JP3799959B2 - フィルムシール型電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状の外装体でシールされた電池に関し、さらに詳しくは、該フィルムが融着されたつば部を有しており、そのつば部の少なくとも一部が折り曲げられている電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の薄型小型化に伴い、電池のさらなる薄型小型化が強く望まれている。発電要素をラミネートフィルム等の薄型外装材に収納した電池はそのような観点から有利な構成を持つ電池と考えられる。ラミネートフィルムは、金属箔およびシール材としての高分子樹脂層が積層されたフィルムであり、新しいタイプの電池外装材として注目されている。この種の電池においては、余分な非機能部分の体積を減らしスペース効率を高くして機器の薄型小型化に対応させるという要求と、電池内部への外気の侵入や電池内の電解液の漏洩が起きないようラミネートフィルムのシール信頼性を確保するという要求の両方がある。
【0003】
特に非水電解液を含む電池ではシール信頼性は重要な問題である。シール不良があった場合、外部からの水分の侵入により電池性能が著しく劣化する。しかも電解液は溶解性の強い有機電解液であり、これに耐えうる樹脂材料の選択の幅は狭い。こうしたことから非水電解液を含む電池のシール信頼性は、かねてより開発者を悩ませる問題であった。
【0004】
このことに対し、例えば以下に示す構成が考えられている。特開2000−58013号公報では、樹脂フィルムからなる外皮包材で扁平な矩形の発電要素の周辺をシールし、2つの長辺のシールした余分な外皮包材を内側に折り曲げた構造を有している扁平型電池が開示されている。この構成の目的は、シールした余分な外皮包材を折り曲げることにより、シール幅を広めにとってシール信頼性を確保しつつスペース効率を高めようとしたものである。
【0005】
また、特開平11−86807号公報では、プラスチック層から構成された封入袋に発電要素を封入しヒートシールして電池の形態とした後、放射線処理を施すことが記載されている。この方法の目的は、電解液の液漏れ防止である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記2つの方法を組み合わせることにより、それぞれの方法を単独に用いた場合と比べ、シール信頼性のさらなる向上とスペース効率のさらなる向上の同時達成が期待できることは容易に想到しうる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記の方法を単純に組み合わせただけでは、以下に述べる問題が生ずることがわかった。
【0007】
ラミネートフィルムで扁平な発電要素の周辺をシールすると、発電要素部分よりも薄い「つば」状のシール部が形成される。発電要素の周辺をシール後全体に電子線を照射すると、つば部のシール樹脂が架橋されて電解液耐性が向上し、つば部のシール信頼性が向上する。
【0008】
しかしこの後、特開2000−58013号公報で示されているようにつば部を折り曲げようとすると、シール樹脂が架橋され硬くなっているために曲げにくい。無理に曲げると割れを生ずることがある。架橋されていないシール樹脂は一般に柔軟性に富むため、曲げることには問題がない。しかし多量の線量の電子線を照射するなどして高度に架橋されたシール樹脂は硬くなっているため、シャープに曲げようとすると割れを生じることがある。この割れ目が電池の内部から外部につながるように形成されてしまうと、外気侵入や漏液のリークパスとなってしまう危険性もある。
【0009】
電子線の線量を適度にコントロールして照射しシール樹脂の架橋度をそれほど高くしなければ、ある程度の曲げは可能となるが、そのために電子線線量(=架橋度)を制限しなければならず、その分電解液耐性は損なわれることとなり、トレードオフの関係となる。
【0010】
また、順序を逆にしてつば部を折り曲げた後に電子線を照射することも考えられる。しかしその場合、つば部の折り曲げた面は電子線照射方向と垂直となるため、充分な電子線照射効果が得られないことになる。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、シール材としての高分子樹脂層を有するフィルムを外装材として用い、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池において、シール信頼性を確保すると共に、前記フィルムが融着されたつば部を折り曲げる際に、折り曲げやすくして割れを防ぐことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の構成とすることで、あるいは特定の方法を用いることで上記問題を解決できることを見出した。
【0013】
すなわち本発明は、シール材としての高分子樹脂層を有するフィルムを外装材として用い、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池において、該フィルムが融着されたつば部を有しており、前記つば部の少なくとも一部は折り曲げられており、つば部の折り目部分の高分子樹脂層は架橋されておらず、折り目部分を除くつば部の少なくとも一部の高分子樹脂層が架橋されていることを特徴とするフィルムシール型電池に関する。
【0014】
また、高分子樹脂層を有するフィルムを外装材とし、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池の製造方法において、該フィルムで発電要素を包んだ状態で該フィルムを融着しつば部を形成する工程と、少なくとも前記つば部の折り曲げ予定部を遮蔽した状態で、前記つば部の少なくとも一部に電子線を照射し、その後、前記折り曲げ予定部を折り曲げる工程を含むフィルムシール型電池の製造方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
図1は、本発明の一実施例としてのフィルムシール型電池を正面から見た場合の模式図である。図2は、図1の電池のA−A’で切った断面を模式的に示したものである。11〜17からなるラミネートフィルム外装材で扁平な捲回型の発電要素4の周囲がヒートシールされ発電要素4が密閉封入されている。この例では、1枚のラミネートフィルムの一部に発電要素を収納させるための凹部を金型成形によって形成し、適当な形に裁断したものを外装材として用いており、発電要素を凹部に収納した後フィルムを折り返してから周囲をヒートシールしている。12、13はラミネートフィルムのつば状のシール部である。2および3は正極リード端子および負極リード端子であり、14の位置においてラミネートフィルム外装材に挟まれるようにしてヒートシールされ密閉封止された状態で電池内部の発電要素から外部へ引き出されている。
【0016】
ラミネートフィルム外装材は少なくとも金属箔とシール材としての高分子樹脂層(以下シール樹脂層と称する)がラミネートされたものである。シール樹脂層に用いることのできる材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、マレイン酸変性ポリエチレン等の酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。シール樹脂層の膜厚としては、1〜200μm程度が好ましい。金属箔として用いることのできる材料の例としては、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル、金、銀等であり、中でもアルミニウムが特に好ましい。金属箔の膜厚としては、1〜200μm程度が好ましい。シール樹脂層と反対側の金属箔表面にポリエチレンテレフタレートやナイロン製の耐熱性樹脂層が形成されていてもよい。
【0017】
本発明においては、電子線架橋がしやすいという観点から、シール樹脂層に用いる材料として、ポリエチレン、アイオノマー、マレイン酸変性ポリエチレン等の酸変性ポリエチレンが好ましく、中でもアイオノマーは特に電子線架橋しやすく好ましい。
【0018】
図1、図2の例では、本発明に従って、ラミネートフィルム外装材のつば状のシール部12は、13の折り目に沿って折り曲げられている。シール部のラミネートフィルム外装材はヒートシールされているので、図2に示すようにシール樹脂層16、17は一体化している。ここで本発明に従って、折り目部分のシール樹脂層17は架橋されておらず、折り目部分ではないつば部のシール樹脂層16は架橋されている。ここで未架橋部13の幅、すなわち17の部分の幅としては、0.5mm〜2mm程度が好ましい。
【0019】
図1、図2の形態の電池は例えば以下のようにして製造することができる。まずラミネートフィルム外装材で発電要素の周囲をヒートシールし、つば部を折り曲げずに横に伸ばした形態にしておく。次に図3に示す形の、電子線を遮蔽するためのマスクを電池の上に設置した状態で電子線を照射する。するとつば部のうちマスクの51の部分(斜線部分)によって電子線が遮蔽された帯状の部分(図1では13の部分)のシール樹脂層17は未架橋となり、他のつば部のシール樹脂層16は電子線によって架橋される。次に未架橋部13の線に沿ってつば部を折り曲げ、図2のような形態にする。
【0020】
こうすることにより、折り目は柔軟性を維持したまま、折り目の周囲部分は硬くなるので、シャープに折り曲げやすくなる。この効果は、厚紙に針で折り曲げ予定部にケガキ線を1本または複数本つけると、その線に沿って折り曲げやすくなる効果と同じで、折り曲げ予定部が線状または帯状に柔らかくなっており、その周囲がそれより硬くなっていることから得られる効果である。
【0021】
従来知られている構成では、つば部のシール樹脂層は折り曲げ部もそうでない部分も単一の硬さとなっていたために、シャープな折り目が得られにくく、丸みを帯びた折れ曲がり方となり、スペース効率の損失につながっていた。特に、電子線照射しシール樹脂を架橋させ硬くしてからでは折り曲げにくく、無理にシャープに折り曲げようとするとシール樹脂が割れる危険性もあった。本発明ではこれらのような不都合を防止できる。
【0022】
また本形態では、電子線によりつば部のシール樹脂が架橋されているので、電解液が有機電解液であってもシール樹脂が電解液に溶解したり膨潤したりすることがなく、また高温においてもシール樹脂が溶融しにくくなり、シール信頼性、シール耐熱性が高い。
【0023】
上記の形態では、発電要素にLiPF6などのフッ化物系の電解質塩が溶解した電解液を含ませることを想定しているので、電解液が電子線で照射されてフッ酸が発生することを防止するため、発電要素部分(図1の11)を遮蔽する部分と、折り曲げ予定部(図1の13)を遮蔽するための線状の突起部分とを有する形のマスク(図3)を用いたが、本発明においては発電要素部分を遮蔽する部分を持たないマスクを用いることも可能である。その場合、マスクの形状は例えば図3の51で示された線状のものとなる。
【0024】
上記の形態では、つば部を1回折り曲げているが、もう1回折り曲げてもよい。すなわち、図2においては、つば部の根元で1回上向きに(上から見た場合谷折り方向に)折り曲げているが、つば部の中央付近でもう1回下向きに(上から見た場合山折り方向に)折り曲げてもよい。この場合2つめの折り目は180゜となるため、シャープに折り曲げやすくなるという本発明の効果がさらに有効に働く。また、図2の形態と反対側に、つば部根元で電池の裏側に180゜折り込んでもよい。この場合電池厚さは増加するが電池幅は小さくできる。
【0025】
また本発明においてつば部折り曲げ時に熱を加えてもよい。加熱することにより、架橋部と未架橋部の変形性の差がさらに大きくなるため、さらにシャープに折り曲げやすくなる。
【0026】
なお、本発明は、電池以外のフィルムシール型のデバイスやその他各種物品において利用が可能であり、電気二重層コンデンサ、電解コンデンサ、各種センサー等のフィルムシール型のデバイスにおいても、同様な効果を得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の詳細について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
<実施例1>
スピネル構造を持つマンガン酸リチウム粉末、炭素質導電性付与材、およびポリフッ化ビニリデンを90:5:5の重量比でNMPに混合分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーをドクターブレードを用いて、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に均一に塗布し、100℃で2時間真空乾燥させた。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し、真空乾燥させた。このシートをロールプレスし、正極用活物質層を形成した。理論容量は600mAhとなるようにした。
【0029】
次に、アモルファスカーボン粉末、ポリフッ化ビニリデンを91:9の重量比でNMPに混合、分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーをドクターブレードを用いて、負極集電体となる厚さ10μmの銅箔の片面に均一に塗布し、100℃2時間真空乾燥した。このとき負極層の単位面積あたりの理論容量と正極層の単位面積あたりの理論容量を1:1となるように調整した。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し真空乾燥した。このシートをロールプレスし、負極集電体の両面に接着した負極活物質層を形成した。
【0030】
これらの正極と負極の間にポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの3層構造を持つマイクロポーラスセパレーター(ヘキストセラニーズ社製、セルガード2300)を介し、楕円状の巻き芯を用いて巻き上げ、さらに熱プレスを行って薄い楕円状電極巻回体を得た。
【0031】
一方、アイオノマー樹脂層(シール材としての高分子樹脂層、厚み100μm)、アルミニウム(50μm)、ポリエチレンテレフタレート(20μm、図2には図示していない)の順に積層した構造を有するラミネートフィルムを所定の大きさに切り出し、その一部分に上記の電極巻回体の大きさに合った凹部を形成した。これを折り曲げて上記の電極巻回体を包み込み、周囲を熱融着(ヒートシール)させて図1、図2に模式的に示されるような形状のフィルム外装電池を作製した(ただしこの時点では図1、図2とは異なりつば部は横に伸びた状態である)。電極巻回体には予め正極リード2および負極リード3(まとめて電極リードとも称する)を接続しておき、ラミネートフィルムで電極巻回体の周囲をヒートシールする際に電極リードを外部に引き出した形で挟むようにしてこの部分を熱融着した。リード引出し部はラミネートフィルム折り曲げ部と対向する側とした。図1からわかるように、本電池のつば部は、電極リード取り出し辺である1辺と、そうでない2辺からなる。正極リードとしては厚さ0.1mm、幅4mmのアルミニウム製の平角導体を用い、負極リードとしては厚さ0.1mm、幅4mmのニッケル製の平角導体を用いた。最後の1辺を熱融着封口する前に電解液を電極巻回体に含浸させた。最後の1辺は電極リード熱融着部以外とした。電解液が含浸された電極巻回体は図2における発電要素4に対応する。電解液は1MのLiPF6を支持塩とし、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒(重量比50:50)を溶媒とした。
【0032】
つば部の幅(シール幅)は、リード取り出し部の辺は4.5mm、その他の辺(図1の長辺)は4mmとした。電池の厚さは3.6mmとした。
【0033】
次に、発電要素収納部を遮蔽する部分と、つば部の折り曲げ予定部を遮蔽する部分とを併せ持ったステンレス製の電子線遮蔽用マスクを準備した。このマスクは図3に示す形状のものであり、電極リード取り出し部でない2つの辺のつば部を折り曲げる際に、つば部に形成される線状の折り曲げ予定部を遮蔽するための線状の突起が設けられている。図3において、発電要素収納部を遮蔽する部分は斜線の無い部分であり、つば部の折り曲げ予定部を遮蔽する部分は斜線の部分である。マスクの厚さは5mm、突起部の幅(51で示した斜線部分の幅)は1mmとした。このマスクを上記電池の上に乗せた状態で電子線を照射した。照射量は40Mradとした。このようにして、つば部の折り曲げ予定部以外のすべてのつば部に電子線を照射し、図1の12および14の部分のシール樹脂層は架橋され、幅1mmの帯状の13の部分のシール樹脂は未架橋となった状態の電池を得た。次に13の部分を折り目としてつば部を折り曲げ、図2のような形態として、本発明のフィルムシール型電池を完成させた。
【0034】
<比較例1>
電子線を照射しなかった以外は実施例1と同様にして電池を作製した。作製した電池のつば部の折り目は、実施例1の場合に比べて丸みを帯びており、折りたたんだつば部を含めた電池の幅は実施例1の場合より若干大きかった。
【0035】
<比較例2>
図3における51の部分を省いた形のマスクを用いる以外は実施例1と同様にして電池を作製した。実施例1の場合に比べて折り曲げにくかった。実施例1の場合よりも強い力で実施例1と同等のシャープさで折り曲げたところ、折り曲げることはできたが、折り目のシール樹脂を顕微鏡観察したところ、微細なクラックが発生しているのが観測された。
【0036】
<比較例3>
電子線照射線量を5Mradとした以外は比較例2と同様に電池を作製した。比較例2の場合より折り曲げやすかった。折り目のシール樹脂を顕微鏡観察したところ、クラックは認められなかった。
【0037】
<耐熱性試験>
実施例1、比較例1、比較例3の電池を充電状態でオーブンに投入し、オーブンの温度を徐々に上昇させていくことで、高温下における漏液耐性を比較評価した。その結果、比較例1、比較例3の順で漏液が認められ、実施例1は比較例が2つとも漏液した時点でもなお漏液せずシール性を保っていた。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シール樹脂層を有するフィルムを外装材として用い、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池において、シール信頼性を確保すると共に、前記フィルムが融着されたつば部を折り曲げる際に折り曲げやすく、従来よりシャープに折り曲げることができるためスペース効率を高くすることができ、また折り曲げによるシール樹脂の割れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例としてのフィルムシール型電池を正面から見た場合の模式図である。
【図2】 図1の電池のA−A’で切った断面を模式的に示したものである。
【図3】 本発明の一実施例としてのフィルムシール型電池を製造する際に用いる電子線遮蔽用マスクを示したものである。
【符号の説明】
2 正極リード
3 負極リード
4 発電要素
5 電子線遮蔽用マスク
11 ラミネートフィルム外装材の発電要素収納部
12 ラミネートフィルム外装材のつば状シール部のシール樹脂架橋部
13 ラミネートフィルム外装材のつば状シール部のシール樹脂未架橋部
14 ラミネートフィルム外装材の電極リード封止部
15 金属箔
16 架橋されたシール樹脂
17 架橋されていないシール樹脂
18 発電要素収納部のシール樹脂
51 外装材つば部シール樹脂未架橋部形成のための部分

Claims (12)

  1. シール材としての電子線架橋性を有する高分子樹脂層を有するフィルムを外装材として用い、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池において、該フィルムが融着されたつば部を有しており、前記つば部の少なくとも一部は折り曲げられており、つば部の折り目部分の高分子樹脂層は架橋されておらず、折り目部分を除くつば部の少なくとも一部の高分子樹脂層が架橋されていることを特徴とするフィルムシール型電池。
  2. ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、酸変性ポリエチレン、又は酸変性ポリプロピレンからなる高分子樹脂層を、シール材として有するフィルムを外装材として用い、発電要素を封入してなり、該フィルムが融着されたつば部を有しており、前記つば部の少なくとも一部は折り曲げられており、つば部の折り目部分の高分子樹脂層は架橋されておらず、折り目部分を除くつば部の少なくとも一部の高分子樹脂層が架橋されていることを特徴とするフィルムシール型電池。
  3. 前記つば部の折り目に沿って、高分子樹脂層に線状に未架橋部が設けられており、その周囲のつば部の高分子樹脂層が架橋されている請求項1又は2記載のフィルムシール型電池。
  4. 前記線状の未架橋部以外の全てのつば部の高分子樹脂層が架橋されている請求項3記載のフィルムシール型電池。
  5. 前記つば部が、電極リードを挟んで融着された第一の辺と、電極リードが挟まれていない第二の辺の少なくとも二辺からなり、前記第二の辺が折り曲げられている請求項1乃至4のいずれか一項記載のフィルムシール型電池。
  6. 前記外装材が、金属箔および高分子樹脂層が積層されたラミネートフィルムである請求項1乃至5のいずれか一項記載のフィルムシール型電池。
  7. 前記フィルムシール型電池が、非水電解液を含むものである請求項1乃至6のいずれか一項記載のフィルムシール型電池。
  8. 高分子樹脂層を有するフィルムを外装材とし、発電要素を封入してなるフィルムシール型電池の製造方法において、該フィルムで発電要素を包んだ状態で該フィルムを融着しつば部を形成する工程と、少なくとも前記つば部の折り曲げ予定部を遮蔽した状態で、前記つば部の少なくとも一部に電子線を照射し、その後、前記折り曲げ予定部を折り曲げる工程を含むフィルムシール型電池の製造方法。
  9. 線状の遮蔽物で前記折り曲げ予定部を遮蔽する請求項8記載のフィルムシール型電池の製造方法。
  10. 前記折り曲げ予定部以外の全てのつば部に電子線を照射する請求項9記載のフィルムシール型電池の製造方法。
  11. 前記つば部の折り曲げ予定部とともに前記発電要素部分も遮蔽した状態で電子線を照射する請求項8乃至10のいずれか一項記載のフィルムシール型電池の製造方法。
  12. 前記発電要素部分を遮蔽する部分と、前記折り曲げ予定部を遮蔽する部分とを有する遮蔽物を設置して電子線を照射する請求項11記載のフィルムシール型電池の製造方法。
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