JP3788838B2 - 無線通信機能を有する携帯形情報機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、無線機および電子手帳としての機能を兼ね備えた携帯形情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子手帳のような個人情報を管理する携帯形情報機器は、携帯性が重要視されるために、スーツのポケットに収容し得るような大きさを目安として設計されている。この主の携帯形情報機器は、偏平な箱状をなす筐体を備えており、この筐体の内部には、液晶表示装置が収容されている。液晶表示装置は、アドレス、スケジュールあるいはカレンダのような個人情報を表示するための表示面を有している。
【0003】
従来の携帯形情報機器では、使い易い操作性を実現するため、ペンによる手書き入力方式が採用されている。この手書き入力を実現するため、上記液晶表示装置の表示面上には、タブレットが重ねて配置されている。タブレットは、ガラス製の入力面を有し、この入力面が上記筐体の上面に露出されている。そして、入力面上には、電源のON・OFF、機能および表示モードの切換えを行なう各種のアイコンを含む操作系が配置されている。そのため、入力面上の所望のアイコンをペンで押圧したり、入力面上の所定のエリアに文字や図形等の情報を手書き入力することにより、多彩な編集あるいは入力操作を行なえるようになっている。
【0004】
従来の携帯形情報機器は、入力面の傷つきや汚れを防止するための保護カバーを備えている。保護カバーは、不透明な合成樹脂材料にて構成され、上記入力面と略同じ大きさを有している。この保護カバーは、上記入力面を覆う第1の位置と、上記入力面を露出させる第2の位置とに亘って回動可能に上記筐体に支持されている。そのため、ペンによる入力操作は、保護カバーを第1の位置から第2の位置に向けて回動させ、入力面を筐体の外方に露出させた状態で行なわれるようになっている。
【0005】
ところで、このような携帯形情報機器において、最近、無線通信手段を内蔵し、通信機能を強化した製品が開発されている。この無線通信手段は、通信用のアンテナ、マイクおよびレシーバを有している。マイクおよびレシーバは、筐体の上面において、上記入力面を挟んだ両側に振り分けて配置されており、上記保護カバーが第1の位置に回動されている状態においても、この保護カバーで覆われることなく上記筐体の上面に露出されている。
【0006】
また、上記入力面には、無線通信手段を操作するアイコンが配置されている。そのため、通信用のアイコンをペンで押圧すれば、無線通信手段が起動され、携帯形情報機器を携帯電話あるいは無線機として使用し得るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の携帯形情報機器によると、入力面を保護する保護カバーは、不透明な合成樹脂材料にて構成されている。このため、保護カバーを第1の位置に回動させた状態では、保護カバーによって入力面が覆い隠されてしまい、この入力面に表示されている情報を見ることができなくなる。
【0008】
したがって、入力面に表示された情報を見るためには、その都度、保護カバーを第1の位置から第2の位置に回動させ、入力面を筐体の外方に露出させる必要がある。この結果、保護カバーが入力面に表示された情報を見る上での妨げとなることがあり、操作性を高める上でいま一歩改善の余地が残されている。
【0011】
本発明の目的は、カバーを第2の位置に移動させることなく、表示面上に表示された情報を見ることができ、使い易い操作性を実現できるとともに、スライダをスライドさせるだけの操作でヒンジユニットを筐体やカバーから取り外すことができる携帯形情報機器を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る携帯形情報機器は、
上面および下面を有する筐体と、
この筐体に収容され、上記上面に露出される情報の表示面を含む表示部と、
上記筐体に収容され、通信用のアンテナ、マイクおよびレシーバを有する無線通信手段と、
上記表示面と向かい合う透明な窓部を有するカバーと、
上記カバーを上記筐体に移動可能に支持するヒンジユニットと、を備えており、
上記無線通信手段のマイクおよびレシーバは、上記筐体の上面において上記表示面を間に挟んだ両側に振り分けて配置されるとともに、上記カバーで覆われることなく上記筐体の上面に露出するように配置され、
上記カバーは、上記表示面を覆う第1の位置と、上記表示面を露出させる第2の位置と、上記筐体の下面に重なり合う第3の位置とに亘って移動可能であり、上記第1の位置に移動した時に上記カバーの窓部が上記表示面と向かい合う携帯形電子機器であって、
上記ヒンジユニットは、
(i) 第1および第2の端壁を有するヒンジケースと、
(ii) 上記ヒンジケースの第1の端壁から突出し、上記筐体および上記カバーに夫々回動可能に嵌合する第1および第2の凸部と、
(iii) 上記ヒンジケースに収容され、上記第1および第2の凸部と同軸状をなす第1および第2の軸部を有するスライダと、を含み、
上記スライダは、上記第1および第2の軸部が上記ヒンジケースの上記第2の端壁を貫通して上記筐体および上記カバーに夫々回動可能に嵌合する第1のスライド位置と、上記第1および第2の軸部が上記筐体および上記カバーから離脱するように上記ヒンジケースの内側に引っ込む第2のスライド位置とに亘ってスライド可能に上記ヒンジケースに支持され、上記スライダを上記第2のスライド位置にスライドさせることで、上記ヒンジユニットと上記筐体および上記ヒンジユニットと上記カバーとの連結が解除されることを特徴としている。
【0013】
このような構成の携帯形情報機器において、カバーを第1の位置に移動させると、このカバーによって表示面が覆われる。この時、カバーの透明な窓部が表示面と向かい合うので、この窓部を通じて表示面を筐体の外方に露出させることができる。
この結果、カバーを第2の位置に移動させなくとも、表示面上に表示された情報を確認したり閲覧することができ、機器の使い勝手が良好となる。
さらに、スライダを第1のスライド位置から第2のスライド位置にスライドさせることで、ヒンジユニットをカバーや筐体から簡単に取り外すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、個人情報を管理する電子手帳に適用した図面にもとづいて説明する。
図1は、無線通信機能を装備した電子手帳1を示している。この電子手帳1は、合成樹脂製の筐体2を備えている。筐体2は、電子手帳1の幅方向(左右方向)に延びる長軸Aと、奥行き方向に延びる短軸Bとを有する偏平な箱状をなしている。この筐体2は、スーツのポケットに収容し得るような大きさに形成されている。
【0023】
図1、図2および図9に示すように、筐体2は、底壁3と、この底壁3と向かい合う上壁4と、これら底壁3、上壁4に連なる左右の側壁5a,5b,前壁6および後壁7とを備えている。
【0024】
筐体2は、ベース10と、このベース10に連なるベースカバー11とで構成されている。ベース10は、上記底壁3と、この底壁3の外周縁部に連なる周壁10aとを有している。この底壁3の下面は、凹凸のない平坦面となっている。ベースカバー11は、上記上壁4と、この上壁4の外周縁部に連なる周壁11aとを有している。これらベース10とベースカバー11とは、複数のねじ12を介して結合されている。この結合により、上記周壁10a,11aが互いに連続し、上記筐体2の側壁5a,5b、前壁6および後壁7を構成するようになっている。
【0025】
図9および図14に示すように、筐体2の上壁4は、矩形状の開口部13を有している。この開口部13は、筐体2の長軸Aの方向に延びる長方形状をなしている。筐体2の上壁4は、開口部13の左側に位置された左端部4aと、開口部13の右側に位置された右端部4bとを有している。上壁4の左端部4aおよび右端部4bは、夫々平坦な上面を有している。この上壁4の左端部4aは、上壁4の右端部4bよりも僅かに上方に張り出している。
【0026】
図9や図13に示すように、上記ベース10の左端部には、バッテリ収容部14が形成されている。バッテリ収容部14は、筐体2の底壁3、左側の側壁5aおよび前壁6に連続して開放するような凹所にて構成されている。バッテリ収容部14には、電子手帳1の駆動用電源となるバッテリパック15が取り外し可能に収容されている。このバッテリパック15は、第1のバッテリカバー16により覆われている。第1のバッテリカバー16は、上記ベース10に取り外し可能に支持されている。
【0027】
上記ベース10の底壁3には、第1のロックレバー17が配置されている。第1のロックレバー17は、第1のバッテリカバー16をベース10にロックするためのもので、上記底壁3の下面に露出されている。第1のロックレバー17は、第1のバッテリカバー16に係合するロック位置と、この第1のバッテリカバー16から離脱されるロック解除位置とに亘ってスライド可能に上記底壁3に支持されている。
【0028】
図8や図9に示すように、筐体2の内部には、合成樹脂製のフレーム18が収容されている。フレーム18は、ベースカバー11の内側にきっちりと嵌まり込むような大きさを有している。このフレーム18は、一本のねじ19を介してベースカバー11に固定されている。
【0029】
フレーム18は、ベース10の底壁3と向かい合う下面18aと、ベースカバー11の上壁4と向かい合う上面18bとを備えている。フレーム18の下面18aには、メインの回路基板20が一対のねじ21を介して支持されている。回路基板20は、筐体2の前壁6に沿う前縁部と、筐体2の後壁7に沿う後縁部と、筐体2の右側の側壁5bに沿う側縁部とを有している。
【0030】
回路基板20の下面18aの前端部には、図13に示すようなイヤホーンジャック22が実装されている。イヤホーンジャック22は、イヤホーン23のプラグ23aが取り外し可能に接続されるもので、上記筐体2の前壁6に露出されている。
【0031】
回路基板20の下面18aの後端部には、RS232C規格のケーブル24が接続されるインタフェースコネクタ25と、上記バッテリパック15を充電するためのプラグ26が接続される電源コネクタ27と、赤外線通信用の発光部28とが実装されている。これらコネクタ25,27および発光部28は、筐体2の幅方向に間隔を存して並べられているとともに、夫々上記筐体2の後壁7を通じて外方に露出されている。そして、後壁7を構成するベース10の周壁10aには、上記インタフェースコネクタ25および電源コネクタ27を開閉可能に覆う一対のコネクタカバー29a,29bと、発光部28を覆うカバー30とが支持されている。
【0032】
図9に示すように、上記筐体2の内部には、カード収容部31が形成されている。カード収容部31は、回路基板20の下面とベース10の底壁3との間に形成され、上記筐体2の右端部に位置されている。このカード収容部31は、カードスロット32を備えている。カードスロット32は、ベース10の右側の周壁10bに開口されている。このベース10には、カードスロット32を開閉するカードカバー33が支持されている。
【0033】
カード収容部31は、メモリ用のソリッドステートフロッピーディスクシステムを装備している。このソリッドステートフロッピーディスクシステムは、カード形電子部品としてのソリッドステートフロッピーディスクカード35(以下SSFDCと称する)と、このSSFDC35が取り外し可能に接続されるカードアダプタ36とを備えている。
【0034】
図1に示すように、上記SSFDC35は、矩形状をなす合成樹脂製のベースカード37を有している。ベースカード37は、幅37mm、長さ45mm、厚さ0.82mmの寸法を有し、通常のPCMCIAカードよりも遥かに小型化されている。
【0035】
図12に示すように、ベースカード37は、その前半部に凹部37aを有している。この凹部37aには、一括消去型のEEPROM、いわゆるフラッシュメモリ38が収容されている。フラッシュメモリ38は、情報を読み出しおよび書き込みするための複数の接触端子39を有している。これら接触端子39は、ベースカード37の表面に露出され、かつこの表面と略同一面上に位置されている。ベースカード37の表面には、書き込み禁止機能を有する円形のシール40が貼り付けられている。このシール40は、導電性と光反射性とを兼ね備えている。
【0036】
図10、図11および図13に示すように、上記カードアダプタ36は、回路基板20の下面に実装されている。カードアダプタ36は、上記カードスロット32と向かい合っている。このカードアダプタ36は、SSFDC35が差し込まれる溝状の挿入口41を有している。この挿入口41の内部には、SSFDC35の接触端子39に接する複数の接触ピン(図示せず)と、SSFDC35のシール40に接する一対の短絡ピン(図示せず)とが配置されている。接触ピンは、回路基板20上の書き込み・読み出し回路に電気的に接続されている。短絡ピンは、回路基板20上の書き込み禁止回路に電気的に接続されている。
【0037】
カードアダプタ36は、SSFDC35を排出するためのイジェクタ42を装備している。イジェクタ42は、上記挿入口41に挿入される押圧片43を備えている。押圧片43は、上記カードスロット32とは反対側から上記挿入口41に挿入されており、上記SSFDC35の挿入先端部に接している。このイジェクタ42は、上記挿入口41にSSFDC35を挿入した時に、このSSFDC35によって挿入口41から押し出される第1の位置(図10を参照)と、SSFDC35をカードスロット32に向けて押圧する第2の位置(図11を参照)とに亘ってスライド可能に上記カードアダプタ36に支持されている。
【0038】
イジェクタ42は、上記ベース10の底壁3に隣接されている。この底壁3には、操作レバー45が配置されている。操作レバー45は、上記底壁3の下面に露出される指掛け部45aを有し、この操作レバー45の一端部は、上記イジェクタ42に接している。そのため、操作レバー45は、イジェクタ42を第1の位置にスライドさせる第1のスライド位置と、イジェクタ42を第2の位置にスライドさせる第2のスライド位置とに亘ってスライド可能に上記底壁3に支持されている。
【0039】
図2に示すように、筐体2の底壁3には、第2のロックレバー47が配置されている。第2のロックレバー47は、上記操作レバー45を第1の位置にロックするためのもので、上記底壁3の下面に露出されている。第2のロックレバー47は、上記操作レバー45が上記第1の位置にスライドされている時に、この操作レバー45に係合するロック位置と、この操作レバー45から離脱されるロック解除位置とに亘ってスライド可能に上記底壁3に支持されている。
【0040】
このため、第2のロックレバー47をロック解除位置にスライドさせると、この第2のロックレバー47と操作レバー45との係合が解除され、操作レバー45を第1の位置から第2の位置に向けてスライドさせることができる。この操作レバー45のスライドにより、SSFDC35がカードアダプタ36の挿入口41から押し出され、カードスロット32を通じて筐体2の外方に排出される。
【0041】
SSFDC35をカードアダプタ36の挿入口41から押し出す場合に、SSFDC35と回路基板20上の書き込み・読み出し回路との電気的な接続が解除されていないと、SSFDC35に記憶された情報が消去されたり、破壊されることがあり得る。このため、本実施形態の場合は、上記第2のロックレバー47にSSFDC35と書き込み・読み出し回路との電気的な接続をON・OFFするスイッチとしての機能が付与されている。
【0042】
すなわち、図13に示すように、上記回路基板20は、上記第2のロックレバー47と向かい合う部分に一対の導通パターン49a,49bを有している。導通パターン49a,49bは、上記書き込み・読み出し回路およびカードアダプタ36の接触ピンに接続されている。これら導通パターン49a,49bは、第2のロックレバー47のスライド方向に間隔を存して配置され、互いに電気的に絶縁されている。
【0043】
図3に示すように、第2のロックレバー47には、金属製の接触片50が取り付けられている。接触片50は、第2のロックレバー47がロック位置にスライドされている時に、上記導通パターン49a,49bに接触し、これら導通パターン49a,49bを電気的に導通させている。そのため、第2のロックレバー47がロック位置にスライドされている限り、SSFDC35と上記書き込み・読み出し回路とが電気的に接続された状態に維持されるようになっている。
【0044】
SSFDC35をカードアダプタ36から排出するに当たって、第2のロックレバー47をロック位置からロック解除位置にスライドさせると、接触片50が導通パターン49a,49bから離脱する。そのため、SSFDC35と書き込み・読み出し回路との電気的な接続が自動的に解除され、SSFDC35に記憶された情報の消去や破壊が阻止されるようになっている。
【0045】
図13に示すように、回路基板20の下面には、上記バッテリパック15が取り外し可能に接続されるバッテリコネクタ53が実装されている。バッテリコネクタ53は、回路基板20上の電源回路に電気的に接続されている。
【0046】
バッテリパック15をバッテリ収容部15から取り外す際には、バッテリパック15と電源回路との電気的な接続を解除する必要がある。このため、本実施形態の場合は、上記第1ののロックレバー17にバッテリパック15と電源回路との電気的な接続をON・OFFするスイッチとしての機能が付与されている。
【0047】
すなわち、図13に示すように、上記回路基板20は、上記第1のロックレバー17と向かい合う部分に一対の導通パターン54a,54bを有している。導通パターン54a,54bは、上記電源回路およびバッテリコネクタ53に電気的に接続されている。これら導通パターン54a,54bは、第1のロックレバー17のスライド方向に間隔を存して配置され、互いに電気的に絶縁されている。
【0048】
図3に示すように、第1のロックレバー17には、金属製の接触片55が取り付けられている。接触片55は、第1のロックレバー17がロック位置にスライドされている時に、上記導通パターン54a,54bに接触し、これら導通パターン54a,54bを電気的に導通させている。
【0049】
そのため、第1のロックレバー17がロック位置にスライドされている限り、バッテリコネクタ53と電源回路とが電気的に接続された状態に維持されるようになっている。
【0050】
バッテリパック15をバッテリ収容部14から取り出す当たって、第1のロックレバー17をロック位置からロック解除位置にスライドさせると、接触片55が導通パターン54a,54bから離脱する。そのため、バッテリパック15と電源回路との電気的な接続が自動的に解除されるようになっている。
【0051】
なお、上記ベース10の底壁3には、バックアップ用のメモリバッテリ(図示せず)を保持する第2のバッテリカバー56と、記憶された情報を全てクリアーするためのリセットボタン57とが配置されている。
【0052】
図8および図9に示すように、上記フレーム18の上面18bには、タッチパネル方式の位置情報入力装置60が配置されている。この入力装置60は、表示部としての液晶表示装置(LCD)61と、感圧式のタブレット62とを備えている。
【0053】
LCD61は、フラットな長方形板状をなしている。LCD61は、スケジュール、アドレスおよびカレンダのような個人情報を表示する表示面63を有している。このLCD61には、フレキシブルな配線基板61aが接続されている。配線基板61aは、フレーム18を貫通して回路基板20の上面に導かれている。この配線基板61aの先端は、回路基板20の上面のLCDコネクタ64に接続されている。
【0054】
タブレット62は、上記LCD61の表示面63に重ねられている。このタブレット62は、位置情報を手書き入力するための透明な入力面65を有している。入力面65は、上記表示面63と向かい合っており、この入力面65に上記表示面63上の個人情報が表示されるようになっている。そして、これら入力面65および上記表示面64は、上記ベースカバー11の開口部13よりも僅かに大きな形状を有し、この入力面65が開口部13を通じて筐体2の外方に露出されている。
【0055】
入力面65には、機能、表示モードの切換えを行なう各種のアイコン66が配置されている。アイコン66は、入力面65の左端部において、筐体2の奥行き方向に二列に並べられている。そのため、入力面65上の所望のアイコン66をスタイラスペン67で押すと、アイコン66に対応したメニューが起動され、多彩な編集あるいは入力操作を行なえるようになっている
図8に示すように、タブレット62の右側縁部には、係合爪70が形成されている。係合爪70は、上記フレーム18の係合孔71に係止されている。そのため、タブレット62は、フレーム18の上面18bと協働して上記LCD61を挟み込んでおり、このことにより、LCD61およびタブレット62がフレーム18に支持されている。
【0056】
フレーム18の上面18bの右端部には、スイッチ基板74が配置されている。スイッチ基板74は、上記係合爪70を介してフレーム18の上面18bに保持されている。スイッチ基板74の上面には、柔軟なラバーシート75が重ねられている。ラバーシート75の上面には、電源スイッチボタン76と、四つのカーソルスイッチボタン77と、電話スイッチボタン78と、通話スイッチボタン79と、終了スイッチボタン80とが配置されている。これらスイッチボタン76〜80は、上記スイッチ基板74に電気的に接続されている。
【0057】
電源スイッチボタン76は、電子手帳1の電源をON・OFF操作するためのものである。カーソルスイッチボタン77は、上記入力面65に表示されたアドレスやスケジュールのような個人情報をスクロールさせるためのもので、この入力面65上に表示されるカーソルと連動されている。これらカーソルスイッチボタン77は、一つのカーソル操作子81によって覆われている。電話スイッチボタン78は、電子手帳1を携帯電話あるいは無線機として使用する際に操作するためのものである。また、通話スイッチボタン79は、通話を開始する際に操作するとともに、終了スイッチボタン80は、通話を終了する際に操作するためのものである。
【0058】
スイッチ基板74には、フレキシブルな配線基板83が接続されている。配線基板83は、フレーム18を貫通して回路基板20の上面に導かれており、この配線基板81の先端は、回路基板20の上面の基板コネクタ84に接続されている。
【0059】
上記各種のスイッチボタン76、78〜80およびカーソル操作子81は、上記筐体2の上壁4の右端部4bと向かい合っている。この上壁4の右端部には、複数の通孔85が開口されており、これら通孔85を通じて上記各種のスイッチボタン76、78〜80およびカーソル操作子81が上壁4の右端部4bに露出されている。
【0060】
図3に示すように、ベース10の内部には、上記スタイラスペン67を取り出し可能に収容するペン収容部86が形成されている。ペン収容部86は、筐体2の前壁6に沿って幅方向に延びている。このペン収容部86は、筐体2の前壁6と右側の側壁5bとで規定される角部に開口されている。
【0061】
図8や図13に示すように、電子手帳1は、携帯電話および無線機として機能する無線通信手段を装備している。無線通信手段は、無線通信ユニット90と、通信用のアンテナユニット91と、通話用のマイク92およびレシーバ93とを備えている。
【0062】
無線通信ユニット90は、高周波基板95を有している。高周波基板95は、スタッキングコネクタ96を介して回路基板20の下面に接続されている。これら高周波基板95と回路基板20との間には、スペーサ97が介在されている。スペーサ97は、ねじ98を介して高周波基板95に支持されている。
【0063】
アンテナユニット91は、円筒状のマスト100と、このマスト100に軸方向にスライド可能に支持されたアンテナロッド101とを備えている。アンテナユニット91は、上記筐体2の後壁7に沿うようにして、この筐体2の内部に収容され、筐体2の幅方向に延びている。アンテナユニット91のマスト100は、上記ベースカバー11の後端部に嵌合されている。
【0064】
アンテナロッド101は、筐体2の外方に引き出される使用位置と、筐体2の内部に格納される格納位置とに亘って伸縮可能となっている。このアンテナロッド101に先端部には、ストッパを兼ねる大径なアンテナヘッド101aが取り付けられている。アンテナヘッド101aは、アンテナロッド101を格納位置に縮めた状態においても筐体2の左側に突出されている。
【0065】
アンテナユニット91は、接続ケーブル102を介して上記高周波基板95に接続されている。そのため、アンテナユニット91は、無線通信ユニット90に電気的に接続されている。
【0066】
通話用のマイク92は、回路基板20の上面に支持され、上記上壁4の右端部4bの裏面と向かい合っている。この上壁4の右端部4bには、マイク92に連なる複数の通孔105が開口されており、これら通孔105を通じて上記マイク92が上壁4の上面に露出されている。
【0067】
通話用のレシーバ93は、上記上壁4の左端部4aの裏面に保持されている。このレシーバ93は、上記アンテナヘッド101aに隣接されている。この上壁4の左端部4aには、レシーバ93に連なる複数の放音孔106が開口されており、これら放音孔106を通じて上記レシーバ93が上壁4の上面に露出されている。このレシーバ93は、図示しないケーブルを介して上記回路基板20に接続されている。
【0068】
したがって、マイク92およびレシーバ93は、上壁4の上面において、上記入力面65を挟んだ左右両側に振り分けて配置されている。
なお、上記カーソル操作子81に隣接された筐体2の右側の側壁5bには、電子手帳1を携帯電話として使用する際の電話待ち受けスイッチボタン107が配置されている。このスイッチボタン107は、上記回路基板20の上面に支持された図示しない待ち受けスイッチに連結されている。
【0069】
図9および図14に示すように、上記筐体2は、入力面65の汚れや傷付きを防ぐ保護カバー109を備えている。保護カバー109は、上記ベースカバー11の開口部13を覆うような大きさを有する平坦な板状をなしている。この保護カバー109は、合成樹脂製のヒンジユニット110を介して上記ベースカバー11に支持されている。
【0070】
図15ないし図17に示すように、ヒンジユニット110は、ヒンジケース111と、このヒンジケース111に収容されたスライダ112とを備えている。ヒンジケース111は、ヒンジベース113とヒンジカバー114とに分割されている。
【0071】
ヒンジベース113は、筐体2の幅方向に延びる長方形の板状をなしている。このヒンジベース113の両端部には、第1および第2の端壁115a,115bが一体に形成されている。
【0072】
第1の端壁115aは、円柱状をなす第1および第2の凸部116a,116bを有している。第1および第2の凸部116a,116bは、第1の端壁115aの外側面から突出されており、これら第1および第2の凸部116a,116bは、互いに離間して配置されている。
【0073】
第2の端壁115bは、一対の挿通孔117a,117bを有している。挿通孔117a,117bは、上記第1および第2の凸部116a,116bの軸線上に配置され、これら第1および第2の凸部116a,116bと向かい合っている。
【0074】
また、ヒンジベース113は、ガイド壁119を備えている。ガイド壁119は、第1の端壁115aと第2の端壁115bとの間に位置されている。ガイド壁119は、上記ヒンジベース113の長手方向に延びる一対のガイド面120a,120bと、一対の凹部121a,121bとを有している。凹部121a,121bは、ヒンジベース113の長手方向に互いに並べて配置されている。
【0075】
上記ヒンジカバー114は、上記ヒンジベース113の第1および第2の端壁115a,115bの間に取り外し可能に嵌合されている。このヒンジカバー114の略中央部には、開口部123が形成されている。
【0076】
上記スライダ112は、上記ヒンジベース113とヒンジカバー114との間に挟み込まれている。スライダ112は、第1および第2の軸部125a,125bと、これら軸部125a,125bの間に跨がる板状の連結部126とを有している。第1および第2の軸部125a,125bは、上記ヒンジベース113の長手方向に沿って延びるとともに、互いに平行に配置されている。
【0077】
このスライダ112は、ヒンジベース113に保持されている。このヒンジベース113のガイド壁119は、上記第1および第2の軸部125a,125bの間に配置されており、このガイド壁119のガイド面120a,120bに第1および第2の軸部125a,125bが摺動可能に接している。
【0078】
第1および第2の軸部125a,125bの一端部は、上記ヒンジベース113の挿通孔117a,117bに導入されている。これら第1および第2の軸部125a,125bと上記凸部116a,116bとは、互いに同軸状に位置されている。そして、スライダ112は、図18に示すように、第1および第2の軸部125a,125bがヒンジケース111の外方に突出される第1のスライド位置と、図19に示すように、第1および第2の軸部125a,125bがヒンジケース111の内側に引っ込む第2のスライド位置とに亘ってスライド可能に上記ヒンジケース111に支持されている。
【0079】
スライダ112の連結部126は、指掛け部128を備えている。この指掛け部128は、上記スライダ112を第1のスライド位置又は第2のスライド位置にスライドさせるためのもので、上記ヒンジカバー114の開口部123を通じてヒンジケース111の外方に露出されている。
【0080】
また、スライダ112の連結部126には、弾性変形が可能なレバー部130が一体に形成されている。レバー部130の先端には、係合凸部131が形成されている。係合凸部131は、スライダ112を第1のスライド位置又は第2のスライド位置にスライドさせた時に、上記ガイド壁119のいずれかの凹部121a又は121bに弾性的に係合される。この係合により、上記スライダ112が第1および第2のスライド位置に保持されるとともに、このスライド操作時に節度感が得られるようになっている。
【0081】
図1および図5に示すように、上記保護カバー109の後端部および筐体20の後壁7は、夫々上記ヒンジケース111が嵌まり込む凹部135a,135bを有している。これら凹部135a,135bは、互いに連通されている。
【0082】
保護カバー109の凹部135aの内面には、図18や図19に示すような一対の嵌合孔136a,136bが形成されている。嵌合孔136a,136bは、保護カバー109の幅方向に互いに向かい合っており、これら嵌合孔136a,136bに上記ヒンジユニット110の第1の凸部116aおよび第1の軸部125aが夫々回動可能に嵌合されている。
【0083】
筐体2の凹部135bの内面には、一対の嵌合孔137a,137bが形成されている。嵌合孔137a,137bは、ベースカバー11に形成されている。嵌合孔137a,137bは、筐体2の幅方向に互いに向かい合っており、これら嵌合孔137a,137bに上記ヒンジユニット110の第2の凸部116bおよび第2の軸部125bが夫々回動可能に嵌合されている。
【0084】
したがって、保護カバー109は、ヒンジケース111が凹部135a,135bに嵌合されている状態において、上記第1の凸部116aと第1の軸部125aとを支点として、上記筐体2の入力面65を覆う第1の位置と、この入力面65を露出させる第2の位置とに亘って回動可能に上記筐体2のベースカバー11に支持されている。
それとともに、上記ヒンジケース111を凹部135a,135bから引き出すと、このヒンジケース111自体が上記第2の凸部116bと第2の軸部125bを支点として回動する。そのため、上記保護カバー109は、上記第2の凸部116bと第2の軸部125bを支点として、上記第2の位置から筐体2の底壁3側に反転する第3の位置に向けて回動可能に上記筐体2のベースカバー11に支持されている。
【0085】
保護カバー109を第1の位置に回動させた状態では、この保護カバー109は、上記ベースカバー11の上壁4の左端部4aと右端部4bとの間に位置されている。そのため、上壁4の上面に配置された電源スイッチボタン76、電話スイッチボタン78、通話スイッチボタン79、終了スイッチボタン80、カーソル操作子81および通話用のマイク92とレシーバ93は、上記保護カバー109で覆われることなく常に上壁4の上面に露出されている。そして、保護カバー109の左端部は、上壁4の左端部4aの上面に略面一に連続し、保護カバー109と筐体2との一体感が高められている。
【0086】
また、図6や図7に示すように、保護カバー109を第3の位置に回動させた状態では、この保護カバー109は、筐体2の底壁3の範囲内において、この底壁3の下面に重ね合わされている。この底壁3の下面は、凹凸のない平坦面であるから、保護カバー109が底壁3の下面から浮き上がることはなく、この底壁3の下面に密接するようになっている。
【0087】
ヒンジユニット110を保護カバー109および筐体2に連結するには、まず、スライダ112の指掛け部128に指先を引っ掛け、このスライダ112を第2のスライド位置にスライドさせる。
【0088】
次に、ヒンジユニット110のヒンジケース111を保護カバー109の凹部135aおよび筐体2の凹部135bに嵌め込み、第1の凸部116aを保護カバー109の嵌合孔136bに挿入するとともに、第2の凸部116bを筐体2の嵌合孔137bに挿入する。この状態でスライダ112を第2のスライド位置から第1のスライド位置にスライドさせる。このスライドにより、第1および第2の軸部125a,125bが保護カバー109の嵌合孔136aおよび筐体2の嵌合孔137aに夫々入り込み、このヒンジユニット110を介して筐体2と保護カバー109とが回動可能に連結される。
【0089】
筐体2と保護カバー109とが連結されている状態において、上記スライダ112を第1のスライド位置から第2のスライド位置にスライドさせると、このスライダ112の第1および第2の軸部125a,125bが保護カバー109の嵌合孔136aおよび筐体2の嵌合孔137aから離脱する。そのため、ヒンジユニット110と筐体2および保護カバー109との連結が解除され、このヒンジユニット110を筐体2および保護カバー109の凹部135a,135bから取り外すことができる。
【0090】
ところで、上記筐体2の入力面65を保護する保護カバー109は、透明な合成樹脂材料にて構成されている。保護カバー109は、その周縁部に周方向に連続して塗装が施された不透明な遮蔽部140を有している。この遮蔽部140で囲まれた部分は、透明な窓部141となっており、この窓部141は、上記入力面65よりも僅かに小さな形状を有している。
【0091】
窓部141は、保護カバー109を第1の位置に回動させた状態において、上記入力面65と向かい合っている。そのため、入力面65が保護カバー109で覆われていても、この入力面65は、窓部141を通じて筐体2の外方に露出されている。
【0092】
この場合、窓部141は、入力面65よりも僅かに小さいために、この入力面65の左端部は、窓部141から外れている。入力面65の左端部に配置されたアイコン66は、上記遮蔽部140と向かい合っている。そのため、保護カバー109が第1の位置に回動されている状態では、アイコン66は遮蔽部140によって覆い隠されている。
【0093】
また、図9に示すように、保護カバー109の窓部141の上面は、円弧状に張り出すように湾曲されており、この窓部141自体が凸レンズ状の断面形状を有している。そのため、窓部141を通して入力面65を見た場合に、この入力面65上に表示されたアドレスのような個人情報が拡大されるようになっている。
【0094】
図5に示すように、開口部13に連なるベースカバー11の上壁4の前端部には、保持手段としてのマグネット145が取り付けられている。マグネット145は、保護カバー109を上記第1の位置に回動させた時に、この保護カバー109の遮蔽部140と向かい合うようになっており、この遮蔽部140には、磁性体からなるシート146が取り付けられている。そのため、保護カバー109を第1の位置に回動させると、シート146がマグネット145に吸着され、保護カバー109が第1の位置に保持されるようになっている。
【0095】
したがって、保護カバー109のがたつきや、この保護カバー109の不用意な回動が阻止されている。
なお、図4から明らかなように、筐体2の前壁6は、筐体2の幅方向に沿う中央部から左側に進むに従い滑らかな円弧を描いて前方に張り出している。このため、筐体2の奥行き寸法は、マイク92側の右端部よりもレシーバ93側の左端部の方が大きくなっている。この結果、上記レシーバ93を上向きにした姿勢で筐体2を握持した時に、この筐体2を握り易くなり、筐体2が手から抜け落ち難くなる。
【0096】
このような構成の電子手帳1は、以下の手順に従って組み立てられる。
図13に示すように、ベースカバー11を裏返し、アンテナユニット91のマスト100をベースカバー11の後端部に嵌め込む。そして、ベースカバー11の左端部4aの内面に、ラバーシート75とカーソル操作子81とを重ね合わせ、このカーソル操作子81およびラバーシート75に保持された各種のスイッチボタン76、78〜80を通孔105に位置させる。
【0097】
次に、フレーム18の上面18bにLCD61およびタブレット62を重ね合わせ、このタブレット62の係合爪70をフレーム18の係合孔71に引っ掛ける。このことにより、LCD61およびタブレット62がフレーム18に仮止めされる。LCD61をフレーム18の上面18bに載せる際に、このLCD61の配線基板61aをフレーム18を貫通させて、フレーム18の下方に導いておく。同様に、スイッチ基板74に予め配線基板83を接続し、この配線基板83をフレーム18を貫通させて、フレーム18の下方に導いておく。そして、この状態でフレーム18をベースカバー11の内側に嵌め込み、ねじ19を介してベースカバー11に固定する。
【0098】
次に、回路基板20のLCDコネクタ64に上記LCD61の配線基板61aを接続するとともに、回路基板20の基板コネクタ84に上記スイッチ基板74の配線基板83を接続する。この後、回路基板20をフレーム18の下面18aに重ね合わせ、ねじ21を介してフレーム18に固定する。
【0099】
フレーム18および回路基板20をベースカバー11に固定したならば、このベースカバー11に待ち受けボタン107を取り付け、この待ち受けボタン107を回路基板20の待ち受けスイッチに連結する。
【0100】
次に、無線通信ユニット90の高周波基板95にねじ98を介してスペーサ97を取り付ける。そして、この高周波基板95のスタッキングコネクタ96を上記回路基板20の下面に接続し、無線通信ユニット90と回路基板20とを電気的に接続する。この後、無線通信ユニット90の高周波基板95にアンテナユニット91の接続ケーブル102を接続する。
【0101】
次に、レシーバ93をベースカバー11の右端部4bの内面に嵌め込み、このレシーバ93のケーブルを回路基板20に接続する。この状態で、ベース10をベースカバー11に被せ、これらベース10およびベースカバー11をねじ12を介して互いに結合する。そして、最後にベース10のバッテリ収容部14にバッテリパック15を装着し、このベース10に第1のバッテリカバー16を取り付けることで、電子手帳1の組み立てが完了する。
【0102】
このような構成の電子手帳1において、情報の入力および編集作業を行なうには、保護カバー109を第1の位置から第2の位置又は第3の位置に回動させ、筐体2の入力面65を直接外方に露出させる。そして、この入力面65の所望のアイコン66をスタイラスペン67で押圧したり、このスタイラスペン67を用いて入力面65に文字や図形等の情報を直接手書き入力する。
【0103】
一方、電子手帳1を携帯電話あるいは無線機として使用するには、アンテナロッド101を格納位置から使用位置に引き出し、電波を充分に送受信し得るようにする。この時、保護カバー109が第1の位置に回動されていても、この保護カバー109の透明な窓部141が上記入力面65と向かい合っているので、この入力面65は、窓部141を通じて外方に露出されている。
【0104】
電話をかける場合は、電源スイッチボタン76および電話スイッチボタン78を指先で押圧し、電子手帳1に記憶されている通話相手の名前や電話番号およびその他の情報を入力面65に表示させる。そして、カーソル操作子81を指先で操作することにより、入力面65に表示された情報をスクロールさせ、所望の情報を選択する。情報の選択が完了したならば、通話スイッチボタン79を指先で押圧する。
【0105】
この状態で、マイク92の部分を下向きにした姿勢で筐体2を握持し、マイク92を口元に位置させるとともに、レシーバ93を耳元に位置させる。このことにより、所望の相手との通話が可能となる。
【0106】
電子手帳1を携帯電話あるいは無線機として使用しつつ、情報の入力および編集作業を行なうには、図5に示すように、保護カバー109を第1の位置から第2の位置又は第3の位置に向けて回動させ、筐体2の入力面65を直接外方に露出させる。そして、この入力面67を上記スタイラスペン67で押圧したり、文字や図形を手書き入力することにより、情報の入力および編集操作を行なう。
【0107】
それとともに、筐体2のイヤホーンジャック22にイヤホーン23のプラグ23aを挿入し、相手側との通話内容は、イヤホン23を利用して聞き取るようにする。
【0108】
この場合、筐体2は、入力および編集作業を行なう関係から、筐体2を手で握持したり、あるいは机の天板に載せたいずれの状態においても、入力面65を横向きにした略水平の姿勢に保持されることになる。すると、アンテナロッド101も水平に寝かされることになり、電波を効率良く送受信することができなくなる恐れがあり得る。
【0109】
しかるに、上記構成の場合、アンテナユニット91のアンテナロッド101は、筐体2の内部に格納される格納位置から筐体2の外方に突出される使用位置に向けて引き出し可能となっている。そのため、アンテナロッド101を筐体2から引き出しておけば、たとえこのアンテナロッド101が略水平に寝かされていても、電波を充分に受信することが可能となり、通話品質が良好となる。
【0110】
このような本発明の電子手帳1によると、筐体2の入力面65を覆う保護カバー109は、透明な窓部141を有し、この窓部141は、保護カバー109を第1の位置に回動させた時に、上記入力面65と向かい合うようになっている。そのため、窓部141を通じて入力面65を外方に露出させることができ、保護カバー109を第1の位置に保持したままの状態で、入力面65に表示されたアドレス等の情報を確認したり、閲覧することができる。よって、保護カバー109の開閉操作が不要となり、電子手帳1の使い勝手が良好となる。
【0111】
しかも、入力面65と向かい合う窓部141は、凸レンズ状の断面形状を有しているので、この窓部141を通じて入力面65を見た時に、この入力面65上に表示された文字や図形等の情報が拡大される。したがって、保護カバー109の窓部141が拡大鏡としての機能を果たし、入力面65上に表示される文字や図形等の情報のサイズが小さくても、この情報を容易に確認したり読み取ることができる。
【0112】
また、入力面65上のアイコン66は、保護カバー109を第1の位置に回動させた時に、窓部141を取り囲む遮蔽部140によって覆い隠されるために、窓部141を通じて入力面65上の情報を確認したり、読み取る際にアイコン66が視野内に入り込まずに済む。そのため、入力面65がすっきりと整理され、入力面65が見易くなる。
【0113】
また、上記構成によると、電子手帳1を携帯電話あるいは無線機として使用する際に用いるマイク92やレシーバ93ならびに各種のスイッチボタン76,78〜80およびカーソル操作子81は、上記保護カバー109が第1の位置に回動されている状態においても、この保護カバー109で覆われることなく常にベースカバー11の上面に露出されている。このため、保護カバー109を第2の位置又は第3の位置にに回動させなくとも、通話操作が可能となる。
【0114】
それとともに、上記のように透明な窓部141を通じて入力面65を見ることができるので、この入力面65に表示される通話先の名前や電話番号等のアドレス情報を窓部141を通じて確認したり、閲覧することができる。
【0115】
したがって、電話をかけたり、電話を受ける際に、その都度保護カバー109を開閉する必要はなく、使い易い操作性を実現することができる。
また、図6や図7に示すように、保護カバー109を第3の位置に回動させた状態では、この保護カバー109が略360度反転して筐体2の平坦な底壁3に重なり合うので、筐体2の厚み寸法を最小限に抑えることができる。それとともに、保護カバー109を第3の位置に回動させた状態においても、この保護カバー109は、底壁3の範囲内に収まり、保護カバー109の外周縁部が筐体2の周囲に張り出すことはない。
【0116】
したがって、保護カバー109を第3の位置に回動させた状態においても、筐体2を握持し易くなり、電子手帳1の取り扱いが良好となる。
さらに、通信用のアンテナユニット91のアンテナロッド101は、筐体2のレシーバ93側の左端部から引き出されるので、レシーバ93を耳元にあてがった時には、アンテナロッド101が起立する。そのため、電波を効率良く送受信することができ、通話品質が良好となるといった利点がある。
【0117】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、カバーを第1の位置から第2の位置に移動させなくとも、表示面上に表示された情報を確認したり閲覧することが可能となり、機器の使い勝手が良好となる。それとともに、スライダを第1のスライド位置から第2のスライド位置にスライドさせるだけで、ヒンジユニットをカバーや筐体から簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子手帳およびこの電子手帳に用いるSSFDCの斜視図。
【図2】筐体を裏返した状態を示す電子手帳の斜視図。
【図3】筐体のベースからバッテリパックおよびバッテリカバーを取り外した状態を示す斜視図。
【図4】保護カバーを第1の位置に回動させた状態を示す電子手帳の平面図。
【図5】保護カバーを第2の位置に回動させた状態を示す電子手帳の平面図。
【図6】保護カバーを第3の位置に回動させた状態を示す電子手帳の背面図。
【図7】保護カバーを第3の位置に回動させた状態を示す電子手帳の側面図。
【図8】筐体のベースカバーからタブレット、LCD、フレームおよび回路基板を取り外した状態を示す分解して示す斜視図。
【図9】電子手帳の断面図。
【図10】SSFDCをカード収容部に収容した状態を示す筐体の断面図。
【図11】SSFDCをカード収容部から押し出した状態を示す筐体の断面図。
【図12】SSFDCの断面図。
【図13】筐体のベースカバーにアンテナユニット、フレームおよび回路基板を組み込んだ状態を示す斜視図。
【図14】筐体のベースカバー、ヒンジユニットおよび保護カバーとの関係を分解して示す斜視図。
【図15】ヒンジユニットを分解して示す斜視図。
【図16】ヒンジユニットの斜視図。
【図17】ヒンジユニットの断面図。
【図18】ヒンジユニットの第1および第2の軸部を、保護カバーおよびベースカバーに夫々係合させた状態を示す断面図。
【図19】ヒンジユニットの第1および第2の軸部を、保護カバーおよびベースカバーから夫々離脱させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
2…筐体、61…表示部(LCD)、63…表示面、90…無線通信手段(無線通信ユニット)、91…アンテナ(アンテナユニット)、92…マイク、93…レシーバ、109…カバー(保護カバー)、110…ヒンジユニット、111…ヒンジケース、112…スライダ、115a,115b…第1および第2の端壁、116a,116b…第1および第2の凸部、125a,125b…第1および第2の軸部、141…窓部。
Claims (8)
- 上面および下面を有する筐体と、
この筐体に収容され、上記上面に露出される情報の表示面を含む表示部と、
上記筐体に収容され、通信用のアンテナ、マイクおよびレシーバを有する無線通信手段と、
上記表示面と向かい合う透明な窓部を有するカバーと、
上記カバーを上記筐体に移動可能に支持するヒンジユニットと、を具備し、
上記無線通信手段のマイクおよびレシーバは、上記筐体の上面において上記表示面を間に挟んだ両側に振り分けて配置されるとともに、上記カバーで覆われることなく上記筐体の上面に露出するように配置され、
上記カバーは、上記表示面を覆う第1の位置と、上記表示面を露出させる第2の位置と、上記筐体の下面に重なり合う第3の位置とに亘って移動可能であり、上記第1の位置に移動した時に上記カバーの窓部が上記表示面と向かい合う携帯形電子機器であって、
上記ヒンジユニットは、
(i) 第1および第2の端壁を有するヒンジケースと、
(ii) 上記ヒンジケースの第1の端壁から突出し、上記筐体および上記カバーに夫々回動可能に嵌合する第1および第2の凸部と、
(iii) 上記ヒンジケースに収容され、上記第1および第2の凸部と同軸状をなす第1および第2の軸部を有するスライダと、を含み、
上記スライダは、上記第1および第2の軸部が上記ヒンジケースの上記第2の端壁を貫通して上記筐体および上記カバーに夫々回動可能に嵌合する第1のスライド位置と、上記第1および第2の軸部が上記筐体および上記カバーから離脱するように上記ヒンジケースの内側に引っ込む第2のスライド位置とに亘ってスライド可能に上記ヒンジケースに支持され、上記スライダを上記第2のスライド位置にスライドさせることで、上記ヒンジユニットと上記筐体および上記ヒンジユニットと上記カバーとの連結が解除されることを特徴とする携帯形情報機器。 - 請求項1の記載において、上記カバーの窓部は、凸レンズ状の断面形状を有していることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項1の記載において、上記筐体は、電源スイッチボタンおよび上記無線通信手段を操作する操作スイッチボタンを有し、上記電源スイッチボタンおよび上記操作スイッチボタンは、上記筐体の上面に配置されて上記カバーが上記第1の位置に移動されている状態においても、このカバーで覆われることなく上記筐体の上面に露出されていることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項1の記載において、上記ヒンジユニットの上記スライダは、弾性変形が可能なレバー部を有し、上記ヒンジケースは、上記スライダが上記第1のスライド位置および第2のスライド位置にスライドされた時に、上記レバー部が係合する一対の凹部を有し、上記レバー部と上記凹部との係合により、上記スライダが上記第1のスライド位置および第2のスライド位置に夫々保持されることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項1又は請求項4の記載において、上記スライダは、上記ヒンジケースの外方に露出する指掛け部を備えていることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項1の記載において、上記表示面は、情報を手書き入力する入力面としての機能を兼ね備えていることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項6の記載において、上記表示面は、上記カバーが上記第1の位置にある時に、上記窓部から外れる端部を有し、この表示面の端部に複数のアイコンが配置されていることを特徴とする携帯形情報機器。
- 請求項1の記載において、上記筐体は、カード型電子部品が取り外し可能に収容される収容部を有し、この収容部は上記筐体の側面に開口するスロットを備えていることを特徴とする携帯形情報機器。
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