JP3640756B2 - 有機光導電性材料及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機光導電性材料及びそれを用いた電子写真感光感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の利用は複写機の分野に限らず印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルムなどの従来では写真技術が使われていた分野へ広がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速プリンターへの応用も検討されている。また最近では光導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記録素子、センサー材料、EL素子などへの応用も検討され始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつある。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコンなどが知られており、広く研究され、かつ実用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えばセレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】
これに対し、有機系の光導電性物質は成膜性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性もよく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感光体の設計が容易であるなどの利点を有していることから、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】
ところで、電子写真技術に於て使用される感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が要求される。即ち、(1)暗所におけるコロナ放電に対して帯電性が高いこと、(2)得られた帯電電荷の暗所での漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3)光の照射によって帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4)光照射後の残留電荷が少ないことなどである。
【0005】
しかしながら、今日まで有機系光導電性物質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これらは必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備しているとはいい難い。
【0006】
一方、有機系の低分子光導電性化合物については、感光体形成に用いる結着剤などを選択することにより、皮膜性や接着性、可撓性など機械的強度に優れた感光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】
このような点を改良するために電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択できることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0008】
このうち、電荷発生機能を担当する物質としては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料などの多種の物質が検討され、中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料においては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明らかになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性などの要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】
一方、電荷輸送機能を担当する物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。正孔輸送物質としてはヒドラゾン化合物やスチルベン化合物など、電子輸送物質としては2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、ジフェノキノン誘導体など多種の物質が検討され、実用化も進んでいるが、こちらも膨大な合成研究を積み重ねて最適の構造を探索しているのが実情である。事実、これまでに多くの改良がなされてきたが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性などの要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0010】
以上述べたように電子写真感光体の作製には種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体として要求される基本的な性質や高い耐久性などの要求を十分に満足するものは未だ得られていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電電位が高く高感度で、繰返し使用しても諸特性が変化せず安定した性能を発揮できる電子写真感光体及びセンサー材料、EL素子、静電記録素子などにも使用可能な有機光導電性材料を提供することである。更に、本発明の別の目的は、製造が容易であり、かつ結着剤との相溶性に優れる電子写真感光体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく光導電性材料の研究を行なった結果、特定の構造を有する有機光導電性材料が有効であることを見出し、本発明に至った。上記で特定の構造を有する有機光導電性材料とは、下記一般式(1)、または(2)で示される化合物である。
【0013】
【化2】
【0014】
一般式(1)、または(2)において、Aは置換基を有していてもよいアルケニル基、またはシクロアルケニル基を示し、R1、及びR2は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアルケニル基を示す。R3、R4、R7、及びR8は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、またはハロゲン原子を示す。R5、及びR6は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環を示すが、R5、R6が同時に水素原子になることはない。m、n、p、及びqは0〜2までの整数を示す。Z1、Z2、Z3、及びZ4は一般式(3)を示し、Z1とZ2、あるいはZ3とZ4が同一になることはない。R9、及びR10は水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよい複素環を示す。但し、R9、R10のどちらか一方は必ずアリール基、または複素環を有する。
【0015】
ここでAの具体例としては、ビニル基などのアルケニル基、または1−シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基を挙げることができる。また、Aは置換基を有していてもよいが、その置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などを挙げることができる。
【0016】
また、R1、及びR2の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、またはビニル基などのアルケニル基を挙げることができる。また、R1、及びR2は置換基を有していてもよいが、その置換基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、または上述のアルキル基などを挙げることができる。
【0017】
またR3、R4、R7、及びR8の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子などを挙げることができる。
【0018】
またR5、及びR6の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、またはフリル基、チエニル基、インドリル基などの複素環などを挙げることができる。また、R5、R6は置換基を有していてもよいが、その置換基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子、または上述のアルキル基などを挙げることができる。
【0019】
また、R9、及びR10の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、またはフリル基、チエニル基、インドリル基などの複素環を挙げることができる。また、R9、R10は置換基を有していてもよいが、その置換基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基などのアリールオキシ基、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子、上述のアルキル基、または上述のアリール基などを挙げることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の有機光導電性材料は、適度な結晶性を有しているために精製が容易であり、かつ結着剤との相溶性もよい。従って、感光体作製後、感光体表面で結晶化することなく、安定した被膜を形成することが可能である。
【0021】
本発明にかかわる一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料の具体例としては、以下に示すC−01〜88の構造を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
本発明の一般式(1)、または(2)で示される有機光導電材料を含有する感光層を含む電子写真感光体の形態は、そのいずれを用いることもできる。例えば、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、及びフィルム形成性結着剤樹脂からなる感光層を設けたものがある。また、導電性支持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることもできる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支持体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施した紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状あるいはベルト状の支持体などが使用される。
【0037】
本発明の電子写真感光体は、一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料及び電荷発生物質をそれぞれ1種類あるいは2種類以上含有することにより得られる。電荷発生物質には無機系電荷発生物質と有機系電荷発生物質があり、前者の例としては例えばセレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコンなどが挙げられる。有機系電荷発生物質の例としては、例えばメチルバイオレット、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレットなどのトリフェニルメタン系染料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キニザリンなどのキノン染料、シアニン染料、アクリジン染料、ピリリウム色素、チアピリリウム色素、スクエアリウム色素、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、金属含有あるいは無金属のフタロシアニン系顔料などが挙げられ、また、アゾ顔料も用いられる。
【0038】
アゾ顔料としては、例えば特開昭47−37543号公報、特開昭53−95033号公報、特開昭53−132347号公報、特開昭53−133445号公報、特開昭54−12742号公報、特開昭54−20736号公報、特開昭54−20737号公報、特開昭54−21728号公報、特開昭54−22834号公報、特開昭55−69148号公報、特開昭55−69654号公報、特開昭55−79449号公報、特開昭55−117151号公報、特開昭56−46237号公報、特開昭56−116039号公報、特開昭56−116040号公報、特開昭56−119134号公報、特開昭56−143437号公報、特開昭57−63537号公報、特開昭57−63538号公報、特開昭57−63541号公報、特開昭57−63542号公報、特開昭57−63549号公報、特開昭57−66438号公報、特開昭57−74746号公報、特開昭57−78542号公報、特開昭57−78543号公報、特開昭57−90056号公報、特開昭57−90057号公報、特開昭57−90632号公報、特開昭57−116345号公報、特開昭57−202349号公報、特開昭58−4151号公報、特開昭58−90644号公報、特開昭58−144358号公報、特開昭58−177955号公報、特開昭59−31962号公報、特開昭59−33253号公報、特開昭59−71059号公報、特開昭59−72448号公報、特開昭59−78356号公報、特開昭59−136351号公報、特開昭59−201060号公報、特開昭60−15642号公報、特開昭60−140351号公報、特開昭60−179746号公報、特開昭61−11754号公報、特開昭61−90164号公報、特開昭61−90165号公報、特開昭61−90166号公報、特開昭61−112154号公報、特開昭61−269165号公報、特開昭61−281245号公報、特開昭61−51063号公報、特開昭62−267363号公報、特開昭63−68844号公報、特開昭63−89866号公報、特開昭63−139355号公報、特開昭63−142063号公報、特開昭63−183450号公報、特開昭63−282743号公報、特開昭64−21455号公報、特開昭64−78259号公報、特開平1−200267号公報、特開平1−202757号公報、特開平1−319754号公報、特開平2−72372号公報、特開平2−254467号公報、特開平3−95561号公報、特開平3−278063号公報、特開平4−96068号公報、特開平4−96069号公報、特開平4−147265号公報、特開平5−142841号公報、特開平5−303226号公報、特開平6−324504号公報、特開平7−168379号公報などに記載の化合物が挙げられる。
【0039】
また、これらのアゾ顔料に用いられるカプラー成分の構造は多岐に渡る。例えば特開昭54−17735号公報、特開昭54−79632号公報、特開昭57−176055号公報、特開昭59−197043号公報、特開昭60−130746号公報、特開昭60−153050号公報、特開昭60−103048号公報、特開昭60−189759号公報、特開昭63−131146号公報、特開昭63−155052号公報、特開平2−110569号公報、特開平4−149448号公報、特開平6−27705号公報、特開平6−348047号公報などに記載の化合物が挙げられる。
【0040】
上記アゾ顔料の具体例は以下に示すB−1〜40に示す化合物と表1〜14に示すカプラーとの組み合わせからなる全ての化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物と他の電荷発生物質を併用することも可能である。
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】
【表14】
【0062】
本発明において使用するフタロシアニン系顔料としては、それ自体公知のフタロシアニン及びその誘導体のいずれでも使用でき、具体的には、無金属フタロシアニン類、チタニルオキシフタロシアニン類、銅フタロシアニン類、アルミニウムフタロシアニン類、ジフェノキシゲルマニウムフタロシアニン類、ゲルマニウムフタロシアニン類、ガリウムフタロシアニン類、クロロガリウムフタロシアニン類、ブロモガリウムフタロシアニン類、クロロインジウムフタロシアニン類、ブロモインジウムフタロシアニン類、ヨードインジウムフタロシアニン類、マグネシウムフタロシアニン類、クロロアルミニウムフタロシアニン類、ブロモアルミニウムフタロシアニン類、スズフタロシアニン類、ジクロロスズフタロシアニン類、バナジルオキシフタロシアニン類、亜鉛フタロシアニン類、コバルトフタロシアニン類、ニッケルフタロシアニン類、ヒドロキシガリウムフタロシアニン類、ジヒドロキシガリウムフタロシアニン類、バリウムフタロシアニン類、ベリリウムフタロシアニン類、カドミウムフタロシアニン類、クロロコバルトフタロシアニン類、ジクロロチタニルフタロシアニン類、鉄フタロシアニン類、シリコンフタロシアニン類、鉛フタロシアニン類、白金フタロシアニン類、無金属ナフタロシアニン類、アルミニウムナフタロシアニン類、チタニルオキシナフタロシアニン類、ルテニウムフタロシアニン類、パラジウムフタロシアニン類などが挙げられる。特にその中でも無金属フタロシアニン、チタニルオキシフタロシアニン、銅フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、バナジルオキシフタロシアニン、ジフェノキシゲルマニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが本発明では好ましく用いられる。
【0063】
また、フタロシアニン系顔料は結晶多型の化合物として知られ、各種結晶型のフタロシアニン系顔料が見出されている。これらの結晶型や製造方法に関する記述として、無金属フタロシアニンは、特公昭49−4338号公報、特開昭58−182639号公報、特開昭60−19151号公報、特開昭62−47054号公報、特開昭62−143058号公報、特開昭63−286857号公報、特開平1−138563号公報、特開平1−230581号公報、特開平2−233769号公報、更にはJ.Phys.Chem.72,3230(1968)に記載されているものを挙げることができる。
【0064】
チタニルオキシフタロシアニンは、特開昭61−217050号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭62−229253号公報、特開昭63−364号公報、特開昭63−365号公報、特開昭63−366号公報、特開昭63−37163号公報、特開昭63−80263号公報、特開昭63−116158号公報、特開昭63−198067号公報、特開昭63−218768号公報、特開昭64−17066号公報、特開平1−123868号公報、特開平1−138562号公報、特開平1−153757号公報、特開平1−172459号公報、特開平1−172462号公報、特開平1−189200号公報、特開平1−204969号公報、特開平1−207755号公報、特開平1−299874号公報、特開平2−8256号公報、特開平2−99969号公報、特開平2−131243号公報、特開平2−165156号公報、特開平2−165157号公報、特開平2−215866号公報、特開平2−267563号公報、特開平2−297560号公報、特開平3−35064号公報、特開平3−54264号公報、特開平3−84068号公報、特開平3−94264号公報、特開平3−100658号公報、特開平100659号公報、特開平3−123359号公報、特開平3−199268号公報、特開平3−200790号公報、特開平3−269064号公報、特開平4−145166号公報、特開平4−145167号公報、特開平4−153273号公報、特開平4−159373号公報、特開平4−179964号公報、特開平5−202309号公報、特開平5−279592号公報、特開平5−289380号公報、特開平6−336554号公報、特開平7−82503号公報、特開平7−82505号公報、更には特開平8−110649号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0065】
また、銅フタロシアニンは、特公昭52−1667号公報、特開昭51−108847号公報、特開昭55−60958号公報に記載されているものや、更にはγ型、π型、χ型、ρ型などが知られておりこれらを挙げることができる。クロロアルミニウムフタロシアニンは、特開昭58−158649号公報、特開昭62−133462号公報、特開昭62−163060号公報、特開昭63−43155号公報、更には特開昭64−70762号公報に、クロロインジウムフタロシアニンは特開昭59−44054号公報、特開昭60−59355号公報、特開昭61−45249号公報、更には特開平7−13375号公報に、バナジルオキシフタロシアニンは、特開昭63−18361号公報、特開平1−204968号公報、特開平268763号公報、特開平3−269063号公報、更には特開平7−247442号公報に、ジフェノキシフタロシアニンは、特開平4−360150号公報に、クロロガリウムフタロシアニンは、特開平5−194523号公報、更には特開平7−102183号公報に、ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、特開平5−263007号公報、更には特開平7−53892号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0066】
本発明の一般式(1)、または(2)で示される有機光導電材料を含む感光層を形成するために用いるフィルム形成性結着剤樹脂としては利用分野に応じて種々のものがあげられる。例えば複写用感光体の用途ではポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢ビ・クロトン酸共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂などは感光体としての電位特性に優れている。また、これらの樹脂は、単独あるいは共重合体のいずれでもよく、またこれらを1種または2種以上を混合して用いることができる。これら結着剤樹脂の光導電性化合物に対して加える量は、20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。
【0067】
積層型感光体の場合、電荷発生層に含有されるこれらの樹脂は、電荷発生物質に対して10〜500重量%が好ましく、50〜150重量%がより好ましい。樹脂の比率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また樹脂の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。また、電荷輸送層に含有されるこれらの樹脂は、電荷輸送物質に対して20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。樹脂の比率が高すぎると感度が低下し、また、樹脂の比率が低くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くおそれがある。
【0068】
これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、圧縮などの機械的強度に弱いものがある。この性質を改良するために、可塑性を与える物質を加えることができる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、DBPなど)、リン酸エステル(例えばTCP、TOPなど)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニトリルゴム、塩素化炭化水素などが挙げられる。これらの物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20重量%以下が好ましい。
【0069】
その他、感光体中への添加物として酸化防止剤やカール防止剤など、塗工性の改良のためレベリング剤などを必要に応じて添加することができる。
【0070】
一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料は更に他の電荷輸送物質と組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例としては、例えば特公昭34−5466号公報などに示されているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報などに示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報などに示されているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報などに示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報などに示されているオキサジアゾール類などを挙げることができる。一方、電子輸送物質としては、例えばクロラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシドなどがある。これらの電荷輸送物質は単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0071】
また、一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料と電荷移動錯体を形成し、更に増感効果を増大させる増感剤として、ある種の電子吸引性化合物を添加することもできる。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、フェナントレンキノンなどのキノン類、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−ジニトロベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノンなどのケトン類、無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物などの酸無水物、テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリルなどのシアノ化合物、3−ベンザルフタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリドなどのフタリド類などを挙げることができる。
【0072】
本発明の有機光導電性材料は、感光体の形態に応じて上記の種々の添加物質と共に適当な溶剤中に溶解または分散し、その塗布液を先に述べた導電性支持体上に塗布し、乾燥して感光体を製造することができる。
【0073】
塗布溶剤としてはクロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、ギ酸メチル、メチルセロソルブアセテートなどのエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶剤及びn−ブタノール、2−プロパノールなどのアルコール系溶剤などを挙げることができる。これらの溶剤は単独または2種以上の混合溶剤として使用することができる。
【0074】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0075】
【化24】
【0076】
合成例1 例示化合物(C−04)の合成
上記(4)で示されるアルデヒド体1.50g、及びジエチルベンジルフォスフォネート1.04gを溶かした1,2−ジメトキシエタン50ml溶液に、室温で撹拌下、カリウムt−ブトキシド0.76gをゆっくりと加えた。30分撹拌を続けた後、反応液を500mlの氷水に注ぎ込んで反応を停止し、酢酸エチルで有機成分を抽出した。分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(C−04)を1.78g得た。融点115℃。
【0077】
【化25】
【0078】
合成例2 例示化合物(C−19)の合成
上記(5)で示されるアルデヒド体1.50g、及びジエチル−p−トリルフォスフォネート1.02gを溶かした1,2−ジメトキシエタン50ml溶液に、室温で撹拌下、カリウムt−ブトキシド0.60gをゆっくりと加えた。30分撹拌を続けた後、反応液を500mlの氷水に注ぎ込んで反応を停止し、酢酸エチルで有機成分を抽出した。分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(C−20)を1.60g得た。融点100℃。
【0079】
合成例3 例示化合物(C−58)の合成
合成例2で得た例示化合物(C−19)1.02gを溶かしたN,N−ジメチルホルムアミド5ml溶液に、室温で撹拌下、カリウムt−ブトキシド0.22gを加えた。90分撹拌を続けた後、反応液を500mlの氷水に注ぎ込んで反応を停止し、酢酸エチルで有機成分を抽出した。分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(C−58)を0.55g得た。融点102℃。
【0080】
【化26】
【0081】
合成例4 例示化合物(C−71)の合成
上記(6)で示されるアルデヒド体1.96g、及びジエチル−p−トリルフォスフォネート1.05gを溶かした1,2−ジメトキシエタン80ml溶液に、室温で撹拌下、カリウムt−ブトキシド0.74gをゆっくりと加えた。30分撹拌を続けた後、反応液を500mlの氷水に注ぎ込んで反応を停止し、酢酸エチルで有機成分を抽出した。分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(C−71)を2.04g得た。融点184℃。
【0082】
実施例1
アゾ顔料(B−1、Cp=A−21)1重量部及びポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200)1重量部をテトラヒドロフラン100重量部と混合し、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に2時間分散した。こうして得た分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に例示化合物(C−03)を、ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重量比で混合し、ジクロロエタンを溶媒として10重量%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚約20μmの電荷輸送層を形成した。乾燥後にこの層を観察したところ、有機光導電性材料の結晶析出は全く見られなかった。
【0083】
この様にして作製した積層型感光体について、静電記録試験装置(川口電機製SP−428)を用いて電子写真特性の評価を行なった。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo.3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min)。その結果、帯電電位(V0)が−780V、半減露光量(E1/2)が0.8ルックス・秒と高感度の値を示した。
【0084】
更に同装置を用いて、帯電−除電(除電光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクルとする繰返し使用に対する特性評価を行った。5000回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1回目の帯電電位(V0)−780Vに対し、5000回目の帯電電位(V0)は−760Vであり、繰返しによる電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。また、1回目の半減露光量(E1/2)0.8ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量(E1/2)は0.8ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
【0085】
実施例2〜48
実施例1のアゾ顔料(B−1、Cp=A−21)及び例示化合物(C−03)の代わりに、それぞれ表15、表16に示すアゾ顔料及び有機光導電性材料を用いた他は、実施例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表15、表16に示す。なおこれらの感光体においても実施例1と同様に、乾燥後に有機光導電性材料の結晶析出は全く認められなかった。
【0086】
【表15】
【0087】
【表16】
【0088】
実施例49
アゾ顔料(B−1、Cp=A−21)1重量部とテトラヒドロフラン40重量部を、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に8時間分散処理した。こうして得た分散液に、例示化合物(C−03)を2.5重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学製PCZ−200)10重量部、テトラヒドロフラン60重量部を加え、更にペイントコンディショナー装置で30分間分散処理を行った後、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布し、膜厚約15μmの感光層を形成した。乾燥後、この層を観察したところ、有機光導電性材料の結晶析出は全く認められなかった。この感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして評価した。ただし、印加電圧のみ+5kVに変更した。その結果、1回目の帯電電位(V0)+550V、半減露光量(E1/2)1.2ルックス・秒、5000回繰り返し後の帯電電位(V0)+550V、半減露光量(E1/2)1.2ルックス・秒と、高感度でしかも変化の少ない、優れた特性を示した。
【0089】
実施例50〜96
実施例49のアゾ顔料(B−12、Cp=A−21)及び例示化合物(C−03)の代わりに、それぞれ表17、表18に示すアゾ顔料及び有機光導電性材料を用いた他は、実施例49と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果、表18を表17に示す。なお、これらの感光体においても、実施例49と同様に、有機光導電性材料の結晶析出は全く認められなかった。
【0090】
【表17】
【0091】
【表18】
【0092】
実施例97〜107
実施例1のアゾ顔料の代わりにCuKα1.541オングストロームのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が、9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°に主要なピークを示すX線回折スペクトルを有するチタニルオキシフタロシアニン(Y型チタニルオキシフタロシアニン)を、例示化合物(C−03)の代わりにそれぞれ表19に示す有機光導電性材料を用いた他は、実施例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表19に示す。また、これらの感光体においても実施例1と同様、有機光導電性材料の結晶析出は全く認められなかった。
【0093】
【表19】
【0094】
実施例108〜118
実施例49のアゾ顔料の代わりにY型チタニルオキシフタロシアニンを、例示化合物(C−03)の代わりにそれぞれ表20に示す有機光導電性材料を用いた他は、実施例49と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表20に示す。また、これらの感光体においても、実施例49と同様、有機光導電性材料の結晶析出は全く認められなかった。
【0095】
【表20】
【0096】
【化27】
【0097】
比較例1
電荷輸送物質として例示化合物(C−03)の代わりに上記に示す比較化合物(7)を用いた他は、実施例1と同様の操作で感光体を作製しようとしたところ比較化合物(7)は結晶性が高く、溶媒であるジクロロエタンに完全に溶解しなかった。この塗液を用いて作製した感光体の特性を評価した結果、帯電電位は(V0)−220V、半減露光量(E1/2)は3.5ルックス・秒と帯電電位の低下、並びに感度の低下がみられた。
【0098】
【化28】
【0099】
比較例2
電荷輸送物質として例示化合物(C−03)の代わりに上記に示す比較化合物(8)を用いた他は、実施例1と同様の操作で感光体を作製しようとしたところ比較化合物(8)は結晶性が高く、溶媒であるジクロロエタンに完全に溶解しなかった。この塗液を用いて作製した感光体の特性を評価した結果、帯電電位は(V0)−240V、半減露光量(E1/2)は3.8ルックス・秒と帯電電位の低下、並びに感度の低下がみられた。
【0100】
比較例3
電荷輸送物質として例示化合物(C−03)の代わりに上記に示す比較化合物(7)を用いた他は、実施例49と同様の操作で感光体を作製しようとしたところ比較化合物(7)は結晶性が高く、溶媒であるテトラヒドロフランに完全に溶解しなかった。この塗液を用いて作製した感光体の特性を評価した結果、帯電電位は(V0)+200V、半減露光量(E1/2)は2.9ルックス・秒と帯電電位の低下、並びに感度の低下がみられた。
【0101】
比較例4
電荷輸送物質として例示化合物(C−03)の代わりに上記に示す比較化合物(7)を用いた他は、実施例49と同様の操作で感光体を作製しようとしたところ比較化合物(7)は結晶性が高く、溶媒であるテトラヒドロフランに完全に溶解しなかった。この塗液を用いて作製した感光体の特性を評価した結果、帯電電位は(V0)+150V、半減露光量(E1/2)は3.7ルックス・秒と帯電電位の低下、並びに感度の低下がみられた。
【0102】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の有機光導電性材料を用いれば高感度で高耐久性を有し、安定した被膜を形成することが可能な優れた電子写真感光体を提供することができる。
Claims (3)
- 下記一般式(1)、または(2)で示される化合物を含有することを特徴とする有機光導電性材料。
- 導電性支持体上に上記一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料を含む感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
- 感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有し、この電荷輸送物質が上記一般式(1)、または(2)で示される有機光導電性材料であることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
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