JP3859307B2 - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用のエンジン等の内燃機関を冷却するための冷却制御装置に関し、特に機関の温度を常に最適な運転状態に維持することができるようにした内燃機関の冷却制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に使用される内燃機関(以下エンジンと称する)においては、これを冷却するために一般にラジエータを用いる水冷式の冷却装置が使用されている。この種の冷却装置においては、冷却水の温度を制御するためにサーモスタットが用いられており、冷却水が所定温度よりも低温の場合には、前記サーモスタットの作用により冷却水をバイパス通路へ流してラジエータを通さずに冷却水を循環させる構造とされている。
図3は、その構成を示したものであり、符号1はシリンダブロック1aおよびシリンダヘッド1bより構成された内燃機関であり、このエンジン1のシリンダブロック1aおよびシリンダヘッド1b内には矢印cで示した流体通路が形成されている。
また2は熱交換機、すなわちラジエータを示し、このラジエータ2には周知のとおり流体通路2cが形成されており、ラジエータ2の冷却水入口部2aおよび冷却水出口部2bは、前記エンジン1との間で冷却水を循環させる冷却水路3に接続されている。
【0003】
冷却水路3は、エンジン1の上部に設けられた冷却水の流出部1dからラジエータ2の上部に設けられた冷却水の流入部2aまで連通する流出側冷却水路3aと、ラジエータ2の下部に設けられた冷却水の流出部2bからエンジン1の下部に設けられた冷却水の流入部1eまで連通する流入側冷却水路3bと、両冷却水路3a,3bの途中部位を接続するバイパス水路3cより構成されている。
また、冷却水路3における流出側冷却水路3aとバイパス水路3cの分岐部には、サーモスタット4が配置されている。このサーモスタット4は、冷却水温の変化により膨張、収縮する熱膨張体(例えばワックス)を内蔵していて、冷却水温が高いとき(例えば80℃以上の場合)には、前記熱膨張体の膨張によって弁を開き、エンジン1の流出部1dから流出する冷却水を流出側冷却水路3aを通してラジエータ2に流入できるようにし、ラジエータ2で放熱されて低い温度となった冷却水が流出部2bから流出して流入側冷却水路3bを通り、エンジン1の流入部1eからエンジン1内に流れ込むように作用させるものである。
【0004】
また、冷却水温が低いときには熱膨張体の収縮によってサーモスタット4の弁は閉じられ、エンジン1の流出部1dから流出した冷却水はバイパス水路3cを通して、エンジン1の流入部1eからエンジン1内の冷却通路cに流れ込むようにされている。
なお、図3において符号5はエンジン1の流入部1e部分に配置されたウォーターポンプであり、エンジン1の図示しないクランクシャフトの回転により回転軸が回転されて冷却水を強制的に循環させるものである。また、符号6はラジエータ2に強制的に冷却風を取り入れるためのファンユニットであり、冷却ファン6aと、これを回転駆動するファンモータ6bより構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したようなサーモスタットによる開弁および閉弁作用は冷却水の温度により決定されるものであり、しかもワックス等の熱膨張体による膨張、収縮作用によるものである。
前記ワックス等の熱膨張体は、冷却水の温度変化を受けてから膨張、収縮により弁が動作するまでにしばらくの時間を要するものであり、特に温度上昇時に比較して温度下降時の応答性が悪く、いわゆるヒステリシス特性が大きい。このために、冷却水を所望の一定温度に調節することは極めて困難であるという技術的課題を有している。
【0006】
加えて、前記したようなサーモスタットにおいては、物理的にワックスエレメントのリフト量が一定であるため、ある程度以上の温度変化(温度上昇または温度下降)がない限り、開弁および閉弁作用が発生せず、冷却水に対する微小な温度制御が不可能である。
また、前記したようなサーモスタットは冷却水の循環路に配置され、専ら冷却水の温度のみによって作動するものであるため、エンジンの負荷に対応した迅速な冷却制御を期待することができない。
さらに、サーモスタットはエンジンの運転中においては、常に高温下にさらされているために劣化等による故障が多少なりとも発生してしまうが、それを補正することができない。従って正確なエンジン温度コントロールを行えなくなり、さらにはエンジンのオーバヒートやオーバークールを起こす等の技術的課題が残されている。
【0007】
本発明は以上のような技術的課題を解決するために成されたものであり、機関の温度を常に最適な運転状態に制御することができる冷却制御装置を提供しようとするものである。
また、本発明は制御弁の一部の故障により機関をオーバヒートに至らせるなどの問題を未然に防ぎ、フェールセーフ機能を発揮することができる冷却制御装置を提供しようとするものである。
加えて、本発明は比較的故障が発生し易い特に冷却媒体の流量を制御する開閉弁部分のメンテナンスを容易に成し得る冷却制御装置を提供しようとするものである。
さらに、本発明は電磁制御弁をサーモスタット型制御弁の補完として使用することにより、小型で安価な電磁制御弁とすることができる冷却制御装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するためになされた本発明にかかる内燃機関の冷却制御装置は、内燃機関内に形成された流体通路と熱交換機に形成された流体通路との間で冷却媒体の循環路を形成し、前記循環路中に冷却媒体を循環させることによって内燃機関において発生する熱を前記熱交換機によって放熱させるように構成した内燃機関の冷却制御装置であって、前記内燃機関と熱交換機との間に循環する冷却媒体の流量を制御する複数個の制御弁がそれぞれ並列に配置され、前記制御弁の1つに、冷却媒体の温度に依存して形状変化し、冷却媒体の流量を制御するサーモスタット型制御弁を用い、前記制御弁の他の1つに、電磁アクチェータの作動により冷却媒体の流量を制御する電磁制御弁が用いられ、前記冷却媒体の昇温に基づき前記サーモスタット型制御弁の開弁作用に先立ち、前記電磁制御弁が開弁され、前記冷却媒体の温度の低下に基づき前記サーモスタット型制御弁の閉弁作用に先立ち、前記電磁制御弁が閉弁するように構成されている点に特徴を有する。
このような構成により、冷却制御装置は並列に配置されたそれぞれの制御弁によって冷却媒体の循環が独立に制御され、たとえ一方の制御弁に障害が生じても他方の制御弁によって冷却制御が実行できるフェールセーフ機能を発揮する。また、前記した構成によるとサーモスタット型制御弁が主制御弁として作用し、電磁制御弁が副制御弁として作用する。そして主制御弁による緩慢な開閉作用を副制御弁が補完し、機関の温度を常に最適な運転状態に制御することができる。
【0009】
また、本発明にかかる内燃機関の冷却制御装置においては、並列に配置された複数個の制御弁は、1つのハウジング内に収納され、前記ハウジングが内燃機関と熱交換機との間の冷却媒体の循環路中に配置されることが望ましい。
このように構成することにより、いずれかの制御弁の故障時等において、ハウジング全体を取り外すことが可能となり、メンテナンスの容易性が確保できるとともに、車載艤装においても容易に取付け可能となる。
【0010】
また、好ましい実施の形態においては、前記サーモスタット型制御弁は、冷却媒体の温度に依存して膨張または収縮するワックスを内蔵し、ワックスの体積の変化に応じて開弁または閉弁されるように構成される。
これにより、冷却媒体の流圧に対抗した開弁および閉弁作用を確実に得ることができ、ワックスを用いたサーモスタット型制御弁の特質を生かし、その信頼性を確保することができる。
さらに、好ましい実施の形態においては、前記内燃機関の運転状態を検出する少なくとも1つの検知センサからの検出信号に応じて制御信号を発生する制御ユニットが具備され、前記制御ユニットからの制御信号により、前記電磁アクチェータを制御するように構成される。
したがって、電子的な作用により、より緻密にまた迅速に内燃機関の温度管理を成すことが可能となる。
この場合、前記検知センサは、内燃機関の冷却媒体の循環路中に配置され、循環路中の冷却媒体の温度を検出するように構成することで、温度管理の精度を向上させることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる内燃機関の冷却制御装置について、図に示した実施の形態に基づいて説明する。
図1は自動車用エンジンの冷却制御装置に適用した全体構成を示したものである。なお図1において、図3に示した従来の装置と同一符号部分はそれぞれ相当部分を示しており、したがって個々の構成および作用の説明は適宜省略する。
図1に示すように、内燃機関としてのエンジン1の上部に設けられた冷却水の流出部1dと、熱交換機としてのラジエータ2の上部に設けられた冷却水の流入部2aとの間に配置された流出側冷却水路3aには、制御弁ユニット11が接続されている。
これにより、制御弁ユニット11を含んだ形で冷却媒体、すなわち冷却水の循環路12が形成されている。
また、前記エンジン1における冷却水の流出部1dには、例えばサーミスタ等の温度検知素子13が配置されている。この温度検知素子13による検出値は、変換器14によって制御ユニット(ECU)15の認識可能なデータに変換され、エンジン全体の運転状態を制御する制御ユニット(ECU)15に供給されるように構成されている。
【0012】
また、図1に示す実施の形態においては、エンジン1のスロットルバルブ16の開度を検出するスロットルポジションセンサ17からのデータも制御ユニット15に供給されるように構成されている。また、図示していないが前記制御ユニット15には、他にエンジンの回転数等の情報も供給されるように構成されている。
一方、制御ユニット15からは電流制御回路18に対して制御信号が供給されるように成されている。この電流制御回路18はバッテリー19から供給される電流を制御ユニット15から制御信号に応じて制御弁ユニット11における後述する電磁アクチェータに対して供給されるように構成されている。
【0013】
図2は、前記制御弁ユニット11の構成を断面状態で示したものである。この制御弁ユニット11は、その左右両端部に接続用のフランジ11a,11bが形成されてハウジングを構成しており、このフランジ11a,11bを介して前記冷却水路3aの中間部に接続されるように成されている。そして、制御弁ユニット11には、中央の隔壁11cを介して冷却媒体としての冷却水の流量を独立に制御する制御弁がそれぞれ並列に配置されている。
前記制御弁の1つは、冷却水の温度に依存して形状変化し、冷却水の流量を制御するサーモスタット型制御弁21であり、制御弁の他の1つは、電磁アクチェータの作動により冷却水の流量を制御する電磁制御弁22である。
【0014】
前記サーモスタット型制御弁21は、フレーム21aと、このフレーム21aに取り付けられ、感温作動体としてのサーモエレメント21bを支持するフランジ部21cと、サーモエレメント21bによって開閉される弁体21dと、この弁体21dを常時閉弁する方向に付勢するバネ21e等から構成されている。
サーモエレメント21bは、さらにピストンガイド21fにガイドされながら進退すると共に、先端がフランジ部21cに形成された支持部21gの頂部と係合するピストン21hと、冷却水の温度変化により膨脹または収縮してピストン21hを進退移動させる熱膨張体としてのワックス21iを内蔵した温度感知部21jとから構成されている。
そして、前記フランジ部21cが制御弁ユニット11の外郭を構成するハウジングに取り付けられている。
【0015】
したがって、前記制御弁ユニット11内に流入する冷却水が所定の温度以上(例えば80℃以上)となると、温度感知部21j内に内蔵されたワックス21iが膨張し、ピストン21hがフレーム21aに形成された支持部21gの頂部方向に突出する。このため、その反作用により前記弁体21dが開弁し、冷却水を通過させるように作用する。
また、冷却水の放熱が促進され、制御弁ユニット11内に流入する冷却水が所定の温度以下(例えば80℃以下)となると、温度感知部21j内に内蔵されたワックス21iが収縮し、前記と逆の作用により弁体21dが閉弁し、冷却水の通過を阻止するように作用する。
【0016】
一方、電磁制御弁22も制御弁ユニット11のハウジング内に配置されている。この制御弁22は、制御弁ユニット11のハウジング内における中央の隔壁11cに形成され、冷却水の流入側と流出側とを連通する円形状の開口11dと、この開口11dを閉塞および開放するポペット弁22aより構成されている。
このポペット弁22aは、制御弁ユニット11のハウジング側壁を貫通し、軸方向に往復動可能となるようにシール部11eによって保持されたロッド22bの端部に取り付けられている。
前記ロッド22bのハウジング側壁外の他端部には、可動子としての円筒状の磁性体22cが嵌め込まれており、この磁性体22cを取り巻くように電磁コイル22dが配置されている。この磁性体22cと電磁コイル22dとにより電磁アクチェータを構成しており、電磁コイル22dはハウジング側壁に取り付けられたケーシング22eによってハウジングに取り付けられている。
【0017】
そして、前記円筒状の磁性体22cとケーシング22eとの間の空間部にはコイル状の拡開バネ22fが配置されており、このバネ22fによってポペット弁22aによって前記開口11dを閉塞する方向に付勢されている。
前記電磁コイル22dには、図1に示したとおり電流制御回路18より制御電流が供給されるように成され、したがって制御電流の電流量に応じてポペット弁22aは図2におけるA−A′方向に移動される。これにより電磁制御弁22による冷却水の流量制御がなされる。
【0018】
以上の構成においてエンジン1を運転状態とすると、ウォータポンプ5が駆動され、この結果、循環路12に封入された冷却水が循環される。エンジン1の運転開始直後におけるエンジンの常温状態においては、前記制御弁ユニット11に配置されたサーモスタット型制御弁21および電磁制御弁22は共に閉弁状態とされる。この結果、循環路12に封入された冷却水はバイパス水路3cを経由してエンジン1内の流体通路cとの間で循環される。
ここで、前記したとおり制御弁ユニット11におけるサーモスタット型制御弁21は、冷却水温に対する開弁および閉弁作用が緩慢である。一方、制御ユニット15にはエンジン1における冷却水の流出部1dに配置された温度検知素子13からの温度情報が供給されている。
【0019】
したがって、冷却水の昇温に基づき前記サーモスタット型制御弁21の開弁作用に先立ち、電磁制御弁22が開弁し、冷却水をラジエータ2側に通水する。そして、冷却水が十分な昇温状態となった時にサーモスタット型制御弁21が開弁し、両者を経由して冷却水がラジエータ2側に通水される。
このようにしてラジエータ2による放熱が促進され、冷却水温が低下すると、サーモスタット型制御弁21の閉弁作用に先立ち、温度検知素子13からの温度情報により電磁制御弁22が閉弁し、冷却水のラジエータ2側への通水量を低下させる。
したがって、冷却水の温度が過度に低下するのを阻止し、サーモスタット型制御弁21の温度に対する開閉弁作用のヒステリシス特性を前記電磁制御弁22の作用によって補完するように作用する。
【0020】
これにより、所定の温度範囲においてエンジン1の運転が成され、例えばサーモスタット型制御弁21のみにより温度制御を行った場合のように、開閉弁作用の遅れにより理想的なエンジン温度に対して冷却水温度が上下動する、いわゆるハンチング現象の発生を抑制することができる。
なお、前記制御ユニット15には、スロットルポジションセンサ17より、スロットルバルブ16の開度情報およびエンジンの回転数情報等も供給されており、したがって冷却水温以外のこれらの情報も利用することで、冷却水の温度の上下動を予測して冷却水の温度管理、強いてはエンジンの燃焼室の理想的な温度管理を成すことができる。
【0021】
本発明は、以上のようにサーモスタット型制御弁および電磁制御弁を備えたことによる前記した格別な作用効果に加え、たとえ前記サーモスタット型制御弁または電磁制御弁のいずれかに障害が発生しても、それぞれ独立して冷却水の通水制御を成すことができるため、エンジンのオーバヒートなどの発生を未然に防ぐことが可能であり、フェールセーフ機能を発揮することができる。
なお、前記した実施の形態においては、電流制御回路18より供給される電流量に応じて開弁量を制御するリニアタイプの電磁アクチェータが使用されているが、これを開弁または閉弁の2つの状態を採るプランジャ型ソレノイドに代えて開弁時間を制御するようにしてもよい。
【0022】
また、前記した実施の形態においては、サーモスタット型制御弁としてワックスを内蔵したものを用いているが、他に例えばバイメタル、或いは温度に依存して内部圧力が変化することで作動するベローズ式のサーモスタットも利用することができる。
また以上は、自動車用エンジンに対する冷却制御装置を例にして説明したが、本発明はこのような特定なものに限られることなく、その他の内燃機関に適用することで、同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる内燃機関の冷却制御装置によると、内燃機関と熱交換機との間に形成された冷却媒体の循環路中に、例えばサーモスタット型制御弁と電磁制御弁とをそれぞれ並列に配置し、これらにより冷却媒体の流量を制御するように構成したことで、両者の特質を生かした流量制御を得ることができ、冷却媒体の理想的な温度管理を実現させることができる。
また、たとえ制御弁のいずれか一方に障害が発生しても、機関のオーバヒートなどの発生を未然に防ぐことが可能であり、フェールセーフ機能を発揮することができる。
さらに、本発明においては電磁制御弁をサーモスタット型制御弁の補完として使用するようにしたので、特に強力な駆動力を有する電磁アクチェータを用意する必要がなく、これにより小型で安価な電磁制御弁を用いた流量制御ユニットとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の冷却制御装置における実施の形態を示した構成図である。
【図2】図1に示す装置における制御弁ユニットの構成を示した断面図である。
【図3】従来の冷却制御装置の一例を示した構成図である。
【符号の説明】
1 内燃機関(エンジン)
2 熱交換機(ラジエータ)
2c 流体通路
3 冷却水路
5 ウォータポンプ
6 ファンユニット
6a 冷却ファン
6b ファンモータ
11 制御弁ユニット(ハウジング)
12 冷却媒体循環路
13 温度検知素子
15 制御ユニット(ECU)
16 スロットルバルブ
17 スロットルポジションセンサ
18 電流制御回路
19 バッテリー
21 サーモスタット型制御弁
22 電磁制御弁
22c 磁性体(電磁アクチェータ)
22d 電磁コイル(電磁アクチェータ)
c 内燃機関内流体通路

Claims (5)

  1. 内燃機関内に形成された流体通路と熱交換機に形成された流体通路との間で冷却媒体の循環路を形成し、前記循環路中に冷却媒体を循環させることによって内燃機関において発生する熱を前記熱交換機によって放熱させるように構成した内燃機関の冷却制御装置であって、
    前記内燃機関と熱交換機との間に循環する冷却媒体の流量を制御する複数個の制御弁それぞれ並列に配置され、
    前記制御弁の1つに、冷却媒体の温度に依存して形状変化し、冷却媒体の流量を制御するサーモスタット型制御弁を用い、前記制御弁の他の1つに、電磁アクチェータの作動により冷却媒体の流量を制御する電磁制御弁が用いられ、
    前記冷却媒体の昇温に基づき前記サーモスタット型制御弁の開弁作用に先立ち、前記電磁制御弁が開弁され、前記冷却媒体の温度の低下に基づき前記サーモスタット型制御弁の閉弁作用に先立ち、前記電磁制御弁が閉弁するように構成されていることを特徴とする内燃機関の冷却制御装置。
  2. 前記並列に配置された複数個の制御弁は、1つのハウジング内に収納され、前記ハウジングが内燃機関と熱交換機との間の冷却媒体の循環路中に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  3. 前記サーモスタット型制御弁は、冷却媒体の温度に依存して膨張または収縮するワックスを内蔵し、ワックスの体積の変化に応じて開弁または閉弁されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  4. 前記内燃機関の運転状態を検出する少なくとも1つの検知センサからの検出信号に応じて制御信号を発生する制御ユニットが具備され、前記制御ユニットからの制御信号により、前記電磁アクチェータを制御するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  5. 前記検知センサは、内燃機関の冷却媒体の循環路中に配置され、循環路中の冷却媒体の温度を検出するように成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の冷却制御装置。
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