JP3882894B2 - Steering reaction force control device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操舵に抗する操舵反力を制御する操舵反力制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
操舵反力の制御機能を備えない一般的なパワーステアリング装置では、タイヤ特性やサスペンション形式、或いはパワーステアリングのアシスト特性等に応じて操舵反力が自ずと決定される。そして、これらのタイヤ特性、サスペンション形式、アシスト特性等は、車両の走行特性(例えば操縦性や安定性)に大きく影響する要素であり、走行特性を優先して各要素が決定される結果、操舵反力に対しては必ずしも最適な設定がなされるとは限らなかった。
【0003】
例えば操舵反力は、車両旋回時に発生する前輪横力やサスペンションによるセルフアライニングトルクの影響を受けて、車体前軸滑り角(車両の旋回方向に対する車体の角度)や前輪滑り角(車両の旋回方向に対する前輪の角度)が大きい領域において急減する。しかしながら、このような特性は、旋回限界付近での運転者の過度の操舵を招き易いことから、寧ろ運転者のハンドル戻しを促して車両挙動を安定させるために、操舵反力を増大させる特性が望ましく、従来のパワーステアリング装置では、この要望を満たすことができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記対策として、車体滑り角に基づいて操舵反力を制御する技術が提案されているが、周知のように車体滑り角は操舵輪の操舵に対して遅れをもって発生するため、操舵反力の制御にも応答遅れが生じて、運転者に違和感を与える可能性がある。
【0005】
一方、ドライビングシュミレータ、或いは操舵輪とステアリングホイールとを機械的に直結せず、検出操舵角に応じて電動モータ等により操舵輪を転向するパワーステアリングを備えた車両では、操舵に伴う操舵反力がステアリングホイールに伝達されないことから、意図的に操舵反力を発生させる必要がある。そこで、例えば特登3147653号では、操舵輪のセルフアライニングトルク等を考慮して基本的な操舵反力を算出すると共に、操舵反力に対して操舵輪の滑り角に応じた重み付けを行い、得られた操舵反力をステアリングホイールに付与している。
【0006】
しかしながら、この技術の目的は、操舵反力が伝達されることがないステアリングホイールに操舵反力を付与することにあるため、実際の操舵により発生する操舵反力を正確に模擬することを目標としている。即ち、上記のように車両挙動の安定化等のために積極的に操舵反力を制御する場合とは目的が異なることから、当該技術を適用した場合には、操舵輪の滑り角に応じた重み付けの結果、滑り角が小の領域ほど操舵反力を増加させる方向に制御が行われ、旋回限界付近の領域で操舵反力が減少して、却って車両挙動の乱れを引き起こし易いという問題が発生してしまう。
【0007】
本発明の目的は、応答遅れによる違和感を生じることなく操舵反力を適切に制御して、車両挙動の安定化を実現することができる操舵反力制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、車両の操舵輪に機械要素を介して連結され、操舵輪を転向可能な操舵手段と、操舵手段に対して操作力を付加可能なアクチュエータと、操舵輪の路面に対する横滑り角を検出する横滑り角検出手段と、横滑り角検出手段により検出された横滑り角に基づき、旋回時の操舵輪の横力に起因して操舵手段に発生する操舵反力、及びサスペンションのセルフアライニングトルクに起因して操舵手段に発生する操舵反力を補償するための操舵付加トルクを算出する操舵付加トルク算出手段と、横滑り角の発生に伴い操舵付加トルクに基づきアクチュエータを制御して操舵手段に横滑り角と略比例する操舵反力を発生させる制御手段とを備えた。
【0009】
車両旋回時の操舵反力は、操舵輪に作用する横力やサスペンションによるセルフアライニングトルク等の影響を受けて、操舵輪の横滑り角が大きい領域において減少する特性を有する。これらの横力に起因する操舵反力、及びセルフアライニングトルクに起因する操舵反力を補償するための操舵付加トルクが操舵付加トルク算出手段により算出され、操舵付加トルクに基づき制御手段によりアクチュエータが制御される。これにより操舵手段には横滑り角が発生する方向、つまりステアリング中立方向に操舵反力が付加され、結果として横滑り角が大きい領域での操舵反力の減少が抑制されて、横滑り角と略比例する操舵反力が操舵手段に発生する。従って、この横滑り角が大きい旋回限界付近の領域では、運転者の過度の操舵が抑制されると共に、積極的に運転者のハンドル戻しが促され、車両挙動が安定する。そして、操舵輪の横滑り角は、車両を旋回させるための操舵輪の操舵とほとんど同時に発生することから、応答遅れによる違和感を運転者に与えることなく、上記した操舵反力制御が可能となる。
【0010】
又、請求項2の発明では、操舵付加トルク算出手段を、横滑り角が所定値以下の場合には、操舵付加トルクとして略0を算出するように構成した。従って、横滑り角が所定値以下で操舵反力の減少による不具合が生じない領域では、操舵付加トルクとして略0が算出されるため、アクチュエータの制御による操舵反力の付加が中止され、これによりアクチュエータの無駄な駆動ロスが回避される。
【0011】
更に、請求項3の発明では、車両の運動状態を検出する運動状態検出手段を更に有し、制御手段を、運動状態検出手段の検出値が所定値以下の場合に、操舵輪の舵角が小さくなるよう、アクチュエータを制御するように構成した。
従って、車両の運動状態、例えばヨーレイトや横加速度等が所定値以下の場合には、運転者の積極的な操舵によるものでなく、横風等の外乱による車両挙動の乱れと見なせる。そして、このときの車両は、サスペンションのキャスタトレールの影響で操舵輪が横風や横勾配等の外乱の作用方向(横風のときは風下方向、横勾配のときは下側)に強制的に操舵されるため、横滑り角が通常の操舵による旋回時とは逆方向に発生し、横滑り角の発生方向に操舵反力を付加する請求項1の発明の制御では、風下方向や勾配下側への操舵が助長されてしまう。このような場合、操舵輪の舵角を小さくするようにアクチュエータの制御が切換えられるため、結果として車両の直進性が保たれて、外乱による悪影響が未然に防止される。
【0012】
一方、請求項4の発明では、乗員による操舵手段の操作状態を検出する操作状態検出手段を更に有し、制御手段を、乗員の操作によらず横滑り角が発生した場合に、操舵輪の舵角が小さくなるよう、アクチュエータを制御するように構成した。
従って、操舵手段の操作状態、例えば操舵角や操舵トルクが所定値以下の場合には、運転者の積極的な操舵によるものでなく、横風や路面の横勾配による車両挙動の乱れと見なせる。そして、このときの車両は、サスペンションのキャスタトレールの影響で操舵輪が風下方向又は勾配下側に強制的に操舵されるため、横滑り角が通常の操舵による旋回時とは逆方向に発生し、横滑り角の発生方向に操舵反力を付加する請求項1の発明の制御では、風下方向や勾配下側への操舵が助長されてしまう。このような場合、操舵輪の舵角を小さくするようにアクチュエータの制御が切換えられるため、結果として車両の直進性が保たれて、横勾配による悪影響が未然に防止される。
【0013】
又、請求項5の発明では、操舵手段が、アクチュエータとして備えられた電動モータにより乗員の操作に助勢力を付加する電動パワーステアリングであり、制御手段を、電動パワーステアリングが有するハンドル戻り側のフリクションを相殺するよう、電動モータを制御するように構成した。
従って、電動パワーステアリングが有するハンドル戻り側のフリクションが相殺されるため、運転者が操舵を中止すると、ステアリングホイールが円滑に中立位置へと復帰し、その操作感が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明を電動式パワーステアリング装置に適用される操舵反力制御装置に具体化した第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態の操舵反力制御装置を示す全体構成図である。この図に示すように、ステアリングホイール1はステアリングシャフト2を介してギアボックス3に連結され、ギアボックス3は左右のタイロッド4を介して車両の前輪5(操舵輪)に連結されている。運転者によりステアリングホイール1が回転されると、その回転はギアボックス3により左右の直線運動に変換され、タイロッド4を介して操舵輪5が転向される。本実施形態では、これらのステアリングホイール1、ステアリングシャフト2、ギアボックス3、タイロッド4により操舵手段が構成されている。ギアボックス3には電動モータ(アクチュエータ)6が装着され、この電動モータ6の回転はギアボックス3に入力されて、上記運転者による操舵が助勢される。
【0015】
パワーステアリング装置の全体的な制御を実行する制御手段としてのECU(電子コントロールユニット)11は車室内に設置されており、図示しない入出力装置、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。ECU11の入力側には、運転者によりステアリングホイール1に与えられた操舵トルクTswを検出するトルクセンサ12、同じく運転者による操舵角δswを検出する操舵角センサ13、車速Vを検出する車速センサ14、車両のヨーレイトγを検出するヨーレイトセンサ15、車両の横加速度ayを検出する横加速度センサ16等の各種センサ類が接続され、ECU11の出力側には、上記電動モータ6等のデバイス類が接続されている。
【0016】
図2はECU11が実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートである。ECU11はこのルーチンを所定の制御インターバルで実行し、まず、ステップS2で上記各センサ類からの検出情報を入力する。次いで、ステップS4で前輪5の滑り角βfを算出し、その後、ステップS6で操舵付加トルクTaを算出して、ルーチンを終了する。
【0017】
図3は上記ルーチンに従ってECU11により行われる操舵トルクTsの算出手順を示すブロック図であり、以下、この図に基づいてECU11の処理をさらに説明する。
トルクセンサ12により検出された操舵トルクTsw、及び車速センサ14により検出された車速Vは基本アシストトルク設定部21に入力され、当該設定部21により予め設定されたマップに従って操舵トルクTswと車速Vとから基本アシストトルクT0(具体的にはモータ電流値)が算出される。
【0018】
一方、操舵角センサ13により検出された操舵角δswが実舵角設定部22に入力され、当該設定部22により次式(1)に従って前輪実舵角δfが算出される。ここに、Nはステアリングギア比である。
δf=δsw/N ………(1)
又、車速センサ14により検出された車速V、ヨーレイトセンサ15により検出されたヨーレイトγ、横加速度センサ16により検出された横加速度ayは車体前軸滑り角設定部23に入力され、当該設定部23により次式(2)に従って車体前軸滑り角βfaが算出される。ここに、Lfは車両の重心と前軸間の距離である。
【0019】
βfa=∫γdt−∫(ay/V)dt+γLf/V ………(2)
尚、この車体前軸滑り角βfaの算出手法は、一般にヨー角速度積分方式と称されるものであるが、他の算出手法を適用してもよい。例えば、実車試験により車速V及び操舵角δswと車体前軸滑り角βfaとの関係をモデル化しておき、検出した車速Vと操舵角δswから車体前軸滑り角βfaを割り出す車両モデル方式を適用したり、或いは、光学式の横滑り計測装置を用いて、車体前輪滑り角βfaを直接的に検出したりしてもよい。
【0020】
図4は車両旋回時における滑り角の発生状況を示しており、車両の旋回中においては、運転者が与えた前輪実舵角δfに対して車両の前軸上における旋回方向、すなわち車体前軸滑り角βfaがずれており、前輪滑り角βfが発生している。
上記した前輪実舵角δf及び車体前軸滑り角βfaが入力された減算処理部24では、次式(3)に従って前輪滑り角βfが算出される。
【0021】
βf=δf−βfa ………(3)
算出された前輪滑り角βfは操舵付加トルク設定部25に入力され、当該設定部25では、図5に示すマップに基づいて操舵付加トルクTa(モータ電流値)を算出する。図に示すように、操舵付加トルクTaは、前輪滑り角βfが所定値βf0(絶対値)以下の小さい領域では0に抑制され、前輪滑り角βfが所定値βf0を越えると、前輪滑り角βfの増加に伴って急増するように設定される。尚、βf0の具体的な値としては、5〜7deg程度が望ましい。
【0022】
この操舵付加トルクTaと上記した基本アシストトルクT0とは加算処理部26に入力され、当該設定部26では、次式(4)に従って操舵トルクTs(モータ電流値)が算出される。
Ts=T0+Ta ………(4)
そして、得られた操舵トルクTsに基づいて電流ドライバ27により電動モータ6が駆動制御され、これにより運転者による操舵が助勢される。
【0023】
このように本実施形態の操舵反力制御装置では、前輪滑り角βfに応じた操舵付加トルクTaを基本アシストトルクT0に加算して、パワーステアリング装置の操舵トルクTsを求めており、以下に、当該操舵反力制御装置による作用を説明する。
図6は車両旋回時における前輪横力FyとセルフアライニングトルクTsaとの発生状況を示し、図7は前輪横力Fyにより発生する操舵反力Tfyの特性を示し、図8はセルフアライニングトルクTsaにより発生する操舵反力Tsatの特性を示し、図9は操舵反力Tfy,Tsatを加算した特性を示している。
【0024】
図6中の上段は前輪5を平面視し、下段は前輪5を側面視しており、この図に示すように、車両旋回中においては、旋回に伴う横力Fyが前輪5に作用すると共に、前輪サスペンションによるセルフアライニングトルクTsaが発生する。前輪横力Fyはサスペンションのキャスタトレールξによりトルクに変換されるため、前輪横力Fyによってステアリング位置に発生する操舵反力Tfyは、ステアリングギア比をNとすると、次式(5)により表される。
【0025】
Tfy=Fy(βf)×ξ×1/N ………(5)
前輪横力Fyは前輪滑り角βfと相関し、得られた操舵反力Tfyは図7に示すように、前輪滑り角βfの増加に伴って緩やかに増加する特性となる。
同様に、セルフアライニングトルクTsaによってステアリング位置に発生する操舵反力Tsatは、次式(6)により表される。
【0026】
Tsat=Tsa(βf)×1/N ………(6)
このセルフアライニングトルクTsaも前輪滑り角βfと相関し、得られた操舵反力Tsatは図8に示すように、前輪滑り角βfの増加に伴って急増した後に急減する特性となる。結果として、これらの操舵反力Tfy,Tsatの和である操舵反力Tfy+Tsat(換言すれば、ステアリング操作に要する操舵トルク)がステアリングホイール1に作用し、図9に示すように操舵反力Tfy+Tsatは、前輪滑り角βfの増加に略比例して増加した後に急減する特性となる。
【0027】
ここで、上記のように操舵トルクTsには前輪滑り角βfに応じた操舵付加トルクTaが加算されているため、図10に示すように操舵反力Tfy+Tsatに操舵付加トルクTaを加算した値が、実際の操舵トルクTsとしてステアリングホイール1に作用する。つまり、加算された操舵付加トルクTaは、前輪滑り角βfが発生している中立方向に作用して操舵反力を増加させるため、結果として前輪滑り角βfの増加に略比例して増加する操舵反力特性が得られる。
【0028】
よって、前輪滑り角βfが大きい旋回限界付近の領域においても、操舵反力は急減することなく前輪滑り角βfの増加に伴って増加することになり、旋回限界付近での運転者の過度の操舵を抑制すると共に、積極的に運転者のハンドル戻しを促し、結果として車両挙動を安定させることができる。
そして、操舵付加トルクTaを設定するための前輪滑り角βfは、車体前軸滑り角βfaのように前輪実舵角δfに対して遅れることなく、前輪実舵角δfとほとんど同時に発生することから、前輪滑り角βfが大きい旋回限界付近の領域では直ちに操舵反力が増加され、応答遅れによる違和感を運転者に与えることなく、上記した車両挙動の安定化を実現することができる。
【0029】
又、図9に示す操舵反力Tfy+Tsatの特性は、タイヤの種別や磨耗状態、サスペンション形式、車重や積載重量等に応じて変化するが、操舵付加トルクTaに基づく補正により、これらの要因に影響されることなく、上記のように車両挙動の安定化を実現することができる。例えば、高速走行時に操舵反力が不足する傾向がある軽量車であっても、十分な操舵反力が得られて安定化を図ることができる。
【0030】
一方、図9の特性から明らかなように、前輪滑り角βfが小さい領域では、前輪滑り角βfに略比例する操舵反力Tfy+Tsatが得られるため、図5に示すように、この領域(所定値βf0以下)では操舵反力を補正する必要がないとして、操舵付加トルクTaを0に抑制している。よって、無駄なモータ駆動による電力ロスを回避できるという利点もある。
【0031】
尚、本実施形態では、前輪滑り角βfに対する操舵反力特性をリニアなものとすべく、図9に示したTfy+Tsatの特性に、図5に示した操舵付加トルクTaを付加するように制御したが、本発明はこれに限らず、例えば図15に示すような前輪滑り角βfに対してリニアな特性の操舵付加トルクTaを付加するようにしてもよい。この場合にも、車両の旋回限界付近での操舵反力抜けが抑制され、運転者の過度の操舵を抑制して車両挙動を安定させることができる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、本発明を別の操舵反力制御装置に具体化した第2実施形態を説明する。本実施形態の操舵反力制御装置は第1実施形態のものに比較して、車両の横風等の外乱が作用したときに操舵付加トルクTaの設定処理を切換える点が相違している。従って、共通する構成の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
【0033】
図11はECU11が実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップS12でヨーレイトセンサ15(運動状態検出手段)からの検出情報を読み込み、ステップS14でヨーレイトγの絶対値が所定値γth未満か否かを判定する。当該処理の目的は、車両が横風等の外乱を受けているか否かを判別することにある。つまり、外乱により車両の挙動が乱された場合にもヨーレイトγは発生するが、その値は運転者の積極的な操舵による場合に比較して小さいことから、ヨーレイトγに基づいて何れの要因によるものかを判別しているのである。尚、所定値γthとしては、例えば0.05rad/sec(2.9deg/sec)が設定されている。
【0034】
ステップS14の判定がNO(否定)のとき、つまり、ヨーレイトγが大で運転者の操舵による旋回がなされたと推測されるときには、上記第1実施形態と同様に、ステップS2でセンサ検出情報の入力、ステップS4で前輪横滑り角βfの算出処理、ステップS6で前輪滑り角βfに基づく操舵付加トルクTaの算出処理を実行した後、ルーチンを終了する。よって、前輪滑り角βfが大きい旋回限界付近の領域において操舵反力が増加され、車両挙動の安定化が図られる。
【0035】
又、上記ステップS14の判定がYES(肯定)のとき、つまり、ヨーレイトγが小で外乱によるものと推測されるときにはステップS16に移行し、図示しないマップに従ってヨーレイトγに応じた操舵付加トルクTaを算出した後、ルーチンを終了する。このときの操舵付加トルクTaは、例えばヨーレイトγの増加に伴って増加設定され、結果として外乱により車両挙動が乱れるほど操舵反力(操舵トルクTs)が強められて、車両の直進性が保たれる。
【0036】
ここで、横風等の外乱が車両に作用すると、キャスタトレールξの影響で前輪5が風下方向に強制的に操舵されるため、このときの前輪滑り角βfは、図4に示す通常の操舵による旋回時とは逆方向に発生する。よって、ステップS2〜6の処理を実施した場合、図5のマップから操舵付加トルクTaが逆の極性として設定され、結果として風下方向への操舵を助長するように操舵トルクTaが作用してしまうことになる。
【0037】
上記のように本実施形態では、このような場合にステップS2〜6の処理からステップS16の処理に切換えて、ヨーレイトγを抑制する方向に操舵トルクTsを制御するため、第1実施形態の作用効果に加えて、横風等の外乱による悪影響を未然に防止できるという利点を奏する。
尚、本実施形態では、ヨーレイトγに基づいて操舵反力制御を切換えたが、例えば横加速度ayも車両挙動の乱れに伴って変化するため、ヨーレイトγに代えて横加速度センサ16(運動状態検出手段)により検出された横加速度ayを利用してもよい。具体的には、上記フローチャート中のヨーレイトγを横加速度ayに置き換えると共に、所定値γthを所定値ayth、例えば0.5m/sec2(0.05G)に置き換えればよい。
【0038】
又、本実施形態では、上述のようにヨーレイトγや横加速度ayが所定値以下の範囲では前輪滑り角βfによる操舵付加トルクTaの付加は行わない。このため、ヨーレイトγや横加速度ayが所定値以上の範囲で、第1実施形態における図15のように前輪滑り角βfに対して操舵付加トルクTaがリニアに増加する特性を用いる場合には、図16に示すように、前輪滑り角βfが所定値βf1(ヨーレイトγや横加速度ayの所定値に対応する値、例えば0.5deg)以下の領域では、操舵付加トルクTaが0となり、且つ、前輪滑り角βfが所定値βf1を越える領域で、操舵付加トルクTaがリニアに増加するようなマップとすればよい。
【0039】
[第3実施形態]
次に、本発明を別の操舵反力制御装置に具体化した第3実施形態を説明する。本実施形態の操舵反力制御装置は第2実施形態のものに比較して、横勾配の路面走行時に操舵付加トルクTaの設定処理を切換える点が相違している。従って、共通する構成の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
【0040】
図12はECU11が実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートであり、ステップS22で操舵角センサ13(操作状態検出手段)からの検出情報を読み込み、ステップS24で運転者による操舵角δswの絶対値が所定値δswth未満か否かを判定する。当該処理の目的は、車両が横勾配の路面を走行中であるか否かを判別することにある。つまり、横勾配の路面では車重が側方に作用するため、第2実施形態の外乱が作用した場合と同様に、キャスタトレールξの影響で前輪5が勾配下側に強制的に操舵されて操舵角δswが発生する。そして、このときの操舵角δswは運転者の積極的な操舵による場合に比較して小さいことから、操舵角δswに基づいて何れの要因によるものかを判別しているのである。尚、所定値δswthとしては、例えば0.2rad(11deg)が設定されている。
【0041】
ステップS24の判定がNOで操舵による旋回と推測されるときには、上記第2実施形態と同様に、ステップS2〜6の処理を実行する。よって、前輪滑り角βfが大きい旋回限界付近の領域において操舵反力が増加され、車両挙動の安定化が図られる。
又、上記ステップS24の判定がYESのとき、つまり、操舵角δswが小で横勾配の路面を走行中と推測されるときにはステップS26に移行し、図示しないマップに従って操舵角δswに応じた操舵付加トルクTaを算出した後、ルーチンを終了する。このときの操舵付加トルクTaは、例えば操舵角δswの増加に伴って増加設定され、結果として横勾配により車両挙動が乱れるほど操舵反力(操舵トルクTs)が強められて、車両の直進性が保たれる。
【0042】
ここで、横勾配の路面での走行時には、第2実施形態の外乱と同じく、通常の操舵による旋回時とは逆方向に前輪滑り角βfが発生するため、ステップS2〜6の処理では、勾配下側への操舵を助長するように操舵トルクTaが作用して、車両挙動を更に乱してしまう。本実施形態では、このような場合にステップS26で操舵角δswを抑制する方向に操舵トルクTsを制御するため、横勾配による悪影響を未然に防止できるという利点を奏する。
【0043】
尚、本実施形態では、操舵角δswに基づいて操舵反力制御を切換えたが、例えば操舵角δswに代えてトルクセンサ12(操作状態検出手段)により検出された操舵トルクTswを利用してもよい。即ち、操舵トルクTswが大のときには運転者の操舵と見なし、操舵トルクTswが小のときには横勾配と見なし、それに応じて処理を切換えればよい。又、横勾配による影響が強いほど、直進を保つために運転者の操舵トルクTswも大きくなるため、操舵トルクTswの増加に伴って操舵付加トルクTaを増加設定すれば、車両の直進性を保つことができる。よって、具体的には、上記フローチャート中の操舵角δswを操舵トルクTswに置き換えると共に、所定値δswthを所定値Tswth、例えば0.5Nmに置き換えればよい。
【0044】
又、本実施形態においても第2実施形態と同様に、前輪滑り角βfに対する操舵不可トルクTaのマップとして図16に示すものを用いてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明を別の操舵反力制御装置に具体化した第4実施形態を説明する。本実施形態の操舵反力制御装置は第1実施形態のものに比較して、電動式パワーステアリング装置が有するフリクションを相殺するための操舵付加トルクTbを考慮した点が相違している。従って、共通する構成の説明は省略し、相違点を重点的に説明する。
【0045】
ECU11は第1実施形態と同じく図2のルーチンを実行し、そのステップS6では操舵付加トルクTaに加えて、図13のマップに基づき、ハンドル戻り側において略一定値の操舵付加トルクTbを設定する。この設定処理は、図3では操舵付加トルク設定部25で行われ、設定された操舵付加トルクTa,Tbが加算処理部26で基本アシストトルクT0に加算されて、操舵トルクTsが算出される。
【0046】
従って、第1実施形態と同じく操舵反力が旋回限界付近で増加するように制御されて、車両挙動の安定化が図られると共に、加えて、ハンドル戻り側において常に一定の操舵付加トルクTbが作用することになる。周知のように、電動パワーステアリング装置は電動モータ6の減速機構(特にウォーム式)が有するフリクションにより、図14に示すように、常に回転方向と逆方向にフリクショントルクTfrが発生するため、セルフアライニングトルクTsaによる操舵反力Tsatのみでは、中立位置へのハンドル戻りが悪い。本実施形態では、上記操舵付加トルクTbによりハンドル戻り側のフリクショントルクTfrが相殺されるため、運転者が操舵を中止すると、ステアリングホイール1は円滑に中立位置へと復帰し、その操作感を大幅に向上できるという利点を奏する。
【0047】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、電動式パワーステアリング装置に適用される操舵反力制御装置に具体化したが、油圧式パワーステアリング装置に適用してもよい。具体的には、パワーステアリング装置に電動モータ6を設置すると共に、図3中の操舵付加トルク設定部25で設定された操舵付加トルクTaに基づいて電流ドライバ27により電動モータ6を駆動制御し、これによりパワーステアリング装置側の油圧による操舵トルク(基本アシストトルクT0に相当)を補正するように構成すればよい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の操舵反力制御装置によれば、応答遅れによる違和感を生じることなく操舵反力を適切に制御して、車両挙動の安定化を実現することができる。
又、請求項2の操舵反力制御装置によれば、請求項1の発明に加えて、アクチュエータの無駄な駆動ロスを未然に回避することができる。
【0049】
更に、請求項3の操舵反力制御装置によれば、請求項1の発明に加えて、横風等の外乱による悪影響を未然に防止することができる。
一方、請求項4の操舵反力制御装置によれば、請求項1の発明に加えて、横勾配による悪影響を未然に防止することができる。
又、請求項5の操舵反力制御装置によれば、請求項1乃至4の発明に加えて、電動パワーステアリングのフリクションを相殺して、操作感を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の操舵反力制御装置を示す全体構成図である。
【図2】第1実施形態のECUが実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】操舵トルクTsの算出手順を示すブロック図である。
【図4】車両旋回時における滑り角の発生状況を示す図である。
【図5】操舵付加トルクTaを設定するためのマップを示す図である。
【図6】車両旋回時における前輪横力FyとセルフアライニングトルクTsaとの発生状況を示す図である。
【図7】前輪横力Fyにより発生する操舵反力Tfyの特性図である。
【図8】セルフアライニングトルクTsaにより発生する操舵反力Tsatの特性図である。
【図9】操舵反力Tfy,Tsatを加算した特性図である。
【図10】操舵トルクTsの特性図である。
【図11】第2実施形態のECUが実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態のECUが実行する操舵付加トルク算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】第4実施形態の操舵付加トルクTbを設定するためのマップを示す図である。
【図14】電動式パワーステアリング装置でのフリクショントルクTfrの発生状況を示す特性図である。
【図15】第1実施形態の操舵付加トルクTaを設定するためのマップの別例を示す図である。
【図16】第2実施形態の操舵付加トルクTaを設定するためのマップの別例を示す図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール(操舵手段)
2 ステアリングシャフト(操舵手段)
3 ギアボックス(操舵手段)
4 タイロッド(操舵手段)
5 前輪(操舵輪)
6 電動モータ(アクチュエータ)
11 ECU(制御手段)
12 トルクセンサ(操作状態検出手段)
13 操舵角センサ(操作状態検出手段)
15 ヨーレイトセンサ(運動状態検出手段)
16 横加速度センサ(運動状態検出手段)
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering reaction force control device that controls a steering reaction force against a driver's steering.
[0002]
[Related background]
In a general power steering apparatus that does not have a steering reaction force control function, the steering reaction force is naturally determined according to tire characteristics, suspension type, power steering assist characteristics, and the like. These tire characteristics, suspension type, assist characteristics, etc. are factors that greatly affect the vehicle's driving characteristics (for example, maneuverability and stability). The optimal setting for the reaction force is not always made.
[0003]
For example, the steering reaction force is influenced by the front wheel lateral force generated when the vehicle turns and the self-aligning torque due to the suspension, and the vehicle front axle slip angle (the angle of the vehicle body with respect to the vehicle turning direction) and the front wheel slip angle (the vehicle turning angle). In the region where the angle of the front wheel with respect to the direction is large, it sharply decreases. However, such characteristics tend to cause excessive steering of the driver near the turning limit. Rather, in order to promote the driver's steering wheel return and stabilize the vehicle behavior, there is a characteristic that increases the steering reaction force. Desirably, the conventional power steering apparatus cannot satisfy this demand.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
As a countermeasure, a technique for controlling the steering reaction force based on the vehicle body slip angle has been proposed. As is well known, the vehicle body slip angle is generated with a delay with respect to the steering of the steered wheels. In addition, there is a possibility that a delay in response occurs and the driver feels uncomfortable.
[0005]
On the other hand, in a vehicle equipped with a driving simulator or a power steering that does not mechanically connect the steering wheel and the steering wheel directly and turns the steering wheel by an electric motor or the like according to the detected steering angle, the steering reaction force accompanying the steering is Since it is not transmitted to the steering wheel, it is necessary to intentionally generate a steering reaction force. For this reason, for example, in Noto 3147653, the basic steering reaction force is calculated in consideration of the self-aligning torque of the steered wheels, and the steering reaction force is weighted according to the slip angle of the steered wheels, The obtained steering reaction force is applied to the steering wheel.
[0006]
However, since the purpose of this technique is to apply a steering reaction force to a steering wheel to which no steering reaction force is transmitted, the goal is to accurately simulate the steering reaction force generated by actual steering. Yes. That is, the purpose is different from the case where the steering reaction force is positively controlled to stabilize the vehicle behavior as described above. Therefore, when the technology is applied, it corresponds to the slip angle of the steering wheel. As a result of weighting, control is performed in a direction in which the steering reaction force is increased as the slip angle is smaller, and the steering reaction force is reduced in the region near the turning limit, which tends to cause disturbance of the vehicle behavior. Resulting in.
[0007]
An object of the present invention is to provide a steering reaction force control device capable of appropriately controlling a steering reaction force without causing a sense of incongruity due to a response delay and realizing stabilization of vehicle behavior.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, there is provided a steering means connected to a steering wheel of a vehicle via a mechanical element and capable of turning the steering wheel, and an actuator capable of applying an operating force to the steering means. , A skid angle detecting means for detecting a skid angle with respect to the road surface of the steered wheel, Based on the sideslip angle detected by the sideslip angle detecting means, the steering reaction force generated in the steering means due to the lateral force of the steering wheel during turning, and the steering means due to the self-aligning torque of the suspension are generated. Steering additional torque calculating means for calculating a steering additional torque for compensating the steering reaction force; Steering with side slip angle The actuator is controlled based on the additional torque to generate a steering reaction force in the steering means that is approximately proportional to the side slip angle. Control means.
[0009]
The steering reaction force at the time of turning of the vehicle has a characteristic that it decreases in a region where the side slip angle of the steered wheel is large due to the influence of the lateral force acting on the steered wheel and the self-aligning torque by the suspension. The steering additional torque for compensating the steering reaction force caused by these lateral forces and the steering reaction force caused by the self-aligning torque is calculated by the steering additional torque calculation means, and the actuator is operated by the control means based on the steering additional torque. Be controlled. As a result, the steering means In the direction in which the side slip angle occurs, that is, in the steering neutral direction Steering reaction force is added, as a result Reduction of steering reaction force in the region where the side slip angle is large is suppressed. Therefore, a steering reaction force approximately proportional to the side slip angle is generated in the steering means. The Therefore, in the region near the turning limit where the side slip angle is large, the driver's excessive steering is suppressed, and the driver's steering wheel return is positively promoted, so that the vehicle behavior is stabilized. Since the side slip angle of the steered wheels occurs almost simultaneously with the steering of the steered wheels for turning the vehicle, the steering reaction force control described above can be performed without giving the driver a sense of incongruity due to response delay.
[0010]
In the invention of claim 2, Steering additional torque calculation If the skid angle is less than or equal to a predetermined value, Calculate approximately 0 as steering additional torque Configured to do. Therefore, in the region where the side slip angle is less than the predetermined value and the trouble due to the decrease in the steering reaction force does not occur, Since approximately 0 is calculated as the steering additional torque, The addition of the steering reaction force by the control of the actuator is stopped, thereby avoiding unnecessary driving loss of the actuator.
[0011]
Furthermore, the invention according to claim 3 further includes a movement state detection means for detecting the movement state of the vehicle, and the control means has a steering angle of the steered wheel when the detection value of the movement state detection means is a predetermined value or less. The actuator is controlled to be small.
Therefore, when the vehicle motion state, for example, the yaw rate or the lateral acceleration is equal to or less than a predetermined value, it can be regarded not as a result of the driver's active steering but as a disturbance of the vehicle behavior due to a disturbance such as a cross wind. At this time, the vehicle is forcibly steered by the influence of the caster trail of the suspension in the direction of action of disturbances such as crosswinds and cross gradients (downward when crosswinds and down when crosswinds). Therefore, in the control of the invention of claim 1, the side slip angle is generated in a direction opposite to that during turning by normal steering, and a steering reaction force is added in the direction in which the side slip angle is generated. Will be encouraged. In such a case, since the control of the actuator is switched so as to reduce the steering angle of the steered wheels, the straight traveling performance of the vehicle is maintained as a result, and adverse effects due to disturbance are prevented in advance.
[0012]
On the other hand, the invention according to claim 4 further includes operation state detection means for detecting the operation state of the steering means by the occupant, and the control means controls the steering wheel when a skid angle occurs regardless of the occupant's operation. The actuator is configured to be controlled so that the angle becomes small.
Therefore, when the operation state of the steering means, for example, the steering angle or the steering torque is less than a predetermined value, it can be regarded as a disturbance of the vehicle behavior due to the side wind or the side slope of the road surface, not the driver's active steering. And since the steering wheel is forcibly steered to the leeward direction or the lower gradient side under the influence of the caster trail of the suspension at this time, the side slip angle is generated in the opposite direction to the turning by the normal steering, In the control according to the first aspect of the present invention in which the steering reaction force is added in the direction in which the side slip angle is generated, steering in the leeward direction or the lower gradient side is promoted. In such a case, since the control of the actuator is switched so as to reduce the steering angle of the steered wheels, the straight traveling performance of the vehicle is maintained as a result, and adverse effects due to the lateral gradient are prevented in advance.
[0013]
In the invention of claim 5, the steering means is an electric power steering that adds assisting force to the occupant's operation by an electric motor provided as an actuator, and the control means is a friction on the handle return side of the electric power steering. The electric motor is controlled so as to cancel out the above.
Accordingly, since the friction on the steering wheel return side of the electric power steering is canceled, when the driver stops the steering, the steering wheel smoothly returns to the neutral position, and the operational feeling is improved.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First Embodiment]
Hereinafter, a first embodiment in which the present invention is embodied in a steering reaction force control device applied to an electric power steering device will be described.
FIG. 1 is an overall configuration diagram showing a steering reaction force control apparatus according to the present embodiment. As shown in this figure, the steering wheel 1 is connected to a gear box 3 via a steering shaft 2, and the gear box 3 is connected to front wheels 5 (steering wheels) of the vehicle via left and right tie rods 4. When the steering wheel 1 is rotated by the driver, the rotation is converted into a left and right linear motion by the gear box 3, and the steering wheel 5 is turned through the tie rod 4. In this embodiment, the steering means is constituted by the steering wheel 1, the steering shaft 2, the gear box 3, and the tie rod 4. An electric motor (actuator) 6 is mounted on the gear box 3, and the rotation of the electric motor 6 is input to the gear box 3 to assist steering by the driver.
[0015]
An ECU (electronic control unit) 11 as a control means for executing overall control of the power steering apparatus is installed in the vehicle interior, and includes an input / output device (not shown), a storage device (ROM, RAM, etc.), a central processing unit ( CPU), a timer counter, and the like. On the input side of the ECU 11, a torque sensor 12 that detects the steering torque Tsw applied to the steering wheel 1 by the driver, a steering angle sensor 13 that detects the steering angle δsw by the driver, and a vehicle speed sensor 14 that detects the vehicle speed V. Various sensors such as a yaw rate sensor 15 for detecting the yaw rate γ of the vehicle and a lateral acceleration sensor 16 for detecting the lateral acceleration ay of the vehicle are connected, and devices such as the electric motor 6 are connected to the output side of the ECU 11. Has been.
[0016]
FIG. 2 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU 11. The ECU 11 executes this routine at a predetermined control interval, and first inputs detection information from the sensors in step S2. Next, the slip angle βf of the front wheel 5 is calculated in step S4, and then the steering additional torque Ta is calculated in step S6, and the routine is terminated.
[0017]
FIG. 3 is a block diagram showing a calculation procedure of the steering torque Ts performed by the ECU 11 in accordance with the above routine. Hereinafter, the processing of the ECU 11 will be further described based on this figure.
The steering torque Tsw detected by the torque sensor 12 and the vehicle speed V detected by the vehicle speed sensor 14 are input to the basic assist torque setting unit 21, and the steering torque Tsw and the vehicle speed V according to a map set in advance by the setting unit 21 are obtained. From this, the basic assist torque T0 (specifically, the motor current value) is calculated.
[0018]
On the other hand, the steering angle δsw detected by the steering angle sensor 13 is input to the actual steering angle setting unit 22, and the setting unit 22 calculates the front wheel actual steering angle δf according to the following equation (1). Here, N is a steering gear ratio.
δf = δsw / N ……… (1)
Further, the vehicle speed V detected by the vehicle speed sensor 14, the yaw rate γ detected by the yaw rate sensor 15, and the lateral acceleration ay detected by the lateral acceleration sensor 16 are input to the vehicle body front shaft slip angle setting unit 23, and the setting unit 23 Thus, the vehicle body front shaft slip angle βfa is calculated according to the following equation (2). Here, Lf is the distance between the center of gravity of the vehicle and the front shaft.
[0019]
βfa = ∫γdt−∫ (ay / V) dt + γLf / V (2)
The vehicle body front shaft slip angle βfa is generally calculated as a yaw angular velocity integration method, but other calculation methods may be applied. For example, a vehicle model method is used in which the relationship between the vehicle speed V and the steering angle δsw and the vehicle body front shaft slip angle βfa is modeled by an actual vehicle test, and the vehicle body front shaft slip angle βfa is calculated from the detected vehicle speed V and the steering angle δsw. Alternatively, the vehicle body front wheel slip angle βfa may be directly detected using an optical skid measuring device.
[0020]
FIG. 4 shows a situation of occurrence of a slip angle when the vehicle turns. During turning of the vehicle, the turning direction on the front axis of the vehicle with respect to the actual front wheel steering angle δf given by the driver, that is, the front axis of the vehicle body The slip angle βfa is shifted, and the front wheel slip angle βf is generated.
In the subtraction processing unit 24 to which the front wheel actual steering angle δf and the vehicle body front shaft slip angle βfa are input, the front wheel slip angle βf is calculated according to the following equation (3).
[0021]
βf = δf−βfa ……… (3)
The calculated front wheel slip angle βf is input to the steering additional torque setting unit 25, and the setting unit 25 calculates the steering additional torque Ta (motor current value) based on the map shown in FIG. As shown in the figure, the steering additional torque Ta is suppressed to 0 in a small region where the front wheel slip angle βf is smaller than a predetermined value βf0 (absolute value), and when the front wheel slip angle βf exceeds the predetermined value βf0, the front wheel slip angle βf It is set so as to increase rapidly with the increase of. Note that the specific value of βf0 is preferably about 5 to 7 deg.
[0022]
The steering additional torque Ta and the basic assist torque T0 are input to the addition processing unit 26, and the setting unit 26 calculates the steering torque Ts (motor current value) according to the following equation (4).
Ts = T0 + Ta (4)
The electric motor 6 is driven and controlled by the current driver 27 based on the obtained steering torque Ts, thereby assisting the steering by the driver.
[0023]
As described above, in the steering reaction force control device of the present embodiment, the steering additional torque Ta corresponding to the front wheel slip angle βf is added to the basic assist torque T0 to obtain the steering torque Ts of the power steering device. The operation of the steering reaction force control device will be described.
FIG. 6 shows the generation state of the front wheel lateral force Fy and the self-aligning torque Tsa when the vehicle is turning, FIG. 7 shows the characteristics of the steering reaction force Tfy generated by the front wheel lateral force Fy, and FIG. 8 shows the self-aligning torque. The characteristic of the steering reaction force Tsat generated by Tsa is shown, and FIG. 9 shows the characteristic obtained by adding the steering reaction forces Tfy and Tsat.
[0024]
The upper stage in FIG. 6 is a plan view of the front wheel 5, and the lower stage is a side view of the front wheel 5. As shown in this figure, the lateral force Fy accompanying the turning acts on the front wheel 5 while the vehicle is turning. A self-aligning torque Tsa is generated by the front wheel suspension. Since the front wheel lateral force Fy is converted into torque by the suspension castor trail ξ, the steering reaction force Tfy generated at the steering position by the front wheel lateral force Fy is expressed by the following equation (5), where N is the steering gear ratio. The
[0025]
Tfy = Fy (βf) × ξ × 1 / N (5)
The front wheel lateral force Fy correlates with the front wheel slip angle βf, and the obtained steering reaction force Tfy has a characteristic of gradually increasing as the front wheel slip angle βf increases as shown in FIG.
Similarly, the steering reaction force Tsat generated at the steering position by the self-aligning torque Tsa is expressed by the following equation (6).
[0026]
Tsat = Tsa (βf) × 1 / N ……… (6)
The self-aligning torque Tsa also correlates with the front wheel slip angle βf, and the obtained steering reaction force Tsat has a characteristic of rapidly decreasing after rapidly increasing with an increase in the front wheel slip angle βf, as shown in FIG. As a result, a steering reaction force Tfy + Tsat (in other words, a steering torque required for steering operation), which is the sum of these steering reaction forces Tfy and Tsat, acts on the steering wheel 1, and the steering reaction force Tfy + Tsat is as shown in FIG. Then, it increases rapidly in proportion to the increase in the front wheel slip angle βf and then decreases rapidly.
[0027]
Since the steering additional torque Ta corresponding to the front wheel slip angle βf is added to the steering torque Ts as described above, the value obtained by adding the steering additional torque Ta to the steering reaction force Tfy + Tsat as shown in FIG. The actual steering torque Ts acts on the steering wheel 1. That is, the added steering additional torque Ta acts in the neutral direction where the front wheel slip angle βf is generated to increase the steering reaction force, and as a result, the steering increases in proportion to the increase in the front wheel slip angle βf. Reaction force characteristics can be obtained.
[0028]
Therefore, even in the region near the turning limit where the front wheel slip angle βf is large, the steering reaction force does not decrease rapidly but increases with the increase in the front wheel slip angle βf, and the driver excessively steers near the turning limit. In addition, it is possible to positively prompt the driver to return the steering wheel, and to stabilize the vehicle behavior as a result.
The front wheel slip angle βf for setting the steering additional torque Ta is generated almost simultaneously with the front wheel actual rudder angle δf without being delayed with respect to the front wheel actual rudder angle δf like the vehicle body front shaft slip angle βfa. In the region near the turning limit where the front wheel slip angle βf is large, the steering reaction force is immediately increased, and the above-described stabilization of the vehicle behavior can be realized without giving the driver a sense of incongruity due to response delay.
[0029]
Further, the characteristics of the steering reaction force Tfy + Tsat shown in FIG. 9 vary depending on the type of tire, the wear state, the suspension type, the vehicle weight, the loaded weight, etc., but these factors are corrected by the correction based on the steering additional torque Ta. The vehicle behavior can be stabilized as described above without being affected. For example, even a lightweight vehicle in which the steering reaction force tends to be insufficient when traveling at high speed, a sufficient steering reaction force can be obtained and stabilization can be achieved.
[0030]
On the other hand, as is apparent from the characteristics of FIG. 9, in a region where the front wheel slip angle βf is small, a steering reaction force Tfy + Tsat that is substantially proportional to the front wheel slip angle βf is obtained. In the case of βf0 or less), the steering additional torque Ta is suppressed to 0 because it is not necessary to correct the steering reaction force. Therefore, there is an advantage that power loss due to useless motor driving can be avoided.
[0031]
In this embodiment, in order to make the steering reaction force characteristic with respect to the front wheel slip angle βf linear, control is performed so that the steering additional torque Ta shown in FIG. 5 is added to the characteristic of Tfy + Tsat shown in FIG. However, the present invention is not limited to this, and for example, a steering additional torque Ta having a linear characteristic with respect to the front wheel slip angle βf as shown in FIG. 15 may be added. Also in this case, the steering reaction force loss near the turning limit of the vehicle is suppressed, and the vehicle behavior can be stabilized by suppressing excessive steering of the driver.
[0032]
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment in which the present invention is embodied in another steering reaction force control device will be described. The steering reaction force control apparatus of the present embodiment is different from that of the first embodiment in that the setting process of the steering additional torque Ta is switched when a disturbance such as a cross wind of the vehicle acts. Therefore, the description of a common structure is abbreviate | omitted and it demonstrates focusing on a different point.
[0033]
FIG. 11 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU 11. First, in step S12, detection information from the yaw rate sensor 15 (motion state detecting means) is read, and in step S14, it is determined whether or not the absolute value of yaw rate γ is less than a predetermined value γth. The purpose of the processing is to determine whether or not the vehicle is subjected to disturbance such as crosswind. In other words, yaw rate γ is generated even when the behavior of the vehicle is disturbed due to disturbance, but the value is small compared to the case of the driver's active steering, so it depends on any factor based on yaw rate γ. It is discriminating whether it is a thing. For example, 0.05 rad / sec (2.9 deg / sec) is set as the predetermined value γth.
[0034]
When the determination in step S14 is NO (ie, negative), that is, when it is estimated that the yaw rate γ is large and the driver has made a turn by steering, the sensor detection information is input in step S2 as in the first embodiment. After executing the calculation process of the front wheel side slip angle βf in step S4 and the calculation process of the steering additional torque Ta based on the front wheel slip angle βf in step S6, the routine is ended. Therefore, the steering reaction force is increased in the region near the turning limit where the front wheel slip angle βf is large, and the vehicle behavior is stabilized.
[0035]
When the determination in step S14 is YES (affirmative), that is, when it is estimated that the yaw rate γ is small and due to disturbance, the process proceeds to step S16, and the steering additional torque Ta corresponding to the yaw rate γ is determined according to a map (not shown). After the calculation, the routine ends. At this time, the steering additional torque Ta is set to increase with an increase in, for example, the yaw rate γ. As a result, the steering reaction force (steering torque Ts) is strengthened as the vehicle behavior is disturbed by the disturbance, and the straightness of the vehicle is maintained. It is.
[0036]
Here, when a disturbance such as a cross wind acts on the vehicle, the front wheel 5 is forcibly steered in the leeward direction under the influence of the caster rail ξ. Therefore, the front wheel slip angle βf at this time is determined by the normal steering shown in FIG. It occurs in the opposite direction to the turning. Therefore, when the processes of steps S2 to S6 are performed, the steering additional torque Ta is set as a reverse polarity from the map of FIG. 5, and as a result, the steering torque Ta acts to promote steering in the leeward direction. It will be.
[0037]
As described above, in the present embodiment, in such a case, the process is switched from the process of steps S2 to S16 to the process of step S16, and the steering torque Ts is controlled in a direction to suppress the yaw rate γ. In addition to the effects, there is an advantage that adverse effects due to disturbances such as crosswinds can be prevented.
In this embodiment, the steering reaction force control is switched based on the yaw rate γ. However, for example, the lateral acceleration ay also changes as the vehicle behavior is disturbed. The lateral acceleration ay detected by the means) may be used. Specifically, the yaw rate γ in the flowchart is replaced with the lateral acceleration ay, and the predetermined value γth is changed to a predetermined value ayth, for example, 0.5 m / sec. 2 (0.05G) may be substituted.
[0038]
In the present embodiment, as described above, the steering additional torque Ta is not added by the front wheel slip angle βf when the yaw rate γ and the lateral acceleration ay are within a predetermined value or less. For this reason, when the characteristic that the steering additional torque Ta increases linearly with respect to the front wheel slip angle βf as shown in FIG. 15 in the first embodiment in a range where the yaw rate γ and the lateral acceleration ay are equal to or larger than a predetermined value, As shown in FIG. 16, in a region where the front wheel slip angle βf is equal to or less than a predetermined value βf1 (a value corresponding to a predetermined value of yaw rate γ or lateral acceleration ay, for example, 0.5 deg), the steering additional torque Ta is 0 and the front wheel The map may be such that the steering additional torque Ta increases linearly in the region where the slip angle βf exceeds the predetermined value βf1.
[0039]
[Third Embodiment]
Next, a third embodiment in which the present invention is embodied in another steering reaction force control device will be described. The steering reaction force control apparatus of the present embodiment is different from that of the second embodiment in that the setting process of the steering additional torque Ta is switched when the vehicle is traveling on a laterally inclined road. Therefore, the description of a common structure is abbreviate | omitted and it demonstrates focusing on a different point.
[0040]
FIG. 12 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU 11. In step S22, detection information from the steering angle sensor 13 (operation state detecting means) is read, and in step S24, the absolute value of the steering angle δsw by the driver is read. Is less than a predetermined value δswth. The purpose of the processing is to determine whether or not the vehicle is traveling on a road surface having a lateral slope. In other words, since the vehicle weight acts laterally on the road surface with the lateral slope, the front wheel 5 is forcibly steered downward by the influence of the caster rail ξ as in the case of the disturbance of the second embodiment. A steering angle δsw is generated. Since the steering angle δsw at this time is smaller than that by the driver's active steering, it is determined which factor is based on the steering angle δsw. For example, 0.2 rad (11 deg) is set as the predetermined value Δswth.
[0041]
When the determination in step S24 is NO and it is estimated that the vehicle is turning by steering, the processes in steps S2 to S6 are executed as in the second embodiment. Therefore, the steering reaction force is increased in the region near the turning limit where the front wheel slip angle βf is large, and the vehicle behavior is stabilized.
When the determination in step S24 is YES, that is, when it is estimated that the steering angle δsw is small and the vehicle is traveling on a road surface having a lateral slope, the process proceeds to step S26, and steering addition according to the steering angle δsw is performed according to a map (not shown). After calculating the torque Ta, the routine is terminated. The steering additional torque Ta at this time is set to increase with an increase in the steering angle δsw, for example, and as a result, the steering reaction force (steering torque Ts) is strengthened as the vehicle behavior is disturbed by the lateral gradient, and the straightness of the vehicle is improved. Kept.
[0042]
Here, when traveling on a road surface with a lateral slope, a front wheel slip angle βf is generated in a direction opposite to that when turning by normal steering, as in the disturbance of the second embodiment. Steering torque Ta acts so as to promote the downward steering, further disturbing the vehicle behavior. In this embodiment, since the steering torque Ts is controlled in such a case as to suppress the steering angle δsw in step S26, there is an advantage that adverse effects due to the lateral gradient can be prevented in advance.
[0043]
In the present embodiment, the steering reaction force control is switched based on the steering angle δsw. However, for example, the steering torque Tsw detected by the torque sensor 12 (operation state detecting means) may be used instead of the steering angle δsw. Good. That is, when the steering torque Tsw is large, it is regarded as a driver's steering, and when the steering torque Tsw is small, it is regarded as a lateral gradient, and the process may be switched accordingly. Further, the greater the influence of the lateral gradient, the greater the driver's steering torque Tsw in order to keep going straight. Therefore, if the steering additional torque Ta is set to increase as the steering torque Tsw increases, the straightness of the vehicle is maintained. be able to. Therefore, specifically, the steering angle δsw in the flowchart is replaced with the steering torque Tsw, and the predetermined value δswth is replaced with a predetermined value Tswth, for example, 0.5 Nm.
[0044]
Also in the present embodiment, as in the second embodiment, the map shown in FIG. 16 as the map of the steering impossible torque Ta with respect to the front wheel slip angle βf may be used.
[Fourth Embodiment]
Next, a fourth embodiment in which the present invention is embodied in another steering reaction force control device will be described. The steering reaction force control device of this embodiment is different from that of the first embodiment in that a steering additional torque Tb for canceling the friction of the electric power steering device is taken into consideration. Therefore, the description of a common structure is abbreviate | omitted and it demonstrates focusing on a different point.
[0045]
The ECU 11 executes the routine of FIG. 2 as in the first embodiment, and in step S6, in addition to the steering additional torque Ta, the steering additional torque Tb having a substantially constant value is set on the steering wheel return side based on the map of FIG. . This setting process is performed by the steering additional torque setting unit 25 in FIG. 3, and the set steering additional torques Ta and Tb are added to the basic assist torque T0 by the addition processing unit 26 to calculate the steering torque Ts.
[0046]
Therefore, as in the first embodiment, the steering reaction force is controlled so as to increase in the vicinity of the turning limit, so that the vehicle behavior is stabilized. In addition, a constant steering additional torque Tb acts on the steering wheel return side. Will do. As is well known, since the electric power steering device always generates a friction torque Tfr in the direction opposite to the rotational direction as shown in FIG. 14 due to the friction of the speed reduction mechanism (particularly the worm type) of the electric motor 6, Only with the steering reaction force Tsat due to the lining torque Tsa, the steering wheel returns to the neutral position is poor. In the present embodiment, the friction torque Tfr on the steering wheel return side is offset by the steering additional torque Tb, so that when the driver stops the steering, the steering wheel 1 smoothly returns to the neutral position, greatly increasing the operational feeling. There is an advantage that it can be improved.
[0047]
This is the end of the description of the embodiment, but the aspect of the present invention is not limited to this embodiment. For example, in the above embodiment, the steering reaction force control device is applied to the electric power steering device, but may be applied to a hydraulic power steering device. Specifically, the electric motor 6 is installed in the power steering device, and the electric motor 6 is driven and controlled by the current driver 27 based on the steering additional torque Ta set by the steering additional torque setting unit 25 in FIG. Thus, the steering torque (corresponding to the basic assist torque T0) by the hydraulic pressure on the power steering device side may be corrected.
[0048]
【The invention's effect】
As described above, according to the steering reaction force control apparatus of the first aspect, the steering reaction force can be appropriately controlled without causing a sense of incongruity due to a response delay, and the stabilization of the vehicle behavior can be realized.
Moreover, according to the steering reaction force control device of claim 2, in addition to the invention of claim 1, useless driving loss of the actuator can be avoided in advance.
[0049]
Furthermore, according to the steering reaction force control apparatus of claim 3, in addition to the invention of claim 1, adverse effects due to disturbances such as cross winds can be prevented in advance.
On the other hand, according to the steering reaction force control apparatus of the fourth aspect, in addition to the invention of the first aspect, it is possible to prevent adverse effects due to the lateral gradient.
Further, according to the steering reaction force control device of the fifth aspect, in addition to the first to fourth aspects of the invention, the friction of the electric power steering can be offset and the operational feeling can be greatly improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall configuration diagram showing a steering reaction force control apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU of the first embodiment.
FIG. 3 is a block diagram showing a procedure for calculating a steering torque Ts.
FIG. 4 is a diagram showing a state of occurrence of a slip angle when the vehicle is turning.
FIG. 5 is a diagram showing a map for setting a steering additional torque Ta.
FIG. 6 is a diagram showing a state of generation of front wheel lateral force Fy and self-aligning torque Tsa when the vehicle is turning.
FIG. 7 is a characteristic diagram of a steering reaction force Tfy generated by a front wheel lateral force Fy.
FIG. 8 is a characteristic diagram of a steering reaction force Tsat generated by a self-aligning torque Tsa.
FIG. 9 is a characteristic diagram in which steering reaction forces Tfy and Tsat are added.
FIG. 10 is a characteristic diagram of steering torque Ts.
FIG. 11 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU of the second embodiment.
FIG. 12 is a flowchart showing a steering additional torque calculation routine executed by the ECU of the third embodiment.
FIG. 13 is a diagram showing a map for setting a steering additional torque Tb according to the fourth embodiment.
FIG. 14 is a characteristic diagram showing a generation state of friction torque Tfr in the electric power steering apparatus.
FIG. 15 is a diagram showing another example of a map for setting the steering additional torque Ta according to the first embodiment.
FIG. 16 is a diagram showing another example of a map for setting the steering additional torque Ta according to the second embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Steering wheel (steering means)
2 Steering shaft (steering means)
3 Gearbox (steering means)
4 Tie rod (steering means)
5 Front wheels (steering wheels)
6 Electric motor (actuator)
11 ECU (control means)
12 Torque sensor (operation state detection means)
13 Steering angle sensor (operation state detection means)
15 Yaw rate sensor (motion state detection means)
16 Lateral acceleration sensor (motion state detection means)

Claims (5)

車両の操舵輪に機械要素を介して連結され、上記操舵輪を転向可能な操舵手段と、
上記操舵手段に対して操作力を付加可能なアクチュエータと、
上記操舵輪の路面に対する横滑り角を検出する横滑り角検出手段と、
上記横滑り角検出手段により検出された横滑り角に基づき、旋回時の上記操舵輪の横力に起因して上記操舵手段に発生する操舵反力、及びサスペンションのセルフアライニングトルクに起因して上記操舵手段に発生する操舵反力を補償するための操舵付加トルクを算出する操舵付加トルク算出手段と、
上記横滑り角の発生に伴い上記操舵付加トルクに基づき上記アクチュエータを制御して上記操舵手段に上記横滑り角と略比例する操舵反力を発生させる制御手段と
を備えたことを特徴とする操舵反力制御装置。
Steering means coupled to a steering wheel of a vehicle via a mechanical element and capable of turning the steering wheel;
An actuator capable of applying an operating force to the steering means;
A skid angle detecting means for detecting a skid angle of the steered wheel with respect to the road surface;
Based on the side slip angle detected by the side slip angle detecting means, the steering reaction force generated in the steering means due to the lateral force of the steering wheel during turning, and the steering due to the self-aligning torque of the suspension. Steering additional torque calculating means for calculating a steering additional torque for compensating the steering reaction force generated in the means;
Steering reaction, characterized in that a said side slip angle control means for substantially Ru is generated proportional to the steering reaction force to the steering means to control the actuator based on the steering additional torque due to the occurrence of the slip angle Force control device.
上記操舵付加トルク算出手段は、上記横滑り角が所定値以下の場合には、上記操舵付加トルクとして略0を算出することを特徴とする請求項1に記載の操舵反力制御装置。2. The steering reaction force control device according to claim 1, wherein the steering additional torque calculation unit calculates substantially zero as the steering additional torque when the side slip angle is equal to or less than a predetermined value. 上記車両の運動状態を検出する運動状態検出手段を更に有し、
上記制御手段は、上記運動状態検出手段の検出値が所定値以下の場合に、上記操舵輪の舵角が小さくなるよう、上記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の操舵反力制御装置。
And further comprising a motion state detection means for detecting the motion state of the vehicle,
2. The steering reaction according to claim 1, wherein the control unit controls the actuator so that a steering angle of the steered wheel becomes small when a detection value of the motion state detection unit is a predetermined value or less. Force control device.
乗員による上記操舵手段の操作状態を検出する操作状態検出手段を更に有し、
上記制御手段は、上記乗員の操作によらず上記横滑り角が発生した場合に、上記操舵輪の舵角が小さくなるよう、上記アクチュエータを制御することを特徴とする請求項1に記載の操舵反力制御装置。
An operation state detection unit for detecting an operation state of the steering unit by a passenger;
2. The steering reaction according to claim 1, wherein the control unit controls the actuator so that a steering angle of the steered wheel is reduced when the side slip angle is generated regardless of an operation of the occupant. Force control device.
上記操舵手段は、上記アクチュエータとして備えられた電動モータにより乗員の操作に助勢力を付加する電動パワーステアリングであり、
上記制御手段は、上記電動パワーステアリングが有するハンドル戻り側のフリクションを相殺するよう、上記電動モータを制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の操舵反力制御装置。
The steering means is an electric power steering that adds assisting force to an occupant's operation by an electric motor provided as the actuator.
The steering reaction force control device according to any one of claims 1 to 4, wherein the control means controls the electric motor so as to cancel the friction on the steering wheel return side of the electric power steering.
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