固定バネ530のたわみ量と付勢力との関係は、上述した図1に示されるように、従来材料のバネのグラフG1よりも傾きの小さいグラフG2となる。従って、固定バネ530のたわみ量が変化しても、その際の付勢力の変動が少なくなるので、水晶振動子の周期のずれを少なくすることができ、水晶発振式時計の高精度化を図ることができる。
【0109】
尚、本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、次に示すような変形等をも含むものである。
【0110】
すなわち、前述の第1実施形態では、アモルファスゼンマイ31は、電子制御式機械時計の駆動機構1の動力源として用いられていたが、これに限らず、制御系が調速機、脱進機によって構成される通常の機械式時計の駆動機構にアモルファスゼンマイを用いてもよい。
【0111】
また、前述の第1実施形態では、時計の駆動機構1の動力源としてアモルファスゼンマイ31が用いられていたが、これに限らず、オルゴール等他の駆動機構の動力源としてアモルファスゼンマイを用いても良い。
【0112】
さらに、前述の第1実施形態では、アモルファスゼンマイ31は接着剤314によって積層一体化されていたが、内端311、外端312、変曲点315にスポット溶接を行って一体化してもよく、このようにすれば、積層一体化と同時にアモルファスゼンマイのクセ付をある程度行うことができる。
【0113】
そして、前述の第2実施形態では、輪列を構成する二番車7には、2つの香箱30が噛合していたが、2以上の香箱30が噛合していてもよく、要するに、アモルファスゼンマイの蓄積エネルギと、駆動機構の動力源として要求されるエネルギとに応じて適宜決定すればよい。
【0114】
また、前述の第4実施形態では、アモルファス金属から構成されるバネを、水晶振動子500を固定する固定バネ530として利用していたが、これに限られない。すなわち、第1実施形態の角穴車4と噛合するコハゼ6を構成するコハゼバネをアモルファス金属から構成してもよい。コハゼは、香箱内のゼンマイを巻く際の巻戻り防止のための部品であり、その時機能するバネがコハゼバネである。そして、コハゼバネは、ゼンマイを巻いている最中、コハゼと係合している角穴車のかみ合い歯数分だけ繰り返し荷重を受けることとなり、その回数は数万〜数十万回/年となる。このような繰り返し荷重がかかる場合、コハゼバネの許容応力は、最大応力の1/2以下に設定する必要がある。従って、このようなコハゼバネにアモルファス金属から構成されるバネを使用すれば、許容応力が高く設定でき、また付勢力のばらつきも少ないので、コハゼバネの材料としても有利である。
【0115】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、他の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0116】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るバネ、ヒゲゼンマイは機械式時計の調速用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作用を説明するためのひずみと付勢力の関係を示すグラフである。
【図2】 本発明の作用を説明するための模式図である。
【図3】 ゼンマイ長さと曲率半径との関係からゼンマイの変曲点位置を表すグラフである。
【図4】 巻数と出力トルクとの関係を表すグラフである。
【図5】 本発明の第1実施形態に係るアモルファスゼンマイを利用した駆動機構を表す平面図である。
【図6】 前述の実施形態における駆動機構の断面図である。
【図7】 前述の実施形態における駆動機構の他の断面図である。
【図8】 前述の実施形態における香箱内に収納されたゼンマイを表す平面図である。
【図9】 前述の実施形態におけるゼンマイの厚さ方向断面図である。
【図10】 前述の実施形態におけるゼンマイの自由展開形状を表す平面図である。
【図11】 本発明の第2実施形態に係る駆動機構を表す部分平面図である。
【図12】 前述の実施形態における香箱と輪列との噛合状態を表す部分平面図である。
【図13】 本発明の第3実施形態に係るテンプヒゲ系の構造を表す平面図である。
【図14】 前述の実施形態におけるテンプヒゲ系の構造を表す断面図である。
【図15】 本発明の第4実施形態に係る水晶振動子の固定構造を表す側面図である。
【符号の説明】
1…駆動機構、7…輪列、30…香箱、31…ゼンマイ、311…内輪、312…外輪、313…アモルファス金属板状体、314…接着剤、
315…変曲点

Claims (5)

  1. ヒゲゼンマイ等に組み込まれて調速用として使用されるバネにおいて、アモルファス金属から構成されていることを特徴とするバネ。
  2. 請求項1において、前記バネは非磁性体からなることを特徴とするバネ。
  3. 請求項1または2において、前記バネは複数枚のアモルファス金属板状体を積層一体化することにより形成されていることを特徴とするバネ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のバネから構成されていることを特徴とするヒゲゼンマイ。
  5. 請求項4に記載のヒゲゼンマイを用いたことを特徴とする時計。
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