JP3963862B2 - 弾性表面波フィルタ及びそれを有する分波器 - Google Patents

弾性表面波フィルタ及びそれを有する分波器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタ及びそれを有する分波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ほとんどの携帯電話機におけるRFフィルタやアンテナ分波器には、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:以下、SAWと略す)フィルタが用いられている。
【0003】
これらの携帯電話システムでは送信帯域と受信帯域とが近接している。このため、送受信信号の混信(クロストーク)を避けることを目的として、送信フィルタには受信帯域の抑圧が求められ、受信フィルタには送信帯域の抑圧が求められている。現状において、SAWフィルタは一般に他のフィルタデバイスと比較して通過帯域近傍を急峻に抑圧することができるが、近年ではより高い抑圧度が求められることが多くなってきている。
【0004】
送信フィルタ又は受信フィルタの通過帯域より高周波側の抑圧度を向上させる方法としては、SAWフィルタの入力端子と出力端子との間にキャパシタンス素子を付加する方法が存在する(例えば以下に示す特許文献1〜4参照)。これを従来技術1とし、その構成を電気的等価回路で表現した一例を図1(b)に示す。尚、比較のため、入出力端子間にキャパシタンス素子を付加していない従来の構成の電気的等価回路の一例を図1(a)に示す。
【0005】
図1(b)に示すように、従来技術1では、入力端子4と出力端子5との間に例えば3つの共振が存在するSAWフィルタ200において、入力端子4と出力端子5との間に静電容量Cが付加されている。図2に、図1(a)に示すSAWフィルタ100のフィルタ特性と、図1(b)に示すSAWフィルタ200のフィルタ特性とのシミュレーション結果を示す。尚、本シミュレーションでは、例えば1.9GHz帯としてSAWフィルタ100,200を作製した場合を例に挙げた。
【0006】
図2に示すように、SAWフィルタ100のフィルタ特性では通過帯域より高周波側は比較的なだらかな抑圧特性であるが、SAWフィルタ200のフィルタ特性では2.1GHz付近に零点が発生しているため、通過帯域との境界領域で急峻なカットオフ特性が得られている。すなわち、入出力端子(4,5)間に静電容量Cを組み込むことで、通過帯域より高周波側の帯域(これを抑圧域という)に零点を発生させることができるため、高周波側の抑圧度を大幅に改善することができる。
【0007】
また、送信フィルタ又は受信フィルタの通過帯域より低周波側の抑圧度を向上させる方法としては、SAWフィルタの入力グランド端子と出力グランド端子とをインダクタンス素子を介して接地する方法が存在する(例えば以下に示す特許文献5,6参照)。これを従来技術2とし、その構成を図3に示す。
【0008】
図3に示すように、従来技術2では、入力端子4と出力端子5との間に櫛形電極(InterDigital Transducer:以下、IDTと略す)11が形成されたSAWフィルタ300において、グランド端子が共通化された(共通グランド端子8)後、インダクタンスLを介して接地されている。図4に、図3に示すSAWフィルタ300のフィルタ特性のシミュレーション結果を示す。尚、本シミュレーションでは、例えば1.9GHz帯としてSAWフィルタ300を作製した場合を例に挙げた。また、比較のため、図1(a)に示すSAWフィルタ100のフィルタ特性も示す。
【0009】
図4に示すように、SAWフィルタ300のフィルタ特性は1.8GHz付近に零点が発生しているため、通過帯域との境界で急峻なカットオフ特性が得られている。すなわち、SAWフィルタ300の入出力側のグランド端子を共通化し、これをインダクタンスLを介して接地することで、通過帯域の低周波側の帯域(これも抑圧域である)に零点を発生させることができるため、低周波側の抑圧度を大幅に改善することができる。
【0010】
【特許文献1】
特開平1−135113号公報
【特許文献2】
特開平11−251861号公報
【特許文献3】
特開平9−172342号公報
【特許文献4】
特開平9−321569号公報
【特許文献5】
特開平9−162676号公報
【特許文献6】
特開昭54−123892号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1で示した、入出力間に静電容量を付加する方法では、通過帯域より高周波側の抑圧は改善できるが、通過帯域より低周波側の抑圧は悪化してしまうという問題が存在する。すなわち、例えば図2に示すように、1.8GHz以下の周波数では、容量を付加することで抑圧度が悪くなってしまうという問題があった。
【0012】
これとは逆に、従来技術2で示した、共通化したグランド端子をインダクタンスを介して接地する方法では、通過帯域より低周波側の抑圧は改善できるが、通過帯域より高周波側の抑圧は悪化してしまうという問題が存在する。すなわち、例えば図4に示すように、2.1GHz以上の周波数では、インダクタンスを付加することで抑圧度が悪くなってしまうという問題があった。
【0013】
そこで本発明は、以上のような問題を鑑み、通過帯域以外の抑圧度が高周波側と低周波側とで共に向上された弾性表面波フィルタ及びそれを有する分波器を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、請求項1記載のように、圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、更に弾性表面波フィルタは共振周波数を奇数有し、前記共振周波数のうち最も低い共振周波数と最も高い共振周波数とにおける通過位相が共にほぼ0度である構成である。入力端子と出力端子との間に静電容量を付加し、且つ、入力側のグランド端子と出力側のグランド端子とを共通化した後にインダクタンスを付加することで、通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。しかも、これによる抑制度の向上は、静電容量又はインダクタンスの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる。また、発生させる零点の周波数は、付加する静電容量とインダクタンスとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能である。更に、弾性表面波フィルタの共振周波数が奇数個であり、このうち最も低い共振周波数と最も高い共振周波数とが共に同相であることで、確実に通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0015】
本発明はまた、圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、更に弾性表面波フィルタは共振周波数を奇数有し、前記共振周波数のうち低い方から数えて偶数番目の共振周波数における通過位相がほぼ180度である構成である。入力端子と出力端子との間に静電容量を付加し、且つ、入力側のグランド端子と出力側のグランド端子とを共通化した後にインダクタンスを付加することで、通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。しかも、これによる抑制度の向上は、静電容量又はインダクタンスの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる。また、発生させる零点の周波数は、付加する静電容量とインダクタンスとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能である。更に、共振周波数が3つの弾性表面波フィルタにおいて最も低い共振周波数と最も高い共振周波数との間の共振周波数が逆相であることで、他の共振周波数を同相とする必要があるため、最も低い共振周波数と最も高い共振周波数とが共に同相となり、確実に通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0016】
また、請求項1又は2記載の前記弾性表面波フィルタは、請求項3記載のように、前記入力側の櫛形電極又は前記出力側の櫛形電極を複数有する構成とすることができる。
【0017】
また、請求項1又は2記載の前記弾性表面波フィルタは、請求項4記載のように、前記入力側の櫛形電極及び前記出力側の櫛形電極を複数有する構成とすることができる。
【0018】
また、請求項1から4の何れか1項に記載の前記静電容量は、請求項5記載のように、前記圧電基板上に形成されていることが好ましい。圧電基板上に形成する金属パターンを用いて静電容量を形成するように構成することで、フォトリソグラフィ等のプロセス技術を用いて容易に静電容量を制御することが可能となる。
【0019】
また、請求項1から5の何れか1項に記載の前記第1の共通グランド端子は、請求項6記載のように、前記圧電基板上に形成されていることが好ましい。第1の共通グランド端子を圧電基板上に形成することで、これからパッケージの外側に設けられた外部グランド端子までの配線距離を容易に長くすることが可能となるため、インダクタンスを容易に大きくすることができる。
【0020】
また、請求項1から6の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、請求項7記載のように、前記入力側の櫛形電極における前記グランド端子と接続された電極指の伸長方向と、前記出力側の櫛形電極における前記グランド端子と接続された電極指の伸長方向とが等しいことが好ましい。入出力側においてグランド側の電極指の伸長方向を等しくすることで、圧電基板上に入出力間の静電容量を容易に形成することが可能となり、且つ圧電基板上で入力側の櫛形電極のグランド端子と出力側の櫛形電極のグランド端子とを容易に接続することが可能となる。
【0021】
また、請求項1から6の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、請求項8記載のように、前記入力端子と前記出力端子とが同じ側に引き出されていることが好ましい。入力端子と出力端子とを同じ側に引き出すことで、これらを接近して配置させることができるため、極めて小さなスペースに、精度よく静電容量を形成することが可能となり、フィルタ特性がよく且つ小型化された弾性表面波フィルタを作製することができる。
【0022】
また、請求項1から8の何れか1項に記載の前記静電容量は、例えば請求項9記載のように、前記入力側の櫛形電極における入力バスバーと前記出力側の櫛形電極における出力バスバーとの間で形成されていてもよい。静電容量を近接し且つ製造精度の高い入力バスバーと出力バスバーとで形成することで、極めて小さなスペースに、精度よく静電容量を形成することが可能となり、フィルタ特性がよく且つ小型化された弾性表面波フィルタを作製することができる。
【0023】
また、請求項1から9の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項10記載のように、前記圧電基板を収納するパッケージを有し、前記インダクタンスが、前記パッケージ内に設けられた伝送線路と,該パッケージ内に設けられたビアと,該パッケージに設けられたキャスタレーションと,前記第1の共通グランド端子と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤとのうち少なくとも1つが有するインダクタンスを含んで形成されていてもよい。
【0024】
また、本発明は、例えば請求項11記載のように、請求項1から10の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタが複数個縦続接続されていてもよい。通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる本発明の弾性表面波フィルタを複数個縦続接続することで、耐域外抑制度が更に向上した弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0025】
また、請求項11記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項12記載のように、前記弾性表面波フィルタの各段の前記第1の共通グランド端子を共通化する第2の共通グランド端子を有し、前記インダクタンスが、前記第1の共通グランド端子と前記第2の共通グランド端子との間及び前記第2の共通グランド端子と前記グランドとの間に付加されていてもよい。本発明の弾性表面波フィルタを複数個縦続接続した構成において、第1の共通グランド端子に付加するインダクタンスとは別に、各段の第1の共通グランド端子を共通化した後にインダクタンスを付加することで、特に通過帯域より低周波側の抑制度を更に向上させることが可能となる。
【0026】
また、請求項12記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項13記載のように、前記圧電基板を収納するパッケージを有し、前記インダクタンスが、前記パッケージ内に設けられた伝送線路と,該パッケージ内に設けられたビアと,該パッケージに設けられたキャスタレーションと,前記第1の共通グランド端子と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤとのうち少なくとも1つが有するインダクタンスを含んで形成されていてもよい。
【0027】
また、本発明は、例えば請求項14記載のように、請求項1から13の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタが複数個並列接続されていてもよい。通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られる本発明による弾性表面波フィルタにおいて、例えば入力インピーダンスをN倍した弾性表面波フィルタをN個、電気的に並列に接続することで、電極指抵抗を1/N2に低減することができるため、挿入損失が大幅に低減された弾性表面波フィルタを実現することができる。また、同様の構成により、個々の弾性表面波フィルタに付加する静電容量を1/Nとすることが可能となるため、小型化された弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0028】
また、請求項1から14の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項15記載のように、前記入力側の櫛形電極を1つ有し、前記入力側の櫛形電極の弾性表面波の伝搬方向に沿った両側に前記出力側の櫛形電極を1つずつ有していてもよい。このように、本発明による弾性表面波フィルタは、ダブルモード型弾性表面波(DMS)フィルタにも適用することができる。
【0029】
また、本発明は、請求項16記載のように、圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指とが共に、グランド電極指又は信号電極指であり、前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との電極中心間距離Dが、弾性表面波の中心波長をλとし、nを0以上の整数とすると、以下の式1を満足することを特徴とする弾性表面波フィルタである。
【数1】
Figure 0003963862
入力側の櫛形電極における出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、出力側の櫛形電極における入力側の櫛形電極に最も近い電極指とを共にグランド電極指又は信号電極指とすることで、DMSフィルタの3つの共振周波数のうち最も低い共振周波数と最も高い共振周波数における通過(s21)位相を共にほぼ0度とし、これらの間の共振周波数における通過(s21)位相をほぼ180度とすることが達成されるため、本発明による通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られるという効果を確実に奏するように構成することが可能となる。特に、入力側の櫛形電極における出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、出力側の櫛形電極における入力側の櫛形電極に最も近い電極指とを共にグランド電極指又は信号電極指であるDMSフィルタにおいて、電極中心間距離Dが以下の式1を満足するように設計することで、本発明による通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られるという効果を確実に奏するように構成することが可能となる。
【0032】
また、本発明は、請求項18記載のように、圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、 前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との何れか一方がグランド電極指であり且つ他方が信号電極指であり、前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との電極中心間距離Dが、弾性表面波の中心波長をλとし、nを0以上の整数とすると、以下の式2を満足することが好ましい。入力側の櫛形電極における出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、出力側の櫛形電極における入力側の櫛形電極に最も近い電極指との何れか一方がグランド電極指であり且つ他方が信号電極指である場合、電極中心間距離Dが以下の式2を満足するように設計することで、本発明による通過帯域に対して高周波側及び低周波側の両方で良好な抑制度が得られるという効果を確実に奏するように構成することが可能となる。
【0033】
【数4】
Figure 0003963862
【0034】
また、本発明は、請求項18記載のように、請求項1から17の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタを有して構成された分波器である。本発明による弾性表面波フィルタを用いて分波器を作製することで、受信信号と送信信号とを確実に分離することが可能となり、通信品質を向上できる分波器を提供することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔原理〕
本発明を好適に実施した形態について説明するにあたり、本発明の基本原理について先に述べる。但し、本発明は、以下の説明により限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々変形して実施できるものである。
【0036】
図5に本発明の基本構成による弾性表面波(SAW)フィルタ10Aの回路図を示す。図5に示すように、SAWフィルタ10Aは、櫛形電極(IDT)11を含んで構成され、入力端子4と出力端子5との間に静電容量(キャパシタンス)Cが並列に付加された構成を有する。また、IDT11のグランド端子は共通化された(共通グランド端子8)後、インダクタンスLを介して接地されている。すなわち、共通グランド端子8と外部グランド端子9との間にインダクタンスLが付加された構成を有する。
【0037】
ここで先ず、SAWフィルタ10Aの入力端子4と出力端子5との間に静電容量Cを付加することで、通過帯域より高周波側に零点(減衰極)が発生し、抑圧度が改善する現象のメカニズムを説明する。
【0038】
図5に示すようなSAWフィルタ10Aは2端子対回路として扱うことができる。従って、SAWフィルタ10Aの通過特性(フィルタ特性ともいう)(s21)は、アドミタンス(Y)行列の各要素を用いて以下の式3のように表現することができる。尚、yinは入力側の終端抵抗の逆数であり、youtは出力側の終端抵抗の逆数である。
【0039】
【数5】
Figure 0003963862
【0040】
式3から、y21=0のときs21=0となり、通過特性に零点が発生することがわかる。従って、静電容量を付加することで抑圧度が改善されるメカニズムの解析では、2端子対回路のy21成分についてのみ考えればよい。ここで、SAWフィルタ10Aの入出力間に静電容量Cが付加されている構成は、図6に示すように、SAWフィルタ10Aの2端子対回路と直列キャパシタンスの2端子対回路とが並列接続された構成として扱うことができる。また、2端子対回路を並列接続した後のアドミタンス行列は、各回路のアドミタンス行列の和(Y=Ys+Yc)である。ここで、直列キャパシタンスのアドミタンス行列Ycは、以下の式4で表すことができる。
【0041】
【数6】
Figure 0003963862
【0042】
式4から、入出力間に静電容量Cを付加した場合では、y21の実部には変化が無く、y21の虚部のみがωCだけ減少することが導き出せる。図7に、静電容量Cを付加した場合と付加していない場合とのy21の実部と虚部との周波数特性及び通過特性の計算例を示す。尚、SAWフィルタ10Aのアドミタンス行列の計算には図1(a)に示す等価回路と同様な回路構成を用いた。また、図7において、(a)はSAWフィルタ100及び10Aのアドミタンスy21の実部Re(y21[Ω])の周波数特性を示し、(b)はSAWフィルタ100及び10Aのアドミタンスy21の虚部Im(y21[Ω])の周波数特性を示し、(c)はSAWフィルタ100及び10Aのフィルタ特性を示している。更に、グラフ中、矢印はSAWフィルタ100のアドミタンス特性/フィルタ特性に対するSAWフィルタ10Aのアドミタンス特性/フィルタ特性のシフト方向を示している。但し、(c)において、下向きの矢印は抑圧度が改善したことを示し、上向きの矢印は抑圧度が低下したことを示している。
【0043】
図7を参照すると明らかなように、静電容量Cを付加することでy21の虚部が減少し、y21の虚部が0となる周波数が出現する(2080MHz付近)。この周波数ではy21の実部も略0であるため、y21の絶対値が略0となり、通過特性に零点が発生する。
【0044】
しかしながら、入出力間に静電容量Cを付加した場合、図7に示すように、通過帯域よりも低周波側でy21の虚部の絶対値がより大きくなり、s21の絶対値も大きくなる。つまり、通過特性の抑圧度が劣化してしまうことになる。
【0045】
このような問題を解決するために、本発明では図5に示すように、SAWフィルタ10Aの共通グランド端子8と外部グランド端子9との間にインダクタンスLを付加する。図8に、SAWフィルタ10Aを2端子対回路でモデル化した際の回路図を示す。SAWフィルタ10Aの通過特性(s21)は、インピーダンス(Z)行列の各要素を用いて以下の式5のように表現することができることがわかる。ここで、zinは入力側の終端抵抗であり、zoutは出力側の終端抵抗である。
【0046】
【数7】
Figure 0003963862
【0047】
式5から、z21=0のとき、s21=0となり、通過特性に零点が発生することがわかる。従って、インダクタンスを付加することで抑圧度が改善されるメカニズムの解析では、2端子対回路のz21成分についてのみ考えればよい。ここで、SAWフィルタ10Aの共通グランド端子8と外部グランド端子9との間にインダクタンスLが付加されている構成は、図8に示すように、SAWフィルタ10Aの2端子対回路と並列インダクタンスの2端子対回路とが直列接続された構成として扱うことができる。また、2端子対回路を直列接続した後のインピーダンス行列は、各回路のインピーダンス行列の和(Z=Zsc+Zl)である。ここで、並列インダクタンスのインピーダンス行列Zlは、以下の式6で表すことができる。
【0048】
【数8】
Figure 0003963862
【0049】
式6から、共通グランド端子8にインダクタンスLを付加した場合では、z21の実部には変化が無く、z21の虚部のみがωLだけ増加することが導き出せる。図9に、インダクタンスLを付加した場合と付加していない場合とのz21の実部と虚部との周波数特性及び通過特性の計算例を示す。尚、SAWフィルタ10Aのインピーダンス行列の計算には図1(a)に示す等価回路と同様な回路構成を用いた。また、図9において、(a)はSAWフィルタ100及び10Aのインピーダンスz21の実部Re(z21[Ω])の周波数特性を示し、(b)はSAWフィルタ100及び10Aのインピーダンスz21の虚部Im(z21[Ω])の周波数特性を示し、(c)はSAWフィルタ100及び10Aのフィルタ特性を示している。更に、グラフ中、矢印はSAWフィルタ100のインピーダンス特性/フィルタ特性に対するSAWフィルタ10Aのインピーダンス特性/フィルタ特性のシフト方向を示している。但し、(c)において、下向きの矢印は抑圧度が改善したことを示し、上向きの矢印は抑圧度が低下したことを示している。
【0050】
図9を参照すると明らかなように、共通グランド端子8にインダクタンスLを付加することで、z21の虚部が増加し、z21の虚部が0となる周波数が出現する(1730MHz付近と1830MHz付近)。これらの周波数では、z21の実部も略0であるため、z21の絶対値が略0となり、通過特性に零点が発生する。
【0051】
一方、通過帯域より高周波側でも、インダクタンスLを付加することでz21の虚部の絶対値が小さくなり、これに伴い、s21の絶対値も小さくなる。つまり、通過特性の抑制域における抑圧度が改善する。
【0052】
このように、本発明によれば、入出力端子間に静電容量Cを付加し、グランド端子にインダクタンスLを付加することで、通過帯域の高周波側と低周波側との両方で抑制度が向上し、帯域外の抑圧度を大幅に改善することができる。しかも、これによる抑制度の向上は、静電容量C又はインダクタンスLの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる。また、発生させる零点の周波数は、付加する静電容量CとインダクタンスLとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能である。尚、比較のため、図1及び図3に示す従来の技術によるSAWフィルタ100,200,300のフィルタ特性と本発明によるSAWフィルタ10Aのフィルタ特性とを図10にまとめて示す。図10を参照すると明らかなように、本発明によるSAWフィルタ10Aの抑圧度は、特に通過帯域に近接する部分において、SAWフィルタ100,200,300の何れに対しても改善されている。すなわち、本発明の基本原理を採用することで、静電容量C又はインダクタンスLの何れか一方のみを付加した場合よりも、帯域外抑制度が向上し、フィルタ特性が改善される。
【0053】
また、以上のような構成を有する本発明は、複数の入力IDTと出力IDTとを有して構成される多電極型弾性表面波フィルタや、例えば1個の入力IDTと2個の出力IDTとから構成されるダブルモード型弾性表面波フィルタ等、更には横結合共振子型フィルタ等、種々の弾性表面波フィルタに容易に適用することができ、これらのSAWフィルタで高抑圧で急峻なカットオフ特性を持つ優れたフィルタ特性を実現することができる。
【0054】
尚、一般的なSAWフィルタの多くは、複数個の近接した共振する周波数(以下、共振周波数という)を持ち、これらの共振周波数付近を通過帯域とするバンドパス特性を実現している。通過帯域を形成するための条件としては、隣り合う2個の共振周波数における通過位相(S21の位相)の差が、略180度であることが必要である。ここで、図11に示すSAWフィルタ10B及び10Cを用いて、上記条件について説明する。
【0055】
図11は、例として3個の共振周波数を持つSAWフィルタ10Bの電気的等価回路を示した図である。尚、図11において、(L1,C1,R1)で共振する周波数をfr1とし、(L2,C2,R2)で共振する周波数をfr2とし、(L3,C3,R3)で共振する周波数をfr3とする。また、その大小関係をfr1<fr2<fr3であるとする。
【0056】
このような構成において、図11(a)のfr2に関しては、巻数比1:−1の理想変圧器10bを介しているため、fr2の通過位相は180度となる。このように通過位相が180度の共振を、以下の説明において「逆相共振」と呼ぶ。但し、「逆相共振」を定義する通過位相は厳密に180度でなくても、略180度であればよい。すなわち、実質的に製造誤差や設計上の誤差等が発生するため、本発明では、所望する特性を得られる程度の範囲内であれば、通過位相が180度からある程度ずれていてもよい。また、fr1,fr3の共振は、上記のような変圧器を介さないため、fr1とfr3の通過位相は0度となる。このように通過位相が0度の共振を、以下の説明において「同相共振」と呼ぶ。但し、「同相共振」を定義する通過位相は厳密に0度でなくても、略0度であればよい。すなわち、実質的に製造誤差や設計上の誤差等が発生するため、本発明では、所望する特性を得られる程度の範囲内であれば、通過位相が0度からある程度ずれてもよい。尚、以下の説明では、簡略化のため、以上のずれを考慮せずに説明する。
【0057】
図11(a)に示すSAWフィルタ10Bでは、高さ順に隣り合う2個の共振周波数における通過位相の差が全て180度になっている。つまり、fr1とfr2の通過位相の差は180度であり、fr2とfr3の通過位相の差も180度である。これに対し、図11(b)は、同じく3個の共振周波数を持つSAWフィルタ10Cの電気的等価回路であるが、共振位相が図11(a)とは異なっている。すなわち、fr1とfr3が逆相共振であり、fr2が同相共振である。この場合も、高さ順に隣り合う2個の共振周波数における通過位相の差が略180度であり、通過帯域の形成条件を満たしている。
【0058】
以上の説明のように、通過帯域を形成するためには、同相共振と逆相共振が交互に現れればよい。同相共振を「同」、逆相共振を「逆」と表すことにすると、図11(a)では、低周波の共振から「同−逆−同」の順番となり、図11(b)では「逆−同−逆」の順番となる。
【0059】
ここで、上記した本発明による抑圧度改善効果を得るためには、最も周波数の低い共振と最も周波数の高い共振とが共に同相共振である必要がある。従って、これを満足するためには、共振周波数の数が奇数個であって、「同−逆−同」や,「同−逆−同−逆−同」,…となっている必要がある。図11(a)に示した例では「同−逆−同」であるので、上記の条件を満足し、本発明による抑圧度改善効果を得ることができるが、図11(b)に示した例では「逆−同−逆」であるため、本発明による抑圧度改善効果を得ることができない。
【0060】
図12及び図13を用いて、共振周波数の並びが「逆−同−逆」となっているSAWフィルタで、本発明による抑圧度改善効果が現れないことを説明する。尚、図12は、図11(b)に示すSAWフィルタ10C(共振周波数の並び「逆−同−逆」)の入力端子と出力端子との間に静電容量Cが付加されたものと付加されていないものとのy21の実部Re[y21(s)],虚部Im[y21(s)],及び通過特性の変化を、図11(b)に示す等価回路を用いて計算した結果を示している。また、これとは逆に、共振周波数の並びが「同−逆−同」であるSAWフィルタの入力端子と出力端子との間に静電容量Cを付加したときのy21の実部,虚部,及び通過特性の変化は図7に示されている。
【0061】
図7に示したグラフの変化と比較して、図12に示すグラフでは、y21の実部と虚部とがx軸に関して対照となっている。従って、静電容量Cを付加することで、y21の虚部が低減し、通過帯域よりも低周波側に零点が発生している。但し、通過帯域よりも高周波側の抑圧度は劣化している。また、このような構成では、インピーダンス不整合により通過帯域の形状が大きく崩れてしまう。
【0062】
図13は、共振周波数の並びが「逆−同−逆」であるSAWフィルタ(図11(b)のSAWフィルタ10Cに相当)の入力端子と出力端子との間に静電容量Cが付加されているものに、更にグランド端子にインダクタンスLを付加した場合と付加しない場合とのz21の実部Re[z21(s)],虚部Im[z21(s)],及び通過特性の変化を、図11(b)に示すの等価回路を用いて計算した結果を示している。図13を参照すると明らかなように、z21の虚部はグランド端子にインダクタンスLを付加することで増加する。このため、通過帯域よりも低周波側の零点が消滅した。但し、通過帯域よりも高周波側の抑圧度はわずかながら改善した。しかしながら、静電容量C及びインダクタンスLを付加しないときよりも低周波側及び高周波側の抑圧度は劣化している。また、インピーダンスの不整合は多少改善されるが、静電容量C及びインダクタンスLを付加しないときよりも通過帯域の形状は悪くなっている。このように、共振周波数の並びが「逆−同−逆」であるSAWフィルタでは、本発明による抑圧度改善効果を得ることはできない。従って、本発明によるSAWフィルタは、共振周波数の並びが「同−逆−同」である必要が存在する。
【0063】
また、上述したように、本発明による抑圧度改善効果を出すためには、最も周波数の低い共振と最も周波数の高い共振とが同相共振である必要がある。そこで、図14を用いて、1つの入力側のIDT11(これを入力IDT11aとする)と2つの出力側のIDT11(これを出力IDT11bとする)とを含んで構成されたダブルモード型SAW(Duoble Mode SAW:以下、DMSと略す)フィルタに関し、上記の必要条件を満たすための構造的な条件を説明する。
【0064】
DMSフィルタは3つの共振周波数を持っている。そこで先ず、これが「同−逆−同」の共振周波数の並びを持つための構造条件を以下に示す。但し、以下の説明では、入力IDT11a及び出力IDT11bの電極指対を共に2.5対として説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、要求仕様に応じて、例えば凡そ7対から20対程度の範囲に設定されるなど、種々変形することが可能である。尚、ほとんどの場合では、入力IDT11aと出力IDT11bとの対数が異なるように設計されている。また、図14では、簡略化のため、入力IDT11a及び出力IDT11bの外側に配置される1組の弾性表面波反射器を省略する。
【0065】
図14において、(a)〜(d)は、入力IDT11aにおける出力IDT11bに最も近い電極指と、出力IDT11bにおける入力IDT11aに最も近い電極指とのどちらか一方がグランド電極指であり、他方が信号電極指であるように構成した電極指配列を有している。ここで、これらの2本の電極中心間距離D=dとすると、ほとんどの場合、dは以下の式7の範囲に設定される。尚、式7において、λは通過帯域の中心周波数における弾性表面波の波長である。また、図14(a)〜(d)に示すような配列を、以下の説明において「S−G」配列と呼ぶ。更に、図14(a)〜(d)に示すような配列は、寄生インピーダンスを等しくして比較すると、全て同じフィルタ特性となる。
【0066】
【数9】
Figure 0003963862
【0067】
一方、図14(e),(g)に示すような配列を、以下の説明において「G−G」配列と呼び、(f),(h)に示すような配列を、以下の説明において「S−S」配列と呼ぶ。ここで、「G−G」配列とは、入力IDT11aにおける出力IDT11bに最も近い電極指と、出力IDT11bにおける入力IDT11aに最も近い電極指とが、共にグランド電極指である配列である。また、「S−S」配列とは、入力IDT11aにおける出力IDT11bに最も近い電極指と、出力IDT11bにおける入力IDT11aに最も近い電極指とが、共に信号電極指である配列である。このときも、2本の電極中心間距離D=dとすると、ほとんどの場合、dの範囲は、上記の式7の範囲に設定される。尚、図14(e)〜(h)に示すような配列は、寄生インピーダンスを等しくして比較すると、全て同じフィルタ特性となる。
【0068】
このような配列において、本発明者らは、上記のような抑圧度改善効果を得るためには、電極指配列を「G−G」配列又は「S−S」配列とする必要があることを、シミュレーションと実験とにより見いだした。これは、「G−G」配列又は「S−S」配列とした場合に、DMSフィルタが「同−逆−同」の共振となるためである。これに対し、「S−G」配列とした場合では、DMSフィルタは「逆−同−逆」の共振を起こす。このため、本発明による抑圧改善効果を得ることができない。
【0069】
また、本発明による抑圧度改善効果を得るための、電極指配列を実験的に検証したときの結果を図15に示す。図15において、細実線は静電容量C及びインダクタンスLを付加しない場合のDMSフィルタの通過特性を示している。また、太実線は静電容量C及びインダクタンスLを付加した場合であって、電極指配列を「G−G」配列又は「S−S」配列とした場合のDMSフィルタの通過特性を示している。更に、破線は静電容量C及びインダクタンスLを付加した場合であって、電極指配列を「S−G」配列とした場合のDMSフィルタの通過特性を示している。
【0070】
図15を参照すると明らかなように、電極指配列を「G−G」配列又は「S−S」配列とした場合では、DMSフィルタにおいて「同−逆−同」の共振が起こるため、通過帯域近傍に零点が発生し、抑圧度が改善される。これに対し、電極指配列を「S−G」とした場合では、「逆−同−逆」の共振が起こるため、帯域外抑圧度が悪く、更にインピーダンスのミスマッチにより通過帯域の形状も悪い。
【0071】
次に、「S−G」配列、「G−G」配列、「S−S」配列の変形例について、図16を用いて説明する。図16(a)〜(d)に示すように、「S−G」配列であっても、電極中心間距離D=d+λ/2とすることにより、通過位相が180度遅れるので、「同−逆−同」の共振が起こることをシミュレーションにより確認できた。つまり、「S−G」配列であっても、電極中心間距離D=d+λ/2にすれば、図15に示す太実線のように、静電容量CとインダクタンスLとを付加することで抑圧度を改善することができることがわかった。また、DMSフィルタの性質上、Dはλ周期で同じ特性となるので、D=d+λ/2+nλ(n:整数)であれば、「S−G」配列であってもよいことになる。従って、Dは、以下の式2の範囲に設定される。
【0072】
【数10】
Figure 0003963862
【0073】
同様に、「G−G」配列又は「S−S」配列の場合でも、Dはλ周期で同じ特性となるので、Dは、以下の式1の範囲に設定される。
【0074】
【数11】
Figure 0003963862
【0075】
以下、上記のような原理に基づいた本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0076】
〔第1の実施形態〕
先ず、本発明を好適に実施した第1の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0077】
図17は、本実施形態によるSAWフィルタ20の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのB−B断面図である。尚、本実施形態では、入力側に1つのIDT11を有し、出力側に2つのIDT11とを有した、いわゆるDMSフィルタを例に挙げて説明する。
【0078】
図17に示すように、SAWフィルタ20は、IDT11とSAWの伝搬方向においてこれを挟むように配置された反射器12とが圧電基板22上に形成されたSAW素子をパッケージ21のキャビティ内に収納した構成を有している。SAW素子において、入力側に配置されたIDT11の一方の電極には、これと連続した層構造を有する入力端子13が形成されており、他方の電極には、同じくこれと連続した層構造を有するグランド端子16が形成されている。また、出力側に配置されたIDT11の一方の電極には、これと連続した層構造を有する出力端子14が形成されており、他方の電極には、同じくこれと連続した層構造を有するグランド端子15が形成されている。
【0079】
このような構成において本実施形態では、2つの出力側のIDT11の出力端子14が共通化されている。また、入力端子13におけるIDT11と反対側の端と、出力端子14におけるIDT11と反対側の端とは、圧電基板22上において近接されており、これらが静電容量C1を形成するように構成されている。
【0080】
上記のパッケージ21は、例えばセラミックス,アルミニウム・セラミックス,ビスマスイミド・トリアジンレジン,ポリフェニレンエーテル,ポリイミド樹脂,ガラスエポキシ,ガラスクロス又はシリコン等を基板材料として作製され、複数の基板が積層された構成を有する。また、圧電基板22は、例えば切り出し角が回転Yカット板である42°YカットX伝搬リチウムタンタレートの圧電単結晶基板(以下、LT基板という)や,切り出し角が回転Yカット板である64°YカットX伝搬リチウムナイオベートの圧電単結晶基板(以下、LN基板という)や,このほか水晶等の圧電材料等を基板材料として作製される。例えばLT基板を使用することで、低損失な特性を得ることができる。更に、IDT11及びこれと一体形成された入力端子13,出力端子14,グランド端子15及び16は、例えばアルミニウム(Al),銅(Cu),金(Au),モリブデン(Mo),タングステン(W),タンタル(Ta),クロム(Cr),チタン(Ti),白金(Pt),ルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)等を主成分として形成され、これら何れかの単層又は積層構造を有して構成される。
【0081】
入力端子13及び入力パッド24,出力端子14及び出力パッド25,グランド端子15及び出力グランドパッド26,並びにグランド端子16及び入力グランドパッド27は、それぞれボンディングワイヤ17で接続される。すなわち、本実施形態においてSAW素子はパッケージ21にフェイスアップ状態で実装され、これらがワイヤボンディングされる。ボンディングワイヤ17には、例えばアルミニウム(Al),銅(Cu)又は金(Au)等の金属材料を用いることができる。
【0082】
出力グランドパッド26及び入力グランドパッド27は、パッケージ21内に延在するビア28を介してパッケージ21内の共通グランド端子29に接続され、共通化される。共通グランド端子29はいわゆる伝送線路でもあり、ビア31及びこれに接続された伝送線路32及びビア33を介して、パッケージ21の裏面(キャビティが形成された側を上面とする)に形成されたグランドフットパターン34に接続される。この他、図17(b)に示すように、パッケージ21の側面に形成したキャスタレーション(但し、表面にメッキが施されている)35を介してグランドフットパターン34に接続されるように構成してもよい。ビア31,33又は伝送線路32若しくはキャスタレーション35の少なくとも1つは、上述したインダクタンスLを形成するように構成されている。
【0083】
この他、入力パッド24及び出力パッド25は、それぞれ図示しないビアや伝送線路を介して外部の入力フットパターン、出力フットパターン等に接続される。
【0084】
以上のように構成することで、上述したような、通過帯域の高周波側と低周波側との両方で抑制度が向上し、帯域外の抑圧度を大幅に改善し、しかも、これによる抑制度の向上が、静電容量C又はインダクタンスLの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。また、この構成により、発生させる零点の周波数を、付加する静電容量CとインダクタンスLとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能な弾性表面波フィルタが実現できる。
【0085】
尚、上記では、静電容量C(図17ではC1)を圧電基板22上に形成した入力端子13及び出力端子14の一端を用いて構成したが、本発明ではこれに限定されず、例えばIDT11と同様の構造にしたり、誘電体膜を挟んで立体的な構成としても良い。
【0086】
また、同じく上記では、グランド端子15及び16をパッケージ21内で共通化したが、本発明ではこれに限定されず、例えば圧電基板22上で共通化した構成とすることも、パッケージ21外部(例えばこの裏面)で共通化した構成とすることも可能である。
【0087】
次に、本実施形態によるSAWフィルタ20のフィルタ特性と、従来の、静電容量Cのみが付加され、インダクタンスLが付加されていないSAWフィルタ(例えば図1(b)に示すSAWフィルタ200)のフィルタ特性とを図18を用いて比較する。また、図18において、(a)はSAWフィルタ200及び20のz21の実部Re(z21[Ω])の周波数特性を示し、(b)はSAWフィルタ200及び20のz21の虚部Im(z21[Ω])の周波数特性を示し、(c)はSAWフィルタ200及び20のフィルタ特性を示している。更に、グラフ中、矢印はSAWフィルタ200のインピーダンス特性/フィルタ特性に対するSAWフィルタ20のインピーダンス特性/フィルタ特性のシフト方向を示している。但し、(c)において、下向きの矢印は抑圧度が改善したことを示し、上向きの矢印は抑圧度が低下したことを示している。
【0088】
図18に示すように、共通グランド端子8にインダクタンスLを付加したことで、z21の虚部が増加し、1870MHz付近と1910MHz付近とにz21の虚部が0になる周波数が出現した。これらの周波数ではz21の実部も略0であり、これによりz21の絶対値が略0になるので、通過特性に零点が発生する。更に、通過帯域より高周波側でも、z21の虚部の絶対値が減少したため、抑圧度が改善されている。
【0089】
尚、本実施形態では、上述の基本原理において触れたように、最も低い共振周波数と最も高い共振周波数とが共に「同相共振」となるように構成する。これにより、上記した効果を確実に奏することが可能となる。また、その際の電極中心間距離Dも上述した式7から式2で示す範囲に設定される。
【0090】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態は、入力側のIDT11を1つ、出力側のIDTを2つ用いて構成したダブルモード型弾性表面波(DMS)フィルタ(第1の実施形態のSAWフィルタ20)の第1の変形パターンである。本実施形態によるSAWフィルタ40の構成を図19に示す。尚、図19において、(a)はSAWフィルタ40の上面図であり、(b)はそのA−A断面図である。
【0091】
図19に示すように、SAWフィルタ40は、第1の実施形態におけるグランド端子15及び16が共通化され(共通グランド端子45)、これがボンディングワイヤ17により入力グランドパッド27又は出力グランドパッド26の何れかに接続された(図19では入力グランドパッド27)構成を有している。また、第1の実施形態において入力端子13と出力端子14との間に形成されていた静電容量C1が、本実施形態ではパッケージ21内部に形成された構成となっている。これは、例えば入力パッド24にビア48を介して接続された伝送線路46と、出力パッド25にビア49を介して接続された伝送線路47とをパッケージ21における異なる層を介しつつ接近させるか、同一の層上で接近させること等で実現することができる。
【0092】
更に、本実施形態では、共通グランド端子(本実施形態では共通グランド端子45)に接続するインダクタンスLが、ボンディングワイヤ17又はビア(ビア49と同様な構成であって例えば入力グランドパッド27からパッケージ21内部に延在するビア),若しくはキャスタレーション35の少なくとも1つにより形成されている。尚、入力/出力グランドパッド27,26に接続されたビアは、パッケージ21を貫通してグランドフットパターン34にそれぞれ接続されている。このように圧電基板22上に共通グランド端子45を構成することで、これとグランドフットパターン34までの配線距離を長くすることができるため、付加するインダクタンスLの値を大きく取ることができる。
【0093】
以上のような構成を有することで、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、通過帯域の高周波側と低周波側との両方で抑制度が向上し、しかも、これによる抑制度の向上が、静電容量C又はインダクタンスLの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。また、この構成により、発生させる零点の周波数を、付加する静電容量CとインダクタンスLとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能な弾性表面波フィルタが実現できる。尚、他の構成は第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0094】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態は、入力側のIDT11を1つ、出力側のIDTを2つ用いて構成したダブルモード型SAW(DMS)フィルタ(第1の実施形態のSAWフィルタ20)の第2の変形パターンである。本実施形態によるSAWフィルタ60の構成を図20に示す。尚、図20において、(a)はSAWフィルタ60の上面図であり、(b)はそのC−C断面図である。
【0095】
図20に示すように、SAWフィルタ60は、第1の実施形態におけるグランド端子15及び16が共通化され(共通グランド端子65)、これがボンディングワイヤ17により入力グランドパッド27又は出力グランドパッド26の何れかに接続された(図20では入力グランドパッド27)構成を有している。また、本実施形態による入力側のIDT11と出力側のIDT11とでは、それぞれのグランド電極指の伸長方向が一致するように配列されている。このような配置にすることで、本実施形態では、入力端子63と出力端子64とをそれぞれ形成するバスバー間で静電容量C3,C4が形成される。また、入力端子63と出力端子64とのバスバーを用いて静電容量Cを形成することで、容易に圧電基板22上に小型の静電容量C3,C4を形成することが可能となる。
【0096】
更に、本実施形態では、共通グランド端子(本実施形態では共通グランド端子65)に接続するインダクタンスLが、ボンディングワイヤ17,ビア66,伝送線路67,ビア31、伝送線路32,ビア33、若しくはキャスタレーション35の少なくとも1つにより形成されている。このように圧電基板22上に共通グランド端子65を構成することで、これとグランドフットパターン34とまでの配線距離を長くすることができるため、付加するインダクタンスLを大きく取ることができる。尚、共通グランド端子65とグランドフットパターン34との間の配線距離を長くするために、図20に示すように、パッケージ21内部を水平に延在する伝送線路67を設ける構成は、本実施形態に限定されず、如何なる構成に対しても有効な手段である。
【0097】
以上のような構成を有することで、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、通過帯域の高周波側と低周波側との両方で抑制度が向上し、帯域外の抑圧度を大幅に改善し、しかも、これによる抑制度の向上が、静電容量C又はインダクタンスLの何れか一方のみを付加した場合よりも、低周波側及び高周波側の両方で大きく得られる弾性表面波フィルタを実現することができる。また、この構成により、発生させる零点の周波数を、付加する静電容量CとインダクタンスLとの値で任意に設定することができるため、設計自由度が極めて高く、容易に製造することが可能な弾性表面波フィルタが実現できる。尚、他の構成は第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0098】
また、本実施形態によるSAWフィルタ60は、例えば図21に示すように変形することもできる。すなわち、入力端子63を構成するバスバーの電極指と反対側の端をT字型とすることで、出力端子64とで形成する静電容量C3’,C4’が大きくなるように変形することも可能である。
【0099】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態は、本発明の基本原理によるSAWフィルタ10Aを2段に縦続接続した場合の例である。本実施形態によるSAWフィルタ20A,20A’の回路図を図22に示す。
【0100】
図22において、(a)は図5に示すSAWフィルタ10Aをそのまま2段に接続して得られたSAWフィルタ20Aの等価回路を示し、(b)はSAWフィルタ10Aを2段に接続し、各々のインダクタンスL1の外部グランド端子9に近いほうの端を相互接続し、この接続点(2段目の共通グランド端子8b)と外部グランド端子9との間にインダクタンスL2を付加して得られたSAWフィルタ20A’の等価回路を示している。尚、(b)において1段目の共通グランド端子8aは、(a)における共通グランド端子8に相当する。
【0101】
図23に、図22(b)に示すSAWフィルタ20A’を具体的に構成したSAWフィルタ80の例を示す。尚、図23では、入力側のIDT11を1つ,出力側のIDT11を2つ用いて構成したダブルモード型SAW(DMS)フィルタが2段に接続されたSAWフィルタ20A’を例に挙げる。また、図23において、(a)はSAWフィルタ80の上面図であり、(b)はそのD−D断面図である。
【0102】
図23に示すように、SAWフィルタ80は各段(それぞれのDMSフィルタ)において、入力側のIDT11のグランド電極指と出力側のIDT11のグランド電極指との伸長方向が一致するように配列されている。このような配置にすることで、入力端子83a/83bと出力端子の間の静電容量C5〜C8を圧電基板22上の小さなスペースに容易に形成することが可能となる。また、各段において、入力側のIDT11のグランド端子と出力側のIDT11のグランド端子とを、圧電基板22上で容易に共通化することができ、この共通グランド端子85a/85bと外部グランド端子(9)との間に付加するインダクタンスLを大きく取ることができる。尚、1段目及び2段目共に、共通グランド端子85a/85bからボンディングワイヤ17、ビア28,伝送線路86,ビア87及び共通グランド端子29までのうち何れか1つ以上を用いてインダクタンスL1を形成することが可能である。この際、インダクタンスL1の値の調整は、各段のボンディングワイヤ17を複数(例えば3本ずつ)並列に接続することでも達成できる。
【0103】
また、本実施形態では、双方のインダクタンスL1の接続点からビア31,伝送線路32,ビア33,及びキャスタレーション35を経て、外部グランド端子(グランドフットパターン34)に接続した構成を有する。この経路が図22(b)に示すインダクタンスL2に相当する。
【0104】
次に、以上のように構成したSAWフィルタ80のフィルタ特性を図24に示す。尚、比較のために、インダクタンスL2を付加していないSAWフィルタ(図22(a)に相当:これを81とする)のフィルタ特性も示す。図24を参照すると明らかなように、本発明によるDMSフィルタを2段縦続接続したことで、通過帯域外の抑圧度が大幅に改善していることがわかる。また、図22(b)に示すようにL2を付加することで、通過帯域より低周波側の抑圧度を更に改善することが可能となる。また、他の構成は、上述した各実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0105】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態は、上述した各実施形態によるSAWフィルタを用いてアンテナ分波器を作製した場合についての例である。図25に、本実施形態によるアンテナ分波器90の回路図を示す。
【0106】
図25に示すように、本実施形態によるアンテナ分波器90は、送信用フィルタ91と受信用フィルタ92とを有し、これらの入力インピーダンスをマッチングするための整合回路93が互いの共通端子(アンテナ端子:Ant)に設けられた構成を有している。
【0107】
この構成において、送信用フィルタ91は例えば複数のIDT11が梯子型に接続されたラダー型フィルタで構成される。また、受信用フィルタ92は例えば図22(b)で示した第4の実施形態によるSAWフィルタ20A’で構成される。
【0108】
以上のように構成したアンテナ分波器90の周波数特性を図26に示す。図26を参照すると明らかなように、本発明による非常に高い帯域外抑圧度を持つSAWフィルタ(20A’)を用いて受信用フィルタ92を作製することにより、送信信号と受信信号とを確実に分離することができる。また、他の構成は上述した各実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0109】
〔第6の実施形態〕
また本発明では、上述で説明したSAWフィルタの入力インピーダンスをN倍、すなわちIDT11の開口長を1/NとしたSAWフィルタをN個、電気的に並列に接続することで、電極指抵抗を1/N2に低減するように構成することも可能である。以下、これを第6の実施形態として図面を用いて詳細に説明する。
【0110】
図27は、本実施形態によるSAWフィルタ80Aの構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのE−E断面図である。尚、本実施形態では、第4の実施形態によるSAWフィルタ80におけるIDT11の開口長を1/Nとし、これを2段に縦続接続し、更にこれを2段に並列接続した場合を例に挙げる。
【0111】
図27に示すように、SAWフィルタ80Aは各段(それぞれのDMSフィルタ)において、入力側のIDT11のグランド電極指と出力側のIDT11のグランド電極指の伸長方向が一致するように配列されている。このような配置にすることで、入力端子83A/83B及び83C/83Dと出力端子の間の静電容量C5a〜C8a,C5b〜C8bを圧電基板22上の小さなスペースに容易に形成することが可能となる。また、各段において、入力側のIDT11のグランド端子と出力側のIDT11のグランド端子とを、圧電基板22上で容易に共通化することができ、この共通グランド端子85A/85Bと外部グランド端子(9)との間に付加するインダクタンスLを大きく取ることができる。尚、縦続接続における1段目及び2段目並びに並列接続における1段目及び2段目共に、共通グランド端子85A又は85Bからボンディングワイヤ17、ビア28,伝送線路86,ビア87及び共通グランド端子29までのうち何れか1つ以上を用いてインダクタンスL1を形成することが可能である。この際、インダクタンスL1の値の調整は、各段のボンディングワイヤ17を複数(例えば2本ずつ)並列に接続することでも達成できる。
【0112】
また、本実施形態では、双方のインダクタンスL1の接続点からビア31,伝送線路32,ビア33,及びキャスタレーション35を経て、外部グランド端子(グランドフットパターン34)に接続した構成を有する。この経路が図22(b)に示すインダクタンスL2に相当する。
【0113】
次に、以上のように構成したSAWフィルタ80Aによれば、第4の実施形態による効果に加えて、電極指抵抗が低減されているため、低損失なフィルタ特性を得ることが可能となる。また、1段当たりに付加する静電容量Cの値は並列接続しないときと同じであるので、上述した構成のように2個並列接続した場合で、1個のフィルタに付加する静電容量Cの値を半分とすることができる。尚、他の構成は、上述した各実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0114】
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態として、圧電基板22上に形成するIDT11,入力端子13及び出力端子14の他の構成例を、以下に図面を用いて詳細に説明する。
【0115】
図28は、本実施形態による圧電基板22上に形成されたIDT(入力IDT11a及び出力IDT11bを含む),入力端子13a及び出力端子14aの構成を示す上面図である。図28に示すように、本実施形態では、入力IDT11aに入力信号を供給する入力端子13aと、出力IDT11bから出力信号を受ける出力端子14aとが同じ方向から引き出された構成を有する。且つ、本実施形態では、入力IDT11aの信号電極指が接続されている入力バスバー11Aと、出力IDT11bの信号電極指が接続されている出力バスバー11Bとの間で静電容量Cが形成されている。このような構成にすることで、極めて小さなスペースに、精度よく静電容量Cを形成することができ、SAWフィルタを小型化することができる。
【0116】
また、入力端子13a及び出力端子14aが設けられた側と反対側の電極指には、共通化されたグランド端子(共通グランド端子8A)が設けられ、これに上述した各実施形態で示すような構成によりインダクタンスLを付加することで、本発明による基本原理を用いたSAWフィルタを作製することが可能となる。尚、他の構成は上記した各実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0117】
〔他の実施形態〕
以上、説明した実施形態は本発明の好適な一実施形態にすぎず、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変形して実施可能である。
【0118】
また、上記で例に挙げたシミュレーションでは、1.9GHz帯のSAWフィルタを例に挙げたが、本発明はこの周波数帯域に限定されるものでなく、目的に応じて適当な周波数帯域を選択して実施することが可能である。
【0119】
更に、上記した各実施形態では、ボンディングワイヤ(17)を用いてSAW素子をパッケージに実装した構成を例に挙げていたが、本発明はこれに限定されず、例えばSAW素子をフェイスダウン状態でパッケージのダイアタッチ面にフリップチップ実装した構成とすることも可能である。この構成の場合、上記したボンディングワイヤ以外のグランドフットパッドに至るまでの経路(伝送線路、ビア、キャスタレーション)をインダクタンスLとして利用することになる。例えば、ダイアタッチ面上にスネーク状の線路を形成することでインダクタンスを得ることもできる。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通過帯域以外の抑圧度が高周波側と低周波側とで共に向上された弾性表面波フィルタ及びそれを有する分波器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はキャパシタンス素子を付加していない従来によるSAWフィルタ100の等価回路を示す図であり、(b)は従来技術1によるSAWフィルタ素子200の等価回路を示す図である。
【図2】SAWフィルタ100とSAWフィルタ200との通過特性を比較するためのグラフである。
【図3】従来技術2によるSAWフィルタ300の等価回路を示す図である。
【図4】SAWフィルタ100とSAWフィルタ300との通過特性を比較するためのグラフである。
【図5】本発明の基本構成によるSAWフィルタ10Aの等価回路を示す図である。
【図6】SAWフィルタ100の2端子対回路と直列キャパシタンスの2端子対回路とが並列接続された構成を示す等価回路である。
【図7】SAWフィルタ100に静電容量Cを付加した場合と付加していない場合とのy21の実部と虚部との周波数特性及び通過特性の計算例を示すグラフである。
【図8】SAWフィルタ10Aを2端子対回路でモデル化した際の等価回路を示す図である。
【図9】SAWフィルタ200にインダクタンスLを付加した場合と付加していない場合とのz21の実部と虚部との周波数特性及び通過特性の計算例を示すグラフである。
【図10】従来の技術によるSAWフィルタ100,200,300のフィルタ特性と本発明によるSAWフィルタ10Aのフィルタ特性とをまとめたグラフである。
【図11】本発明の基本原理を説明するにあたり例として挙げた3個の共振周波数を持つSAWフィルタ10Bと10Cの電気的等価回路を示す図である。
【図12】図11(b)に示すSAWフィルタ10Cの入力端子と出力端子との間に静電容量Cが付加されたものと付加されていないものとのy21の実部Re[y21(s)],虚部Im[y21(s)],及び通過特性の変化を計算した結果を示すグラフである。
【図13】図11(b)に示すSAWフィルタ10Cの入力端子と出力端子との間に静電容量Cが付加されているものに更にグランド端子にインダクタンスLを付加した場合と付加しない場合とのz21の実部Re[z21(s)],虚部Im[z21(s)],及び通過特性の変化を、図11(b)に示すの等価回路を用いて計算した結果を示すグラフである。
【図14】本発明の基本原理において最も周波数の低い共振と最も周波数の高い共振とが同相共振である条件を満足するために必要な構造的条件を説明するための図である。
【図15】本発明による抑圧度改善効果を得るための電極指配列を実験的に検証した結果を示すグラフである。
【図16】図14に示す「S−G」配列、「G−G」配列、「S−S」配列の変形例を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施形態によるSAWフィルタ20の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのB−B断面図である。
【図18】本発明の第1の実施形態によるSAWフィルタ20のフィルタ特性と従来の静電容量Cのみが付加され、インダクタンスLが付加されていないSAWフィルタ200のフィルタ特性とを比較するためのグラフである。
【図19】本発明の第2の実施形態によるSAWフィルタ40の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのA−A断面図である。
【図20】本発明の第3の実施形態によるSAWフィルタ60の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのC−C断面図である。
【図21】本発明の第3の実施形態によるSAWフィルタ60の変形例(SAWフィルタ60’)を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのC−C断面図である。
【図22】本発明の第4の実施形態によるSAWフィルタ20A,20A’の回路図を示す図である。
【図23】図22(b)に示すSAWフィルタ20A’を具体的に構成したSAWフィルタ80の構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのD−D断面図である。
【図24】本発明の第4の実施形態によるSAWフィルタ80のフィルタ特性を示すグラフである。
【図25】本発明の第5の実施形態によるアンテナ分波器90の回路図を示す図である。
【図26】本発明の第5の実施形態によるアンテナ分波器90の周波数特性を示すグラフである。
【図27】本発明の第6の実施形態によるSAWフィルタ80Aの構成を示す図であり、(a)はその上面図であり、(b)はそのE−E断面図である。
【図28】本発明の第7の実施形態による圧電基板22上に形成されたIDT(入力IDT11a及び出力IDT11bを含む),入力端子13a及び出力端子14aの構成を示す上面図である。
【符号の説明】
4 入力端子
5 出力端子
6 入力グランド端子
7 出力グランド端子
8、8a、8b、29,45,65,85A,85a,85B,85b, 共通グランド端子
9 外部グランド端子
10A、10B、10C、20、20A、20A’、40,60,80,80A,81 SAWフィルタ
10b 理想変圧器
11、11a、11b IDT
11A 入力バスバー
11B 出力バスバー
12 反射器
13、13a、43,63,83A,83a,83B,83b,83C,83D 入力端子
14、14a、44,64 出力端子
15、16 グランド端子
17 ボンディングワイヤ
21 パッケージ
22 圧電基板
24 入力パッド
25 出力パッド
26 出力グランドパッド
27 入力グランドパッド
28、31、33、48,49,66,87 ビア
32、46,47,67,86 伝送線路
34 グランドフットパターン
35 キャスタレーション
36 入力フットパターン
37 出力フットパターン
90 アンテナ分波器
91 送信用フィルタ
92 受信用フィルタ
93 整合回路
C、C1、C2、C3、C3’、C4、C4’、C5、C5a、C5b、C6、C6a、C6b、C7、C7a、C7b、C8、C8a、C8b、 静電容量
L、L1、L2、L3 インダクタンス
fr1、fr2、fr3 共振周波数

Claims (18)

  1. 圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、
    前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、
    前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、
    更に弾性表面波フィルタは共振周波数を奇数有し、
    前記共振周波数のうち最も低い共振周波数と最も高い共振周波数とにおける通過位相が共にほぼ0度であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  2. 圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、
    前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、
    前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、
    更に弾性表面波フィルタは共振周波数を奇数有し、
    前記共振周波数のうち低い方から数えて偶数番目の共振周波数における通過位相がほぼ180度であることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  3. 請求項1又は2記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極又は前記出力側の櫛形電極を複数有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  4. 請求項1又は2記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極及び前記出力側の櫛形電極を複数有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記静電容量は前記圧電基板上に形成されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記第1の共通グランド端子は前記圧電基板上に形成されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極における前記グランド端子と接続された電極指の伸長方向と、前記出力側の櫛形電極における前記グランド端子と接続された電極指の伸長方向とが等しいことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  8. 請求項1から6の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力端子と前記出力端子とが同じ側に引き出されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記静電容量は前記入力側の櫛形電極における入力バスバーと前記出力側の櫛形電極における出力バスバーとの間で形成されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記圧電基板を収納するパッケージを有し、
    前記インダクタンスは、前記パッケージ内に設けられた伝送線路と,該パッケージ内に設けられたビアと,該パッケージに設けられたキャスタレーションと,前記第1の共通グランド端子と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤとのうち少なくとも1つが有するインダクタンスを含んで形成されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタが複数個縦続接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  12. 請求項11記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記弾性表面波フィルタの各段の前記第1の共通グランド端子を共通化する第2の共通グランド端子を有し、
    前記インダクタンスは、前記第1の共通グランド端子と前記第2の共通グランド端子との間及び前記第2の共通グランド端子と前記グランドとの間に付加されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  13. 請求項12記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記圧電基板を収納するパッケージを有し、
    前記インダクタンスは、前記パッケージ内に設けられた伝送線路と,該パッケージ内に設けられたビアと,該パッケージに設けられたキャスタレーションと,前記第1の共通グランド端子と前記パッケージとを電気的に接続するワイヤとのうち少なくとも1つが有するインダクタンスを含んで形成されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタが複数個並列接続されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  15. 請求項1から14の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極を1つ有し、
    前記入力側の櫛形電極の弾性表面波の伝搬方向に沿った両側に前記出力側の櫛形電極を1つずつ有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
  16. 圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、
    前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、
    前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、
    前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指とが共に、グランド電極指又は信号電極指であり、
    前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との電極中心間距離Dが、弾性表面波の中心波長をλとし、nを0以上の整数とすると、以下の式1を満足することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
    Figure 0003963862
  17. 圧電基板上に形成された入力側の櫛形電極と出力側の櫛形電極とを有する弾性表面波フィルタにおいて、
    前記入力側の櫛形電極の入力端子と前記出力側の櫛形電極の出力端子との間に付加された静電容量と、
    前記入力側の櫛形電極のグランド端子と前記出力側の櫛形電極のグランド端子とを共通化する第1の共通グランド端子と、
    前記第1の共通グランド端子にグランドとの間に付加されたインダクタンスとを有し、
    前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との何れか一方がグランド電極指であり且つ他方が信号電極指であり、
    前記入力側の櫛形電極における前記出力側の櫛形電極に最も近い電極指と、前記出力側の櫛形電極における前記入力側の櫛形電極に最も近い電極指との電極中心間距離Dが、弾性表面波の中心波長をλとし、nを0以上の整数とすると、以下の式2を満足することを特徴とする弾性表面波フィルタ。
    Figure 0003963862
  18. 請求項1から17の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタを有することを特徴とする分波器。
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