JP3762645B2 - Injection-locked oscillator, oscillator, and high-frequency communication device using them - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型・軽量の無線信号に用いるマイクロ波・ミリ波の信号を発生する発振器、特に注入同期発振器に関し、またそれらを用いた高周波通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報量の増大に伴い、マイクロ波やミリ波のような高周波搬送波を用いて、高速・大容量のアナログ・ディジタル情報を無線伝送するパーソナル通信が注目されている。このような通信においては、周波数安定性が高く位相雑音の低い、小型・軽量のマイクロ波・ミリ波信号発生器が要求されている。このようなミリ波信号発生器を実現する方法の一つとして、注入同期型発振器がある。
【0003】
一例として、IEEE TRANSACTION ON MICROWAVETHEORY AND TECHNIQUES、VOL.42、NO.122572〜2578頁に示されている従来の注入同期型マイクロ波発振器を図9に示す。
【0004】
この注入同期型マイクロ波発振器は、増幅器1とディレイライン(遅延線路)2からなる発振ループ10、コンバイナ/ディバイダ3、さらにマイクロ波・ミリ波増幅器4によって構成される。自由発振時の動作は、まず正帰還発振ループ10内にあるランダム雑音が増幅器1で増幅され、基本発振周波数f’の雑音レベルが高くなり、正帰還ループ10内を循環する。この過程を繰り返すことにより、正帰還発振ループ10の位相回転角が360度となる周波数で基本発振周波数f’の信号が成長し、同時に増幅器1の非線形性により基本発振周波数f’の高調波n×f’(n:2以上の整数)成分が成長する。その結果、定常状態で基本発振周波数f’と高調波n×f’の信号が発生する。
【0005】
ここで入力端子より、周波数fo=f/m〔m:2以上の整数〕を有した、周波数安定で位相雑音の充分低い信号を、マイクロ波・ミリ波増幅器4を介して、強制的に注入することにより、自由基本発振周波数f’の信号を注入信号foのm倍の信号に同期させると、出力端子より周波数f=m×foの信号を取り出せる。これにより、位相雑音の低減と周波数の安定化が可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の図9に示す方法では、遅延線路とコンバイナ・ディバイダを含む正帰還ループの線路長によって位相を制御し、基本発振周波数f’が決まる。このため、基本発振周波数f’が高い場合、前記正帰還ループの線路長が短くなり、基本発振周波数f’の制御が困難になるという問題がある。
【0007】
さらに、このようなコンバイナ/ディバイダを用いる回路構成では、コンバイナ/ディバイダのCとDの間の伝送特性における分離が悪いために、増幅器を介して入力された注入信号(周波数fo=f/m)が出力端子に出力されるなど、出力端子から取り出される信号は周波数fの所望波以外に多くの不要波を含んだ信号となる。
【0008】
この不要波を抑圧し所望波のみを出力するために、コンバイナ/ディバイダを工夫する方法もあるが、この場合には、多数のトランジスタを用いなければならず、消費電力が大きくなるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、周波数安定性が高く、かつ不要波のレベルが小さく信号純度の高い、しかも回路構成が簡単で消費電力の小さい注入同期発振器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の注入同期発振器は、基準信号源、結合回路、および直列帰還型発振部を有し、前記直列帰還型発振部は第1のトランジスタを含み、前記結合回路はエミッタあるいはソースが接地された第2のトランジスタを含み、前記基準信号源が前記結合回路の一端に接続され、前記結合回路の他端である前記第2のトランジスタのコレクタあるいはドレインが、前記直列帰還型発振部の一端である前記第1のトランジスタのエミッタあるいはソ−スと接続されることにより、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが直流電流を共有することを特徴とする。
このように、直列帰還型発振部のトランジスタと結合回路のトランジスタをカスコード接続することにより、両トランジスタのバイアス回路が簡略化できるとともに、コレクタ電流あるいはドレイン電流を共有できるため、トランジスタを2個用いているにもかかわらず消費電力を抑えることが可能となる。また、直列帰還型発振部のトランジスタに直接基準信号を注入するため、結合回路中での注入信号の損失がなく、注入同期発振器を高効率に安定して動作させることができる。
【0011】
また本発明の注入同期発振器は、前記直列帰還型発振部の基本発振周波数がfのとき、前記基準信号源の周波数がf/m(mは2以上の整数)であることを特徴とする。
【0012】
基準信号源より、結合回路を経て、直列帰還型発振部に注入された基準信号は、その高調波と直列帰還型発振部の基本発振波が同期する。基準信号源から注入された周波数f/mの信号やその高調波は、注入同期の動作過程を経ることにより、直列帰還型発振部の基本発振波に変換されるため、所望波のみが出力され、その他の不要波は抑圧されほとんど出力されない。
【0013】
結合回路を介して、基準信号を直列帰還型発振部に注入することにより、直列帰還型発振部から基準信号源側に漏洩する信号のレベルを抑えることが可能となり、注入同期発振器の安定動作が可能となる。前記結合回路として、インダクタで構成されていることが好ましい。あるいは、インダクタとキャパシタの並列回路とシャントキャパシタで構成されていてもよい。
【0014】
また、前記結合回路は、周波数2fの信号トラップ、周波数fの信号トラップを有するのが好ましい。結合回路に周波数がfの信号トラップと周波数が2fの信号トラップを配置することにより、直列帰還型発振部から発生する信号のうち、特に特に強度の高い周波数fと2fの信号が基準信号源側に漏洩するレベルを抑えることが可能となり、注入同期発振器のより安定な動作が可能となる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
本発明の高周波通信装置は、請求項1記載の注入同期発振器を、局部発振器として用いることを特徴とする。
【0022】
本発明の注入同期発振器を高周波通信装置に用いることにより、局部発振器のサイズや消費電力が小さくなるため、高周波通信装置を軽量でかつコンパクトに実現でき、しかも消費電力を抑えることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、図面を用いてさらに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の発振器の基本構成図であり、周波数f/m(mは2以上の整数)の基準信号を注入して周波数4fの信号を出力する発振器である。
【0024】
基準信号源101、結合回路102、直列帰還型発振部103、第一の伝送線路104、第二の伝送線路105、周波数2fの信号トラップ106、周波数fの信号トラップ107、出力回路108、および出力端子109で構成される。
【0025】
基準信号源101は、周波数安定度が高く位相雑音の低い信号を出力し、その周波数はf/m(mは2以上の整数)である。また、直列帰還型発振部103はその自由発振周波数がf’であり、f’≒fとなっている。
【0026】
基準信号源101から出力された周波数f/mの信号は、結合回路102を経て、直列帰還型発振部103に注入され、直列帰還型発振部103の非線形性により、直列帰還型発振部103内部で複数の高調波を生成する。それらの高調波のうち、m倍波である周波数fの信号によって、直列帰還型発振部103の自由発振周数f’の信号が引き込まれ、周波数fの信号に同期する。
【0027】
結合回路の特性としては、周波数f/mの基準信号は容易に通過できて、かつ、直列帰還型発振部の発振周波数fの信号が通過しにくい特性がよい。このような結合回路を介して、基準信号を直列帰還型発振部に注入することにより、直列帰還型発振部から基準信号源側に漏洩する信号のレベルを抑えることが可能となり、注入同期発振器の安定動作が可能となる。
【0028】
直列帰還型発振部103から出力された周波数fの信号は、第一の伝送線路104および第二の伝送線路105を経て、周波数fの信号トラップ107によって、直列帰還型発振部103の方へ反射され、直列帰還型発振部103の非線形性により、特に2倍波である周波数2fの信号の出力を強める。ところが、周波数2fの信号は、第一の伝送線路104を経て、周波数2fの信号トラップ106により、直列帰還型発振部103の方へ反射され、直列帰還型発振部103の非線形性により、さらにその2倍波である周波数4fの信号を強める。この周波数4fの信号は、出力回路108を経て、出力端子109より出力される。
【0029】
発振部として直列帰還型を用いた場合、信号の経路が一つであるため、周波数f/mの基準信号は、すべて発振部のトランジスタに注入される。また、周波数2fおよびfの信号トラップ等を用いて、周波数2fおよびfの出力信号のすべてをトランジスタ側に反射することが可能となり、周波数4fの所望波の信号出力を高めることができる。
【0030】
なお、第一の伝送線路104および第二の伝送線路105は、周波数2fおよびfの信号を最適な位相でトランジスタ側に反射させるためのものであり、また、第一の伝送線路104、第二の伝送線路105、周波数2fの信号トラップ106、周波数fの信号トラップ107の順序は、図1の順序に配列した場合、周波数4fの所望波の出力が最大となり好ましいが、この順序に限られるものではない。
【0031】
この出力信号は、基準信号源の信号の高調波と同期しているため、その安定度および位相雑音は、基準信号源101で決定される。周波数fの信号トラップ107は、直列帰還型発振部103のループゲインを高め、より非線型性を強くする効果もあり、4fの出力を高める。
【0032】
また、基準信号源101から注入された周波数f/mの信号やその高調波は、注入同期の動作過程を経ることにより、直列帰還型発振部の基本発振波に変換されるため、ほとんど出力端子109に漏洩しない。
【0033】
第一の伝送線路104および第二の伝送線路105の電気長は、周波数fの信号の波長に対して5°〜25°の範囲内にあるとき、周波数fの信号から周波数2fの信号への変換効率が最大になる。
【0034】
基準信号源101としては、例えばマイクロ波帯の位相同期発振器を用いる。
【0035】
周波数2fの信号トラップ106および、周波数fの信号トラップ107は、オープンスタブや、キャパシタとインダクタの直列共振回路で容易に形成できる。
【0036】
以上のような構成の注入同期発振器を用いることにより、例えば、1〜5GHz程度のマイクロ波帯信号源から基準信号を注入して、30GHz以上のミリ波帯低位相雑音信号を容易に発生させることができる。
【0037】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態1で説明した図1の基本構成図をさらに具体化した回路例を示す。
【0038】
図2は、本発明の注入同期発振器を示す回路例である。実施の形態1と同様に、周波数f/mの基準信号源201、結合回路202、共振周波数が概略f’の直列帰還型発振部203、第一の伝送線路204、第二の伝送線路205、周波数2fの信号トラップ206、周波数fの信号トラップ207、出力回路208、および出力端子209で構成される。
【0039】
ここで強調すべき点は、結合回路202が、直列インダクタで構成されている点である。直列インダクタは、周波数が高いほどそのインピーダンスが高くなる。したがって、基準信号源201で発生したf/mの信号は、結合回路であるインダクタを容易に通過するのに対し、直列帰還型発振部203の発振周波数f’に対しては高インピーダンスとなり、直列帰還型発振部203から基準信号源201の方に漏れる信号を低減させることができる。f=7.4GHzの場合、結合回路202のインダクタンスを、例えば5nHに設定する。
【0040】
直列帰還型発振部203は、共振回路210、キャパシタ211、212、抵抗213、214、トランジスタ215で構成される。共振回路210は、伝送線路216とキャパシタ217の並列共振回路で構成され、その共振周波数が概略f’となっている。
【0041】
抵抗213、214はDCバイアス回路の一部となっている。トランジスタ215のベース電圧は、抵抗214を介してバイアス端子240に印加する。トランジスタ215は、エミッタと接地間に接続されたキャパシタ212により直列帰還がかかり、トランジスタ215は周波数f’付近で負性抵抗をもつ。このためキャパシタ211を介してトランジスタ215のベースに接続された共振回路210により、直列帰還型発振部203は周波数f’で発振する。
【0042】
出力回路208は、伝送線路222、キャパシタ223、224で構成される。伝送線路222は、その一端がキャパシタ223で高周波的に接地されている。トランジスタ215のコレクタ電圧は、伝送線路222とキャパシタ223の接続点にバイアス端子225より印加する。伝送線路222の電気長は、出力信号の周波数(周波数4f)に対して1/4波長となっている。このため、伝送線路222の他端は、出力信号に対しては開放となり、なにも接続されていないのと等価になる。キャパシタ224はDCカットの役割を果たし、コレクタ電圧が出力端子209にかかるのを防ぐ。
【0043】
周波数2fの信号トラップ206は、先端短絡スタブ220とキャパシタ218の直列共振回路で構成されており、周波数fの信号トラップ207は、先端短絡スタブ221とキャパシタ219の直列共振回路で構成されており、共振周波数がそれぞれ2f、およびfとなっている。このため、周波数2fの信号トラップ206と第一の伝送線路204の接続点では、周波数2fの信号に対してインピーダンスが0(短絡)と等価になり、周波数fの信号トラップ207と第二の伝送線路205の接続点では、周波数fの信号に対してインピーダンスが0(短絡)と等価になる。したがって、各々の接続点において、周波数2fの信号、および周波数fの信号はそれぞれ反射される。
【0044】
一例として、f=7.4GHzの場合、先端短絡スタブ220の特性インピーダンスを70Ω、電気長を周波数fに対して3.9°に設定し、キャパシタ218を1.1pFに設定した場合、信号トラップ206は2fで共振する。それから先端短絡スタブ221の特性インピーダンスを70Ω、電気長を周波数fに対して7.8°に設定し、キャパシタ219を2.2pFに設定した場合、信号トラップ207はfで共振する。但し、ここで示した先端短絡スタブとキャパシタの値はほんの一例であり、周波数に対してそれらの値が唯一に決まるものではない。
【0045】
第一の伝送線路204、第二の伝送線路205は、とちらも、特性インピーダンスを50Ω、電気長を周波数fの信号に対して11°としている。もっとも、どちらの伝送線路も周波数fに対して電気長5°から25°の間に設定されていれば、周波数4fの信号を最大に発生させることができる。
【0046】
基準信号源201、直列帰還型発振部203、第一の伝送線路204、第二の伝送線路205、周波数2fの信号トラップ206、周波数fの信号トラップ207、出力回路208、および出力端子209の機能は、実施の形態1で説明したとおりであり、ここでは繰り返さない。
【0047】
なお、直列帰還型発振部203として、ここでは、バイポーラトランジスタを用いて説明したが、これに限定されるものではなく、ヘテロジャンクションバイポーラトランジスタやMESFET(Metal−SemiconductorField Effect Transisistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)も同様に用いることができる。また抵抗213、214はバイアス回路であるため、インダクタに置換えてもよい。
【0048】
また、出力回路208は、もっとも簡単な構成例を示しているが、整合回路やフィルタ、さらにはバッファーアンプ等を含めてもよい。一方、基準信号源201と結合回路202の間には、周波数f/mの信号に対する整合回路をいれてもよい。
【0049】
以上の構成により、トランジスタが一つだけで、周波数f/mの注入信号に対して周波数が4×m倍の信号が出力でき、しかも不要波のレベルが小さい注入同期発振器が得られる。また、結合回路202に直列インダクタを用いることにより、直列帰還型発振部から基準信号源側に漏洩する信号のレベルを抑えることが可能となり、本注入同期発振器の安定動作が可能となる。
【0050】
(実施の形態3)
図3は、本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。図2に示した実施の形態2と同様に、基準信号源301、結合回路302、直列帰還型発振部303、第一の伝送線路304、第二の伝送線路305、周波数2fの信号トラップ306、周波数fの信号トラップ307、出力回路308、および出力端子309で構成される。
【0051】
実施の形態2と異なる点は、結合回路302が、インダクタ326とキャパシタ327との並列共振回路、および、入力側のシャントキャパシタ328で構成されている点である。インダクタ326のインダクタンスとキャパシタ327の容量が、周波数fで共振するように設定されている場合、周波数fの信号に対して結合回路302のインピーダンスは無限大となり、周波数fの信号は通過できない。また、直列帰還型発振部303から基準信号源301の方に漏れだそうとする周波数fの信号の高調波(2f、3f、4f等)に対しては、シャントキャパシタ328が低インピーダンスとなるため、そこで直列帰還型発振部の方に反射される。すなわち、直列帰還型発振部303から基準信号源301の方に漏れる周波数fの信号やその高調波は、結合回路302で遮断される。
【0052】
一方、基準信号源から出力される周波数f/mの信号に対しては、結合回路302のインピーダンスが低く、周波数f/mの信号は直列帰還型発振部303に容易に注入される。
【0053】
結合回路302を構成するインダクタ326とキャパシタ327の組み合わせとしては、f=7.4GHzに対して、例えば1.25pFおよび0.374nHとすると、周波数fの信号に対してインピーダンスは無限大となる。また、シャントキャパシタ328としては、例えば2.4pFとすると、周波数f/mの信号に対しては、シャントキャパシタのインピーダンスが高くなり、周波数fの信号やそれ以上の周波数の信号対しては、シャントキャパシタのインピーダンスが低くなる。
【0054】
実施の形態3においても、実施の形態2と同様に、基準信号源301と結合回路302の間に、周波数f/mの信号に対する整合回路をいれてもよい。
【0055】
以上の構成により、トランジスタが一つだけで、注入信号に対して周波数が4×m倍の信号が出力でき、しかも不要波のレベルが小さい注入同期発振器が得られる。また、結合回路にインダクタとキャパシタの並列回路とシャントキャパシタを用いることにより、直列帰還型発振部から基準信号源側に漏洩する信号のレベルを抑えることが可能となり、注入同期発振器の安定動作が可能となる。
【0056】
(実施の形態4)
図4は、本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。実施の形態2または3と同様に、基準信号源401、結合回路402、直列帰還型発振部403、第一の伝送線路404、第二の伝送線路405、周波数2fの信号トラップ406、周波数fの信号トラップ407、出力回路408、および出力端子409で構成される。
【0057】
実施の形態2または3と異なる点は、結合回路402がトランジスタを含む能動回路で構成されている点である。
【0058】
結合回路402の構成について説明する。結合回路402は、入力回路部426、トランジスタ427、および出力回路部428で構成されている。さらに入力回路部426は、キャパシタ429、430、インダクタ431、432、および抵抗434で構成され、周波数f/mの信号に対して整合回路を形成している。また、出力回路はキャパシタ435、436、およびインダクタ437で構成される。キャパシタ435はDCカットとして機能し、キャパシタ436はバイパスコンデンサとして機能し、インダクタ437はチョークコイルとして機能する。トランジスタ427の直流バイアスは、抵抗434およびインダクタ437を介して、バイアス端子438および439より電圧を印加する。
【0059】
結合回路402として以上の構成を取ることにより、基準信号源401から結合回路402に入力された周波数f/mの信号は、一方向にしか進むことができず、直列帰還型発振部403に効率良く信号が注入される。また、発振器から出力される周波数fの信号や2f、3f、4f等の高調波も、結合回路402のトランジスタ427により、入力側に漏れ出すことはない。つまり、結合回路402は、周波数f/mの信号に対してアイソレータとして機能する。
【0060】
以上の構成により、二個のトランジスタで、周波数f/mの注入信号に対して周波数が4×m倍の信号が出力でき、しかも不要波のレベルが小さい注入同期発振器が得られる。また、結合回路にトランジスタを含む回路を用いることにより、直列帰還型発振部から基準信号源側に漏洩する信号のレベルを抑えることが可能となり、本注入同期発振器の安定動作が可能となる。
【0061】
(実施の形態5)
図5は、本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。実施の形態1〜4と同様に、基準信号源501、結合回路502、直列帰還型発振部503、第一の伝送線路504、第二の伝送線路505、周波数2fの信号トラップ506、周波数fの信号トラップ507、出力回路508、および出力端子509で構成される。
【0062】
実施の形態4と異なる点は、結合回路502の出力端子が、直列帰還型発振部503のトランジスタ515のエミッタに接続されている点である。即ち、直列帰還型発振部503のトランジスタ515と結合回路502のトランジスタ527がカスコード接続されている。図4における抵抗413は、直流バイアスを流すためのものであったが、ここではトランジスタ527が抵抗の役割もかねている。
【0063】
このようにカスコード接続の構成にすることにより、トランジスタ515とトランジスタ527はバイアス回路を共有でき、回路が簡素化されるうえ、直流電流を共有できるため、トランジスタを2個用いているにもかかわらず消費電力を抑えることが可能となる。
【0064】
また、キャパシタ等の受動素子を介在させることなく、直列帰還型発振部のトランジスタに直接に基準信号を注入するため、注入信号の損失が少なく、注入同期発振器を高効率に安定して動作させることができる。
【0065】
(実施の形態6)
図6は、本発明の注入同期発振器を示す回路レイアウトの例である。厚さが185ミクロンのアルミナ基板699上に、チップ状トランジスタ615と各種形状のマイクロストリップ線路や伝送線路等を用いて形成している。図1に示す実施の形態1と同様に、基準信号源601、結合回路602、直列帰還型発振部603、第一の伝送線路604、第二の伝送線路605、周波数2fの信号トラップ606、周波数fの信号トラップ607、出力回路608、および出力端子609で構成される。これらのブロックの機能は、実施の形態1で示したものと基本的に同じであり、ここではそれぞれの構成方法について説明する。
【0066】
まず、直列帰還型発振部603は、チップ状トランジスタ615に、共振器610、オープンスタブ612が、ワイア698等により、接続されている。オープンスタブ612は、シャントキャパシタと等価であり、例えば図2のキャパシタ212に対応する。共振器610は、幅200ミクロン、線路長6mmのマイクロストリップで形成され、例えば図2の共振回路210と同等の機能を有する。伝送線路613は、スルーホール697を介して、アルミナ基板699裏面のグランドに接続されている。これらは、チップ状トランジスタ615に直流電流を流すための回路であり、発振周波数fの信号に対しては、伝送線路613の接続点は高インピーダンスに見え、なにも接続されていないのと等しい。
【0067】
伝送線路614、オープンスタブ651、652でチップ状トランジスタ615の入力側のバイアス回路が形成されている。このバイアス回路には、直流電流を通過させ、周波数f、2f、4f等の信号を通さない工夫がなされている。オープンスタブ651、652は、長さが2mmおよび4mmであり、f=7.4GHzとした場合、それぞれの接続点で、周波数2f、fの信号に対してインピーダンスが0になる。この結果、周波数fおよび2fの信号は、バイアス端子631に漏洩しない。また、伝送線路614は、共振器610の開放端から1mmの地点に接続されており、この部分は周波数4fの信号に対してインピーダンスが0であり、この結果、周波数4fの信号は伝送線路614には漏洩しない。
【0068】
結合回路602も、周波数f/mの信号を通し、周波数f、2f、4f等の信号を通さない工夫がなされている。オープンスタブ627、628は、長さがそれぞれ2mm、4mmであり、それぞれの接続点で、周波数2f、fの信号に対してインピーダンスが0になる。この結果、周波数fおよび2fの信号は、基準信号源601側に漏洩しない。また、伝送線路626は、共振器610の開放端から1mmの地点に接続されており、この部分は周波数4fの信号に対してインピーダンスが0であり、この結果、周波数4fの信号は基準信号源601側には漏洩しない。
【0069】
出力回路608は、伝送線路630、オープンスタブ623、結合線路624で構成される。出力回路608には、周波数4fの信号を、出力端子609から出力させ、バイアス端子632には漏洩させない工夫がなされている。オープンスタブ623は長さが1mmであり、その接続点が周波数4fの信号に対してインピーダンス0であり、バイアス端子632に周波数4fの信号が漏洩するのを防ぐ。さらにオープンスタブ623と伝送線路630の接続点から、結合線路624と伝送線路630の接続点までの伝送線路の長さが1mmとなっているため、結合線路624と伝送線路630の接続点から伝送線路630を見たインピーダンスは、周波数4fの信号に対して無限大となる。この結果、直列帰還型発振部603から出力された周波数4fの信号にとっては、伝送線路630は接続されていないと等しい。一方結合線路は線路長が概略1mmとなっており、周波数4fの信号のみを通し、その他の周波数の信号は減衰させる。
【0070】
第一の伝送線路604、第二の伝送線路605は、どちらも幅100ミクロン、長さが600ミクロンであり、これは直列帰還型発振部の基本波である周波数fの信号に対して、電気長が13.5°となっている。
【0071】
周波数2fの信号トラップ606は、幅150ミクロン、長さ2mmであるため、特性インピーダンス50Ω、2fの信号に対して電気長が90°となる。したがって、トラップ606の接続点では、周波数2fの信号に対してインピーダンスが0となり、周波数2fの信号は反射される。
【0072】
一方、周波数fの信号トラップ607は、幅150ミクロン、長さ4mmであるため、特性インピーダンス50Ω、2fの信号に対して電気長が90°となる。したがって、トラップ607の接続点では、周波数fの信号に対してインピーダンスが0となり、周波数fの信号は反射される。
【0073】
以上の構成により、トランジスタが一つだけで、周波数がf/mの注入信号に対して周波数が4×m倍の信号が出力でき、しかも不要波のレベルが小さい注入同期発振器が得られる。また、結合回路202に周波数がfの信号トラップと周波数が2fの信号トラップを配置することにより、直列帰還型発振部から発生する信号のうち、特に特に強度の高い周波数fと2fの信号が基準信号源側に漏洩するレベルを抑えることが可能となり、本注入同期発振器の安定動作が可能となる。
【0074】
(実施の形態7)
実施の形態1〜6で示した注入同期発振器と基準信号源の一部を同一半導体チップに集積化することも可能である。図7にその一例を示す。
【0075】
注入同期発振器(ILO)701、負性抵抗回路702、共振器703、キャパシタ705、抵抗706、バラクタ707、分周器708、位相比較器709、ループフィルタ710、水晶発振器711で構成される。
【0076】
注入同期発振器(ILO)701は、実施の形態1を示す図1において、結合回路102、直列帰還型発振部103、第一の伝送線路104、第二の伝送線路105、周波数2fの信号トラップ106、周波数fの信号トラップ107、出力回路108に対応し、負性抵抗回路702、共振器703、キャパシタ705、抵抗706、バラクタ707、分周器708、位相比較器709、ループフィルタ710、水晶発振器711は、図1の基準信号源101に対応する。また、負性抵抗回路702、共振器703、キャパシタ705、抵抗706、バラクタ707は、電圧制御発振器(VCO)704を構成している。
【0077】
ここで、動作原理について説明する。VCO704で出力される周波数f/mの信号は、実施の形態1〜6に示した原理で周波数4fの信号に変換され、出力される。一方、VCO704で出力される周波数f/mの信号の一部は、分周器708で分周され、位相比較器709に供給される。位相比較器では、水晶発振器711から供給される基準信号との位相差に対応した値の電圧が出力され、その電圧がループフィルタ710を介して、VCO704に供給される。この電圧によって、バラクタ707の容量が調整され、最終的にはループフィルタから供給される電圧が0となる時点で発振周波数する。したがって、負性抵抗回路702からは、常に周波数が安定で位相雑音が低い信号が出力され、この信号を注入したILO701からは、常に周波数が安定で位相雑音が低い周波数4fの信号が出力される。
【0078】
VCOの共振器703は、例えばアルミナ基板上のマイクロストリップ線路や、同軸共振器で構成する。一方、VCOの負性抵抗回路702は、ILO701と同一半導体チップに集積化する。この負性抵抗回路702は、トランジスタと受動素子により容易に構成できる。
【0079】
以上のように、共振器703を外付けにし、負性抵抗回路702をMMICに含めた構成を取ることにより、より周波数が安定で位相雑音の低い信号が得られ、かつ、低損失にILO701に信号を注入することが可能となる。
【0080】
(実施の形態8)
図8は実施の形態1〜7で例示した本発明の注入同期発振器を用いた高周波通信回路装置の一例を示すブロック図である。
【0081】
送信機は、変調信号源801、ハーモニックミキサ802、帯域通過フィルタ803、パワーアンプ804、アンテナ805、ILO806、基準信号源807で構成される。受信器は、チューナ811、ハーモニックミキサ812、帯域通過フィルタ813、ローノイズアンプ814、アンテナ815、ILO816、基準信号源817で構成される。
【0082】
ここで、基準信号源807、817は図1の基準信号源101に対応し、ILO806、816は図1の結合回路102、直列帰還型発振部103、第一の伝送線路104、第二の伝送線路105、周波数2fの信号トラップ106、周波数fの信号トラップ107、出力回路108などで構成される注入同期発振器に対応する。
【0083】
ILO806、816は、直列帰還型発振部の基本波の周波数fが7.375GHzであり、その4倍波である29.5GHzを出力する。基準信号源807、817は、基本波の1/4サブハーモニックである1.84375GHzを出力する。つまり、基準信号源807、817から周波数が1.84375GHzの信号を注入し、ILOからはその16倍波である29.5GHzが出力される。
【0084】
変調信号源801で生成される中間周波信号は1GHzから2GHzの間を占めており、ハーモニックミキサ802の中間周波信号用端子に入力される。ILO806から出力される局発信号は周波数29.5GHzの正弦波であり、ハーモニックミキサ802の局発信号用端子に入力される。
【0085】
中間周波信号と局発信号はハーモニックミキサ802内で混合され、中間周波信号が局発信号により上昇変換(アップコンバート)される。ハーモニックミキサ802から発生する信号のうち、周波数60GHzから61GHzの間の高周波信号のみが帯域通過フィルタ803を通過し、パワーアンプ804に入力され、そこで増幅され、アンテナ805から、高周波電波820として放射される。
【0086】
高周波電波820はアンテナ815で受信され、受信機の高周波信号となり、ローノイズアンプ814で増幅される。さらに帯域通過フィルタ813を通過して、ハーモニックミキサ812の高周波信号用端子に入力される。一方、ILO816から出力された周波数29.5GHzの正弦波の信号は、ハーモニックミキサ812の局発信号用端子に入力される。高周波信号は、ハーモニックミキサ812の内部で局発信号と混合され、再び周波数1GHzから2GHzの間の中間周波信号に下降変換(ダウンコンバート)される。中間周波信号はチューナ811に入力され、所望の情報に変換される。ハーモニックミキサ802と812は、全く同じ構成のものを使用することが可能である。また、帯域通過フィルタ803と813、パワーアンプ804とローノイズアンプ814、アンテナ805と815、ILO806と816、基準信号源807、817はそれぞれ同じ構成のものを用いることができる。
【0087】
基準信号源807、817は、1.8GHz帯の信号を出力するため、従来からのマイクロ波の技術で、高安定で、低位相雑音な基準信号源を容易に構成できる。
【0088】
一方、ILO806、816は、非常に簡素な構成で等価的に16逓倍動作が可能であり、装置の小型化、低コスト化、低消費電力化に寄与する。
【0089】
【発明の効果】
周波数安定性が高く、逓倍次数が高く、かつ不要波のレベルが小さく、しかも回路構成が簡単で消費電力の小さい注入同期発振器を提供できる。
【0090】
本発明の注入同期発振器を高周波通信装置に用いることにより、局部発振器のサイズや消費電力が小さくなるため、高周波通信装置を軽量でかつコンパクトに実現でき、しかも消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発振器の基本構成図を示すブロック図である。
【図2】 本発明の注入同期発振器を示す回路例である。
【図3】 本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。
【図4】 本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。
【図5】 本発明の注入同期発振器を示す別の回路例である。
【図6】 本発明の注入同期発振器を示す回路レイアウトの例である。
【図7】 本発明の注入同期発振器と基準信号源の一部を同一半導体チップに集積化した例である。
【図8】 本発明の注入同期発振器を用いた高周波通信回路装置の例を示すブロック図である。
【図9】 従来の注入同期型マイクロ波発振器のブロック図である。
【符号の説明】
101、201、301、401、501、601、807、817…基準信号源
102、202、302、402、502、602…結合回路
103、203、303、403、503、603…直列帰還型発振部
104、204、304、404、504、604…第一の伝送線路
105、205、305、405、505、605…第二の伝送線路
106、206、306、406、506、606…周波数2fの信号トラップ
107、207、307、407、507、607…周波数fの信号トラップ
108、208、308、408、508、608…出力回路
109、209、309、409、509、609…出力端子
210、310、410、510…共振回路
215、427、515、527…トランジスタ
216、222、516、613、614、626、630…伝送線路
220、221…先端短絡スタブ
426…結合回路の入力回路部
428…結合回路の出力回路部
610…共振器
612、623、627、628、651、652…オープンスタブ
615…チップ状トランジスタ
697…スルーホール
698…ワイア
699…アルミナ基板
701、806、816…ILO
702…負性抵抗
703…共振器
704…VCO
801…変調信号源
802、812…ハーモニックミキサ
803、813…帯域通過フィルタ
804…パワーアンプ
814…ローノイズアンプ
805、815…アンテナ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oscillator that generates a microwave / millimeter wave signal used for a small and lightweight radio signal, and more particularly, to an injection locking oscillator, and to a high-frequency communication apparatus using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with an increase in the amount of information, personal communication that wirelessly transmits high-speed and large-capacity analog / digital information using a high-frequency carrier wave such as a microwave or a millimeter wave has attracted attention. In such communication, a compact and lightweight microwave / millimeter wave signal generator with high frequency stability and low phase noise is required. One method for realizing such a millimeter wave signal generator is an injection locked oscillator.
[0003]
As an example, IEEE TRANSACTION ON MICROWAVEMETHOE AND TECHNIQUES, VOL. 42, NO. FIG. 9 shows a conventional injection-locked microwave oscillator shown on pages 12572-2578.
[0004]
This injection-locked microwave oscillator includes an oscillation loop 10 including an amplifier 1 and a delay line 2, a combiner / divider 3, and a microwave /
[0005]
Here, a signal having a frequency fo = f / m (m: an integer equal to or greater than 2) having a frequency fo and sufficiently low phase noise is forcibly injected from the input terminal via the microwave /
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional method shown in FIG. 9, the basic oscillation frequency f 'is determined by controlling the phase according to the line length of the positive feedback loop including the delay line and the combiner / divider. For this reason, when the fundamental oscillation frequency f ′ is high, the line length of the positive feedback loop is shortened, which makes it difficult to control the fundamental oscillation frequency f ′.
[0007]
Further, in such a circuit configuration using a combiner / divider, since the separation in the transmission characteristics between C and D of the combiner / divider is poor, an injection signal (frequency fo = f / m) input through an amplifier. The signal extracted from the output terminal is a signal including many unnecessary waves in addition to the desired wave having the frequency f.
[0008]
There is a method of devising a combiner / divider in order to suppress this unnecessary wave and output only a desired wave. In this case, however, a large number of transistors must be used, resulting in a problem of increased power consumption. .
[0009]
An object of the present invention is to provide an injection-locked oscillator having high frequency stability, a level of unnecessary waves and a high signal purity, a simple circuit configuration and low power consumption.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The injection-locked oscillator of the present invention has a reference signal source, a coupling circuit, and a series feedback oscillation unit,The series feedback oscillation unit includes a first transistor, and the coupling circuit includes a second transistor whose emitter or source is grounded,The reference signal source is connected to one end of the coupling circuit, and the other end of the coupling circuitThe collector or drain of the second transistor isOne end of the series feedback oscillatorThe first transistor and the second transistor share a direct current by being connected to the emitter or source of the first transistor.It is characterized by that.
Thus, by cascode-connecting the transistor of the series feedback oscillator and the transistor of the coupling circuit, the bias circuit of both transistors can be simplified and the collector current or drain current can be shared. Despite being present, it is possible to reduce power consumption. Further, since the reference signal is directly injected into the transistor of the series feedback oscillation unit, there is no loss of the injection signal in the coupling circuit, and the injection locked oscillator can be stably operated with high efficiency.
[0011]
In the injection-locked oscillator of the present invention, when the basic oscillation frequency of the series feedback oscillator is f, the frequency of the reference signal source is f / m (m is an integer of 2 or more).
[0012]
In the reference signal injected from the reference signal source through the coupling circuit into the series feedback oscillation unit, the harmonics thereof and the fundamental oscillation wave of the series feedback oscillation unit are synchronized. Since the signal of the frequency f / m injected from the reference signal source and its harmonics are converted into the fundamental oscillation wave of the series feedback type oscillation unit through the operation process of injection locking, only the desired wave is output. Other unnecessary waves are suppressed and are hardly output.
[0013]
By injecting the reference signal into the series feedback oscillator through the coupling circuit, the level of the signal leaking from the series feedback oscillator to the reference signal source side can be suppressed, and the stable operation of the injection locked oscillator can be improved. It becomes possible. The coupling circuit is preferably composed of an inductor. Or you may be comprised by the parallel circuit and shunt capacitor of the inductor and the capacitor.
[0014]
The coupling circuit preferably includes a signal trap having a frequency 2f and a signal trap having a frequency f. By arranging a signal trap having a frequency f and a signal trap having a frequency 2f in the coupling circuit, particularly high-intensity signals f and 2f among the signals generated from the series feedback oscillation unit are on the reference signal source side. Therefore, it is possible to suppress the level leaking to the injection-locked oscillator, and the injection-locked oscillator can be operated more stably.
[0015]
[0016]
[0017]
[0018]
[0019]
[0020]
[0021]
A high-frequency communication device according to the present invention is the injection-locked oscillation according to claim 1.VesselAnd used as a local oscillator.
[0022]
By using the injection-locked oscillator of the present invention for a high-frequency communication device, the size and power consumption of the local oscillator are reduced, so that the high-frequency communication device can be realized in a lightweight and compact manner, and the power consumption can be suppressed.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to the drawings.
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a basic configuration diagram of an oscillator according to the present invention, which is an oscillator that injects a reference signal having a frequency of f / m (m is an integer of 2 or more) and outputs a signal having a frequency of 4f.
[0024]
[0025]
The
[0026]
The signal of the frequency f / m output from the
[0027]
As a characteristic of the coupling circuit, it is preferable that a reference signal having a frequency f / m can be easily passed and a signal having an oscillation frequency f of the series feedback oscillator is difficult to pass. By injecting the reference signal into the series feedback oscillator through such a coupling circuit, it becomes possible to suppress the level of the signal leaking from the series feedback oscillator to the reference signal source side. Stable operation is possible.
[0028]
The signal of frequency f output from the
[0029]
When the series feedback type is used as the oscillating unit, since there is one signal path, all the reference signals having the frequency f / m are injected into the transistors of the oscillating unit. Further, it is possible to reflect all of the output signals of the frequencies 2f and f to the transistor side by using signal traps of the frequencies 2f and f, and the signal output of the desired wave of the
[0030]
The
[0031]
Since this output signal is synchronized with the harmonics of the signal of the reference signal source, its stability and phase noise are determined by the
[0032]
Further, since the signal of the frequency f / m injected from the
[0033]
When the electrical lengths of the
[0034]
As the
[0035]
The
[0036]
By using the injection-locked oscillator configured as described above, for example, a reference signal is injected from a microwave band signal source of about 1 to 5 GHz, and a millimeter-wave band low phase noise signal of 30 GHz or more can be easily generated. Can do.
[0037]
(Embodiment 2)
Next, a circuit example in which the basic configuration diagram of FIG. 1 described in the first embodiment is further embodied will be shown.
[0038]
FIG. 2 is a circuit example showing the injection locking oscillator of the present invention. As in the first embodiment, a
[0039]
The point to be emphasized here is that the
[0040]
The series
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
As an example, when f = 7.4 GHz, when the characteristic impedance of the tip short-circuited
[0045]
The
[0046]
Functions of
[0047]
Note that although the bipolar feedback transistor is used as the series
[0048]
Further, although the
[0049]
With the above configuration, it is possible to output an injection-locked oscillator having a frequency of 4 × m times the injection signal having a frequency of f / m with only one transistor, and having a low unnecessary wave level. Further, by using a series inductor in the
[0050]
(Embodiment 3)
FIG. 3 is another circuit example showing the injection-locked oscillator of the present invention. As in the second embodiment shown in FIG. 2, a
[0051]
The difference from the second embodiment is that the
[0052]
On the other hand, for the signal of frequency f / m output from the reference signal source, the impedance of the
[0053]
As a combination of the
[0054]
Also in the third embodiment, a matching circuit for a signal of frequency f / m may be inserted between the
[0055]
With the above configuration, it is possible to obtain an injection-locked oscillator that can output a signal having a
[0056]
(Embodiment 4)
FIG. 4 is another circuit example showing the injection locking oscillator of the present invention. As in the second or third embodiment, the
[0057]
The difference from Embodiment 2 or 3 is that
[0058]
A configuration of the
[0059]
By adopting the above configuration as the
[0060]
With the above configuration, an injection-locked oscillator having a frequency of 4 × m times that of an injection signal having a frequency of f / m can be output with two transistors and an unnecessary wave level is small. Further, by using a circuit including a transistor in the coupling circuit, it is possible to suppress the level of a signal leaking from the series feedback oscillator to the reference signal source side, and the stable operation of the injection locking oscillator can be achieved.
[0061]
(Embodiment 5)
FIG. 5 is another circuit example showing the injection-locked oscillator of the present invention. As in the first to fourth embodiments, the
[0062]
The difference from the fourth embodiment is that the output terminal of the
[0063]
With such a cascode connection configuration, the
[0064]
In addition, since the reference signal is directly injected into the transistor of the series feedback oscillation unit without interposing a passive element such as a capacitor, the loss of the injection signal is small, and the injection-locked oscillator is stably operated with high efficiency. Can do.
[0065]
(Embodiment 6)
FIG. 6 is an example of a circuit layout showing the injection locking oscillator of the present invention. On an
[0066]
First, in the
[0067]
The
[0068]
The
[0069]
The
[0070]
Both the
[0071]
Since the
[0072]
On the other hand, the
[0073]
With the above configuration, it is possible to obtain an injection-locked oscillator having a single transistor, capable of outputting a
[0074]
(Embodiment 7)
It is also possible to integrate part of the injection locked oscillator shown in the first to sixth embodiments and the reference signal source on the same semiconductor chip. An example is shown in FIG.
[0075]
An injection locked oscillator (ILO) 701, a
[0076]
In FIG. 1 showing the first embodiment, an injection locked oscillator (ILO) 701 includes a
[0077]
Here, the principle of operation will be described. The signal of frequency f / m output from
[0078]
The
[0079]
As described above, by adopting a configuration in which the
[0080]
(Embodiment 8)
FIG. 8 is a block diagram showing an example of a high-frequency communication circuit device using the injection locked oscillator of the present invention exemplified in the first to seventh embodiments.
[0081]
The transmitter includes a
[0082]
Here, the
[0083]
The
[0084]
The intermediate frequency signal generated by the
[0085]
The intermediate frequency signal and the local oscillation signal are mixed in the
[0086]
The high
[0087]
Since the
[0088]
On the other hand, the
[0089]
【The invention's effect】
It is possible to provide an injection-locked oscillator having high frequency stability, high multiplication order, low unnecessary wave level, simple circuit configuration and low power consumption.
[0090]
By using the injection-locked oscillator of the present invention for a high-frequency communication device, the size and power consumption of the local oscillator are reduced, so that the high-frequency communication device can be realized in a lightweight and compact manner, and the power consumption can be suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a basic configuration diagram of an oscillator of the present invention.
FIG. 2 is a circuit example showing an injection-locked oscillator of the present invention.
FIG. 3 is another circuit example showing the injection locked oscillator of the present invention.
FIG. 4 is another circuit example showing the injection locked oscillator of the present invention.
FIG. 5 is another circuit example showing the injection locking oscillator of the present invention.
FIG. 6 is an example of a circuit layout showing an injection-locked oscillator of the present invention.
FIG. 7 shows an example in which an injection locked oscillator according to the present invention and a part of a reference signal source are integrated on the same semiconductor chip.
FIG. 8 is a block diagram showing an example of a high-frequency communication circuit device using the injection locking oscillator of the present invention.
FIG. 9 is a block diagram of a conventional injection-locked microwave oscillator.
[Explanation of symbols]
101, 201, 301, 401, 501, 601, 807, 817 ... reference signal source
102, 202, 302, 402, 502, 602... Coupling circuit
103, 203, 303, 403, 503, 603 ... Series feedback oscillator
104, 204, 304, 404, 504, 604 ... first transmission line
105, 205, 305, 405, 505, 605 ... second transmission line
106, 206, 306, 406, 506, 606 ... signal trap of frequency 2f
107, 207, 307, 407, 507, 607 ... signal trap of frequency f
108, 208, 308, 408, 508, 608... Output circuit
109,209,309,409,509,609 ... Output terminal
210, 310, 410, 510 ... resonant circuit
215, 427, 515, 527 ... transistor
216, 222, 516, 613, 614, 626, 630 ... transmission line
220, 221 ... Short end short stub
426 ... Input circuit portion of coupling circuit
428 ... Output circuit portion of coupling circuit
610: Resonator
612, 623, 627, 628, 651, 652 ... open stub
615 ... Chip transistor
697 ... Through hole
698 ... Wire
699 ... Alumina substrate
701, 806, 816 ... ILO
702 ... Negative resistance
703: Resonator
704 ... VCO
801: Modulation signal source
802, 812 ... Harmonic mixer
803, 813 ... band pass filter
804 ... Power amplifier
814 ... Low noise amplifier
805, 815 ... Antenna
Claims (6)
前記直列帰還型発振部は第1のトランジスタを含み、
前記結合回路はエミッタあるいはソースが接地された第2のトランジスタを含み、
前記基準信号源が前記結合回路の一端に接続され、
前記結合回路の他端である前記第2のトランジスタのコレクタあるいはドレインが、前記直列帰還型発振部の一端である前記第1のトランジスタのエミッタあるいはソ−スと接続されることにより、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとが直流電流を共有することを特徴とする注入同期発振器。It has a reference signal source, a coupling circuit, and a series feedback oscillation unit,
The series feedback oscillation unit includes a first transistor,
The coupling circuit includes a second transistor whose emitter or source is grounded;
The reference signal source is connected to one end of the coupling circuit;
The collector or drain of the second transistor, which is the other end of the coupling circuit , is connected to the emitter or source of the first transistor, which is one end of the series feedback oscillation unit ,
An injection locking oscillator, wherein the first transistor and the second transistor share a direct current .
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