JP3855628B2 - 携帯用電動切断機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セーフティーカバーを備えた携帯用電動切断機(以下、携帯用電気丸鋸として説明する)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯用電気丸鋸の一例を図2、図3に示す。
【0003】
図に示すように携帯用電気丸鋸は、電動機2により回転駆動する鋸刃1と、電動機2を内蔵し、鋸刃1を回動可能に保持する本体3と、下端より鋸刃1が突出するように本体3下方に設けられたベース11と、本体3に設けられ、ベース11上面に位置する鋸刃1外周のほぼ上半分を覆う形状をしたソーカバー4と、鋸刃1外周の一部を覆う形状をし、付勢手段であるスプリング9により常時ベース11下方側に位置するように付勢されたセーフティーカバー8と、本体に設けられ、セーフティーカバー8と接触することによりセーフティーカバー8のベース11下方側位置を規制する規制手段であるストッパ10とを備えた構成をしている。
【0004】
図2に示すように電動機2からの動力は鋸刃1の回転軸1aに固着された歯車5を介して鋸刃1へ伝達する構成となっており、回転軸1aは転がり軸受け6によって回転可能に支持されており、転がり軸受け6は本体3内に固定された転がり軸受け保持部7によって保持されている。
【0005】
上記したセーフティーカバー8は転がり軸受け保持部7外周に軸受け保持部7上を回動可能なよう設けられており、スプリング9によって常時ベース11下方側に位置するよう付勢されており、セーフティーカバー8のベース11下方側における位置はストッパ10により規制され、所定の位置にて静止している。
【0006】
上記した携帯用電気丸鋸は、図示しない起動スイッチを投入することにより鋸刃1が回転駆動し、被切断材に本体3を押し進めセーフティーカバー8を被切断材に押し当て、セーフティーカバー8をスプリング9の付勢力に抗してソーカバー4内に収納する方向に回動させることにより、鋸刃1が露出して被切断材に接触し切断を行うものである。
【0007】
切断作業が終わり本体3を被切断材から離すと、スプリング9の付勢力によってセーフティーカバー8はストッパ10に接触するまでベース11下方側に回動しベース11下方に位置する鋸刃1を覆う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の携帯用電気丸鋸は、起動スイッチを投入することによりセーフティーカバー8がどのような状態にあっても鋸刃1が回動を開始する構成となっており、セーフティーカバー8がストッパ10に接触するまでベース11下方側に回動していない状態、すなわちベース11下方において鋸刃1が露出している状態でも鋸刃1が回動を開始してしまうものであった。
【0009】
上記したセーフティーカバー8がストッパ10に接触するまでベース11下方側に回動しない状態は、例えば転がり軸受け保持部7とセーフティーカバー8との間に被切断材の切粉等が詰まり、セーフティーカバー8の回動がスムーズに行われなくなる等して起こる可能性がある。また、セーフティーカバー8が他の物体、例えば床等に接触している際に、上記した状態となることもあり、この際に不意に起動スイッチを投入してしまうと鋸刃1を破損してしまう、あるいは床等を傷つけてしまう場合があった。
【0010】
本発明の目的は、上記欠点を解消して、セーフティーカバーがストッパに接触していない状態においては鋸刃が回転駆動を開始しないようにすることにより、鋸刃等の寿命を向上させることができる携帯用電気丸鋸を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、前記セーフティーカバーが前記規制手段に接触した状態にある時にのみ、前記電動機の起動を許容するようにすることにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明携帯用電気丸鋸の一実施形態を図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は本発明携帯用電気丸鋸の一実施形態を示す回路図であり、外部構造においては従来の携帯用電気丸鋸と同様の構成を持つものとする。
【0013】
図に示す2はモータ、12はリレースイッチ、13はランプ、14は接触感知スイッチ、15は起動スイッチ、16は電源である。接触感知スイッチ14はセーフティーカバー8とセーフティーカバー8のベース11下方側における回動規制手段であるストッパ10とが接触したことを感知して、接触状態にある時にはH端子側に位置し、非接触状態にある時にはL端子側に位置するものである。なお、接触感知スイッチ14はストッパ10に押圧力が加わることによりH端子側に動作するもの等が考えられる。
【0014】
リレースイッチ12は、接触感知スイッチ14がL端子側に位置している際、すなわちセーフティーカバー8とストッパ10とが接触していない状態では、起動スイッチ15を投入しても電動機6が起動しないように電気的に電源16と電動機2との回路を遮断し、接触感知スイッチ14がH端子側に位置している際には電源16と電動機2との回路を連通させ電動機2の起動を許容するものである。
【0015】
上記リレースイッチ12と、接触感知スイッチ14とによって電動機2の起動制御手段は構成されている。
【0016】
このような構成とすることにより、転がり軸受け保持部7とセーフティーカバー8との間に被切断材の切粉等が詰まり、セーフティーカバー8の回動がスムーズに行われなくなる等してベース11下方の鋸刃1の一部がセーフティーカバー8により覆われずに露出した状態にある時には、起動スイッチ15を投入したとしても電動機2が起動しないようにしたため、鋸刃1の寿命を低減させてしまうこと、床等を傷つけてしまうこと等を防止することができるようになる。
【0017】
なお、上記したように接触感知スイッチ14がL端子側に位置している状態の時、すなわちセーフティーカバー8がストッパ10に接触せずにベース11下方の鋸刃1の一部が露出している状態の時にあり、起動スイッチ15がOFF状態にある時に動作するランプ13を設けた構成とすることにより、起動スイッチ15の投入前にセーフティーカバー8の回動状態、すなわちセーフティーカバー8がストッパ10に接触しているか否かを視覚によって容易に認識することができる。なお、上記したランプ13は視覚的にセーフティーカバー8の回動状態を教示するものであり、ランプ13の変わりにブザー等を設け、聴覚的にセーフティーカバー8の回動状態を教示するようにしても良い。
【0018】
なお、携帯用電気丸鋸においては、手動でセーフティーカバー8をベース11上方側に回動させ、ベース11下方の鋸刃1を露出させた状態にして、その後起動スイッチ15を投入することにより電動機2を回動させて切断作業を行うことがある。上記実施形態の構成では、このような切断作業を行おうとしても、セーフティーカバー8をベース11上方側に手動で回動させることによりセーフティーカバー8とストッパ10とが非接触状態となり接触感知スイッチ14がL端子側に位置してしまい、電動機2を起動させることができず、切断作業を行なうことができないものであった。
【0019】
セーフティーカバー8とストッパ10とが非接触状態にある時でも、接触感知スイッチ14をH端子側に強制的に位置させる、もしくはリレースイッチ12を動作させるスイッチ、すなわちリレースイッチ12と接触感知スイッチ14とからなる電動機2の起動制御手段を制御し電動機2の起動を許容させるスイッチを設けることにより、上記したような切断作業を行なうことができるようにすることができる。このような構成とした場合には、手動によってセーフティーカバー8をベース11上方側に回動させると共に、上記接触感知スイッチ14を強制的にH端子側に位置させるスイッチを動作させることにより、起動スイッチ15を投入すれば電動機2を起動させ切断作業を行なうことができるようになる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、セーフティーカバーが規制手段に接触した状態にある時にのみ、電動機の起動を許容するようにしたことにより、ベース下方の鋸刃の一部がセーフティーカバーにより覆われずに露出した状態にある時には起動スイッチを投入したとしても電動機が起動しないので、鋸刃の寿命を低減させてしまうこと、床等を傷つけてしまうこと等を防止することができる携帯用電気丸鋸を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明携帯用電動切断機の一実施形態を示す回路図。
【図2】従来の携帯用電動切断機の一例を示す正面図。
【図3】従来の携帯用電動切断機の一例を示す要部断面側面図。
【符号の説明】
1は鋸刃、2は電動機、3は本体、4はソーカバー、5は歯車、6は転がり軸受け、7は転がり軸受け保持部、8はセーフティーカバー、9はスプリング、10はストッパ、11はベース、12はリレースイッチ、13はランプ、14は接触感知スイッチ、15は起動スイッチ、16は電源である。

Claims (3)

  1. 電動機により回転駆動する鋸刃と、前記電動機を内蔵し、前記鋸刃を回動可能に保持する本体と、下端より前記鋸刃が突出するように前記本体下方に設けられたベースと、前記本体に設けられ、前記ベース上面に位置する前記鋸刃外周のほぼ上半分を覆う形状をしたソーカバーと、前記鋸刃外周の一部を覆う形状をし、付勢手段により常時ベース下方側に位置するように付勢されたセーフティーカバーと、前記本体に設けられ、前記セーフティーカバーと接触することにより前記セーフティーカバーのベース下方側位置を規制する規制手段とを有する携帯用電動切断機であって、
    起動スイッチと、前記セーフティーカバーが前記規制手段に接触した状態で第1の位置に移動する感知手段とを設け、該感知手段が第1の位置に位置し且つ前記起動スイッチが投入された際に前記電動機の起動を可能としたことを特徴とする携帯用電動切断機。
  2. 前記電動機が起動した後は前記感知手段が第1の位置になくとも、前記起動スイッチが投入されている限りは前記電動機と電源との接続を維持する機能を有するリレースイッチを備えていることを特徴とする請求項1記載の携帯用電動切断機。
  3. 前記セーフティーカバーが前記規制手段に接触していなくとも前記起動スイッチが投入された際に前記電動機の起動を許容する起動許容手段を設けたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の携帯用電動切断機。
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