JP3681136B2 - Transmission rotor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばプーリー、或いは、歯車、スプロケット、回転カム等の複合体に好適に適用することができる伝動回転体の構造に関し、更に詳しくは、複数の分割片を接合してなる合成樹脂製の伝動回転体に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば回転伝動部品の1つであるVベルト用プーリーは、その外周部に断面略台形状のベルト係合溝を有する。さらに内周に歯形を形成したタイミングベルトと係接されるプーリーのベルト係合溝の底部にはタイミングベルトの歯形と噛合する歯形が全周に亘って形成される。このようなプーリーはベルト係合溝の両側壁を形成する一対のフランジ部を有し、その内側面はテーパー状に形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなプーリーを合成樹脂で一体成形する場合、プーリーはその外周部に軸方向断面が略凹状の凹部を有するので、該プーリーを一体成形するための金型にはプーリーのベルト係合溝を形成するための駒を環状に配置する必要がある。このため、成形後に成形品であるプーリーを金型から取り出す際にはプーリーの両フランジ間に位置する駒を移動させる必要がある。このため、一般のVベルト用プーリーを成形するときは、駒を少なくとも直径方向に2分割する必要がある。また、上述したタイミングベルト用のプーリーを成形するときは駒をさらに多数に分割して放射状に移動させる必要がある。したがって成形用の金型構造が複雑になり、合成樹脂製プーリーの製造コストが増大する原因となる。
【0004】
また、プーリー部、歯車部、スプロケット部、カム部等を適宜に組み合わせて複合化した伝動回転体においても、外周部の断面形状が略凹状となる場合には上述したプーリーと同様の問題が生じ得る。
【0005】
そこで、例えばプーリーにおいては、その一方のフランジ部をベルト係合溝の底部から切り離すようにプーリーを軸方向に2分割し各々別体に成形するようにすれば、成形後に金型内から成形されたプーリーを取り出す際に、ベルト係合溝を形成するための駒を移動させる必要がなくなるので、金型構造を簡素化することができる。しかし、プーリーを上記の如く2分割構造とした場合、2つの分割片の結合時に両者を互いに同心に位置合わせする必要があるとともに、両者を軸方向に移動防止および抜け防止可能に強固に結合する必要がある。
【0006】
実公昭62−20931号公報には上フランジとハブを備えた下フランジとを別個に成形して結合する2分割構造の合成樹脂製のテープリールが開示されている。このテープリールにおいては、ハブの頂面に形成した段部と複数の突起を上フランジの下面に形成した段部および複数の孔にそれぞれ嵌合させて両フランジを結合させるように構成されており、突起の先端には孔からの抜けを防止するためのフックが形成されている。
【0007】
しかしながら、上記のテープリールにおいては円筒状に形成された浅い段部の直径寸法誤差により両フランジに半径方向の遊びが生じたり、両段部の嵌合が困難となったりするので、遊びのない同心結合を確実に得ることが困難である。また、先端にフックを有する突起の高さ寸法誤差により突起のフックと上フランジとの間に軸方向の遊びが生じたり、フックの係止が困難となったりするので、軸方向に遊びのない結合を確実に得ることが困難である。
【0008】
したがって、本発明の目的は製造が容易で、且つ、半径方向および軸方向に遊びの生じない強固な結合構造の伝動回転体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、合成樹脂製の回転体本体の外周部の少なくとも一部に軸方向断面が略凹状の凹部を有する伝動回転体において、前記回転体本体が前記凹部の底面部と内側面との境界部で分断された複数の分割片で構成され、互いに隣接する2つの分割片のうちの一方の分割片の一端面側にはその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴が、また他方の分割片には該嵌合穴と嵌合する嵌合片がそれぞれ設けられ、前記一方の分割片の他端面側にはその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の凹陥部が形成されて該凹陥部と前記嵌合片との間にディスク状の連結壁部が形成され、該連結壁部に前記嵌合穴及び前記凹陥部間を貫通する挿通孔が形成され、前記他方の分割片には該挿通孔に挿通されて前記凹陥部の底面上の該挿通孔の端縁に軸方向抜け防止可能に係止されるフック片が設けられ、前記嵌合穴と前記嵌合片の嵌合面がそれぞれテーパー面とされ、前記嵌合片が前記嵌合穴に圧入された状態で前記フック片が前記凹陥部の底面上で前記挿通孔の端縁に係止されることを特徴とする。
【0010】
上記構成の伝動回転体においては、合成樹脂製の分割片に形成される断面円形の嵌合穴と嵌合片の嵌合面をそれぞれテーパー面としているので、互いに隣接する2つの分割片を結合するときに、嵌合穴と嵌合片を確実に密着状態で嵌合させることができる。しかも、嵌合片が嵌合穴に圧入された状態でフック片が挿通孔の端縁に係止されるので、嵌合穴への嵌合片の圧入によって両分割片を強く結合し且つ両分割片の離脱を確実に防止することができる。また、分割片の結合時に嵌合穴と嵌合片との締め代を調整することより両分割片の軸方向の相対位置を調整することができるので、フック片を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔の端縁に係止させることができる。したがって、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。また、嵌合穴と嵌合片との嵌合時にフック片を挿通孔端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片の離脱を確実に防止することができる。しかも、上記構成によれば、挿通孔の端縁に係止されるフック片の先端部を分割片の端面に形成される凹陥部内に置くことができるので、該フック片の先端部が分割片の端部から外部に突出することを防止できる。
【0011】
好ましくは、前記嵌合穴と前記嵌合片との嵌合部が前記挿通孔および前記フック片よりも分割片の外周部側に形成される。係る構成によれば、分割片の回転軸心上に曲率中心をもつ嵌合穴と前記嵌合片との嵌合部の曲率半径を大きくとることができるので、嵌合穴および嵌合片自体の心合わせ精度を容易に高めることができると共に、両分割片の外周部に形成される伝動部を高精度に心合わせすることができる。また、嵌合部の曲率半径を大きくできるので嵌合面の面積を容易に増大させることができ、心合わせ結合の安定性を高めることができる。
【0012】
また、本発明は、合成樹脂製の回転体本体の外周部の少なくとも一部に軸方向断面が略凹状の凹部を有する伝動回転体において、前記回転体本体が前記凹部の底面部と内側面との境界部で分断された3つの分割片で構成され、該3つの分割片のうちの中間の分割片の一端面側及び他端面側にそれぞれその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴が形成されて両嵌合穴間にディスク状の連結壁部が形成され、他の2つの分割片のうちの一方には前記中間の分割片の前記一端面側の嵌合穴と嵌合する嵌合片が、また他方には前記中間の分割片の前記他端面側の嵌合穴と嵌合する嵌合片がそれぞれ設けられ、前記中間の分割片の前記連結壁部に両嵌合穴間を貫通する複数の挿通孔が形成され、前記他の2つの分割片には該挿通孔に挿通されて前記挿通孔の端縁に軸方向抜け防止可能に係止されるフック片がそれぞれ設けられ、前記嵌合穴と前記嵌合片の嵌合面がそれぞれテーパー面とされ、前記嵌合片が前記嵌合穴に圧入された状態で前記フック片が前記挿通孔の端縁に係止されることを特徴とする。
上記構成の伝動回転体においては、合成樹脂製の分割片に形成される断面円形の嵌合穴と嵌合片の嵌合面をそれぞれテーパー面としているので、中間の分割片に対して他の2つの分割片を結合するときに、嵌合穴と嵌合片を確実に密着状態で嵌合させることができる。しかも、嵌合片が嵌合穴に圧入された状態でフック片が挿通孔の端縁に係止されるので、嵌合穴への嵌合片の圧入によって中間の分割片に対し他の2つの分割片を強く結合し且つ他の2つの分割片の離脱を確実に防止することができる。また、分割片の結合時に嵌合穴と嵌合片との締め代を調整することより中間の分割片に対し他の2つの分割片の軸方向の相対位置を各々調整することができるので、フック片を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔の端縁に係止させることができる。したがって、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。また、嵌合穴と嵌合片との嵌合時にフック片を挿通孔端縁に係止させることができるので、中間の分割片に対する他の2つの分割片の離脱を確実に防止することができる。しかも、上記構成によれば、挿通孔の端縁に係止されるフック片の先端部を断面円形の嵌合穴内に置くことができるので、該フック片の先端部が分割片の外部に突出することを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例につき説明する。
【0014】
【実施例】
図1および図2は本発明をプーリーに適用した場合の第1実施例を示すものである。これらの図を参照すると、プーリーは合成樹脂製の回転体本体2からなり、その中心部にハブ3を、また外周部に断面台形状のタイミングベルト(図示省略)と係合する凹部すなわちベルト係合溝4を形成したものとなっている。ベルト係合溝4は軸方向断面略台形の凹状をなし、該ベルト係合溝4の両側面を形成するフランジ部5,6の内側面はそれぞれテーパー状に形成されている。ベルト係合溝4の底部4Aにはタイミングベルトの内周面に形成される歯形と噛合する歯形4Bが全周に亘り形成されている。この種の伝動回転体(プーリー)においては、伝動回転体本体2の外周部にはベルト係合溝4の底部4Aの歯形4Bの箇所を底面部とする軸方向略凹状の凹部が全周に亘り形成されることとなるので、伝動回転体本体2を合成樹脂で一体成形しようとすると、金型にはベルト係合溝4の歯形4Bを形成するための多数の駒を放射状に移動可能に配置する必要がある。
【0015】
プーリーの回転体本体2は2つの分割片2A,2Bにより構成されており、一方の分割片2Aはハブ3と、フランジ部5と、ベルト係合溝4の底部4Aを形成するリム部7と、前記ハブ3とリム部7とを連結するディスク状の連結壁部8とを一体に有している。また他方の分割片2Bはディスク状をなして他方のフランジ部6を備えており、両分割片2A,2Bは、伝動部であるベルト係合溝4をその底部4Aと上記他方のフランジ部6との境界部で分断されている。他方の分割片2Bの中央部には適度のクリアランスを介してハブ3と嵌合する中心孔9が形成されている。
【0016】
さらに、一方の分割片2Aのリム部7の内側には該分割片2Aの回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴10が形成され、また他方の分割片2Bには該嵌合穴10と嵌合する嵌合片11が設けられている。また、一方の分割片2Aの連結壁部8には複数(図示実施例では3つ)の挿通孔12が周方向に等角度間隔あけて形成されており、他方の分割片2Bには各々の挿通孔12に挿通されて該挿通孔12の端縁に軸方向抜け防止可能に係止される複数のフック片13が設けられている。そして、嵌合穴10と嵌合片11の嵌合面はそれぞれ截頭円錐形状のテーパー面とされている。挿通孔12にはフック片13の挿入を容易にするための面取り部12Aが形成されている。また、フランジ6にはフック片13を成形する際の駒の移動を可能にする貫通孔6Aが形成されている。
【0017】
前述したように、外周部に略台形状のベルト係合溝4を有するプーリーにおいては、両フランジ5,6の内側面はベルト係合溝4が略台形状をなすようにテーパー面となっているので、両分割片2A,2Bの中心がずれて結合されると、ベルト係合溝4にベルトを掛けたときにベルトの側面がフランジ部5,6の内側面とぴったり嵌合しなくなり、ベルトの回転に歪が生じ、きしみ音や偏磨耗が生じる原因となる。しかし、上記実施例においては、上記の如く、嵌合穴10と嵌合片11との嵌合面をテーパー面としているので、両分割片2A,2Bを結合するときに、両分割片2A、2Bを容易に心合わせすることができる。また、嵌合穴10と嵌合片11を確実に密着状態で嵌合させることができるので、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。さらに、嵌合穴10と嵌合片11との嵌合時にフック片13を挿通孔12の端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片2A,2Bの離脱を確実に防止することができる。
【0018】
なお、図示実施例では挿通孔12の端縁に係止させるためのフック片13の先端の爪部13Aは分割片2A,2Bの半径方向外方に突出しているが、半径方向内方或いは半径方向と直角な方向に突出していてもよい。
【0019】
さらに、上記実施例においては、嵌合片11が嵌合穴10に圧入された状態でフック片13が挿通孔12の端縁に係止されるように寸法設定されている。したがって、嵌合穴10への嵌合片11の圧入によって両分割片2A,2Bを強く結合することができる。また、分割片2A,2Bの結合時に嵌合穴10と嵌合片11との締め代を調整することより両分割片2A,2Bの軸方向の相対位置を調整することができるので、フック片13を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔12の端縁に係止させることができる。
【0020】
さらに、上記実施例においては、嵌合穴10と嵌合片11との嵌合部が挿通孔12およびフック片13よりも分割片2A,2Bの外周部側に形成されているので、分割片2A,2Bの回転軸心上に曲率中心をもつ嵌合穴10と嵌合片11との嵌合部の曲率半径を大きくとることができる。したがって、嵌合穴10と嵌合片11との心合わせ精度を容易に高めることができる。しかも、嵌合穴10と嵌合片11との嵌合部を両分割片2A,2Bの外周部に近接させて心合わせすることができるので、プーリーの外周部に形成されるベルト係合溝4の箇所における両分割片2A,2Bの心合わせ精度を高めることができる。
【0021】
さらに、上記実施例においては、フック片13の係止される挿通孔12の端縁がフック片13を有する分割片2Bとは反対側の分割片2Aの端面に形成された断面円形(図1参照)の凹陥部14の底面部に形成されているので、挿通孔12の端縁に係止されるフック片12の先端部を分割片2Aの端面に形成される凹陥部14内に配置させることができ、該フック片13の先端部が分割片2Aの端面から突出することを防止できる。
【0022】
なお、両分割片2A,2Bの廻り止めは嵌合穴10への嵌合片11の圧入による摩擦結合と、挿通孔12の壁面と該挿通孔12に挿通されたフック片13の側面との当接により達成してもよいが、図示実施例のように、一方の分割片2Aのハブ3の外周面にDカット部3Aを形成し、他方の分割片2Bの中心孔9をこのDカット部3Aに適合させるようにすれば、より確実な廻り止めを達成することができる。
【0023】
また更に、嵌合穴10と嵌合片11の嵌合面の傾斜角度は、両分割片2A,2Bを結合する際の作業性と、分割片2A,2Bの心合わせ精度を考慮して設定すべきである。
【0024】
図3から図5までは本発明の第2実施例を示したものである。この第2実施例の伝動回転体における伝動回転体本体20は、ハブ21と、外周部に歯形23を備えた小歯車部22と、該小歯車部22よりも歯先円直径の大きな歯形25を備えた大歯車部24と、外周部にカム面27を備えたカム部26とを一体化したものであり、小歯車部22の両側に大歯車部24とカム部26がそれぞれ配置されている。したがって、この種の伝動回転体においては、伝動回転体本体20の外周部には小歯車部22の歯形23の箇所を底面部とする軸方向略凹状の凹部が全周に亘り形成されることとなるので、伝動回転体本体20を合成樹脂で一体成形しようとすると、金型には小歯車部22の歯形23を形成するための多数の駒を放射状に移動可能に配置する必要がある。
【0025】
そこで、本発明の第2実施例においては、伝動回転体本体20が2つの分割片20A,20Bからなり、一方の分割片20Aはハブ21と小歯車部22と大歯車部24とを一体に有し、他方の分割片20Bはカム部26を有している。一方の分割片20Aにおける小歯車部22及び大歯車部24は略リング状をなしており、ディスク状の連結壁部28を介してハブ21と連結されている。この伝動回転体本体20の外周部は軸方向断面が略凹状の凹部を有し、小歯車部22の歯形23が該凹部の底面部をなすので、両分割片20A,20Bは該凹部の底面部すなわち小歯車22の歯形23とカム部26との境界部で分断されている。カム部26を有する他方の分割片20Bの中央部には適度のクリアランスを介してハブ3と嵌合する中心孔29が形成されている。
【0026】
さらに、一方の分割片20Aの小歯車部22の内側には該分割片20Aの回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴30が形成され、また他方の分割片20Bには該嵌合穴30と嵌合する嵌合片31が設けられている。また、一方の分割片20Aの連結壁部28には複数(図示実施例では3つ)の挿通孔32が周方向に等角度間隔あけて形成されており、他方の分割片20Bには各々の挿通孔32に挿通されて該挿通孔32の端縁に軸方向抜け防止可能に係止される複数のフック片33が設けられている。そして、嵌合穴30と嵌合片31の嵌合面はそれぞれ截頭円錐形状のテーパー面とされている。
【0027】
上記第2実施例においては、嵌合穴30と嵌合片31との嵌合面がテーパー面とされているので、両分割片20A,20Bを結合するときに、両分割片20A、20Bを容易に心合わせすることができる。また、嵌合穴30と嵌合片31を確実に密着状態で嵌合させることができるので、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。さらに、嵌合穴30と嵌合片31との嵌合時にフック片33を挿通孔32の端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片20A,20Bの離脱を確実に防止することができる。
【0028】
なお、第2実施例においても、挿通孔32の端縁に係止されるフック片33の先端の爪部33Aは分割片20A,20Bの半径方向外方に突出しているが、半径方向内方或いは半径方向と直角な方向に突出していてもよい。
【0029】
さらに、上記第2実施例においても、嵌合片31が嵌合穴30に圧入された状態でフック片33が挿通孔32の端縁に係止されるように寸法設定されている。したがって、嵌合穴30への嵌合片31の圧入によって両分割片20A,20Bを強く結合することができる。また、分割片20A,20Bの結合時に嵌合穴30と嵌合片31との締め代を調整することより両分割片20A,20Bの軸方向の相対位置を調整することができるので、フック片33を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔32の端縁に係止させることができる。
【0030】
さらに、上記第2実施例においても、嵌合穴30と嵌合片31との嵌合部が挿通孔32およびフック片33よりも分割片20A,20Bの外周部側に形成されているので、分割片20A,20Bの回転軸心上に曲率中心をもつ嵌合穴30と嵌合片31との嵌合部の曲率半径を大きくとることができる。したがって、嵌合穴30と嵌合片31との心合わせ精度を容易に高めることができる。しかも、嵌合穴30と嵌合片31との嵌合部を両分割片20A,20Bの外周部に近接させて心合わせすることができるので、両分割片20A,20Bの外周部における心合わせ精度を高めることができる。
【0031】
さらに、上記第2実施例においても、フック片33の係止される挿通孔32の端縁がフック片33を有する分割片20Bとは反対側の分割片20Aの端面に形成された断面円形(図3参照)の凹陥部34の底面部に形成されているので、挿通孔32の端縁に係止されるフック片33の先端部を分割片20Aの端面に形成される凹陥部34内に配置させることができ、該フック片33の先端部が分割片20Aの端面から突出することを防止できる。
【0032】
なお、第2実施例においては、両分割片20A,20Bの廻り止めは嵌合穴30への嵌合片31の圧入による摩擦結合と、挿通孔32の壁面と該挿通孔32に挿通されたフック片33の側面との当接により達成されるが、第1実施例と同様に、一方の分割片20Aのハブ21の外周面にDカット部を形成し、他方の分割片20Bの中心孔29をこのDカット部に適合させるようにすれば、より確実な廻り止めを達成することができる。
【0033】
図6及び図7は本発明の第3実施例を示したものである。この第3実施例の伝動回転体における伝動回転体本体40は、ハブ41と、外周部にカム面43、45,47をそれぞれ備えた3つのカム部42,44,46を一体化したものである。したがってこの種の伝動回転体においては、各カム部42,44,46の外周部のカム面43,45,47の凹凸形状により、図7に示すように、この伝動回転体本体40の外周部には軸方向断面が略凹状の凹部が部分的に形成されている。このため、伝動回転体本体40を合成樹脂で一体成形しようとすると、金型には中間のカム部42の外周カム面43を形成するための複数個の駒を移動可能に配置する必要がある。
【0034】
そこで、本発明の第3実施例においては、伝動回転体本体40が2つの分割片40A,40Bからなり、一方の分割片40Aはハブ41と中間のカム部42とその一側に位置するカム部44とを一体に有し、他方の分割片40Bは他側のカム部46を有している。一方の分割片40Aにおける2つのカム部42,44は略リング状をなしており、ディスク状の連結壁部48を介してハブ41と連結されている。両分割片40A,40Bは中間のカム部42と他側(図7中下側)のカム部46との境界部で分断されている。カム部46を有する他方の分割片40Bの中央部には適度のクリアランスを介してハブ41と嵌合する中心孔49が形成されている。
【0035】
さらに、一方の分割片40Aにおける中間のカム部42の内側には該分割片40Aの回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴50が形成され、また他方の分割片40Bには該嵌合穴50と嵌合する嵌合片51が設けられている。また、一方の分割片40Aの連結壁部48には複数(図示実施例では3つ)の挿通孔52が周方向に等角度間隔あけて形成されており、他方の分割片40Bには各々の挿通孔52に挿通されて該挿通孔52の端縁に軸方向抜け防止可能に係止される複数のフック片53が設けられている。そして、嵌合穴50と嵌合片51の嵌合面はそれぞれ截頭円錐形状のテーパー面とされている。
【0036】
上記第3実施例においては、嵌合穴50と嵌合片51との嵌合面がテーパー面とされているので、両分割片40A,40Bを結合するときに、両分割片40A,40Bを容易に心合わせすることができる。また、嵌合穴50と嵌合片51を確実に密着状態で嵌合させることができるので、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。さらに、嵌合穴50と嵌合片51との嵌合時にフック片53を挿通孔52の端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片40A,40Bの離脱を確実に防止することができる。
【0037】
なお、第3実施例においても、挿通孔52の端縁に係止されるフック片53の先端の爪部53Aは分割片40A,40Bの半径方向外方に突出しているが、半径方向内方或いは半径方向と直角な方向に突出していてもよい。
【0038】
さらに、上記第3実施例においても、嵌合片51が嵌合穴50に圧入された状態でフック片53が挿通孔52の端縁に係止されるように寸法設定されている。したがって、嵌合穴50への嵌合片51の圧入によって両分割片40A,40Bを強く結合することができる。また、分割片40A,40Bの結合時に嵌合穴50と嵌合片51との締め代を調整することより両分割片40A,40Bの軸方向の相対位置を調整することができるので、フック片53を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔52の端縁に係止させることができる。
【0039】
さらに、上記第3実施例においても、嵌合穴50と嵌合片51との嵌合部が挿通孔52およびフック片53よりも分割片40A,40Bの外周部側に形成されているので、分割片40A,40Bの回転軸心上に曲率中心をもつ嵌合穴50と嵌合片51との嵌合部の曲率半径を大きくとることができる。したがって、嵌合穴50と嵌合片51との心合わせ精度を容易に高めることができる。しかも、嵌合穴50と嵌合片51との嵌合部を両分割片40A,40Bの外周部に近接させて心合わせすることができるので、両分割片40A,40Bの外周部における心合わせ精度を高めることができる。
【0040】
さらに、上記第3実施例においても、フック片53の係止される挿通孔52の端縁がフック片53を有する分割片40Bとは反対側の分割片40Aの端面に形成された断面円形(図6参照)の凹陥部54の底面部に形成されているので、挿通孔52の端縁に係止されるフック片53の先端部を分割片40Aの端面に形成される凹陥部54内に配置させることができ、該フック片53の先端部が分割片40Aの端面から突出することを防止できる。
【0041】
なお、第3実施例においても、第2実施例と同様に、両分割片40A,40Bの廻り止めは嵌合穴50への嵌合片51の圧入による摩擦結合と、挿通孔52の壁面と該挿通孔52に挿通されるフック片53の側面との当接により達成されるが、第1実施例と同様に、一方の分割片40Aのハブ41の外周面にDカット部を形成し、他方の分割片40Bの中心孔49をこのDカット部に適合させるようにすれば、より確実な廻り止めを達成することができる。
【0042】
図8は本発明の第4実施例を示したものである。この第4実施例の伝動回転体における伝動回転体本体40は、ハブ41と、外周部にカム面43、45,47,55,57をそれぞれ備えた5つのカム部42,44,46,54,56を一体化したものである。したがってこの種の伝動回転体においては、各カム部42,44,46,54,56の外周部のカム面43,45,47,55、57の凹凸形状により、カム部44とカム部46との間において伝動回転体本体40の外周部に軸方向断面が略凹状の凹部が部分的に形成されているとともに、カム部44とカム部56との間において伝動回転体本体40の外周部に軸方向断面が略凹状の凹部が部分的に形成されている。このため、伝動回転体本体40を合成樹脂で一体成形しようとすると、金型にはカム部42の外周カム面43を形成するための複数個の駒及びカム部54の外周カム面55を形成するための複数個の駒をそれぞれ移動可能に配置する必要がある。
【0043】
そこで、本発明の第4実施例においては、伝動回転体本体40が3つの分割片40A,40B,40Cからなり、隣接する2つの分割片40A,40Bの関係は上記第3実施例と同様の構成とされており、また、隣接する2つの分割片40A,40Cの関係は分割片40A,40Bの関係と同様の構成とされている。
【0044】
すなわち、中間の分割片40Aはハブ41とカム部42,44,54を一体に有し、一側の分割片40Bはカム部46を有し、他側の分割片40Cはカム部56を有している。中間の分割片40Aにおける2つのカム部42,44,54は略リング状をなしており、ディスク状の連結壁部48を介してハブ41と連結されている。2つの分割片40A,40Bの関係は上記第3実施例と同様であり、同一の構成要素には同一の参照符号が付してある。したがって、ここでは2つの分割片40A,40Bの関係についての詳細な説明を省略する。
【0045】
隣接する2つの分割片40A,40Cの関係において、両分割片40A,40Cは、分割片40Aのカム部54と分割片40Cのカム部56との境界部で分断されている。カム部56を有する分割片40Cの中央部には適度のクリアランスを介してハブ41と嵌合する中心孔59が形成されている。
【0046】
さらに、分割片40Aにおけるカム部44,54の内側には該分割片40Aの回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴60が形成され、また他方の分割片40Cには該嵌合穴60と嵌合する嵌合片61が設けられている。また、一方の分割片40Aの連結壁部48には複数の挿通孔62が周方向に等角度間隔あけて形成されており、他方の分割片40Cには各々の挿通孔62に挿通されて該挿通孔62の端縁に軸方向抜け防止可能に係止される複数のフック片63が設けられている。そして、嵌合穴60と嵌合片61の嵌合面はそれぞれ截頭円錐形状のテーパー面とされている。
【0047】
さらに、嵌合穴60と嵌合片61との嵌合面がテーパー面とされているので、隣接する2つの分割片40A,40Cを結合するときに、両分割片40A,40Cを容易に心合わせすることができる。また、嵌合穴60と嵌合片61を確実に密着状態で嵌合させることができるので、半径方向に遊びの生じない同心結合を確実に得ることができる。さらに、嵌合穴60と嵌合片61との嵌合時にフック片63を挿通孔62の端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片40A,40Cの離脱を確実に防止することができる。
【0048】
さらに、両分割片40A,49Cの関係においても、嵌合片61が嵌合穴60に圧入された状態でフック片63が挿通孔62の端縁に係止されるように寸法設定されているので、嵌合穴60への嵌合片61の圧入によって両分割片40A,40Cを強く結合することができる。また、分割片40A,40Cの結合時に嵌合穴60と嵌合片61との締め代を調整することより両分割片40A,40Cの軸方向の相対位置を調整することができるので、フック片63を確実に且つ軸方向に遊びのない状態で挿通孔62の端縁に係止させることができる。
【0049】
図9は図1及び図2に示す上記第1実施例の変形例を示したものである。同図において上記第1実施例の構成要素と同様の構成要素には同一の参照符号が付してある。この変形例においては分割片2Bにその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形のテーパー状の嵌合穴9’が形成され、また分割片2Aのハブ3には該嵌合穴9’と嵌合する嵌合部10’が設けられている。したがって、この変形例においても嵌合穴9’と嵌合部10’との嵌合により両分割片2A,2Bを確実に同心結合させることができる。また、嵌合穴9’と嵌合部10’との嵌合時にフック片12を挿通孔11の端縁に係止させることができるので、互いに結合された2つの分割片2A,2Bの離脱を確実に防止することができる。
【0050】
以上、図示実施例につき説明したが、本発明は上記実施例の態様のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内でその構成要素に種々の変更を加えることができる。
【0051】
例えば、嵌合穴及び嵌合片は挿通孔及びフック片よりも分割片の回転軸心寄りに配置形成してもよい。したがって、例えば挿通孔及びフック片とハブとの間に嵌合穴及び嵌合片をそれぞれ配置してもよい。
【0052】
また、フック片の個数は複数個が好ましいが1つであってもよい。
【0053】
さらに、分割片はその中央部にハブの代わりに中実構造の軸部を備えていてもよい。
【0054】
また、本発明は上記各実施例に示す歯車、カム等の組合せの他、複数のプーリー、或いは、歯車、スプロケット、プーリー、カム等を任意に組み合わせて一体化される伝動用の回転体に適用可能である。
【0055】
また、一般に伝動回転体の場合、その回転により発生する摩擦熱などにより高温になる場合が多いので、各分割片は同一の合成樹脂材料或いは線膨張係数の近似した合成樹脂材料で構成することが望ましい。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、合成樹脂製の回転体本体の外周部の少なくとも一部に軸方向断面が略凹状の凹部を有する伝動回転体において、前記回転体本体が前記凹部の底面部と内側面との境界部で分断された複数の分割片で構成され、互いに隣接する2つの分割片のうちの一方の分割片の一端面側にはその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴が、また他方の分割片には該嵌合穴と嵌合する嵌合片がそれぞれ設けられ、前記一方の分割片の他端面側にはその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の凹陥部が形成されて該凹陥部と前記嵌合片との間にディスク状の連結壁部が形成され、該連結壁部に前記嵌合穴及び前記凹陥部間を貫通する挿通孔が形成され、前記他方の分割片には該挿通孔に挿通されて前記凹陥部の底面上の該挿通孔の端縁に軸方向抜け防止可能に係止されるフック片が設けられ、前記嵌合穴と前記嵌合片の嵌合面がそれぞれテーパー面とされ、前記嵌合片が前記嵌合穴に圧入された状態で前記フック片が前記凹陥部の底面上で前記挿通孔の端縁に係止されるように構成しているので、製造が容易で、且つ、半径方向および軸方向に遊びの生じない強固な結合構造の伝動回転体を提供することができる。
また、本発明は、合成樹脂製の回転体本体の外周部の少なくとも一部に軸方向断面が略凹状の凹部を有する伝動回転体において、前記回転体本体が前記凹部の底面部と内側面との境界部で分断された3つの分割片で構成され、該3つの分割片のうちの中間の分割片の一端面側及び他端面側にそれぞれその回転軸心上に曲率中心をもつ断面円形の嵌合穴が形成されて両嵌合穴間にディスク状の連結壁部が形成され、他の2つの分割片のうちの一方には前記中間の分割片の前記一端面側の嵌合穴と嵌合する嵌合片が、また他方には前記中間の分割片の前記他端面側の嵌合穴と嵌合する嵌合片がそれぞれ設けられ、前記中間の分割片の前記連結壁部に両嵌合穴間を貫通する複数の挿通孔が形成され、前記他の2つの分割片には該挿通孔に挿通されて前記挿通孔の端縁に軸方向抜け防止可能に係止されるフック片がそれぞれ設けられ、前記嵌合穴と前記嵌合片の嵌合面がそれぞれテーパー面とされ、前記嵌合片が前記嵌合穴に圧入された状態で前記フック片が前記挿通孔の端縁に係止されるように構成しているので、製造が容易で、且つ、半径方向および軸方向に遊びの生じない強固な結合構造の3分割片タイプの伝動回転体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すプーリーの平面図。
【図2】図1に示すプーリーの図1中A−A線に沿った断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す2つの歯車とカムを一体化した伝動回転体の平面図。
【図4】図3に示す伝動回転体の図3中B−B線に沿った断面図。
【図5】図3に示す伝動回転体の底面図。
【図6】本発明の第3実施例を示す3つのカムを一体化した伝動回転体の平面図。
【図7】図6に示す伝動回転体の図6中C−C線に沿った断面図。
【図8】本発明の第4実施例を示す5つのカムを一体化した伝動回転体の図7と類似の断面図。
【図9】図1及び図2に示す第1実施例の変形例を示すプーリーの図2と類似の断面図。
【符号の説明】
2 プーリー(伝動回転体)
2A,2B 分割片
3 ハブ
4 ベルト係合溝
5,6 フランジ部
7 リム部
8 連結壁部
10 嵌合穴
11 嵌合片
12 挿通孔
13 フック片[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a structure of a transmission rotating body that can be suitably applied to, for example, a pulley or a complex such as a gear, a sprocket, and a rotating cam, and more specifically, a synthetic resin made by joining a plurality of divided pieces. It relates to a transmission rotor.
[0002]
[Prior art]
For example, a pulley for a V belt, which is one of rotational transmission parts, has a belt engagement groove having a substantially trapezoidal cross section on the outer peripheral portion thereof. Further, a tooth profile that meshes with the tooth profile of the timing belt is formed over the entire circumference at the bottom of the belt engagement groove of the pulley that is engaged with the timing belt having a tooth profile formed on the inner periphery. Such a pulley has a pair of flange portions forming both side walls of the belt engaging groove, and the inner surface thereof is formed in a tapered shape.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
When the pulley as described above is integrally formed with a synthetic resin, the pulley has a concave portion having a substantially concave axial cross section on the outer peripheral portion thereof, so that the mold for integrally forming the pulley has a belt engagement groove of the pulley. It is necessary to arrange the pieces for forming the ring in a ring shape. For this reason, when taking out the pulley which is a molded product after shaping | molding, it is necessary to move the piece located between the both flanges of a pulley. For this reason, when molding a general V-belt pulley, it is necessary to divide the piece into two at least in the diameter direction. Further, when forming the pulley for the timing belt described above, it is necessary to divide the pieces into a large number and move them radially. Therefore, the mold structure for molding becomes complicated, which increases the manufacturing cost of the synthetic resin pulley.
[0004]
Even in the case of a transmission rotating body obtained by combining pulley parts, gear parts, sprocket parts, cam parts, etc. as appropriate, the same problem as the above-described pulley occurs when the outer peripheral section has a substantially concave shape. obtain.
[0005]
Therefore, for example, in the case of a pulley, if one pulley is separated from the bottom of the belt engaging groove and the pulley is divided into two parts in the axial direction and each is molded separately, it is molded from the mold after molding. When removing the pulley, it is not necessary to move the piece for forming the belt engagement groove, so that the mold structure can be simplified. However, when the pulley has a two-divided structure as described above, it is necessary to align the two concentric with each other when the two divided pieces are coupled, and the two are firmly coupled so that they can be prevented from moving and coming off in the axial direction. There is a need.
[0006]
Japanese Utility Model Publication No. 62-20931 discloses a synthetic resin tape reel having a two-part structure in which an upper flange and a lower flange having a hub are separately molded and joined. In this tape reel, a step portion formed on the top surface of the hub and a plurality of protrusions are respectively fitted to a step portion formed on the lower surface of the upper flange and a plurality of holes, and both flanges are coupled. A hook is formed at the tip of the protrusion to prevent the protrusion from coming out.
[0007]
However, in the above tape reel, there is no play because the radial dimension of both flanges may be caused due to the diameter dimensional error of the shallow step formed in the cylindrical shape, and it is difficult to fit the both steps. It is difficult to reliably obtain concentric bonds. In addition, there is no play in the axial direction because there is play in the axial direction between the hook of the protrusion and the upper flange due to a height error of the protrusion having a hook at the tip, or it becomes difficult to lock the hook. It is difficult to ensure a bond.
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide a transmission rotor having a strong coupling structure that is easy to manufacture and does not generate play in the radial and axial directions.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the present invention provides a transmission rotor having a recess having a substantially concave cross section in the axial direction in at least a part of an outer peripheral portion of a rotor body made of synthetic resin. One of two divided pieces that are composed of a plurality of divided pieces separated by a boundary portion between the bottom surface portion and the inner side surface and are adjacent to each otherOne side of the split pieceHas a center of curvature on its axis of rotationCircular in cross sectionThe mating hole is on the other sideSplit piecesEach is provided with a fitting piece to be fitted with the fitting hole,On the other end surface side of the one divided piece, a concave section having a circular section with a center of curvature is formed on the rotation axis, and a disk-shaped connecting wall is formed between the concave section and the fitting piece. An insertion hole penetrating between the fitting hole and the recessed portion is formed in the connecting wall portion, and the other divided piece is inserted into the insertion hole to form the insertion hole on the bottom surface of the recessed portion. A hook piece that is locked to the end edge so as to be prevented from coming off in the axial direction is provided,The fitting surface of the fitting hole and the fitting piece is a tapered surface, and the hook piece is in a state where the fitting piece is press-fitted into the fitting hole.On the bottom of the recessIt is locked to the edge of the insertion hole.
[0010]
In the transmission rotating body having the above-described configuration, it is formed on a segment piece made of synthetic resin.Circular in cross sectionSince the fitting surfaces of the fitting hole and the fitting piece are respectively tapered surfaces, the fitting hole and the fitting piece can be securely fitted in close contact when two adjacent pieces are joined together. it can. In addition, since the hook piece is locked to the end edge of the insertion hole in a state where the fitting piece is press-fitted into the fitting hole, both the divided pieces are strongly coupled by press-fitting the fitting piece into the fitting hole, and both The separation of the divided pieces can be reliably prevented. Moreover, since the relative position in the axial direction of the two split pieces can be adjusted by adjusting the tightening margin between the fitting hole and the fitting piece when the split pieces are joined, the hook pieces can be surely played in the axial direction. It can be locked to the end edge of the insertion hole in the absence of any. Therefore, a concentric connection that does not cause play in the radial direction can be reliably obtained. In addition, since the hook piece can be locked to the edge of the insertion hole when the fitting hole and the fitting piece are fitted, the separation of the two divided pieces coupled to each other can be reliably prevented.In addition, according to the above configuration, the tip of the hook piece that is locked to the edge of the insertion hole can be placed in the recessed portion formed on the end surface of the split piece. It can prevent protruding from the edge of the outside.
[0011]
Preferably, a fitting portion between the fitting hole and the fitting piece is formed closer to the outer peripheral portion side of the split piece than the insertion hole and the hook piece. According to this configuration, since the radius of curvature of the fitting portion between the fitting hole having the center of curvature on the rotation axis of the divided piece and the fitting piece can be increased, the fitting hole and the fitting piece itself The centering accuracy can be easily increased, and the transmission portions formed on the outer peripheral portions of the two split pieces can be centered with high accuracy. Moreover, since the curvature radius of a fitting part can be enlarged, the area of a fitting surface can be increased easily and stability of centering coupling can be improved.
[0012]
Further, the present invention provides a transmission rotating body having a concave portion having a substantially concave axial cross section in at least a part of an outer peripheral portion of a synthetic resin rotating body main body, wherein the rotating body main body includes Each of which has a circular cross section with a center of curvature on the axis of rotation on each of the one end face side and the other end face side of the intermediate split piece of the three split pieces. A fitting hole is formed to form a disk-shaped connecting wall between the fitting holes, and one of the other two divided pieces has a fitting hole on the one end face side of the intermediate divided piece. A fitting piece to be fitted is provided on the other side, and a fitting piece to be fitted to the fitting hole on the other end surface side of the intermediate divided piece is provided on the other side. A plurality of insertion holes penetrating between the fitting holes are formed, and the other two divided pieces are inserted into the insertion holes. Hook pieces that are locked so as to be prevented from coming off in the axial direction are provided at the end edges of the insertion holes, the fitting surfaces of the fitting holes and the fitting pieces are respectively tapered surfaces, and the fitting pieces are The hook piece is locked to an end edge of the insertion hole in a state of being press-fitted into the fitting hole..
In the transmission rotating body having the above-described configuration, the fitting hole of the circular cross section formed in the synthetic resin divided piece and the fitting surface of the fitting piece are each a tapered surface. When two divided pieces are joined, the fitting hole and the fitting piece can be reliably fitted in a close contact state. In addition, since the hook piece is locked to the end edge of the insertion hole in a state where the fitting piece is press-fitted into the fitting hole, the other two pieces are inserted into the intermediate divided piece by press-fitting the fitting piece into the fitting hole. It is possible to firmly connect the two pieces and prevent the other two pieces from coming off. Moreover, since the relative position in the axial direction of the other two divided pieces can be adjusted with respect to the intermediate divided piece by adjusting the interference between the fitting hole and the fitting piece when the divided pieces are joined, The hook piece can be securely locked to the end edge of the insertion hole without any play in the axial direction. Therefore, a concentric connection that does not cause play in the radial direction can be reliably obtained. In addition, since the hook piece can be locked to the edge of the insertion hole when the fitting hole and the fitting piece are fitted, it is possible to reliably prevent the other two divided pieces from being separated from the intermediate divided piece. it can. In addition, according to the above configuration, the tip of the hook piece that is locked to the edge of the insertion hole can be placed in the fitting hole having a circular cross section, so that the tip of the hook piece protrudes outside the split piece. Can be prevented.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0014]
【Example】
1 and 2 show a first embodiment when the present invention is applied to a pulley. Referring to these drawings, the pulley is composed of a
[0015]
The
[0016]
Further, a
[0017]
As described above, in the pulley having the substantially trapezoidal
[0018]
In the illustrated embodiment, the
[0019]
Furthermore, in the said Example, the dimension is set so that the
[0020]
Furthermore, in the said Example, since the fitting part of the
[0021]
Furthermore, in the said Example, the edge of the
[0022]
It should be noted that the detents of both the
[0023]
Furthermore, the inclination angle of the fitting surface of the
[0024]
3 to 5 show a second embodiment of the present invention. The
[0025]
Therefore, in the second embodiment of the present invention, the
[0026]
Further, a
[0027]
In the said 2nd Example, since the fitting surface of the
[0028]
In the second embodiment as well, the
[0029]
Further, in the second embodiment, the dimension is set so that the
[0030]
Further, also in the second embodiment, the fitting portion between the
[0031]
Further, also in the second embodiment, the end edge of the
[0032]
In the second embodiment, the detents of both the
[0033]
6 and 7 show a third embodiment of the present invention. The transmission rotor
[0034]
Therefore, in the third embodiment of the present invention, the
[0035]
Furthermore, a
[0036]
In the said 3rd Example, since the fitting surface of the
[0037]
In the third embodiment as well, the
[0038]
Further, also in the third embodiment, the dimension is set so that the
[0039]
Furthermore, also in the third embodiment, the fitting portion between the
[0040]
Further, also in the third embodiment, the end edge of the
[0041]
In the third embodiment, similarly to the second embodiment, the rotation of both the
[0042]
FIG. 8 shows a fourth embodiment of the present invention. The transmission rotor
[0043]
Therefore, in the fourth embodiment of the present invention, the transmission rotor
[0044]
That is, the intermediate divided
[0045]
In the relationship between two adjacent divided
[0046]
Further, a
[0047]
Further, since the fitting surface of the
[0048]
Further, in the relationship between the two divided
[0049]
FIG. 9 shows a modification of the first embodiment shown in FIGS. In the figure, the same reference numerals are assigned to the same components as those of the first embodiment. In this modification, a tapered fitting hole 9 'having a circular cross section having a center of curvature is formed on the rotation axis of the divided
[0050]
Although the illustrated embodiment has been described above, the present invention is not limited only to the embodiment described above, and various modifications can be made to the components within the scope of the invention described in the claims.it can.
[0051]
For example,The fitting hole and the fitting piece may be arranged and formed closer to the rotation axis of the divided piece than the insertion hole and the hook piece. Therefore, for example, a fitting hole and a fitting piece may be arranged between the insertion hole and the hook piece and the hub, respectively.
[0052]
Also hook pieceAlthough the number of is preferably plural, it may be one.
[0053]
further,The split piece may be provided with a shaft portion having a solid structure in place of the hub at the center thereof.
[0054]
Also,The present invention can be applied to a transmission rotating body integrated with any combination of a plurality of pulleys or gears, sprockets, pulleys, cams, etc. in addition to the combinations of gears and cams shown in the above embodiments. is there.
[0055]
AlsoIn general, in the case of a transmission rotating body, there are many cases where the temperature becomes high due to frictional heat generated by the rotation, etc. Therefore, each divided piece is preferably made of the same synthetic resin material or a synthetic resin material having an approximate linear expansion coefficient. .
[0056]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, the present inventionIn a transmission rotating body having a recess having a substantially concave cross section in the axial direction on at least a part of an outer peripheral portion of a rotating body body made of synthetic resin, the rotating body body is divided at a boundary portion between a bottom surface portion and an inner surface of the recess. In addition, one of the two divided pieces adjacent to each other has a circular fitting hole with a circular cross section having a center of curvature on the rotation axis, and the other of the two divided pieces adjacent to each other. Each of the divided pieces is provided with a fitting piece that fits into the fitting hole. On the other end surface side of the one divided piece, a concave section having a circular cross section having a center of curvature is formed on the rotation axis. A disk-shaped connecting wall portion is formed between the recessed portion and the fitting piece, and an insertion hole penetrating between the fitting hole and the recessed portion is formed in the connecting wall portion, and the other divided piece. Is inserted through the insertion hole and can be prevented from coming off in the axial direction at the edge of the insertion hole on the bottom surface of the recessed portion. The hook piece is provided in a state in which the fitting hole and the fitting surface of the fitting piece are tapered surfaces, and the hook piece is pressed into the fitting hole. It is comprised so that it may be latched by the edge of the said insertion hole on the bottom face of the said recessed part.Therefore, it is possible to provide a transmission rotor having a strong coupling structure that is easy to manufacture and does not generate play in the radial direction and the axial direction.
Further, the present invention provides a transmission rotating body having a recess whose axial cross section is substantially concave in at least a part of an outer peripheral portion of a rotating body body made of synthetic resin, wherein the rotating body body includes a bottom surface portion and an inner surface of the recess. Of the three divided pieces, each having a circular cross section having a center of curvature on the rotation axis on one end surface side and the other end surface side of the intermediate divided piece of the three divided pieces, respectively. A fitting hole is formed to form a disk-shaped connecting wall between the fitting holes, and one of the other two divided pieces has a fitting hole on the one end face side of the intermediate divided piece. A fitting piece to be fitted is provided on the other side, and a fitting piece to be fitted with the fitting hole on the other end surface side of the intermediate divided piece is provided on the other side. A plurality of insertion holes penetrating between the fitting holes are formed, and the other two divided pieces are inserted into the insertion holes. Hook pieces that are locked at the end edges of the insertion holes so as to be prevented from coming off in the axial direction are provided, the fitting surfaces of the fitting holes and the fitting pieces are tapered surfaces, respectively. Since the hook piece is configured to be locked to the end edge of the insertion hole while being press-fitted into the fitting hole, it is easy to manufacture and does not cause play in the radial direction and the axial direction. It is possible to provide a transmission rotor of a three-piece type with a simple coupling structure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a pulley showing a first embodiment of the present invention.
2 is a cross-sectional view of the pulley shown in FIG. 1 taken along line AA in FIG.
FIG. 3 is a plan view of a transmission rotating body in which two gears and a cam are integrated in a second embodiment of the present invention.
4 is a cross-sectional view of the transmission rotating body shown in FIG. 3 taken along line BB in FIG. 3;
5 is a bottom view of the transmission rotating body shown in FIG. 3. FIG.
FIG. 6 is a plan view of a transmission rotating body in which three cams according to a third embodiment of the present invention are integrated.
7 is a cross-sectional view of the transmission rotating body shown in FIG. 6 taken along the line CC in FIG. 6;
8 is a cross-sectional view similar to FIG. 7 of a transmission rotating body in which five cams are integrated, showing a fourth embodiment of the present invention.
9 is a cross-sectional view similar to FIG. 2 of a pulley showing a modification of the first embodiment shown in FIGS. 1 and 2. FIG.
[Explanation of symbols]
2 Pulley (transmission rotor)
2A, 2B split pieces
3 Hub
4 Belt engagement groove
5,6 Flange
7 Rim
8 Connecting wall
10 Mating hole
11 Mating piece
12 Insertion hole
13 Hook pieces
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