JP3641143B2 - Benzenecarboxylic acid amide compounds and organic liquid gelling or solidifying agents - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機液体のゲル化または固化剤として有用な新規ベンゼンカルボン酸アミド化合物およびこの化合物を有効成分とするゲル化または固化剤に関する。本発明のゲル化または固化剤は、塗料、インク、潤滑油、農業、水産、化粧品や医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の加工分野を含む産業分野において利用できる。
【0002】
【従来の技術】
一般に前記産業分野において使用される有機液体類(動植物油脂、エステル、ポリオール、エーテル、アルコール、炭化水素等)をゲル化または固化する機能を有するものとして、12−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソルビトール、脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等が知られている。
【0003】
この中で、12−ヒドロキシステアリン酸は安価であるが、ゲル化または固化できる有機液体の種類が少なく、また得られたゲルが軟化する温度も低い。一方、ジベンジリデンソルビトールは少量の添加で強いゲルを形成するものの、ベンズアルデヒドを遊離するという難点をもち、また、高融点であるため低沸点の短鎖アルコール類等を固形化するには不適当である。脂肪酸のアルカリ金属塩・アルカリ土類金属塩は、ゲル化または固化のための添加量を多く必要とし、使用可能な条件も限られる等の制約がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、これまで提案されているゲル化または固化剤は、前記いずれかの点で充分に満足できる機能を有するものではなかった。
【0005】
従って、本発明の目的は、容易に製造することが可能であり、種々の有機液体を少量の添加でゲル化または固化でき、均一で、かつ長期間の保存および温度変化に対して安定性が高いゲル化物または固化物となすことができる、有機液体のゲル化または固化剤として有用なベンゼンカルボン酸アミド化合物およびこの化合物を有効成分とする有機液体のゲル化または固化剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、新規ベンゼンカルボン酸アミド化合物を合成し、これが種々の有機液体に対して優れたゲル化能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記一般式(I)
【化5】
【0008】
(一般式(I)中、X1 およびX2 は、それぞれ−AA−NHRを表し、AAはアミノ酸アシル基、各Rは炭素数8〜22のアルキル基、nは1または2を表す)
で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物を提供する。また、本発明は、前記一般式(I)で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物を有効成分とする有機液体のゲル化または固化剤を提供する。
【0009】
上記一般式(I)において、
一般式(I)中、nは1または2であり、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してオルト位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルであり、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であり得、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してメタ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり得、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してパラ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリル、グリシル、L−ロイシルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリル、L−ロイシル、L−イソロイシルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり得、
nが2のとき、2つのCOX2 はCOX1 に対して共にメタ位にあり、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−ロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であり得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のベンゼンカルボン酸アミド化合物は、前記一般式(I)で示される。一般式(I)中、X1 およびX2 は、それぞれ−AA−NHRを表し、AAはアミノ酸アシル基、各Rは炭素数8〜22のアルキル基、nは1または2を表す。ベンゼン環に直結するカルボニル基と−AA−との結合−COAA−はアミド結合である。
【0011】
アミノ酸アシル基(AA)は、具体的に、グリシル、アラニル、バリル、ロイシル、イソロイシル等をあげることができ、このうちゲル化能の点で特に好ましいのはバリルである。なおこれらのアミノ酸アシル基はL体、DL体共用いることが可能であり、アミノ酸アシル基自身は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
【0012】
また、アルキル基(R)は炭素数が8〜22で、飽和の、直鎖状および/または分岐状アルキル基が使用可能である。具体的に直鎖状アルキル基として、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基を例示することができる。また分岐状アルキル基として、2−エチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、6−プロピルノニル基、12−メチルトリデシル基、2−メチルテトラデシル基、5−メチルテトラデシル基、2,2−ジメチルテトラデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−オクチルドデシル基等を例示できる。これらの直鎖状アルキル基または分岐状アルキル基は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。ゲル化能の点で好ましいのは、ドデシル基(炭素数12の直鎖状アルキル基)およびオクタデシル基(炭素数18の直鎖状アルキル基)である。その中でもオクタデシル基が特に好ましい。
【0013】
また、nは1または2であり、従って基本骨格をなすベンゼンカルボン酸は、ベンゼンジカルボン酸であるか、またはベンゼントリカルボン酸である。具体的には、ベンゼンジカルボン酸としてフタル酸(1,2−ベンゼンジカルボン酸)、イソフタル酸(1,3−ベンゼンジカルボン酸)、テレフタル酸(1,4−ベンゼンジカルボン酸)、およびベンゼントリカルボン酸として1,3,5−トリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸等を挙げることができる。このうちゲル化能の点で特に好ましいのは、ベンゼンジカルボン酸ではテレフタル酸であり、ベンゼントリカルボン酸では1,3,5−ベンゼントリカルボン酸である。
【0014】
本発明のベンゼンカルボン酸アミド化合物の具体例54種の化合物を以下列挙する。なお、別段の指摘がない限り、各アミノ酸アシル基AAは同じであり、かつRも同じである。また、X1 =X2 の場合、これらを一括してXで表示する。
【0015】
前記一般式(I)中、nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してオルト位にあるフタル酸ジアミド化合物として、
アミノ酸アシル基(以下AAとする)がL−バリルであり、かつアルキル基(以下Rとする)がドデシル基(X=L−Val −NH−C12H25)である化合物1:N,N’−フタロイル−ビス(L−バリルアミノドデカン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Ile −NH−C12H25)である化合物2:N,N’−フタロイル−ビス(L−イソロイシルアミノドデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Val −NH−C18H37)である化合物3:N,N’−フタロイル−ビス(L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがドコシル基(X=L−Leu −NH−C22H45)である化合物4:N,N’−フタロイル−ビス(L−ロイシルアミノドコサン)、
AAがL−アラニルであり、かつRがヘキサデシル基(X=L−Ala −NH−C16H33)である化合物5:N,N’−フタロイル−ビス(L−アラニルアミノヘキサデカン)、
AAがグリシルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Gly −NH−C18H37)である化合物6:N,N’−フタロイル−ビス(グリシルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−ロイシルであり、かつRがテトラデシル基(X=D,L−Leu −NH−C14H29)である化合物7:N,N’−フタロイル−ビス(D,L−ロイシルアミノテトラデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRが2−エチルヘキシル基(X=L−Val −NH−C8 H17)である化合物8:N,N’−フタロイル−ビス(L−バリルアミノ−2−エチルヘキサン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRの一方がドデシル基であり他方がオクタデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Ile −NH−C18H37)である化合物9、
AAの一方がL−イソロイシルであり他方がL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Leu −NH−C12H25)である化合物10
が挙げられる。
【0016】
上記一般式(I)中、nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してメタ位にあるイソフタル酸ジアミド化合物として、
AAがL−バリルであり、かつRがドデシル基(X=L−Val −NH−C12H25)である化合物11:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−バリルアミノドデカン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Ile −NH−C12H25)である化合物12:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−イソロイシルアミノドデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Val −NH−C18H37)である化合物13:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=D,L−Val −NH−C18H37)である化合物14:N,N’−イソフタロイル−ビス(D,L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがオクタドコシル基(X=L−Leu −NH−C22H45)である化合物15:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−ロイシルアミノオクタドコサン)、
AAがL−アラニルであり、かつRがヘキサデシル基(X=L−Ala −NH−C16H33)である化合物16:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−アラニルアミノヘキサデカン)、
AAがグリシルであり、かつRがオクタデシル基(X=Gly −NH−C18H37)である化合物17:N,N’−イソフタロイル−ビス(グリシルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−ロイシルであり、かつRがテトラデシル基(X=D,L−Leu −NH−C14H29)である化合物18:N,N’−イソフタロイル−ビス(D,L−ロイシルアミノテトラデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRが2−エチルヘキシル基(X=L−Val −NH−C8 H17)である化合物19:N,N’−イソフタロイル−ビス(L−バリルアミノ−2−エチルヘキサン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRの一方がドデシル基であり他方がオクタデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Ile −NH−C18H37)である化合物20、
AAの一方がL−イソロイシルであり他方がL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Leu −NH−C12H25)である化合物21
が挙げられる。
【0017】
上記一般式(I)中、nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してパラ位にあるテレフタル酸ジアミド化合物として、
AAがL−バリルであり、かつRがドデシル基(X=L−Val −NH−C12H25)である化合物22:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノドデカン)、
AAがグリシルであり、かつRがドデシル基(X=Gly −NH−C12H25)である化合物23:N,N’−テレフタロイル−ビス(グリシルアミノドデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Leu −NH−C12H25)である化合物24:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−ロイシルアミノドデカン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Ile −NH−C12H25)である化合物25:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−イソロイシルアミノドデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Val −NH−C18H37)である化合物26:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Leu −NH−C18H37)である化合物27:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−ロイシルアミノオクタデカン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Ile −NH−C18H37)である化合物28:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−イソロイシルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=D,L−Val −NH−C18H37)である化合物29:N,N’−テレフタロイル−ビス(D,L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがテトラデシル基(X=L−Val −NH−C14H29)である化合物30:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノテトラデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがヘキサデシル基(X=L−Val −NH−C16H33)である化合物31:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノヘキサデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがイコシル基(X=L−Val −NH−C20H41)である化合物32:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノイコサン)、
AAがL−バリルであり、かつRがドコシル基(X=L−Val −NH−C22H45)である化合物33:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノドコサン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがオクタドコシル基(X=L−Leu −NH−C22H45)である化合物34:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−ロイシルアミノオクタドコサン)、
AAがL−アラニルであり、かつRがヘキサデシル基(X=L−Ala −NH−C16H33)である化合物35:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−アラニルアミノヘキサデカン)、
AAがグリシルであり、かつRがオクタデシル基(X=Gly −NH−C18H37)である化合物36:N,N’−テレフタロイル−ビス(グリシルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−ロイシルであり、かつRがテトラデシル基(X=D,L−Leu −NH−C14H29)である化合物37:N,N’−テレフタロイル−ビス(D,L−ロイシルアミノテトラデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRが2−エチルヘキシル基(X=L−Val −NH−C8 H17)である化合物38:N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノ−2−エチルヘキサン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRの一方がドデシル基であり他方がオクタデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Ile −NH−C18H37)である化合物39、
AAの一方がL−イソロイシルであり他方がL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Leu −NH−C12H25)である化合物40
が挙げられる。
【0018】
上記一般式(I)中、nが2であって、かつ2つのCOX2 がCOX1 に対して共にメタ位にある1,3,5−トリカルボン酸トリアミド化合物として、
AAがL−バリルであり、かつRがドデシル基(X=L−Val −NH−C12H25)である化合物41:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノドデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Leu −NH−C12H25)である化合物42:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−ロイシルアミノドデカン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつRがドデシル基(X=L−Ile −NH−C12H25)である化合物43:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−イソロイシルアミノドデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Val −NH−C18H37)である化合物44:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノオクタデカン)、
AAがL−ロイシルであり、かつRがオクタドコシル基(X=L−Leu −NH−C22H45)である化合物45:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−ロイシルアミノオクタドコサン)、
AAがL−アラニルであり、かつRがヘキサデシル基(X=L−Ala −NH−C16H33)である化合物46:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−アラニルアミノヘキサデカン)、
AAがグリシルであり、かつRがオクタデシル基(X=Gly −NH−C18H37)である化合物47:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(グリシルアミノオクタデカン)、
AAがD,L−ロイシルであり、かつRがテトラデシル基(X=D,L−Leu −NH−C14H29)である化合物48:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(D,L−ロイシルアミノテトラデカン)、
AAがL−バリルであり、かつRが2−エチルヘキシル基(X=L−Val −NH−C8 H17)である化合物49:N,N’,N”−1,3,5−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノ−2−エチルヘキサン)、
AAがL−イソロイシルであり、かつ3つのRのうち1つがドデシル基であり他2つがオクタデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Ile −NH−C18H37)である化合物50、
AAがL−イソロイシルであり、3つのRのうち1つがオクタデシル基であり他2つがドデシル基(X1 =L−Ile −NH−C18H37、X2 =L−Ile −NH−C12H25)である化合物51、
3つのAAのうち1つがL−イソロイシルであり他2つがL−ロイシルであり、かつRがドデシル基(X1 =L−Ile −NH−C12H25、X2 =L−Leu −NH−C12H25)である化合物52、
3つのAAのうち1つがL−ロイシルであり他2つがL−イソロイシルであり、かつRがドデシル基(X1 =L−Leu −NH−C12H25、X2 =L−Ile −NH−C12H25)である化合物53
が挙げられる。
【0019】
上記一般式(I)中、nが2であって、かつ2つのCOX2 がCOX1 に対して一方がオルト位にあり、他方がパラ位にある1,2,4−トリカルボン酸トリアミド化合物として、
AAがL−バリルであり、かつRがオクタデシル基(X=L−Val −NH−C18H37)である化合物54:N,N’,N”−1,2,4−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノオクタデカン)
が挙げられる。
【0020】
これらベンゼンカルボン酸アミド化合物のなかで、化合物26(N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノオクタデカン))が最も多種の有機溶媒をゲル化できる優れたゲル化剤である。
【0021】
本発明のベンゼンカルボン酸アミド化合物は、次の二段階の反応で容易に合成することができる。
【0022】
【化6】
【0023】
まず段階(1)において、一般式(I)におけるアミノ酸アシル基AAに対応するアミノ酸H−AA−OHとアルキルアミンRNH2 (Rは前記定義の通り)から従来公知の方法を用いてアミノ酸アルキルアミドH−AA−NHRを容易に合成することができる。その方法や条件は特に限定されないが、例えばアミノ酸のN末端をベンジルオキシカルボニル基等の保護基で保護しておき、続いて両原料を所定の反応当量で乾燥溶剤中で脱水反応を行った後、生成物の保護基を除去して所望のアミノ酸アルキルアミドを得ることができる。この反応は、両反応原料をほぼ等モル量用い、0℃ないし100℃の温度で15時間ないし30時間行うことができる。
【0024】
次に段階(2)において、得られたアミノ酸アルキルアミドに対して式(II)で示されるベンゼンカルボン酸クロライドを反応させ、従来公知の方法を用いて容易にベンゼンカルボン酸アミド化合物(式(I))とすることができる。その方法や条件は特に限定されないが、例えばアミノ酸アルキルアミドと、ベンゼンカルボン酸クロライドとを所定の反応当量でトリエチルアミン等の塩基の存在下、乾燥溶媒中で縮合反応せしめればよい。この反応は、両反応原料をモル比ほぼ(n+1):1で用い、0℃ないし100℃の温度で5時間ないし15時間行うことができる。
【0025】
反応物中に未反応の原料や副生成物(モノアミド化合物等)が残存する場合には減圧留去、溶剤分別等の公知手段で精製することができる。例えば、反応物の精製は、減圧下での未反応物等の除去、アセトン等の多量の有機溶媒による再結晶、活性白土、活性炭、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤処理、その他により行うことができ、必要に応じてこれらを単独でもしくは組み合わせて適用すればよい。なお、本発明の化合物を有機液体のゲル化もしくは固化剤として使用する場合は、若干(数重量%未満)の未反応原料(ベンゼンカルボン酸および/またはアミノ酸アルキルアミド)やモノアミド化合物等の副生成物の混在は特にさしつかえない。
【0026】
本発明のベンゼンカルボン酸アミド化合物は、各種有機液体のゲル化または固化剤として有用である。
【0027】
ここで有機液体としては、大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヒマシ油、魚油、豚脂、牛脂等の動植物油脂類、ミリスチン酸イソプロピル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリド、ミリスチン酸2−オクチルドデシル等のエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類、灯油、重油、流動パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素系油剤、また、キシレン、トルエン等の有機溶剤や廃食用油、廃潤滑油、廃金属加工油剤等のいわゆる廃油類を対象とすることができる。
【0028】
本発明においてゲル化または固化剤として使用するベンゼンジカルボン酸ジアミド化合物は、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジアミド化合物、あるいはベンゼンジカルボン酸ジアミド化合物とベンゼンジカルボン酸モノアミド化合物との混合物であり、最も好ましくはベンゼンジカルボン酸ジアミド化合物である。同様に、本発明において使用するベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物は、好ましくはベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物、あるいはベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物とベンゼントリカルボン酸ジアミド化合物との混合物であり、最も好ましくはベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物である。
【0029】
本発明のゲル化または固化剤の使用法は、前記有機液体1mLに対し、本発明のゲル化または固化剤を1〜50mg、好ましくは2〜20mg添加し、所望により60〜120℃程度に加熱して均一状態になるまで攪拌した後、常温にて静置すれば、ゲル化物または固化物を調製することができる。このものは均一なゲル化物または固化物であり、常温で液体部分を生じることなく、また、長期間の保存においても液体部分の発生はない。このようにして調製されたゲル化物または固化物を塗料、インク、潤滑油、化粧品、医薬品、農業分野の基剤もしくは製剤とすることができる。
【0030】
なお本発明のゲル化または固化剤は単独でも使用できるが、本発明の目的を逸脱しないかぎり、従来公知のゲル化剤、天然ワックスまたは合成ワックス等の固化剤等を適量併用してもよい。
【0031】
【実施例】
実施例1
攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管及び水分離器を取付けた四ツ口フラスコ中で、ベンジルオキシカルボニルL−バリン(東京化成(株)製、試薬)9.22g(0.037モル)を200mLの乾燥酢酸エチルに溶かし、氷冷下でジシクロヘキシルカルボジイミド(東京化成(株)製、試薬)8.33g(0.040モル)を加えた。そのまま1時間攪拌した後、ドデシルアミン6.80g(0.037モル)を加え、一旦70℃に加熱し、続いて室温まで放冷した。このとき生成したゲルを50mLのアセトンを加えてよく砕き、不溶物を吸引濾取し、アセトンでよく洗って、室温で乾燥した。8.17gの白色固体物を得た。このものを250mLのエタノールに溶解させ、パラジウム炭素を溶解50mLエタノールを加えた後、水素ガスを注入し還元を行った。還元終了後触媒を除去し、溶剤を留去してからエタノールより再結晶し、L−バリルドデシルアミド4.16gを得た。次にL−バリルドデシルアミド0.57g(0.002モル)とフタロイルクロライド0.20g(0.001モル)を乾燥テトラヒドロフランに溶解させ、氷冷下でトリエチルアミン0.70mL(0.005モル)を加え室温まで攪拌した後、加熱して反応を完結させた。その後溶剤を留去しエタノールより再結晶を行い、フタル酸ジアミド化合物(化合物1)0.20gを得た。
【0032】
【0033】
実施例2
前記実施例1のフタロイルクロライドをイソフタロイルクロライドに代えて、その他実施例1記載の方法と同様にして、イソフタル酸ジアミド化合物(化合物11)0.51gを得た。
【0034】
【0035】
実施例3
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルL−イソロイシンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−イソロイシルドデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをイソフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にして、イソフタル酸ジアミド化合物(化合物12)0.43gを得た。
【0036】
【0037】
実施例4
前記実施例1のドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−バリルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをイソフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にして、イソフタル酸ジアミド化合物(化合物13)0.72gを得た。
【0038】
【0039】
実施例5
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりに、ベンジルオキシカルボニルD,L−バリン、ドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてD,L−バリルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをイソフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてイソフタル酸ジアミド化合物(化合物14)0.97gを得た。
【0040】
【0041】
実施例6
前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、その他実施例1記載の方法と同様にして、テレフタル酸ジアミド化合物(化合物22)0.57gを得た。
【0042】
【0043】
実施例7
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルグリシンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてグリシルドデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物23)0.54gを得た。
【0044】
【0045】
実施例8
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルL−ロイシンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−ロイシルドデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物24)0.45gを得た。
【0046】
【0047】
実施例9
前記実施例で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルL−イソロイシンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−イソロイシルドデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物25)0.37gを得た。
【0048】
【0049】
実施例10
前記実施例1のドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−バリルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にして、テレフタル酸ジアミド化合物(化合物26)0.80gを得た。
【0050】
【0051】
実施例11
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルL−ロイシン、ドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−ロイシルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物27)0.53gを得た。
【0052】
【0053】
実施例12
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルL−イソロイシン、ドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−イソロイシルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物28)0.63gを得た。
【0054】
【0055】
実施例13
前記実施例1で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりにベンジルオキシカルボニルD,L−バリン、ドデシルアミンの代わりにオクタデシルアミンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてD,L−バリルオクタデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドをテレフタロイルクロライドに代えて、実施例1記載の方法と同様にしてテレフタル酸ジアミド化合物(化合物29)0.88gを得た。
【0056】
【0057】
実施例14
前記実施例1のフタロイルクロライドを1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライドに代え、かつ1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライドに対して3倍モル量のL−バリルドデシルアミドを反応させて、その他実施例1記載の方法と同様にして1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物(化合物41)0.96gを得た。
【0058】
【0059】
実施例15
前記実施例で用いたベンジルオキシカルボニルL−バリンの代わりに、ベンジルオキシカルボニルL−ロイシンを用いて、実施例1記載の方法と同様にしてL−ロイシルドデシルアミドを得た。その後、前記実施例1のフタロイルクロライドを1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライドに代え、かつ1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライドに対して3倍モル量のL−ロイシルドデシルアミドを反応させて、その他実施例1記載の方法と同様にして、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物(化合物42)0.99gを得た。
【0060】
【0061】
実施例16
本発明により得られたベンゼンカルボン酸アミド化合物および対照としての12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、カルナウバワックスの代表的な有機液体に対するゲル化または固化能を試験した。各種有機液体に本発明に係るゲル化または固化剤等を3重量%添加したものを試験管に入れ、約60℃以上に加熱後、常温(25℃)にて静置冷却したときの状態を観察し、このときの内容物の流動性の有無、また流動性のないものについてはゲル化物の固さを調べた。評価は4段階評価(◎…流動性なし:ゲル化物は均一で固い、○…流動性なし:ゲル化物は均一で軟らかい、△…流動性ややあり、×…不均一混合物または均一だが流動性あり)で行った。
【0062】
実験結果を以下の表に示す。フタル酸ジアミド化合物を使用したゲル化または固化能についての結果を表1に、イソフタル酸ジアミド化合物についての結果を表2に、テレフタル酸ジアミド化合物についての結果を表3に、ベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物についての結果を表4に示す。全ての表中、*i−C8 は2−エチルヘキシル基、**混合アミンの場合の配合比率は1:1(モル比)であり、***混合アミノ酸の場合の配合比率は1:1(モル比)である。また、表4におけるベンゼントリカルボン酸トリアミド化合物は、化合物43〜53は1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリアミドであり、化合物54のみ1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアミドであることに注意されたい。また、表4の化合物50と51、および化合物52と53は、それぞれ2種の化合物の混合物(モル比1:1)を表している。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
本発明のカルボン酸アミド化合物を主成分とするものを添加した有機液体は、従来のゲル化剤やワックスに比べ少量の添加であるにもかかわらず、均一で滑らかなゲル化物を形成することが明らかになった。また調製したゲル化物を1ヵ月間にわたり毎日10〜30℃の温度幅で変化させ、その状態を調べたところ、本発明に係るものはすべて調製当初の状態を維持しており、長期間の温度変化に対して安定性に優れていることを確認した。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、前記一般式(I)で示されるカルボン酸アミド化合物が提供され、これを有効成分とするゲル化もしくは固化剤は、動植物油脂、エステル、ポリオール、エーテル、アルコール、炭化水素系油剤等の幅広い有機液体に対し、あるいは廃食用油、廃潤滑油、廃金属加工油剤等に対して、少量の添加で、均一で良好な、長期保存および温度変化に対して安定性に優れたゲル化物または固化物を調製し得る。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel benzenecarboxylic acid amide compound useful as a gelling or solidifying agent for organic liquids and a gelling or solidifying agent containing this compound as an active ingredient. The gelling or solidifying agent of the present invention can be used in industrial fields including processing fields such as paints, inks, lubricating oils, agriculture, fisheries, cosmetics and pharmaceuticals, fibers, resins, polymers, rubbers, metals and the like.
[0002]
[Prior art]
12-hydroxystearic acid, dibenzylidene sorbitol, fatty acid having the function of gelling or solidifying organic liquids (animal and vegetable oils, esters, polyols, ethers, alcohols, hydrocarbons, etc.) generally used in the industrial field Alkali metal salts and alkaline earth metal salts are known.
[0003]
Among these, 12-hydroxystearic acid is inexpensive, but there are few kinds of organic liquids that can be gelled or solidified, and the temperature at which the obtained gel softens is low. On the other hand, although dibenzylidene sorbitol forms a strong gel with a small amount of addition, it has the disadvantage of liberating benzaldehyde, and because it has a high melting point, it is unsuitable for solidifying short-chain alcohols with low boiling points. is there. Alkali metal salts and alkaline earth metal salts of fatty acids require a large amount of addition for gelation or solidification, and have limitations such as limited usable conditions.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Thus, the gelling or solidifying agents proposed so far have not had a sufficiently satisfactory function in any of the above points.
[0005]
Therefore, the object of the present invention is that it can be easily produced, and various organic liquids can be gelled or solidified with a small amount of addition, uniform and stable against long-term storage and temperature change. It is to provide a benzenecarboxylic acid amide compound useful as an organic liquid gelation or solidification agent and an organic liquid gelation or solidification agent containing the compound as an active ingredient, which can be made into a highly gelled or solidified product. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in order to achieve the above object, the present inventors have synthesized a novel benzenecarboxylic acid amide compound and found that this compound has excellent gelation ability with respect to various organic liquids. The invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention provides the following general formula (I)
[Chemical formula 5]
[0008]
(In the general formula (I), X 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, AA represents an amino acid acyl group, each R represents an alkyl group having 8 to 22 carbon atoms, and n represents 1 or 2)
The benzenecarboxylic acid amide compound shown by these is provided. The present invention also provides an organic liquid gelling or solidifying agent comprising the benzenecarboxylic acid amide compound represented by the general formula (I) as an active ingredient.
[0009]
In the general formula (I),
In general formula (I), n is 1 or 2,
n is 1 and COX 2 Is COX 1 X in the ortho position relative to 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, each AA is L-valyl, and each R can be a C12 alkyl group,
n is 1 and COX 2 Is COX 1 X when in meta position 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, wherein each AA is L-valyl or L-isoleucyl and each R is an alkyl group having 12 carbons, or each AA is L-valyl or D, L-valyl. And each R can be an alkyl group having 18 carbon atoms;
n is 1 and COX 2 Is COX 1 X when in para position to 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, wherein each AA is L-valyl, glycyl, L-leucyl or L-isoleucyl and each R is an alkyl group having 12 carbons, or each AA is L-valyl , L-Leucyl, L-Isoleucil or D, L-valyl, and each R may be an alkyl group having 18 carbon atoms,
When n is 2, two COX 2 Is COX 1 Both are in meta position and X 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, each AA may be L-valyl or L-leucyl, and each R may be a C12 alkyl group.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The benzenecarboxylic acid amide compound of the present invention is represented by the general formula (I). In general formula (I), X 1 And X 2 Each represents -AA-NHR, AA represents an amino acid acyl group, each R represents an alkyl group having 8 to 22 carbon atoms, and n represents 1 or 2. The bond -COAA- between the carbonyl group directly bonded to the benzene ring and -AA- is an amide bond.
[0011]
Specific examples of the amino acid acyl group (AA) include glycyl, alanyl, valyl, leucyl, isoleucyl, etc. Among them, valyl is particularly preferable in terms of gelation ability. These amino acid acyl groups can be used together with L-form and DL-form, and the amino acid acyl group itself may be used alone or in combination of two or more.
[0012]
Further, the alkyl group (R) has 8 to 22 carbon atoms, and a saturated, linear and / or branched alkyl group can be used. Specific examples of linear alkyl groups include octyl, nonyl, decyl, undecyl, dodecyl, tridecyl, tetradecyl, pentadecyl, hexadecyl, heptadecyl, octadecyl, nonadecyl, icosyl, heicosyl Examples thereof include a docosyl group. Examples of branched alkyl groups include 2-ethylhexyl group, 2,4,4-trimethylpentyl group, 3,5,5-trimethylhexyl group, 3,7-dimethyloctyl group, 6-propylnonyl group, 12-methyltril group. Examples include decyl group, 2-methyltetradecyl group, 5-methyltetradecyl group, 2,2-dimethyltetradecyl group, 2-hexyldecyl group, 2-heptylundecyl group, 2-octyldodecyl group and the like. These linear alkyl groups or branched alkyl groups may be used alone or in combination of two or more. From the viewpoint of gelation ability, a dodecyl group (a linear alkyl group having 12 carbon atoms) and an octadecyl group (a linear alkyl group having 18 carbon atoms) are preferable. Of these, an octadecyl group is particularly preferred.
[0013]
Further, n is 1 or 2, and therefore the benzenecarboxylic acid forming the basic skeleton is benzenedicarboxylic acid or benzenetricarboxylic acid. Specifically, as phthalic acid (1,2-benzenedicarboxylic acid), isophthalic acid (1,3-benzenedicarboxylic acid), terephthalic acid (1,4-benzenedicarboxylic acid), and benzenetricarboxylic acid as benzenedicarboxylic acid Examples include 1,3,5-tricarboxylic acid and 1,2,4-benzenetricarboxylic acid. Of these, terephthalic acid is particularly preferred for benzenedicarboxylic acid and 1,3,5-benzenetricarboxylic acid is preferred for benzenetricarboxylic acid, in terms of gelling ability.
[0014]
Specific examples of 54 compounds of the benzenecarboxylic acid amide compound of the present invention are listed below. Unless otherwise indicated, each amino acid acyl group AA is the same, and R is the same. X 1 = X 2 In the case of, these are collectively displayed as X.
[0015]
In the general formula (I), n is 1, and COX 2 Is COX 1 As a phthalic acid diamide compound in the ortho position relative to
The amino acid acyl group (hereinafter referred to as AA) is L-valyl, and the alkyl group (hereinafter referred to as R) is a dodecyl group (X = L-Val-NH-C 12 H twenty five ) Compound 1: N, N′-phthaloyl-bis (L-valylaminododecane),
AA is L-isoleucyl and R is a dodecyl group (X = L-Ile-NH-C 12 H twenty five Compound 2: N, N′-phthaloyl-bis (L-isoleucylaminododecane)
AA is L-valyl and R is an octadecyl group (X = L-Val-NH-C 18 H 37 Compound 3: N, N′-phthaloyl-bis (L-valylaminooctadecane)
AA is L-Leucyl and R is a docosyl group (X = L-Leu-NH-C twenty two H 45 Compound 4: N, N′-phthaloyl-bis (L-leucylaminodocosane)
AA is L-alanyl and R is a hexadecyl group (X = L-Ala-NH-C 16 H 33 ) Compound 5: N, N′-phthaloyl-bis (L-alanylaminohexadecane),
AA is glycyl and R is an octadecyl group (X = L-Gly-NH-C 18 H 37 A compound 6): N, N′-phthaloyl-bis (glycylaminooctadecane),
AA is D, L-Leucyl and R is a tetradecyl group (X = D, L-Leu-NH-C 14 H 29 ) Which is a compound 7: N, N′-phthaloyl-bis (D, L-leucylaminotetradecane),
AA is L-valyl and R is a 2-ethylhexyl group (X = L-Val-NH-C 8 H 17 ) Compound 8: N, N′-phthaloyl-bis (L-valylamino-2-ethylhexane),
AA is L-isoleucil, and one of R is a dodecyl group and the other is an octadecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Ile-NH-C 18 H 37 Compound 9 which is
One of AA is L-Isoleucil, the other is L-Leucyl, and R is a dodecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Leu-NH-C 12 H twenty five 10)
Is mentioned.
[0016]
In the above general formula (I), n is 1, and COX 2 Is COX 1 As an isophthalic acid diamide compound in the meta position,
AA is L-valyl and R is a dodecyl group (X = L-Val-NH-C 12 H twenty five A compound 11: N, N′-isophthaloyl-bis (L-valylaminododecane),
AA is L-isoleucyl and R is a dodecyl group (X = L-Ile-NH-C 12 H twenty five ) Compound 12: N, N′-isophthaloyl-bis (L-isoleucylaminododecane)
AA is L-valyl and R is an octadecyl group (X = L-Val-NH-C 18 H 37 A compound 13: N, N′-isophthaloyl-bis (L-valylaminooctadecane),
AA is D, L-valyl and R is an octadecyl group (X = D, L-Val-NH-C 18 H 37 ) Which is compound 14: N, N′-isophthaloyl-bis (D, L-valylaminooctadecane),
AA is L-leucyl and R is an octadocosyl group (X = L-Leu-NH-C twenty two H 45 Compound 15: N, N′-isophthaloyl-bis (L-leucylaminooctadocosane)
AA is L-alanyl and R is a hexadecyl group (X = L-Ala-NH-C 16 H 33 ) Compound 16: N, N′-isophthaloyl-bis (L-alanylaminohexadecane),
AA is glycyl and R is an octadecyl group (X = Gly-NH-C 18 H 37 ) Compound 17: N, N′-isophthaloyl-bis (glycylaminooctadecane),
AA is D, L-Leucyl and R is a tetradecyl group (X = D, L-Leu-NH-C 14 H 29 Compound 18: N, N′-isophthaloyl-bis (D, L-leucylaminotetradecane)
AA is L-valyl and R is a 2-ethylhexyl group (X = L-Val-NH-C 8 H 17 Compound 19: N, N′-isophthaloyl-bis (L-valylamino-2-ethylhexane)
AA is L-isoleucil, and one of R is a dodecyl group and the other is an octadecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Ile-NH-C 18 H 37 Compound 20 which is
One of AA is L-isoleucyl, the other is L-leucyl, and R is a dodecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Leu-NH-C 12 H twenty five Compound 21 which is
Is mentioned.
[0017]
In the above general formula (I), n is 1, and COX 2 Is COX 1 As a terephthalic acid diamide compound in the para position to
AA is L-valyl and R is a dodecyl group (X = L-Val-NH-C 12 H twenty five ) Compound 22: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminododecane),
AA is glycyl and R is a dodecyl group (X = Gly-NH-C 12 H twenty five A compound 23: N, N′-terephthaloyl-bis (glycylaminododecane),
AA is L-leucyl and R is a dodecyl group (X = L-Leu-NH-C 12 H twenty five Compound 24: N, N′-terephthaloyl-bis (L-leucylaminododecane)
AA is L-isoleucyl and R is a dodecyl group (X = L-Ile-NH-C 12 H twenty five Compound 25: N, N′-terephthaloyl-bis (L-isoleuylaminododecane)
AA is L-valyl and R is an octadecyl group (X = L-Val-NH-C 18 H 37 A compound 26: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminooctadecane),
AA is L-leucyl and R is an octadecyl group (X = L-Leu-NH-C 18 H 37 Compound 27: N, N′-terephthaloyl-bis (L-leucylaminooctadecane)
AA is L-isoleucyl and R is an octadecyl group (X = L-Ile-NH-C 18 H 37 Compound 28: N, N′-terephthaloyl-bis (L-isoleuylaminooctadecane)
AA is D, L-valyl and R is an octadecyl group (X = D, L-Val-NH-C 18 H 37 Compound 29: N, N′-terephthaloyl-bis (D, L-valylaminooctadecane)
AA is L-valyl and R is a tetradecyl group (X = L-Val-NH-C 14 H 29 ) Which is a compound 30: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminotetradecane),
AA is L-valyl and R is a hexadecyl group (X = L-Val-NH-C 16 H 33 ) Compound 31: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminohexadecane),
AA is L-valyl and R is an icosyl group (X = L-Val-NH-C 20 H 41 A compound 32: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminoicosane),
AA is L-valyl and R is a docosyl group (X = L-Val-NH-C twenty two H 45 And Compound 33: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminodocosane)
AA is L-leucyl and R is an octadocosyl group (X = L-Leu-NH-C twenty two H 45 ) Compound 34: N, N′-terephthaloyl-bis (L-leucylaminooctadocosane),
AA is L-alanyl and R is a hexadecyl group (X = L-Ala-NH-C 16 H 33 A compound 35: N, N′-terephthaloyl-bis (L-alanylaminohexadecane),
AA is glycyl and R is an octadecyl group (X = Gly-NH-C 18 H 37 Compound 36: N, N′-terephthaloyl-bis (glycylaminooctadecane)
AA is D, L-Leucyl and R is a tetradecyl group (X = D, L-Leu-NH-C 14 H 29 Compound 37: N, N′-terephthaloyl-bis (D, L-leucylaminotetradecane)
AA is L-valyl and R is a 2-ethylhexyl group (X = L-Val-NH-C 8 H 17 Compound 38: N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylamino-2-ethylhexane)
AA is L-isoleucil, and one of R is a dodecyl group and the other is an octadecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Ile-NH-C 18 H 37 Compound 39,
One of AA is L-Isoleucil, the other is L-Leucyl, and R is a dodecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Leu-NH-C 12 H twenty five 40)
Is mentioned.
[0018]
In the general formula (I), n is 2, and two COX 2 Is COX 1 As a 1,3,5-tricarboxylic acid triamide compound both in the meta position with respect to
AA is L-valyl and R is a dodecyl group (X = L-Val-NH-C 12 H twenty five Compound 41: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-valylaminododecane)
AA is L-leucyl and R is a dodecyl group (X = L-Leu-NH-C 12 H twenty five A compound 42: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-leucylaminododecane),
AA is L-isoleucyl and R is a dodecyl group (X = L-Ile-NH-C 12 H twenty five A compound 43: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-isoleuylaminododecane),
AA is L-valyl and R is an octadecyl group (X = L-Val-NH-C 18 H 37 ) Compound 44: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-valylaminooctadecane),
AA is L-leucyl and R is an octadocosyl group (X = L-Leu-NH-C twenty two H 45 A compound 45: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-leucylaminooctadocosane),
AA is L-alanyl and R is a hexadecyl group (X = L-Ala-NH-C 16 H 33 A compound 46: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-alanylaminohexadecane),
AA is glycyl and R is an octadecyl group (X = Gly-NH-C 18 H 37 A compound 47: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (glycylaminooctadecane),
AA is D, L-Leucyl and R is a tetradecyl group (X = D, L-Leu-NH-C 14 H 29 ) Compound 48: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (D, L-leucylaminotetradecane),
AA is L-valyl and R is a 2-ethylhexyl group (X = L-Val-NH-C 8 H 17 ) Compound 49: N, N ′, N ″ -1,3,5-benzenetricarbonyl-tris (L-valylamino-2-ethylhexane),
AA is L-isoleucyl, and one of the three Rs is a dodecyl group and the other two are octadecyl groups (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Ile-NH-C 18 H 37 50)
AA is L-isoleucil, one of the three Rs is an octadecyl group, and the other two are dodecyl groups (X 1 = L-Ile-NH-C 18 H 37 , X 2 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five Compound 51 which is
One of the three AA's is L-Isoleucil, the other two are L-Leucyl, and R is a dodecyl group (X 1 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Leu-NH-C 12 H twenty five Compound 52 being
One of the three AA's is L-Leucyl, the other two are L-Isoleucil, and R is a dodecyl group (X 1 = L-Leu-NH-C 12 H twenty five , X 2 = L-Ile-NH-C 12 H twenty five Compound 53 which is
Is mentioned.
[0019]
In the general formula (I), n is 2, and two COX 2 Is COX 1 As a 1,2,4-tricarboxylic acid triamide compound in which one is in the ortho position and the other is in the para position,
AA is L-valyl and R is an octadecyl group (X = L-Val-NH-C 18 H 37 ) Compound 54: N, N ′, N ″ -1,2,4-benzenetricarbonyl-tris (L-valylaminooctadecane)
Is mentioned.
[0020]
Among these benzenecarboxylic acid amide compounds, compound 26 (N, N′-terephthaloyl-bis (L-valylaminooctadecane)) is an excellent gelling agent capable of gelling the most various organic solvents.
[0021]
The benzenecarboxylic acid amide compound of the present invention can be easily synthesized by the following two-stage reaction.
[0022]
[Chemical 6]
[0023]
First, in step (1), an amino acid H-AA-OH and an alkylamine RNH corresponding to the amino acid acyl group AA in the general formula (I) 2 The amino acid alkylamide H-AA-NHR can be easily synthesized from the above (wherein R is as defined above) using a conventionally known method. The method and conditions are not particularly limited. For example, after protecting the N-terminus of an amino acid with a protecting group such as a benzyloxycarbonyl group, and then subjecting both raw materials to a predetermined reaction equivalent in a dry solvent, The protecting group of the product can be removed to give the desired amino acid alkylamide. This reaction can be carried out at a temperature of 0 ° C. to 100 ° C. for 15 hours to 30 hours using approximately equimolar amounts of both reaction materials.
[0024]
Next, in step (2), the resulting amino acid alkylamide is reacted with a benzenecarboxylic acid chloride represented by the formula (II), and the benzenecarboxylic acid amide compound (formula (I )). The method and conditions are not particularly limited. For example, an amino acid alkylamide and benzenecarboxylic acid chloride may be subjected to a condensation reaction in a dry solvent in the presence of a base such as triethylamine at a predetermined reaction equivalent. This reaction can be carried out at a temperature of 0 ° C. to 100 ° C. for 5 hours to 15 hours using both reaction raw materials in a molar ratio of about (n + 1): 1.
[0025]
When unreacted raw materials and by-products (monoamide compounds, etc.) remain in the reaction product, they can be purified by known means such as distillation under reduced pressure and solvent fractionation. For example, the reaction product can be purified by removing unreacted materials under reduced pressure, recrystallization with a large amount of organic solvent such as acetone, adsorbent treatment with activated clay, activated carbon, silica gel, alumina, etc. These may be applied alone or in combination as necessary. When the compound of the present invention is used as a gelling or solidifying agent for an organic liquid, some (less than several weight%) of unreacted raw materials (benzenecarboxylic acid and / or amino acid alkylamide) and by-products such as monoamide compounds There is no particular mixture of things.
[0026]
The benzenecarboxylic acid amide compound of the present invention is useful as a gelling or solidifying agent for various organic liquids.
[0027]
Examples of organic liquids include soybean oil, rapeseed oil, corn oil, safflower oil, sunflower oil, cottonseed oil, olive oil, palm oil, castor oil, fish oil, lard, beef tallow and other animal and vegetable oils, isopropyl myristate, tri- 2-ethylhexanoic acid glycerides, esters such as 2-octyldodecyl myristate, polyols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol and polyglycerol, ethers such as ethyl cellosolve and butyl cellosolve, alcohols such as methanol and ethanol, kerosene, Hydrocarbon oils such as heavy oil, liquid paraffin, and isoparaffin, and so-called waste oils such as organic solvents such as xylene and toluene, waste edible oil, waste lubricant oil, and waste metal processing oil can be used.
[0028]
The benzenedicarboxylic acid diamide compound used as a gelling or solidifying agent in the present invention is preferably a benzenedicarboxylic acid diamide compound or a mixture of a benzenedicarboxylic acid diamide compound and a benzenedicarboxylic acid monoamide compound, most preferably benzenedicarboxylic acid. It is a diamide compound. Similarly, the benzenetricarboxylic acid triamide compound used in the present invention is preferably a benzenetricarboxylic acid triamide compound or a mixture of a benzenetricarboxylic acid triamide compound and a benzenetricarboxylic acid diamide compound, most preferably a benzenetricarboxylic acid triamide compound. is there.
[0029]
The method of using the gelling or solidifying agent of the present invention is to add 1 to 50 mg, preferably 2 to 20 mg of the gelling or solidifying agent of the present invention to 1 mL of the organic liquid, and heat to about 60 to 120 ° C. if desired. Then, after stirring until uniform, the gelled product or solidified product can be prepared by allowing to stand at room temperature. This is a uniform gelled product or solidified product, and does not generate a liquid part at room temperature, and does not generate a liquid part even during long-term storage. The gelled or solidified material thus prepared can be used as a base or formulation for paints, inks, lubricants, cosmetics, pharmaceuticals, and agricultural fields.
[0030]
The gelling or solidifying agent of the present invention can be used alone, but an appropriate amount of a conventionally known gelling agent, a solidifying agent such as natural wax or synthetic wax, etc. may be used in combination without departing from the object of the present invention.
[0031]
【Example】
Example 1
200 mL of 9.22 g (0.037 mol) of benzyloxycarbonyl L-valine (manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., reagent) in a four-necked flask equipped with a stirrer, thermometer, nitrogen gas blowing tube and water separator Was dissolved in dry ethyl acetate, and 8.33 g (0.040 mol) of dicyclohexylcarbodiimide (manufactured by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., reagent) was added under ice cooling. After stirring for 1 hour, 6.80 g (0.037 mol) of dodecylamine was added, and the mixture was once heated to 70 ° C. and then allowed to cool to room temperature. The gel produced at this time was well crushed by adding 50 mL of acetone, the insoluble matter was filtered off with suction, washed well with acetone, and dried at room temperature. 8.17 g of a white solid was obtained. This was dissolved in 250 mL of ethanol, dissolved in palladium carbon, added with 50 mL of ethanol, and then reduced by injecting hydrogen gas. After completion of the reduction, the catalyst was removed, the solvent was distilled off, and then recrystallized from ethanol to obtain 4.16 g of L-valyldecylamide. Next, 0.57 g (0.002 mol) of L-valyldecylamide and 0.20 g (0.001 mol) of phthaloyl chloride are dissolved in dry tetrahydrofuran, and 0.70 mL (0.005 mol) of triethylamine under ice cooling. After stirring to room temperature, the reaction was completed by heating. Thereafter, the solvent was distilled off, and recrystallization was performed from ethanol to obtain 0.20 g of a phthalic acid diamide compound (Compound 1).
[0032]
[0033]
Example 2
0.51 g of isophthalic acid diamide compound (Compound 11) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with isophthaloyl chloride.
[0034]
[0035]
Example 3
Using benzyloxycarbonyl L-isoleucine instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1, L-isoleuyldodecylamide was obtained in the same manner as described in Example 1. Thereafter, 0.43 g of an isophthalic acid diamide compound (Compound 12) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with isophthaloyl chloride.
[0036]
[0037]
Example 4
Using octadecylamine in place of dodecylamine in Example 1, L-valyloctadecylamide was obtained in the same manner as in Example 1. Thereafter, 0.72 g of an isophthalic acid diamide compound (Compound 13) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with isophthaloyl chloride.
[0038]
[0039]
Example 5
In the same manner as in Example 1, except that benzyloxycarbonyl D, L-valine and octadecylamine are used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1, D, L -Valyloctadecylamide was obtained. Thereafter, 0.97 g of an isophthalic acid diamide compound (Compound 14) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with isophthaloyl chloride.
[0040]
[0041]
Example 6
0.57 g of terephthalic acid diamide compound (Compound 22) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride.
[0042]
[0043]
Example 7
Glycyldodecylamide was obtained in the same manner as in Example 1 except that benzyloxycarbonylglycine was used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1. Thereafter, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.54 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 23) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0044]
[0045]
Example 8
L-Leucyldodecylamide was obtained in the same manner as in Example 1 except that benzyloxycarbonyl L-leucine was used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1. Then, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.45 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 24) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0046]
[0047]
Example 9
Using benzyloxycarbonyl L-isoleucine instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in the above example, L-isoleuyldodecylamide was obtained in the same manner as described in Example 1. Thereafter, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.37 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 25) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0048]
[0049]
Example 10
Using octadecylamine in place of dodecylamine in Example 1, L-valyloctadecylamide was obtained in the same manner as in Example 1. Thereafter, 0.80 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 26) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride.
[0050]
[0051]
Example 11
L-Leucyloctadecylamide was prepared in the same manner as in Example 1 except that benzyloxycarbonyl L-leucine was used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1 and octadecylamine was used instead of dodecylamine. Got. Thereafter, phthaloyl chloride in Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.53 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 27) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0052]
[0053]
Example 12
Using benzyloxycarbonyl L-isoleucine instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1 and octadecylamine instead of dodecylamine, L-isoleucyloctadecyl was prepared in the same manner as described in Example 1. The amide was obtained. Then, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.63 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 28) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0054]
[0055]
Example 13
In the same manner as in Example 1, except that benzyloxycarbonyl D, L-valine was used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in Example 1 and octadecylamine was used instead of dodecylamine, D, L- Valyl octadecylamide was obtained. Thereafter, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with terephthaloyl chloride, and 0.88 g of a terephthalic acid diamide compound (Compound 29) was obtained in the same manner as in Example 1.
[0056]
[0057]
Example 14
The phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with 1,3,5-benzenetricarbonyltrichloride, and a 3-fold molar amount of L-valyldecylamide was reacted with 1,3,5-benzenetricarbonyltrichloride. Then, 0.96 g of 1,3,5-benzenetricarboxylic acid triamide compound (Compound 41) was obtained in the same manner as described in Example 1.
[0058]
[0059]
Example 15
L-Leucyldodecylamide was obtained in the same manner as in Example 1 except that benzyloxycarbonyl L-leucine was used instead of benzyloxycarbonyl L-valine used in the above Examples. Thereafter, the phthaloyl chloride of Example 1 was replaced with 1,3,5-benzenetricarbonyl trichloride, and 3-fold molar amount of L-leucyldodecyl with respect to 1,3,5-benzenetricarbonyl trichloride. The amide was reacted to obtain 0.99 g of 1,3,5-benzenetricarboxylic acid triamide compound (Compound 42) in the same manner as in the method described in Example 1.
[0060]
[0061]
Example 16
The gelling or solidifying ability of benzenecarboxylic acid amide compounds obtained according to the present invention and 12-hydroxystearic acid, sodium stearate, carnauba wax as controls for typical organic liquids was tested. What added 3 weight% of the gelatinization or solidification agent etc. which concern on this invention to various organic liquids was put into a test tube, and after heating to about 60 degreeC or more, the state when it stood still and cooled at normal temperature (25 degreeC) The contents were examined for the presence or absence of fluidity, and for the non-fluidity, the hardness of the gelled product was examined. Evaluation is based on 4 grades (◎ ... no fluidity: gelled product is uniform and hard, ○ ... no fluidity: gelled product is uniform and soft, △ ... somewhat fluid, x ... heterogeneous mixture or uniform but fluid )
[0062]
The experimental results are shown in the following table. The results for gelation or solidification ability using phthalic acid diamide compounds are shown in Table 1, the results for isophthalic acid diamide compounds in Table 2, the results for terephthalic acid diamide compounds in Table 3, and the benzenetricarboxylic acid triamide compounds. Table 4 shows the results. In all the tables, * i-C8 is 2-ethylhexyl group, and the mixing ratio in the case of ** mixed amine is 1: 1 (molar ratio), and the mixing ratio in the case of *** mixed amino acid is 1: 1 ( Molar ratio). It should be noted that in the benzenetricarboxylic acid triamide compounds in Table 4, compounds 43 to 53 are 1,3,5-benzenetricarboxylic acid triamide, and only compound 54 is 1,2,4-benzenetricarboxylic acid triamide. . In addition, compounds 50 and 51 and compounds 52 and 53 in Table 4 each represent a mixture of two types of compounds (molar ratio 1: 1).
[0063]
[Table 1]
[0064]
[Table 2]
[0065]
[Table 3]
[0066]
[Table 4]
[0067]
The organic liquid to which the main component of the carboxylic acid amide compound of the present invention is added can form a uniform and smooth gelled product even though it is added in a small amount compared to conventional gelling agents and waxes. It was revealed. Moreover, when the prepared gelled substance was changed at a temperature range of 10 to 30 ° C. every day for one month and the state was examined, all the products according to the present invention maintained the initial state of preparation, It was confirmed that it was excellent in stability against changes.
[0068]
【The invention's effect】
According to the present invention, the carboxylic acid amide compound represented by the general formula (I) is provided, and the gelling or solidifying agent containing the carboxylic acid amide compound as an active ingredient is an animal or vegetable oil, ester, polyol, ether, alcohol, hydrocarbon-based compound. Adds a small amount to a wide range of organic liquids such as oils, or waste cooking oils, waste lubricants, waste metal processing oils, etc., uniform and good, excellent long-term storage and stability against temperature changes A gelled or solidified product can be prepared.
Claims (4)
で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物。The following general formula (I)
A benzenecarboxylic acid amide compound represented by:
で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物を有効成分とする有機液体のゲル化または固化剤。The following general formula (I)
A gelling or solidifying agent of an organic liquid comprising a benzenecarboxylic acid amide compound represented by
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してオルト位にあるとき、X1 およびX2 それぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルであり、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であり、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してメタ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してパラ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリル、グリシル、L−ロイシルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリル、L−ロイシル、L−イソロイシルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり、
nが2のとき、2つのCOX2 はCOX1 に対して共にメタ位にあり、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−ロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基である)
で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物。The following general formula (I)
When n is 1 and COX 2 is ortho to COX 1 , each of X 1 and X 2 represents —AA—NHR, each AA is L-valyl, and each R is carbon number 12 alkyl groups,
when n is 1 and COX 2 is in the meta position relative to COX 1 , X 1 and X 2 each represent —AA—NHR, each AA is L-valyl or L-isoleucil, And each R is an alkyl group having 12 carbon atoms, or each AA is L-valyl or D, L-valyl, and each R is an alkyl group having 18 carbon atoms,
When n is 1 and COX 2 is para to COX 1 , X 1 and X 2 each represent -AA-NHR, each AA being L-valyl, glycyl, L-leucyl or L -Isoleucyl and each R is an alkyl group having 12 carbons, or each AA is L-valyl, L-leucyl, L-isoleucil or D, L-valyl, and each R is carbon An alkyl group of formula 18,
when n is 2, the two COX 2 are both meta to COX 1 , X 1 and X 2 each represent —AA—NHR, each AA is L-valyl or L-leucyl, And each R is an alkyl group having 12 carbon atoms)
A benzenecarboxylic acid amide compound represented by:
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してオルト位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルであり、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であり、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してメタ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり、
nが1であって、かつCOX2 がCOX1 に対してパラ位にあるとき、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリル、グリシル、L−ロイシルまたはL−イソロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基であるか、または各AAはL−バリル、L−ロイシル、L−イソロイシルまたはD,L−バリルであって、かつ各Rは炭素数18のアルキル基であり、
nが2のとき、2つのCOX2 はCOX1 に対して共にメタ位にあり、X1 およびX2 はそれぞれ−AA−NHRを表し、各AAはL−バリルまたはL−ロイシルであって、かつ各Rは炭素数12のアルキル基である)
で示されるベンゼンカルボン酸アミド化合物よりなる群から選ばれた化合物を有効成分とする有機液体のゲル化または固化剤。The following general formula (I)
A n is 1, and when the COX 2 is in the ortho position relative to COX 1, X 1 and X 2 represents a -AA-NHR, each AA is L- valyl, and each R is carbon An alkyl group of formula 12,
when n is 1 and COX 2 is in the meta position relative to COX 1 , X 1 and X 2 each represent —AA—NHR, each AA is L-valyl or L-isoleucil, And each R is an alkyl group having 12 carbon atoms, or each AA is L-valyl or D, L-valyl, and each R is an alkyl group having 18 carbon atoms,
When n is 1 and COX 2 is para to COX 1 , X 1 and X 2 each represent -AA-NHR, each AA being L-valyl, glycyl, L-leucyl or L -Isoleucyl and each R is an alkyl group having 12 carbons, or each AA is L-valyl, L-leucyl, L-isoleucil or D, L-valyl, and each R is carbon An alkyl group of formula 18,
when n is 2, the two COX 2 are both meta to COX 1 , X 1 and X 2 each represent —AA—NHR, each AA is L-valyl or L-leucyl, And each R is an alkyl group having 12 carbon atoms)
An organic liquid gelling or solidifying agent comprising a compound selected from the group consisting of benzenecarboxylic acid amide compounds represented by
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