JP3935614B2 - 冷暖房装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷暖房ユニットへ冷温水を供給して室内を冷暖房する冷暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すように、室内に配設された複数の冷暖房ユニット11A、11B、11C…へ熱源機12から冷温水を導いて、上記室内を冷暖房する従来の冷暖房装置10が、実開昭63−137211号公報に掲載されている。
【0003】
この冷暖房装置10では、それぞれの冷暖房ユニット11A、11B、11C…が熱源機12に、一組の往き配管13と戻り配管14とによって個別に接続されて、熱源機12に対し並列に配設されている。これらの往き配管13及び戻り配管14により、熱源機12から冷暖房ユニット11A、11B、11C…へ冷温水が循環して供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述のように、複数の冷暖房ユニット11A、11B、11C…が一組の往き配管13及び戻り配管14を介して熱源機12に個別に接続されているので、冷暖房ユニット11A、11B、11C…の数が増加するに従って配管長が増大し、配管本数も増加してしまう。このため、配管施工工事が煩雑化し、配管施工コストが上昇してしまう。
【0005】
本発明の課題は、上述の事情を考慮してなされたものであり、熱源機から冷暖房ユニットへ冷温水を導く配管の配管長を低減し、配管材料等を減少させて、配管施工コストを低減できる冷暖房装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、室内に配設された複数の冷暖房ユニットへ熱源機から配管を介して冷温水を導き、上記室内を冷暖房する冷暖房装置において、上記配管は、上記熱源機に接続されてこの熱源機からの冷温水を循環させる単一の主配管と、この主配管に接続されると共に継手部材を介し当該熱源機に対して直列に配設された上記冷暖房ユニットに接続されて、上記主配管から上記冷暖房ユニットへ冷温水を給排する一組の分配配管とを備えてなり、上記継手部材は、上記室内の床上に配置されるとともに、上記一組の分配配管を連通可能とするバイパス流路を有し、このバイパス流路に冷温水の流量を変更可能な弁機構を備え、上記熱源機に近い冷暖房ユニットに対応する継手部材ほど、上記弁機構の開度を大きく設定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記継手部材は、主配管及び分配配管の施工後に、冷暖房ユニットを一組の分配配管に取付可能に構成されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に記載の発明には、次に作用がある。
複数の冷暖房ユニットは、熱源機に接続された主配管に分配配管を介して接続され、熱源機に対し直列に配設されたことから、複数の冷暖房ユニットが一組の配管を介し熱源機に個別に接続されて、熱源機に対し並列に配設される場合に比べ、配管長を短縮でき、しかも配管材料及び断熱材等を減少できるので、配管施工工事を容易化できると共に、配管施工コストを低減できる。
【0009】
また、冷暖房ユニットを分配配管に接続する継手部材には、冷温水の流量を変更可能な弁機構を備えたバイパス流路を有することから、熱源機に近い冷暖房ユニットに対応する継手部材ほど、その弁機構の開度を大とすれば、当該継手部材から対応する冷暖房ユニットへ導く冷温水の流量を減少させることができる。この結果、複数の冷暖房ユニットの冷暖房能力を略均等化でき、室内の冷暖房温度のムラを解消できる。
更に、継手部材が室内の床上に配置されたことから、この継手部材の弁機構における弁開度を室内において容易に調整できる。
請求項2に記載の発明には、次に作用がある。
【0010】
継手部材が、主配管及び分配配管の施工後に、冷暖房ユニットを一組の分配配管に取付可能に構成されたことから、主配管及び分配配管の施工工事、並びに室内の床工事の終了後に冷暖房ユニットを設置できるので、冷暖房ユニットの設置作業を容易化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る冷暖房装置の一実施の形態である暖房装置の全体構成を示す系統図である。
【0013】
この図1に示す冷暖房装置としての暖房装置20は、熱源機21から冷温水としての温水を、室内27(図2)に設置された冷暖房ユニットとしての複数台の放熱器22A、22B、22C…へ、主配管23並びに一組の往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bを介して供給して、室内27を暖房するものである。
【0014】
上記主配管23は、熱源機21に接続される単一配管であり、熱源機21からの温水を循環させる。
【0015】
上記往き側分配配管24A、戻り側分配配管24Bは、主配管23に例えばエルボ25(図2)等の管継手を用いて接続されるとともに、放熱器22A、22B、22C…に継手部材26を介して接続される。往き側分配配管24Aが、主配管23からの温水を放熱器22A、22B、22C…側へ流し、戻り側分配配管24Bが放熱器22A、22B、22C…からの温水を熱源機21へ戻す。複数台の放熱器22A、22B、22C…は、往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24B並びに主配管23を用いて熱源機21に対し直列に配設される。
【0016】
上記継手部材26は、図2に示すように、室内27の床28上に配置され、継手本体29、2個のジョイントピース30及び50、4個の袋ナット31、並びに弁機構としての流量調整弁32を有してなる。
【0017】
上記継手本体29は、図3に示すように正面視H形状であり、2本の主配管部33及び53とバイパス管路部34とが一体成形されたものである。2本の主配管部33及び53の内側に形成されたメイン流路35が、バイパス管路部34の内側に形成されたバイパス流路36により連結される。
【0018】
主配管部33、53のそれぞれの一端部の外周に雄ねじ33A、53Aが刻設され、主配管部33、53のそれぞれの他端部の外周に雄ねじ33B、53Bがそれぞれ刻設される。主配管部33の雄ねじ33A、主管路部53の雄ねじ53Aは、それぞれ往き側分配配管24A、戻り側分配配管24Bに回転自在に嵌合された袋ナット31に螺合可能に設けられて、継手本体29を往き側分配配管24A、及び戻り側分配配管24Bに結合する。
【0019】
上記ジョイントピース30及び50は、一端側にフランジ部37を備え、内側にサブ流路38が形成される。また、ジョイントピース30、50のそれぞれの他端側の外周に雄ねじ30A、雄ねじ50Aが刻設される。各ジョイントピース30、50のフランジ部37に袋ナット31が回転自在に遊嵌され、これらのフランジ部37は、継手本体29における主配管部33の雄ねじ33B、主管路部53の雄ねじ53Bに螺合可能とされて、継手本体29とジョイントピース30、50とを連結する。
【0020】
また、ジョイントピース30の雄ねじ30A、ジョイントピース50の雄ねじ50Aは、放熱器22A、22B、22C…の接続部39に刻設された往き側雌ねじ39A、戻り側雌ねじ39Bにそれぞれ螺合可能に設けられる。なお、放熱器22A、22B、22C…の接続部39には、放熱器22A、22B、22C…への温水の流れを許容又は遮断して、放熱器22A、22B、22C…を運転又は停止させる運転制御弁40が配設されている。
【0021】
上記流量調整弁32は、円柱形状で、直径方向に貫通する貫通孔41を備え、継手本体29のバイパス管路部34に、図3の紙面に垂直な軸を中心に回転可能に設けられる。この流量調整弁32は、貫通孔41がバイパス管路部34の軸心と直交する図3に示す位置においてバイパス流路36を遮断して全閉状態とし、この位置から90°回転して、貫通孔41がバイパス管路部34の軸心と平行する位置においてバイパス流路36を全開状態とする。流量調整弁32は、全開位置から全閉位置までの各開度位置において、バイパス流路36を流れる温水の流量を調整可能とする。図2における符号42が、流量調整弁32の開度調整用の操作部を示す。なお、図3中の符号43は、漏洩防止用のOリングである。
上述のように構成された継手部材26は、主配管23並びに往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bの施工工事終了後に、放熱器22A、22B、22C…を往き側分配配管24A、戻り側分配配管24Bに取付可能とする。
【0022】
つまり、まず、継手本体29の主配管部33の雄ねじ33Aを、往き側分配配管24Aに遊嵌された袋ナット31(図2)に螺合させ、継手本体29の主管路部53の雄ねじ53Aを、戻り側分配配管24Bに遊嵌された袋ナット31(図2)に螺合させる。次に、ジョイントピース30の雄ねじ30Aを放熱器22A、22B、22C…の接続部39における往き側雌ねじ39Aに螺合させ、ジョイントピース50の雄ねじ50Aを上記接続部39の戻り側雌ねじ39Bに螺合させる。最後に、ジョイントピース30に遊嵌された袋ナット31を継手本体29における主配管部33の雄ねじ33Bに螺合させ、ジョイントピース50に遊嵌された袋ナット31を継手本体29における主管路部53の雄ねじ53Bに螺合させて、往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bに放熱器22A、22B、22C…を接続させる。
【0023】
こうして、往き側分配配管24A内の温水が、継手本体29における主配管部33のメイン流路35及びジョイントピース30のサブ流路38を経て放熱器22A、22B、22C…内へ供給可能とされ、放熱器22A、22B、22C…からの温水が、継手本体29におけるジョイントピース50のサブ流路38及び主管路部53のメイン流路35を経て戻り側分配配管24B内へ排出される。
【0024】
また、継手本体29における流量調整弁32の全開操作時には、往き側分配配管24A内の温水が、放熱器22A、22B、22C…へ供給されることなく、継手本体29のバイパス流路36を経て戻り側分配配管24B内へ送流可能とされる。通常の運用では、熱源機21に近い放熱器22A、22B、22C…に対応する継手本体29ほど、その流量調整弁32の開度を大として、当該放熱器22A、22B、22C…へ導かれる温水の量を減少させる。
【0025】
従って、上記実施の形態の暖房装置20によれば、次の効果▲1▼〜▲4▼を奏する。
【0026】
▲1▼複数の放熱器22A、22B、22C…は、熱源機21に接続された主配管23に、往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bを介して継手部材26により接続され、熱源機21に対し直列に配設されたことから、従来技術の如く、複数の冷暖房ユニット11A、11B、11C…が一組の往き配管13及び戻り配管14を介し熱源機12に個別に接続されて、この熱源機12に対し並列に配設される場合に比べ、配管長を短縮でき、しかも配管材料及び断熱材を減少できるので、配管施工工事を容易化できるとともに、配管施工コストを低減できる。さらに、配管長を短縮できるので、水漏れなどの不具合を解消できる。
▲2▼放熱器22A、22B、22C…を往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bに接続する継手部材26には、温水の流量を変更可能な流量調整弁32を備えたバイパス管路部34を有することから、熱源機21に近い放熱器22A、22B、22C…に対応する継手部材26ほど、その流量調整弁32の開度を大とすれば、当該継手部材26から、対応する放熱器22A、22B、22C…へ供給する温水の量を減少させることができる。この結果、複数の放熱器22A、22B、22C…の暖房能力をほぼ均等化でき、室内27の暖房温度のムラを解消できる。
【0027】
▲3▼継手部材26が室内27の床28上に配置されたことから、この継手部材26の流量調整弁32における弁開度を室内27において、操作部42を操作することにより容易に調整できる。
【0028】
▲4▼継手部材26は、主配管23並びに往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bの施工後に、放熱器22A、22B、22C…を、一組の往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bに取付可能に構成されたことから、主配管23並びに往き側分配配管24A及び戻り側分配配管24Bの施工工事、並びに室内27の床28工事の終了後に放熱器22A、22B、22C…を設置できるので、これらの放熱器22A、22B、22C…の設置作業を容易化できる。
【0029】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
例えば、熱源機21から最も遠い位置に設置された放熱器22A、22B、22C…(図1では放熱器22C)に対応する継手部材26には、流量調整弁32を設置しなくてもよい。
【0031】
また、上記実施の形態は、冷暖房ユニットが放熱器22A、22B、22C…の場合を述べたが、冷暖房ユニットへ熱源機21から温水又は冷水を供給可能とする冷暖房装置に本発明を適用してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る冷暖房装置によれば、熱源機から複数の冷暖房ユニットへ冷温水を導く配管は、上記熱源機に接続されてこの熱源機からの冷温水を循環させる単一の主配管と、この主配管に接続されると共に継手部材を介し上記冷暖房ユニットに接続されて、上記主配管から上記冷暖房ユニットへ冷温水を給排する一組の分配配管とを備えてなり、上記継手部材は、上記室内の床上に配置されるとともに、上記一組の分配配管を連通可能とするバイパス流路を有し、このバイパス流路に冷温水の流量を変更可能な弁機構を備えたことから、熱源機から冷暖房ユニットへ冷温水を導く配管の配管長を低減し、配管材料等を減少させて、配管施工コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷暖房装置の一実施の形態である暖房装置の全体構成を示す系統図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す要部拡大図である。
【図3】図2の継手部材を破断して示す分解断面図である。
【図4】従来の冷暖房装置を示す系統図である。
【符号の説明】
20 暖房装置(冷暖房装置)
21 熱源機
22A、22B、22C 放熱器(冷暖房ユニット)
23 主配管
24A 往き側分配配管
24B 戻り側分配配管
26 継手部材
27 室内
28 床
32 流量調整弁
34 バイパス管路部
36 バイパス流路

Claims (2)

  1. 室内に配設された複数の冷暖房ユニットへ熱源機から配管を介して冷温水を導き、上記室内を冷暖房する冷暖房装置において、
    上記配管は、上記熱源機に接続されてこの熱源機からの冷温水を循環させる単一の主配管と、この主配管に接続されると共に継手部材を介し当該熱源機に対して直列に配設された上記冷暖房ユニットに接続されて、上記主配管から上記冷暖房ユニットへ冷温水を給排する一組の分配配管とを備えてなり、
    上記継手部材は、上記室内の床上に配置されるとともに、上記一組の分配配管を連通可能とするバイパス流路を有し、このバイパス流路に冷温水の流量を変更可能な弁機構を備え、上記熱源機に近い冷暖房ユニットに対応する継手部材ほど、上記弁機構の開度を大きく設定したことを特徴とする冷暖房装置。
  2. 上記継手部材は、主配管及び分配配管の施工後に、冷暖房ユニットを一組の分配配管に取付可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の冷暖房装置。
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