JP3854168B2 - トータルステーションの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDカメラなどの撮像装置を備え、測定点を測距・測角するトータルステーションの制御装置に係り、特に、モータ駆動型トータルステーションを遠隔操作によって制御するに好適なトータルステーションの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠隔操作型トータルステーションとしては、例えば、特開2000−275044号公報に開示されているものが知られている。この公報に開示されているものは、遠隔操作型トータルステーションの望遠鏡の接眼部にCCDカメラを取付け、CCDカメラを、ケーブルを介して演算制御装置と画像処理装置に接続するとともに、画像処理装置と演算制御装置をそれぞれケーブルを介して無線通信装置に接続した計測部を備えて構成されている。さらに、トータルステーションを遠隔操作するために、ハンディコンピュータと無線通信装置とをケーブルで接続した操作部も備えて構成されている。
【0003】
上記構成による遠隔操作型トータルステーションにおいては、測定点に設置されたターゲットに関し、ハンディコンピュータが記憶している設計座標に関する情報を各無線通信装置間で送受信してトータルステーションへ送ると、トータルステーションは設計座標に対して自動視準するとともに、この設計座標に焦点を合わせるようになっている。さらにCCDカメラから出力された画像信号と、演算制御装置で演算された位置調整データは各無線通信装置を介してハンディコンピュータへ送られ、そのディスプレイ上に表示される。このため、作業者はハンディコンピュータのディスプレイを見ることにより、ターゲットの設計上の座標位置からのずれを知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術においては、作業者がハンディコンピュータのディスプレイを見ながらトータルステーションを遠隔操作することはできるが、トータルステーションを指定の方向に回転させるに際しては、複数回の操作が必要であり、操作が面倒であった。例えば、水平方向の矢印キーを押してから離し、その後再び水平方向の矢印キーを押してトータルステーションを目的方向に沿って水平回転させ、その後、鉛直方向の矢印キーを操作してトータルステーションを鉛直回転させることが余儀なくされている。また、回転途中で回転速度を変化させることは困難であった。
【0005】
さらに、従来技術においては、トータルステーションとトータルステーションを遠隔操作するユーザとの間の距離が離れている場合、トータルステーションがどの方向を向いているのかを把握するのが困難であった。また任意の方向にトータルステーションを回転させるには角度を入力しなければならず、手間がかかっていた。
【0006】
本発明は、従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、画面上の任意の位置が画面上の中心部にくるようにトータルステーションを制御することができるトータルステーションの制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1においては、望遠鏡で視準した測定対象物を撮像する撮像手段と測定点を測距・測角する測量手段とを備えたトータルステーションの制御装置において、前記測量手段の測量による測量情報を入力する測量情報入力手段と、前記測量情報入力手段により入力された測量情報に関する画像を画面上に表示する表示手段と、前記画面上の任意の位置が指定されたときに、前記画面上に設定された現時点の視準方向を基準として、前記指定の位置と前記現時点の視準方向との方向偏差を求め、この方向偏差を基に前記方向偏差を零に抑制するための移動量と前記現時点の視準方向を前記指定の位置に一致させるための移動方向を演算する演算手段と、前演算手段の演算結果に従って水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令を生成して前記トータルステーションに出力する回転駆動指令生成手段とを備えるように構成した。
【0013】
(作用) 指定の位置を基準として、指定の位置と現時点の視準方向との方向偏差が求められ、この方向偏差を基に方向偏差を零に抑制するための移動量と現地点の視準方向を指定の位置に一致させるための移動方向が演算され、この演算結果にしたがって水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令が生成され、この回転駆動指令がトータルステーションに出力され、指定の位置が視準方向と一致するようにトータルステーションが回転させられるため、1回の操作で任意の方向(角度)にトータルステーションを回転させることができる。
【0014】
請求項2においては、請求項1に記載のトータルステーションにおいて、前記表示手段の表示画面上に、水平角を表わす第1の円と鉛直角を表わす第2の円を同心円状に表示するとともに、前記測量情報を基に現時点の視準方向、現時点の鉛直角、後視点方向を表示するように構成した。
【0015】
(作用) 表示画面上には水平角を表す第1の円と鉛直角を表す第2の円が同心円状に表示されるとともに、現時点の視準方向、鉛直角、後視点方向が表示されるため、トータルステーションの視準方向をユーザが図形的に容易に認識することができる。
【0016】
請求項3においては、請求項2に記載のトータルステーションの制御装置において、前記第1の円,第2の円で水平角,鉛直角を指定できるとともに、指定した水平角または/および鉛直角を表示画面上に表示するように構成した。
【0017】
(作用)第1の円,第2の円の任意の位置をマウスやタッチペンなどの指定手段によって指定すると、指定の位置が視準方向と一致するようにトータルステーションが回転させられるが、指定した位置に対応する水平角,鉛直角がリアルタイムで画面に表示されので、視準したい方向の指定が簡単である。
【0018】
請求項4においては、請求項1に記載のトータルステーションの制御装置において、前記望遠鏡の対物レンズの光軸(視準軸)と同軸または平行な光軸をもつ、測定点にセットした反射ターゲット照明用の光源を前記望遠鏡に内蔵するように構成した。
【0019】
(作用)夜間やトンネル内などの暗い状態下では、画面を通して、反射ターゲット照明用の光源の光で照明された反射ターゲットが暗い背景の中に白く浮き上がって見えるので、画面上の任意の反射ターゲット像を指定し易い。
【0020】
請求項5においては、請求項3に記載のトータルステーションの制御装置において、前記反射ターゲット照明用の光源を所定の間隔で点滅するように構成した。
【0021】
(作用)夜間やトンネル内などの暗い状態下では、画面を通して、反射ターゲット照明用の光源の光で照明された反射ターゲットが暗い背景の中に間欠的に白く発光しているように見えるので、画面上の任意の反射ターゲット像を一層指定し易い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である測量機(トータルステーション)全体のブロック図であり、図2は、この測量機の光学系と自動視準装置を説明する図であり、図3は、この測量機の背面図であり、図4は、この測量機の自動視準装置に用いられる十字形ラインセンサを説明する図である。
また、本実施例の測量機110は、トータルステーションとして、図1に示したように、測定点までの距離を測定する測距部(光波距離計)48と、望遠鏡46の水平角を測定する水平測角部(水平エンコーダ)50と、望遠鏡46の垂直角を測定する垂直測角部(垂直エンコーダ)52と、望遠鏡46の水平角を制御する水平制御部(水平サーボモータ)54と、望遠鏡46の垂直角を制御する垂直制御部(垂直サーボモータ)56と、これら各部を制御するとともに測定結果を算定するためのCPU(演算制御部)58とを備えている。もちろん、望遠鏡46は、手動で容易に回転させることもできる。
【0023】
さらに、本実施例の測量機110は、各カメラ光学系47、89で得た画像からノイズを除去して鮮明な画像にするとともに、測定対象物の輪郭や測定点等を弁別する画像処理装置60と、各カメラ光学系47、89から得た画像に種々の情報等を重ね合わせるスーパーインポーズ装置62と、各カメラ光学系47、89で得た画像を表示するとともに、タッチペン68又は指等の測定点指定手段で触れることにより測定点を指定したり、各種データやコマンド等を入力することができるタッチパネルディスプレイ64と、測量機110とは別体の計測制御機(パーソナルコンピュータ)65等の外部機器とのデータ入出力のための入出力装置66とを備える。
【0024】
画像処理装置60とスーパーインポーズ装置62は、測量機110の内部に取り付けられ、タッチパネルディスプレイ64は、水平回転部42の下部背面に取り付けられる。タッチパネルディスプレイ64は、各カメラ光学系47、89により撮像された画像を表示するだけでなく、広角カメラ光学系又は視準カメラ光学系の視準軸(光軸)O1,Oの方向を示すレクチル線(十字線)92、各種のコマンドを入力するためのアイコン、データを入力するためのテンキー、測距部48や測角部50、52で得た測定結果等もスーパーインポーズ装置62により重ねて表示できるようになっている。
【0025】
もちろん、タッチパネルディスプレイパネル64の代わりに、普通の液晶ディスプレイ等の表示装置と、種々のコマンドやデータ入力のためのキーボードとを別体にして備え、測定点指定手段としては、カーソル移動キー、マウス、トラックボール、ジョイスティック等を用いてもよい。また、本実施例の測量機110は、測距部48と測角部50、52を有し、トータルステーションと同じ機能を有しているが、ターゲットの大きさは既知であるから、測角部50,52を有していれば、広角カメラ光学系89で撮像されたターゲット像の大きさに基づいて距離が求まるので、必ずしもトータルステーションと同じ機能を必要とするものではない。
【0026】
広角カメラ光学系89は、広角レンズ87と広角CCDカメラ素子88からなり、広角カメラ光学系89の光軸O1は、視準カメラ光学系47の視準軸Oに平行に構成されている。また、広角CCDカメラ89は、合焦レンズ19’を含むズーム装置を備え、ターゲットの遠近を調整するズーム型自動焦点機構を備えている。もちろん、小型化や価格抑制等のためには、ズーム装置を省くことができ、又は、広角カメラ光学系89そのものも省くこともでき、さらに、広角CCDカメラ素子88の代わりに、その他の適当な撮像装置を用いてもよい。
【0027】
視準カメラ光学系47は、視準軸O上に、対物レンズ11、反射プリズム70、ダイクロイックミラー72、ビームスプリッタ120、視準CCDカメラ素子45を設置している。また、視準カメラ光学系47は、測距光を出射する赤外線LED等の発光素子74と、この測距光を集光する集光レンズ76と、集光された測距光を反射プリズム70に向けて反射するダイクロイックミラー78とで構成される測距部光学系を有し、この測距部光学系の光軸O2は、視準軸Oと共役の光学系で視準軸Oと同軸光学系とされる。さらに、視準カメラ光学系47は、可視光で照明をするLEDで構成した光源80と、この照明光を集光する集光レンズ82と、集光された照明光を反射プリズム70に向けて反射するミラー84とで構成される照明装置を有し、この照明装置の光軸O3は、視準軸Oと共役の光学系で視準軸Oと同軸光学系とされる。
【0028】
さらに、視準カメラ光学系47は、ターゲットで反射された測距光がダイクロイックミラー72で反射して入射するフォトダイオード等の受光素子86と、ターゲットで反射された照明光を2つに分けるビームスプリッタ120と、ビームスプリッタ120で2つに分けられた一方の照明光が合焦レンズ19を経て照明されたターゲット像を結像し、結像をデジタル画像に変換する視準CCDカメラ素子45と、他方の照明光の位置を認識する十字形ラインセンサ122とを備えている。もちろん、視準CCDカメラ素子45の代わりに、その他の適当な撮像装置を用いてもよく、十字形ラインセンサ122の代わりに4分割センサ等の適宜センサを用いてもよい。
【0029】
照明光としては赤外線レーザ光でもよいが、レーザ光では広角CCDカメラ素子88の視野全体を照明しにくいので、本実施例では、視野全体に照明光が広がり易いように、LEDで構成した光源80による可視光の照明光を出射する照明装置を備えた。このため、屋内の暗所で測定した場合には、ターゲットで反射された照明光を作業員が視認し易く便利である。また、本実施例では、光源80をCPU58からのON/OFF切り換え指令により点滅可能にしている。もちろん、適当な変調回路により光源80を点滅可能にしてもよい。光源80を点滅させると、暗所で直接見るターゲットも、タッチパネルディスプレイ64上のターゲット像も点滅するので、一層ターゲットを視認しやすく測定点の指定が容易になる。
【0030】
さて、発光素子74から出射された測距光(LED又は赤外線レーザ光)は、集光レンズ76、ダイクロイックミラー78、反射プリズム70、対物レンズ11を経て、測定対象物のターゲットに向けて送光される。そして、ターゲットで反射された測距光は、今来た光路を逆進し、対物レンズ11を透過して、ダイクロイックプリズム72で直角方向へ反射され、受光素子86へ入射する。ターゲットまでの距離は、従来と同様に、発光素子74から図示しない光ファイバーにより直接受光素子86へ入射する参照光と、ターゲットで反射してから受光素子86へ入射する測距光の位相差から算出される。
【0031】
一方、光源80から出射された照明光は、集光レンズ82、ミラー84、反射プリズム70、対物レンズ11を経て、測定対象物の測定点に設置されたターゲットに向けて送光される。そして、ターゲットで反射された照明光は、今来た光路を逆進し、対物レンズ11とダイクロイックプリズム72とを透過して、ビームスプリッタ120より照明光は2つに分けられる。そして照明光の一方は、合焦レンズ19を経て照明されたターゲット像を結像し、この結像をデジタル画像に変換する視準CCDカメラ素子45へ入射し、照明光の他方は十字形ラインセンサ122上に集光される。
【0032】
ところで、本実施例では、測定点を視準カメラ光学系47の視準軸O上に位置させるための自動視準装置69として、視準CCDカメラ素子45、CPU58,画像処理装置60、水平制御部54、垂直制御部56からなる第1の自動視準装置と、十字形ラインセンサ122、CPU58、水平制御部54、垂直制御部56からなる第2の自動視準装置と、広角CCDカメラ素子88、CPU58、画像処理装置60、水平制御部54、垂直制御部56、図示しないズーム装置とからなる予備視準装置とを備えている。
【0033】
まず、視準CCDカメラ素子45を有する第1の自動視準装置について、図2及び図6に基づいてさらに詳細に説明する。視準CCDカメラ素子45の受光部の中心は、視準カメラ光学系47の視準軸Oと一致するようにされていて、視準軸Oに沿う光線が視準CCDカメラ素子45の受光部の中心に入射するので、図6に示したように、タッチパネルディスプレイ64上において、視準軸Oとターゲット像90との水平方向偏差hと垂直方向偏差vは、視準軸Oとターゲット方向のなす角に対応する。そこで、両偏差h、vをともに0とすることによりターゲットを自動視準することができる。
【0034】
このため、視準CCDカメラ素子45からの画像信号は、図示しない信号処理部(増幅器、波形整形器、A/D変換器等)を経て、CPU58に入力される。CPU58は、画像処理装置60に、視準CCDカメラ素子45で得た画像から測定対象物の輪郭やターゲット像90を弁別させる。レチクル線92はタッチパネルディスプレイ64の中心に表示され、その交点は視準軸Oと一致している。また、CPU58は、タッチパネルディスプレイ64上の指定したいターゲット像90にタッチペン68で触れると、タッチペン68で触れた点と視準軸Oとの間の水平方向偏差hと垂直方向偏差vとを求め、これら両偏差h、vに応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送る。すると、両制御部54、56は、両偏差h、vに応じた制御信号により望遠鏡46を回転させ、タッチペン68で触れた点、すなわち指定したターゲット像90を視準軸O上に移動させる。こうして、ターゲット像90が視準軸O付近に移動すると、CPU58は、指定されたターゲット像90を認識し、その後は、ターゲット像90と視準軸Oとの間の水平方向偏差hと垂直方向偏差vとを求め、これら両偏差h、vに応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送って自動視準を行う。
【0035】
次に、十字形ラインセンサ122を有する第2の自動視準装置について、図2及び図4に基づいて説明する。十字形ラインセンサ122は、図4に示したように、2本のラインセンサ123、124を十字形に組み合わせたもので、その中心125を視準カメラ光学系の視準軸Oに沿う光線が入射する位置と一致させておく。両ラインセンサ123、124からの出力信号は、図示しない信号処理部(増幅器、波形整形器、A/D変換器等)を経て、CPU58に入力される。CPU58は、両ラインセンサ123,124の各受光部分126、127夫々の中点128、129を求めることにより、十字形ラインセンサ122の中心125に対する光源80の反射光の照射スポット130の中心131の水平方向偏差h1と垂直方向偏差v1を求める。なお、このときディスプレイ64には照射スポット130は表示されず、視準CCDカメラ素子45、又は広角CCDカメラ素子88の映像が表示される。両偏差h1、v1は、視準軸Oとターゲット方向のなす角に対応するので、CPUは、両偏差h1、v1に応じた制御信号を夫々、水平制御部54、垂直制御部56に送り、両偏差h1、v1をともに0とするように望遠鏡を回転させることにより、ターゲットを自動視準する。この第2の自動視準装置には、十字形ラインセンサ122以外にも、4分割光センサ等、従来用いられていた適宜センサを用いることができる。
【0036】
次に広角CCDカメラ素子88を有する予備視準装置について、図2に基づいて説明する。広角CCDカメラ素子88の受光部の中心は、広角カメラ光学系89の視準軸O1と一致するようにされていて、その視準軸O1に沿う光線が広角CCDカメラ素子88の受光部の中心に入射するので、広角CCDカメラ素子88で得た画像も、前述の視準CCDカメラ素子45で得た画像と同様に処理して自動的に視準を行うことができる。ただし、広角カメラ光学系89の視準軸O1は、視準カメラ光学系89の視準軸Oと平行に距離dだけずれているうえ低倍率であるので、予備視準装置は最初に望遠鏡46を略ターゲット付近に向ける予備視準のために用いられ、最終的には視準CCDカメラ素子45を含む第1の自動視準装置、又は十字形ラインセンサ122を含む第2の自動視準装置を用いて高精度に自動視準する。
【0037】
前述の第2の自動視準装置は主に屋外で測定するときに用いられ、前述の第1の自動視準装置は主に屋内の暗所で測定するときに用いられる。この理由は、第1の自動視準装置は、日中に屋外で測定すると、自然光の強い外乱を受けて測定ミスが出やすが、第2の自動視準装置は外乱に強いからである。
【0038】
大型構造物の各測定点の位置を計測するには、次のような方法をとる。図5に示したように、大型構造物である測定対象物100は、自然光の外乱を避けるため、計測室102内の暗所に設置され、多数の測定点に夫々ターゲット(反射プリズムシートに十字線を設けたもの)104を取り付ける。計測室102の床106等には、基準点を示すためのターゲット108と、各ターゲット104、108の位置を測定するための測量機110が設置される。
【0039】
最初に、1台の測量機110のみを使用する測定方法を説明する。まず、測量機110を所定位置に設置し、測量機110のメインスイッチをONとして、図6に示したように、広角カメラ光学系89により得られた測定対象物100の像とレクチル線92をタッチパネルディスプレイ64に表示させる。
【0040】
次に、タッチパネルディスプレイ64に表示されたターゲット像(測定点又は基準点)90にタッチペンで触れて、測定するターゲット104、108を指定する。すると、予備視準装置が働いて、図7に示したように、タッチパネルディスプレイ64上で視準軸Oを示すレクチル線92の中心と指定したターゲット像90が一致するまで、望遠鏡46を回転させ、指定したターゲット像90を画面中央に移動させていく。このとき、ターゲット104、108は、光が来た方向のみに光を反射するので、測定点又は基準点を示すターゲット像90は、特に明るく表示されて、画像処理装置60の処理を容易にするとともに、作業者にも自動視準の進捗状況を分かり易くしている。
【0041】
こうして、指定したターゲット104又は108が略視準されると、さらに正確に視準するために、広角カメラ光学系89から視準カメラ光学系47にプログラムで自動的に切り換え、図8に示したように、タッチパネルディスプレイ64にターゲット像90とレクチル線92を表示する。ここで、ターゲット104又は108が第1又は第2の自動視準装置により正確に自動視準されると、自動的に距離測定を行うとともに、水平角及び垂直角も測定する。このさい、これらの測定値は、指定された座標系上の座標に変換され、図示しない適当な記録媒体にも記録される。
【0042】
前述の測定方法の手順を図9のフローチャートと、図10−図17に示したタッチパネルディスプレイ64に表示された画像に基づいて、さらに詳細に説明する。ただし、以下の図面では、説明を簡単にするため、タッチパネルディスプレイ64上には、ターゲット104の像90と視準方向を示すレクチル線92のみを示す。
まず、測量機110を所定位置に設置し、測量機110の図示しないメインスイッチをONとして、ステップS0に進み、図10に示したように、広角カメラ光学系89を最も広角として測定対象物100(図示省略)とターゲット像90と画像上のレクチル線92をタッチパネルディスプレイ64に表示させる。このとき、図示しないオートフォーカス制御装置により、合焦レンズ19’の位置を調整してターゲット104、108に焦点が合わせられる。また、レクチル線92の中心は、望遠鏡46を上下左右に回転させても、広角カメラ光学系89又は視準カメラ光学系47の視準軸O1,Oを常に示している。このため、以下、レクチル線の中心にも符号Oを付す。
【0043】
次に、ステップS1に進み、タッチパネルディスプレイ64に表示された測定点に位置するターゲット像90にタッチペン68で触れることにより、測定しようとするターゲット104、108を指定する。もし、測定しようとするターゲット104、108がタッチパネルディスプレイ64上に表示されていないときは、測定点がある方向に測量機110の望遠鏡46手動で向けて、測定点をタッチパネル64上に表示するようにして、測定するターゲット104,108を指定する。尚、タッチパネルディスプレイ64上の適当な点にタッチペン68で触れると、後述するように、この点をタッチパネルディスプレイ64の中心へ移動することができ、それまで表示されていなかった測定点をタッチパネルディスプレイ64上に表示させることもできる。
【0044】
測定するターゲット104、108を指定すると、ステップS2に進み、予備視準装置が働き、CPU58により、図11に示したように、タッチペン68で触れた点とレクチル線の中心Oとの水平偏差hと垂直偏差v(ピクセル数で表す。)を検出する。次に、ステップS3に進み、両偏差h,vを水平制御部54と垂直制御部56に送り、両制御部54、56を作動させ、両偏差x、yがともに0となるように望遠鏡46を回転させ、図12に示したように、タッチペン68で触れた点をタッチパネルディスプレイ64の画面中央のレクチル線92の中心Oに移動させる。これで、指定されたターゲット像90は、略レクチル線92の中心O上に移動するので、CPU58によって確実に認識される。
【0045】
ところで、タッチペン68でターゲット像90の中心O’に正確に触れることは困難なため、図12に示したように、ターゲット像90の中心O’がレクチル線92の中心Oに一致しないことがある。そこで、ステップS4に進み、予備視準装置は、さらに正確にターゲット像90の中心O’とレクチル線の中心Oとを一致させるために、光源80を点灯して照明光を出射し、ターゲット104の結像を受光し、ターゲット像90の位置、すなわち、ターゲット像90の中心O’とレクチル線92の中心Oとの水平偏差hと垂直偏差vを検出する。両偏差h、vが求まると、光源80を消灯する。それから、ステップS5に進み、両偏差h、vを水平制御部54と垂直制御部56に送り、両制御部54、56を作動させ、両偏差h、vがともに0となるように望遠鏡46を回転させ、図13に示したように、指定したターゲット像90の中心をレクチル線92の中心O上へ移動させ、暫定的な予備視準を行う。
【0046】
この予備視準を終了すると、さらに正確に視準するため、ステップS6に進み、広角カメラ光学系89を小幅ズームアップする。小幅にズームアップするのは、一度に最大倍率までズームさせると、視準誤差等によりターゲット104が視野から外れ、自動視準ができなくなる恐れがあるからである。広角カメラ光学系89をズームアップすると、図14に示したように、ターゲット像90の中心O’とレクチル線92の中心Oがわずかにずれていることが普通である。そこで、ステップS7に進み、ステップS4と同様に、光源80を点灯して、再びターゲット像90の位置を検出し、この後に光源80を消灯する。そして、ステップS8に進んで、ステップS5と同様に両制御部54、56を作動させ、図15に示したように、ターゲット像90の中心O’をレクチル線92の中心O上へ移動させる暫定的な予備視準を行う。
【0047】
それから、ステップS9に進み、広角CCDカメラ素子88が最大倍率になったか否かを調べる。広角CCDカメラ素子88が、最大倍率に達していないときは、ステップS6に戻るが、最大倍率になっているときは、ステップS10に進み、光源80を点灯して、ターゲット104までの距離測定を行い、この後に光源80を消灯する。この距離測定には、ターゲット104の大きさが既知であることを利用し、タッチパネルディスプレイ64上のターゲット像90の大きさから距離を算定する。
【0048】
ターゲット104までの距離が求まると、ステップS11に進み、この距離と、両カメラ光学系47、89の視準軸間の距離dとから、視準カメラ光学系47の視準軸O上にターゲット104が位置するように、望遠鏡46の向きの調整角を計算し、望遠鏡46の向きを調整する。そして、さらに正確に視準するため、ステップS12に進み、図16に示したように、ターゲット像90がレクチル線92の中央のエリアに入った時、広角カメラ光学系89から高倍率の視準カメラ光学系47にプログラムで自動的に切り換え、合焦レンズ19の位置を調整してターゲット104に焦点を合わせる。このときの視準カメラ光学系47のフォーカス制御には、ステップS10の距離計測で求めた距離を用いる。
【0049】
次に、ステップS13に進み、ステップS4と同様に、光源80を点灯して、ターゲット像90の位置を検出する。そして、ステップS14に進み、ステップS5と同様に再び、両制御部54、56を作動させ、第1の自動視準装置により暫定的な自動視準を行う。次に、ステップS15に進み、光源80を消灯して、測距部(光波距離計)48によりターゲット104までの正確な距離を求め、この距離を用いて、ターゲット104に正確にフォーカスを合わせる。それから、ステップS16に進み、ステップS4と同様に、光源80を点灯して、ターゲット像90の位置を検出する。そして、ステップS17に進み、ステップS5と同様に、両制御部54、56を作動させ、第1の自動視準装置により最終的な自動視準を行い、図17に示したように、ターゲット像90の中心O’をレクチル線の中心O上に正確に位置させる。
【0050】
それから、ステップS18に進み、ターゲット像90の中心O’が正確にレクチル線92の中心O上にあるか否か、すなわちターゲット像90の中心O’とOとの水平偏差hと垂直偏差vが所定範囲内(たとえば、両制御部54、56のサーボモータの制御精度以下)か否か調べる。両偏差h、vがともに所定範囲内のときは、ステップS19に進んで、光源80を消灯して、測距部(光波距離計)48によりターゲット104までの距離を求め、同時に水平測角部50と垂直測角部52により望遠鏡46の水平角と垂直角を求める。これらの角度は、光学式エンコーダによって求められる。座標系が指定してあれば、これらの距離と角度から指定された座標系での座標へ変換する。両偏差h、vがともに所定範囲外のときは、ステップS16に戻る。
【0051】
前述した測定においては、光源80は、ステップS4、S7、S13、S16で測定点の位置を検出するときと、ステップS10で距離算出するときにのみ点灯するだけで、測距部48で距離を測定するステップS15、S19では必ず消灯しているので、光源80による照明光が距離測定に誤差を与えることがない。このように、光源80が必要時に短時間のみ点灯されるので、省電力の測量機が得られる。
【0052】
こうして、1つの測定点又は基準点の測定を完了すると、再び、広角カメラ光学系89に切り換えられ、図6に示したような画像が表示されるので、次に測定したいターゲット像90をタッチペン68で指定する。以下同様に、順次ターゲット104、108の位置を計測していく。
【0053】
一方、図示しない自動計測スイッチをONとすると、CPU58は、測定対象物100に取り付けられたターゲット104と、基準点を示すターゲット108を端から端まで自動的に順番に指定していき、前述の測定を全部自動的に行うようになっている。この場合は、予め測定点及び基準点の座標を計測制御機65等の外部機器から入力しておくことにより、効率的に自動測定できるようにしている。
【0054】
こうして、1個所で前述の測定を終了すると、測量機110を次の個所へ移動させ、前述のように、ターゲット104、108を端から端まで測定していき、このような測定を予定した個所全部で行う。こうして、すべての予定個所での測定を終了した後に、この測定結果をタッチパネルディスプレイ64に表示するとともに、図示しない適当な記録媒体に記録して測定を終了する。
【0055】
以上は、1台の測量機のみで計測する方法を説明したが、通常は、計測室102の床106には複数の測量機110を設置し、これらの測量機110の入出力装置66と、観測室112内に設置されたディスプレイ(画像表示装置)を備えた計測制御機(パーソナルコンピュータ)65との間を電源ケーブル116と映像ケーブル117と通信ケーブル118で接続して、各測量機110を計測制御機65により遠隔操作するとともに、各測量機110で得た映像や測定結果は直ちに計測制御機65に送って、能率的に測定できるようにしている。もちろん、計測制御機65をもっと離れた事務所等に設置し、適当な通信装置(電話、携帯電話、無線機等)を介して、各測量機110と計測制御機65とを接続してもよい。
【0056】
このような測量機110を遠隔操作する場合、1つの測量機110に計測制御機65から計測開始指令を送ると、この測量機110のメインスイッチがONとなり、この測量機110は、広角CCDカメラ素子88により得られた測定対象物100の映像を計測制御機65に送ってくるので、計測制御機65のディスプレイに測定対象物100の像が表示される。計測制御機65は、測量機110と同じ計測制御プログラムを内蔵しているから、後は前述した測量機110で行った方法と同様にして、ターゲット104、108を端から端まで測定していく。この測量機110での全ての測定を終了すると、この測量機110のメインスイッチをOFFとし、次の測量機110に計測開始指令を送り、以下、同様にして、全ての測量機110での測定を行う。全ての測量機110での測定を終了すると、計測制御機65は、この測定結果をディスプレイに表示するとともに、適当な記録媒体に測定結果を記録し、必要により測定結果を印字して計測を終了する。
【0057】
屋外で測定する場合は、視準CCDカメラ素子45で得た画像から自動視準すると、自然光の強い外乱等により誤視準を起こし易いので、CPU58は、視準CCDカメラ素子45又は広角CCDカメラ素子88で得た背景の明るさが所定値以上のときは、視準CCDカメラ素子45により背景明るさを判断して、プログラムにより自動的に十字型ラインセンサ122を用いる第2の自動視準に切り替えるようになっている。この場合でも、計測制御機65のディスプレイ又は測量機110のタッチパネルディスプレイ64上で、広角CCDカメラ素子88で得た広い視野の画像からターゲット像90を指定するだけで、自動視準がなされるようになっている。
【0058】
具体的には、計測制御機65は、トータルステーションの制御装置として、CCDカメラ素子45または88により撮像された測定対象物100の画像を入力する画像入力部(画像入力手段)と、画像入力部により入力された画像を画面上に表示するディスプレイ(表示手段)と、ディスプレイ上の任意の位置がマウスやタッチペンなどで指定されたときに、指定の位置を基準として、指定の位置と画面中心部との距離偏差を求め、この距離偏差を基に前記距離偏差を零に抑制するための移動量と指定の位置を画面中心部に一致させるための移動方向を演算する演算部(演算手段)と、演算部の演算結果にしたがって水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令を生成してトータルステーションに出力する回転駆動指令生成部(回転駆動指令生成手段)とを備えた、例えば携帯用パソコン等て構成されている。
【0059】
また、本実施例の計測制御機65では、ディスプレイの画面65cが図20に示すように相異なる回転速度に対応して複数の領域に分割されており、回転駆動指令生成部で回転駆動指令を生成するに際しては、指定の位置の属する領域が画面の中心部から離れるにしたがって高速になる回転駆動指令を生成するようになっている。
【0060】
さらに、計測制御機65は、トータルステーションの望遠鏡46で測定点の測定対象物100を視準したときに得られた測量情報(測距、測角に伴う測量情報)を入力する測量情報入力部(測量情報入力手段)と、ディスプレイ上の任意の位置が指定されたときに、画面上に設定された現時点の視準方向を基準として、指定の位置と現時点の視準方向との方向偏差を求め、この方向偏差を基に方向偏差を零に抑制するための移動量と現時点の視準方向を指定の位置に一致させるための移動方向を演算する演算部(演算手段)と、演算部の演算結果にしたがって水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令を生成してトータルステーションに出力する回転駆動指令生成部(回転駆動指令生成手段)を備えており、図21に示すように、ディスプレイ65cには測量情報入力部により入力された測量情報に関する画像が表示されるようになっている。
【0061】
次に、計測制御機65を用いてトータルステーションを遠隔操作するときの具体例を図18,19にしたがって説明する。
【0062】
計測制御機65は、図18に示すように、CCDカメラ45または88により撮像された映像を表示するディスプレイ65a、水平角,鉛直角などの測量情報を表示するディスプレイ65b、トータルステーションを中心として視準方向を視覚的に表示するディスプレイ65c、測角,正反,オフセット,ストップ,終了などの操作ボタン31を備えており、マウスやペンなどの操作を基にトータルステーションを回転させることができるようになっている。
【0063】
例えば、測定対象物100Aの複数の測定予定位置にターゲット104がセットされており、ディスプレイ65aの画面上に測定対象物100Aに関する映像が表示されているときに、1つのターゲット像を含む画面上の任意の位置32がマウスやペンなどで指定されると、この指定された位置32のディスプレイ65a上における座標とディスプレイ65aの中心部33の座標が演算部によって認識される。ディスプレイ65aの中心部33は望遠鏡46の視準軸に相当し、演算部においては、指定位置32の位置(座標)を基準として、指定の位置32と画面中心部33との距離偏差を求め、この距離偏差を零に抑制するための移動量と指定位置32を画面中心部33に一致させるための移動方向が求められる。
【0064】
そしてこの演算結果にしたがって水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令が回転駆動指令生成部によって生成され、この回転駆動指令がトータルステーションに伝送される。回転駆動指令がトータルステーションの入出力装置66を介してCPU58に入力されると、水平制御部54と垂直制御部56の制御により水平軸と鉛直軸が回転駆動される。このときマウスのボタンを押した状態にしている(タッチペンを画面に押し付けた状態にしている)と、水平軸と鉛直軸の回転駆動に伴って、指定の位置32が画面中心部33に向かって移動する。そして、水平軸と鉛直軸の回転に伴って距離偏差が零になると、図19に示すように、指定位置32の画像が画面中心部33に一致する。このときマウスのボタンを離す(タッチペンを画面から離す)と、指定位置32の画像が画面中心部33に一致したところで、水平軸と鉛直軸の回転が停止する。
【0065】
このように、本実施例によれば、マウスやペンを用いてディスプレイ65a上の任意の位置32を指定するだけで、指定の位置32を画面中心部33まで移動させることができる。すなわち、画像を見ながら指定の位置32を望遠鏡46の視準点の位置まで移動させることができる。
【0066】
また、ディスプレイ65aは、図20に示すように、表示画面が相異なる回転速度に対応づけられて複数の領域34、35、36、37に分割されている。領域34は高速領域、領域35は中速領域、領域36は低速領域、領域37は停止領域に設定されている。すなわち、画面中心部33となる停止領域37から離れる領域が指定されるにしたがって、水平軸と鉛直軸に対する回転駆動指令として高速のものが設定されるようになっている。
【0067】
例えば、ディスプレイ65aの上方に位置する領域34に属する位置38Uが指定されると、指定位置38Uが画面中心部の位置37の方向に移動する。このときは指定位置38Uが高速領域34に属するため、指定の位置38Uに関する画像は高速で画面中心部の位置37の方向に移動することになる。即ち、符号38U(38D)に示すように、画面の上(下)半分の領域が指定されたときには、望遠鏡46が上(下)に回転して画面上の画像は下(上)方に移動し、符号38L(38R)に示すように、画面の左(右)半分の領域が指定されたときには、望遠鏡46が左(右)に回転して画面上の画像は右(左)方に移動するというように、指定位置38U(38D,38L,38R)の画像が画面の中心部位置37に向かって移動することになる。
【0068】
本実施例によれば、1回の操作でトータルステーションを任意の方向に回転させることができるとともに、画面中心部から離れた位置の画像を指定したときには、画面中心部に近い領域を指定したときよりも高速で移動させることができる。
【0069】
すなわち、画面中心部から離れた位置を視準する場合には、指定した位置に関する画像が画面の中心に向かって高速で移動するため、短時間で望遠鏡46の視準位置である画面の中心位置に移動させることができる。そして、画像を画面中心位置に正確に合わせるには、領域34,35,36,37というようにドラッグしていくと速度が次第に遅くなって行くので、調整しやすい。
【0070】
一方、ディスプレイ65cには、図21に示すように、水平角・鉛直角=0°の位置21、水平角・鉛直角=90°の位置22、水平角・鉛直角=180°の位置23が設定されているとともに、水平角を表す円24の外側に鉛直角を表す円25が同心円状に設定されている。さらにディスプレイ65c上には、現時点の視準方向を示す緑色のライン26と現時点の鉛直角を示す橙色のライン27が表示されるとともに、後視点(基準点)方向が赤色の丸印28で表示されるようになっている。
【0071】
また、円24,25の中央部には、マウスやペンで指示することで選択した現在のモード(水平角モードまたは鉛直角モード)に相当するアイコン39が表示されるとともに、このアイコン39の下部には、円24,25上においてマウスやペンで指示されている位置に対応する位置データ(水平角または鉛直角)が表示される。例えば、鉛直角を表す円(円25と円24で囲まれたリング状の領域)25をマウスポインタやペンで指示すると、鉛直角モードに対応するアイコン39が表示された鉛直角モードとなる。そしてマウスポインタやペンの指示する位置には指定ライン30が表示され、かつアイコン39の下には指定ライン30に対応する鉛直角が表示される。そして、円25に沿ってマウスポインタやペンを動かすと、マウスポインタやペンの指示する方向に指定ライン30が移動するとともに、鉛直角表示もリアルタイムに変化する。そして所定位置でクリック操作を行う(タッチペンを画面から離す)と、指定ライン30の位置に対応する鉛直角値、例えば、「252」が表示される。また、水平角を表す円(円24で囲まれた領域)24をマウスポインタやペンで指示すると、水平角モードに対応するアイコン39および指定ライン30に対応する鉛直角が表示される水平角モードに切り替わる。そして、ライン26で示す現時点の視準方向を基準として、指定ライン30で示す指定の位置と現時点の視準方向との方向偏差が求められ、この偏差を基に、方向偏差を零に抑制するための移動量と現時点の視準方向を指定ライン位置30に対応する位置に一致させるための移動方向が演算され、この演算結果にしたがって水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令が生成され、この回転駆動指令がトータルステーションに伝送されると、ライン26が指定ライン30に一致するまで水平軸と鉛直軸が回転駆動される。
【0072】
本実施例によれば、1回の操作でトータルステーションを任意の方向に回転させることができる。さらにディスプレイ65c上には現時点の視準方向,水平角度および鉛直角が表示されるため、トータルステーションの視準方向を容易に認識することができる。
【0073】
また、基準点を例えば北というように方角に関連づけておけば、どの方向が基準点であるかを忘れた場合であっても、基準点の方向を認識できる。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る発明によれば、画面上の任意の位置が指定されると、視準方向と一致するようにトータルステーションが回転させられるため、1回の操作で任意の方向にトータルステーションを回転させることができ、ターゲットの視準作業、ひいてはトータルステーションによる測定作業がさらに一層容易なものとなる。
【0077】
請求項2に係る発明によれば、表示画面上には水平角を表す第1の円と鉛直角を表す第2の円が同心円状に表示されるとともに、現時点の視準方向,鉛直角および後視点方向が表示されるため、トータルステーションの視準方向をユーザが図形的に容易に認識することができ、安心して測定を行うことができる。
【0078】
請求項3に係る発明によれば、画面上の第1の円,第2の円の任意の位置をマウスやタッチペンなどの指定手段を使って、リアルタイムで画面に表示される指定に対応する水平角,鉛直角の表示を見ながら視準方向を指定できるので、視準したい方向を正確に勝つスムーズに指定できる。
【0079】
請求項4、5によれば、夜間やトンネル内などの暗い状態においても、画面を通して反射ターゲットを視認できることから、画面上の任意の反射ターゲット像を指定することで測定点の視準ができ、昼夜を問わずトータルステーションの遠隔操作による測量が可能となる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である測量機全体のブロック図である。
【図2】前記測量機の光学系及び自動視準装置を説明する図である。
【図3】前記測量機の背面図である。
【図4】十字形ラインセンサを説明する図である。
【図5】測定対象物の各部位置を測定する方法を示す図である。
【図6】前記測量機の広角カメラ光学系で得た画像を示す図である。
【図7】前記測量機において、前記広角カメラ光学系で得た画像を用いて予備視準した後に、前記広角カメラ光学系で得た画像を示す図である。
【図8】前記測量機において、前記視準カメラ光学系で得た画像を用いて、自動視準した後に、前記視準カメラ光学系で得た画像を示す図である。
【図9】前記測量機で測定点の位置測定の手順を説明するフローチャートである。
【図10】前記測量機の自動視準の開始前に、広角カメラ光学系で得た最も広角な画像を示す図である。
【図11】図10において、測定点のターゲットの中心のレクチル線の中心からの水平偏差及び垂直偏差を示す図である。
【図12】前記広角カメラ光学系の最も広角な状態で、ターゲットを視準軸方向へ移動させていく途中を示す図である。
【図13】前記広角カメラ光学系の最も広角な状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図14】前記測量機の予備視準の途中において、前記広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態を示す図である。
【図15】前記広角カメラ光学系を小幅ズームアップした状態で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図16】視準カメラ光学系に切り換えた直後に前記視準カメラ光学系で捕らえた画像を示す図である。
【図17】前記視準カメラ光学系で捕らえた画像で、ターゲットの中心と視準軸を一致させた状態を示す図である。
【図18】画面上の任意の位置をマウスで指定するときの操作方法を説明するための図である。
【図19】指定の位置の画像を画像中心部に移動させたときの表示例を示す図である。
【図20】ディスプレイを回転速度に対応づけて複数の領域に分けたときの操作方法を説明するための図である。
【図21】ディスプレイに現時点の視準方向、鉛直角、後視点を表示したときの表示例を示す図である。
【符号の説明】
24 水平角を表す円
25 鉛直角を表す円
26 現時点の視準方向を示すライン
27 現時点の鉛直角を示すライン
31 操作ボタン
32 指定の位置
33 画面中心部
34、35、36、37 画面上の領域
38U、38D、38L、38R 画面上の領域
46 視準望遠鏡
47 視準カメラ光学系(撮像装置)
60 画像処理装置
64 タッチパネルディスプレイ(表示装置)
65 計測制御機
65a、65b、65c ディスプレイ
68 タッチペン(測定点指定手段)
89 広角カメラ光学系(撮像装置)
90 ターゲット像(測定点)
104 ターゲット(測定点)
Claims (5)
- 望遠鏡で視準した測定対象物を撮像する撮像手段と測定点を測距・測角する測量手段とを備えたトータルステーションの制御装置において、前記測量手段の測量による測量情報を入力する測量情報入力手段と、前記測量情報入力手段により入力された測量情報に関する画像を画面上に表示する表示手段と、前記画面上の任意の位置が指定されたときに、前記画面上に設定された現時点の視準方向を基準として、前記指定の位置と前記現時点の視準方向との方向偏差を求め、この方向偏差を基に前記方向偏差を零に抑制するための移動量と前記現時点の視準方向を前記指定の位置に一致させるための移動方向を演算する演算手段と、前演算手段の演算結果に従って水平軸と鉛直軸のうち少なくとも一方の軸を回転駆動するための回転駆動指令を生成して前記トータルステーションに出力する回転駆動指令生成手段とを備えてなることを特徴とするトータルステーションの制御装置。
- 請求項1に記載のトータルステーションの制御装置において、前記表示手段の表示画面上には、水平角を表わす第1の円と鉛直角を表わす第2の円が同心円状に表示されるとともに、前記測量情報を基に現時点の視準方向、現時点の鉛直角、後視点方向が表示されることを特徴とするトータルステーションの制御装置。
- 請求項2に記載のトータルステーションにおいて、前記第1の円,第2の円で水平角,鉛直角を指定できるとともに、指定した水平角または/および鉛直角が表示画面上に表示されることを特徴とするトータルステーションの制御装置。
- 前記視準用望遠鏡には、望遠鏡の対物レンズの光軸(視準軸)と同軸または平行な光軸をもつ、測定点にセットした反射ターゲット照明用の光源が内蔵されたことを特徴とする請求項1に記載のトータルステーションの制御装置。
- 前記反射ターゲット照明用の光源は、所定の間隔で点滅するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載のトータルステーションの制御装置。
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