JP3735614B2 - 透過電子顕微鏡観測用下地試料、透過電子顕微鏡測定方法、および透過電子顕微鏡装置 - Google Patents

透過電子顕微鏡観測用下地試料、透過電子顕微鏡測定方法、および透過電子顕微鏡装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過電子顕微鏡観測用下地試料、透過電子顕微鏡測定方法、および透過電子顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、透過電子顕微鏡(以下、TEM(Transmission Electron Microscope)とも云う)を用いて測定を行う各種の透過電子顕微鏡測定用試料(以下、TEM測定用試料とも云う) の作成方法およびTEM測定用試料を用いたTEM観察方法が知られている。例えば、TEM測定試料の作成方法としてFIB(Focused Ion Beam)法およびイオンミリング法が広く知られている。
【0003】
FIB法は、ダイシングソーで観察対象となる薄膜や半導体パターンを有する観察対象領域を約0.2mm×1.5mm角の大きさに切り出し、試料を保持するための冶具に固定した後、加速電圧5 keV〜30keVのGaイオンビームを集束させてスパッタリングすることにより、上記観察対象となる薄膜もしくは半導体パターンを100nm程度に薄片化することでTEM試料を作製する方法である。
【0004】
イオンミリング法は、試料とダミー基板を接着剤(のり, Glue)で張り合わせ、断面方向に機械的に数μm厚まで研磨後、加速電圧2 keV〜5keVのArイオンでスパッタリングして観察箇所を数nm〜数10nm程度まで薄片化することでTEM試料を作製する方法である(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、リソグラフィー工程とプラズマを用いた反応性イオンエッチング(以下RIE(Reactive Ion Etching)とも云う)を用いてマスク直下を残しマスクと同等の幅をもつ薄片化部を形成することでTEM試料を作製する方法(以下RIE法とも云う)もある(例えば、非特許文献2参照)。
【0006】
上記作成方法を用いて作成された試料を用いてTEM観察が行われている。また、近年、ナノテクノロジーの研究が盛んであり、処理を行いながら同時にTEM観察するという所謂、その場(in-situ) TEM観察が量子物性の研究に利用されている。
【0007】
例えばTEM装置内に走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope)を併設し、原子像と量子化コンダクタンスを同時測定することなどが行われている(例えば、非特許文献3参照)。
【0008】
【非特許文献1】
平坂雅男・朝倉健太郎 共偏、「FIB・イオンミリング技法Q&A」、P.42〜47(2002)
【非特許文献2】
Hyun-Jin Cho, Peter B, Griffin, and James D. Plummer, Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol.480, 217(1997)
【非特許文献3】
Quantized conductance through individual rows of suspended gold atoms, H. Ohnishi, Y. Kondo, K. Takayanagi, Nature, 395, 780-783 (1998)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法によりTEM観察用試料を作成しTEM観察することが可能であるが、簡便に高精度なTEM観察を行うことは困難である。例えば、FIB法は高加速のGaイオンビームを用いるので、Gaや観察試料に含まれる元素を含んだアモルファス層を電子線が透過する観察領域に形成されてしまう。そして、この形成されたアモルファス層の厚さは20nm程度もありTEM観察像を不鮮明なものとしてしまう。更にこの形成されたアモルファス層に様々な元素が含まれることからEnergy Dispersive X-ray Spectrometer (EDX)や、Electron Energy Loss Spectroscopy (EELS)を困難なものとする。
【0010】
また、イオンミリング法はTEM観察用試料を約10nm程度まで薄膜化でき、アモルファス層の形成も5nm程度に抑えられることからFIB法よりもコントラストの高い像を得ることが可能である。しかし、試料が曲がり易く、観察対象物の欠陥や応力評価を困難なものとする。
【0011】
一方、RIE法は、一般にリソグラフィーの解像度がレジストの下地、つまり観察対象物の膜種および膜厚によって異なるため、TEM 観察用試料をRIE法で作成する場合に、その都度リソグラフィーのフォーカスとドーズの条件出しを行う必要がある。また、RIE工程においてもRIEで削る対象、つまりTEM 観察試料の種類によってガスなどRIE条件を変える必要があり、TEM 観察試料を作成するための時間を多く必要とする。
【0012】
また、これらTEM試料の作成方法によって作成されたTEM試料を用いて、密着性の悪い微粒子をTEM観察する場合、TEM試料の作成に特に注意をする必要がある。例えば、金ターゲットを用いて窒素プラズマを用いたスパッタ(所謂、金コート)により金微粒子を形成後に上記試料をTEM観察する場合、試料作成途中にダイシングソーを用いると、金微粒子が下地と密着性が悪いため金微粒子が剥がれてしまうことが頻発する。このように、金微粒子の粒径評価など行う際、困難を伴う。
【0013】
また、一度作成されたTEM観察試料は、ある処理後に再びTEM観察を行うということが困難である。FIB法、イオンミリング法で作成された場合、のりの領域をエッチングすることが必要であることが多い。また、RIE法で形成されたTEM観察試料はRIE加工側壁部からの反応が避けがたい場合が多い。
【0014】
更に、TEM観察ではこれまで上記方法によりTEM観察用試料を作成する必要があったため、上記の文献に挙げた金の量子化コンダクタンス測定のような1次元系のTEM観察と異なり、2次元系の反応、特に反応初期過程のTEM観察は事実上不可能であった。
【0015】
本発明は、上記事項を考慮してなされたものであって、簡便に高精度なTEM観察を行うことのできる透過電子顕微鏡観測用下地試料、透過電子顕微鏡測定方法、および透過電子顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様による透過電子顕微鏡観測用下地試料は、幅が約300nm以下の一部領域を備える柱状の突起部を有することを特徴とする。ここで、「約」は、加工精度上の誤差を含む趣旨であり、または、電子線の透過可能幅のゆらぎを含む趣旨である。
【0017】
また、本発明の第2の態様による透過電子顕微鏡観察方法は、柱状の突起部に形成された透過電子顕微鏡の電子線が透過可能となる幅を有する一部領域に透過電子顕微鏡測定対象物を形成した透過電子顕微鏡観察試料を透過電子顕微鏡のホルダーに収まるよう加工し、この加工された透過電子顕微鏡観察試料を透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、透過電子顕微鏡観察試料の一部領域の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得ることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第3の態様による透過電子顕微鏡観察方法は、柱状の突起部に形成された透過電子顕微鏡の電子線が透過可能となる幅を有する一部領域を備えた透過電子顕微鏡観測用下地試料を透過電子顕微鏡のホルダーに収まるよう加工し、この加工された透過電子顕微鏡観測用下地試料の一部領域に透過電子顕微鏡測定対象物を形成して透過電子顕微鏡観察試料を作成し、この透過電子顕微鏡観察試料を透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、透過電子顕微鏡観察試料の一部領域の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得ることを特徴とする。
【0019】
なお、透過電子顕微鏡像が得られた透過電子顕微鏡観察試料に所定の処理を行い、この所定の処理が行われた透過電子顕微鏡観察試料を透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、透過電子顕微鏡観察試料の柱状の突起部の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得るように構成しても良い。
【0020】
なお、一部領域は結晶領域であっても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を、図1乃至図9を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成を説明する。図1に示すように、結晶方位{100}を面方位とするシリコン単結晶基板2上に、反射防止膜40を形成し、この反射防止膜40上にレジスト50を塗布する。その後、図2に示すように、KrFを光源とする光リソグラフィー工程によりレジスト50をパターニングし、細線パターン50aを形成する。続いて図3に示すように、上記細線パターン50aをマスクとして、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)により反射防止膜40をエッチングし細線パターン40aを形成した後、更にシリコン基板1を深さ200nm程度エッチングし、幅が薄い(140nm)単結晶突起領域を有するシリコン基板2Aを形成する。その後、細線パターン40a、50aを剥離し、希フッ酸処理により自然酸化膜を除去することにより、幅が140nmの清浄なシリコン単結晶突起領域を有する透過電子顕微鏡観測用下地試料1が形成される。この透過電子顕微鏡観測用下地試料1の突起領域上面2aの結晶面方位は{100}で側面2bの結晶面方位は{011}である。
【0024】
次に、図5に示すように、上記単結晶突起領域を覆うように化学気相堆積方法によりHfシリケート膜12を45nm堆積させる。その後、図6に示すように、Hfシリケート膜12が堆積されたシリコン単結晶突起領域を含むように、透過電子顕微鏡観測用下地試料1をダイシングソーで、幅250μmに加工し、TEM観察用試料10を形成する。
【0025】
次に、TEM観察用試料10をTEM用試料ホルダー(図示せず)に載せTEM の筐体内に導入する。そして、図7に示すように、上記シリコン単結晶突起領域の側面の<011>方向からTEM観察用試料10に電子線を照射し、TEM観察用試料10の後方に、電子線を結像させ、図8に示すTEM観察像を得る。
【0026】
TEM観察用試料10が導入されたTEMの筐体内は、真空であるため、図8に示すTEM観察像からわかるように、Hfシリケート膜12の表面の同定が容易であり、Hfシリケート膜12の膜厚を高精度に算出可能である。
【0027】
また、図4に示す透過電子顕微鏡観測用下地試料1の単結晶突起領域を覆うように、膜厚が10nmのHfシリケート膜を堆積後、酸化雰囲気のもと1000℃で10分熱処理を行い、TEM用試料ホルダーに収まるようダイシング加工して、TEM観察試料を作成し、TEM観察を行うと、図9に示すようなTEM観察像が得られる。図9は、シリコン基板上に、ほぼアモルファス状態のSiO2からなる界面層が形成され、この界面層上にHfシリケート膜が形成されていることを示している。
【0028】
この図9からわかるように、Hfシリケート膜の膜厚の算出、シリコン基板2AとHfシリケート膜との界面の界面層増加の情報が得られるばかりでなく、シリコン基板2Aの単結晶突起領域の上部2aに形成されたHfシリケート膜に結晶縞が認められ、Hfシリケート膜の結晶化判断を行うことができる。すなわち、通常の断面TEM観察と同等以上の評価が可能となる。
【0029】
また、図9に示すように、シリコン基板2Aの単結晶突起領域の側面2bに形成されたHfシリケート膜の領域において、Hfシリケート膜の結晶化に起因した縞模様が下地のシリコン単結晶の格子縞とモアレ縞を形成するので、膜の結晶化の判断を敏感に行うことが可能となる。つまり、通常の平面TEM観察と同等以上の評価が可能である。
【0030】
なお、膜厚評価、基板界面層の評価を行う場合には、本実施形態のように、堆積させる膜厚をT、RIEでエッチングしたシリコン基板2Aの深さDとの間にT<Dの関係が必要である。
【0031】
シリコン基板の各面方位は上記面方位に限るものではなく、例えば基板鉛直方向の面方位が{100}で側面の面方位が{010}である場合なども含むものとする。特にこの場合のように鉛直方向と側面の面方位が同一である場合、通常のエピタキシャル膜の結晶性判断と同等の評価、つまり、断面TEM評価と、平面TEM評価を一度に行うことが可能である。通常、断面TEM評価と、平面TEM評価について別々にTEM観察試料を作成していた場合と比較してTEM観察試料作成の手間が半分で済みTEM観察コストが低減される利点がある。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図10乃至図12を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成について説明する。図10に示すように、結晶方位{100}を面方位とするシリコン単結晶基板2上に酸化膜を0.6nm形成し、この酸化膜をプラズマ窒化し酸窒化膜4を形成する。その後、酸窒化膜4上にポリシリコン5を200nm堆積させ、このポリシリコン5上に反射防止膜40を形成し、この反射防止膜40上にレジスト50を塗布する(図10参照)。
【0034】
次に、KrFを光源とする光リソグラフィー工程によりレジスト50をパターニングし、細線パターン50aを形成する。そして、この細線パターン50aをマスクとして、プラズマを用いた反応性イオンエッチングを行い、反射防止膜40、ポリシリコン5、酸窒化膜4、およびシリコン基板2を、シリコン基板2が深さ200nm程度掘り込まれるまでエッチングする(図11参照)。その後、レジスト剥離工程および自然酸化膜除去工程により、幅の薄い(60nm)の単結晶突起領域を有するシリコン基板2Aと、この単結晶突起領域上に積層された酸窒化膜4aおよびポリシリコン5aからなる積層膜とを有する透過電子顕微鏡観測用下地試料1Aが形成される(図11参照)。この透過電子顕微鏡観測用下地試料1Aの側面2bの結晶面方位は{011}である。
【0035】
次に、透過電子顕微鏡観測用下地試料1Aをダイシングソーで、幅250μmに加工する。そして、図12に示すように、加工された透過電子顕微鏡観測用下地試料1A上に窒素プラズマを用いた物理スパッタ方法によって金の微粒子13を形成し、TEM観察用試料10Aを作成する。
【0036】
このTEM観察用試料10AをTEM用試料ホルダーに載せ透過電子顕微鏡筐体内に導入し、TEM観察用試料10Aの側面すなわちシリコン基板2Aのシリコン単結晶突起領域の側面方向(結晶方位<011>の方向)から電子線を照射し、TEM観察用試料10Aの後方に電子線を結像させ、図13に示すようなTEM観察像を得る。図13に示す、薄く黒ずんだ部分は金の微粒子13を示し、シリコン基板領域の白い点は、Si原子で囲まれた領域(所謂、格子像)を示している。そして、結晶領域内のSi原子は規則正しく配列されているため、この白い点の間隔から得られたTEM像の絶対尺度を算出でき、薄く黒ずんだ部分すなわち金の微粒子の粒径を測定することができる。
【0037】
ダイシングの際用いる水により、剥がれてしまうような下地試料と密着性の悪いTEM評価用試料や、水と反応してしまうような試料をTEM評価する場合、本実施形態のように、TEM評価対象物(本実施形態の場合は金の微粒子13)を形成する前にTEM用試料ホルダーに導入できる大きさにTEM観測用下地試料1Aを加工しておき、それからTEM評価対象物を形成すると良い。
【0038】
また、密着性の悪い金の微粒子をTEM評価する際、FIBやイオンミリング等を用いて行う従来のTEM測定方法では、予め試料を加工する前に、試料をある一定の大きさにダイシングソーで加工する必要が有った。このため、従来の方法では、TEM評価前のダイシング加工時に金の微粒子が剥がれたりすることが起こり、TEM評価試料を再作成する必要があった。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0040】
また、一般に、物質Aと複数の物質B1, B2, ….との反応性を調べる際、本実施形態のように、まず物質B1, B2, ….からなる積層膜をシリコン基板2Aの単結晶突起領域上に形成し、RIEを施した上で物質Aと反応させることで、各物質との反応性を一度に調べることが可能となる。例えば、SiとGeからなるSixGe1-x層が複数からなる突起領域にシリサイド化反応する物質Ti、 CoまたはNiを堆積させ熱処理を施しシリサイドを形成させた後、TEM観察することで、各組成SixGe1-x毎のシリサイド化反応の詳細を調べることが可能である。また、この組成は傾斜的に変化させてあっても良い。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図14および図15を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料は、結晶面方位{100}を基板表面の面方位とするシリコン単結晶から形成された、形状が図4に示す第1実施形態の透過電子顕微鏡観測用下地試料2Aであって、清浄なシリコン単結晶突起領域の幅が60nmのものである。したがって、シリコン単結晶突起領域の上面の結晶面方位は{100}で側面の結晶面方位は{011}である。
【0042】
そして、透過電子顕微鏡観測用下地試料2Aを1000℃酸化雰囲気でアニールすることでシリコン単結晶突起物の表面を酸化し、図14に示すように、表面にシリコン酸化膜14を形成する。そして、シリコン単結晶突起領域を含むようにダイシングソーで幅250μmに加工することにより、TEM用観察試料10Bが得られる。
【0043】
このTEM用観察試料10BをTEM用試料ホルダーに載せて透過電子顕微鏡筐体内に導入し、図15に示すように、上記シリコン単結晶突起領域の側面の{011}方向からTEM用観察試料10Bに電子線を照射し、TEM用観察試料10Bの後方に電子線を結像させることにより、シリコン酸化膜14のTEM観察像を得る。これにより、第1および第2実施形態と同様に、シリコン酸化膜の膜厚評価を精密に行うことができる。
【0044】
なお、膜厚評価を行う場合には、図14に示すように、堆積させる膜厚をT、RIEでエッチングした基板深さDとすれば、T<Dの関係が必要である。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0046】
なお、第3実施形態においては、透過電子顕微鏡観測用下地試料2Aのシリコン単結晶突起領域の表面を酸化して、表面にシリコン酸化膜14を形成した後に、ダイシングソーで幅250μmに加工することにより、TEM用観察試料10Bを得たが、シリコン酸化膜14を形成する前に、ダイシングソーで幅250μmに加工し、その後、シリコン単結晶領域の表面を酸化し、表面にシリコン酸化膜を形成しても良い。
【0047】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図16および図17を参照して説明する。 まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料は、結晶面方位{100}を基板表面の面方位とするシリコン単結晶から形成された、形状が図4に示す第1実施形態の透過電子顕微鏡観測用下地試料2Aであって、清浄なシリコン単結晶突起領域の幅が60nmのものである。このシリコン単結晶突起領域の上面の結晶面方位は{100}で側面の結晶面方位は{011}である。
【0048】
この透過電子顕微鏡観測用下地試料2Aの単結晶突起領域に化学気相堆積方法でSiH4(シラン)ガスを用いて600℃でアモルファスシリコン膜を堆積させた後、シランガスを止め、Nガス中で600℃のアニールを行い、図16に示すように、基板単結晶シリコンを種としたアモルファスシリコン膜のエピタキシャル成長を促進させ、図16に示すように、シリコン単結晶突起領域上にエピタキシャル成長膜15を形成する。そして、シリコン単結晶突起領域を含むようにダイシングソーで厚さ250ミクロンに加工することにより、図16に示すようなTEM用観察試料10Cが得られる。
【0049】
このTEM用観察試料10CをTEM用試料ホルダーに載せ透過電子顕微鏡筐体内に導入し、図17に示すように、シリコン単結晶突起領域の側面の<011>方向からTEM用観察試料10Cに電子線を照射し、TEM用観察試料10Cの後方に電子線を結像させTEM観察像を得る。これにより、第1および第2実施形態と同様に、エピタキシャル成長膜15の膜厚評価、結晶性評価および基板との界面層の評価を精密に行うことができる。
【0050】
上記エピタキシャル成長の膜評価は上記のような固相エピタキシャル成長膜に対してだけでなく気相エピタキシャル成長膜などにも適用可能である。
【0051】
膜厚評価、基板界面層の評価を行う場合には、図16に示すように、堆積させる膜厚をT、RIEでエッチングした基板深さDとすれば、T<Dの関係が必要である。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0053】
なお、基板の各面方位は上記面方位に限るものではなく、他に一例として、基板鉛直方向の面方位が(100)で側面の面方位が(010)である場合なども含むものとする。特にこの場合のように鉛直方向と側面の面方位が同一である場合、通常のエピタキシャル膜の結晶性判断と同等の評価、つまり、断面TEM評価と平面TEM評価を一度に行うことが可能である。通常、断面TEM評価と平面TEM評価について別々にTEM試料を作成していたのと比較してTEM試料作成の手間が半分で済みTEM観察コストが低減される利点がある。
【0054】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を図18乃至図24を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成を説明する。図18にしめすように、表面のミラー指数が{100}であるシリコン{100}基板2上にシリコン窒化膜6を堆積する。その後、シリコン窒化膜6上に反射防止膜40を形成し、この反射防止膜40上にレジスト50を塗布する。
【0055】
次に、図19に示すように、KrFを光源とするリソグラフィー工程により、レジスト50をパターニングし、細線パターン50aを形成する。この細線パターン50aをマスクとして、プラズマを用いた反応性イオンエッチング工程により反射防止膜40およびシリコン窒化膜6をパターニングして細線パターン40aおよび窒化膜6aを形成するとともにシリコン基板2を加工し、幅60nm程度の柱状部を有するシリコン基板2Aを形成する(図20参照)。なお、柱状部を形成するためにシリコン基板を掘り込む深さは200nm程度とする。
【0056】
次に、Oプラズマによるレジスト灰化処理および硫酸と過酸化水素の混合液によりレジスト50aおよび反射防止膜40aを剥離した後、1000℃酸化雰囲気においてシリコン基板2Aの表面を酸化し、図21に示すように、柱状部の側面にシリコン酸化膜7を形成する。このとき、柱状部の上面には窒化膜6aが形成されているため、柱状部の上面は酸化されない。
【0057】
その後、酸化の際のマスクとなった窒化膜6aを熱燐酸を用いて剥離し(図22参照)、シリコン基板2Aの柱状部の上面を露出させた後、800℃の減圧下でシランガスを流しシリコン基板2Aの柱状部の露出面を種としてシリコンをエピタキシャル成長させて柱状部の上面にエピタキシャル成長膜16が形成されたTEM観察用試料10Dを形成する(図23参照)。
【0058】
このTEM観察用試料10DをTEM観察用ホルダーに入る大きさにダイシングソーを用いて加工し、図24に示すように、上記柱状部の横方向から電子線を透過させTEM観察を行う。
【0059】
本実施形態によれば、エピタキシャル成長はシリコン基板2Aの柱状部の上面に限られ、柱状シリコン領域の側壁部および角部の領域はエピタキシャル成長を抑制できるため、シリコン基板表面の面指数のエピタキシャル成長の様子を限定してTEM観察可能である。また、酸化膜7上へ乗り上げて横方向にエピタキシャル成長する場合の結晶性についても観察可能となる。上記実施例のシリコン基板の面指数は{100}に限るものではなく、一般の面指数が可能である。また、下地基板はシリコン単結晶に限るものでは無く、SiGeやSiGeCを含めGaAs、GaN、InGaNなど一般の化合物半導体の単結晶および多結晶基板を含むものとすることが可能となる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0061】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態を図25乃至図31を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成を説明する。表面のミラー指数が{100}であるシリコン基板上に反射防止膜形成し、この反射防止膜上にレジストを塗布し、KrFを光源とするリソグラフィー工程およびプラズマを用いた反応性イオンエッチング工程によりシリコン基板を加工し、厚さ60nm程度の柱状部を有するシリコン基板2Aを形成する。なお、シリコン基板を掘り込む深さは200nm程度とする。Oプラズマによるレジスト灰化処理および硫酸と過酸化水素の混合液によりレジストおよび反射防止膜を剥離した後、1000℃酸化雰囲気においてシリコン基板全面を酸化し、シリコン酸化膜7を形成する(図25参照)。
【0062】
続いて、図26に示すようにシリコン酸化膜7上にシリコン窒化膜8を堆積させ、その後、プラズマを用いた反応性イオンエッチングでシリコン窒化膜8をエッチングし、柱状部の側部にのみシリコン窒化膜8aを残置する(図27参照)。そして、シリコン基板2Aの表面を希フッ酸で処理し、柱状部の側部にのみシリコン酸化膜7aおよびシリコン窒化膜8aからなる側壁を形成し、透過電子顕微鏡測定用試料1Cを得る。(図28参照)。
【0063】
その後、この透過電子顕微鏡測定用試料1Cを800℃の減圧下でシランガスを流し、シリコン基板2Aの露出表面を種としてシリコンをエピタキシャル成長させ、エピタキシャル成長膜16を形成し、TEM観察用試料10Eを形成する(図29参照)。
【0064】
TEM観察用試料10EをTEM観察用ホルダーに入る大きさにダイシングソーを用いて加工し(図30参照)、TEM観察用試料10Eの柱状部の横方向から電子線を透過させTEM観察を行う(図31参照)。
【0065】
本実施形態によれば、観察されるエピタキシャル成長は柱状部の上面に限られ、柱状部の側壁部および角部の領域のエピタキシャル成長を抑制できるため、シリコンの表面の面指数のエピタキシャル成長の様子を限定してTEM観察可能である。また、酸化膜7a上へ乗り上げて横方向にエピタキシャル成長する場合の結晶性についても観察可能となる。
【0066】
なお、シリコン基板の面指数は{100}に限るものではなく、一般の面指数が可能である。また、下地基板はシリコン単結晶に限るものでは無く、SiGeやSiGeCを含めGaAs、GaN、InGaNなど一般の化合物半導体の単結晶および多結晶基板を含むものとする。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0068】
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態を図32乃至図34を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成を説明する。結晶方位が{100}を面方位とするシリコン単結晶基板上にシリコン窒化膜を形成し、リソグラフィー工程を用いて、シリコン窒化膜およびシリコン単結晶基板をエッチングすることにより、図32に示すように上面の面方位が{100}で側面の面方位が{011}である柱状部を有するシリコン基板2Aと、上記柱状部の上面に形成されたシリコン窒化膜6aを有する透過電子顕微鏡観測用下地試料1Dを得る。
【0069】
次に、透過電子顕微鏡観測用下地試料1D上にHfシリケート膜を4nm堆積し、TEM観察用ホルダーに入る大きさにダイサーを用いて加工し、TEM観察用試料10Fを得る(図10F参照)。このTEM観察用試料10Fの柱状部の横方向から電子線を透過させTEM観察を行う。
【0070】
一般に、シリコン基板に直接Hfシリケート膜を堆積する場合は、シリコン基板とHfシリケート膜の界面に界面層が形成されてしまうが、本実施形態のようにシリコン窒化膜のように耐酸化性膜上へ堆積することでHfシリケート膜本来の耐熱性を評価できる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0072】
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態を図35乃至図36を参照して説明する。
まず、本実施形態による透過電子顕微鏡観測用下地試料の作成を説明する。結晶方位が{100}を面方位とするシリコン単結晶基板上にシリコン窒化膜を4nm 体積し、リソグラフィー工程を用いて、シリコン窒化膜をパターニングすることにより、シリコン基板2上にパターニングされたシリコン窒化膜6aが形成された透過電子顕微鏡観測用下地試料1Eを得る(図35参照)。
【0073】
この透過電子顕微鏡観測用下地試料1E上にHfシリケート膜12を4nm堆積し、その後、TEM観察用ホルダーに入る大きさにダイサーを用いて加工し、TEM観察試料10Gを形成する(図35参照)。このTEM観察試料10Gの柱状部の横方向から電子線を透過させTEM観察を行う。
【0074】
一般に、シリコン窒化膜とシリコンを加工する装置は通常異なることが多いが、本実施形態のように透過電子顕微鏡観測用下地試料を形成すれば、加工の手間を省くことができる。
【0075】
本実施形態は、膜厚評価よりも膜の耐熱性などの結晶性評価を簡便に行いたい場合に用いることが出来る。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0077】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態を、図37および図38を参照して説明する。 まず、シリコン基板をリソグラフィー工程およびRIE法により加工し、最大幅100nm, 高さ200nmの三角柱状部を有するシリコン基板2Aからなる透過電子顕微鏡観測用下地試料1Fを形成する(図37参照)。
【0078】
その後、シリコン基板2Aの表面希フッ酸処理により、三角柱状上のシリコン領域を清浄にした後、Hfシリケート膜12をCVD法により4nm堆積し、TEM観察用試料10Hを得る(図38参照)。このTEM観察用試料10Hを、ダイシングソーを用いてTEMホルダーに収まる大きさに加工し、TEM観察を行う(図38参照)。その後、TEM観察用試料10Hを酸化雰囲気で1000℃、10分熱処理した後、再びTEM観察する。
【0079】
一般に、Hfシリケート膜の堆積後にRIE法により基板まで掘り込んでTEM観察試料を作成した場合、Hfシリケート膜は楔酸化されてしまうことが知られている。
【0080】
本実施形態はシリコン基板をRIE工程後、全面にHfシリケート膜12を堆積しているため、Hfシリケート膜12が楔酸化されることなくHfシリケート膜12を熱処理することが可能である。更に同試料を複数回熱処理とTEM観察を繰り返すことが出来るため、TEM観察試料作成の手間を省くことが可能となる。 また、同一試料をTEM観察可能なためサンプル間のバラツキも無く、低コストで高精度のTEM評価を行うことが可能である。
【0081】
本実施形態は熱処理に限るものではなく、希フッ酸処理などウェット処理に対する膜の耐性を評価する場合などにも用いることが可能である。また、これら異なる処理を適宜組み合わせた評価も可能である。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことが可能な透過電子顕微鏡観測用下地試料、および透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いた透過電子顕微鏡測定方法を得ることができる。
【0083】
なお、上記第1乃至第9実施形態における透過電子顕微鏡観測用下地試料は、図37に示す形状のものに限られず、図39に示すように、円柱形状の柱状部を備えている透過電子顕微鏡観測用下地試料1Gであっても良い。この場合も、透過電子顕微鏡観測用下地試料1Gの全面に、Hfシリケート膜12を堆積することにより、図40に示すようなTEM観察試料10Iを得ることができる。また、RIEは条件によって側壁が角度を持った形状(テーパー)になる場合があり、このことを利用して図41に示すような形状の透過電子顕微鏡観測用下地試料1Hを作成可能である。この透過電子顕微鏡観測用下地試料1Hの全面に、Hfシリケート膜12を堆積することにより、図42に示すようなTEM観察試料10Jを得ることができる。これら透過電子顕微鏡観測用下地試料を用いれば、図37、39、41に示すように極端に薄い領域が存在するが、TEM像は電子線透過厚さが薄い程、高分解能像が得られるため、薄い領域において高分解能なTEM観察像を得られるという利点がある。
【0084】
なお、上記第1乃至第9実施形態における、突起領域を有する透過電子顕微鏡観察用下地試料は、反応性イオンエッチングを用いて形成したが、反応性イオンエッチングに限るものではない。例えば、図43に示すように、シリコン基板2上にマスク60を形成し、フッ酸、硝酸の混合液によりウェットエッチングすることにより、図44に示す形状のシリコン基板2Eからなる透過電子顕微鏡観察用下地試料下地を作成できる。また、図43に示すように、シリコン基板2上にマスク60を形成し、エチレンジアミンとピロカテコールの水溶液を用いることにより、図45に示すように異方的にエッチングし、図45に示す形状のシリコン基板からなる透過電子顕微鏡観察用下地試料を作成できる。また、図46に示すように、シリコン基板2上の所定の領域にのみマスク62を形成し、マスク62で覆われていない領域にエピタキシャル成長を利用して突起部20形成することもできる。
【0085】
また、上記実施形態における下地基板作成時にエッチングまたは酸化を繰り返し行うことも有効である。例えば、図47に示すようなシリコン突起領域を有するシリコン基板2AをRIE法で形成後、図48に示すように、シリコン基板2Aの全面を酸化して酸化膜22を形成し、更に希フッ酸処理を行うことで図49に示すような形状の突起領域を有するシリコン基板2Gからなる透過電子顕微鏡観察用下地試料を作成できる。この突起領域の電子線が透過する幅はリソグラフィー工程で製作することのできる限界幅以下にすることが可能である。このため、この透過電子顕微鏡観察用下地試料上に観察対象を形成し、TEM観察することで、より高分解能のTEM観察像を得ることができる。
【0086】
ところで、上記第1乃至第9実施形態においては、TEM観察用試料は、図50に示すように、複数の突起部を有すRシリコン基板2A上に、観察膜(図示せず)を形成し、その後、透過電子顕微鏡のTEMホルダーに収まるような大きさにダイシングソー70によって加工することによって形成される。現在、最も薄いダイシングソー70の厚さLdsは、5μmである。したがって、突起部と突起部との間隔Lsは、ダイシングソー70の厚さLdsよりも大きいことが必要となる。また、突起部の幅Llは電子線が透過する程度に薄くする必要があり、Ll≦300nmとなる。すなわち、突起部の幅Llは、約300nm以下である。ここで、「約」は、加工精度上の誤差を含む趣旨であり、または、電子線の透過可能幅のゆらぎを含む趣旨である。
【0087】
TEMホルダーに収まるように加工するダイシング以外の方法として追加でRIEやwetエッチングで加工する方法や、シリコン単結晶基板が{111}面で壁開され易い特性を活かして単に壁開によって加工する方法、特に適当な曲率を持ったガイドラインを引いて微小幅に壁開する方法なども有効である。
【0088】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態による透過電子顕微鏡を、図51を参照して説明する。図51は、本実施形態による透過電子顕微鏡装置100の構成を示すブロック図である。
【0089】
この実施形態による透過電子顕微鏡装置は、透過電子顕微鏡110と、エピタキシャル膜成膜装置140と、ロードロック150とを備えている。透過電子顕微鏡110は、電子銃112と、集束レンズ114と、対物レンズ116と、制限視野絞り118と、中間レンズ120と、投影レンズ122と、蛍光板124とを備えており、これらの構成要素は、筐体内に設けられている。
【0090】
エピタキシャル膜成膜装置140は、超高真空状態(1×10−6Pa程度)において透過電子顕微鏡観察用下地試料(図示せず)に、エピタキシャル膜を堆積する装置であって、ロードロック150を介して透過電子顕微鏡110に接続されている。エピタキシャル膜成膜装置140内に、第5実施形態または第6実施形態における、突起部を有する透過電子顕微鏡観察用下地試料を導入する。800℃の超高真空下で還元性ガスである水素ガスをエピタキシャル膜成膜装置140内に導入し、透過電子顕微鏡観察用下地試料の表面に形成されている自然酸化膜を除去する。続いて、シラン(SiH4)ガスを導入し、剥き出しになったシリコン領域を種としてシリコンの気相エピタキシャル成長を行い、エピタキシャル膜が形成されたTEM観察試料10を作成する。
【0091】
次に、この作成されたTEM観察試料10は、ロードロック150に搬送される。ロードロック150は、透過電子顕微鏡110や、エピタキシャル膜成膜装置140に比べて、減圧状態(1×10−4Pa程度)にあり、透過電子顕微鏡110およびエピタキシャル膜成膜装置140との間の境界にそれぞれ弁(図示せず)が設けられた構成となっている。また、ロードロック140には、TEM観察試料10をエピタキシャル膜成膜装置140から搬入する際や透過電子顕微鏡110に搬出する際に、ロードロック140内の圧力を超高真空状態にする超高真空ポンプ(図示せず)が設けられた構成となっている。
【0092】
ロードロック150から透過電子顕微鏡110に搬出されたTEM観察試料10は、集束レンズ114と対物レンズ116の間に配置される。そして、電子銃112から放出された電子線は集束レンズ114によって集束され、TEM観察試料10を透過する。TEM観察試料10を透過した電子線は、対物レンズ116、限視野絞り118、中間レンズ120、および投影レンズ122を介して蛍光板124に入射し、TEM観察試料10の電子顕微鏡像が蛍光板124に形成され、TEM観察が行われる。
【0093】
一般に、エピタキシャル膜は、その結晶性が重要であり、エピタキシャル膜中の欠陥評価をTEMで行うことが多い。従来は、エピタキシャル膜は、一旦室温に戻されTEM内に配置されるが、800℃という高温のエピタキシャル温度から室温に温度を下げる際に、エピタキシャル膜には熱応力が印加される。エピタキシャル膜に欠陥の存在が認められる場合、この欠陥がエピタキシャル膜の成長時によるものなのか降温時の熱応力によるものなのか通常判断し難い。
【0094】
しかし、本実施形態の透過電子顕微鏡装置100を用いれば、エピタキシャル膜の成長時の“その場(in-situ)”観察が可能であるため、良質なエピタキシャル膜形成のための温度やガス流量などの条件を決めることが可能となる。
【0095】
なお、本実施形態においては、透過電子顕微鏡110およびエピタキシャル膜成膜装置140は、ロードロック150を介して接続されていたが、同一の真空炉内にあるように構成しても良い。
【0096】
上記第10実施形態においては、エピタキシャル膜成膜装置140が透過電子顕微鏡と併設されていたが、超高真空化学気相堆積装置等が併設されていても良い。結晶性、膜厚、粒子の粒径などのin-situ TEM観察を行うことができる。
【0097】
なお、TEM観察は、実像の撮影だけでなく、EELS、EDX、電子線回折など一般にTEM観察に付随する様々な観察手法に適用可能であることは言うまでもない。
【0098】
以上説明したように、本発明の第1乃至第9実施形態のいずれかによる透過電子顕微鏡観察用下地試料を用いれば、TEM観察を行うには、TEM観察対象物を透過電子顕微鏡観察用下地試料に形成し、TEM観察試料とし、TEM観察用ホルダーに入る大きさに上記TEM観察試料を加工するだけで済み、TEM観察までの時間を短縮できる。
【0099】
また、本発明の第10実施形態によれば、成膜直後にTEM観察を行うことができ、TEM観察像を得るまでの時間を更に短縮することができる。なお、下地のクリーン度がTEM観察対象物を形成するための装置のクリーン度のスペックを満たさない場合は、第1乃至第9実施形態によるTEM観察試料を作成し、TEM観察を行う必要がある。一般に、クリーンルーム内の製品を流品する装置は、その装置に入れるウエハに対するクリーン度の要求が高く、この様なクリーンルーム内の成膜装置の膜質、膜厚をTEM観察する場合は、第1乃至第9実施形態を用いると良い。
【0100】
また、透過電子顕微鏡観察用下地試料を一般のリソグラフィー装置およびRIEで形成することで、第1乃至第9実施形態の透過電子顕微鏡観察用下地試料を大量に形成可能である。例えば、透過電子顕微鏡観察用下地試料を個々のチップに壁開後、各々のチップ上へ成膜可能な場合に、各下地試料上に別々にTEM観察対象物を形成すれば、TEM観察試料一つあたりの試料作成単価を下げられるメリットがある。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、原子の表面拡散や重合など反応の初期状態をTEM観察することが可能で、これまで難しかった膜成長などの様子をその場観察することができる。
【0102】
また、本発明の一実施形態によれば、下地領域の結晶の格子間隔からTEM観察像の長さの校正を容易に行うことが可能で、TEM観察対象の膜厚や粒径などを精度良く同定可能である。
【0103】
なお、従来は通常、TEM観察試料の表面には、TEM観察試料の強度の補強などの理由で、のり(Glue)や金属などを付着させるが、これらはTEM観察対象の膜厚を不明確なものとする場合があり、また、観察対象物と反応してしまう場合もある。例えば、シリコン酸化膜の膜厚を評価する場合、表面に形成されたのりの層との境界が不明瞭であり、正確な膜厚を計測するのを困難なものとする。一般にこの表面に形成した層を、TEM観察時前に取り除くことは困難である。
【0104】
これに対して、本発明の各実施形態によれば、TEM観察試料の強度の補強のために、のり(Glue)や金属などを付着させる必要がなく、正確な膜厚を計測することができる。
【0105】
また、本発明の各実施形態によれば、TEM観察時のTEM観察試料の表面は、透過電子顕微鏡の筐体内が真空であるため、同定することが容易であり、TEM観察を簡便に精度良く遂行可能である。
【0106】
また、下地は、下地作成時に下地表面に形成されたTEM観察阻害領域を適当な処理を行うことで取り除くことが比較的容易で、精度の高いTEM観察を行うことができる。例えば、シリコン基板を酸素雰囲気の下、RIEで削り50nm程度の厚さを持つ柱上の領域を形成しレジスト剥離を行った場合、削った側壁にはRIEの削り屑が付着し、また、レジスト直下のシリコン基板表面には自然酸化膜が形成されてしまい、このままではTEM観察の擾乱要因となってしまうが、これら酸化膜領域はTEM観察対象物形成前に下地の特性を損なうことなく下地のシリコン基板と選択性良く希フッ酸処理で取り除くことが容易に可能である。よって本発明の各実施形態による下地を用いればTEM観察対象物以外の観察擾乱要因を極力取り除いた上でTEM観察を行えるため高精度なTEM像を得ることが可能である。また、下地の幅をリソグラフィーによって規定できるため、TEM観察領域で電子線が透過する厚さを揃えることが容易で、厚さに起因した不確定要因を極力避けることが可能となる。このため、高精度なTEM観察を行うことができる。
【0107】
また、上記下地に酸化およびエッチングを施すことでリソグラフィー限界以下の突起領域を比較的容易に形成可能であり、高分解能TEM像を容易に得ることが可能である。
【0108】
リソグラフィー工程に用いる光源は上記のようなKrFに限るものではなく、ArF、 F2を始め、電子線、X線など光源一般を含むものとする。また、パターニングされたステンシルマスクをエッチング対象物に密着または非密着させて下地試料をエッチングして作成しても良い。
【0109】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡便に高精度なTEM観察を行うことのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図2】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図3】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図4】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図5】本発明の第1実施形態によるTEM観察試料の製造工程を示す工程断面図。
【図6】本発明の第1実施形態によるTEM観察試料の製造工程を示す平面図。
【図7】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図8】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察方法によって観察されたTEM観察像を示す写真。
【図9】本発明の第1実施形態による透過電子顕微鏡観察方法によって観察されたTEM観察像を示す写真。
【図10】本発明の第2実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図11】本発明の第2実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図12】本発明の第2実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を示す断面図。
【図13】本発明の第2実施形態による透過電子顕微鏡観察方法によって観察されたTEM観察像を示す写真。
【図14】第3実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図15】第3実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を示す斜視図。
【図16】第4実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図17】第4実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を示す斜視図。
【図18】第5実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図19】第5実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図20】第5実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図21】第5実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図22】第5実施形態によるTEM観察試料の製造工程を示す断面図。
【図23】第5実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図24】第5実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図25】第6実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図26】第6実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図27】第6実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を示す工程断面図。
【図28】第6実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図29】第6実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図30】第6実施形態によるTEM観察試料の製造工程を示す平面図。
【図31】第6実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図32】第7実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図33】第7実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図34】第7実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図35】第8実施形態によるTEM観察試料の構成を示す断面図。
【図36】第8実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図37】第9実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図38】第9実施形態による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図39】第9実施形態の一変形例による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図40】第9実施形態の一変形例による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図41】第9実施形態の他の変形例による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図42】第9実施形態の他の変形例による透過電子顕微鏡観察方法を説明する斜視図。
【図43】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図44】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図45】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図46】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図47】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図48】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の製造工程を説明する断面図。
【図49】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の構成を示す断面図。
【図50】本発明の一実施形態による透過電子顕微鏡観察用下地試料の突起部の幅と、突起部間の間隔の限界を説明する図。
【図51】本発明の第10実施形態による透過電子顕微鏡装置の構成を示しブロック図。
【符号の説明】
1 透過電子顕微鏡観察用下地試料
2 シリコン基板
4 シリコン酸窒化膜
5 ポリシリコン膜
6 シリコン窒化膜
7 シリコン酸化膜
8 シリコン窒化膜
10 TEM観察試料
12 Hfシリケート膜
13 金の微粒子
14 シリコン酸化膜
15 エピタキシャル成長膜
16 エピタキシャル成長膜
40 反射防止膜
50 レジスト
60 マスク
70 ダイシングソー
100 透過電子顕微鏡装置
110 透過電子顕微鏡
112 電子銃
114 集束レンズ
116 対物レンズ
118 制限視野絞り
120 中間レンズ
122 投影レンズ
124 蛍光板
140 エピタキシャル膜成膜装置
150 ロードロック

Claims (5)

  1. 幅が約300nm以下の一部領域を備える柱状の突起部を有することを特徴とする透過電子顕微鏡観測用下地試料。
  2. 柱状の突起部に形成された透過電子顕微鏡の電子線が透過可能となる幅を有する一部領域に透過電子顕微鏡測定対象物を形成した透過電子顕微鏡観察試料を前記透過電子顕微鏡のホルダーに収まるよう加工し、この加工された透過電子顕微鏡観察試料を前記透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、前記透過電子顕微鏡観察試料の前記一部領域の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得ることを特徴とする透過電子顕微鏡観察方法。
  3. 柱状の突起部に形成された透過電子顕微鏡の電子線が透過可能となる幅を有する一部領域を備えた透過電子顕微鏡観測用下地試料を前記透過電子顕微鏡のホルダーに収まるよう加工し、この加工された透過電子顕微鏡観測用下地試料の前記一部領域上に透過電子顕微鏡測定対象物を形成して透過電子顕微鏡観察試料を作成し、この透過電子顕微鏡観察試料を前記透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、前記透過電子顕微鏡観察試料の前記一部領域の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得ることを特徴とする透過電子顕微鏡観察方法。
  4. 透過電子顕微鏡像が得られた前記透過電子顕微鏡観察試料に所定の処理を行い、この所定の処理が行われた前記透過電子顕微鏡観察試料を前記透過電子顕微鏡の筐体内に導入し、前記透過電子顕微鏡観察試料の前記柱状の突起部の側部方向から電子線を入射させて透過電子顕微鏡像を得ることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の透過電子顕微鏡観察方法。
  5. 前記一部領域が結晶領域であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の透過電子顕微鏡観察方法。
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