JP3698844B2 - Endoscope - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入部を構成する可撓管の硬度を段階的に調整可能にした内視鏡に関し、特に前記可撓管の硬度が3段階以上に変化する内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、切開を必要とすることなく、体腔内の検査対象部位を観察したり、必要に応じ、処置具を用いて治療処置の行える内視鏡が広く用いられている。
【0003】
上記内視鏡の挿入部は、屈曲した挿入経路内にも挿通させることができるように可撓性を有するが、可撓性を持たせたことによって、挿入部手元側の操作に対する先端側の方向性が定まらず、目的部位までスムーズに挿通させることが難しくなるという問題があった。
【0004】
例えば内視鏡を経肛門的に大腸に挿入していく場合、柔軟な可撓管にある程度の硬さを持たせるためにスライディングチューブと呼ばれるこしの強いチューブ体を装着して挿入していた。しかし、この方法では大腸に挿入するために、スライディングチューブをわざわざ可撓管に装着しなければならない。また、スライディングチューブを装着した状態で挿入部を大腸に挿入させていくとき、大腸壁の一部をこのスライディングチューブと可撓管との間に巻き込むおそれがあった。更に、腸内の汚液が前記スライディングチューブと可撓管との隙間を通って体外へ流れ出て、患者が横たわっているベッドを汚してしまうおそれがあった。
【0005】
上述の問題に対処するため、例えば実開平3−43802号公報には、内視鏡の内部にコイルパイプとワイヤとからなる硬度可変手段(或いは可撓性可変手段という)を設け、内視鏡検査を行う術者が簡単な操作を行うことで挿入部の可撓性を調整することにより、屈曲した経路内への挿入を行い易くした内視鏡が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、硬度可変手段の先端部を、可撓管の硬さが変化する硬度変化部と略々同じ位置に配置した内視鏡では、硬度可変手段を硬状態にしたとき、可撓管の硬度変化部の硬さに加え、前記硬度可変手段が硬くなることによって、この硬度変化部より先端側の柔軟な部分に比べてこの硬度変化部の硬さが急激に硬くなって曲げ力が集中し、可撓管が屈曲して滑らかな形状で曲がることができずに挿入性に支障をきたすことがあった。
【0007】
また、前記可撓管が屈曲した場合、可撓管内を挿通しているライトガイドファイバや管路類などの内蔵物が損傷されるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入部を構成する可撓管が滑らかな形状で曲がって、挿入性が良好で且つ内蔵物を傷めることのない内視鏡を提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の内視鏡は、長尺で基端側が先端側に対して硬度が高く形成された可撓管と、前記可撓管内に設けられ長尺で硬度が変化可能な、前記可撓管の柔軟性を変化させるための硬度可変手段と、前記硬度可変手段の硬度を調整して前記可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段と、を具備し、前記操作手段によって前記硬度可変手段を作動させたときに、前記可撓管の基端側が最も硬度が硬くなるとともに、前記可撓管の先端側と基端側との間に先端側より硬度が高く基端側より硬度の低い中間硬度部が形成されるような前記可撓管内の位置に前記硬度可変手段が配置されていることを特徴とする。
また、本発明の第2の内視鏡は、長尺で先端側から所定の長さの軟性可撓部を有し基端側が前記軟性可撓部に対して硬度が高く形成された可撓管と、前記可撓管内に設けられ長尺で硬度が変化可能な、前記可撓管の柔軟性を変化させるための硬度可変手段と、前記硬度可変手段の硬度を調整して前記可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段と、を具備し、前記硬度可変手段は、当該硬度可変手段の先端が前記軟性可撓部に対して基端側に配置されるように前記可撓管内に設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、操作手段によって前記硬度可変手段を作動させると、可撓管の最も硬度の低い先端側と最も硬度の高い基端側との間に中間硬度部が設けられて、可撓管の硬度が少なくとも3段階以上に変化することになり、急激に硬度が変化する部分が無くなって滑らかに曲がる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は電子式内視鏡の概略構成を示す説明図、図2は図1のA−A断面図、図3は硬度変化部を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図、図4は硬度変化域を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図、図5は内視鏡を経肛門的に挿入しているときの挿入状態を示す図である。
【0012】
図1に示すように本発明の第1の実施形態である電子式内視鏡(以下内視鏡と記載)1は、細長で可撓性を有する挿入部6と、この挿入部6の後端側に連設された操作部7と、この操作部7の側部から延出するユニバーサルケーブル8とを備えて構成されている。このユニバーサルケーブル8には前記内視鏡1の外部装置である照明光を供給する光源部及び内視鏡1から送出される電気信号を信号処理する信号処理部とを有する制御装置(不図示)に接続されるコネクタ14が設けられている。なお、前記制御装置から出力される映像信号は、モニタ(不図示)の画面上に表示されるようになっている。
【0013】
前記挿入部6は、先端側に硬性の先端部9を備え、この先端部9に隣接する後方側に湾曲可能な湾曲部11を連設し、さらにこの湾曲部11の後方に柔軟性を有する管状態の可撓管12を連設して構成されている。
【0014】
前記先端部9は、硬性部材を略円筒状に形成した先端部本体17を有しており、この先端部本体17には挿入部6の長手方向に対して平行に形成した鉗子チャンネル用透孔14及び観察用透孔19などが設けられている。
【0015】
前記鉗子チャンネル用透孔14には連結管21が内蔵されており、この連結管21の前記先端部本体17の後端面から突出する後端部に鉗子チャンネル22を形成する可撓性を有する鉗子チャンネル用チューブ23の先端部が連結されている。この鉗子チャンネル用チューブ23は、挿入部6内を挿通して操作部7内に導かれ、後端部を操作部7に設けた鉗子口24に連通している。
【0016】
前記観察用透孔19の先端部には対物レンズ系26が配設されており、この対物レンズ系26の結像位置に固体撮像素子27が設けられている。この固体撮像素子27には入出力信号を伝送するための信号ケーブル28が接続されている。この信号ケーブル28は、挿入部6内を挿通してさらに操作部7内及びユニバーサルコード4内を経て前記コネクタ14に設けた電気接点29に接続されている。
【0017】
前記コネクタ14には図示しない光源部より観察部位を照明するように出射した照明光を、内視鏡挿入部6内を挿通するライトガイド31の端部に入射させるように形成したライトガイドコネクタ32が設けられている。前記ライトガイド31は、ユニバーサルケーブル8内及び操作部7内,挿入部6内を経て、その先端部を先端部本体17に設けたライトガイド用透孔(不図示)に配設している。前記湾曲部11内には複数の略環状の関節駒33,…,33が互いに回動自在に挿入部6の長手方向対して連接されており、前記関節駒33,…,33のうち最先端に位置する第1関節駒33aは、先端部本体17の後端部に外嵌固定され、最後端に位置する関節駒33eは可撓管12の先端に設けらている環状の接続管34の先端部に嵌入固定されている。前記複数の関節駒33,…,33を連接した湾曲部11は、前記操作部7に設けた湾曲操作ノブ(不図示)を操作することによって例えば上下/左右方向に湾曲するようになっている。
【0018】
前記接続管34には、先端部本体17の後端部に固定され、且つ金属製のコイルパイプによって形成されたアングルワイヤガイド35(図2参照)が保持固定されている。このアングルワイヤガイド35の内部には前記操作部7に設けられている湾曲操作ノブを操作することによって牽引弛緩操作される撚線等で構成されたアングルワイヤ36(図2参照)が挿通している。つまり、前記湾曲操作ノブを操作することにより前記アングルワイヤ36が牽引弛緩操作されて湾曲部11を湾曲させて、この湾曲部11の前方に位置する先端部9を所望の方向に指向させるようになっている。なお、前記湾曲部11を構成する複数の関節駒33,…,33は、軟性の外皮56で被覆されている。
【0019】
前記可撓管12は内側から順に螺旋管57、網管58、外皮59で構成されている。そして、この螺旋管57の内壁面側には可撓管12の柔軟性(以下硬度と表現する)を変化させる硬度可変手段であるコイルパイプ39が長手方向に沿って設けられている。また、このコイルパイプ39内部には可撓管12の硬度を所望の硬さに調整する操作手段となる硬度調整ワイヤ41が挿通している。
【0020】
前記コイルパイプ39の先端部には、前記硬度調整ワイヤ41の中途部がろう42などの固定部材によって強固に固定されている。また、前記コイルパイプ39の先端より突出してさらに先端方向に延出した硬度調整ワイヤ41の先端部は、前記接続管34の一部にろう42などで強固に固定されている。一方、前記コイルパイプ39の手元側は後端口金43にろう42などにより強固に固定されている。
【0021】
即ち、前記硬度調整ワイヤ41は、コイルパイプ39の先端部で中途部がろう42によって固定されている以外、コイルパイプ39に対して移動可能な状態(非固定状態)になっている。
【0022】
なお、前記コイルパイプ39の手元側端部より延出する硬度調整ワイヤ41の端部は、操作部7に設けられて固定手段と操作機構とを兼ねる硬度調整用ノブ15に接続されており、この硬度調整用ノブ15に突出して設けられている指掛け部16を把持操作して硬度調整ワイヤ41を牽引することで、前記コイルパイプ39が圧縮されて、このコイルパイプ39の曲げ方向に対する剛性が上がることによって可撓管12の硬度を、負荷のかかっていない最軟状態から硬度調整ワイヤ41を牽引した最硬状態までの任意の硬さに調整することができるようになっている。
【0023】
また、前記硬度調整用ノブ15に突設させた指掛け部16は、回転操作性を向上させると共に、現時点におけるコイルパイプ39の硬さ状態(圧縮状態)を術者に知らしめる硬度告知機能を有している。即ち、図に示すように指掛け部16が紙面の上方を向いているときには硬度調整ワイヤ41が牽引されていない状態であり、コイルパイプ39及び可撓管12が最も軟らかい状態である。前記硬度調整用ノブ15を例えば180度回転させて前記指掛け部16が紙面の下方に向いたときには硬度調整ワイヤ41が最も牽引された状態であり、コイルパイプ39及び可撓管12が最硬状態になる。従って、術者が指掛け部16の傾き状態を確認することによって、可撓管12(コイルパイプ39圧縮状態)の硬度を容易に判断することができる。
【0024】
図2中の上方向は、内視鏡1のUP方向を示すものであり、内視鏡1のUP方向とは操作部7に設けられている湾曲操作ノブの上方向湾曲用ノブを操作したときに先端部9が曲がる方向であり図1紙面の上方である。モニター画面上では上方向(反重力方向)にあたる。図に示すように前記コイルパイプ39及び硬度調整ワイヤ41は、内視鏡1内のUP方向側に配置されている。
【0025】
このため、前記螺旋管57、網管58、外皮59で構成されている管状態の可撓管12を単体で湾曲させた場合、この可撓管12の中心軸より円弧の内側に位置する部分の螺旋管57、網管58、外皮59は縮みながら湾曲し、中心軸より円弧の外側に位置する部分の螺旋管57、網管58、外皮59は伸びながら湾曲する。
【0026】
ここで例えば、前記可撓管12内部に設けられている硬度調整ワイヤ41を牽引してコイルパイプ39を圧縮させて可撓管12を硬状態にする。そして、この状態で前記可撓管12をUP方向に湾曲させる。すると、内視鏡1のUP側に位置する螺旋管57、網管58、外皮59の中心軸より円弧の内側に位置する部分が縮もうとするが、UP方向側に配置されているコイルパイプ39が硬状態であるので、前記螺旋管57、網管58、外皮59の部位の縮みが抑えられて湾曲する。
【0027】
なお、符号43は送気管路を構成する送気チューブ,符号44は送水管路を構成する送水チューブであり、どちらのチューブの先端部も前記先端部本体17に設けた送気・送水用透孔(不図示)に連通している。
【0028】
次に、上述のように構成したコイルパイプ39と可撓管12との組合せについて具体的に説明する。
本実施形態に使用する内視鏡1の可撓管12は、図3に示すように硬さの異なる別体の2つの外皮チューブ60,61をつないでこのつなぎ部分が硬度変化部13aとなる可撓管12Aと、図4に示すように硬度が徐々に先端側から基端側に向かうに従って連続的に硬くなるように変化する硬度変化域13bを有する外皮チューブ62で構成した可撓管12Bである。
【0029】
図3に示した可撓管12Aは、スコープ先端から30cm付近までを形成する硬度が軟らかな軟性外皮チューブ60を被覆した軟性可撓部と、この30cmから基端側までを形成する柔軟であるが前記軟性外皮チューブ60より硬度の高い硬性外皮チューブ61を被覆した硬性可撓部とで構成されている。つまり、スコープ先端から30cm近傍の硬度変化部13aを境に、先端部側より基端側の硬度が硬く設定されている。そして、前記可撓管12Aの内部に挿通されているコイルパイプ39の先端部を、前記スコープ先端から略々40cmの硬性可撓部に配設している。
【0030】
図3のグラフに示すように、前記コイルパイプ39内を挿通する硬度調整ワイヤ41が牽引されていない軟状態(コイルパイプ39が無負荷状態)のとき、可撓管12Aの硬度はグラフの実線に示すように最も軟らかい状態に設定されている。一方、前記硬度調整ワイヤ41を最大に牽引して前記コイルパイプ39を最も圧縮(コイルパイプ39に最大負荷が係っている状態)させたとき、可撓管12Aの硬度は図の破線で示すように最硬状態部Hmとなる。つまり、前記硬度調整ワイヤ41を適宜牽引操作することによって可撓管12Aの硬度は実線から破線に示す範囲内を変化する。
【0031】
なお、前記コイルパイプ39の先端部がスコープ先端から40cmの部分よりスコープ先端側に配置されていないため、このスコープ先端から40cmまでの範囲の軟性可撓部の硬さ及び硬性可撓部の硬度は変化しない。また、実線に示す先端側の硬度の最も低い部分を最軟状態部Sと呼び、基端側の硬度の高い部分を硬状態部Hと呼ぶ。
【0032】
一方、図4に示す可撓管12Bには、スコープ先端から25cm近傍から35cm近傍までの間の硬度が徐々に最軟状態部Sから硬状態部Hに変化するように形成された硬度変化域13bを備えた外皮チューブ62で構成されている。つまり、この可撓管12Bではスコープ先端から25cm近傍までの範囲が最軟状態部Sとなる軟性可撓部であり、スコープ先端から25cm近傍から35cm近傍までの間が硬度が最軟状態部Sから硬状態部Hまで徐々に変化する硬度変化域13b、スコープ先端から35cm近傍より基端側の範囲が硬状態部Hとなる硬性可撓部になっている。そして、前記可撓管12Bの内部に挿通されているコイルパイプ39の先端部を、前記スコープ先端から略々40cmの硬度変化域13bより基端側の硬性可撓部に配設している。
【0033】
図4のグラフの実線は、コイルパイプ39内を挿通する硬度調整ワイヤ41を牽引していないときの可撓管12Bの硬度を示し、グラフの破線は前記硬度調整ワイヤ41を最大に牽引して前記コイルパイプ39を最も圧縮させたときの可撓管12の硬度を示している。本内視鏡においてはスコープ先端から25cm近傍より35cm近傍に設けた硬度変化域13bより基端側の硬度を変化させることができるようになっている。なお、前記外皮チューブ62の硬度変化域13bは、軟らかな樹脂材料の中に途中から徐々に硬い樹脂材料を混ぜ合わせ、この混ぜ合わせる割合を増やして網管58に塗布するように製造したものである。その他の構成は図3に示した可撓管12Aと同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0034】
上述のように構成した内視鏡1の作用を図5を参照して説明する。
まず、内視鏡1の挿入部6を例えば、同図(a)に示すように肛門51から直腸52を通して曲がりくねったS状結腸44に挿入していく。このとき、可撓管12は軟状態であり、S状結腸44の屈曲形状に対応したループを形成しながら挿入されていく。
【0035】
前記内視鏡1の先端部9がS状結腸44を越えて下行結腸45または脾湾曲46近傍に到達した所で、同図(b)に示すように前記可撓管12を捻りながら引くように手元操作し、前記S状結腸44でのループを解除し、今度はできるだけ直線状態にする。このとき、前記S状結腸44は折り畳まれながら可撓管12と共にほぼ直線状態になる。
【0036】
ここで、硬度調整用ノブ15を適宜回転操作して硬度調整用ワイヤ41を圧縮させて前記可撓管12Aの硬度を所望の硬度に切り替える。すると、手元の押し引き操作や捻り操作が先端部9まで敏感に伝えられて、前記先端部9を横行結腸47、肝湾曲48、上行結腸49を越えてスムーズに盲腸50まで挿入させていくことができる。
【0037】
また、患者によって横行結腸47や肝湾曲48の形状が異なることがある。例えば横行結腸47、肝湾曲48が急激な屈曲形状をしている場合には、可撓管12が硬状態であってもその屈曲形状に対応できるように、可撓管12の先端まで硬くするのではなく、上述したようにスコープ先端から30cm近傍のところまでの硬度を軟状態にしている。
【0038】
内視鏡1を大腸深部に挿入する際の手技で最も重要なことは、同図(b)で示したように直線状態にしたS状結腸44及び可撓管12を、再び同図(a)で示したように撓ませないことである。同図(b)で示した状態から再び撓んでしまうと、先端部9を横行結腸47や肝湾曲48を通過させるとき、手元操作を先端部9までほとんど伝えることができなくなってしまう。
【0039】
従って、前記S状結腸44での再ループを防止するため、挿入する際、可撓管12の中途部から基端側を最初から非常に硬くしておくことも考えられる。しかし、このS状結腸44で大きくループを形成させながら先端部9を通過させて下行結腸45,脾湾曲46まで到達させる場合には、挿入部6はスコープ先端から90cm乃至1mぐらいが生体内に入っている。
【0040】
上述したようにループを形成しながら内視鏡1を挿入する際には可撓管12が軟らかい方が当然挿入し易く、可撓管12が硬めであると苦痛の原因になることが多い。また、可撓管12の途中から例えば先端部から90cmまでをS状結腸44で撓まないほど硬度を硬めに設定したすると、ループを形成させながらS状結腸44を通過させること自体不可能になる。更に、同図(b),(c)に示すように途中でループをほとんど作らずに先端部9が盲腸50に到達した場合には生体内に入っている挿入部6がスコープ先端面から90cm程度となる。このとき、仮にスコープ先端面から90cmの部位から基端側を非常に硬くしていたとしても、横行結腸47,肝湾曲48を通過させる際に硬くしたことがほとんど役に立たなくなってしまう。
【0041】
しかし、本実施形態の内視鏡1では可撓管12の硬度が可変である。
即ち、内視鏡1の挿入部6を経肛門的に例えば盲腸まで挿入する際、例えばS状結腸44を通過させるまでは可撓管12を軟らかい状態にしておき、S状結腸44を通過したところで硬度調整用ノブ15を回転操作して、可撓管12の硬度を硬めに設定して大腸深部まで挿入していく。
【0042】
このとき、図3,4のグラフの破線に示す可撓管12の最硬状態部Hmの硬さは、S状結腸44で再ループにならない硬度であり、この破線に示す最硬状態部Hmと実線に示す最軟状態部Sとの間の硬度差は図中矢印Aとなる。しかし、前記可撓管12A,12Bの途中には硬度変化部13aまたは硬度変化域13bが設けられている。このため、可撓管12A,12Bの硬度の変化は、先端面側から順に実線に示した最軟状態部S,実線に示す硬状態部H,破線で示す最硬状態部Hmと三段階に変化している。つまり、本実施形態の可撓管12では硬度調整用ノブ15を回転操作したとき、最軟状態部Sから最硬状態部Hmに変化するまでの間に実線に示した硬状態部Hが存在することから、最硬状態部Hmに至るときの硬度差は前記矢印Aで示した最硬状態部Hmと最軟状態部Sとの硬度差より小さい矢印Bだけの硬度差となっている。
【0043】
このように、可撓管に設けられている硬状態部で硬性可撓部に、コイルパイプの先端部を配設したことにより、硬度調整用ノブを回転操作して硬度調整用ワイヤを牽引してコイルパイプを圧縮させたとき、可撓管の硬度は先端側から順に最軟状態部S、硬状態部H、最硬状態部Hmと3段階に変化させて、硬度の変化を小さくすることができる。このことにより、硬度調整用ノブを操作してコイルパイプを圧縮させたとき、可撓管内での硬度が段階的に変化するので、硬度変化部または硬度変化域で硬度が急激に変化することによって発生していた可撓管の急激な曲がりを防止して内蔵物の損傷や挿入性の悪化が防止される。
【0044】
なお、硬度可変手段と操作手段とは、コイルとワイヤとの組合せに限定されるものではなく、形状記憶合金や細長形状のバルーンを用いたものなどであってもよいことはいうまでもない。
【0045】
また、図3に示した硬度変化部13aを備えた可撓管12Aと図4に示した硬度変化域13bを備えた可撓管12Bとでは、前記硬度変化域13bを備えた可撓管12Bを設けた挿入部6の方が硬度変化部13aを備えた可撓管12Aを設けた挿入部6より滑らかな形状で曲がる。
【0046】
図6及び図7は本発明の第2実施形態に係り、図6は複数の硬度変化域を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図、図7は硬度変化域の距離を長く設定した可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図である。
【0047】
本実施形態では可撓管の最軟状態部Sから硬状態部Hmに変わるまでの変化域の段階を第1実施形態より多く設定して硬度変化域近傍における可撓管の急激な曲がりを防止している。
【0048】
図6に示す可撓管12Cは、最軟状態部Sから硬状態部Hに変わるまでの間に前記最軟状態部Sと前記硬状態部Hとの略中間の硬さ状態である中間硬度部となる中間硬さ状態部Mを設けている。即ち、前記中間硬さ状態部Mと最軟状態部Sとの間に硬度が連続的に変化する第1の硬度変化域13cを設け、前記中間硬さ状態部Mと硬状態部Hとの間に硬度が連続的に変化する第2の硬度変化域13dとを設けた外皮チューブ63を備えることによって前記可撓管12Cの硬度が3段階に変化させている。そして、この撓管12Cの内部に挿通されているコイルパイプ39の先端部を前記スコープ先端から40cmの中間硬さ状態部Mに配設している。
【0049】
このため、前記コイルパイプ39を最大に圧縮させることにより、この可撓管12Cは同図のグラフに示すように、先端側から順に、最軟状態部S、実線に示す中間硬さ状態部M,破線に示す中間硬さ状態部M1 及び硬状態部Hmと4段階に硬度が変化している。このことにより、可撓管内の硬度差の変化が前記第1実施形態よりさらに小さくなる。
【0050】
一方、図7では最軟状態部Sから状態部Hに至るまでの長手方向の距離を略45cmと長く設定した幅広硬度変化域13eを有する外皮チューブ64を設けて、可撓管12Dの硬度を長めに設定した範囲内で連続的に変化させている。そして、前記可撓管12Dの内部に挿通されているコイルパイプ39の先端部を、前記スコープ先端から30cmのところの幅広硬度変化域13eの中途部に配設している。
【0051】
このため、前記コイルパイプ39を最大に圧縮することにより、同図のグラフに示すように可撓管12Dは先端側から順に、実線に示す最軟状態部S、実線に示す幅広硬度変化域13e,破線に示す幅広硬度変化域13e1 ,破線に示す硬状態部Hmと段階的に硬度が変化している。本実施形態においては特に、破線に示す幅広硬度変化域13e1 が幅広に設定されて硬度を連続的に変化しているので、可撓管内での硬度差の変化がさらに小さく滑らかになっている。
【0052】
また、前記可撓管12C,12Dではスコープ先端から70cm近傍より基端側の硬度が最硬状態部Hmとなるように設定されているので、例えば、横行結腸47をある程度撓ませながら通過させる挿入方法を用いる場合には、前記70cm近傍より先端側の硬度が基端側の硬度より軟らかくなっているので、この挿入方法に適した仕様となる。
【0053】
なお、横行結腸47を途中でできるだけ折り畳みながら通過させる挿入方法を用いる場合には、前記第1実施形態で説明したようにスコープ先端から40cm近傍より基端側の硬度を最も硬くなるように設定して、手元操作を先端部に伝わり易くした仕様が適している。
【0054】
また、可撓管12Cの硬度を上述のように段階的に変化させるために、例えば3つの硬度の異なる別体の外皮チューブを、軟らかいものから順に先端部側から順につないで構成することによって、前記外皮チューブ63と同様の作用を持たせることが可能である。
【0055】
さらに、図6に示した可撓管12Cと図7に示した可撓管12Dとではコイルパイプ39の先端部の配設位置を多少変えているが、これは術者の挿入法や挿入技術の違いなどに対応させるものであり、各術者の好みに対応させた1例を示している。一般的に、硬度の硬い部分が先端に近いほど、高度なテクニックが要求されるが、硬度の硬い部分が先端に近いほど追従性は向上する。
【0056】
このように、可撓管に複数の硬度変化域または幅広硬度変化域を設けることによって、可撓管内での硬度差の変化量をさらに小さくすることによって、可撓管の曲がり形状をより滑らかな形状にすることができる。このことにより、内視鏡を挿入する際、可撓管の急激な曲がりが更に防止されて、良好な挿入性を得られると共に、内蔵物の損傷が防止される。その他の作用及び効果は上述の実施形態と同様である。
【0057】
なお、可撓管の硬度を変化させる際、可撓管内に配設する内蔵物で可撓管の硬さに変化をつけるようにするようにしてもよい。このことにより、硬度変換域を複数設けた外皮チューブを成形することがなく、硬度の異なる複数の別体の外皮を用意することなく、可撓管の硬度を複数段階に変化させることができるので、外皮の数を減らせると共に、製造行程の簡略化を図れる。
【0058】
図8は本発明の第3実施形態に係る複数の硬度変化部をコイルパイプで形成する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図である。
【0059】
図のグラフの実線で示すように本実施形態においては、コイルパイプ39を圧縮していない状態のとき可撓管12Eの硬度は全長にわたって最軟状態Sである。しかし、コイルパイプ39を最大に圧縮した状態のとき、可撓管12Eは実線で示す最軟状態部S,破線で示す中間硬さ状態部M1 ,破線で示す最硬状態部Hmと硬さが3段階に変化する。
【0060】
これは、前記可撓管12E内を挿通し、先端部をスコープ先端から25cmのところに配設したコイルパイプ81を、先端側部分と基端側部分とで強度を変えて形成したためであり、先端側部分を線径の細い細径コイル81aで形成し、基端側部分を線径の太い太径コイル81bで形成してスコープ先端から50cmのところで可撓管12Eの硬度が変化する硬度変化部13fとしている。
【0061】
このように、先端側と基端側とで硬度が変化するコイルパイプを可撓管内に配設することにより、外皮チューブの硬度を変化させることなく最も単純に構成した可撓管の硬度を、複数段階に変化させることができる。このことにより、外皮の製造が最も容易となる。その他の作用及び効果は上述の実施形態と同様である。
【0062】
図9は本発明の応用例に係る硬度変化部または硬度変化域を備えた外皮とコイルパイプとを備えた可撓管を有する内視鏡の鉗子チャンネルチューブに挿通されるスタイレットを説明する図である。
【0063】
本実施形態では上述の第1乃至第3実施形態に示した内視鏡1に設けられている鉗子チャンネルチューブ23内にスタイレット66を挿通している。前記スタイレット66は、先端軟性部68と硬質のスタイレット本体67と取っ手69とで構成されている。
【0064】
前記取っ手69には、鉗子口24に当接するストッパ部70が設けてあり、スタイレット66を鉗子チャンネルチューブ23内に挿入して前記ストッパ部70が鉗子口24に当接したとき、前記スタイレット本体67の先端が図に示すようにコイルパイプ39の先端部よりさらに先端側に位置するようになっている。
【0065】
即ち、前記スタイレット本体67を、前記コイルパイプ39の先端部よりさらに先端側に位置させることにより、可撓管12のコイルパイプ39の先端部より先端側の最軟状態部Sの硬度を必要に応じて硬くすることができる。
【0066】
なお、前記スタイレット66のスタイレット本体67の硬度は、可撓管12を例えば約1.2倍以上硬質化できるような剛性を有するように設定されたものである。
【0067】
このように、必要に応じてスタイレットを鉗子チャンネルに挿通させることにより、通常使用状態では硬度を可変することのできない可撓管の先端側の最軟状態部Sの硬度を硬くすることができる。このことにより、手元操作をより確実に先端部まで伝えて良好な挿入性が確保される。
【0068】
ところで、一般的に内視鏡1は、検査しているとき以外は、洗浄・消毒器に設置されていたり、運搬用または保管用などの収納ケースに収納されている。前記内視鏡1が収納される収納ケースとして図10に示すような収納部材53がある。
【0069】
図に示す収納部材53には、内視鏡1の全体または一部が収納(はめ込まれる)される凹状部55が形成されている。本図においては前記凹状部55に内視鏡1の全体が配設されるようになっている。
【0070】
上述したように内視鏡1の操作部7には硬度調整用ノブ15が設けられており、この硬度調整用ノブ15には回転自在な指掛け部16が設けられている。この指掛け部16が内視鏡1のup方向を向いているとき、可撓管12は軟状態であり、この状態のとき硬度調整用ノブ15が図に示すように収納部材53の凹状部55内に納まるようになっている。
【0071】
即ち、万一硬度調整用ノブ15が180度回転していて可撓管12内のコイルパイプが最大に圧縮された可撓管12が硬い状態のまま収納部材53に収納しようとした場合、指掛け部16が凹状部55内にうまく納まらない。このことにより、ユーザーは、可撓管12内のコイルパイプ39が圧縮されている状態であることに気がつく。
【0072】
ここで、硬度調整用ノブ15を回転させてコイルパイプ39にかかっていた負荷を取り除くことによって硬度調整用ノブ15が収納部材53内の所定の位置に収納される。
【0073】
このように、収納部材の凹状部内に内視鏡を収納する際、硬度調整用ノブが回転操作されてコイルパイプが圧縮されている状態のとき、内視鏡の指掛け部を収納部材から突出させて、コイルパイプが圧縮されている状態であることを告知することができる。このことにより、コイルパイプ39や硬度調整ワイヤ41に必要以上に負荷がかけ続けられることを確実に防止し、コイルパイプ39と硬度調整ワイヤ41との経時的劣化が防止される。
【0074】
図11を参照して内視鏡1を掛けておく内視鏡ハンガー62について説明する。図に示すように内視鏡ハンガー62は、支柱64と、この支柱64の上部に設けられた支持部材63とからなり、内視鏡1は支持部材63の主に3点で支持されている。
【0075】
この内視鏡ハンガー62でも図10で説明した収納部材53同様、硬度調整用ノブ15が軟状態に戻されている状態のときだけ、本図に示すように内視鏡1の操作部7が支持部材63に設置できるようになっている。
【0076】
即ち、万一硬度調整用ノブ15が180度回転してコイルパイプ39が圧縮されて可撓管12が硬状態の場合には、指掛け部16が図とは180度反対方向を向いて、この指掛け部16が支持部材63に当接することによって邪魔になり、支持部材63に設置することができなくなる。このことにより、ユーザーは、可撓管12内のコイルパイプ39が圧縮されている状態であることに気がつく。 ここで、硬度調整用ノブ15を回転させてコイルパイプ39にかかっていた負荷を取り除くことによっり、コイルパイプ39や硬度調整ワイヤ41に必要以上に負荷がかけ続けられることを確実に防止し、コイルパイプ39と硬度調整ワイヤ41との経時的劣化が防止される。
【0077】
このように、内視鏡を内視鏡ハンガーに設置する際、硬度調整用ノブが回転操作されてコイルパイプが圧縮されている状態のとき、内視鏡の指掛け部が支持部材に当接して、コイルパイプが圧縮されている状態であることを告知することができる。このことにより、コイルパイプ39や硬度調整ワイヤ41に必要以上に負荷をかけ続けられることを防止することができ、コイルパイプ39と硬度調整ワイヤ41の経時的劣化を極力防げる。
【0078】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0079】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0080】
(1)可撓管と、この可撓管の内部に長手軸方向に沿わせて設けた柔軟性を変化させる硬度可変手段と、この硬度可変手段の硬度を調整して可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段とを有する内視鏡において、
前記操作手段によって前記硬度可変手段を作動させたとき、前記可撓管の最も硬度の低い先端側と、前記硬度可変手段によって最も硬度の高くなった基端側との間に、先端側より硬度が高く基端側より硬度の低い中間硬度部を有することを特徴とする内視鏡。
【0081】
(2)前記中間硬度部を、硬さが連続的に変化する硬度変化域で構成した付記1記載の内視鏡。
【0082】
(3)前記中間硬度部を境に、先端側より基端側の硬度が高くなるように変化する付記1記載の内視鏡。
【0083】
(4)可撓管の硬度を高く形成した基端側に硬度可変手段の先端部を備え、挿入部に鉗子チャンネルを有する内視鏡において、
前記鉗子チャンネル内にスタイレットを挿通させたとき、スタイレットの硬質なスタイレット本体の先端部が前記硬度可変手段の先端部より先端側に配置されるように、スタイレットの長さが設定されている内視鏡。
【0084】
(5)可撓管の内部に設けた柔軟性を変化させる硬度可変手段、この硬度可変手段の硬度を調整して可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段及び前記可撓管の硬度を硬くした状態に保持固定する固定手段とを有する内視鏡と、この内視鏡が設置される周辺機材とからなる内視鏡システムにおいて、
前記可撓管の硬度を変化させる硬度可変手段が操作手段によって操作され、この操作状態を固定手段で保持しているとき、前記内視鏡が周辺機材に設置されることを防止した内視鏡システム。
【0085】
(6)前記周辺機材は内視鏡ハンガーである付記5記載の内視鏡システム。
【0086】
(7)前記周辺機材は内視鏡運搬または保管用の収納ケースとなる収納部材である付記5記載の内視鏡システム。
【0087】
(8)前記周辺機材は内視鏡洗浄・消毒機である付記5記載の内視鏡システム。。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部を構成する可撓管が滑らかな形状で曲がって、挿入性が良好で且つ内蔵物を傷めることのない内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図7は本発明の第1実施形態に係り、図1は電子式内視鏡の概略構成を示す説明図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】硬度変化部を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図
【図4】硬度変化域を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図
【図5】内視鏡を経肛門的に挿入しているときの挿入状態を示す図
【図6】図6及び図7は本発明の第2実施形態に係り、図6は
複数の硬度変化域を有する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図
【図7】硬度変化域の距離を長く設定した可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図
【図8】本発明の第3実施形態に係る複数の硬度変化部をコイルパイプで形成する可撓管を備えた内視鏡のスコープ先端からの距離と硬度との関係を示す図
【図9】本発明の応用例に係る硬度変化部または硬度変化域を備えた外皮とコイルパイプとを備えた可撓管を有する内視鏡の鉗子チャンネルチューブに挿通されるスタイレットを説明する図
【図10】本発明の第2実施形態の変形例に係る硬度変化部と硬度変化域とを有する可撓管の可撓管先端面からの距離と硬度との関係を示す図
【図11】本発明の前記第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る2つの硬度変化域を有する可撓管の可撓管先端面からの距離と硬度との関係を示す図
【符号の説明】
12A…可撓管
13a…硬度変化部
32…コイルパイプ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an endoscope in which the hardness of a flexible tube constituting an insertion portion can be adjusted stepwise, and particularly to an endoscope in which the hardness of the flexible tube changes in three or more steps.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, an endoscope capable of observing a site to be examined in a body cavity without inserting an incision by inserting an elongated insertion portion into the body cavity or performing a therapeutic treatment using a treatment tool as necessary. Is widely used.
[0003]
The insertion portion of the endoscope has flexibility so that it can be inserted into a bent insertion path. However, by providing flexibility, the insertion portion on the distal end side with respect to the operation on the proximal side of the insertion portion is provided. There is a problem that the directionality is not fixed and it is difficult to smoothly insert the target part.
[0004]
For example, when an endoscope is inserted transanally into the large intestine, in order to give a soft flexible tube a certain degree of hardness, it is inserted with a strong tube body called a sliding tube. However, in this method, the sliding tube must be mounted on the flexible tube in order to be inserted into the large intestine. Further, when the insertion portion is inserted into the large intestine with the sliding tube attached, a part of the large intestine wall may be caught between the sliding tube and the flexible tube. Furthermore, there is a possibility that the intestinal spilled fluid flows out of the body through the gap between the sliding tube and the flexible tube, and contaminates the bed on which the patient lies.
[0005]
In order to deal with the above problem, for example, Japanese Utility Model Laid-Open No. 3-43802 is provided with a hardness variable means (or flexible variable means) composed of a coil pipe and a wire inside an endoscope. An endoscope is disclosed in which an operator who performs an examination adjusts the flexibility of an insertion portion by performing a simple operation, thereby facilitating insertion into a bent path.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in an endoscope in which the tip of the hardness varying means is disposed at substantially the same position as the hardness varying portion where the hardness of the flexible tube changes, when the hardness varying means is in a hard state, the hardness of the flexible tube In addition to the hardness of the changed portion, the hardness changing means becomes harder, so that the hardness of the changed portion becomes sharper and the bending force is concentrated than the flexible portion on the tip side of the hardness changed portion. In some cases, the flexible tube is bent and cannot be bent in a smooth shape, thereby hindering insertion.
[0007]
Further, when the flexible tube is bent, there is a possibility that built-in objects such as a light guide fiber and pipes inserted through the flexible tube may be damaged.
[0008]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and provides an endoscope in which a flexible tube constituting an insertion portion bends in a smooth shape, has good insertability, and does not damage internal components. Is aimed at.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
Of the present inventionFirstThe endoscopeA flexible tube that is long and has a base end side that is higher in hardness than the distal end side, and a flexible tube that is provided in the flexible tube and has a long and variable hardness. Hardness varying means, and operating means for adjusting the hardness of the hardness varying means to change the flexible tube to an arbitrary hardness, and when the hardness varying means is operated by the operating means, The proximal end side of the flexible tube has the highest hardness, and an intermediate hardness portion having a higher hardness than the distal end side and a lower hardness than the proximal end side is formed between the distal end side and the proximal end side of the flexible tube. The hardness varying means is arranged at a position in the flexible tube.
In addition, the second endoscope of the present invention is a flexible body having a long flexible flexible portion having a predetermined length from the distal end side, and a proximal end side formed with higher hardness than the flexible flexible portion. A tube, a hardness variable means for changing the flexibility of the flexible tube, which is provided in the flexible tube and is variable in length, and adjusting the hardness of the hardness variable means to adjust the flexibility of the flexible tube Operating means for changing the hardness to an arbitrary hardness, and the hardness varying means is disposed in the flexible tube so that the distal end of the hardness varying means is disposed on the proximal side with respect to the soft flexible portion. It is provided.
[0010]
According to this configuration, when the hardness varying means is operated by the operating means, the intermediate hardness portion is provided between the distal end side having the lowest hardness and the proximal end side having the highest hardness of the flexible tube, so The hardness of the tube changes in at least three stages, and there is no portion where the hardness changes suddenly, and the tube bends smoothly.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 to 7 relate to a first embodiment of the present invention, FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of an electronic endoscope, FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA of FIG. 1, and FIG. FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of an endoscope having a flexible tube having hardness and the hardness, and FIG. 4 shows the distance from the scope tip of an endoscope having a flexible tube having a hardness change region. FIG. 5 is a diagram showing a relationship with hardness, and FIG. 5 is a diagram showing an insertion state when an endoscope is inserted transanally.
[0012]
As shown in FIG. 1, an electronic endoscope (hereinafter referred to as an endoscope) 1 according to a first embodiment of the present invention includes an elongated and
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The forceps channel through-
[0016]
An
[0017]
A
[0018]
An angle wire guide 35 (see FIG. 2) fixed to the rear end portion of the
[0019]
The
[0020]
A midway portion of the
[0021]
That is, the
[0022]
The end portion of the
[0023]
Further, the
[0024]
The upward direction in FIG. 2 indicates the UP direction of the
[0025]
For this reason, when the
[0026]
Here, for example, the
[0027]
[0028]
Next, the combination of the
As shown in FIG. 3, the
[0029]
The
[0030]
As shown in the graph of FIG. 3, when the
[0031]
Since the tip end of the
[0032]
On the other hand, in the
[0033]
The solid line in the graph of FIG. 4 indicates the hardness of the
[0034]
The operation of the
First, the
[0035]
When the
[0036]
Here, the
[0037]
In addition, the shape of the
[0038]
The most important procedure for inserting the
[0039]
Therefore, in order to prevent re-looping in the
[0040]
As described above, when the
[0041]
However, in the
That is, when the
[0042]
At this time, the hardness of the hardest state portion Hm of the
[0043]
In this way, by arranging the tip of the coil pipe in the rigid flexible portion in the rigid state portion provided in the flexible tube, the hardness adjustment knob is rotated to pull the hardness adjustment wire. When the coil pipe is compressed, the hardness of the flexible tube is changed in three stages from the tip side to the softest state portion S, the hard state portion H, and the hardest state portion Hm in order to reduce the change in hardness. Can do. As a result, when the coil pipe is compressed by operating the hardness adjustment knob, the hardness in the flexible tube changes in stages, so that the hardness changes abruptly in the hardness changing part or hardness changing region. The sudden bending of the generated flexible tube is prevented, and damage to built-in objects and deterioration of insertability are prevented.
[0044]
Needless to say, the hardness varying means and the operating means are not limited to a combination of a coil and a wire, and may be a shape memory alloy or a long balloon.
[0045]
Further, the
[0046]
FIGS. 6 and 7 relate to the second embodiment of the present invention, and FIG. 6 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of the endoscope having a flexible tube having a plurality of hardness change regions and the hardness, FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope distal end and the hardness of the endoscope provided with the flexible tube whose distance in the hardness change region is set long.
[0047]
In this embodiment, the number of stages of the change region from the softest state portion S to the hard state portion Hm of the flexible tube is set more than in the first embodiment to prevent sudden bending of the flexible tube in the vicinity of the hardness change region. are doing.
[0048]
The flexible tube 12C shown in FIG. 6 has an intermediate hardness that is a substantially intermediate hardness state between the softest state portion S and the hard state portion H before the softest state portion S changes to the hard state portion H. An intermediate hardness state portion M is provided. That is, a first
[0049]
For this reason, by compressing the
[0050]
On the other hand, in FIG. 7, an
[0051]
For this reason, by compressing the
[0052]
Further, in the flexible tubes 12C and 12D, since the hardness on the base end side from the vicinity of 70 cm from the distal end of the scope is set to the hardest state portion Hm, for example, insertion that allows the
[0053]
When using the insertion method of passing the
[0054]
Further, in order to change the hardness of the flexible tube 12C in a stepwise manner as described above, for example, by configuring the separate outer tube having three different hardnesses in order from the distal end side in order from the soft one, It is possible to have the same action as the
[0055]
Further, in the flexible tube 12C shown in FIG. 6 and the flexible tube 12D shown in FIG. 7, the arrangement position of the distal end portion of the
[0056]
In this way, by providing a plurality of hardness change regions or wide hardness change regions in the flexible tube, the amount of change in the hardness difference within the flexible tube is further reduced, thereby making the bending shape of the flexible tube smoother. It can be shaped. As a result, when the endoscope is inserted, rapid bending of the flexible tube is further prevented, and good insertability can be obtained, and damage to built-in objects is prevented. Other operations and effects are the same as those of the above-described embodiment.
[0057]
In addition, when changing the hardness of a flexible tube, you may make it change the hardness of a flexible tube with the built-in thing arrange | positioned in a flexible tube. This makes it possible to change the hardness of the flexible tube in a plurality of stages without forming a shell tube having a plurality of hardness conversion regions and without preparing a plurality of separate shells having different hardnesses. The number of outer skins can be reduced and the manufacturing process can be simplified.
[0058]
FIG. 8 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of the endoscope provided with a flexible tube that forms a plurality of hardness changing portions according to the third embodiment of the present invention with coil pipes, and the hardness.
[0059]
As shown by the solid line in the graph, in this embodiment, when the
[0060]
This is because the
[0061]
In this way, by arranging the coil pipe whose hardness changes between the distal end side and the proximal end side in the flexible tube, the hardness of the flexible tube configured most simply without changing the hardness of the outer tube, It can be changed in multiple stages. This makes it easier to manufacture the outer skin. Other operations and effects are the same as those of the above-described embodiment.
[0062]
FIG. 9 is a view for explaining a stylet inserted into a forceps channel tube of an endoscope having a flexible tube having a skin having a hardness changing portion or a hardness changing region and a coil pipe according to an application example of the present invention. It is.
[0063]
In the present embodiment, a
[0064]
The
[0065]
That is, by positioning the
[0066]
The hardness of the
[0067]
In this way, by inserting the stylet through the forceps channel as necessary, the hardness of the softest state portion S on the distal end side of the flexible tube that cannot be varied in the normal use state can be increased. . As a result, the hand operation can be more reliably transmitted to the tip portion, and good insertability can be ensured.
[0068]
By the way, the
[0069]
The
[0070]
As described above, the
[0071]
That is, in the unlikely event that the
[0072]
Here, by rotating the
[0073]
As described above, when the endoscope is housed in the concave portion of the housing member, when the hardness adjustment knob is rotated and the coil pipe is compressed, the finger hook portion of the endoscope is protruded from the housing member. Thus, it can be notified that the coil pipe is in a compressed state. As a result, it is possible to reliably prevent the
[0074]
The
[0075]
As with the
[0076]
That is, in the unlikely event that the
[0077]
As described above, when the endoscope is installed on the endoscope hanger, when the hardness adjustment knob is rotated and the coil pipe is compressed, the finger hook portion of the endoscope comes into contact with the support member. It can be notified that the coil pipe is in a compressed state. As a result, it is possible to prevent the
[0078]
It should be noted that the present invention is not limited to the embodiments described above, and various modifications can be made without departing from the spirit of the invention.
[0079]
[Appendix]
According to the embodiment of the present invention as described above in detail, the following configuration can be obtained.
[0080]
(1) A flexible tube, hardness varying means for changing the flexibility provided along the longitudinal axis inside the flexible tube, and adjusting the hardness of the hardness varying means to adjust the flexible tube to an arbitrary In an endoscope having an operating means for changing to hardness,
When the hardness varying means is operated by the operating means, the hardness between the distal end side of the flexible tube having the lowest hardness and the proximal end side having the highest hardness by the hardness varying means from the distal end side. An endoscope having an intermediate hardness portion that is high and lower in hardness than the base end side.
[0081]
(2) The endoscope according to
[0082]
(3) The endoscope according to
[0083]
(4) In an endoscope having a distal end portion of hardness varying means on the proximal end side where the hardness of the flexible tube is formed high, and having a forceps channel in the insertion portion,
The length of the stylet is set so that when the stylet is inserted into the forceps channel, the distal end of the hard stylet body of the stylet is disposed closer to the distal end than the distal end of the hardness varying means. Endoscope.
[0084]
(5) Hardness variable means for changing flexibility provided inside the flexible tube, operating means for adjusting the hardness of the hardness variable means to change the flexible tube to an arbitrary hardness, and the hardness of the flexible tube In an endoscope system comprising an endoscope having a fixing means for holding and fixing in a hardened state, and peripheral equipment on which the endoscope is installed,
An endoscope which prevents the endoscope from being installed in peripheral equipment when a hardness variable means for changing the hardness of the flexible tube is operated by an operating means and the operating state is held by a fixing means. system.
[0085]
(6) The endoscope system according to appendix 5, wherein the peripheral equipment is an endoscope hanger.
[0086]
(7) The endoscope system according to appendix 5, wherein the peripheral equipment is a storage member serving as a storage case for transporting or storing an endoscope.
[0087]
(8) The endoscope system according to appendix 5, wherein the peripheral equipment is an endoscope cleaning / disinfecting machine. .
[0088]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide an endoscope in which the flexible tube constituting the insertion portion is bent in a smooth shape, the insertion property is good, and the built-in object is not damaged.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 to FIG. 7 relate to a first embodiment of the present invention, and FIG. 1 is an explanatory diagram showing a schematic configuration of an electronic endoscope.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line AA in FIG.
FIG. 3 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip and the hardness of an endoscope having a flexible tube having a hardness changing portion;
FIG. 4 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of an endoscope having a flexible tube having a hardness change region and the hardness;
FIG. 5 is a diagram showing an insertion state when an endoscope is inserted transanally
6 and 7 relate to a second embodiment of the present invention, and FIG.
The figure which shows the relationship between the distance from the scope front-end | tip of an endoscope provided with the flexible tube which has a some hardness change area, and hardness
FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of the endoscope having a flexible tube in which the distance of the hardness change region is set long and the hardness;
FIG. 8 is a diagram showing the relationship between the distance from the scope tip of the endoscope having a flexible tube that forms a plurality of hardness change portions according to the third embodiment of the present invention with coil pipes, and the hardness;
FIG. 9 illustrates a stylet that is inserted into a forceps channel tube of an endoscope having a flexible tube having a skin having a hardness change portion or a hardness change region and a coil pipe according to an application example of the present invention. Figure
FIG. 10 is a diagram showing a relationship between a distance from a distal end surface of a flexible tube having a hardness change portion and a hardness change region and hardness according to a modification of the second embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a diagram showing the relationship between the distance from the distal end surface of the flexible tube having two hardness change regions and the hardness according to a modification of the first embodiment and the second embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
12A ... Flexible tube
13a ... Hardness change part
32 ... Coil pipe
Claims (2)
前記可撓管内に設けられ長尺で硬度が変化可能な、前記可撓管の柔軟性を変化させるための硬度可変手段と、
前記硬度可変手段の硬度を調整して前記可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段と、
を具備し、
前記操作手段によって前記硬度可変手段を作動させたときに、前記可撓管の基端側が最も硬度が硬くなるとともに、前記可撓管の先端側と基端側との間に先端側より硬度が高く基端側より硬度の低い中間硬度部が形成されるような前記可撓管内の位置に前記硬度可変手段が配置されていることを特徴とする内視鏡。 A flexible tube which is long and has a proximal end formed with a higher hardness than the distal end;
A hardness varying means for changing the flexibility of the flexible tube, which is provided in the flexible tube and has a long and variable hardness;
An operating means for adjusting the hardness of the hardness varying means to change the flexible tube to an arbitrary hardness;
Comprising
When the hardness varying means is actuated by the operating means, the proximal end side of the flexible tube has the highest hardness, and the hardness between the distal end side and the proximal end side of the flexible tube is less than the distal end side. An endoscope characterized in that the hardness varying means is arranged at a position in the flexible tube where an intermediate hardness portion which is higher in hardness than the base end side is formed .
前記可撓管内に設けられ長尺で硬度が変化可能な、前記可撓管の柔軟性を変化させるための硬度可変手段と、 A hardness varying means for changing the flexibility of the flexible tube, which is provided in the flexible tube and has a long and variable hardness;
前記硬度可変手段の硬度を調整して前記可撓管を任意の硬度に変化させる操作手段と、 An operating means for adjusting the hardness of the hardness varying means to change the flexible tube to an arbitrary hardness;
を具備し、 Comprising
前記硬度可変手段は、当該硬度可変手段の先端が前記軟性可撓部に対して基端側に配置されるように前記可撓管内に設けられていることを特徴とする内視鏡。 The endoscope, wherein the hardness varying means is provided in the flexible tube so that a distal end of the hardness varying means is disposed on a proximal end side with respect to the soft flexible portion.
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