JP3972236B2 - Magnetic resonance imaging device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮像装置に係り、具体的には、連続撮影を行ないながら被検体である患者の生体内に挿入されたカテーテル等の侵襲デバイスをモニタリングする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮像装置(MRI装置)は、生体に均一な静磁場を作用させた状態で高周波磁場パルスを照射し、生体中の水素や燐などの原子核を励起させ、この励起により発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を計測し、それら水素や燐の密度分布あるいは緩和時間分布等の磁気共鳴情報に基づいて、生体内の計測領域を画像化することにより、医療診断に資する装置である。
【0003】
このような医療診断に資する撮像装置として、MRI装置の他にX線撮像装置が広く知られている。近年、X線撮像装置においては、患者に対する侵襲性を少なくして患者のQOL(Quality of Life)を向上させるため、X線透視下で検査や治療を行なうIV−R(InterVentional Radiology)法が採用されている。このようなIV-R法による検査あるいは治療では、生検針を用いたバイオプシー、レーザを用いた治療、カテーテルを用いた治療などが行なわれている。
【0004】
一方、MRI装置の分野においても、患者の撮像部位の周囲空間をできるだけ開放して、術者が患者にアクセスし易くした開放型の装置の普及が進み、MRI透視下で検査や治療を行なうI−MRI(Interventional MRI)が臨床で用いられるようになってきている。しかし、I-MRIはX線被爆の問題がないというメリットはあるが、得られる画像の空間分解能、時間分解能あるいはアーチファクトなどの点で改良すべき点がある。
【0005】
例えば、I−MRIにおいては、カテーテル等の侵襲デバイスの先端にコイルを取り付け、そのコイルでもNMR信号を受信して画像を構成し、通常の受信コイルで受信したNMR信号の画像に重ねてモニタに表示することにより、侵襲デバイスの先端を高輝度で表示するようにしたアクティブトラッキング法が知られている。また、樹脂等で形成されている侵襲デバイスの先端部に磁性体を混入することによって侵襲デバイスの先端付近の静磁場を乱し、これによって侵襲デバイス先端部付近のNMR信号を欠損させることにより、侵襲デバイスの先端の画像を欠落させるようにしたパッシブトラッキング法が知られている。
【0006】
このような侵襲デバイスを用いて、I−MRIでは、被検体の状態や挿入した侵襲デバイスの位置等を実時間(リアルタイム)でモニタすることになる。リアルタイムモニタリングを実現するI−MRIは、通常、高速撮影のフルオロスコピー法が採用される。フルオロスコピーでは、繰返し時間が数ミリ秒(数ms)の撮像シーケンスを実行して、1秒(s)程度もしくは1秒以下の画像更新間隔で画像を取得する。さらに、部分的にMR計測を行ない、画像データの足りない部分は以前取得した画像データを再利用して画像を作成することにより、画像取得時間を短縮するエコーシェアリング法も提案されている。これによれば、画像更新間隔を数10ミリ秒にまで短縮できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
通常、侵襲デバイスを生体に挿入する操作は慎重に行なわなければならないのは当然であるが、生体の部位によって特に慎重に行なわなければならないことがある。つまり、被検体の内部構造は局所的に変化があるから、例えば、血管の分岐部、屈曲部、狭窄部をデバイスが通過する場合、あるいは治療部位においては、特に慎重な作業が必要である。このような部位又は領域では、特に侵襲デバイスの描出能を高めるために、画像更新間隔を短縮したり、空間分解能を高める必要がある。
【0008】
しかしながら、従来のI−MRIのフルオロスコピー法は、侵襲デバイスが位置する生体の部位の変化に合わせて画像更新間隔や空間分解能を変えることに配慮していない。したがって、画像更新間隔が長かったり、空間分解能が低い値に設定されていると、侵襲デバイスの描出能が悪く、慎重な操作がやりにくい場合がある。
【0009】
本発明は、リアルタイムモニタ画像の侵襲デバイスの描出能を向上させることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の磁気共鳴撮像装置は、被検体を励起することにより発生する核磁気共鳴信号に空間位置情報を付与して計測する撮像シーケンスを実行する制御手段と、前記核磁気共鳴信号に基づいて前記被写体に係る磁気共鳴画像を生成する画像構成手段と、該画像構成手段により作成された画像を表示するモニタと、該モニタに表示された画像上の任意の位置にマークを設定する入力手段とを備え、前記制御手段は、前記画像中に表示される侵襲デバイスと前記マーク間の距離が設定範囲内のとき、前記撮像シーケンスを変更する機能を備えてなることを特徴とする。この場合の撮像シーケンスの変更は、画像のフレームレート(画像更新間隔の逆数)と空間分解能の少なくとも1つを、例えば高い値に、変更するのが好ましい。
【0011】
このように構成することにより、次に説明するように、本発明の課題が解決される。まず、術者は侵襲デバイスを生体に挿入するに際して、モニタに表示されたMR画像の例えば血管画像の分岐部や狭窄部等の領域を見て、その領域では挿入作業を慎重にすべきであると判断し、入力手段を介してその領域(注目領域)にマークを設定する。また、治療が必要な場合は治療部位を注目領域として、マークを設定する。そして、制御手段は、画像中に表示される侵襲デバイスの位置を追跡し、その侵襲デバイスがマークの設定範囲内に挿入されたとき、撮像シーケンスを変更して、画像のフレームレートと空間分解能の少なくとも1つを高い値に変更する。その結果、侵襲デバイスが移動して注目領域に達したとき、自動的に撮像速度が速くなり、あるいは空間分解能が高くなるので、術者は侵襲デバイスの細かな動きや、血管との正確な位置関係を画像で正確にモニタリングできる。
【0012】
なお、マークは、点又は円形で設定することが好ましい。点で設定する場合は、その点を中心として一定の範囲を注目領域として設定することが好ましい。また、円形で設定するときは、その円の半径を自由に設定できるようにする。
【0013】
フレームレートと空間分解能を変更するには、画像のフレームレートと空間分解能が異なる複数の撮像シーケンスを予め設定しておき、制御手段により撮像シーケンスを切替えて変更するようにすることができる。又は、撮像シーケンスのフレームレートや空間分解能に関係するパラメータを変更して撮像シーケンスを変更することもできる。空間分解能を向上させる一例としては、撮影視野を小さく設定することにより実現できる。
【0014】
侵襲デバイスの位置がマークに対して設定範囲内にあるか否かの判断は、次に述べるトラッキング手段を設けることにより実現できる。つまり、トラッキング手段は、画像中の侵襲デバイスを輝度の違いなどに基いて割り出す。そして、侵襲デバイスの位置変化を画像が更新されるたびに検出して、その位置を追跡する。一方、画像上に設定されたマークの位置を割り出し、マークと侵襲デバイスとの間隔を演算により求める。そして、求めた間隔が予め設定された範囲内のときは、侵襲デバイスが注目領域内に存在すると判断して、撮像のフレームレートを高い値に変更して、又は空間分解能を高い値に変更して、侵襲デバイスの動きなどの視認性を高くすることにより描出能を向上させる。この場合、フレームレートと空間分解能の両方を高い値に変更しても良い。
【0015】
このようにすることにより、侵襲デバイスを慎重に操作しなければならない注目領域に入ったとき、自動的にフレームレートが短縮され、あるいは空間分解能が向上するから、侵襲デバイスの細かな動きを捉えることができる。その結果、侵襲デバイスの挿入作業がやりやすくなる。
【0016】
上記においては、画像上の注目領域にマークを設定したが、これに代えて、トラッキング手段により求められた侵襲デバイスの位置の変化に基いて、侵襲デバイスの進行速度を求め、侵襲デバイスの進行速度が設定値より小さいときに、画像のフレームレートと空間分解能の少なくとも1つを高い値に変更するようにしても良い。つまり、術者は血管の分岐部などの注目領域に侵襲デバイスが来たとき、自然と操作が慎重になり、挿入速度が小さくなることから、これを利用してフレームレートと空間分解能を変更するようにしても同様の効果が得られる。
【0017】
また、注目領域は、注目度に応じて、例えば上、中、下などのように複数段階、設定できる。そして、その注目度応じて、フレームレートと空間分解能の値を異ならせることができる。
【0018】
【実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて本発明の一実施形態を説明する。図2は、典型的な磁気共鳴撮像装置(MRI装置)の全体構成を模式的に示したものである。図示のように、MRI装置は、被検体21が置かれる空間(計測空間)に静磁場を発生する磁石22と、同じ計測空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル23と、同じ計測空間に高周波磁場を発生する高周波コイル(RFコイル)24と、被検体から発生するNMR信号を受信する高周波プローブ(RFプローブ)25とを備えて構成される。被検体は、ベッド26に横臥した状態で撮像部位を計測空間に位置させるように静磁場内に挿入される。
【0019】
傾斜磁場コイル23は、直交3軸(X,Y,Z)方向に傾斜した磁場を発生する複数の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源27から供給されるパルス状の励磁電流により所望の傾斜磁場を発生するようになっている。RFコイル24は、RF送信部28から供給される高周波磁場パルスに応じた高周波磁場を発生する。RFプローブ25により受信されたNMR信号は、信号検出部29に入力されて増幅検波などの処理がなされる。信号検出部29から出力されるNMR信号は、画像構成部30で信号処理されて画像信号に変換される。画像構成部30から出力される画像信号はモニタ31に表示されるようになっている。傾斜磁場電源27、RF送信部28、信号検出部29は、撮像シーケンスあるいはパルスシーケンスと称されるシーケンスに基いて制御部33によって制御される。また、制御部33は画像構成部30及びモニタ31を制御すると共に、画像構成部30又はモニタ31の画像情報を取り込んで、各種の解析を行なう他、図示していない記憶手段に画像データ等の必要なデータを記憶する。また、入力部34は操作者が各種の設定情報を制御部34に入力するものである。
【0020】
このように構成されるMRI装置を用いて、被検体のMR画像を撮像する方法について説明する。現在、臨床で普及している計測対象は、被検体の主要な構成物質であるプロトンの密度の空間分布や励起状態の緩和現象の空間分布である。これらの空間分布を画像化することにより、人体の頭部、腹部、四股等の形態又は機能を2次元又は3次元的に画像化して診断に資することができる。
【0021】
撮像はパルスシーケンスと称される撮像シーケンスに従って行なわれる。図3に、一般的な撮像シーケンスの一例としてグラディエントエコーシーケンスを示す。図は、上から順に、高周波パルスRF、スライス傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp、リードアウト傾斜磁場Gr、サンプリングウインドAD、NMR信号(エコー信号)Echoをそれぞれ示し、縦軸はそれらの強度を、横軸は時間を示している。まず、高周波パルス41と共に所望のスライス位置に対応したスライス傾斜磁場パルス42を発生して被検体に印加する。これにより被検体中の例えばプロトンが励起され、被検体からエコー信号が発生する。このエコー信号に空間位置情報である位相情報と周波数情報を付与するため、まず位相エンコード傾斜磁場パルス43を印加した後、リードアウト傾斜磁場パルス44を印加する。このリードアウト傾斜磁場パルス44の印加期間内に、サンプリングウインド45に合わせてエコー信号46をサンプリングする。
【0022】
このようなパルスシーケンスを位相エンコード傾斜磁場パルス43の強度を順次変化させながら複数回繰り返すことにより、2次元画像を撮像することができる。図3において、符号47はパルスシーケンスの繰り返し間隔であり、符号48は2次元画像の画像更新間隔であり、符号49はフルオロスコピーの撮像時間である。例えば、位相エンコードの数は1画像あたり64、128、256、512等が一般に選ばれる。また、エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングウィンドにより時系列信号としてサンプリングされる。これらのエコー信号を2次元フーリエ変換して1枚のMR画像が作成される。
【0023】
このようにして作成されるMR画像は、図3のパルスシーケンスの繰り返し時間48ごとに得られ、I−MRIにおいてはフルオロスコピー撮像の間に連続して得られる画像をモニタに随時表示する。これによって、被検体の状態や、被検体に挿入された侵襲デバイスの位置等をモニタすることができる。
【0024】
次に、図1を参照しながら、本発明の特徴である侵襲デバイスの位置に応じてフレームレート等を変更して、侵襲デバイスの描出能を向上させる実施形態について説明する。本実施形態では、侵襲デバイスとしてカテーテルを血管内に挿入し、動脈瘤を治療のターゲットとする場合を例に説明する。まず、フルオロスコピーに先だって、図1に示すような所望部位の断層像1を撮像する。モニタ31に表示される画像1内には、血管2、血管の分岐部3、血管の狭窄部4、治療対象の動脈瘤であるターゲット5が表示されている。通常、カテーテルを血管内に挿入する場合、血管の屈曲部や狭窄部では慎重にカテーテルを操作する必要がある。そこで、術者は分岐部3、狭窄部4、ターゲット5を注目領域とし、入力部34を操作してモニタ画像上に円形のマーク6、7、8を設定する。このマークの大きさは注目領域ごとに可変設定できるようにしている。
【0025】
このようにして注目領域を設定した後、カテーテルを挿入しながらフルオロスコピー撮像を開始する。これにより、連続して撮像される時系列画像がモニタ31に表示される。図4(A)にその時系列画像9の一例を示す。図示のように、モニタ上には注目領域のマーク6とカテーテル10が表示されている。制御部33は連続して撮像した時系列画像から、画像内のカテーテル10の位置を随時検出する。カテーテル10には受信コイル又は磁性体が混入されているので、通常の生体の部位とは異なる輝度で表示されることから、制御部33は容易にカテーテル10を検出できる。カテーテル10の位置は、画像に予め設定された座標に対応させて検出する。そして、制御部33は、マーク6の中心11とカテーテル10の中心との直線距離Lを計算で随時求める。つまり、制御部33はカテーテル10の位置をトラッキングする機能を備えている。
【0026】
このようにしてカテーテル10の位置をトラッキングし、近くのマーク6との直線距離Lを求めた一例を図4(B)に示す。図示のように時間経過と共にカテーテル10がマーク6に近づいて行き、時刻t1においてカテーテル10が半径Rのマーク6内に進入し、さらに経過するにつれてマーク6の中心位置を通過して離れていくことが示されている。このときのフルオロスコピーの画像更新間隔FRを図4(C)と(D)に示す。図4(C)は、従来のフルオロスコピーのように、画像更新間隔FR1を一定にして撮像したものであり、図4(D)は本発明を適用して画像更新間隔をカテーテル10とマーク6との位置関係に応じてFR1よりも短い画像更新間隔FR2に変更して撮影する場合を示している。つまり、注目領域の付近では慎重な操作が必要であるから、カテーテル10がマーク6の中心に近づくにつれて、画像更新間隔を短くするように制御部33が撮像シーケンスを変更する。画像更新間隔の変更は、距離Lを関数とした式を用いて随時計算によって求めても良い。また、注目領域のマーク設定時に、予め距離Lに対応させて画像更新間隔を設定したテーブルを作成しておき、このテーブルに従って変更するようにしても良い。また、撮像シーケンスの変更は、注目領域ごとすなわちマークごとに異なる態様で設定しても良い。例えば、注目領域の半径Rに応じて、画像更新間隔を変更しても良い。また、マーク設定時に、画像更新間隔を直接入力設定するようにしても良い。さらに、マーク設定時に、マークごとに注目度合いを設定しておき、注目度合いと距離Lに応じて、例えば3段階に画像更新間隔を変更することもできる。
【0027】
ここで、図5を用いて本実施形態の変形例を説明する。図5の例は、カテーテル10がマーク内に進入した場合、撮像視野を小さくして注目領域を拡大表示することにより、空間分解能を高い値に変更する例である。つまり、カテーテル10がマーク6の外側領域にある場合は、視野の大きい撮像シーケンスにより撮像を実行することにより、同図(A)に示す画像12が表示される。カテーテル10がマーク6の内部に侵入した場合は、撮影視野が小さくなるように撮像シーケンスを変更して撮像を行うことにより、同図(B)に示す画像13が表示される。これにより、術者は、カテーテル10に細かな動きを確認しながら挿入操作を行うことができる。なお、撮影視野を小さくせずに、撮像シーケンスを変更して、空間分解能を高くするようにしても良い。つまり、位相エンコード数及びエコー信号のサンプル数を増やして空間分解能を向上させる。
【0028】
また、血管を撮像してカテーテル等の侵襲デバイスをモニタリングする場合、血管に造影剤を注入して血管のコントラストを強調することが好ましい。例えば、本発明と組み合わせて行う場合、マーク内にデバイスが進入した場合、自動的に造影剤が注入されるようにすることが好ましい。
【0029】
このように図1の実施形態又は変形例によれば、カテーテル10が移動して注目領域のマークの範囲内に達したとき、自動的に撮像速度が速くなり、あるいは空間分解能が高くなるので、術者はカテーテル10の細かな動きや、血管との正確な位置関係を画像で正確にモニタリングできる。
【0030】
次に、本発明の特徴に係る他の実施形態について図6を用いて説明する。本例は、侵襲デバイスの挿入速度に応じて時系列画像の画像更新間隔FRや空間分解能を変更するようにしたものである。図6(A)は、フルオロスコピーにより撮像した撮像時刻の異なる2枚の画像から検出したカテーテル10の位置15,16を同時に表示した画像14である。図では、カテーテル10は挿入操作によって位置15から位置16に移動したことを示している。このときのカテーテル10の平均進行速度V1は、位置15と位置16の距離L2を2つの画像の撮像時刻の差ΔT1で割ることにより求まる。つまり、
V1=L2/ΔT1
で求まる。同様にして、さらに時間が経過すると、カテーテル10は、図6(B)の位置16から位置17まで距離L3進む。このときのカテーテル10の平均進行速度V2は、位置16から位置17までの画像の撮像時刻差をΔT2とすると、
V2=L3/ΔT2
で求まる。
【0031】
前述したように、術者は注目領域近傍では自然と挿入操作が慎重になるので、カテーテルの進行速度が遅くなる。そこで、本実施形態では、カテーテルの挿入速度が遅いときに画像更新間隔を短くすることや、空間分解能を高くしてカテーテル10の描出能を向上させる。図7は、カテーテル1の平均進行速度に応じて画像更新間隔FRを変更した例を示している。同図(A)は、カテーテル10の進行速度Vの変化を示している。そして、進行速度を設定された2つのしきい値Vr1、Vr2と比較し、Vr2<V≦Vr1の時は画像更新間隔FR3にし、V≦Vr2のときは画像更新間隔FR4に変更するようにする。カテーテル10の進行速度Vは、同図(A)では、t2においてしきい値Vr1以下に低下し、さらにt2においてしきい値Vr2以下に低下している。図6(B)は、従来と同様にフルオロスコピー撮像中一定の画像更新間隔FR1でモニタリングする場合を示し、図6(C)は本実施形態によりカテーテル10の進行速度に応じて画像更新間隔をFR1→FR3→FR4に変更した場合を示す。
【0032】
本実施形態によれば、前記実施形態に比べて注目領域のマークを設定する手間が省ける点を除き、同様の効果が得られる。また、前記実施形態と同様に、カテーテル10の進行速度に応じて、画像の空間分解能を単独で、又は画像更新間隔と組合わせて、変更することもできる。画像の空間分解能を高くする方法としては、前述したように、視野を小さくするようにパルスシーケンスを変更する他、位相エンコード数及びサンプル点数を増やしたパルスシーケンスに変更する方法のいずれでもできる。
【0033】
本発明は、以上説明した実施形態にとどまらず、本発明の趣旨を踏まえた上で種々の形態を取りうる。例えば、上記実施形態では、フルオロスコピーに用いる撮像シーケンスとしてグラディエントエコー法を用いたが、これに限らず高速撮影法の1つであるエコープレナーイメージング(EPI)法を適用することができる。また、前述した、エコーシェアリング法と組合わせることもできる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、侵襲デバイスのリアルタイムモニタ画像の描出能を向上させることができ、侵襲デバイスの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴に係るマークの設定法の一実施形態を説明する図である。
【図2】本発明が適用された磁気共鳴撮像装置の一実施形態のブロック構成図である。
【図3】本発明に適用可能な撮像シーケンスの1例を示す図である。
【図4】図1実施形態のフルオロスコピーによるモニタ画像の一例図と、カテーテルと注目領域中心間の距離変化を示す線図、従来及び本発明による画像更新間隔の変化を示す図である。
【図5】図4のモニタ画像の画像更新間隔の変更に代えて、視野を小さく変更する場合を説明する図である。
【図6】本発明の特徴に係る他の実施形態のフルオロスコピーによるモニタ画像の一例図である。
【図7】図6の実施形態のカテーテルの進行速度の変化を示す線図、従来及び本発明による画像更新間隔の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 画像
2 血管
3 分岐部
4 狭窄部
5 ターゲット
6,7,8 マーク
10 カテーテル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic resonance imaging apparatus, and more particularly, to a technique for monitoring an invasive device such as a catheter inserted into a living body of a patient as a subject while performing continuous imaging.
[0002]
[Prior art]
A magnetic resonance imaging apparatus (MRI apparatus) irradiates a living body with a high-frequency magnetic field pulse in a state where a uniform static magnetic field acts on the living body, excites nuclei such as hydrogen and phosphorus in the living body, and generates nuclear magnetic resonance generated by this excitation. It is an apparatus that contributes to medical diagnosis by measuring a signal (NMR signal) and imaging a measurement region in a living body based on magnetic resonance information such as the density distribution or relaxation time distribution of hydrogen and phosphorus.
[0003]
As an imaging apparatus that contributes to such medical diagnosis, an X-ray imaging apparatus is widely known in addition to an MRI apparatus. In recent years, X-ray imaging devices adopt IV-R (InterVentional Radiology) method, which performs examination and treatment under fluoroscopy in order to reduce the invasiveness of patients and improve the quality of life (QOL) of patients. Has been. In such examination or treatment by the IV-R method, biopsy using a biopsy needle, treatment using a laser, treatment using a catheter, and the like are performed.
[0004]
On the other hand, also in the field of MRI apparatuses, the spread of open-type apparatuses that open the space around the imaging region of the patient as much as possible and make it easy for the operator to access the patient has progressed, and I perform examinations and treatments under MRI fluoroscopy. -MRI (Interventional MRI) has come to be used clinically. However, although I-MRI has the merit that there is no problem of X-ray exposure, there is a point that should be improved in terms of the spatial resolution, temporal resolution, or artifacts of the obtained image.
[0005]
For example, in I-MRI, a coil is attached to the tip of an invasive device such as a catheter, and the coil also receives an NMR signal to form an image, which is superimposed on the image of the NMR signal received by a normal receiving coil. There is known an active tracking method in which the tip of an invasive device is displayed with high luminance by displaying. In addition, by disturbing the static magnetic field near the tip of the invasive device by mixing a magnetic substance into the tip of the invasive device formed of resin or the like, thereby causing the NMR signal near the tip of the invasive device to be lost, A passive tracking method in which an image of the tip of an invasive device is lost is known.
[0006]
With such an invasive device, in I-MRI, the state of the subject, the position of the inserted invasive device, and the like are monitored in real time. For I-MRI that realizes real-time monitoring, a high-speed fluoroscopy method is usually employed. In fluoroscopy, an imaging sequence with a repetition time of several milliseconds (several ms) is executed, and an image is acquired at an image update interval of about 1 second (s) or 1 second or less. Furthermore, an echo sharing method has also been proposed in which MR measurement is partially performed and an image is created by reusing previously acquired image data for a portion where image data is insufficient, thereby shortening the image acquisition time. According to this, the image update interval can be shortened to several tens of milliseconds.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Usually, the operation of inserting the invasive device into the living body must be performed with care, but there are cases where it must be performed with particular care depending on the part of the living body. In other words, since the internal structure of the subject is locally changed, for example, when the device passes through a branch portion, a bent portion, or a stenosis portion of a blood vessel or in a treatment site, a particularly careful operation is required. In such a region or region, it is necessary to shorten the image update interval or increase the spatial resolution, in particular, in order to improve the imaging ability of the invasive device.
[0008]
However, the conventional I-MRI fluoroscopy method does not consider changing the image update interval and spatial resolution in accordance with changes in the body part where the invasive device is located. Therefore, if the image update interval is long or the spatial resolution is set to a low value, the imaging ability of the invasive device may be poor and careful operation may be difficult.
[0009]
An object of the present invention is to improve the ability to depict an invasive device for a real-time monitor image.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a magnetic resonance imaging apparatus of the present invention includes a control unit that executes an imaging sequence that performs measurement by adding spatial position information to a nuclear magnetic resonance signal generated by exciting a subject, and the nucleus. An image constructing unit that generates a magnetic resonance image of the subject based on the magnetic resonance signal, a monitor that displays an image created by the image constructing unit, and a mark at an arbitrary position on the image displayed on the monitor And an input unit for setting the imaging sequence, and the control unit has a function of changing the imaging sequence when the distance between the invasive device displayed in the image and the mark is within a setting range. And In this case, the imaging sequence is preferably changed by changing at least one of the image frame rate (the reciprocal of the image update interval) and the spatial resolution to, for example, a high value.
[0011]
With this configuration, the problem of the present invention is solved as described below. First, when an invasive device is inserted into a living body, an operator should carefully look at an MR image displayed on a monitor, for example, a region such as a branching portion or a stenosis portion of a blood vessel image, and carefully insert in that region. And a mark is set in the region (region of interest) via the input means. When treatment is required, a mark is set with the treatment site as a region of interest. Then, the control means tracks the position of the invasive device displayed in the image, and when the invasive device is inserted within the set range of the mark, the imaging sequence is changed, and the frame rate and spatial resolution of the image are changed. Change at least one to a higher value. As a result, when the invasive device moves and reaches the region of interest, the imaging speed is automatically increased or the spatial resolution is increased, so that the operator can move the invasive device finely and accurately position it with the blood vessel. Relationships can be accurately monitored with images.
[0012]
The mark is preferably set as a point or a circle. When setting with a point, it is preferable to set a certain range around the point as a region of interest. When setting a circle, the radius of the circle can be set freely.
[0013]
In order to change the frame rate and the spatial resolution, a plurality of imaging sequences having different frame rates and spatial resolutions of images can be set in advance, and the imaging sequence can be switched and changed by the control means. Alternatively, the imaging sequence can be changed by changing parameters related to the frame rate and spatial resolution of the imaging sequence. An example of improving the spatial resolution can be realized by setting the photographing field of view small.
[0014]
The determination as to whether or not the position of the invasive device is within the set range with respect to the mark can be realized by providing a tracking means described below. In other words, the tracking unit determines the invasive device in the image based on the difference in luminance. The position change of the invasive device is detected every time the image is updated, and the position is tracked. On the other hand, the position of the mark set on the image is determined, and the interval between the mark and the invasive device is obtained by calculation. When the obtained interval is within a preset range, it is determined that the invasive device is present in the region of interest, and the imaging frame rate is changed to a high value or the spatial resolution is changed to a high value. Thus, the visibility is improved by increasing the visibility of the movement of the invasive device. In this case, both the frame rate and the spatial resolution may be changed to high values.
[0015]
In this way, when entering the region of interest where the invasive device must be carefully operated, the frame rate is automatically shortened or the spatial resolution is improved, so that the detailed movement of the invasive device can be captured. Can do. As a result, the insertion operation of the invasive device is facilitated.
[0016]
In the above, the mark is set in the region of interest on the image, but instead, the advancing speed of the invasive device is obtained based on the change in the position of the invasive device obtained by the tracking means. When is smaller than the set value, at least one of the image frame rate and the spatial resolution may be changed to a high value. In other words, when an invasive device comes to a region of interest such as a bifurcation of a blood vessel, the surgeon naturally becomes careful and the insertion speed decreases, so this can be used to change the frame rate and spatial resolution. Even if it does, the same effect is acquired.
[0017]
Further, the attention area can be set in a plurality of stages such as up, inside, and down according to the degree of attention. Then, the frame rate and the spatial resolution can be made different according to the degree of attention.
[0018]
[Embodiment]
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 2 schematically shows the overall configuration of a typical magnetic resonance imaging apparatus (MRI apparatus). As illustrated, the MRI apparatus includes a
[0019]
The gradient
[0020]
A method for imaging an MR image of a subject using the MRI apparatus configured as described above will be described. Currently, the measurement targets that are widely used in clinical practice are the spatial distribution of the density of protons, which are the main constituents of the subject, and the spatial distribution of the relaxation phenomenon of the excited state. By imaging these spatial distributions, the form or function of the human head, abdomen, quadrilateral, etc. can be imaged two-dimensionally or three-dimensionally to contribute to diagnosis.
[0021]
Imaging is performed according to an imaging sequence called a pulse sequence. FIG. 3 shows a gradient echo sequence as an example of a general imaging sequence. The figure shows a high-frequency pulse RF, a slice gradient magnetic field Gs, a phase encoding gradient magnetic field Gp, a readout gradient magnetic field Gr, a sampling window AD, and an NMR signal (echo signal) Echo in order from the top. The horizontal axis indicates time. First, a slice gradient
[0022]
By repeating such a pulse sequence a plurality of times while sequentially changing the intensity of the phase encoding gradient
[0023]
MR images created in this way are obtained every
[0024]
Next, with reference to FIG. 1, an embodiment in which the image rate of the invasive device is improved by changing the frame rate and the like according to the position of the invasive device, which is a feature of the present invention, will be described. In this embodiment, a case where a catheter is inserted into a blood vessel as an invasive device and an aneurysm is used as a treatment target will be described as an example. First, prior to fluoroscopy, a tomographic image 1 of a desired site as shown in FIG. 1 is taken. In the image 1 displayed on the
[0025]
After setting the region of interest in this manner, fluoroscopy imaging is started while inserting the catheter. As a result, time-series images captured continuously are displayed on the
[0026]
FIG. 4B shows an example in which the position of the
[0027]
Here, the modification of this embodiment is demonstrated using FIG. Examples of 5, when the
[0028]
In addition, when monitoring an invasive device such as a catheter by imaging a blood vessel, it is preferable to inject a contrast medium into the blood vessel to enhance the contrast of the blood vessel. For example, when performed in combination with the present invention, it is preferable to automatically inject a contrast medium when a device enters the mark.
[0029]
As described above, according to the embodiment or the modification of FIG. 1, when the
[0030]
Next, another embodiment according to the features of the present invention will be described with reference to FIG. In this example, the image update interval FR and the spatial resolution of the time-series image are changed according to the insertion speed of the invasive device. FIG. 6A is an
V1 = L2 / ΔT1
It is obtained by Similarly, when the time further elapses, the
V2 = L3 / ΔT2
It is obtained by
[0031]
As described above, the surgeon naturally becomes cautious in the vicinity of the region of interest, so the catheter speed is slow. Therefore, in this embodiment, when the insertion speed of the catheter is slow, the image update interval is shortened, or the spatial resolution is increased to improve the rendering ability of the
[0032]
According to the present embodiment, the same effect can be obtained except that the trouble of setting the mark of the attention area can be saved as compared with the embodiment. Similarly to the above-described embodiment, the spatial resolution of the image can be changed alone or in combination with the image update interval according to the traveling speed of the
[0033]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and can take various forms based on the gist of the present invention. For example, in the above-described embodiment, the gradient echo method is used as an imaging sequence used for fluoroscopy. However, the present invention is not limited to this, and an echo planar imaging (EPI) method which is one of high-speed imaging methods can be applied. It can also be combined with the echo sharing method described above.
[0034]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the ability to draw a real-time monitor image of an invasive device can be improved, and the operability of the invasive device can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating an embodiment of a mark setting method according to a feature of the present invention.
FIG. 2 is a block configuration diagram of an embodiment of a magnetic resonance imaging apparatus to which the present invention is applied.
FIG. 3 is a diagram showing an example of an imaging sequence applicable to the present invention.
4 is a diagram showing an example of a monitor image by fluoroscopy according to the embodiment of FIG. 1, a diagram showing a change in distance between a catheter and the center of a region of interest, and a diagram showing changes in image update intervals according to the prior art and the present invention.
FIG. 5 is a diagram illustrating a case where the field of view is changed to be small instead of changing the image update interval of the monitor image of FIG. 4;
FIG. 6 is an example of a monitor image obtained by fluoroscopy according to another embodiment of the present invention.
7 is a diagram showing a change in the advancing speed of the catheter of the embodiment of FIG. 6, and a diagram showing a change in an image update interval according to the prior art and the present invention.
[Explanation of symbols]
1
Claims (9)
前記距離取得手段は、前記画像中に表示される侵襲デバイスと前記マーク間の距離を取得し、
前記制御手段は、前記距離取得手段により取得した距離が設定範囲内のとき前記画像の更新周期と空間分解能の少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項2に記載の磁気共鳴撮像装置。An input unit for setting a mark in a desired area on the image displayed on the display unit;
The distance acquisition means acquires a distance between the invasive device displayed in the image and the mark,
3. The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 2, wherein the control unit changes at least one of an update period and a spatial resolution of the image when the distance acquired by the distance acquisition unit is within a set range.
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