JP3921348B2 - Multilayer ferrite parts - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層型チップビーズ、積層型インダクタなどの積層型チップフェライト部品、LC複合積層型部品を代表とする複合積層型部品に用いられる磁性フェライト材料および積層型フェライト部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層型チップフェライト部品および複合積層型部品(本明細書中では積層型フェライト部品と総称する。)は、体積が小さいこと、信頼性が高いことなどから、各種電気機器に用いられている。この積層型フェライト部品は、通常、磁性フェライトからなる磁性層用のシートまたはペーストと内部電極用のペーストとを厚膜積層技術によって積層一体化した後、焼結し、得られた焼結体表面に外部電極用のペーストを印刷または転写した後に焼き付けて製造される。なお、積層一体化した後に焼結することを同時焼結と呼んでいる。内部電極用の材料としてその低抵抗率からAgまたはAg合金が用いられているため、磁性層を構成する磁性フェライト材料としては、同時焼結が可能、換言すればAgまたはAg合金の融点以下の温度で焼結(以下、「低温焼結」ということがある)ができることが絶対条件となる。したがって、高密度、高特性の積層型フェライト部品を得るためには、AgまたはAg合金の融点以下の温度で磁性フェライトを焼結できるかが鍵となる。
【0003】
AgまたはAg合金の融点以下の温度で焼結できる磁性フェライトとしてNiCuZnフェライトが知られている。例えば、特開平8−104561号公報にはFeをFe2O3に換算して45.0〜50.0mol%、NiをNiOに換算して5.0〜10.0mol%、CuをCuOに換算して5.0〜15.0mol%、ZnをZnOに換算して25.0〜35.0mol%、MnをMn3O4に換算して0.1〜3.0mol%およびLiをLi2Oに換算して0.01〜3.0mol%を含む磁性フェライトが開示されている。また、特開平8−104562号公報には、FeをFe2O3に換算して45.0〜50.0mol%、NiをNiOに換算して15.0〜30.0mol%、CuをCuOに換算して8.0〜15.0mol%、ZnをZnOに換算して15.0〜25.0mol%、MnをMn3O4に換算して0.1〜3.0mol%およびLiをLi2Oに換算して0.01〜3.0mol%を含む磁性フェライトが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近、高密度実装に対応するために、一つの積層型フェライト部品の中に複数の内部電極を配置する例が出てきている。この複数の内部電極を配置する積層型フェライト部品は、内部電極間に電位差(電圧)が生ずるために、内部電極間に存在するフェライト材料に耐電圧性が要求されるようになってきた。ここで耐電圧性とは、フェライト部品に電圧が生じた際に、より高い電圧までフェライト材料が電圧印加による絶縁破壊に耐え得ることを示している。ところが、これまで知られている磁性フェライト材料は、このような耐電圧性についての検討がなされていなかった。また、NiCuZnフェライトが耐久性を有し長時間好適に使用しうるものであることが望ましい。
したがって本発明は、耐電圧性,耐久性に優れる磁性フェライト材料およびこれを用いた積層型フェライト部品を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は磁性フェライト材料の耐電圧性および耐久性を向上すべく検討を行なった。その結果、MnおよびCoが所定の範囲で焼結組織中に存在する場合に、優れた耐電圧性および耐久性を得ることができることを知見した。本発明は以上の知見に基づきなされたものであり、磁性フェライト層と内部電極とが交互に積層されるとともに、前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを有する積層型フェライト部品であって、前記磁性フェライト層はFe 2 O 3 :45.0〜49.8mol%,CuO:7.0〜25.0mol%,ZnO:15.0〜30.0mol%およびNiO:5.0〜45.0mol%を主成分とし、Mn:0.75wt%以下(0を含まず)およびCo:0.01〜0.6wt%を副成分として含み、組織に占めるCuの偏析が面積率で1.5〜15.0%である磁性フェライト焼結体から構成され、前記内部電極はAgまたはAg合金から構成されることを特徴とする積層型フェライト部品を提供する。
本発明の積層型フェライト部品において、組織に占めるMnの量がMn換算で0.6wt%以下(0を含まず)であることが望ましい。この範囲でMnを含むことにより、電位差の生じている導体間の磁性フェライト層1μmあたり40V以上という非常に優れた破壊電圧(Vb)を得ることができる。また本発明の積層型フェライト部品において、組織に占めるMnの量がMn換算で0.2wt%以下(0を含まず)することによって、電位差の生じている導体間の磁性フェライト層1μmあたり45V以上の非常に優れた破壊電圧(Vb)を得ることができる。
【0006】
さらに本発明の積層型フェライト部品において、その磁性フェライト層の組織に占めるCuの偏析が面積率で1.5〜15.0%である。Cuの偏析が所定の範囲で焼結組織中に存在する場合に、優れた耐電圧性を得ることができるという知見に基づくものである。なお、本発明におけるCu偏析の面積率の算出方法は、後述する実施例で採用した算出方法によって特定されるものとする。
【0007】
本発明の積層型フェライト部品は、破壊電圧が、電位差の生じている導体間の磁性フェライト層1μmあたり30V以上という優れた耐電圧性を備えている。なお、本発明における破壊電圧(Vb)は、後述する実施例で採用した破壊電圧の測定方法に基づいて特定されるものとする。また本発明の積層型フェライト部品は、品質係数(Q)が40以上という特性を備えている。なお、本発明における品質係数(Q)は、後述する実施例で採用した品質係数の測定方法によって特定されるものとする。また本発明は、各々独立した複数の内部電極を有する積層型フェライト部品に適用することが望ましい。複数の内部電極を有すると各内部電極間で電位差が生じ、絶縁破壊に至るおそれがあるからである。
【0008】
【発明の実施の形態】
はじめに、本発明における組成の限定理由を説明する。
Fe2O3の量は透磁率に大きな影響を与える。Fe2O3が45.0mol%より少ないと透磁率が小さく、フェライトとしての化学量論組成に近づくにしたがって透磁率は上昇するが、化学量論組成をピークとして急激に低下する。したがって、上限を49.8mol%とする。望ましいFe2O3の量は49.2〜49.8mol%である。
CuOは、本発明において焼結温度低減に寄与する化合物であり、7.0mol%未満ではAgの融点以下の温度域における焼結が実現できなくなる。ただし、25.0mol%を超えるとフェライトの固有抵抗が低下して品質係数Qが劣化するので7.0〜25.0mol%とする。望ましいCuO量は10.0〜20.0mol%である。
【0009】
ZnOは、その量の増加とともに透磁率μを向上させることができるが、多すぎるとキュリー温度が100℃以下となり、電子部品に要求される温度特性を満足することができなくなる。したがって、ZnO量は15.0〜30.0mol%とする。望ましいZnO量は18.0〜25.0mol%である。NiOの量は5.0〜45.0mol%、望ましいNiOの量は7.0〜35.0mol%である。
磁性フェライトの磁気特性は組成依存性が非常に強く、上記組成範囲をはずれた領域では、透磁率μや品質係数Qが低くなり、積層型フェライト部品用磁性材料として適さなくなる。
【0010】
次に、本発明による磁性フェライト材料は副成分としてMnおよびCoを含む。Mnの量はMn換算で0.75wt%以下(0を含まず)、Coの量はCo換算で0.01〜0.6wt%である。MnおよびCoがこの範囲にある場合に、耐電圧性,耐久性に優れかつ品質係数Qが向上することを知見したことによる。このような範囲でCoを含むことにより、本発明の積層型フェライト部品は磁性フェライト層1μmあたり30V以上の破壊電圧を備えるとともに、40以上の品質係数Qを得ることができる。またMn量はMn換算で0.6wt%以下(0を含まず)とすることが望ましい。Mnがこの範囲であり、かつCo量が0.01〜0 . 6wt%である場合に、電位差の生じている導体間の磁性フェライト層1μmあたり40V以上という非常に優れた破壊電圧(Vb)を得ることができる。また、Mn量をMn換算で0.2wt%以下(0を含まず)とし、かつCo量を0.01〜0.6wt%とすることにより、電位差の生じている導体間の磁性フェライト層1μmあたり45V以上という非常に優れた破壊電圧(Vb)を得ることが可能となる。ここで、「Mn換算」で、とは焼結体中に存在する形態によらず純Mnとして含有される量をいう。例えば、Mn酸化物として含有されている場合でも、Mn酸化物としての量をいうのではなく、Mn酸化物を構成するMnの量をいうものである。同様に、「Co換算」で、とは、焼結体中に存在する形態によらず純Coとして含有される量をいう。
【0011】
次に、本発明による磁性フェライト焼結体は、組織に占めるCuの偏析が面積率で1.5〜15.0%である。Cuの偏析がこの範囲にある場合に、耐電圧性および耐久性が優れていることを知見したことによる。望ましいCu偏析の面積率は5.0〜15.0%である。このようなCu偏析の組織とすることにより、本発明の積層型フェライト部品は磁性フェライト層1μmあたり30V以上の破壊電圧を備えることができ、しかも5000MΩ以上の優れた絶縁抵抗(IR)を得ることができる。
組織に占めるCuの偏析を面積率で1.5〜15.0%の範囲とするためには、いくつかの手法を採用することができるが、本発明者の検討によれば、焼結体中に含まれるMn量およびCo量を制御することによりCu偏析の量を変動させることができる。Mn量の増加に伴ってCu偏析の量は減少し、一方Co量の増加に伴ってCu偏析の量は増加する。よって、Mn量もしくはCo量の一方を制御することにより、またはMn量、Co量の両方を制御することにより、組織に占めるCuの偏析を面積率で1.5〜15.0%の範囲とすることが可能である。その場合のMn量はMn換算で0.75wt%以下(0を含まず)とすることが望ましい。Mn量が0.75wt%を超えると、Co量を増加しても本発明が要求するCu偏析の面積率を確保することが困難となる。
【0012】
本発明による磁性フェライト材料は、原料粉末を混合する混合工程と、混合された前記原料粉末を仮焼きする仮焼き工程と、前記仮焼き工程により得られた仮焼き体を粉砕して粉砕粉末を得る粉砕工程と、前記粉砕工程により得られた前記粉砕粉末を用いて成形体を得る成形工程と、前記成形工程で得られた成形体を焼結する焼結工程により得ることができる。
原料粉末として、Fe2O3粉末、CuO粉末、ZnO粉末およびNiO粉末を用意する。これらの粉末は本発明の耐電圧性に優れた磁性フェライト材料の主成分をなす粉末である。これらの主成分をなす粉末に加えて、副成分であるMnおよびCoについての原料粉末を用意する。Mnについては、Mn酸化物(例えば、Mn2O3,Mn3O4)、あるいはMn炭酸化物(例えば、MnCO3)からなる粉末が原料粉末となる。もっとも、これはあくまで一態様であって、焼結体中にMnがMn換算で0.75wt%以下(0を含まず)含有されていれば、その添加の態様は問われない。またCoについては、Co酸化物(例えば、CoO,Co3O4)、あるいはCo炭酸化物(例えば、CoCO3)からなる粉末が原料粉末として挙げられるが、これに限定されるものではなく、焼結体中にCoがCo換算で0.75wt%以下(0を含まず)含有されていればよい。
用意する各原料粉末の粒径は0.1〜10μmの範囲で適宜選択すればよい。また、用意された原料粉末は例えばボールミルを用いて湿式混合する。混合は、ボールミルの運転条件にも左右されるが、20時間程度行なえば均一な混合状態を得ることができる。
【0013】
原料粉末を混合した後、仮焼きを行なう。仮焼きの温度は850℃以下とする。すなわち、仮焼き温度が850℃を超えてしまうと仮焼き体が硬くなり、Agの融点以下の温度域での焼結を可能とする粉末の粒度分布を得ることが困難となるからである。望ましい仮焼き温度は650〜750℃である。仮焼きの時間は5〜15時間の範囲で適宜選択すればよい。
仮焼き後に仮焼き体は粉砕される。粉砕粉末の比表面積を6m2/g程度以上とすることがAgの融点以下の温度域での焼結にとって重要である。このような微細な粉末を得るためには粉砕条件を制御すればよいが、特に条件を制御することなく粉砕した粉末からこのような粒度分布の粉末を採集することもできる。ボールミルを用いた場合、粉砕は60〜80時間程度必要である。
以上で得られた粉砕粉末にバインダ等を添加した後に所定の形状に成形し、しかる後に焼結に供される。
【0014】
次に、本発明の積層型フェライト部品について積層型チップインダクタアレイ1を例にして説明する。図1〜図3は積層型チップインダクタアレイ1を示す図であり、図1はその平面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。図1〜図3に示すように、積層型チップインダクタアレイ1は、磁性フェライト層2および内部電極3とが交互に積層された多層構造のチップ体5と、このチップ体5の両端部に内部電極3と引出し電極4を介して電気的に導通するように配置した外部電極6とから構成される。積層型チップインダクタアレイ1は、1つのチップ体5内に、4つの独立した内部電極3を備えている。このように複数の内部電極3を有すると、使用時に隣接する内部電極3間に電位差が生じることになるから、耐電圧性が要求されることになる。つまり、各々独立した複数の内部電極3を有する積層型フェライト部品について本発明を適用すると、その効果を十分に享受することができる。
磁性フェライト層2に本発明による磁性フェライト材料を用いる。つまり、所定組成の磁性フェライト粉末を、バインダおよび溶剤とともに混練して磁性フェライト層2形成用のペーストを得る。このペーストと内部電極3および引出し電極4形成用のペースト、とを交互に印刷、積層した後に焼結して一体のチップ体5を得る。
前記バインダとしては、エチルセルロース、アクリル樹脂、ブチラール樹脂等の公知のバインダを用いることができる。また、溶剤も、ターピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等の公知の溶剤を用いることができる。バインダおよび溶剤の添加量には制限はない。ただし、バインダについては1〜5質量部、溶剤については10〜50質量部の範囲とすることが推奨される。
バインダおよび溶剤の他に、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10質量部以下の範囲で添加することもできる。分散剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを添加することができる。また、可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルフタリルグリコール酸ブチルを添加することができる。
【0015】
磁性フェライト層2は、磁性フェライト層用シートを用いて形成することもできる。すなわち、本発明による所定組成の粉末を、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダと、トルエン、キシレン等の溶媒とともにボールミル中で混練してスラリを得る。このスラリを、ポリエステルフィルム等のフィルム上に、例えばドクターブレード法により塗布、乾燥して磁性フェライト層用シートを得ることができる。この磁性フェライト層用シートを、内部電極3用のペーストと交互に積層した後に、焼結すれば多層構造のチップ体5を得ることができる。なお、バインダの量に制限はないが、1〜5質量部の範囲とすることが推奨される。また、分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等を10質量部以下の範囲で添加することもできる。
【0016】
内部電極3は、インダクタとして実用的な品質係数Qを得るために抵抗率の小さいAgまたはAg合金、例えばAg−Pd合金を用いることが望ましい。しかし、これに限るものではなく、Cu、Pdまたはこれらの合金を用いることもできる。内部電極3を得るためのペーストは、AgまたはAg合金の粉末、若しくはこれらの酸化物粉末と、バインダおよび溶剤とを混合、混練して得ることができる。バインダおよび溶剤としては、前記磁性フェライト層2を形成するためのペーストに用いられていたものと同様のものを適用することができる。内部電極3は、各層が長円形状をなし、厚さ方向に隣接する内部電極3の各層はスパイラル状になって導通が確保されるので、閉磁路コイル(巻線パターン)を構成する。
外部電極6の材質としては、Ag、Ni、Cu、Ag−Pd合金といった公知の材料を用いることができる。外部電極6は、これら材料を印刷法、メッキ法、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等の各種の方法により形成することができる。
【0017】
積層型チップインダクタアレイ1のチップ体5の寸法には特に制限はない。用途に応じて適宜設定することができる。一般的には、外形はほぼ直方体形状であり、寸法としては1.0〜4.5mm×0.5〜3.2mm×0.6〜1.9mmの範囲のものが多い。また、磁性フェライト層2の電極間厚さおよびベース厚さにも特に制限はなく、電極間厚さとしては10〜100μm、ベース厚さとしては250〜500μm程度で設定できる。さらに内部電極3自体の厚さとしては、通常、5〜30μmの範囲で設定でき、また、巻線パターンのピッチは10〜100μm、巻数は1.5〜20.5ターン程度とすることができる。
【0018】
磁性フェライト層2用のペーストまたはシートと内部電極3用のペーストとを交互に積層した後の焼結温度は、940℃以下とする。940℃を超えると、磁性フェライト層2中に内部電極3を構成する材料が拡散して、磁気特性を著しく低下させるおそれがあるからである。本発明の磁性フェライトが低温焼結に適しているとはいえ、800℃未満の温度では焼結が不十分となる。したがって、焼結は800℃以上とすることが望ましい。望ましい焼結温度は820〜930℃、さらに望ましくは875〜920℃である。なお、焼結時間は、0.05〜5時間、望ましくは0.1〜3時間の範囲で設定すればよい。
【0019】
次に、LC複合積層型部品の一実施形態であるLC複合部品について説明する。図4はLC複合部品11の概略断面図である。図4に示すように、LC複合部品11は、チップコンデンサ部12とチップフェライト部13とを一体化したものである。
チップコンデンサ部12は、セラミックス誘電体層21と内部電極22とが交互に積層一体化された多層積層構造を有する。この内部電極22間に電位差が生じ、絶縁破壊を起こすおそれがある。セラミックス誘電体層21の材質に制限はなく、従来公知の種々の誘電体材料を用いることができる。本発明においては、焼結温度の低い酸化チタン系誘電体が望ましいが、チタン酸系複合酸化物、ジルコン酸系複合酸化物、あるいはこれらの混合物を用いることができる。さらに焼結温度を下げるために、ホウケイ酸ガラス等の各種ガラスを添加してもよい。内部電極22としては、先に説明した積層型チップインダクタアレイ1の内部電極3と同様の材料を用いることができる。各内部電極22は、交互に別の外部電極15に電気的に接続されている。
【0020】
チップフェライト部13は、磁性フェライト層32と電極層33とが交互に積層した積層型チップインダクタから構成されている。この基本構成は先に説明した積層型チップインダクタアレイ1と同様である。したがって、ここでの詳細な説明は省略する。
LC複合部品11の寸法に制限がないことは先に説明した積層型チップインダクタアレイ1と同様である。したがって、用途に応じて適宜設定することができる。通常、ほぼ直方体の外形を有し、1.6〜10.0mm×0.8〜15.0mm×1.0〜5.0mm程度の寸法を有している。
【0021】
[実施例]
以下本発明を具体的実施例に基づき説明する。本実施例は、Fe2O3,CuO,ZnOおよびNiOを主成分とし、副成分のMn3O4およびCoOを変動させ、6パターン(実施例a〜e、比較例1)の実験を試みた。なお、Mn3O4についてはMnに換算されたwt%として表示されており、同様にCoOについてはCoに換算されたwt%として表示されている。
<実施例a(試料No.1〜6)>
Mn3O4を0.070wt%に固定し、CoOを0.006〜1.020wt%まで変動させた(CoO:0.006wt%,0.103wt%,0.200wt%,0.488wt%,0.700wt%,1.020wt%)。
<実施例b(試料No.7〜12)>
Mn3O4を0.168wt%に固定した(CoOの変動量は実施例aと同一)。
<実施例c(試料No.13〜18)>
Mn3O4を0.357wt%に固定した(CoOの変動量は実施例aと同一)。
<実施例d(試料No.19〜24)>
Mn3O4を0.544wt%に固定した(CoOの変動量は実施例aと同一)。
<実施例e(試料No.25〜30)>
Mn3O4を0.732wt%に固定した(CoOの変動量は実施例aと同一)。
<比較例1(試料No.31〜36)>
Mn3O4を1.028wt%に固定した(CoOの変動量は実施例aと同一)。
【0022】
実施例a〜eおよび比較例1の実験結果を以下に示す。
<実施例a>
下記の混合〜粉砕条件にしたがって表1に示す6種類の粉砕粉末を得た。表1中、Fe2O3,CuO,ZnOおよびNiOが主成分をなし、Mn3O4およびCoOが副成分をなす。粉砕粉末の粒度分布のピーク位置は0.6μmである。これら粉末を用いて以下に示す条件により積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表2に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線a)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線a)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線a)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線a)にそれぞれ示す。
【0023】
[混合〜粉砕条件]
混合および粉砕用ポット:ステンレスボールミルポット
混合および粉砕用メディア:スチールボール
混合時間:16時間
仮焼き条件:700℃×10時間
粉砕時間:72時間
[積層型コンデンサの仕様]
表1の組成を有する各粉末100質量部に対して、エチルセルロース2.5質量部、ターピネオール40質量部を加え、3本ロールにて混練して磁性フェライト層用ペーストを調整した。一方、平均粒径0.8μmのAg100質量部に対して、エチルセルロース2.5質量部、ターピネオール40質量部を加え、3本ロールにて混練して内部電極用ペーストを得た。前記磁性フェライト層用ペーストと前記内部電極用ペーストとを交互に印刷積層した後、890℃で2時間の焼結を行なって積層型チップコンデンサ41を得た。図5および図6に積層型チップコンデンサ41を示す。なお、図5は積層型チップコンデンサ41の側断面図、図6は図5のC−C断面図である。図5および図6に示すように、積層型チップコンデンサ41は、磁性フェライト層42および内部電極43とが交互に積層された多層構造のチップ体44と、このチップ体44の両端部に内部電極43と電気的に導通するように配置した外部電極45とから構成される。この積層型チップコンデンサ41の寸法は、3.2mm×1.6mm×1.1mmであり、内部電極43の層数は4層とし積層方向に隣接する内部電極43間の磁性フェライト層42の厚さd(図6参照)を60μmとした。外部電極45はAgを600℃で焼き付けて形成した。
【0024】
[破壊電圧(VB)]
作製した積層型チップコンデンサ41に、多摩電測(株)製の自動昇圧破壊試験機(THK−2011ADMP)を用いて、100V/sec.の速度で電圧を印加しつづけ、積層型チップコンデンサ41が絶縁破壊される電圧を測定した。
[絶縁抵抗(IR)]
作製した積層型チップコンデンサ41の絶縁抵抗(IR)を、ヒューレットパッカード(株)製の抵抗測定器(HP4329A)を用い、10Vの電圧を1分15秒間印加して測定した。
[透磁率(μ)、品質係数(Q)]
表1に示す6種類の粉砕粉末を用いてトロイダル形状の焼結体試料を作製した。この試料に銅製ワイヤ(線径0.35mm)を20ターン巻き、測定周波数100kHz、測定電流0.2mAでLCRメータ(ヒューレットパッカード(株)製のHP4192A)を用いてインダクタンスを測定した。そして、下記の式を用いて透磁率(μ)を求めた。また、品質係数(Q)については、複素透磁率の実数μ'および虚数μ"を求め、Q(品質係数)=μ'/μ"により算出した。
透磁率μ=(le×L)/(μ0×Ae×N2)
le:磁路長 L:試料のインダクタンス
μ0:真空の透磁率=4π×10-7(H/m) Ae:試料の断面積
N:コイルの巻数
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
表2および図7曲線aにおいて、焼結体中に占めるCo換算でのCoの量(以下、Co量)が0.006wt%の場合(No.1)の破壊電圧(VB)は1.81kVであり良好な値を示している。Co量が0.103wt%(No.2)になると破壊電圧(VB)は2.96kVまで向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.3)には破壊電圧(VB)は更に向上して3.01kVとなる。この値をピークとして次第に破壊電圧(VB)は低下するものの、Co量が0.488wt%の場合(No.4)の破壊電圧(VB)は2.83kV、Co量が0.700wt%の場合(No.5)においても破壊電圧(VB)は2.66kVと良好な値を示している。ところが、Co量が0.700wt%(No.5)を超えると破壊電圧(VB)は大幅に低下し、Co量が1.020wt%の場合(No.6)には、破壊電圧(VB)は1.75kVまで低下した。
【0028】
さらに表2には、破壊電圧(VB)を磁性フェライト層42の厚さd(60μm)で割った値も示している。ここで、積層型チップコンデンサ41の場合、積層方向に隣接する内部電極43同士に電位差が生じる。したがって、この値は電位差の生じている導体間に存在する磁性フェライト層42の1μmあたりの破壊電圧(Vb=VB/d)であり、No.1〜5では30V以上の優れた破壊電圧(Vb)を得ている。このなかで、No.2〜5では40V以上、No.2〜4では45V以上の特に優れた破壊電圧(Vb)を得ていることが注目される。
【0029】
また表2および図8曲線aにおいて、絶縁抵抗(IR)もCo量と関連性を有している。Co量が0.006wt%の場合(No.1)の絶縁抵抗(IR)は700MΩである。Co量が0.103wt%(No.2)およびCo量が0.200wt%の場合(No.3)には、絶縁抵抗(IR)は10000MΩ以上の優れた値を示す。Co量が0.488wt%の場合(No.4)の絶縁抵抗(IR)は9250MΩ、Co量が0.700wt%の場合(No.5)の絶縁抵抗(IR)は6300MΩと、ともに良好な値を示しているものの、Co量が1.020wt%(No.6)になると絶縁抵抗(IR)は1510MΩまで低下してしまう。
【0030】
次に、表2,図9曲線a,図10曲線aを用いて、実施例aによるフェライト焼結部材のCo量と透磁率(μ)、およびCo量と品質係数(Q)の相関関係について説明する。
表2および図9曲線aにおいて、Co量が0.006wt%の場合(No.1)に最良の透磁率(μ)を示しており、Co量が0.103wt%(No.2)、0.200wt%(No.3)と増加するにつれて透磁率(μ)は次第に低下する。一方、表2および図10曲線aを見ると、品質係数(Q)もCo量と関連性を有していることがわかる。Co量が0.006wt%の場合(No.1)の品質係数(Q)は40である。Co量が0.103wt%の場合(No.2)およびCo量が0.200wt%の場合(No.3)には品質係数(Q)は100以上の優れた値を示す。この値をピークとして品質係数(Q)は次第に低下し、Co量が0.488wt%の場合(No.4)には94、Co量が0.700wt%の場合(No.5)は75となるが、依然として良好な値を示している。さらにCo量が増加して1.020wt%(No.6)になると、品質係数(Q)は50まで低下した。
【0031】
<実施例b>
実施例bは、表3に示す配合組成で、実施例aと同様の製造条件で積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表4に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線b)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線b)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線b)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線b)にそれぞれ示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
表4および図7曲線bにおいて、焼結体中に占めるCo量が0.006wt%の場合(No.7)の破壊電圧(VB)は1.99kVである。Co量が0.103wt%(No.8)になると破壊電圧(VB)は2.91kVまで向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.9)には破壊電圧(VB)は更に向上して2.96kVとなる。また、Co量が0.488wt%の場合(No.10)およびCo量が0.700wt%の場合(No.11)においても2.0kV以上の良好な破壊電圧(VB)を得ている。ところが、Co量が1.020wt%の場合(No.12)には、破壊電圧(VB)は1.79kVまで低下した。
【0035】
さらに表4には、破壊電圧(VB)を磁性フェライト層42の厚さd(60μm)で割った値、つまり磁性フェライト層42の1μmあたりの破壊電圧(Vb=VB/d)も示している。No.7〜11はいずれも30V以上という優れた破壊電圧(Vb)を得ている。このなかで、No.8〜11は40V以上、No.8〜10では45V以上という特に優れた破壊電圧(Vb)を得ていることが注目される。
【0036】
また表4および図8曲線bにおいて、絶縁抵抗(IR)もCo量と関連性を有している。Co量が0.006wt%の場合(No.7)の絶縁抵抗(IR)は1520MΩである。Co量が0.103wt%(No.8)になると絶縁抵抗(IR)が9500MΩまで急激に向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.9)に絶縁抵抗(IR)はピーク値9700MΩを示す。Co量が0.488wt%の場合(No.10)およびCo量が0.700wt%(No.11)の場合においても絶縁抵抗(IR)は5000MΩ以上の良好な値を示している。ところが、Co量が0.700wt%(No.11)を超えると絶縁抵抗(IR)は急激に低下し、Co量が1.020wt%の場合(No.12)には1430MΩまで低下した。
【0037】
次に、表4,図9曲線b,図10曲線bを用いて、実施例bによるフェライト焼結部材のCo量と透磁率(μ)、およびCo量と品質係数(Q)の相関関係について説明する。
図9曲線bはCo量の増加に伴い透磁率(μ)が次第に低下することを示している。一方、図10曲線bはCo量を所定量の範囲にすることによって、きわめて良好な品質係数(Q)を得ることができることを示している。
表4において、Co量が0.006wt%の場合(No.7)には、透磁率(μ)が457、品質係数(Q)が50と、ともに良好な値を示している。Co量が0.103wt%(No.8)になると、透磁率(μ)は300に低下するものの、品質係数(Q)が100まで向上することが注目される。Co量が0.200wt%の場合(No.9)、Co量が0.488wt%の場合(No.10)およびCo量が0.700wt%の場合(No.11)においても品質係数(Q)は60以上という優れた結果を示している。ところが、Co量が1.020wt%の場合(No.12)には、Co量が0.006wt%の場合(No.7)以下の品質係数(Q)まで低下してしまう。
【0038】
<実施例c>
実施例cは、表5に示す配合組成で、実施例aと同様の製造条件で積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表6に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線c)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線c)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線c)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線c)にそれぞれ示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
表6および図7曲線cにおいて、焼結体中に占めるCo量が0.006wt%の場合(No.13)の破壊電圧(VB)は2.27kVであり、良好な値を示している。Co量が0.103wt%(No.14)になると破壊電圧(VB)は2.71kVまで向上し、Co量が0.200wt%(No.15)になると破壊電圧(VB)は更に向上して3.01kVとなる。この値をピークに破壊電圧(VB)は次第に低下し、Co量が0.700wt%(No.17)の場合には2.35kVと、Co量が0.006wt%の場合(No.13)と同じレベルの破壊電圧(VB)まで低下した。さらに、Co量が1.020wt%の場合(No.18)には、破壊電圧(VB)は1.52kVまで低下した。
【0042】
さらに表6には、破壊電圧(VB)を磁性フェライト層42の厚さd(60μm)で割った値、つまり磁性フェライト層42の1μmあたりの破壊電圧(Vb=VB/d)も示している。No.13〜17はいずれも30V以上という優れた破壊電圧(Vb)を得ている。このなかで、Co量が0.103wt%の場合(No.14)、Co量が0.200wt%の場合(No.15)およびCo量が0.488wt%の場合(No.16)には、いずれも40V以上という非常に優れた破壊電圧(Vb)を得ていることが注目される。
【0043】
また表6および図8曲線cにおいて、絶縁抵抗(IR)もCo量と関連性を有している。Co量が0.006wt%の場合(No.13)の絶縁抵抗(IR)は3200MΩである。Co量が0.103wt%(No.14)になると絶縁抵抗(IR)が8300MΩまで向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.15)には絶縁抵抗(IR)は更に向上して9000MΩとなる。ところが、Co量が0.700wt%(No.17)を超えると絶縁抵抗(IR)は急激に低下し、Co量が1.020wt%の場合(No.18)には851MΩまで低下してしまう。
【0044】
次に、表6,図9曲線c,図10曲線cを用いて、実施例cによるフェライト焼結部材のCo量と透磁率(μ)、およびCo量と品質係数(Q)の相関関係について説明する。表6および図9曲線cに示すように、Coを添加することにより透磁率(μ)は若干減少するものの、No.13〜17においては品質係数(Q)はいずれも60以上と良好な値を示している(表6および図10曲線c参照)。このなかで、Co量が0.103wt%の場合(No.14)、Co量が0.200wt%の場合(No.15)およびCo量が0.488wt%の場合(No.16)には、品質係数(Q)はいずれも70以上と特に良好な値を示している。ところが、Co量が0.700wt%(No.17)を超えると、品質係数(Q)は大幅に低下し、Co量が1.020wt%(No.18)の場合には、品質係数(Q)は34まで低下してしまう。
【0045】
<実施例d>
実施例dは、表7に示す配合組成で、実施例aと同様の製造条件で積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表8に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線d)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線d)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線d)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線d)にそれぞれ示す。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
表8および図7曲線dにおいて、焼結体中に占めるCo量が1.020wt%の場合(No.24)を除いたNo.19〜23では2.0kV以上の破壊電圧(VB)を示している。破壊電圧(VB)がピークとなるのはCo量が0.200wt%の場合(No.21)であり、No.20〜22は2.5kV以上の優れた破壊電圧(VB)を得ている。
さらに表8には、破壊電圧(VB)を磁性フェライト層42の厚さd(60μm)で割った値、つまり磁性フェライト層42の1μmあたりの破壊電圧(Vb=VB/d)も示している。No.19〜23はいずれも30V以上という優れた破壊電圧(Vb)を得ている。このなかで、No.20〜23はいずれも40V以上の特に優れた破壊電圧(Vb)を得ていることが注目される。
【0049】
また表8および図8曲線dにおいて、絶縁抵抗(IR)もCo量と関連性を有している。Co量が0.006wt%の場合(No.19)の絶縁抵抗(IR)は2630MΩである。Co量が0.103wt%(No.20)になると絶縁抵抗(IR)が7300MΩまで急激に向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.21)には絶縁抵抗(IR)は更に向上して8200MΩとなる。この値をピークとして絶縁抵抗(IR)は次第に低下し、Co量が1.020wt%の場合(No.24)には絶縁抵抗(IR)は708MΩまで低下した。
【0050】
次に、表8,図9曲線d,図10曲線dを用いて、実施例dによるフェライト焼結部材のCo量と透磁率(μ)、およびCo量と品質係数(Q)の相関関係について説明する。表8および図9曲線dに示すように、Coを添加することにより透磁率(μ)は若干低下する。一方、表8および図10曲線dに示すように、No.19〜23では品質係数(Q)はいずれも50以上と良好な値を得ている。このなかで、No.20〜22の品質係数(Q)はいずれも70以上と、特に優れた値を示している。ところが、Co量が1.020wt%(No.24)の場合には品質係数(Q)は38まで低下してしまう。
【0051】
<実施例e>
実施例eは、表9に示す配合組成で、実施例aと同様の製造条件で積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表10に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線e)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線e)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線e)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線e)にそれぞれ示す。
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
表10および図7曲線eにおいて、焼結体中に占めるCo量が0.006wt%の場合(No.25)の破壊電圧(VB)は1.82kVである。Co量が0.103wt%(No.26)になると破壊電圧(VB)は2.32kVまで向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.27)およびCo量が0.488wt%の場合(No.28)にも2.0kV以上の良好な破壊電圧(VB)を示している。ところが、Co量が1.020wt%(No.30)になると、破壊電圧(VB)は1.45kVまで低下した。
【0055】
さらに表10には、破壊電圧(VB)を磁性フェライト層42の厚さd(60μm)で割った値、つまり磁性フェライト層42の1μmあたりの破壊電圧(Vb=VB/d)も示している。No.25〜29はいずれも30V以上という優れた破壊電圧(Vb)を得ているのに対し、Co量が1.020wt%の場合(No.30)には、破壊電圧(Vb)は24.2Vまで低下した。
【0056】
また表10および図8曲線eにおいて、絶縁抵抗(IR)もCo量と関連性を有している。Co量が0.006wt%の場合(No.25)の絶縁抵抗(IR)は728MΩである。Co量が0.103wt%(No.26)になると絶縁抵抗(IR)が3980MΩまで向上し、Co量が0.200wt%の場合(No.27)には絶縁抵抗(IR)は更に向上して4310MΩとなる。Co量が0.700wt%(No.29)を超えると絶縁抵抗(IR)は急激に低下し、Co量が1.020wt%の場合(No.30)には417MΩまで低下してしまう。
【0057】
次に、表10,図9曲線e,図10曲線eを用いて、実施例eによるフェライト焼結部材のCo量と透磁率(μ)、およびCo量と品質係数(Q)の相関関係について説明する。表10および図9曲線eに示すように、Coを添加することにより透磁率(μ)は若干低下するものの、No.25〜29においては品質係数(Q)はいずれも40以上と良好な値を示している。ところが、Co量が1.020wt%(No.30)の場合には品質係数(Q)は32まで低下した。
【0058】
<比較例1>
比較例1は、表11に示す配合組成で、実施例aと同様の製造条件で積層型コンデンサを作製し、破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)の測定を行なった。また、測定用コアを作製して透磁率(μ)および品質係数(Q)を測定した。
測定された結果を表12に示す。また、Co量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフを図7(曲線f)に、Co量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフを図8(曲線f)に、Co量による透磁率(μ)の変動を示すグラフを図9(曲線f)に、またCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフを図10(曲線f)にそれぞれ示す。
【0059】
【表11】
【0060】
【表12】
【0061】
図7において、実施例a〜eにかかる曲線a〜eと比較例1にかかる曲線fを対比すると、曲線fではCo添加による破壊電圧(VB)の上昇率がほとんどみられないことがわかる。
また図8〜10を見ると、比較例1にかかる曲線fは、絶縁抵抗(IR),透磁率(μ)および品質係数(Q)においても、曲線a〜eと比較して低いレベルにあることが明らかである。
【0062】
<実施例の評価>
以上、実施例a〜e,比較例1の破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR),透磁率(μ)および品質係数(Q)の測定結果を示した。以下、これらの結果に基づき、実施例の評価を行なう。
▲1▼破壊電圧(VB)についての評価
最初に図7を用いて、破壊電圧(VB)についての評価を行なう。
図7に示すように、破壊電圧(VB)は曲線a〜fの順位になっている。そして、曲線a〜eと比べて、曲線fが低いレベルにあることは一目瞭然である。ここで曲線aのMn量は0.070wt%、曲線bのMn量は0.168wt%、曲線cのMn量は0.357wt%、曲線dのMn量は0.544wt%、曲線eのMn量は0.732wt%、曲線fのMn量は1.028wt%である。よって、良好な破壊電圧(VB)を得るためには、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とする必要があることがわかった。
また、Mn量が本発明で推奨する範囲にある曲線a〜eにおいて、焼結体中に占めるCo量が0.700wt%を超えて1.020wt%になると、破壊電圧(VB)は1.8kV以下にまで低下する。この傾向から、優れた破壊電圧(VB)を得るためには、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とするとともに、焼結体中に占めるCo量を本発明で推奨する所定の範囲、すなわち0.75wt%以下(0を含まず)とする必要があることが明らかとなった。
【0063】
次に、焼結体中に占めるMn量およびCo量がともに本発明で推奨する範囲において、特に優れた破壊電圧(VB)を得ることができる範囲を検討する。
焼結体中に占めるCo量が0.75wt%以下の範囲において、特に良好な破壊電圧(VB)を得ているのは曲線a〜dである。曲線aは2.5kV以上の優れた破壊電圧(VB)を呈しており、また曲線b〜dも、曲線aほどではないにしても、広範囲にわたって2.0kV以上の破壊電圧(VB)を得ていることが注目される。したがって、特に優れた破壊電圧(VB)を得るためには、焼結体中に占めるMn量を0.6wt%以下とし、かつCo量を0.75wt%以下の範囲とすることが望ましい。さらに望ましいMn量は0.2wt%以下である。また、Mn量が0.070wt%である曲線aにおいて良好な破壊電圧(VB)を得ていることから、Mn量が0.01wt%程度含有されれば良好な破壊電圧(VB)が得られると推測される。Co量については、Co量が0.2wt%のときに曲線a〜dがピーク値を得ていることから、Co量は0.05〜0.6wt%、さらには0.1〜0.4wt%とすることが望ましい。
【0064】
曲線eも、曲線a〜dと同様に、Co量が0.2wt%のときに破壊電圧(VB)がピークとなり、約2.5kVの優れた値を示す。一方、曲線a〜dはCo量が0.75wt%前後のときにおいても2.5kV近辺の破壊電圧(VB)を示しているのに対し、曲線eはCo量が0.700wt%になると破壊電圧(VB)が2.0kVより低い値となってしまう。この傾向から、焼結体中に占めるMn量が0.6wt%以上であるときには、Co量を0.05〜0.6wt%、さらには0.1〜0.4wt%とすることが望ましい。焼結体中に占めるMn量が0.6wt%以上であるときには、Co量を0.05〜0.6wt%とすることにより、2.0kV以上の優れた破壊電圧(VB)を得ることができる。
【0065】
▲2▼絶縁抵抗(IR)についての評価
次に、図8を用いて、絶縁抵抗(IR)についての評価を行なう。
図8に示されるように、絶縁抵抗(IR)は曲線a〜fの順位となっている。そして、破壊電圧(VB)の場合と同様に、曲線a〜fのなかで曲線fの絶縁抵抗(IR)のレベルは低いものとなっている。したがって、良好な絶縁抵抗(IR)を得るためにも、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とすることが必要であるといえる。
また、Mn量,Co量がともに本発明で推奨する範囲、すなわち0.75wt%以下にある曲線a〜eにおいて、良好な絶縁抵抗(IR)を得ているのは曲線a〜dである。このなかで特に良好な絶縁抵抗(IR)を得ているのは曲線aおよびbである。よって、焼結体中に占めるMn量を0.6wt%以下、さらに望ましくは0.2wt%以下とすることにより、非常に優れた絶縁抵抗(IR)を得ることが可能となる。もっとも、Mn量があまり低くなるとその効果を享受することができなくなるので、0.01wt%以上、さらに0.03wt%以上の範囲で含有せしめるのが望ましい。さらに、絶縁抵抗(IR)についても焼結体中に占めるCo量が0.2wt%のときにピーク値を得ていることから、Co量の最適範囲は0.05〜0.6wt%、さらには0.01〜0.4wt%であるといえる。
【0066】
▲3▼透磁率(μ)についての評価
次に、図9を用いて、透磁率(μ)についての評価を行なう。
図9では、曲線a〜eがほぼ同等レベルにあり、曲線fのみが低いレベルにあることが示されている。したがって、良好な透磁率(μ)を得るためにも、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とすればよい。
また、曲線a〜eのなかでは、曲線c〜eが特に良好な透磁率(μ)を示しており、次いで曲線b、曲線aとなっている。つまり、上述の破壊電圧(VB)および絶縁抵抗(IR)とは異なる傾向を示している。この傾向から、透磁率(μ)についてのMn量の望ましい範囲は0.1〜0.75wt%、さらには0.3〜0.75wt%であるといえる。
さらに、曲線a〜eにおいても、150以上の良好な透磁率(μ)を確保するためには、焼結体中に占めるCo量を本発明で推奨する範囲、すなわち0.75wt%以下とすることが望ましい。
【0067】
▲4▼品質係数(Q)についての評価
次に、図10を用いて、品質係数(Q)についての評価を行なう。
図10を見ると、品質係数(Q)も曲線a〜fの順位となっており、曲線fの品質係数(Q)はそのピーク値においても40以下となっている。したがって、40以上の良好な品質係数(Q)を得るためには、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とする必要があることがわかった。
曲線a〜eのなかで特に良好な品質係数(Q)を得ているのは曲線aおよびbであり、曲線eは曲線a〜dと比較すると低いレベルとなっている。したがって、良好な品質係数(Q)を得るためには、焼結体中に占めるMn量が0.75wt%を超えないようにMnを含めばよい。より望ましいMn量は0.1〜0.6wt%、さらには0.1〜0.2wt%である。この範囲では、特に優れた品質係数(Q)を得ることができる。
【0068】
次にCo量に着目すると、Co量が0.75wt%以下(0を含まず)の範囲にある場合には、曲線a〜eは40以上という優れた品質係数(Q)を呈する。一方、Co量が0.75wt%を超えて1.020wt%になると、曲線c〜eの品質係数(Q)は40以下となってしまう。また、曲線a〜eにおいて、Co量が約0.6wt%のときには50以上の非常に優れた品質係数(Q)を示し、Co量が0.2wt%のときに品質係数(Q)のピーク値を得ていることがわかる。したがって、優れた品質係数(Q)を得るためには、Co量が0.75wt%を超えないように焼結体中にCoを含めればよい。より望ましいCo量は0.05〜0.6wt%、さらには0.1〜0.4wt%である。
【0069】
以上説明の通り、焼結体中に占めるMn量を0.75wt%以下(0を含まず)とし、かつCo量を0.75wt%以下(0を含まず)とすることにより、40以上の優れた品質係数(Q)を得ることができる。しかも、Mn量が0.01〜0.6wt%およびCo量が0.05〜0.75wt%である場合には、80以上の優れた品質係数(Q)を得ることも可能となる。また、Mn量が0.6wt%以上の場合にも、Co量を0.05〜0.6wt%とすることによって、50以上の良好な品質係数(Q)を得ることができる。
【0070】
<実施例の総合評価>
本実施例により、焼結体中に占めるMn量が0.75wt%以下(0を含まず)であり、かつCo量が0.75wt%以下(0を含まず)の範囲において、優れた破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR),透磁率(μ)および品質係数(Q)を得ることができることが明らかとなった。この範囲で特に優れた破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR)および品質係数(Q)を得るためには、焼結体中に占めるMn量を0.6wt%以下とすることが望ましい。また、焼結体中に占めるMn量が0.6wt%以上の場合においても、Co量を0.6wt%以下、さらには0.4wt%以下とすることによって、優れた破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR)および品質係数(Q)を得ることが可能となる。さらにまた、焼結体中に占めるMn量を0.2wt%以下とし、かつCo量を0.6wt%以下とした場合には、特に優れた破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR)および品質係数(Q)を得ることが可能となる。
【0071】
以上、本実施例の破壊電圧(VB),絶縁抵抗(IR),透磁率(μ)および品質係数(Q)の測定結果を示した。次に、加速寿命試験(HALT)およびCu偏析の面積率の測定結果を表13に示す。試料としては、実施例aにおけるNo.1およびNo.3、実施例cにおけるNo.16、実施例dにおけるNo.21、比較例1におけるNo.36を用いた。これらの粉末を用いて上記実施例と同様の条件により積層型コンデンサを作製し、加速寿命試験(HALT)の測定を行なった。また、焼結体組織における元素分布を電子線プローブ・マイクロ・アナライザ(EPMA)によって観察し、焼結体組織に占めるCu偏析の面積率を算出した。
[加速寿命試験(HALT)]
作製した積層型チップコンデンサ41に、175℃の高温下で80Vの電圧を48時間印加した後に不良となるか否か観察した。なお、観察したサンプルは、各々20個である。
[EPMA測定条件、Cu偏析の面積率]
電子線プローブ・マイクロ・アナライザ(EPMA)として、日本電子(株)製のJCMA733を用いて以下の条件で組織観察を行なった。また、この条件で測定した場合に、所定の測定点のカウント数が(測定点全体のカウント数の平均値×1.3倍)以上になったとき、その測定点をCuの偏析とし、Cuの偏析の総数を全測定点の数で割って100をかけた値を組織に占めるCu偏析の面積率(Cu偏析率)とした。
Cu偏析の面積率(%)=100×(Cu偏析の点数)/(全測定点数)
【0072】
【表13】
【0073】
Co量が0.006wt%であるNo.1とCo量が0.200wt%であるNo.3を対比すると、No.3において不良サンプル数が激減していることがわかる。No.1およびNo.3は主成分の組成が同一であり、副成分としてのMn量も0.070wt%と等しい。よって、不良サンプル数の激減には、Co量が関係していることが明らかとなった。
No.3およびNo.16では、175℃の高温下で80Vの電圧を10時間印加した後においても不良サンプル数0と、良好な結果を示している。特に、No.16では、48時間印加した後においても不良サンプル数4と、極めて良好な結果を得ている。よって、NiCuZnフェライトに副成分としてMnおよびCoを0.3〜0.5wt%ずつ添加し、Cu偏析率を6.0〜10.0%の範囲とすることにより、非常に優れた耐久性を示す部品が得られることがわかった。またNo.21でも、10時間印加した後の不良サンプル数1、24時間印加した後の不良サンプル数7と良好な結果を得ている。一方、Mn量およびCo量がともに0.75wt%を超えているNo.36では、No.1と同レベルにまで不良サンプル数が増加してしまう。
以上の結果から、Mn量を0.75wt%以下(0を含まず)とし、かつCo量を0.01〜0.75wt%とすることにより、耐久性に非常に優れた部品が得られることがわかった。
【0074】
さらに表13には焼結体中に占めるCu偏析の面積率(以下、Cu偏析率)も示してある。Cu偏析率が1.1%(No.36)から5.2%(No.21)まで増加すると不良サンプル数が激減する。そして、Cu偏析率が8.1%(No.16)および13.8%(No.3)においても不良サンプル数が少ないことがわかる。この結果から、Cu偏析率が本発明で推奨する所定の範囲、つまり1.5%〜15.0%の範囲にあるときに耐久性に優れた部品が得られることがわかった。
次に、表13のCu偏析率の欄およびMn量,Co量の欄を対比して、Mn量とCu偏析率との関係、Co量とCu偏析率との関係について述べる。Co量が0.006wt%であるNo.1とCo量が0.200wt%であるNo.3を対比すると、No.3のCu偏析率の方が若干高い値となっている。No.1とNo.3は主成分および副成分としてのMn量が等しいから、Co量の増加に伴ってCu偏析率が上昇することがわかった。一方、主成分および副成分としてのCo量が等しく、Mn量のみ異なるNo.3(Mn量:0.070wt%)とNo.21(Mn量:0.544wt%)を対比すると、No.21の方がCu偏析率の値が低くなっている。この結果から、Mn量の増加に伴ってCu偏析率が低下することがわかった。
【0075】
また表13において、Cu偏析率が1.1%の場合(No.36)には破壊電圧(VB)が1.39kVであるのに対し、Cu偏析率が5.2%(No.21)になると破壊電圧(VB)は2.75kVまで向上する。Cu偏析率が8.1%(No.16)の場合もCu偏析率が5.2%(No.21)の場合とほぼ同じレベルの優れた破壊電圧(VB)を得ている。Cu偏析率が13.8%の場合(No.3)には、破壊電圧(VB)は更に向上して3.01kVとなる。この傾向から、MnおよびCoを所定量含み、かつCu偏析率が1.5〜15.0%の範囲にある場合に、破壊電圧(VB)の向上を図れることがわかった。また、この範囲で特に高い破壊電圧(VB)を得るためには、Cu偏析率は5.0〜15.0%の範囲とすることが望ましい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば従来に比して耐電圧性,耐久性に優れる磁性フェライト材料およびこれを用いた積層型フェライト部品を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係る積層型チップインダクタアレイの平面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1のB−B断面図である。
【図4】 本実施の形態に係るLC複合部品である。
【図5】 実施例で用いた積層型チップコンデンサの側断面図である。
【図6】 図5のC−C断面図である。
【図7】 本実施例で測定したCo量による破壊電圧(VB)の変動を示すグラフである。
【図8】 本実施例で測定したCo量による絶縁抵抗(IR)の変動を示すグラフである。
【図9】 本実施例で測定したCo量による透磁率(μ)の変動を示すグラフである。
【図10】 本実施例で測定したCo量による品質係数(Q)の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1…積層型チップインダクタアレイ、2…磁性フェライト層、3…内部電極、4…引出し電極、5…チップ体、6…外部電極、11…LC複合部品、12…チップコンデンサ部、13…チップフェライト部、15…外部電極、21…セラミックス誘電体層、22…内部電極、32…磁性フェライト層、33…電極層、41…積層型チップコンデンサ、42…磁性フェライト層、43…内部電極、44…チップ体、45…外部電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic ferrite material and a multilayer ferrite component used for a multilayer chip ferrite component such as multilayer chip beads and multilayer inductors, and a composite multilayer component represented by an LC composite multilayer component.
[0002]
[Prior art]
A multilayer chip ferrite component and a composite multilayer component (collectively referred to as a multilayer ferrite component in the present specification) are used in various electric devices because of their small volume and high reliability. This laminated ferrite component is usually obtained by laminating and integrating a magnetic layer sheet or paste made of magnetic ferrite and an internal electrode paste by a thick film lamination technique, and then sintering the surface of the obtained sintered body. It is manufactured by printing or transferring a paste for an external electrode and baking it. In addition, sintering after laminating and integrating is called simultaneous sintering. Since Ag or Ag alloy is used as the material for the internal electrode due to its low resistivity, the magnetic ferrite material constituting the magnetic layer can be simultaneously sintered, in other words, below the melting point of Ag or Ag alloy. It is an absolute condition that sintering can be performed at a temperature (hereinafter sometimes referred to as “low temperature sintering”). Therefore, in order to obtain a laminated ferrite part having high density and high characteristics, the key is to sinter magnetic ferrite at a temperature below the melting point of Ag or an Ag alloy.
[0003]
NiCuZn ferrite is known as a magnetic ferrite that can be sintered at a temperature below the melting point of Ag or an Ag alloy. For example, JP-A-8-104561 discloses Fe as Fe.2OThree45.0 to 50.0 mol% converted to Ni, 5.0 to 10.0 mol% converted to NiO, 5.0 to 15.0 mol% converted to CuO, and Zn converted to ZnO 25.0 to 35.0 mol%, Mn to MnThreeOFour0.1 to 3.0 mol% in terms of Li and Li to Li2A magnetic ferrite containing 0.01 to 3.0 mol% in terms of O is disclosed. JP-A-8-104562 discloses Fe as Fe.2OThree45.0 to 50.0 mol% converted to Ni, 15.0 to 30.0 mol% Ni converted to NiO, 8.0 to 15.0 mol% converted Cu to CuO, and Zn converted to ZnO 15.0 to 25.0 mol%, Mn to MnThreeOFour0.1 to 3.0 mol% in terms of Li and Li to Li2A magnetic ferrite containing 0.01 to 3.0 mol% in terms of O is disclosed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Recently, in order to cope with high-density mounting, an example in which a plurality of internal electrodes are arranged in one laminated ferrite component has come out. In the multilayer ferrite component in which the plurality of internal electrodes are arranged, a potential difference (voltage) is generated between the internal electrodes, so that the ferrite material existing between the internal electrodes is required to have a withstand voltage. Here, the withstand voltage property indicates that when a voltage is generated in the ferrite component, the ferrite material can withstand a dielectric breakdown due to voltage application up to a higher voltage. However, the magnetic ferrite materials known so far have not been studied for such withstand voltage. Further, it is desirable that NiCuZn ferrite has durability and can be used suitably for a long time.
Accordingly, it is an object of the present invention to provide a magnetic ferrite material excellent in voltage resistance and durability and a laminated ferrite component using the same.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has studied to improve the voltage resistance and durability of the magnetic ferrite material. As a result, it was found that when Mn and Co are present in the sintered structure within a predetermined range, excellent voltage resistance and durability can be obtained. The present invention has been made based on the above findings,A laminated ferrite component having magnetic ferrite layers and internal electrodes alternately stacked and an external electrode electrically connected to the internal electrodes, wherein the magnetic ferrite layer is Fe 2 O 3 : 45.0 to 49.8 mol%, CuO: 7.0 to 25.0 mol%, ZnO: 15.0 to 30.0 mol% and NiO: 5.0 to 45.0 mol% as main components, Mn: 0 .75 wt% or less (excluding 0) and Co: 0.01 to 0.6 wt% as a subcomponent, and the segregation of Cu occupying the structure is 1.5 to 15.0% by area ratio. A laminated ferrite component comprising a bonded structure, wherein the internal electrode is composed of Ag or an Ag alloy.I will provide a.
Of the present inventionMultilayer ferrite partsIn this case, it is desirable that the amount of Mn in the structure is 0.6 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn. By including Mn in this range, a very excellent breakdown voltage (Vb) of 40 V or more per 1 μm of magnetic ferrite layer between conductors having a potential difference can be obtained. The present inventionMultilayer ferrite partsIn this case, when the amount of Mn in the structure is 0.2 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn, a very good breakdown voltage (45 V or more per 1 μm of magnetic ferrite layer between conductors having a potential difference) Vb) can be obtained.
[0006]
Furthermore, the present inventionMultilayer ferrite partsInOf the magnetic ferrite layerThe segregation of Cu in the structure is 1.5 to 15.0% in terms of area ratio. This is based on the knowledge that excellent voltage resistance can be obtained when Cu segregation is present in the sintered structure within a predetermined range. In addition, the calculation method of the area ratio of Cu segregation in this invention shall be specified by the calculation method employ | adopted in the Example mentioned later.
[0007]
The multilayer ferrite component of the present invention has an excellent voltage resistance of a breakdown voltage of 30 V or more per 1 μm of magnetic ferrite layer between conductors having a potential difference. Note that the breakdown voltage (Vb) in the present invention is specified based on the breakdown voltage measurement method employed in the examples described later. The multilayer ferrite component of the present invention has a characteristic that the quality factor (Q) is 40 or more. In addition, the quality factor (Q) in this invention shall be specified by the measuring method of the quality factor employ | adopted in the Example mentioned later. The present invention is preferably applied to a multilayer ferrite component having a plurality of independent internal electrodes. This is because if there are a plurality of internal electrodes, a potential difference occurs between the internal electrodes, which may lead to dielectric breakdown.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, the reasons for limiting the composition in the present invention will be described.
Fe2O3The amount of has a great influence on the magnetic permeability. Fe2O3But45.0If it is less than mol%, the magnetic permeability is small, and the magnetic permeability increases as it approaches the stoichiometric composition as ferrite, but rapidly decreases with the stoichiometric composition as a peak. Therefore, the upper limit is 49.8 mol%. Desirable Fe2O3Is 49.2 to 49.8 mol%.
CuO is a compound that contributes to reducing the sintering temperature in the present invention,7.0If it is less than mol%, sintering in a temperature range below the melting point of Ag cannot be realized. However,25.0 molIf it exceeds 50%, the resistivity of ferrite will decrease and the quality factor Q will deteriorate.7.0 to 25.0mol%. The desired amount of CuO is10.0-20.0mol%.
[0009]
ZnO can improve the magnetic permeability μ as the amount thereof increases, but if it is too large, the Curie temperature becomes 100 ° C. or lower, and the temperature characteristics required for electronic parts cannot be satisfied. Therefore, the amount of ZnO is15.0-30.0mol%. Desirable amount of ZnO18.0-25.0mol%. The amount of NiO is 5.0-45.0 mol%, and the desirable amount of NiO is7.0 to 35.0mol%.
The magnetic properties of the magnetic ferrite are very composition-dependent, and in a region outside the above composition range, the magnetic permeability μ and the quality factor Q are low, making it unsuitable as a magnetic material for multilayer ferrite parts.
[0010]
Next, the magnetic ferrite material according to the present invention contains Mn and Co as subcomponents. The amount of Mn is 0.75 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn, and the amount of Co is in terms of Co.0.01-0.6wt%. This is because it has been found that when Mn and Co are in this range, the voltage resistance and durability are excellent and the quality factor Q is improved. By including Co in such a range, the multilayer ferrite component of the present invention has a breakdown voltage of 30 V or more per 1 μm of the magnetic ferrite layer, and can obtain a quality factor Q of 40 or more. The amount of Mn is preferably 0.6 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn. Mn is within this range, and the amount of Co is 0.01 to0 . 6When it is wt%, a very excellent breakdown voltage (Vb) of 40 V or more per 1 μm of the magnetic ferrite layer between conductors having a potential difference can be obtained. Further, by setting the amount of Mn to 0.2 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn and the amount of Co to 0.01 to 0.6 wt%, the
[0011]
Next, in the magnetic ferrite sintered body according to the present invention, the segregation of Cu in the structure is 1.5 to 15.0% by area ratio. This is because when the segregation of Cu is within this range, it has been found that the voltage resistance and durability are excellent. A desirable area ratio of Cu segregation is 5.0 to 15.0%. By adopting such a Cu segregation structure, the multilayer ferrite component of the present invention can have a breakdown voltage of 30 V or more per 1 μm of the magnetic ferrite layer, and obtain an excellent insulation resistance (IR) of 5000 MΩ or more. Can do.
Several methods can be employed to reduce the segregation of Cu in the structure to a range of 1.5 to 15.0% in terms of area ratio. The amount of Cu segregation can be varied by controlling the amount of Mn and Co contained therein. As the amount of Mn increases, the amount of Cu segregation decreases, while as the amount of Co increases, the amount of Cu segregation increases. Therefore, by controlling one of the Mn amount or the Co amount, or by controlling both the Mn amount and the Co amount, the segregation of Cu in the structure is in the range of 1.5 to 15.0% in area ratio. Is possible. In that case, the amount of Mn is desirably 0.75 wt% or less (excluding 0) in terms of Mn. When the amount of Mn exceeds 0.75 wt%, it becomes difficult to ensure the area ratio of Cu segregation required by the present invention even if the amount of Co is increased.
[0012]
The magnetic ferrite material according to the present invention comprises a mixing step of mixing raw material powder, a calcining step of calcining the mixed raw material powder, and a calcined powder obtained by crushing the calcined body obtained by the calcining step. It can be obtained by a pulverization step to be obtained, a molding step for obtaining a molded body using the pulverized powder obtained by the pulverization step, and a sintering step for sintering the molded body obtained by the molding step.
As raw material powder, Fe2OThreePowder, CuO powder, ZnO powder and NiO powder are prepared. These powders are the main constituents of the magnetic ferrite material having excellent voltage resistance according to the present invention. In addition to the powders forming these main components, raw material powders for Mn and Co, which are subcomponents, are prepared. For Mn, a Mn oxide (eg, Mn2OThree, MnThreeOFour) Or Mn carbonate (eg MnCOThree) Is a raw material powder. However, this is only one aspect, and if Mn is contained in the sintered body in an amount of 0.75 wt% or less (not including 0) in terms of Mn, the addition is not limited. As for Co, a Co oxide (for example, CoO, CoThreeOFour) Or Co carbonate (eg, CoCOThreeHowever, the raw material powder is not limited to this, and it is sufficient that Co is contained in the sintered body in an amount of 0.75 wt% or less (excluding 0) in terms of Co.
What is necessary is just to select the particle diameter of each raw material powder to prepare suitably in the range of 0.1-10 micrometers. The prepared raw material powder is wet-mixed using, for example, a ball mill. The mixing depends on the operating conditions of the ball mill, but a uniform mixed state can be obtained if it is carried out for about 20 hours.
[0013]
After mixing the raw material powder, calcining is performed. The temperature of calcination shall be 850 degrees C or less. That is, if the calcining temperature exceeds 850 ° C., the calcined body becomes hard, and it becomes difficult to obtain a particle size distribution of powder that enables sintering in a temperature range below the melting point of Ag. A desirable calcining temperature is 650 to 750 ° C. The calcining time may be appropriately selected within a range of 5 to 15 hours.
The calcined body is pulverized after the calcining. The specific surface area of the ground powder is 6m2/ G or more is important for sintering in a temperature range below the melting point of Ag. In order to obtain such a fine powder, the pulverization conditions may be controlled. However, the powder having such a particle size distribution can be collected from the pulverized powder without particularly controlling the conditions. When a ball mill is used, pulverization takes about 60 to 80 hours.
After adding a binder or the like to the pulverized powder obtained above, it is molded into a predetermined shape, and then subjected to sintering.
[0014]
Next, the multilayer ferrite component of the present invention will be described taking the multilayer
The magnetic ferrite material according to the present invention is used for the
As the binder, known binders such as ethyl cellulose, acrylic resin, butyral resin can be used. As the solvent, known solvents such as terpineol, butyl carbitol, kerosene, etc. can be used. There is no restriction | limiting in the addition amount of a binder and a solvent. However, it is recommended that the binder is in the range of 1 to 5 parts by mass and the solvent is in the range of 10 to 50 parts by mass.
In addition to the binder and the solvent, a dispersant, a plasticizer, a dielectric, an insulator and the like can be added in a range of 10 parts by mass or less. As a dispersant, sorbitan fatty acid ester and glycerin fatty acid ester can be added. As the plasticizer, dioctyl phthalate, dibutyl phthalate, butyl butyl phthalyl glycolate can be added.
[0015]
The
[0016]
The
As the material of the
[0017]
There is no particular limitation on the dimensions of the chip body 5 of the multilayer
[0018]
The sintering temperature after alternately laminating the paste or sheet for the
[0019]
Next, an LC composite component that is an embodiment of the LC composite multilayer component will be described. FIG. 4 is a schematic cross-sectional view of the LC
The
[0020]
The chip ferrite portion 13 is composed of a multilayer chip inductor in which magnetic ferrite layers 32 and electrode layers 33 are alternately stacked. This basic configuration is the same as that of the multilayer
The dimension of the LC
[0021]
[Example]
Hereinafter, the present invention will be described based on specific examples. In this example, Fe2OThree, CuO, ZnO and NiO as main components, and Mn as a minor componentThreeOFourThe experiment of 6 patterns (Examples a to e, Comparative Example 1) was tried by changing the CoO and CoO. MnThreeOFourIs expressed as wt% converted to Mn, and similarly CoO is displayed as wt% converted to Co.
<Example a (Sample Nos. 1 to 6)>
MnThreeOFourWas fixed at 0.070 wt%, and CoO was varied from 0.006 to 1.020 wt% (CoO: 0.006 wt%, 0.103 wt%, 0.200 wt%, 0.488 wt%, 0.700 wt%). , 1.020 wt%).
<Example b (Sample Nos. 7 to 12)>
MnThreeOFourWas fixed at 0.168 wt% (the variation amount of CoO is the same as in Example a).
<Example c (Sample Nos. 13 to 18)>
MnThreeOFourWas fixed at 0.357 wt% (the fluctuation amount of CoO is the same as in Example a).
<Example d (Sample Nos. 19 to 24)>
MnThreeOFourWas fixed at 0.544 wt% (the variation amount of CoO is the same as in Example a).
<Example e (Sample Nos. 25 to 30)>
MnThreeOFourWas fixed at 0.732 wt% (the variation amount of CoO is the same as in Example a).
<Comparative Example 1 (Sample Nos. 31 to 36)>
MnThreeOFourWas fixed at 1.028 wt% (CoO variation was the same as in Example a).
[0022]
The experimental results of Examples a to e and Comparative Example 1 are shown below.
<Example a>
Six types of pulverized powders shown in Table 1 were obtained according to the following mixing and pulverizing conditions. In Table 1, Fe2OThree, CuO, ZnO and NiO are the main components, MnThreeOFourAnd CoO are subcomponents. The peak position of the particle size distribution of the pulverized powder is 0.6 μm. Using these powders, multilayer capacitors were produced under the following conditions, and breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR) were measured. Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 2. FIG. 7 (curve a) shows a graph showing the fluctuation of the breakdown voltage (VB) depending on the Co amount, and FIG. 8 (curve a) shows a graph showing the fluctuation of the insulation resistance (IR) depending on the Co amount. FIG. 9 (curve a) shows a graph showing the variation of magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve a) shows a graph showing the variation of quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0023]
[Mixing to grinding conditions]
Pot for mixing and grinding: Stainless steel ball mill pot
Mixing and grinding media: Steel balls
Mixing time: 16 hours
Temporary firing conditions: 700 ° C x 10 hours
Grinding time: 72 hours
[Specifications of multilayer capacitor]
To 100 parts by mass of each powder having the composition shown in Table 1, 2.5 parts by mass of ethyl cellulose and 40 parts by mass of terpineol were added and kneaded with three rolls to prepare a magnetic ferrite layer paste. On the other hand, 2.5 parts by mass of ethyl cellulose and 40 parts by mass of terpineol were added to 100 parts by mass of Ag having an average particle size of 0.8 μm, and the mixture was kneaded with three rolls to obtain an internal electrode paste. The magnetic ferrite layer paste and the internal electrode paste were alternately printed and laminated, and then sintered at 890 ° C. for 2 hours to obtain a
[0024]
[Breakdown voltage (VB)]
A voltage is continuously applied to the manufactured
[Insulation resistance (IR)]
The insulation resistance (IR) of the manufactured
[Permeability (μ), Quality factor (Q)]
Using the 6 types of pulverized powders shown in Table 1, toroidal shaped sintered body samples were prepared. A copper wire (wire diameter 0.35 mm) was wound around this sample for 20 turns, and the inductance was measured using an LCR meter (HP4192A manufactured by Hewlett-Packard Co.) at a measurement frequency of 100 kHz and a measurement current of 0.2 mA. And magnetic permeability (micro | micron | mu) was calculated | required using the following formula. For the quality factor (Q), the real number μ ′ and the imaginary number μ ″ of the complex permeability were obtained and calculated by Q (quality factor) = μ ′ / μ ”.
Permeability μ = (le × L) / (μ0× Ae × N2)
le: Magnetic path length L: Sample inductance
μ0: Permeability of vacuum = 4π × 10-7(H / m) Ae: Sample cross-sectional area
N: Number of turns of coil
[0025]
[Table 1]
[0026]
[Table 2]
[0027]
In Table 2 and FIG. 7 curve a, when the amount of Co in terms of Co in the sintered body (hereinafter referred to as Co amount) is 0.006 wt% (No. 1), the breakdown voltage (VB) is 1.81 kV. It shows a good value. When the amount of Co reaches 0.103 wt% (No. 2), the breakdown voltage (VB) increases to 2.96 kV, and when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 3), the breakdown voltage (VB) further increases. It will improve to 3.01kV. Although the breakdown voltage (VB) gradually decreases with this value as a peak, when the Co amount is 0.488 wt% (No. 4), the breakdown voltage (VB) is 2.83 kV and the Co amount is 0.700 wt%. In (No. 5), the breakdown voltage (VB) is 2.66 kV, which is a good value. However, when the Co amount exceeds 0.700 wt% (No. 5), the breakdown voltage (VB) is significantly reduced. When the Co amount is 1.020 wt% (No. 6), the breakdown voltage (VB) Dropped to 1.75 kV.
[0028]
Further, Table 2 also shows a value obtained by dividing the breakdown voltage (VB) by the thickness d (60 μm) of the
[0029]
In Table 2 and curve a in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 1), the insulation resistance (IR) is 700 MΩ. When the Co amount is 0.103 wt% (No. 2) and the Co amount is 0.200 wt% (No. 3), the insulation resistance (IR) shows an excellent value of 10,000 MΩ or more. When the Co amount is 0.488 wt% (No. 4), the insulation resistance (IR) is 9250 MΩ, and when the Co amount is 0.700 wt% (No. 5), the insulation resistance (IR) is 6300 MΩ, both good. Although the value is shown, when the Co amount reaches 1.020 wt% (No. 6), the insulation resistance (IR) decreases to 1510 MΩ.
[0030]
Next, with reference to Table 2, curve a, and curve a, the correlation between the Co amount and the magnetic permeability (μ) and the Co amount and the quality factor (Q) of the sintered ferrite member according to Example a is shown. explain.
In Table 2 and FIG. 9 curve a, the best magnetic permeability (μ) is shown when the Co amount is 0.006 wt% (No. 1), and the Co amount is 0.103 wt% (No. 2), 0 The permeability (μ) gradually decreases as it increases to .200 wt% (No. 3). On the other hand, looking at Table 2 and FIG. 10 curve a, it can be seen that the quality factor (Q) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 1), the quality factor (Q) is 40. When the Co amount is 0.103 wt% (No. 2) and when the Co amount is 0.200 wt% (No. 3), the quality factor (Q) shows an excellent value of 100 or more. With this value as a peak, the quality factor (Q) gradually decreases. When the Co amount is 0.488 wt% (No. 4), 94, and when the Co amount is 0.700 wt% (No. 5), 75. However, it still shows a good value. Further, when the amount of Co increased to 1.020 wt% (No. 6), the quality factor (Q) decreased to 50.
[0031]
<Example b>
Example b had the composition shown in Table 3 and produced a multilayer capacitor under the same production conditions as in Example a, and measured breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR). Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 4. FIG. 7 (curve b) shows a graph showing the fluctuation of the breakdown voltage (VB) depending on the Co amount, and FIG. 8 (curve b) shows a graph showing the fluctuation of the insulation resistance (IR) depending on the Co amount. FIG. 9 (curve b) shows a graph showing variations in magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve b) shows graphs showing variations in quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0032]
[Table 3]
[0033]
[Table 4]
[0034]
In Table 4 and FIG. 7 curve b, the breakdown voltage (VB) when the amount of Co in the sintered body is 0.006 wt% (No. 7) is 1.99 kV. When the amount of Co reaches 0.103 wt% (No. 8), the breakdown voltage (VB) increases to 2.91 kV, and when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 9), the breakdown voltage (VB) further increases. It will improve to 2.96kV. In addition, when the Co amount is 0.488 wt% (No. 10) and when the Co amount is 0.700 wt% (No. 11), a good breakdown voltage (VB) of 2.0 kV or more is obtained. However, when the amount of Co was 1.020 wt% (No. 12), the breakdown voltage (VB) decreased to 1.79 kV.
[0035]
Further, Table 4 also shows a value obtained by dividing the breakdown voltage (VB) by the thickness d (60 μm) of the
[0036]
In Table 4 and curve b in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 7), the insulation resistance (IR) is 1520 MΩ. When the amount of Co becomes 0.103 wt% (No. 8), the insulation resistance (IR) increases rapidly to 9500 MΩ, and when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 9), the insulation resistance (IR) has a peak value. 9700 MΩ is shown. Even in the case where the Co amount is 0.488 wt% (No. 10) and the Co amount is 0.700 wt% (No. 11), the insulation resistance (IR) shows a good value of 5000 MΩ or more. However, when the Co content exceeded 0.700 wt% (No. 11), the insulation resistance (IR) rapidly decreased, and when the Co content was 1.020 wt% (No. 12), it decreased to 1430 MΩ.
[0037]
Next, using Table 4, curve b and curve 10 b, the correlation between the Co content and the magnetic permeability (μ) and the Co content and the quality factor (Q) of the sintered ferrite member according to Example b is shown. explain.
The curve b in FIG. 9 shows that the magnetic permeability (μ) gradually decreases as the amount of Co increases. On the other hand, FIG. 10 curve b shows that a very good quality factor (Q) can be obtained by setting the amount of Co within a predetermined range.
In Table 4, when the amount of Co is 0.006 wt% (No. 7), the permeability (μ) is 457 and the quality factor (Q) is 50, both of which are good values. It is noted that when the amount of Co becomes 0.103 wt% (No. 8), the magnetic permeability (μ) decreases to 300, but the quality factor (Q) increases to 100. When the Co amount is 0.200 wt% (No. 9), the Co amount is 0.488 wt% (No. 10), and the Co amount is 0.700 wt% (No. 11), the quality factor (Q ) Shows an excellent result of 60 or more. However, when the Co amount is 1.020 wt% (No. 12), the quality factor (Q) is lowered to a value equal to or less than the case where the Co amount is 0.006 wt% (No. 7).
[0038]
<Example c>
Example c was a composition shown in Table 5 and produced a multilayer capacitor under the same production conditions as Example a, and measured breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR). Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 6. FIG. 7 (curve c) shows a graph showing the variation of the breakdown voltage (VB) due to the Co amount, and FIG. 8 (curve c) shows a graph showing the variation of the insulation resistance (IR) due to the Co amount. FIG. 9 (curve c) shows a graph showing variations in magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve c) shows graphs showing variations in quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0039]
[Table 5]
[0040]
[Table 6]
[0041]
In Table 6 and FIG. 7 curve c, the breakdown voltage (VB) when the amount of Co in the sintered body is 0.006 wt% (No. 13) is 2.27 kV, which is a good value. When the Co content is 0.103 wt% (No. 14), the breakdown voltage (VB) is improved to 2.71 kV, and when the Co content is 0.200 wt% (No. 15), the breakdown voltage (VB) is further improved. 3.01 kV. With this value at the peak, the breakdown voltage (VB) gradually decreases. When the Co amount is 0.700 wt% (No. 17), it is 2.35 kV, and when the Co amount is 0.006 wt% (No. 13). To the same breakdown voltage (VB). Furthermore, when the amount of Co was 1.020 wt% (No. 18), the breakdown voltage (VB) decreased to 1.52 kV.
[0042]
Further, Table 6 also shows a value obtained by dividing the breakdown voltage (VB) by the thickness d (60 μm) of the
[0043]
In Table 6 and curve c in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 13), the insulation resistance (IR) is 3200 MΩ. When the Co content is 0.103 wt% (No. 14), the insulation resistance (IR) is improved to 8300 MΩ, and when the Co content is 0.200 wt% (No. 15), the insulation resistance (IR) is further improved. 9000 MΩ. However, when the amount of Co exceeds 0.700 wt% (No. 17), the insulation resistance (IR) rapidly decreases, and when the amount of Co is 1.020 wt% (No. 18), it decreases to 851 MΩ. .
[0044]
Next, with reference to Table 6, curve c, and curve 10 in FIG. 10, regarding the Co amount and permeability (μ) of the sintered ferrite member according to Example c, and the correlation between the Co amount and the quality factor (Q) explain. As shown in Table 6 and FIG. 9 curve c, the permeability (μ) is slightly reduced by adding Co, but in Nos. 13 to 17, the quality factor (Q) is a good value of 60 or more. (See Table 6 and curve c in FIG. 10). Among these, when the Co amount is 0.103 wt% (No. 14), the Co amount is 0.200 wt% (No. 15), and the Co amount is 0.488 wt% (No. 16). The quality factor (Q) is a particularly good value of 70 or more. However, when the Co content exceeds 0.700 wt% (No. 17), the quality factor (Q) is greatly reduced. When the Co content is 1.020 wt% (No. 18), the quality factor (Q ) Drops to 34.
[0045]
<Example d>
Example d was a composition shown in Table 7 and produced a multilayer capacitor under the same production conditions as in Example a, and measured breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR). Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 8. FIG. 7 (curve d) shows a graph showing the fluctuation of the breakdown voltage (VB) depending on the Co amount, and FIG. 8 (curve d) shows a graph showing the fluctuation of the insulation resistance (IR) depending on the Co amount. FIG. 9 (curve d) shows a graph showing variations in magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve d) shows graphs showing variations in quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0046]
[Table 7]
[0047]
[Table 8]
[0048]
In Table 8 and FIG. 7 curve d, No. 19 to 23 excluding the case where the amount of Co in the sintered body is 1.020 wt% (No. 24) shows a breakdown voltage (VB) of 2.0 kV or higher. ing. The breakdown voltage (VB) peaks when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 21), and Nos. 20 to 22 have an excellent breakdown voltage (VB) of 2.5 kV or higher. .
Further, Table 8 also shows a value obtained by dividing the breakdown voltage (VB) by the thickness d (60 μm) of the
[0049]
In Table 8 and curve d in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 19), the insulation resistance (IR) is 2630 MΩ. When the amount of Co becomes 0.103 wt% (No. 20), the insulation resistance (IR) rapidly increases to 7300 MΩ, and when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 21), the insulation resistance (IR) further increases. It is improved to 8200MΩ. With this value as a peak, the insulation resistance (IR) gradually decreased. When the Co content was 1.020 wt% (No. 24), the insulation resistance (IR) decreased to 708 MΩ.
[0050]
Next, with reference to Table 8, curve d, and curve d in FIG. 10, the correlation between the Co amount and the magnetic permeability (μ) and the Co amount and the quality factor (Q) of the sintered ferrite member according to Example d. explain. As shown in Table 8 and FIG. 9 curve d, the magnetic permeability (μ) is slightly reduced by adding Co. On the other hand, as shown in Table 8 and curve d in FIG. Among them, the quality factors (Q) of Nos. 20 to 22 are particularly excellent values of 70 or more. However, when the Co amount is 1.020 wt% (No. 24), the quality factor (Q) is reduced to 38.
[0051]
<Example e>
Example e had a composition shown in Table 9 and produced a multilayer capacitor under the same production conditions as in Example a, and measured breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR). Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 10. FIG. 7 (curve e) shows a graph showing the fluctuation of the breakdown voltage (VB) depending on the Co amount, and FIG. 8 (curve e) shows a graph showing the fluctuation of the insulation resistance (IR) depending on the Co amount. FIG. 9 (curve e) shows a graph showing variations in magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve e) shows graphs showing variations in quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0052]
[Table 9]
[0053]
[Table 10]
[0054]
In Table 10 and FIG. 7 curve e, the breakdown voltage (VB) when the amount of Co in the sintered body is 0.006 wt% (No. 25) is 1.82 kV. When the amount of Co becomes 0.103 wt% (No. 26), the breakdown voltage (VB) increases to 2.32 kV, and when the amount of Co is 0.200 wt% (No. 27) and the amount of Co is 0.488 wt%. In the case (No. 28), a good breakdown voltage (VB) of 2.0 kV or higher is shown. However, when the Co content reached 1.020 wt% (No. 30), the breakdown voltage (VB) decreased to 1.45 kV.
[0055]
Further, Table 10 also shows a value obtained by dividing the breakdown voltage (VB) by the thickness d (60 μm) of the
[0056]
In Table 10 and curve e in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is also related to the amount of Co. When the amount of Co is 0.006 wt% (No. 25), the insulation resistance (IR) is 728 MΩ. When the Co content is 0.103 wt% (No. 26), the insulation resistance (IR) is improved to 3980 MΩ, and when the Co content is 0.200 wt% (No. 27), the insulation resistance (IR) is further improved. 4310 MΩ. When the amount of Co exceeds 0.700 wt% (No. 29), the insulation resistance (IR) rapidly decreases, and when the amount of Co is 1.020 wt% (No. 30), it decreases to 417 MΩ.
[0057]
Next, with reference to Table 10, curve e, and curve e, the correlation between the Co content and the magnetic permeability (μ) and the Co content and the quality factor (Q) of the ferrite sintered member according to Example e is shown. explain. As shown in Table 10 and FIG. 9 curve e, the magnetic permeability (μ) is slightly decreased by adding Co, but in No. 25 to 29, the quality factor (Q) is a good value of 40 or more. Is shown. However, the quality factor (Q) decreased to 32 when the Co content was 1.020 wt% (No. 30).
[0058]
<Comparative Example 1>
Comparative Example 1 was a composition shown in Table 11 and produced a multilayer capacitor under the same production conditions as in Example a, and measured breakdown voltage (VB) and insulation resistance (IR). Moreover, the measurement core was produced and the magnetic permeability (μ) and the quality factor (Q) were measured.
The measured results are shown in Table 12. FIG. 7 (curve f) shows a graph showing the fluctuation of the breakdown voltage (VB) depending on the Co amount, and FIG. 8 (curve f) shows a graph showing the fluctuation of the insulation resistance (IR) depending on the Co amount. FIG. 9 (curve f) shows a graph showing variations in magnetic susceptibility (μ), and FIG. 10 (curve f) shows graphs showing variations in quality factor (Q) depending on the amount of Co.
[0059]
[Table 11]
[0060]
[Table 12]
[0061]
In FIG. 7, when the curves a to e according to the examples a to e are compared with the curve f according to the comparative example 1, it can be seen that the rate of increase of the breakdown voltage (VB) due to the addition of Co is hardly observed in the curve f.
8 to 10, the curve f according to Comparative Example 1 is at a lower level than the curves a to e in the insulation resistance (IR), the magnetic permeability (μ), and the quality factor (Q). It is clear.
[0062]
<Evaluation of Examples>
The measurement results of the breakdown voltage (VB), the insulation resistance (IR), the magnetic permeability (μ), and the quality factor (Q) of Examples a to e and Comparative Example 1 have been shown. Hereinafter, based on these results, an example is evaluated.
(1) Evaluation of breakdown voltage (VB)
First, the breakdown voltage (VB) is evaluated using FIG.
As shown in FIG. 7, the breakdown voltage (VB) is in the order of curves a to f. It is obvious that the curve f is at a lower level than the curves a to e. Here, the Mn amount of the curve a is 0.070 wt%, the Mn amount of the curve b is 0.168 wt%, the Mn amount of the curve c is 0.357 wt%, the Mn amount of the curve d is 0.544 wt%, and the Mn amount of the curve e The amount is 0.732 wt%, and the amount of Mn in the curve f is 1.028 wt%. Therefore, it was found that in order to obtain a good breakdown voltage (VB), the amount of Mn in the sintered body must be 0.75 wt% or less (excluding 0).
Further, in the curves a to e in which the amount of Mn is within the range recommended by the present invention, when the amount of Co in the sintered body exceeds 1.700 wt% and reaches 1.020 wt%, the breakdown voltage (VB) is 1. The voltage drops to 8 kV or less. From this tendency, in order to obtain an excellent breakdown voltage (VB), the amount of Mn in the sintered body is set to 0.75 wt% or less (not including 0), and the amount of Co in the sintered body is set to It has become clear that it is necessary to set the value within a predetermined range recommended in the present invention, that is, 0.75 wt% or less (not including 0).
[0063]
Next, the range in which a particularly excellent breakdown voltage (VB) can be obtained within the range recommended by the present invention for both the amount of Mn and the amount of Co in the sintered body will be examined.
Curves a to d obtain particularly good breakdown voltage (VB) when the amount of Co in the sintered body is in the range of 0.75 wt% or less. The curve a exhibits an excellent breakdown voltage (VB) of 2.5 kV or higher, and the curves b to d also obtain a breakdown voltage (VB) of 2.0 kV or higher over a wide range even if not as large as the curve a. It is noted that. Therefore, in order to obtain a particularly excellent breakdown voltage (VB), it is desirable that the Mn content in the sintered body is 0.6 wt% or less and the Co content is 0.75 wt% or less. A more desirable amount of Mn is 0.2 wt% or less. Moreover, since the favorable breakdown voltage (VB) is obtained in the curve a in which the amount of Mn is 0.070 wt%, a favorable breakdown voltage (VB) can be obtained if the amount of Mn is about 0.01 wt%. It is guessed. As for the amount of Co, since the curves a to d have peak values when the amount of Co is 0.2 wt%, the amount of Co is 0.05 to 0.6 wt%, and further 0.1 to 0.4 wt%. % Is desirable.
[0064]
Similarly to the curves a to d, the curve e also has a peak breakdown voltage (VB) when the Co content is 0.2 wt%, and shows an excellent value of about 2.5 kV. On the other hand, curves a to d show a breakdown voltage (VB) around 2.5 kV even when the Co amount is around 0.75 wt%, whereas curve e shows a breakdown when the Co amount reaches 0.700 wt%. The voltage (VB) becomes a value lower than 2.0 kV. From this tendency, when the amount of Mn in the sintered body is 0.6 wt% or more, the amount of Co is preferably 0.05 to 0.6 wt%, more preferably 0.1 to 0.4 wt%. When the amount of Mn in the sintered body is 0.6 wt% or more, an excellent breakdown voltage (VB) of 2.0 kV or more can be obtained by setting the Co amount to 0.05 to 0.6 wt%. it can.
[0065]
(2) Evaluation of insulation resistance (IR)
Next, the insulation resistance (IR) is evaluated using FIG.
As shown in FIG. 8, the insulation resistance (IR) is in the order of curves a to f. Similarly to the breakdown voltage (VB), the level of the insulation resistance (IR) of the curve f is low in the curves a to f. Therefore, it can be said that in order to obtain good insulation resistance (IR), the amount of Mn in the sintered body must be 0.75 wt% or less (excluding 0).
Further, in the curves a to e where both the amount of Mn and the amount of Co are recommended in the present invention, that is, 0.75 wt% or less, the curves a to d have good insulation resistance (IR). Among these, curves a and b have particularly good insulation resistance (IR). Therefore, by setting the amount of Mn in the sintered body to 0.6 wt% or less, more desirably 0.2 wt% or less, it is possible to obtain a very excellent insulation resistance (IR). However, since the effect cannot be enjoyed when the amount of Mn becomes too low, it is desirable to contain it in the range of 0.01 wt% or more, and further 0.03 wt% or more. Furthermore, since the peak value is obtained when the amount of Co in the sintered body is 0.2 wt%, the optimum range of the Co amount is 0.05 to 0.6 wt%. Can be said to be 0.01 to 0.4 wt%.
[0066]
(3) Evaluation of permeability (μ)
Next, the magnetic permeability (μ) is evaluated using FIG.
FIG. 9 shows that the curves a to e are at substantially the same level, and only the curve f is at a low level. Therefore, in order to obtain good magnetic permeability (μ), the amount of Mn in the sintered body may be 0.75 wt% or less (excluding 0).
Among the curves a to e, the curves c to e show particularly good magnetic permeability (μ), followed by the curves b and a. That is, it shows a tendency different from the breakdown voltage (VB) and the insulation resistance (IR) described above. From this tendency, it can be said that the desirable range of the Mn amount with respect to the magnetic permeability (μ) is 0.1 to 0.75 wt%, and further 0.3 to 0.75 wt%.
Furthermore, also in the curves a to e, in order to ensure a good magnetic permeability (μ) of 150 or more, the amount of Co in the sintered body is set to a range recommended by the present invention, that is, 0.75 wt% or less. It is desirable.
[0067]
(4) Evaluation of quality factor (Q)
Next, the quality factor (Q) is evaluated using FIG.
Referring to FIG. 10, the quality factor (Q) is also in the order of the curves a to f, and the quality factor (Q) of the curve f is 40 or less even at its peak value. Accordingly, it has been found that in order to obtain a good quality factor (Q) of 40 or more, the amount of Mn in the sintered body needs to be 0.75 wt% or less (excluding 0).
Curves a and b have particularly good quality factors (Q) among the curves a to e, and the curve e is at a lower level than the curves a to d. Therefore, in order to obtain a good quality factor (Q), Mn may be included so that the amount of Mn in the sintered body does not exceed 0.75 wt%. A more desirable amount of Mn is 0.1 to 0.6 wt%, and further 0.1 to 0.2 wt%. In this range, a particularly excellent quality factor (Q) can be obtained.
[0068]
Next, focusing on the Co content, when the Co content is in the range of 0.75 wt% or less (not including 0), the curves a to e exhibit an excellent quality factor (Q) of 40 or more. On the other hand, when the amount of Co exceeds 0.75 wt% and reaches 1.020 wt%, the quality factor (Q) of the curves c to e becomes 40 or less. Further, in the curves a to e, when the Co amount is about 0.6 wt%, a very excellent quality factor (Q) of 50 or more is shown, and when the Co amount is 0.2 wt%, the quality factor (Q) peak It can be seen that the value is obtained. Therefore, in order to obtain an excellent quality factor (Q), Co may be included in the sintered body so that the Co amount does not exceed 0.75 wt%. A more desirable amount of Co is 0.05 to 0.6 wt%, and further 0.1 to 0.4 wt%.
[0069]
As described above, when the amount of Mn in the sintered body is 0.75 wt% or less (excluding 0) and the amount of Co is 0.75 wt% or less (not including 0), 40 or more An excellent quality factor (Q) can be obtained. In addition, when the Mn amount is 0.01 to 0.6 wt% and the Co amount is 0.05 to 0.75 wt%, an excellent quality factor (Q) of 80 or more can be obtained. Further, even when the Mn amount is 0.6 wt% or more, a good quality factor (Q) of 50 or more can be obtained by setting the Co amount to 0.05 to 0.6 wt%.
[0070]
<Comprehensive evaluation of an Example>
According to this example, excellent fracture occurred when the amount of Mn in the sintered body was 0.75 wt% or less (excluding 0) and the amount of Co was 0.75 wt% or less (excluding 0). It became clear that voltage (VB), insulation resistance (IR), magnetic permeability (μ) and quality factor (Q) can be obtained. In order to obtain a particularly excellent breakdown voltage (VB), insulation resistance (IR) and quality factor (Q) in this range, it is desirable that the amount of Mn in the sintered body is 0.6 wt% or less. In addition, even when the amount of Mn in the sintered body is 0.6 wt% or more, by setting the Co amount to 0.6 wt% or less, and further to 0.4 wt% or less, an excellent breakdown voltage (VB), Insulation resistance (IR) and quality factor (Q) can be obtained. Furthermore, when the amount of Mn in the sintered body is 0.2 wt% or less and the amount of Co is 0.6 wt% or less, particularly excellent breakdown voltage (VB), insulation resistance (IR) and quality are obtained. The coefficient (Q) can be obtained.
[0071]
The measurement results of the breakdown voltage (VB), the insulation resistance (IR), the magnetic permeability (μ), and the quality factor (Q) of this example have been described above. Next, Table 13 shows the measurement results of the accelerated life test (HALT) and the area ratio of Cu segregation. As samples, No. 1 and No. 3 in Example a, No. 16 in Example c, No. 21 in Example d, and No. 36 in Comparative Example 1 were used. Using these powders, multilayer capacitors were produced under the same conditions as in the above examples, and the accelerated life test (HALT) was measured. The element distribution in the sintered body structure was observed with an electron beam probe microanalyzer (EPMA), and the area ratio of Cu segregation in the sintered body structure was calculated.
[Accelerated life test (HALT)]
It was observed whether or not a failure occurred after applying a voltage of 80 V to the manufactured
[EPMA measurement conditions, Cu segregation area ratio]
Using JCMA733 manufactured by JEOL Ltd. as an electron beam probe microanalyzer (EPMA), the structure was observed under the following conditions. Further, when measurement is performed under these conditions, when the count number of a predetermined measurement point becomes equal to or greater than (the average value of the count number of the entire measurement point × 1.3 times), the measurement point is defined as Cu segregation, and Cu A value obtained by dividing the total number of segregation by the number of all measurement points and multiplying by 100 was defined as the area ratio of Cu segregation (Cu segregation ratio) in the structure.
Cu segregation area ratio (%) = 100 × (Cu segregation score) / (total number of measurements)
[0072]
[Table 13]
[0073]
Comparing No. 1 with a Co amount of 0.006 wt% and No. 3 with a Co amount of 0.200 wt%, it can be seen that the number of defective samples is drastically reduced in No. 3. No. 1 and No. 3 have the same main component composition, and the amount of Mn as a subcomponent is also equal to 0.070 wt%. Therefore, it became clear that the amount of Co is related to the drastic decrease in the number of defective samples.
In No. 3 and No. 16, even after applying a voltage of 80 V at a high temperature of 175 ° C. for 10 hours, the number of defective samples is 0 and good results are shown. In particular, in No. 16, even after 48 hours of application, the number of defective samples was 4 and very good results were obtained. Therefore, by adding 0.3 to 0.5 wt% of Mn and Co as subcomponents to the NiCuZn ferrite and making the Cu segregation rate in the range of 6.0 to 10.0%, very excellent durability can be obtained. It turns out that the parts shown are obtained. In No. 21, the number of defective samples after applying for 10 hours, and the number of defective samples after applying for 24 hours, 7 and good results are obtained. On the other hand, in No. 36 in which both the amount of Mn and the amount of Co exceed 0.75 wt%, the number of defective samples increases to the same level as No. 1.
From the above results, it is possible to obtain a component with excellent durability by setting the Mn amount to 0.75 wt% or less (not including 0) and the Co amount to 0.01 to 0.75 wt%. I understood.
[0074]
Furthermore, Table 13 also shows the area ratio of Cu segregation in the sintered body (hereinafter referred to as Cu segregation ratio). As the Cu segregation rate increases from 1.1% (No. 36) to 5.2% (No. 21), the number of defective samples decreases drastically. It can be seen that the number of defective samples is small even when the Cu segregation rate is 8.1% (No. 16) and 13.8% (No. 3). From this result, it was found that a component having excellent durability can be obtained when the Cu segregation rate is in a predetermined range recommended in the present invention, that is, in a range of 1.5% to 15.0%.
Next, the relationship between the Mn amount and the Cu segregation rate and the relationship between the Co amount and the Cu segregation rate will be described by comparing the column of the Cu segregation rate and the columns of the Mn amount and the Co amount in Table 13. When No. 1 having a Co content of 0.006 wt% and No. 3 having a Co content of 0.200 wt% are compared, the Cu segregation rate of No. 3 is slightly higher. Since No. 1 and No. 3 had the same amount of Mn as the main component and subcomponent, it was found that the Cu segregation rate increased as the amount of Co increased. On the other hand, when No. 3 (Mn amount: 0.070 wt%) and No. 21 (Mn amount: 0.544 wt%), which have the same amount of Co as the main component and subcomponent and differ only in the amount of Mn, are compared, The value of Cu segregation rate is lower. From this result, it was found that the Cu segregation rate decreases as the amount of Mn increases.
[0075]
In Table 13, when the Cu segregation rate is 1.1% (No. 36), the breakdown voltage (VB) is 1.39 kV, whereas the Cu segregation rate is 5.2% (No. 21). Then, the breakdown voltage (VB) is increased to 2.75 kV. Even when the Cu segregation rate is 8.1% (No. 16), an excellent breakdown voltage (VB) of almost the same level as that obtained when the Cu segregation rate is 5.2% (No. 21) is obtained. When the Cu segregation rate is 13.8% (No. 3), the breakdown voltage (VB) is further improved to 3.01 kV. From this tendency, it was found that the breakdown voltage (VB) can be improved when a predetermined amount of Mn and Co is contained and the Cu segregation rate is in the range of 1.5 to 15.0%. In order to obtain a particularly high breakdown voltage (VB) within this range, it is desirable that the Cu segregation rate be in the range of 5.0 to 15.0%.
[0076]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a magnetic ferrite material excellent in voltage resistance and durability as compared with the conventional one and a laminated ferrite component using the same, at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a multilayer chip inductor array according to an embodiment.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line AA of FIG.
3 is a cross-sectional view taken along the line BB in FIG.
FIG. 4 is an LC composite component according to the present embodiment.
FIG. 5 is a side sectional view of the multilayer chip capacitor used in the examples.
6 is a cross-sectional view taken along the line CC of FIG.
FIG. 7 is a graph showing the variation of breakdown voltage (VB) depending on the amount of Co measured in this example.
FIG. 8 is a graph showing variations in insulation resistance (IR) depending on the amount of Co measured in the present example.
FIG. 9 is a graph showing variation in magnetic permeability (μ) depending on the amount of Co measured in this example.
FIG. 10 is a graph showing the variation of the quality factor (Q) depending on the amount of Co measured in this example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記磁性フェライト層はFe2O3:45.0〜49.8mol%,CuO:7.0〜25.0mol%,ZnO:15.0〜30.0mol%およびNiO:5.0〜45.0mol%を主成分とし、Mn:0.75wt%以下(0を含まず)およびCo:0.01〜0.6wt%を副成分として含み、組織に占めるCuの偏析が面積率で1.5〜15.0%である磁性フェライト焼結体から構成され、
前記内部電極はAgまたはAg合金から構成されることを特徴とする積層型フェライト部品。A laminated ferrite component having magnetic ferrite layers and internal electrodes alternately laminated, and having external electrodes electrically connected to the internal electrodes,
The magnetic ferrite layer is Fe 2 O 3: 45.0~49.8 mol% , CuO: 7.0~25.0 mol%, ZnO: 15.0~30.0 mol% and NiO: 5.0 to as main components 45.0 mol%, Mn: 0.75wt% or less (not including 0), and Co: 0.01 to 0.6 look including the wt% as an auxiliary component, the area segregation of Cu occupying the tissue It is composed of a magnetic ferrite sintered body having a rate of 1.5 to 15.0% ,
The multilayer ferrite component, wherein the internal electrode is made of Ag or an Ag alloy.
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