JP3889921B2 - プレート状絶縁体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧接端子を装着して、複数枚が積層されるプレート状絶縁体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに装備されるワイヤハーネスは、電子機器の機能毎などに分けられた複数のサブハーネスとして一旦構成され、これらのサブハーネスを互いに組み付けられて得られるようになっている。このため、前記サブハーネス間の電線相互の接続が煩雑となり、組立時の作業性が悪化する傾向となり最悪の場合には品質が安定しない恐れも生じてきた。
【0003】
このため、前述した電線相互の接続を容易とするために、本発明の出願人は、プレート状の絶縁体と、この絶縁体に装着される圧接端子と、を備え、前記プレート状の絶縁体を複数枚積層して得られるプレートコネクタを提案している。プレート状の絶縁体は、合成樹脂からなる。プレート状の絶縁体は、平板状の底壁と、この底壁からそれぞれ立設した複数の隔壁と、電線固定部と、を備えている。
【0004】
複数の隔壁は、互いに平行でかつ互いに等間隔に配されている。電線収容溝は、隣り合う隔壁と底壁とで囲まれて形成されている。電線収容溝は、隔壁が並設する方向に沿って、並設している。電線収容溝は互いに平行である。電線収容溝は、圧接端子の少なくとも後述する電線接続部と、該電線接続部に圧接される電線と、を収容する。
【0005】
電線固定部は、それぞれの電線収容溝に収容された電線が抜け出ることを阻止する。電線固定部は、電線収容溝の幅方向に沿って間隔を存する縁から立設した係止爪と、底壁から立設した係合部材とを備えている。係止爪は、それぞれの電線収容溝に対応して、二つ配されている。係合部材は、隣り合う電線収容溝に配された係止爪間に係合可能である。
【0006】
一つの電線収容溝の縁に配された係止爪は、前記係合部材が係合していない状態では、互いに接離する方向に弾性変形自在となっている。また、係止爪は、弾性変形していない初期状態では、電線の挿入を容易とするために、互いの間に隙間が生じている。係止爪は、前記係合部材が係合していない状態では、電線収容溝内に電線が侵入すること及び電線が電線収容溝から抜け出ることを許容する。
【0007】
さらに、係止爪は、係合部材が係合すると、初期状態から互いに離れることが規制される。係止爪は、互いの間に前記隙間が生じて、前記電線が電線収容溝から抜け出ることを防止する。
【0008】
前記圧接端子は、板金を折り曲げて形成される。圧接端子は、電線と接続する電線接続部と、前記電線接続部に連なりかつ筒状の電気接触部と、を備えている。電線接続部は、電線と圧接しかつ互いに相対する対の圧接刃を備えている。電気接触部内には、導電性を有しかつ帯板状の接続バーが挿入される。圧接端子は、電線接続部と、電気接触部とが、平面形状がL字状となる位置に配置されている。圧接端子は、プレート状絶縁体の底壁上に載置される。
【0009】
プレート状絶縁体は、圧接端子を、前記電線収容溝の長手方向と、これらの電線収容溝が互いに並設する方向と、の二方向に沿って、前記底壁上に並べる。即ち、プレート状絶縁体は、圧接端子を、底壁上に二次元のマトリックス状に配置する。圧接端子が二次元のマトリックス状に配置されたプレート状絶縁体を複数枚積層し、互いに重なる電気接触部のうち所望の電気接触部内に前記接続バーを挿入して、プレートコネクタが得られる。
【0010】
このように、前記プレートコネクタは、電線と圧接する圧接端子を、プレート状絶縁体の底壁の所望の位置に配し、かつ所望の電気接触部内に接続バーを挿入することによって、前記電線を予め定められるパターンにしたがって、相互に接続する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したプレート状の絶縁体の電線固定部では、係合部材が係止爪間に係合しても、これらの係止爪間に隙間が生じる。このため、電線収容溝に比較的細い電線を挿入すると、係合部材を係止爪間に係合させても、係止爪間から抜け出ることが考えられる。このように、前述したプレート状の絶縁体では、比較的細い電線を確実に固定できないことが考えられる。
【0012】
したがって、本発明の目的は、比較的細い電線を、確実に固定できるプレート状絶縁体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のプレート状絶縁体は、電線が接続される電線接続部と前記電線接続部に連なる電気接触部とを備えた圧接端子を装着して、複数が積層されるプレート状絶縁体において、前記電線接続部に接続された電線を収容するとともに互いに並設された複数の電線収容溝と、前記電線収容溝内に収容された電線が前記電線収容溝から抜け出ることを阻止する電線固定部と、を備え、前記電線固定部は、電線収容溝それぞれの幅方向に沿って間隔を存する両縁から立設し、かつ前記電線に係止可能な一対の係止爪と、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に設けられ、これらの係止爪間に係合可能であるとともに、前記係止爪間に近づくのにしたがって徐々に幅が狭く形成された係合部材と、を備え、前記係止爪が、前記電線収容溝から前記電線が抜け出ることを防止する規制位置と前記電線が前記電線収容溝から抜け出ることを許容する許容位置とに亘って変位自在であり、前記係止爪に係合突起が設けられ、かつ前記係合部材に前記係合突起が係合可能な係合凹部が設けられているとともに、前記係合凹部に前記係合突起が係合して、前記係合部材が前記係止爪間に係合すると、前記係止爪が前記許容位置に変位することが規制されるとともに、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪の間隔が前記規制位置での間隔より狭くなることを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の本発明のプレート状絶縁体は、請求項1記載のプレート状絶縁体において、前記隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間の前記規制位置での間隔より、前記係合部材の前記電線収容溝の幅方向に沿った幅が、大きいことを特徴としている。
【0015】
請求項3に記載の本発明のプレート状絶縁体は、請求項1または請求項2に記載のプレート状絶縁体において、前記係合部材が前記係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪が互いに接触することを特徴としている。
【0016】
請求項1に記載された本発明によれば、係合部材が、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の間隔が規制位置より狭くなる。
【0017】
請求項2に記載された本発明によれば、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間の間隔より、係合部材の電線収容溝の幅方向に沿った幅が大きい。このため、係合部材が、前記係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の隙間がより確実に狭くなる。
【0018】
請求項3に記載された本発明によれば、係合部材が、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪が互いに接触する。このため、これら一対の係止爪間に隙間が生じない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるプレート状絶縁体としての圧接プレート60を、図1ないし図14を参照して説明する。図1に示す本発明の一実施形態にかかるプレート状絶縁体としての圧接プレート60は、図4などに示す圧接端子としてのJB(Junction Block)用圧接端子50が装着されて、図2に示すように複数が積層されて、図3に示すプレートコネクタとしての積層プレートコネクタ1を構成する。
【0020】
なお、JB用圧接端子50は、電線4(図1などに示す)を圧接する。積層プレートコネクタ1は、前記JB用圧接端子50に圧接された電線4を、予め定められるパターンにしたがって電気的に接続する。
【0021】
JB用圧接端子50は、導電性の板金などを折り曲げるなどして形成されている。JB用圧接端子50は、図4などに示すように、電線4が接続される電線接続部51と、電気接触部52と、複数の係止片58と、を備えている。電線接続部51は、電線4が載置される平坦な載置壁55と、一対の側壁56a,56bと、かしめ片53と、圧接部51aと、を備えている。
【0022】
載置壁55は、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、載置壁55の幅方向に沿って間隔を存する両縁に連なっている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、載置壁55に立設している。一対の側壁56a,56bは、互いの間に圧接部51aに圧接される電線4を位置させる。
【0023】
かしめ片53は、載置壁55に立設している。かしめ片53は、載置壁55の幅方向の縁に連なっている。かしめ片53は、載置壁55に被さるように曲げられることにより、載置壁55との間に電線4を挟んで保持する。即ち、かしめ片53は、電線4を載置壁55にかしめる。
【0024】
圧接部51aは、互いに対向する二対の圧接刃54a,54bを備えている。圧接刃54a,54bは、載置壁55に立設している。圧接刃54a,54bは、側壁56a,56bの内面からこれら一対の側壁56a,56bが互いに近づく方向に突出している。
【0025】
圧接刃54a,54bは、互いの間に電線4を圧入することにより、電線4の被覆部5(図13などに示す)を切り込んで芯線6(図13などに示す)に接触して、前記電線4と電気的に接続する。即ち、圧接刃54a,54bは、電線4と圧接する。
【0026】
電気接触部52は、載置壁55の幅方向の一方の縁に連なっている。即ち、電気接触部52は、電線接続部51と連なっている。電気接触部52と電線接続部51とは、JB用圧接端子50の平面形状がL字状となる位置に配されている。電気接触部52は、電線接続部51に対し、載置壁55に載置される電線4の長手方向から屈曲した位置に配されている。
【0027】
電気接触部52は、角筒状に形成されている。電気接触部52はその筒孔が圧接プレート60の図示しない孔に連通するように配される。電気接触部52の筒孔内には、挿入子としての図5などに示す接続バー80が挿入される。
【0028】
この接続バー80は、導電性の金属などからなりかつ帯板状に形成されている。電気接触部52の筒孔内には、接続ばね片57が設けられている。接続ばね片57は、接続バー80を電気接触部52の筒孔の内面に向かって押圧する。接続ばね片57は、接続バー80と電気接触部52とを電気的に接続する。
【0029】
電気接触部52は、圧接プレート60が互いに積層された際に、筒孔内に接続バー80が挿入されることによって、互いに重なるJB用圧接端子50同士を電気的に接続する。こうして、電気接触部52は、他の端子金具としての他のJB用圧接端子と接続する。
【0030】
係止片58は、側壁56a,56bの一部が切り欠かれて形成されている。係止片58は、側壁56a,56bそれぞれに設けられている。それぞれの係止片58は、一端部が側壁56a,56bに連なり、かつ他端部が側壁56a,56bから離れている。それぞれの係止片58は、特に前記他端部が側壁56a,56bの外面から外方向に突出している。
【0031】
係止片58は、図4などに示すように、前記一端部から他端部に向かうにしたがって、徐々に側壁56a,56bの外面から離れるように傾斜している。係止片58は、JB用圧接端子50が圧接プレート60に装着された際に、前記他端部が後述する隔壁63bの内面に係止可能である。
【0032】
JB用圧接端子50は、電線接続部51が圧接プレート60の後述する電線収容溝61の溝本体61a内に収容され、かつ電気接触部52が電線収容溝61の後述する収容部64内に収容される。JB用圧接端子50は、他端部間の間隔が狭くなる方向に係止片58が押圧されて、溝本体61a及び収容部64内に圧入される。JB用圧接端子50は、溝本体61a及び収容部64内に圧入されることで、圧接プレート60に収容される(又は保持されるともいい又は装着されるともいう)。
【0033】
圧接プレート60は、絶縁性の合成樹脂などからなり、プレート状即ち平板状に形成されている。圧接プレート60は、図1ないし図3に示すように、矩形状のプレート本体62と、複数の電線収容溝61と、電線固定部70と、を備えている。プレート本体62は、ほぼ平坦な底壁63aと、奥壁65と、一対の側壁67と、外壁としての手前壁69と、底壁63aから立設した複数の隔壁63bと、フランジ部68と、を備えている。
【0034】
奥壁65は、底壁63aの図中奥側に位置する一つの縁部に連なっている。奥壁65は、底壁63aに立設している。一対の側壁67は、底壁63aの互いに相対する一対の縁と前記奥壁65とに連なっている。一対の側壁67は、底壁63aに立設している。一対の側壁67は、互いに平行である。
【0035】
手前壁69は、底壁63aの図中手前側に位置する縁部に連なっている。手前壁69は、底壁63aから立設している。手前壁69は、図6及び図7に示すように、後述する抜け防止壁74と係合部材72を挟む位置に配されている。手前壁69は、一対の側壁67双方と連なっている。手前壁69には、電線収容溝61が開口する開口部69aが複数設けられている。
【0036】
隔壁63bは、互いに平行でかつ間隔を存している。隔壁63bは、それぞれ一対の側壁67と平行である。隔壁63bは、それぞれプレート本体62の長手方向に沿っている。
【0037】
フランジ部68は、前記底壁63aの縁部からプレート本体62の外方向に突出している。フランジ部68は、奥壁65、側壁67及び手前壁69の外表面から外方向に突出している。フランジ部68は、底壁63aの全周に亘って設けられている。フランジ部68は、底壁63a即ちプレート本体62の剛性を向上させて、底壁63a即ちプレート本体62が湾曲することを防止する。
【0038】
電線収容溝61は、隣り合う隔壁63bと底壁63aとで囲まれて形成されている。電線収容溝61は、プレート本体62の幅方向に沿って、即ち前記側壁67が互いに相対する方向に沿って、並設されている。電線収容溝61は、互いに平行である。電線収容溝61は、プレート本体62の長手方向に沿って延びている。即ち、電線収容溝61は、奥壁65に接離する方向に沿って延びている。電線収容溝61は、電線4とJB用圧接端子50とを収容可能である。
【0039】
電線収容溝61は、図1に示すように、溝本体61aと、収容部64とを備えている。溝本体61aは、隣り合う隔壁63bの内面と、底壁63aの表面とで、形成されている。溝本体61aは、前記側壁67及び隔壁63bに沿って延在している。溝本体61aは、電線4と、JB用圧接端子50の電線接続部51と、を収容する。
【0040】
収容部64は、隣り合う一対の隔壁63bの間隔を拡げるように、前記隔壁63bから凹に形成されている。収容部64は、一つの電線収容溝61を形成する隣り合う一対の隔壁63bそれぞれに設けられている。収容部64は、溝本体61aの長手方向に沿って、一方の隔壁63bと他方の隔壁63bとに、交互に設けられている。
【0041】
こうして、収容部64は、電線収容溝61の溝本体61aの長手方向に沿って複数並設されている。収容部64は、JB用圧接端子50の電気接触部52を収容する。収容部64には、一つの孔が設けられている。前記孔は、それぞれプレート本体62の底壁63aを貫通している。
【0042】
電線固定部70は、図1、図6及び図7に示すように、電線収容溝61の奥壁65から離れた端部61bに設けられている。なお、この端部61bは、プレート本体62の端部もなしている。電線固定部70は、図6ないし図13などに示すように、係止爪71と、係合部材72と、変形防止突起73と、抜け防止壁74と、貫通孔75と、を備えている。
【0043】
係止爪71は、それぞれの電線収容溝61に対応して設けられている。係止爪71は、一つの電線収容溝61に対し二つ設けられている。これら二つの係止爪71は、電線収容溝61の幅方向に沿って間隔を存する両縁から立設している。係止爪71は、プレート本体62と一対に形成され、爪本体71aと、係合突起71bと、を備えている。爪本体71aは、プレート本体62に連なっているとともに、底壁63aに対し立設している。
【0044】
爪本体71aは、電線収容溝61内に収容された電線4に係止して、この電線4が電線収容溝61内から抜け出ることを防止する。一つの電線収容溝61に設けられた一対の係止爪71の爪本体71aは、図14(A)及び図14(C)などに示す規制位置と、図14(B)などに示す許容位置とに亘って弾性変形自在である。即ち、係止爪71は、前記規制位置と前記許容位置とに亘って変位自在である。
【0045】
前記規制位置では、前記二つの係止爪71の爪本体71aは、互いの間隔が狭くなって電線収容溝61内に収容した電線4が抜け出ることを防止する。前記許容位置では、前記二つの係止爪71の爪本体71aは、互いの間隔が広がって前記電線4が抜け出ること及び電線収容溝61内に電線4が侵入することを許容する。
【0046】
また、前記爪本体71aは、弾性変形していない状態(初期状態)では、前記規制位置となっている。さらに、前記規制位置では、電線収容溝61の両縁から立設した一対の係止爪71の爪本体71a間には、図7及び図9に示すように、間隔D3の隙間81が生じている
【0047】
係合突起71bは、図7及び図9などに示すように、前記一つの電線収容溝61の両縁から立設した一対の係止爪71の爪本体71aそれぞれから、互いに離れる方向に突出している。係合突起71bは、電線収容溝61からみて爪本体71aの背面から突出している。即ち、係合突起71bは、係止爪71の爪本体71aそれぞれから、隣り合う電線収容溝61の縁から立設した爪本体71aが互いに近づく方向に突出している。
【0048】
係合部材72は、図7などに示すように、電線収容溝61の幅方向に沿って、隣り合う電線収容溝61の相互間に設けられている。係合部材72は、図7及び図9などに示すように、隣り合う電線収容溝61の縁から立設した係止爪71間に設けられている。係合部材72は、プレート本体62と一体に形成されている。係合部材72は、図8などに示すように、一端部72aが底壁63aに連なったアーム状に形成されている。係合部材72は、他端部72bに方体部76を設けている。
【0049】
方体部76には、前記係合突起71bが係合可能な係合凹部77と、曲面79と、が設けられている。係合凹部77は、方体部76の爪本体71aに相対する表面から凹に形成されている。係合凹部77は、方体部76の縁から段差を有して凹に形成されており、前記一端部72aと他端部72bとが接離する方向に沿って延在している。
【0050】
曲面79は、プレート本体62の底壁63aから離れた方体部76の上端面76aと、手前壁69に相対する方体部76の表面76bと、に亘って形成されている。曲面79は、底壁63a即ちプレート本体61から離れる方向に凸でかつ滑らかに形成されている。
【0051】
また、係合部材72の方体部76の電線収容溝61の幅方向に沿った幅W(図7及び図9に示す)は、前記規制位置での隣り合う電線収容溝61の縁から立設した係止爪71の爪本体71a間の間隔D1(図7及び図9に示す)より、大きく形成されている。このように、係合部材72は、電線収容溝61の幅方向に沿った幅Wが、規制位置での係止爪71間の間隔D1より、大きく形成されている。
【0052】
係合部材72は、他端部72bに設けられた方体部76の係合凹部77が、係合突起71bに係合する。係合部材72は、図6ないし図9に示す底壁63aから立設した状態と、図10ないし図13に示す係合凹部77が係合突起71bに係合した状態と、に亘って弾性変形自在である。
【0053】
また、前記係合部材72は、弾性変形していない状態(初期状態)では、底壁73aから立設して、係合突起71bに係合していない状態となっている。さらに、係合部材72は、係合凹部77が係合突起71bに係合した際に、底壁63aに相対する端面72cを備えている。端面72cは、前記他端部72bに設けられている。
【0054】
変形防止突起73は、隣り合う電線収容溝61の相互間に設けられている。変形防止突起73は、電線収容溝61の幅方向に沿って、隣り合う電線収容溝61の縁に配された係止爪71間に設けられている。変形防止突起73は、プレート本体62と一体に形成されている。変形防止突起73は、底壁63aの表面から凸に形成されている。変形防止突起73は、係合突起71bに係合した方体部76に相対する。
【0055】
変形防止突起73は、規制面78を備えている。規制面78は、図12に示すように、係合突起71bに係合した係合部材72の端面72cに相対する。規制面78は、端面72cに沿って形成されている。規制面78は、係合突起71bに係合した係合部材72の端面72cに接するか、または前記端面72cの近傍に位置する。
【0056】
抜け防止壁74は、隣り合う電線収容溝61の相互間に設けられている。抜け防止壁74は、電線収容溝61の幅方向に沿って、隣り合う電線収容溝61に設けられた係止爪71間に設けられている。抜け防止壁74は、図7及び図8などに示すように、変形防止突起73を、係合部材72と、電線収容溝61の長手方向に沿って挟む位置に配されている。抜け防止壁74は、プレート本体61に一体に形成されており、底壁63aから立設している。
【0057】
抜け防止壁74は、前記係合突起71bからの間隔D(図8に示す)が、該係合突起71bに係合した方体部76が接触しても、該方体部76と係合突起71bとの係合が外れない間隔となっている。
【0058】
貫通孔75は、隣り合う電線収容溝61の相互間に設けられている。貫通孔75は、電線収容溝61の幅方向に沿って、隣り合う電線収容溝61の縁から立設した係止爪71間に設けられている。貫通孔75は、図8に示すように、変形防止突起73を、抜け防止壁74と、電線収容溝61の長手方向に沿って挟む位置に配されている。貫通孔75は、電線収容溝61の長手方向に沿って、手前壁69と変形防止突起73との間に設けられている。貫通孔75は、プレート本体61の底壁63aを貫通している。
【0059】
前述した構成の電線固定部70は、係合部材72が係合突起71bに係合して、係止爪71の爪本体71aが前述した規制位置から許容位置に向かって変位すすことが規制される。電線固定部70は、電線収容溝61内に収容した電線4が抜け出ることを阻止する。
【0060】
また、前記圧接プレート60は、複数の係止突起66と図示しない複数の係止受け突起とを備えている。これらの係止突起66と係止受け突起とは、互いに係止する。前述した積層プレートコネクタ1を構成する際に、これらの係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して、圧接プレート60が互いに固定する。
【0061】
圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、前記電線収容溝61の溝本体61aの長手方向と、これらの電線収容溝61が並設する方向と、の二方向に沿って前記底壁63a上に並べる。即ち、圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、底壁63a上に二次元のマトリックス状に配置する。
【0062】
前記積層プレートコネクタ1を組み立てる際には、まず、圧接プレート60に、JB用圧接端子50を装着する。このとき、JB用圧接端子50を、底壁63aに近づけてプレート本体62に装着する。係止片58が隔壁63bの内面に係止して、JB用圧接端子50は電線収容溝61内に収容されて、圧接プレート60に固定される。
【0063】
そして、溝本体61a及び収容部64内に収容されたJB用圧接端子50に、電線4を圧接する。このとき、電線4を、電線接続部51の圧接刃54a,54b間に圧入するとともに、電線収容溝61内に挿入する。電線4を電線収容溝61内に挿入する際には、該電線4を、電線固定部70の、一つの電線収容溝61の両縁に設けられた係止爪71間に圧入する。
【0064】
このとき、電線4は、まず、図14(A)に示すように、係止爪71の爪本体71aに当接する。さらに、電線4を爪本体71a間に圧入していくと、係止爪71がその弾性復元力に抗して、図14(B)に示すように、前記許容位置に変位する。
【0065】
さらに、電線4を電線収容溝61内に圧入していくと、電線4が底壁63a上に載置される。係止爪71は、図14(C)に示すように、弾性復元力によって、前述した規制位置に変位する。電線4は、係止爪71によって、電線収容溝61から抜け出ることが防止される。
【0066】
そして、電線固定部70の係合部材72を係止爪71の係合突起71bに係合させる。すると、前記幅Wが前記間隔D1より大きく形成されているため、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪71間の隙間81が、狭くなる。規制位置での電線収容溝61の両縁から立設した係止爪71間の間隔D3(図7及び図9に示す)より、係合部材72が係合した係止爪71間の間隔D2(図11及び図13に示す)が狭くなる。
【0067】
このように、係合部材72は、弾性復元力に抗して弾性変形されて、係合突起71bに係合される。また、係合部材72は、係合突起71bに係合すると、端面72cが、図12に示すように、変形防止突起73の規制面78に相対する。こうして、係合部材72を係合突起71bに係合して、電線固定部70は電線4を電線収容溝61から抜けでないように固定する。
【0068】
この状態で、圧接プレート60は、図2に示すように、プレート本体62が互いに平行でかつ間隔を存して積層される。そして、圧接プレート60は、互いに近づけられて、係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して固定される。圧接プレート60は、所定の孔及び電気接触部52の筒孔内に接続バー80が挿入されて、図3に示すように、積層プレートコネクタ1を構成する。
【0069】
積層プレートコネクタ1は、JB用圧接端子50を底壁63a上に配置する位置及び接続バー80を挿入する位置を選択することによって、JB用圧接端子50に圧接される電線4を、予め定められるパターンにしたがって接続する。また、前記積層プレートコネクタ1は、例えばリレー、ヒューズなどを装着する電気接続箱内に収容されて、前記電線4と前述したリレーやヒューズなどとを、予め定められるパターンにしたがって接続する。
【0070】
本実施形態によれば、前記幅Wが前記間隔D1より大きいので、係合部材72を隣り合う電線収容溝61の縁から立設した係止爪71間に係合させると、電線収容溝61の両縁から立設した一対の係止爪71間の隙間81が、狭くなる。
【0071】
このため、比較的細い電線4を電線収容溝61内に収容した際に、該電線4が抜け出ようとしても係止爪71に接触しやすくなり、係止爪71間の隙間81を通して電線4が抜け出ることを防止できる。したがって、比較的細い電線4でも、電線収容溝61内に確実に固定できる。
【0072】
また、本実施形態では、係合部材72を係止爪71間の係合させると、電線収容溝61の両縁から立設した係止爪71間の隙間81が狭くなる。しかしながら、本発明では、係合部材72を係止爪71間の係合させると、電線収容溝61の両縁から立設した係止爪71を、図15に示すように、互いに接触させるようにしても良い。
【0073】
この場合、電線収容溝61の両縁から立設した一対の係止爪71間の隙間81なくなる。このため、如何なる太さの電線4を電線収容溝61内に収容しても、該電線4が抜け出ようとすると、係止爪71に確実に接触する。したがって、係止爪間から比較的電線が抜け出ることを防止できる。このため、如何なる太さの電線4でも、電線収容溝61内に確実に固定できる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、係合部材が、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の隙間が規制位置より狭くなる。このため、比較的細い電線を電線収容溝内に収容した際に、該電線が抜け出ようとしても係止爪に接触しやすくなり、係止爪間から比較的電線が抜け出ることを防止できる。したがって、比較的細い電線でも、電線収容溝内に確実に固定できる。
【0075】
請求項2に記載の本発明は、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間の間隔より、係合部材の電線収容溝の幅方向に沿った幅が大きい。このため、係合部材が、隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の隙間がより確実に狭くなる。したがって、係止爪間から比較的電線が抜け出ることをより確実に防止でき、比較的細い電線でも、電線収容溝内により確実に固定できる。
【0076】
請求項3に記載の本発明は、係合部材が、隣り合う電線に配された係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪が互いに接触して、隙間を生じない。このため、比較的細い電線を電線収容溝内に収容した際に、該電線が抜け出ようとしても係止爪に接触する。係止爪間から比較的電線が抜け出ることが防止される。したがって、比較的細い電線でも、電線収容溝内に確実に固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる圧接プレートなどを示す斜視図である。
【図2】図1に示された圧接プレートが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示された圧接プレートが互いに固定されて得られた積層プレートコネクタを示す斜視図である。
【図4】図3に示された積層プレートコネクタのJB用圧接端子を示す斜視図である。
【図5】図3に示された積層プレートコネクタの接続バーを示す斜視図である。
【図6】図1に示された圧接プレートの電線固定部を拡大して示す斜視図である。
【図7】図6に示された電線固定部の平面図である。
【図8】図7中のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図7中のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図6に示された電線固定部の係合部材が係合突起に係合した状態を示す斜視図である。
【図11】図10に示された電線固定部の平面図である。
【図12】図11中のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】図11中のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】図1に示された圧接プレートの電線収容溝内に電線を圧入する過程を示す断面図である。
【図15】図13に示された電線固定部の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
4 電線
50 JB用圧接端子(圧接端子)
51 電線接続部
52 電気接触部
60 圧接プレート(プレート状絶縁体)
61 電線収容溝
70 電線固定部
71 係止爪
72 係合部材
D1 規制位置での隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間の間隔
D2 電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の間隔
D3 規制位置での電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪間の間隔
W 係合部材の電線収容溝の幅方向に沿った幅
Claims (3)
- 電線が接続される電線接続部と前記電線接続部に連なる電気接触部とを備えた圧接端子を装着して、複数が積層されるプレート状絶縁体において、
前記電線接続部に接続された電線を収容するとともに互いに並設された複数の電線収容溝と、
前記電線収容溝内に収容された電線が前記電線収容溝から抜け出ることを阻止する電線固定部と、を備え、
前記電線固定部は、電線収容溝それぞれの幅方向に沿って間隔を存する両縁から立設し、かつ前記電線に係止可能な一対の係止爪と、
隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間に設けられ、これらの係止爪間に係合可能であるとともに、前記係止爪間に近づくのにしたがって徐々に幅が狭く形成された係合部材と、を備え、
前記係止爪が、前記電線収容溝から前記電線が抜け出ることを防止する規制位置と前記電線が前記電線収容溝から抜け出ることを許容する許容位置とに亘って変位自在であり、
前記係止爪に係合突起が設けられ、かつ前記係合部材に前記係合突起が係合可能な係合凹部が設けられているとともに、
前記係合凹部に前記係合突起が係合して、前記係合部材が前記係止爪間に係合すると、前記係止爪が前記許容位置に変位することが規制されるとともに、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪の間隔が前記規制位置での間隔より狭くなることを特徴とするプレート状絶縁体。 - 前記隣り合う電線収容溝の縁から立設した係止爪間の前記規制位置での間隔より、前記係合部材の前記電線収容溝の幅方向に沿った幅が、大きいことを特徴とする請求項1記載のプレート状絶縁体。
- 前記係合部材が前記係止爪間に係合すると、電線収容溝の両縁から立設した一対の係止爪が互いに接触することを特徴とする請求項1または請求項2記載のプレート状絶縁体。
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