JP3799466B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの排ガス中の有害成分を除去する排ガス浄化用触媒に関し、詳しくはジルコニアを含む担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車や工場などから排出される排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx )などの環境に及ぼす悪影響が問題となり、これらの有害物質を浄化するために各種の排ガス浄化用触媒が用いられている。
【0003】
自動車用の排ガス浄化用触媒としては、例えばアルミナなどの担体にPtを始めとする貴金属を担持した三元触媒、アルミナなどの担体にアルカリ金属やアルカリ土類金属などのNOx 吸蔵材と貴金属を担持したNOx 吸蔵還元触媒、ゼオライトなどのHC吸着材に貴金属を担持した酸化触媒などがあり、日進月歩の開発が進められている。
【0004】
例えば三元触媒は、排ガス中の酸化成分と還元成分とが化学量論的に等しいストイキ雰囲気において最大の浄化性能が発現するように設計され、HC及びCOを酸化して浄化するとともにNOx を還元して浄化するものである。
【0005】
この三元触媒の担体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどの無機酸化物が用いられ、貴金属としては活性の高いPtが主として用いられている。また助触媒としてセリアを担体の一部に用いることも知られ、その酸素吸蔵放出能により排ガス雰囲気の変動が緩和され浄化性能が向上することも知られている。またセリアージルコニア複合酸化物を用いれば、耐熱性が向上し酸素吸蔵放出能の熱安定性が向上することも知られている。したがってセリアを用いる場合には、担体にジルコニアを用いることも好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の排ガス温度の上昇に伴い、排ガス浄化用触媒の熱安定性をさらに向上させることが望まれている。ところがジルコニアを担体としそれに貴金属を担持した排ガス浄化用触媒においては、高温の耐久試験を行うとPtを代表とする貴金属に粒成長が生じて浄化活性が低下するという不具合があった。そしてジルコニアにさらにセリアを含む担体を用いると、この貴金属の粒成長という現象がより顕著となることもわかった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ジルコニアを少なくとも一部に含む担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒において、貴金属の粒成長を抑制することで耐熱性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、セリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアとを含みセリアを含まない担体と、担体に担持された貴金属とよりなり、担体中の希土類元素とジルコニウムの割合は原子比(希土類元素/Zr)の値が1を超え9以下の範囲にあることにある。
【0010】
また上記排ガス浄化用触媒をさらに具体化する排ガス浄化用触媒の特徴は、希土類元素はイットリウムであることにある。
【0011】
この排ガス浄化用触媒の場合には、担体が固溶体であることが特に望ましい。
【0012】
さらに上記した本発明の排ガス浄化用触媒において、貴金属は少なくともPtを含むことが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒では、担体はセリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアとから構成されている。このように、ジルコニアにセリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物を混合することにより、高温下で使用しても貴金属の粒成長が抑制され耐久性が向上する。このようになる理由は明らかではないが、Zr及び希土類元素が貴金属に固溶して合金化し、これにより貴金属の再結晶温度が高くなるため粒成長が抑制されると考えられる。
【0014】
一方、セリアを用いた担体では、排ガス中の酸化・還元が繰り返し生じる雰囲気においては、酸素分圧によりセリウムの3価と4価の価数変動が容易に起こり、担体の結晶構造に変化が生じる。そして結晶構造の変化に伴って担体にシンタリングが生じると考えられる。
【0015】
そのためセリアを含む担体に貴金属を担持した排ガス浄化用触媒では、高温の排ガス中での使用中に担体にシンタリングが生じ、それと共に貴金属に粒成長が生じるため浄化性能が低下すると考えられ、実際の試験においても浄化性能の耐久性に劣る。したがって本発明では希土類元素からセリウムを除くこととした。
【0016】
セリウムを除く希土類元素としては、イットリウム(Y)、スカンジウム(Sc)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)など希土類元素として分類される16種の元素を利用できるが、中でもYが特に優れた効果を示す。
【0017】
本発明の排ガス浄化用触媒において、担体中の希土類元素とジルコニウムの割合は、原子比(希土類元素/ Zr )の値が1を超え9以下の範囲にある。原子比(希土類元素/ Zr )の値が1を超え3以下の範囲が特に好ましい。また希土類元素がYの場合には、原子比(Y/ Zr )の値が1を超え4以下の範囲にあることが特に望ましい。希土類元素がこの範囲より少ないと貴金属のシンタリングを抑制する効果が低下し、希土類元素がこの範囲より多くなると希土類元素の影響が過大となって担体の耐熱性が低下する。
【0018】
なお本発明の排ガス浄化用触媒において、セリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアとから担体全体を構成してもよいし、セリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアと他の酸化物とを混合して担体としてもよい。他の酸化物としては、アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどが例示される。
【0019】
セリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアとは、単なる混合状態であってもよいが、固溶体の状態であることが特に望ましい。これにより貴金属の粒成長を一層抑制することができる。またこの担体を製造するには、酸化物粉末どうしを混合する固相法、共沈法やゾルゲル法などの液相法、あるいは気相法など特に制限されない。
【0020】
上記担体に担持される貴金属としては、Pt、Pd、Rh、Irなどから選択されるが、活性の高いPtを用いるのが好ましい。またPtは粒成長を特に起こしやすいので、本発明の効果が一層顕著に現れる。
【0021】
貴金属の担持量としては、担体に対して0.05〜10重量%の範囲とすることが望ましい。担持量が0.05重量%未満では十分な浄化性能が得られず、10重量%を超えて担持しても浄化性能が飽和し余分な貴金属が無駄となってしまう。
【0022】
また上記担体に上記貴金属を担持するには、吸着担持法、吸水担持法など公知の方法を利用することができる。希土類元素酸化物とジルコニアとからなる混合担体粉末に貴金属を担持した触媒粉末を用いて所定形状の排ガス浄化用触媒を形成してもよいし、希土類元素酸化物とジルコニアとからなる担持層をもつ所定形状の担体に貴金属薬液を用いて貴金属を担持してもよい。
【0023】
さらに本発明の排ガス浄化用触媒は、上記担体に貴金属を担持した触媒粉末を成形してペレット触媒としてもよいし、コーディエライトあるいは金属箔などから形成されたハニカム形状の担体基材に上記触媒粉末からなるコート層を形成したモノリス触媒とすることもできる。また本発明の排ガス浄化用触媒は貴金属のシンタリングを抑制できるだけでなく耐硫黄被毒性に優れるため、三元触媒として利用できるほか、さらにアルカリ金属やアルカリ土類金属よりなるNOx 吸蔵材を担持してNOx 吸蔵還元型触媒としてもよいし、HC吸着能を有するゼオライト粉末などを混合して酸化触媒として用いることもできる。
【0024】
そして本発明の排ガス浄化用触媒によれば、使用される雰囲気に関わらずPtの熱によるシンタリングが抑制され、三元触媒、NOx 吸蔵還元型触媒あるいはディーゼル用触媒などあらゆる使用条件において効果が得られる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例、参考例、比較例及び試験例により本発明を具体的に説明する。
【0026】
(参考例1)
硝酸イットリウムと硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で0.25/0.75となるように混合した水溶液を調製し、撹拌しながらアンモニア水を滴下・中和して沈殿を生成した。得られた沈殿を濾過・洗浄し、乾燥後大気中にて 400℃で5時間焼成してイットリア−ジルコニア粉末を調製した。得られた粉末をX線回折分析したところ、イットリア及びジルコニアの単独相によるピークは観察されず、複合酸化物となっていると考えられる。
【0027】
このイットリア−ジルコニア粉末を蒸留水中に混合して撹拌した後、ジニトロジアンミン白金水溶液を金属Ptに換算してイットリア−ジルコニア粉末に対して1.67重量%となるように加え、 150℃にて蒸発・乾固してPtを担持した触媒粉末を調製した。
【0028】
得られた触媒粉末をプレス成形し、 0.5〜1mmサイズにペレット化して、参考例1のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0029】
(参考例2)
硝酸イットリウムと硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で 0.5/ 0.5となるように混合した水溶液を用いたこと以外は参考例1と同様にしてイットリア−ジルコニア粉末を調製し、それを用いたこと以外は参考例1と同様にして参考例2のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0030】
(実施例1)
硝酸イットリウムと硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で0.75/0.25となるように混合した水溶液を用いたこと以外は参考例1と同様にしてイットリア−ジルコニア粉末を調製し、それを用いたこと以外は参考例1と同様にして実施例1のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0031】
(比較例1)
イットリア−ジルコニア粉末に代えて市販のジルコニア粉末を用いたこと以外は参考例1と同様にして、比較例1のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0032】
(比較例2)
イットリア−ジルコニア粉末に代えて市販のイットリア粉末を用いたこと以外は参考例1と同様にして、比較例2のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0033】
(比較例3)
硝酸セリウムと硝酸ジルコニウムをCe/Zr(原子比)で0.25/0.75となるように混合した水溶液を調製し、撹拌しながらアンモニア水を滴下・中和して沈殿を生成した。得られた沈殿を濾過・洗浄し、乾燥後大気中にて 400℃で5時間焼成してセリア−ジルコニア粉末を調製した。得られた粉末をX線回折分析したところ、セリア及びジルコニアの単独相によるピークは観察されず、複合酸化物となっていると考えられる。
【0034】
そしてイットリア−ジルコニア粉末に代えて、上記セリア−ジルコニア粉末を用いたこと以外は参考例1と同様にして、比較例3のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は1.67重量%である。
【0035】
(試験・評価)
上記した参考例、実施例及び比較例のペレット触媒のそれぞれに対して、表1に示すガスAとガスBを入りガス温度 900℃で5分毎に切り替えて10時間流通させる耐久試験を行った。なおHCとしてはプロピレンを用いている。
【0036】
【表1】
【0037】
耐久試験後のそれぞれのペレット触媒をX線回折分析し、Ptの粒径を測定した。粒径はScherrerの式:t=kλ/(Bcosθ)により求めた。ここで、tは粒子径、kは定数( 0.9)、λはX線の波長、BはX線回折におけるピークの半値幅、θは回折角である。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表2より、実施例1の触媒は比較例に比べて耐久試験後のPtの粒子径が小さく、粒成長が抑制されていることがわかり、これは担体にイットリア−ジルコニア粉末を用いた効果であることが明らかである。また比較例どうしを比較すると、比較例3の触媒が最もPtの粒子径が大きく、セリアを含むことで粒成長が一層促進されていることがわかる。
【0040】
次に耐久試験後の参考例、実施例及び比較例1のペレット触媒について、それぞれ表3に示す評価ガスを流通させ、 600℃から 100℃まで降温させながらHC、NOx 及びCOの浄化率を連続的に測定した。そして得られたデータからHC、NOx 及びCOの50%浄化温度を算出し、結果を表4及び図1に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
図1及び表4より、実施例の触媒は比較例1に比べて耐久試験後の浄化性能が格段に向上し、これはジルコニアにイットリアを複合化した担体を用いた効果であることが明らかである。
【0044】
そして表2と表4を対比すると、50%浄化温度とPt粒子径との間には密接な相関関係があることがわかる。すなわち実施例の触媒が耐久試験後にも高い浄化性能を示すのは、Ptの粒成長が抑制されたことに起因していると考えられる。
【0045】
したがって実施例の排ガス浄化用触媒は、高温下で使用された場合にもPtの粒成長が抑制されているので、浄化性能の耐久性に優れている。
【0046】
(試験例)
硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)が種々の割合となるように混合して複数種の水溶液を調製し、撹拌しながらそれぞれアンモニア水を滴下・中和して沈殿を生成した。得られたそれぞれの沈殿を 400℃で5時間焼成してそれぞれのイットリア−ジルコニア粉末を調製した。
【0047】
得られたそれぞれの粉末についてX線回折分析を行い、結果を図2に示す。図2より、イットリアが増加するにつれてCubic-ZrO2のd(200)とd(311)が連続的に大きくなっていることがわかり、この粉末はイットリア−ジルコニア固溶体であることが明らかである。
【0048】
(参考例3)
硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で1/6(Yが14%)となるように混合した水溶液を調製し、撹拌しながらアンモニア水を滴下・中和して沈殿を生成した。得られた沈殿を乾燥後大気中にて 400℃で5時間焼成してイットリア−ジルコニア粉末を調製した。
【0049】
このイットリア−ジルコニア粉末を蒸留水中に混合して撹拌した後、ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を金属Ptに換算してイットリア−ジルコニア粉末に対して 0.2重量%となるように加え、蒸発・乾固後 500℃で2時間大気中で焼成してPtを担持した触媒粉末を調製した。
【0050】
得られた触媒粉末を圧粉成形し、 0.5〜1mmサイズにペレット化して、参考例3のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は 0.2重量%である。
【0051】
(参考例4)
硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で1/2(Yが33%)となるように混合したこと以外は参考例3と同様にして、参考例4のペレット触媒を調製した。
【0052】
(実施例2)
硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムをY/Zr(原子比)で3/2(Yが66%)となるように混合したこと以外は参考例3と同様にして、実施例2のペレット触媒を調製した。
【0053】
(比較例4)
イットリア−ジルコニア粉末に代えて市販のγ−アルミナ粉末を用いたこと以外は参考例3と同様にして、比較例4のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は0.83重量%である。
【0054】
(比較例5)
硝酸イットリウムとオキシ硝酸ジルコニウムの混合水溶液の代わりにオキシ硝酸ジルコニウム水溶液のみ(Yが0%)を用いたこと以外は参考例3と同様にして、比較例5のペレット触媒を調製した。Ptの担持量は 0.2重量%である。
【0055】
(試験・評価)
参考例3〜4、実施例2及び比較例4〜5のペレット触媒について、ストイキ−リーンを10分間ずつ交互に繰り返す排ガス雰囲気中に 900℃で10時間保持する耐久試験をそれぞれ行った。そしてX線回折とCO吸着法によりPtの粒径と分散度をそれぞれ測定し、結果を表5に示す。ちなみに、耐久試験前のPtの粒径は1nmである。なお表5における*印は、担体へのX線吸収のため十分な回折強度が得られず測定不能であったことを示している。
【0056】
【表5】
【0057】
表5より、実施例のペレット触媒では、比較例に比べて耐久試験後もPtの粒径が小さく、粒成長が抑制されていることが明らかである。また参考例との比較より、実施例2が特にPtの粒成長抑制効果に優れ、Y/Zr(原子比)は1を超えることが好ましいことがわかる。
【0058】
次に、耐久試験後の各触媒について、ストイキ雰囲気下、空間速度SV=22万〜24万にて 550℃から 100℃まで速度10℃/分で降温させたときのHC、CO及びNOx の50%浄化温度をそれぞれ測定し、結果を図3に示す。
【0059】
図3より、実施例のペレット触媒は比較例に比べて耐久試験後も高い浄化性能を維持していることがわかり、これはPtの粒成長が抑制されたことに起因していることが明らかである。また参考例との比較から、実施例2が特に高い浄化性能を示し、Y/Zr(原子比)は1を超えることが好ましいことがわかる。
【0060】
(実施例3)
実施例2で調製されたイットリア−ジルコニア粉末 200gと、ジルコニアゾル(ZrO2:10重量%)65.7gと、水97gを混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いて定法によりコーディエライトからなる容量35ccのハニカム状テストピースにコート層を形成した。コート量は、テストピース1リットル当たり 522gである。
【0061】
次にコート層が形成されたテストピースをジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に浸漬し、引き上げて乾燥・焼成して、テストピース1リットル当たり1gのPtを担持してモノリス触媒とした。
【0062】
(比較例6)
アルミナ粉末 100gと、40重量%硝酸アルミニウム水溶液47gと、ベーマイト粉末3gと、水 108gを混合してスラリーを調製し、このスラリーを用いて実施例3と同様にコート層を形成した。コート量は、テストピース1リットル当たり 120gである。そして実施例3と同様にテストピース1リットル当たり1gのPtを担持してモノリス触媒とした。
【0063】
(試験・評価)
実施例3及び比較例6のモノリス触媒について、ストイキ−リーンを5分間ずつ交互に繰り返す排ガス雰囲気中に 900℃で10時間保持する耐久試験をそれぞれ行った。そして耐久試験後の各触媒について、ストイキ雰囲気下、空間速度SV= 8.7万にて 100℃から 500℃まで速度6℃/分で昇温させたときのHC、CO及びNOx の50%浄化温度をそれぞれ測定し、結果を図4に示す。
【0064】
図4より、実施例3の触媒は耐久試験後も高い浄化性能を示し、モノリス触媒としてもペレット触媒と同様の結果が得られた。
【0065】
(参考例5)
参考例4で調製されたイットリア−ジルコニア粉末 300ccを蒸留水中に混合して撹拌した後、所定濃度ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液の所定量を加え、 150℃にて蒸発・乾固後 500℃で2時間大気中で焼成して1gのPtを担持した。次に所定濃度の硝酸ロジウム水溶液の所定量を加え、蒸発・乾固後 300℃で2時間大気中で焼成して 0.1gのRhを担持して触媒粉末を調製した。
【0066】
得られた触媒粉末を圧粉成形し、 0.5〜1mmサイズにペレット化して、参考例5のペレット触媒を調製した。
【0067】
(参考例6)
Rhの担持量を0.05gとしたこと以外は参考例5と同様にして、参考例6のペレット触媒を調製した。
【0068】
(比較例7)
イットリア−ジルコニア粉末に代えてアルミナ粉末を用いた以外は参考例5と同様にして、比較例7のペレット触媒を調製した。
【0069】
(比較例8)
イットリア−ジルコニア粉末に代えてアルミナ粉末を用いたこと、及びRhの担持量を0.05gとしたこと以外は参考例5と同様にして、比較例8のペレット触媒を調製した。
【0070】
(試験・評価)
参考例5〜6及び比較例7〜8のペレット触媒について、ストイキ−リーンを5分間ずつ交互に繰り返す排ガス雰囲気中に 900℃で10時間保持する耐久試験をそれぞれ行った。そして耐久試験後の各触媒について、ストイキ雰囲気下、空間速度SV=15万〜16万にて 100℃から 500℃まで速度12℃/分で昇温させたときのHC浄化率を測定した。結果を図5に示す。また図5から50%浄化温度を読み取り、結果を表6に示す。
【0071】
【表6】
【0072】
図5及び表6より、各参考例の触媒は耐久試験後も高い浄化性能を示し、貴金属の粒成長抑制効果が奏されていることが明らかである。
【0073】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、ジルコニアを用いながら耐久試験後の浄化性能を向上させることができ、高温排ガス中での使用時の浄化性能の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、参考例1〜2及び比較例1の排ガス浄化用触媒のHC、NOx 及びCOの50%浄化温度を示すグラフである。
【図2】イットリア−ジルコニアの固溶体図である。
【図3】本発明の実施例2、参考例3〜4及び比較例4〜5の排ガス浄化用触媒のHC、NOx 及びCOの50%浄化温度を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例3及び比較例6の排ガス浄化用触媒のHC、NOx 及びCOの50%浄化温度を示すグラフである。
【図5】参考例5〜6及び比較例7〜8の排ガス浄化用触媒のHC浄化率を示すグラフである。
Claims (4)
- セリウムを除く希土類元素の少なくとも一種の酸化物とジルコニアとを含みセリアを含まない担体と、該担体に担持された貴金属とよりなり、該担体中の希土類元素とジルコニウムの割合は原子比(希土類元素/Zr)の値が1を超え9以下の範囲にあることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
- 前記希土類元素はイットリウムである請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記担体が固溶体である請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記貴金属は少なくともPtを含む請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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