JP3641110B2 - 軟質眼内レンズ用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質眼内レンズ用材料に関する。さらに詳しくは、柔軟性にすぐれ、高屈折率を有することから、レンズを薄くすることができ、折りたたんで小さい切開創から挿入することが可能であり、しかも透明性にすぐれ、かかる透明性が失われる現象、いわゆるグリスニングが起こらない軟質眼内レンズを与える軟質眼内レンズ用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、眼内レンズを用いた白内障手術での眼の外傷を小さくするためには、外科処置を行なう切開創をできるだけ小さくしておくことが望ましく、水晶体を超音波振動によって破砕し、その破片を小さなカニューレを介して吸引する水晶体超音波吸引術が発達するにつれて、水晶体を2〜3mm以下の切開創を通して除去することが可能になった。
【0003】
しかしながら、眼内レンズは、通常6mm程度の直径を有しているため、かかる眼内レンズをそのまま挿入するには、挿入部位を大きく切開しなければならないことから、近年、柔軟で、変形可能かつ膨潤性のソフトタイプの眼内レンズ類が種々発明され、小さい切開での挿入が可能となった。
【0004】
前記眼内レンズ類として、たとえば、芳香族環を有する(メタ)アクリレート系モノマーの少なくとも2種および架橋性単量体を含む単量体混合物を共重合してえられる眼内レンズ(特開平4−292609号公報)、パーフルオロオクチルエチルオキシプロピレン(メタ)アクリレートモノマー、2−フェニルエチル(メタ)アクリレートモノマー、アルキル(メタ)アクリレートおよび架橋性モノマーを含む成分を用いてえられる軟性眼内レンズ(特開平8−224295号公報)、ホモポリマーの屈折率が1.5以上であるモノマー、ホモポリマーのガラス転移温度が30℃未満であるモノマーおよび架橋性モノマーを用いてえられる眼内レンズ(特表平8−503506号公報)などが提案されている。
【0005】
これらの眼内レンズは、いずれも透明性および柔軟性を有し、変形可能であることから、比較的小さい切開創から挿入させることができるものであるが、これらを眼内に埋植した際の水和によりレンズ内に白色点状のものが出現し、その透明性がいちじるしく低下するないし失われる現象、いわゆるグリスニング(glistenings)が起こるといった欠点を有するものである。
【0006】
前記のほかにもさらに、たとえば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートならびに環構造もしくはハロゲン原子を含有する(メタ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリルアミド誘導体を主成分として用いられた眼内レンズ用材料(特開平6−22565号公報)、置換されていてもよいフェノキシ基と水酸基とを有する(メタ)アクリレートおよび架橋剤を含有した組成物を用いてえられた眼内レンズ用などの眼用レンズ材料(特開平8−173522号公報)、芳香族環含有アクリレートおよびフッ素原子含有アルキルアクリレートを主成分として用いてなる軟質眼内レンズ材料(特開平9−73052号公報)などが提案されている。
【0007】
これらの材料も、いずれも柔軟性にすぐれ、形状回復力が大きく、小さい切開創からの挿入が可能なものであるが、眼内に埋植した際に、やはり温度変化によってその透明性が低下する傾向があることから、かかる透明性の低下(グリスニング)が起こらない眼内レンズの開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術に鑑みてなされたものであり、柔軟性にすぐれ、高屈折率を有することから、レンズを薄くすることができ、折りたたんで小さい切開創から挿入することが可能であり、しかも透明性にすぐれ、かつグリスニングが起こらない軟質眼内レンズを与える軟質眼内レンズ用材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)一般式(I):
【化2】
Figure 0003641110
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子が置換基で置換されていてもよい芳香族環、Xは酸素原子または直接結合、nは0または1〜5の整数を示す)で表わされる芳香族環含有(メタ)アクリレート、
(B)アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドモノマーおよびN−ビニルラクタムから選ばれた少なくとも1種の親水性モノマー、
(C)前記アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレートならびに
(D)架橋性モノマー
を含有した重合成分を重合させてえられた重合体からなり、前記重合成分が、(A)成分/(C)成分=10/90〜95/5(重量比)の割合で含有される(A)成分および(C)成分の合計量100部(重量部、以下同様)に対し、(B)成分が10〜45部および(D)成分が0.1〜10部の割合であり、吸水率が1.5〜4.5重量%である軟質眼内レンズ用材料に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の軟質眼内レンズ用材料は、前記したように、(A)一般式(I):
【化3】
Figure 0003641110
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子が置換基で置換されていてもよい芳香族環、Xは酸素原子または直接結合、nは0または1〜5の整数を示す)で表わされる芳香族環含有(メタ)アクリレート、
(B)アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドモノマーおよびN−ビニルラクタムから選ばれた少なくとも1種の親水性モノマー、
(C)前記アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレートならびに
(D)架橋性モノマー
を含有した重合成分を重合させてえられた重合体からなり、前記重合成分が、(A)成分/(C)成分=10/90〜95/5(重量比)の割合で含有される(A)成分および(C)成分の合計量100部に対し、(B)成分が10〜45部および(D)成分が0.1〜10部の割合であり、吸水率が1.5〜4.5重量%のものである。
【0011】
本発明の最大の目的は、すぐれた透明性を示し、しかもグリスニングが起こらないとったすぐれた特性を有する軟質眼内レンズを与えることができる材料を提供することである。従来より、たとえばアクリル系の軟質眼内レンズの透明性は、かかる眼内レンズを眼内に埋植した際に徐々に低下し、たとえば視機能への問題が生じるほどにまで失われてしまうばあいもあることから、すぐれた透明性の維持に関する種々の研究が進められてきた。ここで、本発明者らは、眼内レンズの埋植前後の温度変化および眼内レンズの材料中の水分量と、グリスニングとの関係、さらには温度変化による材料中の水の凝集とグリスニングとの関係に着目し、鋭意研究を重ねた結果、通常グリスニングが起こりやすい低吸水率の材料において、構成単位として親水性モノマーに基づく単位が含まれる、つまり均一に分散させることによって、含有される水も分散されるため、水の凝集(グリスニング)が起こらないと考えられることに基づき、温度変化にかかわらずすぐれた透明性が維持され、グリスニングが起こらない材料がえられることを見出したのである。
【0012】
本発明に用いられる重合体は、前記親水性モノマー(B)を含有した重合成分を重合させてえられたものである。
【0013】
親水性モノマー(B)は、前記したように、えられる軟質眼内レンズ用材料中の必須構成単位となり、軟質眼内レンズ用材料のグリスニングの低下を促進させる作用を有する成分である。
【0014】
前記親水性モノマー(B)としては、前述のごとくアルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート(以下、モノマー(B−1)という)、(メタ)アクリルアミドモノマー(以下、モノマー(B−2)という)、N−ビニルラクタム(以下、モノマー(B−3)という)から選ばれた少なくとも1種を好適に用いることができる。
【0015】
モノマー(B−1)としては、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどのジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
モノマー(B−2)としては、たとえばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】
モノマー(B−3)としては、たとえばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0019】
前記親水性モノマー(B)のなかでは、グリスニングの低下を促進させる作用が大きいという点から、前記モノマー(B−1)およびモノマー(B−2)が好ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレートがとくに好ましい。
【0020】
重合成分中の親水性モノマー(B)の含有量は、グリスニングの低下を促進させる効果を充分に発現させるためには、7重量%以上、好ましくは10重量%以上であることが望ましく、また軟質眼内レンズ用材料の形状回復性や屈折率が低下したり、柔軟性も低下するといったおそれをなくすためには、45重量%以下、好ましくは42重量%以下であることが望ましい。
【0021】
本発明に用いられる重合体をうるための重合成分として、前記親水性モノマー(B)のほかに、かかる親水性モノマー(B)と共重合可能な
【0022】
般式(I):
【0023】
【化2】
Figure 0003641110
【0024】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子が1個またはそれ以上の置換基、たとえば炭素数1〜10のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子など、で置換されていてもよい芳香族環、Xは酸素原子または直接結合、nは0または1〜5の整数を示す)で表わされる芳香族環含有(メタ)アクリレート(以下、(メタ)アクリレート(A)という)、前記モノマー(B−1)以外のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレート(以下、アルキル(メタ)アクリレート(C)という)、架橋性モノマー(以下、架橋性モノマー(D)という)などが使用される。
【0025】
前記(メタ)アクリレート(A)は、えられる軟質眼内レンズ用材料の屈折率を向上させる作用を有する成分である。
【0026】
(メタ)アクリレート(A)の具体例としては、たとえばフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ペンタブロモフェニル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、えられる軟質眼内レンズ用材料の屈折率を高める効果が大きいという点から、フェノキシエチルアクリレート、フェニルエチルアクリレートおよびベンジルアクリレートから選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましく、また前記屈折率のほかに、あわせて柔軟性をさらに向上させることができるという点から、フェノキシエチルアクリレートがとくに好ましい。
【0027】
前記アルキル(メタ)アクリレート(C)は、えられる軟質眼内レンズ用材料の形状回復性および柔軟性を向上させる作用を有する成分である。
【0028】
アルキル(メタ)アクリレート(C)の具体例としては、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ノニルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル(メタ)アクリレート;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有アルキル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、えられる軟質眼内レンズ用材料の形状回復性および柔軟性の向上効果が大きいという点から、アルキル基の炭素数が1〜5のアルキルアクリレートが好ましく、エチルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートを用いることがとくに好ましい。
【0029】
前記架橋性モノマー(D)は、えられる軟質眼内レンズ用材料の柔軟性をコントロールし、良好な機械的強度を付与し、形状回復性をさらに向上させ、また親水性モノマー(B)や他の重合性モノマーなどの重合成分同士の共重合性を向上させる作用を有する成分である。
【0030】
架橋性モノマー(D)の具体例としては、たとえばブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルジイソシアネート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、柔軟性をコントロールし、良好な機械的強度を付与し、形状回復性および共重合性を向上させる効果が大きいという点から、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートおよびエチレングリコールジ(メタ)アクリレートがとくに好ましい。
【0031】
重合成分中の親水性モノマー(B)以外の重合性モノマーの含有量は、前記親水性モノマー(B)による効果が充分に発現されるようにすることや、各重合性モノマーそれぞれによる効果が充分に発現されるようにすること、重合成分同士の共重合性が維持されるようにすることなどを考慮して適宜調整することが好ましく、親水性モノマー(B)とあわせて重合成分全量が100重量%となるようにすればよい。すなわち、重合成分中の親水性モノマー(B)以外の重合性モノマーの含有量は、55重量%以上、好ましくは58重量%以上であることが望ましく、また93重量%以下、好ましくは90重量%以下であることが望ましい。
【0032】
なお、本発明においては、えらえる軟質眼内レンズ用材料の柔軟性が向上し、高屈折率が付与され、すぐれた透明性が温度変化にかかわらず維持されてグリスニングが起こらないといった効果がより顕著に発現されるという点から、前記(メタ)アクリレート(A)、モノマー(B−1)、モノマー(B−2)およびモノマー(B−3)から選ばれた少なくとも1種の親水性モノマー(B)、アルキル(メタ)アクリレート(C)ならびに架橋性モノマー(D)を含有した重合成分を重合させてえられた重合体を用いることがとくに好ましい。
【0033】
前記のごとき(メタ)アクリレート(A)、親水性モノマー(B)、アルキル(メタ)アクリレート(C)および架橋性モノマー(D)を組み合わせて用いるばあいにの各成分の量は、以下のように調整することが好ましい。
【0034】
前記(メタ)アクリレート(A)とアルキル(メタ)アクリレート(C)とは、えられる軟質眼内レンズ用材料の屈折率を充分に高めるためには、両者の重量比((メタ)アクリレート(A)/アルキル(メタ)アクリレート(C))が10/90以上、好ましくは15/85以上となるようにすることが望ましく、また軟質眼内レンズ用材料の形状回復性の向上効果および柔軟性をコントロールする効果を充分に発現させるためには、該重量比が95/5以下、好ましくは80/20以下となるようにすることが望ましい。
【0035】
また、前記親水性モノマー(B)の量は、グリスニングの低下を促進させる効果を充分に発現させるためには、(メタ)アクリレート(A)とアルキル(メタ)アクリレート(C)との合計量100部に対して10部以上、好ましくは13部以上となるようにすることが望ましく、また軟質眼内レンズ用材料の形状回復性および屈折率が低下するほか、柔軟性までもが低下するおそれをなくすためには、前記合計量100部に対して45部以下、好ましくは42部以下となるようにすることが望ましい。
【0036】
また、前記架橋性モノマー(D)の量は、えられる軟質眼内レンズ用材料の柔軟性をコントロールし、形状回復性および共重合性を向上させる効果を充分に発現させるためには、(メタ)アクリレート(A)とアルキル(メタ)アクリレート(C)との合計量100部に対して0.1部以上、好ましくは0.5部以上となるようにすることが望ましく、また軟質眼内レンズ用材料の柔軟性が低下したり、かえって形状回復性が低下するおそれをなくすためには、前記合計量100部に対して10部以下、好ましくは5部以下となるようにすることが望ましい。
【0037】
さらに、本発明においては、安全性の観点から、軟質眼内レンズ用材料から溶出しにくい紫外線吸収剤や色素などを、必要に応じて重合成分に加えることができる。
【0038】
前記紫外線吸収剤の代表例としては、たとえば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリルオキシエチレンオキシ−t−ブチルフェニル)−5−メチル−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2(3′−t−ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール類、サリチル酸誘導体類、ヒドロキシアセトフェノン誘導体類などがあげられる。また、これらの紫外線吸収剤と同様の化学構造部分を有し、かつ本発明における重合成分と重合しうる部分を有する反応性紫外線吸収剤を使用することもできる。これらは、通常単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0039】
前記紫外線吸収剤の配合量は、えられる軟質眼内レンズ用材料に充分に紫外線吸収性を付与するためには、重合成分全量100部に対して0.01部以上、なかんづく0.05部以上となるように調整することが好ましく、また重合時に気泡が発生したり、重合速度が小さくなったり、また充分な重合度がえられなくなるおそれをなくすためには、重合成分全量100部に対して5部以下、なかんづく3部以下となるように調整することが好ましい。
【0040】
前記色素は、白内障の手術後の無水晶体患者に生ずる青視症を軟質眼内レンズによって補正するばあい、黄色ないし橙色の色素であることが望ましい。前記色素の代表例としては、たとえばカラーインデックス(CI)に記載されたCIソルベントイエロー(Solvent Yellow)、CIソルベントオレンジ(Solvent Orange)などの油溶性染料、CIディスパースイエロー(Disperse Orange)、CIディスパースオレンジ(Disperse Orange)などの分散染料、バット系染料などがあげられる。また、これらの色素と同様の化学構造部分を有し、かつ本発明における重合成分と重合しうる部分を有する反応性色素を使用することもできる。これらは、通常単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
前記色素の配合量は、えられる軟質眼内レンズ用材料が充分に着色されるようにするためには、重合成分全量100部に対して0.001部以上、なかんづく0.01部以上となるように調整することが好ましく、また過剰に濃く着色されるおそれをなくすためには、重合成分全量100部に対して5部以下、なかんづく3部以下となるように調整することが好ましい。
【0042】
前記親水性モノマー(B)および他の重合性モノマーを含有した重合成分に、たとえば必要により紫外線吸収剤や色素などを配合したのち、たとえばラジカル重合開始剤を添加して通常の方法で重合させることにより、本発明の軟質眼内レンズ用材料をうることができる。
【0043】
前記通常の方法とは、たとえば重合の際に一般に用いられているラジカル重合開始剤を重合成分に配合したのち、室温〜約130℃の温度範囲で徐々に加熱するか、マイクロ波、紫外線、放射線(γ線)などの電磁波を照射して重合を行なう方法である。なお、加熱重合させるばあいには、段階的に昇温させてもよい。また、重合は、塊状重合法によってなされてもよいし、溶媒などを用いた溶液重合法によってなされてもよく、またその他の方法によってなされてもよい。
【0044】
前記ラジカル重合開始剤の代表例としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0045】
なお、光線などを利用して重合させるばあいには、光重合開始剤や増感剤をさらに添加することが好ましい。
【0046】
前記光重合開始剤の代表例としては、たとえばメチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられる。
【0047】
前記重合開始剤や増感剤の使用量は、充分な速度で重合反応を進行させるためには、重合成分全量100部に対して0.002部以上、なかんづく0.01部以上となるように調整することが好ましく、またえられる軟質眼内レンズ用材料に気泡が発生するおそれをなくすためには、重合成分全量100部に対して10部以下、なかんづく2部以下となるように調整することが好ましい。
【0048】
本発明の軟質眼内レンズ用材料を、軟質眼内レンズに成形するばあいには、当業者が通常行なっている成形方法を採用することができる。かかる成形方法としては、たとえば切削加工法や鋳型(モールド)法などがある。切削加工法は、重合成分の重合を、眼内レンズに成形しやすいような適当な型または容器中で行ない、棒状、ブロック状、板状などの素材(重合体)をえたのち、切削加工、研磨加工などの機械的加工により所望の形状に加工する方法である。また鋳型法は、所望の眼内レンズの形状に対応した型を用意し、この型のなかで前記重合成分の重合を行なって重合体(成形物)をえ、必要に応じて機械的に仕上げ加工を施す方法である。なお、前記重合成分の重合を行なう型や容器としては、たとえばガラス製、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック製などのものを用いることができる。
【0049】
また、これらの方法とは別に、たとえば軟質眼内レンズ用材料に硬質性を与えるモノマーを含浸させ、しかるのちに該モノマーを重合せしめ、全体より硬質化し、切削加工を施し、所望の形状に加工した成形品から硬質ポリマーを除去し、軟質眼内レンズ用材料からなる成形品(軟質眼内レンズ)をうる方法(特開昭62−278041号公報、特開平1−11854号公報)なども本発明において適用することができる。
【0050】
さらに、本発明の軟質眼内レンズ用材料から軟質眼内レンズをうるばあいには、レンズの支持部をレンズとは別に作製し、たとえばレンズに孔をあけ、その孔に成形した支持部を通すなどして、あとで支持部をレンズに取付けてもよいし、レンズと同時に(一体的に)成形してもよい。
【0051】
かくしてえられる本発明の軟質眼内レンズ用材料は、吸水率が1.5〜4.5重量%のものであり、前記したように、このような特定の吸水率を有し、構成単位として親水性モノマー(B)に基づく単位を含んだ非含水性の材料であるので、従来の材料のようにグリスニングが起こることがなく、すぐれた透明性を維持しうる。かかる軟質眼内レンズ用材料の吸水率は、わずかな温度変化によってもグリスニングが起こってしまうことから、1.5重量%以上であるが、温度変化が大きいばあいであっても、よりグリスニングが起こりにくいという点から、好ましくは1.6重量%以上であり、またグリスニングの問題は生じないものの、柔軟性が低下するうえ、形状回復性が低下することから、4.5重量%以下であるが、かかる柔軟性の低下や形状回復性の低下がより起こりにくいという点から、好ましくは4.4重量%以下である。
【0052】
なお、本発明において、吸水率とは以下の式に基づいて求められた値をいう。
【0053】
吸水率(重量%)={(W−W0)/W0}×100
(ただし、25℃における厚さが1.0mmの試験片についての値であり、式中、Wは平衡含水状態での試験片の重量(g)を示し、W0は乾燥状態での試験片の重量(g)を示す。)
本発明の軟質眼内レンズ用材料は、前記したように、温度変化が生じたとしてもグリスニングが起こらないといったすぐれた特性を有するものであるが、かかる温度変化とは、通常眼内レンズが使用される環境温度、すなわち一般的な体温の36〜37℃程度の温度を含む範囲での温度変化が考えられ、たとえば40℃程度から25℃程度へといった約15℃の、少なくとも40℃程度から35℃程度へといった約5℃の温度変化である。
【0054】
このように、本発明の軟質眼内レンズ用材料は、柔軟性にすぐれ、高屈折率を有することから、レンズを薄くすることができ、折りたたんで小さい切開創から挿入することが可能であり、しかも透明性にすぐれ、かつグリスニングが起こらない軟質眼内レンズ用材料を与えることができる。
【0055】
【実施例】
つぎに、本発明の軟質眼内レンズ用材料を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
実施例1〜20および比較例1〜6
表1〜2に示す重合成分および重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を重合成分全量100部に対して1部混合し、これを所望の眼内レンズ形状の鋳型内に注入し、この鋳型をオーブン中に入れて50℃で24時間にわたって加熱重合成形を行なった。こののち、鋳型を循環乾燥器内に移し、65〜130℃まで1時間につき10℃の割合で昇温させたのち室温まで徐冷した。ついで、光照射装置(松下電器産業(株)製のブラックライト)を用いて1時間にわたって光照射を行なった。こののち、えられた重合体を鋳型から脱型し、さらにオーブン中にて50℃で2日間乾燥させ、厚さ1mmの軟質眼内レンズ用材料を作製した。
【0057】
なお、表1〜2中の各略号は以下に示すとおりである。
【0058】
((メタ)アクリレート(A))
POEA:2−フェノキシエチルアクリレート
POEMA:2−フェノキシエチルメタクリレート
PEA:フェニルエチルアクリレート
PEMA:フェニルエチルメタクリレート
(親水性モノマー(B))
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
HBMA:2−ヒドロキシブチルメタクリレート
(アルキル(メタ)アクリレート(C))
EA:エチルアクリレート
iBuA:イソブチルアクリレート
3FEA:2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート
(架橋性モノマー(D))
BDDA:ブタンジオールジアクリレート
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
BDDMA:ブタンジオールジメタクリレート
また、表1〜2中の親水性モノマー(B)および架橋性モノマー(D)の量は、それぞれ(メタ)アクリレート(A)と、アルキル(メタ)アクリレート(C)との合計量100部に対する量である。
【0059】
【表1】
Figure 0003641110
【0060】
【表2】
Figure 0003641110
【0061】
つぎに、えられた軟質眼内レンズ用材料の物性として、吸水率、透明性(グリスニング評価)、柔軟性および形状回復性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示す。
【0062】
(イ)吸水率
軟質眼内レンズ用材料から厚さ1.0mmの試験片を作製し、この試験片の25℃における吸水率を以下の式に基づいて求めた。
【0063】
吸水率(重量%)={(W−W0)/W0}×100
(ただし、Wは平衡含水状態での試験片の重量(g)を示し、W0は乾燥状態での試験片の重量(g)を示す。)
(ロ)透明性(グリスニング評価)
軟質眼内レンズ用材料を40℃の水中に3時間浸漬させ、ついで25℃または35℃の水中に1時間浸漬させたのち、この軟質眼内レンズ用材料の外観(透明性)を、投影機((株)ニコン製のV−12B)を用いて透過光を照射して目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0064】
(評価基準)
A:水中において、40℃から25℃への温度変化ののちであっても、すぐれた透明性が維持されている。
B:水中において、40℃から25℃への温度変化ののちにわずかに白濁が認められるが、40℃から35℃への温度変化ののちにはすぐれた透明性が維持されている。
C:水中において、40℃から25℃への温度変化ののちには白濁がいちじるしく、40℃から35℃への温度変化ののちであっても白濁が認められる。
D:水中にいて、40℃から35℃への温度変化ののちであっても、白濁がいちじるしい。
E:温度変化にかかわらず、はじめから材料が白濁していて不透明である。
なお、かかるグリスニング評価は、実際に眼内レンズを人体の眼内に埋植する眼科手術で生じると考えられる眼内の温度変化に基づいてなされたものである。すなわち、室温にある眼内レンズを人体の眼内に移植すると、そののち、炎症により眼内が40℃程度まで上昇し、これがおさまると、眼内の温度は体温まで回復して温度下降が生じると思われ、それによって眼内レンズでグリスニングが起こるものと考えられる。したがって、このような40℃からたとえば36〜37℃といった通常の体温への温度下降よりもさらに大きな35℃、25℃への温度下降の際のグリスニングについて調べたものである。
【0065】
(ハ)柔軟性
乾燥状態の軟質眼内レンズ用材料を、25℃にてピンセットを用いて2つに折りたたんだときの状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
【0066】
(評価基準)
A:余分な力をかけずにきわめて容易に折りたたむことができる。
B:少し力を入れることによって容易に折りたたむことができる。
C:折りたたむことができるが、かなり余分な力が必要である。
D:折りたたむことができない。
【0067】
(ニ)形状回復性
軟質眼内レンズ用材料をピンセットを用いて2つ折りにして重ねあわせ、そのままの状態で1分間保持したのち材料を放したときの状態を以下の評価基準に基づいて評価した。
【0068】
(評価基準)
A:もとの形状に回復するのに要した時間が30秒間未満であった。
B:もとの形状に回復するのに要した時間が30秒間以上、1分間未満であった。
C:もとの形状に回復するのに要した時間が1分間以上、3分間未満であった。
D:もとの形状に回復するのに要した時間が3分間以上であったか、またはもとの形状に回復しなかった。
【0069】
【表3】
Figure 0003641110
【0070】
表3に示された結果から、実施例1〜20でえられた軟質眼内レンズ用材料は、いずれも1.7〜4.4重量%の吸水率を有するものであり、5〜15℃の温度下降ののちでもすぐれた透明性が維持されてグリスニングが起こっておらず、柔軟性および形状回復性にもすぐれたものであることがわかる。
【0071】
とくに、実施例1〜11および19〜20においては、親水性モノマー(B)として2−ヒドロキシエチルメタクリレートが用いられているので、えられた軟質眼内レンズ用材料は、とくに15℃の温度下降ののちでもグリスニングがまったく起こっていないものであることがわかる。
【0072】
これに対して、比較例1〜5でえられた軟質眼内レンズ用材料は、いずれも吸水率が1.5重量%未満であり、グリスニングの発生がいちじるしいものであることがわかる。
【0073】
また、比較例6でえられた材料は、吸水率が4.5重量%をこえており、グリスニングの発生がないものの、柔軟性および形状回復性に劣るものであることがわかる。
【0074】
さらに、比較例3および5においては、親水性モノマー(B)が用いられているにもかかわらずグリスニングが生じていることから、親水性モノマー(B)に基づく単位を有し、かつ吸水率が1.5〜4.5重量%、とくに1.5重量%以上といった特定の値を有するばあいに、グリスニングの発生を抑制する効果が発現されることがわかる。
【0075】
つぎに、実施例5および比較例2でえられた軟質眼内レンズ用材料からダンベル形状の試験片を作製し、インストロンジャパン(株)製の引張強度試験機(Model 4301)を用い、引張速度100mm/分にてこの試験片の引張試験を行ない、破断時の伸び率(%)を測定した。
【0076】
その結果、実施例5の試験片は143%であり、比較例2の試験片は94%であったことから、実施例5の軟質眼内レンズ用材料は柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するものであることがわかる。
【0077】
【発明の効果】
本発明の軟質眼内レンズ用材料は、柔軟性にすぐれ、高屈折率を有することから、レンズを薄くすることができ、折りたたんで小さい切開創から挿入することが可能であり、しかも透明性にすぐれ、かつグリスニングが起こらない軟質眼内レンズを与えることができるという効果を奏する。

Claims (10)

  1. (A)一般式(I):
    Figure 0003641110
    (式中、R 1 は水素原子またはメチル基、R 2 は水素原子が置換基で置換されていてもよい芳香族環、Xは酸素原子または直接結合、nは0または1〜5の整数を示す)で表わされる芳香族環含有(メタ)アクリレート、
    (B)アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドモノマーおよびN−ビニルラクタムから選ばれた少なくとも1種の親水性モノマー、
    (C)前記アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレートならびに
    (D)架橋性モノマー
    を含有した重合成分を重合させてえられた重合体からなり、前記重合成分が、(A)成分/(C)成分=10/90〜95/5(重量比)の割合で含有される(A)成分および(C)成分の合計量100重量部に対し、(B)成分が10〜45重量部および(D)成分が0.1〜10重量部の割合であり、吸水率が1.5〜4.5重量%である軟質眼内レンズ用材料。
  2. (A)一般式(I)で表わされる芳香族環含有(メタ)アクリレートがフェノキシエチルアクリレート、フェニルエチルアクリレートおよびベンジルアクリレートから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の軟質眼内レンズ用材料。
  3. (B)アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドモノマーおよびN−ビニルラクタムから選ばれた少なくとも1種の親水性モノマーが、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドンおよびN,N−ジメチルアクリルアミドから選ばれる請求項1または記載の軟質眼内レンズ用材料。
  4. アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートが2−ヒドロキシエチルメタクリレートである請求項1、または記載の軟質眼内レンズ用材料。
  5. (C)アルキル基の炭素数が1〜20の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル基の炭素数が1〜20のアルキル(メタ)アクリレートがエチルアクリレートおよび/またはブチルアクリレートである請求項1、2、3または記載の軟質眼内レンズ用材料。
  6. (D)架橋性モノマーがブタンジオールジ(メタ)アクリレートまたはエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである請求項1、2、3、4または記載の軟質眼内レンズ用材料。
  7. 重合成分が紫外線吸収剤および/または色素を含有したものである請求項1、2、3、4、5または記載の軟質眼内レンズ用材料。
  8. 色素が黄色ないし橙色の色素である請求項記載の軟質眼内レンズ用材料。
  9. 紫外線吸収剤の配合量が、重合成分全量100重量部に対して0.01〜5重量部である請求項記載の軟質眼内レンズ用材料。
  10. 色素の配合量が、重合成分全量100重量部に対して0.001〜5重量部である請求項または記載の軟質眼内レンズ用材料。
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