JP3804769B2 - 自動原稿給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動原稿給紙装置に関し、詳しくは、繰り出しローラを待機位置から給紙位置に移動して原稿台に載置された原稿を繰り出す自動原稿給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ装置、複写機、スキャナ装置等に適用される自動原稿給紙装置においては、原稿台に載置された原稿を1枚ずつ分離し、原稿搬送路に沿って画像読取部に搬送した後、画像の読み取りが終了した原稿を排紙台に排出するようになされたものがある。この種の自動原稿給紙装置としては、図6及び7に示すような、給紙ユニット202を含んで構成される自動原稿給紙装置200が知られている。
【0003】
図6において、自動原稿給紙装置200は、後述する給紙ローラ201を有し原稿台に載置された原稿を給紙する給紙ユニット202と、給紙ローラ201に対向して配設され、給紙する原稿を1枚に分離する分離ローラ203と、給紙ローラ201及び分離ローラ203の駆動源であるモータ204と、このモータ204の駆動力を給紙ローラ201及び分離ローラ203に伝達する複数のギア、ベルト、シャフト等からなる駆動部材205と、を備えている。
【0004】
給紙ユニット202は、図7に示すように、原稿を給紙する給紙ローラ201と、給紙ローラ201を回転駆動する駆動軸206と、この駆動軸206に回動自在に支持されるブラケット207と、このブラケット207に軸支されるとともに給紙ローラ201に連動して同方向に回転駆動される繰り出しローラ208と、駆動軸206の回転を繰り出しローラ208に伝達する複数のギアからなる駆動部材209と、駆動軸206の回転をブラケット207に伝達するクラッチ部材であるスプリングクラッチ210と、を備えている。
【0005】
駆動軸206は、駆動軸206に取り付けられた給紙ローラ201を原稿の給紙方向である正転方向Aと逆転方向Bとに回転駆動し、また、スプリングクラッチ210を介してブラケット207を正転方向Aと逆転方向Bとに回動するようになっている。
【0006】
スプリングクラッチ210は、駆動軸206が正転方向Aに回転すると緩むようになっており、駆動軸206とスプリングクラッチ210との摩擦による回転トルクをブラケット207に伝達して繰り出しローラ208を所定の圧力で原稿に押圧するようになっている。また、スプリングクラッチ210は、駆動軸206が逆転方向Bに回転すると締まるようになっており、駆動軸206に係止して駆動軸206の回転をブラケット207に伝達するようになっている。
【0007】
繰り出しローラ208は、ブラケット207の回動により、原稿に当接する給紙位置と原稿から離隔する待機位置とに移動するようになっている。
【0008】
以上のような構成を備えた自動原稿給紙装置200において、原稿台に載置された原稿を給紙するときには、まず、駆動部材205が、モータ204の駆動力を駆動軸206に伝達し、駆動軸206を正転方向Aに回転する。次に、駆動軸206が、給紙ローラ201及び繰り出しローラ208を正転方向Aに回転駆動するとともに、ブラケット207を正転方向Aに回動し、繰り出しローラ208を給紙位置に移動する。次に、繰り出しローラ208が、原稿台の最上位の原稿に当接し、原稿を給紙ローラ201と分離ローラ203との接合部であるニップ部まで繰り出す。そして、繰り出された原稿を分離ローラ203が1枚に分離し、分離された1枚の原稿を給紙ローラ201が図示しない原稿搬送路に給紙する。
【0009】
また、原稿の給紙が終了したときには、駆動部材205が、モータ204の駆動力を駆動軸206に伝達し、駆動軸206を逆転方向Bに所定角度だけ回転する。次に、駆動軸206が、ブラケット207を逆転方向Bに回動し、繰り出しローラ208を待機位置に移動する。そして、待機位置に移動した繰り出しローラ208を含む給紙ユニット202を、モータ204及び駆動部材205の空転トルクからなる保持トルクにより、次の給紙動作が行われるまで待機位置に保持する。
【0010】
なお、一般的な自動原稿給紙装置200における保持トルクは、給紙ユニット202の自重による回転トルクよりも十分に大きいので、給紙ユニット202を落下させることなく繰り出しローラ208を待機位置に保持することができる。
【0011】
このように、繰り出しローラ208を待機位置に保持することにより、次の原稿を原稿台に載置するとき、繰り出しローラ208が原稿の挿入を妨げることを防止し、原稿を容易に載置することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動原稿給紙装置においては、給紙ユニットの駆動軸に電磁クラッチ等の伝達手段を設け、給紙ユニットの駆動を独立して制御するようにした場合、伝達手段が駆動力の伝達を遮断するとモータ及び駆動部材の空転トルクが給紙ユニットに伝達されなくなり、繰り出しローラを待機位置に保持することができないという問題があった。
【0013】
本発明は、このような問題を解決するために、給紙ユニットの駆動を独立して制御することができるとともに、モータ及び駆動部材の空転トルクの伝達を遮断しても繰り出しローラを待機位置に保持することができる自動原稿給紙装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の自動原稿給紙装置は、原稿を給紙する給紙ローラと、該給紙ローラを回転駆動する駆動軸と、該駆動軸に回動自在に支持されるブラケットと、該ブラケットに軸支されるとともに前記給紙ローラに連動して回転駆動され、前記ブラケットの回動により原稿に当接する給紙位置と原稿から離隔する待機位置とに移動する繰り出しローラと、前記駆動軸の回転を前記ブラケットに伝達するクラッチ部材と、を備えた自動原稿給紙装置において、駆動源の駆動力を前記駆動軸に伝達する伝達手段と、前記駆動軸に所定のトルクを与える保持手段と、を備え、前記繰り出しローラが前記待機位置に移動したとき、前記伝達手段が前記駆動軸に伝達する駆動力を遮断し、前記保持手段が前記駆動軸に所定のトルクを与えて前記繰り出しローラを待機位置に保持し、前記駆動軸の端部に前記伝達手段と前記保持手段とが係止されていることを特徴とするものである。この自動原稿給紙装置では、保持手段が駆動軸に所定のトルクを与えるので、伝達手段が駆動軸に伝達する駆動力を遮断しても繰り出しローラを待機位置に保持することができる。
【0016】
また、本発明の自動原稿給紙装置は、前記保持手段が、前記駆動軸に係止するとともに装置本体に固定されるトルクリミッタからなることを特徴とするものである。この自動原稿給紙装置では、トルクリミッタを用いて保持手段を構成するので、装置を容易に製作することができ、製作コストを低くすることができる。
【0017】
また、本発明の自動原稿給紙装置は、前記保持手段が、前記駆動軸の正転方向及び逆転方向の回転に対して所定のトルクを与えることを特徴とするものである。この自動原稿給紙装置では、保持手段が2方向の回転に対応するので、給紙ローラの駆動方向を制限することなく駆動軸に所定のトルクを与えることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜5は、本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置を示す図である。なお、本実施形態では、本発明に係る自動原稿給紙装置をファクシミリ装置に適用した実施形態を示しているが、ファクシミリ装置の他に複写機、スキャナ装置等のように画像読取部を備えた装置に適用することができる。
【0020】
まず、本実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置の構成を説明する。
【0021】
図1において、ファクシミリ装置100の上部に設けられた自動原稿給紙装置101は、原稿台102に載置された原稿103を1枚ずつ分離し、原稿搬送路104に沿って画像読取部105に搬送した後、画像の読み取りが終了した原稿103を排紙台106に排出するようになっている。
【0022】
この自動原稿給紙装置101は、筐体、カバー部材等からなる装置本体107と、原稿103を載置する原稿台102と、この原稿台102に載置された原稿103を幅方向にガイドするガイド板108と、給紙ローラ120及び駆動軸121を有し原稿台102に載置された原稿103を給紙する給紙ユニット109と、給紙ローラ120に対向して配設され、給紙する原稿103を1枚に分離する分離ローラ110と、原稿103を挟持して所定方向に搬送する搬送ローラ対111、112、113と、原稿103の画像を読み取るスキャナからなる画像読取部105と、画像の読み取りが終了した原稿103を挟持して装置外部に排出する排紙ローラ対114と、排出された原稿103を積載する排紙台106と、を備えている。
【0023】
また、自動原稿給紙装置101は、図2に示すように、給紙ローラ120及び分離ローラ110の駆動源であるモータ115と、このモータ115の駆動力を給紙ローラ120及び分離ローラ110に伝達する複数のギア、ベルト、シャフト等からなる駆動部材116と、この駆動部材116と駆動軸121との間に介在し、モータ115の駆動力を駆動軸121に伝達する伝達手段である電磁クラッチ117と、駆動軸121に所定のトルクを与える保持手段であるトルクリミッタ118と、を備えている。
【0024】
給紙ユニット109は、図3に示すように、原稿103を給紙する給紙ローラ120と、給紙ローラ120を回転駆動する駆動軸121と、この駆動軸121に回動自在に支持されるブラケット122と、このブラケット122に軸支されるとともに給紙ローラ120に連動して同方向に回転駆動される繰り出しローラ123と、駆動軸121の回転を繰り出しローラ123に伝達する複数のギアからなる駆動部材124と、駆動軸121の回転をブラケット122に伝達するクラッチ部材であるスプリングクラッチ125と、を備えている。
【0025】
駆動軸121は、駆動軸121に取り付けられた給紙ローラ120を原稿103の給紙方向である正転方向Aと逆転方向Bとに回転駆動するようになっており、また、スプリングクラッチ125を介してブラケット122を正転方向Aと逆転方向Bとに回動するようになっている。
【0026】
スプリングクラッチ125は、駆動軸121が正転方向Aに回転すると緩むようになっており、駆動軸121とスプリングクラッチ125との摩擦による回転トルクをブラケット122に伝達して繰り出しローラ123を所定の圧力で原稿103に押圧するようになっている。また、スプリングクラッチ125は、駆動軸121が逆転方向Bに回転すると締まるようになっており、駆動軸121に係止して駆動軸121の回転をブラケット122に伝達するようになっている。
【0027】
繰り出しローラ123は、図4に示すように、駆動軸121の回転に伴うブラケット122の回動により、原稿103に当接する図中の点線で示す給紙位置Xと、原稿103から離隔する図中の実線で示す待機位置Yとに移動するようになっている。
【0028】
電磁クラッチ117は、駆動部材116と駆動軸121との間に介在して駆動力の伝達を制御するようになっている。この電磁クラッチ117は、制御電流がONのときに駆動部材116と駆動軸121との間を連結して駆動力を伝達し、制御電流がOFFのときに駆動部材116と駆動軸121との間を切り離して駆動力を遮断するようになっている。
【0029】
トルクリミッタ118は、図5に示すように、駆動軸121に係止するとともに装置本体107の側板126に固定され、繰り出しローラ123を待機位置に保持するための所定のトルクである保持トルクを駆動軸121に与えるようになっている。また、トルクリミッタ118は、2方向の回転に対して所定のトルクを与える両方向トルクリミッタからなり、駆動軸121の正転方向A及び逆転方向Bの回転に対して保持トルクを与えるようになっている。なお、トルクリミッタ118が駆動軸121に与える保持トルクは、給紙ユニット109の自重による回転トルクよりも十分に大きく、給紙ユニット109を落下させることなく繰り出しローラ123を待機位置に保持するようになっている。
【0030】
次に、図1及び4を用いて、本実施形態に係る自動原稿給紙装置の給紙動作について説明する。
【0031】
原稿台102に載置された原稿103を給紙するときには、まず、電磁クラッチ117が、駆動部材116と駆動軸121との間を連結し、モータ115の駆動力を駆動軸121に伝達し、駆動軸121を正転方向Aに回転する。次に、駆動軸121が、給紙ローラ120及び繰り出しローラ123を正転方向Aに回転駆動するとともに、ブラケット122を正転方向Aに回動し、繰り出しローラ123を給紙位置Xに移動する。次に、繰り出しローラ123が、原稿台102の最上位の原稿103に当接し、原稿103を給紙ローラ120と分離ローラ110との接合部であるニップ部まで繰り出す。そして、繰り出された原稿103を分離ローラ110が1枚に分離し、分離された1枚の原稿103を給紙ローラ120が原稿搬送路104に給紙する。
【0032】
また、原稿103の給紙が終了したときには、電磁クラッチ117が、駆動部材116と駆動軸121との間を連結し、モータ115の駆動力を駆動軸121に伝達し、駆動軸121を逆転方向Bに所定角度だけ回転する。次に、駆動軸121が、ブラケット122を逆転方向Bに回動し、繰り出しローラ123を待機位置Yに移動する。次に、電磁クラッチ117が、駆動部材116と駆動軸121との間を切り離し、駆動軸121に伝達する駆動力を遮断する。そして、待機位置Yに移動した繰り出しローラ123を含む給紙ユニット109を、駆動軸121に与えられるトルクリミッタ118の保持トルクにより、次の給紙動作が行われるまで待機位置Yに保持する。
【0033】
このように、本実施形態では、駆動部材116と駆動軸121との間に介在して駆動力の伝達を制御する電磁クラッチ117を設けることにより、給紙ユニット109の駆動を独立して制御することができる。
【0034】
また、本実施形態では、駆動軸121に保持トルクを与えるトルクリミッタ118を設けることにより、電磁クラッチ117が駆動軸121に伝達する駆動力を遮断しても繰り出しローラ123を待機位置Yに保持することができる。
【0035】
また、本実施形態では、トルクリミッタ118を用いて駆動軸121に保持トルクを与える手段を構成することにより、装置を容易に製作することができ、製作コストを低くすることができる。
【0036】
また、本実施形態では、トルクリミッタ118が2方向の回転に対応することにより、給紙ローラ120の駆動方向を制限することなく駆動軸121に保持トルクを与えることができる。
【0037】
また、本実施形態では、繰り出しローラ123を待機位置Yに保持することにより、次の原稿103を原稿台102に載置するとき、繰り出しローラ123が原稿103の挿入を妨げることを防止し、原稿103を容易に載置することができる。
【0038】
なお、本実施形態では、保持手段として両方向トルクリミッタを用い、駆動軸121の正転方向A及び逆転方向Bの回転に対して保持トルクを与えるようになっているが、さらに、駆動軸121とトルクリミッタ118との間に一方向トルクリミッタを設け、駆動軸121の正転方向Aの回転に対しては一方向トルクリミッタが空転するように構成してもよい。また、保持手段としてばね部材、電磁石等を用いて駆動軸121に所定のトルクを与えるように構成してもよい。
【0039】
図8〜10は、本実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置を示す図である。なお、以下説明する自動原稿給紙装置の概略構成は、図1〜5に基づいて説明した上述のものと同様であるので、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0040】
まず、本実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置の構成を説明する。
【0041】
図8及び9において、自動原稿給紙装置101は、各センサから検知信号を受け取り、各デバイスの動作をコントロールするコントローラ130と、原稿台102に設けられ、原稿台102上の原稿103の有無を検知してコントローラ130に検知信号を出力する原稿セットセンサ131と、画像読取部105に対して原稿の搬送方向上流側に設けられ、原稿搬送路104に沿って搬送される原稿の先後端を検出してコントローラ130に検知信号を出力するレジストセンサ132と、を備えている。
【0042】
本実施形態では、モータ115の駆動力が、駆動部材116、電磁クラッチ117等を介して、給紙ローラ120、繰り出しローラ123及び分離ローラ110に伝達されるようになっており、また、図示しない駆動部材等を介して、搬送ローラ対111、112に伝達されるようになっている。
【0043】
なお、駆動軸121に回動自在に支持されるブラケット122は、本発明における支持部材を構成している。本実施形態では、支持部材が、繰り出しローラ123の軸の両端をそれぞれ支持する2つの側板部を有する部材で構成されているが、繰り出しローラ123を駆動軸121に対して回動自在に支持するものであればよく、繰り出しローラ123の軸の一端を支持する部材、繰り出しローラ123の軸の複数箇所を支持する複数の部材等で構成してもよい。
【0044】
また、駆動軸121の回転をブラケット122に伝達するスプリングクラッチ125は、本発明における第1伝達手段を構成している。本実施形態では、第1伝達手段が、ねじりバネからなるスプリングクラッチで構成されているが、駆動軸121の回転をブラケット122に伝達するものであればよく、トルクリミッタ等で構成してもよい。
【0045】
また、モータ115の駆動力を駆動軸121に伝達する電磁クラッチ117は、本発明における第2伝達手段を構成している。
【0046】
また、繰り出しローラ123を保持するトルクリミッタ118は、本発明における保持手段を構成している。本実施形態では、保持手段が、両方向トルクリミッタで構成されているが、繰り出しローラ123を所定の位置に保持するものであればよく、繰り出しローラ123を弾性的に支持するバネ部材、繰り出しローラ123を着脱可能に係止する係止部材等で構成してもよい。
【0047】
次に、図10を用いて、本実施形態に係る自動原稿給紙装置の原稿搬送動作について説明する。なお、図10に示すフローチャートは、コントローラ130によって実行されるプログラムであり、A4縦原稿が搬送された例を示す。
【0048】
給紙動作を開始する前の待機状態では、繰り出しローラ123を含む給紙ユニット109は、駆動軸121に与えられるトルクリミッタ118の保持トルクにより待機位置Yに保持され、原稿103が原稿台102に載置できる状態を維持している。
【0049】
上記の待機状態において、まず、原稿103が原稿台102に載置されているか否か、即ち、原稿セットセンサ131がONしたか否かを判別する(ステップS21)。そして、原稿セットセンサ131がONしない場合には、処理を終了する。一方、原稿セットセンサ131がONした場合には、図示しない操作部のスタートボタンが押下され、読取スタートトリガがONしたか否かを判別し(ステップS22)、読取スタートトリガがONした場合には、電磁クラッチ117をONする(ステップS23)。
【0050】
次いで、駆動軸121が正転方向Aに回転するようにモータ115を正転駆動する(ステップS24)。このとき、モータ115の駆動力が伝達された駆動軸121が、給紙ローラ120及び繰り出しローラ123を正転方向Aに回転駆動するとともに、ブラケット122を正転方向Aに回動し、繰り出しローラ123を待機位置Yから給紙位置Xに移動する。そして、繰り出しローラ123が、原稿台102の最上位の原稿を給紙ローラ120と分離ローラ110との接合部であるニップ部まで繰り出す。
【0051】
また、モータ115の駆動力が伝達された給紙ローラ120及び分離ローラ110が、繰り出しローラ123によって繰り出された原稿を1枚に分離し、原稿搬送路104に給紙する。さらに、モータ115の駆動力が伝達された搬送ローラ対111、112が、給紙ローラ120及び分離ローラ110によって給紙された原稿を原稿搬送路104に沿って画像読取部105に搬送する。
【0052】
次いで、レジストセンサ132が原稿の先端を検知したか否か、即ち、レジストセンサ132がONしたか否かを判別し(ステップS25)、レジストセンサ132がONした場合には、モータ115を停止し(ステップS26)、電磁クラッチ117をOFFする(ステップS27)。そして、電磁クラッチ117をOFFした状態でモータ115を正転駆動し(ステップS28)、搬送ローラ対111、112が原稿を原稿搬送路104に沿って搬送し、画像読取部105が原稿の読み取りを開始する。
【0053】
次いで、ステップS25でレジストセンサ132がONしてから、原稿が所定距離αだけ搬送されたか否か、即ち、原稿が所定距離αだけ搬送されるのに要する時間が経過したか否かを判別する(ステップS29)。そして、原稿が所定距離αだけ搬送された場合には、電磁クラッチ117をONする(ステップS30)。したがって、ステップS27〜S30まで電磁クラッチ117をOFFした状態が維持される。この電磁クラッチ117をOFFした状態では、ステップS30で電磁クラッチ117をONして後続する原稿の給紙動作を開始したときに、後続する原稿の先端と先行する原稿の後端との間隙が短くなるように所定距離αが設定されている。
【0054】
例えば、A4縦原稿では、所定距離αを130mmに設定し、レジストセンサ132がONしてから、原稿が130mmだけ搬送されるのに要する時間が経過するまで電磁クラッチ117をOFFにし、原稿が130mmだけ搬送されたときに、電磁クラッチ117をONすることにより、後続する原稿の先端と先行する原稿の後端との間隙が短くなる。
【0055】
次いで、レジストセンサ132が原稿の後端を検知したか否か、即ち、レジストセンサ132がOFFしたか否かを判別する(ステップS31)。そして、レジストセンサ132がOFFした場合には、所定時間後に原稿の読み取りを終了し、モータ115を停止し(ステップS32)、電磁クラッチ117をOFFする(ステップS33)。
【0056】
次いで、後続する原稿103が原稿台102に載置されているか否か、即ち、原稿セットセンサ131がONしているか否かを判別する(ステップS34)。そして、原稿セットセンサ131がONしている場合には、モータ115を正転駆動して(ステップS35)上述したように原稿を給紙搬送し、レジストセンサ132が後続する原稿の先端を検知したか否か、即ち、レジストセンサ132がONしたか否かを判別する(ステップS36)。
【0057】
レジストセンサ132がONした場合には、ステップS36でレジストセンサ132がONしてから、原稿が所定距離αだけ搬送されたか否か、即ち、原稿が所定距離αだけ搬送されるのに要する時間が経過したか否かを判別する(ステップS37)。そして、原稿が所定距離αだけ搬送された場合には、電磁クラッチ117をONする(ステップS38)。したがって、ステップS33〜S38まで電磁クラッチ117をOFFした状態が維持される。この電磁クラッチ117をOFFした状態では、ステップS38で電磁クラッチ117をONして後続する原稿の給紙動作を開始したときに、後続する原稿の先端と先行する原稿の後端との間隙が短くなるように所定距離αが設定されている。
【0058】
次いで、レジストセンサ132が後続する原稿の後端を検知したか否か、即ち、レジストセンサ132がOFFしたか否かを判別する(ステップS39)。そして、レジストセンサ132がOFFした場合には、所定時間後に原稿の読み取りを終了し、モータ115を停止し(ステップS40)、電磁クラッチ117をOFFする(ステップS41)。
【0059】
以後、ステップS34に戻り、後続する原稿103が原稿台102からなくなるまで、ステップS34〜S41の処理を繰り返す。
【0060】
一方、ステップS34で後続する原稿103が原稿台102に載置されていない場合、即ち、原稿セットセンサ131がOFFしている場合には、電磁クラッチ117をONし(ステップS42)、モータ115を正転駆動して(ステップS43)、自動原稿給紙装置101内に残っている原稿を排紙台106に排出する。
【0061】
次いで、駆動軸121が逆転方向Bに所定角度だけ回転するようにモータ115を逆転駆動する(ステップS44)。このとき、モータ115の駆動力が伝達された駆動軸121が、ブラケット122を逆転方向Bに回動し、繰り出しローラ123を給紙位置Xから待機位置Yに移動する。そして、繰り出しローラ123が待機位置Yに移動したときに、モータ115を停止し(ステップS45)、電磁クラッチ117をOFFして(ステップS46)、処理を終了する。このように、待機位置Yに移動した繰り出しローラ123を含む給紙ユニット109は、駆動軸121に与えられるトルクリミッタ118の保持トルクにより、次の給紙動作が開始されるまで待機位置Yに保持される。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、給紙ユニットの駆動を独立して制御することができるとともに、モータ及び駆動部材の空転トルクの伝達を遮断しても繰り出しローラを待機位置に保持することができる自動原稿給紙装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置の概略側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図6】従来の自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図7】従来の自動原稿給紙装置の要部斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置を備えたファクシミリ装置の概略側面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の駆動系、センサ系のブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る自動原稿給紙装置の原稿搬送動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 ファクシミリ装置
101 自動原稿給紙装置
107 装置本体
109 給紙ユニット
110 分離ローラ
115 モータ(駆動源)
116 駆動部材
117 電磁クラッチ(伝達手段)
118 トルクリミッタ(保持手段)
120 給紙ローラ
121 駆動軸
122 ブラケット
123 繰り出しローラ
125 スプリングクラッチ(クラッチ部材)
126 側板
A 正転方向
B 逆転方向
X 給紙位置
Y 待機位置
117 電磁クラッチ(第2伝達手段)
122 ブラケット(支持部材)
125 スプリングクラッチ(第1伝達手段)

Claims (3)

  1. 原稿を給紙する給紙ローラと、該給紙ローラを回転駆動する駆動軸と、該駆動軸に回動自在に支持されるブラケットと、該ブラケットに軸支されるとともに前記給紙ローラに連動して回転駆動され、前記ブラケットの回動により原稿に当接する給紙位置と原稿から離隔する待機位置とに移動する繰り出しローラと、前記駆動軸の回転を前記ブラケットに伝達するクラッチ部材と、を備えた自動原稿給紙装置において、駆動源の駆動力を前記駆動軸に伝達する伝達手段と、前記駆動軸に所定のトルクを与える保持手段と、を備え、前記繰り出しローラが前記待機位置に移動したとき、前記伝達手段が前記駆動軸に伝達する駆動力を遮断し、前記保持手段が前記駆動軸に所定のトルクを与えて前記繰り出しローラを待機位置に保持し、前記駆動軸の端部に前記伝達手段と前記保持手段とが係止されていることを特徴とする自動原稿給紙装置。
  2. 前記保持手段が、前記駆動軸に係止するとともに装置本体に固定されるトルクリミッタからなることを特徴とする請求項1に記載の自動原稿給紙装置。
  3. 前記保持手段が、前記駆動軸の正転方向及び逆転方向の回転に対して所定のトルクを与えることを特徴とする請求項に記載の自動原稿給紙装置。
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