JP3849467B2 - Air conditioner - Google Patents
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- F25B2600/21—Refrigerant outlet evaporator temperature
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内機と室外機を接続配管で接続した、分離型の空気調和機の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来分離型の空気調和機において電動膨張弁によって冷凍サイクルの冷媒循環量を制御する方法としては、例えば特許第2921254号公報を挙げることができる。
【0003】
この従来例においては、蒸発温度と凝縮温度と圧縮機単体の傾斜特性線により、モリエル線図上から目標吐出温度を設定し、圧縮機の吐出温度が目標吐出温度になるよう電動膨張弁によって冷媒循環量を制御することで、冷媒の過熱度を制御している。
【0004】
また特開平12−292013号公報においては、蒸発温度や圧縮機への吸入冷媒温度によって目標吐出温度を補正することで、冷媒の過熱度の上昇を抑え、蒸発器の乾きすぎを防止するといった技術も公開されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年省エネルギや快適性といった観点から、圧縮機の回転数が大きく変化するインバータを搭載した分離型の空気調和機が多く普及している。また設置自由度の拡大という観点から接続可能な配管長に関しても、より短く、より長くまで接続できるよう要求されている。
【0006】
しかしながらこのような空気調和機においては、インバータ制御により冷媒循環量が大きく変化し、更に室内機の設置位置のニーズの多様化により接続配管長も大きく変化するため、図6に示す冷媒循環量と配管長の圧損関係のように、冷房運転時に蒸発器の圧力と圧縮機の吸入側圧力との圧力差(「圧力差」を以後「圧損」と称す)も大きく変化する。
【0007】
その結果図7に示すモリエル線図のように、蒸発温度と凝縮温度だけで目標吐出温度を設定しても接続配管の圧損影響で圧縮機の吸入点は図中のB点やC点のように変動し、吸入側の冷媒過熱度を適正過熱度に保つことが困難であった。
【0008】
一般に圧縮機の吸入側の冷媒過熱度が適正過熱度(冷媒の種類、冷房/暖房などの運転モード、運転周波数、などに依存して変わり得る)に保たれていれば、圧縮機の運転効率が高くなり省エネ運転が可能となる。
【0009】
そこで冷媒過熱度が大きくなりすぎると、蒸発器において過熱度が取れる部分が多くなり除湿されない空気が送風機で冷気と混合されて室内機から結露水が飛散するといった問題が生じやすくなる。一方吸入冷媒が湿り過ぎる(冷媒過熱度が全くとれていない)と、液バックといった圧縮機の信頼性低下問題が生じやすくなる。
【0010】
また室内機の蒸発温度と圧縮機の吸入温度で目標吐出温度を補正し、冷媒の過熱度を抑制しようとしても、運転条件(例えば圧縮機回転数)の変化により接続配管での圧損が変われば、十分な抑制を行うことができない。更に施工条件(配管長)が変わると圧損変化により冷媒の過熱度も変わる。
【0011】
そこで、スイッチ等で施工者が確実に実配管長を設定する必要があり、製品コストが上がる、施工時間が長くなるといった課題が生じる。
【0012】
そこで本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷房運転時に様々な運転条件下や施工条件下でも圧縮機の吸入冷媒圧力を高精度で推定することにより吸入側の冷媒過熱度を適正過熱度に制御し、運転効率を高め、室内機の結露を防止するとともに圧縮機の信頼性を高めることができる安価な空気調和機を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の空気調和機は、容量可変形圧縮機と室外熱交換器と弁開度を制御可能な電動膨張弁とを有する室外機と、室内熱交換器と前記室内熱交換器の温度を検出する第1の温度検出手段とを有する室内機と、前記室外機と前記室内機を接続する接続配管を有する空気調和機において、前記接続配管の配管長を予め記憶する記憶手段と、冷房運転時に前記第1の温度検出手段により検出された蒸発温度と前記記憶手段に記憶されている配管長と前記圧縮機の回転数とに基づいて、前記圧縮機の吸入冷媒圧力を推定する第1の推定手段と、室外熱交換器の温度を検出する第2の温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する第3の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された凝縮温度と前記第1の推定手段により推定された吸入冷媒圧力に基づいて圧縮機の目標吐出温度を算出する目標吐出温度算出手段と、前記電動膨張弁の開度を制御することにより、前記目標吐出温度を目指して、前記第3の温度検出手段により検出される吐出温度を変更させる膨張弁制御手段とを備えたものである。
【0014】
このように、蒸発器圧力に圧損を考慮することで運転条件が変化しても圧縮機への吸入冷媒圧力を高精度に推定することができ、その高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し吐出温度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、容量可変形圧縮機と室外熱交換器と弁開度を制御可能な電動膨張弁とを有する室外機と、室内熱交換器と前記室内熱交換器の温度を検出する第1の温度検出手段とを有する室内機と、前記室外機と前記室内機を接続する接続配管を有する空気調和機において、前記接続配管の配管長を予め記憶する記憶手段と、冷房運転時に前記第1の温度検出手段により検出された蒸発温度と前記記憶手段に記憶されている配管長と前記圧縮機の回転数とに基づいて、前記圧縮機の吸入冷媒圧力を推定する第1の推定手段と、室外熱交換器の温度を検出する第2の温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する第3の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された凝縮温度と前記第1の推定手段により推定された吸入冷媒圧力に基づいて圧縮機の目標吐出温度を算出する目標吐出温度算出手段と、前記電動膨張弁の開度を制御することにより、前記目標吐出温度を目指して、前記第3の温度検出手段により検出される吐出温度を変更させる膨張弁制御手段とを備えたものである。
【0016】
このように、蒸発器圧力に圧損を考慮することで運転条件が変化しても圧縮機への吸入冷媒圧力を高精度に推定することができ、その高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し吐出温度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0017】
また、請求項2記載の本発明は、容量可変形圧縮機と室外熱交換器と弁開度を制御可能な複数の電動膨張弁とを有する室外機と、室内熱交換器と前記室内熱交換器の温度を検出する第1の温度検出手段とを有する複数の室内機とを接続配管により並列に接続したマルチタイプの空気調和機において、前記各室内機への各接続配管の配管長を予め記憶する記憶手段と、冷房運転時に前記各室内機の前記第1の温度検出手段により検出された各蒸発温度と前記記憶手段に記憶されている各接続配管の配管長と前記圧縮機の回転数とに基づいて、前記圧縮機の吸入冷媒圧力を推定する第1の推定手段と、室外熱交換器の温度を検出する第2の温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する第3の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された凝縮温度と前記第1の推定手段により推定された吸入冷媒圧力に基づいて圧縮機の目標吐出温度を算出する目標吐出温度算出手段と、前記電動膨張弁の開度を制御することにより、前記目標吐出温度を目指して、前記第3の温度検出手段により検出される吐出温度を変更させる膨張弁制御手段とを備えたものである。
【0018】
このように、マルチタイプの空気調和機においても、蒸発器圧力に圧損を考慮することで運転条件が変化しても圧縮機への吸入冷媒圧力を高精度に推定することができ、高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し吐出温度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0019】
また請求項3記載の本発明は、圧縮機の吸入温度を検出する第4の温度検出手段と、前記第4の温度検出手段により検出された吸入温度と第1の推定手段で推定された吸入冷媒圧力とから飽和温度を求めるとともに、その飽和温度に基づき前記圧縮機の吸入冷媒過熱度を推定する第2の推定手段と、第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲内にあり、かつ前記第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定範囲から外れた場合に、予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0020】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異なる場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。この結果、推定された吸入冷媒圧力が修正され、これに伴い目標吐出温度も修正されるため、運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0021】
また請求項4記載の本発明は、室内熱交換器のガス側配管のガス温度を検出する第5の温度検出手段と、前記第5の温度検出手段により検出されたガス温度と第1の温度検出手段により検出された蒸発温度に基づき室内冷媒過熱度を検出する室内冷媒過熱度検出手段と、第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲内にあり、かつ前記室内冷媒過熱度検出手段により検出された室内冷媒過熱度が所定範囲から外れた場合に予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0022】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異る場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。この結果目標吐出温度が修正され、室内冷媒過熱度も修正されるため、運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0023】
また請求項5記載の本発明は、第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定値となるよう電動膨張弁の開度を制御する膨張弁制御手段を備えたものである。
【0024】
このように高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って吸入冷媒過熱度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0025】
また請求項6記載の本発明は、第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定範囲内にあり、かつ第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲から外れた場合に、予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0026】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異なる場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。この結果、推定された吸入冷媒圧力が修正され、これに伴い運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0027】
また請求項7記載の本発明は、配管長修正手段により修正された配管長が所定配管長から外れた場合、据付配管長が適切ではない旨を使用者に知らせる異常検出手段を備えたものである。
【0028】
このように、実際に据付られている配管長が適正配管長から逸脱され、システムの運転に不具合が生じやすい場合に使用者にその旨を知らせることができ、この結果システムの重大な損傷等を間逃れることができる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態の構成を示す構成図であり、室外機1と室内機2が接続配管8により接続され、冷凍サイクルを形成している。
【0030】
図1において、室外機1にはインバータ駆動の容量可変形圧縮機3(以下単に圧縮機と称す)と室外熱交換器5と冷暖房切換用の四方弁4とが設けられる一方、室内機2には室内熱交換器7が設けられている。また、室外機1の液側主管には、例えばステッピングモータ等により弁開度を制御可能な電動膨張弁6が介装されている。
【0031】
上記構成の冷凍サイクルにおいて、冷房時、圧縮機3から吐出された冷媒は、四方弁4より室外熱交換器5へと流れて、ここで室外空気と熱交換して凝縮液化し、次に電動膨張弁6を通過することにより減圧されて冷媒は蒸発しやすい状態となり、接続配管8の液側配管を通って室内熱交換器7へと流れて室内空気と熱交換して蒸発した後、接続配管8のガス側配管を通って再び圧縮機3に吸入される。また、圧縮機3の回転数は、室内機2からの要求能力に応じて決定される(本発明と直接関係しないため、説明は省略する)。
【0032】
次に、圧縮機3への吸入冷媒圧力を推定する方法について説明する。
【0033】
まず第1の推定手段(マイクロコンピュータ)は室内熱交換器温度センサ11により得られた蒸発温度Teを用いて飽和圧力変換に基づいて蒸発器圧力Peを求め、前記蒸発器圧力Peから圧損△Pを減ずることにより吸込冷媒圧力Psを推定する。
【0034】
ここで冷凍サイクル内を流れる冷媒循環量は圧縮機3の回転数Rにほぼ比例することから、式(2)に示す圧縮機3の回転数Rと記憶手段(メモリ装置)に記憶されている接続配管8の長さH(例えば10m)から圧損△Pを推定する。
Ps=Pe−△P・・・・・式(1)
△P=a×R2 ×H・・・式(2) (a、bは定数)
このように、圧損を高精度で推定することで、吸入冷媒圧力も高精度で推定できる。ここで圧損△Pの推定時に回転数Rと配管長Hを用いたが、更に精度を高めるため蒸発温度Teや凝縮温度Tcを加えてもよい。
(実施の形態2)
また図2は本発明のマルチタイプの空気調和機の一実施形態の構成を示す系統図である。マルチタイプの場合、第1の推定手段(マイクロコンピュータ)は記憶手段に記憶されている各配管長Ha、Hb(2室マルチの場合なのでa,bを添字につけた。以下、Teなどについても同様)から平均配管長Hr[=(Ha+Hb)/2]を算出し、圧縮機3の平均回転数Rr(=R/2)を算出するとともに、前記平均配管長Hrと前記平均回転数Rrから式(2)より平均圧損△Prを算出する。
【0035】
そして各室内機2a,2bの夫々の蒸発温度Tea、Tebから平均蒸発温度Ter[=(Tea+Teb)/2)]を算出し、前記平均蒸発温度Terからの圧力変換により平均蒸発器圧力Prを求め、前記平均蒸発器圧力Prと前記平均圧損△Prから式(1)より吸込冷媒圧力Psを推定する。このようにマルチタイプの空気調和機においては、平均配管長を用いて平均圧損を推定するため、全体圧損を高精度に推定でき、その結果吸入冷媒圧力も高精度で推定できる。
【0036】
次に吸入冷媒過熱度を間接的に制御する吐出温度制御について説明する。まず圧縮機3の圧縮原理はポリトロープ圧縮であることから、ポリトロープ圧縮の理論関係式を用いて適正過熱度SHmでの吐出温度が計算できる。そこで目標吐出温度算出手段(マイクロコンピュータ)は室外熱交換器温度センサ10により検出された凝縮温度Tcからの圧力変換に基づき圧縮機3の吐出冷媒圧力Pd(Tcの関数)を算出する。
【0037】
そして前記吐出冷媒圧力Pdと、第1の推定手段により推定された圧縮機への吸入冷媒圧力Psと、前記吸入冷媒圧力Psでの飽和温度変換Tws(Psの関数)と、適正過熱度SHmから式(3)の理論関係式を用いて圧縮機3の目標吐出温度Tdmを算出する。
Tdm=(Pd/Ps)(p-1/p)×(Tws+SHm+b)−c ・・・・式
(3) ここでpは実験で求められるポリトロープ指数、b、cは定数、である。
【0038】
更に膨張弁制御手段1(マイクロコンピュータ)は、吐出温度センサ9により検出された吐出温度Tdと前記目標吐出温度Tdmとの温度差△Tに基づいて、電動膨張弁6の操作開度△Kを算出し、所定時間ごとに(例えば60秒毎に)電動膨張弁6を制御する。
△T=Td−Tdm ・・・式(4)
△K=d×△T ・・・式(5) (dは定数である)
このように、高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し、フィードバック制御を行うため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度SHmに制御することができる。
【0039】
上記説明では吐出冷媒圧力Pdの算出時に凝縮温度Tcを用いて圧力変換を行ったが、更に精度を高めるため、式(3)において圧縮機3の回転数Rの項をつけを加えて算出してもよい。
【0040】
また電動膨張弁6の操作開度△Kの算出方法に温度差△Tを用いたが、ここにPID制御やファジー制御といった制御方法を用いても同様の効果が得られる。
【0041】
次に実際に据付られている実配管長と記憶手段に記憶されている配管長が大きく異なる場合の冷凍サイクル挙動について説明する。
【0042】
図7は上記吐出温度制御を行った場合のモリエル線図を示している。
【0043】
図7において太線で書かれたサイクルは実際に据付られている実配管長と記憶手段に記憶されている配管長が等しい時の冷凍サイクルを示している。ここから実配管長Htが配管長Hよりも短くなると、実際の吸入圧力は推定された吸入圧力A点よりも高いB点となり、実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度SHmよりも大きくなる。
【0044】
この結果、運転効率が低下したり室内機から結露水が飛散するといった問題が生じやすくなる。逆に実配管長Htが配管長Hよりも長くなると、実際の吸入圧力は推定された吸入圧力A点よりも低いC点となり、実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度SHmよりも小さくなる。この結果、運転効率が低下したり液バックといった圧縮機の信頼性低下問題が生じやすくなる。
【0045】
そこで、実際に据付られている実配管長Htと記憶手段に記憶されている配管長Hが大きく異なる場合の吐出温度制御について図3の吐出温度制御の一例を示すフローチャートを用いて説明する。
【0046】
まずステップS1では配管長Hを初期値10mに設定するとともに、カウンタMとNを0にセットする。ステップS2では制御間隔(60秒)をカウントするタイマをリセットし、ステップS3でタイマをスタートさせる。
【0047】
ステップS4では蒸発温度Teと凝縮温度Tcと吐出温度Tdと圧縮機回転数Rと吸入温度センサ12により吸入温度Tsを読み込む。ステップS5では推定手段1または2により吸入冷媒圧力Psを推定し、ステップS6では目標吐出温度算出手段により目標吐出温度Tdmを算出し、スッテプS7では第2の推定手段により式(6)を用いて吸入冷媒過熱度SHsを推定する。
SHs=Ts−Tws・・・式(6)
ステップS8では配管長修正手段1により吐出温度Tdが目標吐出温度Tdmに対し±g℃以内(例えば0.5℃以内)に入っているか判断し、Tdm±g℃に入っていれば、ステップS9に進む。
【0048】
一方ステップS8にて吐出温度TdがTdm±g℃以内に入っていなければ、ステップS27、S16、S17、S18と進み、吐出温度Tdが目標吐出温度Tdmになるよう膨張弁制御手段1により膨張弁6の開度操作を行う。ステップS19ではタイマが60秒経過するのを待ってから、再びステップS2に戻りフィードバック制御を行う。
【0049】
またステップS9においては、吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm+h(例えば3K)を超えているか判断し、超えている場合は実配管長Htが配管長Hよりも短いとみなし、ステップS10にて短いと判断された回数をカウントするカウンタMをプラス1するのと同時に長いと判断された回数をカウントするカウンタNを0にセットする。
【0050】
ステップS11ではカウンタMがα以上かを判断し、カウンタMがα以上であればα回(例えば10回)連続で吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm+hを超えているため、本当に実配管長Htが配管長Hよりも短いと判断し、ステップS12にて配管長Hをi[m](例えば5[m])だけ短く修正する。
【0051】
ここで吐出温度Tdは圧縮機3の熱容量の影響で、蒸発温度Teや凝縮温度Tcが安定していてもすぐには安定しないため、α回連続でという条件を入れることで、冷凍サイクルが不安定な時の誤判定を防止することができる。
【0052】
ステップS13、S14では修正された配管長Hを用いて吸込冷媒圧力Psおよび目標吐出温度Tdmを再計算し修正する。ステップS15ではカウンタMをリセットした後、ステップS16、S17、S18へと進み、吐出温度Tdが修正された目標吐出温度Tdmになるよう膨張弁6の開度操作を行う。
【0053】
またステップS9にて吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm+hを超えていない場合は、ステップS20にて吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm−hを下回っているか判断し、下回っている場合は実配管長Htが配管長Hよりも長いとみなし、同様にα回連続したらステップS23、S24、S25、S26にて配管長Hと吸込冷媒圧力Psおよび目標吐出温度Tdmを修正し、カウンタNを0にセットする。
【0054】
一方ステップS20にて吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm−h以上であれば実配管長Htは配管長Hにほぼ近いとみなし、配管長Hは修正せずに制御を行う。
【0055】
上記のように配管長Hの修正を繰り返すことにより配管長Hは実配管長Htへと次第に近づいていく。その結果、図7に示す圧縮機3の吸入点は、B点またはC点からBa点 またはCa点へと近づいていき、施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度SHm近傍へと修正することができる。
【0056】
また前記実施の形態においては吐出温度Tdが目標吐出温度Tdmに対し±g[℃]以内にある場合、吸入冷媒過熱度SHsを用いて配管長Hの修正を判断したが、室内機2にて検出された冷媒過熱度を用いても同様の効果が得られる。
【0057】
この場合は室内熱交換器7のガス側配管に設けられた室内ガス温度センサ13により検出された冷媒ガス温度Tgと蒸発温度Teから式(7)を用いて室内冷媒過熱度SHiを算出する。
SHi=Tg−Te・・・式(7)
そして配管長修正手段2は吸入冷媒過熱度SHsの変わりに、室内冷媒過熱度SHiの値を用いて配管長Hの修正を判断する。なおフローチャートは図3とほぼ同じため、省略する。
【0058】
またマルチタイプの空気調和機の場合、ステップS12またはS23にて修正される各配管長はi/2となる{Hr=Hr±i=[(Ha±i/2)+(Hb±i/2)]/2}。またマルチタイプの空気調和機の場合は、全体冷媒循環量の制御と同時に各室内機への個別冷媒循環量も制御する必要がある。
【0059】
そこで、ステップS17にて各運転機の電動膨張弁6の操作開度△K(全運転機同じ)を算出した後、前記操作開度△Kを付加した全電動膨張弁6の合計開度[Σ(現在開度+△K)]を算出し、前記合計開度を保ちながら各室内冷媒過熱度SHin(n=a号機またはb号機)が同じ値になるよう各電動膨張弁6の開度を新開度に補正し(a号機の新開度+b号機の新開度=合計開度)、ステップS18にて各電動膨張弁6の開度を新開度に操作することで、全体冷媒循環量の制御と各室内機への個別冷媒循環量の制御を同時に行うことができる。この点については種々の制御が提案されて公知であるのでフローチャートからは省略する。
【0060】
また上述したように吸入冷媒圧力が高精度に推定できるため、吸入冷媒過熱度を直接制御する吸入過熱度制御も可能になる。図4は推定手段3により推定された吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHmになるように吸入過熱度制御を行った場合のモリエル線図を示している。
【0061】
図4において太線で書かれたサイクルは実際に据付られている実配管長と記憶手段に記憶されている配管長が等しい時の冷凍サイクルを示している。
【0062】
ここから実配管長Htが配管長Hよりも短くなると、実際の吸入圧力は推定された吸入圧力A点よりも高いD点となり、実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度SHmよりも小さくなる。この結果、運転効率が低下したり液バックといった圧縮機の信頼性低下問題が生じやすくなる。
【0063】
逆に実配管長Htが配管長Hよりも長くなると、実際の吸入圧力は推定された吸入圧力A点よりも低いE点となり、実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度SHmよりも大きくなる。この結果、運転効率が低下するといった問題が生じやすくなる。
【0064】
そこで、実際に据付られている実配管長Htと記憶手段に記憶されている配管長Hが大きく異なる場合の吸入過熱度制御について図5の吸入過熱度制御の一例を示すフローチャートを用いて説明する。ステップS1からS7については図3のフローチャートと同じため省略する。
【0065】
ステップS30では配管長修正手段3により吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHmに対し±j以内(例えば0.5K以内)に入っているか判断され、SHm±jに入っていれば、ステップS31に進む。一方ステップS30にて吸入冷媒過熱度SHsがSHm±j以内に入っていなければ、ステップS27、S33、S34、S18と進み、吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHmになるよう膨張弁制御手段2により膨張弁6の開度操作を行う。ステップS19ではタイマが60秒経過するのを待ってから、再びステップS2に戻りフィードバック制御を行う。
【0066】
またステップS31においては、吐出温度Tdが目標吐出温度Tdm−k[℃](例えば3[℃])よりも低いか判断し、低い場合は実配管長Htが配管長Hよりも短いとみなし、ステップS10にて短いと判断された回数をカウントするカウンタMをプラス1するのと同時に、長いと判断された回数をカウントするカウンタNを0にセットする。
【0067】
ステップS11ではカウンタMがα以上かを判断し、カウンタMがα以上であればα回(例えば10回)連続で吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHm+hを超えているため、本当に実配管長Htが配管長Hよりも短いと判断し、ステップS12にて配管長Hをim(例えば5m)短く修正する。ステップS13、S32では修正された配管長Hを用いて吸込冷媒圧力Psおよび吸入冷媒過熱度SHsを再計算し修正する。
【0068】
S15ではカウンタMをリセットした後、ステップS33、S34、S18へと進み、修正された吸入冷媒過熱度SHsが適正過熱度SHmになるよう膨張弁6の開度操作を行う。
【0069】
またステップS31にて吐出温度Tdが目標吐出温度Tdm−kよりも低くない場合は、ステップS35にて吐出温度Tdが目標吐出温度Tdm+kよりも高いか判断し、高い場合は実配管長Htが配管長Hよりも長いとみなし、同様にα回連続したらステップS23、S24、S36、S26にて配管長Hと吸込冷媒圧力Psおよび吸入冷媒過熱度SHsを修正し、カウンタNを0にセットする。
【0070】
一方ステップS35にて吐出温度Tdが目標吐出温度Tdm+k以下であれば実配管長Htは配管長Hにほぼ近いとみなし、配管長Hは修正せずに制御を行う。
【0071】
上記のように配管長Hの修正を繰り返すことにより配管長Hは実配管長Htへと次第に近づいていく。その結果、図4に示す圧縮機3の吸入点はD点またはE点からDa点 またはEa点へと近づいていき、施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度SHm近傍へと修正することができる。
【0072】
また実際に据付られる配管長には、圧縮機3のオイルと冷媒の比率やオイルの戻り具合といった圧縮機の信頼性等を加味し最小配管長Hminおよび最大配管長Hmaxが規定される。
【0073】
一方上述したように配管長修正手段1または2または3により実配管長Htが推測できる。そこで異常検出手段(マイクロコンピュータ)は、配管長修正手段1または2または3により修正された配管長Hが、前記最小配管長Hminから最大配管長Hmaxまでの適正配管長内であるか判断し、前記適正配管長内から外れた場合に室内機2に設けられているLEDランプ20(図示せず)を用いて据付配管長が適切ではない旨を表示する。これにより据付配管長が適切ではない旨を施工者や使用者に知らせることができ、配管施工の修正を促すことができる。
【0074】
ここで前記LEDランプ20の他にブザーによる音やリモコン等に表示しても、据付配管長が適切ではない旨を知らせることができる。このように、実際に据付られている配管長が適正配管長から逸脱され、システムの運転に不具合が生じやすい場合に、配管施工の修正を促すことでシステムの重大な損傷等を間逃れることができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0076】
請求項1に記載の本発明は、容量可変形圧縮機と室外熱交換器と弁開度を制御可能な電動膨張弁とを有する室外機と、室内熱交換器と前記室内熱交換器の温度を検出する第1の温度検出手段とを有する室内機と、前記室外機と前記室内機を接続する接続配管を有する空気調和機において、前記接続配管の配管長を予め記憶する記憶手段と、冷房運転時に前記第1の温度検出手段により検出された蒸発温度と前記記憶手段に記憶されている配管長と前記圧縮機の回転数とに基づいて、前記圧縮機の吸入冷媒圧力を推定する第1の推定手段と、室外熱交換器の温度を検出する第2の温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する第3の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された凝縮温度と前記第1の推定手段により推定された吸入冷媒圧力に基づいて圧縮機の目標吐出温度を算出する目標吐出温度算出手段と、前記電動膨張弁の開度を制御することにより、前記目標吐出温度を目指して、前記第3の温度検出手段により検出される吐出温度を変更させる膨張弁制御手段とを備えたものである。
【0077】
このように、蒸発器圧力に圧損を考慮することで運転条件が変化しても圧縮機への吸入冷媒圧力を高精度に推定することができ、その高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し吐出温度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0078】
これにより運転効率が良くなり省エネ運転が可能となるとともに、蒸発器が乾き室内機から結露水が飛散するといった問題や液バックといった圧縮機の信頼性低下問題を回避することができる。
【0079】
また、請求項2記載の本発明は、容量可変形圧縮機と室外熱交換器と弁開度を制御可能な複数の電動膨張弁とを有する室外機と、室内熱交換器と前記室内熱交換器の温度を検出する第1の温度検出手段とを有する複数の室内機とを接続配管により並列に接続したマルチタイプの空気調和機において、前記各室内機への各接続配管の配管長を予め記憶する記憶手段と、冷房運転時に前記各室内機の前記第1の温度検出手段により検出された各蒸発温度と前記記憶手段に記憶されている各接続配管の配管長と前記圧縮機の回転数とに基づいて、前記圧縮機の吸入冷媒圧力を推定する第1の推定手段と、室外熱交換器の温度を検出する第2の温度検出手段と、圧縮機の吐出温度を検出する第3の温度検出手段と、前記第2の温度検出手段により検出された凝縮温度と前記第1の推定手段により推定された吸入冷媒圧力に基づいて圧縮機の目標吐出温度を算出する目標吐出温度算出手段と、前記電動膨張弁の開度を制御することにより、前記目標吐出温度を目指して、前記第3の温度検出手段により検出される吐出温度を変更させる膨張弁制御手段とを備えたものである。
【0080】
このように、マルチタイプの空気調和機においても、蒸発器圧力に圧損を考慮することで運転条件が変化しても圧縮機への吸入冷媒圧力を高精度に推定することができ、高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って目標吐出温度を算出し吐出温度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0081】
これにより運転効率が良くなり省エネ運転が可能となるとともに、蒸発器が乾き室内機から結露水が飛散するといった問題や液バックといった圧縮機の信頼性低下問題を回避することができる。
【0082】
また請求項3記載の本発明は、圧縮機の吸入温度を検出する第4の温度検出手段と、前記第4の温度検出手段により検出された吸入温度と第1の推定手段で推定された吸入冷媒圧力とから飽和温度を求めるとともに、その飽和温度に基づき前記圧縮機の吸入冷媒過熱度を推定する第2の推定手段と、第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲内にあり、かつ前記第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定範囲から外れた場合に、予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0083】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異なる場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。この結果、推定された吸入冷媒圧力が修正され、これに伴い目標吐出温度も修正されるため、運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0084】
この結果省エネ運転が可能となり、蒸発器が乾き室内機から結露水が飛散するといった問題や液バックといった圧縮機の信頼性低下問題を回避することができる。
【0085】
また自動的に配管長を推定することで、施工者が電気回路上に設けたスイッチ等で手動で配管長を設定する必要がなくなり、スイッチ等が不要となることでコストダウンが可能となり、更に配管長の設定ミスや設定忘れによる室内機から結露水が飛散するといった問題や液バックといった圧縮機の信頼性低下問題も回避することができる。
【0086】
更に吸入冷媒圧力を直接検知する圧力センサの変わりにコストの安い温度センサで済むため、製品のコストを下げることができる。
【0087】
また請求項4記載の本発明は、室内熱交換器のガス側配管のガス温度を検出する第5の温度検出手段と、前記第5の温度検出手段により検出されたガス温度と第1の温度検出手段により検出された蒸発温度に基づき室内冷媒過熱度を検出する室内冷媒過熱度検出手段と、第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲内にあり、かつ前記室内冷媒過熱度検出手段により検出された室内冷媒過熱度が所定範囲から外れた場合に予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0088】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異る場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。
【0089】
この結果目標吐出温度が修正され、室内冷媒過熱度も修正されるため、運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0090】
また請求項5記載の本発明は、第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定値となるよう電動膨張弁の開度を制御する膨張弁制御手段を備えたものである。
【0091】
このように高精度に推定された吸入冷媒圧力を使って吸入冷媒過熱度を制御するため、運転条件が変化しても高精度に実際の吸入冷媒過熱度を適正過熱度に制御することができる。
【0092】
これにより運転効率が良くなり省エネ運転が可能となるとともに、液バックといった圧縮機の信頼性低下問題を回避することができる。
【0093】
また請求項6記載の本発明は、第2の推定手段により推定された圧縮機の吸入冷媒過熱度が所定範囲内にあり、かつ第3の温度検出手段により検出された吐出温度が目標吐出温度算出手段により算出された目標吐出温度に対し所定範囲から外れた場合に、予め記憶手段に記憶されている配管長を修正する配管長修正手段を備えたものである。
【0094】
このように、予め記憶されている配管長が実際に据付られている配管長と大きく異なる場合でも自動的に配管長を修正するため、修正を行う度に実際の配管長に近づくことになる。この結果、推定された吸入冷媒圧力が修正され、これに伴い運転条件や施工条件が変化しても実際の吸入冷媒過熱度は適正過熱度近傍へと修正される。
【0095】
また請求項7記載の本発明は、配管長修正手段により修正された配管長が所定配管長から外れた場合、据付配管長が適切ではない旨を使用者に知らせる異常検出手段を備えたものである。
【0096】
このように、実際に据付られている配管長が適正配管長から逸脱され、システムの運転に不具合が生じやすい場合に使用者にその旨を知らせることができ、この結果システムの重大な損傷等を間逃れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における空気調和機を示す構成図
【図2】本発明の実施形態におけるマルチタイプの空気調和機を示す構成図
【図3】同吐出温度制御を示すフローチャート
【図4】同吸入過熱度制御時の冷凍サイクル挙動を示すモリエル線図
【図5】同吸入過熱度制御を示すフローチャート
【図6】冷媒循環量と配管長の変化に応じた吸入部圧損特性の相関関係を示す概念図
【図7】吐出温度制御時の冷凍サイクル挙動を示すモリエル線図
【符号の説明】
1 室外機
2 室内機
3 圧縮機
5 室外熱交換器
6 電動膨張弁
7 室内熱交換器
8 接続配管
9 吐出温度センサ
10 室外熱交換器温度センサ
11 室内熱交換器温度センサ
12 吸入温度センサ
13 室内ガス温度センサ
H、Ha、Hb 配管長
Te、Tea、Teb 蒸発温度[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to control of a separation type air conditioner in which an indoor unit and an outdoor unit are connected by a connection pipe.
[0002]
[Prior art]
As a method of controlling the refrigerant circulation amount of the refrigeration cycle by an electric expansion valve in a conventional separation type air conditioner, for example, Japanese Patent No. 2912254 can be cited.
[0003]
In this conventional example, the target discharge temperature is set on the Mollier diagram by using the evaporation temperature, the condensation temperature, and the slope characteristic line of the compressor alone, and the refrigerant is discharged by the electric expansion valve so that the discharge temperature of the compressor becomes the target discharge temperature. The degree of superheat of the refrigerant is controlled by controlling the amount of circulation.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 12-292013 discloses a technique for suppressing an increase in the degree of superheat of the refrigerant and preventing the evaporator from becoming too dry by correcting the target discharge temperature based on the evaporation temperature and the refrigerant temperature sucked into the compressor. Is also open to the public.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in recent years, from the viewpoints of energy saving and comfort, a separation type air conditioner equipped with an inverter in which the rotation speed of the compressor is greatly changed is widely used. In addition, from the viewpoint of increasing the degree of freedom of installation, the pipe length that can be connected is also required to be shorter and longer.
[0006]
However, in such an air conditioner, the refrigerant circulation amount greatly changes due to the inverter control, and the connection pipe length also greatly changes due to diversification of needs of the indoor unit installation position. As in the pressure loss relationship of the pipe length, the pressure difference between the evaporator pressure and the compressor suction side pressure ("pressure difference" is hereinafter referred to as "pressure loss") changes greatly during the cooling operation.
[0007]
As a result, as shown in the Mollier diagram shown in FIG. 7, even if the target discharge temperature is set only by the evaporation temperature and the condensing temperature, the suction point of the compressor is the point B or C in the figure due to the pressure loss effect of the connecting pipe It was difficult to keep the refrigerant superheat degree on the suction side at an appropriate superheat degree.
[0008]
In general, if the refrigerant superheat degree on the suction side of the compressor is maintained at an appropriate superheat degree (which may vary depending on the type of refrigerant, the operation mode such as cooling / heating, operation frequency, etc.), the operation efficiency of the compressor Becomes higher and energy-saving operation becomes possible.
[0009]
Therefore, when the degree of superheat of the refrigerant becomes too large, there are more portions where the degree of superheat can be obtained in the evaporator, and air that is not dehumidified is mixed with cold air by the blower, and the problem that dew condensation water scatters easily from the indoor unit. On the other hand, if the sucked refrigerant is too wet (the degree of superheat of the refrigerant is not taken at all), a problem of lowering the reliability of the compressor such as a liquid back is likely to occur.
[0010]
Even if the target discharge temperature is corrected with the evaporation temperature of the indoor unit and the suction temperature of the compressor to suppress the degree of superheat of the refrigerant, if the pressure loss in the connection piping changes due to changes in operating conditions (for example, the compressor rotation speed) Can't do enough suppression. Furthermore, when the construction conditions (pipe length) change, the degree of superheat of the refrigerant also changes due to a change in pressure loss.
[0011]
Therefore, it is necessary for the installer to set the actual pipe length with a switch or the like, which causes problems such as an increase in product cost and a longer construction time.
[0012]
Accordingly, the present invention has been made in view of such a point, and an object of the present invention is to estimate the suction refrigerant pressure of the compressor with high accuracy even under various operating conditions and construction conditions during cooling operation. An inexpensive air conditioner that can control the refrigerant superheat degree to an appropriate superheat degree, increase operating efficiency, prevent condensation in the indoor unit, and enhance the reliability of the compressor is provided.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, an air conditioner according to
[0014]
In this way, by considering the pressure loss in the evaporator pressure, it is possible to estimate the refrigerant pressure sucked into the compressor with high accuracy even if the operating condition changes, and use the refrigerant refrigerant pressure estimated with high accuracy. Since the target discharge temperature is calculated and the discharge temperature is controlled, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operating conditions change.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In order to solve the above problems, the present invention according to
[0016]
In this way, by considering the pressure loss in the evaporator pressure, it is possible to estimate the refrigerant pressure sucked into the compressor with high accuracy even if the operating condition changes, and use the refrigerant refrigerant pressure estimated with high accuracy. Since the target discharge temperature is calculated and the discharge temperature is controlled, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operating conditions change.
[0017]
According to a second aspect of the present invention, there is provided an outdoor unit having a variable capacity compressor, an outdoor heat exchanger, and a plurality of electric expansion valves capable of controlling valve opening, an indoor heat exchanger, and the indoor heat exchange. In a multi-type air conditioner in which a plurality of indoor units having first temperature detecting means for detecting the temperature of the chamber are connected in parallel by connecting pipes, the pipe length of each connecting pipe to each indoor unit is set in advance Storage means for storing, each evaporating temperature detected by the first temperature detecting means of each indoor unit during cooling operation, pipe length of each connection pipe stored in the storage means, and rotation speed of the compressor Based on the above, a first estimating means for estimating the refrigerant suction pressure of the compressor, a second temperature detecting means for detecting the temperature of the outdoor heat exchanger, and a third temperature detecting means for detecting the discharge temperature of the compressor Detected by temperature detection means and the second temperature detection means By controlling the target discharge temperature calculating means for calculating the target discharge temperature of the compressor based on the condensed condensation temperature and the suction refrigerant pressure estimated by the first estimating means, and the opening degree of the electric expansion valve, An expansion valve control means for changing the discharge temperature detected by the third temperature detection means aiming at the target discharge temperature.
[0018]
As described above, even in the multi-type air conditioner, the refrigerant pressure taken into the compressor can be estimated with high accuracy even if the operating condition changes by considering the pressure loss in the evaporator pressure. Since the target discharge temperature is calculated and the discharge temperature is controlled using the estimated intake refrigerant pressure, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operation condition changes.
[0019]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a fourth temperature detecting means for detecting a suction temperature of the compressor, a suction temperature detected by the fourth temperature detecting means, and a suction estimated by the first estimating means. A saturation temperature is obtained from the refrigerant pressure, and the discharge temperature detected by the second estimation means and the third temperature detection means for estimating the intake refrigerant superheat degree of the compressor based on the saturation temperature is calculated as a target discharge temperature. Stored in the storage means in advance when the intake refrigerant superheat degree of the compressor that is within the predetermined range with respect to the target discharge temperature calculated by the means and deviated from the predetermined range is estimated by the second estimating means. A pipe length correcting means for correcting the existing pipe length is provided.
[0020]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. As a result, the estimated suction refrigerant pressure is corrected, and the target discharge temperature is also corrected accordingly. Therefore, even if the operating conditions and construction conditions change, the actual suction refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree. The
[0021]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided the fifth temperature detecting means for detecting the gas temperature of the gas side pipe of the indoor heat exchanger, the gas temperature detected by the fifth temperature detecting means and the first temperature. The indoor refrigerant superheat degree detecting means for detecting the indoor refrigerant superheat degree based on the evaporation temperature detected by the detecting means, and the target discharge temperature in which the discharge temperature detected by the third temperature detecting means is calculated by the target discharge temperature calculating means. A pipe length correcting means for correcting the pipe length stored in advance in the storage means when the indoor refrigerant superheat degree detected by the indoor refrigerant superheat degree detecting means is out of the predetermined range. It is provided.
[0022]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. . As a result, the target discharge temperature is corrected and the indoor refrigerant superheat degree is also corrected, so that the actual intake refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree even if the operating conditions and the construction conditions change.
[0023]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided expansion valve control means for controlling the opening degree of the electric expansion valve so that the suction refrigerant superheat degree of the compressor estimated by the second estimation means becomes a predetermined value. is there.
[0024]
Since the intake refrigerant superheat degree is controlled using the intake refrigerant pressure estimated with high accuracy in this way, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operating conditions change. .
[0025]
According to the sixth aspect of the present invention, the suction refrigerant superheat degree of the compressor estimated by the second estimating means is within a predetermined range, and the discharge temperature detected by the third temperature detecting means is the target discharge temperature. A pipe length correcting means for correcting the pipe length stored in advance in the storage means when the target discharge temperature calculated by the calculating means deviates from a predetermined range is provided.
[0026]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. As a result, the estimated intake refrigerant pressure is corrected, and the actual intake refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree even if the operating conditions and the construction conditions change accordingly.
[0027]
Further, the present invention according to
[0028]
In this way, when the installed pipe length deviates from the appropriate pipe length and the system is likely to malfunction, the user can be notified of this, resulting in serious damage to the system. You can escape.
[0029]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a configuration diagram showing a configuration of an embodiment of the present invention, in which an
[0030]
In FIG. 1, an
[0031]
In the refrigeration cycle having the above configuration, during cooling, the refrigerant discharged from the
[0032]
Next, a method for estimating the suction refrigerant pressure to the
[0033]
First, the first estimating means (microcomputer) obtains the evaporator pressure Pe based on the saturation pressure conversion using the evaporation temperature Te obtained by the indoor heat
[0034]
Here, since the amount of refrigerant circulating in the refrigeration cycle is substantially proportional to the rotational speed R of the
Ps = Pe−ΔP Equation (1)
ΔP = a × R 2 × H (2) (a and b are constants)
Thus, by estimating the pressure loss with high accuracy, the suction refrigerant pressure can also be estimated with high accuracy. Here, the rotation speed R and the pipe length H are used when estimating the pressure loss ΔP, but an evaporation temperature Te or a condensation temperature Tc may be added in order to further improve the accuracy.
(Embodiment 2)
FIG. 2 is a system diagram showing the configuration of an embodiment of the multi-type air conditioner of the present invention. In the case of the multi-type, the first estimating means (microcomputer) has the pipe lengths Ha and Hb stored in the storage means (a and b are added to the subscript because it is a case of a two-chamber multi. Hereinafter, the same applies to Te and the like. ) To calculate the average pipe length Hr [= (Ha + Hb) / 2], to calculate the average rotational speed Rr (= R / 2) of the
[0035]
Then, the average evaporation temperature Ter [= (Tea + Teb) / 2)] is calculated from the respective evaporation temperatures Tea and Teb of the indoor units 2a and 2b, and the average evaporator pressure Pr is obtained by pressure conversion from the average evaporation temperature Ter. The suction refrigerant pressure Ps is estimated from the equation (1) from the average evaporator pressure Pr and the average pressure loss ΔPr. In this way, in the multi-type air conditioner, the average pressure loss is estimated using the average pipe length, so that the overall pressure loss can be estimated with high accuracy, and as a result, the intake refrigerant pressure can also be estimated with high accuracy.
[0036]
Next, the discharge temperature control for indirectly controlling the degree of superheat of the suction refrigerant will be described. First, since the compression principle of the
[0037]
From the discharge refrigerant pressure Pd, the suction refrigerant pressure Ps to the compressor estimated by the first estimation means, the saturation temperature conversion Tws (function of Ps) at the suction refrigerant pressure Ps, and the appropriate superheat degree SHm The target discharge temperature Tdm of the
Tdm = (Pd / Ps) (p−1 / p) × (Tws + SHm + b) −c (3) where p is a polytropic index obtained by experiment, and b and c are constants.
[0038]
Further, the expansion valve control means 1 (microcomputer) sets the operation opening degree ΔK of the electric expansion valve 6 based on the temperature difference ΔT between the discharge temperature Td detected by the discharge temperature sensor 9 and the target discharge temperature Tdm. The electric expansion valve 6 is calculated and controlled every predetermined time (for example, every 60 seconds).
ΔT = Td−Tdm (4)
ΔK = d × ΔT (5) (d is a constant)
In this way, the target discharge temperature is calculated using the intake refrigerant pressure estimated with high accuracy and feedback control is performed, so that the actual intake refrigerant superheat is accurately converted to the appropriate superheat SHm even if the operating conditions change. Can be controlled.
[0039]
In the above description, the pressure conversion is performed using the condensation temperature Tc when calculating the discharge refrigerant pressure Pd. However, in order to further improve the accuracy, it is calculated by adding the term of the rotational speed R of the
[0040]
Further, the temperature difference ΔT is used for the calculation method of the operation opening degree ΔK of the electric expansion valve 6, but the same effect can be obtained by using a control method such as PID control or fuzzy control.
[0041]
Next, the refrigeration cycle behavior when the actual pipe length actually installed and the pipe length stored in the storage means are greatly different will be described.
[0042]
FIG. 7 shows a Mollier diagram when the above discharge temperature control is performed.
[0043]
In FIG. 7, the cycle written in bold lines indicates the refrigeration cycle when the actual pipe length actually installed and the pipe length stored in the storage means are equal. When the actual pipe length Ht becomes shorter than the pipe length H from here, the actual suction pressure becomes a point B higher than the estimated suction pressure A point, and the actual suction refrigerant superheat degree becomes larger than the appropriate superheat degree SHm.
[0044]
As a result, problems such as a decrease in operating efficiency and the occurrence of dew condensation from the indoor unit are likely to occur. Conversely, when the actual pipe length Ht becomes longer than the pipe length H, the actual suction pressure becomes a point C lower than the estimated suction pressure A point, and the actual suction refrigerant superheat degree becomes smaller than the appropriate superheat degree SHm. As a result, it is easy to cause a problem of lowering the reliability of the compressor, such as a decrease in operating efficiency and a liquid back.
[0045]
Therefore, the discharge temperature control when the actual pipe length Ht actually installed and the pipe length H stored in the storage means are greatly different will be described with reference to a flowchart showing an example of the discharge temperature control in FIG.
[0046]
First, in step S1, the pipe length H is set to an initial value of 10 m, and counters M and N are set to zero. In step S2, the timer for counting the control interval (60 seconds) is reset, and in step S3, the timer is started.
[0047]
In step S4, the suction temperature Ts is read by the evaporation temperature Te, the condensation temperature Tc, the discharge temperature Td, the compressor rotational speed R, and the
SHs = Ts−Tws (6)
In step S8, it is determined whether the discharge temperature Td is within ± g ° C. (for example, within 0.5 ° C.) with respect to the target discharge temperature Tdm by the pipe
[0048]
On the other hand, if the discharge temperature Td is not within Tdm ± g ° C. in step S8, the process proceeds to steps S27, S16, S17, and S18, and the expansion valve control means 1 causes the expansion valve control means 1 to set the discharge temperature Td to the target discharge temperature Tdm. The opening operation of 6 is performed. In step S19, after waiting 60 seconds for the timer, the process returns to step S2 again to perform feedback control.
[0049]
In step S9, it is determined whether or not the suction refrigerant superheat degree SHs exceeds the appropriate superheat degree SHm + h (for example, 3K), and if so, the actual pipe length Ht is considered to be shorter than the pipe length H, and in step S10 A counter M for counting the number of times determined to be short is incremented by 1, and a counter N for counting the number of times determined to be long is set to 0.
[0050]
In step S11, it is determined whether the counter M is equal to or greater than α. If the counter M is equal to or greater than α, the suction refrigerant superheat degree SHs exceeds the appropriate superheat degree SHm + h continuously α times (for example, 10 times). It is determined that Ht is shorter than the pipe length H, and the pipe length H is corrected to be shorter by i [m] (for example, 5 [m]) in step S12.
[0051]
Here, the discharge temperature Td is affected by the heat capacity of the
[0052]
In steps S13 and S14, the suction refrigerant pressure Ps and the target discharge temperature Tdm are recalculated and corrected using the corrected pipe length H. In step S15, after the counter M is reset, the process proceeds to steps S16, S17, and S18, and the opening operation of the expansion valve 6 is performed so that the discharge temperature Td becomes the corrected target discharge temperature Tdm.
[0053]
If the intake refrigerant superheat degree SHs does not exceed the appropriate superheat degree SHm + h in step S9, it is determined in step S20 whether the intake refrigerant superheat degree SHs is below the appropriate superheat degree SHm-h. Assuming that the actual pipe length Ht is longer than the pipe length H, and in the same way, when α continues, the pipe length H, the suction refrigerant pressure Ps, and the target discharge temperature Tdm are corrected in steps S23, S24, S25, and S26. Set to 0.
[0054]
On the other hand, if the suction refrigerant superheat degree SHs is greater than or equal to the appropriate superheat degree SHm-h in step S20, the actual pipe length Ht is considered to be substantially close to the pipe length H, and the pipe length H is controlled without being corrected.
[0055]
By repeatedly correcting the pipe length H as described above, the pipe length H gradually approaches the actual pipe length Ht. As a result, the suction point of the
[0056]
In the above embodiment, when the discharge temperature Td is within ± g [° C.] with respect to the target discharge temperature Tdm, the correction of the pipe length H is determined using the suction refrigerant superheat degree SHs. The same effect can be obtained by using the detected refrigerant superheat degree.
[0057]
In this case, the indoor refrigerant superheat degree SHi is calculated from the refrigerant gas temperature Tg detected by the indoor
SHi = Tg−Te (7)
The pipe
[0058]
In the case of a multi-type air conditioner, each pipe length corrected in step S12 or S23 is i / 2 {Hr = Hr ± i = [(Ha ± i / 2) + (Hb ± i / 2). )] / 2}. In the case of a multi-type air conditioner, it is necessary to control the individual refrigerant circulation amount to each indoor unit simultaneously with the control of the total refrigerant circulation amount.
[0059]
Therefore, after calculating the operation opening degree ΔK (same as all operation units) of the electric expansion valve 6 of each operating unit in step S17, the total opening amount of all the electric expansion valves 6 to which the operation opening degree ΔK is added [ Σ (current opening + ΔK)] is calculated, and the opening degree of each electric expansion valve 6 is set so that the indoor refrigerant superheat degree SHin (n = a machine or b machine) has the same value while maintaining the total opening degree. Is adjusted to the new opening (new opening of unit a + new opening of unit b = total opening), and the opening of each electric expansion valve 6 is operated to the new opening in step S18, thereby controlling the total refrigerant circulation amount. And the control of the individual refrigerant circulation amount to each indoor unit can be performed simultaneously. In this regard, various controls have been proposed and are well known, and are therefore omitted from the flowchart.
[0060]
Further, since the suction refrigerant pressure can be estimated with high accuracy as described above, the suction superheat degree control that directly controls the suction refrigerant superheat degree is also possible. FIG. 4 shows a Mollier diagram in the case where the suction superheat degree control is performed so that the suction refrigerant superheat degree SHs estimated by the estimation means 3 becomes the appropriate superheat degree SHm.
[0061]
In FIG. 4, the cycle written in bold lines indicates the refrigeration cycle when the actual pipe length actually installed and the pipe length stored in the storage means are equal.
[0062]
From this point, when the actual pipe length Ht becomes shorter than the pipe length H, the actual suction pressure becomes a point D higher than the estimated suction pressure A point, and the actual suction refrigerant superheat degree becomes smaller than the appropriate superheat degree SHm. As a result, it is easy to cause a problem of lowering the reliability of the compressor, such as a decrease in operating efficiency and a liquid back.
[0063]
Conversely, when the actual pipe length Ht becomes longer than the pipe length H, the actual suction pressure becomes an E point lower than the estimated suction pressure A point, and the actual suction refrigerant superheat degree becomes larger than the appropriate superheat degree SHm. As a result, problems such as a decrease in operating efficiency are likely to occur.
[0064]
Accordingly, suction superheat control when the actual pipe length Ht actually installed and the pipe length H stored in the storage means are greatly different will be described with reference to a flowchart showing an example of the suction superheat control in FIG. . Steps S1 to S7 are the same as those in the flowchart of FIG.
[0065]
In step S30, it is determined by the pipe
[0066]
In step S31, it is determined whether the discharge temperature Td is lower than the target discharge temperature Tdm-k [° C.] (for example, 3 [° C.]). If lower, the actual pipe length Ht is regarded as being shorter than the pipe length H. A counter M that counts the number of times determined to be short in step S10 is incremented by 1, and a counter N that counts the number of times determined to be long is set to 0.
[0067]
In step S11, it is determined whether the counter M is equal to or greater than α. If the counter M is equal to or greater than α, the suction refrigerant superheat degree SHs exceeds the appropriate superheat degree SHm + h continuously α times (for example, 10 times). It is determined that Ht is shorter than the pipe length H, and the pipe length H is corrected to be im (for example, 5 m) shorter in step S12. In steps S13 and S32, the suction refrigerant pressure Ps and the suction refrigerant superheat degree SHs are recalculated and corrected using the corrected pipe length H.
[0068]
In S15, after the counter M is reset, the process proceeds to Steps S33, S34, and S18, and the opening operation of the expansion valve 6 is performed so that the corrected intake refrigerant superheat degree SHs becomes the appropriate superheat degree SHm.
[0069]
If the discharge temperature Td is not lower than the target discharge temperature Tdm-k in step S31, it is determined in step S35 whether the discharge temperature Td is higher than the target discharge temperature Tdm + k. If it is assumed that the length is longer than the length H and is continuously α times, the pipe length H, the suction refrigerant pressure Ps, and the suction refrigerant superheat degree SHs are corrected in steps S23, S24, S36, and S26, and the counter N is set to zero.
[0070]
On the other hand, if the discharge temperature Td is equal to or lower than the target discharge temperature Tdm + k in step S35, the actual pipe length Ht is considered to be substantially close to the pipe length H, and the pipe length H is controlled without being corrected.
[0071]
By repeatedly correcting the pipe length H as described above, the pipe length H gradually approaches the actual pipe length Ht. As a result, the suction point of the
[0072]
In addition, the pipe length actually installed is defined by the minimum pipe length Hmin and the maximum pipe length Hmax in consideration of the reliability of the compressor such as the ratio of the oil and refrigerant of the
[0073]
On the other hand, as described above, the actual pipe length Ht can be estimated by the pipe
[0074]
Here, in addition to the LED lamp 20, it is possible to notify that the installation pipe length is not appropriate by displaying a sound by a buzzer or a remote control. In this way, when the actual installed pipe length deviates from the appropriate pipe length and the system operation is likely to fail, it is possible to avoid serious damages to the system by prompting correction of the piping construction. it can.
[0075]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
[0076]
The present invention according to
[0077]
In this way, by considering the pressure loss in the evaporator pressure, it is possible to estimate the refrigerant pressure sucked into the compressor with high accuracy even if the operating condition changes, and use the refrigerant refrigerant pressure estimated with high accuracy. Since the target discharge temperature is calculated and the discharge temperature is controlled, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operating conditions change.
[0078]
As a result, the operation efficiency is improved and energy-saving operation is possible, and the problem that the evaporator dries out and the condensed water scatters from the indoor unit, and the compressor reliability deterioration problem such as the liquid back can be avoided.
[0079]
According to a second aspect of the present invention, there is provided an outdoor unit having a variable capacity compressor, an outdoor heat exchanger, and a plurality of electric expansion valves capable of controlling valve opening, an indoor heat exchanger, and the indoor heat exchange. In a multi-type air conditioner in which a plurality of indoor units having first temperature detecting means for detecting the temperature of the chamber are connected in parallel by connecting pipes, the pipe length of each connecting pipe to each indoor unit is set in advance Storage means for storing, each evaporating temperature detected by the first temperature detecting means of each indoor unit during cooling operation, pipe length of each connection pipe stored in the storage means, and rotation speed of the compressor Based on the above, a first estimating means for estimating the refrigerant suction pressure of the compressor, a second temperature detecting means for detecting the temperature of the outdoor heat exchanger, and a third temperature detecting means for detecting the discharge temperature of the compressor Detected by temperature detection means and the second temperature detection means By controlling the target discharge temperature calculating means for calculating the target discharge temperature of the compressor based on the condensed condensation temperature and the suction refrigerant pressure estimated by the first estimating means, and the opening degree of the electric expansion valve, An expansion valve control means for changing the discharge temperature detected by the third temperature detection means aiming at the target discharge temperature.
[0080]
As described above, even in the multi-type air conditioner, the refrigerant pressure taken into the compressor can be estimated with high accuracy even if the operating condition changes by considering the pressure loss in the evaporator pressure. Since the target discharge temperature is calculated and the discharge temperature is controlled using the estimated intake refrigerant pressure, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operation condition changes.
[0081]
As a result, the operation efficiency is improved and energy-saving operation is possible, and the problem that the evaporator dries out and the condensed water scatters from the indoor unit, and the compressor reliability deterioration problem such as the liquid back can be avoided.
[0082]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a fourth temperature detecting means for detecting a suction temperature of the compressor, a suction temperature detected by the fourth temperature detecting means, and a suction estimated by the first estimating means. A saturation temperature is obtained from the refrigerant pressure, and the discharge temperature detected by the second estimation means and the third temperature detection means for estimating the intake refrigerant superheat degree of the compressor based on the saturation temperature is calculated as a target discharge temperature. Stored in the storage means in advance when the intake refrigerant superheat degree of the compressor that is within the predetermined range with respect to the target discharge temperature calculated by the means and deviated from the predetermined range is estimated by the second estimating means. A pipe length correcting means for correcting the existing pipe length is provided.
[0083]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. As a result, the estimated suction refrigerant pressure is corrected, and the target discharge temperature is also corrected accordingly. Therefore, even if the operating conditions and construction conditions change, the actual suction refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree. The
[0084]
As a result, energy-saving operation is possible, and problems such as condensation of the evaporator being dried and condensation water being scattered from the indoor unit, and reliability reduction problems of the compressor such as liquid back can be avoided.
[0085]
In addition, by automatically estimating the pipe length, it is not necessary for the installer to manually set the pipe length with a switch etc. provided on the electric circuit, and it becomes possible to reduce costs by eliminating the need for a switch, etc. Problems such as condensed water splashing from indoor units due to setting mistakes or forgetting to set the pipe length, and compressor reliability degradation problems such as liquid back can also be avoided.
[0086]
Further, since a low-cost temperature sensor is sufficient instead of the pressure sensor that directly detects the suction refrigerant pressure, the cost of the product can be reduced.
[0087]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided the fifth temperature detecting means for detecting the gas temperature of the gas side pipe of the indoor heat exchanger, the gas temperature detected by the fifth temperature detecting means and the first temperature. The indoor refrigerant superheat degree detecting means for detecting the indoor refrigerant superheat degree based on the evaporation temperature detected by the detecting means, and the target discharge temperature in which the discharge temperature detected by the third temperature detecting means is calculated by the target discharge temperature calculating means. A pipe length correcting means for correcting the pipe length stored in advance in the storage means when the indoor refrigerant superheat degree detected by the indoor refrigerant superheat degree detecting means is out of the predetermined range. It is provided.
[0088]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. .
[0089]
As a result, the target discharge temperature is corrected and the indoor refrigerant superheat degree is also corrected, so that the actual intake refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree even if the operating conditions and the construction conditions change.
[0090]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided expansion valve control means for controlling the opening degree of the electric expansion valve so that the suction refrigerant superheat degree of the compressor estimated by the second estimation means becomes a predetermined value. is there.
[0091]
Since the intake refrigerant superheat degree is controlled using the intake refrigerant pressure estimated with high accuracy in this way, the actual intake refrigerant superheat degree can be accurately controlled to an appropriate superheat degree even if the operating conditions change. .
[0092]
As a result, the operation efficiency is improved, energy saving operation is possible, and the problem of reliability reduction of the compressor such as liquid back can be avoided.
[0093]
According to the sixth aspect of the present invention, the suction refrigerant superheat degree of the compressor estimated by the second estimating means is within a predetermined range, and the discharge temperature detected by the third temperature detecting means is the target discharge temperature. A pipe length correcting means for correcting the pipe length stored in advance in the storage means when the target discharge temperature calculated by the calculating means deviates from a predetermined range is provided.
[0094]
In this way, even if the pipe length stored in advance is greatly different from the pipe length that is actually installed, the pipe length is automatically corrected. Therefore, every time correction is performed, the actual pipe length is approached. As a result, the estimated intake refrigerant pressure is corrected, and the actual intake refrigerant superheat degree is corrected to the vicinity of the appropriate superheat degree even if the operating conditions and construction conditions change accordingly.
[0095]
Further, the present invention according to
[0096]
In this way, when the installed pipe length deviates from the appropriate pipe length and the system is likely to malfunction, the user can be notified of this, resulting in serious damage to the system. You can escape.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an air conditioner according to an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a block diagram showing a multi-type air conditioner according to an embodiment of the present invention. 4] Mollier diagram showing the refrigeration cycle behavior during the same intake superheat control. [FIG. 5] Flow chart showing the same intake superheat control. [FIG. Schematic diagram showing the relationship [Fig. 7] Mollier diagram showing the refrigeration cycle behavior during discharge temperature control [Explanation of symbols]
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