JP3883633B2 - 個人状態通知システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は事業所等において個々人の居場所を検知して個々人に通知し、またそのような静的な状態のみならず動的な状態、たとえば移動中であるか否か等の動的な状態をも検知して個々人に通知し得る個人状態通知システムに関する。更に本発明は、移動中の人物の目的地への到着予想時刻の通知、個々人の付近に居る人物に関する情報、その人物に対する情報の通知等の付加機能をも有する個人状態通知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
事業所等において個々人の居場所を検知する技術は既に種々開発されて実用化されている。たとえば、特開平2-176966号公報には「居場所管理装置」として、個々人が携帯する発信器から発信された識別信号を受信する受信器を各部屋毎に設置することにより、個々人がどの部屋に居るかを検知する装置が開示されている。また、特開平3-36382 号公報には「個人確認システム」として、個々人が携帯する移動端末から送出された認識コードを通路に設けられた固定端末で受信することにより、個々人が通路のどの位置に居るかを検知するシステムが開示されている。更に、特開平8-149064号公報には「居場所探索システム」として、各個人が携帯する送信手段から送信された識別信号を区域毎に設置された受信手段で受信する一方、探索指令が与えられた場合に予め定められている区域の順序に従って指定された個人を探索するシステムが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の技術においては、基本的には個々人のその時点の居場所が検知されるのみである。但し、特開平3-36382 号公報に開示されている「個人確認システム」においては、検知結果を累積記憶することにより個々人の動きをトレースし得るシステム、及び個々人に対して呼出しを行なうシステムも開示されている。しかし、前者では後刻においての確認が可能なのみであり、後者では通常のポケットベルと基本的な機能は同一である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、個々人の居場所の検知結果の履歴を検知時刻と共に記憶することにより、静的な行動及び動的な行動、即ちある場所に居ること及びある場所から他のある場所へ移動した、またはしつつあるというような双方の状態の通知を可能にした個人状態通知システムの提供を目的とする。
【0007】
また本発明に係る個人状態通知システムは、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段とを備え、更に中央装置は対象個人と同一領域内に居る人物全員に関する情報を端末装置に通知する通知手段を備えている。
【0008】
このような本発明の個人状態通知システムでは、移動中である場合をも含めた個人の状態が中央装置で検出されると共に、対象個人と同一領域内に居る人物全員に関する情報が検出される
【0009】
更に、本発明に係る個人状態通知システムは、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求めると共に、移動予定を有する対象個人が目的地に到着する予定時刻及び/又は所要時間を求める状態検出手段とを備える。
【0010】
このような本発明の個人状態通知システムでは、移動中である場合をも含めた個人の状態が中央装置で検出されると共に、対象個人が目的地に到着する予定時刻及び/又は所要時間が検出される
【0013】
更にまた本発明に係る個人状態通知システムは、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、各個人の対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段と、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置へ向けて移動している場合にはその旨をその端末装置に通知する通知手段とを備える。
【0014】
このような本発明の個人状態通知システムでは、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置に接近している場合にはそのことが中央装置で検出される
【0015】
また更に本発明に係る個人状態通知システムは、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、各個人の対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段と、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置へ向けて移動している場合にはその移動中の個人が携帯する通信手段にその旨を通知する通知手段とを備える。
【0016】
このような本発明の個人状態通知システムでは、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置に接近している場合にはそのことが中央装置で検出される
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0018】
図1は本発明の個人状態通知システムの原理的な構成例を示す模式図である。本発明の個人状態通知システムは基本的には、従来公知の居場所管理システム1と、この居場所管理システム1による検知結果に基づいて各個人の状態を判断して通知する個人状態判定システム2と、この個人状態判定システム2により判定された各個人の状態を表示するための各個人用の端末装置3(3-1, 3-2, 3-3等) とで構成されている。
【0019】
居場所管理システム1は、事業所内の適宜の位置、たとえば各個人の机上,通路, 不特定多数が利用する会議室, 食堂, トイレ, 休憩室 (喫煙室) 等に設置されたセンサS-101, S-201等と、これらのセンサの検知結果を処理して各個人に関する現時点の居場所に関する情報(以下、居場所データと言う) を生成する処理装置10とで構成されている。なお、個人P1, P2等は遠赤外線, 光, 超音波等で固有の識別信号を発信する発信器 (図示せず)を携帯している。具体的には、発信器は各個人P1, P2等が胸に着ける氏名が記入されたバッジ (ネームプレート) に内蔵されており、これから発信される識別信号が上述の各センサS-101, S-201等により検知される。そして、各センサS-101, S-201等の検知結果が処理装置10に集められる。
【0020】
なお、各個人P1, P2等はそれぞれ通信手段、たとえばポケットベルT1, T2等を携帯している。
【0021】
図2は個人状態判定システム2の具体的な構成例を示す機能ブロック図である。個人状態判定システム2は大きくは状態検出部21と状態通知部22とで構成されている。
【0022】
状態検出部21には、処理装置10により生成された各個人の居場所データの履歴を格納するための第1のデータテーブルメモリ(以下、居場所情報テーブルと言う)211と、各センサS-101, S-201等の設置位置の情報、個人P1, P2等とバッジ (より具体的にはそれに内蔵されている発信器が発信する識別信号) との関係等の情報が予め格納されている第2のデータテーブルメモリ(以下、基本情報テーブルと言う)212と、これらの居場所情報テーブル211 及び基本情報テーブル212 に格納されているデータに基づいて求まる個々人の状態を格納するための第3のデータテーブルメモリ(以下、個人別行動データテーブルと言う)213とが備えられている。状態検出部21は、上述の居場所情報テーブル211 及び基本情報テーブル212 に格納されているデータに基づいて個々人の状態、即ち移動しているか否か、移動している場合にはその移動ベクトル (方向, 速度) を求めて個人別行動データテーブル213 に格納すると共に、状態データとして状態通知部22へ出力する。
【0023】
状態通知部22は、上述の状態検出部21から与えられる状態データを各端末装置3へ通知したり、また状態データに基づいてたとえば後述するようなTo Do Listの内容表示等の動作を行なう。このため、状態通知部22には、各端末装置3からそれぞれを使用する個々人が入力したスケジュールに関する情報を格納しておくためのスケジュールテーブル222 と、同じく各端末装置3からそれぞれを使用する個々人が入力したTo Do Listのメッセージに関する情報を格納しておくためのTo Do Listテーブル223 とが備えられている。なお、参照符号220 はこの状態通知部22から各個人が携帯するポケットベルへ発呼するためのアンテナである。
【0024】
図3は居場所情報テーブル211 の記憶内容を例示する模式図である。居場所情報テーブル211 の内容は、各個人に付与されたID番号(以下、個人IDと言う) によって区分されており、それぞれの個人を検知しているセンサを識別するデータ(以下、センサIDと言い、ここでは各センサの参照符号を利用する) とその時刻とが一組のデータとして記憶される。図3に示されている例では、個人IDが”0001”の個人は時刻10:00:00 (午前10時丁度) にセンサIDがS-101 のセンサにより検知され始め、その後現時点に至るまでその状態が継続している。また、個人ID”0002”の個人は時刻10:00:00 (午前10時丁度) にセンサIDがS-201 のセンサにより検知され始め、その後の時刻10:00:10にはセンサIDがS-202 のセンサにより検知され始め、以下時刻10:00:20にはセンサIDがS-203 のセンサにより検知され始め、時刻10:00:30にはセンサIDがS-204 のセンサにより検知され始めている。このことからは、たとえばセンサS-201, S-202, S-203, S-204等が等間隔に設置されているとすれば、個人ID”0002”の個人が一定速度で移動していることが推測される。また、個人ID”0003”の個人は時刻10:00:00 (午前10時丁度) にセンサIDがS-204 のセンサにより検知され始め、その後の時刻10:00:10にはセンサIDがS-203 のセンサにより検知され始め、以下時刻10:00:30には再度センサIDがS-204 のセンサにより検知され始めている。このことからは、たとえばセンサS-204 の設置位置が個人ID”0003”の個人の机上であるとすると、個人ID”0003”の個人が自身の席からセンサS-203 の設置位置へ一旦移動してすぐに自身の席に戻ったと推測される。
【0025】
本発明の個人状態通知システムでは、この居場所情報テーブル211 の内容に基づいて上述のような推測を行なうことにより、個々人の状態、具体的にはどこにいるか、またはどこからどこへ移動中であるか等を各端末装置3に通知することを主要な特徴とする。
【0026】
図4は基本情報テーブル212 の記憶内容を例示する模式図である。基本情報テーブル212 には、図4(a) に示されているように、個々のバッジのID番号(以下、バッジIDと言う) と、それぞれが発信する識別信号と、それを携帯する各個人P1, P2等の個人IDとの対応、図4(b) に示されているように、個人IDと実際の氏名及び通信手段としてのポケットベル番号との対応、及び図4(c) に示されているように、センサIDとその設置位置及び最寄りの電話 (内線) 番号との対応がそれぞれ記憶されている。
【0027】
この基本情報テーブル212 の内容により、あるセンサがある識別信号を受信した場合に、そのセンサIDから設置位置が判明し、受信した識別信号に対応するバッジIDから個人IDが判明し、個人IDから氏名が判明する。従って、事業所内のどの位置に誰が居るかということが判明する。
【0028】
また、基本情報テーブル212 には、図5の模式図に示されているような各センサの配置状態を示すマップを表示するためのマップデータが格納されている。この図5において、「□」は個人の事務机に配置されているセンサを、「△」は不特定多数の個人が利用する部屋に配置されたセンサをそれぞれ示しているが、両者に機能面での相違は無い。R0は廊下を示しており、4個のセンサが設置されている。R1はオフィスを示しており、主として各個人が自席に居るか否かを検知するためのセンサがたとえば各机上に設置されている。R2, R3, R4はいずれも会議室を示しており、それぞれの室内に居る個人を検出するためのセンサが各1個ずつ設置されている。R5, R6はトイレを、R7は給湯室を、R8, R9は資料室を、R10 は喫煙室をそれぞれ示しており、これらの各部屋にはそれぞれの室内に居る個人を検出するためのセンサが各1個ずつ設置されている。なお、このマップは後述するように、各個人の机上に配置された端末装置3に表示することも可能である。
【0029】
状態検出部21は上述のような居場所情報テーブル211 及び基本情報テーブル212 の記憶内容に基づいて、一例として図6に示されているような個人別行動データテーブル213 を作成する。この個人別行動データテーブル213 は、個人IDをサーチキーとして、対応する氏名を示す”dirname ”, 現在の状態を示す”status”, 現在検知されているセンサの設置位置を示す”location”, その現在位置に対応する電話 (内線) 番号を示す”telno ”, その個人IDの個人自身が入力した情報を示す”memo”, 検出センサが変化した時刻を示す”modify time ”等のデータが記録されている。
【0030】
以上のような構成の本発明の個人状態通知システムの動作について以下に説明する。
【0031】
図7は状態検出部21による個人別行動データテーブル213 の作成手順を示すフローチャートである。まず状態検出部21は、居場所管理システム1からバッジIDとセンサIDとからなる居場所データを獲得すると (ステップS11)、バッジIDに対応する個人IDを基本情報テーブル212 から取得し (ステップS12)、その個人IDをサーチキーとして居場所情報テーブル211 に新たなセンサIDを記録すると共に、直前のセンサIDを読み出し (ステップS13)、その個人が移動したか否かを判定する (ステップS14)。
【0032】
移動していた場合 (ステップS14 で”YES ”) 、状態検出部21は基本情報テーブル212 に記憶されているマップデータに基づいて移動前後のセンサIDに対応する場所名を取得し (ステップS15)、マップデータに基づいて移動ベクトルを算出し (ステップS16)、個人別行動データテーブル213 の”status”の欄に「移動中」, 「速度, 方向」を書き込み (ステップS17)、更に個人別行動データテーブル213 の”location”の欄に新たなセンサIDのデータも書き込む (ステップS18)。一方、移動していなかった場合 (ステップS14 で”NO”) 、状態検出部21はそのまま新たなセンサIDのデータを個人別行動データテーブル213 の”location”の欄に書き込む (ステップS18)。
【0033】
なお、ステップS16 における移動ベクトルの算出は、基本情報テーブル212 に記憶されているマップデータに基づいて、マップ上での移動の方向と速度とを算出する処理である。この場合の移動速度は、いずれにしても人間が歩いて移動する速度であるため、高, 中, 低の3段階程度の分類で十分である。
【0034】
状態検出部21は居場所管理システム1から居場所データを獲得する都度、上述のような処理を反復しており、個人別行動データテーブル213 には各個人の居場所及び移動中であるか否かの情報が順次蓄積されてゆく。
【0035】
このようにして個人別行動データテーブル213 に記憶されている各個人に関するデータは各個人の机上に備えられている端末装置3に表示される。たとえば、A氏が特定の個人B氏の所在を知りたい場合、A氏が自身の机上の端末 (他の端末でもよい) にB氏の名前を入力する。この際、同席者の表示を行なうか否か、具体的にはこの場合に目的としているB氏の居場所の表示に加えて、その場所にB氏と同席している人物がいるか否かを表示させるオプション機能(以下、「同席者表示」オプション機能と言う) も指定可能である。以下、このような操作がいずれかの端末装置3で行なわれた場合の状態検出部21の動作について、その手順を示す図8のフローチャート及び端末装置3の表示状態を示す図9, 図10の模式図を参照して説明する。
【0036】
いずれかの端末装置3から上述のようにB氏の個人名が探索対象として入力されると、状態検出部21はその個人名に対応する個人IDを基本情報テーブル212 から取得し (ステップS21)、その個人IDをサーチキーとして個人別行動データテーブル213 の内容を読み出す (ステップS22)。この際、「同席者表示」オプション機能が指定されていなければ (ステップS23 で”NO”) 、個人別行動データテーブル213 から読み出されたデータがそのままB氏の個人名が入力された端末装置3へ送られ (ステップS24)、表示される。
【0037】
上述の場合の端末装置3の表示例を図9の模式図に示す。この例では、「探す人」として「Bさん」が入力されており、また「同席者表示」オプション機能は「しない」が選択されている。この結果、図示されているように、「Bさんは移動中です」と表示され、その移動方向がB氏の席からC氏の席への方向であることも表示されている。また、「<<」は中程度の速度で移動していることを示している。なお、「<<」に代えて低速度での移動である場合は「<」が、高速度での移動である場合は「<<< 」がそれぞれ表示される。
【0038】
ところで、図9に示されている表示例の部分には各個人の在席状況がそれぞれの机上に設置されているセンサの検知結果に従って表示されている。従って、この画面中においてある人物に関するアイコンをクリックすることによっても、上述同様の居場所の探索が可能である。
【0039】
また、前述のマップデータを使用した別の表示も可能である。たとえば図10の模式図に示されているように、対象となっている個人を「●」で、他の個人を「○」でそれぞれ表示し、対象となっている個人が移動中である場合にはその方向に移動速度に対応した長さの矢符を付して表示している。
【0040】
一方、「同席者表示」オプション機能が指定されていた場合は (ステップS23 で”YES ”) 、状態検出部21はその時点において同一センサで検知されている他の個人IDを居場所情報テーブル211 から取得し (ステップS25)、それに対応する個人名を基本情報テーブル212 から取得し (ステップS26)、端末へ送る (ステップS24)。
【0041】
上述の場合の端末装置3の表示例を図11の模式図に示す。この例では、「探す人」として「Bさん」が入力されており、また「同席者表示」オプション機能は「する」が選択されている。この結果、図示されているように、「Bさんは在席中です」と表示されると共に、同席している人物 (この場合はC氏) の個人名も表示される。
【0042】
また、前述のマップデータを使用した別の表示も可能である。たとえば図12の端末装置の表示状態の模式図に示されているように、対象となっている個人を「●」で、他の個人を「○」でそれぞれ表示し、対象となっている個人のそばに居る人物の個人名を同時に表示している。
【0043】
ところで、居場所探索の対象となっている個人が移動中の場合には、その個人のスケジュール等が判明していればそれに基づいて移動の目的地が推測可能な場合があり得る。そのような場合の処理手順について図13のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0044】
いずれかの端末装置3から上述のように探索対象としてB氏の個人名が入力されると、状態検出部21はその個人名に対応する個人IDを基本情報テーブル212 から取得し (ステップS31)、その個人IDをサーチキーとして個人別行動データテーブル213 の内容を読み出す (ステップS32)。この際、探索対象の個人が移動中でない場合は (ステップS33 で”NO”) 、個人別行動データテーブル213 から読み出されたデータがそのままB氏の個人名が入力された端末装置3へ送られ (ステップS37)、表示される。
【0045】
一方、探索対象の個人が移動中である場合は (ステップS33 で”YES ”) 、状態検出部21は、その個人IDに対応するスケジュールをスケジュールテーブル222 から読み出し (ステップS34)、そのスケジュールの時間と目的地とが現時刻と先のステップS32 で個人別行動データテーブル213 から読み出された移動方向と矛盾しないか否かを調べる (ステップS35)。この結果、”NO”であった場合には、先にステップS32 で個人別行動データテーブル213 から読み出されたデータがそのままB氏の個人名が入力された端末装置3へ送られ (ステップS37)、表示される。
【0046】
ステップS35 において”YES ”であった場合には、状態検出部21は現在の移動速度を参考にして目的地までの所要時間をマップデータに基づいて算出し (ステップS36)、その結果がB氏の個人名が入力された端末装置3へ送られ (ステップS37)、表示される。
【0047】
上述の場合の端末装置3の表示例を図14の模式図に示す。この例では、「探す人」として「Bさん」が入力されている。この結果、図示されているように、「Bさんは移動中です」と表示され、その移動方向がB氏の席からC氏の席への方向であり、更に第2会議室へ向かうことも表示される。また、「20:00 〜第2会議室で会議予定」, 「到着まであと5分」とも表示されている。なお、図14に示されている表示例の部分には各個人の在席状況がそれぞれの机上に設置されているセンサの検知結果に従って表示されている。従って、この画面中においてある人物に関するアイコンをクリックすることによっても、上述同様の居場所の探索が可能である。
【0048】
また、前述のマップデータを使用した別の表示も可能である。たとえば図15の端末装置の表示状態の模式図に示されているように、対象となっている個人を「●」で、他の個人を「○」でそれぞれ表示し、対象となっている個人が移動中である場合にはその方向に移動速度に対応した長さの矢符を付して表示すると共に、スケジュールとその目的地への到着予定の所要時間とが表示される。
【0049】
本発明の個人状態通知システムは上述のような基本的な機能を有しているが、他にも種々のオプション機能を有している。まずその一つとして、各個人の席に他の人が接近した場合にその旨を表示する手順(以下、「接近者表示」オプション機能と言う) について、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0050】
ある端末装置3においてこの「接近者表示」オプション機能が選択されている場合、状態検出部21は所定時間間隔で以下のような処理を反復する (ステップS41)。まず状態検出部21は所定時間が経過する都度、個人別行動データテーブル213 の各個人IDのデータの”status”の欄が移動中である個人IDを取得し (ステップS42)、それが「接近者表示」オプション機能を選択している端末装置3への接近であるか否かを調べる (ステップS43)。
【0051】
前述のステップS42 において移動中の個人IDが無い場合及び上述のステップS43 において「接近者表示」オプション機能を選択している端末装置3へ接近している個人IDが無い場合 (ステップS43 で”NO”) は、状態検出部21は前述のステップS41 へ処理を戻して所定時間の経過を待つ。ステップS43 で”YES ”であった場合、即ち「接近者表示」オプション機能を選択している端末装置3へ接近している個人IDが有った場合には、状態検出部21はその個人IDに対応する個人名を基本情報テーブル212 から取得し (ステップS44)、その端末へデータを送る (ステップS45)。
【0052】
上述の場合の端末装置3の表示例を図17の模式図に示す。この例では、B氏の机上の端末装置3において「接近者表示」オプション機能は「する」が選択されている。この結果、たとえばC氏がB氏の机に接近中であったとすると、図示されているように、「Cさんが接近中です」と表示される。
【0053】
なお、上述の例では端末装置3に「Cさんが接近中です」との表示を行なうようにしているが、音声で通知することも可能であり、また両者を併用することも勿論可能である。
【0054】
次に、To Do Listを使用するオプション機能について説明する。この機能は、たとえばB氏がC氏を対象としてTo Do Listを登録している場合に、C氏がB氏の机に接近するとその旨を表示または音声により通知する機能(以下、「To Do List通知」オプション機能と言う) であり、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
まず、B氏が自身の机上または他の端末装置3を使用してTo Do Listのメッセージとしてたとえば「C氏に出張の打合せをする」と入力すると、これがその端末装置3から状態通知部22へ送信されてそのTo Do Listテーブル223 に登録される。その上で、B氏が自身の机上の端末装置3でこの「To Do List通知」オプション機能を選択している場合、状態検出部21は所定時間間隔で以下のような処理を反復する (ステップS51)。
【0056】
まず状態検出部21は所定時間が経過する都度、個人別行動データテーブル213 の各個人IDのデータの”status”の欄が移動中である個人IDを取得し (ステップS52)、それが状態通知部22のTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物であるか否かを調べる (ステップS53)。
【0057】
前述のステップS52 において、移動中の個人IDがなかった場合、及び上述のステップS53 において、状態通知部22のTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物がいない場合 (ステップS53 で”NO”) は、状態検出部21は前述のステップS51 へ処理を戻して所定時間の経過を待つ。ステップS53 で”YES ”であった場合、即ち状態通知部22のTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物が移動中の個人IDのいずれかと一致した場合には、状態検出部21はその個人IDがメッセージの登録者の机に接近しているいるか否かを調べる (ステップS54)。
【0058】
上述のステップS54 において”YES ”であった場合には状態検出部21は更にそのメッセージの登録者が自身の机上の端末装置3に「To Do List通知」オプション機能を設定しているか否かを調べる (ステップS55)。そして、このステップS55 において”YES ”であった場合には、状態検出部21はその個人IDに対応する個人名を基本情報テーブル212 から取得し (ステップS56)、その端末へデータを送る (ステップS57)。
【0059】
上述の場合の端末装置3の表示例を図19の模式図に示す。この例では、B氏の机上の端末装置3において「To Do List通知」オプション機能は「する」が選択されている。この結果、たとえばC氏がB氏の机に接近中であったとすると、図示されているように、「Cさんが接近中です」, 「To Do Listが登録されています」, 「出張の打合せ」と表示される。
【0060】
なお、上述の例では端末装置3に表示を行なうようにしているが、音声で通知することも可能であり、また両者を併用することも勿論可能である。
【0061】
次に、To Do Listを使用する更に他のオプション機能について説明する。この機能は、たとえばB氏がC氏を対象としてTo Do Listを登録している場合に、C氏がB氏の机に接近するとC氏が携帯しているポケットベルにTo Do Listのメッセージを表示させることによりTo Do Listの対象者であるC氏に通知する機能(以下、「To Do List呼出し」オプション機能と言う) であり、図20のフローチャートを参照して説明する。
【0062】
まず、B氏が自身の机上または他の端末装置3を使用してTo Do Listのメッセージとしてたとえば「C氏に出張の打合せをする」と入力すると、これがその端末装置3から状態通知部22へ送信されてそのTo Do Listテーブル223 に登録される。その上で、B氏が自身の机上の端末装置3でこの「To Do List呼出し」オプション機能を選択している場合、状態検出部21は所定時間間隔で以下のような処理を反復する (ステップS61)。
【0063】
まず状態検出部21は所定時間が経過する都度、個人別行動データテーブル213 の各個人IDのデータの”status”の欄が移動中である個人IDを取得し (ステップS62)、それが状態通知部22のTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物であるか否かを調べる (ステップS63)。
【0064】
前述のステップS62 において、移動中の個人IDがなかった場合、及び上述のステップS63 において、状態通知部22のTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物がいない場合 (ステップS63 で”NO”) は、状態検出部21は前述のステップS61 へ処理を戻して所定時間の経過を待つ。ステップS63 で”YES ”であった場合、即ち状態通知部22んTo Do Listテーブル223 に登録されているメッセージの対象人物が移動中の個人IDのいずれかと一致した場合には、状態検出部21はその個人IDがメッセージの登録者の机に接近しているいるか否かを調べる (ステップS64)。
【0065】
上述のステップS64 において”YES ”であった場合には状態検出部21は更にそのメッセージの登録者が自身の机上の端末装置3に「To Do List呼出し」オプション機能を設定しているか否かを調べる (ステップS65)。そして、このステップS65 において”YES ”であった場合には、状態検出部21はその個人IDに対応するポケットベルの番号を基本情報テーブル212 から取得し (ステップS66)、状態通知部22へ送る (ステップS67)。
【0066】
この結果、状態通知部22は状態検出部21から送られてきたポケットベル番号の発呼及びメッセージの送信を行なうので、C氏のポケットベルが鳴動すると共に、たとえば「Bさんが用事があります」等の表示を行なう。
【0067】
上述の場合の端末装置3の表示例を図21の模式図に示す。この例では、B氏の机上の端末装置3において「To Do List呼出し」オプション機能は「する」が選択されている他は前述の「To Do List通知」オプション機能の場合と同様の表示が行なわれる。
【0068】
なお、上述の実施の形態においては、各個人が通信手段としてポケットベルを携帯しているが、 PHS等の携帯電話でもよいことはいうまでもない。
【0069】
【発明の効果】
以上に詳述したように本発明に係る個人状態通知システムによれば、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段とを備え、更に中央装置は対象個人と同一領域内に居る人物全員に関する情報を端末装置に通知する通知手段を備えているため、移動中である場合をも含めた個人の状態を中央装置で検出して端末装置に通知すると共に、対象個人と同一領域内に居る人物全員に関する情報を端末装置に通知することが可能になる。
【0071】
更に本発明に係る個人状態通知システムによれば、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求めると共に、移動予定を有する対象個人が目的地に到着する予定時刻及び/又は所要時間を求める状態検出手段とを備えるため、移動中である場合をも含めた個人の状態を中央装置で検出して端末装置に通知すると共に、対象個人が目的地に到着する予定時刻をも端末装置に通知することが可能になる。
【0073】
更にまた本発明に係る個人状態通知システムによれば、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、各個人の対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段と、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置へ向けて移動している場合にはその旨をその端末装置に通知する通知手段とを備えるため、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置に接近している場合には中央装置でそのことが検出され、その旨がその端末装置に通知される。
【0074】
また更に本発明に係る個人状態通知システムによれば、各領域内での個人の存否を経時的に検出する個人位置検出手段と、中央装置とを含み、中央装置は個人位置検出手段による検出履歴を個人的に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、各個人の対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその方向と速度とを求める状態検出手段と、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置へ向けて移動している場合にはその移動中の個人が携帯する通信手段にその旨を通知する通知手段とを備えるため、ある端末装置で入力した対人予定の相手の個人がその端末装置に接近している場合には中央装置でそのことが検出され、その移動中の個人が携帯する通信手段にその旨が通知される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の個人状態通知システムの原理的な構成例を示す模式図である。
【図2】本発明の個人状態通知システムの個人状態判定システムの具体的な構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の個人状態通知システムの居場所情報テーブルの記憶内容を例示する模式図である。
【図4】本発明の個人状態通知システムの基本情報テーブルの記憶内容を例示する模式図である。
【図5】本発明の個人状態通知システムの基本情報テーブルに格納されているマップデータにより表示される各センサの配置状態を示すマップの模式図である。
【図6】本発明の個人状態通知システムの状態検出部により作成される個人別行動データテーブルの内容を例示する模式図である。
【図7】本発明の個人状態通知システムの状態検出部による個人別行動データテーブルの作成手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の個人状態通知システムの状態検出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図10】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図11】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図12】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図13】本発明の個人状態通知システムの状態検出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図15】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図16】本発明の個人状態通知システムの状態検出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図18】本発明の個人状態通知システムの状態検出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【図20】本発明の個人状態通知システムの状態検出部の動作手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の個人状態通知システムの端末装置の表示状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 居場所管理システム
2 個人状態判定システム
3(3-2, 3-2 …) 端末装置
21 状態検出部
22 状態通知部
211 居場所情報テーブル
212 基本情報テーブル
213 個人別行動データテーブル
222 スケジュールテーブル
223 To Do Listテーブル
P1, P2… 個人

Claims (4)

  1. 探索対象の個人を特定する情報を入力するための端末装置と、
    任意に区切られた複数の領域を対象として、各領域内での個人の在否を経時的に検出する個人位置検出手段と、
    前記個人位置検出手段による検出結果を個人別に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、前記個人位置記憶手段に記憶されている同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその移動方向と速度とを求める状態検出手段と、前記端末装置により入力された探索対象の個人に関する前記状態検出手段による検出結果を前記端末装置へ通知すると共に、探索対象の個人が位置する領域内に位置する他の個人を特定する情報を前記個人位置記憶手段から読み出して前記端末装置へ通知する通知手段とを備えた中央装置と
    を含むことを特徴とする個人状態通知システム。
  2. 探索対象の個人を特定する情報を入力するための端末装置と、
    任意に区切られた複数の領域を対象として、各領域内での個人の在否を経時的に検出する個人位置検出手段と、
    前記個人位置検出手段による検出結果を個人別に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、各個人の移動予定に関する情報を記憶する移動予定記憶手段と、前記個人位置記憶手段に記憶されている同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその移動方向と速度とを求めると共に、探索対象の個人の前記移動予定記憶手段に記憶されている移動予定に関する情報に基づいて、探索対象の個人が移動を予定している目的地へ到着する予定時刻及び/又は所要時間を求める状態検出手段と、前記端末装置により入力された探索対象の個人に関する前記状態検出手段による検出結果と、目的地へ到着する予定時刻及び/又は所要時間とを前記端末装置へ通知する通知手段とを備えた中央装置と
    を含むことを特徴とする個人状態通知システム。
  3. 各個人の他の個人を対象とする対人予定を入力するための端末装置と、
    任意に区切られた複数の領域を対象として、各領域内での個人の在否を経時的に検出する個人位置検出手段と、
    前記個人位置検出手段による検出結果を個人別に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、前記端末装置により入力された対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、前記個人位置記憶手段に記憶されている同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその移動方向と速度とを求める状態検出手段と、対人予定の対象となっている個人に関する前記状態検出手段による検出結果に基づいて、対人予定が入力された端末装置が位置する領域にその端末装置から入力された対人予定の対象となっている個人が接近した場合に対応する対人予定を前記対人予定記憶手段から読み出して前記端末装置へ通知する通知手段とを備えた中央装置と
    を含むことを特徴とする個人状態通知システム。
  4. 各個人の他の個人を対象とする対人予定を入力するための端末装置と、
    任意に区切られた複数の領域を対象として、各領域内での個人の在否を経時的に検出する個人位置検出手段と、
    前記個人位置検出手段による検出結果を個人別に時系列的に記憶する個人位置記憶手段と、前記端末装置により入力された対人予定を記憶する対人予定記憶手段と、前記個人位置記憶手段に記憶されている同一個人の検出位置の変化/非変化から、その個人が移動中であるか否か、移動中である場合にはその移動方向と速度とを求める状態検出手段と、対人予定の対象となっている個人に関する前記状態検出手段による検出結果に基づいて、対人予定が入力された端末装置が位置する領域にその端末装置から入力された対人予定の対象となっている個人が接近した場合に対応する対人予定を前記対人予定記憶手段から読み出して対人予定の対象となっている個人が携帯する通信手段に通知する通知手段とを備えた中央装置と
    を含むことを特徴とする個人状態通知システム。
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