JP3608942B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪化粧料、特にスタイリング持続効果、染毛料の色持ち効果、使用感の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、毛髪を好みの形にスタイリングするために様々なスタイリング剤が開発されている。
また、毛髪を好みの色にカラーリングするために、簡便にしかも毛髪を痛めることなく染めることができるカラースプレー等の一時染毛料や、酸性染毛料等の半永久染毛料が日常的に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のヘアスタイリング剤ではスタイリングの持続性と良好な使用感を兼ね備えているものは非常に少ない。また、一時染毛料や酸性染毛料においては、顔料や酸性染料により染色しているため、酸化染毛料に比べて髪へのダメージは少ないものの、シャンプー等による色落ちが著しく、その色持ちを持続させることが望まれている。
【0004】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑み成されたものであり、その目的は、スタイリング持続効果が高く、しかも手触りを非常に滑らかに改善すること、特に、一時染毛料や酸性染毛料で染色された染色毛のシャンプーによる色落ちを抑制し、色持ちを向上することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するシリコーン化多糖化合物を配合することにより、優れたスタイリング持続効果が発揮されることが判明した。また、使用感においてはなめらかさが向上し、しかも、そのなめらかさはシャンプー後も持続することも判明した。さらに、このシリコーン化多糖化合物を一時染毛料や酸性染毛料で染色された毛髪にシャンプー前に塗布したり、あるいはこれらの染毛料にシリコーン化多糖化合物を配合することにより、その色持ちが向上することをも見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる染色毛の処理方法は、下記一般式(I)で示されるシリコーン化多糖化合物を配合した染色毛処理剤を、一時染毛料及び/又は酸性染毛料で染色後乾燥して得られた染色毛に、シャンプー洗髪前に塗布することを特徴とする。
【0006】
【化3】
一般式(I):
Figure 0003608942
(一般式(I)中、Gluは多糖化合物の糖残基、Pはカルバモイル基、−CH CH(OH)−、カルボニル基、アミノ基及びエーテル基から選ばれる2価の結合基、Qは主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有することができ、また、ヒドロキシ基、アルコキシ基及びアルキル基から選ばれる置換基を有することができる総炭素数2〜8の2価アルキレン基を意味し、Rは炭素数1〜8の1価有機基、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基又は−OSiRで示されるシロキシ基を意味する。ただし、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基であり、aは0、1又は2、bは正の整数を意味する。なお、炭素数1〜8の1価有機基とは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基及びフッ化アルキル基から選ばれる炭素数1〜8の基を意味する。
【0007】
なお、本発明において、Pが−CONH−基であることが好適である。
また、Gluがプルランのグルコース残基であることが好適である。
また、a=0で、R、R、Rがメチル基であることが好適である。
また、Qが−(CH−で示される基であることが好適である。
また、シリコーン化多糖化合物が下記一般式(II)で示されるシリコーン化プルランであることが好適である。
【0008】
【化4】
一般式(II):
Figure 0003608942
(一般式(II)中、Bは水素原子または−CONH(CHSi[OSi(CH]で示される基であり、その置換度は0.5〜2.5、cは100〜20,000の数である。)
【0009】
また、本発明にかかる染毛料は、前記何れかに記載のシリコーン化多糖類化合物と、顔料及び/又は酸性染料を配合したことを特徴とする
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の毛髪化粧料、すなわち染色毛処理剤又は染毛料に配合されるシリコーン化多糖化合物は前記一般式(I)で示される。
一般式(I)において、Gluは多糖化合物の糖残基を表すが、このような多糖化合物としては、公知の各種多糖化合物を用いることができ、例えば、セルロース、ヘミセルロース、アラビアガム、トラガントガム、タマリンドガム、ペクチン、デンプン、マンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸の他、これら多糖化合物の誘導体、例えば、カルボキシメチル化、硫酸化、リン酸化、メチル化、エチル化、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの付加、アシル化、カチオン化、低分子量化等を行った多糖化合物誘導体が挙げられる。これらの内、好ましくはエチルセルロース又はプルランであり、特に好ましくはプルランである。なお、本発明において多糖化合物の平均分子量は多糖化合物の種類により異なるが、通常約1,000〜5,000,000が好ましい。
【0011】
これらの多糖化合物はその種類に応じて水酸基、カルボキシル基等の反応性官能基の1種又は2種以上を少なくとも1つ以上含有している。Pで示される2価結合基は、この多糖化合物の有する反応性官能基と、下記一般式(III)で示されるシリコーン化合物とを反応させることにより形成されるA由来の結合基である。
【0012】
【化5】
一般式(III):
Figure 0003608942
【0013】
一般式(III)中、Q、R、R、R、R及びaは前記一般式(I)と同じである。また、Aは多糖化合物の反応性官能基と反応しうる官能基であり、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられる。
なお、このようなシリコーン化合物と多糖化合物との反応には、従来より公知の方法、例えば特開平8−134103号公報に記載の方法を用いることができる。
【0014】
Pを例示すると、カルバモイル基、−CHCH(OH)−、カルボニル基、アミノ基、エーテル基等が挙げられるが、反応性の点から、Aがイソシアネート基(O=C=N−)である前記一般式(III)の化合物と、多糖化合物の水酸基が反応して形成されるカルバモイル基(−CONH−)が好ましい。なお、この場合の多糖化合物の糖残基は、イソシアネート基と反応している水酸基の水素原子を除いた多糖化合物の残り部分を意味する。また、その他の反応の場合にも、多糖化合物の糖残基とはこれに準ずるものを意味する。
【0015】
Qで示される2価の脂肪族基としては、アルキレン基、主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有するアルキレン基、主鎖中にフェニレン基等のアリーレン基を有するアルキレン基、主鎖中にカルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有するアルキレン基を挙げることができる。これらの2価脂肪族基はヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基等の置換基を有することができ、また、脂肪族基の末端原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子であってもよい。Qを例示すると、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−[CHCH(CH)]−、−(CHO(CH−、−CHCH(OH)−CH−等が挙げられるが、好ましくは−(CH−で示されるプロピレン基である。
【0016】
前記一般式(I)において、R、R、R、R、R、R及びRに見られる炭素数1〜8の1価有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、3,3,3−トルフロロプロピル基等のフッ化アルキル基等を例示することができる。このような有機基として好ましいものはアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
【0017】
また、R、R、Rはそれぞれ−OSiRで示されるシロキシ基であってもよい。このようなシロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、エチルジメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキシ基等が例示される。また、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なっていても良い。本発明のシリコーン化多糖化合物においては、a=0で、R、R、及びRがメチル基であることが好ましい。
【0018】
本発明において、特に好ましいシリコーン化多糖化合物は前記一般式(II)で示されるシリコーン化プルランである。
なお、本発明において、シリコーン化多糖化合物の置換度は多糖化合物の構成糖1単位当たりのシリコーン化合物の平均結合数を意味する。例えば、上記シリコーン化プルランの置換度は、下記一般式(IV)で示されるプルランの基本単位についた置換基−CONH(CHSi[OSi(CH]の平均数を指す。
【0019】
【化6】
一般式(IV):
Figure 0003608942
【0020】
シリコーン化多糖化合物を配合する場合、溶媒として低分子量シリコーン油、又は軽質イソパラフィンに溶解して用いると、配合のしやすさが高まるとともに、これら油分の揮発後はシリコーン化多糖化合物の被膜が強固に形成されるので、スタイリング持続効果や染色持ちを高めることができる。また、使用感も向上する。低分子量シリコーン油としては、炭素数2〜7の直鎖状ジメチルポリシロキサンや炭素数3〜7の環状ジメチルポリシロキサンが好適である。
【0021】
本発明にかかる毛髪化粧料において、シリコーン化多糖化合物の配合量は特に限定されないが、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%である。シリコーン化多糖化合物の配合量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎる場合にはべたつきを生じたり、使用感が重くなることがある。
【0022】
本発明の毛髪化粧料においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば通常化粧料に配合される成分を配合しても良い。例えば、界面活性剤、保湿剤、紫外線防御剤、pH調製剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、被膜形成剤、油性成分、高分子化合物、噴射剤等が挙げられる。
また、本発明の毛髪化粧料において、前記シリコーン化多糖化合物とともに顔料及び/又は酸性染料を配合した染毛料が好適である。
【0023】
酸性染料としては、具体的には人体に対して有害な作用を示さない医薬品、医薬部外品及び化粧品の着色に使用することが許可されている「医薬品等に使用する事のできるタール色素を定める省令」に掲示されている法定色素を用いることができる。例えば、赤色3号(エリスロシン)、赤色102号(ニューコクシン)、赤色106号(アシッドレッド)、赤色201号(リソールルビンB)、赤色227号(ファストアシッドマゲンタ)、赤色230号の(1)(エリスロシンYS)、赤色203号の(2)(エリスロシンYSK)、赤色231号(フロキシンBK)、赤色232号(ローズベンガルK)、赤色401号(ビオラミンR)、赤色502号(ボンソー3R)、赤色503号(ボンソーR)、赤色504号(ボンソーSX)、赤色506号(ファストレッドS)、黄色202号の(2)(ウラニンK)、黄色4号(タートラジン)、黄色402号(ポーラエロー5G)、黄色403号の(1)(ナフトールエローS)、黄色406号(メタニールエロー)、緑色3号(ファーストグリーンFCF)、緑色201号(アリザリンシアニングリーンF)、緑色204号(ピラニンコンク)、緑色205号(ライトグリーンSF黄)、緑色401号(ナフトールグリーンB)、緑色402号(ギネアグリーンB)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)、青色202号(パテントブルーNA)、青色205号(アルファズリンFG)、褐色201号(レゾルシンブラウン)、紫色401号(アリズロールパープル)、黒色401号(ナフトールブルーブラック)等が挙げられる。
【0024】
本発明で用いられる顔料は、有機顔料、無機顔料の他、レーキを用いることができる。
有機顔料としては、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料等の他、βカロチンカルサミン、コチニール等の有機色素が挙げられる。
【0025】
無機顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック等等の着色顔料の他、マイカ、タルク、カオリン等の体質顔料、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、雲母チタン、魚鱗箔等のパール顔料、窒化ホウ素、ホトクロミック顔料、合成フッ素金雲母、微粒子複合粉体等の特殊機能性顔料等が挙げられる。
【0026】
レーキとしては、赤色202号、204号、206号、207号、220号等のレーキ顔料の他、アルミニウムレーキ等の染料レーキが挙げられる。
顔料、酸性染料の配合量は、求める着色性に応じて適宜決定することが可能であり、特に制限されないが、通常0.01〜20重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。顔料や染料が多すぎると二次付着を生じやすくなる。
【0027】
本発明のシリコーン化多糖化合物は、高湿度下でも毛髪のスタイリングを持続させる効果を有する。また、毛髪の損傷部位を修復して平滑性を高め、使用感をなめらかなものとすることができる。そして、このようななめらかさはシャンプー後も持続性を有している。さらに、シリコーン化多糖化合物を一時染毛料や酸性染毛料で染色した毛髪に塗布すると、シャンプーによる色落ちが抑制され、色持ちが向上する。この色落ち抑制効果は、シリコーン化多糖化合物を一時染毛料や酸性染毛料に配合した場合にも認められる。
【0028】
本発明にかかる毛髪化粧料の剤型は特に限定されず、本発明の効果を発揮し得る形態であればどのようなものでも良い。例えば、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、ミスト、スプレー、エアゾール、ムース等が挙げられる。
以下、具体例を挙げて本発明を説明する。なお、配合量は特に指定のない限り重量%で示す。
【0029】
試験例1 スタイリング持続効果
(試験方法)
重さ8g、長さ24cmの毛束に、セット樹脂であるポリビニルピロリドンのエタノール溶液(3%)1gを塗布し、ロッドに巻き付けて乾燥させ、カールさせた(コントロール)。このカールした毛束に、シリコーン化プルランの軽質イソパラフィン溶液(0.5%、1%)をそれぞれ0.5g塗布し、乾燥させた。
コントロール及びシリコーン化プルラン塗布の毛束を恒温槽(30℃、90%RH)に入れ、カールの長さを経時的に測定し、カールの持続率(%)を下記の計算式に従って算出した。なお、計算式中の長さの単位はcmである。
持続率=(24−t時間後の長さ)/(24−カール直後の長さ)×100
【0030】
(結果)
図1からわかるように、シリコーン化プルランを塗布した場合には、湿度90%という過酷な条件下においても毛髪のカールを長時間維持することができる。よって、本発明の毛髪化粧料は、優れたスタイリング持続効果を有している。
【0031】
試験例2 使用感
(試験方法)
下記表1の処方で試料液を調製し、毛髪に塗布した。乾燥後の手触り(なめらかさ)について、シリコーン化プルラン無配合の試料液1をコントロールとして下記の基準により評価した。また、試料液1〜5を塗布した毛髪について、シャンプー洗髪、自然乾燥を毎日行い、1週間後のなめらかさについても下記の基準により評価した。
【0032】
◎:コントロールよりも非常に良い。
○:コントロールよりもやや良い。
△:コントロールと同等。
×:コントロールよりも劣る。
【0033】
(結果)
【表1】
Figure 0003608942
【0034】
表1より明らかなように、シリコーン化プルランを配合した試料液2〜5を塗布した場合には、シリコーン化プルラン無配合の試料液1に比べてなめらかさが向上し、また、シャンプー後もそのなめらかさが持続した。
図2、3は、それぞれ、上記試料塗布前、試料4塗布後の毛髪表面の顕微鏡写真である(キーエンス社製、表面形状測定顕微鏡VF−7500使用)。写真中の白線は、毛髪表面の凸凹の状態を示している。
【0035】
これらからわかるように、凸凹が大きかった毛髪表面が、シリコーン化プルランの塗布により、その平滑性が明らかに向上している。よって、シリコーン化プルランは毛髪の損傷を修復し、平滑性を高める効果を有していることが理解される。
【0036】
試験例3 染色持ち
(試験方法)
白髪ストランドを酸性染料(黒)で15分間染色後、水で洗い流し、自然乾燥した。このストランドに試料液6〜10をそれぞれ塗布し、その後シャンプー洗髪、自然乾燥を5回繰り返し、色落ちの状態を目視により判定した。なお、コントロールは、試料液6(シリコーン化プルラン無配合)を塗布したストランドをシャンプー、自然乾燥を5回繰り返したものである。
【0037】
◎:コントロールよりも非常に良い。
○:コントロールよりもやや良い。
△:コントロールと同等。
×:コントロールよりも劣る。
【0038】
(結果)
【表2】
Figure 0003608942
【0039】
表2からわかるように、シリコーン化プルランを塗布した場合(試料7〜10)には、シリコーン化プルランを配合しなかった場合(試料)に比べて耐シャンプー性があり、色持ちが向上した。なお、酸性染毛料で染色した毛髪の代わりに一時染毛料で染毛した毛髪を用いた場合にも同じ傾向が認められた。
従って、本発明にかかる染色毛処理剤は、染色毛に塗布することにより、その色持ちを高めることができる。
【0040】
【表3】
Figure 0003608942
(製法)
シリコーン化プルランの軽質イソパラフィン溶液及び顔料のエタノール分散液を混合し、香料を添加して、一時染毛料を調製した。
【0041】
表3はシリコーン化プルランを配合した一時染毛料11〜15で白髪ストランドを染色後、シャンプー洗髪、自然乾燥を5回繰り返し、色落ちの状態を目視により判定した結果である。なお、コントロールは、試料液11(シリコーン化プルラン無配合)を塗布したストランドをシャンプー、自然乾燥を5回繰り返したものであり、評価基準は前記と同じである。
【0042】
表3からわかるように、シリコーン化プルランと顔料を配合した一時染毛料は、シリコーン化プルランを配合しなかった場合に比べて耐シャンプー性を有し、色持ちが向上した。なお、このような傾向は顔料の代わりに酸性染料を用いた場合も同様であった。
従って、シリコーン化多糖化合物を顔料及び/又は酸性染料と併用することにより、色持ちや使用感が極めて良好な染毛料とすることができる。なお、このような効果はシリコーン化プルランの配合量の増加に伴って増大し、シリコーン化プルランの配合量は0.01重量%以上、好ましくは0.2重量%以上である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は全て重量%である。
実施例1〜3 カラースプレー
【0044】
【表4】
Figure 0003608942
【0045】
(製法)
シリコーン化プルランの軽質イソパラフィン溶液及び顔料のエタノール分散液を混合し、香料を添加して、カラースプレーを調製した。
何れの実施例もシリコーン化プルランを配合しなかった比較例1に比べて色持ちや手触りがよく、また、そのなめらかな使用感はシャンプー後も持続した。
【0046】
実施例4〜6 ヘアミスト
【表5】
Figure 0003608942
【0047】
(製法)
シリコーン化プルランをジメチルポリシロキサン、軽質イソパラフィンに溶解し、エタノールを混合して、ヘアミストを調製した。
何れの実施例もシリコーン化プルランを配合しなかった比較例2に比べてスタイリング持続効果や手触りがよく、また、なめらかさについてはシャンプー後もその効果が持続した。
【0048】
実施例7 へアフォーム
Figure 0003608942
【0049】
(製法)
各油分を混合してシリコーン化プルラン及びシリコンゴムを溶解し、カチオン化セルロース、POE硬化ひまし油の水溶液と混合し、ホモミキサーで乳化した。充填は、缶に原液を充填し、バルブ装着後、ジメチルエーテルガスを充填し、ヘアフォームを得た。
本ヘアフォームはシリコーン化プルランを配合しなかったものに比べて色持ちや手触りがよく、また、そのなめらかな使用感がシャンプー後も持続した。
【0050】
実施例8 ヘアスプレー
Figure 0003608942
【0051】
(製法)
シリコーン化プルランを軽質イソパラフィンに溶解し、他の成分を混合した。実施例7と同様に充填してヘアスプレーを得た。
本ヘアスプレーはシリコーン化プルランを配合しなかったものに比べてスタイリング持続効果や手触りがよく、また、そのなめらかな使用感はシャンプー後も持続した。また、一時染毛料や酸性染毛料で染色した毛髪に塗布することにより、シャンプー後の色持ちを高めることができた。
【0052】
実施例9 ヘアローション
Figure 0003608942
【0053】
(製法)
シリコーン化プルランを軽質イソパラフィンに溶解し、他の成分を混合した。本ヘアスプレーはシリコーン化プルランを配合しなかったものに比べてスタイリング持続効果や手触りがよく、また、そのなめらかな使用感はシャンプー後も持続した。また、一時染毛料や酸性染毛料で染色した毛髪に塗布することにより、シャンプー後の色持ちを高めることができた。
【0054】
実施例10 ヘアクリーム
Figure 0003608942
【0055】
(製法)
油相を加熱溶解し、80℃に調整する。水相を加熱して80℃に調整し、攪拌しながらホモジナイザーを用いて乳化した。冷却を行い、30℃になったところで苛性ソーダを加え、均一になるまで攪拌し、ヘアクリームを得た。
本ヘアクリームは、シリコーン化プルランを配合しなかったものに比べてスタイリング持続効果や手触りがよく、また、そのなめらかな使用感はシャンプー後も持続した。また、一時染毛料や酸性染毛料で染色した毛髪に塗布することにより、シャンプー後の色持ちを高めることができた。
【0056】
【発明の効果】
本発明にかかる毛髪化粧料は、シリコーン化プルランを配合することにより、毛髪のスタイリング持続効果、染色持ち、使用感を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる毛髪化粧料のスタイリング持続性を示す図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる毛髪化粧料を塗布する前の毛髪表面の顕微鏡写真である。
【図3】本発明の一実施例にかかる毛髪化粧料を塗布した後の毛髪表面の顕微鏡写真である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で示されるシリコーン化多糖化合物を配合した染色毛処理剤を、一時染毛料及び/又は酸性染毛料で染色後乾燥して得られた染色毛に、シャンプー洗髪前に塗布することを特徴とする染色毛の処理方法。
    【化1】
    一般式(I):
    Figure 0003608942
    (一般式(I)中、Gluは多糖化合物の糖残基、Pはカルバモイル基、−CHCH(OH)−、カルボニル基、アミノ基及びエーテル基から選ばれる2価の結合基、Qは主鎖中に酸素原子、窒素原子、硫黄原子、フェニレン基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を有することができ、また、ヒドロキシ基、アルコキシ基及びアルキル基から選ばれる置換基を有することができる総炭素数2〜8の2価アルキレン基を意味し、Rは炭素数1〜8の1価有機基、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基又は−OSiRで示されるシロキシ基を意味する。ただし、R、R、Rはそれぞれ炭素数1〜8の1価有機基であり、aは0、1又は2、bは正の整数を意味する。なお、炭素数1〜8の1価有機基とは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基及びフッ化アルキル基から選ばれる炭素数1〜8の基を意味する。)
  2. 請求項1記載の方法において、Pが−CONH−基であることを特徴とする染色毛の処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法において、Gluがプルランのグルコース残基であることを特徴とする染色毛の処理方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の方法において、a=0で、R、R、Rがメチル基であることを特徴とする染色毛の処理方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の方法において、Qが−(CH−で示される基であることを特徴とする染色毛の処理方法。
  6. 請求項1記載の方法において、シリコーン化多糖化合物が下記一般式(II)で示されるシリコーン化プルランであることを特徴とする染色毛の処理方法。
    【化2】
    一般式(II):
    Figure 0003608942
    (一般式(II)中、Bは水素原子または−CONH(CHSi[OSi(CH]で示される基であり、その置換度は0.5〜2.5、cは100〜20,000の数である。)
  7. 前記一般式 (I) で示されるシリコーン化多糖化合物と、顔料及び/又は酸性染料を配合したことを特徴とする染毛料。
  8. 請求項7記載の染毛料において、Pが−CONH−基であることを特徴と する染毛料。
  9. 請求項7又は8記載の染毛料において、Gluがプルランのグルコース残基であることを特徴とする染毛料。
  10. 請求項7〜9の何れかに記載の染毛料において、a=0で、R 、R 、R がメチル基であることを特徴とする染毛料。
  11. 請求項7〜10の何れかに記載の染毛料において、Qが−(CH −で示される基であることを特徴とする染毛料。
  12. 請求項7記載の染毛料において、シリコーン化多糖化合物が前記一般式 (II) で示されるシリコーン化プルランであることを特徴とする染毛料。
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