JP3680990B2 - 音響反射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼製ドラム缶等の気密を検査する気密漏洩検査に好適な音響反射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鋼製ドラム缶は、種々の液体や固体を充填して運搬・保管する容器として多用されてきている。このため、内容物が運搬中や保管時に漏洩しないように気密性・液密性が厳しく要求される。鋼製ドラム缶は、鋼板を円筒形状に成形し、ラップ部をシーム溶接して胴体を形成し、この胴体の両端に、底となる地板と蓋となる天版とを巻締め加工により取り付けて気密・液密の容器とされる。
【0003】
このような構造の鋼製ドラム缶においては、鋼板に存在している微細孔や、胴体のシーム溶接部に発生するヘアクラック等の微細傷等が問題となる。これらの微細な孔や傷は、数十ミクロン程度であっても、内容物によっては漏洩する虞がある。このため、製造ラインにおいて全数気密漏洩検査が行われている。
気密漏洩検査方法として、容器内に圧縮空気を封入し、検査すべき箇所に石鹸水を塗布し、漏れがある場合に生じる泡を肉眼で検査する石鹸水試験、容器内に圧縮空気を封入するか又は容器の外側を覆う密閉容器内を減圧して、容器内の圧力変化を検知して空気の漏れの有無を検査する差圧漏洩検査装置、容器内にヘリウムガスを封入しその漏洩を検知して漏れの有無を検査するヘリウム式漏洩試験装置等がある。
【0004】
しかしながら、石鹸水試験は、検査員の熟練度や疲労度等によって判定結果が変化し、差圧漏洩検査は、検出精度が低いこと及び温度変化を受け易く、ヘリウム式漏洩試験は、試験装置が高価であると共に使用するヘリウムが高価である、等何れの試験も問題がある。
そこで、本出願人は、アコースティック・エッミッション(AE:音響放出)を利用した、ドラム缶の気密漏洩試験に好適な容器の気密漏洩試験方法及び試験装置を提案している。これは、容器内に封入した圧縮空気が孔から漏れるときに振動によって生じる超音波を検知して漏れの有無を検査するもので、自動的に、精度よく、且つ容易に容器の気密漏洩を検査することができる。
【0005】
加圧した容器から気体がクラック等の微小間隙から漏洩するとき、容器の漏洩部と外部空間(空気中)の両方に音響エネルギを生じる。従って、容器の気密漏洩試験方法としては、容器に密接したAE変換素子(以下「AEセンサ」という)で容器中を伝播する漏洩部のみの音響エネルギを検知する方法、容器の漏洩部近傍に非接触で配置したマイクロフォン等で外部空間のみの音響エネルギを検知する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記容器の気密漏洩試験装置は、アコースティック・エッミッション(AE)を利用して、即ち、固体が破壊に至る以前の小さな変形や振動、微小なクラックの発生や進展に伴って発生する人間には聞こえない数kHz〜数MHzの微弱な超音波(AE波)を検出して容器の気密漏洩を検査するために、ノイズの影響を受け易いという問題がある。
【0007】
特に、鋼製ドラム缶等の製造ラインにおいては、種々の機械装置から発生される騒音や、搬送中のドラム缶同士の衝突音等大小様々な外部雑音(環境雑音)が充満しているために、これらの外部の環境雑音からAE信号を精度よく検出することが困難である。勿論、AE信号を効率的に検出するために信号処理回路にノイズフィルタを設ける等の種々の対策を講じているが、正常なドラム缶を不良品として誤判定する、所謂過検出が増加するという問題がある。
【0008】
また、加圧した容器の漏洩部から発生する全音響エネルギ(Et)は、容器の漏洩部で生じる音響エネルギ(Es)と外部空間(空気中)に放射される音響エネルギ(Ea)とに分配され、その分配の割合は、漏洩部分の形状により大幅に異なる。例えば、同一の漏洩量(同一の有効孔径)であってもクラック系の場合にはEs≧Eaであり、円孔の場合にはEs≦Eaである。
【0009】
従って、前述した容器に密接したAEセンサで容器中を伝播する漏洩部のみの音響エネルギ(Es)を検知する方法、又は容器の漏洩部近傍に非接触で配置したマイクロフォン等で外部空間のみの音響エネルギ(Ea)を検知する方法のように、何れか一方の音響エネルギを検出する方法では、漏洩部の形状の影響により検出精度が大幅に変化し、例えば、円孔の場合の検出精度は、クラックの場合の検出精度に比べて1/3以下に低下する場合もあった。
【0010】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、アコースティック・エッミッションを利用して容器の気密漏洩を検査する際の検出精度の向上を図ることができる音響反射装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に前記容器を囲繞して前記音響エネルギを反射させるフードと、前記フードを駆動して前記容器を囲繞・開放する駆動手段とを備え、前記フードは、半割型の筒体をなし、各半割体が前記容器の両側に対向して進退可能に配置され、各半割体が夫々駆動手段により進退駆動されて前記容器を囲繞・開放することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に前記容器を囲繞して前記音響エネルギを反射させるフードと、前記フードを駆動して前記容器を囲繞・開放する駆動手段とを備え、前記フードは、半割型の筒体の各半割体が夫々3分割され、前記各3分割した各中央部が固定され、各両側の分割体が夫々各中央部に開閉可能に連結されて前記容器の両側に対向して配置され、各3分割した各両側の分割体が夫々駆動手段により開閉駆動されて前記容器を囲繞・開放することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2に係わる音響反射装置において、前記容器は、ドラム缶であることを特徴とする。
音響反射装置は、加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に、フードにより前記容器を囲繞して前記漏洩部から放出された音響エネルギを反射させると共に外部の雑音を排除する。前記フードは、半割型筒体として各半割体を容器の両側に対向して進退可能に配置し、駆動手段により進退させて前記容器を囲繞・開放し、又は半割型筒体の各半割体を夫々3分割し、各3分割した各中央部を固定し、各両側の分割体を夫々各中央部に開閉可能に連結して前記容器の両側に対向して配置し、駆動手段により各両側の分割体を夫々開閉駆動して前記容器を囲繞・開放する(請求項1、2)。これにより、加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを精度良く検出することが可能となる。この音響反射装置をドラム缶の気密漏洩検査に適用することで、環境雑音の激しいドラム缶の製造ラインにおける検出精度が向上する(請求項3)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明に係る音響反射装置を適用した容器の気密漏洩検査の概要を示す説明図である。図1において、気密漏洩検査対象の容器としての例えば、ドラム缶1の胴体部1A表面(外周面)にアコースティック・エッミッションを検出する気密漏洩検査装置のAEセンサ2が押し付けられて取り付けられており、このAEセンサ2で検出したAE信号を増幅器3で増幅し、判定処理回路4により漏洩部の有無を判定する。音響反射装置としてのフード5は、例えば円筒形状をなし、ドラム缶1の周りに同心的に略全長に亘り配置されて当該ドラム缶1を囲繞している。
【0015】
ドラム缶1に圧縮空気が封入されて漏洩検査が開始される。ドラム缶1の例えば、胴体部1Aに微小な漏洩部1aがあると、封入した圧縮空気が漏洩部1aから外部に漏洩し、このときAE波(超音波)が発生し、音響エネルギ(Ea)が外部空間に放射される。ドラム缶1の外部に放射された音響エネルギ(Ea)は、フード5の内面5aにより当該ドラム缶1側に反射され、漏洩部1aで発生する音響エネルギ(Es)に付加されて音響エネルギ(Es)が見かけ上増大する。また、フード5は、外面5bにより外来雑音(外部環境雑音)Nを反射し、又は遮断して内部への侵入を阻止する。即ち、外来雑音Nを排除する。この結果、AEセンサ2のS/N比が大幅に向上し、高精度に漏洩を検知することが可能となる。
【0016】
また、上述と反対にドラム缶1の内圧を低くして、外部からドラム缶1内に流入する空気により発生するAE波の音響エネルギを検出することで、微細な傷を検出することもできる。フード5は、外来雑音を反射又は遮断してAEセンサ2への影響を排除することで、AEセンサ2の検出精度が向上する。
図2乃至図4は、本発明に係る音響反射装置の第1実施形態を示し、図2は平面図、図3は正面図、図4は側面図である。
【0017】
図2乃至図4に示すように気密漏洩検査装置(以下「検査装置」という)10は、気密漏洩検査対象容器としてのドラム缶1の漏洩を検出するAEセンサ11〜14、これらのAEセンサ11〜14を駆動する駆動手段としてのアクチュエータ15〜18から成り、音響反射装置20は、ドラム缶1を囲繞するフード21、及びフード21を駆動する駆動手段としてのアクチュエータ25、26から成る。
【0018】
気密漏洩検査装置10は、ドラム缶1を立てた状態において漏洩を検査するように構成されており、ドラム缶1は、コンベアで搬送されて地板1Bが検査テーブル(共に図示せず)に載置される。この検査装置10は、ドラム缶1の天板1Cの排気口1Dを密閉すると共に注入口1Eに密着して高圧の圧縮空気を封入する圧縮空気封入機構(図示せず)、ドラム缶1に圧縮空気を封入した際に地板1Bと天板1Cとが膨張することを防止するために弾性部材を介して地板1Bと天板1Cとを固定する固定機構(図示せず)等を備えている。
【0019】
前記検査テーブルに載置されたドラム缶1の左右には上下両端近傍位置に当該ドラム缶1の漏洩を検出するためのAEセンサ11〜14、及びこれらのAEセンサ11〜14を駆動するアクチュエータ15〜18が配設されている。左側のAEセンサ11、12は、ドラム缶1胴体部1A表面(外周面)のシーム溶接部の上下両端近傍、且つ溶接部の互いに反対側に押し付け可能に配置されており、右側のAEセンサ13、14は、胴体部1A表面(外周面)の前記シーム溶接部と周方向に反対側(180°離れた位置)の上下両端近傍に押し付け可能に配置されている。
【0020】
アクチュエータ15〜18は、例えば、エアシリンダ15a〜18aからなり、各ロッドの先端にスライド機構15b〜18bを介してAEセンサ11〜14が取り付けられている。これらのエアシリンダ15a〜18aは、水平に配置されて検査装置10のフレーム(図示せず)に固定されている。尚、アクチュエータ15〜18は、簡略して描いてある。AEセンサ11〜14は、エアシリンダ15a〜18aが伸張すると前記検査テーブルに載置されているドラム缶1の胴体部1Aの前記各検査位置に押し付けられて検査可能とされ(図2、図3)、エアシリンダ15a〜18aが短縮すると検査装置10へのドラム缶1の搬入・搬出の際に干渉しない位置に後退する(図5)。
【0021】
音響反射装置20のフード21は、例えば、ドラム缶1よりも大径、且つ当該ドラム缶1と略同じ高さの円筒形状をなし、軸方向に沿って左右に2分割された半割型とされている。半割体としての左、右の半円筒形状をなす左フード22、右フード23は、ドラム缶1の左、右両側に対向して配置されており、両側から閉じてドラム缶1を囲繞し、両側に開いて当該ドラム缶1を開放すること(囲繞・開放)が可能とされている。これらの左、右のフード22、23の上、下両端の中央部にAEセンサ11〜14、及びアクチュエータ15〜18を挿通するための切欠22a、22b、23a、23bが設けられており(図4)、外周面中央に帯状の支持部22c、23cが設けられている(図3)。このフード21は、例えば、金属板で形成されており、音響反射板としての機能を有している。
【0022】
アクチュエータ25は、例えば、ストロークの短い2本のエアシリンダ25Aと25Bとが上下2段に水平に配置され、ブラケット25Cにより直列に接続されている。エアシリンダ25Aは、ロッド先端が左フード22の支持部22cの中央に固定され、シリンダ部がブラケット25Cを介してエアシリンダ25Bのロッド先端に固定されており、当該エアシリンダ25Bのシリンダ部が図示しないフレームに支持されている。アクチュエータ26についてもアクチュエータ25と同様に2つのエアシリンダ26Aと26Bとがブラケット26Cにより直列に接続されて構成されており、エアシリンダ26Aのロッド先端が右フード23の支持部23cの中央に固定され、エアシリンダ26Bのシリンダ部が図示しないフレームに支持されている。
【0023】
アクチュエータ25、26は、左、右のフード22、23を水平に進退させて左右両側から前記検査テーブルに載置されているドラム缶1を囲繞し、又は開放する。即ち、アクチュエータ25、26は、エアシリンダ25Aと25B、エアシリンダ26Aと26Bとが共に伸張すると、対向する半円筒形状の左、右のフード22、23を前進させて対向する開口端22d、22dと、23d、23dとを当接させて円筒状のフード21を形成し、前記検査テーブルに載置されているドラム缶1を同心的に囲繞する。エアシリンダ25Aと25B、エアシリンダ26Aと26Bとが共に短縮すると、左、右のフード22、23を左右に後退させて(開いて)、前記検査テーブルへのドラム缶1の搬入・搬出を可能とする(図5、図6)。アクチュエータ25、26は、ストロークの短い2本のエアシリンダ25Aと25B、26Aと26Bとを上下2段に配置して直列に接続することで、左右方向(側方)への張り出し長さを短くしつつ、左、右のフード22、23の必要な移動距離を確保している。
【0024】
AEセンサ11〜14は、増幅回路、判定処理回路等を備える検出回路に接続され、各アクチュエータ15〜18、及び25、26は、空圧制御装置(何れも図示せず)に接続されて所定のシーケンスに従って制御され、ドラム缶1の気密漏洩を検査する。
以下に作用を説明する。
【0025】
図5及び図6に示すように前記検査テーブルへのドラム缶1の搬入時には、アクチュエータ25、26が短縮しており、左、右のフード22、23が左右に後退して(開いて)ドラム缶1の前記検査テーブルへの搬入が可能とされている。ドラム缶1が前記検査テーブルに載置されると、アクチュエータ15〜18が伸張して各AEセンサ11〜14をドラム缶1の胴体部1A表面の前記所定検査位置に押し付け(図2、図3)、同時にアクチュエータ25、25が伸張して左、右のフード22、23を前進させて対向する開口端22d、22dと23d、23dとを当接させて円筒形状のフード21を形成し、図2及び図3に示すようにドラム缶1を同心的に囲繞する。
【0026】
尚、左、右のフード22、23の当接する開口端面22d、22d、23d、23d(図5)に全長に亘りパッド等の弾性部材を設けることで、これらの開口端が当接する際の衝撃を緩和させると共に、良好に密接させることができる。
次いで、図2に示すドラム缶1の注入口1Eから圧縮空気が封入されて気密漏洩検査が開始される。左側のAEセンサ11、12は、主として胴体部1Aのシーム溶接部からの圧縮空気の漏洩によるAE波の音響エネルギを検出する。これは、前述したようにドラム缶においてはシーム溶接部にクラック等が発生し易く、シーム溶接部の漏洩部からのAE波の音響エネルギをより高精度に検出するためである。右側のAEセンサ13、14は、主としてドラム缶1全体、特に胴体部1A外周面の漏洩部からの圧縮空気の漏洩により当該ドラム缶1中を伝播するAE波の音響エネルギを検出する。
【0027】
前述したようにドラム缶1に微細な孔や微細な傷(ヘアクラック等)等の漏洩部が存在している場合、これらの漏洩部から封入されている圧縮空気が外部に漏洩し、このときAE波(超音波)の音響エネルギ(Ea)がドラム缶1とフード21との間の外部空間に放射される。ドラム缶1の外部に放射された音響エネルギ(Ea)は、フード21の内面21a(図2)により反射されて前記漏洩部で発生する音響エネルギ(Es)に付加される。この結果、前記漏洩部で生じる音響エネルギ(Es)が見かけ上増大する。また、フード21は、外周面21b(図2)により外来雑音(外部の環境雑音)を反射し、又は遮断して内部への侵入を阻止する。これにより、AEセンサ11〜14のS/N比が大幅に向上し、高精度にAE波を検出することが可能となる。
【0028】
ドラム缶1の気密漏洩検査が終了した後、アクチュエータ15〜18が短縮して各AEセンサ11〜14を後退させ、同時にアクチュエータ25、26が短縮して左、右のフード22、23を後退させる(図5、図6)。次いで、ドラム缶1が検査装置10から搬出される。
図7及び図8は、本発明に係る音響反射装置の第2実施形態を示し、図7は、音響反射装置の平面図、図8は、図7の矢線VIII―VIIIに沿う一部省略断面図である。
【0029】
図7及び図8に示すように音響反射装置30のフード31は、ドラム缶1よりも大径、且つ当該ドラム缶1と略同じ高さの円筒形状をなし、軸方向に沿って左右に2分割された半割体としてのフード32、33を更に軸方向に沿って3分割したもので、左側のフード(以下「左フード」という)32、右側のフード(以下「右フード」という)33は、夫々中央部としての中央フード32A、33A、両側の分割体としての前側フード32B、33B、後側フード32C、33Cから成る。
【0030】
左フード32は、中央フード32Aの周方向の幅が前側フード32B、後側32Cの幅の略半分程度とされており、中央フード32Aの両側部に夫々前側フード32B、後側フード32Cの左辺各部が蝶番34、34を介して開閉自在に連結されている。右フード33も左フード32と同様に中央フード33Aの両側部に夫々前側フード33B、後側フード33Cの右辺各部が蝶番34、34を介して開閉自在に連結されて構成されている。
【0031】
左、右の各中央フード32A、33Aは、検査テーブル(図示せず)のドラム缶1を囲繞する同心円の左右方向の直径両端位置に対向して配設固定され、前後のフード32B、32C、33B、33Cがドラム缶1の移送方向に沿って左、右に開閉可能とされている。前側フード32B、33Bの各他側部(自由端)、及び後側フード32C、33Cの各他側部(自由端)には夫々長手方向に沿って全長(全高)に亘り外側に略直角にフランジ32D、33D、及び32E、33Eが設けられている。
【0032】
各中央フード32A、33Aの上、下両端の中央位置に夫々AEセンサ61、62、63、64が挿通する切欠32a、32b、33a、33bが設けられている。また、各フード32A〜32C、33A〜33Cの外周面には周方向に沿い上下方向に所定の間隔を存して補強用リブ32c、33cが設けられている。尚、図7において左フード32は、開いた状態を実線で、閉じた状態を2点差線で示し、右フード33は、閉じた状態を実線で、開いた状態を2点差線で示している。
【0033】
左、右のフード32、33を開閉駆動するアクチュエータ例えば、エアシリンダ35〜38は、水平に配設されて各シリンダの中央部が夫々フード31の外方前後左右の四隅に垂設された支柱41〜44にブラケット45〜48を介して水平に回動可能に支持されている。エアシリンダ35、36のロッド先端は、左フード32の前側フード32B、後側フード32Cの各上下方向中央の各リブ32cの周方向略中央位置に回動自在に連結されており、エアシリンダ37、38のロッド先端は、右フード33の前側フード33B、後側フード33Cの各上下方向中央の各リブ33cの周方向略中央位置に回動自在に連結されている。
【0034】
検査装置10'は、左、右の中央フード32A、33Aの外方に垂設されたフレーム49、50の各上、下所定位置に夫々ブラケットを介してアクチュエータ例えば、エアシリンダ51〜54が水平に且つ中央フード32A、33Aに対向して配設されており、各ロッドの先端にスライド機構55〜58が水平に進退可能に、且つ各上、下の各切欠32a、32b、33a、33bを挿通可能に設けられており、その先端にAEセンサ61〜64が設けられている。
【0035】
シリンダ35、36及び37、38が短縮すると左、右のフード32、33の前、後のフード32B、32C及び33B、33Cが図7に矢印で示すドラム缶1の移送方向に沿って左、右に開く。そして、左、右のフード32、33の各前後のフード32B、32C、33B、33Cは、夫々中央のフード32A、33Aと略直線状に並び、これら左フード32と右フード33との間隔が中央のフード32Aと33Aとの間隔となるこれにより、ドラム缶1の検査テーブルへの搬入、搬出が可能となる。
【0036】
シリンダ35、36及び37、38が伸張すると左、右のフード32、33の前、後のフード32B、32C及び33B、33Cが閉じてドラム缶1を同心的に囲繞する。そして、左、右の前側フード32B、33Bの開口端のフランジ32Dと33D、後側フード32C、33Cの開口端のフランジ32Eと33Eとが当接する。これにより、左フード32と右のフード33とがドラム缶1を良好に囲繞することが可能となる。
【0037】
AEセンサ61〜64は、エアシリンダ51〜54が短縮するとドラム缶1から離隔して切欠32a、32b、33a、33bから抜け出し、伸張するとドラム缶1の外周面の所定位置例えば、左側のAEセンサ61、62がドラム缶1の胴体部1Aのシーム溶接部の上、下両端近傍に、右側のAEセンサ63、64が前記シーム溶接部と周方向に反対側(180°離れた位置)の上、下両端近傍に夫々押し付けられてAE検査を行う。
【0038】
このように左、右のフード32、33を夫々3分割とし、中央のフード32A、33Aを固定し、これらフード32A、33Aに連結する前、後のフード32B、32C、33B、33Cをドラム缶1の移送方向に沿って左右に開閉することで、左、右のフード32、33の側方への移動をなくすることができ、検査装置の設置スペースの有効利用を図ることが可能となる。
【0039】
上記第1、第2の実施の形態では、被検査対象容器をドラム缶としたが、これに限るものではなく、他の容器でもよい。この場合、フードの形状は、容器の形状、容器の検査装置への搬入・搬出方法及び検査姿勢、AEセンサの前記容器への接触方法や接触位置等に応じて、前記容器を囲繞し得る形状とすればよい。
また、上記第1、第2の実施の形態では、被検査対象容器をドラム缶とし、このドラム缶を囲繞するフードの形状を複数分割型の円筒形状としたが、これに限るものではなく、他の形状例えば、角筒形状、楕円筒形状等の複数分割型の筒体としてもよい。
【0040】
また、上記実施の形態では、フードを金属部材により形成したが、これに限るものではなく、樹脂部材等の他の部材により形成してもよい。この場合、フードの内面は、容器から当該容器とフードとの間の外部空間に放射されるAE波の音響エネルギを良好に反射し、外面は、外部の環境雑音を良好に反射、又は遮断して排除するものが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に、フードにより前記容器を囲繞して前記漏洩部から放出された音響エネルギを反射させると共に外部の雑音を排除することで、音響エネルギを精度良く検出することが可能となり、検査精度の向上が図られる。そして、フードを半割型の筒体とし、各半割体を前記容器の両側に対向して進退可能に配置し、各半割体を夫々駆動手段により進退駆動して前記容器を囲繞・開放することで、簡単な構成で容器を囲繞・開放することができる。
【0042】
請求項2の発明は、フードを半割型の筒体の各半割体を夫々3分割し、各3分割した各中央部を固定し、各両側の分割体が夫々各中央部に開閉可能に連結して前記容器の両側に対向して配置し、各3分割した各両側の分割体を夫々駆動手段により開閉駆動して前記容器を囲繞・開放することで、前記容器を囲繞・開放する際のフードの移動量を少なくすることが可能となり、当該音響反射装置の設置スペースの有効利用を図ることが可能となる。
【0043】
請求項3の発明では、音響反射装置をドラム缶の気密漏洩検査に適用することで、環境雑音の激しいドラム缶の製造ラインにおける検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音響反射装置を適用した容器の気密漏洩検査の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係る音響反射装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図3】図2に示す音響反射装置の正面図である。
【図4】図2に示す音響反射装置の側面図である。
【図5】図2に示す音響反射装置のフードを開いた状態の平面図である。
【図6】図5に示す音響反射装置の正面図である。
【図7】本発明に係る音響反射装置の第2実施形態を示す平面図である。
【図8】図7に示す音響反射装置の矢線VIII―VIIIに沿う一部省略断面図である。
【符号の説明】
1 ドラム缶(容器)
1A 胴体部表面(外周面)
2、11〜14、61〜64 AEセンサ
5、21、31 フード
10、10' 気密漏洩検査装置
20、30 音響反射装置
22、23 半円筒形状フード(半割体)
15〜18、25、26 アクチュエータ(駆動手段)
15a〜18a、25A、25B、26A、26B エアシリンダ
32、33 半円筒形状フード(半割体)
32A、33A 中央フード(中央部)
32B、33B 前側フード(分割体)
32C、33C 後側フード(分割体)
35〜38、51〜54 エアシリンダ(駆動手段)
Claims (3)
- 加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に前記容器を囲繞して前記音響エネルギを反射させるフードと、
前記フードを駆動して前記容器を囲繞・開放する駆動手段とを備え、
前記フードは、半割型の筒体をなし、各半割体が前記容器の両側に対向して進退可能に配置され、各半割体が夫々駆動手段により進退駆動されて前記容器を囲繞・開放することを特徴とする音響反射装置。 - 加圧した容器の微細な漏洩部から気体が漏洩するときに発生する音響エネルギを検知する際に前記容器を囲繞して前記音響エネルギを反射させるフードと、
前記フードを駆動して前記容器を囲繞・開放する駆動手段とを備え、
前記フードは、半割型の筒体の各半割体が夫々3分割され、前記各3分割した各中央部が固定され、各両側の分割体が夫々各中央部に開閉可能に連結されて前記容器の両側に対向して配置され、各3分割した各両側の分割体が夫々駆動手段により開閉駆動されて前記容器を囲繞・開放することを特徴とする音響反射装置。 - 前記容器は、ドラム缶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の音響反射装置。
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