JP3879552B2 - 画像生成装置、画像読取装置、不正複製防止システム、プログラム、および出力媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像生成方法、装置、およびプログラム、並びに画像生成装置と画像読取あるいはこの画像読取装置を利用した画像形成装置とから構成される不正複製防止システムに関する。より詳細には、無断複製の禁止が必要とされる原稿画像を生成する場合において、この原稿画像を複製装置により読み取る際に無断複製を防止可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータやプリンタ、複写機など、複写機能を持つ画像形成装置の普及により、書類を複製することが極めて簡単になっている。このような状況においては、著作権が付与された原稿、あるいは“コピー禁止”、“複製厳禁”、“マル秘”などといった無断複製の禁止が要求される原稿(以下纏めて“機密原稿”ともいう)に対しても容易にコピーが行われてしまうという欠点がある。換言すれば、文字列、図形、表、グラフなどを含む原稿画像であって、重要情報が漏洩することを防止する必要がある、いわゆる“機密原稿”の印刷出力(プリントアウト)物の不正複製による重要情報(機密内容)の漏洩ということが問題となってきている。したがって、複写機能を持つ画像形成装置には、機密原稿の悪用複製を防止する機能を持たせることが必要である。
【0003】
このため、機密原稿の任意的・恣意的な複製動作を禁止あるいは一定範囲に制限する技術が種々提案されている。この技術には、大別して、複製しても悪質なコピーしか得られないようにするもの、複製偽造防止用紙に文書を印刷するもの、複製禁止領域に人間の目に見え難いパターン画像あるいは“コピー禁止”などの複製禁止マークを印刷しておくとともに、それらを予め登録しておき、原稿読取りの際にそのマークなどを検出し、これを登録されたマークなどと照合し、両者が一致したとき複製動作を制御するもの、などがある。
【0004】
たとえば、機密文書の不正コピーの制御のための従来技術として、特開平7−231384号には、複製偽造防止用紙と同様の効果が択られるパターン画像を画像処理によって生成する技術が提案されている。ここで、複製偽造防止用紙とは、人間の目には見え難いが、複写機でコピーすると隠されていた警告文字などが浮かび上がってくる特写なパターン画像が予め印刷されている用紙である。この複製偽造防止用紙に印刷された文書を複写機でコピーした場合、コピー物には“複製禁止”などの警告文字が目立つように浮き出てくるので、不正にコピーする行為に対して心理的な抑止になるとともに、オリジナルとコピー物とを区別することができる。
【0005】
この特開平7−231384号に記載の方法は、警告文字部分と背景部分が特定の共通濃度で異なるディザ処理を施された画像を重ね合わせることにより、複製偽造防止用紙を用いた場合と同様の効果が択られるパターン画像を入力画像データに合成させ、通常の用紙を用いて複製偽造防止用紙を用いた場合と同様の効果を得ようとするものである。
【0006】
しかしながら、この方法では、複写機でコピーした場合に、コピー物の背景に警告文字が浮かび上がることにより心理的に不正複製を抑止することはできるが、コピー自体を止めることはできず、不正複製を防止することはできない。
【0007】
この問題を解消する方法の一例として、機密文書に複製禁止情報を埋め込んでおき、複写機側で読み取った画像中から複製禁止情報を検出し、この検出結果に応じて複写機のコピー動作を制御する技術が、たとえば特開2000−76458号、特開2001−189855、あるいは特開2001−346032号などに提案されている。
【0008】
前記特開2000−76458には、コピーを禁止すべき文書に付加された特定シンボルを複写機側にて認識する方法が記載されている。つまり、複写機側に特定シンボルの認識機能を持たせることによって、コピー禁止文書の不正なコピーを禁止するものである。
【0009】
また前記特開2001−189855号には、バーコードや電子透かし技術によってプリント出力する文書に複製禁止情報や特定条件でコピーを許可する情報を埋め込んでおき、これらの情報を検出してコピー動作を制御する方法が記載されている。
【0010】
また前記特開2001−346032号には、複製偽造防止用紙の背景に2次元コードを埋め込む方式が記載されている。この方式では、背景の2次元コードに複製禁止情報を含めることができる。複写機側にこの2次元コードを検出する機能を持たせておき、2次元コード中に複製禁止情報が含まれていればコピー動作を中止するように制御することで、機密文書の不正コピーによる情報の漏洩を防ぐことができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には下記のような課題がある。まず、特開2000−76458号に記載されているような、特定シンボルを認識してコピー動作を中止するか許可するかの判定をする方法では、原稿ごとに特定ユーザにはコピーを許可させたり、所定の日時を過ぎたらコピーを許可させる、といった高度なコピー制御動作を行なわせることができない。
【0012】
また、特開2001−189855号に記載されているような、電子透かしによって複製禁止情報を埋め込む方法では、電子透かしは世代コピー(複数回にわたって繰り返されるコピー)によって認識不能になりやすい、つまりハードコピーによって削除されやすいため、電子透かしによって埋め込まれていた情報が消えてしまい、その文書が機密文書であったかどうかもわからなくなってしまう。
【0013】
また、上記各公報に記載の方法は、機密文書の不正複製を制御することはできるが、不正複製を確実に防止することはできない。つまり、不正複製を確実に防止するためには、複写機における被複製物が複製が禁止されている機密原稿であることを認識して、複製動作を制御する機能を複写機に設ける必要がある。ここで、禁複写マークやバーコードなどの検出機能は比較的簡易な技術によりなし得るので、複写機の全てにこの機能を持たせることは難しくない。
【0014】
しかし、電子透かしの検出機能は、スキュー補正処理、コードデータの位置合わせ処理、潜像として画像に埋め込んだドットパターンを検出する処理(電子透かしの検出処理)、判定精度を高めるための誤り訂正処理など、比較的大規模な処理や高度な技術を必要としコストがかかるので、電子透かしの検出機能を有しない装置が多いのが実状である。2次元コードの場合にも、この傾向がある。このような状況下にあっては、2次元コードや電子透かしの検出機能を持たない複写機によってコピーされてしまった場合にも、2次元コードや電子透かしによって埋め込まれていた情報が消えてしまい、その文書が機密文書であったかどうかもわからなくなってしまう。
【0015】
また、特開2000−76458号、あるいは特開2001−189855号や特開2001−346032号に記載の方法では、特定シンボル、あるいはバーコードや2次元コードによって複製禁止情報を埋め込むので、複製禁止情報が白背景部分に人間の目に見えるように配置されるため、複製禁止情報が原稿中のどこに存在しているかが一目瞭然である。このため、悪意を持ったユーザにバーコードなどの複製禁止情報を埋め込んだ部分が容易に除去(隠し、塗りつぶし、切り取り)されてしまった場合には、コピー動作が禁止されずに印刷出力されてしまうので、外部への流出を有効に防ぐことができない。つまり、このケースでは、機密原稿であることを示す特殊シンボルやバーコードは複写機に対しては何の意味も持たず、機密保持は複写機を使用する人のモラルに依存するしかない。
【0016】
また、特開2001−189855号や特開2001−346032号に記載の方法では、原稿中に埋められた電子透かしあるいはバーコードや2次元コードを検出し情報を復号することで初めてコピー動作を中止するか許可するかの判定ができるようになるが、電子透かしや2次元コードなどを検出するためには、前記のようにスキュー補正処理などの高度な検出判定処理を必要とするため、処理時間が長くかかるため、コピー生産性が低下してしまう。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無断複製の禁止が必要とされる原稿画像を生成するに際し、高度な検出判定処理を必要とすることなく、出力された印刷物の無断複製をより確実に防止ことを可能にする画像生成方法、装置、およびコンピュータを利用して前記方法や装置を実現するためのプログラムを提供することを目的とする。また本発明は、このような画像生成装置と、画像読取あるいはこの画像読取装置を利用した画像形成装置とから構成される不正複製防止システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る画像生成装置は、原画像を取得する画像取得部と、原画像の複製を制御するための制御情報を取得する制御情報取得部と、制御情報取得部が取得した制御情報の種類に応じてパターン画像を配列することで、パターン画像領域を生成するパターン画像領域生成部と、画像取得部が取得した原画像とパターン画像領域生成部が生成したパターン画像領域とを合成する合成画像生成部とを備えるようにした。ここで、パターン画像領域生成部は、制御情報の種類が複製禁止であるとき、パターン画像領域に含まれる同一のパターン画像の個数の比率が所定値よりも多くなるように配列した複製禁止を表わすパターン画像領域を生成するようにする。
【0019】
また、本発明に係る画像読取装置は、前記本発明に係る画像生成装置により生成された画像を読み取る画像読取部と、画像読取部により読み取られた読取画像に含まれているパターン画像を検知するパターン画像検知部と、パターン画像検知部が検知した検知結果に基づいて、複製の動作を制御する制御部とを備えるようにした。
【0020】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像生成装置や画像読取装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0021】
また、本発明に係る不正複製防止システムは、前記本発明に係る画像生成装置と、前記本発明に係る画像生成装置とを備えた。なお、画像読取装置は、さらに読み取った画像を再度可視画像化する画像形成部を備えた構成、つまり画像形成装置としてもよい。
【0022】
また、画像生成装置と画像読取装置あるいは画像形成装置とは、一体型のものであってもよいし、別体のものであってもよい。別体の場合、2つの装置は、近接配置されていてもよいし、ネットワーク接続され遠隔地に配置されていてもよい。
【0023】
さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る画像生成装置を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0024】
【作用】
上記構成においては、読取装置を利用した複製の動作時に検知可能なコードデータ(複製動作を制御するための情報)をパターン画像に対応付けておき、複製動作を禁止したり禁止を解除するための制御情報を表すことが可能なようにパターン画像を所定間隔で2次元状に配列する。たとえば、複数種類のパターン画像を2次元状に配列して所定サイズのパターン画像領域を複数種類だけ生成する。そして、この複数種類のパターン画像領域を、所定の規則に従って繰り返し配置して背景画像を生成する。さらにこのパターン画像を含む背景画像を原画像と重ね合わせて合成画像を生成する。複数種類のパターン画像には、たとえば複製を禁止するコードを割り当てたり、複製禁止を解除するコードを割り当てておく。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る不正複製防止システムを適用した画像形成システムの一実施形態の全体構成を示す図である。この画像形成システム1は、原画像の一例である前景画像を出力するクラインアント端末2と、印刷(プリント)機能および複製(コピー)機能を持ったいわゆる複合機3とが、インターネットなどの公衆通信網や専用線などのネットワーク9により接続されて構成されている。クライアント端末2は1台に限らず、多数接続されていてもよい。
【0027】
クラインアント端末2は、たとえばパーソナルコンピュータやワープロなどの画像情報を生成する機能を有するものであればよい。複合機3は、画像を読み取るスキャナ部5と、画像を所定の用紙に印刷出力するラスタースキャン(ROS)ベースのプリンタ部7とを備えている。
【0028】
この画像形成システム1は、たとえば、ユーザ側に設置されたクラインアント端末2から複合機3に画像データを送信し、複合機3にて画像を印刷出力する、いわゆるネットワークプリンタの形態が取られている。たとえば、ユーザがクラインアント端末2から文書のプリント指示を複合機3に発する。その際ユーザは、クラインアント端末2にインストールされているプリンタドライバにより端末の表示デバイス2bに表示されるメニュー画面を確認しながら、キーボードやマウスなどの入力デバイス2aを介してプリントする文書に埋め込む付加情報を設定入力する。
【0029】
付加情報には、たとえば、複製を制御するための制御情報の一例として、複製禁止情報、条件情報、潜像情報などを含めることができる。ここで、複製禁止情報とは、プリント出力を指示した文書を複写機(複合機3を含む)で複製させないようにする(複製を禁止する)ことを示す情報である。条件情報とは、プリント出力を指示した文書を複製可能とする条件を示す情報であり、たとえば、暗証番号、複製を許可するユーザID番号(たとえば社員番号など)、複製禁止を解除する日時、複製を許可する複写機の機械番号、などを含んでいる。潜像情報とは、後述する背景画像に埋め込まれる潜像文字を示す情報である。
【0030】
ユーザは、これらの情報を設定した後、プリント指示を発する。これを受けて、プリンタドライバは、文書データ(アプリケーションデータ)を、プリント記述言語で記述された所定のプリントデータへ変換し、付加情報をプリントデータのヘッダ部へ付加した後、ネットワーク9を経由して複合機3へ送信する。プリントデータとしては、たとえば、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:Page Description Language )形式のものを使用するのがよい。以下、PDLデータをプリントデータとして用いる形態で説明する。
【0031】
このPDLデータのヘッダ部には、印刷ジョブを送信したクラインアント端末2のIP(Internet Protocol)アドレス、印刷ジョブを送信したユーザ名、印刷する文書ファイル名、印刷する文書のタイムスタンプ、文書ファイルに設定された機密レベル、文書ファイルに設定されたパスワードなどのコード化情報、あるいは潜像として埋め込む潜像文字列を表す潜像情報が付加情報として付加されている。これらの付加情報は、複製を禁止する必要がある機密文書などにだけ付加されている。
【0032】
複合機3は、先ず受信したPDLデータを調べる。そして、複製禁止情報、条件情報、潜像情報の何れかひとつでも含まれていた場合には、予め定められたパターン画像を所定ルールに従って2次元状に配列した背景画像を生成し、PDLデータから生成される文書画像(原画像)に合成して印刷出力(プリント出力)する。そして、たとえば、受信したPDLデータに複製禁止情報、条件情報がどちらも含まれていない場合には、PDLデータから生成される文書画像のみを印刷出力する。
【0033】
図2は、複合機3の一実施形態の構成を示すブロック図である。複合機3は、ゼログラフィーを利用して画像を所定の記録媒体に記録するものであって、画像を読み取るスキャナ部5と、画像を印刷出力するプリンタ部7とから構成されている。
【0034】
スキャナ部5は、原稿画像を読み取る画像読取部10と、ユーザからの指示を受け付けたり、読取りや印刷出力などの制御機能を有する操作制御部20とを有する。プリンタ部7は、スキャナ部5と共用する操作制御部20と、画像読取部10により読み取られた画像に対して所望の画像処理を施す画像処理部40と、合成画像を生成する合成画像生成部50と、画像処理部40からの画像と合成画像生成部50からの画像を切替出力する選択部(Selector)80と、画像を用紙上に出力するラスタースキャンベースの画像形成部90とを有する。
【0035】
操作制御部20は、画像読取部10によって読み取られた画像から複製禁止情報を検出する複製禁止情報検出部22、画像読取部10によって読み取られた画像から条件情報を検出する条件情報検出部24、および画像読取部10によって読み取られた画像を格納する記憶部の一例であるページバッファ26を有する。
【0036】
また操作制御部20は、ネットワーク9を介してクラインアント端末2からPDLデータを受信したり、その他のネットワーク接続機器との間の通信機能を有するネットワークI/F(インターフェース)部30、複合機全体を制御する制御部32、およびユーザへの情報表示やキー入力を受け付ける機能を有するコントロールパネル34を備える。コントロールパネル34は、図示しないテンキーやタッチパネルなどの入力デバイスを利用して複合機3の動作モード、あるいはその他の各種設定を受け付けるモード指示部34aと、LCD(液晶)パネルなどの表示デバイス34bを有する。
【0037】
複合機3は、“通常コピーモード”と“条件コピーモード”という2種類のコピー動作モードが設定可能で、設定されたコピー動作モードに応じて異なる動作をするように構成されている。このモード切替は、コントロールパネル34のモード指示部34aが受け付けたユーザ指示を制御部32に伝え、制御部32が、複製禁止情報検出部22や条件情報検出部24あるいは合成画像生成部50を制御することで実現する。たとえば、複製禁止情報検出部22は、“通常コピーモード”に設定されているときのみ動作し、“条件コピーモード”では動作しないように設定される。条件情報検出部24は、“条件コピーモード”に設定されているときのみ動作し、“通常コピーモード”では動作しないように設定される。
【0038】
画像読取部10は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿を図示しない読取光学系にて読み取り、この読み取った原稿画像に対してゲイン制御や色分解、あるいはホワイトバランス処理などの撮像信号処理を施し、処理後の画像を表す、画像データR,G,Bを、複製禁止情報検出部22および条件情報検出部24に入力するとともに、ページバッファ26に格納する。
【0039】
ページバッファ26は、要求を受けたとき、格納してある画像を条件情報検出部24や制御部32や画像処理部40に送る。画像処理部40は、ページバッファ26に格納された原稿画像を読み出して、たとえば、下地除去処理、空間フィルタによる強調処理などの画像処理を施し、この処理済の画像を、合成画像生成部50、あるいは選択部80を介して画像形成部90に入力する。
【0040】
合成画像生成部50は、制御部32から受信したPDLデータをデコンポーズして文書画像を生成する。また、合成画像生成部50は、制御部32の制御の元で、複製禁止情報に対応するパターン画像あるいは条件情報に対応する複製条件パターン画像を含む背景画像を生成する。そして、背景画像と、先にデコンポーズしておいた文書画像や画像処理部40から受け取った読取画像とを合成する。
【0041】
画像形成部90は、選択部80により選択出力された画像や制御部32から出力された画像に基づいて、たとえば個々の印刷色用の2値化信号を生成する。たとえば、RGB表色系の画像データをYCrCb表色系の画像データに変換し、さらにYCrCb表色系から最低3つ(好ましくは4つ)、たとえばCMY表色系あるいはCMYK表色系のへのマッピングをしプリント出力用に色分解されたラスタデータ(2値化信号)を生成する。このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去(UCR)、あるいは減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換(GCR)をする。
【0042】
さらに、画像形成部90は、出力データ(CMYKなど)に応答して作成される出力画像のトナー像を調整するために、色分解の直線化または同様の処理をする。そして、画像形成部90は、生成した2値化信号に基づいて図示しない光源を変調駆動し、図示しない感光体ドラムを走査することで、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、さらに記録用紙に転写させることで、印刷出力を得る。
【0043】
図3は、複合機3に設けられた合成画像生成部50の一実施形態の構成を示すブロック図である。合成画像生成部50は、画像処理部40を介して読取画像(スキャン画像)を取得する読取画像取得部502、制御部32を介してPDLデータを取得するプリントデータ取得部504、プリントデータ取得部504が取得したPDLデータを分析(デコンポーズ)して文書画像を生成する文書画像生成部506、および文書画像生成部506により生成された文書画像を格納しておく記憶部の一例である文書画像バッファ508を有する。
【0044】
また合成画像生成部50は、プリントデータ取得部504が取得したPDLデータから複製禁止情報、条件情報、あるいは潜像情報などの付加情報を抽出する付加情報抽出部510、付加情報抽出部510により抽出された潜像情報に基づき潜像画像を生成する潜像生成部512、付加情報抽出部510により抽出された複製禁止情報および条件情報を符号化してコードデータを生成する付加情報符号化部514、複製禁止情報や条件情報を符号化したコードデータに対応する複数種類のドットパターンで表されたパターン画像を格納するパターン画像格納部516を有する。なお、パターン画像についての詳細は後述する。
【0045】
潜像生成部512は、潜像情報により表された潜像文字列を読み込み、読み込んだ潜像文字列を所定のフォントを使用してラスタ展開して2値画像化された潜像文字画像を生成する。付加情報符号化部514は、付加情報抽出部4から入力された条件情報のコード化データを誤り訂正符号化し、さらに潜像生成部512から入力された潜像文字画像データを参照して、複製禁止情報のコード化データと誤り訂正符号化された条件情報のコード化データを所定のコードデータに変換し、たとえば画像1枚分に対応するコードデータの2次元配列を生成する。
【0046】
なお、潜像文字画像を生成する際に使用するフォントは、複製偽造防止用紙と同様の効果を発揮させるために、比較的大きなポイント数(たとえば48ポイント)が設定されることが好ましい。また、潜像文字画像は、以下の1)および2)式の関係を満足するように2値画像化するのが好ましい。
1)潜像文字画像の解像度=プリンタ解像度÷パターンの横画素数、
2)潜像文字画像の縦横画素数=文書画像の縦横画素数÷パターンの横画素数
【0047】
たとえば、プリンタ解像度が600dpi、パターンの横画素数が12画素、文書画像データの縦(副走査方向)×横(主走査方向)の画素数が4960×7015画素の場合、潜像文字画像の解像度は50dpi、縦×横の画素数は413×584画素となる。すなわち、潜像文字画像の1画素(黒画素1つ分)がパターン画像1つの大きさにほぼ対応するように設定する。これにより、複製禁止情報や条件情報に対応するパターン画像のサイズ単位で潜像文字の黒画素を配置できるようになるので、潜像文字を背景画像に埋め込む際には、潜像文字の黒画素を、パターン画像のサイズ単位および配列単位で埋め込んでいく。
【0048】
付加情報符号化部514は、付加情報抽出部510からだけでなく、制御部32を介して入力された複製禁止情報、条件情報、および潜像情報を符号化してコードデータを生成することもできるようになっている。これは、画像読取部10にて読み取った読取画像についても、背景画像と合成可能にするためである。また、付加情報符号化部514は、コードデータを生成する際、潜像生成部512により生成された、あるいは潜像画像バッファ515に格納されている潜像画像を参照して、潜像画像部分では所定のルールに従ってコードデータを変換する。
【0049】
さらに、合成画像生成部50は、付加情報符号化部514により符号化されたコードデータ(付加情報)とパターン画像格納部516に格納されているパターン画像とに基づいて背景画像を生成する背景画像生成部518、背景画像生成部518が生成された背景画像を格納する記憶部の一例である背景画像バッファ520、文書画像バッファ508から文書画像を読み出すとともに、背景画像バッファ520から背景画像を読み出し、両者を重ね合わせることで合成画像を生成する画像合成部522を有する。
【0050】
背景画像生成部518は、付加情報符号化部514により生成されたコード配列とパターン画像格納部516に格納された各コードデータに対応するパターン画像とを参照して、禁複製パターン画像領域と条件パターン画像領域とが、所定の規則に従って、2次元状に繰り返し配置された背景画像を生成する。
【0051】
図4は、合成画像生成部50の処理、特に背景画像生成処理および画像合成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、クラインアント端末2から送信されたPDLデータに基づいて合成画像を印刷出力する形態(プリント時の背景画像生成処理)で説明する。
【0052】
制御部32は、ネットワークI/F部30を介して受信したPDLデータを、図示しない内部メモリに一旦格納する(S100)。また、制御部32は、PDLデータを受信した旨を合成画像生成部50に通知する(S102)。
【0053】
合成画像生成部50のプリントデータ取得部504は、制御部32の内部メモリからPDLデータを受け取り、この受け取ったPDLデータを、文書画像生成部506と付加情報抽出部510へ入力する(S104)。文書画像生成部506は、PDLデータを解釈して文書画像を生成し、文書画像バッファ508へ出力して格納する(S106)。ここで、生成される文書画像の解像度はプリンタ解像度に一致している。
【0054】
付加情報抽出部510は、PDLデータのヘッダ部に付加情報が付加されているかどうかを調べる(S108)。付加されている場合には付加情報を抽出し(S108−YES)、その付加情報を、付加情報を複製禁止情報、条件情報、あるいは潜像情報などに分解する(S110)。そして付加情報抽出部510は、複製禁止情報および条件情報を付加情報符号化部514へ出力する一方(S112)、潜像情報を潜像生成部512へ出力する(S113)。なお、潜像情報とは、パターン画像の中にどのような潜像文字を埋め込むかを示す情報であり、具体的には、潜像の文字列、フォント種類、フォントサイズ、潜像文字列の方向(角度)などの情報からなっている。
【0055】
潜像生成部512は、付加情報抽出部510から入力された潜像情報に基づいて、潜像画像を生成する(S114)。すなわち、指定されたフォント種類、フォントサイズで、指定された方向に潜像文字列を描画することにより、2値の潜像画像を生成する。潜像生成部512は、生成した潜像画像を付加情報符号化部514へ入力する。ここで、潜像画像の解像度は、プリンタの解像度を後述するパターン画像のサイズで割った解像度と等しくなる。たとえば、プリンタ解像度が600dpi(ドット/インチ)、パターン画像のサイズが12画素×12画素の場合、潜像画像の解像度は50dpiとなる。
【0056】
付加情報符号化部514は、複製禁止情報や条件情報が入力されているかどうかを判断する(S116)。入力されている場合、複製禁止情報および条件情報を符号化する(S116−YES,S118)。一方、複製禁止情報が入力されていない場合、もしくはプリント出力が指示された文書を複写機で複製させないようにすることを示すものではない場合、禁複製コード配列を生成しないで、次の処理に移行する(S116−NO)。
【0057】
たとえば、複製禁止情報が入力されている場合、付加情報符号化部514は、複製禁止情報に対して符号化を施して、所定領域サイズの禁複製コード配列を生成する(S120)。また付加情報符号化部514は、条件情報が入力されている場合、その条件情報に対して誤り訂正符号化を施して、所定領域サイズの条件コード配列を生成する(S120)。ここで、コード配列の各要素は、コードデータ“0”またはコードデータ“1”となっている。
【0058】
たとえば、複数種類のコードデータを利用して、その条件情報を表し得るようにデータ列を生成する。また、このデータ列(条件コード;コード化された条件情報)を誤り訂正符号化する。そして、この誤り訂正したデータ列を、所定の大きさの2次元配列(単位2次元配列)に並べ替える。このとき、読取装置における検出処理や判定処理(コードの復号化)に際して、条件コード配列の位置決めを容易にしたり、復号ミスを生じないよう、たとえば単位2次元配列の最外周などのデータ配列を定義付けておく(詳細は後述する)。
【0059】
次に、付加情報符号化部514は、生成した禁複製コード配列や条件コード配列を所定にルールに従って、複数個繰り返し配置し、好ましくは2次元状に配置し、潜像画像全体の大きさと同じ大きさのパターン番号配列、すなわち背景画像に対応するパターン番号配列を生成する(S122)。なお、ステップS118にて禁複製コード配列(2種類のうちの何れか一方)を生成していない場合、生成されていない禁複製コード配列の部分に条件コード配列を配置する。また、条件コード配列を生成していない場合には、条件コード配列の部分には禁複製コード配列を配置する。
【0060】
この場合、2種類の禁複製コード配列のうちの何れか一方のみを利用してもよいし、2種類を適当に組み合わせて配置してもよい。たとえば、画像全面に1種類のコードデータを配列する。あるいは、複数種類のコードデータを所定領域サイズに2次元配列し、単位2次元配列を生成する。そして、さらにこの単位2次元配列を縦方向および横方向の何れか一方(1次元状に)、好ましくは縦方向および横方向の双方(2次元状)に繰り返し配置することで、画像1枚分のコード配列を生成する。このとき、単位2次元配列の条件コード配列を生成していたときには、この条件コード配列も組み合わせる。なお、この条件コードを、複製禁止を一定の範囲で解除するために利用する場合、確実に検知可能なように、1箇所だけでなく、画面全面に多数個繰り返し並べることが好ましい。
【0061】
次に、付加情報符号化部514は、潜像画像を参照し、潜像画像中の黒画素の座標に対応するパターン番号配列要素のコードデータを所定ルールに従って変換し、これを潜像画像中の全ての黒画素について施す(S124、S126)。この際、潜像文字の黒画素を、パターン画像のサイズ単位で埋め込んでいく。これにより、パターン番号配列は、禁複製コードや条件コードが並べて配置された背景に前記所定ルールに従ったパターン番号(たとえば“2”)で潜像文字が描かれた状態となる。付加情報符号化部514は、このパターン番号配列を背景画像生成部518に入力する(S126)。
【0062】
背景画像生成部518は、付加情報符号化部514から入力されたパターン番号配列の各要素を参照し、そのパターン番号に対応したパターン画像をパターン画像格納部516から読み出すことで、パターン画像の配列集合からなる背景画像を生成する(S130)。そして、背景画像生成部518は、生成した背景画像を背景画像バッファ520へ格納する(S132)。
【0063】
最後に、画像合成部522は、背景画像バッファ520から背景画像を読み出し、それと平行して文書画像バッファ508から文書画像を読み出して、各画素データを合成することで、全体の合成画像を生成する(S134)。そして、画像合成部522は、この生成した合成画像を、選択部80を介して画像形成部90に入力する(S136)。画像形成部90は、入力された合成画像を用紙上に印刷出力(プリント)する(S138)。画像合成部522により、既に背景画像が合成されているので、画像形成部90は、元の文書画像と背景画像とが合成された合成画像をプリント出力することができる。
【0064】
図5は、予め定められた装置を利用した複製動作時に検知可能なコードデータの一例と、このコードデータに対応付けられたパターン画像の一例とを示す図である。コードデータには、付加情報の一例である複製禁止情報、条件情報、あるいは潜像情報が割り当てられる。
【0065】
たとえば、複製禁止情報がプリント出力の指示を受けた文書を複写機で複製させないようにすることを示す場合、図5(A)および図5(B)に示す2種類の禁複製コード配列のうちの少なくとも一方を生成する(上記ステップS120参照)。ここで、図5(A)の禁複製コード配列は、配列内の全てのコードデータ(パターン番号)が“0”となっており、図5(B)の禁複製コード配列は、配列内の全てのコードデータが“1”となっていることが特徴である。複製禁止情報が入力されない場合、もしくはプリント出力が指示された文書を複写機で複製させないようにすることを示すものではない場合、付加情報符号化部514は、図5(A)および図5(B)に示す2種類の禁複製コード配列を生成しない。
【0066】
なお、図示した例は、単位2次元配列の大きさ(領域サイズ)を、縦(副走査方向)20×横(主走査方向)20としている。なお、この領域サイズは、この例に限らず、たとえば画像全体に対して、縦横各々1/4以下程度の大きさにするとよい。ただし、あまり小さすぎてもよくないので、たとえば、1つの領域サイズ内に、“0”あるいは“1”が100個程度含まれる位の大きさにするとよい。いずれにしても、画像の全体の中に、単位2次元配列が繰り返し配置できる程度の大きさにするとよい。
【0067】
条件情報が入力されている場合、付加情報符号化部514は、その条件情報に対して誤り訂正符号化処理を施し、図5(C)に示すような条件コード配列を生成する。条件コード配列が生成されなかった場合には、条件コード配列に代えて禁複製コード配列を生成する。図5(C)のコード配列は、コードデータ“0”および“1”の2次元配列(2次元コード)によって、符号化された条件情報を表している。この条件コード配列の単位2次元配列の大きさ(領域サイズ)も、禁複製コード配列と同じように、縦(副走査方向)20×横(主走査方向)20としている。
【0068】
また、条件コード配列の外周は、配列の位置決めを容易にするために特殊なデータ配列とすることで同期コードを割り当てる(後述する図16を参照)。図示した例では、所定の縦横サイズの矩形領域の外周がすべて“1”で構成されているコードとして定義されている。条件情報を符号化する際には、この同期コードに囲まれた中に、条件情報に対応するビット列を誤り訂正しながら、所定のルールに従って2次元状に配列することで2次元コードを生成する。
【0069】
この際、同期コードとの区別ができるように、“0”や“1”の連続する数が同期コードを除く部分の領域辺のデータ列数よりも少なくなるようにする。たとえば縦20×横20の領域サイズの場合、縦あるいは横に連続する数を少なくとも“17”以下にする。そして、復号化の際には、特殊なデータ配列で表された同期コードを参照して、その内部に配列されているコードデータを所定ルールに従ってデータ列(ビット列)に展開することで、条件情報を検出する。
【0070】
上記ステップS122においては、禁複製コード配列や条件コードを所定にルールに従って、複数個繰り返し配置し、潜像画像全体の大きさと同じ大きさのパターン番号配列を生成する。この結果、画像全体についてみれば、パターン番号配列の各要素の値は“0”または“1”になる。
【0071】
図5(D)、図5(E)、および図5(F)は、パターン画像格納部516に格納されるパターン画像の一例を示す。図中の主走査方向/副走査方向に対して、何れも、パターン画像のサイズが12画素×12画素とされている。たとえば、図5(D)は、コードデータ(パターン番号)“0”に対応するパターン画像であり、各走査の始点側が上がった、つまり黒画素が左上りの斜線パターンを呈している。図5(E)はコードデータ(パターン番号)“1”に対応するパターン画像であり、各走査の始点側が下がった、つまり黒画素が左下がりの斜線パターンを呈している。この2種類の斜線パターン画像が、本発明に係る第1および第2の画像パターンの一例である。
【0072】
ここで、禁複製コードを表す2種類のパターン画像は、黒画素のドットで呈されるパターンの特徴が1つの1次関数で表されるようになっている。なお、読取装置側での検出処理や判定処理に際して処理が簡単であるものであればよく、後述する他の形態のように、2次関数、あるいは1次関数および2次関数の任意の組合せにより、パターンの特徴が表されるものであってもよい。
【0073】
また、図5(F)は、上記ステップS124において潜像画像中の黒画素の座標について変更した後のパターン画像の一例である、コードデータ(パターン番号)“2”に対応するパターン画像である。この例では、黒画素が(3,3),(1,6)などに散在配置(画素座標の詳細は図を参照)されたドットパターン画像となっている。
【0074】
したがって、パターン画像で表される背景画像全体としてみれば、禁複製コード配列(図5(A),(B))や条件コード配列(図5(C))のデータ値に応じた斜線パターン(図5(D),(B))が、所定のルールに従って2次元状に所定サイクルで繰り返し配された状態に変換され、また、潜像文字部分が孤立ドットパターン(図5(F))に変換された画像になる。
【0075】
ここで、パターン番号配列はプリンタ解像度をパターンサイズで割った画像の解像度に相当し、それをもとに生成されるパターン画像は、パターン番号配列の一要素を1つのパターンにおき換えて生成するので、生成されたパターン画像はプリンタの解像度に一致する。
【0076】
また、パターン画像“0”、“1”、“2”は、各々黒画素の配置形態が異なるが、各パターン画像を構成する黒画素数が略同じ(7画素と8画素)であり、黒画素の配列形態に関わらず、印刷出力された記録媒体上では、認識される濃度が略同じになるようになっている。また、潜像文字の黒画素の対応位置に配置されるパターン画像“2”は、図5(F)に示すように孤立ドットが散在配置されたパターン画像であり、複写機で複製された場合には、孤立ドットが再現され難くなっている。なお、印刷特性によっては、黒画素数が略同じでも、黒画素の配列形態により濃度が多少異なることもあるので、印刷出力後の濃度が正確に一致するように、各パターン画像を構成する黒画素の数および配列形態を設定することが好ましい。
【0077】
図6は、前述のようにして、パターン画像を組合せ配置することで生成され印刷出力された背景画像の一例を示す図である。ここで、図6(A)は、パターン画像で表された背景画像の全体を示す。この画像データは1ビット/画素の2値画像である。図中の“COPY”の文字は潜像文字であり、実際には背景濃度と略同一の濃度としてあるため、図のようにはっきり見えないが、説明のために見えるように描いてある。
【0078】
この潜像文字の一部(矩形で囲った領域)を拡大したものが図6(C)である。潜像文字の内部が比較的細かいドットがランダムに密に配置されたドットパターン画像で構成されている。また、潜像文字の外部の背景画像は、図5(D),(B)で示した2種類の斜線パターンで構成されている。この2種類の斜線パターンにデータ“0”やデータ“1”を対応させることで、2次元コードを構成できる。潜像文字の内外で構成しているパターン画像は異なるが、前述のように、用紙上にプリント出力した際の潜像文字内外の平均濃度(単位面積当たりの黒画素面積)は略同一になるようになっており、人間の目には全面均一のグレイ背景のように見える。
【0079】
この図6(A)に示す画像がプリント出力された原稿を複写機でコピーすると、潜像文字外部の比較的大きなドットは忠実にコピー再現されるが、潜像文字内部の比較的細かいドットは複写機では忠実にコピー再現できないため、結果として、コピー出力上には潜像文字の外部(背景部)のみが再現され、潜像文字部分は白く抜け、結果として、図6(B)のような画像が複製出力される。実際に用紙にプリント出力されるのは、パターン画像を所定ルールに従って多数含んだ図6(A)に示す背景画像に文書画像が合成された画像となるが、ここでは、説明がしやすいように、文書画像は文字や図形を一切含まない真っ白の文書画像であった場合の例を示している。
【0080】
なお、潜像文字の黒画素を、パターン画像のサイズ単位で埋め込んでいるので、複製禁止情報および条件情報に対応するパターン画像と潜像文字に対応するパターン画像との境界は、格子状に繋がった形態となる。また、パターン画像のコードデータを参照して背景画像を生成する処理もパターン画像サイズ単位ですればよく、高速に背景画像を生成することができる。
【0081】
図7は、上記ステップS130にて生成される背景画像の他の例を示す図である。この例においても、前述の図6で示した潜像文字“COPY”を表し得るようにしている。ここで、図の斜線ハッチングされた矩形が図5(A)の禁複製コード配列(コードデータ“0”)、縦線ハッチングされた矩形が図5(B)の禁複製コード配列(コードデータ“1”)、ドットハッチングされた矩形が図5(C)の条件コード配列(コードデータ“0”または“1”)、となっている。
【0082】
先にも述べたように(ステップS122を参照)、禁複製コードが生成されなかった場合には、図中の禁複製コードの部分には条件コードを配置する。もし条件コードが生成されなかった場合には、図中の条件コードの部分には禁複製コードを配置する。したがって、この時点では、パターン番号配列の各要素の値は“0”または“1”になっている。図7(A)は、この状態をそれぞれ対応するハッチング矩形で示しており、図5で示した単位2次元配列に相当している。
【0083】
ここで、2種類の禁複製コード配列に対応する単位2次元配列の画像領域が、本発明に係る第1および第2のパターン画像領域の一例である。また、条件コード配列に対応する単位2次元配列の画像領域が、本発明に係る複製条件画像領域の一例である。さらに、潜像文字部分の画像領域が、本発明に係る第3のパターン画像領域である。
【0084】
図7(B)は、付加情報符号化部514により、潜像文字“COPY”の黒画素の座標に対応するパターン番号配列の要素のパターン番号を“2”に変更した結果を示す。このパターン番号配列は、禁複製コードおよび条件コードが所定ルールに従った繰返しサイクルで配置された背景画像のパターン配列に重ねて、潜像文字に対応するパターン番号“2”が描かれた状態となっている。
【0085】
以上から明らかなように、コードデータ“0”,“1”,“2”が、図5(D)〜図5(F)に示したパターン画像に対応し、それらの2次元配列によって、禁複製コード配列、条件コード配列が構成される。そして、コードデータを所定の繰返しサイクルで2次元状に配列することにより、対応する背景画像としては、複製動作を制御するための制御情報(つまり前記のコードデータ)が検知可能なように、1種類もしくは複数種類のパターン画像が、配置されることになる。
【0086】
なお、前例では、パターン画像が原画像の全面を覆うように、背景画像を生成し、これを原画像と合成していたが、必ずしも、パターン画像を全面に配さなくてもよい。ただし、複製禁止情報が簡単に削除されることがないように、ユーザに必ず伝えるべき情報が記載された重要部分、たとえばテキストオブジェクトを含む原画像であれば、そのテキスト部分の少なくとも一部に重なるようにパターン画像を配して背景画像を生成することが好ましい。またテキストオブジェクトに限らず、図形オブジェクトの重要部分に重なるようにパターン画像を配してもよい。つまり、原画像が、ユーザに必ず伝えるべき必須オブジェクトを含むものである場合、パターン画像がその必須オブジェクトの少なくとも一部に重なるように背景画像を生成すればよい。なお、このような重ね合わせの形態は図で示すまでもなく分かることなので、図示を省略する。
【0087】
また、単位2次元配列などのように、禁複製コード配列や条件コード配列の配列サイズを所定サイズに設定し(以下、このサイズを制御コード配列の領域サイズともいう)、それらを所定サイズ単位で、所定の繰返しサイクルで(好ましくは2次元状に)配列することにより、対応する背景画像としては、制御情報(つまり前記のコード配列やその組合せ)が検知可能なように、複数種類のパターン画像が配置されることになる。
【0088】
以上説明したように、上記第1実施形態の合成画像生成部50による合成画像の生成処理によれば、印刷出力した文書画像は、複写機で複製すると潜像として埋め込まれていた文字などの画像が浮かび上がるので、不正に複製する行為に対して心理的な抑止になるとともに、浮かび上がった画像によりオリジナルと複与物とを区別することができる。また、元の文書など原画像と背景画像とが重なっており、パターン画像の存在が一目瞭然であっても、容易に除去(隠し、塗りつぶし、切り取り)することはできないので、そのパターン画像に禁複製コードを対応付けることで、不正な複製動作を確実に防止することができる。
【0089】
また、禁複製コードを表す複数種類のパターン画像は、その特徴が2次関数以下(前例では1次関数の一例である2種類の斜線)で表されるので、読取装置側での検出処理や判定処理に際して処理が簡単である。つまり、読取処理と並行してリアルタイムに禁複製コードの検出処理や判定処理ができる。したがって、少なくとも、複製動作を完全に禁止する制御のためには、ユーザに高度なコピー制御動作を行なわせる必要がない。
【0090】
また、このような複数種類のパターン画像を利用して条件コードを構成すると、複製禁止を解除するための条件コードを機密原稿中に埋め込むことができ、また読取装置側で、条件コードを比較的簡単にあるいは確実に検知することもできる。したがって、原稿ごとに特定ユーザにはコピーを許可させたり、所定の日時を過ぎたらコピーを許可させる、などといった高度なコピー制御動作も、自動化することができ、ユーザの手を煩わせることがない。また、条件コードを、画面全面に多数個繰り返し並べるようにすれば、潜像文字の埋め込みや原画像との合成により一部の条件コードが消失しても、埋め込んだ解除条件を精度よく復号することができる。
【0091】
次に、このようにして生成された合成画像の利用形態、特に、複製装置における複製動作を制御する方法について説明する。ここで“複製動作を制御する”とは、複製動作を禁止することや、一定の制限範囲の中で複製動作を許容することを意味する。
【0092】
図8は、図4に示した手順に従ってプリント出力された文書原稿を“通常コピーモード”もしくは“条件コピーモード”にてコピーする際の処理手順の一例を示したフローチャートである。最初に、“通常コピーモード”の場合の処理手順について説明する。
【0093】
複合機3は、標準では、“通常コピーモード”が設定されるようになっている。よって、通常は、特に動作モードの設定変更を必要としない。“条件コピーモード”が設定されていたら、ユーザは複合機3のコントロールパネル34を操作して、“通常コピーモード”を設定すればよい。これを受けて、制御部32は、複製禁止情報検出部22が動作するよう、また条件情報検出部24が動作しないよう、それぞれを設定する。
【0094】
先ず、画像読取部10がプラテン上に載置された文書原稿を読み取り、この読み取った原稿画像を、ページバッファ26へ格納するとともに、複製禁止情報検出部22と条件情報検出部24にも入力する(S204)。
【0095】
複製禁止情報検出部22は、“通常コピーモード”のときのみ動作可能であり、画像読取部10により読み取られた原稿画像中に禁複製コードに対応するパターン画像が含まれているかどうか、すなわち禁複製コードの検出処理をして、処理対象画像が複製禁止文書であるか否かを判定し(詳細は後述する)、その判定結果を制御部32に入力する(S206)。ここで、複製禁止情報検出部22における処理は、画像読取部10から入力される画像信号と同期してリアルタイムに行なわれる。
【0096】
制御部32は、複製禁止情報検出部22から入力された判定結果に基づいて、出力動作を制御する(S208)。たとえば複製禁止情報検出部22から入力された判定結果が複製禁止文書である(複製禁止コードを検出している)旨を示しているときには、コピー動作を中止する(S208−YES,S210)。一方、判定結果が複製禁止文書でない(複製禁止コードを検出していない)旨を示しているときには、制御部32は、画像処理部40からの画像を画像形成部90に入力するよう選択部80を制御し、複製を許可するため、以下のようにコピー動作を継続させる(S208−NO,S212)。
【0097】
画像処理部40は、ページバッファ26に格納された原稿画像を読み出して、たとえば、下地除去処理、空間フィルタによる強調処理、色変換処理、あるいはトーン補正処理など画像処理を施し、選択部80を介して画像形成部90に処理済の画像を入力する(S214)。画像形成部90は、通常通り、画像処理部40側から入力された画像を用紙上に印刷出力する(S216)。
【0098】
以上説明したように、“通常コピーモード”においては、画像読取部10により読み取った原稿画像に禁複製コードを示すパターン画像が含まれている場合、それを複製禁止情報検出部22が検知することで複製動作を禁止することができる。一方、禁複製コードを示すパターン画像が含まれていない場合には、読み取った画像を用紙上にプリント出力することができるので、通常の複製動作が可能である。
【0099】
次に、“条件コピーモード”の場合の処理手順について説明する。先ず、ユーザは、複合機3のコントロールパネル34を操作して、“条件コピーモード”を設定する(S200)。これを受けて、制御部32は、コントロールパネル34に、ユーザIDと暗証番号を入力する登録画面を表示させる(S202)。ユーザは、この画面上で、ユーザIDと暗証番号を入力する。これにより、“条件コピーモード”が設定されたこと、および入力されたユーザIDと暗証番号が制御部32に通知される。制御部32は、複製禁止情報検出部22が動作しないよう、また条件情報検出部24が動作するよう、それぞれを設定する(S203)。
【0100】
次に、画像読取部10がプラテン上に載置された文書原稿を読み取り、この読み取った原稿画像を、ページバッファ26へ格納するとともに、複製禁止情報検出部22と条件情報検出部24にも入力する(S224)。 条件情報検出部24は、“条件コピーモード”のときのみ動作可能であり、画像読取部10により読み取られた原稿画像中に条件コードに対応するパターン画像が含まれているかどうか、すなわち条件コードの検出処理をし、その処理結果を制御部32に入力する(S226)。ここで、条件情報検出部24における処理は、2値化処理、ノイズ削除処理、パターン検出処理、パターン検出結果のバッファメモリへの格納までが画像信号と同期してリアルタイムに行なわれる(詳細は後述する)。
【0101】
制御部32は、条件情報検出部24から入力された検出結果を判定する(S228)。そして、処理結果が条件コードを検出した旨を示していないときには、制御部32は、コピー動作を中止させる(S228−NO,S210)。
【0102】
一方、処理結果が条件コードを検出した旨を示しているときには(S228−YES)、制御部32は、条件コードの内容を解析し、対応する条件情報を特定する(S230)。条件コードは、プリント出力を指示された文書の複製動作を一定範囲で許容するための条件情報に対応するコードであり、たとえば、暗証番号、複製を許可するユーザID番号(社員番号など)、複製禁止を解除する日時、複製を許可する複写機の機械番号、などを表すことができる。
【0103】
制御部32は、条件コードで表された機械番号と制御部32の内部ROM(図示せず;以下同様)に格納されている機械番号すなわち登録機械番号とを照合(比較)する(S232)。そして、検知した機械番号と登録機械番号の何れかとが一致するときには(S232−YES)、コントロールパネル34から入力されたユーザIDおよび暗証番号と、内部ROMに格納されているユーザIDおよび暗証番号すなわち登録ユーザIDおよび登録暗証番号とを照合(比較)する(S234)。
【0104】
そして、入力されたユーザIDと登録ユーザIDの何れかとが一致し、且つこの登録ユーザIDに対応する登録暗証番号と入力された暗証番号とが一致している場合(S234−YES)、制御部32は、内部タイマ(図示せず)から現在の日時を読み出し、条件コードで表された複製禁止を解除する日時と照合(比較)する(S236)。現在の日時が複製禁止を解除する日時を過ぎている場合(S236−YES)、制御部32は、画像処理部40からの画像を画像形成部90に入力するよう選択部80を制御し、コピー動作を継続させる(S236−YES,S212〜S216)。
【0105】
一方、機械番号の照合(S232)、ユーザIDおよび暗証番号の照合(S234)、あるいは解除日時の照合(S236)において、照合条件に合致しない(一致していない/時間が経過していない)ときには、複製動作を中止する(S232−NO,S234−NO,S236−NO,S210)。
【0106】
以上説明したように、“条件コピーモード”においては、画像読取部10により読み取った原稿画像に条件コードを示すパターン画像が含まれている場合、それを条件情報検出部24が検知することで、予め登録されている所定条件に合致する場合に限って複製動作を許容することができる。一方、条件コードを示すパターン画像が含まれていない場合には、読み取った画像を用紙上にプリント出力することができるので、通常の複製動作が可能である。
【0107】
図9は、複製禁止情報検出部22の一構成例を示すブロック図である。図示するように、複製禁止情報検出部22は、入力された画像データを“0”または“1”の2値データに変換する(2値化処理する)2値化処理部220と、2値化処理部220により2値化された2値画像データのノイズ成分を低減するノイズ除去処理部222と、ノイズ除去処理部222によりノイズ成分が低減された2値画像データに基づいて、パターン画像を検出するパターン検出処理部224とを有する。
【0108】
また、複製禁止情報検出部22は、パターン検出処理部224から出力された検知結果であるコードデータの配列パターンを、複製行為を制御するための制御情報に対応するコード配列(前例では禁複製コード配列など)の領域サイズに応じた所定サイズの小ブロックに分割するブロック化処理部226と、ブロック化処理部226により領域分割されたブロック内に存在する配列データ“0”,“1”の個数を算出する個数算出部230とを有する。
【0109】
さらに複製禁止情報検出部22は、個数算出部230により算出された配列データ“0”の数の比率を算出する比率算出部232と、個数算出部230による算出結果と比率算出部230による算出結果とに基づいて、ブロック属性の判定処理をする判定処理部234とを有する。ここで、ブロック属性とは、判定対象ブロックが、禁複製コード配列を表すブロック、条件コード配列を表すブロック、それ以外のブロックの何れであるかを意味する。
【0110】
図10は、複製禁止情報検出部22における処理手順(図8のステップS206相当)の一例を示したフローチャートである。2値化処理部220は、画像読取部10から出力された画像データを“0”または“1”の2値化データに変換し、変換した2値化データをノイズ除去処理部222に入力する(S300)。ノイズ除去処理部222は、2値化データに含まれるノイズ成分を除去し、ノイズ除去済の2値化データをパターン検出処理部224に入力する(S302)。たとえば、ノイズ除去処理部222は、黒画素が連結している画素塊を求め、その画素塊の大きさ(連結画素数)が所定の範囲に収まっていない画素塊の各画素を白画素におき換える。所定の範囲としては、斜線パターンは削除されず、それ以外のパターン(孤立ドットパターンや文書中の文字や図形など)が削除されるように適切な範囲を設定する。
【0111】
パターン検出処理部224は、図5(D)および図5(E)に示した2種類の斜線パターン画像を検出するパターン検出処理をし、検出処理結果である、1画素2ビットの画像データをブロック化処理部226に入力する(S304)。たとえばパターン検出処理部224は、2値化データで表された画像中の各画素の位置で、図5(D)および図5(E)のパターン画像(基準パターン)を順次当てはめて、テンプレートマッチングによってパターン画像を検出する。そして、パターン検出処理部224は、図5(D)に示すパターン画像を検出した場合にはデータ“0”を出力し、図5(E)に示すパターン画像を検出した場合にはデータ“1”を出力し、何れのパターン画像も検出できない場合にはデータ“2”を出力する。つまり、画素データをコードデータに対応させて、コード配列として出力する。なお、テンプレートマッチングを利用したパターン検知の手法は公知の技術であるので、より詳細な説明は割愛する。
【0112】
ブロック化処理部226は、パターン検出処理部224の検知結果である“0”,“1”,“2”で表されたコード配列を、所定サイズにブロック分割し、その結果を個数算出部230に入力する(S306)。たとえば、ブロックサイズを、禁複製コード配列や条件コード配列の領域サイズ(すなわち制御コード配列の領域サイズ)の半分よりも小さいサイズとし、各コード配列の中に1個以上のブロックが完全に含まれるようなサイズに設定する。
【0113】
個数算出部230は、ブロック化処理部226により設定されたブロック内に存する、配列データ“0”および“1”の個数をそれぞれ算出し、その結果を比率算出部232に入力する(S308)。また、比率算出部232は、配列データ“0”,“1”の個数の合計を判定処理部234に入力する(S310)。判定処理部234は、個数算出部230から入力された合計個数および比率算出部232から入力された比率に基づいて、ブロック属性を判定する(S312)。
【0114】
ここで、処理対象ブロックが、全て配列データが“0”である所定サイズ(制御コード配列の領域サイズ)に対応する禁複製コード配列の内部に位置している場合、ブロック内部には所定個数以上の配列データ“0”に対応する斜線パターン(図5(D))が検出され、かつ“1”に対応する斜線パターン(図5(E))はほとんど検出されないため、配列データ“0”に対応する斜線パターンの比率が高く、ほとんど1.0に近いはずである。
【0115】
また、処理対象ブロックが、全て配列データが“1”である所定サイズ(制御コード配列の領域サイズ)に対応する条件コード配列の内部に位置している場合、ブロック内部には所定個数以上の“1”に対応する斜線パターン(図5(E))が検出され、かつ“0”に対応する斜線パターンはほとんど検出されないため、配列データ“0”に対応する斜線パターンの比率は低くほとんど0.0に近いはずである。
【0116】
さらに、処理対象ブロックが、条件コードの少なくとも一部を含む場合、ブロック内部には複数の配列データ“0”に対応する斜線パターン(図5(D)および複数の配列データ“1”に対応する斜線パターン(図5(E))が検出されるため、配列データ“0”に対応する対応する斜線パターンの比率は1.0よりもかなり低く、0.0よりもかなり高くなるはずである。
【0117】
また、入力された画像データが複製禁止情報を示すパターン画像(図5(D)、図5(E)、および図5(F)の何れか)を埋め込まれた画像の場合、処理対象ブロック内部には、配列データ“0”の禁複製コードと配列データ“1”の禁複製コードがそれぞれ複数個埋め込まれているはずである。
【0118】
判定処理部234は、以上の特性を利用して、ブロック属性を以下のようにして前判定(第1段階の判定処理)する。すなわち、
1)合計個数 >閾値Th1、かつ比率>閾値Th2の場合、処理対象ブロックは禁複製コード“0”の領域内に属する、
2)合計個数 >閾値Th1、かつ(1−比率)>閾値Th2の場合、処理対象ブロックは禁複製コード“1”の領域内に属する、
3)1)および2)の何れでもない場合には、処理対象ブロックは禁複製コード配列の領域内には属していない、
と判定する。
【0119】
ここで、閾値Th1は、ブロックサイズと制御コード配列の領域サイズからブロックに含まれる理論的なパターン個数にマージンを加味して設定する。閾値Th2は、1.0に近い値を設定する(一例として、閾値Th2=0.95)。
【0120】
判定処理部234は、禁複製コード“0”と判定されたブロック数、および禁複製コード“1”と判定されたブロック数をそれぞれ別にカウントする(S314)。そして、このカウントされた値と閾値Th3とを比較する(第2段階の判定処理)(S316)。ここで、閾値Th3は、禁複製コードの種類数に応じて適宜調整するとよい。
【0121】
判定処理部234は、禁複製コード“0”と判定されたブロック数が閾値Th3以上となり、かつ禁複製コード“1”と判定されたブロック数が閾値Th3以上となった場合、その画像を複製禁止文書と判定し(S316−YES,S318)、それ以外は複製禁止文書に該当しないと判定し(S316−NO,S320)、各判定結果を制御部32へ入力する(S322)。
【0122】
次に、図8の説明にて述べたように、制御部32は、複製禁止文書であるときにはコピー動作を中止させ(S208−YES,S210)、複製禁止文書でないときには、複製を許可するため、コピー動作を継続させる(S208−NO,S212)。
【0123】
上記の複製禁止情報の検出処理によれば、パターン画像に対応するコードデータの配列を正確に求めて復号処理を行なう必要がなく、画像のスキューや位置ずれに関係なくブロック中のパターン画像の個数と比率とを算出するだけで、複製禁止文書であるか否かを判定でき、情報量としては少ない(禁複製コードの有無のみを表す)が、読取処理から印刷処理までの過程において、読取画像が複製禁止文書であるか否かを、画像読取部10から入力される画像信号と同期してリアルタイムに判定することができる。
【0124】
また、上記実施形態では、2種類の禁複製コードを所定個以上検出した場合にのみに複製禁止画像と判定するようにしているので、複製禁止画像ではない通常の画像中に禁複製コードに似たパターン画像が含まれる場合でも、誤判定することなく判定精度を高めることができる。勿論、1種類の禁複製コードに対応するパターン画像を背景画像に埋め込んでおき、複製禁止画像であるか否かを判定するようにしてもよい。また、2種類の禁複製コードに対応するパターン画像が背景画像に埋め込まれている場合であっても、何れか一方の禁複製コードのみに基づいて判定してもかまわない。ただし何れの場合も、上記実施形態に比べて、判定精度が低下する虞れは免れられない。
【0125】
図11は、条件情報検出部24の一構成例を示すブロック図である。図示するように、条件情報検出部24は、複製禁止情報検出部22と同様に、入力された画像データを2値化処理する2値化処理部240と、2値化処理部240により2値化された2値画像データのノイズ成分を低減するノイズ除去処理部242と、ノイズ除去処理部242によりノイズ成分が低減された2値画像データに基づいて、パターン画像を検出するパターン検出部244とを有する。
【0126】
また、条件情報検出部24は、パターン検出部244の検出結果を格納する記憶部の一例であるバッファメモリ250と、バッファメモリ250から読み出したデータに基づいて画像配置の基準に対する条件コード配列部分の傾きであるスキュー角を求めるスキュー角検出処理部252とを有する。また条件情報検出部24は、バッファメモリ250から読み出したデータおよびスキュー角検出処理部252により求められたスキュー角に基づいて2次元コードを検出し、検出した2次元コードを所定ルールに従ってビット列に展開するコード検出処理部254と、コード検出処理部254により検出・展開された2次元コードのビット列に対して、所定の誤り訂正復号処理を施して条件情報として復号する誤り訂正復号部256とを有する。
【0127】
図12は、条件情報検出部24における処理手順(図8のステップS226相当)の一例を示したフローチャートである。2値化処理部240、ノイズ除去処理部242、およびパターン検出部244の処理は、複製禁止情報検出部22の対応機能部分の処理と同様である(S400〜S404)(詳細説明は割愛する)。
【0128】
パターン検出部244は、検知結果である“0”,“1”,“2”で表されたコード配列を、バッファメモリ250に格納する(S406)。バッファメモリ250に格納されたコード配列は、コードデータ“0”に対応する図5(D)に示すパターン画像が検出された位置のデータは“0”、コードデータ“1”に対応する図5(E)に示すパターン画像が検出された位置のデータは“1”、それ以外は“2”の1画素2ビットのコード配列となっている。
【0129】
スキュー角検出処理部252は、バッファメモリ250に格納されたコード配列(画像データ)に基づいて、入力画像データ、特に条件コード配列部分のスキュー角度を求め、求めたスキュー角度をコード検出処理部254に入力する(S408)。たとえば、スキュー角検出処理部252は、コードデータ(画素値)“0”または“1”のみの画素をハフ変換し、その角度軸上への投影分布のピークを求めることによって、スキュー角度を求める。なお、ハフ変換を利用したスキュー角度を求める手法は公知の技術であるので、より詳細な説明は割愛する。
【0130】
コード検出処理部254は、バッファメモリ250に格納されたコード配列(画像データ)を読み出し、スキュー角検出処理部252により検知されたスキュー角度を参照して、条件コード配列部分から2次元コードを検出する(S410)。たとえばコード検出処理部254は、スキュー角検出処理部252により求められたスキュー角度に沿って画像をスキャンして“0”または“1”のデータ(コードデータの“0”または“1”に対応している)を取り出す。取り出された、データ列から同期コードを見つけ出す。同期コードは、たとえば所定の縦横サイズの矩形領域の外周がすべて“1”で構成されているコードとして定義されている。この同期コードに囲まれたビット配列が2次元コード(条件コード)となっている。
【0131】
コード検出処理部254は、このビット配列を1次元のデータ列(ビット列)に並べ替えて誤り訂正復号部256へ出力する(S412)。誤り訂正復号部256は、コード検出処理部254から入力されたビット列に対して、所定の誤り訂正復号処理を行ない(S414)、条件情報として復号し、この復号した条件情報を制御部32へ出力する(S416)。
【0132】
次に、図8の説明にて述べたように、制御部32は、誤り訂正復号部256から入力された条件情報に基づいて、コピー動作を許可するか中止するかを制御する。すなわち、制御部32は、条件情報が含まれた複製制限文書であるときには、条件情報を解析し、その内容と事前に内部メモリに登録されている情報とを照合し、合致している場合には複製動作を許可する一方(S232,S234,S236の各NO,S212)、合致していない場合には複製動作を停止する(S232,S234,S236の各NO,S210)。
【0133】
上記の条件情報の検出処理によれば、複数種類(前例では2種類)の禁複製コードを利用し、その配列の組合せによって条件コードを表すようにしたので、少なくとも、2値化処理、ノイズ削除処理、パターン検出処理、パターン検出結果のバッファメモリ250への格納までは、画像読取部10から入力される画像信号と同期してリアルタイムに処理することができる。
【0134】
なお、上記実施形態では、合成画像生成部50と画像形成部90とが複合機3の同じ筐体に組み込まれている例について説明したが、合成画像生成部50を画像形成部90とは別筐体としてもよい。この場合、合成画像生成部50でパターン画象を利用して背景画像を生成し、この背景画像と文書画像とを合成し、たとえばネットワーク9経由または直接接続された画像形成部90へ画像転送してプリント出力する構成にするとよい。前者のネットワーク9経由の形態は、いわゆるネットワークプリンタに、適用した事例となる。
【0135】
また、上記実施形態では、背景画像は文書画像と同じ大きさの画像として生成し、文書画像全体に合成する例について説明したが、これに限らず、背景画像を文書画像よりも小さいサイズとして生成し、文書画像の一部に背景画像を合成するようにしてもよい。この場合、背景画像を文書画像の重要部分に合成することもとよい。少なくとも文書画像の重要部分に合成させることにで、背景画像中に含まれている禁複製コードや条件コードの削除を困難にすることができ、予め合成していたこれらの情報を抹消して複製するといった不正コピーを防止できる。また、文書画像の上部や下部など予め決められた位置に合成するようなにしてもかまわない。
【0136】
以上説明したように、上記第1実施形態の構成および処理によれば、複製を制御するための制御情報をパターン画像に割り当て、このパターン画像を所定のルールに従って2次元状に配列するようにしたので、コピー動作時に、効率的に不正コピーを防止することができるようになった。
【0137】
たとえば、少ない情報量しか埋め込めないがリアルタイムに検出できる第1のコード(前例では禁複製コード)と、リアルタイムには検出困難であるが埋め込める情報量が多い第2のコード(前例では条件コード)を、それぞれ各コードに対応するパターン画像を利用して文書画像の背景に繰り返し埋め込み、第1のコードに複製禁止情報を割り当て、第2のコードに複製禁止の解除条件を割り当てることで、コピー動作を臨機応変に制御することができる。
【0138】
たとえば、複写機の“通常コピーモード”では、読み取られた画像中から複製禁止コードを検出すると、コピー動作を中止することにで、コピー機のコピー生産性を低下させることなく機密文書の不正コピーを防止することができる。一方、読み取られた画像中から条件コードを検出し条件があう場合には、コピー動作を許可する“条件コピーモード”を設けることによって、特定ユーザや所定日時を過ぎた場合などの条件に合致する場合には、複製動作を許可するなどの複雑なコピー制御をユーザの手を煩わせることなく、自動的に行なうことができる。
【0139】
また、第1および第2のコードを、対応するパターン画像として文書画像の背景全面に繰り返し配置することで、複製を制御するための制御情報の削除を困難にし、不正コピーを確実に防止することができる。
【0140】
また、潜像画像を含める場合には、2つのコードは、複製偽造防止用紙と同様の効果を発揮する背景画像の一部として構成されているため、万が一、検出機能を持たない複写機でコピーされた場合でも、コピーされた文書に警告文字が浮き出てくるため、コピーされた文書が機密文書であることが分かるようにすることができる。また、コピーされた文書にも、コードと対応付けられた複製防止用の制御情報を確実に残すことができる。
【0141】
図13は、合成画像生成部50における、背景画像生成処理および画像合成処理の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。以下この形態を、第2実施形態という。
【0142】
前述した第1実施形態では、クラインアント端末2から送信されてきたPDLデータに背景画像を合成して印刷出力する例であったが、この第2実施形態は、コピー機で読み取った原稿画像(コピー原稿)に、背景画像を合成するものである。すなわち、複合機3は、コピー動作を行なう際に、画像読取部10で読み取った画像に背景画像を合成する。コピー機としては、第1実施形態で示した複合機3の複写機能部分をそのまま利用することができる。ただし、動作が若干異なり、複合機3を、背景画像を読取画像に合成するための、“合成コピーモード”を設定可能に構成する。
【0143】
先ず、ユーザは、複合機3のコントロールパネル34を操作して、“合成コピーモード”を設定する(S500)。これを受けて、制御部32は、コントロールパネル34に、複製禁止情報、条件情報、および潜像情報を入力する登録画面を表示させる(S502)。ユーザは、この画面上で、複製禁止情報、条件情報、および潜像情報を入力する(S504)。これにより、“合成コピーモード”が設定されたこと、および複製禁止情報、条件情報、および潜像情報が、制御部32に通知される。制御部32は、入力された複製禁止情報、条件情報、および潜像情報を合成画像生成部50に入力する。
【0144】
合成画像生成部50は、第1実施形態で説明したと同様に、制御部32から入力された複製禁止情報、条件情報、および潜像情報を参照して、パターン画像格納部516に格納されているパターン画像を読み出し、所定ルールーに従ってこのパターン画像を2次元状に配列して背景画像を生成し、生成した背景画像を背景画像バッファ520へ格納する(S506)。
【0145】
次に、画像読取部10がプラテン上に載置された文書原稿を読み取り、この読み取った原稿画像を、ページバッファ26へ格納する(S508)。 画像処理部40は、ページバッファ26に格納された原稿画像を読み出して、たとえば、下地除去処理、空間フィルタによる強調処理、色変換処理、あるいはトーン補正処理など画像処理を施し、合成画像生成部50の読取画像取得部502に処理済の画像を入力する(S510)。読取画像取得部502は、入力された読取画像を画像合成部522に転送する(S512)。
【0146】
画像合成部522は、読取画像読取部10から入力される読取画像と同期して、背景画像バッファ520から背景画像を取り込む(S514)。そして、画像合成部522は、各画素データを合成し、合成した画像を画像形成部90に入力する(S516)。画像形成部90は、入力された合成画像を用紙上にプリントする(S518)。画像合成部522により、読取画像と背景画像とが合成されているので、画像形成部90は、画像読取部10にて読み取った原稿画像と背景画像とが合成された合成画像をプリント出力することができる。
【0147】
図14は、パターン画像の他の例を示す図である。上記第1実施形態では、1つのパターン画像の画素サイズを縦12×横12画素の方形サイズとしていたが、これに限らず、他の大きさの方形サイズあるいは矩形サイズであってもよい。。矩形サイズの場合、たとえば図14(A)に示すように、前述の2つの禁複製コード用のパターン画像を利用して、縦12×横24画素とすることもできる。
【0148】
この場合においても、図示するように、複数種類の禁複製コードを表し得るように、そのパターンの特徴を異なるものとしておくとともに、黒画素数を略同じにする。また、斜線パターンに限らず、黒画素の配列方向で表されるパターンの特徴量が1次関数や2次関数の組合せで表せるもの、たとえば図14(B)に示す3角形、あるいは図14(C)に示す円形に近い角形など、直線、角形、円形、楕円形などを呈するものを利用してもよい。もちろん、禁複製コードを表すパターン画像の種類は2種類に限らず、3種類以上であってもよい。
【0149】
図15は、禁複製コード配列や条件コード配列の単位2次元配列を、原画像の全体に繰り返し配置する場合の他の例を示す図である。比較対象のため、図7に示した配列例を図15(A)に、その簡易表示を図15(B)に示す。上記第1実施形態では、“0”および“1”で示した2種類の禁複製コード配列の単位2次元配列と、“0/1”で示した条件コード配列の単位2次元配列とを、繰り返し画像全体に配置していたが、たとえば図15(C)に示すように、“0”および“1”の何れか一方の単位2次元配列と、“0/1”で示した条件コード配列の単位2次元配列とを、繰り返し画像全体に配置してもよい。
【0150】
また、図15(D)に示すように、“0”および“1”の何れか一方の単位2次元配列のみを繰り返し画像全体に配置してもよい。この場合、正しくは単位2次元配列を繰り返し画像全体に配置することにはならないが、禁複製コードを表すパターン画像を所定の間隔で2次元状に配列していることには変わりがない。なお、複数種類の禁複製コードに対応するパターン画像を利用した場合には、その配列の組合せを判定処理に利用できるので、誤判定の虞れが低減する。一方、1種類の禁複製コードに対応するパターン画像を利用した場合には、判定処理が簡単になるのでコピー生産性が向上する。
【0151】
また、図15(E)や図15(F)に示すように、1つの走査ラインには“0”および“1”の何れか一方のみを使用するとともに、その走査ラインと直交方向に“0”と“1”を交互に配置する形態であってもよい。
【0152】
なお、図15(D)〜図15(F)では、条件コード配列の単位2次元配列を配置していないが、適当に散在させてもよい。この場合、1〜3つ程度でもよいが、ある程度多い方が、潜像文字の埋め込みや原画像との合成により一部の条件コードが消失しても、埋め込んだ解除条件を精度よく復号することができる。
【0153】
図16は、条件コード配列の外周に埋め込む同期コードと復号処理との関係を説明する図である。ここで、図16(A)は上記第1実施形態の条件コード配列、図16(B)および図16(C)は他の条件コード配列の例を示す図である。
【0154】
上記第1実施形態では、単位2次元配列の条件コード配列の最外周を“1”で囲み、その内部に条件情報を符号化して2次元コードとして“0”や“1”に対応するパターン画像を配置していた。この場合、パターン画像の形態によっては、原稿載置台上への原稿の載置状態によって、つまり読取時の走査方向によって、同期コードを検知できず、条件コード配列の位置や傾き(スキュー角度)を特定できなくなったり、あるいは同期コードを検知できるものの、上下左右を特定することができず、条件コードの復号化処理の際に、復号ミスを生じてしまうことがある。
【0155】
たとえば、図16(A)に示すように、斜線パターンを利用した上記第1実施形態の条件コード配列の場合、180度回転させたときには同期コードを検知できるものの、上下を特定できず、条件コードの復号化処理の際に、内部データ配列が変わって復号化されることになり、復号ミスが生じる。また90度や270度回転させたときには、最外周が“1”ではなく“0”に変わって検知される。この場合、左右の何れか一方に90度回転されていることを判定できても、左右を特定することはできず、結果的には、同期コードを検知できない、あるいは条件コード配列を見つけることができない。このようなことは、斜線パターンを利用して最外周を“1”にした場合に限らず、斜線パターンを利用して最外周を“0”にした場合にも、同様に生じる。また、90度回転させたときに、コードデータが反転するようなパターン画像を利用する場合にも同様に生じる。
【0156】
そこで、このようなパターン画像を利用する場合には、上下左右の一辺のコードデータを他の3辺のコードデータと異なるようにすることが好ましい。たとえば、図16(B)に示すように、上辺に“1”を割り当て下辺および左右の各辺に“0”を割り当てる。この場合、180度回転させたときには“1”が下辺に配置されて検知されるので、天地逆を判定できる。また、内部のコードデータそのものにも変化がない。さらに、90度回転させたときには、左右の何れか一辺が“0”となって検知され、他の辺が“1”となって検知されるので、左右の90度回転を特定することができる。なお、内部のコードデータは反転して検知される。したがって、上下左右を確実に検知でき、原稿の載置状態に応じて条件コードの復号化処理の際のデータの再配列を調整する(“0”と“1”の反転も含む)ことで、復号ミスを防止することができる。
【0157】
なお、図16(C)に示すように、最外周だけでなく、さらにもう1つ内側二も同期コードを配してもよい。この場合、最外周と、その内側の各同期コードを異なるものとする。また、何れか一方については、上下と左右にはそれぞれ同じコードデータを、上(下)と右(左)には異なるコードデータを配する。原稿載置の回転とコードデータの検知結果についての説明は割愛するが、この場合にも、上下左右を確実に検知でき、原稿の載置状態に応じて条件コードの復号化処理の際のデータの再配列を調整する(“0”と“1”の反転も含む)ことで、復号ミスを防止することができる。
【0158】
図17は、CPUやメモリを利用して、ソフトウェア的に画像生成装置や画像形成装置(両者を纏めて画像処理装置という)を構成する、すなわち電子計算機(コンピュータ)を用いて画像処理装置を構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【0159】
この構成のよる画像処理装置900は、CPU902、ROM(Read Only Memory)904、RAM906、および通信I/F(インターフェース)908を備える。また、たとえばハードディスク装置914、フレキシブルディスク(FD)ドライブ916、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ918などの、記憶媒体からデータを読み出したり記録するための記録・読取装置を備えてもよい。
【0160】
ハードディスク装置914、FDドライブ916、あるいはCD−ROMドライブ918は、たとえば、CPU902にソフトウェア処理をさせるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。通信I/F908は、インターネットなどの通信網との間の通信データの受け渡しを仲介する。
【0161】
また、画像処理装置900は、スキャナとの接続機能をなすスキャナI/F部932や、プリンタとの接続機能をなすプリンタI/F部934を有する。これらのI/F部は、近距離接続可能なケーブル接続もしくは無線接続であってもよいし、通信I/F908と同様に、インターネットなどの通信網を介して、スキャナやプリンタと接続するものであってもよい。
【0162】
このような構成の画像処理装置900は、上記実施形態に示した複合機3の基本的な構成および動作と同様とすることができる。また、上述した処理手順をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROM922などの記録媒体を通じて配布される。あるいは、前記プログラムは、CD−ROM922ではなくFD920に格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカード924などのその他の記録媒体に前記プログラムを格納してもよい。
【0163】
さらに、他のサーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新してもよい。なお、記録媒体としては、FD920やCD−ROM922などの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリーを用いることができる。
【0164】
記録媒体の一例としてのFD920やCD−ROM922などには、上記各実施形態で説明した複合機3における処理手順を示したフローチャートの一部または全ての機能を格納することができる。したがって、以下のプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。たとえば、画像処理装置900用のプログラム、すなわちRAM906などにインストールされるソフトウェアは、上記各実施形態に示された複製禁止情報検出部22、条件情報検出部24、制御部32、画像処理部40、あるいは合成画像生成部50などの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0165】
このソフトウェアは、たとえば読取装置用のスキャナドライバ、印刷装置用のプリンタドライバ、あるいは複合機用のスキャナドライバもしくはプリンタドライバなどとして、CD−ROMやFDなどの可搬型の記憶媒体に格納され、あるいはネットワークを介して配布されてもよい。また、このソフトウェアは、読取装置や印刷装置あるいは複合機側だけに限らず、たとえばユーザ側の端末や装置に提供されてもよい。この場合、ユーザ側にても、原画像と背景画像とを合成することができる。
【0166】
そしてたとえば画像生成装置や画像形成装置をコンピュータにより構成する場合、CD−ROMドライブ918は、CD−ROM922からデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。そしてソフトウエアはCD−ROM922からハードディスク装置914にインストールされる。ハードディスク装置914は、FDドライブ916またはCD−ROMドライブ918によって読み出されたデータまたはプログラムや、CPU902がプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPU902に渡す。
【0167】
ハードディスク装置914に格納されたソフトウエアは、RAM906に読み出された後にCPU902により実行される。たとえばCPU902は、記録媒体の一例であるROM904およびRAM906に格納されたプログラムに基づいて上記の処理手順を実行することにより、上記処理手順における複製禁止情報の検出処理、条件情報の検出処理、背景画像の生成処理、あるいは原画像と背景画像との合成処理のための機能をソフトウェア的に実現することができる。
【0168】
図18は、コンピュータを利用して画像処理装置を構成する形態の好適な一例を示す図である。以下この形態を第3実施形態という。ここで、図18(A)は、画像形成システムの全体の構成例、図18(B)は、クラインアント端末2側の背景画像生成処理および合成画像生成処理に関わる部分、具体的にはプリンタドライバが組み込まれた中央制御部周辺の機能ブロック図である。
【0169】
第3実施形態の画像形成システム1は、文書データを生成するパソコンなどのクラインアント端末2と、クラインアント端末2から転送された文書データに基づいて印刷処理をするプリンタ8とを備えている。
【0170】
クラインアント端末2は、テキストや図形などを含む文書データを生成するデータ生成部950と、クラインアント端末2の各部の動作を制御する中央制御部960と、プリンタ8との間のインターフェース機能をなすインターフェース部970と、データ生成部950で生成された文書データや中央制御部960におけるデータ処理に際して生成した中間データを一時的に保存するハードディスクなどの記憶媒体980とを有する。
【0171】
データ生成部950には、たとえば、テキストや図形などを含む文書データを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれる。なお、データ生成部950にて文書データを生成することなく、ネットワーク(通信網)や記録媒体を介して外部機器にて生成されたものを取り込んだ文書データを利用してもよい。
【0172】
また中央制御部960には、クラインアント端末2の全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)やプリンタ8を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバが組み込まれる。そして、クラインアント端末2にはプリンタドライバが組み込まれ、上記実施形態で示した複合機3内に収容されていた合成画像生成部50の機能部分が、プリンタドライバというソフトウェアを利用して作動するように構成されている。。すなわち、プリンタドライバで背景画像を生成し、文書のPDLデータに合成して、ネットワーク9を介してプリンタ8(前例の複合機3を含む)に画像転送するように構成されている。背景画像生成処理や画像合成処理の各機能は、プリンタドライバというコンピュータプログラムとして実装される。
【0173】
これにより、クラインアント端末2は、プログラムに基づいてソフトウェア的に機能するようになる。すなわち、各機能部を構成するためのプログラムを格納したCD−ROMなどからプログラムを読み出してハードディスク装置などの記録媒体980にインストールさせておき、記録媒体980からプログラムを読み出して図示しないCPUが以下に示す処理手順を実行することにより、各機能をソフトウェア的に実現することができる。
【0174】
図18(B)に示すように、クラインアント端末2に備えられた中央制御部960(特にプリンタドライバ機能部分;以下同様)は、アプリケーションプログラムなどから入力された文書データに背景画像を合成する合成画像生成部50をソフトウェアとして備える。合成画像生成部50は、図*3で示した構成部分のうち、付加情報符号化部514、背景画像生成部518、および画像合成部522を有する。文書画像バッファ508、パターン画像格納部516、および背景画像バッファ520は、記憶媒体980が利用される。基本的な作用は、上記実施形態と同様である。
【0175】
図19は、コンピュータを利用した上記構成における合成画像生成部50の処理、特に背景画像生成処理と画像合成処理の各処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、クラインアント端末2から送信されたPDLデータに基づいてプリンタ8にて印刷出力する形態(プリント時の背景画像生成処理)で説明する。
【0176】
先ず、ユーザは、クラインアント端末2にて、データ生成部950を作動させる、もしくは外部から取り込むなどして文書データを用意する(S600)。そして、その文書のプリント指示を発する(S601)。クラインアント端末2は、この指令を受け付けると、プリンタドライバ画面を表示する(S602)。ユーザは、この画面上で、プリントする文書に埋め込む付加情報を設定する(S603)。付加情報には、前述のように、プリント出力を指示した文書を複写機にて複製させないようにする複製禁止情報、プリント出力が指示された文書画像を複製可能とする条件を示す情報条件情報、あるいは背景画像に埋め込まれる潜像文字を示す情報などがある。
【0177】
これらの設定が完了すると、プリンタドライバは先ず潜像画像を生成する(S604)。次に、複製禁止情報を禁複製コードにコード化し、所定領域サイズの禁複製コード配列を生成する(S606)。次に、条件情報を条件コードにコード化し、所定領域サイズの条件コード配列を生成する(S608)。次に、所定領域サイズの禁複製コード配列および条件コード配列を所定ルールに従って繰り返し2次元状に配置して背景画像に対応するパターン番号配列を生成する(S610)。
【0178】
次に、ステップS604において生成しておいた潜像画像を参照して、潜像文字部分の画素のパターン番号配列を所定のルールに従って変換する(S612,S614))。次に、パターン番号配列の各要素のコードデータに対応するパターン画像におき換えて、これを全てのパターン番号配列にしたがって繰り返して、背景画像を生成する(S616)。
【0179】
クラインアント端末2は、以上の処理が終わった後、プリント指示された文書データをPDLデータヘ変換する(S618)。そして、生成したPDLデータへ、ステップS616で生成した背景画像の描画命令を挿入する(S620)。これにより、PDLデータ上では、原画像の一例である文書画像の描画命令に、背景画像を合成するための描画命令が付加される。最後に、この背景画像を合成するための描画命令が付加されたPDLデータを、ネットワーク9を介してプリンタ8に送信する(S622)。
【0180】
プリンタ8は、クラインアント端末2から受信したPDLデータを、通常どおり解釈して、印刷用の画像を生成する。すなわち、先ず文書画像の描画命令に従って文書画像を生成し、背景画像を合成するための描画命令に従って、先に生成しておいた文書画像に背景画像を重ね合わせることで、元の文書画像と背景画像とが合成された印刷用の2値画像を生成する。よって、プリンタ8は、元の文書画像と背景画像とが合成された合成画像を印刷出力することができる。
【0181】
なお、上記第3実施形態では、文書データをPDLデータへ変換し、背景画像を合成するための描画命令を追加してプリンタに送信し、プリンタ内部で実際の画像合成処理を行なう例について説明したが、これに限らず、たとえば、文書データをプリンタドライバ内部で画像データへ変換し、さらに背景画像を合成して、この合成した画像のPDLデータをプリンタへ送信し、プリンタや複合機側に設けられた文書画像生成部にてPDLデータを解釈し合成画像を生成してから印刷出力する構成とすることもできる。あるいは、クラインアント端末にて合成した画像データをプリンタや複合機に送信し、プリンタや複合機プリンタ側に設けられた画像合成部により直ちに印刷出力する構成とすることもできる(この場合、PDLデータの解釈処理が不要)。
【0182】
また、上記第3実施形態では、背景画像の描画命令が付加された文書データのPDLデータをネットワークを介してプリンタや複合機へ送信し印刷出力する例について説明したが、これに限らず、たとえば、クラインアント端末と読取装置(スキャナ)とを接続し、スキャナで読み取った読取画像(スキャン画像)を印刷出力する際に、上記第3実施形態と同様に、ドライバ(この場合スキャナドライバでもかまわない)で背景画像を生成して読取画像と合成し、プリンタへ送信して印刷出力する構成とすることもできる。この形態は、ネットワークを利用したスキャン・アンド・プリントの形態である。
【0183】
また、たとえば、クラインアント端末と近接配置され、ケーブル接続もしくは近距離無線通信(たとえばブルートゥースなど)で接続されたプリンタへ出力して印刷出力する構成とすることもできる。
【0184】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0185】
たとえば、上記実施形態では、パターン画像を2次元状に所定ルールに従って配置することで、一旦、背景画像を生成し、この背景画像と原画像とを重ね合わせることで合成画像を生成していたが、これに限らず、パターン画像を所定ルールに従って少しずつ原画像に重ね配置しながら合成画像を生成するようにしてもよい。
【0186】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、パターン画像を所定領域サイズの2次元状に配列した背景画像と原画像とを合成するようにしたので、複製動作を制御する必要がある原画像(たとえば機密文書)に基づいて画像を生成する際に、不正複製動作に対して心理的な抑止効果を有する複製偽造防止用紙を用いたのと同様の効果を得ることができる。
【0187】
また、背景画像を構成するパターン画像と原画像とが重なっており、パターン画像の存在が一目瞭然であっても、容易に除去することはできないので、そのパターン画像に禁複製コードを対応付けることで、不正な複製動作を確実に防止することができる。
【0188】
また、禁複製コードを表す複数種類のパターン画像は、斜線パターンなど、比較的簡単な特徴量で表されているので、読取装置側での検出処理や判定処理に際して処理が簡単であり、読取処理と並行してリアルタイムに禁複製コードの検出処理や判定処理ができ、複製動作を完全に禁止する制御のためには、ユーザに高度なコピー制御動作を行なわせる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る不正複製防止システムを適用した画像形成システムの一実施形態の全体構成を示す図である。
【図2】 複合機の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図3】 複合機に設けられた合成画像生成部の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】 合成画像生成部における、背景画像生成処理および画像合成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】 複製動作時に検知可能なコードデータの一例と、このコードデータに対応付けられたパターン画像の一例とを示す図である。
【図6】 パターン画像を組合せ配置することで生成され印刷出力された背景画像の一例を示す図である。
【図7】 合成画像生成部により生成される背景画像の他の例を示す図である。
【図8】 プリント出力された文書原稿をコピーする際の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図9】 複製禁止情報検出部の一構成例を示すブロック図である。
【図10】 複製禁止情報検出部における処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図11】 条件情報検出部の一構成例を示すブロック図である。
【図12】 条件情報検出部における処理手順の一例を示したフローチャートである。
【図13】 合成画像生成部における、背景画像生成処理および画像合成処理の処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
【図14】 パターン画像の他の例を示す図である。
【図15】 禁複製コード配列や条件コード配列の単位2次元配列を、原画像の全体に繰り返し配置する場合の他の例を示す図である。
【図16】 条件コード配列の外周に埋め込む同期コードと復号処理との関係を説明する図である。
【図17】 電子計算機を用いて構成する場合のハードウェア構成の一例を示した図である。
【図18】 コンピュータを利用して画像処理装置を構成する形態の好適な一例を示す図である。
【図19】 コンピュータを利用した構成における合成画生成部における、背景画像生成処理と画像合成処理の各処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…画像形成システム、2…クラインアント端末、3…複合機、5…スキャナ部、7…プリンタ部、8…プリンタ、9…ネットワーク、10…画像読取部、20…操作制御部、22…複製禁止情報検出部、24…条件情報検出部、26…ページバッファ、30…ネットワークI/F部、32…制御部、34…コントロールパネル、34a…モード指示部、34b…表示デバイス、40…画像処理部、50…合成画像生成部、80…選択部、90…画像形成部、220…2値化処理部、222…ノイズ除去処理部、224…パターン検出処理部、226…ブロック化処理部、230…個数算出部、232…比率算出部、234…判定処理部、240…2値化処理部、242…ノイズ除去処理部、244…パターン検出部、250…バッファメモリ、252…スキュー角検出処理部、254…コード検出処理部、256…誤り訂正復号部、502…読取画像取得部、504…プリントデータ取得部、506…文書画像生成部、508…文書画像バッファ、510…付加情報抽出部、512…潜像生成部、514…付加情報符号化部、515…潜像画像バッファ、516…パターン画像格納部、518…背景画像生成部、520…背景画像バッファ、522…画像合成部
Claims (25)
- 原画像を取得する画像取得部と、
前記原画像の複製を制御するための制御情報を取得する制御情報取得部と、
前記制御情報取得部が取得した前記制御情報の種類に応じてパターン画像を配列することで、パターン画像領域を生成するパターン画像領域生成部と、
前記画像取得部が取得した原画像と前記パターン画像領域生成部が生成したパターン画像領域とを合成する合成画像生成部と
を備え、
前記パターン画像領域生成部は、前記制御情報の種類が複製禁止であるとき、前記パターン画像領域に含まれる同一の前記パターン画像の個数の比率が所定値よりも多くなるように配列した複製禁止を表わす前記パターン画像領域を生成する
ことを特徴とする画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記制御情報の種類が複製禁止であるとき、機械可読の単一の前記パターン画像を配列した複製禁止を表わす前記パターン画像領域を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記複製禁止を表わすパターン画像領域で使用している前記パターン画像と異なる単一のパターン画像を使用して、さらに別の前記複製禁止を表わすパターン画像領域を生成し、
前記合成画像生成部は、前記パターン画像領域生成部が生成した各複製禁止を表わすパターン画像領域と、前記画像取得部が取得した原画像とを合成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像生成装置。 - 前記合成画像生成部は、前記パターン画像領域生成部が生成した各複製禁止を表わすパターン画像領域を、所定の繰返しサイクルで配列する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記制御情報の種類が複製条件であるとき、それぞれ異なる複数種類の機械可読の前記パターン画像を前記複製条件を示すデータ配列に従って配列することで、前記複製条件を表す複製条件画像領域を前記原画像に合成する
ことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記制御情報の種類が複製条件であるとき、前記各複製禁止を表わすパターン画像領域で使用される各パターン画像を、前記複製条件を示すデータ配列に従って配列することで、前記複製条件を表す複製条件画像領域を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像生成装置。 - 前記合成画像生成部は、所定サイズの前記複製条件画像領域を、所定の繰返しサイクルで配列する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成は、前記複製条件画像領域の位置を特定するための情報を当該複製条件画像領域内に含める
ことを特徴とする請求項5から7のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記複製条件画像領域の位置を特定するための情報として、前記複製条件画像領域の外周辺に、同一のデジタルコードが連続して配置された前記複製条件の復号化のための同期コード部を、前記同一のデジタルコードの連続数が当該同期コード部を除く部分の領域辺の同一のデジタルコードのデータ列数よりも少なくなるように配置する
ことを特徴とする請求項8に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記複製条件画像領域の回転の向きを特定するための情報を当該複製条件画像領域内に含める
ことを特徴とする請求項5から9のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記制御情報の一例である複製条件の有無を示す第1の制御情報を取得する第1の制御情報取得部と、
前記複製条件がある場合における前記複製条件に関する情報を取得する第2の制御情報取得部と、
前記第2の制御情報取得部により取得された前記複製条件に関する情報を誤り訂正符号化して前記複製条件を示すコードデータを生成する符号化部と
を備え、
前記パターン画像領域生成部は、前記符号化部により誤り訂正符号化された前記複製条件を示すコードデータのデータ配列に従って前記パターン画像を配列する
ことを特徴とする請求項5から10のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記原画像は、テキストオブジェクトを含むものであり、
前記合成画像生成部は、前記パターン画像が前記原画像に含まれる前記テキストオブジェクトの少なくとも一部に重なるように、前記原画像と合成する
ことを特徴とする請求項1から11のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記原画像は、図形オブジェクトを含むものであり、
前記合成画像生成部は、前記パターン画像が前記原画像に含まれる前記図形オブジェクトの少なくとも一部に重なるように前記原画像と合成する
ことを特徴とする請求項1から12のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記パターン画像領域生成部は、前記制御情報の種類が潜像であるとき、前記複製禁止を表わすパターン画像領域や前記複製条件画像領域に使用される前記パターン画像とは異なる前記パターン画像を配列した潜像を表わす前記パターン画像領域を生成し、
前記合成画像生成部は、前記パターン画像領域生成部が生成した前記潜像を表わすパターン画像領域を、前記画像取得部が取得した原画像と合成する
ことを特徴とする請求項1から13のうちの何れか1項に記載の画像生成装置。 - 前記合成画像生成部は、前記潜像情報用のパターン画像として、複製に使用される装置で解像不可のパターン画像を使用する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像生成装置。 - 前記合成画像生成部は、前記潜像情報用の前記パターン画像の単位面積あたりの出力画素数が、前記複製禁止を表わすパターン画像の単位面積あたりの出力画素数と同等となるようにする
ことを特徴とする請求項14または15に記載の画像生成装置。 - 請求項1から16のうちの何れか1項に記載の前記画像生成装置により生成された画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部により読み取られた読取画像に含まれている前記パターン画像を検知するパターン画像検知部と
前記パターン画像検知部が検知した検知結果に基づいて、前記複製の動作を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする画像読取装置。 - 前記制御部は、前記パターン画像検知部が前記画像読取部により読み取られた画像中から前記複製禁止を表すパターン画像領域を検出すると、複製動作を禁止するように制御する
ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。 - 前記制御部は、前記パターン画像検知部が前記画像読取部により読み取られた画像中から前記複製条件を表すパターン画像領域を検出すると、条件に合致する制限範囲の中で複製禁止を解除して複製動作を許容するように制御する
ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。 - 前記制御部は、複写禁止対象の画像であるかどうかを前記パターン画像検知部が前記複製禁止情報を表すパターン画像領域を検出するか否かに基づいて判定し、前記パターン画像検知部が前記複製禁止情報を表すパターン画像領域を検出したときには、複製動作を停止するとともに、前記パターン画像検知部が前記画像読取部により読み取られた画像中から前記複製条件を表すパターン画像領域を検知したときには、当該複製条件を表すパターン画像領域中のパターン画像の配列で示された条件に従って前記複製動作の停止を解除するように制御する
ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。 - 前記パターン画像検知部は、判定対象の画像ブロック内に存在する前記パターン画像の個数と比率とに基づいて、前記判定対象の画像ブロックが前記複製禁止を表わすパターン画像領域に該当するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。 - 請求項1から16のうちの何れか1項に記載の画像生成装置と、
請求項17から21のうちの何れか1項に記載の画像読取装置と
を備えたことを特徴とする不正複製防止システム。 - 原画像に、当該原画像の複製を制御するための制御情報を合成する画像生成装置用のプログラムであって、
コンピュータを、
原画像を取得する画像取得部と、
前記原画像の複製を制御するための制御情報を取得する制御情報取得部と、
前記制御情報取得部が取得した前記制御情報の種類に応じてパターン画像を配列することでパターン画像領域を生成するパターン画像領域生成部であって、前記制御情報の種類が複製禁止であるとき、前記パターン画像領域に含まれる同一の前記パターン画像の個数の比率が所定値よりも多くなるように配列した複製禁止を表わす前記パターン画像領域を生成するパターン画像領域生成部と、
前記画像取得部が取得した原画像と前記パターン画像領域生成部が生成したパターン画像領域とを合成する合成画像生成部と
して機能させることを特徴とするプログラム。 - 請求項1から16のうちの何れか1項に記載の前記画像生成装置により生成された画像を読み取ることで得られた読取画像から前記制御情報を抽出して複製動作を制御するための画像読取装置用のプログラムであって、
コンピュータを、
前記読取画像に含まれている前記パターン画像を検知するパターン画像検知部と、
前記パターン画像検知部が検知した検知結果に基づいて、前記複製の動作を制御する制御部と
して機能させることを特徴とするプログラム。 - 原画像に、複製を制御するための制御情報が埋め込まれた出力媒体の製造方法であって、
パターン画像の配列の状態が前記制御情報の種類に応じた配列となるように、前記パターン画像を所定の順に配列してなるパターン画像領域を、前記原画像に合成する
ことを特徴とする出力媒体の製造方法。
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JP2007306089A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム |
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